(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149466
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】マイクロLEDピクセルおよびマイクロLEDパネル
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20241010BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20241010BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01L33/48
G09F9/33
G09F9/30 338
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024061559
(22)【出願日】2024-04-05
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2023/086882
(32)【優先日】2023-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520510771
【氏名又は名称】ジェイド バード ディスプレイ(シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュイ, チュンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】タン, ウェイシン
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA05
5C094AA15
5C094BA23
5C094DA13
5C094DB01
5C094EA05
5C094FA01
5C094FA04
5C094FB12
5F142AA56
5F142BA32
5F142CA16
5F142CB14
5F142CD02
5F142CG07
5F142GA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マイクロLEDピクセルの寸法を低減し、マイクロLEDピクセルの発光領域を増加させるマイクロLEDピクセルおよびマイクロLEDパネルを提供する。
【解決手段】マイクロLEDピクセル100は、第1の発光メサ110と、第1の発光メサの上に設けられ、第1の発光メサの一部を覆う、第2の発光メサ120と、第2の発光メサの上に設けられ、第2の発光メサの一部を覆う、第3の発光メサ130とを含み、第1の発光メサの上部表面の形状が三角形である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発光メサと、
前記第1の発光メサの上に設けられ、前記第1の発光メサの一部を覆う、第2の発光メサと、
前記第2の発光メサの上に設けられ、前記第2の発光メサの一部を覆う、第3の発光メサと
を備え、前記第1の発光メサの上部表面の形状が三角形である、マイクロLEDピクセル。
【請求項2】
前記第2の発光メサの上部表面の形状が、細長いストリップであり、前記第2の発光メサが、前記第1の発光メサの前記三角形の側部に沿って設けられる、請求項1に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項3】
前記第3の発光メサの上部表面の形状が円形であり、前記第3の発光メサが、前記第2の発光メサの端部の上に設けられる、請求項2に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項4】
前記第1の発光メサ、前記第2の発光メサ、および前記第3の発光メサの各々を、それぞれ、集積回路(IC)バックプレーンに接続するように構成された、複数の下部導電性構造をさらに備える、請求項1に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項5】
前記下部導電性構造のうちの第1の下部導電性構造が、前記第1の発光メサと前記ICバックプレーンとの間に設けられたボンディング層である、請求項4に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項6】
前記下部導電性構造のうちの第2の下部導電性構造が、前記第2の発光メサの下部において設けられ、前記第2の下部導電性構造が、第1の下部接続構造によって前記ICバックプレーンに接続される、請求項5に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項7】
前記第1の下部接続構造がスルービアである、請求項6に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項8】
前記第2の下部導電性構造が導電性層である、請求項6に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項9】
前記下部導電性構造のうちの第3の下部導電性構造が、前記第3の発光メサの下部において設けられ、前記第3の下部導電性構造が、第2の下部接続構造によって前記ICバックプレーンに接続される、請求項6に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項10】
前記マイクロLEDピクセルの上部に設けられた上部導電性層と、
前記第1の発光メサを前記上部導電性層に接続するように構成された第1の上部導電性構造と、
前記第2の発光メサを前記上部導電性層に接続するように構成された第2の上部導電性構造と
をさらに備える、請求項1に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項11】
前記第1の上部導電性構造が、透明導電性層であり、前記第1の発光メサの前記上部表面を覆う、請求項10に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項12】
前記第1の上部導電性構造がドット導電性構造である、請求項10に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項13】
前記ドット導電性構造は、前記第1の発光メサの前記上部表面の部分上に形成され、そこで、前記表面が前記第2の発光メサによって覆われない、請求項12に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項14】
前記第1の上部導電性構造が、上部接続構造によって前記上部導電性層に接続される、請求項10に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項15】
前記第2の上部導電性構造が、透明導電性層であり、前記第2の発光メサの前記上部表面を覆う、請求項10に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項16】
前記第2の上部導電性構造がドット導電性構造である、請求項15に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項17】
前記第2の上部導電性構造は、前記第2の発光メサの表面の部分上に形成され、そこで、前記表面が前記第3の発光メサによって覆われない、請求項16に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項18】
前記第2の上部導電性構造が、上部接続構造によって前記上部導電性層に接続される、請求項10に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項19】
前記上部導電性層が、前記第3の発光メサに直接接続される、請求項10に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項20】
前記上部導電性層の上部表面上に設けられた上部パッドをさらに備える、請求項10に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項21】
前記上部パッドが、前記上部導電性層のエッジにおいて、および前記マイクロLEDピクセルの周りに設けられる、請求項20に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項22】
前記上部導電性層と集積回路(IC)バックプレーンとの間に充填された誘電体材料をさらに備える、請求項10に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項23】
前記マイクロLEDピクセルのコーナーにおいて設けられた光学分離構造をさらに備える、請求項1に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項24】
前記第1の発光メサが赤色発光メサである、請求項1に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項25】
前記第3の発光メサが緑色発光メサである、請求項24に記載のマイクロLEDピクセル。
【請求項26】
2つまたはそれ以上のマイクロLEDピクセルを備えるマイクロLEDパネルであって、前記マイクロLEDピクセルのうちの少なくとも1つが、
第1の発光メサと、
前記第1の発光メサの上に設けられ、前記第1の発光メサの一部を覆う、第2の発光メサと、
前記第2の発光メサの上に設けられ、前記第2の発光メサの一部を覆う、第3の発光メサと
を備え、前記第1の発光メサの上部表面の形状が三角形である、マイクロLEDパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2023年4月7日に出願されたPCT出願第PCT/CN2023/086882号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、マイクロディスプレイ技術に関し、より詳細には、マイクロ発光ダイオード(LED)およびマイクロLEDパネルに関する。
【背景技術】
【0003】
概して、旧来のマイクロLEDピクセルは、マイクロLEDパネルを形成するために並べて配設された3つまたはそれ以上のマイクロLEDメサを含む。3つまたはそれ以上のマイクロLEDメサは、異なる色光を発し得る。しかしながら、それは、マイクロLEDピクセルの寸法を減少させることに寄与しない。
【0004】
マイクロLEDピクセルの体積を低減するために、マイクロLEDピクセルは、同じ非対称軸で垂直方向に形成されたいくつかのマイクロLED層を含み得る。それらのマイクロLED層は発光領域を画定し、マイクロLED層の電極が、マイクロLEDピクセルの発光領域の外側の外部パネル上に形成される。しかしながら、外部パネルは、マイクロLEDピクセルの寸法を増加させ得る。
【0005】
したがって、マイクロLEDピクセル構造は、マイクロLEDピクセルの寸法を低減し、マイクロLEDピクセルの発光領域を増加させるようにさらに改善される必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、マイクロLEDピクセルを提供する。マイクロLEDピクセルは、第1の発光メサと、第1の発光メサの上に設けられ、第1の発光メサの一部を覆う、第2の発光メサと、第2の発光メサの上に設けられ、第2の発光メサの一部を覆う、第3の発光メサとを含み、第1の発光メサの上部表面の形状が三角形である。
【0007】
本開示の実施形態は、マイクロLEDパネルを提供する。マイクロLEDパネルは、2つまたはそれ以上の上記で説明されたマイクロLEDピクセルを含む。
【0008】
本開示の実施形態および様々な態様が、以下の発明を実施するための形態および添付図において示される。図に示されている様々な特徴は、一定の縮尺で描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、マイクロLEDピクセルの平面図を示す構造図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、
図1に示されている断面線A-A’に沿ったマイクロLEDピクセルの断面図を示す構造図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、
図1に示されている断面線B-B’に沿ったマイクロLEDピクセルの断面図を示す構造図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロLEDパネルの平面図を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、その例が添付の図面において示されている例示的な実施形態への参照が詳細に行われる。以下の説明は添付の図面を参照し、別段に表されない限り、異なる図面における同じ番号は同じまたは同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明に記載される実装形態は、本発明に従うすべての実装形態を表すとは限らない。代わりに、それらの実装形態は、添付の特許請求の範囲に記載の本発明に関する態様に従う装置および方法の例にすぎない。本開示の特定の態様が、以下でより詳細に説明される。参照により組み込まれる用語および/または定義と矛盾する場合、本明細書で与えられる用語および定義が支配する。
【0011】
マイクロLEDピクセルの寸法を低減し、マイクロLEDピクセルの発光領域を増加させるために、本開示の実施形態は、改善されたマイクロLEDピクセルを提供する。
【0012】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、マイクロLEDピクセル100の平面図を示す構造図を示す。
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、
図1に示されている断面線A-A’に沿ったマイクロLEDピクセルの断面図を示す構造図を示す。
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、
図1に示されている断面線B-B’に沿ったマイクロLEDピクセルの断面図を示す構造図を示す。
【0013】
図1~
図3を参照すると、マイクロLEDピクセル100は、3つまたはそれ以上の発光メサ、たとえば、第1の発光メサ110と、第2の発光メサ120と、第3の発光メサ130とを含む。
図2および
図3において見られるように、垂直方向において、第1の発光メサ110と、第2の発光メサ120と、第3の発光メサ130とは、下部から上部まで、異なる位置において設けられる。たとえば、第1の発光メサ110は、第2の発光メサ120よりも低く設けられ、第2の発光メサ120は、第3の発光メサ130よりも低く設けられる。いくつかの実施形態では、発光メサ110、120、130の各々が、柱状構造を有する。すなわち、発光メサの上部表面の形状と発光メサの下部表面の形状とが同じである。いくつかの実施形態では、発光メサの上部表面の領域が、発光メサの下部表面の領域よりも小さい。
【0014】
マイクロLEDピクセル100は、マイクロLEDピクセル100のベースとして設けられた集積回路(IC)バックプレーン190をさらに含む。3つまたはそれ以上の発光メサは、ICバックプレーン190の上に設けられる。各発光メサは、それぞれ上部電極および下部電極に接続される。第1の下部パッド111、第2の下部パッド121、および第3の下部パッド131が、それぞれ、各下部電極(図示せず)を接続するためにICバックプレーン190上に設けられる。いくつかの実施形態では、下部パッド111、121、131は、正のパッド(Pパッド)である。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の発光メサ110は、最下部位置において設けられる。第2の発光メサ120は第1の発光メサ110の一部を覆い、第3の発光メサ130は第2の発光メサ120の一部を覆う。
図1を参照すると、この例では、第1の発光メサ110の上部表面の形状が、三角形であり、より詳細には、丸いコーナーをもつ三角形である。第2の発光メサ120の上部表面の形状が、細長いストリップであり、第2の発光メサ120は、第1の発光メサ110の三角形の1つの側部に沿って設けられる。第3の発光メサ130の上部表面の形状が円形であり、第3の発光メサ130は、第2の発光メサ120の一方の端部の上に設けられる。第1の発光メサ110の上部表面は、第2の発光メサ120の下部表面よりも低く、第2の発光メサ120の上部表面は、第3の発光メサ130の下部表面よりも低い。すなわち、各発光メサは、他の発光メサから離間され、すなわち、他の発光メサとは接触がない。
【0016】
いくつかの実施形態では、3つまたはそれ以上の発光メサは、少なくとも、赤色光を発する赤色発光メサと、緑色光を発する緑色発光メサと、青色光を発する青色発光メサとを含む。たとえば、第1の発光メサ110は赤色発光メサであり、第2の発光メサ120は緑色発光メサであり、第3の発光メサ130は青色発光メサである。いくつかの実施形態では、第1の発光メサ110は赤色発光メサであり、第2の発光メサ120は青色発光メサであり、第3の発光メサ130は緑色発光メサである。
【0017】
いくつかの実施形態では、下部導電性構造が、各発光メサの下部表面において設けられて、発光メサを下部パッドと接続する。
図1~
図3を参照すると、この例では、第1の発光メサ110の第1の下部導電性構造114が、第1の発光メサ110とICバックプレーン190との間に設けられたボンディング層である。第1の下部導電性構造114は、第1の下部パッド111に直接接続され得る。いくつかの実施形態では、導電性膜116が、第1の下部導電性構造114と第1の発光メサ110との間にさらに設けられる。導電性膜116は、第1の発光メサ110の正の側(P側)上にオーミック伝導を提供し得、第1の下部導電性構造114の上部表面と一緒の導電性膜116は、高い反射率をもつODR(全方向反射体(omni-directional reflector))構造を形成することができる。いくつかの実施形態では、導電性膜116は、TCO(透明導電性酸化物)薄膜、たとえば、ITO(酸化インジウムスズ)膜、AZO(アンチモンドープ酸化亜鉛)膜、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)膜、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)膜などである。いくつかの実施形態では、第2の発光メサ120の第2の下部導電性構造124と第3の発光メサ130の第3の下部導電性構造134とが導電性層であり、これらは、発光メサの外側に延ばされ得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、下部接続構造が、下部導電性構造の各々を対応する下部パッドに接続するためにさらに設けられる。
図1~
図3を参照すると、この例では、第2の下部接続構造122が、第2の発光メサ120の横に設けられ、第2の下部パッド121に接続される。第2の下部導電性構造124は、延ばされ、第2の下部接続構造122と接続される。したがって、第2の発光メサ120の下部は、第2の下部導電性構造124と第2の下部接続構造122とを通して第2の下部パッド121に接続される。第3の下部接続構造132が、第3の発光メサ130の横に設けられ、第3の下部パッド131に接続される。第3の下部導電性構造134は、延ばされ、第3の下部接続構造132と接続される。したがって、第3の発光メサ130の下部は、第3の下部導電性構造134と第3の下部接続構造132とを通して第3の下部パッド131に接続される。いくつかの実施形態では、第2の下部接続構造122および第3の下部接続構造132は、金属から製造され、中空構造をもつ、スルービアである。
【0019】
下部接続構造の各々の形状に対する制限はない。いくつかの実施形態では、発光メサと一緒の下部接続構造のプロファイルは矩形であり得、これは、マイクロLEDパネルの配置に好都合であり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、上部導電性構造が、発光メサの上部表面上に設けられて、発光メサを上部パッドと接続する。
図2を参照すると、この例では、第1の上部導電性構造115が、第1の発光メサ110の上部表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、第1の上部導電性構造115は、第1の発光メサ110の上部表面全体を覆う第1の透明導電性層である。いくつかの実施形態では、第1の発光メサ110の第1の上部導電性構造115は、第1の発光メサ110の上部表面上に形成された第1のドット導電性構造である。ドット導電性構造は、発光メサの上部表面上に形成された複数の導電性ドット(またはパッド)を含む。いくつかの実施形態では、第1のドット導電性構造は、第1の発光メサ110の上部表面の一部分上に形成され、そこで、その上部表面は第2の発光メサ120によって覆われない。すなわち、第1のドット導電性構造は、第1の発光メサ110の上部表面の一部を覆う。
図3を参照すると、第2の上部導電性構造125が、第2の発光メサ120の上部表面上に設けられる。いくつかの実施形態では、第2の上部導電性構造125は、第2の発光メサ120の上部表面全体を覆う第2の透明導電性層である。いくつかの実施形態では、第2の上部導電性構造125は、第2の発光メサ120の上部表面上に形成された第2のドット導電性構造である。いくつかの実施形態では、第2のドット導電性構造は、第2の発光メサ120の上部表面の一部分上に形成され、そこで、その上部表面は第3の発光メサ130によって覆われない。すなわち、第2のドット導電性構造は、第2の発光メサ120の上部表面の一部を覆う。
【0021】
図2および
図3を参照すると、マイクロLEDピクセル100は、マイクロLEDピクセル100の上部表面上に形成され、マイクロLEDピクセル100を覆う、上部導電性層160をさらに含む。上部導電性層160は、各発光メサを上部電極(図示せず)に接続するように構成される。いくつかの実施形態では、マイクロLEDピクセル100は、発光メサを上部導電性層160に接続するための上部接続構造をさらに含む。この例では、第1の上部接続構造113が、第1の発光メサ110の第1の上部導電性構造115上に設けられ、上部導電性層160に接続するためにマイクロLEDピクセル100の上部まで上方へ延びる。第2の上部接続構造123が、第2の発光メサ120の第2の上部導電性構造125上に設けられ、上部導電性層160に接続するためにマイクロLEDピクセル100の上部まで上方へ延びる。上部導電性層160は、第3の発光メサ130に直接接続することができる。いくつかの実施形態では、上部導電性層160は、第3の発光メサ130と接続されるためのくぼんだ部分161を有する。いくつかの実施形態では、第1の上部接続構造113および第2の上部接続構造123は、金属から製造され、中空構造をもつ、スルービアである。いくつかの実施形態では、上部導電性層160は、たとえば、外部ワイヤによって、上部電極と接続され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、上部導電性層160は、70%以上の光透過率を伴って透明である。いくつかの実施形態では、マイクロLEDピクセル100は、上部導電性層160の上部表面上に設けられ、上部電極(図示せず)に接続するための接触を提供するように構成された、上部パッド180をさらに含む。いくつかの実施形態では、上部パッド180は、マイクロLEDピクセル100のエッジにおいて、およびマイクロLEDピクセル100の周りに設けられる。いくつかの実施形態では、上部パッド180は、負のパッド(Nパッド)である。いくつかの実施形態では、上部電極は、ICバックプレーン190上に設けられ得、外部ワイヤが、上部電極を上部パッド180と接続するためにさらに設けられる。
【0023】
図1~
図3を参照すると、隣接するマイクロLEDピクセル間の光学分離が、第2の下部接続構造122と第3の下部接続構造132とによって実施され得る。いくつかの実施形態では、光学分離を改善するために、マイクロLEDピクセル100は、第3の発光メサ130がそこに位置しない、第1の発光メサ110の三角形に対応するコーナーにおいて設けられた、光学分離構造140をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の下部接続構造122と第3の下部接続構造132との間のギャップG1と、第2の下部接続構造122と光学分離構造140との間、第3の下部接続構造132と光学分離構造140との間のギャップG2との各々が、1ミクロン以下であり、たとえば、G1およびG2の各々が、0.1ミクロンに等しいかまたはそれよりも小さい。したがって、光学分離は、さらに改善され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、光学分離構造140は、上部導電性層160とICバックプレーン190との間に延びるように設けられる。たとえば、光学分離構造140の上部が、第3の発光メサ130の上部表面に等しいかまたはそれよりも高く、光学分離構造140の下部が、第1の発光メサ110の下部表面に等しいかまたはそれよりも低い。光学分離構造140は、(導電性構造と導電性膜とを含む)発光メサ、上部導電性層160、またはICバックプレーン190と接続しない。
【0025】
いくつかの実施形態では、光学分離構造140は反射性のものである。いくつかの実施形態では、光学分離構造140の材料が金属である。
【0026】
第2の下部接続構造122と第3の下部接続構造132とが正のパッドと接続されるので、第2の下部接続構造122と第3の下部接続構造132とは、互いに電気的に分離されるべきである。いくつかの実施形態では、ギャップG1は、第2の下部接続構造122と第3の下部接続構造132との間の電気的分離をも提供することができる。
【0027】
マイクロLEDピクセル100は、マイクロLEDピクセル100内の空間、すなわち、ICバックプレーン190と上部導電性層160との間の空間を充填する、誘電体材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、第1の発光メサ110、第2の発光メサ120、第3の発光メサ130、第2の下部接続構造122、第3の下部接続構造132、ICバックプレーン190、上部導電性層160、および光学分離構造140の間の空間を満たす。いくつかの実施形態では、誘電体材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、SiCN、SiNO、またはAl2O3のうちの1つまたは複数から選択される。いくつかの実施形態では、誘電体材料は透明である。
【0028】
上記で説明された構造では、本開示の実施形態によって提供されるマイクロLEDピクセルは、高い透過率と寸法との間の良好なバランスを有し得る。
【0029】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なマイクロLEDパネル400の平面図を示す構造図を示す。マイクロLEDパネル400は、アレイで配置された2つまたはそれ以上のマイクロLEDピクセル100を含む。
図4に示されているように、この例では、2×2のアレイが示されており、各マイクロLEDピクセル410、420、430、および440が、矩形形状を有することができる。したがって、2つまたはそれ以上のマイクロLEDピクセル100は、密に配置され得る。2つの隣接するマイクロLEDピクセル410および430間を横断する光の大部分が、マイクロLEDピクセル410の下部接続構造411とマイクロLEDピクセル430の下部接続構造431とによって防がれ得る。さらに、マイクロLEDピクセル440の光学分離構造444が、光が横断するのを防ぐために、2つの隣接するマイクロLEDピクセル420および440間に設けられる。
【0030】
異なるタイプのマイクロLEDパネルが提供され得る。たとえば、ディスプレイパネルの解像度は、典型的には、8×8から3840×2160にわたることができる。一般的なディスプレイ解像度は、320×240の解像度および4:3のアスペクト比をもつQVGA(クォータービデオグラフィックスアレイ)と、1024×768の解像度および4:3のアスペクト比をもつXGA(エクステンデッドグラフィックスアレイ)と、1280×720の解像度および16:9のアスペクト比をもつD(ディフィニション)と、1920×1080の解像度および16:9のアスペクト比をもつFHD(フルハイディフィニション)と、3840×2160の解像度および16:9のアスペクト比をもつUHD(ウルトラハイディフィニション)と、4096×2160の解像度をもつ4Kとを含む。サブミクロン以下から10mm以上にわたる、多種多様なピクセルサイズもあり得る。全表示領域のサイズも、広く変動することができ、数十ミクロン以下程度の小さい対角線から数百インチ以上にわたる。
【0031】
マイクロLEDパネル400は、マイクロLEDディスプレイパネル、マイクロLED画像パネルなどとして使用され得る。
【0032】
マイクロLEDパネルは、上記で開示された構造によって限定されず、示されているものよりも多いまたは少ない構成要素を含み得るか、あるいはいくつかの構成要素が組み合わせられ得るか、あるいは異なる構成要素が利用され得ることが、当業者によって理解される。
【0033】
「第1の」および「第2の」などの本明細書の関係語は、あるエンティティまたは動作を別のエンティティまたは動作と区別するためにのみ使用され、これらのエンティティまたは動作間の実際の関係またはシーケンスを必要としないかまたは暗示しないことに留意されたい。その上、「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含んでいる(containing)」、および「含む(including)」という単語、ならびに他の同様の形態は、意味において等価であり、これらの単語のいずれか1つに続く1つまたは複数の項目が、そのような1つまたは複数の項目の網羅的な列挙であることを意味しないか、または列挙された1つまたは複数の項目のみに限定されることを意味しないという点で、オープンエンドであるものとする。
【0034】
別段に明記されていない限り、本明細書で使用される「or(または、あるいは)」という用語は、実現不可能な場合を除き、すべての可能な組合せを包含する。たとえば、データベースがAまたはBを含み得ると述べられる場合、別段に明記されていないかまたは実現不可能でない限り、データベースは、A、またはB、またはAおよびBを含み得る。第2の例として、データベースがA、B、またはCを含み得ると述べられる場合、別段に明記されていないかまたは実現不可能でない限り、データベースは、A、またはB、またはC、またはAおよびB、またはAおよびC、またはBおよびC、またはAおよびBおよびCを含み得る。
【0035】
上記の本明細書では、実施形態が、実装形態ごとに変動することがある多数の具体的な詳細に関して説明された。説明された実施形態のいくつかの適応および変更が、行われ得る。他の実施形態は、本明細書の考慮および本明細書で開示された発明の実践により、当業者に明らかであり得る。本明細書および例は例示的なものとしてのみ考慮されることが意図されており、本発明の真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。また、図に示されているステップのシーケンスは、単に説明のためのものであり、ステップの特定のシーケンスに限定されることを意図されないものとする。したがって、当業者は、同じ方法を実装しながら、これらのステップが、異なる順序で実施され得ることを諒解することができる。
【0036】
図面および本明細書では、例示的な実施形態が開示された。しかしながら、多くの変形および変更が、これらの実施形態に対して行われ得る。したがって、特定の用語が採用されるが、それらの用語は、一般的および説明的な意味において使用されるにすぎず、限定の目的で使用されない。
【外国語明細書】