(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149431
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】窓、ドア及び/又はファサード構造、及び窓、ドア及び/又はファサード構造のコーナージョイントを製造する方法
(51)【国際特許分類】
E06B 3/968 20060101AFI20241010BHJP
B23K 26/24 20140101ALN20241010BHJP
【FI】
E06B3/968 A
B23K26/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024060603
(22)【出願日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】10 2023 108 789.4
(32)【優先日】2023-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520317103
【氏名又は名称】シューコー インターナショナル コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケーニヒ カストロ, マーヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィアスペッカー, ディーター
(72)【発明者】
【氏名】ラルク, マーヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ビニンガー, シュテッフェン
(72)【発明者】
【氏名】アーベ, アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ゲーデッカー, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ホダップ, シュテファン
【テーマコード(参考)】
2E035
4E168
【Fターム(参考)】
2E035AA01
2E035AA05
2E035BA01
2E035CA03
2E035CB02
2E035CB03
2E035CB04
2E035DB02
2E035DC04
4E168BA13
4E168BA86
4E168BA87
4E168DA28
(57)【要約】
【課題】少ない労力で魅力的な溶接されたコーナージョイントを提供する。
【解決手段】本発明は2つの金属製のプロファイル(1、2)が1つ又は複数の溶接ジョイントによって互いに接続されているコーナージョイント(50,60,70)を備えた窓、ドア及び/又はファサード構造に関し、溶接ジョイントはレーザ溶接ジョイントとして構成され、溶接ジョイントは、プロファイル(1,2)をコーナー角コネクタ(12,16,32)によって間接的に接続し、このプロファイル(1,2)は、特に好ましくは夫々が、プロファイル室(8,9)を有し、前記コーナー角コネクタ(12,16,32)は、プロファイル室(8,9)内に挿入される少なくとも2つの脚部を有する。且つ本発明は、窓、ドア及び/又はファサード構造のコーナージョイント(50,60,70)を製造する方法に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの金属製のプロファイル(1、2)が1つ又は複数の溶接ジョイント(6、7、6'、7'、10、10'、11、11'、33)によって互いに接続されているコーナージョイント(50,60,70)を備え、溶接ジョイント(6、7、6'、7'、10、10'、11、11'、33)はレーザ溶接ジョイントとして構成された窓、ドア及び/又はファサード構造において、
溶接ジョイント(6、7、6'、7'、10、10'、11、11'、33)は、プロファイル(1、2)をコーナー角コネクタ(12,16,32)によって間接的に接続し、このプロファイル(1,2)は、特に好ましくは夫々が、プロファイル室(8、9)を有し、前記コーナー角コネクタ(12,16,32)は、プロファイル室(8、9)内に挿入される少なくとも2つの脚部を有することを特徴とする、窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項2】
前記溶接ジョイント(6、7、6'、7'、10、10'、11、11'、31、33)が、1mm未満、好ましくは0.5mm未満、好ましくは0.1mm未満の突起を有する溶接継ぎ目として、複数の溶接スポットのラインとして、又は表面溶接形状として、あるいは隣接する領域に対する凹部として構成される、請求項1に記載の窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項3】
レーザ溶接ジョイントに隣接する塗装領域が、塗料の熱分解生成物を有する焼失領域として形成される、請求項1又は2に記載の窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項4】
塗料の熱分解生成物を含む塗装領域が、焼失領域として2mm未満、好ましくは1mm未満の幅に亘ってレーザ溶接ジョイントから離れて延びる、請求項3に記載の窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項5】
前記コーナー角コネクタ(12,16,32)が、コーナージョイント(50、60)の組み立て状態において、金属製のプロファイル(1、2)の接触領域(3)で互いに静止している2つの接触面の間に予張力を構築するように構成されている、請求項1乃至4の何れかに記載の窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項6】
前記コーナー角コネクタ(12,16,32)の脚部の長手方向軸が第1の角度を規定し、両脚部から形成される内側の角度面(36)が両脚部の接触領域に凹部を有しているか、または第1の角度よりも小さい第2の角度を規定している、請求項1乃至5の何れかに記載の窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項7】
前記コーナー角コネクタ(12、16)の2本の脚部が、プロファイル壁に対して支持するためのばね脚部(15,19)として構成されている、請求項1乃至6の何れかに記載の窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項8】
前記溶接ジョイントが、プロファイル(1、2)の溝(4、5)の内部に配置されており、好ましくは溝の基部に沿って、特に好ましくはウェザーストリップの溝に沿って配置されている、請求項1乃至7の何れかに記載の窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項9】
前記溶接ジョイント(6、7、6'、7'、10、10'、11、11'、31、33)が、貫通溶接ジョイントとして構成されて、少なくとも1つのプロファイル壁は、プロファイル壁の厚さ全体にわたって凝固した溶接プールを形成し、コーナー角コネクタ(12、16、32)が使用される場合は、コーナー角コネクタ(12、16、32)の一部が溶融プールの一部を形成するのが好ましい、請求項1乃至8の何れかに記載の窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項10】
前記溶接ジョイント(6,7,6',7',10,10',11,11',31,33)が溶加材なしで構成される、請求項1乃至9の何れかに記載の窓、ドア及び/又はファサード構造。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れかに記載の窓、ドア及び/又はファサード構造のコーナージョイント(50,60,70)を製造する方法であって、
a) 2つの金属製のプロファイル(1、2)、好ましくはコーティングされた金属製のプロファイルを提供するステップと、該2つの金属製のプロファイル(1、2)を互いに角度をもって位置決めするステップであって、提供するステップは、コーナー角コネクタ(12,16,32)の各脚部が金属製のプロファイル(1、2)の夫々に配置されるように、コーナー角コネクタ(12,16,32)の各脚部を夫々の金属製のプロファイル(1、2)のプロファイル室(8、9)に挿入することによって実行されるステップと、
b) レーザ溶接装置、特にファイバレーザ溶接装置を用いて両金属製のプロファイル(1、2)を溶接するステップを備え、
レーザ溶接装置の出力は、プロファイル壁を貫通して溶接された溶接ジョイント(6、7、6'、7'、10、10'、11、11'、31、33)が提供されるように設定され、各金属製のプロファイル(1、2)とコーナー角コネクタ(12、16、32)との間に、少なくとも1つの、好ましくは貫通溶接された溶接ジョイント(6、7、6'、7'、10、10'、11、11'、33)が配置されることを特徴とする方法。
【請求項12】
各金属製のプロファイル(1、2)とコーナー角コネクタ(12,16,32)との間に、少なくとも1つの貫通溶接ジョイント(6、7、6'、7'、10、10'、11、11'、33)が、好ましくは予張力の形成とともに形成され、該貫通溶接ジョイントは特に好ましくは接触領域(3)の外側に、特に好ましくは2つの金属製のプロファイル(1、2)の外側に配置される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
方法は、コーティング成分を溶融することにより、またはコーティング材料の放射線活性化架橋により、またはコーティング成分を蒸発させることにより、コーティングを形成するための更なるレーザ加工からなる再加工を含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
金属製のプロファイル(1、2)は、コーナー角コネクタ(12)の挿入後及びステップb)に記載の溶接前に予備固定されており、予備固定は、好ましくは、金属製のプロファイル(1、2)の1つとコーナー角コネクタ(12)との間の積極的な嵌合を用いて形成され、または、金属製のプロファイル(1、2)の1つとコーナー角コネクタ(12)内の穴(87)又は孔内に機械的な固定手段を導入することにより形成される、請求項11乃至13の何れかに記載の方法。
【請求項15】
ステップb)において溶接ジョイントを製造するために溶加材を使用しない、請求項11乃至14の何れかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーナージョイントを有する窓、ドア及び/又はファサード構造、及びコーナージョイントを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接されたコーナージョイントを有する前述のタイプの構造は周知である。殆どの場合、コーティングされていない金属製のプロファイル(外形状)は、溶加材を使用した燃料ベースの溶接工程を使用して一緒に結合される。
金属製のプロファイルは、通常、広域の熱入力によりアニーリング色を示し、その後のコーティングにより隠蔽される。大きなフレームまたはドアをコーティングすることは、個々のプロファイルをコーティングすることよりも著しく複雑である。
【0003】
さらに、前述の溶接工程は、隣接する領域に対して大きく張り出した、幅広で見苦しい溶接継ぎ目が形成される結果となる。
【0004】
余分な部分は研磨することで取り除くことができるが、コーティングがある場合はこれも完全に除去する。この場合、再度のコーティングは絶対に不可欠である。
【0005】
研磨を行わないと、視覚的にも触覚的にも魅力のないコーナージョイントができる結果となる。
研磨では、コーナージョイント領域の広範囲に適切なコーティング材を塗布する必要があるため、再度のコーティングの作業量が大幅に増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、少ない労力で魅力的な溶接されたコーナージョイントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する窓、ドア、及び/又はファサード構造によって、及び請求項11の特徴を有するコーナージョイントを製造する方法によって、解決される。
【0008】
本発明に係る窓、ドア、及び/又はファサード構造は、少なくとも2つの金属製のプロファイルを有し、好ましくはコーティングされた金属製のプロファイルを有して、1つ以上の溶接ジョイントによって互いに接続されるコーナージョイントを備え、溶接ジョイントが1つのレーザ溶接されたジョイントとして形成されるか、または複数の溶接ジョイントの場合には、複数のレーザ溶接されたジョイントとして形成される。
【0009】
レーザ溶接では、寸法精度と正確な熱の入力が可能になるため、プロファイル、特にプロファイルのコーティングに目に見える損傷を殆ど与えることなく、コーティングされた金属製のプロファイルを溶接することができる。
【0010】
従って、鋼、非鉄金属、アルミニウム及びステンレス鋼などのコーティングされていない金属製のプロファイルを金属製のプロファイルとして使用することができる。しかし、既に塗布された金属製のプロファイルを使用することも可能であり、これは特に有利である。粉末、陽極酸化表面及び/又は湿式塗料コーティング、及び/又はガルバニックコーティング及び/又は箔などの任意のシステムをコーティングシステムとして使用することができる。
【0011】
レーザ溶接は、溶加材を使用せずに有利に実現することができる。溶加材がなければ、金属製のプロファイルの材料に追加の材料は印加されない。溶加材との接触によるコーティング材の燃焼は有利に回避される。
【0012】
多くの場合、窓、ドア又はファサードが、例えばドア又は窓フレームなどのフレームに対して、特に良好な寸法精度を維持することが必要である。溶接ジョイントが突出しすぎると、窓やドアの閉まりに支障をきたすことがある。さらに、閉鎖時に特に強く局所的にシールが圧縮されることがあり、その結果、シール上のこの時点での機械的応力が望ましくないように増加する。これは、レーザ溶接ジョイントを使用することによっても回避され、レーザ溶接ジョイントは、近隣領域に対して、突起がないか、あるいは僅かしかないように構成されている。
【0013】
溶接ジョイントは、コーナー角コネクタによってプロファイルを間接的に相互に接続し、プロファイルは夫々プロファイル室を有し、コーナー角コネクタは少なくとも2つの脚部を有し、これらの脚部はプロファイル室内に挿入される。
【0014】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の主題事項である。
【0015】
溶接ジョイントは、隣接する領域に対して1mm未満、好ましくは0.5mm未満の突出を伴う溶接ジョイントまたは表面溶接形状として構成される。従って、コーナージョイントは触覚的に魅力的であり、その良好な寸法精度により、フレームや壁の開口部との関係で障害物が殆どない。
【0016】
溶接ジョイントは、隣接する領域に対してほぼ平坦である、すなわち突出量が0.1mm未満であることが特に好ましい。
【0017】
溶接ジョイントは、閉じた溶接継ぎ目として、又はスポット溶接の列として、又は表面溶接形状として構成することができる。スポット溶接部の平均溶接直径及び/又はその長手方向の伸びに直交する溶接継ぎ目の直径は、少なくとも2mmであるのが好ましい。
【0018】
溶接継ぎ目またはスポット溶接の線形の列は、最大延長部が15mmを超えることができ、20mmを超えることが好ましい。
【0019】
或いは、溶接ジョイントは、金属構造を局所的に変化させることによって、隣接する領域と比較して僅かな窪みとして形成することさえできる。
これは、溶接領域のその後のコーティングが隣接領域と比較して平坦化をもたらし、溶接領域を視覚的または触覚的に認識することなく全体的に平坦な表面を形成できるという特別な利点を有する。
【0020】
レーザ溶接ジョイントに隣接して、塗装領域が焼失領域として形成される場合があり、これには塗装領域の塗料の熱分解生成物が含まれる。この焼失領域を超えて、金属製のプロファイルを塗装することもできるが、熱分解生成物が塗料組成物やレーザ溶接ジョイントの溶接プール組成物に定量的に含まれることはない。
【0021】
上記焼失領域は、2mm未満の幅、望ましくは1mm未満の幅で、レーザ溶接ジョイントから有利に遠ざかる。このような小さな焼失領域は望ましいものであり、特にファイバレーザ溶接装置を使用する場合にレーザ溶接によって達成することができる。
【0022】
間接的な溶接ジョイントに加えて、コーナージョイントは、コーナージョイントの金属製のプロファイルを直接互いに接続する第2の溶接ジョイントを有する。
【0023】
直接の接続は、2つのプロファイルの夫々に溶接領域がある溶接ジョイントである。
【0024】
第2の溶接ジョイントは、特に安定した接続のために、少なくとも一部の領域では、コーナージョイントの可視側に沿って、留め継ぎに沿って配置するのが有利である。
可視側は、両方の金属製のプロファイルの接触面が特に広いため、可視側の全幅に亘って非常に広範囲の接続を行うことができる。溶接ジョイントは、コーナージョイントの留め継ぎに沿って、すなわち、2つのプロファイルの外側接続領域全体の周りに配置されることが特に好ましい。
【0025】
前記第2の溶接ジョイントは、少なくとも1つの外側に沿って、コーナージョイントの可視側に垂直に配置するのが有利である。この溶接ジョイントは、取付け後は実質的に見えないので、エンドユーザにとって特に魅力的である。
【0026】
溶接ジョイントは、コーナー角コネクタによって間接的にプロファイル同士を接続する。特に、接続部は、可視側に対して前述の垂直な外側に沿って配置され得る。コーナー角コネクタによる間接接続は、2つのプロファイル間のより広い、したがってより安定した接続を作り出すことができる。
【0027】
溶接ジョイントは、夫々の金属製のプロファイルの長手方向軸Aに平行に延びる長手方向の溶接継ぎ目を有すると有利である。同様に、表面溶接形状は、夫々の金属製のプロファイルの長手方向軸に平行に延びる主方向を有することもできる。この場合、コーナー角コネクタの脚部を有するプロファイル壁の特に広い接触面を仮定することができる。
【0028】
コーナー角コネクタは、コーナージョイントを取り付けたときに、金属製のプロファイルの接触領域内の2つの接触面間に予張力が生じるように構成することができる。その結果、プロファイルはさらに互いに押圧され、例えば雨水のような汚れと液体の進入は、さらに、コーナージョイントの領域で防止される。
【0029】
コーナー角コネクタの脚部の長手方向軸は、第1の角度を画定することができ、ここで、両方の脚部から形成される角度の付いた内面は、両方の脚部の接触領域に凹部を有する。
【0030】
これに代えて、またはこれに加えて、角度の付いた内面は、第1の角度よりも小さい第2の角度を規定することができる。凹部と同様に、前述の角度の付いた内面の構成は、溶接ジョイントが冷えるにつれて材料を締め付けることによって予張力を作り出す。この変形例では、例えば、コーナー角コネクタは、固体材料のコーナー角コネクタとして特に好ましく構成することができる。
【0031】
これに代えて、またはこれに加えて、コーナー角コネクタの2つの脚部を、プロファイル壁に対して支持するためのばね脚部として構成することができる。
この支持により、貫通溶接の際に、例えば、ばね脚部が支持されている側とは反対側からプロファイル壁にレーザビームを向けることで、広範囲の融着が可能になる。特に、ばね脚部は、2つの接触壁を介して形成することができ、該2つの接触壁の間にばねウェブが形成される。接触壁に圧力が加えられ、接触壁間の距離を減少させると、ばねウェブは曲げ変形を受け、復元力を形成する。
【0032】
溶接ジョイントは、プロファイルの溝内に、好ましくは溝の基部に沿って、特に好ましくはウェザーストリップの溝に沿って配置されるのが有利である。溶接ジョイントは、表面がわずかに粗くなることがある。
これは、取り付け時や、シーリングストリップのウェザーストリップの継ぎ目を通す際に、自然なストッパを形成する。長いプロファイルの場合、整備工が溝の端部を見つけるのは難しいことが多い。ウェザーストリップは通常、プロファイルの両端でプロファイルの長さに合わせてカットされる。プロファイルに自然なストッパがある場合、整備工はウェザーストリップシールを溝に通す必要がなくなったことを知る。溶接ジョイントは、ここでは更なる取付け上の利点を提供する。
【0033】
溶接ジョイントは、少なくとも1つのプロファイル壁がプロファイル壁の厚さ全体にわたって凝固した溶融プールを形成するように貫通溶接ジョイントとして構成することができる。コーナー角コネクタが使用される場合、コーナー角コネクタの一部も溶融プールの一部を形成する。
この点において、レーザ溶接を用いたコーナー角コネクタによる金属製のプロファイルの直接的及び間接的な接続の両方は、プロファイル壁の厚さ全体に亘って対応する凝固した溶融プールを有する溶接ジョイントをもたらすことができる。
【0034】
また、本発明は、窓、ドア及び/又はファサード構造のコーナージョイントを製造する方法である。これは、上述の発明による窓、ドア、及び/又はファサード構造であることが有利である。
【0035】
第1のステップでは、2つの金属製のプロファイル、好ましくはコーティングされた金属製のプロファイルが提供される。
レーザ溶接を使用することの特に有利な点は、非常に限定された加熱故に、コーティングに損傷がないか、または僅かに局部的な損傷しかないため、修理が容易であることである。既存のレーザ溶接装置が、溶接領域のコーティングの再加工にも使用できる。例えば、レーザは、コーティング粒子を溶融して、液体状態で溶接領域に分布させることができる。
【0036】
方法は、コーナー角コネクタの夫々の脚部を、夫々の金属製のプロファイルのプロファイル室に挿入するステップを含み、その結果、コーナー角コネクタの夫々の脚部は、2つの金属製のプロファイルの各々の中に配置される。
【0037】
粒子は、既存のコーティングから、またはその後溶接ジョイントに印加されるコーティング材から発生することができる。これは、例えば、局所的なスパッタリングによって行うことができる。
【0038】
2つの金属製のプロファイルを互いに或る角度を以って位置決めすることは、例えば、2つの金属製のプロファイルの2つの接触面を隣り合わせに配置することを含む。この点で接触領域が形成される。
【0039】
更なる工程において、2つの金属製のプロファイルは、レーザ溶接装置、特にファイバレーザ溶接装置を用いて互いに溶接される。溶接は、2つの金属製のプロファイルの接触領域または接触領域の外側で直接行われ、特に、補助としてコーナー角コネクタを使用する。
【0040】
機械的に安定した接続を作り出すために、レーザ溶接装置の出力は、貫通溶接ジョイントがプロファイル壁を貫通して、及び/又は2つのプロファイル壁の接触領域で貫通溶接された溶接ジョイントに沿って提供されるように設定される。
【0041】
溶接ジョイントは、コーナー角コネクタによってプロファイルが間接的に互いに接続されるように適用される。
【0042】
方法の有利な実施形態は、従属請求項の主題事項である。
【0043】
溶接は、特に以下の有利な変形例に従って行うことができる。
【0044】
これは、コーナー角コネクタの1つの脚部を各金属製のプロファイルのプロファイル室に挿入し、コーナー角コネクタの1つの脚部が2つの金属製のプロファイルの各々に配置されるようにすることによって実行される。この場合、コーナー角コネクタは、プロファイル室のプロファイル壁の内側で可能な限り広い接触面を有するため、熱流れはプロファイル室が加熱されたときにコーナー角コネクタに伝達される。これは、溶接工程中に、特に広くて完全な両構成要素の融合をもたらす。
【0045】
各金属製のプロファイルとコーナー角コネクタとの間には、好ましくは予張力の形成と共に、貫通溶接ジョイントが形成される。加熱中の線形膨張と溶融材料が冷えるときの材料短縮を利用して、予張力を達成できる。コーナー角コネクタの構成は、予張力の作成をさらにサポートすることができる。予張力は、2つの留め継ぐように切断された金属製のプロファイルで特によく形成することができる。
【0046】
溶接ジョイントは、特に、接触領域の外側に作られることが好ましく、2つの金属製のプロファイルの可視側の外側に配置されることが特に好ましい。
【0047】
しかしながら、溶接の第1の変形例による溶接ジョイントを形成し、接触領域に溶接ジョイントを設けた状態で、第2の変形例によるコーナー角コネクタを介して溶接ジョイントをさらに製造することも可能である。
【0048】
上述の両変形例による方法はまた、再加工を含むことができ、これは、コーティング成分を溶融することによって、及び/又はコーティング材の放射線活性化架橋によって、及び/又はコーティング成分を蒸発させることによって、コーティングを形成するためのさらなるレーザ加工を含む。
【0049】
再加工はまた、溶接ジョイントの領域における追加のコーティング材の印加を含むことができる。印加は、例えば溶剤系コーティング組成物として、無溶剤ポリマーコーティングとして、及び/又は微粒子コーティング組成物として、様々な方法で実施することができる。
【0050】
しかし、溶接ジョイントの近隣領域から既存のコーティング材料を融着して閉塞したコーティング表面を形成することも可能である。
【0051】
さらに、金属製のプロファイルは、夫々のコーナープロファイルに予め固定(予備固定)することが有利である。
【0052】
予備固定は、コーナー角コネクタ及び金属製のプロファイルに穴を掘削することによって行うことができ、あるいは、予備固定は、特定の領域における1つ又は特に両方の金属製のプロファイルを変形及び/又はパンチすることによって行うことができる。
【0053】
機械的な固定手段、例えば、穴に挿入されるロッド及び/又はピン及び/又はねじは、予備固定に使用することができる。
【0054】
溶接中は、ステップb)に従って予備固定が維持される。
【0055】
また、金属製のプロファイルに開口部を設け、外側のプロファイル室を通して、溶接が行われる下側のプロファイル壁にレーザビームを導くことも可能である。また、開口部は、レーザビームのより良好な位置合わせのためのスロット穴として構成することができる。さらに、穴は、任意に溶接後の後処理操作で、例えば溶接して閉じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明は、以下の図において、例示的な実施形態を参照してより詳細に説明される。例示的な実施形態の個々の詳細は、本発明の主題事項を制限するものとみなされない。むしろ、例示的な実施形態は、当業者に、本発明の一部をも形成する多数の他の変形例を提供する。
【
図1】窓、ドア、又はファサード構造の2つのプロファイルのコーナージョイントの第1の斜視図を示す。
【
図2】窓、ドア、又はファサード構造の2つのプロファイル間のコーナージョイントの第2の斜視図を示す。
【
図5a】コーナー角コネクタを製造するための複数の溶接ラインの概略図を示す。
【
図5b】コーナー角コネクタを製造するための複数の溶接ラインの概略図を示す。
【
図5c】コーナー角コネクタを製造するための複数の溶接ラインの概略図を示す。
【
図5d】コーナー角コネクタを製造するための複数の溶接ラインの概略図を示す。
【
図5e】コーナー角コネクタを製造するための複数の溶接ラインの概略図を示す。
【
図5f】コーナー角コネクタを製造するための複数の溶接ラインの概略図を示す。
【
図6】溶接開始時に挿入されたコーナーコネクタを有するプロファイルの概略断面図を示す。
【
図7】溶接部の端部に挿入されたコーナー角コネクタを有するプロファイルの概略断面図を示す。
【
図8】接続される2つのプロファイルの壁を通る断面図を示す。
【
図9】
図8の断面図であり、ジョイント成形後を示す。
【
図11a】溶接前のプロファイルを予備固定するための全部で4つの変形例の斜視図と断面図を示す。
【
図11b】溶接前のプロファイルを予備固定するための全部で4つの変形例の斜視図と断面図を示す。
【
図11c】溶接前のプロファイルを予備固定するための全部で4つの変形例の斜視図と断面図を示す。
【
図11d】溶接前のプロファイルを予備固定するための全部で4つの変形例の斜視図と断面図を示す。
【
図11e】溶接前のプロファイルを予備固定するための全部で4つの変形例の斜視図と断面図を示す。
【
図11f】溶接前のプロファイルを予備固定するための全部で4つの変形例の斜視図と断面図を示す。
【
図11g】溶接前のプロファイルを予備固定するための全部で4つの変形例の斜視図と断面図を示す。
【
図11h】溶接前のプロファイルを予備固定するための全部で4つの変形例の斜視図と断面図を示す。
【
図12a】溶接パターンの4つの変形例を示す図である。
【
図12b】溶接パターンの4つの変形例を示す図である。
【
図12c】溶接パターンの4つの変形例を示す図である。
【
図12d】溶接パターンの4つの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明は、窓、ドア、またはファサード構造の2つの金属製のプロファイル間のコーナージョイントを製造する方法に関する。
【0058】
この方法は、プロファイル壁を介して溶接するか、または2つのプロファイル壁の間の接合によって行われる。溶接は、レーザ溶接工程によって行われる。レーザ溶接はそれ自体が知られており、例えば、ヨーロッパ特許公開公報0 238 171号に記載されている。
【0059】
他の溶接技術とは対照的に、レーザ溶接は特に溶加材なしで実行され、該溶加材は溶接ジョイントの望ましくない材料強化を引き起こす。
【0060】
金属製のプロファイルは、コーナージョイントを製造するための出発材料である。これらは、例えば、ステンレス鋼のプロファイル又はアルミニウムのプロファイルであり得る。
【0061】
金属製のプロファイルは、少なくとも外側がコーティングされることが特に好ましい。しかしながら、接触面の領域においては、金属製のプロファイルは、それ自体が既知の方法でコーティングされていないのが好ましい。
レーザ溶接は、以下に説明する2つの方法で行うことができる。
第1の変形例は、コーナー角コネクタ12、16または32を用いたプロファイル1及び2の間接溶接によって記載される。この変形例は、特に
図1乃至
図7で説明されている。
【0062】
第2の変形例は、プロファイル1と2の両方の接触面を材料ロック接続することによる、プロファイル1と2を直接溶接することによって達成される。このことは、特に
図8乃至
図10を参照して説明される。
【0063】
図1は、第1のプロファイル1と第2のプロファイル2からなるコーナージョイント50を示している。プロファイル1及び2は、ドア、窓、またはファサード構造のプロファイルである。従って、このことは、とりわけ、夫々のドアリーフまたは窓リーフのコーナージョイントと、夫々のドアフレームまたは窓フレームのコーナージョイントの両方に関するものである。それらは、従来の構成において、プロファイル室8及び9のような複数のプロファイル室を有する。
【0064】
接触面は、接触領域3を形成する。しかし、接触面は必ずしも接触する必要はなく、プロファイル間の小さな距離、特に1mm未満の距離は望ましくないが、製造上の不正確な場合には発生する可能性がある。
図1及び
図2のプロファイルは、接触面が夫々のプロファイル1及び2の長手方向軸Aに対して45°の角度をなすように留め継ぎされている。しかしながら、他の形態の接触領域も可能であり、例えば夫々のプロファイルの長手方向軸Aに垂直な接触面を有する形態も可能である。
【0065】
プロファイル1及び2は、溝4、5、特にウェザーストリップ溝を有して、シールストリップのウェザーストリップ継ぎ目を収容する。シールストリップを取り付けたり、螺合する場合、通常、シールストリップの端部ストッパはない。
これは、組み立て時にシールストリップを位置決めしたり取り外したりする際に、組み立て作業が増えることを意味する。さらに、シールストリップは溝内を直線的に動くことができる。
【0066】
図1のコーナージョイント50において、プロファイル1及び2は、夫々可視側S及び後側Rを有するプロファイル壁を有する。
図1及び
図2に示すように、各プロファイルは、2つの可視側S及びS'及びそれに対応する2つの後側R及びR'も有することができる。
【0067】
各プロファイル1及び2の溝4及び5の内部には、溶接ジョイント6、7、6'、7'が、溶接ライン、または複数の溶接ラインからなる表面溶接形状の形態で提供される。当業者は、このようなスポット溶接と溶接ラインとを区別する。
溶接ラインは一般に溶接ビードと呼ばれ、通常、溶融変形、特に溶加材によって形成された材料の顕著なビードを意味する。
【0068】
この材料ビードはいくつかの理由から不利である。可視領域では、コーナージョイントの視覚的な外観が縮小される。さらに、錆や他の環境の影響を受けやすく、通常は研削やフライス加工などの材料除去工程によって再加工する必要がある。
殆どの用途では、コーナージョイントで加工されたプロファイルはコーティングされている。表面応力により溶接ビードが顕著な場合、コーティングが剥がれたり、後加工中に除去される。
【0069】
フレームに面した表面、リーフに面した表面、あるいは壁の凹部に取り付けるための取り付け面では、溶接ビードが正確な取り付け位置を妨げ、窓やドアの閉鎖や密閉を妨げる可能性がある
溝4及び5、特に
図1及び
図2に示すように、ウェザーストリップ溝内の位置では、顕著な溶接ビードにより、ウェザーストリップシールが詰まりやすくなり、窓を閉めるのがより困難になる。
しかし、
図1及び
図2に示す溶接ビードは、高さが非常に低く、1mm未満が望ましく、特に0.5mm未満が望ましい。
その結果、溶接ビードの高さが低いため、前述の欠点は生じない。
【0070】
図2は、コーナージョイント50の内側に沿った溶接ビードの配置を示す。溶接ジョイント10、10'、11、11'は、溶接ビードの形態で、夫々のプロファイル1及び2の長手方向軸Aに平行に延びる。
【0071】
溶接ビードとしての溶接ジョイント6、7及び10、11の位置及び長手方向の延長部は、2つのプロファイル1及び2がコーナー角コネクタを介して間接的に一緒に溶接されるという事実によって説明される。
夫々の溶接ビードは、
図1及び
図2には示されていないコーナー角コネクタをプロファイル壁に接続し、このコーナー角コネクタは、材料接続によって夫々の溝4及び5の底部を閉鎖する。
レーザビームは、プロファイル1及び2のプロファイル壁の外面に照射され、プロファイル壁の反対側のコーナー角コネクタと材料接続が行われる程度までプロファイルを加熱する。これは一般に貫通溶接ジョイントと呼ばれる。
【0072】
低い溶接継ぎ目高さまたは低い溶接ビード高さを達成するために、溶加材は使用しない。溶接継ぎ目は、プロファイルの外面から見ると、隣接領域と水平であるか、隣接領域に対して凹んでいることが特に好ましい。
【0073】
再加工時には、レーザを使用して溶接継ぎ目を滑らかにし、より平らになるようにすることができる。
沈下が発生した場合には、例えばスパッタリング等によって、更なるコーティング材を塗布することができる。コーティング材をさらにレーザによって溶融させることで、隣接領域と平坦な形状を作り出すことができる。これらの領域では、コーティング層の厚さは、隣接領域よりもそれに対応して厚くなる。
【0074】
レーザ溶接装置としてファイバーレーザを使用すると、非常に正確な熱入力によって溶接ジョイントの高さをさらに低くすることができる。
ファイバーレーザは、いわゆるマルチヘッドファイバーレーザとして構成でき、例えば溶接継ぎ目6及び7又は10及び11のような、2つ以上の溶接継ぎ目が同時に適用される。
【0075】
接続補助具として、コーナー角コネクタの脚部は、2つのプロファイル1及び2の対応するプロファイル室8内に配置され、さらにコーナージョイント50を安定させる。使用するコーナー角コネクタは、プロファイル壁面に対して平らになるようにするのが理想的である。これは、ばね脚部を有するコーナー角コネクタを使用して、または中実材料から作られた成形体としてコーナー角コネクタを使用して、達成することができる。
【0076】
図3及び
図4は、コーナー角コネクタ12及び16に対する2つの例示的な変形例を示している。
図3は、2つの圧縮可能なばね脚部15を備えたコーナー角コネクタ12を示し、これは長手方向の延長部に対して垂直に圧縮可能に構成されている。
【0077】
ばね脚部15は、夫々プロファイル室8及び9の壁に接触する2つの接触壁13a及び13bと、2つの接触壁の間に所定の座屈点をもって配置された弾性変形可能なウェブ14とを備えている。ばね脚部は、端部においてテーパ状になっており、これにより、夫々のプロファイル室内により容易に挿入することができるようになっている。
接触壁13aと13bの間の距離は、力の影響下で短くすることができ、復元力を形成する。
これにより、ばね脚部15は、接触壁13aと13bとの間が縮小された距離でプロファイル室8または9内に挿入され、リセット後にプロファイル室の壁に押し付けられる。これにより、レーザ溶接中にプロファイル室の壁との最適な接触が保証される。
【0078】
弾性的に変形可能なウェブ14に代わるものとして、他の弾性的に変形可能な手段も提供することができる。これは、別の形態のウェブであってもよく、例えば、接触壁13aと13bとの間のエラストマーであってもよい。また、レーザ溶接による非常に精密な熱入力により、溶接領域の温度では熱安定性がないが、コーナー角コネクタの一部として溶接エリアの外側に配置できるプラスチックの使用が可能になる。
【0079】
図4は、2つのばね脚部19を有するコーナー角コネクタ16についての複数の変形例のうちの第2の変形例を示す。ここでも、ばね脚部19は、2つの接触壁20a、20bを有し、これらの接触壁20a、20bは互いに距離を変えることができ、復元力を形成する。
【0080】
ここで、2つの接触壁20a及び20bは、ばねウェブ18を介して互いに接続されており、該ばねウェブは、接触壁20a及び20bの間の距離が小さくなると、曲げ変形を受けるストッパ17に対して支持される。
図4では、このストッパ17は、ばねウェブ18の球状端部が載る球状キャップとして構成されている。
【0081】
図5a乃至
図5fは、レーザ溶接工程の一部として、
図3及び
図4に示すようなコーナー角コネクタの脚部にプロファイルを接続するための溶接ラインとして、または表面溶接形状として使用できる溶接形状のいくつかの変形例を示している。
【0082】
図5aは、螺旋溶接形状における単一の溶接ライン21を示している。
図5bは、蛇行溶接形状を有する単一の溶接ライン22を示している。
図5cは、複数の交差する溶接ラインからなる平坦な溶接ジョイントとしての十字パターン23を示している。
図5dは、互いに平行に配置された複数の溶接ライン25からなる表面溶接ジョイントとしての溶接パターン24を示している。
図5eは、単一の直線状の溶接ライン25を示し、
図5fは、互いに平行に延びる2つの溶接ライン26を示す。
【0083】
図6は、例えば
図1及び
図2のプロファイル室8の領域に存在し得るようなコーナージョイント50を示す。
図6は、この目的のためのコーナー角コネクタ32の更なる変形例を示す。このコーナー角コネクタ32は、コーナージョイントをより良好に安定させるために、中実材料で作られている。
【0084】
図6では、プロファイル室8のプロファイル壁とコーナージョイント60のコーナー角コネクタ32との材料接合において、初期の溶接ジョイント33が形成される。
コーナー角コネクタ32とプロファイル室8のプロファイル壁8との間の距離34は一様ではないが、脚部遷移の方向または2つのプロファイル1及び2の接触領域3において徐々にまたは急激に増加する。
これは、内側角度表面36が、少なくともコーナー角コネクタの2つの脚部の接触領域において、コーナー角コネクタの2つの脚部の長手方向軸よりも小さい角度を画定していることによる。従って、コーナー角コネクタ32の直径及び/又は断面は、一方の脚部から他方の脚部に移行する方向において、脚部の端部から小さくなる。
【0085】
図6は、コーナージョイント60の溶接継ぎ目を作るための溶接方向も示している。これらは、接触領域3から遠い開始点から接触領域3に近い終点まで、長手方向軸Aと平行に延びている。
【0086】
コーナー角コネクタ32がこのような変わった構造になっている理由は、
図6の初期溶接状態と
図7の最終溶接状態にある。溶接ジョイント33は、さらに領域35が拡大する。温度による材料の収縮のために冷却中に、溶接ジョイント33の領域の距離34は減少する。温度による材料の収縮のため冷却中に、溶接ジョイント33の領域における距離34が減少する。
冷却中、金属製のプロファイルとコーナー角コネクタ32の間の材料結合は収縮し、接触領域3内のプロファイルを予張力下に置き、この付加的な力によって互いに押し付けられるようにする。溶接順序を観察した結果得られた予張力によるこのコーナー角コネクタ32の締め付けは、接触領域3の密閉性をより確実にする。
【0087】
図1乃至
図7に示す変形例は、プロファイル壁を貫通する溶接によってプロファイル壁を開くことなく実施することができる。しかし、プロファイル壁に貫通口、例えば穴を開け、その穴からレーザビームをプロファイル壁とコーナー角コネクタの間の溶接領域に直接導くことも可能である。キーホール法としても知られるこの技術は、より的を絞ったエネルギー投入を可能にするが、プロファイルをかなり不利に開く必要があり、その結果、貫通口を密閉する可能性がある。
【0088】
図8乃至
図10は、コーナージョイント70を形成するための2つのプロファイル1及び2の溶接のさらなる変形例を記載する。
この場合、プロファイル壁1または2は、第1のステップ101における溶接の準備のために端部で面取りされて、互いに対向するそれぞれのプロファイル壁1及び2の端面27及び28が、通常のように平坦ではなく、接触領域3において互いに向かって先細になる。
【0089】
第2のステップ102で、2つの端面27と28は、接触領域3を超えて対応する接触圧が加えられると、一緒に押されて第2のビード付き縁部29と30を形成する。これは、より安定した連結を支持するために、ジョイントを拡大する。
最後に、第3のステップ103で、材料はレーザビームを接触領域に向けることにより溶接される。
【0090】
これは、溶接継ぎ目31を形成し、
図10では、隣接する表面に対して可視側から突出している。溶接継ぎ目31も、第1のステップ101において、
図8に示されるのとは反対方向に斜めにされたとき、後側Rに沿って突出することができることは勿論である。溶接継ぎ目31のこの突出は、レーザ溶接の必然的な結果ではなく、ビード付き縁部29及び30の材料突出の結果に過ぎない。
【0091】
溶接継ぎ目の高さは、レーザ照射を繰り返すなどの後処理によって低くすることができる。さらに、コーティングが損傷している場合、溶接継ぎ目は、例えば、塗料粒子のスパッタリングによる局所的なコーティング材塗布によって再コーティングすることができる。
また、粒子状のコーティング成分を融合させるために、レーザ処理を使用することもできる。
全体として、レーザ溶融工程を用いてプロファイル1と2の間に直接コーナージョイント70を形成するための上述の方法は、接触領域に僅かな膨らみしか生じず、同時に溶接継ぎ目の領域のコーティングは僅かにしか焼き付かない。
【0092】
図11a及び
図11bは、夫々実際の溶接前の予備固定の変形例の斜視図及び断面図を示している。真っ直ぐなドリル溝を有する穴81が、2つの金属製のプロファイル1、2を貫通して、コーナー角コネクタ12を貫通して穿孔される。
【0093】
予備固定は、機械的な固定手段82、例えば、ロッド、ねじ及び/又はピンをその穴に挿入することによって行われる。
【0094】
固定手段82は、ここでは棒状で、コーナージョイントの留め継ぎ部に直交して配置された長手方向軸を有する。溶接後、オプションとして、溶接可能なドリル穴インサートを用いて、ドリル溝を任意に溶接によって閉じることもできる。
【0095】
図11c及び
図11dは、打ち抜き又はクランプによる予備固定の第2の変形例を示している。これは、打ち抜き工具又はクランプ工具83を用いて実施することが好ましい。コーナー角コネクタ12は、脚部に沿った凹部84を有する。打ち抜き工具又はクランプ工具83は、金属製のプロファイルの壁を、特にそれを押圧することによって変形させ、その結果、該壁は、凹部84内に部分的に突出する。この変形は、特に、金属製のプロファイルのプレス及び/又は打ち抜きによって、コーナー角コネクタ12との積極的な嵌合を達成する。次に、金属製のプロファイル1及び2をコーナー角コネクタ12に溶接する。
【0096】
図11e及び
図11fは、予備固定の更なる変形例を開示しており、ここで、コーナー角コネクタ12は、ロッド85、特にマンドレルで金属製のプロファイル1及び2に固定されている。まず、金属製のプロファイル1又は2及びコーナー角コネクタ12において、例えば、くぎ穴のような穴86が同軸的に作られる。次いで、前記ロッド85または別の機械的固定手段、例えばねじが、穴86に挿入される。各コーナー接続に2つの穴が設けられている。2つの機械的固定手段の長手方向軸は、互いに直交し、金属製のプロファイル1及び2の留め継ぎ部に対して45度の角度であるのが好ましい。
【0097】
図11g及び
図11hは、予備固定の更なる変形例を開示しており、ここで、金属製のプロファイル1及び2は、コーナー角コネクタがプロファイルに挿入された後に形成される。成形は、いわゆる加圧圧延工具87を用いて金属製のプロファイルの壁をコーナー角コネクタの方向に圧延することによって実施される。この成形は、コーナー角コネクタをコーナー角受け部88内に押圧することによって補強される。
図11g及び
図11hに示すように、工具のローラはコーナージョイントの表面に沿って互いに向かって移動する。その後、再び溶接を行うことができる。
【0098】
【0099】
図11a乃至
図11hに示す予備固定の変形例は、ギャップ寸法が小さい明確な溶接接続部を作るのに基本的に好ましいことが証明されている。特に扱いやすく、同時に最適な予備固定が
図11eと
図11fに示す変形例によって達成されることが、予備固定の図示しない変形例との広範な比較試験によって驚くほど実証されている。
【0100】
予備固定を実現するために、様々な打ち抜き幾何学形状が可能である。これらを
図12a乃至
図12dに示す。
本発明による方法では、特に、プロファイルおよびフレーム接続の持続可能性および環境保護を改善することができる。
【0101】
従来の接着剤を機械的な接続に置き換えることで、タイプごとの材料の分離が簡単になる。釘付け、圧着、ねじ留め、打ち抜き、クランプ(フレーム装着)及び溶接工程の時間制限された予備固定の組み合わせ、好ましくはレーザ、抵抗スポット、はんだ付け及び不活性ガス溶接もまた特に有利である。コーナー角コネクタには、公差と位置補正に関して適応した形状がある。
【0102】
本発明に係るアプローチは、未塗装または表面処理されたプロファイル、例えば陽極酸化処理、塗装処理、及び/又は前処理を施したカラーコーティングされた金属製のプロファイルを、例えば熱の影響下でエネルギーを利用した材料接合によって、二次的に見える表面で互いに永久的に金属接合することを提供する。
【0103】
このステップにより、工業的処理における手動生産の現在のサイクルタイムを増加させることが可能になる。
【0104】
本発明による方法はまた、手作業及び/又は部分的に自動化された又は自動化されたプロファイル結合及びフレーム製造を可能にする。さらに、この方法はこれらのプロファイル接続、特にマリオンとトランソム接続の静的検証を可能にする。
【符号の説明】
【0105】
1 プロファイル
2 プロファイル
3 接触領域
4 溝
5 溝
6, 6' 溶接ジョイント
7, 7' 溶接ジョイント
8 プロファイル室
9 プロファイル室
10, 10'溶接ジョイント
11, 11'溶接ジョイント
12 コーナー角コネクタ
13a 接触壁
13b 接触壁
14 弾性変形可能なウエブ
15 ばね脚部
16 コーナー角コネクタ
17 ストッパ
18 ばねウェブ
19 ばね脚部
20a 接触壁
20b 接触壁
21 溶接ライン
22 溶接ライン
23 クロスパターン
24 溶接パターン
25 溶接ライン
26 溶接ライン
27 端面
28 端面
29 ビード縁部
30 ビード縁部
31 溶接継ぎ目
32 コーナー角コネクタ
33 溶接ジョイント
34 距離
35 領域
36 内角面
50 コーナージョイント
60 コーナージョイント
70 コーナージョイント
81 穴
82 固定手段
83 打ち抜き工具及び/又はクランプ工具
84 凹部
85 ロッド
86 穴
87 圧延工具
88 コーナー角コネクタ受け部
R、R'後側
S、S'可視側
L 長手方向軸(金属製のプロファイル)
101 第1のステップ
102 第2のステップ
103 第3のステップ
【外国語明細書】