(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149410
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】圧縮成型肉様食品
(51)【国際特許分類】
A23J 3/00 20060101AFI20241010BHJP
A23L 17/00 20160101ALI20241010BHJP
A23L 17/10 20160101ALI20241010BHJP
【FI】
A23J3/00 502
A23J3/00 507
A23L17/00 Z
A23L17/10
A23L17/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024052658
(22)【出願日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】P 2023071147
(32)【優先日】2023-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000210067
【氏名又は名称】池田食研株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】竹中 涼
(72)【発明者】
【氏名】森本 大貴
【テーマコード(参考)】
4B042
【Fターム(参考)】
4B042AD36
4B042AK01
4B042AK02
4B042AK04
4B042AK06
4B042AK08
4B042AK10
4B042AK13
4B042AK16
4B042AK20
4B042AP14
4B042AP21
4B042AP23
4B042AP30
(57)【要約】
【課題】 本発明は、肉原料を粉末状タンパク等の原料に代替した肉様食品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 粉末状タンパク及び糖アルコールを含み、水分が20重量%以下である混合物を、圧縮成型し、固化物とすることで圧縮成型肉様食品を製造できることを見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が1~20重量%である混合物を、圧縮成型し、固化物とすることを特徴とする、圧縮成型肉様食品の製造方法。
【請求項2】
粉末状植物性タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が1~20重量%である混合物を、圧縮成型し、固化物とすることを特徴とする、圧縮成型肉様食品の製造方法。
【請求項3】
混合物中にさらに有機酸又は有機酸塩を含む、請求項1又は2記載の圧縮成型肉様食品の製造方法。
【請求項4】
50~250kgf/cm2の範囲で圧縮する、請求項1又は2記載の圧縮成型肉様食品の製造方法。
【請求項5】
粉末状タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が1~20重量%である、圧縮成型肉様食品。
【請求項6】
粉末状植物性タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が1~20重量%である、圧縮成型肉様食品。
【請求項7】
さらに有機酸又は有機酸塩を含む、請求項5又は6記載の圧縮成型肉様食品。
【請求項8】
請求項5又は6記載の圧縮成型肉様食品を切削してなる、削り節状食品の製造方法。
【請求項9】
粉末状タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が20重量%以下であって、厚さ0.2mm以下である、削り節状食品。
【請求項10】
粉末状植物性タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が20重量%以下であって、厚さ0.2mm以下である、削り節状食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状タンパクを主原料とする圧縮成型肉様食品、その製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
持続可能な社会を実現するための動きやヘルシー志向の高まり等により、動物性原料を植物性原料に代替した食品が盛んに開発されている。また、水産資源の減少等により、削り節の安定供給が課題となっている。
【0003】
前記のニーズに基づく代替食品として、例えば、10~60重量%の植物性タンパク質と、少なくとも0.1重量%の結合剤と、10~60重量%の水と、5~40重量%の非水素化植物性脂肪とを含む肉類似製品(特許文献1)や、固形分あたり40重量%以上の穀粉類及び/又は澱粉類を含み、厚さ0.2mm以下である削り節状トッピング(特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2023-503013号公報
【特許文献2】特許第6977213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
肉原料を粉末状タンパク等の原料に代替した肉様食品及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、粉末状タンパク及び糖アルコールを含み、水分が20重量%以下である混合物を、圧縮成型し、固化物とすることで圧縮成型肉様食品を製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[10]の構成からなる。
[1]粉末状タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が1~20重量%である混合物を、圧縮成型し、固化物とすることを特徴とする、圧縮成型肉様食品の製造方法。
[2]粉末状植物性タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が1~20重量%である混合物を、圧縮成型し、固化物とすることを特徴とする、圧縮成型肉様食品の製造方法。
[3]混合物中にさらに有機酸又は有機酸塩を含む、[1]又は[2]記載の圧縮成型肉様食品の製造方法。
[4]50~250kgf/cm2の範囲で圧縮する、[1]~[3]の何れかにに記載の圧縮成型肉様食品の製造方法。
[5]粉末状タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が1~20重量%である、圧縮成型肉様食品。
[6]粉末状植物性タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が1~20重量%である、圧縮成型肉様食品。
[7]さらに有機酸又は有機酸塩を含む、[5]又は[6]記載の圧縮成型肉様食品。
[8][5]~[7]の何れかに記載の圧縮成型肉様食品を切削してなる、削り節状食品の製造方法。
[9]粉末状タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が20重量%以下であって、厚さ0.2mm以下である、削り節状食品。
[10]粉末状植物性タンパク35重量%以上及び糖アルコール1~25重量%を含み、水分が20重量%以下であって、厚さ0.2mm以下である、削り節状食品。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、肉原料を粉末状タンパク等の原料に代替した肉様食品を提供でき、また、該食品を切削することで、削り節状食品を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に記載の圧縮成型肉様食品は、粉末状タンパク35重量%以上、好ましくは40~90重量%、より好ましくは45~85重量%、さらに好ましくは50~80重量%及び糖アルコール1~25重量%、好ましくは25重量%未満、より好ましくは2~22重量%、さらに好ましくは3~20重量%を含み、水分が1~20重量%、好ましくは5~18重量%、より好ましくは10~16重量%である混合物を、圧縮成型し、固化物とすることで得られ、該固化物を切削することで削り節状食品が得られる。該水分量とすることで、圧縮成型するだけで切削できる程度の硬さを有する固化物を得ることができる。
【0010】
本発明に記載の粉末状タンパクは、粉末状タンパクであれば特に限定されないが、植物原料から得られる粉末状植物性タンパクが好ましく、植物原料としては、大豆、エンドウ豆、ソラ豆等の豆類、小麦、オーツ麦、米等の穀類、ジャガイモ等のイモ類、アーモンド、ゴマ等の種実類、酵母等が例示でき、粉末状大豆タンパクがより好ましく、粉末状分離大豆タンパクがさらに好ましく、繊維状植物性タンパクは好ましくない。圧縮成型肉様食品中又は削り節状食品中の粉末状タンパク含有量は、35重量%以上であればよく、40~90重量%が好ましく、45~85重量%がより好ましく、50~80重量%がさらに好ましい。
【0011】
本発明に記載の糖アルコールは、特に限定されないが、グリセリン、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトール等を挙げることができる。圧縮成型肉様食品中又は削り節状食品中の糖アルコール含有量は、1~25重量%であればよく、25重量%未満が好ましく、2~22重量%がより好ましく、3~20重量%がさらに好ましい。
【0012】
本発明では、圧縮成型肉様食品中又は削り節状食品中の水分は、1~20重量%であればよく、2~18重量%が好ましく、3~15重量%がより好ましい。
【0013】
本発明では、さらに、有機酸又は有機酸塩を含むのが好ましく、特に限定されないが、乳酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩等を挙げることができ、それらの群から選ばれる1種以上を使用するのが好ましく、有機酸塩はナトリウム塩、カリウム塩等が好ましい。前記混合物中、圧縮成型肉様食品中又は削り節状食品中の有機酸又は有機酸塩含有量は、0.5~10重量%が好ましく、1~8重量%がより好ましく、5重量%以下がさらに好ましく、糖アルコールとの合計が25重量%以下が特に好ましい。
【0014】
本発明では、さらに、カルシウム塩を含むのが好ましく、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム等が例示でき、溶解性の高い塩化カルシウムが好ましい。前記混合物中、圧縮成型肉様食品中又は削り節状食品中のカルシウム塩含有量は、0.1~8重量%が好ましく、0.2~6重量%がより好ましく、0.5~4重量%がさらに好ましい。
【0015】
また、本発明では、調味素材を含ませることで任意の風味を付与することができ、調味素材は、味を付与できる素材であれば特に限定されず、食塩、糖類、醤油、味噌、酢、アミノ酸、核酸、酵母エキス、タンパク加水分解物等の調味料、くん液、グアイアコール、トリメチルアミン等の香料、カラメル色素、ベニコウジ色素等の色素、DHA、EPA等の多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸等を含有する油脂、香辛料等が例示でき、適宜畜肉風味又は魚介風味を付与できる。調味素材の含有量は、適宜決定できるが、20重量%以下が好ましく、0.1~15重量%がより好ましく、0.5~10重量%がさらに好ましい。また、植物原料由来の不快な風味を抑えるマスキング剤等を添加してもよい。
【0016】
本発明では、前記混合物を、圧縮成型することで、粉末同士が結着した固化物とすることができ、削れる程度の硬さを有する固化物が得られれば圧縮方法は特に限定されない。ローラーコンパクター等を用いて圧縮成型してもよく、又は混合物を型に入れ、油圧プレス、搾汁機、搾油機等で圧縮し、円柱状又は直方体状の固化物としてもよく、固化物の直径又は一辺の最大長は特に限定されないが、好ましくは1~100cm、より好ましくは2~80cm、更に好ましくは5~70cmで、高さは0.5~80cmが好ましく、1~60cmがより好ましく、2~50cmがさらに好ましい。圧縮成型時の圧力としては、20~300kgf/cm2が好ましく、30~250kgf/cm2がより好ましく、50~200kgf/cm2がさらに好ましく、圧縮時間は適宜設定できるが、1分以上が好ましく、2分以上がより好ましく、3~60分がさらに好ましく、5~40分が特に好ましい。さらに加温工程を含むのが好ましく、圧縮時に加温してもよく、圧縮後に加温してもよいが、30~120℃が例示でき、40~100℃が好ましく、加温時間は適宜設定できるが、5分~24時間が例示でき、10分~10時間が好ましい。
【0017】
本発明の圧縮成型肉様食品は、前記方法で圧縮成型した固化物からなる食品であり、畜肉又は魚肉を模した非膨化食品であって、圧縮成型時の厚みを調整したり、圧縮成型後に切断及び/又は切削したりすることで、ジャーキー状、削り節状等の食品を調製できる。削り節状食品の厚さは、切削時に適宜調整できるが、0.2mm以下が好ましく、0.18mm以下がより好ましい。大きさも適宜調整できるが、幅1~30mmが好ましく、長さ3~50mmが好ましく、幅2~20mmがより好ましく、長さ5~40mmがより好ましい。削り節状食品は、ご飯、麺類、お好み焼き、タコ焼き、サラダ、豆腐、肉、煮物、焼き魚等に直接ふりかけてもよく、また、ふりかけ等に含有させる等して利用できる。
【実施例0018】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。尚、本発明において、%は別記がない限り全て重量%である。
【0019】
[試験例1]
実施例1として粉末状分離大豆タンパク(フジプロ(登録商標)RK、タンパク含量:86%、不二製油株式会社)75g、グリセリン(阪本薬品工業株式会社)10g及び水道水15gをフードプロセッサーで90秒間混合した後、筒状の容器に入れ、油圧プレス(約92kgf/cm2)で圧縮成型して円柱状の固化物(実施品1-1)を得た。また、実施例1-2及び1-3、並びに比較例1につき、表1の配合で同様に調製し、固化物(実施品1-2及び1-3、並びに比較品1)を得た。
【0020】
[評価試験]
得られた固化物について、鰹節削り機で厚さ0.06mmになるように切削して削り節状の食品が得られるものを「切削性:〇」、得られないものを「切削性:×」として表1に記載し、また、形状についても表1に記載し、総合評価を示した。
【0021】
【0022】
実施品1-1及び1-2は、何れも、削り節同様に適度な弾力があり、ひらひらとした形状の削り節状の食品であり、また、実施品1-3は、削り節状の食品は得られたがゴムの様な弾力だった。一方、グリセリンを30%使用して得られた比較品1は、柔らかいため、削り節状の形状に切削することはできなかった。
【0023】
[試験例2]
実施例2として粉末状分離大豆タンパク(フジプロ(登録商標)RK)60g、50%乳酸ナトリウム(乳酸ナトリウム:50%、水:50%、株式会社武蔵野化学研究所)16g、グリセリン17g及び水道水7gをフードプロセッサーで90秒間混合した後、筒状の容器に入れ、油圧プレス(約92kgf/cm2)で圧縮成型して円柱状の固化物(実施品2-1)を得た。また、実施例2-2~2-5及び比較例2につき、表2の配合で同様に調製し、固化物(実施品2-2~2-5及び比較品2)を得た。尚、50%乳酸ナトリウム中の水分は、表中の水の量に合算して記載した。試験例1の評価試験に基づき、評価した結果を表2に示した。
【0024】
【0025】
実施品2-1~2-5は、何れも、削り節同様に適度な弾力があり、ひらひらとした形状の削り節状の食品だった。一方、グリセリンの代わりに乳酸ナトリウムを使用して得られた比較品2は、硬すぎて削り節状の形状に切削することはできなかった。
【0026】
[試験例3]
実施例3として粉末状分離大豆タンパク(フジプロ(登録商標)RK)60g、繊維状大豆タンパク(アペックス950、タンパク含量:63%、不二製油株式会社)の粉砕後、60メッシュパス品10g、50%乳酸ナトリウム16g、グリセリン7g及び水道水7gをフードプロセッサーで90秒間混合した後、筒状の容器に入れ、油圧プレス(約92kgf/cm2)で圧縮成型して得られた円柱状の固化物を、90℃の乾熱機中に60分間静置し、実施品3-1の固化物を得た。また、実施例3-2及び比較例3につき、表3の配合で同様に調製し、固化物(実施品3-2及び比較品3)を得た。尚、50%乳酸ナトリウム中の水分は、表中の水の量に合算して記載した。試験例1の評価試験に基づき、評価した結果を表3に示した。
【0027】
【0028】
実施品3-1は、削り節同様に適度な弾力があり、ひらひらとした形状の削り節状の食品であり、また、実施品3-2は、削り節同様に適度な弾力がある削り節状の食品は得られたが粉っぽさがあった。一方、粉末状分離大豆タンパクを30%使用して得られた比較品3は、固化していたが結着性が弱くもろいため、削り節状の形状に切削することはできなかった。
【0029】
[実施例4]
粉末状分離大豆タンパク(フジプロ(登録商標)RK)70g、50%乳酸ナトリウム8g、グリセリン6g、酵母エキス(アロマイルド(登録商標)、三菱商事ライフサイエンス株式会社)3g、くん液(SmokEzOIL HSF、ウイスコ株式会社)1g、藻類由来DHA含有油脂(DHA ALGAL OIL W400、株式会社ラクト・ジャパン)1g、ベニコウジ色素(ナチュラルレッドT-3M、ヤヱガキ醗酵技研株式会社)0.5g及び水道水10.5gをフードプロセッサーで90秒間混合した後、筒状の容器に入れ、油圧プレス(約92kgf/cm2)で圧縮成型して得られた円柱状の固化物を、90℃の乾熱機中に60分間静置し、実施品4-1の固化物を得た。また、実施例4-2~4-4につき、表4の配合で同様に調製し、固化物(実施品4-2~4-4)を得た。尚、50%乳酸ナトリウム中の水分は、表中の水の量に合算して記載した。グルコン酸ナトリウムは、50%水溶液を調製して使用し、50%水溶液中の水の量は、表中の、水の量に合算して記載した。試験例1の評価試験に基づき、評価した結果を表4に示した。
【0030】
【0031】
実施品4-1~4-4は、何れも、削り節同様に適度な弾力があり、ひらひらとした形状の削り節状の食品であり、また、適度な薫香、魚介風味及び旨味があり、削り節の代用品として遜色ない風味を有し、植物由来の原料を使用した削り節として有用であることが分かった。
【0032】
[実施例5]
粉末状分離大豆タンパク(フジプロ(登録商標)RK)66.7g、塩化ナトリウム1g、塩化カルシウム二水和物2g、塩化カリウム1.5g、コハク酸二ナトリウム六水和物0.2g、イノシン酸二ナトリウム七水和物1.3g、グルタミン酸ナトリウム一水和物0.2g、90%乳酸2.4g、グリセリン5g、藻類由来DHA含有油脂(DHA ALGAL OIL、DHA:40%含有)0.5g、香料(鰹節フレーバー、池田糖化工業株式会社)4g、カラメル色素(カラメルBC-2、池田糖化工業株式会社)0.2g及び水道水15gをフードプロセッサーで90秒間混合した後、筒状の容器に入れ、油圧プレス(約100kgf/cm2)で10分間圧縮成型して得られた円柱状の固化物を、90℃の乾熱機中に60分間静置し、実施品5-1の固化物を得た。また、実施例5-2及び5-3につき、乳酸の代わりにクエン酸(実施例5-2)又はフマル酸(実施例5-3)を用いて表5の配合で同様に調製し、実施品5-2及び5-3の固化物を得た。試験例1の評価試験に基づき、評価した結果を表5に示した。
【0033】
【0034】
実施品5-1~5-3は、何れも、削り節同様に適度な弾力があり、ひらひらとした形状の削り節状の食品であり、また、適度な薫香、魚介風味及び旨味があり、削り節の代用品として遜色ない風味を有し、植物由来の原料を使用した削り節として有用であることが分かった。
【0035】
[実施例6]
油圧プレス(約100kgf/cm2)で2分間(実施例6-1)、5分間(実施例6-2)又は20分間(実施例6-3)圧縮する以外は実施例5-3と同様に実施し、実施品6-1~6-3の固化物を得た。試験例1の評価試験に基づき評価した結果、何れも、切削性は「〇」で、「削り節同様に適度な弾力があり、ひらひらとしている」という結果が得られ、総合評価も全て「○」だった。
【0036】
[実施例7]
油圧プレスの圧力を、約50kgf/cm2(実施例7-1)、約150kgf/cm2(実施例7-2)又は約200kgf/cm2(実施例7-3)に設定する以外は実施例5-3と同様に実施し、実施品7-1~7-3の固化物を得た。試験例1の評価試験に基づき評価した結果、何れも、切削性は「〇」で、「削り節同様に適度な弾力があり、ひらひらとしている」という結果が得られ、総合評価も全て「○」だった。