(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149448
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】コネクタおよびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/79 20110101AFI20241010BHJP
【FI】
H01R12/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024061152
(22)【出願日】2024-04-05
(31)【優先権主張番号】202320760626.7
(32)【優先日】2023-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004347
【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂァオ チァン
(72)【発明者】
【氏名】ミィン シィー
(72)【発明者】
【氏名】シィアォヂィー ジョージ フゥー
(72)【発明者】
【氏名】ディンピン フランク ファン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ ヂァン
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AC21
5E223AC23
5E223BA01
5E223BA07
5E223BA08
5E223CA15
5E223CC15
5E223CD01
5E223CD02
5E223DA05
5E223DB25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コネクタを組み立てる際の工程を大幅に減らし、コネクタの組立て効率を向上させる。
【解決手段】コネクタは、第1のスロット(101)を有する第1のハウジング(1)と、回路基板との電気接触のために第1のハウジング(1)に設けられた端子(5)と、第1のハウジング(1)の第1のスロット(101)に挿入され、回路基板を挿入するための第2のスロットを有する第2のハウジング(2)と、回路基板を第2のハウジング(2)に係止するために第2のハウジング(2)に取り付けられた係止部材(3)とで構成される。第2のハウジング(2)は、端子(5)が回路基板から電気的に分離されている事前取付位置と、端子(5)が回路基板と電気接触している最終取付位置との間で第1のハウジング(1)に対して移動可能であり、係止部材(3)は、回路基板から取り外された事前係止位置と、回路基板と係合している最終係止位置との間で移動可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスロット(101)を有する第1のハウジング(1)と、
回路基板(4)との電気接触のために前記第1のハウジング(1)に設けられた端子(5)と、
前記第1のハウジング(1)の前記第1のスロット(101)に挿入され、前記回路基板(4)を挿入するための第2のスロット(201)を有する第2のハウジング(2)と、
前記回路基板(4)を前記第2のハウジング(2)に係止するために前記第2のハウジング(2)に取り付けられた係止部材(3)と
を備えたコネクタであって、
前記第2のハウジング(2)は、前記端子(5)が前記回路基板(4)から電気的に分離されている事前取付位置と、前記端子(5)が前記回路基板(4)と電気接触している最終取付位置との間で前記第1のハウジング(1)に対して移動可能であり、
前記係止部材(3)は、前記回路基板(4)から取り外された事前係止位置と、前記回路基板(4)と係合している最終係止位置との間で前記第2のハウジング(2)に対して移動可能であり、
前記回路基板(4)を挿入する前に、それぞれ、前記第2のハウジング(2)は前記事前取付位置に設置され、前記係止部材(3)は前記事前係止位置に設置される、コネクタ。
【請求項2】
前記第1のハウジング(1)は、その横断方向(X)の互いに反対側に左側壁および右側壁を有し、前記第1のハウジング(1)の前記左側壁および前記右側壁には、それぞれ、突起(11)が形成され、
前記第2のハウジング(2)の左側側面および右側側面には、第1の弾性バックル(21)が形成され、前記第1の弾性バックル(21)は、前記突起部(11)と係合して前記第2のハウジング(2)を前記事前取付位置に係止するために使用される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1の弾性バックル(21)は、第1の弾性アーム(21a)と、前記第1の弾性アーム(21a)の端部に形成されたフック状部(21b)とを備え、前記第1の弾性バックル(21)の前記フック状部(21b)は、前記第1のハウジング(1)の前記突起部(11)と係合して前記第2のハウジング(2)を前記事前取付位置に係止するために使用される、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1のハウジング(1)は、その高さ方向(Z)の互いに反対側に上壁および底壁を有し、前記第1のハウジング(1)の前記上壁には、スロット孔(12)が形成され、
前記第2のハウジング(2)の上面には、第2の弾性バックル(22)が形成され、前記第2の弾性バックル(22)は、前記スロット孔(12)と係合して前記第2のハウジング(2)を前記最終取付位置に係止するために使用される、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記第2の弾性バックル(22)は、第2の弾性アーム(22a)と、前記第2の弾性アーム(22a)に形成された突起(22b)とを備え、前記第2の弾性バックル(22)の前記突起(22b)は、前記第1のハウジング(1)の前記スロット孔(12)と係合して前記第2のハウジング(2)を前記最終取付位置に係止するために使用される、請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第2のハウジング(2)は、その横断方向(X)の互いに反対側に左側側面および右側側面を有し、前記第2のハウジング(2)の前記左側側面および前記右側側面には、それぞれ、事前係止突起(23a)が形成され、
前記係止部材(3)は、それぞれ、前記第2のハウジング(2)の前記左側側面の前記事前係止突起(23a)および前記右側側面の前記事前係止突起(23a)との係合に適した2つの第3の弾性バックル(31)を備え、
前記係止部材(3)が前記事前係止位置にあるとき、前記第2のハウジング(2)の前記事前係止突起(23a)は、前記第3の弾性バックル(31)と係合して前記係止部材(3)を前記事前係止位置に係止する、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第2のハウジング(2)の前記左側側面および前記右側側面には、それぞれ、最終係止突起(23b)も形成され、前記事前係止突起(23a)および前記最終係止突起(23b)は、前記第2のハウジング(2)の前記高さ方向(Z)に離間され、
前記係止部材(3)が前記最終係止位置にあるとき、前記第2のハウジング(2)の前記最終係止突起(23b)は、前記第3の弾性バックル(31)と係合して前記係止部材(3)を前記最終係止位置に係止する、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記係止部材(3)は、前記第2のハウジング(2)の横断方向(X)に沿って延在する本体部(30)を備え、2つの前記第3の弾性バックル(31)は、前記本体部(30)の左端および右端にそれぞれ形成されている、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記係止部材(3)の前記本体部(30)の上面には、舌部(32)が形成され、前記舌部(32)は、前記回路基板(4)の挿入孔(42)に挿入して前記回路基板(4)を前記第2のハウジング(2)に係止するために使用される、請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記係止部材(3)が前記事前係止位置にあり、前記回路基板(4)が前記第2のハウジング(2)に挿入された状態のとき、前記係止部材(3)の前記舌部(32)は、前記回路基板(4)の前記挿入孔(42)に挿入されておらず、
前記係止部材(3)が前記最終係止位置にあり、前記回路基板(4)が前記第2のハウジング(2)に挿入された状態のとき、前記係止部材(3)の前記舌部(32)は、前記回路基板(4)の前記挿入孔(42)に挿入されている、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記第2のスロット(201)は、前記第2のハウジング(2)の底部に形成され、前記係止部材(3)は、前記第2のハウジング(2)の前記底部に取り付けられ、
前記第2のハウジング(2)の前記底部には、前記係止部材(3)の前記舌部(32)に対応する位置決めスロット(24)が形成され、
前記係止部材(3)が前記最終係止位置にあり、前記回路基板(4)が前記第2のハウジング(2)に挿入された状態のとき、前記係止部材(3)の前記舌部(32)は、前記回路基板(4)の前記挿入孔(42)を通過して、前記第2のハウジング(2)の前記位置決めスロット(24)に挿入されている、請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の前記コネクタと、
前記コネクタの前記第2のハウジング(2)に挿入された回路基板(4)と
を備えたコネクタアセンブリであって、
前記回路基板(4)には、導電パッド(41)が形成され、前記導電パッド(41)は、前記コネクタの前記端子(5)との電気接触のために使用される、コネクタアセンブリ。
【請求項13】
前記回路基板(4)には、前記係止部材(3)の前記舌部(32)と係合するための挿入孔(42)が形成されている、請求項12に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項14】
前記コネクタの前記第1のハウジング(1)には、端子(5)の列が設けられ、前記端子(5)は、前記第1のハウジング(1)の前記第1のスロット(101)に配置された弾性コンタクト部(5a)を有し、
前記回路基板(4)には、導電パッド(41)の列が形成され、前記導電パッド(41)の列は、前記第2のハウジング(2)の外部に露出し、前記端子(5)の列の前記弾性コンタクト部(5a)と電気接触している、請求項12に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項15】
前記第1のスロット(101)は、前記第1のハウジング(1)の長手方向(Y)の互いに反対側に開口部および底壁を有し、前記端子(5)は、前記第1のスロット(101)の前記底壁から露出した溶接部(5b)を有し、
前記コネクタは、前記第1のハウジング(1)に固定された金属製固定部材(6)をさらに備え、前記金属製固定部材(6)と前記端子(5)の前記溶接部(5b)とは、前記回路基板への溶接のために使用される、請求項14に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項16】
前記回路基板(4)は、フレキシブルプリント回路基板である、請求項12に記載のコネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年4月7日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第202320760626.7号の利益を主張し、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、コネクタおよびコネクタを備えるコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、フレキシブルプリント回路基板(FPCと呼ばれる)用のコネクタは、典型的には、第1のハウジング、第2のハウジング、係止部材、および端子を備える。第1のハウジングには、第2のハウジングを挿入するための第1のスロットが形成されている。第2のハウジングには、FPCを挿入するための第2のスロットが形成されている。端子は、FPCとの電気接触のために第2のハウジングに配置される。係止部材は、FPCを第2のハウジングに係止するために、第2のハウジングに取り付けられる。
【0004】
従来技術では、コネクタの第1のハウジング、第2のハウジング、および係止部材は、予め互いに組み付けておくことができない。そのため、コネクタを組み立てる際、ユーザは、まずFPCを第2のハウジングに挿入し、次いでFPCを第2のハウジングに係止するために係止部材を第2のハウジングに取り付け、最後に第2のハウジングを第1のハウジングに挿入することが必要となる。これにより、コネクタ全体の組立て工程がより複雑となり、コネクタの組立て効率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の欠点の少なくとも1つの側面を克服または緩和するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、コネクタが提供される。コネクタは、第1のスロットを有する第1のハウジングと、回路基板との電気接触のために第1のハウジングに設けられた端子と、第1のハウジングの第1のスロットに挿入され、回路基板を挿入するための第2のスロットを有する第2のハウジングと、回路基板を第2のハウジングに係止するために第2のハウジングに取り付けられた係止部材とで構成される。第2のハウジングは、端子が回路基板から電気的に分離されている事前取付位置(予備取付位置、pre installation position)と、端子が回路基板と電気接触している最終取付位置との間で第1のハウジングに対して移動可能であり、係止部材は、回路基板から取り外された事前係止位置(予備係止位置、pre locking position)と、回路基板と係合している最終係止位置との間で第2のハウジングに対して移動可能であり、回路基板を挿入する前に、それぞれ、第2のハウジングは事前取付位置に設置され、係止部材は事前係止位置に設置される。
【0007】
本発明の例示的な実施形態によれば、第1のハウジングは、その横断方向の互いに反対側に左側壁および右側壁を有し、第1のハウジングの左側壁および右側壁には、それぞれ、突起が形成され、第2のハウジングの左側側面および右側側面には第1の弾性バックルが形成され、第1の弾性バックルは、突起部と係合して第2のハウジングを事前取付位置に係止するために使用される。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の弾性バックルは、第1の弾性アームと、第1の弾性アームの端部に形成されたフック状部とを備え、第1の弾性バックルのフック状部は、第1のハウジングの突起部と係合して第2のハウジングを事前取付位置に係止するために使用される。
【0009】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1のハウジングは、その高さ方向の互いに反対側に上壁および底壁を有し、第1のハウジングの上壁にはスロット孔が形成され、第2のハウジングの上面には、第2の弾性バックルが形成され、第2の弾性バックルは、スロット孔と係合して第2のハウジングを最終取付位置に係止するために使用される。
【0010】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第2の弾性バックルは、第2の弾性アームと、第2の弾性アームに形成された突起とを備え、第2の弾性バックルの突起は、第1のハウジングのスロット孔と係合して第2のハウジングを最終取付位置に係止するために使用される。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第2のハウジングは、その横断方向の互いに反対側に左側側面および右側側面を有し、第2のハウジングの左側側面および右側側面には、それぞれ、事前係止突起が形成され、係止部材は、それぞれ、第2のハウジングの左側側面の事前係止突起および右側側面の事前係止突起との係合に適した2つの第3の弾性バックルを備え、係止部材が事前係止位置にあるとき、第2のハウジングの事前係止突起は、第3の弾性バックルと係合して係止部材を事前係止位置に係止する。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第2のハウジングの左側側面および右側側面には、それぞれ、最終係止突起も形成され、事前係止突起および最終係止突起は、第2のハウジングの高さ方向に離間され、係止部材が最終係止位置にあるとき、第2のハウジングの最終係止突起は、第3の弾性バックルと係合して係止部材を最終係止位置に係止する。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、係止部材は、第2のハウジングの横断方向に沿って延在する本体部を備え、2つの第3の弾性バックルは、本体部の左端および右端にそれぞれ形成される。
【0014】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、係止部材の本体部の上面には、舌部が形成され、舌部は、回路基板の挿入孔に挿入して回路基板を第2のハウジングに係止するために使用される。
【0015】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、係止部材が事前係止位置にあり、回路基板が第2のハウジングに挿入された状態のとき、係止部材の舌部は、回路基板の挿入孔に挿入されておらず、係止部材が最終係止位置にあり、回路基板が第2のハウジングに挿入された状態のとき、係止部材の舌部は、回路基板の挿入孔に挿入されている。
【0016】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第2のスロットは、第2のハウジングの底部に形成され、係止部材は、第2のハウジングの底部に取り付けられ、第2のハウジングの底部には、係止部材の舌部に対応する位置決めスロットが形成され、係止部材が最終係止位置にあり、回路基板が第2のハウジングに挿入された状態のとき、係止部材の舌部は、回路基板の挿入孔を通過して第2のハウジングの位置決めスロットに挿入されている。
【0017】
本発明の別の態様によれば、コネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、上記コネクタと、コネクタの第2のハウジングに挿入された回路基板とで構成される。回路基板には、導電パッドが形成され、導電パッドは、コネクタの端子との電気接触のために使用される。
【0018】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、回路基板には、係止部材の舌部と係合するための挿入孔が形成されている。
【0019】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、コネクタの第1のハウジングには端子の列が設けられ、端子は、第1のハウジングの第1のスロットに配置された弾性コンタクト部を有し、回路基板には導電パッドの列が形成され、導電パッドの列は、第2のハウジングの外部に露出し、端子の列の弾性コンタクト部と電気接触している。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1のスロットは、第1のハウジングの長手方向の互いに反対側に開口部および底壁を有し、端子は、第1のスロットの底壁から露出した溶接部を有し、コネクタは、第1のハウジングに固定された金属製固定部材をさらに備え、金属製固定部材と端子の溶接部とは、回路基板への溶接のために使用される。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、回路基板は、フレキシブルプリント回路基板である。
【0022】
本発明の前述の例示的な実施形態において、回路基板を挿入する前に、製造工場でコネクタの第1のハウジング、第2のハウジング、および係止部材を予め互いに組み付けることができる。これにより、ユーザがコネクタを組み立てる際の工程を大幅に減らし、コネクタの組立て効率を向上させることができる。
【0023】
本発明の上述および他の特徴は、以下の添付の図面を参照してその例示的な実施形態を詳細に説明することにより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による、コネクタアセンブリの例示的な斜視図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による、コネクタの例示的な分解図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による、コネクタの第1のハウジングの例示的な斜視図である。
【
図4】本発明の例示的な実施形態による、コネクタの第2のハウジングおよび係止部材の例示的な斜視図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態による、コネクタの例示的な斜視図であり、第1のハウジング、第2のハウジング、および係止部材は、予め互いに組み付けられている。
【
図6】
図5に示すコネクタの水平断面図であり、第1の弾性バックルは、突起と係合して第2のハウジングを事前取付位置に係止している。
【
図7】
図5に示すコネクタの縦断面図であり、係止部材は、事前係止位置にある。
【
図8】回路基板を
図5に示すコネクタに挿入する例示的な図であり、それぞれ、第2のハウジングは事前取付位置にあり、係止部材は事前係止位置にある。
【
図9】本発明の例示的な実施形態による、第2のハウジングおよび回路基板の例示的な組立図である。
【
図10】本発明の例示的な実施形態による、第2のハウジングおよび回路基板の例示的な分解図である。
【
図11】
図8に示すコネクタおよび回路基板の断面図であり、それぞれ、第2のハウジングは事前取付位置にあり、係止部材は事前係止位置にある。
【
図12】本発明の例示的な実施形態による、コネクタおよび回路基板の例示的な組立図であり、それぞれ、第2のハウジングは最終取付位置にあり、係止部材は最終係止位置にある。
【
図13】
図12に示すコネクタおよび回路基板の断面図であり、それぞれ、第2のハウジングは最終取付位置にあり、係止部材は最終係止位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の例示的な実施形態について、添付の図面を参照して以下で詳細に説明する。同様の参照符号は、同様の要素を指す。但し、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。そうではなく、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全となり、本開示の概念を当業者に完全に伝えるように提供される。
【0026】
以下の詳細な説明において、説明の目的で、開示される実施形態の完全な理解を提供するために多くの具体的な詳細が記載される。但し、1つまたは複数の実施形態が、これらの具体的な詳細なしに実践され得ることは明らかであろう。他の例では、周知の構造および装置が、図面を簡略化するために概略的に示される。
【0027】
本発明の一般概念によれば、コネクタが提供される。コネクタは、第1のスロットを有する第1のハウジングと、回路基板との電気接触のために第1のハウジングに設けられた端子と、第1のハウジングの第1のスロットに挿入され、回路基板を挿入するための第2のスロットを有する第2のハウジングと、回路基板を第2のハウジングに係止するために第2のハウジングに取り付けられた係止部材とで構成される。第2のハウジングは、端子が回路基板から電気的に分離された事前取付位置と、端子が回路基板と電気接触している最終取付位置との間で第1のハウジングに対して移動可能であり、係止部材は、回路基板から取り外された事前係止位置と、回路基板と係合している最終係止位置との間で第2のハウジングに対して移動可能であり、回路基板を挿入する前に、それぞれ、第2のハウジングは事前取付位置に設置され、係止部材は事前係止位置に設置される。
【0028】
本発明の別の一般概念によれば、コネクタアセンブリが提供される。コネクタアセンブリは、上記コネクタと、コネクタの第2のハウジングに挿入された回路基板とで構成される。回路基板には、導電パッドが形成され、導電パッドは、コネクタの端子との電気接触のために使用される。
【0029】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、コネクタアセンブリの例示的な斜視図を示す。
図2は、本発明の例示的な実施形態による、コネクタの例示的な分解図を示す。
図3は、本発明の例示的な実施形態による、コネクタの第1のハウジングの例示的な斜視図を示す。
図4は、本発明の例示的な実施形態による、コネクタの第2のハウジングおよび係止部材の例示的な斜視図を示す。
図5は、本発明の例示的な実施形態による、コネクタの例示的な斜視図を示し、第1のハウジング、第2のハウジング、および係止部材は、予め互いに組み付けられている。
【0030】
図1~
図6に示すように、本発明の例示的な実施形態において、コネクタが開示される。コネクタは、主に、第1のハウジング1、第2のハウジング2、係止部材3、および端子5を含む。第1のハウジング1は、第1のスロット101を有する。端子5は、回路基板4との電気接触のために第1のハウジング1に配置される。第2のハウジング2は、第1のハウジング1の第1のスロット101に挿入され、回路基板4を挿入するための第2のスロット201を有する(
図9および
図10参照)。係止部材3は、回路基板4を第2のハウジング2に係止するために第2のハウジング2に取り付けられる。
【0031】
図6は、
図5に示すコネクタの水平断面図を示し、第1の弾性バックル21は、突起部11と係合して第2のハウジング2を事前取付位置に係止している。
図7は、
図5に示すコネクタの縦断面図を示し、係止部材3は、事前係止位置にある。
図8は、回路基板4を
図5に示すコネクタに挿入する例示の図を示し、それぞれ、第2のハウジング2は事前取付位置にあり、係止部材3は事前係止位置にある。
図9は、本発明の例示的な実施形態による、第2のハウジング2および回路基板4の例示的な組立図を示す。
図10は、本発明の例示的な実施形態による、第2のハウジング2および回路基板4の例示的な分解図を示す。
図11は、
図8に示すコネクタおよび回路基板4の断面図を示し、それぞれ、第2のハウジング2は事前取付位置にあり、係止部材3は事前係止位置にある。
図12は、本発明の例示的な実施形態による、コネクタおよび回路基板4の例示の組立図を示し、それぞれ、第2のハウジング2は最終取付位置にあり、係止部材3は最終係止位置にある。
図13は、
図12に示すコネクタおよび回路基板4の断面図を示し、それぞれ、第2のハウジング2は最終取付位置にあり、係止部材3は最終係止位置にある。
【0032】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、第2のハウジング2は、端子5が回路基板4から電気的に分離されている事前取付位置と、端子5が回路基板4と電気的に接触している最終取付位置との間で第1のハウジング1に対して移動可能となっている。係止部材3は、回路基板4から取り外された事前係止位置と、回路基板4と係合している最終係止位置との間で第2のハウジング2に対して移動可能となっている。図示の実施形態では、回路基板4を挿入する前に、それぞれ、第2のハウジング2は事前取付位置に設置され、係止部材3は、事前係止位置に設置されている。したがって、本発明では、回路基板4を挿入する前に、第1のハウジング1、第2のハウジング2、および係止部材3を予め互いに組み付けることができ、これにより、ユーザがコネクタを組み立てる際の工程を減らし、組立て効率を向上させることができる。
【0033】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、前述の回路基板4は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)とすることができる。
【0034】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、第1のハウジング1は、その横断方向Xの互いに反対側に左側壁および右側壁を有し、第1のハウジング1の左側壁および右側壁には、それぞれ、突起部11が形成されている。第2のハウジング2の左側側面および右側側面には、それぞれ、第1の弾性バックル21が形成され、第1の弾性バックル21は、突起部11と係合して第2のハウジング2を事前取付位置に係止するために使用される。
【0035】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、第1の弾性バックル21は、第1の弾性アーム21aと、第1の弾性アーム21aの端部に形成されたフック状部21bとを含む。第1の弾性バックル21のフック状部21bは、第1のハウジング1の突起部11と係合して第2のハウジング2を事前取付位置に係止するために使用される。
【0036】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、第1のハウジング1は、その高さ方向Zの互いに反対側に上壁および底壁を有し、第1のハウジング1の上壁には、スロット孔12が形成されている。第2のハウジング2の上面には、第2の弾性バックル22が形成され、第2の弾性バックル22は、スロット孔12と係合して第2のハウジング2を最終取付位置に係止するために使用される。
【0037】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、第2の弾性バックル22は、第2の弾性アーム22aと、第2の弾性アーム22aに形成された突起22bとを含む。第2の弾性バックル22の突起22bは、第1のハウジング1のスロット孔12と係合して第2のハウジング2を最終取付位置に係止するために使用される。
【0038】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、第2のハウジング2は、その横断方向Xの互いに反対側に左側側面および右側側面を有し、第2のハウジング2の左側側面および右側側面には、それぞれ、事前係止突起23aが形成されている。係止部材3は、それぞれ、第2のハウジング2の左側側面の事前係止突起23aおよび右側側面の事前係止突起23aとの係合に適した2つの第3の弾性バックル31を含む。係止部材3が、事前係止位置にあるとき、第2のハウジング2の事前係止突起23aは、第3の弾性バックル31と係合して係止部材3を事前係止位置に係止する。
【0039】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、第2のハウジング2の左側側面および右側側面には、それぞれ、最終係止突起23bも形成されている。事前係止突起23aおよび最終係止突起23bは、第2のハウジング2の高さ方向Zに離間されている。係止部材3が最終係止位置にあるとき、第2のハウジング2の最終係止突起23bは、第3の弾性バックル31と係合して係止部材3を最終係止位置に係止する。
【0040】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、係止部材3は、第2のハウジング2の横断方向Xに沿って延在する本体部30を含み、本体部30の左端および右端には、それぞれ、2つの第3の弾性バックル31が形成されている。
【0041】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、係止部材3の本体部30の上面に、舌部32が形成され、舌部32は、回路基板4の挿入孔42に挿入して回路基板4を第2のハウジング2に係止するために使用される。
【0042】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、係止部材3が事前係止位置にあり、回路基板4が第2のハウジング2に挿入された状態のとき、係止部材3の舌部32は、回路基板4の挿入孔42に挿入されていない。係止部材3が、最終係止位置にあり、回路基板4が第2のハウジング2に挿入された状態のとき、係止部材3の舌部32は、回路基板4の挿入孔42に挿入されている。
【0043】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、第2のスロット201は、第2のハウジング2の底部に形成され、係止部材3は、第2のハウジング2の底部に取り付けられている。第2のハウジング2の底部には、係止部材3の舌部32に対応する位置決めスロット24が形成されている。係止部材3が最終係止位置にあり、回路基板4が第2のハウジング2に挿入された状態のとき、係止部材3の舌部32は、回路基板4の挿入孔42を通過して第2のハウジング2の位置決めスロット24に挿入されている。
【0044】
図1~
図13に示すように、本発明の別の例示的な実施形態では、コネクタアセンブリも開示される。コネクタアセンブリは、前述のコネクタと、コネクタの第2のハウジング2に挿入された回路基板4とを含む。回路基板4には、導電パッド41が形成され、導電パッド41は、コネクタの端子5との電気接触のために使用される。
【0045】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、回路基板4に、係止部材3の舌部32と係合するための挿入孔42が形成されている。
【0046】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、コネクタの第1のハウジング1に端子5の列が設けられ、端子5は、第1のハウジング1の第1のスロット101に配置された弾性コンタクト部5aを有する。回路基板4には、導電パッド41の列が形成され、導電パッド41の列は、第2のハウジング2から露出し、端子5の列の弾性コンタクト部5aと電気接触している。
【0047】
図1~
図13に示すように、図示の実施形態では、第1のスロット101は、第1のハウジング1の長手方向Yの互いに反対側に開口部および底壁を有し、端子5は、第1のスロット101の底壁から露出した溶接部5bを有する。コネクタはまた、第1のハウジング1に固定された金属製固定部材6を含み、金属製固定部材6と端子5の溶接部5bとは、回路基板(図示せず)に溶接するために使用される。例えば、コネクタは、表面実装によって回路基板にはんだ付けされてもよい。
【0048】
当業者であれば、上記実施形態は、例示を意図したものであり、限定的なものではないことを理解されたい。例えば、当業者によって多くの修正を上記実施形態に行うことができ、様々な実施形態で説明した各種特徴を、構成または原理を矛盾させることなく、互いに自由に組み合わせることができる。
【0049】
いくつかの例示的な実施形態を示し、説明してきたが、当業者であれば、その範囲が特許請求項およびそれに相当するものにおいて定義される、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に対する様々な変更または修正が行われ得ることが理解されよう。
【0050】
本明細書で使用する場合、「1つの(a)」または「1つの(an)」という単語が先行する単数で記載される要素は、別段に明記されない限り、上記要素または工程が複数あることを除外しないことが理解されよう。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、同様に記載された特徴を組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されるものではない。また、別段に明記されない限り、ある特性を有する1つの要素または複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含むこともある。
【外国語明細書】