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特開2024-149417精密組立プロセス及び高度なツーリング使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149417
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】精密組立プロセス及び高度なツーリング使用方法
(51)【国際特許分類】
   B23B 35/00 20060101AFI20241010BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20241010BHJP
   B23B 49/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B23B35/00
B23P19/00 301D
B23B49/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024058784
(22)【出願日】2024-04-01
(31)【優先権主張番号】63/494,507
(32)【優先日】2023-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/406,045
(32)【優先日】2024-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン, クォック トゥン
(72)【発明者】
【氏名】シスコ, ファラナズ
【テーマコード(参考)】
3C030
3C036
【Fターム(参考)】
3C030AA16
3C030AA18
3C030CC00
3C036AA00
3C036CC09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】部品のアセンブリの製造に関し、特に、製造工程を実行するための方法、装置、及びシステムに関する。
【解決手段】部品のアセンブリを製造する方法が、第1のファクトリ位置で、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して位置決めすることを含む。本方法は、第1のファクトリ位置で、第1の部品と第2の部品の接続部分を通るファスナ接合孔を開けることをさらに含む。本方法は、第2のファクトリ位置で、ファスナ接合のために第1の部品及び第2の部品を位置決めすることをさらに含む。本方法は、第1の部品と第2の部品を連結させるために、ファスナ接合孔にファスナを挿入することをさらに含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品のアセンブリを製造する方法であって、
ジグ(210/210’)の前面(214/214’)に第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を載置することであって、前記前面(214/214’)が前記ジグ(210/210’)の背面(216/216’)とは反対にある、第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を載置することと、
前記背面(216/216’)において、前記ジグ(210/210’)の孔(230/330)とドリル(270)を位置合わせすることであって、前記ドリル(270)が、前記ジグ(210/210’)のトラック(252/252’/254)に結合されており、前記トラック(252/252’/254)が前記ジグ(210/210’)の長さ(L)の少なくとも一部に沿って伸長する、ドリル(270)を位置合わせすることと、
前記孔(230/330)に通して前記ドリル(270)のドリルビット(272A)を動かして、前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を貫通する孔(152/152A/152B)を作ることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記前面(214/214’)が、前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)の公称形状(180)を定め、
前記方法が、
前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を、所定の公差の範囲内で前記公称形状(180)に適合させることと、
前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を前記前面(214/214’)に固定することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を前記公称形状(180)に適合させることが、
前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)と前記前面(214/214’)との間の接続部分(165)を解析することと、
前記所定の公差から外れる前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)の部分を特定することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記前面(214/214’)に当接する前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)の適合度を調整することをさらに含み、前記調整することが、
前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、
前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)の一区分から材料(184)を除去すること、又は、
前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)の一区分と、前記前面(214/214’)との間にシム(182)を付加すること
のうちの少なくとも1つを行うことにより行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ジグ(210/210’)の前記孔(230/330)と前記ドリル(270)を位置合わせすることが、前記トラック(252/252’/254)に沿って前記ドリル(270)を移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ジグ上で所望の近接配置となるよう、前記第1の部品と第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を位置合わせすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
所定の公差の範囲内で前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を互いに適合させることで、公称構成となるよう前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を互いに対して配置することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を互いに適合させた後で、前記孔(152/152A/152B)を開けることが行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記孔(152/152A/152B)が、ファスナ(150)のサイズに対応するサイズまで開けられる、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ドリルビット(272A)が、前記第1の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を貫通する前記孔(152/152A/152B)と位置合わせされた、前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を貫通する孔(152/152A/152B)を作る、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
部品のアセンブリを製造する方法であって、
第1のファクトリ位置で、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を互いに対して位置決めすることと、
前記第1のファクトリ位置で、前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)の接続部分(165)を通るファスナ接合孔(152/152A/152B)を開けることと、
第2のファクトリ位置で、ファスナ(150)接合のために前記第1の部品及び前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を位置決めすることと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記公称構成となるよう前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を互いに対して位置決めすることが、所定の公差の範囲内で前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を互いに適合させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記所定の公差の範囲内で前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を互いに適合させた後で、前記ファスナ接合孔(152/152A/152B)を開けることが行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ファスナ接合孔(152/152A/152B)を開けた後で、前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を分離することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ファスナ接合孔(152/152A/152B)を開けることと、前記第2のファクトリ位置で前記第1の部品及び前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を位置決めすることと、の間に、前記第1の部品又は前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)の少なくとも一方で組立前処理を実行することをさらに含み、前記組立前処理が、穿孔による破片を除去すること、バリ取り、下塗りを施すこと、陽極酸化、又はシールを施すこと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ファスナ接合のために、前記第1の部品及び前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を位置決めすることが、所定の公差の範囲内で前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を互いに適合させることで、前記公称構成となるよう前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を互いに対して配置することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の部品と前記第2の部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)を連結するために、前記ファスナ接合孔(152/152A/152B)にファスナ(150)を挿入することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
部品に対して処理を実行する際に使用するジグ(210/210’)であって、
本体(212)であって、
背面(216/216’)、及び
前記背面(216/216’)とは反対の前面(214/214’)であって、前記部品(110/110F/110R/130/140/160/160A/160B)の公称形状(180)を定める前面(214/214’)
を含む本体(212)と、
少なくとも部分的に前記本体(212)の長さLに沿って延びるトラック(252/252’/254)と、
前記トラック(252/252’/254)に取り付けられており、前記背面(216/216’)の近傍にあるキャリッジ(260)であって、前記トラック(252/252’/254)に沿ったX方向の移動、及び前記X方向に対して直交するY方向の移動のために構成されたキャリッジ(260)と、
前記キャリッジ(260)に取り付けられたドリル(270)と、
を備えた、ジグ(210/210’)。
【請求項19】
ポケット(300)であって、前記前面(214/214’)における凹所を含むポケット(300)をさらに含む、請求項18に記載のジグ(210/210’)。
【請求項20】
前記トラック(252/252’/254)が、前記前面(214/214’)に対して略平行である、請求項18に記載のジグ(210/210’)。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2023年4月6日に出願された米国仮出願第63/494,507号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書で援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示の態様は、概して、部品のアセンブリの製造に関し、特に、製造工程を実行するための方法、装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
航空機の製造は、航空機を形成するために数多くの部品を組み立てることを含みうる。例えば、商用ジェット旅客機の形態による航空機では、何百万ものパーツが製造され組み立てられて、ジェット旅客機が形成されうる。
【0004】
アセンブリ及びサブアセンブリを含む構造へとパーツを組み立てることは、ファスナシステムを使用して行われうる。航空機組み立てのためのファクトリレベルの自動化には、自動化された穿孔及びファスナ挿入が含まれる。例えば、航空機の翼の様々な部品の接合は、ロボットアームといった装置を利用して自動化することができる。
【0005】
アセンブリ又はサブアセンブリを形成するため接合される部品は、様々な製造業者によって、様々な位置で様々な材料から作製されうる。例えば、アセンブリの幾つかの部品の材料が、炭素ラミネート複合材といった複合材でありうるが、アセンブリの他の部品の材料が、アルミ合金といった金属でありうる。部品は、その部品のサプライヤのところでファスナのために事前に孔が開けられ、その後様々な場所に出荷され、そこで組み立てが行われて他の部品となる。互いに接合される部品の孔が、異なる位置で事前に開けられる場合には、その部品の対応する孔同士を、組み立てに応じた所定の公差の範囲内で位置合わせすることは困難となりうる。或るアセンブリで締まりばめ(interference fit)ファスナの使用が必要なとき、及び、約50~約100フィート(約15~30m)以上のアイテムを含みうる、翼といった大型の部品を組み立てるときには、製造公差の累積的影響によって、取り付け作業(fitment)の問題が悪化しうる。
【0006】
幾つかのケースでは、取り付け作業の問題は、組み立てのために部品が一緒にまとめられた時点にファスナの孔を開けてファスナを付けるロボットシステムを使用することで、対処することができる。例示的なロボットシステムは、幾つかの機能を実行し、例えば、孔が開けられる部品同士の位置合わせ、位置合わせされた部品に孔を開けること、穿孔による破片を除去すること、必要に応じて孔のバリ取り、必要に応じて塗装の補修、フェイサーフェスシール(fay surface sealing)、部品を再配置すること、及びファスナの取付けを実行する。このようなロボットシステムは大型で、複雑で、重量があって高価であり、通常では、稼働するために広大な空間を必要とし、補強されたフロアを使用することが必要となる。
【0007】
部品の組み立て、例えば、航空機の翼構造の部品の組み立てには、隣接する部品の間にフェイシール(fay seal)を予め施すこと、(例えば、非導電性の下塗りを用いた又は陽極酸化による)金属部品の前処理といった観点が含まれる。しかしながら、組み立ての時点に部品に孔を開けると、結果的に、ベアメタル(及び/又は複合材料)が露出し、穿孔からの破片によってフェイシールの汚染が生じうる。
【0008】
上記の問題を軽減しつつ部品の組み立てを容易にするためのシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本開示の態様は、概して、部品のアセンブリの製造に関し、特に、製造工程を実行するための方法、装置、及びシステムに関する。一態様において、部品のアセンブリを製造する方法が、第1のファクトリ位置で、第1のジグ上で第1の部品及び第2の部品を位置決めすることを含む。本方法は、第1のジグ上の第1の部品及び第2の部品を貫通する孔を開けることをさらに含む。本方法は、第1のジグから第1の部品及び第2の部品を取り除くことをさらに含む。本方法は、第2のファクトリ位置で、第2のジグ上で第1の部品及び第2の部品を位置決めすることをさらに含む。本方法は、第2のジグ上の第1の部品と第2の部品を連結させるために、孔にファスナを挿入することをさらに含む。
【0010】
他の態様において、部品のアセンブリを製造する方法が、ジグの前面に第1の部品を載置することを含む。前面は、ジグの背面とは反対にある。本方法は、背面においてジグの孔とドリルを位置合わせすることをさらに含む。ドリルが、ジグの長さの少なくとも一部に沿って伸長するジグのトラックに結合されている。本方法は、孔に通してドリルのドリルビットを動かして、第1の部品を貫通する孔を作ることをさらに含む。
【0011】
他の態様において、部品のアセンブリを製造する方法が、第1のファクトリ位置で、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して位置決めすることを含む。本方法は、第1のファクトリ位置で、第1の部品と第2の部品の接続部分を通るファスナ接合孔を開けることをさらに含む。本方法は、第2のファクトリ位置で、ファスナ接合のために、第1の部品及び第2の部品を位置決めすることをさらに含む。
【0012】
他の態様において、部品に対して処理を行う際に使用するジグが本体を含む。本体が、背面と、背面とは反対にある前面と、を含む。前面が、部品の公称形状を定める。ジグが、本体の長さに沿って少なくとも部分的に延びるトラックをさらに含む。キャリッジが、トラックに取り付けられており、かつ背面の近傍にある。キャリッジは、トラックに沿ったX方向の移動、及びX方向に対して直交するY方向の移動のために構成されている。ドリルが、キャリッジに取り付けられている。
【0013】
他の態様において、システムがジグを含む。ジグが本体を含む。本体が、背面と、背面とは反対にある前面と、を含む。前面が、部品の公称形状を定める。ジグが、本体の長さに沿って少なくとも部分的に延びるトラックをさらに含む。ジグが、トラックに取り付けられており背面の近傍にあるキャリッジをさらに含む。キャリッジは、トラックに沿ったX方向の移動、及びX方向に対して直交するY方向の移動のために構成されている。ジグが、キャリッジに取り付けられたドリルをさらに含む。システムが、ジグに結合された第1の支持体及び第2の支持体と、第1の支持体と第2の支持体の間で、本体の伸長に平行な軸周りにジグを回転させるよう構成されたモータと、をさらに含む。
【0014】
上述の特徴が詳細に理解されるように、上で簡単に要約したさらに詳細な説明が、いくつかが添付の図面において例示されている例示的な態様を参照することによってなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A-B】部品の例示的なアセンブリを概略的に示す。
図1C】部品の一部分であって、組み立てられて他の部品となる上記部品の一部分の上面図を概略的に示す。
図1D図1Cの部品の一部分の概略的な側面図である。
図2A】一緒に組み立てられる部品を位置決めして穿孔するためのシステムを概略的に示す。
図2B-C】一緒に組み立てられる部品を位置決めして穿孔するためのシステムを概略的に示す。
図2D-E】一緒に組み立てられる部品を位置決めして穿孔するためのシステムを概略的に示す。
図2F-G】一緒に組み立てられる部品を位置決めして穿孔するためのシステムを概略的に示す。
図2H-I】一緒に組み立てられる部品を位置決めして穿孔するためのシステムを概略的に示す。
図3A】一緒に組み立てられる部品を配置するために図2A図2Iのシステムを使用する態様、及び、対応する部品を貫通する1つ以上の孔を開けることで、部品を組み立てのために準備する態様を概略的に示す。
図3B】一緒に組み立てられる部品を配置するために図2A図2Iのシステムを使用する態様、及び、対応する部品を貫通する1つ以上の孔を開けることで、部品を組み立てのために準備する態様を概略的に示す。
図3C】一緒に組み立てられる部品を配置するために図2A図2Iのシステムを使用する態様、及び、対応する部品を貫通する1つ以上の孔を開けることで、部品を組み立てのために準備する態様を概略的に示す。
図3D】一緒に組み立てられる部品を配置するために図2A図2Iのシステムを使用する態様、及び、対応する部品を貫通する1つ以上の孔を開けることで、部品を組み立てのために準備する態様を概略的に示す。
図3E】一緒に組み立てられる部品を配置するために図2A図2Iのシステムを使用する態様、及び、対応する部品を貫通する1つ以上の孔を開けることで、部品を組み立てのために準備する態様を概略的に示す。
図3F】一緒に組み立てられる部品を配置するために図2A図2Iのシステムを使用する態様、及び、対応する部品を貫通する1つ以上の孔を開けることで、部品を組み立てのために準備する態様を概略的に示す。
図3G】一緒に組み立てられる部品を配置するために図2A図2Iのシステムを使用する態様、及び、対応する部品を貫通する1つ以上の孔を開けることで、部品を組み立てのために準備する態様を概略的に示す。
図4】部品のアセンブリを製造する方法を示すフローチャートである。
図5】部品のアセンブリを製造する方法を示すフローチャートである。
図6】部品のアセンブリを製造する方法を示すフローチャートである。
図7】航空機の製造及び保守方法のフローチャートである。
図8】本開示の態様のいずれかが実現されうる航空機のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに、同一の参照符号を使用した。任意の1つの態様の要素及び特徴は、更なる記載がなくとも、他の態様に有益に組み込むことができると考えられる。
【0017】
本開示の態様は、概して、部品のアセンブリの製造に関し、特に、製造工程を実行するための方法、装置、及びシステムに関する。航空機製造の関連において提示されているが、本明細書で開示される方法、装置、及びシステムは、広く他の産業での利用に適していると考えられる。
【0018】
図1A及び図1Bは、航空機の翼の一部分を形成する部品の例示的なアセンブリ100を概略的に示している。部品の組み立ては、本開示の方法、装置、及びシステムによって容易になる。図1Aは、前スパー110Fが幾つかリブ120によって後スパー110Rに結合されているのを示す上面図である。前スパー110F、後スパー110R、及びリブ120は金属(アルミ合金など)、複合材料(炭素ラミネート複合材など)、又は任意の他の適切な材料で作製されうる。幾つかの態様において、前スパー110F及び後スパー110Rが、1の種類の材料(例えば、複合材)で作製され、リブ120が、異なる種類の材料(例えば、金属)で作製される。図示されるように、幾つかの態様において、前スパー110F又は後スパー110Rの少なくとも一方に輪郭を付け又は湾曲させることができる。
【0019】
さらに図示されるように、幾つかの態様において、1つ以上の補強材130が、前スパー110F又は後スパー110Rの少なくとも一方に取り付けられうる。補強材130がL字状の構成により示されているが、他の適切な形状も考えられる。補強材130は、金属(アルミ合金など)、複合材料(炭素ラミネート複合材など)、又は任意の他の適切な材料で作製されうる。幾つかの態様において、補強材130が、前スパー110F又は後スパー110Rの材料とは異なる種類の材料(例えば、金属)で作製される。
【0020】
図1Bは、アセンブリ100の一部の断面図である。前スパー110Fが、U字状のチャネルとして構成されている。リブ120が、リブポスト140によって前スパー110Fに結合されている。リブ120は、ボルト、又はリベット等といったファスナ150によってリブポスト140に結合されている。幾つかの態様において、ファスナ150が、締まりばめによるファスナである。リブポスト140は、フランジ142を介して前スパー110Fに取り付けられている。リブポスト140は、金属(アルミ合金など)、複合材料(炭素ラミネート複合材など)、又は任意の他の適切な材料で作製されうる。幾つかの態様において、リブポスト140が、前スパー110Fの材料とは異なる種類の材料(例えば、金属)で作製される。補強材130が、フランジ132を介して前スパー110Fに取り付けられている。補強材130は、金属(アルミ合金など)、複合材料(炭素ラミネート複合材など)、又は任意の他の適切な材料で作製されうる。幾つかの態様において、補強材130が、前スパー110Fの材料とは異なる種類の材料(例えば、金属)で作製される。
【0021】
前リブポスト140、補強材130などの部品の、スパー110Fなどの他の部品への取り付けは、各対応する部品に開けられた孔152を貫通する追加的なファスナ150によるものである。各孔152は、ファスナ150のサイズに対応するサイズまで開けられている。一例において、ファスナ150が、各孔152の中での締まりばめのために寸法設定される。孔152を作り、かつ対応する孔152の正確な位置合わせを容易にするために、対応する部品同士が所望の近接配置となるように部品が互いに当接して配置され、その後、孔152が当該対応する部品を貫通して開けられる。以下に詳述するように、幾つかの態様において、穿孔は、ファスナ150が取り付けられる最終的な組み立て位置の上流で行われる。一例において、穿孔が、サプライヤの位置で行われ、次いで、部品が組み立て位置に出荷され、そこで、部品がファスナ150を介して、必要であれば任意のシール材を用いて接合される。
【0022】
図1Cは、部品160の一部分であって、組み立てられて他の部品となる上記部品160の一部分の上面図を概略的に示す。部品160は、前スパー110F、後スパー110R、リブ120、補強材130、又はリブポスト140のいずれかを表しうる。部品160は、組み立てられて1つ以上のさらなる部品にとなる任意の他のアイテムを表しうる。部品160は、1つ以上の位置合わせフィーチャ(indexing feature)170をさらに含みうる。幾つかの態様において、1つ以上の位置合わせフィーチャ170は、固定物(以下に記載のジグ210など)に当てた部品160の位置決めを、当該固定物の1つ以上の対応するフィーチャ(例えば、以下に記載の240、340)の近傍の位置に対して1つ以上の位置合わせフィーチャ170を位置合わせすることで、容易にする。幾つかの態様において、1つ以上の位置合わせフィーチャ170によって、他のアイテム(前スパー110F、後スパー110R、リブ120、補強材130、リブポスト140、又は他のアイテムなど)に当てた部品160の位置合わせが容易になる。一例において、部品160の1つ以上の位置合わせフィーチャ170が、他のアイテムの1つ以上の対応する位置合わせフィーチャと近接配置されて、部品160が他のアイテムと位置合わせされる。例示的な位置合わせフィーチャ170が、部品160の位置合わせ孔172、突起174、成形された凹部176、及びエッジ178を含む。
【0023】
図1Dは、部品160の一部分の概略的な側面図である。部品160は、前スパー110F、後スパー110R、リブ120、補強材130、又はリブポスト140のいずれかを表しうる。部品160は、組み立てられて1つ以上のさらなる部品にとなる任意の他のアイテムを表しうる。部品160は、上面162及び底面164を含む。図示されるように、幾つかの態様において、部品160の底面164が、少なくとも1つの平面的な部分166、及び少なくとも1つの非平面的な部分168を含む。非平面的な部分168が、ねじれ、湾曲部、突起、又は窪みのうちの任意の1つ以上を含みうる。幾つかの態様において、部品160の底面164が、平面的な部分166のみを含む。幾つかの態様において、部品160の底面164が、非平面的な部分168のみを含む。
【0024】
図2A図2Iは、一緒に組み立てられる部品を位置決めして穿孔するためのシステム200を概略的に示している。図2Aは、システム200の等角図である。システム200はジグ210を含む。ジグ210は本体212を含み、本体212は、前側の前面214と、裏側の、前面214とは反対の背面(216、図2C)と、を含む。2つの長いエッジ222、224が、本体212の長さLに沿って延びている。幾つかの態様において、2つの長いエッジ222、224が略平行である。幾つかの態様において、2つの長いエッジ222、224は略平行ではない。2つの短いエッジ226、228が、本体212の幅Wに沿って、1の長いエッジ222から他の長いエッジ224まで延びている。幾つかの態様において、2つの短いエッジ226、228が略平行である。幾つかの態様において、2つの短いエッジ226、228が略平行ではない。本体212に設けられた1つ以上の孔230が、前面214から背面216まで延在する。孔230は、ジグ210上に取り付けられた部品(スパー110、補強材130、リブポスト140など)の孔152を開けるためのガイドを提供する。図示されるように、幾つかの態様において、本体212に設けられたポケット300が、前面214における凹所として形成されている。ポケット300は、側壁310及び底320を含む。幾つかの態様において、ジグが1つのポケット300を含む。幾つかの態様において、ジグが複数のポケット300を含む。幾つかの態様では、ポケット300が省かれうる。
【0025】
図示されるように、幾つかの態様において、突起部244が前面214から突出して、本体212の長さLに沿って少なくとも部分的に延在する。突起部244は、基準データム(reference datum)といった位置合わせフィーチャ240を提供し、前面214で位置決めされる際に、部品を当該フィーチャ240に接触させることができる。図に示される例では、突起部244が長いエッジ224に沿って延在する。幾つかの態様において、突起部244が、本体212の長さL又は幅Wの少なくとも一方に沿って延在しうる。一例において、突起部244が、本体212の長さLに沿ってのみ少なくとも部分的に延在しうる。他の例において、突起部244が、本体212の幅Wに沿ってのみ少なくとも部分的に延在しうる。幾つかの態様では、突起部244が省かれうる。
【0026】
システム200は、支持体282、284を含む。支持体282は、短いエッジ226でジグ210に結合されている。支持体284は、反対側の短いエッジ228でジグ210に結合されている。図示されるように、幾つかの態様において、モータ286が、支持体282、284に対してかつ支持体282、284間で、本体212の長さLに平行な軸周りでジグ210を回転させるよう構成されている。幾つかの態様において、モータ286が、ジグ210を、支持体282、284に対してかつ支持体282、284間で、本体212の長さLに平行ではない軸周りで回転させるよう構成されている。モータ286は、電気的、油圧的、又は空気圧的なものでありうる。
【0027】
モータ286は、コントローラによって制御されうる。コントローラは、中央処理ユニット(CPU)、命令を含むメモリ、及び、CPUのための支援回路を含むことが考えられる。コントローラは、工業生産及びロボット装置のための産業設定において使用される汎用のコンピュータプロセッサでありうる。メモリ、又は非一過性のコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、フラッシュドライブ、又は任意の他の形態のローカル若しくは遠隔のデジタルストレージといった、容易に入手可能なメモリのうちの1つ以上である。支援回路は、CPU (プロセッサ)を支援するためにCPUに接続されている。支援回路は、キャッシュ、電力供給部、クロック回路、入力/出力回路、及びサブシステムなどを含む。処理、及び作動パラメータが、コントローラをシステム200の処理を制御する特定用途向けのコントローラに変えるために実行又は起動されるソフトウェアルーチンとして、メモリに格納されている。コントローラは、本明細書に記載の処理の遂行を制御するよう構成されている。メモリに格納された命令は、実行されたときには、本明細書に記載の1つ以上の処理を遂行させる。
【0028】
図2Bは、ジグ210の前面214の一部分を表す上面図である。孔330が、ポケット300の底320から、ジグ210の本体212を通って、ジグ210の背面216まで延びている。孔330は、ポケット300の中に位置する部品(部品160、図1Cなど、例えば、補強材130)、及びポケット300の中の部品にかぶさった部品(他の部品160、図1Cなど、例えば、前スパー110F)に、孔(例えば、孔152、図1B)を開けるためのガイドを提供する。図示される例では、スロット335が、ポケット300の底320からジグ210の背面216まで延びている。スロット335によって、ジグ210が、先に記載の補強材130といったL字状の部品を収容することが可能となる。ジグ210は、1つのポケット300を含んでよく、又は複数のポケット300を含んでよいと考えられる。さらに、複数のポケット300は、様々なサイズ、様々な形状、又は様々な向きのポケットを含んでよい。
【0029】
図示されるように、幾つかの態様において、ポケット300が、1つ以上の位置合わせフィーチャ340を含む。1つ以上の位置合わせフィーチャ340は、1つ以上の位置合わせフィーチャ340の近傍の位置に部品を位置合わせすることで、ポケット300の中での部品の位置決めを容易にする。例示的な位置合わせフィーチャ340は、底320からジグ210の本体212を通って背面216まで延びる位置合わせ孔342、突起344、及び、成形された凹部346を含む。幾つかの態様において、スロット335が、位置合わせフィーチャ340として機能する。1つ以上の実施例において、1つ(以上)の孔330が、位置合わせフィーチャ340として機能する。幾つかの態様において、ポケット300の中の部品は、当該部品の位置合わせ孔(位置合わせ孔172など)を位置合わせ孔342と位置合わせすることで、位置決めされうる。幾つかの態様において、ポケット300の中の部品が、当該部品の成形された凹部176といったフィーチャを突起344に対して位置合わせすることで、及び/又は当該部品の突起174のうちの1つといったフィーチャを成形された凹部346に当てて位置合わせすることで、位置決めされうる。補強材130のフランジ132の部分的なアウトラインが、後者の例を図示するために破線で示されている。幾つかの態様において、ポケット300自体の形状が位置合わせ(indexing)のために使用されうる。一例において、突起344及び/又は成形された凹部346が、ポケット300の側壁310によって形成される。
【0030】
幾つかの態様において、ポケット300が1つの位置合わせフィーチャ340を含む。幾つかの態様において、ポケット300が複数の位置合わせフィーチャ340を含む。一例において、複数の位置合わせフィーチャ340が、同じ構成又は特性の1より多い位置合わせフィーチャ340(例えば、位置合わせ孔342、突起344、成形された凹部346、スロット335、若しくは孔330)を含む。他の例において、複数の位置合わせフィーチャ340が、第1の構成の1つ以上の位置合わせフィーチャ340(例えば、位置合わせ孔342、突起344、又は成形された凹部346のうちの1つ)と、第2の異なる構成の1つ以上の位置合わせフィーチャ340(例えば、位置合わせ孔342、突起344、及び/又は成形された凹部346のうちの異なる1つ)と、を含む。幾つかの他の態様において、位置合わせフィーチャ340がポケット300から省かれうる。幾つかの態様において、1つ以上のポケット300が、第1の構成の1つ以上の位置合わせフィーチャ340を含むことができ、1つ以上の他のポケット300が、第2の異なる構成の1つ以上の位置合わせフィーチャ340を含むことができる。追加的又は代替的に、1つ以上の他のポケット300は、位置合わせフィーチャ340を含まないこともある。
【0031】
図示されるように、幾つかの態様において、ジグ210が、ポケット300内にない1つ以上の他の位置合わせフィーチャ240を含む。1つ以上の他の位置合わせフィーチャ240は、部品の位置合わせフィーチャ(位置合わせフィーチャ170など)を1つ以上の位置合わせフィーチャ240と位置合わせすることにより、前面214上での部品(部品160、図1Cなど、例えば、前スパー110F)の位置決めを容易にする。1つ以上の他の位置合わせフィーチャ240によって、部品とジグ210との位置合わせが容易になる。例示的な位置合わせフィーチャが、先に記載の突起部244、データム孔242、突起(図示せず)、成形された凹部(図示せず)、又はスロット(図示せず)などを含む。データム孔242は、前面214から背面216まで延びている。幾つかの態様において、前面214から背面216まで延びる孔230の1つ(以上)が、位置合わせフィーチャ240として機能する。
【0032】
幾つかの態様において、ジグ210が、ポケット300内にない1つの位置合わせフィーチャ240を含む。幾つかの態様において、ジグ210が、ポケット300内にない複数の位置合わせフィーチャ240を含む。一例において、複数の位置合わせフィーチャ240が、同じ構成又は特性の1より多い位置合わせフィーチャ240(例えば、突起部244、データム孔242、突起(図示せず)、成形された凹部(図示せず)、スロット(図示せず)、若しくは孔230)を含む。他の例において、複数の位置合わせフィーチャ240が、第1の構成の1つ以上の位置合わせフィーチャ240(突起部244、データム孔242、突起(図示せず)、成形された凹部(図示せず)、スロット(図示せず)、又は孔230のうちの1つなど)と、第2の異なる構成の1つ以上の位置合わせフィーチャ240(突起部244、データム孔242、突起(図示せず)、成形された凹部(図示せず)、スロット(図示せず)、又は孔230のうちの異なる1つなど)と、を含む。
【0033】
図2Cは、ジグ210の背面216の一部分を表す図を提供し、図2Dは、ジグ210の断面図である。トラック252が、本体212の長さLに沿って少なくとも部分的に延びている。図示されるように、幾つかの態様において、トラック252が、背面216に沿って長いエッジ222に延びている。幾つかの態様において、他のトラック254が、本体212の長さLに沿って少なくとも部分的に延びている。図示されるように、幾つかの態様において、トラック254が、背面216に沿って長いエッジ224に延びている。トラック252、254同士は互いに略平行である。幾つかの態様において、トラック252、254が、背面216に対して平行に通るよう取り付けられている。幾つかの態様において、トラック252、254が、前面214に対して平行に通るよう取り付けられている。
【0034】
キャリッジ260が、トラック252、254に取り付けられており、かつ背面216の近傍にある。キャリッジ260は、レール262を介してトラック252、254に取り付けられている。レール262は、各トラック252、254に取り付けられたアダプタ264に結合されている。キャリッジ260は、トラック252、254に沿ったX方向の移動のために構成されている。幾つかの態様において、X方向の移動が、対応するトラック252、254と係合する各アダプタ264のホイール又はローラ266によって容易になる。一例において、ホイール又はローラ266には、X方向にキャリッジ260を推進するために電力供給される。キャリッジ260は、(X方向と直交する)Y方向の、レール262に沿った移動のために構成されている。幾つかの態様において、Y方向の移動が、1つ以上の油圧的又は空気圧的なシリンダによって容易になる。幾つかの態様において、キャリッジ260が、移動の追加の自由度(degrees of freedom)を促進するジンバルシステム(図示せず)を含む。
【0035】
幾つかの態様において、トラック252又はトラック254の一方が省かれうる。一例において、トラック(252又は254)が1つだけ存在する。このような態様において、アダプタ264の一方がトラック252/254に取り付けられており、アダプタ264の他方が背面216に係合する。図2Eに概略的に示す一例では、アダプタ264Aはトラック252に係合し、アダプタ264Bは、背面216を1つ以上のホイール/ローラ273と係合させており、当該ホイール/ローラ273は、転がりながら背面216と接触する。図2Fに概略的に示される他の例において、アダプタ264Aはトラック252に係合し、アダプタ264Cは、背面216をスキー部274と係合させており、当該スキー部274は、摺動しながら背面216に接触する。図2Gに概略的に示される他の例において、アダプタ264Aはトラック252に係合し、アダプタ264Dは、背面216をキー部275と係合させており、当該キー部275は、背面216又は長いエッジ224に設けられたチャネル235内で摺動しながら接触する。
【0036】
ドリル270が、キャリッジ260に取り付けられている。幾つかの態様において、ドリル270は、コンピュータ数値制御(CNC:computer numerical control)機械である。図2Hに概略的に図示するように、ドリル270が、ジグ210に取り付けられた部品(部品160など)に孔を作るよう構成された1つ以上のツール272を含み、例えばドリルビット272Aを含む。幾つかの態様において、ドリル270が、1つ以上の他のツール272を含む。例示的なツール272が、ルータ272B、又は(例えば、バリ取りのための)仕上げツール272Cなどを含む。幾つかの態様において、ドリル270が、ジグ210に取り付けられた部品に対して所望の向きでドリル270のツール272(ドリルビット272Aなど)の位置決めするのを可能とする調整機構(ジンバルなど、図示せず)によって、キャリッジ260に取り付けられている。一例において、調整機構によって、ドリルビット272Aの軸がジグ210に取り付けられた部品に対して垂直となるよう位置決めすることが可能となる。
【0037】
幾つかの態様において、1つ以上の他のツール272が、キャリッジ260及び/又はドリル270に取り付けられる。例示的な他のツール272が、穿孔による破片を除去するための真空抽出器272Dを含みうる。例示的な他のツール272が、ドリル270の位置決めを支援するため、又はドリル270が行った作業を観察及び/又は検査するためのセンサ272E(カメラなど、又はレーザ測定器といった測定ツール)を含みうる。キャリッジ260、ドリル270、及び、キャリッジ260又はドリル270に取り付けられた任意のツール272の動作は先に記載のコントローラによって制御できることが考えられている。
【0038】
図2Iは、部品(部品160など、図1D)を収容するジグ210’の一部分の概略的な長手方向の断面図であり、当該部品の底面(底面164など)が、非平面的な部分(非平面的な部分168など)を含んでいる。ジグ210’は、ジグ210と同様に構成されている。ジグ210’の前面214’は輪郭296を含む。図示されるように、幾つかの態様において、背面216’は、輪郭296において及び輪郭296を超したところで、前面214’に対して略平行なままである。前面214’は、当該前面214’に当てて位置決めされる部品(部品160など)の公称形状180を定める。図示されるように、幾つかの態様において、各トラック(トラック252’のみ図示)が、輪郭296において及び輪郭296を超したところで、前面214’に対して略平行なままである。図示されるように、幾つかの態様において、各トラック(例えば、252’)が、輪郭296において及び輪郭296を超したところで、背面216’に対して略平行なままである。
【0039】
図3A図3Gは、一緒に組み立てられる部品を配置するためにシステム200を使用する態様、及び、対応する部品を貫通する1つ以上の孔を開けることで、部品を組み立てのために準備する態様を概略的に示す。図3A図3G、及びこれに付随する明細書の記載では、ジグ210、及びジグ210の任意の態様への参照により、ジグ210’、及びジグ210’の任意の態様が包含されると理解されたい。
【0040】
図3Aでは、ジグ210のポケット300内にある補強材130が示されている。幾つかの態様において、各補強材130が、先に記載のような、対応するポケット300の位置合わせフィーチャ340の近傍の位置に位置合わせされる。幾つかの態様において、各補強材130が、ネジ、スタッド、ボルト、又はピンといったツールピン(tooling pin)によって、位置合わせされた位置で固定されている。
【0041】
図3Bでは、スパー110(前スパー110F又は後スパー110Rなど)が、ジグ210の前面214に当接して補強材130の上に位置決めされているのが示されている。図示されるように、スパー110は突起部244と位置合わせされており、かつ突起部244に接触している。幾つかの態様において、スパー110はさらに、スパーの一部分と、第2の突起部(図示せず)などの他の位置合わせフィーチャ240との位置合わせによって、位置決めされうる。幾つかの態様において、スパー110はさらに、成形された凹部176(図1C)といったスパー110のフィーチャを、ジグ210の突起と位置合わせすることで、及び/又は突起174(図1C)といったスパー110のフィーチャを、ジグ210の成形された凹部と位置合わせすることで、位置決めされうる。幾つかの態様において、スパー110はさらに、位置合わせ孔172(図1C)といった位置合わせ孔と、先に記載したようなジグ210のデータム孔242との位置合わせによって、位置合わせされうる。
【0042】
幾つかの態様において、スパー110が、所定の公差の範囲内で、前面214が定める公称形状(180、図2I)に対して適合される。幾つかの態様において、公称形状180に対してスパー110を適合させることが、ジグ210’の輪郭296といった輪郭に対してスパー110を適合させることを含む。図3Cは、輪郭296に対するスパー110の適合を図示した、ジグ210’の一部分の概略的な長手方向の断面図である。幾つかの態様において、公称形状180に対してスパー110を適合させることが、スパー110の少なくとも一部分に予荷重を加えること、スパー110の一部分から材料を除去すること、又は、スパー110の一部分と前面214’との間にシム182を付加すること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0043】
一例において、部分184が、スパー110が輪郭296に対して適合させるのを可能とするためにスパー110から除去された材料を表している。幾つかの態様において、スパー110の一部分と前面214’との間にシム182を付加することが、スパー110にシム182を接着させることを含む。幾つかの態様において、スパー110の一部分と前面214’との間にシム182を付加することが、液体の形態によるシム182を施すこと、及びその液体を凝固させること含む。シム182は、スパー110が公称形状180で維持されるように、スパー110に接着する。
【0044】
幾つかの態様において、スパー110が、先に記載したようなツールピン292によって、位置合わせされた位置でジグ210/210’に固定される。幾つかの態様において、スパー110は、所定の公差の範囲内で、前面214/214’により定められた公称形状180に当該スパー110を適合させた後で、先に記載したようなツールピン292によって、ジグ210/210’に固定される。ツールピン292は、所定の公差の範囲内で公称形状180に適合して、前面214/214’上にスパー110を保持するよう構成されている。幾つかの態様において、スパー110が、先に記載したようなツールピン292などによって、輪郭296に対して固定される。
【0045】
図3Dは、スパー110を位置決めした後のジグ210の背面216の一部分の図である。明確にするために、トラック252、254は省略されている。各補強材130が、対応するスロット335を通って突出しているのが示されており、補強材130のフランジ132が、各ポケット300の底320から背面216まで延びる孔330を介して見える。図示されるように、ツールピン292が補強材130をジグ210に固定する。幾つかの態様において、1つ以上のツールピン292が補強材130をスパー110に固定する。
【0046】
図3Eでは、リブポスト140がスパー110上で位置決めされているのが示されている。幾つかの態様において、各リブポスト140が、スパー110の位置合わせフィーチャの近傍の位置に対して位置合わせされる。一例において、各リブポスト140のフランジ142に設けられた1つ以上の位置合わせ孔(位置合わせ孔172など、図1C)が、スパー110の対応する位置合わせ孔(例えば、位置合わせ孔172)と位置合わせされる。幾つかの態様において、各リブポスト140は、先に記載のようなツールピン292によって、位置合わせされた位置で固定される。
【0047】
幾つかの態様において、任意の2つの部品(スパー110、補強材130、及び/又はリブポスト140など)の1つ以上の接触表面が、当該部品がジグ210/210’に載っている間互いに適合するよう調整されうる。図3Fは、部品160A及び部品160Bとして表された2つの部品の互いの適合を図示する概略的な長手方向の断面図である。このような適合によって、部品160Aと部品160Bとが、所定の公差の範囲内で公称構成となるよう配置される。各部品160A、160Bは、スパー110、前スパー110F、後スパー110R、リブ120、補強材130、リブポスト140、又は組み立てられて1つ以上のさらなる部品となる任意の他のアイテム、のうちのいずれかを表しうる。
【0048】
部品160Aが、部品160Bの上に示されている。幾つかの態様において、部品160Aを部品160Bに対して適合させることが、部品160Aの少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、部品160Bの少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、部品160Aの一部分から材料を除去すること、
部品160Bの一部分から材料を除去すること、又は、部品160Aの一部分と部品160Bの一部分との間にシム182を付加することのうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
一例において、部分184Aは、部品160Aが部品160Bに適合するのを可能とするために、部品160Aの一部分から除去された材料を表している。他の例において、部分184Bは、部品160Aが部品160Bに適合するのを可能とするために、部品160Bの一部分から除去された材料を表している。幾つかの態様において、部品160Aの一部分と部品160Bの一部分の間にシム182を付加することが、シム182を部品160A又は部品160Bに接着させることを含む。幾つかの態様において、部品160Aの一部分と部品160Bの一部分の間にシム182を付加することが、液体の形態によるシム182を施すこと、及びその液体を凝固させることを含む。シム182は、当該シム182が接着する部品160A又は160Bが、他方の部品160A又は160Bに適合する形状を維持するように、部品160A又は部品160Bに接着する。
【0050】
幾つかの態様において、部品160Aが、先に記載したようなツールピン292によって部品160Bに固定される。幾つかの態様において、部品160Aは、当該部品160Aを所定の公差の範囲内で部品160Bと適合させた後で、先に記載したようなツールピン292によって部品160Bに固定される。ツールピン292は、所定の公差の範囲内で部品160Bに対して部品160Aを保持するよう構成されている。
【0051】
図3Fは、部品160Aを貫通する孔152Aが、部品160Bを貫通する孔152Bと位置合わせされているのを示している。孔152Aは、部品160Aと部品160Bとの接続部分165を介して、孔152Bと連続している。図3Gは、ファスナ(150、図1B)のために、部品(例えば、部品160、部品160A、部品160B、スパー110、前スパー110F、後スパー110R、補強材130、リブポスト140)に孔(例えば、孔152(図1B)、孔152A、152B(図3F))を作るための穿孔処理を示している。幾つかの態様において、穿孔処理が、ジグ210の前面214を上に向けて行われる。幾つかの態様において、穿孔処理が、ジグ210の前面214を下に向けて行われる。図示されるように、幾つかの態様において、穿孔処理が、ジグ210の前面214を側方に向けて行われる。モータ286が、要求される任意の方向にジグ210を回転させるよう動作しうる。
【0052】
穿孔処理は、ジグ210の裏側から行われる。キャリッジ260が、トラック252、254に沿って、かつレール262に沿って移動して、各孔230、330でドリル270を位置決めする。幾つかの態様において、ドリル270と各孔230、330との位置合わせは、ドリル270が孔152を作る前に、例えばコントローラと通信する位置センサ(例えば、センサ272E、図2H)を介して検証されうる。幾つかの態様において、コントローラはドリル270が孔152を作る前に、ドリル270のドリルビット(272A、図2H)が、ドリル270に面した部品表面(例えば底面164、図1D)に対して垂直に位置合わせされていることを確認することができる。一例において、コントローラは、ドリル270のドリルビット272Aがジグ210の前面214に対して垂直に位置合わせされていることを確認することができる。ジグ210の背面216がジグ210の前面214に対して平行な態様において、コントローラは、ドリル270が孔152を作る前に、ドリル270のドリルビット272Aがジグ210の背面216に対して垂直に位置合わせされていることを確認することができる。
【0053】
孔を作るために、ドリル270は、ジグ210の孔230、330に通してドリルビット272Aを動かし、その後、対応する部品(例えば、部品160、部品160A、部品160B、スパー110、前スパー110F、後スパー110R、補強材130、リブポスト140)に接触させて突き抜けさせる。幾つかの態様において、ドリル270によって作られた孔は、部品をジグ210上で保持したまま検査される。一例において、キャリッジ260に取り付けられたセンサ272E(カメラなど、又は、レーザ測定器といった測定ツール)が、孔152のサイズ、外形、向き、又は表面仕上げを走査し、撮像し、観測し又はそうでなければ調査する。幾つかの態様において、ドリル270の動作、及び任意の穿孔後検査の性能が、コントローラによって制御される。
【0054】
幾つかの態様において、ドリル270が、1回の処理で複数の部品を貫通する孔152を作る。一例において、ドリル270は、補強材130のフランジ132及びスパー110を貫通する孔152を1回の処理で作る。補強材130のフランジ132を貫通する孔152は、スパー110を貫通する孔152と位置合わせされている。他の例において、ドリル270は、リブポスト140のフランジ142及びスパー110に貫通する孔152を1回の処理で作る。リブポスト140のフランジ142を貫通する孔152は、スパー110を貫通する孔152と位置合わせされている。幾つかの態様において、ドリルが、部品を1つだけ貫通する孔152を一回の処理で作る。一例において、ドリル270が、スパー110のみを貫通する孔152を作る。先のシナリオ及び例のいずれにおいても、孔152は、後で、例えば部品の最終的な組み立ての間などに開けられるパイロット孔でありうる。代替的に、孔152が、ドリル270によって、部品の最終的な組み立ての間にファスナ(ファスナ150など)のサイズに対応するサイズに作られる。一例において、ファスナ150が、孔152の中での締まりばめのために寸法設定される。
【0055】
図4は、部品のアセンブリを製造する方法400のフローチャートである。部品は、本明細書に記載の部品160、部品160A、部品160B、スパー110、前スパー110F、後スパー110R、補強材130、リブポスト140のうちのいずれかを含みうる。工程402において、第1の部品及び第2の部品が、ジグ210又は210’といった第1のジグ上で位置決めされる。幾つかの態様において、第1のジグが第1のファクトリ位置に位置している。幾つかの態様において、第1のジグの表面(前面214/214’など)が、第1の部品の公称形状(公称形状180など)を定める。幾つかの態様において、工程402が、所定の公差の範囲内で公称形状に対して第1の部品を適合させることを含む。
【0056】
幾つかの態様において、公称形状に対しての第1の部品を適合させることが、第1の部品の少なくとも一部分に予荷重を加えること、第1の部品の一部分から材料(部分184など)を除去すること、又は、第1の部品の一部分と表面の間にシム(シム182など)を付加すること、のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と表面の間にシムを付加することが、第1の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と表面の間にシムを付加することが、液体の形態によるシムを施すこと、及びその液体を凝固させることを含む。
【0057】
幾つかの態様において、工程402は、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方を、第1のジグに対して所望の配向に位置合わせすることを含む。一例において、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方が、本明細書に記載のような、第1のジグの位置合わせフィーチャ(例えば、位置合わせフィーチャ240/340)に位置合わせされる。例えば、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方の1つ以上の位置合わせフィーチャ(1つ以上の位置合わせフィーチャ170など)が、第1のジグの1つ以上の対応するフィーチャ(例えば、240、340)の近傍の位置に対して位置合わせされる。
【0058】
幾つかの態様において、工程402は、所望の近接配置となるよう、第1の部品と第2の部品とを互いに対して位置合わせすることを含む。一例において、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方が、本明細書に記載のような、他方の第1の部品又は第2の部品の位置合わせフィーチャ(例えば、1つ以上の位置合わせフィーチャ170)に位置合わせされる。例えば、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方の1つ以上の位置合わせフィーチャ(1つ以上の位置合わせフィーチャ170など)が、他方の第1の部品又は第2の部品の1つ以上の対応するフィーチャ(例えば、1つ以上の位置合わせフィーチャ170)の近傍の位置に対して位置合わせされる。
【0059】
幾つかの態様において、工程402は、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することを含む。一例において、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することが、第1の部品と第2の部品とを互いに適合させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品と第2の部品を互いに適合させることが、第1の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第2の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第1の部品の一部分から材料(部分184Aなど)を除去すること、第2の部品の一部分から材料(部分184Bなど)を除去すること、又は、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシム182を付加することのうちの少なくとも1つを含む。
【0060】
幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第1の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第2の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、液体の形態によるシムを施すこと、及びその液体を凝固させることを含む。一例において、工程402は、所定の公差の範囲内で第1の部品と第2の部品を互いに適合させることで、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することを含む。
【0061】
幾つかの態様において、工程402は、所定の公差の範囲内で公称形状に対して第1の部品を適合させた後で、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方を第1のジグに固定することを含む。幾つかの態様において、第1のジグに固定することが、本明細書に記載のような、1つ以上のツールピン(ツールピン292など)を適用することによったものでありうる。幾つかの態様において、工程402は、第1の部品と第2の部品とを互いに固定することを含む。幾つかの態様において、第1のジグと第2のジグとを互いに固定することが、本明細書に記載のような、1つ以上のツールピン(ツールピン292など)を適用することによったものでありうる。
【0062】
工程404において、孔(孔152、152A、152Bなど)が、第1のジグ上の第1の部品及び第2の部品を貫通して開けられる。幾つかの態様において、孔が、1回の穿孔処理で第1の部品及び第2の部品を貫通して開けられる。幾つかの態様において、孔が、第1の部品と第2の部品の接続部分(接続部分165など)を通って開けられる。幾つかの態様において、孔が、本明細書に記載のように開けられる。幾つかの態様において、孔がパイロット孔である。幾つかの態様において、孔が、ファスナ150といったファスナのサイズに対応するサイズまで開けられる。幾つかの態様において、工程404が、第1のジグの裏側から孔を作ることを含む。幾つかの態様において、工程404が、ドリル270といったドリルのドリルビット(ドリルビット272Aなど)によって孔を作ることを含む。幾つかの態様において、工程404が、第1のジグの孔(孔230/330など)に通してドリルのドリルビットを動かし、その後第1の部品及び第2の部品に接触させて突き抜けさせることを含む。
【0063】
幾つかの態様において、方法400が、第1の部品及び第2の部品が第1のジグに載っている間に孔を検査することを含む。幾つかの態様において、孔を検査することが、キャリッジ(キャリッジ260など)に取り付けられたツール(ツール272のうちの少なくとも1つなど)を使用することを含む。幾つかの態様において、ツールがセンサ(例えば、センサ272E)である。幾つかの態様において、センサがカメラである。幾つかの態様において、センサが、レーザ測定器といった測定ツールである。幾つかの態様において、孔を検査することが、ツールを使用して、孔のサイズ、外形、向き、又は表面仕上げを走査し、撮像し、観測し又はそうでなければ調査することを含む。
【0064】
工程406において、第1の部品及び第2の部品が第1のジグから取り除かれる。幾つかの態様において、工程406が、第1の部品と第2の部品とを分離することを含む。
【0065】
工程408において、第1の部品と第2の部品が、ジグ210又は210’といった第2のジグ上で位置決めされる。幾つかの態様において、第2のジグが第2のファクトリ位置に位置している。第2のファクトリ位置は、第1のファクトリ位置とは異なっている。幾つかの態様において、第2のファクトリ位置が、第1のファクトリ位置を収容する建物とは異なる建物内にある。幾つかの態様において、第2のファクトリ位置が、第1のファクトリ位置が収容された建物の異なる部分にある。幾つかの態様において、工程406と工程408の間に、第1の部品及び第2の部品が、第1のファクトリ位置から第2のファクトリ位置へと移送される。一例において、工程406と工程408の間に、第1の部品と第2の部品が一緒に、第1のファクトリ位置から第2のファクトリ位置へと移送される。他の例において、工程406と工程408の間に、第1の部品と第2の部品とが別々に、第1のファクトリ位置から第2のファクトリ位置へと移送される。
【0066】
幾つかの態様において、第2のジグの表面(前面214/214’など)が、第1の部品の公称形状(公称形状180など)を定める。幾つかの態様において、工程408が、第1の部品が所定の公差の範囲内で公称形状に対して適合することを確認することを含む。幾つかの態様において、工程408が、本明細書に記載のように、所定の公差の範囲内で公称形状に対して第1の部品を適合させることを含む。
【0067】
幾つかの態様において、工程408は、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方を、第2のジグに対して所望の配向に位置合わせすることを含む。一例において、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方が、本明細書に記載のような、第2のジグの位置合わせフィーチャ(例えば、位置合わせフィーチャ240/340)に位置合わせされる。例えば、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方の1つ以上の位置合わせフィーチャ(1つ以上の位置合わせフィーチャ170など)が、第2のジグの1つ以上の対応するフィーチャ(例えば、240、340)の近傍の位置に対して位置合わせされる。
【0068】
幾つかの態様において、工程408は、所望の近接配置となるよう、第1の部品と第2の部品とを互いに対して位置合わせすることを含む。一例において、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方が、本明細書に記載のような、他方の第1の部品又は第2の部品の位置合わせフィーチャ(例えば、1つ以上の位置合わせフィーチャ170)に位置合わせされる。例えば、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方の1つ以上の位置合わせフィーチャ(1つ以上の位置合わせフィーチャ170など)が、他方の第1の部品又は第2の部品の1つ以上の対応するフィーチャ(例えば、1つ以上の位置合わせフィーチャ170)の近傍の位置に対して位置合わせされる。
【0069】
幾つかの態様において、工程408は、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することを含む。一例において、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することが、第1の部品と第2の部品とを互いに適合させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品と第2の部品を互いに適合させることが、第1の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第2の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第1の部品の一部分から材料(部分184Aなど)を除去すること、第2の部品の一部分から材料(部分184Bなど)を除去すること、又は、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシム182を付加することのうちの少なくとも1つを含む。
【0070】
幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第1の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第2の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、液体の形態によるシムを施すこと、及びその液体を凝固させることを含む。一例において、工程408は、所定の公差の範囲内で第1の部品と第2の部品を互いに適合させることで、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することを含む。
【0071】
幾つかの態様において、工程408は、所定の公差の範囲内で公称形状に対して第1の部品を適合させた後で、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方を第1のジグに固定することを含む。幾つかの態様において、第1のジグに固定することが、本明細書に記載のような、1つ以上のツールピン(ツールピン292など)を適用することによったものでありうる。幾つかの態様において、工程408は、第1の部品と第2の部品とを互いに固定することを含む。幾つかの態様において、第1のジグと第2のジグとを互いに固定することが、本明細書に記載のような、1つ以上のツールピン(ツールピン292など)を適用することによったものでありうる。
【0072】
幾つかの態様において、工程406と工程408の間に、組立前処理が、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方で行われる。幾つかの態様において、組立前処理は、穿孔による破片を除去すること、バリ取り、下塗りを施すこと、陽極酸化、又はフェイシールなどのシールを施すこと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0073】
本方法は、方法400が、第1の部品及び第2の部品が第2のジグに載っている間に孔を検査することを含む。幾つかの態様において、孔を検査することが、キャリッジ(キャリッジ260など)に取り付けられたツール(ツール272のうちの少なくとも1つなど)を使用することを含む。幾つかの態様において、ツールがセンサ(例えば、センサ272E)である。幾つかの態様において、センサがカメラである。幾つかの態様において、センサが、レーザ測定器といった測定ツールである。幾つかの態様において、孔を検査することが、ツールを使用して、孔のサイズ、外形、向き、又は表面仕上げを走査し、撮像し、観測し又はそうでなければ調査することを含む。
【0074】
工程410において、第2のジグ上で第1の部品と第2の部品を連結させるために、ファスナ150といったファスナが孔に挿入される。幾つかの態様において、ファスナが、孔の中での締まりばめである。幾つかの態様において、ファスナが、孔の中での締まりばめではない。
【0075】
図5は、部品のアセンブリを製造する方法500のフローチャートである。部品は、本明細書に記載の部品160、部品160A、部品160B、スパー110、前スパー110F、後スパー110R、補強材130、リブポスト140のうちのいずれかを含みうる。工程502において、第1の部品が、ジグ(ジグ210/210’など)の前面(前面214/214’など)に載置される。前面は、背面(背面216/216’)とは反対にある。幾つかの態様において、ジグの前面が、第1の部品の公称形状(公称形状180など)を定める。幾つかの態様において、工程502が、所定の公差の範囲内で公称形状に対して第1の部品を適合させることを含む。幾つかの態様において、工程502は、第1の部品と前面との間の接続部分を解析することと、所定の公差から外れる第1の部品を特定することと、を含む。
【0076】
幾つかの態様において、公称形状に対して第1の部品を適合させることが、前面に当接する第1の部品の適合度を調整することを含む。幾つかの態様において、公称形状に対しての第1の部品を適合させることが、第1の部品の少なくとも一部分に予荷重を加えること、第1の部品の一部分から材料(部分184など)を除去すること、又は、第1の部品の一部分と前面の間にシム(シム182)を付加すること、のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と前面の間にシムを付加することが、第1の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と前面の間にシムを付加することが、液体の形態によるシムを施すこと、及びその液体を凝固させることを含む。
【0077】
幾つかの態様において、工程502は、第1の部品を、前面に対して所望の配向に位置合わせすることを含む。一例において、第1の部品が、本明細書に記載のような、位置合わせフィーチャ(例えば、位置合わせフィーチャ240/340)に位置合わせされる。例えば、第1の部品の1つ以上の位置合わせフィーチャ(1つ以上の位置合わせフィーチャ170など)が、1つ以上の対応するフィーチャ(例えば、240、340)の近傍の位置に対して位置合わせされる。
【0078】
幾つかの態様において、工程502は、所定の公差の範囲内で公称形状に対して第1の部品を適合させた後で、第1の部品をジグに固定することを含む。幾つかの態様において、上記固定することが、本明細書に記載のような、1つ以上のツールピン(ツールピン292など)を適用することによったものでありうる。
【0079】
幾つかの例において、第1の部品が、第2の部品に少なくとも部分的にかぶさる。幾つかの例において、第2の部品が、第1の部品に少なくとも部分的にかぶさる。幾つかの態様において、先の例のいずれにおいても、工程502は、所望の近接配置となるよう第1の部品と第2の部品とを互いに対して位置合わせすることを含む。一例において、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方が、本明細書に記載のような、他方の第1の部品又は第2の部品の位置合わせフィーチャ(例えば、1つ以上の位置合わせフィーチャ170)に位置合わせされる。例えば、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方の1つ以上の位置合わせフィーチャ(1つ以上の位置合わせフィーチャ170など)が、他方の第1の部品又は第2の部品の1つ以上の対応するフィーチャ(例えば、1つ以上の位置合わせフィーチャ170)の近傍の位置に対して位置合わせされる。
【0080】
幾つかの態様において、工程502は、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することを含む。一例において、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することが、第1の部品と第2の部品とを互いに適合させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品と第2の部品を互いに適合させることが、第1の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第2の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第1の部品の一部分から材料(部分184Aなど)を除去すること、第2の部品の一部分から材料(部分184Bなど)を除去すること、又は、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシム182を付加することのうちの少なくとも1つを含む。
【0081】
幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第1の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第2の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、液体の形態によるシムを施すこと、及びその液体を凝固させることを含む。一例において、工程502は、所定の公差の範囲内で第1の部品と第2の部品を互いに適合させることで、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することを含む。
【0082】
幾つかの態様において、工程502は、第1の部品と第2の部品とを互いに固定することを含む。幾つかの態様において、第1のジグと第2のジグとを互いに固定することが、本明細書に記載のような、1つ以上のツールピン(ツールピン292など)を適用することによったものでありうる。
【0083】
工程504において、ドリル270といったドリルが、背面において、ジグの孔(孔230/330など)と位置合わせされる。ドリルが、ジグの長さの少なくとも一部に沿って伸長するトラック(トラック252/252’/254など)に結合されている。
【0084】
幾つかの態様において、ドリルを孔と位置合わせすることが、先に記載したような、ドリルが取り付けられたキャリッジ(キャリッジ260など)を動かすことを含む。幾つかの態様において、工程504は、先に記載したように、ドリルが孔と位置合わせされていることを確認することを含む。幾つかの態様において、工程504は、ドリルのドリルビットが、ドリルに面した部品表面に対して垂直に位置合わせされていることを確認することを含む。幾つかの態様において、工程504は、ドリルのドリルビットがジグの前面に対して垂直に位置合わせされていることを確認することを含む。幾つかの態様において、工程504は、ドリルのドリルビットがジグの背面に対して垂直に位置合わせされていることを確認することを含む。幾つかの態様において、工程504は、ドリルビットの向きを調整することを含む。
【0085】
工程506において、ドリルのドリルビット(ドリルビット272Aなど)が、第1の部品を貫通する孔を作るために、孔に通されて動かされる。幾つかの態様において、孔が、本明細書に記載のように開けられる。幾つかの態様において、孔が、先に記載のようなパイロット孔である。幾つかの態様において、孔が、ファスナ150といったファスナのサイズに対応するサイズまで開けられる。一例において、ファスナが、孔の中での締まりばめのために寸法設定される。幾つかの態様において、工程506が、ジグの裏側から孔を作ることを含む。幾つかの態様において、工程506が、ドリルのドリルビットを孔に通して動かし、その後、第1の部品に接触させて突き抜けさせることを含む。
【0086】
幾つかの態様において、ドリルビットが、第2の部品を貫通する孔を作る。幾つかの態様において、第2の部品を貫通する孔が、第1の部品を貫通する孔と位置合わせされる。幾つかの態様において、第1の部品及び第2の部品を貫通する孔が、1回の穿孔処理で作られる。幾つかの態様において、孔が、第1の部品と第2の部品の接続部分(接続部分165など)を通って開けられる。
【0087】
幾つかの態様において、方法500は、孔を検査することを含む。幾つかの態様において、孔を検査することが、キャリッジ(キャリッジ260など)に取り付けられたツール(ツール272のうちの少なくとも1つなど)を使用することを含む。幾つかの態様において、ツールがセンサ(例えば、センサ272E)である。幾つかの態様において、センサがカメラである。幾つかの態様において、センサが、レーザ測定器といった測定ツールである。幾つかの態様において、孔を検査することが、ツールを使用して、孔のサイズ、外形、向き、又は表面仕上げを走査し、撮像し、観測し又はそうでなければ調査することを含む。
【0088】
幾つかの態様において、方法400の任意の1つ以上の工程が、方法500に組み込まれうる。幾つかの態様において、方法500の任意の1つ以上の工程が、方法400に組み込まれうる。
【0089】
図6は、部品のアセンブリを製造する方法600のフローチャートである。部品は、本明細書に記載の部品160、部品160A、部品160B、スパー110、前スパー110F、後スパー110R、補強材130、リブポスト140のうちのいずれかを含みうる。工程602において、第1のファクトリ位置において、第1の部品と第2の部品とが、公称構成となるよう互いに対して位置決めされる。幾つかの態様において、工程602は、第1の部品と第2の部品を互いに適合させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品と第2の部品を互いに適合させることが、第1の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第2の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第1の部品の一部分から材料(部分184Aなど)を除去すること、第2の部品の一部分から材料(部分184Bなど)を除去すること、又は、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシム182を付加することのうちの少なくとも1つを含む。
【0090】
幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第1の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第2の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、液体の形態によるシムを施すこと、及びその液体を凝固させることを含む。一例において、工程602は、所定の公差の範囲内で第1の部品と第2の部品を互いに適合させることで、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することを含む。
【0091】
幾つかの態様において、工程602は、第1の部品と第2の部品とを互いに固定することを含む。幾つかの態様において、第1のジグと第2のジグとを互いに固定することが、本明細書に記載のような、1つ以上のツールピン(ツールピン292など)を適用することによったものでありうる。
【0092】
工程604において、第1のファクトリ位置で、ファスナ接合孔(孔152、152A、152Bなど)が、第1の部品及び第2の部品の接続部分(接続部分165など)を通って開けられる。幾つかの態様において、ファスナ接合孔が、本明細書に記載のように開けられる。幾つかの態様において、ファスナ接合孔を開けることが、パイロット孔を開けることと、次いで、パイロット孔を、ファスナ150といったファスナのサイズに対応するサイズまで開けることと、を含む。幾つかの態様において、ファスナ接合孔が、1回の穿孔処理で、ファスナのサイズに対応するサイズまで開けられる。例示的な寸法設定では、ファスナが、孔の中での締まりばめのために寸法設定される。
【0093】
幾つかの態様において、方法600が、第1の部品及び第2の部品が第1のファクトリ位置にある間に、ファスナ接合孔を検査することを含む。幾つかの態様において、ファスナ接合孔を検査することが、キャリッジ(キャリッジ260など)に取り付けられたツール(ツール272のうちの少なくとも1つなど)を使用することを含む。幾つかの態様において、ツールがセンサ(例えば、センサ272E)である。幾つかの態様において、センサがカメラである。幾つかの態様において、センサが、レーザ測定器といった測定ツールである。幾つかの態様において、ファスナ接合孔を検査することが、ツールを使用して、ファスナ接合孔のサイズ、外形、向き、又は表面仕上げを走査し、撮像し、観測し又はそうでなければ調査することを含む。幾つかの態様において、方法600は、ファスナ接合孔を開けた後に、第1の部品と第2の部品を分離することを含む。
【0094】
工程606において、第2のファクトリ位置で、第1の部品及び第2の部品が、ファスナ接合のために位置決めされる。第2のファクトリ位置は、第1のファクトリ位置とは異なっている。幾つかの態様において、第2のファクトリ位置が、第1のファクトリ位置を収容する建物とは異なる建物内にある。幾つかの態様において、第2のファクトリ位置が、第1のファクトリ位置が収容された建物の異なる部分にある。幾つかの態様において、工程604と工程606の間に、第1の部品及び第2の部品が、第1のファクトリ位置から第2のファクトリ位置へと移送される。一例において、工程604と工程606の間に、第1の部品と第2の部品が一緒に、第1のファクトリ位置から第2のファクトリ位置へと移送される。他の例において、工程604と工程606の間に、第1の部品と第2の部品とが別々に、第1のファクトリ位置から第2のファクトリ位置へと移送される。
【0095】
幾つかの態様において、工程606は、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することを含む。一例において、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することが、第1の部品と第2の部品を互いに適合させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品と第2の部品を互いに適合させることが、第1の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第2の部品の少なくとも一部分に対して予荷重を加えること、第1の部品の一部分から材料(部分184Aなど)を除去すること、第2の部品の一部分から材料(部分184Bなど)を除去すること、又は、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシム182を付加することのうちの少なくとも1つを含む。
【0096】
幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第1の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、第2の部品にシムを接着させることを含む。幾つかの態様において、第1の部品の一部分と第2の部品の一部分の間にシムを付加することが、液体の形態によるシムを施すこと、及びその液体を凝固させることを含む。一例において、工程606は、所定の公差の範囲内で第1の部品と第2の部品を互いに適合させることで、公称構成となるよう第1の部品と第2の部品を互いに対して配置することを含む。
【0097】
幾つかの態様において、工程606は、第1の部品と第2の部品とを互いに固定することを含む。幾つかの態様において、第1のジグと第2のジグとを互いに固定することが、本明細書に記載のような、1つ以上のツールピン(ツールピン292など)を適用することによったものでありうる。
【0098】
幾つかの態様において,方法600が、工程604と工程606の間に、第1の部品又は第2の部品の少なくとも一方で組立前処理を実行することを含む。幾つかの態様において、組立前処理は、穿孔による破片を除去すること、バリ取り、下塗りを施すこと、陽極酸化、又はフェイシールなどのシールを施すこと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0099】
幾つかの態様において、方法600は、第1の部品及び第2の部品が第2のファクトリ位置にある間にファスナ接合孔を検査することを含む。幾つかの態様において、ファスナ接合孔を検査することが、キャリッジ(キャリッジ260など)に取り付けられたツール(ツール272のうちの少なくとも1つなど)を使用することを含む。幾つかの態様において、ツールがセンサ(例えば、センサ272E)である。幾つかの態様において、センサがカメラである。幾つかの態様において、センサが、レーザ測定器といった測定ツールである。幾つかの態様において、ファスナ接合孔を検査することが、ツールを使用して、ファスナ接合孔のサイズ、外形、向き、又は表面仕上げを走査し、撮像し、観測し又はそうでなければ調査することを含む。幾つかの態様において、方法600は、ファスナ接合孔を開けた後に、第1の部品と第2の部品を分離することを含む。
【0100】
幾つかの態様において、方法600は、第1の部品と第2の部品を連結させるために、ファスナ150といったファスナをファスナ接合孔に挿入することを含む。幾つかの態様において、ファスナを挿入することが第2のファクトリ位置において行われる。幾つかの態様において、ファスナが、ファスナ接合孔の中での締まりばめである。幾つかの態様において、ファスナが、ファスナ接合孔の中での締まりばめではない、
【0101】
幾つかの態様において、方法400の任意の1つ以上の工程が、方法600に組み込まれうる。幾つかの態様において、方法500の任意の1つ以上の工程が、方法600に組み込まれうる。幾つかの態様において、方法600の任意の1つ以上の工程が、方法400に組み込まれうる。幾つかの態様において、方法600の任意の1つ以上の工程が、方法500に組み込まれうる。
【0102】
本開示の例示的な実施形態は、図7に示す航空機の製造及び保守方法700、及び図8に示す航空機800に関連して説明されうる。まず図7を参照すると、例示的な態様に係る、航空機の製造及び保守方法がブロック図の形態で示されている。製造前の段階では、航空機の製造及び保守方法700は、図8の航空機800の仕様及び設計702、並びに材料の調達704を含みうる。
【0103】
製造段階では、航空機800のコンポーネント及びサブアセンブリの製造706とシステムインテグレーション708とが行われる。その後、航空機800は、認可及び納品710を経て、運航712に供されうる。顧客による運航712中に、航空機800には、定期的な整備及び保守714(改造、再設定、改修、又は他の整備及び保守を含みうる)が予定される。
【0104】
航空機の製造及び保守方法700の各プロセスは、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータによって行われ又は実行されうる。同実施例では、オペレータが顧客でありうる。この明細書において、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含みうるが、それらに限定されるわけではなく、第三者は、任意の数のベンダ、下請業者、及び供給業者を含みうるが、それらに限定されるわけではなく、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関等でありうる。
【0105】
ここで図8を参照すると、例示的な態様が実現されうる航空機がブロック図の形態により示されている。本例では、航空機800は、図7の航空機の製造及び保守方法700によって製造され、複数のシステム804及び内装806を有する機体802を含みうる。システム804の例は、推進システム808、電気システム810、油圧システム812、及び環境システム814のうちの1つ以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれうる。
【0106】
本明細書で具現化される装置及び方法は、航空機の製造及び保守方法700の諸段階のうちの少なくとも1つの段階で使用されうる。1つ以上の例示的な態様が、図7のコンポーネント及びサブアセンブリの製造706、システムインテグレーション708、運航712、又は整備及び保守714の間に製造又は使用されうる。
【0107】
本開示のシステム、装置、及び方法は、従来のシステム、装置、及び方法に対して幾つかの利点を提示する。例えば、繋ぎ合わされる部品間の適合度(fit)が、当該部品が最終的な組立位置で一緒にまとめられる前に調整され検証されうる。加えて、部品は、当該部品が最終的な組立位置で一緒にまとめられる前に、所定の公差の範囲内で公称のサイズ及び形状に適合するよう調整され確認されうる。このような態様によって、1つの位置でのテストフィッティング(fitting)、穿孔、及び組み立ての実行に対して、時間の節約が実現される。
【0108】
さらに、穿孔位置において、ファスナのサイズに対応するサイズまで孔を開け、次いで、異なる最終的な組立位置において部品を組み立てることで、最終的な組立位置でのより清浄な環境が促進される。というのは、最終的な組立位置では、穿孔による破片がほとんどなく又は全くないからである。さらに、穿孔位置でシステムを使用することで、最終的な組み立てにおいて、対応する部品同士の孔がずれている可能性が下がる。
【0109】
加えて、本開示のシステム、装置、及び方法によって、ファスナのサイズに対応するサイズまで孔を開け、その後、組立前処理(穿孔による破片を除去すること、バリ取り、下塗りを施すこと、陽極酸化、又はフェイシールを施すことなど)を実行することが容易になる一方で、穿孔処理と最終的な組み立て処理が1つの位置で一緒に実行されたときに生じうるシールの汚染又は劣悪な金属処理といったリスクが軽減される。
【0110】
さらに、穿孔機能を組み立て機能(ファスナの挿入など)から分離することで、これらの機能のために利用されるロボット機械は、穿孔機能と組み立て機能を組み合わせて実行する現在のロボット機械ほど複雑ではなく、より軽量になり、構築して稼働させて維持するのがより安価になりうる。例えば、穿孔機能と組み立て機能の組み合わせを実行する現在のロボット機械は、部品を貫通する孔を開けるために5軸CNCドリルを使用する。このようなドリルは、本明細書に記載のジグ装置の一部として使用できるよりシンプルなドリルと比較して大きくて複雑で重量があり、購入して維持するのに高くつく。
【0111】
本開示では、様々な態様が参照される。しかしながら、本開示は、記載された特定の態様に限定されない。そのかわりに、本明細書で提供される教示を実現し実践するために、以下の特徴及び要素のあらゆる組み合わせが、様々な態様に関連するかに関わらず、想定される。加えて、態様の要素が「A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)」の形態により記載されるときには、要素Aのみを含む態様と、要素Bのみを含む態様と、要素A及びBを含む態様がそれぞれ考えられると理解されたい。さらに、幾つかの態様が他の可能な解決策及び/又は従来技術に対して利点を実現しうるが、所与の態様によって特定の利点が実現されるか否かは、本開示の範囲を限定するものではない。従って、本明細書に開示された態様、特徴、及び利点は単に例示的なものであり、請求項に明記されない限り、添付の特許請求の範囲の要素であるとも、添付の特許請求の範囲を限定するとも見なされない。同様に、「本発明」への言及は、本明細書で開示されている発明のあらゆる発明の主題を一般化するものと解釈すべきではなく、請求項に明記されない限り、添付の特許請求の範囲の要素であるとも、添付の特許請求の範囲を限定するとも、見なすべきではない。
【0112】
当業者には分かるように、本明細書に記載の態様は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化されうる。これに対応して、態様は、専らハードウェアである態様、専らソフトウェアである態様(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又はソフトウェアの態様とハードウェアの態様を組み合わせる態様の形態をとりうるが、本明細書ではそれらは全て、「回路」、「モジュール」又は「システム」と広く称されうる。更に、本明細書に記載の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体で具現化された、コンピュータプログラム製品の形態をとりうる。
【0113】
コンピュータ可読記憶媒体で具現化されたプログラムコードは、任意の適切な媒体を使用して伝送されうるが、当該任意の適切な媒体は、限定するものではないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含む。
【0114】
本開示の態様のための処理を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、又はC++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語若しくはこれに類するプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれうる。プログラムコードは、専らユーザのコンピュータで実行されうるか、部分的にユーザのコンピュータで実行されうるか、スタンドアローン型のソフトウェアパッケージとして実行されうるか、部分的にユーザのコンピュータで、かつ部分的に遠隔コンピュータで実行されうるか、又は、専ら遠隔のコンピュータ若しくはサーバで実行されうる。最後の事例の場合、遠隔のコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)を含む任意の種類のネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されてよく、又は、(例えば、インタネットサービスプロバイダを使用してインタネットを通じて、)外部コンピュータへの接続がなされてよい。
【0115】
本開示の態様は、本明細書では、本開示の態様に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフロー図及び/又はブロック図を参照しながら記載される。フロー図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フロー図及び/又はブロック図における複数のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実行可能であると理解されよう。上記のコンピュータプログラム命令は、機械を生産するために、汎用コンピュータ又は特殊用途コンピュータのプロセッサ、又は他のプログラマブルデータ処理装置に提供することができ、これにより、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行されるこれらの命令によって、フロー図及び/又はブロック図のブロック内で指定された機能/アクションを実行するための手段が創出される。
【0116】
特定のやり方で機能するようコンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイスを指示しうる上記のコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ可読媒体に格納することが可能であり、これにより、ブロック図及び/又はフロー図のブロックで指定された機能/アクションを実行する命令を含むコンピュータ可読媒体に格納された命令が、製造品を作製する。
【0117】
コンピュータプログラム命令はまた、一連の処理ステップをコンピュータ、他のプログラマブルデータ装置、又はコンピュータにより実行されるプロセスを生成する他のデバイスで実行させるために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他の装置にロードすることができ、これにより、コンピュータ、他のプログラマブルデータ装置、又は他の装置で実行される命令が、フロー図及び/又はブロック図のブロックで指定された機能/アクションを実現する。
【0118】
図面のフロー図及びブロック図は、本開示の様々な態様に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実現のアーキテクチャ、機能、及び処理を図示している。そのため、フロー図又はブロック図の各ブロックは、特定の論理機能を実行するための1つ以上の実行可能な命令を含む、コードのモジュール、セグメント、又は部分を表しうる。さらに、幾つかの代替的な実施形態において、ブロックに記載された機能が、図面に記載される順序から外れて実行されうることに注意されたい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、関与する機能に従って、実質的に同時に実行されてよく、又は時には逆の順序で実行されてよい。ブロック図及び/又はフロー図の各ブロック、並びに、ブロック図及び/又はフロー図におけるブロックの組み合わせが、特定の機能若しくはアクションを実行する特殊用途のハードウェアベースのシステムによって、又は特殊用途ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装されうることにも注意されたい。
【0119】
任意の1つの態様が他の態様に有利に組み込まれうると考えられる。以上の明細書の記載は、本開示の態様を対象とするが、本開示の基本的な範囲を逸脱することなく、本開示の他の態様及び更なる態様が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。
図1A-B】
図1C
図1D
図2A
図2B-C】
図2D-E】
図2F-G】
図2H-I】
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】