(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014946
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】レンジ外ビークルのための中間ビークルリピータ
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
G08G1/09 H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023194137
(22)【出願日】2023-11-15
(62)【分割の表示】P 2019137751の分割
【原出願日】2019-07-26
(31)【優先権主張番号】16/054,201
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ドルー カニンガム
(57)【要約】
【課題】レンジ外ビークルのための中間ビークルリピータの提供。
【解決手段】狭域通信技術によるビークルツービークル(V2V)通信は、中間ビークルを使用してホストビークルからターゲットビークルへとメッセージを送信することによって拡張可能である。ホストビークルは、ターゲットビークルにとって有益であり得る道路状態を識別する。中間ビークルは、ホストビークルからターゲットビークルへ、識別された道路状態を詳述するメッセージを中継する。メッセージは、中間ビークルによってその通信レンジ内に再同報通信されることができ、または、中間ビークルはターゲットビークルに情報を伝送するために新規メッセージを生成することができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得することと、
前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信することと、
前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別することであって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、トリガ状態を識別することと、
前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別することと、
前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が前記通信スレッショルド外であると判別することが、
前記第3のビークルと前記第1のビークルの間の第1の接続を確立することと、
前記第3のビークルと前記第2のビークルの間の第2の接続を確立することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トリガ状態を識別することが、
前記獲得されたデータを分析して、前記トリガ状態に貢献する前記道路状態の一部分を識別することと、
前記第2のビークルの状態動力学を処理することと、
前記第1のビークルと前記第2のビークルの間の通信妨害を決定することと、
前記第1のビークルからの信号を検出することであって、前記信号が前記第3のビークルにより不安定なものとして決定されている、信号を検出することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することが、
前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認することと、
前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名することと、
前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することと、
を含み、
前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することが、
前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードすることと、
あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トリガ状態が、
前記第1のビークルのトラクションコントロールロス、
前記第1のビークルにおけるブレーキの不具合、
前記第1および第2のビークル間の衝突の可能性、
前記第2のビークルによる反応を必要とする第1のビークルによる運動および位置、
前記第2のビークルにとって危険な前記第1のビークルを追越そうと試みる操作、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得することと、
前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信することと、
前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別することであって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、トリガ状態を識別することと、
前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別することと、
狭域通信(DSRC)トラフィックがネットワークトラフィックスレッショルドを超えているか否かを判別することと、
前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、
を含む方法。
【請求項7】
前記DSRCトラフィックが前記ネットワークトラフィックスレッショルドを超えていると判別することが、
前記第1のビークルのリピータ特徴全体の少なくとも一部分を無効化すること、
を含み、
前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が前記通信スレッショルド外であると判別することが、
前記第3のビークルと前記第1のビークルの間の第1の接続を確立することと、
前記第3のビークルと前記第2のビークルの間の第2の接続を確立することと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記トリガ状態を識別することが、
前記獲得されたデータを分析して、前記トリガ状態に貢献する前記道路状態の一部分を識別することと、
前記第2のビークルの状態動力学を処理することと、
前記第1のビークルと前記第2のビークルの間の通信妨害を決定することと、
前記第1のビークルからの信号を検出することであって、前記信号が前記第3のビークルにより不安定なものとして決定されている、信号を検出することと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することが、
前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認することと、
前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名することと、
前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することと、
を含み、
前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することが、
前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードすることと、
あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力することと、
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
1つ以上のコンピュータプロセッサと、
1つ以上のリピータ特徴と、
1つ以上のセンサと、
1つ以上のユーザインタフェースと、
1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、
前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つが実行するために前記1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム命令であって、
少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得するためのプログラム命令と、
前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信するためのプログラム命令と、
前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別するためのプログラム命令であって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、プログラム命令と、
前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別するためのプログラム命令と、
狭域通信(DSRC)トラフィックがネットワークトラフィックスレッショルドを超えているか否かを判別するためのプログラム命令と、
前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、
を含むプログラム命令と、
を含むコンピュータシステム。
【請求項11】
前記DSRCトラフィックが前記ネットワークトラフィックスレッショルドを超えていると判別するためのプログラム命令が、
前記1つ以上のリピータ特徴のうちの前記第1のビークル内の少なくとも1つのリピータ特徴全体の少なくとも一部分を無効化するためのプログラム命令、
を含む、請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が前記通信スレッショルド外であると判別するためのプログラム命令が、
前記第3のビークルと前記第1のビークルの間の第1の接続を確立するためのプログラム命令と、
前記第3のビークルと前記第2のビークルの間の第2の接続を確立するためのプログラム命令と、
を含む、請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記トリガ状態を識別するためのプログラム命令が、
前記獲得されたデータを分析して、前記トリガ状態に貢献する前記道路状態の一部分を識別するためのプログラム命令と、
前記第2のビークルの状態動力学を処理するためのプログラム命令と、
前記第1のビークルと前記第2のビークルの間の通信妨害を決定するためのプログラム命令と、
前記第1のビークルからの信号を検出するためのプログラム命令であって、前記信号が前記第3のビークルにより不安定なものとして決定されている、プログラム命令と、
を含む、請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信するためのプログラム命令が、
前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認するためのプログラム命令と、
前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名するためのプログラム命令と、
前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送するためのプログラム命令と、
を含む、請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送するためのプログラム命令が、
前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードすることと、
あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力することと、
を含む、請求項14に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
開示された技術は、概して、ビークル(車両、乗り物、輸送機関)間の無線通信に関し、より詳細には、いくつかの実施形態は、ビークル間の無線通信能力を拡張するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
インテリジェント交通システム(ITS)は、輸送および交通管理方式に関連するサービスを提供するアプリケーションである。インテリジェント交通システムのために、さまざまな形態の無線通信技術が提案されてきた。2つのエンティティの間が典型的に350メートル以下である比較的ショートレンジの通信は、米国運輸省により推進されているように、ビークル環境無線アクセス(WAVE)および狭域通信(DSRC)規格を使用して達成可能である。
【0003】
ビークルツーインフラストラクチャ(V2I)は、ビークルが走行しまたは曝露されるインフラストラクチャからビークルが生成するトラフィックデータを捕捉する、インテリジェント交通システムの1タイプである。同様にして、V2Iは、インフラストラクチャからビークルに、勧告としてデータを無線で送信する。
【0004】
ビークルツービークル(V2V)は、2つ以上の異なるビークルが互いに無線で通信できるようにするインテリジェント交通システムの1つのタイプである。これらのビークルが走行する道路上には、アドホック無線ネットワークが形成される。また、形成されたアドホック無線ネットワークは、ビークルアドホックネットワーク(VANET)と呼ばれる。DSRC(狭域通信)は、V2V通信に使用される1方向または2方向のショートレンジないしミディアムレンジ無線通信チャネルである。米国では、DSRCのために5.9ギガヘルツ(GHz)帯域内で75メガヘルツ(MHz)のスペクトルが割当てられている。欧州では、DSRCのために、5.9GHz帯域内で30MHzのスペクトルが割当てられている。世界の他の地域では、DSRCのために、赤外線、異なるボーレート及びプロトコルが実装される。また、ビークル間の無線通信のために、他の通信プロトコルまたは能力を利用してもよい。
【0005】
ホストビークルが、このホストビークルの通信近傍内に、複数の他のビークルと共に存在していてよい。ホストビークルおよび複数の他のビークルを内含するために、1つのビークル群が創出される。このビークル群内の各ビークルは、V2V技術または類似の技術を用いて互いに通信してもよい。動作中、ホストビークルは、複数のビークルセンサのうちの1つ以上を用いて、多数の車道状態のいずれかを検出してもよい。対象の状態が検出されると、ホストビークルは、この情報をその群内の他のビークルに(すなわちホストビークルの通信レンジ内の他のビークルに)通信して、これらのビークルに、可能性のある状態についてのアラートを出してもよい。例えば、ホストビークルは、次に到来する交差点における横方向交差交通(例えば交差点運動支援用)、進行パス路内におけるビークルの、より低速の移動、減速、または停止(例えば前方衝突警告)、レーン変更するときの隣接レーン内におけるビークルの存在(例えば死角警告/レーン変更警告)などの状態にあるターゲットビークル内のドライバにアラートを出すために、DSRCを使用してもよい。
【0006】
V2Vメッセージ用の通信レンジには制限がある。いくつかのインテリジェントビークルシステムにおいて、たとえターゲットビークルがホストビークルの通信レンジ外にあり得る場合であっても、ホストビークルからのメッセージが1つ以上のターゲットビークルに到達できるようにするためのリピータとしてインフラストラクチャ要素を使用してもよい。しかしながら、これらのインフラストラクチャ要素は、つねに利用可能であるわけではない。
【発明の概要】
【0007】
実施形態の簡単な概要
本開示中に開示されている技術の実施形態は、ビークル間の無線通信能力を拡張するためのデバイスおよび方法に向けられている。開示されている技術の一実施形態によると、以下が提供される。
【0008】
方法は、少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得することと、前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信することと、前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別することであって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、トリガ状態を識別することと、前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別することと、前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、を含んでもよい。
【0009】
さまざまな実施形態において、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が前記通信スレッショルド外であると判別することが、前記第3のビークルと前記第1のビークルの間の第1の接続を確立することと、前記第3のビークルと前記第2のビークルの間の第2の接続を確立することと、を含んでもよい。前記トリガ状態を識別することが、前記獲得されたデータを分析して、前記トリガ状態に貢献する前記道路状態の一部分を識別することと、前記第2のビークルの状態動力学を処理することと、前記第1のビークルと前記第2のビークルの間の通信妨害を決定することと、前記第1のビークルからの信号を検出することであって、前記信号が前記第3のビークルにより不安定なものとして決定されている、信号を検出することと、を含んでもよい。
【0010】
いくつかの利用分野において、前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することが、前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認することと、前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名することと、前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することと、を含んでもよい。前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することが、前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードすることと、あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力することと、を含んでもよい。
【0011】
さまざまなトリガ状態は、例えば、前記第1のビークルのトラクションコントロールロス、前記第1のビークルにおけるブレーキの不具合、前記第1および第2のビークル間の衝突の可能性、前記第2のビークルによる反応を必要とする第1のビークルによる運動および位置、前記第2のビークルにとって危険な前記第1のビークルを追越そうと試みる操作、を含んでもよい。
【0012】
さらなる実施形態において、方法は、少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得することと、前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信することと、前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別することであって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、トリガ状態を識別することと、前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別することと、狭域通信(DSRC)トラフィックがネットワークトラフィックスレッショルドを超えているか否かを判別することと、前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、を含んでもよい。
【0013】
前記DSRCトラフィックが前記ネットワークトラフィックスレッショルドを超えていると判別することが、前記第1のビークルのリピータ特徴全体の少なくとも一部分を無効化すること、を含んでもよい。前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が前記通信スレッショルド外であると判別することが、前記第3のビークルと前記第1のビークルの間の第1の接続を確立することと、前記第3のビークルと前記第2のビークルの間の第2の接続を確立することと、を含んでもよい。
【0014】
前記トリガ状態を識別することが、前記獲得されたデータを分析して、前記トリガ状態に貢献する前記道路状態の一部分を識別することと、前記第2のビークルの状態動力学を処理することと、前記第1のビークルと前記第2のビークルの間の通信妨害を決定することと、前記第1のビークルからの信号を検出することであって、前記信号が前記第3のビークルにより不安定なものとして決定されている、信号を検出することと、を含んでもよい。
【0015】
前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することが、前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認することと、前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名することと、前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することと、を含んでもよい。前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することが、前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードすることと、あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力することと、を含んでもよい。
【0016】
さまざまな前記識別されたシナリオが、前記第1のビークルのトラクションコントロールロス、前記第1のビークルにおけるブレーキの不具合、前記第1および第2のビークル間の衝突の可能性、前記第2のビークルによる反応を必要とする第1のビークルによる運動および位置、前記第2のビークルにとって危険な前記第1のビークルを追越そうと試みる操作、を含んでもよい。
【0017】
さらなる実施形態において、コンピュータシステムは、1つ以上のコンピュータプロセッサと、1つ以上のリピータ特徴と、1つ以上のセンサと、1つ以上のユーザインタフェースと、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つが実行するために前記1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム命令を含んでもよい。プログラム命令は、少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得するためのプログラム命令と、前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信するためのプログラム命令と、前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別するためのプログラム命令であって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、プログラム命令と、前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別するためのプログラム命令と、狭域通信(DSRC)トラフィックがネットワークトラフィックスレッショルドを超えているか否かを判別するためのプログラム命令と、前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、を含んでもよい。
【0018】
前記DSRCトラフィックが前記ネットワークトラフィックスレッショルドを超えていると判別するためのプログラム命令が、前記1つ以上のリピータ特徴のうちの前記第1のビークル内の少なくとも1つのリピータ特徴全体の少なくとも一部分を無効化するためのプログラム命令、を含んでもよい。
【0019】
前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が前記通信スレッショルド外であると判別するためのプログラム命令が、前記第3のビークルと前記第1のビークルの間の第1の接続を確立するためのプログラム命令と、前記第3のビークルと前記第2のビークルの間の第2の接続を確立するためのプログラム命令と、を含んでもよい。
【0020】
前記トリガ状態を識別するためのプログラム命令が、前記獲得されたデータを分析して、前記トリガ状態に貢献する前記道路状態の一部分を識別するためのプログラム命令と、前記第2のビークルの状態動力学を処理するためのプログラム命令と、前記第1のビークルと前記第2のビークルの間の通信妨害を決定するためのプログラム命令と、前記第1のビークルからの信号を検出するためのプログラム命令であって、前記信号が前記第3のビークルにより不安定なものとして決定されている、プログラム命令と、を含んでもよい。
【0021】
前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信するためのプログラム命令が、前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認するためのプログラム命令と、前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名するためのプログラム命令と、前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送するためのプログラム命令と、を含んでもよい。前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送するためのプログラム命令が、前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードすることと、あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力することと、を含んでもよい。
【0022】
図面の簡単な説明
1つ以上のさまざまな実施形態に係る、本開示に開示されている技術は、以下の図を参照しながら詳述される。図面は、例示のみを目的として提供され、開示された技術の典型的または例示的な実施形態を描いているにすぎない。これらの図面は、開示された技術を読者が容易に理解できるようにするために提供され、この技術の広がり、範囲または利用可能性を限定するものとみなされるものではない。例示を明瞭にしかつ容易にするため、これらの図面は必ずしも原寸に比例して作製されているわけではないということを指摘しておかなければならない。図面は次の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】本開示に開示されているシステムおよび方法のさまざまな実施形態を実装してもよいビークルの一例を示す。
【0024】
【
図1B】本開示で説明されている方法およびシステムの一実施形態に係る、中間ビークルがホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして役立っている沿道インスタンスの一例を示す。
【0025】
【
図2】本開示で説明されている方法およびシステムの一実施形態に係る、DSRCレンジ外のターゲットビークルとホストビークルの間でメッセージを送信するためのフローチャートを示す。
【0026】
【
図3】本開示で説明されている方法およびシステムの一実施形態に係る、ホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして中間ビークルを使用する例であって、ターゲットビークルがホストビークルに近づいてくるビークルである例を示す。
【0027】
【
図4】本開示で説明されている方法およびシステムの一実施形態に係る、ホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして中間ビークルを使用する例であって、ホストビークル、中間ビークル、およびターゲットビークルが隊列として互いに同じ方向に進行している例を示す。
【0028】
【
図5】本開示で説明されている方法およびシステムの一実施形態に係る、ホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして中間ビークルを使用する例であって、リレーとして役立ち得る可能性のある中間ビークルが1よりも多い例、を示す。
【0029】
【
図6】本開示で説明されている方法およびシステムの一実施形態に係る、メッセージリレーチェーンを創出する例を示す。
【0030】
【
図7】本開示で説明されている方法およびシステムの一実施形態に係る、DSRCトラフィックに基づいて、ホストビークルとターゲットビークルの間でメッセージを送信するためのフローチャートを示す。
【0031】
【
図8】開示されている技術の実施形態のさまざまな特徴を実装する上で使用されてもよい例示的計算モジュールを示す。
【0032】
図は、網羅的であること、あるいは開示された厳密な形態に本発明を限定することを意図されたものではない。本発明は、修正および改変を加えて実施可能であること、および開示された技術はクレームおよびその均等物によってのみ限定されること、を理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
実施形態の詳細な説明
本開示に開示された技術の実施形態は、レンジ(範囲ないし距離)、干渉、妨害または他の困難な事態が発生した場合に、ビークル間の通信能力を拡張するための方法およびシステムに向けられている。ホストビークルが、他のビークルのドライバにとって有益であり得る状態であって、当該他のビークルのドライバが近傍にいるまたは近傍にいることになりそうな状態を検出したときに、ホストビークルはこれらの他のビークル(本開示ではターゲットビークルと呼ばれる)に対し無線メッセージを送ってこれらのビークルにこの状態についてのアラートを出してもよい。検出された状態をホストビークルが通信できるようにするために、狭域通信(DSRC)技術または他の無線通信能力を活用してもよい。
【0034】
ホストビークルと1つ以上の意図されたターゲットビークルとの間の通信レンジを拡張する目的で、ホストビークルのレンジ内の1つ以上の他のビークルが通信リレーとして作動してもよい。このような中間ビークルまたはリレービークルは、ホストビークルから状態メッセージを受信し、受信した状態メッセージをレンジ外ターゲットに中継すべきと決定し、状態メッセージをターゲットビークルに中継してもよい。
【0035】
中間ビークルは、ホストから同報通信されたメッセージが他のターゲットビークルに向けて意図されたものであるか否かを判別し、これらの他のターゲットビークルの1つ以上がホストのレンジ外ではあるが中間ビークルのレンジ内にあるか否かを判別するように構成されてもよい。例えば、中間ビークルは、ホストビークルから状態メッセージを受信し、ターゲットビークルがホストビークルから遠すぎて状態メッセージを受信できないと決定してもよい。例えば、中間ビークルが、ターゲットビークルおよびホストビークルからの通信の受信信号強度を測定し、両ビークルがレンジ外であると決定することにより、レンジ外状態を検出してもよい。別の例として、中間ビークルはGPS位置情報または他の位置情報をホストビークルおよびターゲットビークルから受信し、両ビークル間の離隔距離に基づいて、これらのビークルが通信範囲外にあると決定してもよい。さらにもう1つの例として、中間ビークルは、干渉または妨害(例えばビークルのうちの1つがトンネルに進入)が、ホストビークルとターゲットビークルの間の通信を妨害していることを検出してもよい。
【0036】
中間ビークルが、ホストビークルからターゲットビークルへのメッセージを受信し、ホストビークルとターゲットビークルの間のレンジ外状態を検出しているという状況において、中間ビークルは、ターゲットビークルがホストからメッセージを受信する尤度を増大させるために、メッセージをターゲットビークルに中継してもよい。いくつかの実施形態において、中間ビークルはメッセージをホストビークルからターゲットビークルへ単純に中継してもよい。他の実施形態において、中間ビークルは当該状態についての情報を有する新規メッセージを生成し、新規メッセージをターゲットビークルに直接送信してもよい。したがって、中間ビークルは、DSRCまたは他の通信インタフェースを用いて、ホストビークルおよびターゲットビークルと組合せた形で作動してもよい。
【0037】
上述の例は、それぞれ1台のホストビークル、ターゲットビークルおよび中間ビークルに言及しているが、所与のシナリオにおいては、多数のホストビークル、中間ビークルおよびターゲットビークルが存在してもよい。同様に、さまざまなシナリオにおいて、所与のビークルは、そのビークルが動作している状況に応じて、ホストビークル、中間ビークルおよびターゲットビークルとして機能し得る。換言すると、メッセージを伝送するホストビークル、レンジ外ターゲットに状態メッセージを中継する中間ビークル、およびホストビークルまたは中間ビークルからメッセージを受信するターゲットビークル、として機能する能力をビークルに設けることができる。
【0038】
本開示に開示されているシステムおよび方法を、多数の異なるビークルおよびビークルタイプのいずれにおいて実装してもよい。例えば、本開示に開示されるシステムおよび方法を、自動車、トラック、オートバイ、リクリエーションビークル、および他の類似のオンロードまたはオフロードビークルとともに使用してもよい。さらに、本開示に開示されている原理は、他のビークルタイプに拡大してもよい。
図1Aは、さまざまな実施形態に係る、開示された技術を実装し得るビークルの一例を示す。
図2は、電気モータ184および内燃機関186を有するハイブリッドビークルであり得るビークル182を例示し、電気モータ184および内燃機関186両方はビークルを動かすための原動力を生成する。例えばガソリンまたはディーゼルエンジンなどの内燃機関186によって、さまざまなタイプの内燃機関を具体化してもよい。ブラシレス直流(DC)電気モータ、誘導電気モータまたはDC分巻電気モータなどの電気モータ184により、さまざまなタイプの電気モータを具体化してもよい。ビークル182はハイブリッドビークルとして示されているが、例えば電気ビークル、ガソリンまたはディーゼルビークル、水素ビークル、天然ガスビークルなどを含む非ハイブリッドビークルを使用してもよい。
【0039】
ビークル182は、電気モータ184を駆動するための電力を供給するためのバッテリ188を含んでもよい。バッテリ188は、例えば、鉛酸蓄電池、ニッケル-カドミウム電池、ナトリウム-硫黄電池、リチウム二次電池、水素二次電池またはレドックス型電池などの二次電池であってよい。また、バッテリ188は、大容量コンデンサまたは他の好適な電源であってもよい。ビークル182は1よりも多いバッテリを有していてよく、本開示に記載のプリチャージのタイミングの適用は、多数のバッテリ間で調整可能である。
【0040】
図示されていないものの、ビークル182が、バッテリ188の電流および電圧を検出するためのバッテリ電流/電圧検出センサをさらに含んでもよいということを理解すべきである。また、ビークル182は、バッテリ188から供給された電流を、電気モータ184により既定のトルクを生成するための電気値に変えるために、ドライバを含んでもよい。ドライバはさらに、電気モータ184からバッテリ188への再生電流を制御してもよい。ビークル182は、エンジン制御システム、ブレーキシステム/コンポーネント、ステアリングシステム/コンポーネント、論理コンポーネント、他のプロセッサなどの、ハイブリッドビークル内に典型的に見られる他の例示されていないコンポーネントを含んでもよい。
【0041】
ビークル182は、ビークル182の動作全体を制御するコントローラ190、コントローラ190に接続された1つ以上のセンサ192、および同様にコントローラ190に接続されたナビゲーションプロセッサ168を含んでもよい。コントローラ190は、ハイブリッドビークルの運転状態を定義する目的で、1つ以上のセンサ192から供給されるさまざまな検出信号に基づいて運転状態を判断することができる。
【0042】
いくつかの実施形態において、コントローラ190は、バッテリ188の電流値および電圧値からバッテリ188の残留電荷を計算してもよい。したがってコントローラ190は、ナビゲーションシステム164に供給され得る調整/最適化された交通状態予測に基づいて、バッテリ残留電荷の目標値を設定してもよい。このようにして、電気モータ184および/または内燃機関186の出力を調整して、バッテリ残留電荷を所望の目標値まで変動させてもよい。
【0043】
進行速度、ブレーキ起動、加速などのビークル182の動作特性を検出するために、1つ以上のセンサ192を含んでもよい。これらの動作センサは、例えばエンジン動作特性(例えば燃料流量、RPM、酸素流量、エンジンオイル温度など)を検出するためのセンサ、ビークル動作特性を検出するためのセンサ(例えば、ステアリングホイールエンコーダなどのステアリング入力センサ、加えられた制動量を検出するためのブレーキセンサ、スロットル入力量を検出するためのセンサなど)、およびビークル動力学を検出するためのセンサ(例えばビークルのロール、ピッチおよびヨーを検出するための加速度計、ホイール変位を検出するための加速度計など)を含んでもよい。また、ビークルの周囲環境の外部特性を検出するために、センサ192を含んでもよい。これらの外部センタは、例えば、ビークルを取り囲む物体の存在を検出し識別するためのカメラ、外部物体までの距離および距離デルタ(例えば、他のビークルまでの距離、最低地上高、外部物体までの距離など)を検出するためのレーダ、ライダ、赤外線または他の近接センサ、気象状態を検出するための温度、圧力および湿度センサ、ならびに、他の外部状態を検出するための他のセンサを含んでもよい。例えば、レーンの存在(例えば道路内のライン、縁石材料、中央分離帯などを検出することによる)、交通標識、道路の湾曲、障害物などを検出するために、画像センサを使用することができる。センサには、受動的環境物体を能動的に検出するために使用可能なものもあるが、スマート車道を実装するのに使用される物体などの能動的物体を検出するために、他のセンサを含んで使用することができ、スマート車道は、データまたは他の情報を積極的に伝送してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、センサ182は、道路状態を検出し識別するための結果を計算する独自の処理能力を含んでもよい。他の実施形態において、センサ130は、コントローラに未加工データのみを提供するデータ収集専用センサであってよく、コントローラはこの情報を他のセンサからの情報と共に使用して、道路状態を検出し識別することができる。さらなる実施形態においては、ビークルコントローラに対して未加工データおよび処理済みデータの組合せを提供するハイブリッドセンサを含んでもよい。センサ192は、アナログ出力またはデジタル出力を提供してもよい。アナログ出力が提供される場合、デジタルコントローラ内でのデータ処理のための出力をデジタル化するために、デジタル-アナログコンバータを含んでもよい。
【0045】
1つ以上のセンサ192により検出された信号をコントローラ190に供給してもよい。コントローラを、例えば、当該ビークルのドライバまたは他の周囲ビークルのドライバにとって有益であり得る1つ以上の状態を検出するためにセンサ入力を処理するための処理用デバイスまたは他の回路として実装してもよい。例えば、コントローラ190は、1つ以上の処理ユニット、メモリ記憶装置、およびI/Oデバイスを含んでもよい。処理ユニットを、メモリ内に記憶された命令を実行して、1つ以上の前述の有益な状態を検出し識別してもよい。例示されてはいないが、ビークル内の1つ以上の電気システムまたはサブシステム、ならびに扉および扉ロック、照明、ヒューマン-マシンインタフェース、クルーズコントロール、テレマティクス、ブレーキシステム(例えばABSまたはESC)、バッテリ管理システムなどの機能を制御するために、他のコントローラを使用してもよい。同じく例示されてはいないが、コントローラを、ビークル用のECU(電子制御ユニット)として含めることもできる。さまざまな機能の動作を制御するため、これらのさまざまなコントローラを1つの処理用システム内または別個の回路内に実装することができる。
【0046】
ビークル182のナビゲーションシステム164は、ナビゲーションプロセッサ170およびGPSコンポーネント172を含んでもよい。これらのシステムは、ナビゲーションサーバまたはナビゲーションネットワーク174と通信状態にあってもよい。いくつかの実施形態においては、追加のコンポーネントがナビゲーションシステム164を構成してもよい。ナビゲーションシステム164は、ビークルのための専用ナビゲーションシステムであってよく、あるいはコントローラ190がナビゲーションシステム情報を獲得するためにアクセスできる外部ナビゲーションシステムであってもよい。例えば、外部ナビゲーションシステムは、有線または無線通信インタフェースを介してビークルにテザリングされ得る専用第3者ナビゲーションモジュールまたはスマートホンナビゲーションアプリケーションを含んでもよい。さらにナビゲーションシステム164を、異なるタイプの位置決定システム、例えば推測航法システムまたはセル方式もしくは位置を決定するための他の同様の三角測量システム、として実装してもよい。また、ナビゲーションシステム164を、上述のものの組合せとして実装してもよい。
【0047】
センサ192およびナビゲーションシステム164からの1つ以上の入力(および場合によって他の入力)をコントローラ190により使用して、ビークル182が遭遇する外部状態を決定または特徴付けしてもよい。これらの外部状態は、例えば、道路障害物(例えば道路上の氷および雪の存在、ポットホール(凹み)の存在、車道上のがれき、オフロード状態、車道または路肩上の停止ビークル、道路閉鎖、迂回路など)、交通状態(例えば低速交通または交通渋滞、近づいてくるレーン内のビークル、交差点における交差交通、急停止するビークル、事故など)を含んでもよい。
【0048】
ビークルが検出するこれらのような状態は、検出された状態の通信レンジ内の他のビークルに対し当該ビークルがアラートを生成し送信することのトリガとなってもよい。アラートは、検出された道路、交通、またはアラートのトリガとなった他の状態についての情報を含むことができる。これらを、状態についての事実情報として実装可能である。また、これらを、例えば前方衝突警告、急ブレーキ警告、追抜き不可警告、前方危険状態警告、緊急ビークル接近警告などの警告として実装可能である。これらは、例えばビークル安全点検ないし車検、輸送ビークルまたは緊急ビークル信号優先、電子パーキングおよび通行料金支払い、商用ビークルクリアランス制限および安全点検、転覆警告などの他の情報を含むことができる。
【0049】
したがって、ビークルには、例えばその通信レンジ内の他のビークルと通信するための無線トランシーバ196を含み得る通信回路194が備わっていてよい。また、例えばインテリジェント車道インフラストラクチャ要素などの他のエンティティと通信するために、通信トランシーバ196を使用してもよい。通信回路194は、他のビークルまたはインフラストラクチャ要素に対して送信されるべきメッセージを生成し、他のビークルおよびインフラストラクチャ要素からメッセージを受信しデコードするためのメッセージングブロック198も含んでいてよい。いくつかの実施形態において、通信回路194は、ビークルおよびインフラストラクチャ要素間のV2VおよびV2I通信を実装する能力を有するDSRC通信システムとして実装される。
【0050】
上述したように、ビークルが上述のシナリオのようなシナリオに遭遇した場合、当該ビークルをトリガして、他のビークルに対しメッセージを同報通信し、これらの他のビークルに検出状態についてのアラートを出すようにしてもよい。同報通信するビークル(この例ではホストビークル)が、ホストビークルのトランスミッタのレンジ外にあるレシピエントビークル(この例ではターゲットビークル)に到達することが望まれる場合がある。したがって、さまざまな実施形態において、ホストビークルのレンジ外にあるターゲットビークルの通信レンジ内に位置付けされた中間ビークルを、レンジ外のターゲットビークルに対しメッセージを中継するための通信リレーとして使用してもよい。
【0051】
図1Bは、中間ビークルがホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして役立っている車道環境100の一例を示す。
図1に示されている例は、自動車として、ホストビークル105、ターゲットビークル110および中間ビークル115を含む。また、この例中に示されているように、これらのビークルは、ビークル離隔120A~Cにより表示されている距離だけ互いに離隔されている。この例において、ホストビークル105、ターゲットビークル110および中間ビークル115には、センサ130(例えば
図1Aの例中のセンサ192)、通信ユニット135(例えば
図1Aの例中の通信回路194)、ユーザインタフェース(UI)137(例えばヘッドユニットインタフェース)、およびセキュリティモジュール139が備わっている。
【0052】
いくつかの実施形態において、センサ130、通信ユニット135、UI137、およびセキュリティモジュール139は、通信バスまたは他の内部通信システムを用いてビークル内で互いに通信してもよい。また、上述したように、ビークル105、110、115は、通信ユニット135のための無線通信インタフェースを用いて、互いに通信してもよい。
【0053】
図1Aを参照して上述したように、センサ130の一例は、ビークル動力学を検出するための3軸加速度計(3XAcc)であってよい。例えば、ビークルの加速度およびビークル姿勢(例えばビークルが経験するロール、ピッチおよびヨー)を決定するために、1つ以上の3軸加速度計を使用することができる。さまざまな実施形態によると、3軸加速度計からの加速度/減速度情報をビークル内のコントローラ(例えばコントローラ210)に送信して、加速度計からの加速度/減速度データに基づいて加速度、減速度、姿勢または他のビークルパラメータを計算してもよい。例えば、ビークルの道路状態を分析するときにこの加速度または減速度を使用可能である。
【0054】
概してホストビークル105、ターゲットビークル110および中間ビークル115の内部に存在するUI137は、コンソールディスプレイおよび/またはダッシュディスプレイ(
図1には明示的に図示せず)を含んでもよい。UI137は、通信回路135により受信された情報を受信してもよく、この情報は、例えばコンソールディスプレイまたはダッシュディスプレイを介してテキストまたはオーディオメッセージとしてドライバに対して提示される。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、タッチスクリーン、またはボタンもしくはスイッチなどのユーザ入力を受信するための他の特徴、を含んでもよい1つ以上のユーザインタフェースを提供するように構成されている。通信回路135がモバイルデバイス(
図1には明示的に図示せず)に情報を送信し得るように、モバイルデバイスとUI137とを同期するためにBluetooth(登録商標)またはいくつかの他の通信プロトコルを使用してもよい。
【0055】
セキュリティモジュール139は、データ構造および表現についての詳細を含むセキュリティプロトコル(例えば暗号プロトコルまたは暗号化プロトコル)を実施してもよい。例えば暗号プロトコルは、セキュアなアプリケーションレベルのデータ転送のために使用可能である。暗号プロトコルは通常、以下のもののうちの少なくとも1つ以上を組み込んでいる:鍵の合意または確立エンティティの認証、対称的暗号化およびメッセージ認証の物的構造、セキュリティ保証されたアプリケーションレベルのデータ転送、非否認方法、秘密分散方法、ならびに、セキュアな分散計算法。セキュリティプロトコルは、コンテキストを記述するルール(すなわち、通信の構文の表現)およびメッセージが送信された時点で交換が行なわれるコンテキストを記述するルール(すなわち通信の意味論の表現)を含んでもよい。セキュリティモジュール139は、セキュリティプロトコルを実施するときに以下のもののうちの少なくとも1つを考慮してもよい:データ交換のためのデータ書式、データ交換のためのアドレス書式、アドレスマッピング、ルーティング、伝送エラーの検出、肯定応答、タイムアウトおよび再試行に由来する情報の喪失、情報フローの方向、シーケンス制御、ならびに、フロー制御。
【0056】
いくつかの実施形態においては、ホストビークル105と1つ以上のターゲットビークル110の間のV2Vメッセージを中継するために、中間ビークル115内の通信回路194を使用してもよい。いくつかの実施形態において、ホストビークル105とターゲットビークル110の間の距離がそれらの通信能力のレンジを超える場合、ホストビークル105は中間ビークル115を経由してターゲットビークル110と通信する。例えば、センサ情報に基づいて、中間ビークル115内のコントローラ182は、ホストビークル105とターゲットビークル110の間の距離(すなわち離隔距離120A)がDSRC通信のための距離レンジを上回ると判別してもよい。より詳細には、コントローラ182は、離隔距離120Aが非常に大きく、ホストビークル105内の通信回路194がターゲットビークル110内の通信回路194のレンジ外にあると判別してもよい。これが該当する場合、中間ビークル115は、ホストビークル105から受信したメッセージを、そのメッセージについてターゲットビークル110に対して中継してもよく、または同じもしくは類似の情報を伴う新規のメッセージをターゲットビークル110に対して生成してもよい。
【0057】
図2は、本開示で説明されている方法およびシステムの一実施形態に係る、DSRCレンジ外にあるホストビークルとターゲットビークルの間でメッセージを送信するためのプロセスを示すフローチャートである。動作205において、車道上で動作しているホストビークルは、例えばセンサ182、ナビゲーションシステム164または他の入力情報を使用することなどにより道路状態を分析する。コントローラ190は、これらの入力ソースから情報を受信し、例えば、他のビークルにアラートするのが適切と判別されるトリガ状態、例えば、道路障害物状態、交通状態または他の状態など、が存在するか否かを判別する。このことは、動作210に示されている。いかなるトリガ状態も存在しないときには、システムは、センサおよび他の入力情報を用いて道路状態を走査し続けることができる。一方、コントローラ190は、トリガ状態が存在すると判別したときには、近傍の他のビークルにその状態についてアラートするためのメッセージを生成してもよい。この場合、コントローラ190は、例えばDSRC信号を介してメッセージを同報通信するために、通信回路194に情報を送信してもよい。メッセージングブロック198は、適切な通信プロトコルを用いてメッセージをフォーマットしてもよく、その後、メッセージを1つ以上のアンテナ(図示せず)を介してトランシーバ196のトランスミッタにより同報通信することができる。
【0058】
このコンテキストに対し、道路内のポットホールという単純な例を考えてみる。この例では、ホストビークルの近接センサが、近接センサから受信したリターン信号のタイミングに基づいてポットホールの存在を検出してもよい。さらに、ホストビークルのホイール上の加速度計が、ビークルがポットホールを踏んだことを示すビークルのホイールの急激な落ち込みおよび急速な復帰を検出してもよい。また、ビークルのシャーシ上の加速度計が、ビークルの対応するロールおよびピッチを検出してもよい。近接センサおよびビークルカメラが、路側帯にあるビークルであって、ポットホールに到達した結果としてタイヤがパンクしたおそれのあるビークルを検出してもよい。このような例においては、コントローラがこれらの状態を検出し、ナビゲーションシステム164からのビークルの位置に関する情報を用いて、この場所における危険な状態について、近傍のビークルに対するアラートを生成してもよい。メッセージングコンポーネント198は、メッセージを構築しトランシーバ196を介してメッセージを送信することができる。
【0059】
別の例として、ホストビークル内のカメラおよび近接センサが、交通レーンを遮断する故障または他の形で停止したビークルを検出してもよい。したがって、コントローラ190は、状態を検出し識別することができ、遮断されたレーンを回避するように近傍のビークルに対しメッセージが送信される。換言すると、これらのおよび他の例において、コントローラ190は、道路の1つ以上の部分がターゲットビークル110にマイナスの影響を与えるおそれがあるかを判別する。いくつかの実施形態において、コントローラ190は、現在の道路状態に結び付けられたデータのソースに対するホストビークルの場所を含める。
【0060】
さらにもう1つの例として、ホストビークルにより検出される他のトリガ状態は、以下のものを含んでもよい:コーナを回るまたはトンネルに進入するホストビークルであって、未検出の停止ビークルを発見したホストビークル、近づいてくる緊急ビークル、交差点における交通の存在、道路上の氷結または他の危険な状態、鉄道踏切における列車、など。
【0061】
中間ビークルは、ホストビークルにより送信された状態アラートメッセージを受信してもよい。また、中間ビークルは、不利な道路状態による影響を受けるおそれのある他のビークルと通信状態にあってもよい。例えば、中間ビークルは、状態メッセージ内に含まれる情報から恩恵を受けることがあるターゲットビークルの存在を検出してもよい。動作215において、中間ビークルは、状態メッセージを送信したホストビークルおよび検出されたターゲットビークルが互いの通信レンジ内にあるか否かを判別する。そうである場合、ターゲットビークルはこのメッセージをすでに受信しているので、中間ビークルはさらなるアクションをとる必要がない。いくつかの実施形態においては、センサ192、またはナビゲーションシステム164からの情報を用いて、ホストビークル105とターゲットビークル110の間の距離を計算してもよい。例えば、ホストビークル105とターゲットビークル110により同報通信され中間ビークル115が受信する情報が、ビークルの位置情報を含んでもよい。ホストビークル105とターゲットビークル110の間の距離が通信システムの通信距離よりも大きいか否かを判別するために、この位置情報を使用可能である。
【0062】
一方で、ホストビークルとターゲットビークルが互いの通信レンジ内にないと中間ビークルが判別した場合、中間ビークルは、動作220に示される通り、ターゲットビークルに対しメッセージを中継してもよい。一実施形態において、中間ビークル115内のメッセージングモジュール198は、単にホストビークル105から受信したメッセージをターゲットビークル110に再同報通信する。別の実施形態においては、中間ビークル115内のメッセージングモジュール198は、ホストビークル105からの状態メッセージ内に含まれた情報を伴う新規メッセージを生成し、署名し、この新規メッセージをターゲットビークル110に送信する。中間ビークル115は、ターゲットビークル110に対しメッセージを中継するまたは新規メッセージを生成する前に、メッセージに対しセキュリティチェックを行なってもよい。
【0063】
1つの例示的セキュリティチェックは、ホストビークルがターゲットビークルにとっての信頼できるデータソースとして特徴付けられることを保証することを中間ビークルがチェックすることにある。別の例示的セキュリティチェックは、認定された、取消されたまたは失効した鍵のリストから、ホストビークル105のセキュリティを妥当性検査することによって行なわれる。別の例として、ホストビークル105からのメッセージ要素をチェックして、それらの要素が合理的な値(例えば、正しい時間、予想レンジ内のサイズ/場所/速度など)を有するか否かを確認することができる。さらなる一例として、メッセージ値の履歴をチェックして、それらの値が現実的なパターンをたどっている(例えば、速度が経時的な位置の変化に対応している)か否かを見ることができる。
【0064】
図3は、ターゲットビークルがホストビークルに近づいてくるビークルである場合に、ホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして中間ビークルを使用する例を示している。車道300において、ホストビークル305(ホストビークル105と類似または同一であってよい)は、南行きレーン内を進行している。反対方向に進行しているのは、接近するターゲットビークル310(ターゲットビークル110と類似または同一であってよい)および中間ビークル315(中間ビークル315と類似または同一であってよい)である。このシナリオにおいて、中間ビークル315は、ターゲットビークル310とホストビークル305の間に位置設定されている。破線矢印330は、ターゲットビークル310とホストビークル305との間の離隔距離であって、これらビークルが互いに通信レンジ外にあるのに充分に大きい離隔距離を表わす。矢印340Aおよび340Bは、それぞれホストビークル305と中間ビークル315の間およびターゲットビークル310と中間ビークル315の間でDSRC通信がレンジ内にあるような離隔距離を表わす。ホストビークル305は、ターゲットビークル310にとって重要であり得る情報を同報通信し、こうしてターゲットビークル310のドライバは中間ビークル315を追い越すべきではないことを知ることになる。例えばホストビークル305は、近づいてくるビークルのために自らの場所および速度を同報通信してもよい。しかしながら、中間ビークル315がこのシナリオにおいてレンジ内にある唯一のビークルであるので、信号335Aにより示される通り、場所および速度情報(例えばメッセージ内の)はホストビークル305から中間ビークル315まで伝送される。距離340Bによって、信号335Bがこの情報を中間ビークル315からターゲットビークル310まで伝送することが可能になっている。受信されると、ターゲットビークル310のドライバは、近づいてくるホストビークル305の位置および速度を知り、充分な情報を得た上で追い越すべきか否かの決定を下すことができる。
【0065】
いくつかのアプリケーションにおいて、ターゲットビークル310は同様に、なかでもスロットル位置、ウィンカ情報などの情報を送り続けることも可能である。この情報は、ターゲットビークル310の追い越しの意図を他のビークルに知らせる場合がある。これにより、ホストビークル305からターゲットビークル310まで情報を中継する緊急度が増す可能性がある。同様にして、ビークル315がここでも中間ビークルである場合に、この情報について、ターゲットビークル310はホストビークルとなることができ、ホストビークル305はターゲットビークルとなることができる。この情報をターゲットビークル(現在のホストビークル)310からホストビークル(現在のターゲットビークル)305に送信することにより、追い越し操作を試みるビークル310の、可能性のある危険について、ビークル305のドライバに知らせることができる。
【0066】
図4は、ホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして中間ビークルを使用する例を示しており、ここでは、ホストビークル、中間ビークル、およびターゲットビークルは隊列として互いに同じ方向に進行している。車道400内で、ターゲットビークル410(ターゲットビークル110と類似または同一であってよい)は、ホストビークル405(ホストビークル105と類似または同一であってよい)に対し後続ビークルであり、ここでは、ホストビークル405にトラクションロスが生じており、中間ビークル415(中間ビークル115と類似または同一であってよい)は、ターゲットビークル410とホストビークル405の間に位置設定されている。破線矢印430は、ターゲットビークル410とホストビークル405の間でDSRCがレンジ外である離隔距離を表わす。矢印440Aおよび440Bは、DSRCがそれぞれターゲットビークル410と中間ビークル415の間、およびホストビークル405と中間ビークル415の間でレンジ内にある離隔距離を表わす。通信440Bは、ホストビークル405にトラクションコントロール問題が生じていることを標示するメッセージを、経路435Bがホストビークル405から中間ビークル415まで伝送できるようにする。通信440Aは、ホストビークル405にトラクションコントロール問題が生じているというメッセージを経路435Aが中間ビークル415からターゲットビークル410まで伝送できるようにする。
【0067】
図5は、リレーとして役立ち得る可能性のある中間ビークルが1つよりも多い場合の、ホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして中間ビークルを使用する例を示す。車道500内で、障害物540は、ビークル505およびビークル510に対し危険性のある道路状態のソースないし発生源である。ビークル505がホストビークルであり、ビークル510がターゲットビークルであり、ビークル515および520が潜在的な中間ビークルである。いくつかの実施形態において、ビークル505の通信レンジ520はビークル510の通信レンジ525と重複せず、一方、ビークル520の通信レンジ535およびビークル515の通信レンジ530は、両方共通信レンジ520および525と重複する。一実施形態において、ビークル515および520は、ビークル505および510の間に位置設定されている。したがって、ビークル515および520は、ビークル505からビークル510までメッセージを中継するための中間ビークルとなるべき好適な候補である。
【0068】
可能性のある中間ビークルが1つよりも多い場合、メッセージの伝送が最適な効率を達成しないおそれがある。換言すると、多数のビークルが同じメッセージをターゲットビークルへ中継するのは効率的でないかもしれない。したがって、複数の可能性のある中間ビークルが複数の中間ビークルのうちの1つをリレーとして選択できるように、実施形態を実装してもよい。例えば、ビークル内の通信回路に、可能性のある中間ビークルの相対的優先順位を決定するのに使用可能な無作為の優先順位番号を与えてもよい。別の例として、潜在的中間ビークルが、メッセージがすでに中継されたか否かを判別するチェックを行なうことができる。まだ中継されていない場合、潜在的中間ビークルは動作を続行しメッセージを中継することができる。これに対し、メッセージがすでに別の中間ビークルにより中継されたことが分かると、この潜在的中間ビークルは、対象の状態メッセージを無視することができる。
【0069】
図6は、メッセージリレーチェーンを創出する例を示す。車道600は、事例660および事例665における3レーンハイウェイを描いている。事例665は、事例660よりも遅い時点で発生する。一例において、状態602は、レーンL1およびL2で足往生した故障ビークルである。事例660において、ビークル605、615、610および620は、L1に沿って同じ方向に進行しており、ここでビークル605がホストビークルであり、ビークル615が中間ビークルであり、ビークル610がターゲットビークルである。事例660および665において、ビークル630、635および640はL2に沿って進行しており、ビークル655、650および645はL3に沿って進行している。事例660では、ビークル615は、ホストビークル605とターゲットビークル610の間の中間ビークルである。ホストビークル605は、ソース602に接近しているときに、各ビークルに左へ移動するように指令するメッセージを送信してもよい。ターゲットビークル610がホストビークル605のレンジ外にある場合、中間ビークル615はこのレンジ外状態を検出し、メッセージをターゲットビークル610へ中継してもよい。同様にして、ターゲットビークル610は、中間ビークル615がビークル620のレンジ外にあることを検知してもよい。したがって、ターゲットビークル610は、ビークル615(現在のホストビークル)とターゲットビークル620の間の中間ビークルとなってよい。
【0070】
図7は、DSRCメッセージングを実装する実施形態に基づいて、ホストビークルとターゲットビークルの間でメッセージを送信するためのフローチャートを示す。ホストビークルとターゲットビークルの間に位置設定された中間ビークル内のメッセージングコンポーネントが、フローチャート700内の動作を行なう。
【0071】
動作705において、メッセージングコンポーネントは、トリガ状態が存在することを標示するホストビークルからのDSRCトラフィックを受信する。中間ビークルは、ターゲットビークルがホストビークルのレンジ外にあり通信リレーが望ましい場合があると決定してもよい。
【0072】
動作710において、中間ビークルのメッセージングコンポーネントは、DSRCトラフィックが高いか否かを判別する。換言すると、メッセージングコンポーネントは、受信したトラフィックの量を、システムのために設定された付随する予め構成されたトラフィックスレッショルドと比較してもよい。DSRCトラフィックが高い場合、不必要に高いレベルの干渉およびメッセージ喪失などの問題が発生するおそれがある。トラフィックがスレッショルドを超えている場合、動作は動作715へと分岐し、ここで、中間ビークルのリピータ特徴が無効化しまたは制限してもよい。一方、トラフィックレベルが過度に高くない場合には、システムは動作720まで進む。
【0073】
中間ビークルのリピータ特徴が無効化された場合、いかなるメッセージも中継されない。このことは、動作725で示される。例えばいくつかの実施形態において、中間ビークル115のリピータユニット135は、独自の通信のみを生成してもよく、いかなる中継動作を行なわなくてもよい。別の例として、中間ビークルは、限定された中継動作を行なってもよく、例えば優先順位または緊急度の高いメッセージのみが中継される。
【0074】
動作720において、中間ビークルは中間ビークル、ホストビークルおよびターゲットビークル間で通信する。DSRCまたは他の通信経路(例えば通信335Bおよび445B)が中間ビークルとホストビークルの間にセットアップされ、中間ビークルとターゲットビークルの間に別のDSRC(例えば通信335Aおよび445A)がセットアップされる。
【0075】
メッセージングモジュール133が動作715においてリピータを制限すると、またはDSRCトラフィックが高くないと判別すると、動作730において、メッセージングモジュール133は、中間ビークル、ホストビークルおよびターゲットビークルが信頼できるソースであるか否かを判別する。いくつかの実施形態において、中間ビークル(例えば中間ビークル115)は、DSRCメッセージングプロトコルを使用する、信頼できるソースである。他の実施形態においては、ホストビークル(例えばホストビークル105)は、高度暗号化規格(AES)に基づいて、ターゲットビークル(例えばターゲットビークル110)のための信頼できるデータソースとして特徴付けられる。中間ビークルのメッセージングコンポーネントは、ホストビークル105およびターゲットビークル110のセキュリティモジュール139と通信してもよい。より詳細には、中間ビークルは、ホストビークル105からのセキュリティ暗号化およびメッセージに随伴する結び付けられたタイムスタンプを受信してもよい。ターゲットビークル110にマイナスの影響を及ぼすおそれのあるトリガ状態の警告をターゲットビークル110にあるUI137に有効に送信するのに適切な時間枠内でメッセージがターゲットビークル110に送信されることになるか否かを、メッセージングモジュール133はタイムスタンプを使用して判別する。
【0076】
中間ビークルにあるメッセージングコンポーネントが、動作730において中間ビークル、ホストビークルおよびターゲットビークルが信頼できるソースであると判別した場合には、メッセージングコンポーネントは、動作735において、基本的安全性メッセージングに情報を添付する。基本的安全性メッセージングは、中間ビークル(例えば中間ビークル115)内に存在するシステムである。いくつかの実施形態において、メッセージングコンポーネントは、あたかも現在の道路状態の1つ以上の関連部分がホストビークル(例えばホストビークル105)に直接由来するかのように現在の道路状態データの関連部分を処理し、関連部分を基本的安全性メッセージングシステムに追加する。
【0077】
動作740において、中間ビークルのメッセージングコンポーネントはメッセージをターゲットビークルに送信する。メッセージは、メッセージの有効性(例えば暗号化有効性)を維持するために、規定の時間ウインドウ内に送信される。いくつかの実施形態においては、メッセージングモジュール133は、暗号化および時刻でメッセージを改変し再署名する。次に、ターゲットビークル110は、暗号化および時刻で改変され再署名されたメッセージを受信し、暗号化および時刻で改変され再署名されたメッセージをデコードする。いくつかの実施形態において、トリガ状態に寄与する道路状態データと結び付けられたデータの関連部分を処理するメッセージングコンポーネントは、あたかも、道路状態データと結び付けられたデータの関連部分がホストビークル105に直接由来しているかのように、ターゲット110のUI137内に表示されたメッセージを伝送する。例示的実施形態において、メッセージは、実時間でターゲット110のUI137に提示され、このメッセージは、危険な状態と結び付けられたデータの関連部分を記述する。
【0078】
ここで
図8を参照すると、コンピュータシステム800は、例えばデスクトップ、ラップトップおよびノート型のパソコン、ハンドヘルドコンピュータデバイス(スマートホン、携帯電話、パームトップ、タブレットなど)、メインフレーム、スーパーコンピュータ、ワークステーションまたはサーバ、または所与のアプリケーションもしくは環境のために好ましいもしくは適切であってよい他の任意のタイプの特殊用途のもしくは汎用のコンピュータデバイス内に見出される、計算または処理能力を表わしてもよい。また、コンピュータシステム800は、所与のデバイス内に埋込まれるかまたは他の形でこのデバイスが利用可能になっている計算能力を表わしてもよい。例えば、コンピュータシステムは、デジタルカメラ、ナビゲーションシステム、携帯電話、ポータブルコンピュータデバイス、モデム、ルータ、WAP、端末、および、何らかの形の処理能力を含み得る他の電子デバイスなどの他の電子デバイス内に見出されてもよい。
【0079】
コンピュータシステム800は、例えば、1つ以上のプロセッサ、コントローラ、制御モジュールまたは他の処理デバイス、例えばプロセッサ804を含んでもよい。プロセッサ804は、例えばマイクロプロセッサ(シングルコア、デュアルコアまたはマルチコアプロセッサのいずれであれ)、グラフィックプロセッサ(例えばGPU)コントローラ、または他の制御論理などの汎用または特殊用途処理エンジンを用いて実装されてもよい。示された例において、プロセッサ804は、バス802に接続されているが、コンピュータシステム800の他のコンポーネントとの対話を容易にするために、または外部的に通信するために、任意の通信媒体を使用することが可能である。
【0080】
コンピュータシステム800は同様に、本開示では単にメインメモリ808と呼ばれている1つ以上のメモリモジュールをも含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、プロセッサ804が実行すべき情報および命令を記憶するために、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他のダイナミックメモリを使用してもよい。また、メインメモリ808は、プロセッサ804が実行すべき命令の実行中、一時的変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータシステム800は同様にして、プロセッサ804のための静的情報および命令を記憶するため、バス802に結合された読取り専用メモリ(「ROM」)または他の静的記憶デバイスを含んでもよい。
【0081】
また、コンピュータシステム800は、記憶デバイス810などの1つ以上のさまざまな形態の情報記憶メカニズムを含んでもよい。記憶デバイス810は、例えば、メディアドライブ812および記憶ユニットインタフェース(I/F)820を含んでもよい。メディアドライブ812は、固定式またはリムーバブル記憶媒体814をサポートするためのドライブまたは他のメカニズムを含んでもよい。例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、CDまたはDVDドライブ(RまたはRW)、フラッシュドライブまたは他のリムーバブルまたは固定式メディアドライブが設けられてもよい。したがって、記憶媒体814は例えば、メディアドライブによって読取られ、書込まれ、またはアクセスされるハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、カートリッジ、光ディスク、CDもしくはDVD、または他の固定式もしくはリムーバブル媒体を含んでもよい。これらの例が示すように、記憶媒体814は、コンピュータソフトウェアまたはデータが内部に記憶された、コンピュータ使用可能記憶媒体を含むことができる。
【0082】
代替的実施形態において、記憶デバイス810は、コンピュータプログラムまたは他の命令もしくはデータをコンピュータシステム800内にロードできるようにするための他の類似の手段を含んでもよい。このような手段は、例えば固定式またはリムーバブル記憶ユニット822およびインタフェース820を含んでもよい。このような記憶ユニット822およびインタフェース720の例としては、プログラムカートリッジおよびカートリッジインタフェース、リムーバブルメモリ(例えばフラッシュメモリまたは他のリムーバブルメモリモジュール)およびメモリスロット、フラッシュドライブおよび付随するスロット(例えばUSBドライブ)、PCMCIAスロットおよびカード、ならびに、ソフトウェアおよびデータを記憶ユニット822からコンピュータシステム800まで移送できるようにする他の固定式またはリムーバブル記憶ユニット822およびインタフェース820を含むことができる。
【0083】
また、コンピュータシステム800は、通信インタフェース824を含んでもよい。ソフトウェアおよびデータをコンピュータシステム800と外部デバイスの間で転送できるようにするために、通信インタフェース824を使用してもよい。通信インタフェース724の例は、モデム、ソフトモデム、ネットワークインタフェース(例えばイーサネット(登録商標)、ネットワークインタフェースカード、WiMedia、IEEE802.XX、Bluetooth(登録商標)、または他のインタフェース)、通信ポート(例えばUSBポート、IRポート、RS232ポートまたは他のポート)、または他の通信インタフェースを含んでもよい。通信インタフェース824を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、典型的には、電子信号、電磁信号(光信号を含む)または、所与の通信インタフェース824により交換される能力を有する他の信号であってよい信号上で搬送されてもよい。これらの信号は、チャネル828を介して通信インタフェース824に提供されてもよい。このチャネル828は、信号を搬送してもよく、有線または無線通信媒体を用いて実装されてもよい。チャネルのいくつかの例は、電話回線、セル型リンク、RFリンク、光リンク、ネットワークインタフェース、ローカルエリアまたは広域ネットワーク、および他の有線または無線通信チャネルを含んでもよい。
【0084】
本書類では、「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能媒体」なる用語は、概して、例えばメモリ808、記憶ユニット820、媒体814およびチャネル828などの媒体を意味するために使用される。これらのおよび他のさまざまな形態のコンピュータプログラム媒体またはコンピュータ使用可能媒体は、実行のために処理デバイスに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを担持するのに関与してもよい。媒体上で具体化されるこのような命令は、概して(コンピュータプログラムまたは他の集合様式の形でグループ化されてもよい)「コンピュータプログラムコード」または「コンピュータプログラムプロダクト」として言及される。実行された場合、このような命令は、本開示で論述されるように、開示された技術の特徴または機能をコンピュータシステム800が行なうことを可能にしてもよい。
【0085】
上記記載では開示された技術のさまざまな実施形態が説明されているが、これらの実施形態は限定的でなく単なる例として提示されたものであるということを理解すべきである。同様にして、さまざまな図は、開示された技術のための例示的アーキテクチャ構成または他の構成を描いた場合があり、これは、開示された技術中に内含され得る特徴および機能性を理解する上で一助となるようになされたものである。開示された技術は、示された例示的アーキテクチャまたは構成に制限されず、さまざまな代替的アーキテクチャおよび構成を用いて、所望される特徴を実装することが可能である。実際、当業者にとっては、本開示に開示されている技術の所望される特徴を実装するために、代替的な機能的、論理的または物理的分割および構成をどのように実装できるかは明白である。また、本開示に描かれているもの以外の多数の異なる構成モジュール名をさまざまなパーティションに応用することが可能である。さらに、フローチャート、動作説明、および方法クレームに関しては、本開示でステップが提示されている順序は、文脈から別段の指示があるのでないかぎり、列挙された機能性を同じ順序で行なうようにさまざまな実施形態が実装されることを義務付けるものではない。
【0086】
開示された技術は、さまざまな例示的実施形態および実装の観点から見て上述されているが、個別の実施形態の1つ以上の中で説明されているさまざまな特徴、態様および機能性は、その適用可能性においてそれらが説明されている特定の実施形態に限定されず、それどころか、このような実施形態が説明されているか否かに関わらず、またこのような特徴が、説明されている実施形態の一部として提示されているか否かに関わらず、開示された技術の他の実施形態の1つ以上に対して単独でまたはさまざまな組合せの形で適用可能である、ということを理解すべきである。したがって、本開示に開示されている技術の広がりおよび範囲は、上述の例示的実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。
【0087】
本書類中で使用される用語および言いまわし、ならびにその変形形態は、別段の明示的記述のないかぎり、限定的ではなくオープンエンドのものとみなされるべきである。上述の例として、「including(~を含む)」なる用語は、「非限定的に~を含む」などを意味しているものとして解釈すべきであり、「example(例)」なる用語は、論述されているアイテムの例示的事例を提供するために使用され、その網羅的または限定的リストを提供するために使用されるものではなく、「a」または「an」なる用語は、「at least one(少なくとも1つ)」、「one or more(1つ以上)」などを意味するものとして解釈されるべきであり、「conventional(従来の)」、「traditional(伝統的な)」、「normal(通常の)」「standard(標準的な)」、「known(公知の)」などの形容詞、および類似の意味を有する用語は、所与の時間または所与の時点現在で利用可能なアイテムに、記述対象のアイテムを限定するものとしてみなされるべきではなく、それどころか、現在または未来の任意の時点において利用可能または公知である可能性のある従来の、伝統的な、通常のまたは標準的な技術を包含するものとして解釈されるべきである。同様にして、本書類が当業者にとって明白であるまたは公知であると思われる技術に言及している場合、このような技術は、現在または未来の任意の時点で当業者にとって明らかであるまたは公知であるものを包含する。
【0088】
「one or more(1つ以上)」、「at least (少なくとも)」、「but not limited to(非限定的に)」または他の類似の言い回しなどの拡大用の語および言い回しの存在は、このような拡大用の言い回しが不在である事例においてより狭いケースが意図されているまたは要求されていることを意味するものと解釈されてはならない。「module(モジュール)」なる用語の使用は、モジュールの一部として説明されまたは特許請求の範囲に記載されるコンポーネントまたは機能性が全て共通のパッケージで構成されることを暗示しない。実際、モジュールのさまざまなコンポーネントのいずれかまたは全てを、制御論理または他のコンポーネントのいずれであるかに関わらず、単一のパッケージに組合せるまたは別個に維持することができ、さらに多数の集合様式またはパッケージ内にまたは多数の場所を横断して分散することができる。
【0089】
さらに、本開示に明記されたさまざまな実施形態は、例示的ブロック図、フローチャートおよび他の図の観点から見て説明されている。本書類を読んだ上で当業者には明らかになるように、図示された実施形態およびそのさまざまな変形形態は、示された例に限定されることなく実装可能である。例えば、ブロック図およびそれらに随伴する説明は、特定のアーキテクチャまたは構成を義務付けるものとしてみなされるべきではない。
【0090】
[例1]
少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得することと、
前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信することと、
前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別することであって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、トリガ状態を識別することと、
前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別することと、
前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、
を含む方法。
[例2]
前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が前記通信スレッショルド外であると判別することが、
前記第3のビークルと前記第1のビークルの間の第1の接続を確立することと、
前記第3のビークルと前記第2のビークルの間の第2の接続を確立することと、
を含む、例1に記載の方法。
[例3]
前記トリガ状態を識別することが、
前記獲得されたデータを分析して、前記トリガ状態に貢献する前記道路状態の一部分を識別することと、
前記第2のビークルの状態動力学を処理することと、
前記第1のビークルと前記第2のビークルの間の通信妨害を決定することと、
前記第1のビークルからの信号を検出することであって、前記信号が前記第3のビークルにより不安定なものとして決定されている、信号を検出することと、
を含む、例1に記載の方法。
[例4]
前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することが、
前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認することと、
前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名することと、
前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することと、
を含む、例1に記載の方法。
[例5]
前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することが、
前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードすることと、
あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力することと、
を含む、例4に記載の方法。
[例6]
前記トリガ状態が、
前記第1のビークルのトラクションコントロールロス、
前記第1のビークルにおけるブレーキの不具合、
前記第1および第2のビークル間の衝突の可能性、
前記第2のビークルによる反応を必要とする第1のビークルによる運動および位置、
前記第2のビークルにとって危険な前記第1のビークルを追越そうと試みる操作、
を含む、例1に記載の方法。
[例7]
少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得することと、
前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信することと、
前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別することであって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、トリガ状態を識別することと、
前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別することと、
狭域通信(DSRC)トラフィックがネットワークトラフィックスレッショルドを超えているか否かを判別することと、
前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、
を含む方法。
[例8]
前記DSRCトラフィックが前記ネットワークトラフィックスレッショルドを超えていると判別することが、
前記第1のビークルのリピータ特徴全体の少なくとも一部分を無効化すること、
を含む、例7に記載の方法。
[例9]
前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が前記通信スレッショルド外であると判別することが、
前記第3のビークルと前記第1のビークルの間の第1の接続を確立することと、
前記第3のビークルと前記第2のビークルの間の第2の接続を確立することと、
を含む、例7に記載の方法。
[例10]
前記トリガ状態を識別することが、
前記獲得されたデータを分析して、前記トリガ状態に貢献する前記道路状態の一部分を識別することと、
前記第2のビークルの状態動力学を処理することと、
前記第1のビークルと前記第2のビークルの間の通信妨害を決定することと、
前記第1のビークルからの信号を検出することであって、前記信号が前記第3のビークルにより不安定なものとして決定されている、信号を検出することと、
を含む、例7に記載の方法。
[例11]
前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することが、
前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認することと、
前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名することと、
前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することと、
を含む、例7に記載の方法。
[例12]
前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送することが、
前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードすることと、
あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力することと、
を含む、例11に記載の方法。
[例13]
前記識別されたシナリオが、
前記第1のビークルのトラクションコントロールロス、
前記第1のビークルにおけるブレーキの不具合、
前記第1および第2のビークル間の衝突の可能性、
前記第2のビークルによる反応を必要とする第1のビークルによる運動および位置、
前記第2のビークルにとって危険な前記第1のビークルを追越そうと試みる操作、
を含む、例7に記載の方法。
[例14]
1つ以上のコンピュータプロセッサと、
1つ以上のリピータ特徴と、
1つ以上のセンサと、
1つ以上のユーザインタフェースと、
1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、
前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つが実行するために前記1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム命令であって、
少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得するためのプログラム命令と、
前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信するためのプログラム命令と、
前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別するためのプログラム命令であって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、プログラム命令と、
前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別するためのプログラム命令と、
狭域通信(DSRC)トラフィックがネットワークトラフィックスレッショルドを超えているか否かを判別するためのプログラム命令と、
前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、
を含むプログラム命令と、
を含むコンピュータシステム。
[例15]
前記DSRCトラフィックが前記ネットワークトラフィックスレッショルドを超えていると判別するためのプログラム命令が、
前記1つ以上のリピータ特徴のうちの前記第1のビークル内の少なくとも1つのリピータ特徴全体の少なくとも一部分を無効化するためのプログラム命令、
を含む、例14に記載のコンピュータシステム。
[例16]
前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が前記通信スレッショルド外であると判別するためのプログラム命令が、
前記第3のビークルと前記第1のビークルの間の第1の接続を確立するためのプログラム命令と、
前記第3のビークルと前記第2のビークルの間の第2の接続を確立するためのプログラム命令と、
を含む、例14に記載のコンピュータシステム。
[例17]
前記トリガ状態を識別するためのプログラム命令が、
前記獲得されたデータを分析して、前記トリガ状態に貢献する前記道路状態の一部分を識別するためのプログラム命令と、
前記第2のビークルの状態動力学を処理するためのプログラム命令と、
前記第1のビークルと前記第2のビークルの間の通信妨害を決定するためのプログラム命令と、
前記第1のビークルからの信号を検出するためのプログラム命令であって、前記信号が前記第3のビークルにより不安定なものとして決定されている、プログラム命令と、
を含む、例14に記載のコンピュータシステム。
[例18]
前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信するためのプログラム命令が、
前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認するためのプログラム命令と、
前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名するためのプログラム命令と、
前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送するためのプログラム命令と、
を含む、例14に記載のコンピュータシステム。
[例19]
前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送するためのプログラム命令が、
前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードすることと、
あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力することと、
を含む、例18に記載のコンピュータシステム。
[例20]
前記識別されたシナリオが、
前記第1のビークルのトラクションコントロールロス、
前記第1のビークルにおけるブレーキの不具合、
前記第1および第2のビークル間の衝突の可能性、
前記第2のビークルによる反応を必要とする第1のビークルによる運動および位置、
前記第2のビークルにとって危険な前記第1のビークルを追越そうと試みる操作、
を含む、例14に記載のコンピュータシステム。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
さらなる実施形態において、コンピュータシステムは、1つ以上のコンピュータプロセッサと、1つ以上のリピータ特徴と、1つ以上のセンサと、1つ以上のユーザインタフェースと、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体と、前記1つ以上のプロセッサのうちの少なくとも1つが実行するために前記1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたプログラム命令を含んでもよい。プログラム命令は、少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得するためのプログラム命令と、前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信するためのプログラム命令と、前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別するためのプログラム命令であって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、プログラム命令と、前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別するためのプログラム命令と、狭域通信(DSRC)トラフィックがネットワークトラフィックスレッショルドを超えているか否かを判別するためのプログラム命令と、前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信するためのプログラム命令と、を含んでもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
前記メッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信するためのプログラム命令が、前記第3のビークルにおいて狭域通信(DSRC)メッセージングプロトコルを使用することにより第2のビークルのための信頼できるソースとして前記第1のビークルを確認するためのプログラム命令と、前記第3のビークルを前記リレーとして使用することにより前記メッセージを改変しセキュリティ再署名するためのプログラム命令と、前記メッセージの改変およびセキュリティ再署名に応答して、前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送するためのプログラム命令と、を含んでもよい。前記第2のビークルに前記メッセージを再伝送するためのプログラム命令が、前記第2のビークルにおいて、前記第3のビークル内に存在する基本的安全性メッセージシステムをデコードするためのプログラム命令と、あたかも前記第1のビークルが前記メッセージを前記第2のビークルに直接送信するかのように前記第2のビークルに前記メッセージを出力するためのプログラム命令と、を含んでもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
本開示に開示されているシステムおよび方法を、多数の異なるビークルおよびビークルタイプのいずれにおいて実装してもよい。例えば、本開示に開示されるシステムおよび方法を、自動車、トラック、オートバイ、リクリエーションビークル、および他の類似のオンロードまたはオフロードビークルとともに使用してもよい。さらに、本開示に開示されている原理は、他のビークルタイプに拡大してもよい。
図1Aは、さまざまな実施形態に係る、開示された技術を実装し得るビークルの一例を示す。図
1Aは、電気モータ184および内燃機関186を有するハイブリッドビークルであり得るビークル182を例示し、電気モータ184および内燃機関186両方はビークルを動かすための原動力を生成する。例えばガソリンまたはディーゼルエンジンなどの内燃機関186によって、さまざまなタイプの内燃機関を具体化してもよい。ブラシレス直流(DC)電気モータ、誘導電気モータまたはDC分巻電気モータなどの電気モータ184により、さまざまなタイプの電気モータを具体化してもよい。ビークル182はハイブリッドビークルとして示されているが、例えば電気ビークル、ガソリンまたはディーゼルビークル、水素ビークル、天然ガスビークルなどを含む非ハイブリッドビークルを使用してもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
いくつかの実施形態において、センサ192は、道路状態を検出し識別するための結果を計算する独自の処理能力を含んでもよい。他の実施形態において、センサ130は、コントローラに未加工データのみを提供するデータ収集専用センサであってよく、コントローラはこの情報を他のセンサからの情報と共に使用して、道路状態を検出し識別することができる。さらなる実施形態においては、ビークルコントローラに対して未加工データおよび処理済みデータの組合せを提供するハイブリッドセンサを含んでもよい。センサ192は、アナログ出力またはデジタル出力を提供してもよい。アナログ出力が提供される場合、デジタルコントローラ内でのデータ処理のための出力をデジタル化するために、デジタル-アナログコンバータを含んでもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
図1Bは、中間ビークルがホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして役立っている車道環境100の一例を示す。図
1Bに示されている例は、自動車として、ホストビークル105、ターゲットビークル110および中間ビークル115を含む。また、この例中に示されているように、これらのビークルは、ビークル離隔120A~Cにより表示されている距離だけ互いに離隔されている。この例において、ホストビークル105、ターゲットビークル110および中間ビークル115には、センサ130(例えば
図1Aの例中のセンサ192)、通信ユニット135(例えば
図1Aの例中の通信回路194)、ユーザインタフェース(UI)137(例えばヘッドユニットインタフェース)、およびセキュリティモジュール139が備わっている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図1Aを参照して上述したように、センサ130の一例は、ビークル動力学を検出するための3軸加速度計(3XAcc)であってよい。例えば、ビークルの加速度およびビークル姿勢(例えばビークルが経験するロール、ピッチおよびヨー)を決定するために、1つ以上の3軸加速度計を使用することができる。さまざまな実施形態によると、3軸加速度計からの加速度/減速度情報をビークル内のコントローラ(例えばコントローラ
190)に送信して、加速度計からの加速度/減速度データに基づいて加速度、減速度、姿勢または他のビークルパラメータを計算してもよい。例えば、ビークルの道路状態を分析するときにこの加速度または減速度を使用可能である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
図4は、ホストビークルとターゲットビークルの間のメッセージリレーとして中間ビークルを使用する例を示しており、ここでは、ホストビークル、中間ビークル、およびターゲットビークルは隊列として互いに同じ方向に進行している。車道400内で、ターゲットビークル410(ターゲットビークル110と類似または同一であってよい)は、ホストビークル405(ホストビークル105と類似または同一であってよい)に対し後続ビークルであり、ここでは、ホストビークル405にトラクションロスが生じており、中間ビークル415(中間ビークル115と類似または同一であってよい)は、ターゲットビークル410とホストビークル405の間に位置設定されている。破線矢印430は、ターゲットビークル410とホストビークル405の間でDSRCがレンジ外である離隔距離を表わす。矢印440Aおよび440Bは、DSRCがそれぞれターゲットビークル410と中間ビークル415の間、およびホストビークル405と中間ビークル415の間でレンジ内にある離隔距離を表わす。
信号435Aは、ホストビークル405にトラクションコントロール問題が生じていることを標示するメッセージを、経路435Bがホストビークル405から中間ビークル415まで
伝送する。
信号435Bは、ホストビークル405にトラクションコントロール問題が生じているというメッセージを経路435Aが中間ビークル415からターゲットビークル410まで
伝送する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
動作720において、中間ビークルは中間ビークル、ホストビークルおよびターゲットビークル間で通信する。DSRCまたは他の通信信号(例えば通信335Aおよび435A)が中間ビークルとホストビークルの間にセットアップされ、中間ビークルとターゲットビークルの間に別のDSRC信号(例えば通信335Bおよび435B)がセットアップされる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
代替的実施形態において、記憶デバイス810は、コンピュータプログラムまたは他の命令もしくはデータをコンピュータシステム800内にロードできるようにするための他の類似の手段を含んでもよい。このような手段は、例えば固定式またはリムーバブル記憶ユニット822およびインタフェース820を含んでもよい。このような記憶ユニット822およびインタフェース820の例としては、プログラムカートリッジおよびカートリッジインタフェース、リムーバブルメモリ(例えばフラッシュメモリまたは他のリムーバブルメモリモジュール)およびメモリスロット、フラッシュドライブおよび付随するスロット(例えばUSBドライブ)、PCMCIAスロットおよびカード、ならびに、ソフトウェアおよびデータを記憶ユニット822からコンピュータシステム800まで移送できるようにする他の固定式またはリムーバブル記憶ユニット822およびインタフェース820を含むことができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
本書類では、「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能媒体」なる用語は、概して、例えばメモリ808、記憶ユニット822、媒体814およびチャネル828などの媒体を意味するために使用される。これらのおよび他のさまざまな形態のコンピュータプログラム媒体またはコンピュータ使用可能媒体は、実行のために処理デバイスに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを担持するのに関与してもよい。媒体上で具体化されるこのような命令は、概して(コンピュータプログラムまたは他の集合様式の形でグループ化されてもよい)「コンピュータプログラムコード」または「コンピュータプログラムプロダクト」として言及される。実行された場合、このような命令は、本開示で論述されるように、開示された技術の特徴または機能をコンピュータシステム800が行なうことを可能にしてもよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のビークルおよび第2のビークルを含む道路状態についてのデータを、第3のビークルにおいて獲得することと、
前記第3のビークルから前記第1のビークルへ、前記道路状態について獲得された前記データを送信することと、
前記第1のビークルにおいて、前記道路状態について獲得された前記データ内でトリガ状態を識別することであって、前記トリガ状態は、前記第1のビークルおよび前記第2のビークルのうちの少なくとも1つに影響を及ぼす、トリガ状態を識別することと、
前記第3のビークルにおいて、前記第2のビークルの場所に対する前記第1のビークルの場所が通信スレッショルド外であると判別することと、
前記第3のビークルをリレーとして使用することにより、前記トリガ状態を詳述するメッセージを前記第1のビークルから前記第2のビークルへと送信することと、
を含む方法。
【外国語明細書】