(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149433
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】クランプ回路
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
H01L27/04 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024060639
(22)【出願日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】10 2023 108 746.0
(32)【優先日】2023-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ディーター ドラクセルマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ヘアヴィック ワッピス
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038BH02
5F038BH04
5F038BH05
5F038BH13
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】クランプ回路
【解決手段】クランプ回路は、第1のトランジスタ(M1n)を備えてもよく、第1のトランジスタ(M1n)の制御端子は、第1の基準電位に接続され、第1のトランジスタ(M1n)の第1の被制御端子は、入力電圧(Vin)に接続されている。さらに、クランプ回路は、第2のトランジスタ(M4n)を備えてもよく、第2のトランジスタ(M4n)の制御端子は、第1のトランジスタを通り流れる電流に依存する制御電圧を受信するように設計され、第2のトランジスタ(M4n)の第1の被制御端子は、入力電圧(Vin)に接続され、第2のトランジスタ(M4n)の第2の被制御端子は、第2の基準電位に接続されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランジスタ(M1n)および第2のトランジスタ(M4n)を備えるクランプ回路であって、
前記第1のトランジスタ(M1n)の制御端子は、第1の基準電位に接続され、
前記第1のトランジスタ(M1n)の第1の被制御端子は、入力電圧(Vin)に接続され、
前記第2のトランジスタ(M4n)の制御端子は、前記第1のトランジスタを通り流れる電流に依存する制御電圧を受信するように設計され、
前記第2のトランジスタ(M4n)の第1の被制御端子は、前記入力電圧(Vin)に接続され、
前記第2のトランジスタ(M4n)の第2の被制御端子は、第2の基準電位に接続されている、
クランプ回路。
【請求項2】
前記第1の基準電位(GND、VDD)および前記第2の基準電位(GND、VDD)は、同一である、
請求項1に記載のクランプ回路。
【請求項3】
前記第1のトランジスタ(M1n)および前記第2のトランジスタ(M4n)は、同一の導電型である、
請求項2に記載のクランプ回路。
【請求項4】
前記第1の基準電位(GND)は、前記第2の基準電位(VDD)より小さい、
請求項1に記載のクランプ回路。
【請求項5】
前記第1のトランジスタ(M1n)は、n導電型のトランジスタであり、
前記第2のトランジスタ(M4n)は、p導電型のトランジスタである、
請求項4に記載のクランプ回路。
【請求項6】
前記第1の基準電位(VDD)は、前記第2の基準電位(GND)より大きい、
請求項1に記載のクランプ回路。
【請求項7】
前記第1のトランジスタ(M1n)は、p導電型のトランジスタであり、
前記第2のトランジスタ(M4n)は、n導電型のトランジスタである、
請求項6に記載のクランプ回路。
【請求項8】
前記クランプ回路は、制御電流源(M2n;M3n)をさらに備え、前記制御電流源(M2n;M3n)の制御信号は、前記第1のトランジスタ(M1n)を通り流れる電流であり、
前記制御電圧は、前記制御電流源(M2n;M3n)の前記制御電流に依存する、
請求項1から7のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項9】
前記クランプ回路は、前記制御電圧を提供するための電気抵抗(Rn)をさらに備える、
請求項1から8のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項10】
前記クランプ回路は、前記第1のトランジスタ(M1n)と直列に、前記第1のトランジスタ(M1n)の前記第2の被制御端子と第3の基準電位との間に接続されている第1の保護回路(M6n)をさらに備え、
前記第1の保護回路(M6n)は、前記第1のトランジスタ(M1n)の前記制御端子と前記第1のトランジスタ(M1n)の前記第2の被制御端子との間の電圧差が所定の最大電圧より小さいように設計される、
請求項1から9のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項11】
前記第1の保護回路(M6n)は、前記第1のトランジスタ(M1n)と直列に、前記第1のトランジスタ(M1n)の前記第2の被制御端子と前記第3の基準電位との間に接続されている第1の保護トランジスタ(M6n)を備え、
前記第1の保護トランジスタ(M6n)の制御端子は、電圧(V25)を受信するように設計され、受信した前記電圧(V25)と前記第1の基準電位との間の差分電圧は、前記所定の最大電圧より小さい、
請求項10に記載のクランプ回路。
【請求項12】
前記クランプ回路は、前記第1のトランジスタ(M1n)と直列に、前記第1のトランジスタ(M1n)の前記第1の被制御端子と前記入力電圧(Vin)との間に接続されている第2の保護回路(M5n)をさらに備え、
前記第2の保護回路(M5n)は、前記第1のトランジスタ(M1n)の前記制御端子と前記第1のトランジスタ(M1n)の前記第1の被制御端子との間の電圧差が所定の最大電圧より小さいように設計される、
請求項1から11のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項13】
前記第2の保護回路(M5n)は、前記第1のトランジスタ(M1n)と直列に、前記第1のトランジスタ(M1n)の前記第1の被制御端子と前記入力電圧(Vin)との間に接続されている第2の保護トランジスタ(M5n)を備え、
前記第2の保護トランジスタ(M5n)の制御端子は、電圧(V25)を受信するように設計され、受信した前記電圧(V25)と前記第1の基準電位との間の差分電圧は、前記所定の最大電圧より小さい、
請求項12に記載のクランプ回路。
【請求項14】
前記クランプ回路は、前記第2のトランジスタ(M4n)と直列に、前記第2のトランジスタ(M4n)の前記第1の被制御端子と前記入力電圧(Vin)との間に接続されている第3の保護回路(M9n)をさらに備え、
前記第3の保護回路(M9n)は、前記第2のトランジスタ(M4n)の前記制御端子と前記第2のトランジスタ(M4n)の前記第1の被制御端子との間の電圧差が所定の最大電圧より小さいように設計される、
請求項1から13のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項15】
前記第3の保護回路(M9n)は、前記第2のトランジスタ(M4n)と直列に、前記第2のトランジスタ(M4n)の前記第1の被制御端子と前記入力電圧(Vin)との間に接続されている第3の保護トランジスタ(M9n)を備え、
前記第3の保護トランジスタ(M9n)の制御端子は、電圧(V25)を受信するように設計され、前記第2のトランジスタ(M4n)の前記制御端子の電圧と受信した前記電圧(V25)との間の差分電圧は、前記所定の最大電圧より小さい、
請求項14に記載のクランプ回路。
【請求項16】
前記クランプ回路は、第4の保護回路(M8n)と前記第3の基準電位との間に接続されているトランジスタ(M3n)をさらに備え、
前記第4の保護回路(M8n)は、前記トランジスタ(M3n)と直列に、前記トランジスタ(M3n)の第1の被制御端子と第4の基準電位との間に接続され、
前記第4の保護回路(M8n)は、前記トランジスタ(M3n)の制御端子と前記トランジスタ(M3n)の前記第1の被制御端子との間の電圧差が所定の最大電圧より小さいように設計される、
請求項1から15のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項17】
前記第4の保護回路(M8n)は、前記第4の基準電位と前記第3の基準電位との間に接続されている第4の保護トランジスタ(M8n)を備え、
前記第4の保護トランジスタ(M8n)は、前記第1のトランジスタ(M1n)と異なる導電型であり、
前記第4の保護トランジスタ(M8n)の制御端子は、電圧(V25)を受信するように設計され、前記トランジスタ(M3n)の前記制御端子の電圧と受信した前記電圧(V25)との間の差分電圧は、前記所定の最大電圧より小さい、
請求項16に記載のクランプ回路。
【請求項18】
前記クランプ回路は、前記第4の保護回路(M8n)と第4の基準電位との間に接続されている第5の保護トランジスタ(M10n)をさらに備え、
前記第5の保護トランジスタ(M10n)は、前記第1のトランジスタ(M1n)と異なる導電型であり、
前記第5の保護トランジスタ(M10n)の制御端子は、前記第1の基準電位に接続されている、
請求項16または17に記載のクランプ回路。
【請求項19】
前記クランプ回路は、前記第4の保護回路(M8n)と前記第4の基準電位との間に接続されている第6の保護トランジスタ(M7n)をさらに備え、
前記第6の保護トランジスタ(M7n)の制御端子は、電圧(V25)を受信するように設計され、前記トランジスタ(M3n)の前記制御端子の電圧と受信した前記電圧(V25)との間の差分電圧は、前記所定の最大電圧より小さい、
請求項16から18のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項20】
前記所定の最大電圧は、前記第1のトランジスタ(M1n)の使用可能な動作電圧および/または前記第2のトランジスタ(M4n)の使用可能な動作電圧以下である、
請求項10から19のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項21】
前記第1のトランジスタ(M1n)および/または前記第2のトランジスタ(M4n)は、横方向拡散金属酸化物半導体(LDMOS)トランジスタとして設計される、
請求項1から20のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項22】
前記入力電圧(Vin)と前記第1の基準電位との間の電圧差は、前記第1のトランジスタ(M1n)の使用可能な動作電圧および/または前記第2のトランジスタ(M4n)の使用可能な動作電圧より大きい、
請求項1から21のいずれかに記載のクランプ回路。
【請求項23】
入力端子を有する論理回路と、
前記入力端子に接続されている請求項1から22のいずれかに記載のクランプ回路と、
を備える回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプ回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ときには、適切な定格電圧を有さないデバイスによって、高電圧が処理される必要がある。これらの1つの例は、過電圧耐性入出力インタフェースである。
【0003】
このように、例えば、5Vより低い動作電圧、例えば、2.5Vを有するトランジスタを用いて製造される5Vのデバイス(換言すれば、5Vの電力供給を有し、さらに、5Vの入出力インタフェースを有するデバイス)が提供されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部分的な問題は、通常の5Vの電力供給を超えた過電圧および不足電圧にどのように対処するかである。
【0005】
アナログ入力の場合、回路は、±5mAの供給電流を処理できなければならない。この電流の大部分は、静電放電(ESD)構造内に流入するが、例えば、5.5Vの電力供給の場合、これは、温度が低いとき、入力での電圧が約6.5Vと-1Vとの間にありうることを意味する。例えば、接続されるトランジスタのゲート酸化物が±3.6Vのみに対して設計されるので、これは、接続される回路にとって潜在的に破壊的である。存在する他の課題は、デバイス内で用いられるトランジスタの不適当な電圧設計である。
【0006】
本発明の例示的な実施形態は、図面に描写され、以下で詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示のさまざまな態様に基づく回路を示す。
【
図3】開示のさまざまな態様に基づくクランプ回路を示す。
【
図4】
図3のクランプ回路を示し、制御電流源の可能な実施態様が詳細に描写される。
【
図5】開示のさまざまな態様に基づく他のクランプ回路を示す。
【
図6】開示のさまざまな態様に基づく他のクランプ回路を示す。
【
図7】開示のさまざまな態様に基づく他のクランプ回路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明において、添付の図面が参照され、添付の図面は、この明細書の一部を形成し、本発明が実行可能な特定の実施形態を説明のために示す。言うまでもなく、他の実施形態を用いることができ、本発明の保護の範囲を逸脱しない範囲で構造的または論理的な変化がなされる。言うまでもなく、本願明細書において記載されているさまざまな実施形態の特徴は、特に明記しない限り、互いに組み合わせることができる。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定的であるとみなすべきではなく、本発明の保護の範囲は、添付の請求の範囲によって定義される。
【0009】
この説明の文脈内では、「接続される」および「結合される」という用語は、直接的および間接的な接続および直接的または間接的な結合を記載するために用いられる。図面において、同一または類似の要素は、必要に応じて同一の参照符号が与えられる。
【0010】
この開示のさまざまな態様は、入力電圧が所定の(許可)範囲内にある間、電流を消費しない回路を提供する。他の態様は、さらにエネルギーを節約するために外側から来る過剰な電流を回路の最適なレールに転換することである。(例えば、デバイス内、例えば、チップ内に流れ込む)正の電流は、(第2の参照-グラウンド電位、例えば、VDDに結合される)正の供給レールに送られる必要があり、負の電流は、(第1の参照-グラウンド電位、例えば、GNDに結合される)負のレールに送られる必要がある。この開示の他の態様は、「高電圧環境」における「低電圧トランジスタ」の使用である。
【0011】
図示例として、準受動的な回路を用いて、入力電流を供給電位VDDまたはグラウンドGNDに放電するための電圧クランプ回路が提供される。電圧クランプ回路は、(例えば、MOS)トランジスタ閾値電圧を越えるとき、それ自体を作動させる。
【0012】
本願明細書に記載されている例は、高電圧および低電圧に関することができる。本願明細書に記載されているいくつかの例は、約5Vの範囲の電圧を処理するための回路に関することができ、一方、2.5Vの範囲の推奨の動作電圧を有するトランジスタが用いられる。これらの例に関連して、5Vは高電圧として理解することができ、一方、2.5Vは低電圧として理解することができる。本願明細書に記載されている他の例に関連して、トランジスタの推奨の動作電圧またはトランジスタのために用いることができる使用可能な動作電圧より大きい任意の所望の電圧は、高電圧として理解することができ、推奨の動作電圧と同一またはより低い電圧は、低電圧として理解することができる。
【0013】
推奨の動作電圧は、デバイス依存(例えば、トランジスタ依存)の電圧でもよいし、または、それぞれの制御端子、例えば、機器の一部もしくはトランジスタのベースと、トランジスタの制御端子、例えば、ソースまたはドレイン、コレクタまたはエミッタと、の間のデバイス依存(例えば、トランジスタ依存)の電位でもよい。例えば、推奨の動作電圧は、トランジスタのデータシートにおいて指定されてもよい。推奨の動作電圧(定格電圧とも称される)は、トランジスタの端子に印加され、過電圧の結果としてトランジスタ素子に損傷を与えることなく、通常動作を可能にする電圧でもよい。したがって、トランジスタの推奨の動作電圧(例えば、ゲートソース電圧)VGSOPは、2.5ボルトでもよく、低電圧と整合し、(概して関連付けられた推奨の動作電圧より大きい)最大の使用可能な動作電圧は、3.25Vを意味し、例えば、それは、推奨の電圧範囲の30%の許可範囲(許容範囲)と整合する。
【0014】
この開示のさまざまな態様で用いられるトランジスタは、プレーナトランジスタ、フィントランジスタまたは垂直トランジスタでもよい。トランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)またはバイポーラトランジスタでもよい。トランジスタは、(例えば、ノーマリオフ)金属酸化物半導体(MOS)FET、例えば、n-チャネルMOSFET(n導電型MOSFETとも称される)でもよいし、または、p-チャネルMOSFET(p導電型MOSFETとも称される)でもよい。トランジスタは、ノーマリオフ電界効果トランジスタまたはノーマリオン電界効果トランジスタでもよい。トランジスタは、1つまたは複数の制御端子(例えば、ゲートまたはベース)および複数の被制御端子(例えば、ソースまたはエミッタおよびドレインまたはコレクタ)を備えてもよい。
【0015】
図1は、本開示のさまざまな態様に基づく回路100を示す。回路100は、本開示のさまざまな態様に基づくクランプ回路のための可能な使用分野を示す。しかしながら、後述するクランプ回路はまた、他の応用において、一般にクランプ回路のための任意の所望の適切な応用において使用可能である。
【0016】
回路100は、DC電圧インタフェース、例えば、センサインタフェース104を有するセンサ102を備える。センサ102は、電力シンク、例えば、1つまたは複数のプロセッサ、例えば、1つまたは複数のマイクロコントローラに接続可能でもよい。センサ102は、ホールセンサ、ノッキングセンサおよび/または1MHz未満の周波数を用いる低周波数センサまたは他の任意の電子センサとして設計されてもよい。アナログセンサ信号106は、センサインタフェース104において提供され、増幅器108に供給される。増幅器108は、アナログセンサ信号106を増幅し、増幅されたセンサ信号112をその出力で提供する。さらに、オプションで、増幅器108の1つまたは複数の出力に接続されてもよい静電放電(ESD)保護回路114が提供されてもよい。オプションで、増幅器108とESD保護回路114との間に、ESD保護回路114内に流入しうる電流を制限するための直列抵抗110が提供されてもよい。
【0017】
さらに、クランプ回路116は、ESD保護回路114とオプションの送信ゲート118との間に接続されてもよい。送信ゲート118の出力側は、保護対象回路120に接続され、保護対象回路120は、例えば、上記の電力シンク、例えば、マイクロコントローラである。クランプ回路116は、クランプ回路116が制限された電圧(図示例として、クランプ電圧)のみを保護対象回路120に印加することを確実にすることによって、保護対象回路120を保護する。ESD保護回路114および/またはクランプ回路116および/または送信ゲート118は、共通のチップ上に集積されてもよいし、または、個々のチップ上に提供されてもよい。
【0018】
当然、複数のセンサ102が提供されてもよく、複数のセンサ102は、例えば、マルチプレクサによって、保護対象回路120の入力に接続されている。
【0019】
図2は、ESD保護回路114を実施するための従来のESD保護回路の一例を示す。
【0020】
入力端子、例えば、パッド202を保護するために、ESD保護回路114は、2つの第1の保護ダイオード204、206、オーム抵抗器208および2つの第2の保護ダイオード210、212を備える。パッド202に供給される電流214は、電流214の極性に応じて、1つの基準電位VDDより高いダイオード電圧降下または他の基準電位GNDより低いダイオード電圧降下であるパッド202の電圧につながる。上述したように、例えば、トランジスタが、トランジスタに印加される電圧より低い使用可能な動作電圧のために寸法設定される場合、この広い範囲の変化は、保護対象回路120のトランジスタの1つまたは複数を、例えば、そのゲート酸化物を損傷したり、または、破壊したりさえしうる。
【0021】
図3は、
図1のクランプ回路116の実現例として、第1のクランプ回路300を示す。
【0022】
第1のクランプ回路300を用いて、ダイオード電圧降下より小さい値に負電圧を制限する。第1のクランプ回路300の入力302での電圧(入力電圧Vinとも称される)が第1の基準電位(例えば、グラウンド電位GND)に対して負になる場合、第1の電界効果トランジスタ(FET)M1n(この場合(例えば、ノーマリオフ)NMOSFET)はオンになる。第1のFET M1nは、第1の基準電位に接続されているその制御端子(例えば、ゲート)304を有する。第1のFET M1nの第1の被制御端子(例えば、ソース)306は、入力302に、およびそれゆえ、入力電圧Vinに(例えば、直接)接続されている。第1のFET M1nの第2の被制御端子(例えば、ドレイン)308は、(電流)制御電流源310の入力312に(例えば、直接)接続されている。
【0023】
第1のFET M1nがオンになるとき、制御電流源310の出力314に電流が提供される。これは、次に、(例えば、オーム)抵抗Rnを通した電圧降下につながり、第2の電界効果トランジスタ(FET)(この場合(例えば、ノーマリオフ)NMOSFET)M4nをスイッチオンし、その結果、第2のFET M4nがオンになる。抵抗Rnは、制御電流源310の出力314と第1の基準電位GNDとの間に(例えば、直接)接続されてもよい。第2のFET M4nの制御入力316は、同様に、制御電流源310の出力314および抵抗Rnの第1の端子に(例えば、直接)接続されている(抵抗Rnの第2の端子は、第1の基準電位GNDに(例えば、直接)接続されてもよい)。第2のFET M4nの第1の被制御端子318は、入力電圧Vinに(例えば、直接)接続され、さらに、第1のFET M1nの第1の被制御端子306に接続されている。第2のFET M4nの第2の被制御端子320は、第2の基準電位(この例ではグラウンド電位GND)に(例えば、直接)接続されている。
【0024】
第2のFET M4nがオンするとき、図示例として、低インピーダンス接続は、クランプ回路300の入力302と、第2の基準電位GNDに電流を放電することができる第2の基準電位(この場合グラウンド電位GND)と、の間に行われる。トランジスタ(特に第1のFET M1nおよび第2のFET M4n)および抵抗Rnの寸法設定に応じて、クランプ回路300の「積極性」を調整することができる。入力電圧Vinと第1の基準電位GNDとの間に接続される追加のオプションのキャパシタ(例えば、
図4参照)は、より良い安定性のために提供されてもよい。
【0025】
図3の個々のトランジスタはまた、反対の導電型のそれぞれのトランジスタにより交換可能である(例えば、NMOSFETをPMOSFETにより交換し、PMOSFETをNMOSFETにより交換する)。次に、適用できる基準電位もまた、それに応じて適合される必要がある(例えば、グラウンドGNDをVDDにより適合し、例えば、VDDをグラウンドGNDにより適合する)。次に、この種の「反転した」第1のクランプ回路は、それに応じて他の電圧方向において保護する。
【0026】
これらの2つの第1のクランプ回路(すなわち、第1のクランプ回路300および反対の導電型のトランジスタを含むそれに応じて設計されたクランプ回路)はまた、互いに結合されてもよく、すなわち互いに並列に接続されてもよく、両方の「方向」、すなわち、VDDに対する過電圧に対する保護、および、GNDに対する不足電圧に対する保護を提供する。
【0027】
図4は、
図3の第1のクランプ回路300を示し、制御電流源310の1つの可能な実施態様が詳細に描写される。この例では、制御電流源310は、第1の電流ミラートランジスタM2nおよび第2の電流ミラートランジスタM3nによって形成される電流ミラー310を備える。第1の電流ミラートランジスタM2nの制御端子402は、第2の電流ミラートランジスタM3nの制御端子408に(例えば、直接)接続されている。第1の電流ミラートランジスタM2nの第1の被制御端子(例えば、ドレイン)404は、第1のFET M1nの第2の被制御端子308に(例えば、直接)接続され、第1の電流ミラートランジスタM2nの第2の被制御端子(例えば、ソース)406は、第3の基準電位(例えば、供給電位VDD)に(例えば、直接)接続されている。
【0028】
第2の電流ミラートランジスタM3nの第1の被制御端子(例えば、ドレイン)410は、抵抗Rnの第1の端子に、および、第2のFET M4nの制御端子316に(例えば、直接)接続され、第2の電流ミラートランジスタM3nの第2の被制御端子(例えば、ソース)412は、第3の基準電位(例えば、供給電位VDD)に(例えば、直接)接続されている。さらに、オプションで、入力電圧Vinと第1の基準電位GNDとの間に接続されるキャパシタ414が提供される。キャパシタ414は、第1のクランプ回路300のためのより良い安定性を確実にすることができる。さらに、追加のキャパシタ416が提供されてもよく、追加のキャパシタ416は、抵抗Rnに並列に接続されてもよい。オプションの追加のキャパシタ416は、第1のクランプ回路300の安定性をさらに増加させることができる。
【0029】
電流ミラー310は、任意の所望のスケーリング、例えば、1:1、1:nまたは1:mであり、nは1より小さく、例えば、0.1以上であり、mは1より大きく、例えば、10以下である。
【0030】
第1のFET M1nがオンになるとき、第1のFET M1nを通って、したがって第1の電流ミラートランジスタM2nを通って流れる電流は、ミラーリングされ、第2の電流ミラートランジスタM3nを通る電流をもたらす。次に、この電流は、抵抗Rnを通した電圧降下をもたらす。電圧降下は、第2のFET M4nを制御する。
【0031】
図5は、開示のさまざまな態様に基づく他の第2のクランプ回路500を示し、第2のクランプ回路500は、クランプ回路300と同じ動作原則に基づく。
【0032】
第2のクランプ回路500は、同様に、第1のFET M1nおよび第2のFET M4nを備えるが、これらは、この例では異なる導電型である。第1のFET M1nは、n導電性(例えば、ノーマリオフ)NMOSFET M1nでもよく、この場合には、第2のFET M4nは、p導電性(例えば、ノーマリオフ)PMOSFET M4nである。代替的には、第1のFET M1nは、p導電性(例えば、ノーマリオフ)PMOSFET M1nでもよく、この場合には、第2のFET M4nは、n導電性(例えば、ノーマリオフ)NMOSFET M4nである(この場合、基準電位はまた、
図5において描写される例と比較して、それに応じて交換される必要がある)。
【0033】
第1のFET M1nの制御端子502は、第1の基準電位(この例ではグラウンド電位GND)に(例えば、直接)接続され、第1のFET M1nの第1の被制御端子504は、入力電圧Vinに(例えば、直接)接続され、第1のFET M1nの第2の被制御端子506は、第2の基準電位に(例えば、直接)接続され、この例では、第2の基準電位は、第1の基準電位と異なる(例えば、第2の基準電位は、供給電位VDDである)。
【0034】
(オーム)抵抗Rnは、第1のFET M1nの第2の被制御端子506と第2の基準電位(例えば、供給電位VDD)との間に接続されている。
【0035】
第2のFET M4nの制御端子508は、第1のFET M1nの第2の被制御端子506に(例えば、直接)接続され、その結果、抵抗Rnを通した電圧降下は、第2のFET M4nを制御する。第2のFET M4nの第1の被制御端子510は、入力電圧Vinに(例えば、直接)接続され、第2のFET M4nの第2の被制御端子512は、第3の基準電位(例えば、供給電位VDD)に(例えば、直接)接続されている。
【0036】
この例では、第1の基準電位および第2の基準電位は、互いに異なる。
図5に示される例において、第1の基準電位は、第2の基準電位より小さい。第2のクランプ回路500がそれぞれ「逆の」トランジスタで設計される場合、第1のFET(「逆」の場合、PMOSFET)M1nを制御する第1の基準電位は、第2の基準電位より大きく、第2の基準電位に対して、「過電流」は、第2のFET(「逆」の場合、NMOSFET)M4nを通って流れる。
【0037】
入力電圧Vinが第1の基準電位より小さくなる場合(およびしたがって、それは回避する必要があるが、例えば、0V未満の場合)、具体的には、第1のFET M1nの制御端子502の電圧と第1のFET M1nの第1の被制御端子504の電圧との間の電圧差が、少なくとも、第1のFET M1nの閾値電圧より小さい場合、第1のFET M1nがオンになり(すなわち、低インピーダンスになり)、第1のFET M1nの第2の被制御端子の電圧は、減少する。次に、減少した電圧は、それもまたオンになるように、第2のFET M4nを制御する(もちろん、この例では、第2のFET M4nは、PMOSFET M4nである)。これによって、「過電流」は、第3の基準電位に流れうる。
【0038】
入力電圧Vinが十分に大きいままである限り、すなわち、例えば、第1のFET M1nの制御端子502の電圧と第1のFET M1nの第1の被制御端子504の電圧との間の電圧差が第1のFET M1nの閾値電圧より小さい場合、第1のFET M1nは、オフのままである、すなわち高インピーダンスである。図示例として、これは、電流消費なしで、入力電圧Vinの受動的なモニタリングを提供する。
【0039】
トランジスタM1n、M4nおよび抵抗Rnの寸法設定に応じて、第2のクランプ回路500の「積極性」を調整することができる。オプションで、(例えば、
図4に示すような)追加のキャパシタを抵抗Rnに並列に提供し、安定性を改善することができる。
【0040】
グラウンド電位GNDよりいくらか高い補助電圧(例えば、0.5Vまで、例えば、0.25Vまで)を第1のFET M1nの制御端子(例えば、ゲート端子)304、502に印加することによって、残留するクランプ電圧をさらに減少することができる。
【0041】
図3、
図4および
図5において描写されるクランプ回路300、500のために、その実施態様は、高い供給電圧が存在し、低電圧トランジスタのみが利用できることを必要としてもよい。換言すれば、アナログ入力電圧より低い電圧ロバスト性を有するユニポーラ(PMOSまたはNMOS)トランジスタの使用は、クランプ回路を形成するために本願明細書において記載されている例の一態様でもよい。
【0042】
例示的な場合において、供給電圧は、最高5.5Vでもよく、クランプ回路300、500のトランジスタは、公称2.5V(絶対最大として3.6V)に設計されると仮定される(換言すれば、例示的な場合のトランジスタの推奨の動作電圧は2.5Vであり、例示的な場合のトランジスタの使用可能な動作電圧は3.6Vである)。
【0043】
例えば、FET M1n、M4nのゲート酸化物への損傷を回避するために、さまざまな追加の保護機構が、各場合においても個々にまたは任意の所望の組み合わせで提供されてもよく、これらは、以下でさらに詳細に説明される。
【0044】
図6は、クランプ回路600を示す。クランプ回路600は、
図3および
図4の第1のクランプ回路300と構造的に同一であるが、さらに、(保護回路の図示する実施態様として)追加の保護トランジスタを有する。
【0045】
(第1の保護回路の一例としての)第1の保護トランジスタM6n、例えば、第1の(例えば、NMOS)FET M6nおよび(第2の保護回路の例としての)第2の保護トランジスタM5n、例えば、第2の(例えば、NMOS)FET M5nは、第1のFET M1nを保護するために用いられる。それらは、第1のFET M1nの第1の被制御端子306(例えば、ソース)の最大電圧、および、第1のFET M1nの第2の被制御端子308(例えば、ドレイン)の最大電圧を、ゲート酸化物が信頼性問題をもたないような低い値に制限する。
【0046】
この例では、V25は、第1のFET M1nへの損傷を防止するために、供給電圧VDDより十分に小さい電圧を意味し、例えば、電圧V25は、供給電圧VDDの約半分である。例えば、供給電圧が5.5Vである場合、電圧V25は、2.75Vであるだろう。この数値的な例はまた、この種のクランプ回路の有利な効果も示す。すなわち、入力電圧Vinが-1Vと+6.5Vとの間で変化することが可能である場合、入力ノードに接続されているトランジスタ(例えば、第1のFET M1n)のための静的に安全な制御電圧(例えば、ゲート電圧)を見つけることは不可能だろう。
【0047】
加えて、第1のトランジスタ(例えば、第1のFET)M1nおよび第2のトランジスタ(例えば、第2のFET)M4nのゲート電圧を制御するためのアクティブ回路が回避される。これは、追加の電流消費を回避する。
【0048】
同じことはまた、(第3の保護回路の一例としての)第3の保護トランジスタ、例えば、第3の(例えば、NMOS)FET M9nにもあてはまる。前記第3の保護トランジスタにより、入力電圧Vinは、第2のFET M4nに損傷を与えずにまたは破壊さえせずに高くなることができる。
【0049】
さらに、第4の保護トランジスタM8n、例えば、(第4の保護回路の例として)第4の(例えば、PMOS)FET M8nが提供されてもよい。第4の保護トランジスタM8nは、第2の電流ミラートランジスタM3nを保護するための類似のタスクを実行する。
【0050】
第1の保護トランジスタM6nは、第1のFET M1nと直列に、第1のFET M1nの第2の被制御端子308と、第3の基準電位VDD、例えば、VDDまたは電流制御電流源310の端子と、の間に接続されている。第1の保護トランジスタM6nの制御端子602は、電圧(例えば、電圧V25)を受信するように設計されている。受信した電圧(例えば、V25)と第1の基準電位(例えば、GND)との間の差分電圧は、所定の最大電圧より小さい(例えば、第1のFET M1nの使用可能な動作電圧より小さい)。換言すれば、電圧V25は、第1の保護トランジスタM6nの制御端子602に印加され、その結果、第1の保護トランジスタM6nは、図示例として、例えば、第1のFET M1nのゲート酸化物の電圧があまりに大きくなるのを防止する電圧制限器として用いられる。第1の保護トランジスタM6nは、第1のFET M1n(例えば、そのゲート酸化物)が損傷を受けないように、第1のFET M1nのゲートドレイン電圧の絶対値が十分低くなるように、第1のFET M1nの第2の被制御端子(例えば、ドレイン)308に電圧が印加されるのを確実にする。図示例として、これは、第1のFET M1nの第2の被制御端子(例えば、ドレイン)308の電圧があまりに大きくなるとき、第1の保護トランジスタM6nがオフになることによって達成される。
【0051】
第2の保護トランジスタM5nは、同様に第1のFET M1nと直列に接続されているが、第1のFET M1nの第1の被制御端子306と入力電圧Vinとの間である。第2の保護トランジスタM5nの制御端子608は、電圧(例えば、電圧V25)を受信するように設計されている。受信した電圧(例えば、V25)と第1の基準電位(例えば、GND)との間の差分電圧は、所定の最大電圧より小さい(例えば、第1のFET M1nの使用可能な動作電圧より小さい)。換言すれば、電圧V25は、第2の保護トランジスタM5nの制御端子608に印加され、その結果、第2の保護トランジスタM5nは、図示例として、同様に、例えば、第1のFET M1nのゲート酸化物の電圧があまりに大きくなるのを防止する電圧制限器として用いられる。第2の保護トランジスタM5nは、M1n(例えば、そのゲート酸化物)が損傷を受けないように、第1のFET M1nのゲートソース電圧の絶対値が十分低くなるように、第1のFET M1nの第1の被制御端子(例えば、ソース)306に電圧が印加されるのを確実にする。図示例として、これは、入力電圧Vinがあまりに高くなるとき、およびしたがって、例えば、第2の保護トランジスタM5nのゲートソース電圧があまりに小さくなるとき、第2の保護トランジスタM5nがオフになることによって達成される。第2の保護トランジスタM5nの第1の被制御端子610は、入力電圧Vinに接続されている。第2の保護トランジスタM5nの第2の被制御端子612は、第1のFET M1nの第1の被制御端子306に接続されている。
【0052】
第3の保護トランジスタM9nは、第2のFET M4nと直列に、第2のFET M4nの第1の被制御端子318と入力電圧Vinとの間に接続されている。第3の保護トランジスタM9nの制御端子614は、電圧(例えば、電圧V25)を受信するように設計されている。第2のFET M4nの制御端子316の電圧と受信した電圧(例えば、V25)との間の差分電圧は、所定の最大電圧(例えば、第2のFET M4nの使用可能な動作電圧)より小さい。第3の保護トランジスタM9nの第1の被制御端子616は、第2のFET M4nの第1の被制御端子318に接続され、第3の保護トランジスタM9nの第2の被制御端子618は、入力電圧Vinに接続されている。換言すれば、電圧V25は、第3の保護トランジスタM9nの制御端子614に印加され、その結果、第3の保護トランジスタM9nは、図示例として、例えば、第2のFET M4nのゲート酸化物の電圧があまりに大きくなるのを防止する電圧制限器として用いられる。第3の保護トランジスタM9nは、第2のFET M4n(例えば、そのゲート酸化物)が損傷を受けないように、第2のFET M4nのゲートドレイン電圧の絶対値が十分低くなるように、第2のFET M4nの第1の被制御端子(例えば、ドレイン)318に電圧が印加されるのを確実にする。
【0053】
第4の保護トランジスタM8nは、第4の基準電位(例えば、GND)と第3の基準電位(例えば、VDD)との間に接続されている。第4の保護トランジスタM8nの制御端子620は、電圧(例えば、電圧V25)を受信するように設計されている。第2の電流ミラートランジスタM3nの制御端子408の電圧と受信した電圧(例えば、V25)との間の差分電圧は、所定の最大電圧(例えば、第2の電流ミラートランジスタM3nの使用可能な動作電圧)より小さい。第4の保護トランジスタM8nは、第1のFET M1nおよび第2のFET M4nと異なる導電型である。第4の保護トランジスタM8nの第1の被制御端子622は、抵抗Rnによって第4の基準電位(例えば、GND)に接続されている。第4の保護トランジスタM8nの第2の被制御端子624は、第2の電流ミラートランジスタM3nの第1の被制御端子410に接続されている。
【0054】
いずれの場合においてもどのトランジスタが保護されるべきかに応じて、各保護回路または保護トランジスタは、他なしで個々に、または、他との任意の所望の組み合わせで提供されてもよいことに留意されたい。
【0055】
【0056】
加えて、クランプ回路600は、オプションで、他の保護機構を提供してもよい。
【0057】
このように、
図7に図示するように、クランプ回路700は、第5の保護トランジスタM10nおよび第6の保護トランジスタM7nをさらに備えてもよい。図示例として、これらは、ホット電荷キャリアによる応力に対する保護として、および、第2のFET M4nのための追加のゲート保護として用いられる。
【0058】
第5の保護トランジスタM10nは、第4の保護回路M8nと第4の基準電位(例えば、VDD)との間に接続されている。第5の保護トランジスタM10nは、第1のFET M1nと異なる導電型である(本例では、第5の保護トランジスタM10nは、PMOSFETである)。第5の保護トランジスタM10nの制御端子702は、第1の基準電位、例えば、GNDに接続されている。第5の保護トランジスタM10nの第1の被制御端子704は、提供される場合、例えば、第6の保護トランジスタM7nによって抵抗Rnに接続されている。第6の保護トランジスタM7nが提供される場合、第5の保護トランジスタM10nの第1の被制御端子704は、第6の保護トランジスタM7nの第2の被制御端子712に直接接続されている。第5の保護トランジスタM10nの第2の被制御端子706は、第4の保護トランジスタM8nの第1の被制御端子622に直接接続されている。
【0059】
第6の保護トランジスタM7nは、提供される場合、第4の保護回路M8nと第4の基準電位(例えば、VDD)との間に接続されている。第6の保護トランジスタM7nの制御端子708は、電圧(例えば、V25)を受信するように設計されている。第2の電流ミラートランジスタM3nの制御端子の電圧と受信した電圧V25との間の差分電圧は、所定の最大電圧より小さい。第1の被制御端子710は、抵抗Rnに直接接続され、第2の被制御端子712は、(提供される場合)第5の保護トランジスタM10nの第1の被制御端子704に直接接続されている。
【0060】
図6および
図7は、負電圧に対するいくつかの保護手段を示す。正の電流が供給されるとき、同じことはまた、正の基準電位、例えば、正の供給電圧VDDのために起こりうる。対策として、全回路(すなわち、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7に図示するように、いくつかのクランプ回路)は、反転することができる。例えば、基準電位としてグラウンド電位GNDに接続されているトランジスタは、例えば、基準電位として供給電圧VDDに接続されなければならず、逆もまた同じである。NMOSトランジスタはまた、PMOSトランジスタにより置換されなければならず、逆もまた同じである。これによって、完全な、基本的に対称形の保護を達成することができる。
【0061】
これらのそれぞれのクランプ回路(すなわち描写されるそれぞれのクランプ回路および反対の導電型のトランジスタを含むそれに応じて設計されたクランプ回路)はまた、互いに結合されてもよく、すなわち互いに並列に接続されてもよく、両「方向」、すなわち、VDDに対する過電圧に対する保護、および、GNDに対する不足電圧に対する保護を提供する。
【0062】
トランジスタの1つまたは複数が、横方向拡散金属酸化物半導体(LDMOS)トランジスタとして設計される場合、
図6に示されるクランプ回路600または
図7に示されるクランプ回路700は、単純化可能である。第1のFET M1nのゲートソース電圧が依然としてゲート酸化物の故障に影響されやすいので、第1のFET M1nのための特定のレベルの保護は、依然として役立ちうる。しかしながら、第1のFET M1nのドレイン側を保護するためのトランジスタ、例えば、第3の保護トランジスタM9n、第4の保護回路(例えば、第4の保護トランジスタ)M8nまたは第5の保護トランジスタM10nは、おそらくもはや必要ではない。第1のFET M1nが、ソースからソースまで接続されるLDMOSトランジスタによって形成される直列接続により置換される場合、第2の保護トランジスタM5nおよび第1の保護トランジスタM6nもまた省略することができる。
【0063】
開示のさまざまな態様は、以下で説明される。
【0064】
例1は、クランプ回路である。
【0065】
クランプ回路は、第1のトランジスタを備え、第1のトランジスタの制御端子は、第1の基準電位に接続され、第1のトランジスタの第1の被制御端子は、入力電圧に接続されている。クランプ回路は、第2のトランジスタをさらに備え、第2のトランジスタの制御端子は、第1のトランジスタを通り流れる電流に依存する制御電圧を受信するように設計され、第2のトランジスタの第1の被制御端子は、入力電圧に接続され、第2のトランジスタの第2の被制御端子は、第2の基準電位に接続されている。
【0066】
例2において、例1の主題は、オプションで、同一の第1の基準電位および第2の基準電位を備えてもよい。
【0067】
例3において、例1および2のいずれかの主題は、オプションで、同一の導電型である第1のトランジスタおよび第2のトランジスタを備えてもよい。
【0068】
例4において、例1の主題は、オプションで、第2の基準電位より小さい第1の基準電位を備えてもよい。
【0069】
例5において、例1および4のいずれかの主題は、オプションで、n導電型のトランジスタである第1のトランジスタおよびp導電型のトランジスタである第2のトランジスタを備えてもよい。
【0070】
例6において、例1の主題は、オプションで、第2の基準電位より大きい第1の基準電位を備えてもよい。
【0071】
例7において、例1および6のいずれかの主題は、オプションで、p導電型のトランジスタである第1のトランジスタおよびn導電型のトランジスタである第2のトランジスタを備えてもよい。
【0072】
例8において、例1から7のいずれかの主題は、オプションで、制御電流源をさらに備えてもよく、制御電流源の制御信号は、第1のトランジスタを通り流れる電流であり、制御電圧は、制御電流源の制御電流に依存する。
【0073】
例9において、例8の主題は、オプションで、電流ミラーを備えるかまたは電流ミラーによって形成されている制御電流源を備えてもよい。
【0074】
例10において、例1から9のいずれかの主題は、オプションで、制御電圧を提供するための電気抵抗をさらに含んでもよい。
【0075】
例11において、例1から10のいずれかの主題は、オプションで、第1のトランジスタと直列に、第1のトランジスタの第2の被制御端子と第3の基準電位との間に接続されている第1の保護回路をさらに備えてもよく、第1の保護回路は、第1のトランジスタの制御端子と第1のトランジスタの第2の被制御端子との間の電圧差が所定の最大電圧より小さいように設計される。
【0076】
例12において、例11の主題は、オプションで、第1のトランジスタと直列に、第1のトランジスタの第2の被制御端子と第3の基準電位との間に接続されている第1の保護トランジスタを備える第1の保護回路を備えてもよく、第1の保護トランジスタの制御端子は、電圧を受信するように設計され、受信した電圧と第1の基準電位との間の差分電圧は、所定の最大電圧より小さい。
【0077】
例13において、例1から12のいずれかの主題は、オプションで、第1のトランジスタと直列に、第1のトランジスタの第1の被制御端子と入力電圧との間に接続されている第2の保護回路をさらに備えてもよく、第2の保護回路は、第1のトランジスタの制御端子と第1のトランジスタの第1の被制御端子との間の電圧差が所定の最大電圧より小さいように設計される。
【0078】
例14において、例13の主題は、オプションで、第1のトランジスタと直列に、第1のトランジスタの第1の被制御端子と入力電圧との間に接続されている第2の保護トランジスタを備える第2の保護回路を備えてもよく、第2の保護トランジスタの制御端子は、電圧を受信するように設計され、受信した電圧と第1の基準電位との間の差分電圧は、所定の最大電圧より小さい。
【0079】
例15において、例1から14のいずれかの主題は、オプションで、第2のトランジスタと直列に、第2のトランジスタの第1の被制御端子と入力電圧との間に接続されている第3の保護回路をさらに備えてもよく、第3の保護回路は、第2のトランジスタの制御端子と第2のトランジスタの第1の被制御端子との間の電圧差が所定の最大電圧より小さいように設計される。
【0080】
例16において、請求項15の主題は、オプションで、第2のトランジスタと直列に、第2のトランジスタの第1の被制御端子と入力電圧との間に接続されている第3の保護トランジスタを備える第3の保護回路を備えてもよく、第3の保護トランジスタの制御端子は、電圧を受信するように設計され、第2のトランジスタの制御端子の電圧と受信した電圧との間の差分電圧は、所定の最大電圧より小さい。
【0081】
例17において、例1から16のいずれかの主題は、オプションで、第4の保護回路と第3の基準電位との間に接続されているトランジスタをさらに備えてもよく、第4の保護回路は、トランジスタと直列に、トランジスタの第1の被制御端子と第4の基準電位との間に接続され、第4の保護回路は、トランジスタの制御端子とトランジスタの第1の被制御端子との間の電圧差が所定の最大電圧より小さいように設計される。
【0082】
例18において、例17の主題は、オプションで、第4の基準電位と第3の基準電位との間に接続されている第4の保護トランジスタを備える第4の保護回路を備えてもよく、第4の保護トランジスタは、第1のトランジスタと異なる導電型であり、第4の保護トランジスタの制御端子は、電圧を受信するように設計され、トランジスタの制御端子の電圧と受信した電圧との間の差分電圧は、所定の最大電圧より小さい。
【0083】
例19において、例17および18のいずれかの主題は、オプションで、第4の保護回路と第4の基準電位との間に接続されている第5の保護トランジスタをさらに備えてもよく、第5の保護トランジスタは、第1のトランジスタと異なる導電型であり、第5の保護トランジスタの制御端子は、第1の基準電位に接続されている。
【0084】
例20において、例17から19のいずれかの主題は、オプションで、第4の保護回路と第4の基準電位との間に接続されている第6の保護トランジスタをさらに備えてもよく、第6の保護トランジスタの制御端子は、電圧を受信するように設計され、トランジスタの制御端子の電圧と受信した電圧との間の差分電圧は、所定の最大電圧より小さい。
【0085】
例21において、例11から20のいずれかの主題は、オプションで、第1のトランジスタの使用可能な動作電圧および/または第2のトランジスタの使用可能な動作電圧以下である所定の最大電圧を備えてもよい。
【0086】
例22において、例21の主題は、オプションで、1.5Vから4Vまでの範囲、例えば、約3.6Vの所定の最大電圧を備えてもよい。
【0087】
例23において、例1から22のいずれかの主題は、オプションで、横方向拡散金属酸化物半導体(LDMOS)トランジスタとして設計されている第1のトランジスタおよび/または第2のトランジスタを備えてもよい。
【0088】
例24において、例1から23のいずれかの主題は、オプションで、第1のトランジスタの使用可能な動作電圧および/または第2のトランジスタの使用可能な動作電圧より大きい、入力電圧と第1の基準電位との間の電圧差を備えてもよい。
【0089】
例25において、例24の主題は、オプションで-1Vから7Vまでの範囲、例えば、-0.5Vから6Vまでの範囲の、入力電圧と第1の基準電位との間の電圧差を備えてもよい。
【0090】
例26は、回路である。回路は、入力端子を有する論理回路と、入力端子に接続されている、例1から25の1つに従うクランプ回路と、を備えてもよい。
【0091】
例27において、例26の主題は、オプションで、マイクロコントローラである論理回路を備えてもよい。
【0092】
例28において、例26および27のいずれかの主題は、オプションで、静電気放電保護回路をさらに備えてもよく、クランプ回路は、静電気放電保護回路と論理回路との間に接続されている。
【0093】
例29において、例26から28のいずれかの主題は、オプションで、少なくとも1つのセンサを含むセンサ回路をさらに備えてもよく、クランプ回路は、センサ回路と論理回路との間に接続されている。
【0094】
本発明は、主に特定の例示的な実施形態に関連して図示および記載されてきたが、当業者によって、構成およびその詳細の多様な修正が、以下の請求項に記載の本発明の趣旨および範囲を逸脱しない範囲で実施可能であることを理解されたい。それゆえ、本発明の範囲は、添付の請求の範囲によって決定され、請求項によって含まれる請求項の均等の意味および範囲内のすべてのバリエーションを含むことが意図される。
【外国語明細書】