(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149418
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】センサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01L 19/06 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
G01L19/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024059364
(22)【出願日】2024-04-02
(31)【優先権主張番号】18/295949
(32)【優先日】2023-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド エリック ワグナー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセント ウォング
(72)【発明者】
【氏名】クオン グエン
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055BB01
2F055BB05
2F055CC02
2F055EE23
2F055FF11
2F055GG25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】センサの最大許容厚さによって決定される最大ダイヤフラムサイズ制限の影響による、性能低下を防止する圧力センサを提供する。
【解決手段】センサアセンブリ1は、センサ10とアダプタ30とを備える。センサは、ポート150およびキャビティを有するハウジング100と、ポートに配置され、かつキャビティを閉塞するダイヤフラムと、キャビティに配置されたダイとを含む。ダイヤフラムは第1の平面で延びる。アダプタは、ハウジングに接続されたベース部分と、ベース部分から延びる端部分50とを有する。端部分は、第1の平面に対して垂直な第2の平面で延びる合わせ面52を有する。アダプタは、合わせ面をハウジングのポートに接続する、アダプタを通って延びるアダプタ通路40を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアセンブリ(1)であって、
センサ(10)であり、ポート(150)およびキャビティ(160)を有するハウジング(100)と、前記ポート(150)に配置され、かつ前記キャビティ(160)を閉塞するダイヤフラム(200)と、前記キャビティ(160)に配置されたダイ(300)とを含み、前記ダイヤフラム(200)は第1の平面(P1)で延びる、センサ(10)と、
アダプタ(30)であり、前記ハウジング(100)に接続されたベース部分(32)と、前記ベース部分(32)から延びる端部分(50)とを有し、前記端部分(50)は、前記第1の平面(P1)に対して垂直な第2の平面(P2)で延びる合わせ面(52)を有し、前記アダプタ(30)は、前記合わせ面(52)を前記ハウジング(100)の前記ポート(150)に接続する、前記アダプタ(30)を通って延びるアダプタ通路(40)を有する、アダプタ(30)とを備える、
センサアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記ハウジング(100)は、第1の面(112)と前記第1の面(112)とは反対側の第2の面(114)とを有する本体(110)を有し、前記ポート(150)は前記第1の面(112)から延びる、請求項1に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記ベース部分(32)は、前記ハウジング(100)の前記ポート(150)に接続された内面(34)と、前記ハウジング(100)とは反対側を向く外面(36)とを有し、前記アダプタ通路(40)は前記内面(34)内に延びる、請求項2に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記アダプタ通路(40)は、前記内面(34)から前記第2の平面(P2)に平行な第1の方向に延びる第1の部分(42)と、前記第1の部分(42)から前記合わせ面(52)へ延びる第2の部分(44)とを有し、前記第2の部分(44)は前記第1の部分(42)に対して垂直である、請求項3に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記ベース部分(32)は、前記内面(34)内に延び、かつ前記ダイヤフラム(200)に対向するチャンバ(37)を有し、前記アダプタ通路(40)は前記チャンバ(37)で終端する、請求項3に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記合わせ面(52)は、前記合わせ面(52)内に延びる凹部(54)を有し、前記アダプタ通路(40)は、前記合わせ面(52)の前記凹部(54)で終端する、請求項1に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記凹部(54)に配置されたアダプタシール(60)をさらに備え、前記アダプタシール(60)はエラストマー材料または金属材料である、請求項6に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記センサ(10)と前記アダプタ(30)との間に配置された本体シール(20)をさらに備え、前記本体シール(20)は、前記ダイヤフラム(200)の、前記キャビティ(160)とは反対側で、前記ポート(150)に配置されている、請求項1に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記本体シール(20)は、溶接部(29)によって前記ハウジング(100)および前記アダプタ(30)に接続されている、請求項8に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記本体シール(20)は、前記本体シール(20)を通って延び、かつ前記アダプタ通路(40)を前記ポート(150)に接続する中央通路(28)を有する、請求項8に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項11】
前記センサアセンブリ(1)は、前記第2の平面(P2)に平行な方向にアセンブリ厚さ(T)を有し、前記アセンブリ厚さ(T)は、前記第1の平面(P1)に平行な方向のアセンブリ高さ(H)よりも小さい、請求項1に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記ダイ(300)は、前記キャビティ(160)の圧力に従って撓むことが可能な薄膜(302)を有する、請求項1に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項13】
前記ポート(150)は第1のポート(152)であり、前記キャビティ(160)は第1のキャビティ(162)であり、前記ダイヤフラム(200)は前記センサ(10)の第1のダイヤフラム(202)であり、前記センサ(10)は、第2のポート(154)と、第2のキャビティ(164)と、前記第2のポート(154)に配置され、かつ前記第2のキャビティ(164)を閉塞する第2のダイヤフラム(204)とを含み、前記薄膜(302)は、前記第1のキャビティ(162)の第1の圧力(P1)と前記第2のキャビティ(164)の第2の圧力(P2)との差圧に従って撓むことが可能である、請求項12に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項14】
前記ハウジング(100)は、前記第1のポート(152)と前記第2のポート(154)とを接続する層流通路(146)を有し、前記層流通路(146)に配置された層流要素(62)をさらに備える、請求項13に記載のセンサアセンブリ(1)。
【請求項15】
前記アダプタ(30)の前記端部分(50)と前記ハウジング(100)との間に配置された加熱要素(90)と、前記ポート(150)の流体媒体の温度を測定する温度センサ(80)とをさらに備える、請求項1に記載のセンサアセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサアセンブリに関し、より詳細には、ダイヤフラムを有するセンサを備えるセンサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサは、一般に、ハウジングと、ハウジングに取り付けられたダイヤフラムとを有する。油がハウジングの通路内に配置され、検出ダイが、ハウジングにおいて油の中に配置される。外圧がダイヤフラムに加えられると、ダイヤフラムは撓み、ダイを取り囲む油に外圧を伝達し、同じ外圧をダイに付与する。ダイは、外圧に従って撓んで、外圧を表す電気信号を発生させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ダイヤフラムのサイズが大きくなると、ダイヤフラムは剛性が低くなり、少ない内圧の変化で、温度変化による油量の増加を吸収することができる。大きいダイヤフラムは、低圧範囲の用途において、より良好な性能が必要なセンサに使用される。しかしながら、例えば質量流量コントローラにおけるこれらの圧力センサの最近の用途では、グループ化された1つまたは複数のセンサの全体の占有面積を小さくするために、センサ厚さを薄くする必要がある。したがって、低圧範囲の用途における、ダイヤフラムを有する圧力センサは、センサの最大許容厚さによって決定される最大ダイヤフラムサイズの制限により、性能が低くなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
センサアセンブリは、センサと、センサに接続されたアダプタとを備える。センサは、ポートおよびキャビティを有するハウジングと、ポートに配置され、かつキャビティを閉塞するダイヤフラムと、キャビティに配置されたダイとを含む。ダイヤフラムは、第1の平面で延びる。アダプタは、ハウジングに接続されたベース部分と、ベース部分から延びる端部分とを有する。端部分は、第1の平面に対して垂直な第2の平面で延びる合わせ面(接合面、mating surface)を有する。アダプタは、合わせ面をハウジングのポートに接続する、アダプタを通って延びるアダプタ通路を有する。
【0005】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態によるセンサアセンブリの斜視図である。
【
図2】センサアセンブリのセンサの断面斜視図である。
【
図3】センサアセンブリのアダプタの斜視図である。
【
図6】別の実施形態によるセンサアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下で、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照数字は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が当業者に本開示の概念を伝えるように提供される。加えて、以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することもできることが明らかであろう。
【0008】
図面全体を通じて、図面を明確にするために、複数の同一の要素のうちの1つのみが図中で符号付けされることがあるが、本明細書の要素の詳細な説明は、図中に同一に現れる要素のそれぞれに同様に当てはまる。明細書全体を通じて、「高さ方向」、「深さ方向」、および「幅方向」などの方向の記述子が使用される。これらの記述子は、単に説明を明確にするため、および様々な方向を区別するためのものである。これらの方向の記述子は、開示する要素の特定の向きを示唆または要求するものではない。
【0009】
実施形態によるセンサアセンブリ1が、
図1に示されている。センサアセンブリ1は、センサ10と、センサ10に取り付けられたアダプタ30とを備える。
【0010】
図2に示すように、センサ10は、ハウジング100と、ハウジング100に配置された複数のダイヤフラム200と、ハウジング100に配置されたダイ300と、ハウジング100を通って延びる複数のピン400とを含む。
【0011】
図2に示すように、ハウジング100は、第1の面112と第1の面112とは高さ方向Hに反対側の第2の面114とを有する本体110を含む。本体110は、第1の面112と第2の面114とを接続する複数の側壁116を有する。図示の実施形態において、側壁116は、本体110の略矩形の形状を形成する。他の実施形態において、本体110は、側壁116によって形成された異なる多角形形状を有することができる。
【0012】
図2に示すように、ハウジング100は、本体110を通って延びる複数の通路120を有する。通路120は、側壁116のうちの1つを通って高さ方向Hに対して垂直な幅方向Wに延びる主通路122を含む。主通路122は、本体110を部分的に通って延びる。
【0013】
通路120は、
図2に示す、主通路122から延びる複数のキャビティ通路130を含む。図示の実施形態において、キャビティ通路130は、主通路122に対して垂直な高さ方向Hに延びる。
図2に示す実施形態において、キャビティ通路130は、主通路122が入る側壁116とは反対側の主通路122の端部から延びる第1のキャビティ通路132と、第1のキャビティ通路132と主通路122が入る側壁116との間で主通路122から延びる第2の通路134とを含む。
【0014】
図2に示すように、通路120は、本体110を通って延びる複数のピン通路140を含む。ピン通路140は、第2の面114を通って高さ方向Hに延びる。図示の実施形態において、ピン通路140は、主通路122の端部に隣接して位置し、主通路122とは交差しない。
【0015】
図2に示すように、ハウジング100は、本体110から延びる複数のポート150を有する。図示の実施形態において、ポート150は、本体110の第1の面112から高さ方向Hに延びる第1の壁153を有する第1のポート152と、本体110の第1の面112から高さ方向Hに延びる第2の壁155を有する第2のポート154とを含む。図示の実施形態において、第1の壁153と第2の壁155とは、同一の広がり(coextensive)を有し、第1のポート152と第2のポート154との間に幅方向Wに単一の壁で形成されている。別の実施形態において、第1の壁153と第2の壁155とは、本体110から突出する別個のポート152、154を画定するように、幅方向Wに沿って互いに分離されていてもよい。
【0016】
ハウジング100は、複数のキャビティ160を有する。
図2に示す実施形態において、キャビティ160は、第1のポート152に配置された第1のキャビティ162と、第2のポート154に配置された第2のキャビティ164とを含む。キャビティ160は、本体110内に延びる、ハウジング100の開口部である。第1のキャビティ通路132は、主通路122を第1のキャビティ162に接続し、第2のキャビティ通路134は、主通路122を第2のキャビティ164に接続する。図示の実施形態において、ピン通路140は、本体110の第2の面114から高さ方向Hに第1のキャビティ162内へ延びる。
【0017】
図示の実施形態において、ハウジング100は、金属材料から単一部品で一体に形成されている。別の実施形態において、ハウジング100を、複数の部品から形成し、互いに組み立てて、前述したハウジング100の要素を形成してもよい。他の実施形態において、ハウジング100を、金属以外の導電性材料から形成してもよく、または非導電性材料から形成してもよい。
【0018】
図2に示すように、ダイヤフラム200は、ハウジング100のポート150に配置されている。ダイヤフラム200はそれぞれ、弾性的に可撓性の材料から形成されている。ダイヤフラム200の弾性的に可撓性の材料は、ステンレス鋼などの薄い金属材料であってよく、または、より詳細に後述するように、力を伝達可能な他の導電性もしくは非導電性の可撓性材料であってよい。ダイヤフラム200は、平面の要素であってよく、または図示の実施形態のように、波形の断面形状を有していてもよい。
【0019】
図2に示すように、ダイヤフラム200はそれぞれ、幅方向Wおよび深さ方向Dを含む平面に直径208を有し、深さ方向Dは、幅方向Wおよび高さ方向Hに対して垂直である。実施形態において、直径208は8mm超である。ダイヤフラム200が正方形形状または別の多角形形状などの円形形状以外の形状を有することのできる他の実施形態において、直径208は、ダイヤフラム200の最大外寸を表す。
【0020】
図2に示す実施形態において、ダイヤフラム200は、第1のポート152に配置された第1のダイヤフラム202と、第2のポート154に配置された第2のダイヤフラム204とを含む。第1のダイヤフラム202は、第1のポート152の第1の壁153に取り付けられ、第1のキャビティ162を閉塞する。第2のダイヤフラム204は、第2のポート154の第2の壁155に取り付けられ、第2のキャビティ164を閉塞する。ダイヤフラム202、204を、第1の溶接部209によって、または任意の他の形態の取付部によって、壁153、155に取り付けることができる。第1の溶接部209は、レーザ溶接部、抵抗溶接部、または任意の他の種類の溶接部であってよい。
図2に示すように、第1のダイヤフラム202と第2のダイヤフラム204とは、第1の平面P1において互いに同一平面上にある。
【0021】
図2に示すように、ダイ300は、第1のキャビティ162に配置され、ハウジング100の本体110に取り付けられている。ダイ300は、圧電式圧力センサであり、図示の実施形態において第1の薄膜302を有し、この第1の薄膜302は、その両側の圧力に従って弾性的に撓むことが可能である。ダイ300は、第1の平面P1に平行なダイ平面PDに沿って、ハウジング100に取り付けられている。
【0022】
図2に示すように、ピン400はそれぞれ、ピン通路140のうちの1つに配置され、ハウジング100の外側の第1の端部402から第1のキャビティ162に配置された反対側の第2の端部404へ延びる。ピン400は、ニッケルおよび/または金を含む金属合金などの導電性材料から形成されている。ピン400のそれぞれの第2の端部404は、ワイヤボンド(wirebond)420によって第1のキャビティ162のダイ300に電気的に接続されている。
【0023】
図2に示すように、ピン400はそれぞれ、ピン通路140においてピン400の周りに配置されたピンシール410を有する。ピンシール410は、ピン通路140において、ピン400をハウジング100に対して気密にシールする。実施形態において、ピンシール410はガラス材料であり、ハウジング100およびピン400とのガラス-金属結合(glass-to-metal bond)を形成する。
【0024】
センサ10は、主通路122、キャビティ通路130、およびキャビティ160に油500が充填されている。油500は、ポート150に取り付けられたダイヤフラム200によってキャビティ160に保持されている。油500が主通路122、キャビティ通路130、およびキャビティ160に充填されると、
図2に示すように、通路シール600が、側壁116に隣接する主通路122の端部に位置決めされて、センサ10の油500を保持およびシールする。実施形態において、通路シール600はガラス材料であり、ハウジング100とのガラス-金属結合を形成する。他の実施形態において、油500の代わりに異なる非圧縮性液体を使用してもよい。
【0025】
図2に示すように、センサアセンブリ1は、ハウジング100のポート150に配置され、かつハウジング100に取り付けられた複数の本体シール20を含むことができる。本体シール20のそれぞれは、第1の面22と、第1の面22とは高さ方向Hに反対側の第2の面24とを有する。本体シール20はそれぞれ、外周26と、本体シール20を通って延びる中央通路28とを有する。図示の実施形態において、本体シール20はそれぞれ円形の部材であるが、ハウジング100のポート150の形状に一致する任意の形状であってよい。
【0026】
図2に示すように、本体シール20は、ダイヤフラム200の、キャビティ160とは反対側で、ポート150に配置されている。実施形態において、本体シール20はそれぞれ、金属材料から形成されている。
図2に示すように、本実施形態において、本体シール20のそれぞれの第1の面22は、ポート150のうちの1つに着座し、本体シール20のそれぞれの外周26は、第2の溶接部29において、それぞれのポート152、154の壁153、155に溶接されている。本実施形態において、本体シール20の第2の面24は、高さ方向Hにおいて壁153、155の外面と同一平面にある。第2の溶接部29は、レーザ溶接部、抵抗溶接部、または任意の他の種類の溶接部であってよい。
他の実施形態において、本体シール20は、Oリングなどのエラストマー材料であってよく、または、Wリング、Cリング、Eリング、もしくは、ハウジング100のポート150に取り付けることができ、後述するように機械加工面と気密シールを形成することができる任意の種類のシール要素などの別の種類の圧縮性金属材料であってよい。
【0027】
図1、
図3、および
図4に示すように、アダプタ30は、ベース部分32と、ベース部分32から延びる端部分50とを有する。
【0028】
図3および
図4に示すように、ベース部分32は、内面34と、内面34とは高さ方向Hに反対側の外面36とを有する。ベース部分32は、内面34内に延びる複数のチャンバ37を有する。チャンバ37の数は、ハウジング100のポート150の数に対応し、図示の実施形態において、ベース部分32は、内面34内に延びる第1のチャンバ38と第2のチャンバ39とを有する。第1のチャンバ38および第2のチャンバ39は、ベース部分32の内面34に凹み、互いに幅方向Wに分離されている。
【0029】
図1、
図3、および
図4に示すように、端部分50は、深さ方向Dにおいてベース部分32の端部に位置する。端部分50は、ベース部分32のフランジを形成する。図示の実施形態において、端部分50は、幅方向Wにおいてベース部分32と同じ幅を有するが、ベース部分32の内面34および外面36から高さ方向Hに突出する。別の実施形態において、端部分50は、高さ方向Hにおいてベース部分32と同じ高さを有していてもよく、ベース部分32の側面から幅方向Wに突出してもよい。さらなる実施形態において、端部分50は、ベース部分32から高さ方向Hおよび幅方向Wの両方に突出してもよい。
【0030】
図3に示すように、端部分50は、高さ方向Hおよび幅方向Wによって画定された第2の平面P2で延びる合わせ面52を有する。第2の平面P2における合わせ面52は、ベース部分32の内面34および外面36に対して垂直である。端部分50は、合わせ面52内に延びる一対の凹部54を有する。図示の実施形態において、凹部54は円形形状を有しているが、他の実施形態において、正方形形状などの他の形状を有していてもよい。
【0031】
図3および
図4に示すように、複数のアダプタ通路40が、アダプタ30を通って延びる。アダプタ通路40は、合わせ面52をアダプタ30のチャンバ37に接続する。
図4に示すように、アダプタ通路40はそれぞれ、チャンバ37のうちの1つにおいて内面34から第2の平面P2に平行な高さ方向Hに延びる第1の部分42と、第1の部分42から深さ方向Dに合わせ面52へ延びる第2の部分44とを有する。第2の部分44は、第1の部分42に対して垂直である。図示の実施形態において、アダプタ通路40のそれぞれの第2の部分44は、合わせ面52の凹部54のうちの1つで終端する。
【0032】
図示の実施形態において、アダプタ30は、金属材料から単一部品で一体に形成されている。別の実施形態において、アダプタ30を、複数の部品から形成し、互いに組み立てて、前述したアダプタ30の要素を形成してもよい。他の実施形態において、アダプタ30を、金属以外の導電性材料から形成してもよく、または非導電性材料から形成してもよい。
【0033】
図1の実施形態に示すように、センサアセンブリ1は、合わせ面52の凹部54のそれぞれに配置され、かつアダプタ通路40を取り囲むアダプタシール60を含む。アダプタシール60は、弾性的に圧縮性であり、Oリングなどのエラストマー材料であってよく、または、Wリング、Cリング、Eリング、もしくは機械加工面と気密シールを形成することができる任意の種類のシール要素などの金属材料であってよい。
【0034】
図1および
図5において、センサアセンブリ1は、組み立てられた状態で示されている。
図5で、アダプタ30は、組立状態のセンサアセンブリ1の様々な部品の説明を容易にするために透過的であるが、
図5は、アダプタ30が透過的な材料特性を有することを示すものではない。アダプタ30の可能な材料は、詳細に前述されている。
【0035】
図1および
図5に示すように、アダプタ30のベース部分32は、ハウジング100に接続されている。センサ10とアダプタ30との間に本体シール20が配置された状態で、ベース部分32の内面34は、ハウジング100のポート150に当接して接続されている。内面34を、ポート150および本体シール20に溶接することができる。アダプタ30の外面36は、ハウジング100とは反対側を向く。ベース部分32は、アダプタ30の端部分50がセンサ10の端部から高さ方向Hに突出する状態で、ハウジング100に取り付けられている。
【0036】
図5に示すように、ベース部分32のチャンバ37のそれぞれが、ハウジング100のポート150のうちの1つに深さ方向Dに位置合わせされている。チャンバ37はそれぞれ、ポート150のうちの1つに配置された本体シール20のうちの1つおよびダイヤフラム200のうちの1つに対向する。アダプタ通路40はそれぞれ、合わせ面52を、チャンバ37のうちの1つと、本体シール20のうちの1つを通って延びる中央通路28のうちの1つとに流体接続する。この中央通路28は、アダプタ通路40を、ポート150のうちの1つに、ポート150に配置されたダイヤフラム200の外側で接続する。アダプタ通路40は、合わせ面52をハウジング100のポート150に接続する。
【0037】
センサアセンブリ1の使用時に、合わせ面52は、マニホルドまたは他の面に取り付けられ、それを通って、液体またはガスなどの流体媒体が、合わせ面52においてアダプタ30のアダプタ通路40に入り、アダプタ通路40および本体シール20の中央通路28を通ってダイヤフラム200に送られる。
【0038】
センサアセンブリ1の取付け向きで、合わせ面52の第2の平面P2は、ダイヤフラム200の第1の平面P1に対して垂直である。センサアセンブリ1は、合わせ面52の第2の平面P2に平行な深さ方向Dに延びるアセンブリ厚さTと、ダイヤフラム200の第1の平面P1に平行な高さ方向Hに延びるアセンブリ高さAとを有する。アセンブリ高さAは、
図2に示すダイヤフラム200の直径208によって概ね決まる。アセンブリ厚さTは、アセンブリ高さAよりも小さい。実施形態において、ダイヤフラム200の直径208は8mm超であり、アセンブリ厚さTは8mm未満である。本発明によるセンサアセンブリ1は、アダプタ30にアダプタ通路40を組み込むことにより、アセンブリ厚さTによって決まるセンサアセンブリ1の占有面積を比較的小さく維持しながら、ダイヤフラム200がより大きい直径208を有することを可能にする。センサアセンブリ1は、低圧用途において、センサアセンブリ1の最大許容アセンブリ厚さTを超えることなく、流体媒体の圧力を測定する際の性能を向上させるために、より高感度のダイヤフラム200の使用を可能にする。
【0039】
センサアセンブリ1を使用して流体媒体の圧力を測定する間、センサアセンブリ1は、例えば、第1の圧力R1および第2の圧力R2を受ける。第1の圧力R1は、アダプタ通路40のうちの1つを通り、本体シール20のうちの1つの中央通路28を通って伝達され、第1のポート152の第1のダイヤフラム202に作用する。第1のダイヤフラム202は、第1の圧力R1に比例して撓み、これに対応して、第1の圧力R1を第1のキャビティ162の油500に伝達する。第1のキャビティ162の油500は、第1の圧力R1を、
図2に示すダイ300の第1の薄膜302の第1の側に付与する。第2の圧力R2は、アダプタ通路40のうちの1つを通り、本体シール20のうちの1つの中央通路28を通って伝達され、第2のポート154の第2のダイヤフラム204に作用する。
第2のダイヤフラム204は、第2の圧力R2に比例して撓み、これに対応して、第2の圧力R2を第2のキャビティ164の油500に伝達する。
図2に示すように、第2のキャビティ164の油500は、主通路122およびキャビティ通路130に接続され、これらの領域122、130、164のそれぞれの油500は、第2のダイヤフラム204の撓みによって第2の圧力R2を受ける。第1のキャビティ通路132の油500は、第2の圧力R2を、ダイ300の第1の薄膜302の第2の側に付与する。
【0040】
図2に示す実施形態において、第1の薄膜302は、第1のキャビティ162の第1の圧力R1と第2のキャビティ164の第2の圧力R2との差圧に従って撓む。第1の薄膜302の撓みにより、第1の薄膜302の両側の差圧を表す電気信号を発生させる。電気信号は、ダイ300に接続されたピン400を介してセンサ10から外部に出力されてよい。別の実施形態において、第1の薄膜302は、第1のキャビティ162の第1の圧力R1のみを受け、第1の薄膜302の反対側に作用する真空または所定の圧力を有し、第1の薄膜302が、第1のキャビティ162の第1の圧力R1の絶対測定に従って撓むようになっている。別の実施形態において、センサ10のダイ300は、第1の薄膜302に加えて第2の薄膜を有することができる。第2の薄膜は、絶対圧力を測定することができ、第1の薄膜302と単一部品で一体に形成されてよい。
【0041】
図1~
図5に示すセンサアセンブリ1において、センサ10は、2つのポート150、2つのキャビティ160、および2つのダイヤフラム200を有する。これに対応して、図示の実施形態のセンサアセンブリ1は、2つの本体シール20を有し、アダプタ30は、本体シール20を介してポート150に連通する2つのアダプタ通路40を有する。他の実施形態において、センサ10は、1つのキャビティ160を有する1つのポート150と、ポート150に配置された1つのダイヤフラム200とを有していてもよく、これに対応して、センサアセンブリ1は、1つの本体シール20と、アダプタ30の1つのアダプタ通路40とを有していてもよい。
他の実施形態において、例えば
図6の実施形態で後述するように、センサ10は、3つ以上のポート150、キャビティ160、およびダイヤフラム200と、対応する数の本体シール20およびアダプタ30のアダプタ通路40とを有していてもよい。センサアセンブリ1の様々な実施形態において、これらの部品の数は変化し得るが、上記の機構は一貫しており、それぞれの実施形態に当てはまる。
【0042】
別の実施形態によるセンサアセンブリ1が、
図6に示されている。同一の参照符号は同一の要素を指し、ここでは主に、
図1~
図5に示すセンサアセンブリ1の実施形態との違いを詳細に説明する。センサアセンブリ1は、例えば、質量流量計または質量流量コントローラで使用することができる。
【0043】
図6に示すように、本実施形態のセンサ10は、第3のポート156に、第3のキャビティを閉塞する第3のダイヤフラム206を有する。本実施形態において、第1のキャビティ162を閉塞する、第1のポート152の第1のダイヤフラム202は、絶対圧力を測定するように撓むことが可能な薄膜を有するダイを含むことができる。第2のポート154の第2のダイヤフラム204と第3のポート156の第3のダイヤフラム206とはそれぞれ、差圧を測定するように撓むことが可能な薄膜を有するダイをそれぞれ含む第2のキャビティ164と第3のキャビティとを閉塞する。
【0044】
図6に示す実施形態において、センサアセンブリ1は、本体110の側壁116のうちの1つに取り付けられ、かつハウジング100の本体110の通路120に連通する弁70を備える。弁70は、ハウジング100の通路120およびポート150内への流体媒体の流れを調整するように制御可能である。
【0045】
ハウジング100の通路120は、本体110を通って延びる第1の弁通路142、第2の弁通路144、および層流通路(laminar passageway)146を含む。第1の弁通路142は、弁70を第1のポート152に接続する。第2の弁通路144は、弁70を第2のポート154に接続する。層流通路146は、第2のポート154を第3のポート156に接続する。
図6に示す実施形態において、端部分50は、端部分50の幅方向Wにおける両端部に位置する一対の合わせ面52を有することができる。
【0046】
図6のセンサアセンブリ1は、層流通路146に配置された層流要素(laminar flow element)62を備える。弁70により、流体媒体が第2の弁通路144に入ることができ、流体媒体が第2のポート154を通過した後、層流要素62は、流体媒体の流れを分割して、第2のポート154のダイによって測定された差圧が、第3のポート156のダイによって測定された差圧とは異なるようにする。層流要素62は、質量流量測定および制御の用途で使用される任意の種類の層流要素であってよい。
【0047】
図6のセンサアセンブリ1は、第3のポート156の流体媒体の温度を測定する温度プローブ80と、アダプタ30の端部分50とハウジング110との間に配置された加熱要素90とを備える。流体またはガスの温度を制御するために使用されるヒータカートリッジまたは任意の他の種類の加熱要素などの加熱要素90は、温度プローブ80から温度信号を受け取り、第3のポート156の流体媒体の温度を、第2のポート154の流体媒体の温度に略等しくなるよう維持するように作動する。このように温度を維持することにより、高温ガス用途における流体媒体のより正確な測定が可能になる。
【外国語明細書】