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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149390
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
H01G4/30 201D
H01G4/30 201F
H01G4/30 516
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024023170
(22)【出願日】2024-02-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0045008
(32)【優先日】2023-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、テクジュン
(72)【発明者】
【氏名】オー、ボムソク
(72)【発明者】
【氏名】リー、ホジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュンテク
(72)【発明者】
【氏名】キム、オクナム
(72)【発明者】
【氏名】カン、スンヒュン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC03
5E001AC09
5E001AE01
5E001AE02
5E001AE03
5E001AE04
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC32
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG28
5E082JJ03
5E082JJ06
5E082JJ12
5E082JJ23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】内部電極と外部電極間の接合力を向上させ、接触不良を減らし、キャパシタの容量低下を防止することができる積層型キャパシタを提供する。
【解決手段】積層型キャパシタは、第1方向zに積層される誘電体層111及び誘電体層を挟んで互いに離隔して交番して積層される第1内部電極121及び第2内部電極122を含むキャパシタボディー110及びキャパシタボディーの第1方向に垂直な第2方向xに対向する第1面及び第2面にそれぞれ配置され、第1内部電極及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1外部電極130及び第2外部電極140を含み、第1内部電極は、キャパシタボディーの第1面から0.5μmから5μm突出する第1端部121aを含み、第2内部電極は、キャパシタボディーの第2面から0.5μmから5μm突出する第2端部122aを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に積層される誘電体層及び前記誘電体層を挟んで互いに離隔し、交番して積層される第1内部電極及び第2内部電極を含むキャパシタボディー、及び
前記キャパシタボディーの前記第1方向に垂直な第2方向に対向する第1面及び第2面にそれぞれ配置され、前記第1内部電極及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1外部電極及び第2外部電極を含み、
前記第1内部電極は、前記キャパシタボディーの前記第1面から0.5μmから5μm突出する第1端部を含み、
前記第2内部電極は、前記キャパシタボディーの前記第2面から0.5μmから5μm突出する第2端部を含む、積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記第1端部及び前記第2端部は、前記キャパシタボディーの前記第2方向に互いにずれるように配置され、前記キャパシタボディーの前記第1面及び前記第2面から交互に突出する請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記第1外部電極は、前記第1端部と接続されて電気的に連結し、
前記第2外部電極は、前記第2端部と接続されて電気的に連結する請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記第1外部電極は、
前記キャパシタボディーの表面に配置され、前記第1内部電極と接続される第1導電層、及び
前記第1導電層をカバーするように配置される第1内側メッキ層を含み、
前記第2外部電極は、
前記キャパシタボディーの表面に配置され、前記第2内部電極と接続される第2導電層、及び
前記第1導電層をカバーするように配置される第2内側メッキ層を含む請求項3に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記キャパシタボディーは、前記第1方向に対向する第3面及び第4面を含み、
前記第1導電層及び前記第2導電層は、
前記キャパシタボディーの前記第1面及び前記第2面にそれぞれ位置し、それぞれ前記第1端部及び前記第2端部と接続される接続部、及び
前記キャパシタボディーの少なくとも前記第3面の一部まで延びるバンド部を含む請求項4に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記第1外部電極は、
前記第1内側メッキ層をカバーするように配置される第1外側メッキ層をさらに含み、
前記第2外部電極は、
前記第2内側メッキ層をカバーするように配置される第2外側メッキ層をさらに含む請求項4に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記第1端部及び前記第2端部はメッキ層を含む請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記メッキ層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、錫(Sn)、及びパラジウム(Pd)のいずれか一つ以上を含む請求項7に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記キャパシタボディーの表面粗さは0.2μmから1μmである請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
前記第1方向に沿った厚さが150μm以下である請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
前記第1内部電極及び前記第2内部電極は、複数の第1内部電極及び第2内部電極を含む請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
前記キャパシタボディーは、
予め設定された大きさの前記第1方向に沿った厚さ、前記第2方向に沿った長さ、及び前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に沿った幅を有し、
前記キャパシタボディーの前記厚さは前記幅より小さい請求項1から11のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開始は、積層型キャパシタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタは、映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話等の様々な電子製品の印刷回路基板に装着されて電気を充電させたり、または放電させたりする役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
このような積層型キャパシタは、小型で高容量が保証されて実装が容易であるという長所により、様々な電子装置の部品として用いることができる。最近、電子装置の部品が小型化されることにより、積層型キャパシタの小型化及び高容量化に対する要求が高まっている。
【0004】
超小型積層型キャパシタは、内部電極の露出面積が狭く、内部電極と外部電極との間に接触不良が発生し、容量が低下する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内部電極と外部電極間の接合力を向上させ、接触不良を減らし、キャパシタの容量低下を防止することができる積層型キャパシタを提供しようとする。
【0006】
しかしながら、本発明の実施例らが解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれる技術的な思想の範囲で様々に拡張されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例による積層型キャパシタは、第1方向に積層される誘電体層及び前記誘電体層を挟んで互いに離隔し、交番して積層される第1内部電極及び第2内部電極を含むキャパシタボディー、及び前記キャパシタボディーの前記第1方向に垂直な第2方向に対向する第1面及び第2面にそれぞれ配置され、前記第1内部電極及び第2内部電極とそれぞれ接続される第1外部電極及び第2外部電極を含み、前記第1内部電極は、前記キャパシタボディーの前記第1面から0.5μmから5μm突出する第1端部を含み、前記第2内部電極は、前記キャパシタボディーの前記第2面から0.5μmから5μm突出する第2端部を含む。
【0008】
前記第1端部及び第2端部は、前記キャパシタボディーの前記第2方向に互いにずれるように配置され、前記キャパシタボディーの前記第1面及び第2面から交互に突出することができる。
【0009】
前記第1外部電極は、前記第1端部と接続されて電気的に連結し、前記第2外部電極は、前記第2端部と接続されて電気的に連結することができる。
【0010】
前記第1外部電極は、前記キャパシタボディーの表面に配置されて前記第1内部電極と接続する第1導電層、及び前記第1導電層をカバーするように配置される第1内側メッキ層を含み、前記第2外部電極は、前記キャパシタボディーの表面に配置されて前記第2内部電極と接続される第2導電層、及び前記第1導電層をカバーするように配置される第2内側メッキ層を含むことができる。
【0011】
前記キャパシタボディーは、前記第1方向に対向する第3面及び第4面を含み、前記第1導電層及び第2導電層は、前記キャパシタボディーの前記第1面及び第2面にそれぞれ位置し、それぞれ前記第1端部及び第2端部と接続される接続部、及び前記キャパシタボディーの少なくとも前記第3面の一部まで延びるバンド部を含むことができる。
【0012】
前記第1外部電極は、前記第1内側メッキ層をカバーするように配置される第1外側メッキ層をさらに含み、前記第2外部電極は、前記第2内側メッキ層をカバーするように配置される第2外側メッキ層をさらに含むことができる。
【0013】
前記第1端部及び第2端部はメッキ層を含むことができる。
【0014】
前記メッキ層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、錫(Sn)、及びパラジウム(Pd)のいずれか一つ以上を含むことができる。
【0015】
前記キャパシタボディーの表面粗さは0.2μmから1μmであり得る。
【0016】
前記第1方向に沿った厚さが150μm以下であり得る。
【0017】
前記第1内部電極及び第2内部電極は、複数の第1内部電極及び第2内部電極を含むことができる。
【0018】
前記キャパシタボディーは、予め設定された大きさの前記第1方向に沿った厚さ、前記第2方向に沿った長さ、及び前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に沿った幅を有し、前記キャパシタボディーの前記厚さは前記幅より小さくてもよい。
【発明の効果】
【0019】
実施例による積層型キャパシタによると、内部電極と外部電極間の接合力を向上させ、接触不良を減らし、キャパシタの容量低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】は、本発明の一実施例による積層型キャパシタを概略的に示す斜視図である。
図2】は、図1の積層型キャパシタに適用される第1内部電極及び第2内部電極をそれぞれ示す分解斜視図である。
図3】は、図1のIII-III´線に沿って切取った断面図である。
図4】は、図3のA部分を拡大して示す断面図である。
図5】は、図3のB部分を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付した図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳しく説明する。図面における本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、添付図面における一部構成要素は誇張されたり、省略されたりまたは概略的に示されたりし、各構成要素の大きさは実際の大きさを全く反映するものではない。
【0022】
添付した図面は、本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにすることであり、添付の図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物または代替物を含むと理解しなければならない。
【0023】
第1、第2等のように序数を含む用語は、様々な構成要素らを説明するために用いられるが、前記構成要素らは前記用語らにより限定されない。上記用語らは、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0024】
また、層、膜、領域、板等の部分が他の部分の「うえに」にまたは「上に」あるという時、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「直上に」あるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「うえに」または「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置するものであり、必ずしも重力反対方向の方に「うえに」または「上に」位置することを意味するものではない。
【0025】
明細書全体において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはその以上の他の特徴らや数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたことの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解しなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0026】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上から見た場合を意味し、「断面相」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た場合を意味する。
【0027】
また、明細書全体において、「連結する」という時、これは二つ以上の構成要素が直接的に連結することだけを意味するものではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に連結すること、物理的に連結するだけでなく、電気的に連結すること、または位置や機能により異なる名称らで呼ばれるが、一体であることを意味することができる。
【0028】
以下、本発明の実施例を明確に説明するためにキャパシタボディー(110)の方向を定義すれば、図面に示されるx、y及びzは、それぞれキャパシタボディー(110)の長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。ここにおけるz軸方向(厚さ方向)は、シート状の構成要素らの広い面(主面)に垂直な方向であり得るし、一例として、誘電体層(111)が積層される積層方向と同じ概念として用いられることができる。X軸方向(長さ方向)は、シート状の構成要素らの広い面(主面)に並んで延びる方向にz軸方向(厚さ方向)と概略的に垂直な方向になることができ、一例として、両側に第1外部電極(130)及び第2外部電極(140)が位置する方向であり得る。コ幅方向は、シート状の構成要素らの広い面(主面)に並んで延びる方向にz軸方向(厚さ方向)及びX軸方向(長さ方向)と概略的に垂直な方向であり得るし、シート状の構成要素らの長さ方向(L軸方向)の長さは、幅方向(W軸方向)の幅よりもっと大きくなることができる。
【0029】
したがって、誘電体層(111)及び第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)が積層される方向の第1方向はz軸方向(厚さ方向)であり、第1方向に垂直し互いに垂直な第2方向及び第3方向はそれぞれx軸方向(長さ方向)及びy軸方向(幅方向)であり得る。
【0030】
図1は、本発明の一実施例による積層型キャパシタを概略的に示す斜視図であり、図2の(a)及び図2の(b)は、図1の積層型キャパシタに適用される第1内部電極及び第2内部電極をそれぞれ示す分解斜視図であり、図3は、図1のIII-III´線に沿って切取った断面図である。
【0031】
図1から図5を参照すれば、本実施例による積層型キャパシタ(100)は、キャパシタボディー(110)と第1外部電極(130)及び第2外部電極(140)とを含む。本実施例による積層型キャパシタ(100)は、厚さ150μm以下の超小型キャパシタであり得る。積層型キャパシタ(100)の厚さは、z軸方向に沿って積層型キャパシタ(100)の上面の一地点から下面までの最大直線距離を測定した値であり得る。例えば、積層型キャパシタ(100)の厚さは、3次元測定器、顕微鏡(走査電子顕微鏡等)等を用いて測定することができる。
【0032】
キャパシタボディー(110)は、複数の誘電体層(111)をz軸方向に積層した後に焼成したものとして、キャパシタボディー(110)の互いに隣接する誘電体層(111)の間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を使用せずに確認することが困難であるほど一体化されることができる。
【0033】
キャパシタボディー(110)は、予め設定された大きさのz軸方向に沿った厚さ、x軸方向に沿った長さ、及びy軸方向に沿った幅を有し、厚さが幅より小さい凡そ六面体形状であり得る。キャパシタボディー(110)の表面粗さは0.2μmから1μmであり得る。但し、キャパシタボディー(110)の形状、寸法及び誘電体層(111)の積層数が本実施例の図面に示されたことに限定されるものではない。
【0034】
キャパシタボディー(110)の表面粗さは、キャパシタボディー(110)の表面から測定した粗さの平均値を意味することができる。キャパシタボディー(110)表面の平均粗さ(Ra)は、キャパシタボディー(110)表面に形成された複数の溝部の深さを測定した後、これの測定値らの算術平均値をそれぞれ計算することにより計測することができる。例えば、平均粗さ(Ra)は、粗さと表面形状を測定することができる3D測定器のMicro Profiler、接触式照度測定器等を用いて測定することができる。
【0035】
本実施例における説明の便宜のため、キャパシタボディー(110)のx方向に互いに対向する両面を第1面(1)及び第2面(2)に、第1面(1)及び第2面(2)と連結し、z方向に互いに対向する両面を第3面(3)及び第4面(4)に、第1面(1)及び第2面(2)と連結し、第3面(3)及び第4面(4)と連結し、y軸方向に互いに対向する両面を第5面(5)及び第6面(6)と定義する。また、本実施例における積層型キャパシタ(100)の実装面は、キャパシタボディー(110)の第3面(3)であり得る。
【0036】
誘電体層(111)は、高誘電率のセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)系セラミック粉末等を含むことができるが、十分な静電容量が得られる限り、本発明がこれに限定されるものではない。
【0037】
また、誘電体層(111)には、セラミック粉末と共に、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤及び分散剤等がさらに添加されることができる。セラミック添加剤は、例えば、遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)等が用いられることができる。
【0038】
このようなキャパシタボディー(110)は、キャパシタの容量形成に寄与する部分としてのアクティブ領域と、上下マージン部としてz軸方向に前記アクティブ領域の上下部にそれぞれ形成される上部及び下部カバー(112、113)を含むことができる。
【0039】
上部及び下部カバー(112、113)は、内部電極を含まないことを除いて、誘電体層(111)と同じ材質及び構成を有することができる。
【0040】
このような上部及び下部カバー(112、113)は、単一の誘電体層または二つ以上の誘電体層を前記アクティブ領域の上下面にそれぞれz軸方向に積層して形成することができ、基本的に物理的または化学的ストレスによる第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0041】
第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)は、互いに異なる極性を印加される電極であって、誘電体層(111)を挟んでz軸方向に沿って交互に配置され、一端がキャパシタボディー(110)の第1面(1)及び第2面(2)からそれぞれ突出することができる。言い換えると、第1内部電極(121)は、キャパシタボディー(110)の長さ方向の一端部面から突出する第1端部(121a)を含むことができる。また、第2内部電極(122)は、キャパシタボディー(110)の長さ方向の他端部面から突出する第2端部(122a)を含むことができる。第1端部(121a)及び第2端部(122a)は、キャパシタボディー(110)の長さ方向に互いにずれるように配置され、キャパシタボディー(110)の長さ方向に沿った両端部で交互に突出することができる。第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)は、複数の第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)を含むことができる。
【0042】
第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)は、第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)の間に配置された誘電体層(111)によって互いに電気的に絶縁することができる。
【0043】
このようにキャパシタボディー(110)の第1面(1)及び第2面(2)を通して交互に突出する第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)の端部は、後述するキャパシタボディー(110)の第1面及び第2面(1、2)に配置される第1外部電極(130)及び第2外部電極(140)とそれぞれ接続されて電気的に連結することができる。したがって、内部電極と外部電極間の接合力を向上させ、接触不良を減らし、積層型キャパシタ(100)の容量低下を防止することができる。
【0044】
上記のような構成により、第1外部電極(130)及び第2外部電極(140)に所定の電圧を印加すると、第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)の間に電荷が蓄積される。
【0045】
ここにおける積層型キャパシタ(100)の静電容量は、アクティブ領域でz軸方向に沿って互いに重なる第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)のオーバーラップされた面積に比例することになる。
【0046】
また、第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)を形成する材料は特に制限されない。例えば、第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、パラジウム-銀(Pd-Ag)合金等の貴金属材料、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)中の一つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。ここにおける前記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法等を用いることができ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0047】
第1外部電極(130)及び第2外部電極(140)は、互いに異なる極性の電圧が提供され、キャパシタボディー(110)のx軸方向の両端部に配置され、第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)の突出部分とそれぞれ接続されて電気的に連結することができる。例えば、第1外部電極(130)は、第1端部(121a)と接続されて電気的に連結し、第2外部電極(140)は、第2端部(122a)と接続されて電気的に連結することができる。
【0048】
その際、第1外部電極(130)は、キャパシタボディー(110)の表面に配置され、第1内部電極(121)と接続される第1導電層(131)と、第1導電層(131)をカバーするように配置される第1内側メッキ層(132)と、第1内側メッキ層(132)をカバーするように配置される第1外側メッキ層(133)を含むことができる。また、第2外部電極(140)は、キャパシタボディー(110)の表面に配置され、第2内部電極(122)と接続される第2導電層(141)と、第2導電層(141)をカバーするように配置される第2内側メッキ層(142)と、第2内側メッキ層(142)をカバーするように配置される第2外側メッキ層(143)を含むことができる。
【0049】
第1導電層(131)は、第1接続部(131a)と第1バンド部(131b)とを含むことができる。
【0050】
第1接続部(131a)は、キャパシタボディー(110)の第1面(1)に位置し、第1内部電極(121)の突出した部分と接続される部分であり得る。具体的には、第1接続部(131a)は、キャパシタボディー(110)の第1面(1)から突出した第1端部(121a)と接続されることができる。
【0051】
第1バンド部(131b)は、第1接続部(131a)からキャパシタボディー(110)の第3面(3)の一部まで延びる部分であり得る。ここにおける第1バンド部(131b)は、固着強度向上等のためにキャパシタボディー(110)の第5面(5)及び第6面(6)の一部及び第4面(4)の一部までさらに延びることができる。
【0052】
第2導電層(141)は、第2接続部(141a)と第2バンド部(141b)とを含むことができる。
【0053】
第2接続部(141a)は、キャパシタボディー(110)の第2面(2)に位置し、第2内部電極(122)の突出した部分と接続される部分であり得る。具体的には、第2接続部(141a)は、キャパシタボディー(110)の第2面(2)から突出した第2端部(122a)と接続されることができる。
【0054】
第2バンド部(141b)は、第2接続部(141a)からキャパシタボディー(110)の第3面(3)の一部まで延びる部分であり得る。ここにおける第2バンド部(141b)は、固着強度向上等のためにキャパシタボディー(110)の第5面(5)及び第6面(6)の一部及び第4面(4)の一部までさらに延びることができる。
【0055】
このような第1導電層(131)及び第2導電層(141)は、銅(Cu)、銀(Ag)のうちの少なくとも一つを含むことができ、これと共にガラス(Glass)及びエポキシ(Epoxy)等をさらに含むことができる。第1導電層(131)及び第2導電層(141)は、金属を含む導電性ペーストを塗布し、これを焼成して形成されることができる。
【0056】
例えば、第1内側メッキ層(132)及び第2内側メッキ層(142)は、ニッケル(Ni)とリン(P)とを含んで形成されることができる。また、第1内側メッキ層(132)及び第2内側メッキ層(142)は、第1導電層(131)及び第2導電層(141)上にニッケルとリンとを含む第1金属層をメッキして形成されることができる。第1内側メッキ層(132)及び第2内側メッキ層(142)は、それぞれ無電解メッキで形成されることができる。このように無電解メッキで第1内側メッキ層(132)及び第2内側メッキ層(142)を形成すれば、電解メッキに比べてメッキ性の特性が大きい差異がなしに、電解メッキで形成された被膜より優れた耐食性を有することができ、位置別に大体に同様にメッキが成長して均一のメッキ厚さを有することができる。
【0057】
また、電解メッキ方法は、バレルメッキ進行時に通電のためのスチールボール等のダミーを追加投入してメッキを進行することに反して、本実施例のように、無電解メッキを行うとダミーなしに被メッキ体のみメッキを進めることができるので、メッキ準備作業及びメッキ後の被メッキ体の不良選別作業をより容易に進めることができる。
【0058】
例えば、第1外側メッキ層(133)及び第2外側メッキ層(143)は、パラジウム(Pd)とリン(P)とを含んで形成されることができる。また、第1外側メッキ層(133)及び第2外側メッキ層(143)は、第1内側メッキ層(132)及び第2内側メッキ層(142)上にそれぞれ無電解メッキでパラジウムとリンとを含む第2金属層をメッキして形成されることができる。第1外側メッキ層(133)及び第2外側メッキ層(143)は、第1内側メッキ層(132)及び第2内側メッキ層(142)のニッケル成分が酸化することを防止する役割を果たすので、好ましくは酸化が少ない貴金属を含む材料を用いて薄く形成することができる。第1外側メッキ層(133)及び第2外側メッキ層(143)の厚さが厚くなると、メッキ層の割れ等の問題が発生する可能性が高くなり得る。このように無電解メッキで第1外側メッキ層(133)及び第2外側メッキ層(143)を形成すれば、電解メッキに比べてメッキ性の特性が大きい差異がなしに、電解メッキで形成された皮膜より優れた耐食性を有することができ、位置別に大体に同様にメッキが成長して均一のメッキ厚さを有することができる。
【0059】
図4は、図3のA部分を拡大して示す断面図であり、図5は、図3のB部分を拡大して示す断面図である。図4及び図5を参照すると、第1端部(121a)及び第2端部(122a)は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)等の金属中のいずれか一つ以上を含むメッキ層を含むことができる。第1端部(121a)及び第2端部(122a)は、キャパシタボディー(110)の両端部がレーザエッチング(etching)または化学エッチングされることにより、キャパシタボディー(110)から突出するように形成されることができる。
【0060】
第1端部(121a)がキャパシタボディー(110)の第1面(1)から突出した長さ(d1)は0.5μmから5μmであり得る。また、第2端部(122a)がキャパシタボディー(110)の第2面(2)から突出した長さ(d2)も同様に0.5μmから5μmであり得る。
【0061】
第1端部(121a)がキャパシタボディー(110)の第1面(1)から突出した長さ(d1)は、積層型キャパシタ(100)のy軸方向中央地点を通るx-z断面で、キャパシタボディー(110)の第1面(1)と第1端部(121a)が接する地点からx軸方向に沿って第1端部(121a)の一端まで連結した複数の線分の長さ中の最大値、最小値、または上述した複数の線分の長さの算術平均値であり得る。例えば、第1端部(121a)の長さは、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡等を用いて測定することができる。
【0062】
第2端部(122a)がキャパシタボディー(110)の第2面(2)から突出した長さ(d1)は、積層型キャパシタ(100)のy軸方向中央地点を通るx-z断面で、キャパシタボディー(110)の第2面(2)と第2端部(122a)が接する地点からx軸方向に沿って第2端部(122a)の一端まで連結した複数の線分の長さ中の最大値、最小値、または上述した複数の線分の長さの算術平均値であり得る。例えば、第2端部(122a)の長さは、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡等を用いて測定することができる。
【0063】
第1端部(121a)及び第2端部(122a)がキャパシタボディー(110)の端部面から突出した長さ(d1、d2)が0.5μm未満の場合には、第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)のそれぞれと第1外部電極(130)及び第2外部電極(140)間の接触不良が発生して電気的連結が低下することができ、積層型キャパシタ(100)の容量低下が発生することができる。また、第1端部(121a)及び第2端部(122a)がキャパシタボディー(110)の端部面から突出した長さ(d1、d2)が0.5μm未満の場合には、第1外部電極(130)及び第2外部電極(140)とキャパシタボディー(110)間の接合力が低下することができる。
【0064】
第1端部(121a)及び第2端部(122a)がキャパシタボディー(110)の端部面から突出した長さ(d1、d2)が5μmを超える場合には、第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)が第1導電層(131)及び第2導電層(141)を貫いて、第1内側メッキ層(132)及び第2内側メッキ層(142)と電気的に連結することができる。
【0065】
上述したように、第1端部(121a)及び第2端部(122a)がキャパシタボディー(110)の端部面から突出した長さ(d1、d2)が0.5μmから5μmの場合には、第1内部電極(121)及び第2内部電極(122)のそれぞれと第1外部電極(130)及び第2外部電極(140)間の電気的連結が向上して積層型キャパシタ(100)の容量を改善することができ、第1外部電極(130)及び第2外部電極(140)とキャパシタボディー(110)間の接合力を向上させることができる。
【0066】
以上を通じて本発明の望ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の説明及び添付した図面の範囲内で様々に変形して実施することが可能であり、これもまた、本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0067】
100:積層型キャパシタ
110:キャパシタボディー
121:第1内部電極
121a:第1端部
122:第2内部電極
122a:第2端部
130:第1外部電極
140:第2外部電極
図1
図2
図3
図4
図5