(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014948
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】道路監視システム、道路監視装置、道路監視方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240125BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240125BHJP
G01D 5/353 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G08G1/00 J
G08G1/09 F
G01D5/353 B
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194247
(22)【出願日】2023-11-15
(62)【分割の表示】P 2020559765の分割
【原出願日】2019-10-16
(31)【優先権主張番号】P 2018229185
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】依田 幸英
(72)【発明者】
【氏名】青野 義明
(57)【要約】
【課題】道路の異常状態を高精度に検出すること。
【解決手段】本開示の道路監視システムは、道路に敷設された通信用光ファイバを含むケーブルと、ケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、後方散乱光を受信する受信部と、後方散乱光に基づいて、道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、道路の状態を分散的に検出する検出部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に敷設された通信用光ファイバを含むケーブルと、
前記ケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、後方散乱光を受信する受信部と、
前記後方散乱光に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記道路の状態を分散的に検出する検出部と、
を備える道路監視システム。
【請求項2】
前記受信部は、
前記後方散乱光に基づいて、前記後方散乱光が発生した前記道路の位置を特定し、
前記検出部は、
前記検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記特定された前記道路の位置の状態を検出する、
請求項1に記載の道路監視システム。
【請求項3】
前記検出された前記道路の状態の情報を、車両の運転者に配信する配信部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の道路監視システム。
【請求項4】
道路に敷設されたケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、後方散乱光を受信する受信部と、
前記後方散乱光に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記道路の状態を分散的に検出する検出部と、
を備える道路監視装置。
【請求項5】
前記受信部は、
前記後方散乱光に基づいて、前記後方散乱光が発生した前記道路の位置を特定し、
前記検出部は、
前記検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記特定された前記道路の位置の状態を検出する、
請求項4に記載の道路監視装置。
【請求項6】
道路監視装置による道路監視方法であって、
道路に敷設されたケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、後方散乱光を受信し、
前記後方散乱光に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記道路の状態を分散的に検出する、
道路監視方法。
【請求項7】
コンピュータに、
道路に敷設されたケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、後方散乱光を受信する手順と、
前記後方散乱光に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記道路の状態を分散的に検出する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、道路監視システム、道路監視装置、道路監視方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路の異常検出は、人の手によって行われていることが多く、例えば、作業員が目視で又はサーモグラフィカメラ等を用いて路面温度の異常(例えば、路面凍結等)を監視したり、目視で又はカメラ等を用いて土砂崩れの発生、高速道路等への動物や人間の侵入等を監視したりしていた。しかし、人の手によって道路の異常検出を行う場合、コスト・時間が多大にかかり、異常の発見や対処が遅れてしまうことがある。
そのため、最近は、道路の異常を、光ファイバを用いて監視するシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の技術においては、道路脇に光ファイバを敷設し、光ファイバに落石がぶつかる等の大きな外力が加わると、光ファイバ中の光信号の偏光状態が変化することを利用して、道路への落石を検出する。このとき、落石以外の原因による誤動作を防ぐため、外傷防止のための鋼線で光ファイバケーブルを被覆している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術においては、光ファイバに強い応力がかかった場合の光信号の偏光状態を監視することで道路の異常検出を行っている。
したがって、道路への落石等の極端な状態は検出することができるものの、光ファイバへの応力にほとんど影響しないような状態の検出は困難であるという課題がある。
【0006】
一方、近年、IoT(Internet of Things)等の発展に伴い、道路の路面温度等の様々な環境変化等も検出する需要が高まっている。しかし、道路の環境変化等は、光ファイバへの応力への顕著な変化に現れない可能性が高い。
【0007】
そこで本開示の目的は、上述した課題を解決し、道路の異常状態を高精度に検出することができる道路監視システム、道路監視装置、道路監視方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様による道路監視システムは、
道路に敷設された通信用光ファイバを含むケーブルと、
前記ケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、光信号を受信する受信部と、
前記光信号に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記道路の異常状態を検出する検出部と、
を備える。
【0009】
一態様による道路監視装置は、
道路に敷設されたケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、光信号を受信する受信部と、
前記光信号に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記道路の異常状態を検出する検出部と、
を備える。
【0010】
一態様による道路監視方法は、
道路監視装置による道路監視方法であって、
道路に敷設されたケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、光信号を受信し、
前記光信号に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記道路の異常状態を検出する。
【0011】
一態様による非一時的なコンピュータ可読媒体は、
コンピュータに、
道路に敷設されたケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、光信号を受信する手順と、
前記光信号に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記道路の異常状態を検出する手順と、
を実行させるためのプログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【発明の効果】
【0012】
上述の態様によれば、道路の異常状態を高精度に検出することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態に係る道路監視システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施の形態に係る道路監視システムにおける方法Bによる機械学習の一例を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る異常レベル情報の一例を示す図である。
【
図4】実施の形態に係る検出部により検出された異常状態に基づき実現可能なアプリケーションの一例を示す図である。
【
図5】実施の形態に係る道路監視装置を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】実施の形態に係る道路監視システムの動作フローの一例を示すフロー図である。
【
図7】他の実施の形態に係る道路監視システムの一例を示す図である。
【
図8】他の実施の形態に係る道路監視システムの他の例を示す図である。
【
図9】他の実施の形態に係る道路監視システムにおけるファイバセンシング部の配置の一例を示す図である。
【
図10】他の実施の形態に係る道路監視システムにおけるファイバセンシング部の配置の他の例を示す図である。
【
図11】他の実施の形態に係る道路監視システムにおけるファイバセンシング部の配置のさらに他の例を示す図である。
【
図12】他の実施の形態に係る道路監視システムにおけるファイバセンシング部の配置のさらに別の例を示す図である。
【
図13】
図9の道路監視システムにおける光ファイバケーブルの断線時のファイバセンシング部の動作の一例を示す図である。
【
図14】
図10の道路監視システムにおける光ファイバケーブルの断線時のファイバセンシング部の動作の一例を示す図である。
【
図15】
図12の道路監視システムにおける光ファイバケーブルの断線時のファイバセンシング部の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。
<実施の形態>
<実施の形態の構成>
まず、
図1を参照して、本実施の形態に係る道路監視システムの構成について説明する。
【0015】
図1に示されるように、本実施の形態に係る道路監視システムは、道路10の異常状態を検出するものであり、光ファイバケーブル20及び道路監視装置33を備えている。
【0016】
光ファイバケーブル20は、道路10に沿って敷設されている。
図1では、光ファイバケーブル20は、道路10の下に敷設されているが、これには限定されず、道路10の脇等に敷設されても良い。また、このとき、道路10の特に状態を検出したい位置については、例えば、光ファイバケーブル20をループを形成しながら敷設する等して、光ファイバケーブル20を密に設置しても良い。これにより、道路10の異常の検知率の向上を図れる。
光ファイバケーブル20は、1以上の通信用光ファイバを被覆して構成されるケーブルであり、一端は通信キャリア局舎30の内部に引き回されている。
【0017】
本実施の形態に係る道路監視システムは、光ファイバをセンサとして用いる光ファイバセンシング技術を利用して、道路10の異常状態を検出する。
具体的には、通信キャリア局舎30の内部では、光ファイバケーブル20に含まれる通信用光ファイバにパルス光を入射する。すると、パルス光が道路10の方向に通信用光ファイバを伝送されることに伴い、伝送距離毎に後方散乱光が発生する。この後方散乱光は、同じ通信用光ファイバを経由して通信キャリア局舎30の内部に戻ってくる。
【0018】
ここで、道路10は、土砂崩れ等が発生すると振動し、道路10の振動は、通信用光ファイバに伝達される。また、道路10は、火災等が発生すると温度が上昇し、道路10の温度変化も、通信用光ファイバに伝達される。また、道路10は、路面劣化等が発生すると路面劣化に応じた音が発生し、音の変化も、通信用光ファイバに伝達される。そのため、通信用光ファイバにおいて、道路10の振動、温度、及び音が伝達されるパターンは、道路10の状態(例えば、路面温度の異常の有無、土砂崩れや落石の発生の有無、高速道路等への動物や人間等の侵入の有無、火災の発生の有無、地震の発生の有無、強風(例えば、台風や竜巻を含む)の発生の有無、路面劣化の有無、水害の発生の有無等)に応じて異なっている。
【0019】
そのため、通信キャリア局舎30の内部に戻ってくる後方散乱光には、道路10の状態に応じたパターンが含まれる。
図1の例では、通信キャリア局舎30の内部に戻ってくる後方散乱光には、道路10の様々な位置の状態に応じたパターンが含まれることになる。
【0020】
本実施の形態に係る道路監視システムは、通信キャリア局舎30の内部に戻ってくる後方散乱光に、道路10の状態に応じたパターンが含まれることを利用して、その道路10の異常状態(例えば、路面温度の異常、土砂崩れや落石の発生、高速道路等への動物や人間等の侵入、火災の発生、地震の発生、強風(例えば、台風や竜巻を含む)の発生、路面劣化等)を検出するものである。
【0021】
ここで、通信キャリア局舎30の内部においては、上述した道路監視装置33が設けられている。道路監視装置33は、本実施の形態の実現のために新規に設置された設備である。
【0022】
道路監視装置33は、光ファイバセンシング機器としての機能を備える他、道路10の異常状態を検出する機能を備える装置である。具体的には、道路監視装置33は、ファイバセンシング部331及び検出部332を備えている。ファイバセンシング部331は、受信部の一例である。
【0023】
ファイバセンシング部331は、光ファイバケーブル20に含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバにパルス光を入射する。このパルス光は、道路10の方向に伝送される。また、ファイバセンシング部331は、パルス光を入射した通信用光ファイバと同じ通信用光ファイバから、パルス光に対する後方散乱光を受信する。この後方散乱光は、道路10の方向から受信される。
【0024】
このとき、上述のように、ファイバセンシング部331により受信された後方散乱光は、道路10の状態に応じたパターンを含んでいる。また、
図1の例では、ファイバセンシング部331は、道路10の様々な位置にて発生した後方散乱光を時系列的に受信する。
【0025】
そのため、ファイバセンシング部331は、後方散乱光を受信すると、まず、その後方散乱光が発生した道路10の位置を特定する。さらに、ファイバセンシング部331は、特定された位置での振動の状態、温度の状態、音の状態等を検出する。
その上で、検出部332は、ファイバセンシング部331による後方散乱光の処理結果に基づいて、道路10の特定された位置の状態に応じたパターンを検出し、検出されたパターンに基づいて、道路10の特定された位置の異常状態を検出する。
【0026】
そこで以下では、まず、ファイバセンシング部331において、後方散乱光が受信された場合に、その後方散乱光が発生した位置を特定する方法について説明する。
【0027】
本実施の形態においては、ファイバセンシング部331は、通信用光ファイバにパルス光を入射した時刻と、同じ通信用光ファイバから後方散乱光を受信した時刻と、の時間差に基づいて、その後方散乱光が発生した発生位置を特定する。このとき、ファイバセンシング部331は、上述の時間差が小さいほど、ファイバセンシング部331から近くなるように、発生位置を特定する。
【0028】
続いて以下では、検出部332において、道路10の異常状態を検出する方法について説明する。
(A)方法A
まず、道路10の異常状態を検出する方法Aについて説明する。
ファイバセンシング部331は、通信用光ファイバから受信された後方散乱光が発生した道路10の位置を特定する処理を行う。さらに、ファイバセンシング部331は、その後方散乱光を分散型音響センサ(Distributed Acoustic Sensor)、分散型振動センサ(Distributed Vibration Sensor)、及び分散型温度センサ(Distributed Temperature Sensor)等にて検出することで、道路10の特定された位置での振動の状態、温度の状態、音の状態等を検出する処理を行う。
そのため、検出部332は、ファイバセンシング部331による後方散乱光の処理結果に基づいて、道路10の状態に応じたパターンを検出する。
【0029】
ここで、検出部332は、道路10の状態に応じたパターンと、道路10の状態と、を対応付けた対応テーブルを保持している。そのため、検出部332は、道路10の異常状態を検出する場合、まず、道路10の状態に応じたパターンを検出する。続いて、検出部332は、上述の対応テーブルを用いて、上記で取得した道路10の状態に応じたパターンに対応する、道路10の状態を特定することにより、道路10が異常状態であるか否かを判定する。
【0030】
(B)方法B
続いて、道路10の異常状態を検出する方法Bについて説明する。
本方法Bでは、検出部332は、道路10の状態に応じたパターンを機械学習(例えば、深層学習等)し、機械学習の学習結果(初期学習モデル)を用いて、道路10の異常状態を検出する。
【0031】
まず、
図2を参照して、本方法Bにおける機械学習の方法について説明する。ここでは、道路10において、ファイバセンシング部331からの距離がxx[km]、yy[km]、zz[km]の3箇所のパターンを教師データとして学習する方法について説明する。
図2に示されるように、検出部332は、道路10の3箇所の異常度合いを示す異常レベル情報である教師データと、3箇所の状態に応じたパターンと、を入力する(ステップS1,S2)。
図3に、教師データとなる異常レベル情報の一例を示す。なお、
図3において、異常レベルは、数値が大きいほど、異常度合いが進行していることを示している。また、異常レベル情報は、検出部332が保持する。
【0032】
続いて、検出部332は、両者のマッチング及び分類を行って(ステップS3)、教師あり学習を行う(ステップS4)。これにより、初期学習モデルが得られる(ステップS5)。この初期学習モデルは、道路10の状態に応じたパターンを入力すると、道路10の状態が出力されるモデルとなる。
【0033】
続いて、本方法Bにおける道路10の異常状態を検出する方法について説明する。
検出部332は、道路10の異常状態を検出する場合、上述の方法Aと同様に、まず、道路10の状態に応じたパターンを検出する。続いて、検出部332は、そのパターンを初期学習モデルに入力する。これにより、検出部332は、初期学習モデルの出力結果として、道路10の状態が得られるため、道路10が異常状態であるか否かを判定する。
【0034】
上述のように、本方法Bでは、道路10の状態に応じたパターンを機械学習し、機械学習の学習結果を用いて、道路10の異常状態を検出する。
データから道路10の状態を検出するための特徴を抽出することが、人間による解析では困難な場合がある。本方法Bでは、大量のパターンから学習モデルを構築することにより、人間での解析では困難であった場合でも、道路10の異常状態を高精度に検出することができる。
【0035】
なお、本方法Bにおける機械学習においては、初期状態では、2つ以上の教師データに基づいて、学習モデルを生成すれば良い。また、この学習モデルには、新たに検出されたパターンを、新たに学習させても良い。その際、新たな学習モデルから、道路10の異常状態を検出する詳細条件を調整しても良い。
【0036】
続いて以下では、
図2を参照して、検出部332により検出された道路10の異常状態に基づいて実現可能なアプリケーションについて説明する。
検出部332により検出された道路10の異常状態に基づいて、例えば、以下の(a)~(g)のアプリケーションを実現することが可能である。以下、各アプリケーションについて説明する。
【0037】
(a)路面凍結検知
課題及び効果:
道路10の路面凍結は、交通事故につながる可能性があるため、どの区間でどこまで路面が凍結しているのか適切に把握することが必要となる。
動作概要:
道路10の表面温度を、道路10の下に敷設された光ファイバケーブル20を介してモニタし、特定温度以下の場合を路面凍結として検知する。
【0038】
(b)土砂崩れ、落石検知、動物や人間の侵入検知
課題及び効果:
土砂崩れ、落石の発生及び動物や人間等の侵入等をリモートからリアルタイムで検知することにより、車両(自動車)の運転者への適切な通知、危険区域への対処を迅速に行うことが可能となる。
動作概要:
土砂崩れ、落石、動物や人間等の侵入等で発生する振動を、道路10の下に敷設された光ファイバケーブル20を介してモニタし、振動のパターンの特徴により異常を検知する。
また、フェンスや山の斜面へ光ファイバケーブル20を敷設する形態でも良い。
【0039】
(c)道路火災検知
課題及び効果:
火災が発生した状況をリモートからリアルタイムでモニタすることにより、迅速な消化活動が可能となる。
動作概要:
道路10の表面温度を、道路10の下に敷設された光ファイバケーブル20を介してモニタし、特定温度以上であった場合を火災として検知する。
【0040】
(d)地震検知
課題及び効果:
広域の振動状況をモニタすることにより、地震の発生位置及び地震の伝搬を把握することが可能となる。地震の速報や迅速な状況把握することが可能となる。
動作概要:
道路10に埋設された光ファイバケーブル20の振動をモニタし、広域の振動状況を分析することにより震源地や地震到達速度を検知する。
【0041】
(e)強風(台風や竜巻含む)の発生
課題及び効果:
道路10全体の風速をリモートから検知することにより、危険区域への車両の進行を回避する。
動作概要:
道路10沿いに敷設された光ファイバケーブル20の振動から風速をモニタする。
風速が閾値を超えた場合を強風として検知する。
【0042】
(f)路面劣化
課題及び効果:
道路10全域で路面のひび割れ、劣化状態を監視することにより、人手で行っていた検査の軽減が可能となる。
動作概要:
道路10で発生した音や振動をモニタする。
振動のパターンの特徴により路面劣化を検知する。
【0043】
(g)水害
課題及び効果:
道路10全体の水害状況をリモートから検知することにより、危険区域への車両の進行を回避する。
動作概要:
道路10全体の温度状況から温度の変化が顕著に変化している位置を特定し、特定された位置に水害が発生していると判定する。
【0044】
続いて以下では、
図5を参照して、道路監視装置33を実現するコンピュータ40のハードウェア構成について説明する。
図5に示されるように、コンピュータ40は、プロセッサ401、メモリ402、ストレージ403、入出力インタフェース(入出力I/F)404、及び通信インタフェース(通信I/F)405などを備える。プロセッサ401、メモリ402、ストレージ403、入出力インタフェース404、及び通信インタフェース405は、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路で接続されている。
【0045】
プロセッサ401は、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ402は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。ストレージ403は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはメモリカードなどの記憶装置である。また、ストレージ403は、RAMやROM等のメモリであっても良い。
【0046】
ストレージ403は、道路監視装置33が備えるファイバセンシング部331及び検出部332の機能を実現するプログラムを記憶している。プロセッサ401は、これら各プログラムを実行することで、ファイバセンシング部331及び検出部332の機能をそれぞれ実現する。ここで、プロセッサ401は、上記各プログラムを実行する際、これらのプログラムをメモリ402上に読み出してから実行しても良いし、メモリ402上に読み出さずに実行しても良い。また、メモリ402やストレージ403は、ファイバセンシング部331及び検出部332が保持する情報やデータを記憶する役割も果たす。
【0047】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータ(コンピュータ40を含む)に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、CD-R(CD-Recordable)、CD-R/W(CD-ReWritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0048】
入出力インタフェース404は、表示装置4041や入力装置4042などと接続される。表示装置4041は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、プロセッサ401により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置4042は、オペレータの操作入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス、及びタッチセンサなどである。表示装置4041及び入力装置4042は一体化され、タッチパネルとして実現されていても良い。なお、コンピュータ40は、分散型音響センサ、分散型振動センサ、及び分散型温度センサを含む不図示のセンサなども備え、このセンサを入出力インタフェース404に接続した構成であっても良い。
【0049】
通信インタフェース405は、外部の装置との間でデータを送受信する。例えば、通信インタフェース405は、有線通信路または無線通信路を介して外部装置と通信する。
【0050】
<実施の形態の動作>
以下、本実施の形態に係る道路監視システムの動作について説明する。ここでは、
図6を参照して、本実施の形態に係る道路監視システムの動作フローについて説明する。
【0051】
図6に示されるように、まず、ファイバセンシング部331は、光ファイバケーブル20に含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバにパルス光を入射する(ステップS11)。
続いて、ファイバセンシング部331は、パルス光を入射した通信用光ファイバと同じ通信用光ファイバから後方散乱光を受信する(ステップS12)。
【0052】
続いて、ファイバセンシング部331は、ステップS12で受信された後方散乱光を発生した道路10の位置を特定する(ステップS13)。このとき、ファイバセンシング部331は、上述した時間差に基づく方法を用いて、後方散乱光を発生した位置を特定すれば良い。さらに、ファイバセンシング部331は、道路10の特定された位置での振動の状態、温度の状態、音の状態等を検出する。
【0053】
その後、検出部332は、ステップS12で受信された後方散乱光に基づいて、ステップS13で特定された道路10の位置の状態に応じたパターンを検出する。より詳細には、そのパターンは、ファイバセンシング部331による後方散乱光の処理結果に基づいて検出する。その上で、検出部332は、検出されたパターンに基づいて、ステップS13で特定された道路10の位置の異常状態を検出する(ステップS14)。このとき、検出部332は、上述した方法A及び方法Bのいずれかの方法を用いて、異常状態を検出すれば良い。
【0054】
なお、
図6においては、ステップS12において、後方散乱光を受信する度に、ステップS13,S14の処理を行っても良い。又は、ステップS12において、後方散乱光が複数受信された後、後方散乱光毎に、ステップS13,S14の処理を行っても良い。
【0055】
<実施の形態の効果>
上述したように本実施の形態によれば、光ファイバケーブル20に含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから後方散乱光(光信号)を受信し、受信された後方散乱光に基づいて、道路10の状態に応じたパターンを検出し、検出されたパターンに基づいて、道路10の異常状態を検出する。そのため、道路10の異常状態を高精度に検出することができる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、道路10の異常状態を検出するには、既存の通信用光ファイバがあれば良く、特許文献1のように、外傷防止のための鋼線で光ファイバケーブルを被覆する必要はない。したがって、道路10の異常状態を検出するための専用構造を必要としないため、道路監視システムを安価に構築することができる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、既存の通信用光ファイバを用いて、一斉かつリモートで複数の道路10の異常状態を検出することができるため、道路10の状態把握が容易となると共に、道路10の状態把握のためのコストも低減することができる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、光ファイバをセンサとして用いる光ファイバセンシング技術を利用する。そのため、電磁ノイズの影響を受けない、センサへの給電が不要になる、環境耐性に優れる、メンテナンスが容易になる等の利点が得られる。
【0059】
<他の実施の形態>
なお、検出部332は、道路10の位置毎に、上記で検出された道路10の異常状態を保持することとし、定期的に(例えば、1年毎)、その位置の異常状態を検出することで、その位置の異常状態の経時的な状態変化を検出しても良い。
【0060】
また、検出部332は、道路10の位置の異常状態の経時的な状態変化に基づいて、その位置の異常又は破損の予兆を検出しても良い。
【0061】
また、検出部332により異常と検出された道路10の位置の部分を、分析者が実際に分解して、実際の異常レベルを判定しても良い。このとき、検出部332が検出した異常レベルと、分析者が判定した異常レベルと、に差分があれば、その差分を検出部332にフィードバックしても良い。この場合、検出部332は、以降、実際の異常レベルに近づくように、道路10の異常状態を検出するため、検出精度の向上が図れる。
【0062】
また、検出部332において、上述の方法Bにより、道路10の状態に応じたパターンを機械学習する場合、地域によっても道路10の状態は異なると考えられる。例えば、温暖地と寒冷地とで状態は異なると考えられる。そのため、検出部332は、地域毎に、その地域に応じた教師データを用いて、機械学習しても良い。
【0063】
また、上述の実施の形態では、既存の光ファイバケーブル20を用いることを想定したが、
図7に示されるように、光ファイバケーブル20を新設し、新設した光ファイバケーブル20にデータ収集部34を接続しても良い。データ収集部34も、道路10のパターン(例えば、音、温度、振動等)のデータを収集し、収集したデータを検出部332に送信する。このとき、データ収集部34から検出部332へデータの送信は、光ファイバケーブル20を介して行っても良いし、別に設けた無線機を介して行っても良い。検出部332は、データ収集部34及びファイバセンシング部331が収集したデータに基づいて、道路10の異常状態を検出する。そのため、検出精度の向上を図ることができる。
【0064】
また、
図8に示されるように、道路監視装置33による検出結果に基づいて、道路10における車両の交通を管理する交通管制システム50を設けても良い。交通管制システム50は、配信部の一例である。交通管制システム50は、道路10の異常状態が検出された場合、車両の運転者に対し、その道路10に異常が検出されたこと等を、ハイウェイラジオ、その道路10上の情報盤、インターネット、アプリケーション等を介して、配信しても良い。また、交通管制システム50は、道路10の異常状態が検出された場合、車両の運転者に対し、車両を運転する上での注意喚起等を配信しても良い。また、交通管制システム50は、異常が検出された道路10を通行止めにする場合、車両の運転者に対し、通行止め情報を配信しても良い。また、交通管制システム50は、システム管理者等に対し、道路10の異常状態、道路10の異常状態の経時的な状態変化、道路10の異常又は破損の予兆等を提示しても良い。また、交通管制システム50は、道路監視装置33による検出結果に基づいて、道路10の舗装時期を算出し、システム管理者等に対し、道路10の舗装時期を提示しても良い。また、交通管制システム50は、通信キャリア局舎30の外部に設けているが、一部の機能(例えば、配信部の機能等)を通信キャリア局舎30の内部に設けても良い。また、交通管制システム50を通信キャリア局舎30の外部に設ける場合、複数の通信キャリア局舎30の各々に光ファイバケーブル20により接続されている道路10を、1つの交通管制システム50で集中的に監視しても良い。
【0065】
また、道路監視装置33のファイバセンシング部331及び検出部332を互いに分離して設けても良い。例えば、通信キャリア局舎30の内部には、ファイバセンシング部331のみを設け、検出部332を含む道路監視装置33を、通信キャリア局舎30の外部に設けても良い。
【0066】
また、上述の実施の形態では、ファイバセンシング部331は、1つのみ設けられ、また、光ファイバケーブル20を占有しているが、これには限定されない。ここで、
図9~
図12を参照して、他の実施の形態に係る道路監視システムにおけるファイバセンシング部331の配置について説明する。なお、
図9~
図12においては、検出部332の図示は省略されている。
【0067】
図9の例では、ファイバセンシング部331は、既存の通信設備31と光ファイバケーブル20を共有している。また、ファイバセンシング部331及び既存の通信設備31で光ファイバケーブル20を共有するため、信号分離のためのフィルタ32が設けられている。
【0068】
図10の例では、複数の通信キャリア局舎30(
図10では、2つの通信キャリア局舎30A,30Z)の各々に、ファイバセンシング部331が1つずつ設けられている。具体的には、通信キャリア局舎30A,30Zの内部にファイバセンシング部331A,331Zがそれぞれ設けられている。なお、
図10の例では、通信キャリア局舎30Aには、道路10Aが光ファイバケーブル20により接続され、通信キャリア局舎30Zには、道路10Bが光ファイバケーブル20により接続され、道路10A,10Bが光ファイバケーブル20により接続されている。通信設備31A,31Zは通信設備31に対応し、フィルタ32A,32Zはフィルタ32に対応する。
図10の例では、ファイバセンシング部331A,331Zが共に、道路10A,10Bをモニタする。
【0069】
図11の例では、
図10と比較して、道路10Aの付近にデータ収集部34が設けられている。ここでは、道路10A,10Bに対して、データ収集部34が1個のみ設けられているが、データ収集部34は、所定数の道路10に対して1個、又は、道路10の所定道路長に対して1個設けることとし、1個以上設ければ良い。
【0070】
図11の例では、各データ収集部34は、対応する道路10のパターン(例えば、音、温度、振動等)のデータを収集し、検出部332は、各データ収集部34が収集したデータを集約する。このとき、各データ収集部34から検出部332へデータの送信は、光ファイバケーブル20を介して行っても良いし、別に設けた無線機を介して行っても良い。検出部332は、データ収集部34がデータを収集した道路10については、そのデータに基づいて異常状態を検出する。
【0071】
そのため、1つのファイバセンシング部331のモニタ区間が短くなり、モニタ対象の道路10の数や道路長が減少する。ファイバセンシング部331のモニタ区間が短いことにより、パルス光及び後方散乱光の伝送距離が短くなるため、ファイバ損失が小さくなる。これにより、受信する後方散乱光のS/N比(signal-to-noise ratio)が改善し、モニタ精度の向上を図ることができる。また、ファイバセンシング部331のモニタ対象の道路10の数や道路長が減少することにより、モニタ周期の向上を図ることができる。
【0072】
図12の例では、1つの通信キャリア局舎30AZに、複数のファイバセンシング部331(
図12では、2つのファイバセンシング部331A,331Z)が設けられている。なお、
図12の例では、ファイバセンシング部331Aには、道路10Aが光ファイバケーブル20により接続され、ファイバセンシング部331Zには、道路10Bが光ファイバケーブル20により接続され、道路10A,10Bが光ファイバケーブル20により接続されている。通信設備31A,31Zは通信設備31に対応し、フィルタ32A,32Zはフィルタ32に対応する。
【0073】
図12の例では、ファイバセンシング部331A,331Zが共に、道路10A,10Bをモニタする。ただし、ファイバセンシング部331Aは、時計回りの方向にパルス光を入射して、道路10A,10Bをモニタし、ファイバセンシング部331Zは、反時計回りの方向にパルス光を入射して、道路10A,10Bをモニタする。
【0074】
なお、
図10~
図12のように、複数のファイバセンシング部331を設ける場合、複数のファイバセンシング部331に対して、検出部332を含む道路監視装置33を1つ設けても良い。そして、複数のファイバセンシング部331の各々に光ファイバケーブル20により接続されている道路10の状態を、1つの道路監視装置33で集中的に検出しても良い。この場合、道路監視装置33は、通信キャリア局舎30のいずれかの内部に設けても良いし、通信キャリア局舎30の外部に設けても良い。
【0075】
また、道路10に敷設されている光ファイバケーブル20は、断線する可能性がある。そこで、
図13~
図15を参照して、他の実施の形態に係る道路監視システムにおける光ファイバケーブル20の断線時のファイバセンシング部331の動作について説明する。なお、
図13~
図15においては、検出部332の図示は省略されている。
【0076】
図13の例は、
図9の構成において、道路10の光ファイバケーブル20が断線した例である。ファイバセンシング部331は、光ファイバケーブル20が断線した場合でも、パルス光を光ファイバケーブル20に入射し続ける。これにより、通信キャリア局舎30は、断線された位置までの区間において、継続してモニタをすることが可能である。
【0077】
図14の例は、
図10の構成において、道路10Aの光ファイバケーブル20が断線した例である。ファイバセンシング部331A,331Zは、光ファイバケーブル20が断線した場合でも、パルス光を光ファイバケーブル20に入射し続ける。このとき、道路10は必ず2つ以上の通信キャリア局舎30(
図14では、2つの通信キャリア局舎30A,30Z)と接続されている。そのため、通信キャリア局舎30A,30Zが双方向からモニタを行うことにより、1重障害においては、全区間を継続してモニタすることができる冗長構成を構築可能である。
【0078】
図15の例は、
図12の構成において、道路10Aの光ファイバケーブル20が断線した例である。ファイバセンシング部331A,331Zは、光ファイバケーブル20が断線した場合でも、パルス光を光ファイバケーブル20に入射し続ける。このとき、
図15の例では、光ファイバケーブル20をリング状に接続したリング構成が構築されている。そのため、1つの通信キャリア局舎30AZからリングの双方向にモニタを行うことにより、1重障害においては、全区間を継続してモニタすることができる冗長構成を構築可能である。
【0079】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0080】
また、上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
道路に敷設された通信用光ファイバを含むケーブルと、
前記ケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、光信号を受信する受信部と、
前記光信号に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記道路の異常状態を検出する検出部と、
を備える道路監視システム。
(付記2)
前記受信部は、
前記光信号に基づいて、前記光信号が発生した前記道路の位置を特定し、
前記検出部は、
前記検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記特定された前記道路の位置の異常状態を検出する、
付記1に記載の道路監視システム。
(付記3)
前記検出された前記道路の異常状態の情報を、車両の運転者に配信する配信部をさらに備える、
付記1又は2に記載の道路監視システム。
(付記4)
道路に敷設されたケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、光信号を受信する受信部と、
前記光信号に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記道路の異常状態を検出する検出部と、
を備える道路監視装置。
(付記5)
前記受信部は、
前記光信号に基づいて、前記光信号が発生した前記道路の位置を特定し、
前記検出部は、
前記検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記特定された前記道路の位置の異常状態を検出する、
付記4に記載の道路監視装置。
(付記6)
道路監視装置による道路監視方法であって、
道路に敷設されたケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、光信号を受信し、
前記光信号に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記道路の異常状態を検出する、
道路監視方法。
(付記7)
コンピュータに、
道路に敷設されたケーブルに含まれる少なくとも1つの通信用光ファイバから、光信号を受信する手順と、
前記光信号に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンに基づいて、前記道路の異常状態を検出する手順と、
を実行させるためのプログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0081】
この出願は、2018年12月6日に出願された日本出願特願2018-229185を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0082】
10,10A,10B 道路
20 光ファイバケーブル
30,30A,30Z,30AZ 通信キャリア局舎
31,31A,31Z 通信設備
32,32A,32Z フィルタ
33 道路監視装置
331,331A,331Z ファイバセンシング部
332 検出部
34 データ収集部
40 コンピュータ
401 プロセッサ
402 メモリ
403 ストレージ
404 入出力インタフェース
4041 表示装置
4042 入力装置
405 通信インタフェース
50 交通管制システム
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に敷設された光ファイバから、後方散乱光を受信する受信部と、
前記後方散乱光に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記道路の状態を分散的に検出する検出部と、
を備える道路監視システム。
【請求項2】
前記受信部は、前記後方散乱光に基づいて、前記後方散乱光が発生した前記道路の位置を特定し、
前記検出部は、前記検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記特定された前記道路の位置の状態を検出する、
請求項1に記載の道路監視システム。
【請求項3】
前記検出された前記道路の状態の情報を、車両の運転者に配信する配信部をさらに備え
る、
請求項1に記載の道路監視システム。
【請求項4】
道路に敷設された光ファイバから、後方散乱光を受信する受信部と、
前記後方散乱光に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記道路の状態を分散的に検出する検出部と、
を備える道路監視装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記後方散乱光に基づいて、前記後方散乱光が発生した前記道路の位置を特定し、
前記検出部は、前記検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記特定された前記道路の位置の状態を検出する、
請求項4に記載の道路監視装置。
【請求項6】
前記検出された前記道路の状態の情報を、車両の交通を管理する交通管制システムに通知する、
請求項4に記載の道路監視装置。
【請求項7】
道路監視装置による道路監視方法であって、
道路に敷設された光ファイバから、後方散乱光を受信し、
前記後方散乱光に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、
検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記道路の状態を分散的に検出する、
道路監視方法。
【請求項8】
コンピュータに、
道路に敷設された光ファイバから、後方散乱光を受信する手順と、
前記後方散乱光に基づいて、前記道路の状態に応じたパターンを検出し、検出された前記道路の状態に応じたパターンと学習モデルとに基づいて、前記道路の状態を分散的に検出する手順と、
を実行させるためのプログラム。