(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149399
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】積層型キャパシタおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20241010BHJP
H01G 2/24 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01G4/30 513
H01G4/30 517
H01G4/30 311E
H01G4/30 201F
H01G4/30 201K
H01G4/30 201L
H01G4/30 512
H01G4/30 515
H01G2/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024038337
(22)【出願日】2024-03-12
(31)【優先権主張番号】10-2023-0044775
(32)【優先日】2023-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コ、ヨンビン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AE04
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC40
5E082EE04
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082GG10
5E082MM26
5E082PP09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アコースティックノイズを減少し、量産効率が高い積層型キャパシタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】積層型キャパシタ10は、第1方向Tに交互に位置する複数の内部電極120、130を含むキャパシタボディー100、ベース電極220、320、導電性樹脂層240、340を含む外部電極200、300を含む。各外部電極は、キャパシタボディーの第3面100cと第4面100dを覆う接続部、接続部から延びキャパシタボディーの第5面と第6面の一部を覆う側面部、接続部から延び、キャパシタボディーの第1面の両端部の一部を覆う第1部分と、第1部分からの側面部に延びる第2部分を含む第1バンド部及び第2面の両端部の一部を覆い、側面部に延びる第2バンド部を含み、第1バンド部の第2部分に位置する導電性樹脂層は、第1方向に沿って第1部分よりも突出する突出部500を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に向き合う第1面と第2面、前記第1面と第2面を接続し、第2方向に向き合う第3面と第4面、および前記第1面と第2面を接続し、前記第3面と第4面を接続し、第3方向に向き合う第5面と第6面を有し、誘電体層と前記誘電体層を間において前記第1方向に交互に位置する第1内部電極および第2内部電極を含むキャパシタボディー、そして
前記キャパシタボディーの外側に位置し、前記第1内部電極および第2内部電極と接続されたベース電極、前記ベース電極の外側に位置する導電性樹脂層を含む外部電極を含み、
前記外部電極は、前記キャパシタボディーの前記第3面と第4面を覆う接続部、前記接続部から延び、前記キャパシタボディーの前記第5面と第6面の両端部の一部を覆う側面部、前記接続部から延び、前記キャパシタボディーの前記第1面の両端部の一部を覆う第1部分と、前記第1部分から前記側面部に延びる第2部分を含む第1バンド部、および前記接続部から延び、前記キャパシタボディーの前記第2面の両端部の一部を覆い、前記側面部に延びる第2バンド部を含み、
前記第1バンド部の前記第2部分に位置する前記導電性樹脂層は、前記キャパシタボディーの前記第1方向に沿って第1部分よりも突出する突出部を含む、積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記キャパシタボディーには、前記突出部に対応する突出部が形成されない、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記ベース電極の外表面から垂直な方向に前記導電性樹脂層の外表面まで測定した厚さにおいて、前記第1バンド部の前記第1部分に位置する前記導電性樹脂層の厚さの最大値は10μm以下である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記側面部は、前記接続部から延び、前記キャパシタボディーの前記第5面の両端部の一部を覆う第1側面部、および前記接続部から延び、前記キャパシタボディーの前記第6面の両端部の一部を覆う第2側面部を含み、
前記突出部は、前記第1側面部に延びる前記第1バンド部の前記第2部分から突出する第1突出部、および前記第2側面部に延びる前記第1バンド部の前記第2部分から突出する第2突出部を含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記第1突出部の固定端と前記第2突出部の固定端との間を前記第3方向に沿って測定した突出部間の距離は、前記第1バンド部を前記第3方向に沿って測定した前記第1バンド部の長さの80%以上および95%以下である、請求項4に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記突出部は、前記キャパシタボディーの前記第1面上に位置する部分を有する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記突出部を固定端から前記第2方向に沿って測定した幅は、前記突出部の固定端から前記第2方向に沿って測定した前記第1バンド部の幅と同じである、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記突出部を前記第1方向に沿って測定した突出部の高さは、前記第1バンド部の外表面から前記突出部の自由端まで前記第1方向に沿って測定した高さの5%以上および20%以下の範囲に属する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記キャパシタボディーは、前記第1面と前記第1内部電極または前記第2内部電極との間に位置するカバー領域を含み、
前記カバー領域は、前記第1内部電極と前記第2内部電極との間に位置する誘電体層と異なる色を有する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
前記カバー領域は、マグネシウムまたはバナジウムを含む、請求項9に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
前記第2バンド部に位置する前記導電性樹脂層は、前記第1方向に前記第1および第2突出部に対向する方向に突出する第3および第4突出部をさらに含む、請求項4に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
前記第3突出部および前記第4突出部は、前記第1突出部および前記第2突出部とそれぞれ対応となる、請求項11に記載の積層型キャパシタ。
【請求項13】
誘電体層を間において内部電極が積層され、前記内部電極が積層される第1方向に向き合う第1面と第2面が位置し、前記第1面と第2面を接続し、第2方向に向き合う第3面と第4面が位置するキャパシタボディーを形成し、
前記内部電極の層と接続するようにベース電極を形成し、
前記ベース電極上に導電性樹脂層用積層体を形成し、そして
前記キャパシタボディーの前記第1面に位置する前記導電性樹脂層用積層体の中心部を加圧して突出部を形成することを含む、積層型キャパシタの製造方法。
【請求項14】
前記突出部は、前記キャパシタボディーの第3方向に前記導電性樹脂層用積層体の両側面に形成される、請求項13に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項15】
前記導電性樹脂層用積層体は、エポキシを含む導電性ペーストを含み、
前記突出部を形成することは、前記導電性樹脂層用積層体が硬化する前に、平らな造形体を利用して前記導電性樹脂層用積層体を加圧することを含み、
前記導電性樹脂層用積層体を硬化して導電性樹脂層を形成することをさらに含む、請求項13に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項16】
前記造形体は、前記キャパシタボディーの前記第2方向に測定される前記導電性樹脂層の幅よりも広い幅を有する、請求項15に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項17】
前記造形体は、前記キャパシタボディーの第3方向に測定される前記導電性樹脂層の長さの80%以上および95%以下の長さを有する、請求項16に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項18】
前記導電性樹脂層用積層体は、エポキシを含む導電性ペーストを含み、
前記突出部を形成することは、前記導電性樹脂層用積層体を硬化した後、ラッピング(Lapping)を利用して削り取ることを含む、請求項13に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項19】
前記導電性樹脂層用積層体は、エポキシを含む導電性シート(sheet)を含み、
前記突出部を形成することは、前記導電性樹脂層用積層体を、ラッピング(Lapping)を利用して削り取ることを含む、請求項13に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層型キャパシタおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタ(MLCC)は、小型でありながら信頼性に優れた特徴を有しており、携帯性が重視されるスマートフォンなどの小型端末に主に使用されている。近年、電子機器の高性能・高集積化に伴い、セット内に使用される積層型キャパシタ(MLCC)の容量と数量が増加するにつれて、圧電性によるアコースティックノイズ(Acoustic Noise)の問題が重要視されている。
【0003】
積層型キャパシタ(MLCC)は、複数の誘電体層を挟んで異なる極性の内部電極が交互に積層された構造を有することができる。このような誘電体層は、圧電性及び歪性を有するため、積層型キャパシタ(MLCC)に電圧が印加されると、内部電極間に圧電現象が発生し、振動が現れることがある。このような振動は、積層型キャパシタ(MLCC)が実装された回路基板に伝達され、回路基板全体が音響反射面となり、アコースティックノイズ(Acoustic Noise)を発生させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施例の一側面は、アコースティックノイズを減少しつつ、量産効率が高く、生産費が節減できる積層型キャパシタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
しかし、実施例が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例による積層型キャパシタは、第1方向に向き合う第1面と第2面、前記第1面と第2面を接続し、第2方向に向き合う第3面と第4面、および前記第1面と第2面を接続し、前記第3面と第4面を接続し、第3方向に向き合う第5面と第6面を有し、誘電体層と前記誘電体層を間において前記第1方向に交互に位置する第1内部電極および第2内部電極を含むキャパシタボディー、そして、前記キャパシタボディーの外側に位置し、前記第1内部電極および第2内部電極と接続されたベース電極、前記ベース電極の外側に位置する導電性樹脂層を含む外部電極を含み、前記外部電極は、前記キャパシタボディーの前記第3面と第4面を覆う接続部、前記接続部から延びて前記キャパシタボディーの前記第5面と第6面の両端部の一部を覆う側面部、前記接続部から延びて前記キャパシタボディーの前記第1面の両端部の一部を覆う第1部分と、前記第1部分から前記の側面部まで延びる第2部分を含む第1バンド部、および前記接続部から延び、前記キャパシタボディーの前記第2面の両端部の一部を覆い、前記の側面部まで延びる第2バンド部を含み、前記第1バンド部の前記第2部分に位置する前記導電性樹脂層は、前記キャパシタボディーの前記第1方向に沿って第1部分よりも突出する突出部を含むことができる。
【0007】
前記キャパシタボディーには、前記突出部に対応する突出部が形成されない場合がある。
【0008】
前記ベース電極の外表面から垂直方向に前記導電性樹脂層の外表面まで測定した厚さにおいて、前記バンド部の前記第1部分に位置する前記導電性樹脂層の厚さの最大値は、10μm以下であってもよい。
【0009】
前記の側面部は、前記接続部から延び、前記キャパシタボディーの前記第5面の両端部の一部を覆う第1側面部、および前記接続部から延び、前記キャパシタボディーの前記第6面の両端部の一部を覆う第2側面部を含み、前記突出部は、前記第1側面部に延びる前記第1バンド部の前記第2部分から突出する第1突出部、および前記第2側面部から延びる前記第1バンド部の前記第2部分から突出する第2突出部を含むことができる。
【0010】
前記第1突出部の固定端と前記第2突出部の固定端との間を前記第3方向に沿って測定された突出部間の距離は、前記第1バンド部を前記第3方向に沿って測定した前記第1バンド部長さの80%以上および95%以下であってもよい。
【0011】
前記突出部は、前記キャパシタボディーの前記第1面上に位置する部分を有することができる。
【0012】
前記突出部を固定端から前記第2方向に沿って測定した幅は、前記突出部の固定端から前記第2方向に沿って測定した前記第1バンド部の幅と同一であることができる。
【0013】
前記突出部を前記第1方向に沿って測定した突出部の高さは、前記第1バンド部の外表面から前記突出部の自由端まで前記第1方向に沿って測定した高さの5%以上および20%以下の範囲に属することができる。
【0014】
前記キャパシタボディーは、前記第1面と前記第1内部電極または前記第2内部電極の間に位置するカバー領域を含み、前記カバー領域は、前記第1内部電極と前記第2内部電極の間に位置する誘電体層と異なる色を有することができる。
【0015】
前記カバー領域は、マグネシウムまたはバナジウムを含むことができる。
【0016】
前記第2バンド部に位置する前記導電性樹脂層は、前記第1方向に前記第1および第2突出部に対向する方向に突出する第3および第4突出部をさらに含むことができる。
【0017】
前記第3突出部および前記第4突出部は、前記第1突出部および前記第2突出部とそれぞれ対応することができる。
【0018】
一実施例による積層型キャパシタの製造方法は、誘電体層を間において内部電極が積層され、前記内部電極が積層される第1方向に向き合う第1面と第2面が位置し、前記第1面と第2面を接続し、第2方向に向き合う第3面と第4面が位置するキャパシタボディーを形成し、前記内部電極層と接続するようにベース電極を形成し、前記ベース電極上に導電性樹脂層用積層体を形成し、そして、前記キャパシタボディーの前記第1面に位置する前記導電性樹脂層用積層体の中心部を加圧して突出部を形成することを含むことができる。
【0019】
前記突出部は、前記キャパシタボディーの前記第3方向に前記導電性樹脂層用積層体の両側面に形成することができる。
【0020】
前記導電性樹脂層用積層体は、エポキシを含む導電性ペーストを含み、前記突出部を形成することは、前記導電性樹脂層用積層体が硬化する前に、平らな造形体を利用して前記導電性樹脂層用積層体を加圧することを含み、前記導電性樹脂層用積層体を硬化して導電性樹脂層を形成することをさらに含むことができる。
【0021】
前記造形体は、前記キャパシタボディーの第2方向に測定される前記導電性樹脂層の幅よりも広い幅を有することができる。
【0022】
前記造形体は、前記キャパシタボディーの第3方向に測定される前記導電性樹脂層の長さの80%以上および95%以下の長さを有することができる。
【0023】
前記導電性樹脂層用積層体は、エポキシを含む導電性ペーストを含み、前記突出部を形成することは、前記導電性樹脂層用積層体を硬化した後、ラッピング(Lapping)を利用して削り取ることを含むことができる。
【0024】
前記導電性樹脂層用積層体は、エポキシを含む導電性シート(sheet)を含み、前記突出部を形成することは、前記導電性樹脂層用積層体をラッピング(Lapping)を利用して削り取ることを含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
実施例による積層型キャパシタおよびその製造方法によれば、積層型キャパシタから基板に伝達される振動を抑制することができ、アコースティックノイズが減少しつつ、量産効率を担保することができ、生産費を節減することができる。
【0026】
しかし、実施例の効果が上述した効果に限定されるものではなく、本発明の思想および領域から逸脱しない範囲で多様に拡張できることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】一実施例による積層型キャパシタの外形を示した斜視図である。
【
図2】
図1に示す積層型キャパシタを示した底面斜視図である。
【
図3】
図1のIII-III'線に沿った断面図である。
【
図4】
図1のVI-VI'線に沿った断面図である。
【
図6】他の実施例による積層型キャパシタの外形を示した斜視図である。
【
図7】
図6のVII-VII'線に沿った断面図である。
【
図8】
図6のVIII-VIII'線に沿った断面図である。
【
図9】造形体を利用した積層型キャパシタの製造方法を説明するために示した斜視図である。
【
図10】ラッピング(Lapping)を利用した積層型キャパシタの製造方法を説明するために示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例を詳細に説明する。図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、添付図面において、一部の構成要素は誇張されたり、省略されたり、または概略的に示されており、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0029】
添付図面は、本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものであり、添付図面によって本明細書に開示された技術思想が限定されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0030】
第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用することができるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0031】
また、層、膜、領域、プレートなどの部分が他の部分の「上に」または「の上に」ある場合、これは他の部分の「直上に」ある場合だけでなく、その途中に別の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」にあると言うときは、真ん中に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上に」または「の上に」あるとは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上に」または「の上に」位置することを意味するものではない。
【0032】
明細書全体において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数値、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数値、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0033】
また、明細書全体において、「平面上」とは、対象部分を上から見たときのことを意味し、「断面上」とは、対象部分を垂直に切った断面を横から見たときのことを意味する。
【0034】
また、明細書全体において、「接続される」とするとき、これは、二つ以上の構成要素が直接的に接続されることだけを意味するのではなく、二つ以上の構成要素が他の構成要素を通じて間接的に接続されること、物理的に接続されるだけでなく、電気的に接続されること、または位置や機能に応じて異なる名称で言及されたが一体であることを意味することができる。
【0035】
図1は、一実施例による積層型キャパシタの外形を示した斜視図であり、
図2は、
図1に示す積層型キャパシタを示した底面斜視図であり、
図3は、
図1のIII-III'線に沿った断面図であり、
図4は、
図1のVI-VI'線に沿った断面図であり、
図5は、
図1のV-V'線に沿った断面図である。
【0036】
実施例を明確に説明するために方向を定義すれば、図面に表示されたL軸、W軸、T軸は、それぞれキャパシタボディー100の長さ方向、幅方向および厚さ方向に延びる軸を示す。ここで、厚さ方向(T軸方向)は、シート形状の構成要素の広い面に垂直な方向であり、一例として、誘電体層110が積層される積層方向と同じ概念で使用することができる。長さ方向(L軸方向)は、シート形状の構成要素の広い面に平行に延びる方向で、厚さ方向(T軸方向)と垂直な方向とすることができ、一例として両側に第1外部電極200および第2外部電極300が位置する方向とすることができる。幅方向(W軸方向)は、シート形状の構成要素の広い面に平行に延びる方向で、厚さ方向(T軸方向)および長さ方向(L軸方向)と垂直な方向とすることができる。
【0037】
図1~
図5を参照すれば、本実施例による積層型キャパシタ10は、キャパシタボディー100、複数の第1および第2内部電極120、130、そして第1および第2外部電極200、300を含む。
【0038】
キャパシタボディー100は、互いに交差する方向に沿って既設定大きさの長さ、幅、および厚さを有するおおよそ六面体形状であってもよいが、本発明がこれに限定されるものではない。一例として、キャパシタボディー100は、おおよそ直六面体形状であるが、角部や頂点に相当する部分が丸い形状であってもよい。また、キャパシタボディー100の形状、大きさおよび誘電体層110の積層数が本実施例の図面に示されたものに限定されるものではない。
【0039】
キャパシタボディー100は、第1方向、第2方向、および第3方向にそれぞれ向き合う面を有することができる。一例として、キャパシタボディー100は、第1方向に向き合う第1面と第2面、前記第1面と第2面を接続し、前記第2方向に向き合う第3面と第4面、および前記第1面と第2面を接続し、前記第3面と第4面を接続し、第3方向に向き合う第5面と第6面を有することができる。例えば、前記第1方向、前記第2方向、および前記第3方向は、互いに垂直であってもよい。
【0040】
本実施例では説明の便宜のために、キャパシタボディー100において、前記第1方向を厚さ方向(T軸方向)、前記第2方向を長さ方向(L軸方向)、そして前記第3方向を幅方向(W軸方向)と定義することにする。また、キャパシタボディー100において、厚さ方向(T軸方向)に互いに対向する両面は第1および第2面100a、100bと、第1および第2面100a、100bと接続され、長さ方向(L軸方向)に互いに対向する両面を第3および第4面100c、100dと、第1および第2面100a、100bと接続し、第3および第4面100c、100dと接続し、幅方向(W軸方向)に互いに対向する両面を第5および第6面100e、100fと定義することにする。一例として、
図1および
図2において、下面として示された第1面100aが実装方向に向く面とすることができる。また、第1面~第6面100a、100b、100c、100d、100e、100fは、平坦であることができるが、これに限定されるものではない。例えば、中央部が凸状の曲面であってもよく、各面の境界である角部はラウンド(round)されていてもよい。
【0041】
キャパシタボディー100は、複数の誘電体層110を厚さ方向(T軸方向)に積層した後、焼成したもので、複数の誘電体層110と誘電体層110を間において厚さ方向(T軸方向)に交互に配置される第1内部電極層120および第2内部電極層130を含む。この時、第1内部電極層120と第2内部電極層130は、互いに異なる極性を有することができる。
【0042】
キャパシタボディー100の互いに隣接するそれぞれの誘電体層110間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)を利用しなければ確認が困るほど一体化することができる。
【0043】
キャパシタボディー100は、アクティブ領域とカバー領域140、150を含むことができる(
図5参照)。
【0044】
前記アクティブ領域は、積層型キャパシタ1000の容量形成に寄与する部分である。一例として、前記アクティブ領域は、厚さ方向(T軸方向)に沿って積層される第1内部電極層121または第2内部電極層122がオーバーラップ(overlap)された領域であることができる。
【0045】
図5を参照すれば、カバー領域140、150は、マージン部として厚さ方向(T軸方向)にアクティブ領域の第1面100aおよび第2面100b側にそれぞれ位置することができる。このようなカバー領域140、150は、単一誘電体層110または二つ以上の誘電体層110がアクティブ領域の上面および下面にそれぞれ積層されたものであることができる。
【0046】
カバー領域140、150は、前記アクティブ領域と異なる色を有する部分を含むことができる。一例として、カバー領域140、150を形成する誘電体グリーンシートにマグネシウム(Mg)またはバナジウム(V)を添加して、他の誘電体グリーンシートと異なる色を持つようにすることができる。カバー領域140、150に前記アクティブ領域と異なる色を有する部分が含まれると、キャパシタボディー100形成後の工程で位置を見つけるのに役に立つことができ、基板に積層型キャパシタ1000を実装することもより容易になる。
【0047】
キャパシタボディー100は、側面カバー領域をさらに含むことができる。前記の側面カバー領域は、マージン部として幅方向(W軸方向)にアクティブ領域の第5面および第6面側(方)に位置することができる。前記の側面カバー領域は、誘電体グリーンシート表面に内部電極層形成用導電性ペースト層を塗布する時、誘電体グリーンシート表面の一部領域にだけ導電性ペースト層を塗布し、誘電体グリーンシート表面の両側の側面には導電性ペースト層を塗布しない誘電体グリーンシートを積層した後、焼成することによって形成することができる。
【0048】
カバー領域140、150と前記の側面カバー領域は、物理的または化学的ストレスによる第1内部電極層120および第2内部電極層130の損傷を防止する役割を果たす。
【0049】
一例として、誘電体層110は、高誘電率のセラミック材料を含むことができる。例えば、BaTiO3(ティタンサンバリュム)系統セラミック粉末などを含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。BaTiO3系セラミック粉末は、例えば、BaTiO3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などがあるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0050】
誘電体層110は、セラミック粉末と共に、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤および分散剤などをさらに添加することができる。セラミック添加剤は、例えば、遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などが使用できる。一例として、誘電体層110の平均厚さは、0.5μm~10μmであってもよい。
【0051】
第1内部電極層120と第2内部電極層130は、互いに異なる極性を有する電極であり、誘電体層110を間において厚さ方向(T軸方向)に沿って互いに対向するように交互に配置することができる。第1内部電極層120と第2内部電極層130は、その間に配置された誘電体層110によって互いに電気的に絶縁されることができる。
【0052】
キャパシタボディー100の第3および第4面を通して交互に露出する第1および第2内部電極層120、130の端部は、第1および第2外部電極200、300とそれぞれ接続されて電気的に接続することができる。
【0053】
第1および第2内部電極層120、130は、導電性金属を含むことができる。一例として、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pd)、または金(Au)などの金属やAg-Pd合金などの前記の金属の合金を含むことができるが、これに限定されるものではない。また、第1および第2内部電極層120、130は、誘電体層110に含まれるセラミック材料と同一組成系の誘電体粒子を含むこともできる。
【0054】
前記のような構成により、第1および第2外部電極200、300に所定の電圧を印加すると、互いに対向する第1および第2内部電極層120、130の間に電荷が蓄積される。この時、積層型キャパシタ1000の静電容量は、アクティブ領域で厚さ方向(T軸方向)に沿って積層される第1および第2内部電極層120、130の重なり面積と比例するようになる。
【0055】
外部電極200、300は、キャパシタボディー100の長さ方向(L軸方向)の両端部に配置することができる。外部電極200、300は、第1外部電極200および第2外部電極300を含む。第1外部電極200および第2外部電極300は、互いに異なる極性を有する電極であり、第1内部電極層120および第2内部電極層130の露出する部分とそれぞれ接続されて電気的に接続することができる。外部電極200、300は、接続部410、側面部420、430、およびバンド部440、450を含むことができる。
【0056】
接続部410は、キャパシタボディー100の長さ方向(L)の両端部面の第3面と第4面100c、100dを覆い、第1および第2内部電極120、130の露出した端部と接続されて電気的に接続することができる。接続部410は、第1外部電極200に位置する第3面上の接続部413および第2外部電極300に位置する第4面上の接続部414を含むことができる。
【0057】
側面部420、430は、接続部410から延び、キャパシタボディー100の第5面および第6面100e、100fの両端部の一部を覆うことができる。第1側面部420は、接続部410から延び、第5面100eの両端部の一部を覆うことができる。第1側面部420は、第1外部電極200に位置する部分421および第2外部電極300に位置する部分422を含むことができる。第2側面部430は、接続部410から延び、第6面100fの両端部の一部を覆うことができる。第2側面部430は、第1外部電極200に位置する部分431および第2外部電極300に位置する部分432を含むことができる。
【0058】
バンド部440、450は、接続部410から延び、キャパシタボディー100の第1面および第2面100a、100bの両端部の一部を覆い、側面部420、430に延びることができる。第1バンド部440は、接続部410から延び、キャパシタボディー100の第1面100aの両端部の一部を覆い、側面部420、430に延びることができる。第1バンド部440は、第1外部電極200に位置する部分441および第2外部電極300に位置する部分442を含むことができる。第2バンド部450は、接続部410から延び、キャパシタボディー100の第2面100bの両端部の一部を覆い、側面部420、430に延びることができる。第2バンド部450は、第1外部電極200に位置する部分451および第2外部電極452に位置する部分を含むことができる。
【0059】
第1バンド部440は、接続部410から延び、第1面100aの両端部の一部を覆う第1部分4411、4421および第1部分4411、4421から第1および第2側面部420、430に延びる第2部分4413、4423を含むことができる。
【0060】
第1バンド部440は、突出部500を含むことができる。突出部500は、第2部分4413、4423からキャパシタボディー100の厚さ方向(T軸方向)に沿って突出することができる。突出部500は、キャパシタボディー100の幅方向(W軸方向)の両側面側に位置し、第1部分4411、4421よりも突出する部分であってもよい。
【0061】
突出部500は、第1側面部420に延びる第2部分4413、4423から突出する第1突出部510、および第2側面部430に延びる第2部分4413、4423から突出する第2突出部520を含むことができる。
【0062】
突出部500は、突出が始まる部分の固定端(FI)から自由端(FR)に向かってますます薄くなる部分を有することができる。一例として、固定端(FI)での厚さが維持され、自由端(FR)に近づくにつれて徐々に厚さが薄くなるように形成することができる。
【0063】
突出部500の外側部分511、521は、第1および第2側面部420、430の外表面とほぼ平行に形成することができる。また、突出部500の外側部分511、521は、第1および第2側面部420、430の外表面と平行に延び、自由端(FR)に向かうにつれてキャパシタボディー100に近づく曲面を形成することができる。突出部500の内側部分513、523は、外側部分511、521と対応するように形成することができる。一例として、外側部分511、521と内側部分513、523は、キャパシタボディー100の厚さ方向(T軸方向)に沿って平行に延び、自由端(FR)に近づくにつれて互いに接近するように形成することができる。
【0064】
第1突出部510と第2突出部520は、互いに対応するように形成することができる。一例として、固定端(FI)からキャパシタボディー100の幅方向(W軸方向)に測定した厚さ(t1、t2、t4、t5)において、第1外部電極200に位置する第1突出部510の厚さ(t1)と第2突出部520の厚さ(t2)は互いに同じであることができ、第2外部電極300に位置する第1突出部510の厚さ(t4)と第2突出部520の厚さ(t5)は互いに同じであることができる。
【0065】
突出部500は、キャパシタボディー100の幅方向(W軸方向)の両端部に位置し、第1突出部510と第2突出部520との間を幅方向(W軸方向)に沿って測定した距離(d1、d2)によって、第1突出部510と第2突出部520の厚さ(t1、t2、t4、t5)が決まることができる。
【0066】
第1突出部510と第2突出部520間の距離(d1、d2)は、第1および第2突出部510、520の固定端(FI)間の距離であってもよい。第1突出部510と第2突出部520間の距離(d1、d2)は、第1バンド部440を幅方向(W軸方向)に沿って測定したバンド部長さ(D1、D2)に対する比率で設定することができる。突出部500の厚さ(t1、t2、t4、t5)は、第1突出部510と第2突出部520との間の距離(d1、d2)によって決定することができる。バンド部長さ(D1、D2)は、第1突出部510と第2突出部520との間の距離(d1、d2)および突出部500の厚さ(t1、t2、t4、t5)の合計であることができる。第1外部電極200において、バンド部長さ(D1)は、第1外部電極200に位置する第1突出部510と第2突出部520との間の距離(d1)および突出部500の厚さ(t1、t2)の合計であることができる。第2外部電極300において、バンド部長さ(D2)は、第2外部電極300に位置する第1突出部510と第2突出部520との間の距離(d2)および突出部500の厚さ(t3、t4)の合計であることができる。
【0067】
一例として、第1突出部510と第2突出部520との間の距離(d1、d2)は、バンド部長さ(D1、D2)の80%以上95%以下であってもよい。第1突出部510と第2突出部520との間の距離(d1、d2)が80%より小さい場合、突出部500の厚さ(t1、t2、t4、t5)が厚くて振動伝達減少効果が微弱になる可能性があり、95%より大きい場合、突出部500の厚さ(t1、t2、t3、t4)が薄くて基板との結合の安定性問題が発生することがある。
【0068】
突出部500は、第1部分4411、4421から突出する部分を有することができる。第1突出部510は、第1側面部420に延びる第2部分4413、4423に隣接する第1部分4411、4421のうち一部から突出する部分を有することができる。第2突出部520は、第2側面部430に延びる第2部分4413、4423に隣接する第1部分4411、4421のうち一部から突出する部分を有することができる。この時、突出部500は、キャパシタボディー100と重なる部分を有し、キャパシタボディー100と重なる部分は、第1部分4411、4421から突出する部分であってもよい。つまり、突出部500は、キャパシタボディー100の第1面100a上に位置する部分を有することができる。
【0069】
突出部500は、キャパシタボディー100の長さ方向(L軸方向)に第1バンド部440の端部まで延びることができる。突出部500の固定端(FI)からキャパシタボディー100の長さ方向(L軸方向)に測定した幅(b1、b2)は、長さ方向(L軸方向)に固定端(FI)から第1バンド部440を測定した幅と同じであることができる。
【0070】
一例として、突出部500をキャパシタボディー100の厚さ方向(T軸方向)に沿って測定した突出部500の高さ(h)は、積層型キャパシタ10の高さ(H)の5%以上および20%以下の範囲に属することができる。つまり、突出部500の高さ(h)は、第2バンド部442の外表面から突出部500の自由端(FR)までキャパシタボディー100の厚さ方向(T軸方向)に沿って測定した高さの5%以上および20%以下の範囲に属することができる。
【0071】
突出部500の高さ(h)が積層型キャパシタ10の高さ(H)の5%より小さい場合、アコースティックノイズ減少効果が十分でない可能性があり、20%より大きい場合、積層型キャパシタ10のサイズが規格より大きくなる問題が発生する可能性がある。
【0072】
突出部500は、キャパシタボディー100の形態とは別に形成することができる。一例として、キャパシタボディー100には工程過程で自然に生成される屈曲以外には突出する部分がなく、第1および第2外部電極200、300には突出部500が形成されることができる。
【0073】
外部電極200、300は、ベース電極220、320および導電性樹脂層240、340を含むことができる。第1外部電極200は、第1ベース電極220および第1導電性樹脂層240を含むことができる。第2外部電極300は、第2ベース電極320および第2導電性樹脂層340を含むことができる。
【0074】
第1ベース電極220は、キャパシタボディー100の第3面100cの表面上に接触するように位置し、内部電極120、130と接続され、第2ベース電極320は、キャパシタボディー100の第4面100dの表面上に接触するように位置し、内部電極120、130と接続することができる。
【0075】
第1および第2ベース電極220、320は、外部電極200、300内でキャパシタボディー100の表面形状と対応するように形成することができる。一例として、第1および第2ベース電極220、320は、一定の厚さで、おおよそキャパシタボディー100の表面に平行するように形成することができる。つまり、第1および第2ベース電極220、320は、平坦に形成することができ、突出する部分がないことができる。このように突出する部分がないということは、意図的に造形される突出部がないということであり、工程過程で第1および第2ベース電極220、320の表面に自然に形成される屈曲を排除するものではない。
【0076】
第1および第2ベース電極220、320は、銅(Cu)を含むことができる。また、第1および第2ベース電極210、310は、銅(Cu)を主成分で含有し、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、タングステン(W)、チタニウム(Ti)、鉛(Pb)、またはこれらの合金のうち一つ以上の物質とガラスを含むことができる。
【0077】
一例として、第1および第2ベース電極220、320の形成方法は、導電性金属およびガラスを含む導電性ペーストにキャパシタボディー100をディッピングして形成したり、導電性ペーストをキャパシタボディー100の表面にスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などで印刷したり、導電性ペーストをキャパシタボディー100の表面に塗布したり、または導電性ペーストを乾燥させた乾燥膜をキャパシタボディー100上に転写して形成することができる。
【0078】
第1および第2ベース電極220、320を前述した導電性ペーストで形成することにより、十分な伝導性を維持しつつ、添加したガラスにより第1および第2外部電極200、300の緻密度を高めることにより、メッキ液および/または外部水分の浸透を効果的に抑制することができる。
【0079】
一例として、第1および第2ベース電極220、320に含まれるガラス成分は、酸化物が混合された組成であることができ、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、アルミニウム酸化物、遷移金属酸化物、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物からなる群から選択される一つ以上であることができる。遷移金属は、亜鉛(Zn)、チタニウム(Ti)、銅(Cu)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群から選択され、アルカリ金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)およびカリウム(K)からなる群から選択され、アルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)からなる群から選択される一つ以上であることができる。
【0080】
導電性樹脂層240、340は、ベース電極220、320の外側に位置することができる。導電性樹脂層240、340は、ベース電極220、320を部分的にまたは完全に覆うように形成することができる。第1導電性樹脂層240は、第1ベース電極220を少なくとも部分的に覆うか、第1ベース電極220を完全に覆うように形成することができ、第2導電性樹脂層340は、第2ベース電極320を少なくとも部分的に覆うか、第2ベース電極320を完全に覆うように形成することができる。
【0081】
導電性樹脂層240、340は、接続部410、第1側面部420第2側面部430、第1バンド部440、および第2バンド部450に位置することができる。
【0082】
導電性樹脂層240、340は、積層型キャパシタ10のサイズと導電性樹脂層240、340の固着強度などを含む多様な要因を考慮してその厚さを設定することができる。この時、導電性樹脂層240、340の厚さは、ベース電極220、320の外表面から垂直方向に導電性樹脂層240、340の外表面まで測定したものであってもよい。一例として、第1バンド部440のキャパシタボディー100の第1面100a上で、突出部500が突出しない第1部分4411、4421に位置する導電性樹脂層240、340の厚さの最大値(t3)は、10μm以下であってもよい。
【0083】
導電性樹脂層240、340は、突出部500を含むことができる。突出部500は、導電性樹脂層240、340にのみ位置し、ベース電極220、320には位置しないことができる。突出部500は、第1バンド部440の第2部分4413、4423に位置する導電性樹脂層240、340において、キャパシタボディー100の厚さ方向(T軸方向)に沿って第1部分4411、4421よりも突出することができる。突出部500の一部は、キャパシタボディー100の第1面100a上に位置する第1部分4411、4421から突出することができる。
【0084】
図6は、他の実施例による積層型キャパシタの外形を示した斜視図であり、
図7は、
図6のVII-VII'線に沿った断面図であり、
図8は、
図6のVIII-VIII'線に沿った断面図である。
【0085】
図6~
図8を参照すれば、本実施例による積層型キャパシタは、
図1~
図5を参照して説明した実施例による積層型キャパシタと類似している。同じ構成要素に対する具体的な説明は省略する。
【0086】
本実施例による積層型キャパシタ20は、第2バンド部450に位置する第3および第4突出部530、540をさらに含むことができる。
【0087】
第2バンド部450は、接続部410から延びて第2面100bの両端部の一部を覆う第3部分4511、4521および第3部分4511、4521から第1および第2側面部420、430に延びる第4部分4513、4523を含むことができる。
【0088】
第3および第4突出部530、540は、第2バンド部450の導電性樹脂層240、340に位置することができる。第3突出部530は、第1側面部420に接続する第4部分4513、4523から突出することができる。第4突出部540は、第2側面部430に接続する第4部分4513、4523から突出することができる。
【0089】
第3および第4突出部530、540は、第4部分4513、4523からキャパシタボディー100の厚さ方向(T軸方向)に沿って第1および第2突出部510、520が突出する方向と対向する方向に突出することができる。つまり、第3および第4突出部530、540は、キャパシタボディー100の幅方向(W軸方向)に第2バンド部450の両側面側に位置し、第3部分4511、4521よりも突出する部分であってもよい。
【0090】
第3および第4突出部530、540は、第1および第2突出部510、520と対応するように形成することができる。例えば、第3および第4突出部530、540は、それぞれ第1および第2突出部510、520と位置において対応することができ、形態において対応になることができる。
【0091】
以下、
図1~
図8と共に、
図9および
図10を参照して、一実施例による積層型キャパシタの製造方法について説明する。
図9は、造形体を利用した積層型キャパシタの製造方法を説明するために示した斜視図であり、
図10は、ラッピング(Lapping)を利用した積層型キャパシタの製造方法を説明するために示した斜視図である。
【0092】
本実施例による積層型キャパシタの製造方法は、誘電体層110と誘電体層110を間において内部電極120、130が積層されるキャパシタボディー100を形成し、キャパシタボディー100の外側に外部電極を形成することを含むことができる。内部電極120、130が積層される方向に互いに対向する第1面100aおよび第2面100bが位置することができる。
【0093】
キャパシタボディー100を形成することは、誘電体グリーンシート表面に導電性ペースト層を形成し、誘電体グリーンシートを積層して誘電体グリーンシート積層体を製造し、誘電体グリーンシート積層体を焼成することを含むことができる。
【0094】
複数の誘電体グリーンシートを準備する。誘電体グリーンシートは、焼成した後、キャパシタボディー100の誘電体層110となる。
【0095】
誘電体グリーンシートは、セラミック粉末、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤および分散剤などを混合してペーストを製造し、このペーストをドクターブレードまたはスクリーン印刷法などの方法を通して、数μm厚さのシート形状に製造することができる。
【0096】
一例として、セラミック粉末は、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを含むことができる。また、これら成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの補助成分をさらに含むことができる。例えば、BaTiO3系誘電体セラミックにCa、Zrなどが一部固溶された(Ba1-xCax)TiO3、Ba(Ti1-yCay)O3、(Ba1-xCax)(Ti1-yZry)O3またはBa(Ti1-yZry)O3などを含むことができる。
【0097】
セラミック添加剤として、例えば、遷移金属酸化物または遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)またはアルミニウム(Al)などを使用することができる。
【0098】
誘電体グリーンシートのうち一部は、他の誘電体グリーンシートと異なる色を有するように製造することができる。一例として、マグネシウム(Mg)、バナジウム(V)などの成分を添加して誘電体グリーンシートの一部を製造することができる。色を有する誘電体グリーンシートは、キャパシタボディー100のカバー領域140、150の一部を形成することができる。
【0099】
誘電体グリーンシート表面に導電性ペースト層を形成する。導電性ペースト層は、焼成後、第1および第2内部電極層120、130となる。
【0100】
導電性ペースト層は、導電性金属を含む導電性ペーストを誘電体グリーンシート表面にドクターブレードまたはスクリーン印刷法などの方法を利用して塗布することによって形成することができる。
【0101】
導電性金属は、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、またはAuなどの金属やこれらの合金、例えば、Ag-Pd合金を含むことができる。
【0102】
一例として、第1導電性ペースト層を第1パターンで第1誘電体グリーンシート表面に塗布し、第2導電性ペースト層を第2パターンで第2誘電体グリーンシート表面に塗布することができる。第1パターンと第2パターンは、第1および第2誘電体グリーンシートを交互に積層する際に、第1および第2導電性ペースト層の一部は重なり、一部は重ならないように整列することができる。
【0103】
第1および第2誘電体グリーンシートを積層して、誘電体グリーンシート積層体を製造する。第1および第2誘電体グリーンシートは、第1および第2導電性ペースト層が重なり、少なくとも一部は重ならないように積層される。
【0104】
選択的に、誘電体グリーンシート積層体を圧着する。
【0105】
誘電体グリーンシート積層体は、第1および第2導電性ペースト層が両側端部面を通してそれぞれ露出するように切断することができる。第1および第2耐負電極層120、130の内部電極のそれぞれにおいて、その端部が前記誘電体グリーンシート積層体の両端面のうちいずれかに露出することができる。
【0106】
誘電体グリーンシート積層体を高温で焼成してキャパシタボディー100を製造する。
【0107】
キャパシタボディー100の外側に外部電極200、300を形成することは、内部電極120、130と接続するようにベース電極220、320を形成し、ベース電極220、320上に導電性樹脂層用積層体を形成することを含むことができる。
【0108】
キャパシタボディー100の第1および第2耐負電極層120、130がそれぞれ露出する両側断面に第1および第2ベース電極220、320を形成する。第1および第2ベース電極220、320は、導電性金属を含む導電性ペーストにキャパシタボディー100をディッピングして形成することができる。他の例として、第1および第2ベース電極220、320は、導電性ペーストをキャパシタボディー100の表面にスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などで印刷したり、導電性ペーストをキャパシタボディー100の表面に塗布したり、または導電性ペーストを乾燥させた乾燥膜をキャパシタボディー100上に転写して形成することができる。
【0109】
ベース電極220、320が形成されたキャパシタボディー100の外面に導電性樹脂層用積層体を形成することができる。前記導電性樹脂層用積層体は、エポキシ樹脂、伝導性金属粒子を含むことができる。
【0110】
前記導電性樹脂層用積層体は、液状のペーストを含むことができる。ベース電極220、320が形成されたキャパシタボディー100をペーストにディッピングしたり、このペーストをベース電極220、320が形成されたキャパシタボディー100の表面に塗布して、前記導電性樹脂層用積層体を形成することができる。
【0111】
図9を参照すれば、液状のペーストの前記導電性樹脂層用積層体が硬化する前に、造形体(ST)を利用して第1および第2突出部510、520を形成することができる。造形体(ST)は、平らな板状の形態を有することができる。造形体(ST)は、内部電極層120、130の長さ方向(L軸方向)に測定される第1バンド部440の幅よりも広い幅を有することができる。また、造形体(ST)は、キャパシタボディー100の幅方向(W軸方向)に測定される第1バンド部440の長さ(D1、D2)の80%以上および95%以下の長さを有することができる。液状のペーストの前記導電性樹脂層用積層体の中心部に造形体(ST)を位置させて加圧することができる。加圧された部分は、凹状に陥没し、加圧された周辺が突出し、第1および第2突出部510、520が形成されることができる。
【0112】
他の例として、液状のペーストの前記導電性樹脂層用積層体を硬化した後、ラッピング(Lapping)を利用して第1および第2突出部510、520を形成することができる。一例として、
図10を参照すると、硬化した前記導電性樹脂層用積層体表面上にラッピング粒子(LP)を置き、ラップで加圧して相対運動をさせながら前記導電性樹脂層用積層体を削り取り、第1および第2突出部510、520を形成することができる。
【0113】
また他の例として、前記導電性樹脂層用積層体にエポキシが含まれている固体状のシート(Sheet)を利用することができる。一例として、固体状のシート(Sheet)をベース電極220、320が形成されたキャパシタボディー100の外面に接着し、ラッピング(Lapping)を利用して第1および第2突出部510、520を形成することができる。
【0114】
前記のように第1および第2突出部510、520が形成された後、選択的に第2バンド部450に第3および第4突出部255、355を形成することができる。第3および第4突出部255、355を形成することは、第3および第4突出部530、540を第2バンド部450に形成することを除いて、第1および第2突出部510、520を形成することと同じなので、重なる説明は省略する。
【0115】
以上のような、実施例による積層型キャパシタおよびその製造方法によれば、キャパシタボディー100が基板から浮上して実装することができ、積層型キャパシタ1000の振動が基板に伝達されることを減少させることができる。このように振動伝達が減少することにより、積層型キャパシタ10の振動が原因となるアコースティックノイズが減少することができる。また、基板実装時に結合されるソルダの流動面積が減少し、高さも減少するため、振動が抑制されることができる。これにより、アコースティックノイズがさらに減少することができる。また、アコースティックノイズ減少用のインタポーザーを製作するなどの追加的な工程を導入することなく、導電性樹脂層240、340を直接成形して突出部500を形成するので、量産効率が高まり、生産費を節減することができる。
【0116】
以上、本発明の望ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0117】
10 積層型キャパシタ
100 キャパシタボディー
110 誘電体層
120 第1内部電極
130 第2内部電極
200 第1外部電極
220 第1ベース電極
240 第1導電性樹脂層
300 第2外部電極
320 第2ベース電極
340 第2導電性樹脂層
410 接続部
420 第1側面部
430 第2側面部
440 第1バンド部
450 第2バンド部
500 突出部
510 第1突出部
520 第2突出部
530 第3突出部
540 第4突出部