(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149461
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】熱圧着接合装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20241010BHJP
B23K 3/00 20060101ALI20241010BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
B23K3/00 310R
H01L21/52 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061509
(22)【出願日】2024-04-05
(31)【優先権主張番号】10-2023-0044948
(32)【優先日】2023-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0162777
(32)【優先日】2023-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516294481
【氏名又は名称】韓美半導体株式会社
【氏名又は名称原語表記】HANMISEMICONDUCTOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】14, Gajwa-ro, 30beon-gil, Seo-gu, Incheon, Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン ウンファン
(72)【発明者】
【氏名】ジ ミンキュ
【テーマコード(参考)】
5F044
5F047
【Fターム(参考)】
5F044KK01
5F044LL01
5F044PP15
5F044PP16
5F044PP19
5F044QQ01
5F047BA01
5F047BB18
5F047FA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フラックスの変質と気化を防止してフラックスを利用した熱圧着接合の効率を向上させる熱圧着接合装置を提供する。
【解決手段】熱圧着接合装置において、ダイピッカーは、半導体チップ20のバンプ形成面20b(下面)をフラックス50に浸漬して塗布してダイブロックに伝達し、接合ヘッド700がダイブロックからフラックスが塗布された半導体チップをピックアップして基板に熱圧着接合する。ダイブロックには、フラックスが塗布された半導体チップがモールディング面20aがダイピッカーから伝達されると半導体チップの下面に塗布されたフラックスを逃がす逃避溝510が形成され、接合ヘッドの熱がフラックスに伝達されないようにしてフラックスの変質や気化を防止する。逃避溝510は、ダイブロックに溝を加工してダイブロックと一体的に設けてもよく、複数の突出ブロック520によって逃避溝510が形成されてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別化された半導体チップが付着したテープから前記半導体チップをピックアップして上下反転するフリップオーバーピッカーと、
前記フリップオーバーピッカーから前記半導体チップを受け取るダイピッカーと、
前記半導体チップの下面をフラックスに浸漬するためのフラックスが収容されるフラックス部と、
前記半導体チップの下面またはクラックの有無を検査するアップルッキングビジョンと、
内部に加熱部材を装着して前記半導体チップを基板に熱圧着接合する接合ヘッドと、
前記接合ヘッドにピックアップされた半導体チップと前記半導体チップが接合される基板の上面を同時に撮影して半導体チップの整列状態を検査するスリットビジョンと、
前記ダイピッカーと前記接合ヘッドの移動経路の下部に固定配置されてフラックスが塗布された半導体チップが伝達され、前記半導体チップの下面に塗布されたフラックスを逃がすための逃避溝を備えるダイブロックと、を含み、
前記ダイピッカーが前記半導体チップの下面を前記フラックスに浸漬して前記ダイブロックに伝達し、
前記接合ヘッドが前記ダイブロックからフラックスが塗布された半導体チップをピックアップして前記基板に熱圧着接合することを特徴とする熱圧着接合装置。
【請求項2】
前記ダイピッカーは、前記半導体チップと離隔した状態で負圧を形成して前記フリップオーバーピッカーから前記半導体チップを吸引して吸着し、
前記接合ヘッドは、前記半導体チップと離隔した状態で負圧を形成して前記ダイブロックからフラックスが塗布された半導体チップを吸引して吸着することを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項3】
前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックのそれぞれの作業領域が前記ダイピッカーの移動方向に沿って同一線上に位置するように一列に配置され、
前記ダイピッカーは、前記フリップオーバーピッカー、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックのそれぞれの作業領域の上部に移動するときに既設定された同じ高さに移動し、
前記既設定された高さは前記アップルッキングビジョンで前記半導体チップの下面を検査するときの前記アップルッキングビジョンのワーキングディスタンスに該当する高さと同じであることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項4】
前記ダイピッカーは、
前記半導体チップをピックアップするためのピックアップアームが形成されて移動可能に設けられたピッカー本体と、
前記ピッカー本体が昇降可能に装着された装着部材と、
前記ピッカー本体の移動方向に沿って延び、前記装着部材が挿入結合して回転によって前記装着部材を前記ピッカー本体の移動方向に移動させる第1回転軸と、
前記第1回転軸の上部または下部で前記第1回転軸と平行な方向に延び、軸方向に回転可能に設けられた第2回転軸と、
前記第2回転軸に装着され、前記第2回転軸が回転するにつれて前記装着部材から前記ピッカー本体を昇降させる切替部材と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項5】
前記切替部材は、
前記第2回転軸に結合されて前記第2回転軸と共に回転可能なリンクと、
前記リンクの他方側に装着され、前記ピッカー本体の下部に延びるブラケットと結合するカムフォロアと、を備え、
前記ブラケットは「コ」字型のブラケットであり、
前記カムフォロアは「コ」字型のブラケットの内部に収容された状態で結合されていることを特徴とする請求項4に記載の熱圧着接合装置。
【請求項6】
前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックのそれぞれの作業領域が前記ダイピッカーの移動方向に沿って同一線上に位置するように一列に配置されており、前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロック、前記ダイピッカーはそれぞれ一対で設けられ、
前記ピックアップアームは、前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックのそれぞれの作業領域の上部に該当する位置までピッカー本体から突出形成され、
前記ダイピッカーは、前記第1回転軸および前記第2回転軸が一方側に装着され、前記ピッカー本体の移動をガイドする固定フレームをさらに含み、
前記一対のダイピッカーは、前記固定フレームの一方側と他方側にそれぞれ設けられ、
一対の前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックは、前記固定フレームを中心として対称に形成されることを特徴とする請求項4に記載の熱圧着接合装置。
【請求項7】
前記フラックス部は、
内部にフラックスが収容されるフラックス収容溝が形成された浸漬プレートと、
前記浸漬プレートに移動可能に設置され、フラックスが収容される容器が下方に開放されたフラックスタンクと、
前記フラックスタンクの一方側に装着されるムービングブラケットと、
前記フラックスタンクの移動を案内する案内部材および前記案内部材に沿って搬送するムービングブロックを備えるフラックスタンク搬送部と、を備え、
前記ムービングブラケットと前記ムービングブロックのうち、いずれか一方に収容溝が形成され、他方に収容溝に挿入される挿入部が形成されて前記ムービングブロックの搬送に応じて前記フラックスタンクが搬送され、
前記ムービングブラケットと前記ムービングブロックのうちのいずれか一方に収容溝が形成された場合には、
前記ムービングブラケットまたは前記ムービングブロックは、
フレームと、前記フレームの両側上部に結合されるガイド部材とからなり、
前記フレームと前記ガイド部材によって収容溝が形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項8】
前記アップルッキングビジョンは、前記フラックスが塗布されていない状態で前記半導体チップのクラックの有無を検査し、前記フラックスが塗布された状態で前記半導体チップの下面を検査することを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項9】
前記接合ヘッドは、
前記半導体チップを加熱する加熱部材を備えて前記半導体チップを熱圧着接合する接合ツールと、
前記接合ツールの上部に設けられ、昇降可能に装着される軸と、
前記軸を支持し、前記軸にかかる自重に所定の荷重を加減する荷重制御部と、
前記荷重制御部の上部に設けられて前記軸の外周面に固定される可動子および前記可動子を上下方向に移動可能に駆動して前記接合ツールを所定のフォースで押圧する駆動子を備える押圧部と、
前記荷重制御部と前記押圧部との間に設けられ、前記半導体チップに加わる荷重をリアルタイムで測定する第1荷重測定部と、
前記押圧部の上部に設けられ、前記軸を回転させる回転モーターと、
前記回転モーターと前記軸とを連結し、前記回転モーターの回転力を前記軸に伝達する低摩擦カップリングと、を含み、
前記低摩擦カップリングは、上部が前記回転モーターと連結され、下部が前記軸と連結され、前記回転モーターと前記軸との間に離隔した空間を形成し、
前記離隔した空間の間で前記可動子によって前記軸が昇降可能であることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項10】
前記熱圧着接合装置は、
前記半導体チップが接合される基板が伝達される加熱テーブルと、
前記加熱テーブルの一方側に設けられ、前記接合ヘッドと接触して前記接合ヘッドの荷重を測定する第2荷重測定部と、をさらに含み、
前記第1荷重測定部は、前記第1荷重測定部の測定値が前記第2荷重測定部の測定値と等しくなるように設定されることを特徴とする請求項9に記載の熱圧着接合装置。
【請求項11】
前記軸は前記押圧部の可動子を貫通し、
前記回転モーターによって前記軸と可動子が共に回転して前記接合ツールを回転させることを特徴とする請求項9に記載の熱圧着接合装置。
【請求項12】
前記低摩擦カップリングは、前記可動子によって前記軸が離隔した空間内で昇降する際、上部が固定された状態で上下方向に伸縮可能であることを特徴とする請求項9に記載の熱圧着接合装置。
【請求項13】
前記ダイブロックの逃避溝は、上部が開放され、内側に傾斜した傾斜面が形成され、前記半導体チップの側面が前記傾斜面に支持されて前記逃避溝の底面から前記半導体チップの下面が離隔されることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項14】
前記ダイブロックの逃避溝は、上部が開放され、内側に傾斜した傾斜面が形成され、前記傾斜面の下部には前記半導体チップの下面を支持するための水平方向に延びる突出端が形成され、
前記突出端に前記半導体チップの下面の縁が支持されて前記逃避溝の底面から前記半導体チップの下面が離隔されることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項15】
前記逃避溝は複数の突出ブロックによって形成され、各突出ブロックは内側に傾斜して形成され、隣り合う突出ブロックは互いに離隔することを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項16】
前記ダイブロックは回転可能に設けられ、
前記ダイピッカーは、前記アップルッキングビジョンの検査結果に応じて前記半導体チップの捩れた角度だけ前記ダイブロックが回転した状態で前記半導体チップを前記ダイブロックの逃避溝に伝達することを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項17】
前記ダイブロックに前記半導体チップが伝達された後、前記ダイブロックが回転して回転する前の初期位置に復帰した状態で、前記接合ヘッドが前記ダイブロックからフラックスが塗布された半導体チップをピックアップすることを特徴とする請求項16に記載の熱圧着接合装置。
【請求項18】
前記熱圧着接合装置は、
前記アップルッキングビジョンの検査結果が不良であると判断された不良半導体チップを前記接合ヘッドから除去するリジェクトピッカーと、前記リジェクトピッカーによって前記不良半導体チップが廃棄される収去部と、をさらに含み、
前記リジェクトピッカーは、
エアが吸引または排出されるための管路が形成され、半導体チップを吸着する吸着ユニットと、
前記吸着ユニットを180°回転させて前記吸着ユニットに吸着した半導体チップの上下面を反転させる回転部材からなり、
前記吸着ユニットは、前記回転部材によって上下反転した半導体チップにエアを排出して前記収去部側に前記半導体チップを落下させることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項19】
前記熱圧着接合装置は、
前記半導体チップが接合される基板が伝達される加熱テーブルをさらに含み、
前記加熱テーブルは、
接合される基板が載置されるチャックプレートと、前記チャックプレートの下部に設けられ、前記チャックプレートに負圧を形成するための真空発生装置と連結されるベースと、前記チャックプレートと前記ベースとの間に設けられ、前記チャックプレートに熱を伝達する加熱プレートと、を備え、
前記チャックプレートには、前記基板を吸着する吸着領域と、前記加熱プレートから伝達された熱または前記接合ヘッドから伝達された熱の拡散が行われる熱拡散領域と、が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項20】
前記熱圧着接合装置は、
前記接合ヘッドの一方側に装着され、接合される基板の上面に異物の有無を検出するためのパーティクルビジョンをさらに含み、
前記パーティクルビジョンは、前記半導体チップが接合される前記基板の上面または前記半導体チップが接合される下層の半導体チップの上面の異物の有無を検出することを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【請求項21】
前記熱圧着接合装置は、
個別化された半導体チップが付着したテープが下面に接着されたリングフレームのテープを拡張するエクスパンディング部をさらに含み、
前記エクスパンディング部は、
前記テープの下面を支持する支持部材と、
前記テープが接着されたリングフレームの上面を下方に押圧し、昇降可能に設けられた押圧板と、
前記押圧板の押圧方向と反対の方向に前記リングフレームに接着されたテープの下面を押圧する弾性部材と、を備える剥離防止板からなり、
前記弾性部材は、前記テープを支持し、前記押圧板の押圧により前記押圧板の押圧方向と反対の方向に前記テープを支持するとともに、変形して前記押圧板と前記剥離防止板が共に下降することによって前記テープを拡張させることを特徴とする請求項1に記載の熱圧着接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に半導体チップを熱圧着接合(Thermocompression Bonding)する熱圧着接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウェハーが切断して個別化された半導体チップを接合基板に接合する工程を半導体チップ接合工程という。
【0003】
半導体チップ接合工程は、概略的にウェハーを切断またはカットして個別化された多数の半導体チップをフリップオーバーピッカーでピックアップして上下反転させ、接合ヘッドで半導体チップをピックアップし、接合ヘッドを移送して半導体チップの下面に形成されたバンプ(はんだボール)にフラックス(flux)が塗布されるように半導体チップの下面をフラックスに浸漬した後、フラックスが塗布された半導体チップの下面状態を検査した後、半導体チップを接合基板に接合する過程を含むことができる。このような半導体チップ接合工程が実行される機器を接合装置と定義することができる。
【0004】
接合装置は、半導体チップのバンプにフラックスを塗布し、基板の接続端子にバンプを付着して接合を行うフリップチップ接合装置と、半導体チップの下面を基板に接続した状態で熱と圧力を加える熱圧着接合装置とに区分することができる。
【0005】
このような接合装置は、人工知能(AI)とビッグデータとをベースとする膨大な量のデータを処理するデータセンターに搭載される高性能メモリー材料を実現するために、複数のパッケージを垂直接続する3次元パッケージングを実現するためにシリコン貫通電極(TSV)パッケージ積層工程で使用することができる。
【0006】
TSVパッケージは、半導体チップに微細な穴を開けて銅などの導電性物質で満たした同じ半導体チップを複数個垂直に積層して電極を形成する先端積層技法であり、基板に個々のパッケージを複数段に積層し、熱と圧力を加えて熱圧着方式でパッケージを積層接合して構成することができる。
【0007】
シリコン貫通電極パッケージは、半導体チップに微細な穴を開けて複数の半導体チップを垂直に積層した後、穴の中を銅で満たして電極を形成したり、銅が満たされた複数の半導体チップを積層して電極を形成したりする先端積層技法によって、熱圧着接合装置で半導体パッケージに熱と圧力を加えて半導体パッケージを積層接合して構成することができる。
【0008】
熱圧着接合装置の場合、フラックスを使用すると、接合ヘッドが繰り返しフラックスに浸漬する間、接合ヘッドの熱がフラックス部に蓄積してフラックスの活性化が進行し、これによってフラックスは硬化などの変質問題が発生する。これにより、従来の熱圧着接合装置は、フラックスを使用せず、熱圧着のためのNCF(Non Conductive Film)でコーティングされたバンプを備えた半導体パッケージを使用した。
【0009】
しかし、信号伝送の高速化、低電力、高性能を達成するために半導体のバンプのピッチはますます小さくなっており、微細ピッチによって低くなったバンプに付着可能に高さを制限しながら要求する機能を有するフィルムを製作することが困難である。フィルムの付着工程と除去工程を追加しなければならないため、製作費を上昇させる原因となる。
【0010】
もし、接合装置でフラックスを使用すると、金属上の汚染物質や酸化物などはんだ付け作業を妨げる物質を除去し、はんだ(バンプ)の表面張力を改善し、はんだがはんだ付けしようとする金属への拡散がうまく行われ、濡れ性(Wetting)効果を改善する利点があるため、熱圧着接合装置でもフラックスの使用が求められる。
【0011】
半導体チップがますます小型化し薄型化する傾向に伴い、パッケージバンプが微細ピッチで形成される状況において、接合時にバンプに全体的に空隙なく良好な濡れ性を提供するために、フィルムではなく樹脂状のフラックスにバンプを浸漬する接合が重要になっている。したがって、接合時にフラックスにバンプを浸漬してバンプの酸化物を除去し、電気接触を改善し、鉛の流れを改善することが必要である。
【0012】
一方、フラックスを使用して熱圧着接合を行う場合、接合ヘッドは半導体チップを吸着した状態で半導体チップのバンプ形成面をフラックスに浸漬する作業を行った後、基板上に移動して半導体チップを熱圧着することによって基板に半導体チップを付着する作業を行う。ここで、バンプに定量のフラックスを塗布するために、フラックス部に収容されたフラックスを一定の高さ(フラックスの平坦化)にした後にフラックス浸漬作業を行う。続いて、接合ヘッドは、内蔵された加熱部材を介して吸着した半導体チップのバンプとフラックスを加熱して基板上で熱圧着して付着する作業を行う。このとき、加熱部材を約180℃まで加熱してバンプとフラックスを溶融させた後、溶融したバンプおよびフラックスを固めるために冷却エアを加熱部材に印加して約100℃まで冷却し、後続の半導体チップに対する作業を行う。
【0013】
接合ヘッドは、冷却しても約100℃の温度を保持しており、後続の半導体チップに対する作業を行う際に残熱が存在する状態で次の順序の半導体チップを吸着してバンプ形成面をフラックスに浸漬する作業を行うことになる。
【0014】
この場合、接合ヘッドに残っている残熱がフラックス部に設けられたフラックスに伝達され、伝達された残熱が蓄積してフラックスを変質させる問題が発生する可能性がある。フラックスの場合、熱によって活性が開始されるため、フラックス部上のフラックスが接合前から既に活性化して変質することができる。変質したフラックスは接合時に機能を正しく発揮できず、接合不良を招くことがある。
【0015】
また、変質したフラックスによってフラックス平坦化が難しくなり、フラックス部内で平坦化されたと判断されてもフラックスの一部が硬化して実際のバンプに塗布されるフラックスの量が不足するという問題が生じる。
【0016】
また、接合ヘッドが半導体チップのバンプ形成面を定量のフラックスに浸漬しても、フラックス部から基板に半導体チップを搬送する過程で接合ヘッドの残熱がフラックスを気化させることができる。これによって、バンプ形成面に塗布されたフラックスの定量保持が難しくなり、接合品質の低下を招くことがある。
【0017】
もし、フラックスに残熱が伝達されないように加熱部材をより低い温度に冷却する場合には、冷却に多くの時間がかかり、半導体チップ1枚あたりの接合にかかる時間が長くなり、生産性に良くないだけでなく、後続の半導体チップへの熱圧着接合を行うために加熱部材の再加熱に多くの時間がかかり、効率性が低下する問題がある。
【0018】
したがって、接合装置において接合ヘッドの他に別のピッカーをさらに備え、半導体チップをフラックスに浸漬するように行う必要があり、フラックスが塗布された半導体チップを接合ヘッドに伝達するために半導体チップが一時的に置かれるテーブルなどが必要である。
【0019】
また、TSVパッケージの場合には、積層された半導体チップの層別異物の有無によってパッケージの不良の有無を決定することができるため、半導体チップが接合される基板と、順次積層される各半導体チップの表面の異物検査が要求される。既存の接合装置は、特定層の接合工程が完了すると、後続の半導体チップを積層接合する前に基板を接合装置の外部に搬出して別途の異物検査を行った後、再び接合装置に搬入して後続の半導体チップの積層を行うための接合工程を行ったため、接合工程と異物検査工程とが分かれるにつれて、接合装置と検査装置への搬出、搬入作業が繰り返し実行され、UPHが低下する問題があった。
【0020】
さらに、別の既存の接合装置は、基板と半導体チップの表面の異物を検査するパーティクルビジョン(Particle Vision)を接合装置内のスリットビジョン(Slit Vision)駆動部に一緒に備えているが、接合後または接合中の異物検査時点ごとにスリットビジョン駆動部が基板に移動しなければならないため工程が遅れ、検査回数を増やすほど遅延時間が長くなるため検査が非効率的であり、UPHを低下する問題がある。
【0021】
また、異物検査のためのスリットビジョン駆動部の頻繁な駆動によって機構的変形が加速化することができ、これは基板と半導体チップとの間の整列誤差を発生させるため、接合クオリティ低下の問題が発生する可能性がある。また、基板を搬送する過程で基板に異物が投入され、基板や積層された半導体チップの表面を汚染する問題が発生する可能性がある。
【0022】
また、接合ヘッドが薄型の半導体チップをピックアップするために半導体チップと接触する過程で半導体チップに衝撃やダメージが加わる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、上記の問題を解決するために半導体チップをピックアップし、フラックスに浸漬する機能を果たすダイピッカーを備え、フラックスが塗布された半導体チップが伝達されるとき、半導体チップの下面に塗布されたフラックスを逃がす逃避溝が形成されたダイブロックに伝達する方式を適用して接合ヘッドの熱がフラックスに伝達されないようにし、フラックスの変質と気化を防止してフラックスを利用した熱圧着接合の効率を向上させる熱圧着接合装置を提供することを目的とする。
【0024】
また、本発明は、接合装置内で基板の異物投入の有無を検査し、半導体チップの接合を連続的に行うことができる熱圧着接合装置を提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、半導体チップをピックアップする過程において非接触状態でピックアップして半導体チップに加えられる衝撃とダメージを最小化できる熱圧着接合装置を提供することを目的とする。
【0026】
また、本発明は、半導体チップが伝達される過程で半導体チップが傾くことなく平行に安着支持できるダイブロックを備えた熱圧着接合装置を提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明は、各領域で作業を行って移動する動作が繰り返し必要とされるダイピッカーに対して移動する高さと作業を行う高さの2つの高さモードで管理することによってZ軸移動量を最小化できる熱圧着接合装置を提供することを目的とする。
【0028】
また、本発明は、接合ヘッドの軸が垂直移動する際に発生する摩擦力を最小化して低フォースの接合押圧力を実現でき、精密かつ迅速に所望の接合フォースを実現できる熱圧着接合装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0029】
また、本発明は、不良半導体チップを吸着している接合ヘッドから不良半導体チップを直接分離して除去するリジェクトピッカー(reject picker)を備え、不良半導体チップを接合ヘッドから確実に分離し、分離した不良半導体チップを収去部に正確に積荷できる熱圧着接合装置を提供することを目的とする。
【0030】
また、本発明は、熱圧着接合過程で加熱テーブルに加熱プレートから伝達された熱または接合ヘッドから伝達された熱を拡散させる熱拡散領域を設けて基板の外廓側の熱溜まりを防止して基板のセンターと基板の外廓の熱平衡条件を合わせることによって基板の位置に関係なく均一な接合品質を確保し、温度均一度を確保できる熱圧着接合装置を提供することを目的とする。
【0031】
また、本発明は、接合ヘッドの軸が垂直移動する際に発生する摩擦力を最小化して低フォースを実現できる熱圧着接合装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0032】
また、本発明は、浸漬プレートを固定した状態でフラックス供給および平坦化のためのフラックスタンクが浸漬プレート上に移動可能に設置して浸漬プレートの安定性を確保した熱圧着接合装置を提供することを解決しようとする課題とする。
【0033】
また、本発明は、テープを拡張する過程でリングフレームからテープが脱落するのを防止するエクスパンディング(expanding)部を介してテープの拡張量を増加させ、半導体チップの十分な離隔距離を確保できる熱圧着接合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
上記の目的を達成するために、本発明の実施形態による熱圧着接合装置は、個別化された半導体チップが付着したテープから前記半導体チップをピックアップして上下反転するフリップオーバーピッカーと、前記フリップオーバーピッカーから前記半導体チップを受け取るダイピッカーと、前記半導体チップの下面をフラックスに浸漬するためのフラックスが収容されるフラックス部と、前記半導体チップの下面またはクラックの有無を検査するアップルッキングビジョン(Up Looking Vision)と、内部に加熱部材を装着して前記半導体チップを基板に熱圧着接合する接合ヘッドと、前記接合ヘッドにピックアップされた半導体チップと前記半導体チップが接合される基板の上面を同時に撮影して半導体チップの整列状態を検査するスリットビジョンと、前記ダイピッカーと前記接合ヘッドの移動経路の下部に固定配置されてフラックスが塗布された半導体チップが伝達され、前記半導体チップの下面に塗布されたフラックスを逃がすための逃避溝を備えるダイブロックと、を含み、前記ダイピッカーが前記半導体チップの下面を前記フラックスに浸漬して前記ダイブロックに伝達し、前記接合ヘッドが前記ダイブロックからフラックスが塗布された半導体チップをピックアップして前記基板に熱圧着接合することを特徴とする。
【0035】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記ダイピッカーは、前記半導体チップと離隔した状態で負圧を形成して前記フリップオーバーピッカーから前記半導体チップを吸引して吸着し、前記接合ヘッドは、前記半導体チップと離隔した状態で負圧を形成して前記ダイブロックからフラックスが塗布された半導体チップを吸引して吸着することを特徴とする。
【0036】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックのそれぞれの作業領域が前記ダイピッカーの移動方向に沿って同一線上に位置するように一列に配置され、前記ダイピッカーは、前記フリップオーバーピッカー、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックのそれぞれの作業領域の上部に移動するときに既設定された同じ高さに移動し、前記既設定された高さは前記アップルッキングビジョンで前記半導体チップの下面を検査するときの前記アップルッキングビジョンのワーキングディスタンスに該当する高さと同じであることを特徴とする。
【0037】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記ダイピッカーは、前記半導体チップをピックアップするためのピックアップアームが形成されて移動可能に設けられたピッカー本体と、前記ピッカー本体が昇降可能に装着された装着部材と、前記ピッカー本体の移動方向に沿って延び、前記装着部材が挿入結合して回転によって前記装着部材を前記ピッカー本体の移動方向に移動させる第1回転軸と、前記第1回転軸の上部または下部で前記第1回転軸と平行な方向に延び、軸方向に回転可能に設けられた第2回転軸と、前記第2回転軸に装着され、前記第2回転軸が回転するにつれて前記装着部材から前記ピッカー本体を昇降させる切替部材と、を含むことを特徴とする。
【0038】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記切替部材は、前記第2回転軸に結合されて前記第2回転軸と共に回転可能なリンクと、前記リンクの他方側に装着され、前記ピッカー本体の下部に延びるブラケットと結合するカムフォロアと、を備え、前記ブラケットは「コ」字型のブラケットであり、前記カムフォロアは「コ」字型のブラケットの内部に収容された状態で結合されていることを特徴とする。
【0039】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックのそれぞれの作業領域が前記ダイピッカーの移動方向に沿って同一線上に位置するように一列に配置されており、前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロック、前記ダイピッカーはそれぞれ一対で設けられ、前記ピックアップアームは、前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックのそれぞれの作業領域の上部に該当する位置までピッカー本体から突出形成され、前記ダイピッカーは、前記第1回転軸および前記第2回転軸が一方側に装着され、前記ピッカー本体の移動をガイドする固定フレームをさらに含み、前記一対のダイピッカーは、前記固定フレームの一方側と他方側にそれぞれ設けられ、一対の前記フリップオーバーピッカー、前記フラックス部、前記アップルッキングビジョン、前記ダイブロックは、前記固定フレームを中心として対称に形成されることを特徴とする。
【0040】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記フラックス部は、内部にフラックスが収容されるフラックス収容溝が形成された浸漬プレートと、前記浸漬プレートに移動可能に設置され、フラックスが収容される容器が下方に開放されたフラックスタンクと、前記フラックスタンクの一方側に装着されるムービングブラケットと、前記フラックスタンクの移動を案内する案内部材および前記案内部材に沿って搬送するムービングブロックを備えるフラックスタンク搬送部と、を備え、前記ムービングブラケットと前記ムービングブロックのうち、いずれか一方に収容溝が形成され、他方に収容溝に挿入される挿入部が形成されて前記ムービングブロックの搬送に応じて前記フラックスタンクが搬送され、前記ムービングブラケットと前記ムービングブロックのうちのいずれか一方に収容溝が形成された場合には、前記ムービングブラケットまたは前記ムービングブロックは、フレームと、前記フレームの両側上部に結合されるガイド部材とからなり、前記フレームと前記ガイド部材によって収容溝が形成されることを特徴とする。
【0041】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記アップルッキングビジョンは、前記フラックスが塗布されていない状態で前記半導体チップのクラックの有無を検査し、前記フラックスが塗布された状態で前記半導体チップの下面を検査することを特徴とする。
【0042】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記接合ヘッドは、前記半導体チップを加熱する加熱部材を備えて前記半導体チップを熱圧着接合する接合ツールと、前記接合ツールの上部に設けられ、昇降可能に装着される軸と、前記軸を支持し、前記軸にかかる自重に所定の荷重を加減する荷重制御部と、前記荷重制御部の上部に設けられて前記軸の外周面に固定される可動子および前記可動子を上下方向に移動可能に駆動して前記接合ツールを所定のフォースで押圧する駆動子を備える押圧部と、前記荷重制御部と前記押圧部との間に設けられ、前記半導体チップに加わる荷重をリアルタイムで測定する第1荷重測定部と、前記押圧部の上部に設けられ、前記軸を回転させる回転モーターと、前記回転モーターと前記軸とを連結し、前記回転モーターの回転力を前記軸に伝達する低摩擦カップリングと、を含み、前記低摩擦カップリングは、上部が前記回転モーターと連結され、下部が前記軸と連結され、前記回転モーターと前記軸との間に離隔した空間を形成し、前記離隔した空間の間で前記可動子によって前記軸が昇降可能であることを特徴とする。
【0043】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記半導体チップが接合される基板が伝達される加熱テーブルと、前記加熱テーブルの一方側に設けられ、前記接合ヘッドと接触して前記接合ヘッドの荷重を測定する第2荷重測定部と、をさらに含み、前記第1荷重測定部は、前記第1荷重測定部の測定値が前記第2荷重測定部の測定値と等しくなるように設定されることを特徴とする。
【0044】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記軸は前記押圧部の可動子を貫通し、前記回転モーターによって前記軸と可動子が共に回転して前記接合ツールを回転させることを特徴とする。
【0045】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記低摩擦カップリングは、前記可動子によって前記軸が離隔した空間内で昇降する際、上部が固定された状態で上下方向に伸縮可能であることを特徴とする。
【0046】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記ダイブロックの逃避溝は、上部が開放され、内側に傾斜した傾斜面が形成され、前記半導体チップの側面が前記傾斜面に支持されて前記逃避溝の底面から前記半導体チップの下面が離隔されることを特徴とする。
【0047】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記ダイブロックの逃避溝は、上部が開放され、内側に傾斜した傾斜面が形成され、前記傾斜面の下部には前記半導体チップの下面を支持するための水平方向に延びる突出端が形成され、前記突出端に前記半導体チップの下面の縁が支持されて前記逃避溝の底面から前記半導体チップの下面が離隔されることを特徴とする。
【0048】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記逃避溝は複数の突出ブロックによって形成され、各突出ブロックは内側に傾斜して形成され、隣り合う突出ブロックは互いに離隔することを特徴とする。
【0049】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記ダイブロックは回転可能に設けられ、前記ダイピッカーは、前記アップルッキングビジョンの検査結果に応じて前記半導体チップの捩れた角度だけ前記ダイブロックが回転した状態で前記半導体チップを前記ダイブロックの逃避溝に伝達することを特徴とする。
【0050】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記ダイブロックに前記半導体チップが伝達された後、前記ダイブロックが回転して回転する前の初期位置に復帰した状態で、前記接合ヘッドが前記ダイブロックからフラックスが塗布された半導体チップをピックアップすることを特徴とする。
【0051】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記アップルッキングビジョンの検査結果が不良であると判断された不良半導体チップを前記接合ヘッドから除去するリジェクトピッカーと、前記リジェクトピッカーによって前記不良半導体チップが廃棄される収去部と、をさらに含み、前記リジェクトピッカーは、エアが吸引または排出されるための管路が形成され、半導体チップを吸着する吸着ユニットと前記吸着ユニットを180°回転させて前記吸着ユニットに吸着した半導体チップの上下面を反転させる回転部材からなり、前記吸着ユニットは、前記回転部材によって上下反転した半導体チップにエアを排出して前記収去部側に前記半導体チップを落下させることを特徴とする。
【0052】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記半導体チップが接合される基板が伝達される加熱テーブルをさらに含み、前記加熱テーブルは、接合される基板が載置されるチャックプレートと、前記チャックプレートの下部に設けられ、前記チャックプレートに負圧を形成するための真空発生装置と連結されるベースと、前記チャックプレートと前記ベースとの間に設けられ、前記チャックプレートに熱を伝達する加熱プレートと、を備え、前記チャックプレートには、前記基板を吸着する吸着領域と、前記加熱プレートから伝達された熱または前記接合ヘッドから伝達された熱の拡散が行われる熱拡散領域と、が設けられていることを特徴とする。
【0053】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、前記接合ヘッドの一方側に装着され、接合される基板の上面に異物の有無を検出するためのパーティクルビジョンをさらに含み、前記パーティクルビジョンは、前記半導体チップが接合される前記基板の上面または前記半導体チップが接合される下層の半導体チップの上面の異物の有無を検出することを特徴とする。
【0054】
また、本発明の実施形態による熱圧着接合装置によれば、個別化された半導体チップが付着したテープが下面に接着されたリングフレームのテープを拡張するエクスパンディング部をさらに含み、前記エクスパンディング部は、前記テープの下面を支持する支持部材と、前記テープが接着されたリングフレームの上面を下方に押圧し、昇降可能に設けられた押圧板と、前記押圧板の押圧方向と反対の方向に前記リングフレームに接着されたテープの下面を押圧する弾性部材と、を備える剥離防止板からなり、前記弾性部材は、前記テープを支持し、前記押圧板の押圧により前記押圧板の押圧方向と反対の方向に前記テープを支持するとともに、変形して前記押圧板と前記剥離防止板が共に下降することによって前記テープを拡張させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0055】
本発明の熱圧着接合装置は、接合ヘッドの一方側に基板の上面異物の有無を検査できるパーティクルビジョンを備え、パーティクルビジョンで基板に半導体チップを接合する前に異物検査を行った後に異物が検出されない基板または半導体チップの上部に新しい半導体チップを接合することができるため、機構部を追加移動せずに接合と検査を連続的に行うことができる効果がある。
【0056】
また、本発明の熱圧着接合装置は、ダイピッカーが上昇状態である第1高さから各作業領域への移動および半導体チップ検査を行い、下降状態である第2高さで半導体チップの受け取り、フラックス浸漬、ダイブロックに伝達するなどの複数の作業を行うように2モード高さ制御を実現することによって、ダイピッカーの昇降移動を最小化してUPHを増加させることができる。
【0057】
また、本発明の熱圧着接合装置は、ダイピッカーの水平移動および昇降移動を誘導する第1駆動部および第2駆動部を外部に独立して設けることによって、ダイピッカーの構造物を小型化でき、制限された接合装置の空間内にダイピッカーを備えることができ、コンパクトな機器の実現が可能となる効果がある。
【0058】
また、本発明の熱圧着接合装置は、ダイピッカーと接合ヘッドが半導体チップの上面と非接触状態で半導体チップをエアで引き寄せて吸着することによってダイピッカーまたは接合ヘッドが半導体チップをピックアップする過程で半導体チップに加えられる衝撃を最小化できる効果がある。
【0059】
また、本発明の熱圧着接合装置は、ダイピッカーが半導体チップの受け取り、フラックス浸漬、検査、ダイブロックに伝達する過程を専門担当することにより、接合ヘッドはダイブロックに伝達された半導体チップをピックアップして基板に接合する作業のみを行うことで接合ヘッドの作業経路および移動経路を短縮することができ、全体接合装置の接合速度を向上させることができる効果がある。
【0060】
また、本発明の熱圧着接合装置は、ダイピッカーがフラックス浸漬を行ってダイブロック上に仮安着させ、接合ヘッドがダイブロック上に仮安着した半導体チップを基板に搬送して熱圧着することによって接合ヘッドの熱がフラックス部上のフラックスを変質させる問題を防止することができ、接合ヘッドの移動経路が短くなることによって接合ヘッドが半導体チップを搬送する過程で接合ヘッドの残留熱によって飛散するフラックスの量を減少させることができて塗布されたフラックスの定量を保持できる効果がある。
【0061】
また、本発明の熱圧着接合装置は、ダイブロックに逃避溝が形成され、半導体チップの下面に塗布されたフラックスがダイブロックの底面に付かず、フラックスの定量保持およびフラックスによるダイブロック底面の汚染防止効果がある。
【0062】
また、本発明の熱圧着接合装置の接合ヘッドは、低摩擦カップリングの上部に回転モーターを連結し、下部には軸を連結し、回転モーターを連結する上部と軸を連結する下部との間に離隔空間を形成して回転モーターの回転力を軸に伝達しながらも低摩擦で軸の昇降を可能にし、荷重制御部が軸を非接触で支持して軸が揺れないように支持しながら支持摩擦力は最小化でき、z軸の無負荷を実現できる効果がある。
【0063】
また、本発明による熱圧着接合装置は、加熱プレートに熱拡散領域を設けて基板の外廓側の熱溜まりを防止して基板の位置に関係なく温度均一度を確保でき、接合品質を確保でき、不良率を低くすることができ、垂直に複数個積層された半導体チップを熱圧着接合する際に積層された半導体チップの上部と下部の半導体チップ接合状態およびフラックスの硬化状態に差がなく接合クオリティを改善できる効果がある。
【0064】
また、本発明の熱圧着接合装置は、リジェクトピッカーを利用して接合ヘッドから不良半導体チップを吸着して確実に除去することができ、接合ヘッドに不良半導体チップが残っている状態で他の半導体チップをピックアップしたり接合したりして、不良を招く問題を最小化し、フラックスが塗布された不良半導体チップを収去部に容易に落下させて除去することによって、不良半導体チップが周辺に飛び散らず、接合装置の他の構成要素や周辺を汚染しなくなり、不良半導体チップを確実に除去することによって大量不良を防止できる効果がある。
【0065】
また、本発明の熱圧着接合装置は、フラックス部がフラックスタンクとフラックスタンク搬送部との間の連結時にフラックスタンクが上下方向に自由に移動する構造を適用でき、機構的変形や加工誤差があっても浸漬プレートを平坦にするレベリング作業を行うことができ、フラックスタンクの一方側に装着されるムービングブラケットとフラックスタンクの移動を案内する案内部材に沿って移動するムービングブロックの間隔が可変可能に装着されることにより、フラックスタンクのスキージと浸漬プレートの平行度を下部構造物の影響なしにレベルを合わせることができる効果がある。
【0066】
また、本発明の熱圧着接合装置は、エクスパンディング部がテープをリングフレームの全領域にわたって放射方向に均等に拡張することができ、半導体チップ間の離隔距離を十分に確保してフリップオーバーピッカーから半導体チップをピックアップするとき半導体チップ間の干渉なく容易にピックアップできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本発明の実施形態による熱圧着接合装置の平面図を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態による熱圧着接合装置の正面図を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態におけるダイピッカーを示す図である。
【
図4】
図4の(a)は本発明の実施形態におけるダイピッカーの下降状態を示す図であり、(b)は本発明の実施形態におけるダイピッカーの上昇状態を示す図である。
【
図5】
図5の(a)は本発明の実施形態におけるダイピッカーが第2高さに位置してフリップオーバーピッカーから半導体チップを提供される状態を示す図であり、(b)は本発明の実施形態におけるダイピッカーが第2高さに位置して半導体チップを浸漬する状態を示す図であり、(c)は本発明の実施形態におけるダイピッカーが第1高さに位置してアップルッキングビジョンによって半導体チップの検査が行われる状態を示す図であり、(d)は本発明の実施形態におけるダイピッカーが第2高さに位置してダイブロックにフラックスが塗布された半導体チップを提供する状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態におけるフラックス部を示す図である。
【
図7】
図7の(a)は本発明の一実施形態によるダイブロックに半導体チップが安着した状態を示す図であり、(b)は
図7(a)のA-A'断面を示す図である。
【
図8】
図8の(a)は本発明の他の実施形態によるダイブロックに半導体チップが安着した状態を示す図であり、(b)は
図8(a)のB-B'断面を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態における接合ヘッドを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態におけるリジェクトピッカーが接合ヘッドから不良半導体チップを提供された状態を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態におけるリジェクトピッカーがリジェクトボックスに不良半導体チップを提供する状態を示す図である。
【
図12】
図12の(a)は従来の加熱テーブルを示す図であり、(b)は
図12(a)のC-C'断面上の加熱テーブルの熱伝送状態を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態による加熱テーブルの平面図を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態による加熱テーブルの断面図を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態によるチャックプレートの底面を示す図である。
【
図16】
図16の(a)は本発明の実施形態における熱放出部が形成された加熱テーブルを示す図であり、(b)は
図16(a)のD-D'断面上の加熱テーブルの熱伝送状態を示す図である。
【
図17】
図17の(a)~(c)は本発明の実施形態におけるエクスパンディング部とエクスパンディング部の作動過程を示す図である。
【0068】
以下は、本発明の原理を例示するに過ぎない。したがって、当業者は、本明細書に明確に説明または図示されていないが、発明の原理を実現し、発明の概念および範囲に含まれる様々な装置を発明することができるであろう。さらに、本明細書に列挙されたすべての条件付き用語および実施形態は、原則として、発明の概念が理解されるようにするためにのみ明確に意図されており、このように特に列挙された実施形態および状態に限定されないと理解されるべきである。
【0069】
上記の目的、特徴および利点は、添付された図面に関連する以下の詳細な説明によってより明らかになり、それによって発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が発明の技術的思想を容易に行うことができるであろう。
【0070】
本明細書に記載の実施形態は、本発明の理想的な例示図である断面図および/または斜視図を参照して説明される。このような図面に示される膜および領域の厚さおよび穴の直径などは、技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。製造技術および/または許容誤差などによって例示図の形態を変形することができる。
【0071】
本発明の実施形態による熱圧着接合装置10について詳細に説明する。
【0072】
以下に説明する熱圧着接合装置10において、長さ方向は±x方向を意味し、幅方向は±y方向を意味し、昇降方向は±z方向を意味し、θ方向はx-y平面上で時計方向または反時計方向に回転可能な方向を意味する。
【0073】
図1は、本発明の実施形態による熱圧着接合装置10の平面図を示す図である。
図2は、本発明の実施形態による熱圧着接合装置10の正面図を示す図である。
【0074】
図1および
図2を参照すると、本発明の実施形態による熱圧着接合装置10は、ウェハーから個別化された半導体チップをピックアップして上下反転するフリップオーバーピッカー100と、前記フリップオーバーピッカー100から前記半導体チップを受け取るダイピッカー200と、前記ダイピッカー200にピックアップされた半導体チップの下面をフラックスに浸漬するためのフラックスが収容されるフラックス部300と、前記半導体チップの下面またはクラックの有無を検査するアップルッキングビジョン400と、内部に加熱部材を備えて前記半導体チップを基板に熱圧着接合する接合ヘッド700と、接合される基板が伝達される加熱テーブル910と、前記接合ヘッドにピックアップされた半導体チップと前記半導体チップが接合される基板の上面を同時に撮影して半導体チップの整列状態を検査するスリットビジョン800と、前記ダイピッカー200と前記接合ヘッド700の移動経路の下部に固定配置されてフラックスが塗布された半導体チップが伝達され、半導体チップの下面に塗布されたフラックスを逃がすための逃避溝を備えるダイブロック500と、を含む。ここで、ダイピッカー200は、半導体チップの下面をフラックスに浸漬してダイブロック500に伝達し、接合ヘッド700がダイブロック500からフラックスが塗布された半導体チップをピックアップして基板に熱圧着接合することを特徴とする。
【0075】
まず、フリップオーバーピッカー100は、テープtが拡張された状態でテープt上に接着された半導体チップをピックアップして接合ヘッドに伝達するためにZ軸方向に上下移動することができ、真空圧により半導体チップを吸着できる吸着部を備える。また、フリップオーバーピッカー100に吸着された半導体チップの上下面を反転させるために回転可能に構成することができる。
【0076】
このとき、半導体チップはテープt上に付着した状態で供給され、搬送などの作業を容易にするために、テープtの上面の縁がリング状の板材で構成されるリングフレームrfに付着される。また、テープt上に付着した半導体チップをフリップオーバーピッカー100が真空吸着してテープtから半導体チップを分離でき、これと共に半導体チップをテープtから分離するためにテープtの下部にはエジェクタ(図示せず)をさらに備えてもよい。エジェクタは、フリップオーバーピッカー100に半導体チップが吸着された状態で半導体チップを上にスライドさせてテープtから半導体チップを容易に分離することができる。
【0077】
エジェクタ(図示せず)で周辺半導体チップの干渉なく半導体チップを押し上げ、フリップオーバーピッカー100によりテープtに付着した半導体チップを容易に吸着できるようにテープtは本発明のエクスパンディング部101により拡張され、半導体チップ間の間隔を拡大することができる。
【0078】
図17に示すように、本発明の個別化された半導体チップが付着したテープtが接着されたリングフレームrfのテープtを拡張するエクスパンディング部101は、テープtの下面を支持する支持部材130と、前記リングフレームrfまたは前記テープtのいずれか一方を下方に押圧し、昇降可能に設けられた押圧板110と、前記押圧板110の押圧方向と反対の方向に前記リングフレームrfに接着されたテープの下面を押圧する弾性部材を備える剥離防止板120と、を含み、前記弾性部材は、前記テープを支持し、前記押圧板の押圧により前記押圧板の押圧方向と反対の方向に前記テープを支持するとともに、変形して前記押圧板と前記剥離防止板が共に下降することによって前記テープを拡張させることを特徴とする。
【0079】
図17aないし
図17cを参照すると、本発明のエクスパンディング部101は、個別化された半導体チップが付着したテープtが下面に接着されたリングフレームrfのテープtを拡張する作動過程を調べることができる。
【0080】
本発明のエクスパンディング部101は、テープtの下面を支持する支持部材130と、リングフレームrfを押圧して昇降可能に設けられた押圧板110と、押圧板110の押圧方向と反対の方向にテープtを押圧する剥離防止板120と、剥離防止板120の下部に設けられた弾性部材140と、を含む。
【0081】
このとき、押圧板110は、リングフレームrfを下方に押圧する押圧部材111と、リングフレームrfが安着する安着部材112と、押圧部材111と安着部材112とを連結する連結部材113と、を備え、半導体チップはテープtに付着した状態でリングフレームrfによって支持されており、ウェハー供給部(図示せず)がリングフレームrfを押圧板110の安着部材112に安着する。
図17aに示すように、安着部材112はテープtに付着したリングフレームrfの縁を支持することができる。
【0082】
リングフレームrfが安着部材112に安着した状態で押圧板110を下降させると、
図17bに示すように、剥離防止板120はテープtの下部面に接触することができる。リングフレームrfに接着されたテープtは、押圧板110がテープtが接着されたリングフレームrfの上面に接触し、剥離防止板120がリングフレームrfに接着されたテープtの下面を接触した状態で支持される。
【0083】
このような状態で押圧板110がさらに下降すると、
図17cに示すようにテープtが拡張する。すなわち、押圧板110は下降して押圧部材111の下部面とリングフレームrfの上部面とが接触した状態でリングフレームrfを下方に押圧することができる。これと同時に剥離防止板120の上部面はテープtの下面と接触した状態で弾性部材140の弾性力により押圧板110の押圧方向と反対の方向、すなわち上方にテープtを押圧することができる。
【0084】
押圧板110と剥離防止板120は、その間にリングフレームrfとテープtが位置した状態で、それぞれリングフレームrfとテープtを上部および下部でクランプすることができる。このとき、テープtの外廓領域は押圧板110と剥離防止板120にクランプされて支持部材130を基準に相対的に下降し、テープtの中心領域は支持部材130により移動が阻止され、テープtが中心点を基準に放射方向に拡張されて半導体チップ間の間隔を離隔することができる。
【0085】
本発明の実施形態では、押圧板110は昇降可能に設けられており、支持部材130が固定されるように設けられてもよいが、押圧板110と支持部材130の両方が昇降可能に設けられてもよい。
【0086】
図17の実施形態では、個別化された半導体チップが付着したテープtがリングフレームrfの下面に接着されて押圧板110がリングフレームrfの上面を押圧し、剥離防止板120がリングフレームrfに接着されたテープtの下面を押圧すると説明したが、テープtをリングフレームrfの上面に接着してもよい。このような場合には、押圧板110がテープtを押圧し、剥離防止板120がリングフレームrfを押圧するように、テープtとリングフレームrfが押圧板110と剥離防止板120によりクランプされることにより、テープtが拡張されてリングフレームrfから離脱することを防止することができる。
【0087】
フリップオーバーピッカー100は、テープtが拡張した状態でテープt上に接着された半導体チップをピックアップして接合ヘッドに伝達するためにZ軸方向に上下移動することができ、真空圧により半導体チップを吸着できる吸着部を備える。また、フリップオーバーピッカー100に吸着した半導体チップの上下面を反転させるために回転可能に構成することができる。
【0088】
フリップオーバーピッカー100は、個別化された半導体チップが付着したテープから半導体チップを吸着して上下反転することができる。このために、フリップオーバーピッカー100は、昇降方向(±z方向)に上昇および下降し、昇降方向(±z方向)を基準として180°回転可能に設けられる。フリップオーバーピッカー100は、接着テープの上部に位置し、接着テープ上の半導体チップのバンプ形成面を吸着する。このとき、半導体チップのモールディング面は、昇降方向(±z方向)を基準として下部に向かう状態である。フリップオーバーピッカー100は、半導体チップを吸着した状態で昇降方向(±z方向)に180°回転する。これにより、半導体チップは、昇降方向(±z方向)を基準としてモールディング面が上部に向かった状態で上下反転する。
【0089】
ダイピッカー200は、半導体チップと離隔した状態で負圧を形成してフリップオーバーピッカーから上下反転した半導体チップをピックアップし、昇降方向(±z方向)に上昇および下降し、長さ方向(±x方向)に移動可能に設けられる。
【0090】
以下、
図3、
図4aおよび
図4bを参照して本発明のダイピッカー200についてより具体的に説明する。
【0091】
図3は本発明の実施形態におけるダイピッカー200を示す図であり、
図4aは本発明の実施形態におけるダイピッカー200の下降状態を示す図であり、
図4bは本発明の実施形態におけるダイピッカー200の上昇状態を示す図である。
【0092】
本発明の実施形態において、ダイピッカー200は、半導体チップをピックアップするためのピックアップアーム211が形成されて移動可能に設けられたピッカー本体210と、ピッカー本体210が昇降可能に設けられた装着部材220と、ピッカー本体の移動方向に沿って延び、装着部材220が結合されて回転により装着部材220をピッカー本体の移動方向に移動させる第1回転軸230と、第1回転軸230の上部または下部で前記第1回転軸と平行な方向に延びて軸方向に回転可能に設けられた第2回転軸240と、第2回転軸240に装着されて第2回転軸240が回転するにつれて装着部材220からピッカー本体210を昇降させる切替部材250と、を含むことができる。
【0093】
このような構造により、本発明のダイピッカー200は、昇降方向(±z軸方向)に上昇および下降することができ、ピッカー本体の移動方向、すなわち
図1では長さ方向(±x軸方向)に移動することができる。
【0094】
本発明のダイピッカー200は、体積を大きくせずに半導体チップを長さ方向(±x軸方向)に移動可能かつ昇降方向(±z軸方向)に昇降可能に設けるために、第1駆動部231が第1回転軸230を回転させてピッカー本体210をx軸方向に移動させることができ、第2駆動部241が第2回転軸240を回転させてピッカー本体210をz軸方向に移動(昇降)させることができる。
【0095】
図2を再参照すると、第1駆動部231は第1回転軸230の一端に連結されてピッカー本体210を移動させることができ、第2駆動部241は第2回転軸240の一端に連結されてピッカー本体210が安定して移動できるようにしながら、ピッカー本体の昇降を可能にすることができる。
【0096】
本発明のダイピッカーを構成する各構成部についてより具体的に説明すると、まずピッカー本体210は半導体チップをピックアップするためのピックアップアーム211が形成されて移動可能に設けられる。ダイピッカー200のピックアップアーム211は、フリップオーバーピッカー100、フラックス部300、アップルッキングビジョン400、ダイブロック500のそれぞれの作業領域の上部に該当する位置までピッカー本体から突出形成することができる。
【0097】
ピックアップアーム211の一端には吸着部材210aが形成され、吸着部材210aで半導体チップを吸着して半導体チップをピックアップすることができる。このとき、吸着部材210aは、半導体チップと離隔した状態で負圧を形成して半導体チップを吸引して吸着することができる。吸着部材210aを介して半導体チップと非接触状態で空気圧によって半導体チップをピックアップすることで、ダイピッカーが半導体チップをピックアップする過程で半導体チップに加えられる衝撃とダメージを最小化することができる。
【0098】
ピッカー本体210は装着部材220に昇降可能に設けられてもよい。ダイピッカー200は装着部材220とピッカー本体210との間に昇降ガイド260を備え、ピッカー本体210は昇降ガイド260に沿ってピッカー本体210が装着部材220に対して相対移動(昇降)することができる。
【0099】
装着部材220は第1回転軸230に結合することができる。第1回転軸230は、ピッカー本体の移動方向に沿って延びて装着部材が結合され、回転により装着部材をピッカー本体の移動方向に移動させることができる。第1回転軸の外周面には螺旋状溝が形成され、第1駆動部231により回転する第1回転軸230に沿ってピッカー本体の移動方向、すなわち
図1に示すx軸方向に装着部材を移動させることができる。
【0100】
第1回転軸230は第1駆動部231によって回転され、第1駆動部231はモーターであってもよい。
【0101】
第2回転軸240は、第1回転軸の上部または下部で第1回転軸と平行な方向に延び、軸方向に回転可能に設けられる。第2回転軸240は第2駆動部241によって回転され、第2駆動部241はモーターであってもよい。
【0102】
第1駆動部231および/または第2駆動部241はボールねじモーターであってもよい。第1駆動部231および第2駆動部241は上述した例に種類が限定されない。
【0103】
第2回転軸240の外周面(表面)には、長さ方向に沿って直線状の溝が1つ以上形成されてもよい。第2回転軸の外周面に溝が形成され、切替部材250には第2回転軸の溝に挿入される突起が形成され、第2回転軸が回転すると切替部材250も共に回転することができる。
【0104】
ここで、突起は、第2回転軸240の溝に結合されて第2回転軸240の回転運動を切替部材250に伝達するための構成で、切替部材250と第2回転軸240の直線状の溝との間にボールを設けて突起の機能を行うこともできる。
【0105】
もちろん、第2回転軸240の外周面(表面)には長さ方向と平行な少なくとも1つの突起が設けられ、切替部材250には溝が形成され、突起を介して切替部材250の溝に挿入結合することができる。
【0106】
ここで、第2回転軸240はスプラインであってもよいが、これに限定されない。
【0107】
第2回転軸240は、回転しながら切替部材250を回転させ、ピッカー本体210を上下移動させることができる。すなわち、切替部材250は、第2回転軸240の回転運動をピッカー本体210の並進運動で切り替えることができる。
【0108】
切替部材250は、装着部材220がx軸に移動する際に第2回転軸240に沿って一緒にx軸に移動することができる。切替部材250は、第2回転軸240が回転する際に回転してピッカー本体210の昇降方向移動を誘導することができ、第1回転軸230が回転するときピッカー本体210の長さ方向移動を誘導することができる。
【0109】
このために、本発明の切替部材250は、第2回転軸に結合されて前記第2回転軸と共に回転可能なリンク251と、前記リンク251の他方側に装着され、前記ピッカー本体の下部に延びるブラケット253と結合するカムフォロア252と、を備えてもよい。
【0110】
また、切替部材250は、一方側が第2回転軸240に結合されて第2回転軸240と共に回転可能なリンク251と、リンク251の他方側に装着されてピッカー本体210の下部に結合するブラケット253と、ブラケット253と結合するカムフォロア252と、を備えてもよい。切替部材250の構成は上記の例に限定されず、回転によってピッカー本体210を昇降させることができる他の構成を用いても構わない。
【0111】
このとき、第1回転軸と第2回転軸は固定フレーム290に装着されてもよい。固定フレーム290は、第1回転軸と第2回転軸を装着させるための構成で、ピッカー本体の移動方向に沿って長さ方向に延びてピッカー本体の移動をガイドすることができる。
【0112】
一方、本発明のダイピッカーが
図1に示すように一対に設けられている場合には、固定フレームの一方側と他方側にそれぞれのダイピッカーが装着され、長さ方向に独立して移動可能に設けられてもよい。
【0113】
本発明の実施形態による熱圧着接合装置10では、第1回転軸230および第2回転軸240はそれぞれ異なる高さに設けられてもよいし、同じ高さに設けられてもよい。一例として、
図3に示すように、第1回転軸230は第2回転軸240よりも高い位置に設けられてもよいが、第1回転軸230は第2回転軸240よりも低い位置に設けられても構わず、第1回転軸230および第2回転軸240の相対的な高低に制限はない。
【0114】
ブラケット253は、第1水平フレーム253b、昇降方向に第1水平フレーム253bと対向する第2水平フレーム253c、および第1水平フレーム253bと第2水平フレーム253cとを連結する連結フレーム253aを含むことができる。第1水平フレーム253b、第2水平フレーム253cおよび連結フレーム253aは、「コ」字型のブラケット253を形成することができる。カムフォロア252は、「コ」字型のブラケット253の内部に収容された状態で結合することができる。
【0115】
連結フレーム253aは、第1水平フレーム253bと第2水平フレーム253cの一方側で第1水平フレーム253bと第2水平フレーム253cとを連結することができる。
【0116】
連結フレーム253aの上部は、ピッカー本体210の下部と結合されてもよく、ピッカー本体210と一体に形成されてもよい。ピッカー本体210の上部にはピックアップアームが延び、ピックアップアームの一端に形成された吸着部材210aは半導体チップと非接触状態で負圧を形成して半導体チップを吸引して吸着することができる。
【0117】
ブラケット253は、第1水平フレーム253b、第2水平フレーム253cおよび連結フレーム253aに囲まれた収容空間253dを形成することができる。カムフォロア252は収容空間253dに位置することができる。
【0118】
図4aを再参照すると、カムフォロア252は、吸着部材210aの下降状態で、収容空間253dにおいて連結フレーム253aの内側面に接触することができる。カムフォロア252は、第1水平フレーム253b、第2水平フレーム253cおよび連結フレーム253aに接触することができる。
【0119】
図4bを再参照すると、カムフォロア252は、吸着部材210aの上昇状態で、収容空間253dにおいて連結フレーム253aの内側面から離隔することができる。カムフォロア252は、第1水平フレーム253bおよび第2水平フレーム253cに接触することができる。
【0120】
リンク251は、一方側に結合された第2回転軸240を回転軸として他方側の穴にカムフォロア252が結合された状態で回転することができる。リンク251は、回転しながらカムフォロア252を上昇させることができる。
【0121】
カムフォロア252は、ブラケット253の収容空間253dに位置した状態でリンク251の回転に応じて昇降方向に移動(または円運動)することができる。カムフォロア252は、昇降方向(±z方向)移動を介してブラケット253を上昇移動させることができ、幅方向(±y方向)移動を介して連結フレーム253aから離隔することができる。カムフォロア252は、円運動を介して昇降方向にブラケット253と共に移動することができ、幅方向にブラケット253から相対移動することができる。
【0122】
カムフォロア252は、収容空間253dを介してブラケット253と昇降方向に一体駆動可能に設けられてもよい。カムフォロア252は、第2回転軸240の回転によって共に円運動し、幅方向(±y方向)に固定されているブラケット253の収容空間253d内で連結フレーム253aの内側面と離隔する方向に相対移動するとともに、第1水平フレーム253bを上昇方向に押し上げながら共に上昇移動することができる。
【0123】
第2回転軸240の回転に伴い、カムフォロア252は、連結フレーム253aの内側面と離隔する方向に移動しながらブラケット253を持ち上げながらブラケット253と共に上昇することができる。このとき、カムフォロア252が収容空間253dから離脱する問題を防止するために、第1水平フレーム253bおよび第2水平フレーム253cは、カムフォロア252の連結フレーム253aとの離隔距離よりも長く形成することができる。
【0124】
さらに、ブラケット253は、「コ」字型、「ロ」字型または「○」字型として設けられてもよい。ブラケット253は、長孔形状の収容空間253dを形成するように設けられてもよい。長孔形状の収容空間253dは、カムフォロア252の移動を受け入れるが、離脱を防止することができる。
【0125】
このような構成により、本発明のダイピッカー200は、昇降方向に上昇および下降することができ、第1回転軸に沿って水平移動することができる。
【0126】
本発明のダイピッカー200は、大きさや体積を大きくせずに長さ方向(±x軸方向)に移動可能であり、昇降方向(±z軸方向)に昇降可能に設けるために、第1駆動部231が第1回転軸230を回転させてピッカー本体210をx軸方向に移動させることができ、第2駆動部241が第2回転軸240を回転させてピッカー本体210をz軸方向移動(上昇)させることができる。
【0127】
これにより、第1駆動部231および第2駆動部241がピッカー本体210、装着部材220および切替部材250に直接連結されず、第1回転軸230および第2回転軸240を介して連結されることによって、ダイピッカー200の高さおよび位置を変化させることができ、軽量化および小型化を実現することができる。
【0128】
ダイピッカー200は、長さ方向(±x方向)に移動してフリップオーバーピッカー100の上部に移動する。ダイピッカー200は、フリップオーバーピッカー100に吸着された半導体チップ側に下降して半導体チップの上面(モールディング面)を吸着する。半導体チップは、ダイピッカー200に吸着された状態で昇降方向(±z方向)を基準としてバンプ形成面が下部に向かうように設けられて外側に露出する。
【0129】
ダイピッカー200は、半導体チップをピックアップした状態でフラックス部300の上部に移動する。
【0130】
フラックス部300は、半導体チップの下面をフラックスに浸漬するためにフラックスが収容されるフラックス収容溝を備える。
【0131】
本発明のフラックス部300は、
図6に示すように、内部にフラックスが収容されるフラックス収容溝が形成された浸漬プレート310と、前記浸漬プレート310上で移動可能に設置され、フラックスが収容される容器を下方に開放して形成されたフラックスタンク320と、前記フラックスタンク320の一方側に装着されたムービングブラケット350と、前記フラックスタンク320の移動を案内する案内部材380および前記案内部材380に沿って搬送するムービングブロック360を備えるフラックスタンク搬送部と、を含み、前記ムービングブラケット350と前記ムービングブロック360のいずれか一方には収容溝が形成され、他方には収容溝に挿入される挿入部が形成され、前記ムービングブロック360の搬送に応じて前記フラックスタンク320が搬送されることを特徴とする。
【0132】
ここで、フラックスタンク320は、フラックスが収容される容器が下側に開放されるように設けられ、フラックスを浸漬プレート310側に供給することができ、フラックス収容溝に収容されたフラックスを平坦化するスキージを備えることができる。
【0133】
フラックスタンク320は、ベース330の上部両側に形成された搬送レールに沿って浸漬プレート310の上部でy軸方向に水平移動することができ、浸漬プレート310のフラックス収容溝にフラックスを供給しながらスキージを使用してフラックスを平坦化することができる。これにより、所定の粘度を有するフラックスを、浸漬プレート310上で接合ヘッドの昇降方向を基準として一定の高さを保持するように平坦な状態で設けることができる。
【0134】
フラックスタンク320は、浸漬プレート310の上部で往復移動可能に設けられているので、フラックスタンク320が前方(一方側)に移動すると、浸漬プレート310の上部にフラックスタンク320が位置してフラックスタンク320の容器に収容されたフラックスを浸漬プレート310のフラックス収容溝に供給することができ、フラックスタンク320が後方(他方側)に移動すると、フラックスの上面が平坦になると同時にフラックス収容溝の上部が露出して半導体チップのフラックス浸漬作業を行うことができる状態となる。
【0135】
したがって、半導体チップの下面にフラックスを浸漬するときは、フラックスタンク320が浸漬プレート310のフラックス収容溝から回避されるように後方に移動した状態であることが好ましい。
【0136】
本発明のフラックスタンク320側に締結されたムービングブラケット350は、搬送方向にはガイド部材340を介して拘束されるが、上下方向にはムービングブラケット350とムービングブロック360とが互いに拘束されたり締結されたりした状態ではないので、ムービングブラケット350とムービングブロック360との間隔が可変してもy軸方向に移動することができる。したがって、フラックスタンク320が搬送される過程で搬送レールの変形が発生しても、フラックスタンク320を搬送するムービングブラケット350の上下方向の動きを許容することができ、フラックスタンク320の駆動が制約を受けなくなる。
【0137】
また、浸漬プレート310を基準として平坦度を調整する際にも、ムービングブラケット350とムービングブロック360が互いに拘束されず、上下方向に自由に間隔を可変することができ、構造的よじれや機構的偏差があってもフラックスタンク320、ムービングブラケット350、ムービングブロック360などの構造物を分解する必要なしに容易に補正が可能になる。
【0138】
もし、浸漬プレート310が装着されるベース330が過熱、または外部衝撃、または加工公差などにより水平状態を確保できず、左右高さ差があると仮定する場合、フラックスタンク320に装着されたムービングブラケット350とフラックスタンク搬送部のムービングブロック360が締結固定されると、浸漬プレート310の上面が傾斜して半導体チップをフラックスに浸漬する際にフラックスの定量塗布、均一な塗布が不可能で、機構部間のよじれが発生する可能性がある。
【0139】
しかし、本発明は、ベース330が水平状態を確保できなくても平坦度調整部材を介して浸漬プレート310の平坦度を合わせることができるようにベース330のレベルを調整することができ、このとき、浸漬プレート310の平坦度を調整する過程で、ムービングブラケット350とムービングブロック360との離隔間隔は可変であり得る。
【0140】
もちろん、離隔間隔が可変であっても、ムービングブラケット350の挿入部がムービングブロック360の収容溝に挿入された状態を保持しており、ムービングブロック360の移動がガイド部材340を介してムービングブラケット350に伝達され、ムービングブラケット350がムービングブロック360の移動方向と同じ方向に移動することができる。
【0141】
このような構造によって浸漬プレート310はフラックス収容溝の平坦度が合わせられた状態で固定され、フラックスタンク320が浸漬プレート310上で往復移動可能であるため、浸漬プレート310の動揺、揺れが最小化することができ、安定性が確保することができる。
【0142】
また、フラックスタンク320が搬送される過程で、ムービングブラケット350とムービングブロック360が上下方向に離隔して拘束されないため、浸漬プレート310またはベース330の高さ偏差によるフラックスタンク320とフラックスタンク320を駆動させるフラックスタンク搬送部との間の構造的よじれを予防することができ、高さ偏差があってもフラックスタンク320の高さを柔軟に調整して挟み込みを防止することができる。
【0143】
一方、ダイピッカー200は、フリップオーバーピッカー100から半導体チップを受け取った後、浸漬プレート310のフラックス収容溝の上部に移動する。そして、既設定された高さだけ下降してフラックスに半導体チップの下面を浸漬する。フラックスは所定の粘度を有するため、半導体チップのフラックス浸漬過程においてフラックス収容溝に収容されたフラックスの上面には圧痕が形成される。もし、次の作業される半導体チップの下面をフラックスに浸漬する時も当該圧痕が残っている場合には半導体チップの下面にフラックスが均等に定量塗布できないため、フラックスタンク320は所定の作業間隔で浸漬プレート310の上部を往復移動しながらフラックス収容溝にフラックスを供給し、フラックス収容溝に収容されたフラックスの上面を平坦化させる。
【0144】
ダイピッカーによって半導体チップの下面をフラックスに浸漬した後、アップルッキングビジョン400の上部に移動する。
【0145】
アップルッキングビジョン400は、ダイピッカー200に吸着された半導体チップの下面またはクラックの有無を上方向にビジョン検査する。このとき、アップルッキングビジョン400は、前記フラックスが塗布されていない状態の前記半導体チップのクラックの有無を検査し、前記フラックスが塗布された状態の前記半導体チップの下面を検査することができる。
【0146】
具体的に説明すると、アップルッキングビジョン400は、半導体チップの表面がダイピッカー200に吸着された状態でフラックスが浸漬された半導体チップの下面状態を検査することができ、半導体チップの下面にフラックスがよく塗布されたか塗布状態を検査するだけでなく、汚染、異物、チッピング、クラックの有無、バンプ不良などの下面状態を検査することができる。
【0147】
また、本発明のアップルッキングビジョン400は、フラックスが浸漬された半導体チップの下面状態だけでなく、半導体チップのクラックの有無を検査することもできる。アップルッキングビジョン400による半導体チップのクラックの有無検査は、ダイピッカー200に吸着された半導体チップにフラックスを浸漬する前に実行することができる。
【0148】
このとき、クラックの有無検査は必要に応じて選択的に行うことができ、クラックの有無検査を行う場合にはダイピッカーがフリップオーバーピッカーから半導体チップを受け取った後にアップルッキングビジョン400で半導体チップにクラックがあるかどうかクラックの有無を確認する。その後、クラックがないと判断された半導体チップの下面をフラックスに浸漬し、再びアップルッキングビジョン400に移動してフラックスが塗布された半導体チップの下面検査を行うことができる。
【0149】
ダイピッカー200は、アップルッキングビジョン400で半導体チップの下面検査を行った後、ダイブロック500の上部に移動する。ダイブロック500は、ダイピッカー200と接合ヘッド700の移動経路の下部に固定配置され、フラックスが塗布された半導体チップが伝達され、半導体チップを支持し、半導体チップの下面に塗布されたフラックスを逃がすための逃避溝510を備える。
【0150】
ダイブロック500の逃避溝510は、上部が開放されて内側に傾斜した傾斜面が形成され、半導体チップが傾斜面に支持され、逃避溝の底面から半導体チップの下面が離隔することができる。
【0151】
図7および
図8を参照して本発明のダイブロック500についてより具体的に説明すると、ダイブロック500は、前記半導体チップを支持して前記半導体チップの下面に塗布されたフラックスを逃がすための逃避溝510を備え、前記逃避溝510は、上部が開放されて内側に傾斜した傾斜面が形成され、前記半導体チップが前記傾斜面に支持されて前記逃避溝510の底面から前記半導体チップの下面が離隔されることを特徴とする。このとき、半導体チップは、傾斜面に半導体チップの側面が支持されて逃避溝の底面から半導体チップの下面が離隔されてもよく、傾斜面の下部に形成される突出端によって半導体チップの下面の縁が支持されて逃避溝の底面から半導体チップの下面が離隔されてもよい。
【0152】
本発明では、ダイブロック500を回転可能に設けることができ、ダイピッカー200によってフラックス50が塗布された半導体チップ20を提供することができる。ダイブロック500は、半導体チップ20の下面のフラックス50を逃がすための逃避溝510を含むことができる。
【0153】
参照として、半導体チップの下面にはバンプが形成されており、下面の縁(枠)はバンプが形成されていない領域である。半導体チップの下面をフラックスに浸漬する際、半導体チップの下面のうちバンプ形成面20bにフラックスが塗布され、縁はフラックスが塗布されなくなる。
【0154】
半導体チップ20のバンプ形成面20bにはフラックス50が塗布された状態であるため、バンプ形成面20bと逃避溝510の底面との離隔距離によって半導体チップの下面に塗布されたフラックス50が逃避溝510に付く問題を防止することができる。
【0155】
本発明は、半導体チップ20がダイブロック500の逃避溝に伝達されても、半導体チップの側面や下面が傾斜面に支持されて逃避溝の底面から半導体チップの下面が離隔することができる。半導体チップ20に塗布されたフラックス50を定量で保持することができ、逃避溝の底面がフラックスによって汚染されることを防止することができる。
【0156】
もし、逃避溝510の底面に半導体チップ20のバンプ形成面20bを接触させて安着させる場合、ダイブロック500上に半導体チップ20を仮安着させる際にフラックス50が逃避溝510の底面に付いて一部のフラックス50のロス(Loss)が生じることがある。バンプ形成面20bに塗布されたフラックス50の定量が不足するという問題を発生させ、半導体チップ20の電気接続を低下させ、半導体チップ20が基板40から容易に剥離される問題を発生させることができる。また、ダイブロック500の底面に付いたフラックス50によってダイブロック500が容易に汚染され、後続で伝達される半導体チップ20の接合クオリティに影響を与えることができる。
【0157】
本発明の実施形態による熱圧着接合装置10は、ダイブロック500上に半導体チップ20が伝達されると、半導体チップの下面のフラックスがダイブロックに付いて半導体チップのバンプ形成面20bに塗布されたフラックス50が不足する問題を防止するために、本発明のダイブロックは、半導体チップの下面に塗布されたフラックスを逃がすための逃避溝510を備える。
【0158】
ダイブロック500の逃避溝510は、ダイブロックに溝を加工してダイブロック500と一体的に設けてもよく、複数の突出ブロック520によって逃避溝510が形成されてもよい。複数の突出ブロック520のそれぞれは、少なくとも一部が内側に傾斜するように形成されてもよい。それぞれの突出ブロック520の内側は、突出ブロック520の上端部から少なくとも一部の高さまで傾斜して設けられてもよい。
【0159】
また、突出ブロック520は、半導体チップ20の位置が歪まない範囲で最小の大きさに形成することができ、半導体チップ20の縁のみを突出ブロック520で支持して半導体チップ20の下面に塗布されたフラックス50が突出ブロック520に付着することを防止することができる。複数の隣接する突出ブロック520はそれぞれ互いに離隔することによって半導体チップ20の頂点部分を突出ブロック520と非接触状態に保持することができる。したがって、半導体チップが突出ブロックによって形成された逃避溝に伝達されるときに半導体チップにかかる衝撃を最小化することができる。
【0160】
また、半導体チップが切断される過程で発生し得る加工誤差によって、半導体材料の縁に誤差があっても頂点の接触がなく、半導体チップが滑らかに傾斜面を乗って下がることができる。
【0161】
もちろん、1つの突出ブロックで形成され、突出ブロックの内部に逃避溝が設けられる形態で構成されてもよい。突出ブロック520の上面は、後述する接合ヘッド700の一部が接触する面を形成してもよい。
【0162】
また、1つの突出ブロックで逃避溝を形成する場合、突出ブロック520の角部は、半導体チップの頂点が接触しないように溝が加工されてもよい。
【0163】
また、突出ブロック520は、対向する突出ブロック間の間隔を広げるためにダイブロック500の中心から外方向に後退移動してもよく、対向する突出ブロック520間の間隔を狭めるためにダイブロック500の中心方向に前進移動してもよい。複数の突出ブロック520は、駆動用のシリンダまたはモーターなどの駆動部をさらに含んでもよい。
【0164】
したがって、傾斜面を介して収容できる半導体チップの大きさ範囲外の半導体チップの安着に対応して様々な大きさの半導体チップを収容することができる。
【0165】
本発明の実施形態では、逃避溝510は、上部が開放されて内側に傾斜した傾斜面が形成されている。このとき、傾斜面は、下部に水平方向に延びる突出端550によって段差540を形成してもよい。
【0166】
逃避溝510には、内側に傾斜した傾斜面530のみが形成されてもよく、傾斜面530と突出端550とが共に形成されてもよい。傾斜面に突出端が形成された場合には、傾斜面530と突出端550とによって形成された段差540が半導体チップ20の下面の縁を支持して逃避溝510の底面から半導体チップ20を離隔させることができる。
【0167】
ダイブロック500は、逃避溝510を介してフラックス50が塗布された半導体チップ20の下面およびバンプ21が底面から離隔する空間を提供することができる。すなわち、逃避溝の上部は開放され、下部は半導体チップの下面と離隔して半導体チップのフラックスを逃がすことができる領域が形成される。
【0168】
まず、
図7aおよび
図7bに示すように、本発明の一実施形態によるダイブロックを説明すると、ダイブロックの逃避溝は上部が開放され、下部が傾斜した傾斜面が形成されて半導体チップの側面が傾斜面に支持されて逃避溝の底面から半導体チップの下面が離隔される。
【0169】
このとき、半導体チップ20は、下面縁の外側、すなわち半導体チップの側面が逃避溝510の内側の傾斜面に接触して支持された状態で安着することができる。これにより、半導体チップ20は逃避溝510に伝達されて逃避溝510の底面と半導体チップ20の下面(バンプ形成面20b)およびバンプ21とが離隔することができる。
【0170】
ここで、ダイブロックの逃避溝510の内側に傾斜した傾斜面530を介して上部である開放領域(開口部)から底面に向かうほど水平断面積が小さくなる断面形状を形成することができる。
【0171】
逃避溝510は、傾斜面530によって開口部から底面に向かって連続的に水平断面積が小さくなるように形成することができる。
【0172】
このとき、傾斜面は半導体チップを下側にガイドしながら半導体チップの安着を誘導し、傾斜面の角度は必要に応じて適切に変更実施することができる。
【0173】
例えば、傾斜面530の角度(傾き)を高く形成して、半導体チップ20のガイド効果を高めながら円滑な安着を実現することができる。
【0174】
ただし、傾斜面の角度が高すぎる場合には、半導体チップがガイドされて水平整列をする前に半導体チップが先に接触した面に乗って移動して半導体チップが傾いた状態で安着することができるので、適切な角度で形成されて水平状態を容易に維持しながら半導体チップを安着溝の定位置に安着させることができる。
【0175】
そこで、本発明のダイブロック500は、
図8aおよび
図8bに示すように、半導体チップが水平状態で安着溝の定位置に安着されるように突出端550が形成された逃避溝510を備えることができる。
【0176】
逃避溝510は、傾斜面530の下部に水平方向に延びる突出端550が形成されている。突出端は段差形態であり得る。このような傾斜面と突出端により、逃避溝510は傾斜面530によって開口部から底面に向かって連続的に水平断面積が小さくなるが、突出端550から底面に向かって水平断面積が同一に保持されるように形成することができる。
【0177】
傾斜面によって半導体チップ20がガイドされながら突出端550まで移動することができる。突出端550によって半導体チップを水平方向に同じ高さに安着させることができ、ダイピッカーによって半導体チップが逃避溝510に伝達されるとき、半導体チップ20がいずれか一方に偏ったり傾けたりしないように水平状態を保持しながら安着することができる。
【0178】
特に、突出端550によって水平領域が半導体チップ20の下面の縁と面接触することにより、より安定的に半導体チップ20が水平状態を保持しながら安着することができる。
【0179】
ダイブロック500に伝達されたフラックスが塗布された半導体チップは接合ヘッド700によってピックアップされる。
【0180】
接合ヘッド700は、ダイブロック500に伝達された半導体チップの上面と非接触状態で半導体チップをエアで引き寄せて吸着することにより、接合ヘッド700がダイブロック500からフラックスが塗布された半導体チップをピックアップする過程で半導体チップに加わる衝撃およびダメージを最小化することができる。
【0181】
本発明の接合ヘッド700は、内部に加熱部材が装着され、x-y平面上で水平方向に移動可能に設けられ、昇降駆動部によってz軸方向に昇降可能に設けられ、x-y平面上で時計方向または反時計方向に回転可能である。
【0182】
本発明の接合ヘッド700について、
図9を参照してより詳細に説明する。
【0183】
本発明の接合ヘッド700は、前記半導体チップを加熱する加熱部材780を備えて前記半導体チップを熱圧着接合する接合ツール770と、前記接合ツール770の上部に設けられ、昇降可能に装着される軸790と、前記軸790を支持し、前記軸790にかかる自重に所定の荷重を加減する荷重制御部750と、前記荷重制御部750の上部に設けられて前記軸790の外周面に固定される可動子732および前記可動子732を上下方向に移動可能に駆動して前記接合ツール770を所定のフォースで押圧する駆動子731を備える押圧部730と、前記荷重制御部750と前記押圧部730との間に設けられ、前記半導体チップに加わる荷重をリアルタイムで測定する第1荷重測定部740と、前記押圧部730の上部に設けられ、前記軸790を回転させる回転モーター710と、前記回転モーター710と前記軸790とを連結し、前記回転モーター710の回転力を前記軸790に伝達する低摩擦カップリング720と、を含み、前記低摩擦カップリング720は、上部が前記回転モーター710と連結され、下部が前記軸790と連結され、前記回転モーター710と前記軸790との間に離隔した空間を形成し、前記離隔した空間の間で前記可動子732によって前記軸790が昇降可能である。
【0184】
本発明の接合ヘッド700は図示していないが、昇降駆動部の一方側に装着され、昇降駆動部により昇降可能に設けられ、昇降駆動部は別個の装着部材を介して移動部に装着され、x-y平面上で移動することができる。
【0185】
昇降駆動部は、接合ツール770が半導体チップをピックアップするために所定高さ下降し、ピックアップ後には所定高さ上昇した状態で移動し、各作業領域(半導体チップピックアップ、半導体チップ検査、半導体チップ接合など)で必要に応じて昇降可能に設けられる。
【0186】
また、移動部は、接合ヘッド700を各作業領域に位置させることができるようにx-y平面上で移動される。
【0187】
本発明の接合ツール770は、半導体チップを吸着および加熱できるように構成され、前記半導体チップを加熱する加熱部材780と、前記半導体チップを吸着する吸着孔700aと、前記吸着孔と連通して前記半導体チップを吸着するためにエアを吸引するエア吸引口771と、前記加熱部材780を冷却するためのエアを供給するエア供給口772と、前記エア供給口772によって供給されたエアを排出するエア排出口773と、を備える。
【0188】
このとき、加熱部材780には、前記吸着孔700aと連通する貫通孔が形成されてもよい。貫通孔は、吸着孔と対応する位置に複数個形成されてもよく、吸着孔よりも大きな領域で形成されて吸着孔と貫通孔とが連通してもよい。
【0189】
接合ツール770の加熱部材780は、基板と半導体チップが接触すると既設定された所定の温度に加熱されることができ、所定の温度に既設定された時間加熱した後は溶融したバンプを冷却して基板と半導体チップとが接合できるようにエア供給口772を介して加熱部材780を冷却するためのエアを供給し、このとき供給されるエアは冷却エアまたは常温エアであってもよい。
【0190】
エア供給口772を介して供給されたエアは、エア排出口773を介して排出されてもよい。
【0191】
接合ツール770の上部には、基板の表面と半導体チップを平行に合わせるための水平レベラー760を設けることができる。水平レベラー760は、ジャイロを介して接合ツール770の下面と基板または積層位置の半導体チップの表面が互いに平行になるように接合ツール770の水平状態を調整することができる。
【0192】
したがって、接合時に半導体チップのいずれか一方に偏らずに基板と水平な状態で均一なフォースを印加することができる。
【0193】
軸790は接合ツール770の上部に設けられ、軸790の最下部には接合ツール770が装着され、軸790の上部には低摩擦カップリング720が設けられている。
【0194】
荷重制御部750は、荷重を制御するための構成で軸790を支持し、軸790にかかる自重に所定の荷重を加減することができる。具体的には、接合ヘッド700の自重と同じ方向にフォースを加えて荷重を増加させてもよく、接合ヘッド700の自重と反対の方向、すなわち、自重が相殺される方向にフォースを加えて荷重を減少させてもよい。
【0195】
このとき、フォースを実現するためには力を加える構成であればどのような構成でも構わないが、本発明では流体圧でフォースを実現することができ、流体の量(流体の圧力)と流体が供給される方向を決定して荷重を増加または減少させることができる。
【0196】
荷重制御部750の一方向(昇降方向(±z方向)で上方向)に流体を供給する場合、接合ヘッド700の自重が減衰することができ、他方側(昇降方向(±z方向)で下方向)に流体が供給される場合、接合ヘッド700の自重に供給された流体の量だけ所定の荷重を加えることができる。
【0197】
荷重制御部750は、上下方向に軸790を非接触で支持して半導体チップが正確な位置に接合できるようにしながら軸790が昇降する際の荷重制御部750の非接触支持により発生し得る摩擦力を最小化することができる。すなわち、軸790は荷重制御部750を貫通することができ、荷重制御部750の内周面と軸790の外周面とは所定の間隔に離隔してギャップを形成することができる。ここで貫通して形成されたという意味は、軸790の昇降運動と回転運動を接合ツール770に伝達するためのものであり、軸790が直接荷重制御部750を貫通して軸790の先端に接合ツール770を装着することができる。または、荷重制御部750の内部に別個の荷重制御部軸が設けられ、荷重制御部軸の一方側に軸790を連結し、他方側に接合ツール770を連結してそれぞれ個別的に分離することができる軸を有する接合ヘッド700を構成してもよい。このとき、ギャップは荷重制御部750の内周面と荷重制御部軸の外周面に形成することができる。
【0198】
ギャップには流体を供給して軸790を非接触で支持し、軸790が上昇または下降するときに軸790に加わる摩擦力を最小化することができる。
【0199】
押圧部730は、荷重制御部750の上部に設けられ、軸790の外周面に固定される可動子732と、可動子732を上下方向に移動可能に駆動させて接合ツール770を介して半導体チップを所定のフォースで押圧する押圧力を制御する駆動子731と、を備える。
【0200】
押圧部730は、好ましくはモーターで構成することができる。押圧部730は、軸790を介して荷重制御部750と直結状に連結されてもよく、好ましくは、押圧部730の可動子732を軸790が貫通することができる。特に、回転モーター710の回転力が低摩擦カップリング720を介して軸790に伝達されると、軸790が貫通固定される押圧部730の可動子732が軸790と共に回転して軸790の下部に設けられた接合ツール770を回転させることができる。
【0201】
また、押圧部730は、コントロール部の制御に応じて可動子732が駆動子731内で上下方向に進退可能に駆動して接合ツール770を所定の接合フォースで押圧することができる。
【0202】
また、可動子732の進退を利用して接合ツール770に印加するフォースを制御することができ、押圧部730に入力される入力値に応じて駆動子731が可動子732を上下方向に移動するように駆動させて所望のフォースを得ることができる。すなわち、押圧部730は入力値に応じて異なる大きさの力を接合ツール770に加えることができる。このとき、押圧部730で加えられる力は、接合ツール770に吸着された半導体チップに提供される力であってもよい。
【0203】
可動子732の進退のための制御方法を、押圧部730がモーターで構成される場合を例に説明すると、制御部に必要な電流値が入力されると、電流が可動子732の周辺のコイルに通電され、駆動子731内で可動子732が上下方向に進退運動し、所望のフォースで可動子732が半導体チップを押すことができるようにコイルの電流をモニタリングして入力された電流がコイルに流れるようにする。ここで所望のフォースを出すための入力値は、荷重制御部750により接合ヘッド700の自重を相殺させた状態で、押圧部730の入力値を順次可変させながら接合ヘッド700の荷重値を測定して入力値に対する接合ヘッドの荷重値を予めデータ化することによって求めることができ、データを通じて入力値を決定して半導体チップに印加されるフォースを設定することができる。
【0204】
本発明の押圧部730は、接合ツール770に加えられるフォースを制御できるトルク制御を行うこともでき、可動子732の上下方向の移動量を制御して可動子732の位置を制御できる位置制御を行うこともできる。
【0205】
また、押圧部730は、可動子732が接合ツール770にフォースを印加するために上下移動するときはトルク制御を行い、回転モーター710の回転力を接合ツール770に伝達するときは位置制御を行うことができる。例えば、接合ヘッド700に吸着された半導体チップがxy平面上でθ方向に歪む場合、回転モーター710で補正をしなければならないので接合ヘッド700の半導体チップを補正するときは押圧部730が位置制御を行い、補正が完了した半導体チップを基板に接合するときは所望のフォースで押圧しなければならないのでトルク制御を行うことができる。
【0206】
そして、可動子732の位置を測定するために、押圧部高さ測定部733と押圧部高さ測定部733を装着するための固定部をさらに備えてもよい。
【0207】
固定部は、押圧部高さ測定部733を装着できる構成であればどのような構成でも構わず、固定部が可動子732と荷重制御部750との間に配置され、固定部が可動子732により昇降する時に一緒に昇降できるように軸790が設けられてもよい。
【0208】
例えば、
図9に示すように、固定部は、軸790の中心部から偏心形成されたフレーム734とフレーム734の上面に結合される係止顎735とから構成されてもよい。このとき、フレーム734と係止顎735とは、結合した形態で形成されてもよく、一体型に形成されても構わない。
【0209】
このとき、押圧部高さ測定部733の下端をフレーム734と係止顎735との間に挿入して固定することができ、押圧部高さ測定部733の上端をフレーム734と係止顎735との間に挿入して固定しても構わない。押圧部高さ測定部733が軸790に貫通した固定部に装着されてフレーム734と係止顎735との間に挿入装着される構造により、安定的に軸790に固定されて軸790と一体的に移動することができ、より精密に可動子732の位置を測定することができる。
【0210】
このとき、押圧部高さ測定部の高さを確認できる目盛りやスケールをさらに備えることができる。
【0211】
押圧部高さ測定部733は、可動子732の位置を測定して駆動子731内で進退移動する可動子732の位置を判断することができ、可動子732の位置から駆動子731の位置と、可動子732に固定された軸790と直結して連結された接合ツール770との相対的な位置を算出することができる。
【0212】
荷重制御部750と押圧部730との間には、第1荷重測定部740が設けられている。第1荷重測定部740は、半導体チップに加わる荷重をリアルタイムで測定することができる。これにより、半導体チップを接合する際に既設定された荷重が半導体チップに加わっているか検証ができるようになる。
【0213】
参照として、本発明の接合ヘッド700は、荷重制御部750が軸790の自重を相殺した状態で、押圧部730によって所定のフォースで押圧することができる。半導体チップを基板に接合する際に押圧部730により既設定された荷重で半導体チップを押圧することになるが、接合時に加わる反力が第1荷重測定部740を介してリアルタイム測定され、接合圧、すなわち接合ヘッド700の荷重をモニタリングすることができる。
【0214】
参照として、接合ヘッド700から半導体チップに加わる荷重を、半導体チップを接合する接合圧と同じにするために、本発明は接合ヘッド700の荷重測定部を設定してもよい。
【0215】
このために加熱テーブル910の一方側に、接合ヘッド700と接触して接合ヘッド700の荷重を測定する第2荷重測定部を設けることができ、接合ヘッド700を第2荷重測定部に接触したときの測定値が第1荷重測定部740の測定値と等しくなるように第1荷重測定部740を設定する。
【0216】
参照として、接合ヘッド700と第2荷重測定部とが接触する際に接合ヘッド700の荷重制御部750が軸790に加わる自重を相殺した状態であるため、接合ヘッド700の押圧部730が力を加えない場合には、第2荷重測定部でも測定される値はないが、接合ヘッド700が加熱テーブル910の第2荷重測定部と接触した後、下降が停止すると、外力がない状態で第2荷重測定部で測定される接合ヘッド700の荷重と接触による反力によって第1荷重測定部740で測定される荷重は第2荷重測定部の荷重と同じでなければならない。したがって、互いに同じ測定値が出ることができるように、第1荷重測定部740の測定値と第2荷重測定部の測定値とを同一に設定し、このとき、設定される値は加熱テーブル910に設けられた第2荷重測定部の測定値を基準とすることが好ましい。もちろん、このとき、第2荷重測定部は、設定用錘を用いて検証が完了したものであってもよい。
【0217】
第1荷重測定部740の測定値の設定は、接合を行う前に機器を設定する過程で作業者によって実行され、接合ヘッドが半導体チップを既設定された力で押圧するか否かを第2荷重測定部によって検証する過程を行い、第1荷重測定部740に第2荷重測定部の誤差値を反映する第1荷重測定部の設定によって半導体チップを接合する際の接合圧力(荷重)をリアルタイムで正確にモニタリングできるようになる。
【0218】
特に、熱圧着接合装置10の場合には、半導体チップと基板を加熱加圧するため、既設定された温度でバンプが溶融することになる。バンプの溶融時に半導体チップを押圧していた接合ヘッド700の押圧力によって接合ツール770がバンプを圧潰して下降することでショートを誘発することができるため、半導体チップに加わる荷重をリアルタイムで感知できるようにしてバンプの溶融開始点を基準として接合ヘッドまたは接合ツール770の高さまたは位置を制御したり、押圧部730で加わる接合フォースを変化させたりするなどの様々な制御および設定を行うこともできる。
【0219】
回転モーター710は、押圧部730の上部に設けられ、軸790を回転させる。軸790が回転すると、軸790に連結される押圧部730の可動子732と、軸790の下部に設けられた接合ツール770とが共に回転する。回転モーター710は、
図1に示すスリットビジョン800の検査結果に応じて接合ヘッド700の角度ずれがある場合、補正のために接合ヘッド700を回転させることができる。
【0220】
すなわち、スリットビジョン800は、接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップと半導体チップが接合される基板の上面を同時に撮影して半導体チップと基板との整列状態を検査し、検査結果に応じて接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップが基板の接合位置に接合できるように、移動部により接合ヘッド700をx軸およびy軸方向に移動して半導体チップのxおよびy方向の捩れ量を補正し、回転モーター710により、接合ヘッド700を角度θに対して回転させてθ方向の捩れ量を補正することができる。
【0221】
このとき、回転モーター710の回転力が接合ヘッド700に損失なく素早く伝達されるように、押圧部730のモーターは、可動子の位置を固定する位置制御を行うようにすることが好ましい。
【0222】
本発明の低摩擦カップリング720は、回転モーター710と軸790とを連結する構成であり、回転モーター710の回転力を軸790に伝達することができる。このとき、低摩擦カップリング720は、上部が回転モーター710に連結され、下部が軸790に連結され、回転モーター710と軸790との間に離隔した空間を形成する。
【0223】
離隔した空間の間で軸790が昇降可能であり、軸790が離隔した空間内で昇降するときに上部が固定された状態で下部が上下方向に移動可能になるように低摩擦カップリング720は伸縮可能に構成することができる。
【0224】
本発明の低摩擦カップリング720は、摩擦を最小化するために金属材質で形成することができる。また、伸縮可能に構成されたベローズを使用することもできるが、これに限定されない。
【0225】
本発明の実施形態による接合ヘッド700は、各作業領域に移動または回転する際に、押圧部730のモーターが位置制御の状態で行うことができ、基板の接合位置の上部で半導体チップを基板に所定のフォースで押圧するときは、トルク制御の状態で行うことができる。
【0226】
特に、押圧部730は、接合ツール770を介して半導体チップを所定の接合フォースで押圧するように、駆動子731が可動子732を上下方向に移動させることができ、駆動子731が可動子732をz軸の下方向に移動させる場合には接合ツール770に加わるフォースが増加し、駆動子731が可動子732をz軸の上方向に移動させる場合には接合ツールに加わるフォースが減少する。
【0227】
したがって、押圧部730は、既設定された接合フォースを印加することができ、既設定された接合フォースが押圧部730の容量より大きい場合には、荷重制御部750が不足する荷重だけのフォースを実現することができる量の荷重制御部750の流体圧を下側に供給して軸790の自重に所定の荷重を加えたり、軸790の自重を相殺することなく自重を利用できるように荷重制御部750を制御したりして半導体チップに既設定された接合フォースを付与することができる。
【0228】
また、接合ツール770に加わる接合フォースを最小で実現するためには、押圧部730で接合フォースを印加しないか、または最小限の接合フォースのみを印加するように設定した状態で荷重制御部750が流体圧を上側で供給して軸790の自重を相殺して接合ツール770の荷重を減少させることによって、半導体チップに最小の接合フォースを付与することができる。
【0229】
これにより、本発明は、軸790の自重を相殺して低圧接合フォースを実現してもよく、押圧部730の容量に制約を受けることなく荷重制御部750を介して軸790に所定の荷重を付加することによって、押圧部730の容量より大きい高圧の接合フォースを実現してもよい。
【0230】
このとき、軸790が上昇または下降する過程で荷重制御部750は軸790を上下方向に非接触で支持し、荷重制御部750の内周面と軸790の外周面との間のギャップに流体を供給することによって軸790に加わる摩擦力を最小化することができ、摩擦による抵抗を相殺して低フォースを実現しながら正確な位置に半導体チップを接合することができる。
【0231】
特に、薄かったり割れやすい半導体チップを接合する際に半導体チップに加わる荷重が大きくなると、半導体チップに加わるダメージが大きくなるため、半導体チップが割れたり破損することがあるが、本発明によれば接合ヘッド700の自重を相殺させることができ、低圧接合が可能になる利点がある。
【0232】
また、接合フォースを設定する際に既設定された接合フォースがどのモードに属するかを判断して接合フォースをローモード、ミドルモード、ハイモードのいずれかに設定し、各モード当たり荷重制御部750は同量の流体圧を供給して所定の荷重を実現した状態で、さらに必要なフォースだけ押圧部730の入力値を可変して該当接合フォースを設定することもできる。
【0233】
例えば、各接合フォースごとに荷重制御部750により既設定された量の流体圧を供給して所定の荷重に到達し、所定の荷重で不足した接合フォースは押圧部730により調整されて所望の接合フォースを実現することができる。荷重制御部750は、各モードごとにローモード荷重、ミドルモード荷重、ハイモード荷重を実現するための流体圧に基づいて該当モードを実現し、押圧部730の入力値に応じて半導体チップに提供する力をより精密かつ迅速に制御することができる。
【0234】
したがって、押圧部730の容量を増大させることなく荷重を相殺したり、追加荷重付与が可能な荷重制御部750を用いて押圧部730の容量より大きな荷重を実現したりすることができる。したがって、小さい容量の押圧部730を使用することができ、接合ヘッド700の重さを軽量化することによって接合ヘッド700を高速で移動させることができ、機器のUPHを落とさなくなる。
【0235】
また、接合ヘッド700の構成部や部品を交換する必要がなく低圧接合と高圧接合の両方を実現することができ、荷重制御部750のモードを選択した状態で押圧部730で微細な押圧力制御を行うことができ、高速で精密な荷重制御を行うことができる効果がある。参照として、荷重制御部750が該当モードに該当する流体圧を供給して荷重を固定した状態で、押圧部730により所望のフォースだけ速く精密に追加制御することができ、押圧部730でモーターを使用でき、速いフォース設定が可能になる効果がある。
【0236】
また、本発明の接合ヘッド700は、回転モーター710と低摩擦カップリング720、軸790、押圧部730、荷重制御部750が直結して連結されることにより、押圧部730によって軸790の位置制御を行うことができ、接合ヘッド700の昇降駆動部とは別に接合ツールの昇降が可能となる。特に、軸790に回転モーター710が低摩擦カップリング720を介して直列に接続されることにより、回転力損失なしに軸790が回転できるため、精密な半導体チップの位置補正が可能となる効果があり、回転モーター710と押圧部730の制御指令に応じた駆動を迅速に行うことができる。
【0237】
また、本発明の接合ヘッド700は、各構成が摩擦力による抵抗を最小化して軸790の昇降駆動時に低フォースを実現できるという利点がある。特に、低摩擦カップリング720は、回転モーター710の回転力を軸790に伝達しながら軸790の昇降移動も可能に構成され、軸790の昇降移動は低摩擦カップリング720の離隔空間で行われるため、摩擦力を最小化することができる。
【0238】
ここで、低摩擦カップリング720は、回転力の伝達と昇降移動のガイドを行うために伸縮可能に構成することができ、このとき、低摩擦カップリング720のみで軸790を支持する場合、位置が捩じる可能性があり、荷重制御部750を利用して軸790の位置を非接触で支持して半導体チップを基板の正確な位置に接合することができ、このような軸790の昇降移動時に軸790を支持する構成の摩擦抵抗を最小化してz軸の無負荷を実現することができ、低フォース制御時に軸790の摩擦を考慮しなくても精密にフォースを制御することができる。ここで無負荷は負荷がない場合を考えることができるが、本明細書では、接合時に使用されるフォースに影響を与えない小さな摩擦抵抗を有する場合も含む。
【0239】
また、本発明の接合ヘッド700は、荷重制御部750と押圧部730との間で半導体チップに加わる荷重をリアルタイムで測定することにより、接合時に半導体チップに適切な押圧力が加わるかを検証できるだけでなく、その押圧力によってバンプが溶融する過程でバンプの圧潰を防止できるように接合ツール770および接合ヘッドの高さを制御するのに活用でき、接合クオリティを向上させることができる。
【0240】
一方、本発明のダイピッカーの移動およびダイピッカーによる各作業領域における作業について、
図5aないし
図5dを参照して説明する。
【0241】
図5aは、本発明の実施形態におけるダイピッカー200が第2高さL2に位置してフリップオーバーピッカー100から半導体チップを提供される状態を示す図である。
図5bは、本発明の実施形態におけるダイピッカー200が第2高さL2に位置して半導体チップを浸漬する状態を示す図である。
図5cは、本発明の実施形態におけるダイピッカー200が第1高さL1に位置してアップルッキングビジョン400により半導体チップの検査が実行される状態を示す図である。
図5dは、本発明の実施形態におけるダイピッカー200が第2高さL2に位置してダイブロック500にフラックスが塗布された半導体チップを伝達する状態を示す図である。
【0242】
以下で説明されるダイピッカー200の上昇状態および下降状態は、具体的には、ピッカー本体210の上昇状態および下降状態を意味することができる。
【0243】
ダイピッカー200(またはピッカー本体210)は、上昇状態で第1高さL1に位置し、第1高さL1から各作業領域に移動することができる。また、第1高さL1は、アップルッキングビジョンにおける検査高さとすることができる。ダイピッカー200は、下降状態で第2高さL2に位置することができ、このとき、第2高さL2はフリップオーバーピッカー、フラックス部およびダイブロックにおけるダイピッカーの作業高さとすることができる。第1高さL1は、第2高さL2よりも高い位置を意味することができる。
【0244】
ダイピッカー200は、制御部(図示せず)によって第1高さL1に位置した上昇状態でダイピッカーの作業領域に移動することができる。ダイピッカー200は、制御部によって第1高さL1から第2高さL2に下降することができ、第2高さL2から第1高さL1に上昇することができる。ダイピッカー200は、制御部によって第2高さL2でフリップオーバーピッカー、フラックス部、ダイブロックでの作業を行うことができる。制御部は、ダイピッカー200の上昇状態および下降状態を切り替えることができる。
【0245】
図5aを参照すると、半導体チップのピックアップ過程を実行することができる。ダイピッカー200は、上昇状態である第1高さL1からフリップオーバーピッカー100の上部領域に移動することができる。
【0246】
フリップオーバーピッカー100は、ウェハーから個別化された半導体チップをピックアップするために半導体チップ側に下降して接合される半導体チップの上面、すなわち半導体チップのバンプ形成面を吸着して所定高さ上昇した後、180°回転して半導体チップの上下面を反転させることができる。
【0247】
フリップオーバーピッカーによって半導体チップの上下面が反転した状態で、ダイピッカー200は、第1高さL1から第2高さL2まで下降して下降状態に切り替えることができる。ダイピッカー200は、下降状態である第2高さL2でフリップオーバーピッカー100から半導体チップを提供されてもよい。このとき、ダイピッカー200は、半導体チップと離隔した状態で負圧を形成して半導体チップを吸引して吸着することができる。その後、ダイピッカー200は半導体チップをピックアップした状態で第2高さL2から第1高さL1まで上昇して上昇状態に転化し、ダイピッカー200は第1高さL1を保持した状態でフラックス部の上部に移動する。
【0248】
図5bを参照すると、フラックス部で半導体チップの浸漬過程を実行することができる。ダイピッカー200は、上昇状態である第1高さL1でフラックス部300の上部領域に移動し、フラックス部の上部に到達すると第1高さL1から第2高さL2まで下降し、下降状態に切り替えることができる。ダイピッカー200は、下降状態である第2高さL2で半導体チップの下面をフラックスに浸漬することができる。フラックスを浸漬した後、フラックスタンクが浸漬プレートの上部で往復移動してフラックスが収容されているフラックス収容溝のフラックス上面を平坦化することができる。
【0249】
ダイピッカー200は、フラックスが塗布された半導体チップをピックアップした状態で、第2高さL2から第1高さL1まで上昇して上昇状態に切り替えることができる。その後、ダイピッカーは第1高さL1を保持した状態でアップルッキングビジョンの上部に移動し、ダイピッカー200がアップルッキングビジョンの上部に移動するとフラックスタンクが浸漬プレートの上部で往復移動してフラックス収容溝に収容されたフラックスの上面を平坦化することができる。
【0250】
図5cを参照すると、アップルッキングビジョンにおいて半導体チップの検査過程を実行することができる。ダイピッカー200は、上昇状態である第1高さL1でアップルッキングビジョン400の上部領域に移動し、アップルッキングビジョン400の上部に到達すると別途の昇降動作なしに半導体チップの下面を検査することができる。
【0251】
ダイピッカー200がフリップオーバーピッカーからフラックス部に移動するとき、フラックス部からアップルッキングビジョンに移動するとき、アップルッキングビジョンからダイブロックに移動するときの既設定された同一高さは、アップルッキングビジョンからダイピッカーにピックアップされた半導体チップを検査する際の既設定されたアップルッキングビジョンのワーキングディスタンス(working distance,wd)に該当する高さと同じ高さである。
【0252】
ワーキングディスタンスは、半導体チップをアップルッキングビジョンで検査する際のアップルッキングビジョンのレンズの前から半導体チップまでの物理的距離を意味し、ここで半導体チップの検査が可能になるようにアップルッキングビジョンの焦点が合わされた距離を意味する。ダイピッカーによる高さ調整時間を短縮できるように、アップルッキングビジョンのフォーカスに合った高さにダイピッカーの移動高さを設定してアップルッキングビジョンによる検査時のダイピッカーの昇降駆動を最小化することができる。
【0253】
このとき、アップルッキングビジョンの適切なワーキングディスタンスは、接合装置を駆動する前に装置設定時に作業者によって既設定された状態である。
【0254】
すなわち、アップルッキングビジョンによる半導体チップの検査高さにダイピッカーを移動させることによって、アップルッキングビジョンで検査のための別途の追加上昇または下降は必要なく、ダイピッカーがアップルッキングビジョンの上部に移動するとともにアップルッキングビジョンでダイピッカーにピックアップされた半導体チップの下面を検査することができ、アップルッキングビジョンで半導体チップの下面を検査するための検査時間を短縮することができる。
【0255】
このとき、アップルッキングビジョンは、ダイピッカーがアップルッキングビジョンの上部に停止した状態で半導体チップの下面状態を検査してもよく、ダイピッカーがアップルッキングビジョンからダイブロックに移動する過程においてフライングタイプで半導体チップの下面状態を検査してもよい。
【0256】
このとき、アップルッキングビジョンは、半導体チップの上面がダイピッカーに吸着した状態でフラックスが塗布された半導体チップの下面状態を検査することができ、半導体チップの下面にフラックスがよく塗布されたか否かの塗布状態を検査するだけでなく、汚染、異物、チッピング、クラックの有無、バンプ不良などの下面状態を検査することができる。
【0257】
また、アップルッキングビジョンは、フラックスが浸漬された半導体チップの下面状態だけでなく、半導体チップのクラックの有無を検査することもできる。アップルッキングビジョンによる半導体チップのクラックの有無検査は、ダイピッカーに吸着された半導体チップにフラックスを浸漬する前に実行することができる。
【0258】
このとき、クラックの有無検査は必要に応じて選択的に行うことができ、クラックの有無検査を行う場合には、ダイピッカーがフリップオーバーピッカーから半導体チップを伝達された後、アップルッキングビジョンで半導体チップにクラックがあるか確認した後にクラックないと判断された半導体チップの下面にフラックスを浸漬し、再びアップルッキングビジョンでフラックスが浸漬された半導体チップの下面検査を行うことができる。
【0259】
また、アップルッキングビジョンは、ダイピッカーにピックアップされた半導体チップのピックアップ状態を検査することもできる。検査の結果、ダイブロックの逃避溝と半導体チップとの位置整列が捩れた場合、半導体チップの捩れた角度だけダイピッカーまたはダイブロックを回転して整列を合わせた後、ダイブロックの逃避溝に半導体チップを安着することができる。
【0260】
もちろん、ダイピッカーはアップルッキングビジョン400において下降状態である第2高さL2で半導体チップの下面を検査してもよいが、ダイピッカーの搬送経路および昇降動作を最小化するという観点から、アップルッキングビジョンのワーキングディスタンスに該当する高さに移動し、直ちにアップルッキングビジョンによる半導体チップの下面とクラックの有無検査を行うことがより好ましい。アップルッキングビジョンによる半導体チップの検査を行った後には、ダイピッカーにピックアップされたフラックスが塗布された半導体チップをダイブロックに伝達する過程が実行される。
【0261】
図5dを参照すると、半導体チップの安着過程を実行することができる。ダイピッカー200は、上昇状態である第1高さL1からダイブロック500の上部領域に移動し、第1高さL1から第2高さL2まで下降して下降状態に切り替えることができる。ダイピッカー200は、下降状態である第2高さL2でダイブロック500にフラックスが塗布された半導体チップを伝達することができる。
【0262】
ダイブロックは、ダイピッカーと接合ヘッドの移動経路の下部に固定配置され、ダイピッカーにピックアップされたフラックスが塗布された半導体チップが伝達され、半導体チップの下面に塗布されたフラックスを逃がすための逃避溝を備える。
【0263】
半導体チップは、逃避溝を介して半導体チップの下面およびバンプが底面から離隔して支持される状態で逃避溝の内側に安着することができる。
【0264】
その後、ダイピッカー200は、第2高さL2から第1高さL1まで上昇して上昇状態に切り替わり、新たな半導体チップをピックアップするためにフリップオーバーピッカー側に復帰し、ダイブロックに伝達された半導体チップは接合ヘッドによってピックアップされ、接合される基板の上部に移動する。
【0265】
上記のように、ダイピッカーは、フリップオーバーピッカー、フラックス部、アップルッキングビジョン、ダイブロックのそれぞれの作業領域の上部に移動するときに既設定された同じ高さに移動することができる。このとき、移動する既設定された同じ高さは、アップルッキングビジョンで半導体チップの下面を検査する際のアップルッキングビジョンのワーキングディスタンスに該当する高さ(第1高さ)に設定され、フリップオーバーピッカー、フラックス部、ダイブロックのそれぞれの作業領域が同じ高さ(第2高さ)を有するため、ダイピッカーが作業領域で同じ高さだけ下降するようになるにつれて、ダイピッカーのZ軸移動量を最小化してダイピッカーの精度を上昇させることができる効果がある。
【0266】
もし、ダイピッカー200が作業を行う高さが各作業領域ごとに異なる場合、制御上の高さ誤差が発生してダイピッカーの精度低下による半導体チップの品質不良が発生する可能性があり、ダイピッカー200の昇降方向への移動量が増加して接合時間UPHが遅れる可能性がある。
【0267】
制御部がダイピッカー200を上昇状態および下降状態に分ける2モード高さ制御を行うことにより、ダイピッカー200の昇降方向への移動量および高さ誤差を最小化して精度およびUPHを高めることができる。
【0268】
本発明の接合ヘッド700は、ダイブロック500の逃避溝に伝達された半導体チップと離隔した状態で負圧を形成して半導体チップを吸引して吸着する。
【0269】
このとき、接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップのうち、アップルッキングビジョン400の検査結果に応じて、正常半導体チップは基板に接合を行い、不良半導体チップ22は基板に接合されないように除去しなければならない。
【0270】
このため、アップルッキングビジョン400の検査結果が不良と判断された不良半導体チップ22を接合ヘッド700から吸着して除去するリジェクトピッカー600と、リジェクトピッカー600に吸着された不良半導体チップ22が廃棄される収去部650と、が設けられている。
【0271】
リジェクトピッカー600は、接合ヘッド700の搬送経路の下部に配置され、接合ヘッド700から不良半導体チップ22を受け取り、収去部650に不良半導体チップ22を落下させることができる。
【0272】
図10および
図11を参照すると、リジェクトピッカー600は、エアが吸引または排出するための管路が形成され、不良半導体チップ22を吸着する吸着ユニット610と、吸着ユニット610を180°回転させて吸着ユニット610に吸着された不良半導体チップ22の上下面を反転させる回転部材620と、を含むことができる。
【0273】
そして、リジェクトピッカー600は、吸着ユニット610の管路と連結されてエアを供給するエア供給装置と、管路上でエアの吸気と排気を切り替える切替部材をさらに備えることができる。
【0274】
吸着ユニット610は、上部を向いた状態で接合ヘッド700に吸着された不良半導体チップ22の下面と接触した状態でエアを吸引して接合ヘッド700から不良半導体チップ22を吸着することができる。
【0275】
このとき、吸着ユニット610は、不良半導体チップ22のバンプ形成面を吸着した状態であり、バンプ形成面にはフラックスが塗布された状態である。
【0276】
吸着ユニット610が不良半導体チップ22を吸着した後には、回転部材620により回転して不良半導体チップのモールディング面が下部を向いた状態で不良半導体チップ22を収去部650に落下させることができる。
【0277】
上記のように、制御部は、アップルッキングビジョン400の検査結果を生成することができ、検査結果に応じて半導体チップの下面に対する良否を決定することができる。制御部は、アップルッキングビジョン400の検査結果に基づいて半導体チップを不良と判断した場合、リジェクトピッカー600を介して不良半導体チップ22を収去部650に捨てることができる。
【0278】
収去部650は、リジェクトピッカー600の吸着ユニット610の下方に配置され、着脱可能に設けられ、不良半導体チップ22が収去される収去容器651と、収去容器651の装着有無を確認するための第1センサー(図示せず)と、前記収去容器651に収去された不良半導体チップ22が既設定された量を超えているか確認するための第2センサー652と、を含む。ここで、第1センサーはタッチセンサーで、第2センサーは光センサーであってもよい。
【0279】
収去容器651の一部または全面は透明な材質で形成され、不良半導体チップ22がどの程度満たされたかを目視で容易に確認することもできる。もちろん、不透明な材質で形成されても構わず、収去部に不良半導体チップ22が満たされた量を感知する第2センサー652を装着することもできる。第2センサー652を介して不良半導体チップ22が既設定された量を超えるか否かを感知し、既設定された量を超えると、収去部から収去容器651を着脱した後、収去容器651の内部を空にして収去容器651を空状態に再装着することができる。
【0280】
収去容器651が装着されていない状態で不良半導体チップ22が廃棄されないように、収去部650には収去容器651の装着の有無を確認できる第1センサー(図示せず)を設けることができる。
【0281】
一方、リジェクトピッカー600は、アップルッキングビジョン400の検査結果に基づいて接合ヘッドから不良半導体チップ22を除去する際、吸着ユニット610はフラックスが塗布された不良半導体チップ22のバンプ形成面を吸着する。
【0282】
吸着ユニット610は、接合ヘッド700から不良半導体チップ22を伝達される時に不良半導体チップと直接接触または離隔した状態でエアで吸引して不良半導体チップのバンプ形成面を吸着し、回転部材620により吸着ユニット610を180°回転させた状態で吸着ユニット610の吸引を解除して不良半導体チップ22を収去部側に落下させることができる。
【0283】
吸着ユニット610は、上部に向かった状態で空気圧を介して不良半導体チップ22を吸着し、吸着ユニット610が下部に向かった状態で不良半導体チップ22を収去部650に落下させることができる。
【0284】
吸着ユニット610は収去部650の上部に位置することができ、回転部材620は吸着ユニット610を回転させて吸着ユニットに吸着された不良半導体チップ22の上下面を反転させることができる。回転部材620は、回転可能に吸着ユニット610と連結され、x軸またはy軸を回転軸として吸着ユニット610を180°回転させることができる。
【0285】
吸着ユニット610が回転部材620により上下反転した状態で吸着ユニット610のエア吸引を解除して、収去容器651に不良半導体チップ22を落下させることができる。ただし、不良半導体チップ22のバンプ形成面は、フラックス50により粘着力を有し得るため、吸着ユニット610から半導体チップが容易に分離されないこともある。
【0286】
このため、吸着ユニット610は、回転部材620により上下反転した不良半導体チップ22にエアを排出して、収去部側にさらに容易に不良半導体チップ22を落下させることもできる。
【0287】
吸着ユニット610が接合ヘッド700から不良半導体チップ22を吸着するときはエアを吸引しなければならず、吸着ユニット610から不良半導体チップ22を収去部側に落下させるときはエアを排出しなければならないため、本発明ではエア供給装置と切替部材をさらに備えることができる。エア供給装置と切替部材はエジェクタであってもよく、エジェクタを介して吸着エアを形成してもよいし、排気エアを形成してもよい。
【0288】
参照として、リジェクトピッカー600の吸着ユニット610は、エアの吸引と排出が共に可能な構成であればどのような構成になっても構わない。一例として、リジェクトピッカー600は、エアを吸引または排出するための管路が形成されて不良半導体チップ22を吸着する吸着ユニット610と、一端が前記管路と連通し、他端が真空発生器と連結される吸引管路と、一端が前記管路と連通し、他端が圧縮空気発生器と連結される排出管路と、吸引管路と排出管路のオン/オフ(on/off)を切り替える切替部材を備えることもできる。
【0289】
また、別の例として、リジェクトピッカー600は、エアを吸引または排出するための管路が形成されて不良半導体チップ22を吸着する吸着ユニット610と、前記管路と連結されて負圧を形成する真空発生器と、一端が前記管路と連通し、他端が圧縮空気発生器と連結される排出管路と、管路または排出管路に設置されて管路をオン/オフする開閉部材を備えることもできる。
【0290】
一方、リジェクトピッカー600は、上下反転した不良半導体チップが収去部650の上端部より低く位置した状態で不良半導体チップ22を分離することもできる。これにより、不良半導体チップ22が収去部650以外の場所に廃棄される問題を防止することができる。
【0291】
まず、実施形態ではリジェクトピッカー600が接合ヘッド700に吸着した不良半導体チップ22を受け取って収去部に落下させることを例に説明したが、リジェクトピッカー600がダイピッカー200の搬送経路の下部に配置される場合、ダイピッカー200から不良半導体チップ22を直接提供されてもよい。
【0292】
もちろん、このとき、不良半導体チップ22を直接吸着して除去する方式と上下反転させた状態でエアを噴射して確実に収去部に落下させる除去方法は同様に適用することができる。
【0293】
アップルッキングビジョン400の検査結果によって、正常半導体チップは、本発明の接合ヘッド700により基板が載置された加熱テーブル910の上部に移動する。
【0294】
図13~
図16を参照すると、本発明の加熱テーブル910は、半導体チップが基板40に熱圧着されるように基板40に熱を加えるテーブルであり、接合される基板が載置されるチャックプレート911と、前記チャックプレート911の下部に設けられ、前記チャックプレート911に負圧を形成するための真空発生装置と連結されるベース913と、前記チャックプレート911と前記ベース913との間に設けられ、前記チャックプレート911に熱を伝達する加熱プレート912と、を含み、前記チャックプレート911は、前記基板を吸着する吸着領域911aと、前記吸着領域911aの外周縁部に設けられ、加熱プレート912から伝達された熱または前記接合ヘッド700から伝達された熱の拡散が行われる熱拡散領域911bと、を備える。ここで、基板はウェハーであり得る。
【0295】
まず、チャックプレート911に接合される基板を載置し、好ましくは基板をチャックプレート911の吸着領域911aの上部に載置する。このために、吸着領域911aの上面には基板を吸着するための吸着孔911dが形成され、吸着孔911dは基板を安定的に吸着できるように複数設けられている。また、チャックプレート911の吸着孔911dが形成された位置は、基板の領域に対応して形成されてもよく、基板を吸着する過程でエア漏れを防止するように基板の大きさより少し小さい領域に位置してもよい。
【0296】
チャックプレート911の吸着領域911aの下面には基板を吸着する第4空気圧流路911eが形成され、チャックプレート911が後述する加熱プレート912に吸着されるための第5空気圧流路911fが形成される。このとき、第4空気圧流路911eは吸着孔911dと連通するように設けられる。
【0297】
チャックプレート911の熱拡散領域911bの上面には、1つ以上の基準物fが形成されてもよい。基準物fは、基板がチャックプレート911に安着した状態を検査するための基準点としてセンターを検出しやすい形状のマークまたは孔などであってもよい。
【0298】
基準物fは、熱拡散領域911b内に位置するが、吸着領域911aの外側に近接して配置することができ、基板と基準物fを同時に検査できる位置であればどこに設けられても構わない。
【0299】
本発明の基準物fは、基板の安着状態を検査するために使用することもできるが、チャックプレート911に伝達された基板の領域を分ける場合にも使用することができる。
【0300】
このとき、基板は、伝達部材によってチャックプレート911の吸着領域911aの上面に伝達されるが、伝達部材によって基板が伝達される際に加熱テーブル910の外側に設けられたリフト部材950が上昇して基板の下面のうち境界領域が支持された状態であり、リフト部材950が下降して基板がチャックプレート911の吸着領域911aの上面に伝達される。
【0301】
リフト部材950は、伝達部材(図示せず)により基板をチャックプレート911に安着させる際に上昇した状態で基板の下面のうち境界領域を支持した後、下降してチャックプレート911に基板を安着させることができる。リフト部材950は、下降した状態で熱拡散領域911bの上面に形成された挿入溝911cに挿入することができる。
【0302】
ここで、伝達部材はウェハー供給部とは別に設けられ、それぞれウェハーを供給するか、またはリングフレームを供給することができ、ウェハーとリングフレームの把持方法が類似した場合には、1つの伝達部材でウェハー供給とリングフレーム供給の両方を担当することができる。
【0303】
その後、該当基板の接合領域に各半導体チップの接合が完了した後はチャックテーブルから基板を搬出し、新たに接合される基板が伝達される。このとき、チャックテーブルから基板を搬出するためにリフト部材950が上昇すると、チャックプレート911から基板が上昇し、上昇した基板を伝達部材が下面を支持した状態で搬出することができる。また、チャックプレート911に伝達された基板の位置を補正する際にもリフト部材950が上昇することがある。
【0304】
本発明の加熱プレート912は、チャックプレート911の下部に設けられているが、ベース913の上部に設けられ、チャックプレート911に熱を加えることができる。加熱プレート912は、熱伝導が優れ、熱に強く、容易に膨張しない材質で形成されることが好ましい。加熱プレート912によって加えられた熱は、加熱プレート912の上部に設けられたチャックプレート911に伝達されるので、チャックプレート911も加熱プレート912と同じ材質で形成されることが好ましい。その中でも、加熱プレート912とチャックプレート911とはセラミック材質で形成されることがより好ましい。
【0305】
加熱プレート912には複数の貫通孔を形成することができる。このとき、貫通孔は第1貫通孔912aと第2貫通孔912bとを含む。第1貫通孔912aは、チャックプレート911を吸着支持するための負圧を伝達する貫通孔であり、チャックプレート911の第5空気圧流路911fとベース913の第2空気圧流路913bと連通する。第2貫通孔912bは、チャックプレート911に伝達された基板を吸着するための負圧を伝達する貫通孔であり、チャックプレート911の第4空気圧流路911eとベース913の第3空気圧流路913cと連通する。第1貫通孔912aと第2貫通孔912bは、それぞれ1つ以上形成されてもよい。
【0306】
本発明の加熱プレート912は、基板が安着していない状態では、ベース913の第1空気圧流路913aと第2空気圧流路913bに真空発生装置から負圧が印加され、チャックプレート911と加熱プレート912側がベース913によって常に吸着された状態を保持し、チャックプレート911上に基板が安着すると、チャックプレート911の吸着孔911dに負圧が印加されるように、ベース913の第3空気圧流路913cにも真空発生装置から負圧が印加され、加熱プレート912の第2貫通孔912bおよびチャックプレート911の吸着孔911dを介して基板を吸着することができる。
【0307】
本発明の加熱プレート912は、チャックプレート911の大きさよりも小さく形成され、接合される基板の大きさよりも大きく形成することができる。
【0308】
ベース913は、加熱プレート912の下部に設けられ、チャックプレート911に負圧を形成するための真空発生装置(図示せず)と連結することができる。ベース913には3種類の空気圧流路を形成することができ、第1空気圧流路913aは加熱プレート912を吸着し、第2空気圧流路913bはチャックプレート911を吸着する。また、第3空気圧流路913cは基板を吸着し、それぞれの空気圧流路を介して独立して負圧を形成することができる。
【0309】
本発明の加熱テーブル910は、ベース913の上部に加熱プレート912が設けられ、加熱プレート912の上部にチャックプレート911が設けられている。このとき、加熱テーブル910の最上端に設けられるチャックプレート911の大きさは、
図16に示すように、ベース913および加熱プレート912の大きさより大きく形成され、吸着領域911aの外周縁部に設けられる熱拡散領域911bの一部は、前記ベース913および前記加熱プレート912よりも水平方向に突出していてもよい。
【0310】
また、チャックプレート911は、ベース913および加熱プレート912の大きさよりも大きく形成され、基板の大きさに応じて交換可能に設けられてもよい。ベース913と加熱プレート912は共通に使用することができる。したがって、基板の大きさが可変である場合には、該当基板の大きさに合わせて吸着領域911aの面積を変えることができ、基板の大きさによって熱拡散領域911bの面積が変わる。
【0311】
すなわち、基板の大きさが小さくなる場合には吸着領域911aの面積も一緒に小さくなり、熱拡散領域911bの面積はさらに大きくなることがあり、基板の大きさが大きくなる場合には吸着領域911aの面積も一緒に大きくなるが、熱拡散領域911bの面積は小さくなり得る。
【0312】
ただし、基板の大きさに対する熱拡散領域911bの面積は、少なくとも10~30%程度の大きさを有することができる。一例として、基板が300mmのウェハーである場合、吸着領域911aは基板に対応して300mmに形成され、残りの領域は熱拡散領域911bとして形成され、330mm~390mmのチャックプレート911の大きさに製作されてもよい。ただし、チャックプレート911の大きさが大きすぎると、チャックプレート911が占める体積が大きくなり得るので、好ましくは15~25%程度の大きさに製作されてもよい。したがって、300mmのウェハーである場合、吸着領域911aは、基板に対応して300mmに形成され、残りの領域は熱拡散領域911bとして形成され、345mm~375mmのチャックプレート911の大きさに製作されてもよい。
【0313】
これに関して、
図12a~
図12bに示す従来の加熱テーブル910と比較すると、従来の加熱テーブル910は、基板が載置されるチャックプレート911の大きさが加熱プレート912およびベースよりも小さいかまたは等しく形成される。
【0314】
このとき、チャックプレート911の大きさは基板の大きさと対応する大きさに形成されるため、加熱プレート912とベースも基板の大きさに対応する大きさに形成されるか、または若干大きく形成することができる。
【0315】
図12に示すような加熱テーブルを使用する場合を例に挙げると、熱圧着接合過程で接合ヘッドの高熱が半導体チップおよびバンプを加熱すると、半導体チップが基板上に接合される位置を中心に接合ヘッドの熱が加熱テーブル側に伝達され、加熱テーブルに伝達された熱が放射方向に広がる。特に、
図12に示すように、加熱テーブルの外廓は空気による断熱となり、加熱テーブルのセンターと加熱テーブルの外廓側の温度差が大きくなり、加熱テーブルの外廓上部に位置する基板上では半導体チップの不良率が増加する問題がある。
【0316】
すなわち、半導体チップのはんだボールとフラックスの溶融および硬化に関与する接合ヘッドと加熱テーブルの熱分布と熱量が加熱テーブルのセンターと加熱テーブルの外廓が異なるため、2点で熱の移動特性とはんだボールとフラックスの相変化時点に差が発生して均一な品質の接合が不可能であるだけでなく、半導体チップの接合不良を招く問題がある。例えば、加熱テーブルの外廓上部に位置する基板上で、フラックスが熱圧着接合を行う前に硬化開始温度以上に加熱されて接合品質に差が生じることがある。
【0317】
接合ヘッド700は、一例として基板に接合する際に約300℃の温度に半導体チップを加熱しながら所定のフォースで押圧して接合を行う。加熱テーブル910は、接合ヘッド700から遠い側に位置した、すなわちチャックプレート911側に近く位置した半導体チップの温度を補償するために、約100℃の温度にチャックプレート911を加熱することができる。
【0318】
すなわち、半導体チップを基板に熱圧着接合する際、チャックプレート911には加熱プレート912から伝達された熱と接合ヘッド700から伝達された熱が共に作用し、上部の熱と下部の熱の温度差が発生し、温度が高い上部熱が温度の低い下部に移動しながら熱平衡状態になる。したがって、チャックプレート911側には熱圧着接合が蓄積されて接合ヘッド700からの熱が連続的に作用し、チャックプレート911に伝達された熱は拡散することができる。
【0319】
特に、接合ヘッド700から伝達された熱がチャックプレート911のすべての放射方向に伝達されるが、チャックプレート911の外廓は熱が放射されず、空気との接触によって断熱になることにより熱溜まりが生じる。したがって、既存のチャックプレート911の外廓温度はセンター領域より10~15℃程度の温度差が発生し、温度差によってチャックプレート911の外廓に位置する基板の接合領域では接合不良を招く問題がある。
【0320】
これに対し、熱圧着接合過程で基板のセンターと基板の外廓側の温度差を最小化して基板の位置による接合品質の差を抑制するために、本発明の加熱テーブルは、
図13に示すように基板を吸着する吸着領域911aの外側に熱拡散領域911bが設けられている。
【0321】
したがって、本発明の加熱テーブル910は、チャックプレート911の大きさを拡張させて基板の外廓がチャックプレート911の内側に位置するようにしたものである。すなわち、チャックプレート911の外廓は、空気によって熱が断熱されて熱溜まりが発生する可能性があるため、基板の外廓が位置する側に熱溜まりが発生せず、チャックプレート911のすべての放射方向に熱が伝達されるように、本発明のチャックプレート911は、接合ヘッド700から伝達された熱の拡散が行われる熱拡散領域911bを備える。
【0322】
このような熱拡散領域911bによって接合ヘッド700から流れ出る熱は、チャックプレート911の熱拡散領域911bの外廓側に溜まることになって接合される基板を基準としてセンターと外廓は熱圧着接合時の温度均一度を確保することができる。したがって、本発明の加熱テーブル910を適用すると、基板のセンターと外廓の温度差として1~2℃内の温度差が発生する。
【0323】
すなわち、熱拡散領域911bを設けて基板の外廓がチャックプレート911の外廓に位置することを避けることができ、基板のセンターと外廓の温度差を改善することができ、基板の位置に関係なく温度均一度を確保することができる。したがって、半導体チップが接合される基板の接合高さも均一に取ることができ、接合品質を確保することができ、不良率を低くすることができる。
【0324】
図16bによる本発明の実施形態では、チャックプレート911は、加熱プレート912およびベースより水平方向に突出するように延びて形成され、吸着領域911aの外周部に熱拡散領域911bを形成することによって、加熱プレート912から伝達された熱または接合ヘッド700から伝達された熱の拡散が行われ、基板の外廓領域で熱が溜まらず伝導されて熱拡散領域911bの外廓に導くことができる。
【0325】
したがって、本発明の実施形態では、接合ヘッド700が基板40の中心領域に半導体チップ20を接合する場合、半導体チップ20を基準としてチャックプレート911のすべての放射方向に熱を伝達することができる。接合ヘッド700が基板40の外廓領域に半導体チップ20を接合する場合、半導体チップ20を基準としてチャックプレート911のすべての放射方向に熱を伝達することができる。
【0326】
チャックプレート911が加熱プレート912の縁まで延びて熱拡散領域を形成することによって、半導体チップ20を基準としてチャックプレート911の縁方向に熱を伝達することができる。
【0327】
熱拡散領域は、上部熱が基板40の縁に対応するチャックプレート911領域に溜まる現象を防止し、基板40の外廓領域に接合される半導体チップ20の不良を防止することができる。
【0328】
一方、接合ヘッド700で半導体チップを基板に接合する前に、スリットビジョン800は接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップと前記半導体チップが接合される基板の上面を同時に撮影して半導体チップの整列状態を検査することができる。
【0329】
このためにスリットビジョン800は、半導体チップが接合される基板の上部でx軸およびy軸方向に移動可能に設けられ、接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップの位置を確認するアップルッキングレンズと、接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップが接合される基板の接合位置を確認するダウンルッキングレンズと、を含んで構成することができる。
【0330】
スリットビジョン800は2眼光学系で構成され、アップルッキングレンズとダウンルッキングレンズがz軸方向に同軸に設けられるため、接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップと半導体チップが接合される基板の接合位置を同時に検査することができる。
【0331】
したがって、スリットビジョン800は、アップルッキングレンズによって撮影された接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップの位置とダウンルッキングレンズによって撮影された基板の予め決定された接合位置とを比較して、半導体チップと半導体チップが接合される接合位置を同時に検査して基板と半導体チップの整列状態を検査することができる。
【0332】
スリットビジョン800の検査結果に応じて接合位置と半導体チップの位置とが互いに一致するように接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップの位置誤差を補正して、既設定された接合位置と接合ヘッド700の位置が同軸に位置するように整列することができる。
【0333】
また、スリットビジョン800は、加熱テーブル910に設けられた基準物と基板を共に検査して加熱テーブル910に安着した基板の安着状態を検査してもよい。スリットビジョン800の基板安着状態検査結果に応じて、基板が加熱テーブル910の吸着領域911aに吸着できるように基板の位置を補正して再整列することができる。
【0334】
このとき、基板の位置補正は伝達部材(図示せず)により行うことができ、スリットビジョンで基板と熱拡散領域911bに形成された基準物を共に検査してチャックプレート911のセンターに基板のセンターを合わせることができるように、伝達部材が基板をピックアップして再安着させることができる。
【0335】
以下、
図1および
図2を参照して本発明の熱圧着接合装置10による接合方法について説明する。
【0336】
まず、フリップオーバーピッカー100は、ウェハーから個別化された半導体チップをピックアップして上下反転させる。このとき、個別化された半導体チップは半導体チップ間の間隔が離隔した状態であってもよく、フリップオーバーピッカーが半導体チップ側に下降して接合される半導体チップの上面、すなわち半導体チップのバンプ形成面を吸着して所定高さ上昇した後、昇降方向に180°回転して半導体チップの上下面を反転させることができる。このとき、ダイピッカー200は長さ方向に移動してフリップオーバーピッカー100の上部に移動することができる。
【0337】
フリップオーバーピッカーによって半導体チップの上下面が反転した状態でダイピッカーはフリップオーバーピッカーの上部に移動し、半導体チップの上面から所定の間隔に離隔した状態でフリップオーバーピッカーから半導体チップをエアで吸引して半導体チップを非接触状態でピックアップする。
【0338】
ダイピッカー200は、フリップオーバーピッカー100に吸着された半導体チップ方向に下降してモールディング面20aを介して半導体チップを吸着することができる。半導体チップは、ダイピッカー200に吸着された状態で昇降方向を基準としてバンプ形成面が下部を向くように設けられ、バンプを外側に露出させることができる。
【0339】
半導体チップにクラックがあるか検査が必要な場合には、ダイピッカーはアップルッキングビジョンに移動してダイピッカーにピックアップされた半導体チップのクラックの有無を検査する。もし、半導体チップのクラックの有無検査が不要な場合には、ダイピッカーはフラックス部の上部に移動して所定高さ下降して半導体チップの下面にフラックスを浸漬する。フラックスを浸漬した後、フラックスタンクが浸漬プレートの上部で往復移動してフラックスが収容されたフラックス収容溝のフラックス上面を平坦化することができる。
【0340】
一方、半導体チップの下面にフラックスを浸漬した後、ダイピッカーはアップルッキングビジョンの上部に移動する。アップルッキングビジョンでダイピッカーにピックアップされた半導体チップの下面状態を検査する。その後、ダイピッカー200は、半導体チップをダイブロック500に伝達し、接合ヘッド700がダイブロック500上のフラックスが塗布された半導体チップをピックアップして基板40に熱圧着接合することができる。
【0341】
アップルッキングビジョン400の検査結果に基づいて制御部により、半導体チップが不良と判断される場合、ダイピッカー200は不良半導体チップをダイブロック500に伝達し、接合ヘッド700がダイブロック500上の不良半導体チップをピックアップしてリジェクトピッカー600に提供することができる。リジェクトピッカー600は、接合ヘッド700から不良半導体チップを吸着して収去部650に落下させてしまうことがある。
【0342】
制御部は、半導体チップが吸着されていないダイピッカー200をフリップオーバーピッカー100側に移動させることができ、新しい半導体チップを受け取るステップを実行するように制御することができる。同様の方法(半導体チップ受け取り、フラックス浸漬、下面検査)を経てダイピッカー200は半導体チップを吸着した状態で長さ方向に移動してダイブロック500の上部に位置することができる。
【0343】
ダイピッカー200は下降してダイブロック500の逃避溝に半導体チップを伝達することができる。
【0344】
このとき、ダイピッカー200にピックアップされた半導体チップ20を逃避溝510の定位置に伝達するために、アップルッキングビジョン400の検査結果に応じてダイピッカー200にピックアップされた半導体チップ20の捩れた角度を補償する必要がある。
【0345】
特に、ダイブロックの場合、逃避溝が形成されているため、半導体チップの位置が捩れると、逃避溝に正しく安着できないという問題が生じ得る。
【0346】
したがって、本発明のダイブロックは回転可能に設けられ、ダイピッカーにピックアップされた半導体チップ20の捩れた角度を補償することができる。すなわち、ダイブロック500は、x-y平面上でθ方向に回転可能に設けられ、アップルッキングビジョン400の検査結果に応じて半導体チップ20の捩れた角度だけダイブロック500が回転した状態で、半導体チップ20をダイブロック500の逃避溝510に伝達することができる。
【0347】
ダイピッカー200が吸着している半導体チップ20の方向とダイブロック500の逃避溝510の方向が一致するようにダイブロックが回転して半導体チップ20とダイブロックの逃避溝510を整列することによって、半導体チップの安着時に半導体チップ20の下面に塗布されたフラックス50が逃避溝510を成すダイブロック500の一面に付着することを防止することができ、接合工程で半導体チップ20の下面のフラックス50が不足して接合不良が発生する問題を防止することができる。
【0348】
また、ダイブロック500に半導体チップ20が伝達された後は、ダイブロックが回転して回転する前の初期位置に復帰した状態で接合ヘッド700がダイブロックからフラックスが塗布された半導体チップをピックアップする。
【0349】
したがって、ダイブロックは、ダイピッカーから半導体チップを受け取ったときに半導体チップの捩れた角度だけダイブロックが回転した状態で、半導体チップをダイブロックの逃避溝に伝達し、伝達された半導体チップを接合ヘッドに伝達するときに再び初期位置に復帰して接合ヘッドと整列した状態で半導体チップを伝達するために回転することができる。
【0350】
ダイブロック500が回転して所望の方向に半導体チップ20の位置を合わせた後、接合ヘッド700が半導体チップ20を非接触状態でピックアップすることで接合ヘッド700の整列範囲が減り、より精密で迅速な接合を達成することができる。すなわち、ダイブロック500で半導体チップ20の捩れを事前に補償した状態であるため、接合ヘッド700は整列した半導体チップ20をピックアップでき、半導体チップ20を基板40に接合する際に接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップ20の補正量を最小化することができる。
【0351】
もちろん、ダイピッカーや接合ヘッドが回転可能に設けられている場合には、ダイブロックが回転可能に設けられていなくても構わないが、ダイピッカーは昇降および移動をしなければならないので、回転のための駆動部を設けるとダイピッカー構造が大きくなる可能性があるのでダイブロック500を回転させることが好ましい。
【0352】
一方、ダイブロック500に伝達された半導体チップを接合ヘッドがピックアップする際、接合ヘッドはダイブロック500に伝達された半導体チップと離隔した状態で負圧を形成して半導体チップを吸引して吸着することができる。
【0353】
このとき、接合ヘッドが半導体チップを非接触状態で吸引して吸着するため、半導体チップにかかる衝撃とダメージを最小化することができる。
【0354】
ただし、非接触で半導体チップを吸引して吸着するため、ダイブロック500に伝達された半導体チップが接合ヘッドの吸着部材に吸着する過程で半導体チップに加わる吸引力の差または半導体チップのダイブロック安着状態により傾きなどがある場合に吸着部材の底面で半導体チップが許容される位置から外れて吸着する問題がある。
【0355】
吸着部材の底面には、半導体チップを吸着するための吸着孔と接合ヘッドに吸着された半導体チップの位置を検査するための基準物が形成されているが、接合ヘッドに吸着された半導体チップが決められた吸着位置から外れて基準物を遮る場合には、後で半導体チップを基板に接合するための整列を行う際に接合ヘッドに吸着された半導体チップの位置を検出できなくなる問題がある。
【0356】
また、半導体チップが接合ヘッドの吸着面を大きく外れると搬送安定性が低下し、基板に半導体チップを接合する際に複数のバンプ21に均一な熱を伝達できないという問題が発生することがある。
【0357】
したがって、ダイブロックの逃避溝の最上端の面積を吸着部材の底面面積よりも小さく形成し、ダイブロックから接合ヘッドへの半導体チップの伝達時に接合ヘッドの吸着部材を逃避溝の上部開放領域に近づけて接近させ、半導体チップが傾いて吸引されても、吸着部材の底面と逃避溝が形成する空間によって半導体チップが吸着部材の底面の許容範囲内に付着することができる。一例として、接合ヘッドの吸着部材が逃避溝の上部開放領域をカバーした状態で負圧を形成すると、接合ヘッドの吸着部材は半導体チップが逃避溝内から離脱しないようにする蓋の役割をすることができ、半導体チップを吸着部材許容範囲内で安定的に吸着することができる。
【0358】
このとき、逃避溝の上部開放領域をカバーするという意味は、接合ヘッドが逃避溝の上部領域を覆うことを意味し、これは接合ヘッドの吸着部材が逃避溝の上部と接触して逃避溝の上部領域を完全に閉じることと、逃避溝の上部から所定の間隔で離隔して逃避溝の上部領域の間に軽く隙間があることを全て含み、隙間は、半導体チップが非接触状態で吸着するとき、逃避溝および吸着部材許容範囲内に半導体チップの移動範囲を制限できるほど離隔される。
【0359】
参照として、完全に接触して覆っていなくても、接合ヘッドの吸着部材とダイブロック傾斜面との上面間隔(隙間)が半導体チップの厚さより薄い場合でも、カバーリングによって半導体チップの移動が制限されるため、半導体チップが隙間から離脱しないで吸着部材の底面に安着することができる。
【0360】
もちろん、逃避溝に突出端が形成され、突出端に半導体チップの下面の縁が支持された状態では、逃避溝の上部開放領域を接合ヘッドの吸着部材がカバーしなくても半導体チップが水平状態で突出端に安着した状態であるため、半導体チップを容易に吸着部材の吸着位置に吸い寄せて吸着させることができる。
【0361】
すなわち、このような場合には、ダイブロックの逃避溝の上部から離隔した状態で負圧を形成して半導体チップを吸着部材の吸着位置に吸い寄せて吸着させることができる。このとき、アップルッキングビジョン400の検査結果に基づいて制御部によって、半導体チップまたはフラックス塗布状態などが不良と判断される場合には、ダイピッカー200が不良半導体チップ22をダイブロック500側に伝達し、接合ヘッド700がダイブロック500上の不良半導体チップ22をピックアップしてリジェクトピッカー600に提供することができる。リジェクトピッカー600の吸着ユニット610で接合ヘッド700にピックアップされた不良半導体チップ22の下面を吸着して接合ヘッド700から不良半導体チップを除去する。
【0362】
その後、リジェクトピッカー600の回転部材620で吸着ユニット610を180°回転させて不良半導体チップ22の上下面を反転させた後、リジェクトピッカー600の下部に位置する収去容器651へ不良半導体チップ22を捨てることができる。不良半導体チップ22を捨てるときは、不良半導体チップ22がリジェクトピッカー600の吸着ユニット610から容易に落下できるように、吸着ユニット610の吸気状態を解除して排気状態に切り替えて、半導体チップ側にエアを噴射して不良半導体チップ22を収去容器651に確実に投入することができる。
【0363】
アップルッキングビジョン400の検査結果に基づいて、制御部により、半導体チップまたはフラックス塗布状態などが正常と判断される場合には、ダイピッカー200が正常半導体チップをダイブロック500側に伝達し、接合ヘッド700はダイブロック500上の正常半導体チップと離隔した状態(非接触状態)でエアで吸引してピックアップして基板40に熱圧着接合することができる。
【0364】
接合ヘッド700がダイブロック500からフラックスが塗布された正常半導体チップをピックアップした後、半導体チップが接合される接合位置の上部に移動する。その後、スリットビジョン800で接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップと半導体チップが接合される基板の接合位置を同時に検査し、接合ヘッド700に吸着された半導体チップのセンターと基板の接合位置のセンターが一致するかどうかを検査する。
【0365】
このとき、半導体チップのセンターと基板の接合位置センターが一致しない場合、接合ヘッド700は、半導体チップのx軸、y軸、θ軸方向の位置捩れ値を補償して半導体チップを整列した状態に既設定された基板の接合位置に接合することができる。接合ヘッド700は、半導体チップに所定の温度に加熱および押圧しながら基板に熱圧着接合を行うことができる。
【0366】
このために、接合ヘッド700は、半導体チップをピックアップした後、半導体チップが接合される接合位置の上部に移動するとスリットビジョン800で接合ヘッド700にピックアップされた半導体チップと半導体チップが接合される基板の接合位置を同時に検査して、接合ヘッド700に吸着された半導体チップのセンターと基板の接合位置のセンターが一致するかどうかを検査する。
【0367】
このとき、半導体チップのセンターと基板の接合位置センターが一致しない場合、接合ヘッド700は、半導体チップのx軸、y軸、θ軸方向の位置捩れ値を補償して半導体チップを整列した状態で基板の接合位置に接合することができる。
【0368】
参照として、スリットビジョン800で半導体チップと基板の整列状態を検査する前に、接合ヘッド700の一方側に装着されたパーティクルビジョン890で半導体チップが接合される基板または半導体チップに異物が付着したかどうかを検査することもできる。もちろん、パーティクルビジョン890による接合位置の異物の有無検査は、半導体チップを基板に接合する直前に検査しても構わないし、半導体チップが接合される基板が加熱テーブル910に安着すると、まず接合される基板全体に対する異物の有無検査を実行することもできる。また、それぞれの半導体チップが基板に接合された後に次の半導体チップが接合された半導体チップに積層される前に異物の有無を行ってもよい。
【0369】
基板の接合位置のうち異物がないと判断された領域には半導体チップの接合を行うことができ、接合ヘッド700が基板の接合位置に移動する過程でスリットビジョン800も接合ヘッド700の半導体チップの接合位置に移動した状態で予め接合領域に待機することができる。
【0370】
参照として、本発明の接合装置は、フリップオーバーピッカー100、フラックス部300、アップルッキングビジョン400、ダイブロック500、ダイピッカー200、接合ヘッド700、スリットビジョン800はそれぞれ一対で設けられ、ダイピッカー200が移動する軸を中心として両側にそれぞれ対称に形成されている。
【0371】
したがって、加熱テーブル910に載置された基板に対して一対の接合ヘッド700および一対のスリットビジョンが共に接合される基板を共有して、接合領域の検査と検査された領域に接合を行うことができる。
【0372】
特に、加熱テーブル910に形成された基準物を検査して加熱テーブル910のセンターを算出することができ、加熱テーブル910のセンターを基準として基板の領域を第1領域と第2領域とに分けることができる。
【0373】
このとき、基板の第1領域は第1スリットビジョンと第1接合ヘッドが担当し、基板の第2領域は第2スリットビジョンと第2接合ヘッドが担当することができる。このとき、第1領域と第2領域は、基板のセンターを基準としてそれぞれ半分ずつでもよいし、基板の接合される領域を基準として接合される個数を半分にしてもよい。もし、基板の接合される領域のうち一部領域がスリットビジョンまたはパーティクルビジョンによって検査した結果、不良と見なされると、該当領域は接合を行わなくなる。したがって、このような不良領域を除いた残り領域を半分に分けて第1領域と第2領域を区画することができ、基板の第1領域は第1スリットビジョンと第1接合ヘッドが担当でき、基板の第2領域は第2スリットビジョンと第2接合ヘッドが担当することができる。
【0374】
好ましくは、第1スリットビジョンが基板の第1領域のうち接合される領域と第1接合ヘッドに吸着された半導体チップを検査して、第1接合ヘッドに吸着された半導体チップを基板の第1領域の接合位置に接合することができる。これと同時にまたは順次に第2スリットビジョンが基板の第2領域のうち接合される領域と第2接合ヘッドに吸着された半導体チップを検査して第2接合ヘッドに吸着された半導体チップを基板の第2領域の接合位置に接合することができる。
【0375】
したがって、一対の接合ヘッド700およびスリットビジョンによって半導体チップの待機なしに連続的に検査および接合を行うことができる。
【0376】
一方、スリットビジョンで半導体チップの接合位置を検査した後には、接合ヘッド700による熱圧着接合を行う。
【0377】
具体的に、接合ヘッド700は、スリットビジョン800により基板との整列が合わされた状態で基板側に下降する。接合ヘッド700は、半導体チップのバンプ形成面を基板の上面に接触させた状態で接合ヘッドの内部に装着された加熱部材によって加熱される。このとき、接合される半導体チップの種類によって加熱温度は異なるように設定されてもよいが、半導体チップの下面に形成されたバンプを十分に溶融させるほどの温度であり、約170℃~300℃の温度に昇温させた状態で数秒間加熱する。このとき、基板は加熱テーブル910の吸着領域911aに吸着された状態であり、このとき、加熱テーブル910は約100℃の温度に加熱中の状態であり得る。熱圧着接合時に接合ヘッド700の温度と加熱テーブル910の温度との差によって接合される過程で、接合ヘッド700の熱が加熱テーブル910のチャックプレート911に伝達されチャックプレート911に伝達された熱は熱拡散領域911bに拡散する。
【0378】
本発明のチャックプレート911は、吸着領域911aに吸着された基板が中心と外廓の両方とも均一な温度を維持する状態であり、吸着領域911aの外周縁部に設けられた熱拡散領域911bのうち最も外廓領域の場合には、空気による断熱によって熱が拡散できず、熱溜まりが生じることがある。
【0379】
しかし、チャックプレート911の吸着領域911aは外周縁部の内側に位置しており、放射方向に熱が伝導することができ、熱溜まりなしに均一な温度を保持することができ、基板内接合領域の位置に関係なく均一なクオリティの接合品質を確保することができる。
【0380】
既設定された時間にわたって接合ヘッド700によって熱圧着を行った後には、加熱部材に冷却エアを印加して約100℃の温度に数秒間冷却する。冷却によって溶融したバンプを固めて半導体チップを基板に固定する。
【0381】
接合ヘッド700の冷却時に接合ヘッド700に装着された加熱部材はオフ(off)にした状態で行うこともできるが、加熱部材をオフ(off)にすると加熱部材をオン(on)にして所望の温度まで上げるのに時間が多く必要とされるので加熱部材の温度を下げたり、加熱部材の温度を保持した状態で加熱部材に冷却エアを噴射して加熱部材の温度を既設定された冷却温度まで下げたりすることが好ましい。これにより、接合ヘッド700の温度が下がりながら冷却され、接合ヘッド700に接触した半導体チップの温度も下がりながら冷却される。これにより、半導体チップは、基板の上面で溶融したフラックスおよびバンプが硬化して基板に接着される。もちろん、熱圧着接合が行われる間、加熱テーブル910の温度は約100℃の温度に加熱維持されてもよい。
【0382】
このように、本発明の接合装置の加熱テーブルは、加熱プレート912に接合される基板を吸着する吸着領域911aの外周縁部に熱拡散領域911bを設け、基板の外廓側の熱溜まりを防止して基板の位置に関係なく温度均一度を確保でき、接合品質を確保することができ、不良率を下げることができる。
【0383】
特に、加熱テーブル910を通じて垂直に複数個積層された半導体チップを熱圧着接合する際、積層された半導体チップの上部と下部の半導体チップ接合状態およびフラックスの硬化状態に差がなく接合クオリティを改善することができる。
【0384】
また、半導体チップを基板に接合する際、各半導体チップに対して毎回接合位置を整列し、加熱および冷却により熱圧着接合を行うため、熱圧着接合方法のうちで接合に費やされる時間が多く必要とされる。
【0385】
したがって、本発明の熱圧着接合装置10において、接合ヘッド700はダイブロック500と基板のみを往復移動しながら接合のみに集中し、ダイピッカー200がフリップオーバーピッカー100、フラックス部300、アップルッキングビジョン400、ダイブロック500を介して基板に接合される後続の半導体チップを準備することができる。
【0386】
また、本発明の接合装置によれば、既存の接合装置に比べて接合ヘッド700が半導体チップを吸着した状態に移動する経路が短くなるため、接合ヘッド700に残留する熱によって飛散されるフラックスの量を減少することができる。
【0387】
したがって、本発明の熱圧着接合装置10によれば、残熱が残っている接合ヘッド700が半導体チップのフラックス浸漬作業を行わないので、フラックス部300に熱が伝達されず熱蓄積によるフラックスの劣化や変質を防止することができる。また、フラックス部300の内部でフラックスが硬化することを防止して所望の厚さにフラックスを平坦化でき、半導体チップの浸漬時に定量のフラックスが半導体チップに塗布されるようにすることができる。
【0388】
また、既存の熱圧着接合装置10は、フラックス部300で半導体チップのフラックス浸漬を行い、アップルッキングビジョン400で検査した後、接合を行うために接合ヘッドに半導体チップが接触した後の移動する距離、接触時間が多少長かったが、本発明によれば、ダイピッカー200によりフラックス浸漬と半導体チップの検査が既に行われている状態であるため、伝達された半導体チップを基板に接合するまでの接合ヘッドと半導体チップとが接触して移動する距離、接触時間が短くなり、移動過程で発生するフラックスの気化量を低減することができる。
【0389】
また、フラックスが塗布された半導体チップが伝達される際にダイブロック500に逃避溝を形成してフラックスが付かないように構成することによって、半導体チップに定量塗布されたフラックスが減少する問題を防止することができる。
【0390】
これと共にフラックスが塗布された不良半導体チップ22が基板に接合されないように、接合ヘッド700から不良半導体チップ22を吸着して確実に除去し、不良半導体チップ22にエアを噴射して収去部65側に落下させる過程を通じて不良半導体チップ22が除去される過程で周辺に飛び散って基板などに誤って付着したり、接合ヘッドから分離されない問題を防止し、高価な半導体チップの重畳接合による大量不良を防止できるようになる。
【0391】
上記のように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の通常の技術者は、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の精神および領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正または変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0392】
10 熱圧着接合装置;20 半導体チップ;21 バンプ;22 不良半導体チップ;20a モールディング面;20b バンプ形成面;100 フリップオーバーピッカー;101 エクスパンディング部;110 押圧板;111 押圧部材;112 安着部材;113 連結部材;120 剥離防止板;130 支持部材;140 弾性部材;200 ダイピッカー;210 ピッカー本体;211 ピックアップアーム;210a 吸着部材;220 装着部材;230 第1回転軸;231 第1駆動部;240 第2回転軸;241 第2駆動部;250 切替部材;251 リンク;252 カムフォロア;253 ブラケット;253a 連結フレーム;253b 第1水平フレーム;253c 第2水平フレーム;253d 収容空間;290 固定フレーム;300 フラックス部;310 浸漬プレート;320 フラックスタンク;330 ベース;340 ガイド部材;350 ムービングブラケット;360 ムービングブロック;380 案内部材;400 アップルッキングビジョン;500 ダイブロック;600 リジェクトピッカー;610 吸着ユニット;620 回転部材;650 収去部;651 収去容器;652 第2センサー;700 接合ヘッド;710 回転モーター;720 低摩擦カップリング;730 押圧部;731 駆動子;732 可動子;735 係止顎;740 第1荷重測定部;750 荷重制御部;760 水平レベラー;770 接合ツール;771 エア吸引口;772 エア供給口;773 エア排出口;733 押圧部高さ測定部;780 加熱部材;790 軸;800 スリットビジョン;910 加熱テーブル;911 チャックプレート;890 パーティクルビジョン;950 リフト部材;911a 吸着領域;911b 熱拡散領域;911c 挿入溝;911d 吸着孔;911e 第4空気圧流路;911f 第5空気圧流路;912 加熱プレート;912a 第1貫通孔;912b 第2貫通孔;913 ベース;913a 第1空気圧流路;913b 第2空気圧流路;913c 第3空気圧流路;t テープ;F 基準物;rf フレーム。