(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149432
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】自動的な影形成補償を備える照明装置および照明方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20241010BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20241010BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20241010BHJP
A61B 90/30 20160101ALI20241010BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B47/165
H05B47/11
A61B90/30
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024060638
(22)【出願日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】10 2023 108 682.0
(32)【優先日】2023-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】308011030
【氏名又は名称】ドレーゲルヴェルク アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Draegerwerk AG & Co.KGaA
【住所又は居所原語表記】Moislinger Allee 53-55,Luebeck,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハノ クレッチュマン
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク シュピールベルガー
(72)【発明者】
【氏名】ペーター タンラー
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA02
3K273QA05
3K273QA11
3K273RA02
3K273RA05
3K273SA02
3K273SA04
3K273SA11
3K273SA21
3K273SA40
3K273SA46
3K273SA58
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA32
3K273UA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】表面を照明することが可能な照明装置および照明方法を提供する。
【解決手段】制御機器(10)は、照度設定を検出し、表面で達成される最大照度が照度設定と等しくなるように、照明装置の光源(a.1,b.1,c.1)を駆動制御する。各光源(a.1,b.1,c.1)は、別の各光源とは関連なしに駆動制御される。複数の間隔測定器(dm.2,…,dm.6)は、自身と照明されている表面との間の各間隔を測定する。制御機器(10)は、物体(AO)が表面の領域に影を形成する事象を検出し、この影形成が少なくとも部分的に補償されるようにする。このために、制御機器(10)は、影が形成されていない光源(a.1,b.1,c.1)の最大照度を増大させる。好ましくは、最大照度は、影が形成されている光源に対して冗長的または部分的に冗長的であり、それ自体に影が形成されていない光源によって増大させられる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面(Ob)を照明する照明装置(100)であって、
前記照明装置(100)は、
・複数の光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)を備える光源セットと、
・複数の互いに離間している間隔測定器(dm,dm.2,dm.3,…)を備える間隔測定アセンブリと、
・信号を処理する制御機器(10)と、
を含んでおり、
前記照明装置(100)は、
・光学的な中心軸線(MA)を有しており、
・照明されている前記表面(Ob)上で、最大領域において最大全体照度を達成するように構成されており、
前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、それぞれ、
・光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)を有しており、
・前記照明されている表面(Ob)上で、それぞれ1つの光フィールドを生成するように構成されており、
各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、それぞれ、生成された前記光フィールドの可能な最大個別照度を有しており、
前記光源セットの光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記最大個別照度は、各別の光源の各前記最大個別照度とは関連なしに、ゼロと、前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記可能な最大個別照度と、の間の値に調整可能であり、
前記制御機器(10)は、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対して、それぞれ予め定められた情報を検出するように構成されており、
検出されたまたは検出可能な前記情報は、次の情報、すなわち、
・前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)がどのような可能な最大個別照度を生成することができるかと、
・前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)がどのように前記照明装置(100)の前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的に位置決めされているかかつ/または配向されているかと、
を含んでおり、
前記間隔測定アセンブリの各間隔測定器(dm,dm.2,…,dm.6)は、それぞれ、
・前記照明されている表面(Ob)の方を向いている測定方向を有しており、
・自身と光散乱物体(Ob,AO)との間の各間隔に対する尺度を測定するように構成されており、
前記制御機器(10)は、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の各目下の個別照度を、ある値に調整するように構成されており、
前記制御機器(10)は、さらに、照度設定を検出するように構成されており、前記照度設定は、前記照明装置(100)が生成すべき前記最大全体照度に対する目標値を予め定め、
前記制御機器(10)は、前記間隔測定アセンブリの信号に関連して、
・前記照明装置(100)と前記照明されている表面(Ob)との間に少なくとも1つの物体(AO)が存在している事象である影形成事象が発生しているかを検査するように構成されており、
・影形成事象の検出後に、少なくとも近似的に、前記物体(AO)によって完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されている、前記照明されている表面(Ob)上の領域である影形成領域を求めるように構成されており、
前記求められた影形成領域に関連して、影形成補償に適している、前記光源セットの少なくとも1つの光源を探索するように構成されており、
影形成補償に適している光源は、
・目下、前記光源の前記可能な最大個別照度よりも低い、前記最大個別照度に対する値で動作している光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)、
・全く影が形成されていない、または少なくとも、完全には影が形成されていない光源(a.1,a.2,…,b.1,b2,…)、および
・光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)が、求められた影形成領域において、前記照明されている表面(Ob)と交差している光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)
であり、
前記制御機器(10)は、さらに、影形成補償に適している少なくとも1つの光源が見つけられた場合に、
検出された照度設定および検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に関する情報に関連して、
・少なくとも1つの適している光源を備える部分セットを求めるように構成されており、
・選択された前記部分セットの各光源に対して、前記光源の前記最大個別照度に対する、前記光源の前記最大個別照度の目下の値よりも大きいそれぞれ1つの目標値を計算するように構成されており、
・前記光源に、前記最大個別照度に対する計算された前記目標値を、実際に、目下、達成させるように構成されており、
前記部分セットの前記光源の前記最大個別照度に対する前記目標値の計算時の2つの目的は、
・前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的な前記最大領域の位置が不変に保たれることと、
・前記照明装置(100)が目下、前記最大領域において達成している前記最大全体照度の実際値が、前記検出された照度設定と等しいことと、
である、
照明装置(100)。
【請求項2】
前記検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対する、前記光源に関する情報は、前記光源によって生成された前記光フィールドの光フィールド直径を含んでおり、
前記制御機器(10)は、さらに、付加的に、前記照明装置(100)によって生成された前記光フィールドが有するべき、前記全体光フィールド直径に対する目標値を予め定める光フィールド直径設定を検出するように構成されており、
前記制御機器(10)は、さらに、前記部分セットの前記光源の目下の前記最大個別照度に対する前記目標値を、前記照明装置(100)が達成する前記光フィールドの前記全体光フィールド直径の実際値が、検出された前記光フィールド直径設定と等しいというさらなる目的を伴って計算するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項1記載の照明装置(100)。
【請求項3】
前記制御機器(10)は、
・照度設定および任意選択的に光フィールド直径設定の検出後に、
前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対して、前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記目下の最大個別照度に対して、それぞれ1つの初期の目標値を計算するように構成されており、
・前記光源セットの光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)が達成する前記最大個別照度の各実際値を、前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対する計算された前記初期の目標値と等しくするように構成されており、
前記初期の目標値は、少なくとも、影形成事象が検出されず、さらなる照度設定が検出されない限り、使用され、
前記制御機器(10)は、さらに、影形成事象を検出した後かつ適している光源を見つけた後に、少なくとも1回、増大シーケンスを実行するように構成されており、
前記増大シーケンスまたは各増大シーケンスは、前記制御機器(10)が、
・前記光源セットの、影形成補償に適している少なくとも1つの光源を備える部分セットを求めるステップと、
・求められた前記部分セットの前記光源または各光源の前記最大個別照度に対する、前記目下の最大個別照度よりも大きい、それぞれ1つの目標値を計算するステップと、
・前記求められた部分セットの前記光源または各光源の各前記目下の最大個別照度を計算された前記目標値に増大させるステップと、
を含んでいる、
ことを特徴とする、
請求項1または2記載の照明装置(100)。
【請求項4】
前記制御機器(10)は、さらに、
少なくとも1つの増大シーケンスの実行時に、好ましくは、各増大シーケンスの実行時に、
前記部分セットを求めるステップ、各前記目標値を計算するステップ、および各前記個別照度を増大させるステップの後に、
・前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的な前記最大領域の位置の変化が、前記影形成事象にもかかわらず、十分に小さく、今や、前記照明装置(100)の前記最大全体照度の実際の目下の値が十分に正確に、前記検出された照度設定と一致しているかを計算によって検査するように構成されており、
・そうでない場合には、
新たに、部分セットを求め、求められた前記部分セットの各光源の前記最大個別照度に対するそれぞれ1つの目標値を計算するか、または
前記照度設定と前記照明装置(100)の前記最大全体照度の目下の値との間の偏差、任意選択的に前記光フィールド直径設定と前記光フィールド直径の目下の値との間の偏差が、これ以上低減可能ではないことを突きとめる
ように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項3記載の照明装置(100)。
【請求項5】
前記制御機器(10)は、影形成事象の検出後に、完全に影が形成されている、または、少なくとも部分的に影が形成されている、前記光源セットの少なくとも1つの光源、好ましくは影が形成されている各光源を検出するように構成されており、
前記制御機器(10)は、さらに、影形成補償に適している光源の探索時に、
・検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの前記光源に関する情報を使用して、
前記影が形成されている光源または影が形成されている少なくとも1つの光源に関して、少なくとも1つの予め定められた補償基準を満たしている少なくとも1つの光源を探索するように構成されており、
・前記補償基準または少なくとも1つの補償基準を満たしている少なくとも1つの光源が見つけられた場合、
見つけられた前記光源のうちのどの光源がそれぞれ、影形成補償に適しているかを検査するように構成されており、
・前記補償基準を満たしており、かつ適している少なくとも1つの光源が見つけられた場合、
前記補償基準または少なくとも1つの補償基準を満たしており、かつ影形成補償に適している光源から成るセットを部分セットとして求め、使用するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項1から4までのいずれか1項記載の照明装置(100)。
【請求項6】
前記照明装置(100)の前記光源セットは、
・少なくとも1つの第1の光源および前記第1の光源に対して冗長的な少なくとも1つの別の光源、ならびに/または
・少なくとも1つの第2の光源および前記第2の光源に対して部分的に冗長的な少なくとも1つの別の光源
を含んでおり、
・照明されている平坦な表面(Ob)と、2つの前記光源の2つの前記光軸線と、の2つの交点が、予め定められたトレランスを超えて相互に離間していない場合、および
・前記2つの光源が達成する2つの前記光フィールドが、それぞれ、予め定められたトレランスを超えて相互に偏差していない場合、
別の光源は、前記第1の光源に対して冗長的であり、
・照明されている平坦な表面(Ob)と、2つの前記光源の2つの前記光軸線と、の2つの前記交点が、予め定められたトレランスを超えて相互に離間していない場合、または
・前記2つの光源が達成する前記2つの光フィールドが、それぞれ、予め定められたトレランスを超えて相互に偏差していない場合、または
・一方の前記光源の前記光軸線の前記交点が、他方の前記光源の前記光軸線の前記交点の周りのdx円に位置しており、xが予め定められたパーセントである場合、
別の光源は、前記第2の光源に対して部分的に冗長的であり、
検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの各光源に対する、前記光源に関する情報は、前記光源セットのどの別の1つの光源またはどの他の複数の光源が、前記光源に対して冗長的であるのか、かつ/または、部分的に冗長的であるのかという情報を含んでおり、
前記制御機器(10)は、前記補償基準またはある補償基準として、さらなる光源が、影が形成されている前記光源または影が形成されている、ある光源に対して冗長的ある、かつ/または、部分的に冗長的であるという基準を使用するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項5記載の照明装置(100)。
【請求項7】
前記照明装置は、
・少なくとも1つの第1の光源と、
・少なくとも1つの第2の光源と、
・前記第1の光源に対して冗長的な少なくとも1つの第1の別の光源と、
・前記第2の光源に対して部分的に冗長的であり、かつ好ましくは前記第1の光源に対して冗長的でない少なくとも1つの第2の別の光源と、
を含んでおり、
前記制御機器(10)は、第1の増大シーケンスを実行するように構成されており、
前記第1の増大シーケンスは、
・影が形成されている各光源に対して、それぞれ、少なくとも1つの、影が形成されている光源に対して冗長的であり、かつ/または、部分的に冗長的であり、付加的に少なくとも1つの予め定められた追加基準を満たす、影形成補償に適している別の光源を探索するステップと、
・少なくとも1つの冗長的な、適している光源が見つけられた場合、前記冗長的な、適している光源または少なくとも1つの冗長的な、適している光源の最大個別照度の前記実際値を増大させるステップと、
を含んでおり、
前記制御機器(10)は、
・前記第1の増大シーケンスの間に実行された前記増大に基づいて、
前記照明装置(100)の実際の前記最大全体照度の値が十分に正確に、前記検出された照度設定と一致しているかを検査するように構成されており、
任意選択的に付加的に、前記光フィールド直径の値が十分に正確に、前記検出された光フィールド直径設定と一致しているかを検査するように構成されており、
・そうでない場合には、少なくとも1つの第2の増大シーケンスを実行するように構成されており、
前記第2の増大シーケンスまたは少なくとも1つの第2の増大シーケンスは、
・影が形成されている各光源に対して、それぞれ1つの、影が形成されている前記光源に対して冗長的であり、かつ/または、部分的に冗長的であり、前記予め定められた追加基準または少なくとも1つの予め定められた追加基準を満たしていない、影形成補償に適している別の光源を探索するステップと、
・少なくとも1つの部分的に冗長的な、適している光源が見つけられた場合、前記部分的に冗長的であって、冗長的ではない、適している光源または少なくとも1つの、部分的に冗長的であって、冗長的ではない、適している光源の前記最大個別照度の前記実際値を増大させるステップと、
を含んでいる、
ことを特徴とする、
請求項6記載の照明装置(100)。
【請求項8】
前記別の光源が、影が形成されている光源に対して冗長的である場合に、前記第1の増大シーケンスの際に適用される前記追加基準または前記第1の増大シーケンスの際に適用される、ある追加基準が満たされている、
ことを特徴とする、
請求項7記載の照明装置(100)。
【請求項9】
前記光源セットの前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)が厳密に1つの光源群(Pos.1,…,Pos.6)に属しているように、少なくとも2つの光源群(Pos.1,…,Pos.6)に分けられており、
・前記別の光源および前記影が形成されている光源が同一の光源群(Pos.1,…,Pos.6)に属している場合、および/または
・前記別の光源が予め定められた光源群(Pos.1,…,Pos.6)に属している場合、
前記第1の増大シーケンスの際に適用される前記追加基準または前記第1の増大シーケンスの際に適用される、ある追加基準が満たされている、
ことを特徴とする、
請求項7または8記載の照明装置(100)。
【請求項10】
前記制御機器(10)は、
・前記第2の増大シーケンスの後に、前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的な前記最大領域の位置の変化が、前記影形成事象にもかかわらず、十分に小さく、前記照明装置(100)の目下の前記最大全体照度が十分に正確に、前記検出された照度設定と一致しているかを検査するように構成されており、
・そうでない場合には、前記光源セットの、影形成補償に適している、少なくとも1つのさらなる光源を選択し、前記光源の個別照度を増大させるように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項7から9までのいずれか1項記載の照明装置(100)。
【請求項11】
前記光源セットの前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)が厳密に1つの光源群(Pos.1,…,Pos.6)に属しているように、少なくとも2つの光源群(Pos.1,…,Pos.6)に分けられており、
光源群の前記光源は共に、影形成事象が生じていない場合、前記照明されている表面(Ob)に、少なくとも1つの光フィールドを生成し、
前記光フィールドの最大照度は、前記照明されている表面(Ob)との前記光学的な中心軸線(MA)の交点(S)において、または前記交点(S)を中心とした円において発生し、
前記光源セットの各光源に対する、前記光源に関する前記検出可能な情報は、前記光源セットのどの光源がどの光源群に属しているかという情報を含んでおり、
前記制御機器(10)は、前記補償基準またはある補償基準として、さらなる光源が、影が形成されている前記光源または影が形成されている、ある光源と同一の光源群に属しているという基準を使用するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項7から10までのいずれか1項記載の照明装置(100)。
【請求項12】
前記照明装置(100)の各光源は、それぞれ1つの相関色温度を有しており、前記光源セットの前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、全体で少なくとも2つの異なる色温度を有しており、
検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの各光源に対する、前記光源に関する情報は、それぞれ前記光源の相関色温度を含んでおり、
前記制御機器(10)は、前記補償基準またはある補償基準として、さらなる光源が、影が形成されている前記光源または影が形成されている、ある光源と同一の色温度を有しているという基準を使用するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項7から11までのいずれか1項記載の照明装置(100)。
【請求項13】
前記制御機器(10)は、自動的に、
・前記光源セットの少なくとも1つの光源が故障している事象を検出するように構成されており、
・影形成補償によって、故障している前記光源または故障している各光源の前記故障を補償するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項1から12までのいずれか1項記載の照明装置(100)。
【請求項14】
照明装置(100)を使用して表面(Ob)を照明する照明方法であって、前記照明装置(100)は、
・複数の光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)を備える光源セットと、
・複数の互いに離間している間隔測定器(dm,dm.2,…,dm.6)を備える間隔測定アセンブリと、
・信号を処理する制御機器(10)と、
を含んでおり、
前記照明装置(100)は、光学的な中心軸線(MA)を有しており、
前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、それぞれ、
・光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)を有しており、
・照明されている前記表面(Ob)上で、それぞれ1つの光フィールドを生成するように構成されており、
各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、それぞれ、生成された前記光フィールドの可能な最大個別照度を有しており、
前記光源セットの光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の目下の前記最大個別照度は、各別の光源の目下の個別照度とは関連なしに、ゼロと、前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記可能な最大個別照度と、の間の値に調整可能であり、
前記間隔測定アセンブリの各間隔測定器(dm,dm.2,…,dm.6)は、それぞれ、前記照明されている表面(Ob)の方を向いている測定方向を有しており、
前記照明方法は、以降のステップを含んでおり、すなわち、
前記制御機器(10)が、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対して、それぞれ予め定められた情報を検出し、
検出された前記情報は、次の情報、すなわち、
・前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)がどのような可能な最大個別照度を生成することができるか、および
・前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)がどのように前記照明装置(100)の前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的に位置決めされているか、かつ/または配向されているか、
を含んでおり、
前記制御機器(10)は、照度設定を検出し、前記照度設定は、前記照明装置(100)が生成すべき最大全体照度に対する目標値を予め定め、
前記制御機器(10)は、少なくとも1回、好ましくは繰り返して、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の各目下の個別照度を、ある値に調整し、
前記照明装置(100)は、照明されている前記表面(Ob)上で、最大領域において最大全体照度を達成し、
前記間隔測定アセンブリの各間隔測定器(dm,dm.2,…,dm.6)は、少なくとも1回、好ましくは繰り返して、自身と光散乱物体(Ob,AO)との間の各間隔に対する尺度を測定し、
前記制御機器(10)は、少なくとも1回、好ましくは繰り返して、
・前記照明装置(100)と前記照明されている表面(Ob)との間に少なくとも1つの物体(AO)が存在している事象である影形成事象が発生しているかを検査し、
・前記検査のために、前記間隔測定アセンブリの信号を使用し、
前記制御機器(10)は、影形成事象の検出後に、以降のさらなるステップをトリガし、すなわち、
前記制御機器(10)は、完全にまたは少なくとも近似的に、前記物体(AO)によって完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されている、前記照明されている表面(Ob)上の領域である影形成領域を求め、
前記制御機器(10)は、前記求められた影形成領域に関連して、影形成補償に適している、前記光源セットの少なくとも1つの光源を探索し、
影形成補償に適している光源は、
・目下、前記光源の前記可能な最大個別照度よりも低い、前記個別照度に対する値で動作している光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)、
・全く影が形成されていない、または少なくとも、完全には影が形成されていない光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)、および
・光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)が、求められた影形成領域において、前記照明されている表面(Ob)と交差している光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)
であり、
前記制御機器(10)が、影形成補償に適している少なくとも1つの光源を見つけた場合、
前記制御機器(10)は、
・少なくとも1つの適している光源を備える部分セットを求めるステップと、
・選択された前記部分セットの各光源に対して、前記光源の前記最大個別照度に対する、前記光源の前記最大個別照度の目下の値よりも大きいそれぞれ1つの目標値を計算するステップと、
・前記光源に、前記最大個別照度に対する計算された前記目標値を、実際に、目下、達成させるステップと、
を実行し、
前記部分セットの前記光源の前記最大個別照度に対する前記目標値の計算時の2つの目的は、
・前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的な前記最大領域の位置が不変に保たれることと、
・前記照明装置(100)が目下達成している前記最大全体照度の実際値が、検出された前記照度設定と等しいことと、
である、
照明方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、影形成によって引き起こされた明度変更の自動的な補償を備える照明装置および照明方法に関する。影形成は、照明装置と、照明装置によって照明されている表面との間の空間に位置する物体によって引き起こされる。
【背景技術】
【0002】
そのような照明装置は、例えば、手術台、ひいてはこの手術台上の患者を照明するために使用される。物体である、患者を治療する人間の身体部分または使用器具が、照明装置と手術台上の患者との間に入り込んでしまい、これによって照明されている患者に影が形成されてしまうことがある。影形成が検出されない場合、または検出されても十分に補償されない場合には、これによって、患者の領域が十分に明るく照明されなくなるという結果が生じ得る。
【0003】
通常、照明装置は、手術台へ向けられている複数の光源を含んでいる。したがって、通常、照明装置と手術台との間の物体によって、完全な影(「ドロップ・シャドウ」)が生じることはなく、照明されている表面、すなわち患者の個々の領域の照明が、所望されているものよりも弱くなるだけである。このことも「影形成」という用語に含まれていると理解されるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が基礎とする課題は、人間の身体部分による影形成および/または対象物による影形成を、公知の照明装置および照明方法よりも良好に自動的に補償することができる照明装置および照明方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題は、請求項1記載の特徴を有する照明装置および請求項14記載の特徴を有する照明方法によって解決される。有利な構成は、従属請求項に示されている。本発明による照明装置の有利な構成は、合理的である限り、本発明による照明方法の有利な構成でもあり、その逆も同様である。
【0006】
本発明による照明装置および本発明による照明方法は、表面を照明することを可能にする。表面は、例えば手術台である、または手術台上の患者でもある。
【0007】
以降では、はじめに幾つかの用語を定義する。これらの用語は、照明装置に関係し、以降で、本発明の説明のために使用される。
【0008】
本発明による照明装置、ならびに医療目的のための、従来技術から公知の多くの照明装置は、複数の個々の光源を含んでいる。以降では、「照明ユニット」という用語を使用する。「照明ユニット」という用語は、照明装置全体に対する、ならびに各個々の光源および光源群に対する上位概念である。
【0009】
照明ユニットの「照度」(英語でIlluminance、Ev)は、照明ユニットから出発して面に当たる、単位面積当たりの光束を表す。SI単位は、Lux=Lumen/m2である。照明ユニットの光学的な中心軸線に対して垂直な平面では、照明ユニットの照度は、典型的には、光学的な中心軸線とこの平面との交点において最大値を取る。特に、照明ユニットが複数の個々の光源を備えている場合には、照度の最大値が、交点の外側、例えば交点を中心とした円上に仮定されることがある。最大照度は、通常、照明ユニットと、照明される物体との間の間隔に関連しているので、最大照度はしばしば、予め定められた基準間隔に関連する。基準間隔は、医療用途ではしばしば1mである。
【0010】
区別のために、照明装置が全体で達成する照度に対しては「全体照度」という用語が使用され、個々の光源が生成する照度に対しては「個別照度」という用語が使用される。これに相応して、照明装置の「最大全体照度」および個々の光源の「最大個別照度」という用語が使用される。(局所的な)照度ならびに最大照度は、ある時点でそれぞれ1つの値を取る可変の量である。これに対して、光源の可能な最大個別照度は、光源の構造によって予め定められている値であり、経年劣化がある場合には、経年劣化によってのみ徐々に低下する。最大個別照度は、ゼロと、可能な最大個別照度(これも含まれる)との間にある。
【0011】
照明ユニットは、光学的な中心軸線を有しており、照明されている表面に光フィールドを生成する。この光フィールドは、照明されている表面にわたって変化し、かつ表面の1つの点または1つの領域において極大値を取る照度を有している。この領域は、以降で「最大領域」と称される。最大領域は、個々の点であってよい、または理想化されて、円環であってもよく、この円環は、好ましくは中心点として、光学的な軸線と照明されている表面との交点を有している。
【0012】
照明ユニットの光フィールドは、三次元表現によって記述可能であり、この際に、平面と仮定される、照明されている表面は、この表現のx-y平面に延在しており、照明ユニットが表面の1つの点(x,y)において達成する照度は、z軸にプロットされている。多くのケースにおいて、照明ユニットの光フィールドは、理想化されて、鐘形曲線の形状を有している。この鐘形曲線は、光学的な中心軸線と照明されている表面との交点において自身の極大値を取る。
【0013】
照明されている表面が平坦であり、照明ユニットの光学的な中心軸線に対して垂直である場合、平均化された照度が最大照度のx%である、表面の領域は典型的に円である。x%の照度を有する、この領域における平均的な照度として、好ましくは、この円上の複数の点、特に少なくとも4つの、均等にこの円上に分布する点における各照度の平均値が使用される。手術用の照明器具に対する規格IEC 60601-2-41は、均等に円上に分布する点を8つも定めている。この円の直径は、しばしば、光フィールド直径dxとも称され、照明ユニットと照明されている表面との間の間隔に関連する。したがって、光フィールド直径dxは、しばしば、照明ユニットと照明されている表面との間の予め定められた基準間隔、例えば1mの基準間隔に関連する。医療用照明ユニットの場合、しばしばx=10%であり、x=50%であることも多く、光フィールド直径は、照度が表面Obでの最大照度の10分の1もしくは半分である直径である。手術台のための照明ユニットの場合、d10は典型的に13cm~35cmである。多くの構成において、ユーザはd10に対して所望の値を予め定めることができる。
【0014】
光フィールド直径dxを有する、直ぐ上で規定された円は、以降では「dx円」とも称される。dx円の中心点は、光学的な中心軸線と照明されている表面との交点である。dx円によって取り囲まれ、かつ完全円の形状を有する、表面上の領域は、以降では「dx領域」と称される。
【0015】
本発明による照明装置および本発明による照明方法は、表面を照明することを可能にする。表面は、例えば、医療用の手術台ならびに手術台上の患者の、照明装置の方を向いている表面である。本発明による照明方法は、本発明による照明装置を使用して実施される。
【0016】
本発明による照明装置は、光学的な中心軸線を有しており、複数の光源を備える光源セットを含んでいる。好ましくは、光源セットは、少なくとも10個の光源、特に好ましくは少なくとも30個の光源、特に少なくとも60個の光源を含んでいる。照明装置が、少なくとも1つのさらなる光源を含んでいてよい。この光源は、光源セットに属しておらず、したがって、光源セットの光源が本発明に相応にまたは好ましくは有していて、以降で説明されるすべての特性を必ずしも有していない。
【0017】
光源セットのこれらの光源は外部から駆動制御され得る、かつすべて同じ構造であってよい。光源セットの少なくとも2つの光源が相互に異なっていてもよい。
【0018】
光源セットの各光源は、それぞれ1つの光学的な光軸線を有している。2つの異なる光源の光学的な光軸線は相互に一致しない。なぜなら、2つの光源は相互に間隔を有しているからである。各光源は、照明されている表面にそれぞれ1つの光フィールドを生成することができる。好ましくは、光源の光フィールドは、この光源の光学的な光軸線に対して回転対称である。光源の構造によって予め定められている特性は、生成された光フィールドの可能な最大個別照度であり、これは好ましくは基準間隔に関係している。光源セットのすべての光源が同じ可能な最大個別照度を有することがある。光源セットの少なくとも2つの光源が、自身の可能な最大個別照度の点で相互に異なっていることもある。
【0019】
各時点で、光源の最大個別照度は、ゼロと、この光源の可能な最大個別照度(これも含まれる)との間の値を取る。光源セットの光源の最大個別照度の目下の値は、外部からの駆動制御によって規定され、かつ変更され、特に、光源セットの他の各光源とは関連なしに、ひいては他の各光源の最大個別照度の各目下の値とは関連なしに規定され、かつ変更される。
【0020】
既に上述したように、照明装置は、最大領域において最大全体照度を達成する。多くのケースにおいて、最大領域は、照明装置の光学的な中心軸線と照明されている表面との交点に対して回転対称である。照明装置が照明されている表面に対して相対的に側方に動かされる、または傾斜して動かされる場合、概して、最大領域は、照明されている表面にわたって移動する。照明装置が表面でどのような最大全体照度を達成するのか、またどこで最大領域が光学的な中心軸線に対して相対的に配置されているのかは、一方では、各光源の各最大個別照度に関連し、他方では、光学的な中心軸線に対して相対的な光源の光軸線の各配向に関連する。
【0021】
さらに、照明装置は間隔測定アセンブリを含んでいる。間隔測定アセンブリは、複数の、すなわち少なくとも2つの間隔測定器を含んでおり、これらの間隔測定器は互いに離間している。間隔測定アセンブリの各間隔測定器は、照明されている表面の方を向いているそれぞれ1つの測定方向を有している。各間隔測定器は、自身と光散乱物体との間の、測定方向における間隔に対するそれぞれ1つの尺度を測定することができる。この光散乱物体は、照明されている表面または表面上の物体であってよい、または影を形成する物体、すなわち、照明装置と照明されている表面との間の領域に入り込み、照明されている表面まで間隔を有している物体であってもよい。
【0022】
照明装置はさらに、信号を処理する制御機器(コントロールユニット)を含んでいる。制御機器は、照明装置の光源支持体内に統合されていてもよい、またはそのような支持体から空間的に分離されていてもよい。制御機器と光源セットの各光源との間には、持続的に、またはそれぞれ少なくとも一時的に、制御機器から光源へのデータ接続が形成され、このデータ接続は、ケーブルおよび/または電磁無線波によって実現されていてよい。持続的に、または少なくとも一時的に、間隔測定アセンブリから制御機器へさらなるデータ接続が通じている。
【0023】
この制御機器は、間隔測定アセンブリの信号ならびに設定を受け取り、自動的に処理することができる。そのような設定は、ユーザから到来していても、または上位の開ループ制御部または閉ループ制御部から到来していてもよい。本発明によれば、制御機器は、設定として、照度設定を検出することができる。この照度設定は、最大全体照度に対する目標値を予め定め、照明装置は、この値を有する最大全体照度を達成するべきである。好ましくは、照度設定は、基準間隔に関連する。
【0024】
この処理に関連して、制御機器は、光源セットの光源を駆動制御することができ、特に、各光源を他の各光源とは関連なしに駆動制御することができる。さらに、制御機器は、光源セットの各光源に対して、それぞれ予め定められた情報を検出することができる。これらの情報は、制御機器が少なくとも一時的に読み出しアクセスを有するデータメモリに格納されていてよい。これらの情報は、格納されているプログラムのパラメータとして予め定められていてもよく、制御機器は、表面を照明する際にこのプログラムを実行する。概して、このプログラムは制御機器のデータメモリに格納されており、制御機器のプロセッサ上で実行される。情報の一方の部分がデータメモリに格納されており、他方の部分がプログラムのパラメータとして予め定められていてもよい。
【0025】
光源セットの光源に関する情報は、一方では、この光源がどのような最大個別照度を生成することができるかの尺度、すなわち、構造によって予め定められている可能な最大個別照度の尺度を含んでいる。好ましくは、この可能な最大個別照度は、上述の基準間隔に関連している。この尺度は、例えば、光源に印加可能な最大電圧、または光源に対する最大電流強度もしくは最大電力である。
【0026】
光源セットの各光源に関する情報は、他方では、それぞれ、この光源の光学的な光軸線が、照明装置の光学的な中心軸線に対してどのように位置決め・配向されているかについての情報を含んでいる。光源の光軸線は、照明装置の光学的な中心軸線と一致していてよい、または光学的な中心軸線に対して平行に、ある間隔を有してよい、または光学的な中心軸線と交差していてよい、または光学的な中心軸線に対して傾いて配置されていてもよい。空間内の2つの直線は、これらの2つの直線が互いに一致もせず、互いに平行でもなく、交差もしない場合、互いに傾いている。制御機器によって検出された情報は、特に、光源のこれらの光軸線が相互にどのように位置決めされているのかを規定している。
【0027】
制御機器は、光源セットの各光源を、個別に駆動制御することができ、すなわち、光源セットの他の各光源とは関連なしに駆動制御することができる。対応する駆動制御によって、制御機器は、光源の各最大個別照度を、ゼロと、この光源の可能な最大個別照度(これも含まれる)との間に位置する値に調整することができる。ある実現形態では、制御機器は、達成される最大照度を無段階に変えることができ、別の実現形態では段階的に変えることができる。この駆動制御のおかげで、光源セットの光源の各最大個別照度が、他の各光源とは関連なしに変えられる。注:当然、概して、光源の最大個別照度は、所望の値に正確に規定されるのではなく、ある程度の誤差を伴ってしか規定されない。
【0028】
注:照明装置の少なくとも2つの個々の光源が1つの光源モジュールにまとめられ、1つの光源モジュールのこれらの個々の光源が一緒にしか駆動制御されないことがある。このケースでは、「光源セットの光源」という用語は、少なくとも2つの個々の光源を備える、そのような光源モジュールを意味するものと理解される。本発明による照明装置は、このケースでは、少なくとも2つのそのような光源モジュールを含んでいる。光源モジュールは、例えば、少なくとも2つの個々の光源を備える構成群であり、この構成群は、照明装置の残りの部分とは別個に交換され得る。
【0029】
本発明によれば制御機器は、間隔測定アセンブリの信号を受け取って、処理することができる。この処理によって、制御機器は、影形成事象が発生しているか、および/または影形成事象が目下存在しているかを自動的に検査し、特に影形成事象を検出することができる。「影形成事象」とは、以降の事象であると理解される:少なくとも1つの物体が、目下、照明装置と照明されている表面との間、より厳密に言えば:光源セットの少なくとも1つの光源と照明されている表面との間に位置している。制御機器が間隔測定アセンブリの信号を処理することによって、制御機器は、少なくとも、物体が、間隔測定アセンブリのこの間隔測定器または少なくとも1つの間隔測定器が測定する各間隔を変える場合に、影を形成するこの物体を検出することができる。概して、この物体によって、光源セットの少なくとも1つの光源が、目下、完全にまたは少なくとも部分的に影にされており、少なくとも1つの測定された間隔を変える。したがって、以降では「影を形成する物体」とも表現される。この用語は、複数の物体、例えば治療を行う医者の身体部分および医者によって使用される器具も意味し得る。概して、影を形成する物体の位置は、照明装置に対して相対的に変化し、したがって影形成は経時的に変化する。
【0030】
対抗措置を講じない場合、影を形成する物体による影形成は、照明されている表面で照明装置が達成する光フィールドを変える。「影形成補償」とは、影形成を少なくとも部分的に補償する目的で、制御機器が自動的にトリガする措置を意味するものと理解される。理想的には、照明されている表面で照明装置が達成する光フィールドは、影形成補償のおかげで不変に保たれる。実際には、この目的は、大抵の場合、おおよそしか達成されない。
【0031】
本発明によれば、この目的は、以降のように実現される:影形成補償における最大の目的は、照明装置が達成する最大全体照度も、照明装置の光学的な中心軸線に対して相対的な最大領域の位置も不変に保たれ、したがって影が形成されているのにもかかわらず、達成される最大全体照度が照度設定と等しいことである。最大領域は、光学的な中心軸線に対して相対的な自身の位置を維持するべきである。換言すると:光学的な中心軸線に対して相対的な最大領域の位置は、影形成事象によって変えられるべきではない。すなわち医療用照明装置のケースでは、しばしば、この最大領域の周囲に、手術が行われる患者の身体の領域が位置している。
【0032】
任意選択的なさらなる目的は、付加的に、照明装置が達成する全体光フィールド直径が不変に保たれることである。dx円が、光学的な中心軸線に対して相対的な自身の位置を変えるべきではないこともある。任意選択的な第3の目的は、照明装置の相関全体色温度も不変に保たれることである。影形成の程度に関連して、これらの目的は完全にまたは部分的にのみ達成される。制御機器がこれら3つの目的を、降下する優先順位で、自動的に達成しようと試みることが可能である。制御機器が、これらの目的のうちの少なくとも2つの目的の間で妥協を生じさせることも可能である。
【0033】
簡単に言えば、影形成補償のためのこの措置または各措置は、影が形成されていない少なくとも1つの光源の最大個別照度を増大させるステップを含んでいる。個々の光源の光フィールド直径および/または相関色温度が変えられることは、原則としては可能ではあるが、本発明のおかげで、必須ではない。本発明では、概して、アクチュエータが光源を照明装置の支持体に対して相対的に、ひいては別の光源に対して相対的に動かすことができることも必須ではない。むしろ、すべての光源は支持体内に固定的に取り付けられていてよく、支持体と共にのみ動かされる。アクチュエータを省くことによって、支持体内のスペースが節約され、アクチュエータの駆動制御が省かれる。
【0034】
制御機器は、さらに以降のように構成されている:影形成事象、すなわち影を形成する物体が検出されている場合、制御機器は、少なくとも近似的に、照明されている表面上の、照明装置と照明されている表面との間の物体によって完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されている領域を求める。概して、影を形成する物体はドロップ・シャドウを形成しない。なぜなら、照明装置は複数の光源を含んでいるからである。「少なくとも部分的に影が形成されている」とは:この領域において、影形成後の照度が影形成前の照度から、予め定められた制限を超えて下方へ偏差することを意味する。例えば影形成によって、照度は少なくとも30%、またはそれどころか少なくとも50%ぶん低下する。
【0035】
影が形成されている領域を求めるために、制御機器は、各光源に対して、予め定められた、検出された情報を使用し、この情報は例えば、この光源の光軸線が、照明装置の光学的な中心軸線に対して相対的にどのように配向されているか、かつ/または位置決めされているかである。さらに、制御機器は、間隔測定アセンブリの信号を使用する。好ましくは、制御機器は、領域を求める際に、照明されている表面が照明装置の光学的な中心軸線に対して垂直であるという仮定および照明装置までの間隔が基準間隔と等しいという仮定である、2つの簡略化する仮定を使用する。多くのケースにおいて、現実とこれら2つの仮定との間の偏差は、実際には些細なものである。
【0036】
好ましくは、制御機器は、照明装置の光学的な中心軸線に対して垂直な平面内の、影を形成する物体の輪郭を求める。影形成領域を求めるために、制御機器は、求められた輪郭ならびに照明装置と照明されている表面との間の光学的な中心軸線に沿った間隔ならびに照明装置と影を形成する物体との間の間隔および/または影を形成する物体と照明されている表面との間の間隔を使用する。
【0037】
制御機器は、影形成補償に適している、光源セットの少なくとも1つの光源、より厳密に言えば:検出された影形成を少なくとも部分的に、概して、光源セットの少なくとも1つの別の光源と共に補償するのに目下適している、光源セットの少なくとも1つの光源を探索する。この探索のために、制御機器は、照明されている表面の、求められた、影が形成されている領域に関する情報を使用する。好ましくは、制御機器は、以降の特性を備える光源セットの少なくとも1つの光源を求める:求められたこの光源または求められた各光源の各光軸線は、影が形成されている領域における表面と交差している。
【0038】
光源は、本発明によれば、以降の条件が累積的に発生した場合に、影形成補償に適しており、これらの条件が満たされているか否かは自動的に確認される:
・光源に、目下、全く影が形成されていない、または少なくとも、完全には影が形成されていない。
・光源の光軸線が、求められた影形成領域において、照明されている表面と交差している。
・光源が、目下、自身の最大個別照度に関して、この光源の可能な最大個別照度よりも低い値で動作している。この光源が、目下、スイッチオフされていてもよい。したがって、この光源の最大個別照度の目下の値は増大され得る。
【0039】
さらに、上の方では、制御機器が光学的な中心軸線に対して垂直な平面における、影を形成する物体の輪郭を求める構成が記載された。ある構成では、光源の光軸線が、求められた輪郭を通って延在しておらず、この輪郭に対して間隔を有している場合に、この光源に影が形成されていない、または少なくとも完全には影が形成されていない。
【0040】
制御機器は、そのような、適している光源を探索するために、間隔測定アセンブリの信号ならびに光源に関する上述の検出された情報を使用する。概して、目下、どの光源に影が形成されており、どの光源に影が形成されていないかは、影を形成する物体の少なくとも1つの寸法ならびに照明装置および/または照明されている表面に対して相対的な物体の位置に関連する。特に、どの光源が適しており、どの光源が適していないのかは、光学的な中心軸線に対して垂直な平面における、影を形成する物体の輪郭ならびに影を形成する物体と照明されている表面との間の間隔に関連する。
【0041】
制御機器が適している光源を見つけないことがある。これは、特に、影が形成されていないすべての光源が既に、可能な最大個別照度で動作している場合に当てはまる。
【0042】
制御機器は、さらに以降のように構成されている:制御機器が少なくとも1つの適している光源を見つけた場合、制御機器は、光源セットの部分セットを求め、この部分セットは、少なくとも1つの光源を含んでおり、影形成補償に目下適している光源のみから成る。部分セットが、すべての目下適している光源から成っていても、適している光源の一部から成っていてもよい。部分セットは、複数の適している光源が存在する場合であっても、唯一の適している光源のみから成っていてもよい。有利な構成は、この部分セットをどのように求めることができるかについて種々の実現形態を規定する。
【0043】
制御機器は、求められた部分セットのこの光源または各光源の各最大個別照度の増大を引き起こすことができる。この目的のために、制御機器は、求められた部分セットの各光源に対してそれぞれ1つの目標値を、計算する、または他の手法で突きとめることができる。この目標値は、この光源の、達成されるべき最大個別照度を定める。適している光源に対する計算された目標値は、最大個別照度の目下の値よりも大きく、ある構成では、この光源の、予め定められた可能な最大個別照度に等しく、別の構成では、可能な最大個別照度よりも小さい。制御機器は可能な最大個別照度を、光源に関する上述した情報から検出する。
【0044】
部分セットを求め、最大個別照度に対する各目標値を計算するために、制御機器は、光源セットの光源に関する検出された情報と、任意選択的に、間隔測定アセンブリの信号とを使用する。制御機器は、照明装置が目下達成している最大全体照度の実際値が、検出された照度設定と等しいという目的を伴って、部分セットの光源に対する目標値の計算を実行する。
【0045】
制御機器は、光源が目下達成している最大個別照度の実際値が、計算された目標値と等しいという目的を伴って、求められた部分セットのこの光源または各光源を制御する。
【0046】
すなわち、目的は、求められた部分セットが影形成を完全にまたは少なくとも部分的に補償することができるように、求められた部分セットの光源を駆動制御することである。本発明によれば、制御機器によって、求められた部分セットの少なくとも1つの光源、好ましくは、各光源の最大個別照度の値が増大する。当然、少なくとも1つの適している光源が見つけられたのにもかかわらず、影形成が部分的にしか補償可能でないことがある。これに対する2つの考えられる理由は、十分に適している光源が見つけられていない、または見つけられた、適している光源の最大個別照度のさらに達成可能な増大が十分でないことである。
【0047】
本発明による方法は、本発明による照明装置を使用して実施され、以降のステップを含んでいる:
・制御機器は、光源セットの各光源に対して、それぞれ予め定められた、光源に関する情報を検出する。
・制御機器は照度設定を検出する。
・制御機器は、光源セットの各光源の各目下の最大個別照度を、ある値に調整し、特に、少なくとも1回、また必要に応じて新しくする。
・照明装置は、表面を照明し、最大全体照度を達成する。
・間隔測定アセンブリのこの間隔測定器または各間隔測定器は、自身と光散乱物体との間の各間隔に対する尺度を測定する。間隔測定器は、少なくとも1回、好ましくは複数回、特に好ましくは固定のサンプリング周波数でこの尺度を測定する。
・制御機器は、影形成事象が発生しているかを検査する。この検査のために、制御機器は間隔測定アセンブリの信号を使用する。制御機器はこの検査を少なくとも1回、好ましくは繰り返して、特に好ましくは固定のサンプリング周波数で実行する。制御機器のサンプリング周波数は、間隔測定アセンブリのサンプリング周波数と等しくてよい、または間隔測定アセンブリのサンプリング周波数より小さくても大きくてもよい。
【0048】
影形成事象の検出によって、少なくとも、以降のさらなるステップがトリガされる:
【0049】
制御機器が、影形成補償に目下適している光源セットの少なくとも1つの光源を探索する。
【0050】
影形成補償に適している少なくとも1つの光源が見つけられた場合、制御機器は、以降のステップを実行する:
・制御機器は、少なくとも1つの適している光源を備える部分セットを求める。部分セットは、すべての適している光源から成っていてもよい。
・選択された部分セットの各光源に対して、制御機器はそれぞれ1つの目標値を計算する。この目標値は、この光源がどのような最大個別照度を生成すべきであるのかを定める。計算された目標値は、最大個別照度の目下の値よりも大きく、また可能な最大個別照度以下である。
・制御機器は、求められた部分セットのこの光源またはある光源、好ましくは各光源を駆動制御し、この駆動制御によって、駆動制御された光源が、最大個別照度に対する計算された目標値を実際に達成する。
・制御機器は、最大領域が、光学的な中心軸線に対して相対的な自身の位置を維持し、全体照度が、検出された照度設定と等しい値を取るという目的を伴って、部分セットの光源に対する目標値の計算を実行する。
【0051】
本発明によれば、多くのケースにおいて、影形成を比較的良好に補償することができる。特に、多くのケースにおいて、最大全体照度が比較的僅かにしか低減されず、したがって表面は、影形成にもかかわらず、依然として十分に照明される。特に、最大領域は十分に強く照射され続けることが多い。しかも、しばしば、これによって、照明されている表面で照明装置が達成する光フィールドは、本発明による補償のおかげで、影形成にもかかわらず、比較的僅かしか変化しなくなる。
【0052】
本発明は、照明装置が、少なくとも1つの光源を少なくとも1つの別の光源に対して相対的に旋回させることができる、または別の様式で動かすことができるアクチュエータを含んでいることを必要としない。
【0053】
本発明は、光源が種々異なる光を放射し、例えば、種々異なる相関色温度および/または種々異なる振幅を有する光を放射し、これらの違いに基づいて影形成が検出される照明装置に適用される。しかし、本発明は、このような光源を有する照明装置を必要としない。照明装置のすべての光源が、同じ振幅を有する光を放射してもよい。
【0054】
本発明によれば、制御機器は、影形成領域を求め、すなわち、照明されている表面のどの領域に物体によって影が形成されているかを求める。少なくとも近似的にこの影形成を補償するために、制御機器は、光軸線が影形成領域における照明されている表面と交差している少なくとも1つの光源を求める。そのような光源の最大個別照度が増大させられる。この特徴によって、多くのケースにおいて、影形成が、公知の方法よりも良好に補償される。この作用は、特に、表面での影形成領域が求められ、影を形成する物体のサイズが求められない、または影を形成する物体のサイズだけが求められるのではないので達成される。特に、すべての光源が、光学的な中心軸線の周りに同心円状に配置されていない場合であっても、影形成が比較的良好に補償されることが多い。さらに、単に、どの光源に目下、影が形成されていないかが求められる場合よりも、本発明によって推定がより良好に補償される。すなわち、確かに光源に影は形成されていないが、この光源の光軸線が、影形成領域外で、照明されている表面と交差していることもある。多くのケースにおいて、この光源の最大個別照度を増大させることは合理的ではない。
【0055】
好ましくは、制御機器は、付加的に、各間隔測定器の各測定方向が、照明装置の光学的な中心軸線に対して相対的にどのように配置されているかの情報を検出する。好ましくは、制御機器は、光源セットの光源に目下、影が形成されているのか、また影が形成されている場合には、光源セットのどの光源に目下、影が形成されているのか、を自動的に突きとめることができる。好ましい構成では、光源から、照明されている表面に達する、この光源の光軸線の区間内に光散乱物体が位置していることが検出されている場合に、制御機器は光源の影形成を検出する。ある構成では、制御機器は、間隔測定アセンブリのどの間隔測定器がそれぞれ、次のような間隔を検出したのかを突きとめることができる。すなわち、間隔測定器と照明されている表面との間の間隔よりも格段に短い、例えば予め定められたトレランス帯外に位置する間隔である。当然、そのような間隔測定器だけが存在している場合もある。
【0056】
好ましくは、制御機器は、繰り返し、特に好ましくは予め定められたサンプリング周波数で、目下、影を形成する事象が存在しているか否かを検査することができる。制御機器は、好ましくは、このようなサンプリング周波数で、影形成補償のための、直ぐ上で説明した措置を実行するように構成されている。繰り返し実行されることによって、多くのケースにおいて、影形成が迅速に検出され、少なくとも部分的に補償される。サンプリング周波数は、概して、間隔測定アセンブリが達成することができるサンプリング周波数および/または制御機器の計算容量によって制限される。多くのケースにおいて、光源の最大個別照度を変えるのに必要な時間も制限要因になり得る。
【0057】
本発明によれば、制御機器は照度設定を検出することができる。ある構成では、制御機器は付加的に光フィールド直径設定を検出することができる。この光フィールド直径設定も、ユーザまたは上位の開ループ制御部もしくは閉ループ制御部から到来し得る。光フィールド直径設定は、全体光フィールド直径に対する目標値を予め定める。これは、照明装置が全体で生成する光フィールドが有すべき光フィールド直径である。この全体光フィールド直径も、好ましくは上述した基準間隔に関連しており、かつ照明装置の光学的な中心軸線に対して垂直な、照明されている表面に関連している。
【0058】
本発明によれば、制御機器は、適している光源の部分セットを求め、求められた部分セットの各光源に対してそれぞれ、最大個別照度に対する目標値を計算する。目標値の計算時の目的は、本発明によれば、全体照度が照度設定と一致することである。さらに上の方で説明した構成では、目標値の計算時のさらなる(付加的な)目的は、全体光フィールド直径の値が、光フィールド直径設定と一致することである。すなわち、この構成のおかげで、影形成がさらに良好に補償される。多くのケースにおいて、照明されている表面での影形成の補償後に照明装置が達成する光フィールドは、影形成前に照明装置が達成する光フィールドから比較的僅かしか偏差しておらず、理想的には人間によって知覚可能であるようには偏差していないことが達成される。全体光フィールド直径も、多くのケースにおいて、影形成にもかかわらず、比較的僅かしか変化しない。なぜなら、直ぐ上で説明した影形成補償の構成が適用されるからである。当然、任意選択的なさらなる目的も、完全に達成され得ない場合がある。
【0059】
全体光フィールド直径を用いた、さらに上の方で説明した構成を、完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されている光源がスイッチオフされる既に説明した構成と組み合わせることができる。
【0060】
本発明によれば、制御機器は、照度設定および任意選択的に光フィールド直径設定を検出する。制御機器は、影形成事象を検出する。ある構成では、制御機器は、最大領域および/またはdx領域が影形成領域内に位置しているか否かを検査する。最大領域も円内のdx領域も影形成領域内に位置していない場合には、多くのケースにおいて、影形成事象を補償することは不要である。
【0061】
制御機器は、好ましくは、少なくとも1回、全体光フィールド直径を計算によって予測するように構成されている。生成された全体光フィールド、ひいては全体光フィールド直径は、一方では、スイッチオフされていない各光源の最大個別照度の各目下の値に関連し、他方では、照明装置の光学的な中心軸線に対して相対的な光源の光軸線の各位置に関連する。好ましくは、制御機器は、光源の各個別光フィールド直径に対して、予め定められた標準値を使用する。好ましくは、全体光フィールド直径は、ここでも基準間隔と、基準間隔において光学的な中心軸線に対して垂直な表面とに関連している。制御機器は、最大個別照度に対する目標値を、予測された全体光フィールド直径が光フィールド直径設定にできるだけ近似し、例えば予め定められたトレランスを超えて偏差しないように計算する。
【0062】
本発明によれば、制御機器は、影形成補償に目下適している少なくとも1つの光源を探索する。この探索の際に、部分的に影が形成されているが完全には影が形成されていない光源も含められることがある。これに対して、ある構成では、制御機器は、この探索の際に、影が全く形成されていない光源しか探索しないように構成されている。すなわち、探索の際には、部分的に影が形成されている光源は考慮されない。この構成によって、多くのケースにおいて、計算時間および/または計算容量が節約される。
【0063】
好ましくは、制御機器によって、完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されているすべての光源がスイッチオフされる。この構成は、多くのケースにおいて、エネルギ消費を減らす。さらに、多くのケースにおいて、完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されている光源がスイッチオフされる場合、影を形成する物体の加熱が減らされる。そのような加熱は、特に、影を形成する物体が、治療を行う医者の身体部分である場合に、望ましくないことが多い。影を形成する物体は、照明装置から、照明されている表面よりも、より短い間隔を有しており、したがってしばしばより強い、単位面積当たりの熱エネルギ導入にさらされる。好ましくは、制御機器は、少なくとも1回、好ましくは繰り返して、この光源にまだ影が形成されているかを検査する。光源がもはやスイッチオフされていない場合、この光源を再びスイッチオンすることが可能である。
【0064】
概して、各光源は相関色温度を有している。典型的に、この相関色温度は、光源の構造によって予め定められており、変更されない。光源セットのすべての光源が同じ相関色温度を有していてもよい。これに対して、好ましい構成では、光源セットの光源は、全体で、少なくとも2つの異なる相関色温度を有している。すなわち、第1の部分セットの光源は、第1の相関色温度を有し、第2の部分セットの光源は、第1の相関色温度とは異なる第2の相関色温度を有している。例えば、第1の部分セットの光源は温白色であり、第2の部分セットの光源は冷白色である。ある実現形態では、第1の部分セットの光源は、2700ケルビンの色温度(温白色)を有しており、第2の部分セットの光源は、6500ケルビンの色温度(冷白色)を有している。2つよりも多くの異なる相関色温度も可能である。
【0065】
照明装置が全体で達成する照明は、相関全体色温度を有している。この相関全体色温度は、目下、スイッチオンされており、完全には影が形成されていない光源の相関色温度から付加的に構成され、概して、付加的に、これらの光源の各最大個別照度に関連する。
【0066】
ある構成では、制御機器は色温度設定を検出することができる。この設定は、ここでも、ユーザまたは上位の開ループ制御部もしくは閉ループ制御部から到来し得る。直ぐ上で説明したように、制御機器は、光源セットの各光源に対して、それぞれ1つの最大個別照度を計算する。この最大個別照度は、照度設定、任意選択的に光フィールド直径設定、また付加的に任意選択的な色温度設定に関連する。概して、制御機器は、駆動制御によって、光源の各最大個別照度の値を変えることができ、特に、ゼロと各可能な最大個別照度との間で変えることができ、他方で、各光源の各光フィールド直径および各相関色温度は、好ましくは一定であり、変えることができない。
【0067】
制御機器が影形成事象を検出すると直ぐに、制御機器は、本発明によれば、影形成補償に適している光源を備える部分セットを求め、求められた部分セットの各光源に対してそれぞれ、最大個別照度に対する目標値を計算する、または最大個別照度に対する目標値を突きとめる。これは当然、少なくとも1つの適している光源が見つけられている場合にのみ行われる。これらの目標値の計算時の最大の目的は、照度設定と、最大全体照度の達成された値または予期される値との間の偏差ができるだけ小さいことである。任意選択的なさらなる目的は、特に、好ましくはこの順序で、達成された全体光フィールド直径が、検出された光フィールド直径設定からできるだけ僅かしか偏差しておらず、かつ達成され、修正された全体色温度が、検出された色温度設定からできるだけ僅かしか偏差していないことである。
【0068】
本発明によれば、制御機器は、照度設定を検出することができ、任意選択的に付加的に光フィールド直径設定および/または色温度設定を検出することができる。好ましくは、制御機器は、以降のように構成されている:制御機器が設定を検出した場合、制御機器は、光源セットの各光源に対してそれぞれ1つの初期の目標値を計算する。この初期の目標値は、光源が生成すべき最大個別照度を定める。初期の目標値の計算時の目的は、達成された全体照度が照度設定と等しく、任意選択的に、達成された全体光フィールド直径が光フィールド直径設定と等しいことである。
【0069】
ある実現形態では、制御機器は、自動的に、テーブル(「ルックアップテーブル」)を評価し、このテーブルは、複数の可能な照度設定および任意選択的に複数の可能な光フィールド直径設定および/または色温度設定に対して、光源セットの各光源に、それぞれ1つの、調整されるべき初期の目標値を予め定める。初期の目標値は、影が形成されていない状況に対して有効であり、少なくとも、制御機器が偏差している設定を検出せず、影を形成する事象も検出しない限り、有効のままである。テーブルを用いた構成が必要する計算容量および/または計算時間、多くのケースにおいて、比較的僅かである。
【0070】
制御機器は、さらに以降のように構成されている:影形成事象が検出されており、かつ影形成補償に適している光源が見つけられている場合、制御機器は、少なくとも1回、増大シーケンスを実行する。この増大シーケンスまたは各増大シーケンスは、以降のステップを含んでいる:
・制御機器は、部分セットを求める。この部分セットは、光源セットの、少なくとも1つの、影形成補償に目下適している光源から成る。目下適している光源がどのような基準を満たしているのかについては、さらに上の方で説明した。
・求められた部分セットのこの光源または各光源に対して、制御機器は、それぞれ1つの目標値を計算する。この目標値は、光源が達成すべき最大個別照度を定める。目標値の計算時の目的については、さらに上の方で説明した。すなわち、達成された全体照度が、検出された照度設定と等しいことである。概して、照度設定は、影を形成する事象によって変化しない。この目標値または少なくとも1つの目標値は、光源の可能な最大個別照度であってよい。
・制御機器は、求められた部分セットのこの光源または各光源を駆動制御する。この駆動制御によって、制御機器は、各光源の各目下の最大個別照度を、それぞれ計算された目標値に増大させる。
【0071】
この構成の1つの発展形態において、制御機器はさらに、以降のように構成されている:
・各増大シーケンスは、部分セットを求め、求められた部分セットの各光源に対して、その最大個別照度に対するそれぞれ1つの目標値を計算するステップを含んでいる。この発展形態では、制御機器は、照明装置の最大全体照度の、そのとき達成された実際値が、検出された照度設定と十分に正確に一致しているか、または一致するかを、計算によって検査する。計算によるこの検査のために、制御機器は、光源セットの、影が形成されていない各光源の最大個別照度の各値ならびに影が形成されていない各光源に関する各情報を使用する。制御機器は、好ましくは、実際に適している光源を駆動制御する前に、計算による予測を実行する。この予測の際に、制御機器は、照明装置がこの調整の際にどのような最大全体照度を達成するかを予測する。
・計算によって予測された最大全体照度が照度設定と十分に正確に一致していない場合、制御機器は、少なくとも1つの最大個別照度を増大させることができるか、またはそれ以上増大させることができるかを検査する。
・少なくとも1つの最大個別照度を増大させることができる、またはそれ以上増大させることができる場合、制御機器は、好ましくは、新たに、部分セットを求め、この新たな実行の際に求められた部分セットの各光源に対してそれぞれ1つの最大個別照度を計算するステップを実行する。さらに求める際に求められたこの部分セットは、前に求められた部分セットと同じであってもよいし、または前に求められた部分セットとは異なっていてもよい。
・代替的に、制御機器は、照度設定と、目下の最大全体照度との間の偏差がそれ以上低減され得ないことを突きとめ、したがってさらなる増大シーケンスを実行しない。
【0072】
このような段階的な手法が必要とする計算時間は、多くのケースにおいて、他の可能な手法よりも短い。
【0073】
本発明によれば、制御機器は以降のように構成されている:制御機器が、影形成補償に適している少なくとも1つの光源を見つけた場合、制御機器は、少なくとも1つの適している光源を備えている、任意選択的に複数の適している光源を備えている部分セットを求める。
【0074】
好ましくは、影形成事象が検出されるこのプロセスは、以降のステップをトリガする:
・制御機器が、完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されている少なくとも1つの光源、好ましくは、影が形成されている各光源を検出する。
・制御機器が、影が形成されているこの光源または影が形成されている少なくとも1つの光源に関して予め定められた補償基準を満たす光源を探索する。
・少なくとも1つのそのような光源が見つけられた場合、制御機器が、見つけられた光源のうちのどれが影形成補償に適しているかを検査する。
・補償基準を満たしており、かつ適している少なくとも1つの光源が見つけられた場合、制御機器が部分セットとして、満たしており、かつ適している光源から成るそのような光源セットを求める。制御機器が、影形成を少なくとも部分的に補償するために、求められたこの部分セットを使用する。
【0075】
好ましくは、光源が、この予め定められた補償基準または各予め定められた補償基準を満たしているかを検査するために、制御機器は光源に関する検出可能な情報を使用する。この検出可能な情報は事前に定められており、目下の動作または影形成に関連しない。したがって、この情報は、例えばデータメモリへの読み出しアクセスによって迅速に検出され得る。したがって、制御機器は好ましくは、はじめに、この補償基準または各補償基準を満たす、さらなる光源を探索し、次に、これらのさらなる光源が、個別に、または組み合わせて、影形成の補償にも適しているかを検査する。
【0076】
少なくとも1つの増大シーケンスが実行される、さらに上の方で説明した構成は、少なくとも1つの補償基準が使用される、説明した構成と組み合わせられる。好ましくは、この組み合わせは、以降のステップを含んでいる:
・第1の増大シーケンスを実行する。この第1の増大シーケンスでは、この補償基準または各補償基準を満たし、かつ影形成補償に適している光源を探索する。第1の増大シーケンスの際に使用される部分セットは、この補償基準または各補償基準を満たし、かつ影形成補償に適している、そのような光源から成る。
・第1の増大シーケンスが、影形成を補償するのに十分であるかを予測するまたは検査する。
・第1の増大シーケンスが、影形成を補償するのに十分でない場合に、第2の増大シーケンスを実行する。この第2の増大シーケンスでは、各補償基準を満たしておらず、任意選択的にどの補償基準も満たしておらず、かつ第1の増大シーケンスにおいて使用されておらず、かつ同様に影形成補償に適している光源を探索する。
【0077】
2つよりも多くの増大シーケンスを実行することも可能であり、この場合には、各増大シーケンスの後に、任意選択的に、最後の増大シーケンスの後を除いて、影形成が今や十分に補償されているかが検査され、この際に、各増大シーケンスにおいて、使用される光源に対して、前の増大シーケンスよりも弱い条件が課される。
【0078】
以降では、この部分セットがどのように求められるかの好ましい構成を説明する。この好ましい構成は、この補償基準またはある補償基準を規定する。特に好ましくは、この好ましい構成では、光源セットの光源は、別の光源に対して相対的な自身の位置および配向を変更する必要はない。
【0079】
この好ましい構成では、照明装置は、少なくとも1つの第1の光源と、第1の光源に対して冗長的な少なくとも1つの別の光源とを含んでいる。次の場合、すなわち、
・照明されている平坦な表面と、2つの光源AおよびBの光軸線との交点が、予め定められたトレランスを超えて相互に離間していない場合、および
・さらに、2つの光源AおよびBが達成する光フィールドが、予め定められたトレランスを超えて相互に偏差していない場合、
光源Bは、光源Aに対して冗長的である。
【0080】
好ましくは、以降の定義が使用される:次の場合に、2つの光フィールドは、予め定められたトレランスを超えて相互に偏差していない。すなわち、照明されている表面の各点において、2つの光源がこの点において達成する2つの照度が、最大でこのトレランスぶんだけ互いに偏差している場合に、2つの光フィールドは、予め定められたトレランスを超えて相互に偏差していない。2つの交点および光フィールドは、影が形成されてない状況に関し、好ましくは、再び、上述の基準間隔に関し、かつ基準間隔において光学的な中心軸線に対して垂直な平面に関する。少なくとも、照明装置の光源を別の光源に対して相対的に動かすことができない場合には、照明装置の構造によって、どの光源が、どの他の光源に対してより冗長的であるのかが予め定められている。この冗長性は、照明装置の使用中に変化しない。
【0081】
光源Bが光源Aに対して冗長的である場合を突きとめるために、第1の基準(交点同士が近い)のみを使用することも可能である。多くのケースにおいて、第1の基準は、第2の基準(光フィールドがほぼ一致している)が満たされている場合に満たされている。
【0082】
好ましい構成では、光源セットの各光源に対して、付加的に、光源セットの、どの別の1つ光源またはどの他の複数の光源が第1の光源に対して冗長的であるのかという情報が格納されている。どの別の1つ光源またはどの他の複数の光源が第1の光源に対して冗長的であるのかというこの情報は、照明装置の構造によって予め定められている。当然、光源に対して冗長的な光源が存在しないことがある。
【0083】
制御機器は、以降のように構成されている:
・影形成事象が検出された場合、制御機器は、少なくとも1つの光源、好ましくは、目下、完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されている、光源セットの光源を求める。概して、影形成事象によって、少なくとも1つの光源に影が形成されている。
・制御機器は、光源セットの、影が形成されているこの光源または影が形成されている、ある光源に対して冗長的な光源を探索し、好ましくはそのような各冗長的な各光源を探索する。このために、制御機器は、冗長的な光源に関する、直ぐ上で説明した情報を使用する。
・制御機器が少なくとも1つのそのような冗長的な光源を見つけた場合、制御機器は、見つけられた冗長的な光源のうちのどれが影形成補償に適しているかを検査する。
【0084】
適している冗長的な光源が見つけられないことがある。少なくとも1つの冗長的な、適している光源が見つけられた場合、制御機器は、部分セットとして、少なくとも1つの冗長的な、適している光源から成る、好ましくはすべての冗長的な、適している光源から成る光源セットを求めて、使用する。
【0085】
制御機器によって、求められた部分セットの冗長的な、適している各光源の各最大個別照度が増大させられる。本発明によるこの目的または本発明による少なくとも1つの目的は、達成された全体照度が照度設定と等しいことである。
【0086】
好ましくは、制御機器は、影が形成されている各光源に対して、それぞれ厳密に1つの冗長的な、適している光源を探索する。n個の光源に影が形成されている場合、制御機器は、n個までの異なる、冗長的な、適している光源を求める。
【0087】
冗長的な光源を用いた構成は、多くのケースにおいて、十分に冗長的な、適している光源が見つけられることを前提にして、影形成の迅速な、しかもしばしば完全な補償を生じさせる。なぜなら、どの光源がどの他の光源に対して冗長的であるかという情報は、構造によって予め定められており、制御機器は、読み出しアクセスによって、これらの情報を求めることができるからである。さらにこのような構成が必要とする計算容量、ひいては計算時間は、しばしば、比較的僅かである。
【0088】
さらなる好ましい構成では、照明装置は、少なくとも1つの第2の光源と、第2の光源に対して部分的に冗長的な少なくとも1つの別の光源とを含んでいる。この第2の光源は、冗長的な光源に関してさらに上の方で説明された第1の光源であっても、別の光源であってもよい。以降の条件のうちの少なくとも1つが満たされている場合、光源Bは、光源Aに対して部分的に冗長的である:
・2つの光源の2つの光軸線の2つの交点が、予め定められたトレランスを超えて相互に離間していない。
・光源Bの光軸線の交点が、光源Aの光軸線の交点を中心としたdx円に位置しており、その逆も同様である。換言すると:少なくとも、2つの光源が、可能な最大個別照度で動作し、かつ影形成が存在していない場合、次のことが当てはまる:光源Bの光軸線と照明されている表面との交点において、光源Aは、光源Aの可能な最大個別照度の少なくともx%である個別照度を達成し、その逆も同様である。
・これら2つの光源AおよびBが達成する光フィールドが、予め定められたトレランスを超えて相互に偏差している。
【0089】
ある実現形態では、2つの光源は、それらが相互に冗長的である場合には常に、相互に部分的にも冗長的である。別の実現形態では、2つの光源は、上で挙げた基準が満たされており、かつこれらの光源が相互に冗長的でない場合にのみ、相互に部分的に冗長的である。冗長的な光源を用いた構成のみ、または部分的に冗長的な光源を用いた構成のみを使用することも可能である。
【0090】
部分的に冗長的な光源を用いた構成では、光源セットの各光源に対して付加的に、どの他の光源がこの光源に対して部分的に冗長的であるのかが格納されている。制御機器は、影が形成されている各光源に対して、影が形成されている光源に部分的に冗長的であり、かつ影形成補償に適している、さらなる光源を探索するように構成されている。さらなるステップは、冗長的な光源に関連して直ぐ上で説明したステップに対応する。
【0091】
部分的に冗長的な影形成に関する情報も、照明装置の構造によって予め定められており、制御機器はこの情報を読み出しアクセスによって求めることができる。冗長的な光源および/または部分的に冗長的な光源を用いた構成は、影形成補償に目下適している光源を探索する際の探索空間を制限する。したがって、多くのケースにおいて、制御機器が実行する必要がある計算が少なくなり、このことは、計算時間を短くし、したがって多くのケースにおいて、探索空間が光源セットの影が形成されていないすべての光源から成る構成と比べて、検出された影形成のより迅速な補償につながる。
【0092】
冗長的な光源を用いた構成と部分的に冗長的な光源を用いた構成とは、様々な様式で相互に組み合わせられる。ある実現形態では、制御機器は、影が形成されている各光源に対して、1つの作業ステップにおいて、影形成補償に適している冗長的な光源も部分的に冗長的な光源も探索し、部分セットとして、すべての適している冗長的な光源および部分的に冗長的な光源のセットを使用する。
【0093】
これに対して、以降で説明する、組み合わせの異なっている実現形態は、段階的な手法を規定する。照明装置の光源セットは、この異なっている実現形態では、以降のように構成されている:少なくとも1つの第1の光源に対して、少なくとも1つの冗長的な光源が存在し、少なくとも1つの第2の光源に対して、少なくとも1つの部分的に冗長的な光源が存在している。制御機器は、第1の増大シーケンスを実行することができ、また必要に応じて第2の増大シーケンスを実行することができる。制御機器は、第1の増大シーケンスの際に、少なくとも1つの冗長的な光源および/または部分的に冗長的な光源を用いて影形成を補償することを試みる。第1の増大シーケンスの際に使用される、この光源または各光源は、付加的に、少なくとも1つの予め定められた追加基準を満たす。第1の増大シーケンスの後、制御機器は、照明装置が今やどのような全体照度を達成しているのかまたは達成するのかを求めまたは計算し、これを検出された照度設定と比較する。
【0094】
目下の全体照度が、検出された照度設定から、予め定められたトレランスを超えて偏差している場合、制御機器は、後続する第2の増大シーケンスを実行する。制御機器は、第2の増大シーケンスの際に、少なくとも1つの冗長的な光源および/または部分的に冗長的な光源を用いて、影形成を付加的に補償することを試みる。第2の増大シーケンスの際に使用される、この光源または各光源は、この予め定められた追加基準または各予め定められた追加基準を満たしていない。多くのケースにおいて、第2の増大シーケンスの実行によって、影形成を比較的良好に補償することが可能になるが、照度設定および/または任意選択的な光フィールド直径設定をそれほど良好に遵守することは可能でない。
【0095】
直ぐ上で説明した実現形態では、第1の増大シーケンスが実行され、この第1の増大シーケンスでは、付加的に、この予め定められた追加基準または各予め定められた追加基準を満たす冗長的な光源および/または部分的に冗長的な光源が探索される。この追加基準または各追加基準は、探索空間をさらに制限する。第1の増大シーケンスが単独で、影形成の十分な補償をもたらさない場合、後続の第2の増大シーケンスが実行され、この第2の増大シーケンスでは、同様に、冗長的な光源および/または部分的に冗長的な光源が探索されるが、予め定められた追加基準は使用されない、または少なくとも、予め定められたすべての追加基準が使用されるわけではない。すなわち、第2の増大シーケンスの際に見つけられた光源が、必ずしもこの追加基準または各追加基準を満たしている必要はない。
【0096】
第1の増大シーケンスに対するこの追加基準またはある追加基準をどのように構成することができるかについて、種々の実現形態が可能である。
【0097】
ある構成では、第1の増大シーケンスに対するこの追加基準またはある追加基準は、さらなる光源が第1の光源に対して冗長的であるということである。すなわち、第1の増大シーケンスでは、光源セットの、影が形成されている少なくとも1つの光源に対して冗長的な光源だけが探索される。部分的に冗長的な光源は、第1の増大シーケンスでは考慮されないが、好ましくは、第2の増大シーケンスにおいて考慮される。換言すると:第1の増大シーケンスでは、冗長的な光源のみが探索され、第2の増大シーケンスでは、部分的に冗長的な光源が探索され、特に、第1の増大シーケンスにおいて既に見つけられてはいない光源、すなわち、概して、部分的に冗長的ではあるが、冗長的ではない光源が探索される。概して、光源の影形成は、特に良好に、スイッチオフされておらず、かつ影が形成されている光源に対して冗長的なさらなる光源によって補償される。しかし、多くのケースにおいて、冗長的であり、かつスイッチオフされていない光源は、影形成を十分に補償するのに十分ではない。
【0098】
さらに上の方で、光源Bが光源Aに対して部分的に冗長的である場合の3つの基準が挙げられている。ある実現形態では、制御機器は、1つのステップにおいて、影形成補償に適しており、かつこれらの3つの基準のうちの少なくとも1つを満たしているすべての光源を探索する。好ましくは、この探索は、スイッチオフされている光源に対して冗長的でなく、したがって第1の増大シーケンスにおいて既に見つけられてはいない、適している光源に制限される。別の構成では、これらの基準の間で、降下する順序が予め定められる。はじめに、制御機器は、部分冗長性に対する、最も高く評価される基準を満たす、適している光源を探索し、その後、2番目に高い基準を満たしている、適している光源を探索し、その後が続けられる。
【0099】
本発明によれば、最大の目的は、影形成の補償によって、照明装置が目下達成している最大全体照度の値が、検出された照度設定に近似し、理想的には等しくなることである。任意選択的なさらなる目的は、付加的に、光フィールド直径設定が遵守されることであり、任意選択的な第3の目的は、付加的に色温度設定が遵守されることである。光フィールド直径設定は、光フィールド直径を規定し、色温度設定は、照明装置が達成すべき相関色温度を規定する。
【0100】
最大の目的および/または任意選択的なさらなる目的が、適している、冗長的な光源および部分的に冗長的な、適している光源だけでは達成されないことがある。ある構成では、偏差が甘受される。別の構成では、制御機器は、この状況において、さらなる適している光源、すなわち影形成補償に適しており、かつ影が形成されている光源に対して冗長的でも、部分的に冗長的でもない光源を探索する。
【0101】
既に説明したように、この予め定められた補償基準または少なくとも1つの予め定められた補償基準は、さらなる光源が、影が形成されている光源に対して冗長的である、かつ/または部分的に冗長的であることである。この補償基準またはある補償基準のさらなる構成が可能であり、このさらなる構成は、光源群に関係している。冗長的な光源および/または部分的に冗長的な光源を用いた補償基準は、光源群を用いた補償基準と組み合わせられる。
【0102】
光源群を用いた構成では、光源セットの光源は、少なくとも2つの光源群に分けられている。光源群の各光源は、1つの光源群に属し、1つの光源群のみに属する。
【0103】
光源群の光源は、以降の特性を有している:光源群のこれらの光源は、照明されている表面で、共に、最大照度を有する光フィールドを生成する。ある選択肢では、この最大照度は、照明装置の光学的な中心軸線と照明されている表面との交点で発生する。別の選択肢では、この最大照度は、この交点の周りの円において発生する。この特性は、少なくとも、次の場合、すなわち、
・照明されている表面が、基準間隔において光学的な中心軸線に対して垂直である場合、
・光源群のすべての光源が同じ最大個別照度で動作する場合、および
・影を形成する事象が生じていない場合、
に当てはまる。
【0104】
この補償基準またはある補償基準は以降の通りである:さらなる光源および影が形成されているこの光源または影が形成されている、ある光源が同一の光源群に属している。この構成によって、多くのケースにおいて、影形成にもかかわらず、照明装置が全体で、照明されている表面において達成する光フィールド直径がほぼ同じに保たれるようになる、または少なくとも、多くのケースにおいて、影形成にもかかわらず、照明装置が全体で、照明されている表面において達成する光フィールド直径がほぼ同じに保たれることが可能になる。
【0105】
他の補償基準またはさらなる補償基準が可能である。可能なさらなる補償基準は、相関色温度である。概して、照明装置の各光源は、それぞれ1つの相関色温度を有する。好ましくは、光源セットのこれらの光源は、少なくとも2つの異なる相関色温度、例えば冷白色および温白色の色温度を有する。照明装置の全体的な相関色温度は、スイッチオンされている光源の相関色温度の重ね合わせによって生じる。可能なさらなる補償基準は、さらなる光源が、影が形成されている光源と同じ相関色温度を有していることである。このさらなる補償基準は、多くのケースにおいて、照明装置の色温度が、影形成にもかかわらず、比較的僅かしか変化しないことを引き起こす。
【0106】
可能なさらなる補償基準は、さらなる光源が、目下、比較的僅かな最大個別照度で動作し、例えば最大で、可能な最大個別照度の2分の1で動作し、またはさらには、最大で、可能な最大個別照度の僅か4分の1で動作していることである。この光源の最大個別照度が増大させられる場合、この増大はしばしば、影形成の補償に特に大きく寄与する。
【0107】
本発明によれば、照明装置は間隔測定アセンブリを含んでいる。制御機器は、照明装置と照明されている表面との間の物体によって影が形成されている、照明されている表面上の領域である、影形成領域を求める。「影形成」とは、影形成領域における表面での全体照度が、この影形成によって、少なくとも1つの予め定められた絶対的制限または相対的制限ぶんだけ低減することを意味している。このために制御機器は、間隔測定アセンブリの信号を受け取って、評価することができる。好ましくは、制御機器は、影を形成する物体の輪郭を、光学的な中心軸線に対して垂直な平面において求め、これとならんで照明装置とこの輪郭との間の間隔および/またはこの輪郭と照明されている表面との間の間隔を求める。ある構成では、制御機器は、光源セットと照明されている表面との間の領域のトポロジープロファイルを測定することができる。トポロジープロファイルを測定するために、制御機器は、間隔測定アセンブリの信号を使用する。照明装置と照明されている表面との間の領域に、影を形成する物体が存在していない場合には、このプロファイルは、照明されている表面のプロファイルと等しく、例えば、照明されている表面である、手術台の上の、照明されている患者のプロファイルを含んでいる。影を形成する物体は、このトポロジープロファイルを変える。制御機器は、求められたこのトポロジープロファイルを、好ましくは上述のサンプリング周波数で評価することができる。制御機器は、トポロジープロファイルの評価に関連して、影形成事象を検出することができる。多くのケースにおいて、影を形成する物体は、トポロジープロファイルを急激に変え、制御機器は、急激な変化を検出する。好ましくは、制御機器は、さらに、トポロジープロファイルを使用して、照明されている表面上の影形成領域を求める。
【0108】
本発明によれば、制御機器は、光源セットの光源に関する情報、特に、各可能な最大個別照度、ならびに照明装置の光学的な中心軸線に対して相対的な光軸線の位置および/または配向を検出し、使用する。ある構成では、これらの情報はデータメモリに格納されており、任意選択的にさらに、各光源の各相関色温度が格納されている。制御機器は、データメモリへの読み出しアクセスを少なくとも一時的に有しており、データメモリへの読み出しアクセスによって、これらの情報を検出する。
【0109】
データメモリを用いた構成は、種々異なる照明装置に対する影形成補償のために、同じプログラムを使用することを可能にする。特定の照明装置の構造は、データメモリ内の対応する情報によって考慮され、このプログラムは、不変に保たれ得る。既に上述したように、好ましくは、制御機器は、プロセッサ上でこのプログラムを実行し、また、制御機器は照明装置を駆動制御し、必要に応じて影形成補償を実行する。
【0110】
本発明によれば、制御機器は、影形成事象を検出し、検出された影形成を少なくとも部分的に補償することができる。これまで説明した構成では、影形成事象は、照明装置と照明されている表面との間の領域に達した少なくとも1つの物体によって引き起こされる。ある構成では、影形成を補償するための直ぐ上で説明した構成が、同じ様式で、少なくとも1つの光源の故障を補償するために使用される。直ぐ上で説明した構成とは異なり、制御機器は、概して、光源の故障を検出するために、間隔測定アセンブリからの信号を使用するのではなく、光源からの信号、例えば光源が、予め定められた制限を上回る電気抵抗を有している事象を評価する。少なくとも1つの光源の故障を補償するためのステップは、影形成を補償するためのステップと同じステップである。特に、制御機器は、照明されている表面上のどの領域が、光源の故障によって目下影響されているのかを求める。少なくとも1つの光源の故障を補償するためのこの構成は、多くのケースにおいて、この故障した光源または各故障した光源が交換されるまで照明装置を引き続き使用することを可能にする。
【0111】
以降では、本発明を実施例に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【
図1】光学的な中心軸線が図平面に対して垂直であり、観察者が照明装置の光源を見ている実施例の本発明による照明装置を示す図である。
【
図2】2つの位置群Pos.1およびPos.4の光源の光軸線および光円錐を示す図である。
【
図3】x-z平面におけるグラフを用いて、
図2の2つの位置群の達成された光フィールドを示す図である。
【
図4】2つの位置群Pos.2およびPos.5の光源の光軸線および光円錐を示す図である。
【
図5a】対比によって、
図4の2つの位置群の光源の光フィールドがどのように相互に相対的に位置決めされているかの第1の実現形態を示す図である。
【
図5b】対比によって、
図4の2つの位置群の光源の光フィールドがどのように相互に相対的に位置決めされているかの第1の実現形態を示す図である。
【
図6a】対比によって、
図4の2つの位置群の光源の光フィールドがどのように相互に相対的に位置決めされているかの第2の実現形態を示す図である。
【
図6b】対比によって、
図4の2つの位置群の光源の光フィールドがどのように相互に相対的に位置決めされているかの第2の実現形態を示す図である。
【
図7a】対比によって、
図4の2つの位置群の光源の光フィールドがどのように相互に相対的に位置決めされているかの第3の実現形態を示す図である。
【
図7b】対比によって、
図4の2つの位置群の光源の光フィールドがどのように相互に相対的に位置決めされているかの第3の実現形態を示す図である。
【
図8】x-z平面におけるグラフを用いて、
図4の2つの位置群の達成された光フィールドを示す図である。
【
図9】2つの位置群Pos.3およびPos.6の光源の光軸線および光円錐を示す図である。
【
図10】x-z平面におけるグラフを用いて、
図9の2つの位置群の達成された光フィールドを示す図である。
【
図11】影を形成する物体の第1の例を示す図である。
【
図12】影を形成する物体の第2の例を示す図である。
【
図13】影を形成する物体の第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0113】
この実施例では、本発明は、手術室用の照明装置において、すなわち手術用ランプにおいて使用される。照明装置は、治療すべき患者が載置されている手術台を照明する。照明装置は、中心軸線に対して回転対称である。照明装置は、ホルダを用いて天井に取り付けられており、空間内で自由に位置決めされ、配向される。
【0114】
照明装置は、照明されている表面上に光フィールドを生成する。この照明されている表面は、手術台である、または手術台上の患者の、照明装置の方を向いている表面でもある。複数の図および以降の説明では、物体の平坦な照明されている表面が簡略化されて示され、相応に説明される。物体はObjで示されており、照明装置に向かって生じている、照明されている平坦な表面はObで示されている。本発明は、照明されている表面が1つの平面であることを前提としない。
【0115】
図1は、この実施例の照明装置100を概略的にかつ例示的に示しており、
図1では、照明装置100の光学的な中心軸線MAは、
図1の図平面に対して垂直である。多数の個々の光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…を見て取ることができ、これらの光源はそれぞれ1つの円(リング)によって示されており、円形の横断面を備える支持体8に固定されている。これらの円は、
図1の図平面に延在している。
図1の観察者は、中心軸線MAに対して平行に、これらの光源a.1,…,a.6,b.1,…b.6,…の方を見ている。支持体8の、観察者の方を向いている表面には、概略的に示されたグリップ5が取り付けられており、このグリップによって、照明装置100が空間において動かされる。この実施例では、グリップ5は円錐台の形状を有しているが、グリップが、例えば円筒または角柱または角柱台の形状を有していてもよい。
【0116】
この実施例では、各光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…は固定的に支持体8に取り付けられている。したがって、ある光源を、照明装置100の別の光源に対して相対的に動かすことはできない。この構成によって、光源のためのアクチュエータが省かれる。しかし、個々の光源または少なくとも1つの光源群を、それぞれ1つのアクチュエータ(図示せず)によって、支持体8に対して相対的に、かつ好ましくは残りの光源に対して相対的にも動かすことができてもよい。アクチュエータは特に、光源によって生成された光フィールドを、支持体8を動かすことなく、照明されている表面Obに対して相対的に動かすことを可能にする。
【0117】
各個々の光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…は、照明装置100の光学的な中心軸線MAと区別するために以降で「光軸線」と称される光学的な中心軸線を有している。これらの光ビームは、共に、光源a.1,…,a.6,b.1,…b.6,…から直径が増大する円錐台を形成し、しばしば円筒を形成し、またはさらには、直径が光源a.1,…,a.6,b.1,…b.6,…から、はじめは低減し、次いで再び増大する円錐台を形成する。以降では簡略化して、「光発散角度」を有する「光円錐」と表現される。用語「光束」も適切であろう。すなわち個々の各光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…は光円錐を生成する。例えば、LAa.4は光源a.4の光軸線を示しており、Lka.4は光源a.4の光円錐を示している。図示された光円錐Lka.4の外周面において、個別照度は、光軸線LAa.4に沿って得られる最大個別照度の10%である。
【0118】
図2、
図4および
図9は、
図1の線I-Iにおけるそれぞれ1つの横断面を示している。中心軸線MAは、
図2、
図4および
図9の図平面に位置している。これらの図は必ずしも縮尺通りではない。
【0119】
この実施例では、照明装置100は、66個の個々の光源を含んでいる。当然、本発明は、各他の合理的な数の光源によっても実現可能である。66個の光源は、一方では複数の構成群に、他方では複数の位置群に分けられている。これについては、以降で、
図1を参照しながら説明する。
【0120】
図示の例では、照明装置100は、6つの構成群Bg.a,…,Bg.eを含んでおり、これらの構成群は、照明装置100の中心軸線MAを中心として同心円状に配置され、ビーム状に中心軸線MAから出発し、支持体8に取り付けられている。構成群Bg.a,…,Bg.eが、中心軸線MAを中心とした同心円状とは異なるように配置されていてもよい。各構成群Bg,a,…,Bg,eは、図示の実現形態ではそれぞれ11個の光源を含んでいる。構成群Bg.aは、11個の光源a.1,…,a.6を含んでおり、構成群Bg.bは11個の光源b.1,…,b.6を含んでいる、等である。
【0121】
構成群Bg.a,…,Bg.eの配置および構成は、単に例示的なものであると理解されるべきである。当然、別の数の構成群および/または別の数の光源も可能である。全体で少なくとも2つの異なる数の光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…を有する複数の構成群を使用することも可能である。
【0122】
好ましくは、各個々の構成群を、それぞれ他の構成群とは関連なしに交換することができ、すなわち、1つの古い構成群を支持体8から取り出し、1つの新しい構成群を挿入することができる。
【0123】
この実施例では、6つの構成群Bg.a,…,Bg.eが、照明装置100の円形の支持体8に固定的に配置されているので、1つの構成群Bg.a,…,Bg.eを別の構成群に対して相対的に動かすことはできない。1つの構成群Bg.a,…,Bg.eのそれぞれ11個の光源は、構成群Bg.a,…,Bg.eに固定的に固定されているので、同じ構成群の別の光源に対して相対的に光源を動かすことはできない。
【0124】
照明装置100の66個の光源は、この実施例ではさらに、6つの異なる位置群Pos.1,…,Pos.6に分けられている。この数も単に例示的なものであると理解されるべきである。各光源は、一方では厳密に1つの(1つのおよび1つだけの)構成群Bg.a,…,Bg.eに属し、他方では厳密に1つの位置群Pos.1,…,Pos.6に属している。
【0125】
位置群Pos.1,…,Pos.6のこれらの光源は、この実施例ではすべて、照明装置100の中心軸線MAから同じ間隔を有している。6つの位置群Pos.1,…,Pos.6は、中心軸線MAを中心として同心円状に配置されている。最も内側の位置群Pos.1は、グリップ5の周りに円環を形成し、残りの位置群Pos.2,…,Pos.6は、この最も内側の位置群Pos.1の周りに同心円状の円環を形成する。各光源は、厳密に1つの位置群に属するので、最も内側の位置群Pos.1は6個の光源を含んでおり、残りの5つの位置群Pos.2,…,Pos.6はそれぞれ12個の光源を含んでいる。
【0126】
この実施例の位置群Pos.1,…,Pos.6は、特許請求の範囲の意図における光源群を形成している。1つの位置群の光源のこれらの光軸線は、好ましくは互いに平行に配置されている。
【0127】
光源の番号付けは、どの構成群に、かつどの位置群に、光源がそれぞれ属しているのかを示している:光源a.x,b.x,…,f.xは、位置群Pos.x(x=1,…,6)に属し、かつ構成群a,b,…,fに属している。
【0128】
図1において見て取れるように、この実施例では、内側の位置群Pos.1の光源を除いて、それぞれ2つの個々の光源が同一の構成群に属し、かつ同一の位置群に属している。これら2つの光源の光軸線は、理想的には、基準間隔において交差するように配置されている。1つの平面上では、基準間隔において、これら2つの光源は理想的には、2つの光フィールドを達成し、これらの光フィールドは、光軸線に対して垂直なオフセットを除いて、かつ任意選択的に光軸線を中心とした回転を除いて、一致している。したがってこれら2つの光源は以降では1つの光源として扱われ、したがって同じ名称を有する。任意選択的に、これら2つの光源は、それぞれ異なる相関色温度で光を放射し、これらの色温度が重ね合わされて、これら2つの光源の全体色温度が生成される。
【0129】
好ましくは、位置群Pos.1,…,Pos.6の光源の光軸線と、照明装置100の光学的な中心軸線MAとの間では常に同じ角度が生じる。この光源または少なくとも幾つかの光源の光軸線が、光学的な中心軸線MAに対して傾いて配置されていてもよい。光軸線と中心軸線MAとの間の角度が常に同じである場合、1つの位置群のこれらの光源が共に生成する光円錐および光フィールドは、理想化されて、光学的な中心軸線MAに対して回転対称である。
【0130】
明瞭にするために、2つの異なる位置群の光円錐が、
図2、
図4および
図9において、異なるハッチングで示されている。さらに、交点Sが示されている。この交点Sにおいて、照明装置100の光学的な中心軸線MAは、照明されている表面Obと交差している。
【0131】
図3、
図8および
図10は、それぞれ、生成された光フィールドを示し、これについては以降でより詳細に説明する。この表現は、x-z平面におけるそれぞれ1つの光フィールドを示している。交点Sは、座標系の原点に位置している。y軸は、図平面に対して垂直である。z軸には、それぞれ達成された照度Evがプロットされている。
【0132】
この実施例では、光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…は、1つの位置群Pos.2,…,Pos.6の光源の光軸線と光円錐とが、照明装置100の中心軸線MAを中心として回転対称に配置されるように、支持体8に取り付けられている。したがって、
図2、
図4および
図9の表現は、光学的な中心軸線MAが図平面に位置している、例えば構成群Bg.cおよびBg.fの断面図のような他の断面図にも相応に当てはまる。
【0133】
好ましくは、各光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…は、光を、それぞれ光軸線LAa.1,…,LAa.6,LAb.1,…,LAb.6,…に沿って放射する。光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…から放射された光の光円錐は、各光軸線LAa.1,…,LAa.6,LAb.1,…,LAb.6,…に対して回転対称であり、好ましくは20度未満、特に好ましくは15度未満、特に5~12.5度である。
【0134】
各光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…はそれぞれ、概して、自身の光軸線LAa.1,…,LAa.6,LAb.1,…,LAb.6,…で発生する目下の最大個別照度を達成する。光軸線上で、個別照度の局所的な極小値が達成されることもある。理想的には、この目下の最大個別照度は、無段階に、ゼロと、光源の可能な最大個別照度との間で変化することができ、特に、各別の光源の各目下の最大個別照度とは関連なしに変化することができる。各光源の各最大個別照度が複数の段階で変化することも可能であり、特に、ここでも、各別の光源の各最大個別照度とは関連なしに変化することができる。例えば、それぞれ8ビット=256個の異なる段階が可能である。しかし少なくとも、各別の光源とは関連なしに、各光源はスイッチオンおよびスイッチオフされ得る。
【0135】
ある構成では、すべての光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…は同じ構造である。これに対して、好ましい構成では、2つの異なるタイプの光源が使用され、この場合には、第1のタイプの光源は温白色光を送出し、第2のタイプの光源は冷白色光を送出する。ある実現形態では、すべての光源は、同一の可能な最大個別照度を達成し、同一の光発散角度を有している。光源が、可能な最大個別照度および/または光発散角度に関して異なっていてもよい。
【0136】
単に概略的に示されている、信号を処理する制御機器10(コントロールユニット)は、照明装置100の各個々の光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…を駆動制御することができ、これによって、特に、照明されている表面Ob上で光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…が生成する目下の最大個別照度が、各別の光源の各目下の最大個別照度とは関連なしに変更されるようになる。
【0137】
好ましくは、光源は、パルス制御されて動作する。光源の最大個別照度を変えるために、制御機器10は、電気パルスのパルス幅またはパルス持続時間もしくはパルス周波数も変えることができる。パルス幅変調の場合には、1つの電気パルスの持続時間と2つの電気パルスの間の休止の持続時間との比が変えられる。制御機器10が、光源を流れる電流の強度または印加される電圧を変えることも可能である。
【0138】
ある実現形態では、制御機器10は、データメモリ11への読み出しアクセスを少なくとも一時的に有している。このデータメモリ11への読み出しアクセスと、任意選択的に後続の計算とによって、制御機器10は、各光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…に対してそれぞれ以降の情報、すなわち、
・可能な最大個別照度、
・目下の最大個別照度が、光源を駆動制御する可変の電気的パラメータ、例えばパルス幅、電流強度および/または電圧にどのように関連しているか、
・支持体8上の各位置、特に、照明装置100の光学的な中心軸線MAからの間隔および照明装置100の光学的な中心軸線MAに対して相対的な回転位置、
・中心軸線MAに対して相対的な光軸線の配向、
・光発散角度、および
・相関色温度
を求めることができる。
【0139】
これらの情報は、照明装置100の構造によって予め定められている、または事前に実験的もしくは理論的に求められる。ある実現形態では、このデータメモリ11内に、コンピュータプログラムの形態のアルゴリズムが格納されており、制御機器10はこれを適用し、これは各同様の照明装置100に対して有効である。光源に関する、直ぐ上で挙げた情報は、固定的に、このアルゴリズムに実装されている。別の実現形態では、このアルゴリズムは、別の様式で制御機器10に格納されている。簡潔に、以降では、制御機器10が、個々の光源に関する情報を、データメモリ11への読み出しアクセスによって読み取ると表現される。
【0140】
照明装置100が、照明されている表面Obで、理想的には所望の全体光フィールドを生成するように照明装置100を調整するために、データメモリ11からの情報が使用される。これらの情報は、動作中、照明装置100が再構築されない限りは変化せず、したがって有効なままである。
【0141】
既に説明したように、制御機器10は、光源の目下の最大個別照度を、各別の光源の各目下の最大個別照度とは関連なしに変えることができ、特に、好ましくは無段階に、または可能な最大個別照度とゼロとの間の100超の異なる段階で、変えることができる。ある実現形態では、これらの各目下の最大個別照度は、制御機器10が少なくとも一時的に読み出しアクセスおよび書き込みアクセスを有するデータメモリ12に格納されている。制御機器10が、光源の目下の最大個別照度を変えた場合、制御機器10は、このデータメモリ12内の対応するエントリも変える。
【0142】
照明装置100は、入力ユニット20、例えばタッチセンシティブスクリーン(タッチスクリーン)および/または複数のボタンを備えるアセンブリを含んでいる。この入力ユニット20は、例えば支持体8に、グリップ5に、または支持体8およびグリップ5から空間的に離間して配置されており、
図1に例示的に示されている。この入力ユニット20を用いて、ユーザは、照明装置100が、照明されている表面Ob上で生成すべき照明の設定を行うことができる。特にユーザは、以降のパラメータ、すなわち、
・照明装置100が基準間隔において達成すべき目下の最大全体照度である照度設定(
図1において:Ev)、
・光フィールド直径d
xであって、光フィールド直径という用語はさらに上の方で定義されており、好ましくはx=10%である、光フィールド直径d
x(
図1において:dx)、および
・照明装置の光スペクトルと相関する相関色温度(
図1において:Temp)
の少なくとも1つ、好ましくはそれぞれに、例えば、それぞれスライドコントローラまたは回転つまみを用いて、それぞれ1つの値を割り当てることができる。
【0143】
代替的に、ユーザは、目下の値を増大または低減させることができる。この際に、必ずしも目下の値を読み出す、または所望の値を入力する必要はない。
【0144】
付加的または代替的に、上位の制御部が、これらのパラメータのうちの少なくとも1つに別の値を割り当てることも可能である。好ましくは、これらのパラメータは、例えば1mの、上で挙げた基準間隔に関連し、ならびに光学的な中心軸線MAに対して垂直な、平坦な、照明されている表面Obに関連する。
【0145】
制御機器10は、ユーザまたは上位の制御部のこれらの設定を検出し、照明装置100が、照明されている表面Obで、設定と等しい実際値を有する光フィールドを生成するという目的を伴って、光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…を駆動制御する。概して、この目的は、近似的にのみ達成される。照明装置100の光フィールド、特に光フィールド直径および最大全体照度ならびに相関色温度は、個々の光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…の光フィールドおよび相関色温度の重ね合わせによって生じる。照明装置100の光フィールドを調整するために、上述したように制御機器10は、個々の光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…を駆動制御し、特に、必要に応じて、各光源の各目下の最大個別照度および任意選択的に相関色温度を変える。照明装置100の相関色温度を変えるために、制御機器10は、好ましくは、温白色光源または冷白光源の各最大個別照度を増大させるまたは低減させる。
【0146】
図2は、例示的に、位置群Pos.1の2つの光源a.1およびd.1の光軸線LA
a.1,LA
d.1および光円錐Lk
a.1,Lk
d.1ならびに位置群Pos.4の2つの光源a.4およびd.4の光軸線LA
a.4,LA
d.4および光円錐Lk
a.4,Lk
d.4を示している。照明装置100の光学的な中心軸線MAおよびこれらの4つの光源の光軸線は、
図2の図平面に位置している。
【0147】
2つの位置群Pos.1およびPos.4は、位置群Pos.1または位置群Pos.4の光源の各光軸線が、交点Sにおいて、照明されている表面Obと交差するように配置されている。このことは、
図2において例示的に、示された4つの光源a.1,d.1,a.4,d.4に対して示されている。
【0148】
図3は、位置群Pos.1もしくはPos.4の光源が共に生成する2つの光フィールドLf
1およびLf
4を示している。
図2に示されている4つの光源a.1,…,d.4の中心軸線MA
a.1,…,MA
d.4は、光学的な中心軸線MAと、物体Objの照明されている表面Obとの交点Sで交差している。したがって、照度Evは、この交点Sで最も大きく、間隔distの増大に伴って、鐘形曲線の形状に従って減少する。図示の例では、2つの光フィールドLf
1とLf
4とは、一方では幾何学的に一致しており、すなわち特に、同じ最大個別照度と、表面Ob上の同じ光フィールド直径d
10とを有しており、他方ではこれらは色温度に関しても一致している。したがって2つの位置群Pos.1およびPos.4は、(意図的に)冗長的である。なぜなら、これらの位置群は表面Obで同じ光フィールドLf
1もしくはLf
4を生成しているからである。
【0149】
図4は、位置群Pos.2およびPos.5の4つの光源a.2,a.2,d.5,d.5の4つの光軸線LA
a.2,LA
a.5,LA
d.2,LA
d.5および4つの光円錐Lk
a.2,Lk
a.5,Lk
d.2,Lk
d.5を示している。光源a.2およびa.5の光軸線LA
a.2およびLA
a.5は、同じ交点S.1において、物体Objの照明されている表面Obと交差し、この交点S.1は、中心軸線MAに対して、したがって交点Sに対して、間隔rを有している。光源d.2およびd.5の光軸線LA
d.2およびLA
d.5も、同じ交点S.2において、物体Objの照明されている表面Obと交差し、この交点S.2は、中心軸線MAに対して同じ間隔rを有し、かつ光軸線MA
a.2およびMA
a.5の交点S.1に対して間隔2*rを有している。
【0150】
したがって、光軸線が位置する平面の各光フィールドLf
2およびLf
5は、中心軸線MAに対してそれぞれ間隔rを有している、それぞれ2つの極大値を有している(
図8を参照)。これらの極大値は、半径rを備える円を形成する。概して、位置群Pos.2およびPos.5の光源の光軸線の交点S.1,S.2は、光学的な中心軸線MAと表面Obとの交点Sを中心とした円を形成する。2つの位置群Pos.2およびPos.5は、部分的に冗長的である。なぜなら、これらが同じ円の周りに2つの光フィールドLf
2、Lf
5を有しているからである。この円は中心点Sを有しているが、特にこれらの光源が自身の最大個別照度および/または光フィールド直径および/または相関色温度に関して互いに異なる場合、一方の光フィールドLf
2は、他方の光フィールドLf
5と正確には一致しない。例えば、一方の光源の光フィールドは、他方の光源の光フィールドに対して相対的に、光学的な中心軸線MAを中心として回転させられている。
【0151】
図5、
図6および
図7は、例示的に、位置群Pos.5の6つの光源の6つの光フィールドが、位置群Pos.2の光源の6つの光フィールドに対して相対的に、どのように位置決めされ得るか(
図4を参照)の3つの代替的な実現形態を示している。照明装置100の中心軸線MAは、
図5、
図6および
図7の図平面に対して垂直である。位置群Pos.2の6つの光源が生成する光フィールドの光フィールド直径d
10(左)と、位置群Pos.5の6つの光源が生成する光フィールドの光フィールド直径d
10(右)とがそれぞれ示されている。
【0152】
図5の例では、6つの光フィールドは対で互いに一致しており、すなわち位置群Pos.2の光源の各光フィールドは、形状、位置、特に光フィールド直径に関して、位置群Pos.5の光源の各光フィールドと一致している。
図6の例では、位置群Pos.5の光源の光フィールドは、位置群Pos.2の光源の6つの光フィールドに対して相対的に、約20度時計回りに回転させられており、表面Ob上で同じ位置にはない。より厳密に言えば:位置群Pos.5の光源の各光フィールドは、位置群Pos.6の光源の光フィールドと同じ形状、特に同じ光フィールド直径を有しているが、同じ位置は有しておらず、中心軸線MAを中心として回転させられている光フィールドを有している。
図7の例では、位置群Pos.5の光源の6つの光フィールドは、それぞれ、位置群Pos.2の光源の6つの光フィールドよりも大きい光フィールド直径を有している。さらに、位置群Pos.5の光源の光フィールドは、位置群Pos.2の光源の光フィールドに対して相対的に、約20度回転させられている。当然、他の状況も可能である。共通していることは:位置群Pos.2の光源の光フィールドの極大値と、位置群Pos.5の光源の光フィールドの極大値とが、光学的な中心軸線MAを中心とした同じ円上に位置していることである。
【0153】
図9は、4つの光源a.3,a.6,d.3,d.6の4つの光軸線LA
a.3,LA
a.6,LA
d.3,LA
d.6および4つの光円錐Lk
a.3,Lk
a.6,Lk
d.3,Lk
d.6を示している。
図10は、位置群Pos.3およびPos.6の光源が共に生成した2つの光フィールドLf
3およびLf
6を示している。中心軸線LA
a.3およびLA
d.3は、中心軸線MAからそれぞれr
1の間隔およびそれぞれ2*r
1の間隔を相互に有する2つの交点S.5およびS.6において、照明されている表面Obと交差する。中心軸線MA
a.6およびMA
d.6は、同様に、中心軸線MAからそれぞれr
2の間隔およびそれぞれ2*r
2の間隔を相互に有する2つの交点S.3およびS.4において、照明されている表面Obと交差する。(
図9を参照)。r
2>r
1が成り立つ。全体で、
図9には、4つの異なる、互いに離間した交点S.3,…,S.6が示されている。
【0154】
光フィールドLf
3は、光フィールドLf
6によって同心円状に取り囲まれる。光フィールドLf
3の極大値は、中心軸線MAに対してr
1の間隔を有し、光フィールドLf
6の極大値は、r2の間隔を有する。2つの位置群Pos.3とPos.6とは、それぞれ異なる光フィールドLf
3もしくはLf
6を生成するので、冗長的ではない。これら2つの光フィールドLf
3およびLf
6は、
図10に示されている。図示の例では、位置群Pos.3とPos.6とは部分的に冗長的でもない。なぜなら極大値が、異なる円環上に位置するからである。
【0155】
この実施例では、照明装置100は、少なくとも1つの、好ましくは複数の間隔測定器を含んでいる。この間隔測定器または各間隔測定器は、自身と光散乱表面との間の間隔を非接触で測定することができる。好ましくは、この間隔測定器または各間隔測定器はそれぞれ電磁ビームを、好ましくは赤外線範囲、任意選択的には紫外線範囲の、照明されている表面Obに放出する。散乱ビームの一部は間隔測定器に到達し、間隔測定器は伝搬時間を測定し、そこから距離を導出する。例示的に、
図1には、中央の間隔測定器dmと、各位置群Pos.2,…,Pos.6に対する、それぞれ1つの間隔測定器dm.2,…,dm.6とが示されている。非接触距離測定のための別の原理も可能である。
【0156】
中央の間隔測定器dmならびにこのさらなる間隔測定器dm.2,…,dm.6または各さらなる間隔測定器dm.2,…,dm.6は、この実施例では、支持体8に固定的に取り付けられており、したがって、支持体8に対して相対的な間隔測定器dm,dm.2,…,dm.6,…の位置および配向は不変である。上述のデータメモリ11には、支持体8での各間隔測定器の各位置および配向が格納されている。既に述べたように、制御機器10は、このデータメモリ11への読み出しアクセスを有する。
【0157】
好ましい構成では、照明装置100のこの間隔測定器または少なくとも1つの間隔測定器は、照明されている表面Obのトポロジープロファイルを生成することができる。このような間隔測定器の実装は、「飛行時間型センサ(Time-of-Flight-Sensor)」という名称で知られている。レーザースキャナおよび3Dカメラシステムも、多くの実装において、それぞれトポロジープロファイルを生成するのに適している。複数の間隔測定器が信号を共に生成する場合もあり、制御機器10はこれらの信号からトポロジープロファイルを求める。
【0158】
物体が、照明装置100と照明されている表面Ob、すなわちここでは手術台上の患者との間の領域に達することがある。この物体は、特に、治療を行う医者の身体部分または医療器具であってよい。この物体によって影が形成される。概して、影を形成する物体が、少なくとも1つの光源の各光円錐に達し、したがって、全体照度が、達成される全体光フィールドの幾つかの領域において低減する。
図11、
図12および
図13は、
図1の観察方向から、影を形成する物体AOの各位置決めに対する3つの例を示している。影を形成する物体AOは、単に概略的に示されている。実際には、影を形成する物体は、ここに示されている物体よりも大きいことが多い。
【0159】
照明装置100が、多くの(ここでは66個の)異なる光源を有しており、これらの光源の光軸線がすべて相互に平行に配置されているわけではないので、そのような影形成によって、概して、照明されている表面Obに鮮明なドロップ・シャドウが形成されたり、さらには、表面Obの、それまで照明されていた領域が全く照明されなくなったりすることはない。それにもかかわらず、影形成は望ましくない。制御機器10によって、自動的に、影形成が少なくとも部分的に補償される。どのようにこの目的が達成されるのかを、以降で説明する。
【0160】
制御機器10は、間隔測定器dm,dm.1,…,dm.6から信号を受け取り、これらの信号を評価する。以降では、簡潔に「間隔測定アセンブリの信号」と表現される。制御機器10は、照明装置100のどの光源に影が形成されているかを自動的に突きとめる。このために、影を形成する物体AOは、入射する電磁ビーム、ひいては可視領域の光を散乱させ、通さないという仮定が使用される。したがって、影を形成する物体AOによって、少なくとも1つの間隔測定器dm,dm.1,…,dm.6と光散乱表面との間の測定される間隔が短くなり、概して、急激に短くなる。
【0161】
ある構成では、制御機器10は、間隔測定器と、光散乱物体との間の間隔に対して、予め定められた値範囲内に位置する値のみを考慮し、この値範囲は、0mと基準間隔との間のインターバルの一部である。例えば基準間隔は1mであり、この値範囲は、0.2m~0.8mの範囲である。影を形成する物体は、概して、この値範囲内に位置する、照明装置100までの間隔を有しており、また、概して、手術台Obも手術台上の患者Obも、より長い間隔を有している。
【0162】
好ましくは、制御機器10は、目下、どの光源に影が形成されているかを、繰り返し、例えば予め定められた一定のサンプリング周波数で求める。当然、目下、光源に影が形成されていないことがある。
【0163】
好ましくは、制御機器10は、少なくとも近似的に、影を形成する物体AOの輪郭と、この輪郭の位置とを、光学的な中心軸線MAに対して垂直な平面において求める。この平面は、好ましくは、照明装置100に対して基準間隔を有する。求められた輪郭は、近似的に、照明されている表面のどの領域に、物体AOによって影が形成されているかを突きとめ、すなわち影形成領域を突きとめる。この輪郭を近似的に矩形または円またはその他の適している幾何学形状的な図形によって表すことができ、この場合、この幾何学形状的な図形は、基準間隔において光学的な中心軸線MAに対して垂直な平面に位置している。この輪郭を求めるために、制御機器10は、間隔測定アセンブリからの信号を使用する。既に説明したように、各間隔測定器は、少なくとも、自身と照明されている表面Obまたは光散乱物体AOとの間の間隔を測定する。任意選択的に、制御機器10は、照明されている表面のトポロジープロファイルを求める。影を形成する物体AOは、照明されている表面Obから突出しており、すなわち照明されている表面Obよりも、照明装置100に対して短い間隔を有している。
【0164】
既に上述したように、この実施例では、制御機器10は、少なくとも一時的に、データメモリ11への読み出しアクセスを有し、このデータメモリ11には、
・各光源に対する、各可能な最大個別照度、中心軸線MAに対して相対的な光軸線の位置および配向、光発散角度および相関色温度、ならびに
・各間隔測定器dm,dm.2,…,dm.6に対する、中心軸線MAに対して相対的なこの間隔測定器の、観察方向(測定方向)の位置および配向
が格納されている。データメモリ11内に格納されている、測定された間隔および直ぐ上で説明した情報から、制御機器10は、どの光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…に、目下、影が形成されているかという情報を導出する。ある構成では、物体AOが光源の光軸線に達した場合に、光源に影が形成されていると評価され、別の構成では、物体AOが光源の光円錐(光フィールド直径d
10)内に入り込んだ場合に、光源に影が形成されていると評価される(
図2、
図4および
図9を参照)。
【0165】
既に説明したように、ユーザまたは上位の制御部も、照明装置100に対する設定を与えることができ、特に以降のパラメータ、すなわち、
・最大全体照度、
・光フィールド直径dx、好ましくはd10、および
・相関色温度
に対する設定を与えることができる。
【0166】
制御機器10は、直ぐ上で挙げたパラメータが補償後、それぞれ、影形成前と同じ値を有するという目的を伴って、影形成を自動的に補償する。多くのケースにおいて、この目的は、達成可能ではない、または少なくとも、理想的には達成可能ではない。したがって、制御機器10は、これらの目的の間で以降の段階付けを適用する:
・最大の目的は、照明装置100の最大全体照度が同じに保たれることである。さらに、この最大全体照度が達成される点が同じに保たれる。概して、これは交点Sである。
・中程度の重要度の目的は、付加的に、照明装置100の光フィールド直径dxが不変に保たれることである。少なくとも、目的は、光フィールド直径dxが、x=10%、任意選択的に付加的に、x=50%またはxに対する別の値に対して、一定に保たれることである。
・比較的低い優先順位を有する目的は、照明装置100の光フィールドが不変に保たれることである。
・より低い優先順位を有する目的は、付加的に、照明装置100の相関色温度が同じに保たれること、または少なくとも1つの変化が人間にとって知覚可能でないことである。
【0167】
注:多くのケースにおいて、各光源は、2つの可能な相関色温度のうちの1つ、例えば温白色および冷白色を有している。冷白色の光源および温白色の光源は、支持体8上に均一に分布している。したがって、多くのケースにおいて、影形成によって、照明装置100の相関色温度が、人間によって知覚可能なように変えられることはない。したがって、しばしば、最初の2つの目的が達成されただけで、最後の目標が達成され、この際に、特殊な駆動制御は必要とされない。
【0168】
境界条件は、影形成の補償が僅かな計算時間しか必要としないということである。より厳密に言えば:影形成の補償は、予め定められた最大持続時間を伴う期間内で実行されるべきである。好ましくは、さらに、比較的単純なチップまたはプロセッサを使用することができるようにするために、補償が比較的僅かな計算能力しか必要としないことが望ましい。制御機器10は、例えば直ぐ上で述べたサンプリング周波数で、影形成の補償を繰り返して実行する。
【0169】
好ましくは、制御機器10によって、影が形成されている光源がスイッチオフされ、この光源に影が形成されている限りスイッチオフされ続ける。この構成は、一方では、照明されている物体、特に、影を形成する物体へのエネルギおよび入熱を減らし、他方では、低減された最大個別照度を伴う、影が形成されている光源がスイッチオンされ続ける構成と比べて、計算時間を短くする。
【0170】
この実施例では、照明装置100の最大全体照度、光フィールド直径dxおよび相関色温度は、測定されるのではなく、制御機器10によって計算される。既に述べたように、照明装置100の最大全体照度、光フィールド直径dxおよび相関色温度は、光源、厳密に言えば、目下、スイッチオンされている光源の光フィールドの重ね合わせによって生じる。
【0171】
制御機器10は、上述のデータメモリ11への読み出しアクセスによって、光軸線の各位置および配向、可能な最大個別照度;各光源の光フィールド直径dxおよび相関色温度を求め、これらのパラメータは、ある実現形態では不変に保たれ、これとならんで制御機器10は、データメモリ12への読み出しアクセスによって、各光源の目下の最大個別照度を求める。制御機器10は、少なくとも、各光源の各目下の最大個別照度を変えることができ、例えば可能な最大個別照度まで増大させることができる。別の実現形態では、制御機器10は付加的に、光源用のアクチュエータを駆動制御することができ、これによって、この光源の光軸線の配向を中心軸線MAに対して相対的に変えることができる。
【0172】
制御機器10が、コンピュータによって評価可能な形態で存在するテーブルへの読み出しアクセスを有することが考えられる。このテーブルは、照明装置100の光源の生じ得る各影形成に対するそれぞれ1つのエントリと、この影形成を補償し、かつ上で挙げた目的を遵守する、結果として生じる操作介入とを含んでいる。しかし、光源がN個の場合、このテーブルは、理論的には2N個の異なるエントリを有していなければならず、それによって、生じ得る各影形成に対して、適切なエントリが存在することになる。66個の光源の場合、これは7*1019個のエントリとなるだろう。このような大きなテーブルは、多くのケースにおいて、十分に迅速には評価されない。したがって制御機器10は、簡潔な発見的手法を適用する。
【0173】
以降では、「冗長的」という用語および「部分的に冗長的」という用語が、特に、個々の光源に対しても、位置群に対しても使用される。
【0174】
2つの光源は、これらの光源が、照明されている表面Obにおいて、トレランスを除いて、同一の光フィールドを生成する場合に、相互に冗長的である。この表面Obは、照明装置100の中心軸線MAに対して垂直であり、照明装置100から基準間隔で存在している。2つの位置群は、それらの光源が共に同一の光フィールドを生成し、一方の位置群の各光源に対してそれぞれ1つの、他方の位置群の冗長的な光源が存在する場合に、相互に冗長的である。
図5の例では、2つの位置群Pos.2とPos.5とは互いに冗長的である。
【0175】
2つの光源は、それらの光フィールドが重なり合ってはいるが、これらの光フィールドが同一でなく、かつ/またはこれらの光源が異なる相関色温度を有している場合に、相互に部分的に冗長的である。特に、これらの光フィールドは、幾何学的形状および/または最大個別照度および/または光フィールド直径に関して異なっていてよい。これに相応して、2つの位置群は、これらの位置群が、照明されている表面で同一の光フィールドを生成し、一方の位置群の各光源に対して、他方の位置群の少なくとも1つの部分的に冗長的な光源が存在しているが、冗長的な光源は存在していない場合に、相互に部分的に冗長的である。
【0176】
制御機器10は、はじめに、影が形成されている各光源を、それぞれ1つの、影が形成されていない光源によって置き換えることを試みる。この場合、代替光源は、影が形成されている光源に対して冗長的である。n個の光源に影が形成されている場合、この手法では、補償のために少なくともn個の、影が形成されておらず、冗長的な光源が必要とされる。光源yは、光源xに対して、2つの光源の光軸線LAxおよびLAyが、照明されている表面Obと、同じ点において交差しており、同じ光フィールドLfxおよびLfyを有しており、したがって同じ光フィールド直径および同じ相関色温度を有している場合に、冗長的である。注:この実施例では、影形成が再び終了するまで、部分的に影が形成されている光源がスイッチオフされる。
【0177】
制御機器10は、どの光源がどの位置群に所属しているかという情報を使用する。位置群Pos.4の各光源x.4に対して、位置群Pos.1のそれぞれ1つの冗長的な光源a.1,…,f.1が存在している(
図2および
図3を参照)。すなわち、位置群Pos.4の光源に影が形成されている場合、制御機器10は、位置群Pos.1の、影が形成されていない光源を求め、その逆も同様である。位置群Pos.1においてのみ、位置群Pos.4の影が形成されている光源に対して冗長的な光源が見られ、残りの位置群においては、位置群Pos.4の影が形成されている光源に対して冗長的な光源は見られない。2つの位置群Pos.2およびPos.5の光源が
図5に示したように構成されている場合には、位置群Pos.2の各光源に対して、位置群Pos.5の冗長的な光源が存在し、その逆も同様である。
【0178】
制御機器10は、m個の駆動制御される光源y.1,…,y.mが共に、以前よりも大きい最大個別照度を達成するように、m個の冗長的な光源y.1,…,y.mを駆動制御することができる。しかし、このステップは、m個の光源y.1,…,y.mの増大した目下の最大個別照度の合計が、影形成前のm+1個の光源xおよびy.1,…,y.mの目下の最大個別照度の合計と同じ大きさである場合にのみ、光源xの影形成を補償する。このことは、特に、複数の光源に同時に影が形成されている場合、および/またはm個の、影が形成されていない冗長的な光源y.1,…,y.mのうちの幾つかが既に影形成前に各可能な最大個別照度を達成し、したがってそれらの最大個別照度をそれ以上増大させることができない場合には、しばしば不可能である。光源が達成することができる可能な最大個別照度は、特に、この光源を通って流れることができる最大電流強度によって制限される。
【0179】
影が形成されている光源が、少なくとも1つの冗長的であり、かつ影が形成されていない光源によって補償可能でない、または完全には補償可能でない場合には、制御機器10は、影形成を補償し、その際に上で挙げた3つの目的を、そこで挙げた優先順位で遵守するために、以降の段階的な手法によって、少なくとも1つの別の光源を探索する。1つのステップが、影形成の完全な補償または少なくとも十分な補償をもたらす場合には、次のステップは実行されない。
【0180】
第1のステップとして、制御機器10は、影が形成されている光源に対して部分的に冗長的な光源を探索する。2つの異なる位置群は、共に同一の光フィールドを生成してはいるが、一方の位置群の各光源が他方の位置群のそれぞれ1つの光源に対して冗長的ではない場合に、部分的に冗長的である。冗長的な光源および部分的にのみ冗長的な光源についての例は、
図6および
図7に示されている。2つの位置群Pos.2およびPos.5は、同じ光フィールドを生成している(
図8を参照)。しかし、位置群Pos.2の光源に対して、位置群Pos.5の冗長的な光源は存在しておらず、その逆も同様である。
【0181】
図6および
図7の状況において、位置群Pos.2の光源に影が形成されている場合、制御機器10は、影が形成されている光源に対して部分的に冗長的でありかつ、それ自体に影が形成されていない、位置群Pos.2またはPos.5の光源を探索する。例えば、光源a.2に影が形成されている場合、制御機器10は、位置群Pos.2の2つの光源b.2およびf.2ならびに位置群Pos.5の2つの光源a.5およびb.5を求める。制御機器10は、それ自体に影が形成されておらず、かつまだ最大個別照度で動作していない少なくとも1つの光源を探索する。制御機器10がそのような光源を検出した場合、制御機器10によって、この光源の最大個別照度が、可能な最大個別照度に増大させられる。制御機器10が複数のそのような光源を見つけた場合、好ましくは、これらの光源すべての最大個別照度が増大させられる。
【0182】
第2のステップは、先行するステップが、影形成の十分な補償をもたらさなかった場合に実行される。制御機器10は、第2のステップにおいて、累積的に以降の特性を満たす光源yを探索する:
・光源yが、影が形成されている光源xと同一の位置群に属している。
・光源yに影が形成されていない。
・光源yが、目下、可能な最大個別照度で動作していない。
【0183】
この前提条件が満たされている場合、制御機器10によって、光源yの最大個別照度が、好ましくは可能な最大個別照度まで増大させられる。
【0184】
これも影形成の十分な補償をもたらさない場合には、制御機器10は、第3のステップを実行し、第3のステップにおいて、累積的に以降の特性を満たす光源yを探索する:
・光源yが、影が形成されている光源xの位置群に対して部分的に冗長的な位置群に属している。
・光源yに影が形成されていない。
・光源yが、目下、可能な最大個別照度で動作していない。
【0185】
ここでも制御機器10によって、この光源yの最大個別照度が増大させられる。
【0186】
第3のステップによっても、影形成の十分な補償がもたらされない場合には、制御機器10は、目下、影が形成されておらず、さらなる位置群、例えば影が形成されている光源の位置群に隣接している位置群に属している光源を選択する。制御機器10によって、選択された少なくとも1つの光源の最大個別照度が増大させられる。
【符号の説明】
【0187】
5 照明装置100を空間において動かし、配向することを可能にする、支持体8に設けられたグリップ
8 光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…と、グリップ5と、間隔測定器dm,dm.1,…,dm.6とを支持している、照明装置100の支持体
10 間隔測定器dm,dm.2,…,dm.6から信号を受け取って、これらの信号を間隔測定アセンブリの信号として使用し、照明装置100の光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…を駆動制御し、少なくとも一時的にデータメモリ11および12への読み出しアクセスを有し、データメモリ12への書き込みアクセスを有する、信号を処理する制御機器(コントロールユニット)
11 光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…に関する不変の情報が格納されているデータメモリ
12 光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…に関する可変の情報が格納されているデータメモリ
20 ユーザが、最大全体照度、光フィールド直径および相関色温度を変えることができる入力ユニット
100 光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…と、支持体8と、グリップ5と、入力ユニット20と、制御機器10と、間隔測定器dm,dm.2,…,dm.6とを含んでおり、光学的な中心軸線MAに対して回転対称である照明装置
a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,… 照明装置100の個々の光源
AO 影を形成する物体
Bg.a,…Bg.e それぞれ11個の光源a.1,…,a.6,b.1,…,b.6,…を含んでいる、照明装置100の構成群
dm 照明装置100と照明されている物体との間の間隔を中心軸線MAに沿って測定する中央の間隔測定器
dm.x 位置群Pos.x(x=2,…,6)の間隔測定器
LAa.4 光源a.4の光学的な光軸線
LAd.2 光源d.2の光学的な光軸線
Lf.1 位置群Pos.1の光源が共に生成する光フィールド
Lf.2 位置群Pos.2の光源が共に生成する光フィールド
Lfa.4 照明されている表面Ob上の光源a.4の円形の光フィールド
Lfd.2 照明されている表面Ob上の光源d.2の円形の光フィールド
Lka.4 光源a.4の光円錐
Lkd.2 光源d.2の光円錐
MA 照明装置100の光学的な中心軸線
Ob 照明装置100の方を向いており、したがって物体Objの照明されている表面
Obj 照明されている物体、ここでは:照明装置100の方を向いている表面Obが、照明装置100によって照明されている、手術台上の患者
Pos.1 光源a.1,b.1,…,f.1を含んでいる、照明装置100の位置群
Pos.2,…,Pos.6 光源a.2,…,f.2もしくはa.3,…,f.3もしくは…ならびにそれぞれ少なくとも1つの間隔測定器dm.2もしくはdm.3もしくは…を含んでいる、照明装置100のさらなる位置群
r 中心軸線MAと、位置群Pos.2およびPos.5の光源の光軸線との間の、照明されている表面での一致する間隔
r1 中心軸線MAと、位置群Pos.3の光源の光軸線LAa.3およびLAd.3との間の、照明されている表面Obでの間隔
r2 中心軸線MAと、位置群Pos.6の光源の光軸線LAa.6およびLAd.6との間の、照明されている表面Obでの間隔
S 光学的な中心軸線MAと照明されている表面Obとの交点
S.1 光学的な光軸線LAa.5およびLAa.2と照明されている表面Obとの共通の交点
S.2 光学的な光軸線LAd.5およびLAd.2と照明されている表面Obとの共通の交点
【手続補正書】
【提出日】2024-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面(Ob)を照明する照明装置(100)であって、
前記照明装置(100)は、
・複数の光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)を備える光源セットと、
・複数の互いに離間している間隔測定器(dm,dm.2,dm.3,…)を備える間隔測定アセンブリと、
・信号を処理する制御機器(10)と、
を含んでおり、
前記照明装置(100)は、
・光学的な中心軸線(MA)を有しており、
・照明されている前記表面(Ob)上で、最大領域において最大全体照度を達成するように構成されており、
前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、それぞれ、
・光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)を有しており、
・前記照明されている表面(Ob)上で、それぞれ1つの光フィールドを生成するように構成されており、
各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、それぞれ、生成された前記光フィールドの可能な最大個別照度を有しており、
前記光源セットの光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記最大個別照度は、各別の光源の各前記最大個別照度とは関連なしに、ゼロと、前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記可能な最大個別照度と、の間の値に調整可能であり、
前記制御機器(10)は、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対して、それぞれ予め定められた情報を検出するように構成されており、
検出されたまたは検出可能な前記情報は、次の情報、すなわち、
・前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)がどのような可能な最大個別照度を生成することができるかと、
・前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)がどのように前記照明装置(100)の前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的に位置決めされているかかつ/または配向されているかと、
を含んでおり、
前記間隔測定アセンブリの各間隔測定器(dm,dm.2,…,dm.6)は、それぞれ、
・前記照明されている表面(Ob)の方を向いている測定方向を有しており、
・自身と光散乱物体(Ob,AO)との間の各間隔に対する尺度を測定するように構成されており、
前記制御機器(10)は、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の各目下の個別照度を、ある値に調整するように構成されており、
前記制御機器(10)は、さらに、照度設定を検出するように構成されており、前記照度設定は、前記照明装置(100)が生成すべき前記最大全体照度に対する目標値を予め定め、
前記制御機器(10)は、前記間隔測定アセンブリの信号に関連して、
・前記照明装置(100)と前記照明されている表面(Ob)との間に少なくとも1つの物体(AO)が存在している事象である影形成事象が発生しているかを検査するように構成されており、
・影形成事象の検出後に、少なくとも近似的に、前記物体(AO)によって完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されている、前記照明されている表面(Ob)上の領域である影形成領域を求めるように構成されており、
前記求められた影形成領域に関連して、影形成補償に適している、前記光源セットの少なくとも1つの光源を探索するように構成されており、
影形成補償に適している光源は、
・目下、前記光源の前記可能な最大個別照度よりも低い、前記最大個別照度に対する値で動作している光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)、
・全く影が形成されていない、または少なくとも、完全には影が形成されていない光源(a.1,a.2,…,b.1,b2,…)、および
・光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)が、求められた影形成領域において、前記照明されている表面(Ob)と交差している光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)
であり、
前記制御機器(10)は、さらに、影形成補償に適している少なくとも1つの光源が見つけられた場合に、
検出された照度設定および検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に関する情報に関連して、
・少なくとも1つの適している光源を備える部分セットを求めるように構成されており、
・選択された前記部分セットの各光源に対して、前記光源の前記最大個別照度に対する、前記光源の前記最大個別照度の目下の値よりも大きいそれぞれ1つの目標値を計算するように構成されており、
・前記光源に、前記最大個別照度に対する計算された前記目標値を、実際に、目下、達成させるように構成されており、
前記部分セットの前記光源の前記最大個別照度に対する前記目標値の計算時の2つの目的は、
・前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的な前記最大領域の位置が不変に保たれることと、
・前記照明装置(100)が目下、前記最大領域において達成している前記最大全体照度の実際値が、前記検出された照度設定と等しいことと、
である、
照明装置(100)。
【請求項2】
前記検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対する、前記光源に関する情報は、前記光源によって生成された前記光フィールドの光フィールド直径を含んでおり、
前記制御機器(10)は、さらに、付加的に、前記照明装置(100)によって生成された前記光フィールドが有するべき、前記全体光フィールド直径に対する目標値を予め定める光フィールド直径設定を検出するように構成されており、
前記制御機器(10)は、さらに、前記部分セットの前記光源の目下の前記最大個別照度に対する前記目標値を、前記照明装置(100)が達成する前記光フィールドの前記全体光フィールド直径の実際値が、検出された前記光フィールド直径設定と等しいというさらなる目的を伴って計算するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項1記載の照明装置(100)。
【請求項3】
前記制御機器(10)は、
・照度設定および任意選択的に光フィールド直径設定の検出後に、
前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対して、前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記目下の最大個別照度に対して、それぞれ1つの初期の目標値を計算するように構成されており、
・前記光源セットの光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)が達成する前記最大個別照度の各実際値を、前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対する計算された前記初期の目標値と等しくするように構成されており、
前記初期の目標値は、少なくとも、影形成事象が検出されず、さらなる照度設定が検出されない限り、使用され、
前記制御機器(10)は、さらに、影形成事象を検出した後かつ適している光源を見つけた後に、少なくとも1回、増大シーケンスを実行するように構成されており、
前記増大シーケンスまたは各増大シーケンスは、前記制御機器(10)が、
・前記光源セットの、影形成補償に適している少なくとも1つの光源を備える部分セットを求めるステップと、
・求められた前記部分セットの前記光源または各光源の前記最大個別照度に対する、前記目下の最大個別照度よりも大きい、それぞれ1つの目標値を計算するステップと、
・前記求められた部分セットの前記光源または各光源の各前記目下の最大個別照度を計算された前記目標値に増大させるステップと、
を含んでいる、
ことを特徴とする、
請求項1記載の照明装置(100)。
【請求項4】
前記制御機器(10)は、さらに、
少なくとも1つの増大シーケンスの実行時に、好ましくは、各増大シーケンスの実行時に、
前記部分セットを求めるステップ、各前記目標値を計算するステップ、および各前記個別照度を増大させるステップの後に、
・前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的な前記最大領域の位置の変化が、前記影形成事象にもかかわらず、十分に小さく、今や、前記照明装置(100)の前記最大全体照度の実際の目下の値が十分に正確に、前記検出された照度設定と一致しているかを計算によって検査するように構成されており、
・そうでない場合には、
新たに、部分セットを求め、求められた前記部分セットの各光源の前記最大個別照度に対するそれぞれ1つの目標値を計算するか、または
前記照度設定と前記照明装置(100)の前記最大全体照度の目下の値との間の偏差、任意選択的に前記光フィールド直径設定と前記光フィールド直径の目下の値との間の偏差が、これ以上低減可能ではないことを突きとめる
ように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項3記載の照明装置(100)。
【請求項5】
前記制御機器(10)は、影形成事象の検出後に、完全に影が形成されている、または、少なくとも部分的に影が形成されている、前記光源セットの少なくとも1つの光源、好ましくは影が形成されている各光源を検出するように構成されており、
前記制御機器(10)は、さらに、影形成補償に適している光源の探索時に、
・検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの前記光源に関する情報を使用して、
前記影が形成されている光源または影が形成されている少なくとも1つの光源に関して、少なくとも1つの予め定められた補償基準を満たしている少なくとも1つの光源を探索するように構成されており、
・前記補償基準または少なくとも1つの補償基準を満たしている少なくとも1つの光源が見つけられた場合、
見つけられた前記光源のうちのどの光源がそれぞれ、影形成補償に適しているかを検査するように構成されており、
・前記補償基準を満たしており、かつ適している少なくとも1つの光源が見つけられた場合、
前記補償基準または少なくとも1つの補償基準を満たしており、かつ影形成補償に適している光源から成るセットを部分セットとして求め、使用するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項1載の照明装置(100)。
【請求項6】
前記照明装置(100)の前記光源セットは、
・少なくとも1つの第1の光源および前記第1の光源に対して冗長的な少なくとも1つの別の光源、ならびに/または
・少なくとも1つの第2の光源および前記第2の光源に対して部分的に冗長的な少なくとも1つの別の光源
を含んでおり、
・照明されている平坦な表面(Ob)と、2つの前記光源の2つの前記光軸線と、の2つの交点が、予め定められたトレランスを超えて相互に離間していない場合、および
・前記2つの光源が達成する2つの前記光フィールドが、それぞれ、予め定められたトレランスを超えて相互に偏差していない場合、
別の光源は、前記第1の光源に対して冗長的であり、
・照明されている平坦な表面(Ob)と、2つの前記光源の2つの前記光軸線と、の2つの前記交点が、予め定められたトレランスを超えて相互に離間していない場合、または
・前記2つの光源が達成する前記2つの光フィールドが、それぞれ、予め定められたトレランスを超えて相互に偏差していない場合、または
・一方の前記光源の前記光軸線の前記交点が、他方の前記光源の前記光軸線の前記交点の周りのdx円に位置しており、xが予め定められたパーセントである場合、
別の光源は、前記第2の光源に対して部分的に冗長的であり、
検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの各光源に対する、前記光源に関する情報は、前記光源セットのどの別の1つの光源またはどの他の複数の光源が、前記光源に対して冗長的であるのか、かつ/または、部分的に冗長的であるのかという情報を含んでおり、
前記制御機器(10)は、前記補償基準またはある補償基準として、さらなる光源が、影が形成されている前記光源または影が形成されている、ある光源に対して冗長的ある、かつ/または、部分的に冗長的であるという基準を使用するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項5記載の照明装置(100)。
【請求項7】
前記照明装置は、
・少なくとも1つの第1の光源と、
・少なくとも1つの第2の光源と、
・前記第1の光源に対して冗長的な少なくとも1つの第1の別の光源と、
・前記第2の光源に対して部分的に冗長的であり、かつ好ましくは前記第1の光源に対して冗長的でない少なくとも1つの第2の別の光源と、
を含んでおり、
前記制御機器(10)は、第1の増大シーケンスを実行するように構成されており、
前記第1の増大シーケンスは、
・影が形成されている各光源に対して、それぞれ、少なくとも1つの、影が形成されている光源に対して冗長的であり、かつ/または、部分的に冗長的であり、付加的に少なくとも1つの予め定められた追加基準を満たす、影形成補償に適している別の光源を探索するステップと、
・少なくとも1つの冗長的な、適している光源が見つけられた場合、前記冗長的な、適している光源または少なくとも1つの冗長的な、適している光源の最大個別照度の前記実際値を増大させるステップと、
を含んでおり、
前記制御機器(10)は、
・前記第1の増大シーケンスの間に実行された前記増大に基づいて、
前記照明装置(100)の実際の前記最大全体照度の値が十分に正確に、前記検出された照度設定と一致しているかを検査するように構成されており、
任意選択的に付加的に、前記光フィールド直径の値が十分に正確に、前記検出された光フィールド直径設定と一致しているかを検査するように構成されており、
・そうでない場合には、少なくとも1つの第2の増大シーケンスを実行するように構成されており、
前記第2の増大シーケンスまたは少なくとも1つの第2の増大シーケンスは、
・影が形成されている各光源に対して、それぞれ1つの、影が形成されている前記光源に対して冗長的であり、かつ/または、部分的に冗長的であり、前記予め定められた追加基準または少なくとも1つの予め定められた追加基準を満たしていない、影形成補償に適している別の光源を探索するステップと、
・少なくとも1つの部分的に冗長的な、適している光源が見つけられた場合、前記部分的に冗長的であって、冗長的ではない、適している光源または少なくとも1つの、部分的に冗長的であって、冗長的ではない、適している光源の前記最大個別照度の前記実際値を増大させるステップと、
を含んでいる、
ことを特徴とする、
請求項6記載の照明装置(100)。
【請求項8】
前記別の光源が、影が形成されている光源に対して冗長的である場合に、前記第1の増大シーケンスの際に適用される前記追加基準または前記第1の増大シーケンスの際に適用される、ある追加基準が満たされている、
ことを特徴とする、
請求項7記載の照明装置(100)。
【請求項9】
前記光源セットの前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)が厳密に1つの光源群(Pos.1,…,Pos.6)に属しているように、少なくとも2つの光源群(Pos.1,…,Pos.6)に分けられており、
・前記別の光源および前記影が形成されている光源が同一の光源群(Pos.1,…,Pos.6)に属している場合、および/または
・前記別の光源が予め定められた光源群(Pos.1,…,Pos.6)に属している場合、
前記第1の増大シーケンスの際に適用される前記追加基準または前記第1の増大シーケンスの際に適用される、ある追加基準が満たされている、
ことを特徴とする、
請求項7記載の照明装置(100)。
【請求項10】
前記制御機器(10)は、
・前記第2の増大シーケンスの後に、前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的な前記最大領域の位置の変化が、前記影形成事象にもかかわらず、十分に小さく、前記照明装置(100)の目下の前記最大全体照度が十分に正確に、前記検出された照度設定と一致しているかを検査するように構成されており、
・そうでない場合には、前記光源セットの、影形成補償に適している、少なくとも1つのさらなる光源を選択し、前記光源の個別照度を増大させるように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項7記載の照明装置(100)。
【請求項11】
前記光源セットの前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)が厳密に1つの光源群(Pos.1,…,Pos.6)に属しているように、少なくとも2つの光源群(Pos.1,…,Pos.6)に分けられており、
光源群の前記光源は共に、影形成事象が生じていない場合、前記照明されている表面(Ob)に、少なくとも1つの光フィールドを生成し、
前記光フィールドの最大照度は、前記照明されている表面(Ob)との前記光学的な中心軸線(MA)の交点(S)において、または前記交点(S)を中心とした円において発生し、
前記光源セットの各光源に対する、前記光源に関する前記検出可能な情報は、前記光源セットのどの光源がどの光源群に属しているかという情報を含んでおり、
前記制御機器(10)は、前記補償基準またはある補償基準として、さらなる光源が、影が形成されている前記光源または影が形成されている、ある光源と同一の光源群に属しているという基準を使用するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項7記載の照明装置(100)。
【請求項12】
前記照明装置(100)の各光源は、それぞれ1つの相関色温度を有しており、前記光源セットの前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、全体で少なくとも2つの異なる色温度を有しており、
検出されたまたは検出可能な、前記光源セットの各光源に対する、前記光源に関する情報は、それぞれ前記光源の相関色温度を含んでおり、
前記制御機器(10)は、前記補償基準またはある補償基準として、さらなる光源が、影が形成されている前記光源または影が形成されている、ある光源と同一の色温度を有しているという基準を使用するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項7記載の照明装置(100)。
【請求項13】
前記制御機器(10)は、自動的に、
・前記光源セットの少なくとも1つの光源が故障している事象を検出するように構成されており、
・影形成補償によって、故障している前記光源または故障している各光源の前記故障を補償するように構成されている、
ことを特徴とする、
請求項1記載の照明装置(100)。
【請求項14】
照明装置(100)を使用して表面(Ob)を照明する照明方法であって、前記照明装置(100)は、
・複数の光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)を備える光源セットと、
・複数の互いに離間している間隔測定器(dm,dm.2,…,dm.6)を備える間隔測定アセンブリと、
・信号を処理する制御機器(10)と、
を含んでおり、
前記照明装置(100)は、光学的な中心軸線(MA)を有しており、
前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、それぞれ、
・光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)を有しており、
・照明されている前記表面(Ob)上で、それぞれ1つの光フィールドを生成するように構成されており、
各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)は、それぞれ、生成された前記光フィールドの可能な最大個別照度を有しており、
前記光源セットの光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の目下の前記最大個別照度は、各別の光源の目下の個別照度とは関連なしに、ゼロと、前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記可能な最大個別照度と、の間の値に調整可能であり、
前記間隔測定アセンブリの各間隔測定器(dm,dm.2,…,dm.6)は、それぞれ、前記照明されている表面(Ob)の方を向いている測定方向を有しており、
前記照明方法は、以降のステップを含んでおり、すなわち、
前記制御機器(10)が、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)に対して、それぞれ予め定められた情報を検出し、
検出された前記情報は、次の情報、すなわち、
・前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)がどのような可能な最大個別照度を生成することができるか、および
・前記光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の前記光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)がどのように前記照明装置(100)の前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的に位置決めされているか、かつ/または配向されているか、
を含んでおり、
前記制御機器(10)は、照度設定を検出し、前記照度設定は、前記照明装置(100)が生成すべき最大全体照度に対する目標値を予め定め、
前記制御機器(10)は、少なくとも1回、好ましくは繰り返して、前記光源セットの各光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)の各目下の個別照度を、ある値に調整し、
前記照明装置(100)は、照明されている前記表面(Ob)上で、最大領域において最大全体照度を達成し、
前記間隔測定アセンブリの各間隔測定器(dm,dm.2,…,dm.6)は、少なくとも1回、好ましくは繰り返して、自身と光散乱物体(Ob,AO)との間の各間隔に対する尺度を測定し、
前記制御機器(10)は、少なくとも1回、好ましくは繰り返して、
・前記照明装置(100)と前記照明されている表面(Ob)との間に少なくとも1つの物体(AO)が存在している事象である影形成事象が発生しているかを検査し、
・前記検査のために、前記間隔測定アセンブリの信号を使用し、
前記制御機器(10)は、影形成事象の検出後に、以降のさらなるステップをトリガし、すなわち、
前記制御機器(10)は、完全にまたは少なくとも近似的に、前記物体(AO)によって完全にまたは少なくとも部分的に影が形成されている、前記照明されている表面(Ob)上の領域である影形成領域を求め、
前記制御機器(10)は、前記求められた影形成領域に関連して、影形成補償に適している、前記光源セットの少なくとも1つの光源を探索し、
影形成補償に適している光源は、
・目下、前記光源の前記可能な最大個別照度よりも低い、前記個別照度に対する値で動作している光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)、
・全く影が形成されていない、または少なくとも、完全には影が形成されていない光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)、および
・光軸線(Lfa.1,Lfa.2,…)が、求められた影形成領域において、前記照明されている表面(Ob)と交差している光源(a.1,a.2,…,b.1,b.2,…)
であり、
前記制御機器(10)が、影形成補償に適している少なくとも1つの光源を見つけた場合、
前記制御機器(10)は、
・少なくとも1つの適している光源を備える部分セットを求めるステップと、
・選択された前記部分セットの各光源に対して、前記光源の前記最大個別照度に対する、前記光源の前記最大個別照度の目下の値よりも大きいそれぞれ1つの目標値を計算するステップと、
・前記光源に、前記最大個別照度に対する計算された前記目標値を、実際に、目下、達成させるステップと、
を実行し、
前記部分セットの前記光源の前記最大個別照度に対する前記目標値の計算時の2つの目的は、
・前記光学的な中心軸線(MA)に対して相対的な前記最大領域の位置が不変に保たれることと、
・前記照明装置(100)が目下達成している前記最大全体照度の実際値が、検出された前記照度設定と等しいことと、
である、
照明方法。
【外国語明細書】