(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149454
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】コンディショニングトレイからキャップを分離するための装置
(51)【国際特許分類】
B67B 1/08 20060101AFI20241010BHJP
B65B 7/28 20060101ALI20241010BHJP
B67B 1/04 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B67B1/08
B65B7/28 N
B65B7/28 L
B67B1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061344
(22)【出願日】2024-04-05
(31)【優先権主張番号】2303537
(32)【優先日】2023-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】505003193
【氏名又は名称】アー レイモンド エ シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガエタン レイ
【テーマコード(参考)】
3E049
3E080
【Fターム(参考)】
3E049AA01
3E049AB02
3E049CA01
3E049DA01
3E049FA10
3E080AA10
3E080CE11
3E080CE20
3E080CF05
3E080CF07
(57)【要約】
【課題】コンディショニングトレイ上に集合的に保持されたキャップを分離するための装置の提供。
【解決手段】本発明は、ボトルを密封するためにキャップがボトルに取り付けられた後に、トレイから当該キャップを分離するための装置に関する。トレイは、プレートの下面上にキャップを保持するための複数の締結システムと、各締結システムを中心とする貫通開口部と、を備え、複数の開口部は、分布パターンに従って分布している。装置は、分布パターンに従って分布されたロッドが下面(上に設けられたクリップ解除プレートを備える。クリップ解除プレートは、各ロッドが開口部を通過することができるように、垂直軸に沿って移動可能である。第1のロッドと呼ばれるいくつかのロッドは、垂直軸に沿って第1の長さを有し、第2のロッドと呼ばれる他のロッドは、第1の長さよりも短い第2の長さを有する。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル(1)を密封するためにキャップ(2)が前記ボトル(1)に取り付けられた後に、トレイ(50)から前記キャップ(2)を分離するための装置であって、
前記トレイ(50)は、
-複数の締結システム(52)であって、各締結システム(52)は、キャップ(2)を保持するように構成され、前記トレイ(50)の下面(50b)上に配置される、複数の締結システム(52)と、
-各締結システム(52)を中心とする貫通開口部(51)であって、前記複数の開口部(51)は、分布パターンに従ってプレート(50)全体にわたって分布している、貫通開口部(51)と、を備え、
前記装置は、前記分布パターンに従って分布されたロッド(110,120)が下面(100b)上に設けられたクリップ解除プレート(100)を備え、前記クリップ解除プレート(100)は、前記トレイ(50)の上面(50a)に平行な水平面(x,y)内に延在し、各ロッド(110,120)が開口部(51)を通過することができるように、垂直軸(z)に沿って移動可能であり、
前記装置は、第1のロッド(110)と呼ばれる特定のロッドが、前記垂直軸(z)に沿って第1の長さを有し、第2のロッド(120)と呼ばれる他のロッドが、前記第1の長さよりも短い第2の長さを有することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1のロッド(110)は、前記クリップ解除プレート(100)の前記下面(100b)の中央領域に位置し、前記第2のロッド(120)は、周辺領域に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のロッド(110)は、前記クリップ解除プレート(100)の前記下面(100b)の周辺領域に位置し、前記第2のロッド(120)は、中央領域に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のロッド(110)及び前記第2のロッド(120)は、前記クリップ解除プレート(100)の前記下面(100b)上に、互いに対して均一な分布に従って、場合によっては交互に配設される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のロッド(110)は、全ての前記ロッドの30%~70%に相当する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の長さと前記第2の長さとの間の差は、0.5mm~2mmである、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
手動で作動可能なレバー(160)、制御可能な空気圧又は電気シリンダを含む、前記垂直軸(z)に沿って前記クリップ解除プレート(100)を下降させるための機械的デバイスを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記水平面(x,y)に平行に前記トレイ(50)を保持するための支持体(150)を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記支持体(150)は、固定され、前記トレイ(50)を不動に保持することを可能にする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記支持体(150)は、移動可能であり、前記トレイ(50)を前記クリップ解除プレート(100)に向かって垂直に移動させることを可能にする、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記クリップ解除プレート(100)は、9個~100個のロッドを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
各タイプのトレイ(50)に適合するように、複数の取り外し可能かつ交換可能なクリップ解除プレート(100)を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の装置によって、トレイ(50)からキャップ(2)を分離する方法であって、
a)ボトル(1)を密封するために前記ボトル(1)上に前記キャップ(2)を集合的に結合する工程であって、各キャップ(2)は、ボトル(1)に取り付けられ、第1のトレイ(50)と呼ばれる前記トレイ(50)内にも保持され、前記ボトル(1)は、第2のトレイ(60)と呼ばれる別のトレイ(60)内に保持される、集合的に結合する工程と、
b)前記第1のロッド(110)を前記キャップ(2)の上側部分(23)と接触させるための、前記垂直軸(z)に沿った下方への第1の高さ(A1)までの前記クリップ解除プレート(100)の第1の変位の工程と、次いで
c)前記垂直軸(z)に沿って下方への前記クリップ解除プレート(100)の前記第1の変位を継続する工程であって、前記第1のトレイ(50)は、不動に保持され、前記第2のトレイ(60)は、前記キャップ(2)と前記第1のトレイ(50)との間の前記分離まで垂直に移動することができる、継続する工程と、又は
c’)前記第1のトレイ(50)の前記垂直軸(z)に沿った上方への第2の変位の工程であって、前記クリップ解除プレート(100)は、前記第1の高さ(A1)で不動に保持され、前記第2のトレイ(60)もまた、前記キャップ(2)と前記第1のトレイ(50)との間の分離まで不動に保持される、第2の変位の工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品のコンディショニングの分野に関する。特に、本発明は、医薬品用のボトルを密封するためにキャップが当該ボトルに取り付けられた後にキャップをコンディショニングトレイから分離するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボトルに医療用製品を充填した後にボトルを密封するように意図されたキャップは、使用前の保管、輸送及び取り扱いのために、コンディショニングトレイによって集合的に保持されるのが通例である。この集合的なコンディショニングにより、医療デバイスと見なされるこれらのキャップが、それらの間の接触及び摩擦によって汚染又は損傷されることを回避している。
【0003】
特許文献1は、このタイプのコンディショニングを提案している。コンディショニングトレイの下面上の締結システムによって保持されるキャップは、ボトル上に組み立てられ、ボトルはまた、トレイによって集合的に保持され得る。組み立て後、プレートに取り付けられたロッドが、キャップのトレイに設けられた開口部を通過するように、各キャップに沿って下方に移動され、各キャップがトレイから外れるまで各キャップを徐々に下方に押し下げる。
【0004】
ロッドの数がキャップの数に等しい場合に発生し得る欠点は、加えられる力が大きく、過度の撓みによりトレイを損傷する傾向があることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題を改善することを目的とする解決策を提案する。本発明は、コンディショニングトレイ上に集合的に保持されたキャップを分離するための装置に関し、この分離は、キャップがボトルに取り付けられてボトルを密封した後に行われる。本発明はまた、キャップとコンディショニングトレイとを分離する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ボトルを密封するためにキャップがボトルに取り付けられた後に、トレイから当該キャップを分離するための装置に関し、
トレイは、
-複数の締結システムであって、各締結システムは、キャップを保持するように構成され、トレイの下面に配置される、複数の締結システムと、
-各締結システムを中心とする貫通開口部であって、複数の開口部は、分布パターンに従ってトレイ上に分布している、貫通開口部と、を備え、
装置は、分布パターンに従って分布されたロッドが下面に設けられたクリップ解除プレートを備え、クリップ解除プレートは、トレイの上面に平行な水平面に沿って延在し、各ロッドが開口部を通過することができるように、垂直軸に沿って移動可能である。
【0008】
この装置は、第1のロッドと呼ばれる特定のロッドが、垂直軸に沿って第1の長さを有し、第2のロッドと呼ばれる他のロッドが、第1の長さよりも短い第2の長さを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の有利で非限定的な特徴によれば、これらの特徴は、個別に、又は任意の技術的に実現可能な組み合わせにおいて採用することができ、
-第1のロッドは、クリップ解除プレートの下面の中央領域に位置し、第2のロッドは、周辺領域に位置し、
-第1のロッドは、クリップ解除プレートの下面の周辺領域に位置し、第2のロッドは、中央領域に位置し、
-第1及び第2のロッドは、クリップ解除プレートの下面上に、互いに対して均一な分布に従って、場合によっては交互に配設され、
-第1のロッドは、ロッド全体の30%~70%を占め、
-第1の長さと第2の長さとの差は、0.5mm~2mmであり、
-装置は、手動で作動可能なレバー、又は制御可能な空気圧又は電気シリンダを含む、垂直軸に沿ってクリップ解除プレートを下降させるための機械的デバイスを備え、
-装置は、水平面に平行にトレイを保持するための支持体を備え、
-支持体は、固定され、トレイを不動に保つことを可能にし、
-支持体は、移動可能であり、トレイをクリップ解除プレートに向かって垂直方向に移動させることができ、
-クリップ解除プレートは、9個~100個のロッドを備え、
-装置は、各タイプのトレイに適合するように、複数の取り外し可能で交換可能なクリップ解除プレートを有する。
【0010】
本発明はまた、上述したような装置によってトレイからキャップを分離するための方法に関し、
a)ボトルを密封するためにボトル上のキャップを集合的に結合する工程であって、各キャップは、ボトルに取り付けられ、第1のトレイと呼ばれるトレイ内にも保持され、ボトルは、第2のトレイと呼ばれる別のトレイ内に保持される、集合的に結合する工程と、
b)第1のロッドをキャップの上側部分と接触させるための、垂直軸に沿った下方への第1の高さまでのクリップ解除プレートの第1の変位の工程と、次いで
c)垂直軸に沿って下方へのクリップ解除プレートの第1の変位を継続する工程であって、第1のトレイは、不動に保持され、第2のトレイは、キャップと第1のトレイとの間の分離まで垂直に移動することができ、継続する工程と、又は
c’)第1のトレイの垂直軸に沿った上方への第2の変位の工程であって、クリップ解除プレートは、第1の高さで不動に保持され、第2のトレイもまた、キャップと第1のトレイとの間の分離まで不動に保持される、第2の変位の工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1a】キャップを集合的に保持するためのコンディショニングトレイの2つの例を示す。
【
図1b】キャップを集合的に保持するためのコンディショニングトレイの2つの例を示す。
【
図2】クリップ型締結システムによってコンディショニングトレイ上に保持されたキャップの一例を示す。
【
図3】キャップで密封された医薬品ボトルの一例を示す図である。
【
図4】複数のキャップと薬液が充填された複数のボトルとの集合的な結合を示す図であり、キャップは第1のトレイから吊り下げられ、ボトルは第2のトレイに保持されている。
【
図5】キャップが吊り下げられた第1のトレイの上方に配置された、本発明による装置のクリップ解除プレートを示す。
【
図6a】第1のトレイの(中央の又は均一に分布された)領域の2つの例を示し、これらの領域に対向して、クリップ解除プレートの(異なる長さの)第1のロッド又は第2のロッドがもたらされる。
【
図6b】第1のトレイの(中央の又は均一に分布された)領域の2つの例を示し、これらの領域に対向して、クリップ解除プレートの(異なる長さの)第1のロッド又は第2のロッドがもたらされる。
【
図8a】本発明による分離方法の2つの工程を示す。
【
図8b】本発明による分離方法の2つの工程を示す。
【0012】
図中の同じ参照番号は、同じタイプの要素に対して使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、ボトル1を密封するためにキャップ2がボトル1に取り付けられた後に、当該キャップ2をコンディショニングトレイ50から分離するための装置に関する。
【0014】
キャップ2を保持するコンディショニングトレイ50は、以下の説明では第1のトレイ50と呼ばれる(
図1a)。第1のトレイ50は、上面50a及び下面50bを有する。その下面50bには、複数の取り付けシステム52が配置されている。各締結システム52は、キャップ2を保持するように構成される。締結システム52を見やすくするために、
図1aには、第1のトレイ50に取り付けられた単一のキャップ2が示されている。当然ながら、実際には、トレイ50の取り付けシステム52の各々によって1つのキャップ2が保持される。
【0015】
第1のトレイ50はまた、各締結システム52を中心とする貫通開口部51を備え、複数の開口部51は、分布パターンに従って第1のトレイ50全体にわたって分布している。第1のトレイの2つの例が
図1a及び
図1bに示されており、2つの異なる分布パターンを示している。当然ながら、トレイ50上に設けられる取り付けシステム52の数及びそれらのサイズ(キャップ2のサイズに応じて)に応じて、多くの他の分布パターンが可能である。
【0016】
図1a及び
図1bでは、各締結システム52は、第1のトレイ50の主平面(x,y)に対して実質的に垂直に延在し、キャップ2、有利には
図2に示すようにキャップ2の上側部分23と係合するように意図された爪53で終端する複数の可撓性ブランチから形成されたクリップに対応する。ブランチの数は、典型的には、2、3(
図1a)及び4(
図1b)の間で選択され得る。キャップ2の実質的に平坦な上面はまた、第1のトレイ50の下面に設けられたストッパ54に対して接触する。このストッパ54は、例えば、
図1a及び
図2の例では環状の形状である。
【0017】
締結システム52は、上述したようにクリップタイプであってもよいが、任意の他のタイプであってもよい。例えば、キャップ2は、変形可能な材料で作られた凹部内にクランプすることによって、又は磁気によって保持することができる(後者の場合、キャップはそれぞれ、関連する磁気締結システムと協働するための磁気要素を備えることが理解される)。
【0018】
これにより、キャップ2は、第1のトレイ50の下面50bを下方に向けたときに、下面50b側で垂直(図中のz軸方向)に吊り下げられた状態となる。
【0019】
各キャップ2は、充填後にボトル1のネック11aを閉鎖するように意図された弾性ストッパ21を収容する円筒形状の本体22a、22bを備える。各キャップ2は、閉鎖された上側部分23も備え、医薬品が充填されたボトル1を閉鎖し、確実に密封する機能を有する。有利には、例えば、欧州特許第2464577号又は仏国特許第3098504号に記載されているように、外側本体22a、上側キャップ23、ケージ22b、及びストッパ21(
図3)から形成される。ストッパ21の足部21aは、ボトル1のネック11aに挿入されてネック11aを閉鎖するように適合されており、その頭部21bは、ボトル1のリム13に当接し、ケージ22bによって支持されるように構成されている。外側本体22a内に軸方向移動の自由なく取り付けられたケージ22bは、可撓性タングを備え、該可撓性タングは、ストッパ21の保持、したがってボトル1の閉鎖を確実にするために、ボトル1のリム13の下でケージ22bを把持することを可能にする。
【0020】
したがって、本発明の文脈は、医療用ボトルのグループを充填及び収集するためのユニット又はラインの出口に、又はちょうど出口を対象とする。ボトル1の本体11は、第2のトレイ60と呼ばれるコンディショニングトレイ又は保持トレイ上に保持され、医薬品70を充填する工程、及びキャップ2によって閉鎖する工程に連続的に供され、キャップ2は、第1のトレイ50の下面50b上に保持される(
図4)。当然ながら、それぞれのトレイ50、60上のボトル1及びキャップ2の数及びそれぞれの配置は、このアセンブリに適合する。
【0021】
したがって、第2のトレイ60上に配置され、キャップ2によって密封されたボトル1があり、キャップ2自体は第1のトレイ50から吊り下げられている。したがって、次の工程では、充填され密封されたボトル1を個別に又は集合的に取り扱うことができるように、キャップ2を第1のトレイ50から分離することが必要である。
【0022】
本発明による装置の説明に戻ると、装置は、第1のトレイ50の貫通開口部51の分布パターンに従って分布されたロッド110、120が下面100bに設けられたクリップ解除プレート100を備える。クリップ解除プレート100は、第1のトレイ50の上面50aに平行な水平面(x,y)に沿って延在する。各ロッド110、120が、貫通開口部51を通過することによって、取り付けシステム52(
図5)によって把持されるキャップ2の上側部分23に当接することができるように、垂直軸zに沿って移動可能である。キャップ2に対して特定の支承力を加えることによって、ロッド110、120は、当該キャップ2を下方に移動させ、取り付けシステム52からのその取り外し又は分離をもたらす。
【0023】
本発明によれば、第1のロッド110と呼ばれるクリップ解除プレート100の特定のロッドは、垂直軸zに沿って第1の長さを有し、第2のロッド120と呼ばれる他のロッドは、第1の長さよりも短い第2の長さを有する。
【0024】
これらの2つの長さは、(第1のロッド110に対向する)キャップ2の第1のグループと(第2のロッド120に対向する)キャップ2の第2のグループとを連続的に分離するために、最初に第1のロッド110によって、次いで第2のロッド120によって、支承力の印加が順序付けられることを可能にする。このようにして、第1のトレイ50に加えられる全体的な力を制限することが可能であり、したがって、当該トレイの撓みが制御される。
【0025】
第1の実施形態によれば、第1のロッド110は、クリップ解除プレート100の下面100bの中央領域に位置し、
図6aに示す第1のトレイ50の中央領域Cに対向して位置するように意図されている。この場合、第2のロッド120は、クリップ解除プレートの周辺領域に位置する。
【0026】
第2の実施形態によれば、第1のロッド110は、クリップ解除プレート100の下面100bの周辺領域に位置し、第2のロッド120は、
図6aに示す第1のトレイ50の中央領域Cに対向して位置するように意図された中央領域に位置する。
【0027】
第3の実施形態によれば、第1のロッド110及び第2のロッド120は、クリップ解除プレート100の下面100b全体にわたって均一に分布される。一例として、第1のロッド110又は第2のロッド120は、
図6bに示す第1のトレイ50の領域Rに対向して位置することができる。
【0028】
第1のトレイ50上の開口部51の他の分布パターンに対して、第1のロッド110及び第2のロッド120は、互いに交互に配置されることができ、依然として、クリップ解除プレート100の下面100b全体にわたって均一な分布を有する。
【0029】
第4の実施形態によれば、第1のロッド110又は第2のロッド120は、クリップ解除プレート100の下面100bの中央領域と周辺領域との間に画定された環状領域内に配置される。
【0030】
クリップ解除プレート100は、限定するものではないが、キャップ2のコンディショニングトレイ50上に設けられた締結システム52の典型的な範囲の数である、9個~100個のロッドを備え得る。
【0031】
有利には、第1のロッド110(より長いロッド)は、考慮される実施形態にかかわらず、ロッドの総数の約30%~70%を占める。有利には、第1のロッド110は、ロッドの総数の40%~60%、例えば約50%を占める。
【0032】
第1の長さと第2の長さとの差は、0.5mm~2mmであり、この長さの差は、典型的には、軸線zに沿った変位以下であり、これにより、キャップ2と取り付けシステム52との間の完全な分離を達成することが可能になる。クリップ型締結システムの場合、この変位は、締結システム52の爪53とストッパ54との間のz軸に沿った距離のオーダーである。
【0033】
ロッドの総数が多い場合、クリップ解除プレート100は、任意選択で、第2の長さよりも短い第3の長さを有する第3のタイプのロッドを備えることができる。これは、3つの工程におけるキャップ2の分離の順序付けと、第1のトレイ50の偏向の制御の向上とを可能にする。
【0034】
別の選択肢によれば、クリップ解除プレート100の全てのロッドは、異なる長さを有し得る。ロッドは、次いで、無作為に、又はクリップ解除プレート100の点から長さを増加又は減少させることを目的とする特定の順序で分布され得る。
【0035】
有利には、キャップ2の上側部分23と接触してこれを押圧するようになったロッド110、120の端部は、当該上側部分23への損傷を防止するために平坦な表面を有する。この端面の面積は、貫通開口部51の面積よりも小さい(しかし、有利には貫通開口部51の面積に近い)。後者は、典型的には、キャップ2の上側部分(又は上側キャップ)23の((x,y)平面における)表面の40%~100%、優先的には50%~90%を表す。
【0036】
本発明による装置は、いくつかのタイプのクリップ解除プレート100を有することができ、各クリップ解除プレート100は、ロッド110、120の特性(第1及び第2のロッドの数、寸法、分布)及び特定の分布パターンを有し、キャップ2と特定の第1のトレイ50との間の分離に適合される。したがって、装置において、各クリップ解除プレート100は、キャップ2がそれらのトレイ50から取り外されるときに適切なプレート100の使用を可能にするために、取り外し可能かつ交換可能である。
【0037】
クリップ解除プレート100の変位を管理するために、装置は、垂直軸zに沿ってクリップ解除プレート100を下降及び上昇させるのに適した機械的デバイスを備える(
図7に矢印で概略的に示す)。このデバイスは、手動で作動可能なレバー160(
図9a及び
図9b)、又は好ましくは空気圧式若しくは制御可能な空気圧式シリンダを含むことができる。
【0038】
第1のトレイ50を水平面(x,y)に平行に、したがってクリップ解除プレート100に平行に保持するための支持体150も必要である。この支持体150は、本発明による装置の一部であってもよいし、例えばボトル1の集合的な充填及び密封ライン上に存在する他の装置の一部であってもよい。
【0039】
本発明による分離方法の以下の説明において、この支持体150は、固定されて第1のトレイ50を不動に保持することができるか、又は移動可能であって、第1のトレイ50の垂直移動がクリップ解除プレート100に向かって適用されること、すなわち直線的な上方移動を可能にすることができることが分かる。
【0040】
本発明はまた、上述の装置によって第1のトレイ50からキャップ2を分離するための方法に関する。
【0041】
この方法は、医薬品70を充填した後にボトル1を密封するための、ボトル1上のキャップ2の集合的な結合に対応する第1の工程a)を含む。この工程a)の終わりに、各キャップ2はボトル1に取り付けられ、また、取り付けシステム52を介して第1のトレイ50から吊り下げられる。ボトル1は、第2のトレイ60に保持される。
【0042】
次の工程b)は、第1のロッド110を対向するキャップ2(キャップ2の第1のグループ)の上側部分23と接触させることを可能にする、初期高さA0から第1の高さA1への、垂直軸zに沿った下方へのクリップ解除プレート100の第1の変位を含む。この第1の高さA1において、第1のロッド110よりも短い第2のロッド120は、対向するキャップ2(キャップ2の第2のグループ)の上側部分23に接触しない。これは
図8aに示されている。
【0043】
第1の変形例によれば、第1のトレイ50を水平面(x,y)に平行に保持するための支持体150は固定されている。次いで、本方法は、工程b)の後に、垂直軸zに沿った下向きのクリップ解除プレート100の第1の変位を継続する工程c)を含む。この工程の間、第1のトレイ50は不動に保持されるが、第2のトレイ60は、第1のトレイ50と第1及び第2のグループのキャップ2との間の分離まで、変形するか、又は垂直に下方に移動することができる(
図8b)。
【0044】
方法のこの第1の変形例を実装することを可能にする、本発明による装置が、
図9a及び
図9bに示されている。レバー160は、中心から外れた軸の周りを回転可能なローラ161に接続される。ローラ161は、クリップ解除プレート100の上面100aと接触しており、レバー160を下方に作動させると、クリップ解除プレート100を下降させることができる。上方に作動させると、クリップ解除プレート100を上昇させることができる。ローラ161が圧力を加えないときのプレート100の上昇は、(ロッド110、120の通過を可能にするための)穴を有する2つのプレート162a、162bの間に配置されたばね163のシステムによって可能になる。支持体150上に配置された下部プレート162bは固定され、上部プレート162aは軸zに沿って移動可能である。この例では、第1のトレイ50は、支持体150上に配置され、不動のままである。第2のトレイ60は、キャップ2が第1のトレイ50から分離されるとすぐに、自由に下方に移動する。クリップ解除プレート100と穴162a、162bを有する2つのプレートとによって形成されるアセンブリは、取り外し可能であり、第1のトレイ50の特性(支持されるキャップの数、分布パターンなど)に応じて交換することができる。
【0045】
第2のトレイ60又はボトル1(それらの底部が第2のトレイ60の底部から突出している場合)の着地面への衝撃を減衰させるために、工程c)の開始時に第2のトレイ60の下に第2のトレイ60からある距離(典型的には5cm未満)に配置された着地面上に減衰材料160を設けることができる。減衰材料は、例えば、エラストマーで作製されてもよい。
【0046】
あるいは、第2のトレイ60は、ロッド110、120によって加えられる支承力に応じて下降することを可能にする可動部材(図示せず)によって保持することができる。
【0047】
本方法の第2の変形例によれば、第1のトレイ50を水平面(x,y)に平行に保持する支持体150は、移動可能である。次いで、本方法は、工程b)の後に、垂直軸zに沿った上方への第1のトレイ50の変位(第2の変位と呼ばれる)に対応する工程c’)を含む。この工程の間、クリップ解除プレート100は、第1の高さA1で不動に保たれ、第2のトレイ60も不動に保持される。第2の変位は、第1のトレイ50とキャップ2のセットとの間の分離まで、第1のグループ及び第2のグループのそれぞれのキャップ2上に、第1のロッド110、次いで第2のロッド120の連続的な支承を引き起こす。
【0048】
説明した変形例のうちの1つによれば、キャップ2は、第1のトレイ50から分離され、ボトル1に固定され、ボトル1は、第2のトレイ60内に集合的に保持される。
【0049】
工程c)又はc’)の終わりに、第2のトレイ60上に保持された密封されたボトル1は、任意選択で、コンディショニングタンク内に配置されてもよい。
【0050】
この段階で、充填され密封されたボトル1を搬送しコンディショニングするための従来の工程を実行することができる。
【0051】
本発明による分離装置及び関連する方法は、第1のトレイ50のためのキャップ2の効果的でより制約の少ない取り外しを可能にし、有利には、再利用のために再コンディショニングすることができる。異なる長さのロッド110、120による2つ以上の工程での分離シーケンスは、第1のトレイ50の制御された偏向を引き起こし、クリップ解除プレート100によって加えられる支承力を制限する。
【0052】
当然ながら、本発明は、説明された実施形態に限定されず、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、変形実施形態をそれに追加することができる。