(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149499
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】断続的螺旋状切込セクションと不断的螺旋状切込セクションとが隣接するニードル
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61B10/02 110Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024111932
(22)【出願日】2024-07-11
(62)【分割の表示】P 2022158617の分割
【原出願日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】63/251,299
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ティー・パンゼンベック
(57)【要約】
【課題】螺旋状の切込部が断続的セクションと不断的セクションとを隣接して備えるニードルを提供すること。
【解決手段】開示される実施形態は、フレキシブルニードルを用いて体内の組織の目標部位のサンプル採取を行うための装置、システム及び方法を含み、フレキシブルニードルの局所歪を減らすために、フレキシブルニードルが、複数の断続的切込部及び不断的切込部から連続して延びる1つの不断的切込部を有する。一の例証的な実施形態では、装置はフレキシブルニードルを備え、そのフレキシブルニードルは、近位端と、ニードルチップを含む遠位端と、近位端と遠位端との間に延びるシャフトであって、柔軟部分を含むシャフトと、を備え、柔軟部分が、第1の螺旋状パターンを辿るシャフトの複数の断続的切込部を有する断続的切込セクションと、第2の螺旋状パターンを辿るシャフトの不断的切込部を有する不断的切込セクションと、を含み、不断的切込部が、断続的切込セクションの第1の端部で第1の終端切込部の端部から連続して延びる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルニードルを備え、
前記フレキシブルニードルが、
近位端と、
ニードルチップを含む遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間に延びるシャフトであって、前記ニードルチップの近位に柔軟部分を含むシャフトと、
を有し、
前記柔軟部分が、
前記ニードルチップの近位に配置された断続的切込セクションであって、第1の螺旋状パターンを辿る一連の切込部を形成する前記シャフトの複数の個別の切込部を含む、断続的切込セクションと、
前記断続的切込セクションの近位に配置された不断的切込セクションであって、第2の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの不断的切込部を含む不断的切込セクションと、
を有する、装置。
【請求項2】
前記断続的切込セクションが、前記遠位端に隣接して配置され、
前記不断的切込セクションが、前記断続的切込セクションと前記近位端との間に配置された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記断続的切込セクションの前記第1の螺旋状パターンの第1のピッチ角が、前記不断的切込セクションの前記第2の螺旋状パターンの第2のピッチ角よりも小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記断続的切込セクションの前記第1の螺旋状パターンの第1のピッチ角が、固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記断続的切込セクションの前記第2の螺旋状パターンの第2のピッチ角が、固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
複数の前記断続的切込部が、複数の直線的切込部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
複数の前記断続的切込部が、正弦波状切込パターン、ジグソー形切込パターン及びジグザグ形切込パターンから選ばれた少なくとも1つの切込パターンを含む複数の非直線的切込部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記断続的切込部の少なくとも一部が、前記シャフト内に形成された丸穴で終わる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記不断的切込部は、前記断続的切込セクションの近位端から前記フレキシブルニードルの近位端の遠位の位置まで連続して延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
第3のピッチ角を有する第3の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの追加の不断的切込部を含む追加の不断的切込セクションであって、前記断続的切込セクションの前記第1の終端切込部と反対の端部で複数の断続的切込部の第2の終端切込部の第2の端部から延びる追加の不断的切込セクションと、
第4のピッチ角を有する第4の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの追加の複数の断続的切込部を含む追加の断続的切込セクションであって、前記不断的切込部の前記第1の終端切込部の端部に対向する端部から延びる追加の断続的切込セクションと、
から選ばれた少なくとも1つの追加の切込セクションをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
組織の目標部位のサンプリングのためのシステムであって、
・細長い器具をルーメンの近位端に受け入れ、前記ルーメンの遠位端をサンプル採取を行う組織の目標部位に向けて体内に運ぶように構成された挿入システムと、
・前記ルーメンを介して前記体内に挿入できるように構成されたフレキシブルニードルアセンブリであって、
-フレキシブルニードルを有し、
前記フレキシブルニードルが、
*近位端と、
*前記フレキシブルニードルの遠位端に配置されたニードルチップと、
*前記近位端と前記ニードルチップとの間に延び、柔軟部分を含むシャフトと、
を有し、
前記柔軟部分が、
*前記ニードルチップの近位に配置された断続的切込セクションであって、第1の螺旋状パターンを辿る前記シャフトに複数の断続的切込部を有する断続的切込セクションと、
*第2の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの不断的切込部を含む不断的切込セクションであって、前記不断的切込部が前記断続的切込セクションの近位端部から連続して延びる不断的切込部切込セクションと、
を含む、フレキシブルニードルアセンブリと、
・前記フレキシブルニードルの近位端を係合させ、前記フレキシブルニードルの動きを制御するように構成されたハンドルアセンブリと、
を備えるシステム。
【請求項12】
前記ニードルチップは、前記断続的切込セクションに近接して延びる前記フレキシブルニードルの無切込部セクションを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記断続的切込セクションの前記第1の螺旋状パターンの第1のピッチ角が、前記不断的切込セクションの前記第2の螺旋状パターンの第2のピッチ角よりも小さい、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記断続的切込セクションの前記第1の螺旋状パターンの第1のピッチ角が、固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記不断的切込セクションの前記第2の螺旋状パターンの第2のピッチ角が、固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
複数の前記断続的切込部が、複数の直線的切込部を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
複数の前記断続的切込部が、正弦波状切込パターン、ジグソー形切込パターン及びジグザグ形切込パターンから選ばれた少なくとも1つの切込パターンを含む複数の非直線的切込部を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記断続的切込部の少なくとも一部が、前記シャフト内に形成された丸穴で終わる、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
第3のピッチ角を有する第3の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの1つの追加の不断的切込部を含む1つの追加の不断的切込セクションであって、前記断続的切込セクションの前記第1の終端切込部と反対の端部で複数の断続的切込部の第2の終端切込部の第2の端部から延びる追加の不断的切込セクションと、
第4のピッチ角を有する第4の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの追加の複数の断続的切込部を含む追加の断続的切込セクションであって、前記第1の終端切込部の端部に対向する前記不断的切込部の端部から延びる追加の断続的切込セクションと、
から選ばれた少なくとも1つの追加の切込セクションを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記挿入システムが、前記ルーメンの前記遠位端に装着可能であり、サンプル採取を行う組織の目標部位に対する前記ニードルの位置をモニタリングする撮像プローブをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が本明細書に組み込まれている2021年10月1日出願の米国仮出願第63/251,299号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
開示される実施形態はフレキシブルニードル及びその形成に関する。
【背景技術】
【0003】
この項の説明は本開示に関する背景情報を提供するに過ぎず、先行技術を構成するものでないことがあり得る。
【0004】
体内の組織のサンプルを採取するには長いフレキシブルニードルが大いに有用となり得る。この種のニードルは、カテーテルまたはその他のルーメンを通して挿入することで体内の構造に到達し、組織の目標部位から組織サンプルを取ることができるものであり、サンプルを得るためにより侵襲性の高い手法をとることを回避できる可能性がある。
【0005】
この種のニードルは、目標部位に到達するまでに潜在的に曲がりくねった経路に沿って進むことができるように、曲がりや角度のある経路に合わせて曲がるなど、一定の柔軟性を有しているべきであるが、この種のニードルは、ニードルを所定の位置に押し込んだり、目標部位に挿入したりできるための十分なコラム強度を必要とする。そのような柔軟性のあるニードルを作り出すための1つの方法として、ニードルの壁に切込みを入れるという方法がある。しかし、そのような切込部は、ニードルを柔軟にし過ぎてしまったり、または切込部の端部に局所的な応力を生じさせたりする可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示される実施形態には、フレキシブルニードルの局所歪を減らすために、複数の断続的切込部と、不断的切込部から連続して延びる不断的切込部とを含むフレキシブルニードルにかかわる装置、システム及び方法が含まれる。
【0007】
1つの例証的な、非限定的な実施形態では、装置は、フレキシブルニードルを有し、フレキシブルニードルは、近位端と、ニードルチップを含む遠位端と、近位端と遠位端との間に延びるシャフトであって、柔軟部分を含むシャフトと、を有し、柔軟部分は、第1の螺旋状パターンを辿るシャフトの複数の断続的切込部を含む断続的切込セクションと、第2の螺旋状パターンを辿るシャフトの1つの不断的切込部を含む不断的切込セクションと、を含み、不断的切込部は、断続的切込セクションの第1の端部で第1の終端切込部の端部から連続して延びる。
【0008】
別の例証的な、非限定的な実施形態では、組織の目標部位のサンプル採取のためのシステムは、細長い器具をルーメンの近位端に受け入れ、ルーメンの遠位端をサンプル採取する組織の目標部位に向けて体内に運ぶように構成された挿入システムと、ルーメンを介して体内に挿入するように構成されたフレキシブルニードルアセンブリであって、フレキシブルニードルアセンブリが、フレキシブルニードルを有し、フレキシブルニードルが、近位端と、ニードルチップを含む遠位端と、近位端と遠位端との間に延びるシャフトであって、柔軟部分を含むシャフトと、を有し、柔軟部分が、第1の螺旋状パターンを辿るシャフトの複数の断続的切込部を含む断続的切込セクションと、第2の螺旋状パターンを辿るシャフトの1つの不断的切込部を含む不断的切込セクションと、を有し、不断的切込部が、断続的切込セクションの第1の端部で第1の終端切込部の端部から連続して延びる、フレキシブルニードルアセンブリと、フレキシブルニードルの近位端を係合させ、フレキシブルニードルの動作を制御するように構成されたハンドルアセンブリと、を備える。
【0009】
別の例証的な、非限定的な実施形態では、1つの方法は、近位端と、ニードルチップを含む遠位端と、を有するニードルシャフトを作成するステップと、シャフトの壁を貫く複数の断続的切込部を形成するステップであって、複数の断続的切込部が第1の螺旋状パターンを辿る、ステップと、シャフトの壁を貫いて複数の不断的切込部をシャフトに形成するステップであって、不断的切込部が、複数の断続的切込部の第1の端部で第1の終端切込部の端部から連続して延び、不断的切込部が第2の螺旋状パターンを辿る、ステップと、を含む。
【0010】
さらなる特徴、利点及び適用分野については、ここに示す説明から明らかとなろう。説明及び具体例は例証を目的としてのみ意図されており、本開示の範囲を限定することを意図したものではないことを了解されたい。
【0011】
以下に説明する図面は例示のみを目的としており、いかなる形であれ、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。図中の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、開示する実施形態の原理を示すことの方に重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】不断的切込部へと連続して延びる断続的切込部を有するフレキシブルニードルの部分破断形式の側面図である。
【
図2】不断的切込部へと連続して延びる断続的切込部を有するフレキシブルニードルの部分破断形式の側面図である。
【
図3】不断的切込部へと連続して延びる断続的切込部を有するフレキシブルニードルの部分破断形式の側面図である。
【
図4】不断的切込部へと連続して延びる断続的切込部を有するフレキシブルニードルの部分破断形式の側面図である。
【
図5】不断的切込部へと連続して延びる断続的切込部を有するフレキシブルニードルの部分破断形式の側面図である。
【
図6A】不断的切込部へと連続して延びる断続的切込部を有するフレキシブルニードルの部分破断形式の側面図である。
【
図6B】不断的切込部へと連続して延びる断続的切込部を有するフレキシブルニードルの部分破断形式の側面図である。
【
図7】不断的切込部へと連続して延びる断続的切込部を有するフレキシブルニードルの部分破断形式の側面図である。
【
図8】不断的切込部へと連続して延びる断続的切込部を有するフレキシブルニードルの部分破断形式の側面図である。
【
図10】様々な形状の断続的切込部の側面図である。
【
図11】様々な形状の断続的切込部の側面図である。
【
図12】様々な形状の断続的切込部の側面図である。
【
図13】様々な形状の断続的切込部の側面図である。
【
図14】様々な形状の断続的切込部の側面図である。
【
図15】フレキシブルニードルアセンブリを含む挿入システムの側面図である。
【
図16】そこを通すことでフレキシブルニードルを伸長させることができる挿入システムのヘッドの斜視図である。
【
図17】フレキシブルニードルを用意するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図18】断続的切込パターンの例を示した概略図及びそのパラメータの数値例の表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の記述はあくまでも例示的性格のものであり、本開示、その適用または使用に限定を加えることを意図したものではない。ここに示す説明で使用する用語は、何かを限定したりまたは制限したりするものとして解釈されることを意図していない。用語は、装置、システム、方法及び関連する構成要素の実施形態についての詳細な説明との関係で用いられているに過ぎない。さらに、実施形態は新規性を有する幾つかの特徴を備える可能性があるが、そのいずれもそれだけで好ましい属性の原因となることもなければ、ここに説明する実施形態の開示内容を実行するために欠かせないものであるとは考えられない。
【0014】
限定的意図を伴わない緒言及び概要として述べると、様々な実施形態において、装置はフレキシブルニードルを備える。フレキシブルニードルは、近位端から遠位端に延びるシャフトを有し、その遠位端からニードルチップが延びる。シャフトは、断続的切込セクションと不断的切込セクションをと含む柔軟部分を有する。断続的切込セクションはシャフトに一連の断続的切込部を有しており、一連の切込部を形成する切込部の各々は第1の螺旋状パターンを辿る。第1の螺旋状パターンは一定のピッチを有することも、または可変的なピッチを有することもできる。不断的切込セクションは第2の螺旋状パターンを辿る不断的切込部をシャフトに有する。不断的切込部は、断続的切込セクションの第1の端部で第1の終端切込部の端部から連続して延びる。断続的切込セクションの端部から連続して延びる不断的切込セクションは、不断的切込セクションの第1の端部にかかる応力を再分配し、柔軟部分に沿ったニードルのシャフトの変形、屈曲または破断の防止に寄与する。そうした面からは、断続的切込部は、曲がりくねった経路に沿ってカテーテルからニードルを延ばすために適度な柔軟性及びコラム強度をもたらすものの、多くの既存のニードルは、断続的切込セクションと無切込部ニードルセクションとの間の移行部で生じる応力集中のために、不断的切込パターンのみを使用している。ここで開示するニードル構成の目的の1つは、不断的切込部を断続的切込部の終端部に隣り合わせに配置することにより、その終端部におけるその種の応力集中の発生を緩和しつつ、断続的切込部によってもたらされるより高いコラム強度の恩恵に与かることにある。
【0015】
不断的切込部を使用する方が断続的切込部の使用よりも好ましいと考えられてきた理由として、不断的切込部による局所的な応力または歪の可能性があることは理解されよう。例えば、米国特許出願公開第2013/0225997号明細書では、「耐疲労性能の高さ及び撓み特性に優れるという点から連続的なパターンの方が断続的なパターンよりも望ましい」とされている。米国特許出願公開第2013/0225997号明細書、特に段落0084などを参照のこと。様々な実施形態において、一連の不断的切込部から連続して延びる不断的切込部は局所的な応力及び歪を分散させ、それによって疲労またはその他の懸念を軽減する。
【0016】
フレキシブルニードルは、ハンドルと連結され、挿入システムと共に使用することで、体内の目標部位から組織のサンプルを確保することができる。
【0017】
全般的な概要説明は以上のとおりであり、ここからは、限定的でない、あくまでも例証として挙げる非限定的な例によって様々な実施形態の詳細について説明する。
【0018】
図1を見ると、フレキシブルニードル100は、近位端112から遠位端114まで延びるシャフト110を備えている。様々な実施形態において、遠位端114からニードルチップ116が延びて、以下でさらに説明するように、例えば組織サンプルを採取もしくは回収するために、または決められた箇所に何らかの物質を注入するために使用できる開口部118を形成している。
【0019】
様々な実施形態において、シャフト110には柔軟部分120が含まれる。柔軟部分120には、複数の断続的切込部132を有する断続的切込セクション130が含まれる。柔軟部分120には、単一の不断的切込部142を有する不断的切込セクション140も含まれる。様々な実施形態において、断続的切込部132も不断的切込部142も、シャフト110の壁150を貫いて切込部を入れるレーザによって形成することができる。
【0020】
図2で柔軟部分120の拡大図をさらに見てみると、複数の断続的切込部132及び単一の不断的切込部142がそれぞれ螺旋状パターン232、242を辿っていることがわかるであろう。様々な実施形態において、断続的切込部132の第1の螺旋パターン232は、シャフト110の中心軸201に対して第1のピッチ角αで配置され、不断的切込部142の第2の螺旋状パターン242はシャフト110の中心軸201に対して第2のピッチ角で配置されている。ピッチ角が小さくなれば、シャフト110の単位長当たりの屈曲を大きくできるより大きな開口が提供されることになり、より大きなピッチ角と比べて一般に大きな柔軟性がもたらされることは理解されよう。また、断続的切込部132によって与えられる柔軟性は同じピッチ角の不断的切込部よりも小さいことも理解されよう。これは、断続的切込部132の間欠部は切込部そのものよりも屈曲に対する抵抗が大きいためである。不断的切込部よりも断続的切込部の方が有利な点の1つはコラム強度が高いことであり、そのため、サンプル採取器具からニードルの傾斜部を通して力をかけてニードルを取り出すときなど、多くの用途で断続的切込部は柔軟性とコラム強度の両方を適度に提供する。しかし、従来のニードル構造では、断続的螺旋状切込セクションから無切込ニードルセクションに直接切り替わるところで応力集中が発生し、ニードルの破損(切替箇所での機械的故障など)に至り得ることが確認されていた。
【0021】
ここで使用する「断続的切込部」という用語は、一定数の角度の無切込部セクションによって中断されるまで、ニードルの周囲を径方向に一定数の角度だけ横移動する複数の貫通切込部(例えばレーザ切断法によって形成することができるもの)を含んだ切込パターンをいう。様々な実施形態において、例えば、断続的切込部は、ニードルの周囲を螺旋状の経路に従って径方向に横移動する第1の切込部を有する切込パターンを含むことができ、まず115度(すなわち約2ラジアン)移動したところで29度(すなわち約0.5ラジアン)の第1の無切込部セクションによって遮られ、その後、また前と同じ螺旋状の経路に従って第2の切込部が始まって新たに115度の横移動をした後、29度の第2の無切込部セクションによって遮られる、という具合に続くことができる。
【0022】
様々な実施形態において、不断的切込部142は、断続的切込部132の端部で第1の終端切込部260の端部262から連続して延びる。すでに指摘したように、第1の終端切込部260の端部262から連続して延びる不断的切込部142がなければ、不断的切込セクション140に沿って加えられた応力及び歪は第1の終端切込部260の端部262に局在化する可能性がある。応力及び歪の局在化はシャフト110の好ましくない変形を招き、シャフト110の曲がり、亀裂及び/または破断へと至る可能性がある。フレキシブルニードル100の様々な実施形態において、第1の終端切込部260に及ぼされた応力及び歪は不断的切込部142がそれを引き受け、分散させる。断続的切込部132の端部に第1の終端切込部260の端部262に隣接して不断的切込部142が存在することで、この好ましくない応力の局在化の度合いは大幅に低減され、それによって従来の設計のニードルで見られたニードル破損を防ぐことができる。
【0023】
図2に示した実施形態のように、不断的切込セクション140の第2のピッチ角が断続的切込セクション130の第1のピッチ角よりも大きい場合には、すでに説明したとおり、不断的切込セクション140は、断続的切込セクション130よりも柔軟性が落ちることが考えられる。それでも、不断的切込セクション140は、シャフト110の無切込セクションよりは柔軟性が高いであろう。そのため、不断的切込セクション140はシャフト110に対してより高い剛性を与える一方、シャフト110の断続的切込セクション130の端部262に加えられた応力及び歪を分散させるための柔軟性では無切込セクションよりも勝る。
【0024】
図1の実施形態では、断続的切込セクション130はシャフト110に沿って遠位端114と不断的切込セクション140との間に配置されている。断続的切込セクション130が不断的切込セクション140の第2のピッチ角よりも小さい第1のピッチ角αを有するこの構成では、フレキシブルニードル100は、不断的切込セクション140に沿ってよりもシャフト110の遠位端114に向けて柔軟性が増す形になる。しかし、別の実施形態では、シャフト110はシャフトの遠位端114に向けて剛性が増すことが望ましいという場合もあり得る。さらに
図3を見ると、様々な実施形態において、フレキシブルニードル300には、フレキシブルニードル300の遠位端314と断続的切込セクション330との間に配置された不断的切込セクション340を有する柔軟部分320が含まれる。そうした実施形態では、
図1及び
図2のフレキシブルニードル100のように、切込セクション330、340が切込セクション130、140と同じピッチ角を有する場合、遠位端314に近い位置におかれた不断的切込セクション340は遠位端314に向けてフレキシブルニードル300の剛性を高めることになる。
【0025】
様々な実施形態において、2を超える切込セクションを含めることで、長さに沿って柔軟性が変化するフレキシブルニードルを形成することが望ましいと考えられる。さらに
図4を見ると、フレキシブルニードル400には、3つの切込セクション430、440、450を有する柔軟部分420が含まれている。
図1の実施形態と同様に、フレキシブルニードル400の遠位端414に隣接する断続的切込セクション430から不断的切込セクション440が連続して延びる。一方で、フレキシブルニードル400には、第1の断続的切込セクション430の第1の終端切込部460から延びる端部463に対向する不断的切込部462の端部472から連続して延びる第2の断続的切込セクション450も含まれる。第2の断続的切込セクション450は、第3のピッチ角γを有する第3の螺旋状パターン473を含むことができる。第3の螺旋状パターン473は、第1のピッチ角αを有する第1の断続的切込セクション430の第1の螺旋状パターン433及び/または第2のピッチ角βを有する不断的切込セクション440の第2の螺旋状パターン443と同じであっても、または異なっていてもよい。追加の断続的切込セクションは不断的切込セクション440の後方への所望の一定の柔軟性をフレキシブルニードル400に対してもたらすことができる。ピッチ角a、β、γは、セクション430、440、450のそれぞれにおいて望ましいレベルの柔軟性が与えられるようなセクション430、440、450となるように変更することができる。
【0026】
図4を参照しながら説明したように、様々な実施形態で、2つの断続的切込セクション430、450間に不断的切込セクション440が1つ含まれることが望ましい場合もあろう。別の様々な実施形態では、2つの不断的切込セクション間に断続的切込セクションが含まれることが望ましい場合もあろう。そのような実施形態では、柔軟でありつつも比較的剛性のある部分をフレキシブルニードルの遠位端近くでフレキシブルニードルにもたらすことができる一方で、それよりもさらに柔軟性の高い部分をそのセクションに隣接して設けながら、断続的切込セクションにかかる応力を分散させるための別の不断的切込セクションを含めることができる。
【0027】
さらに
図5を見ると、フレキシブルニードル500には、3つの切込セクション530、540、550を有する柔軟部分520が含まれている。フレキシブルニードル500の遠位端514に隣接する不断的切込セクション530からは、断続的切込セクション540が連続して延びる。フレキシブルニードル500には、断続的切込セクション540の第2の終端切込部570に対向する端部572から連続して延びる第2の断続的切込セクション550も含まれる。
図4を参照しながら説明したように、切込セクション530、540、550のそれぞれの螺旋状パターンのピッチ角は、所望のレベルの柔軟性及び/または他のセクションの柔軟性と比べたときの相対的柔軟性を切込セクション530、540、550のそれぞれにもたせるように構成し、かつ/または変更することができるが、これについては以下で詳述する。
【0028】
さらに
図6A、
図6B、
図7及び
図8を見ると、切込セクションの螺旋状パターンのピッチ角を変えることで、各々の切込セクションに所望のレベルの柔軟性を与えることができる。さらに
図6Aを見ると、フレキシブルニードル600は、
図1及び
図2を参照しながらすでに説明したように、1つの断続的切込セクション630と、そこから連続して延びる1つの不断的切込セクション640とを有している。
図1及び
図2の例では、断続的切込セクション130及び不断的切込セクション140は、それぞれ異なるピッチ角α、βを有する螺旋状パターン232、242を有している。
図6Aの例では、切込セクション630、640は同じピッチ角δの同じ螺旋状パターン632、642を有している。断続的切込セクション630は、不断的切込セクション640と同じピッチ角δを有するが、不断的切込部のために柔軟性は低くなることは理解されよう。いずれにせよ、様々な切込セクションのピッチ角は、各種用途に合わせた柔軟性のレベルを提供するために異なるものである場合も、または同じである場合もある。
【0029】
さらに
図6Bを見ると、1以上の切込セクションでピッチ角は固定であると共に、またはその代わりに可変的であることができることが理解されよう。フレキシブルニードル601が断続的切込セクション631を含んでおり、断続的切込セクション631では、ピッチ角が例えばδからδ
*へ、さらにδ
**へ、さらに再びδへと変化する。不断的切込セクションでは、ピッチ角はδからδ’へ、さらにδ”へと変化する。ピッチ角の大きさに制約はなく、断続的切込セクションまたは断続的切込セクションのいずれであっても、どこであっても、ピッチ角を変化させ、かつ/または可変的なものにすることができる。
【0030】
図7及び
図8を参照して説明したように、2を超える切込セクションを備える場合、ピッチ角は、所望するところに応じて同一であることもまたは変えることもできる。さらに
図7を見ると、フレキシブルニードル700は3つの切込セクション730、740、750を有しており、そのうち、第1の断続的切込セクション730は第1の螺旋状パターン732を持ち、第1の不断的切込セクション740は第2の螺旋状パターン742を持ち、第2の断続的切込セクション750は第3の螺旋状パターン752を有する。螺旋状パターン732、742、752の各々は、それぞれ異なるか、または同一のピッチ角ε、ζ、ηを有することができる。さらに
図8を見ると、フレキシブルニードル800は3つの切込セクション830、840、850を有しており、そのうち、第1の不断的切込セクション830は第1の螺旋状パターン832を持ち、第1の断続的切込セクション840は第2の螺旋状パターン842を持ち、第2の不断的切込セクション850は第3の螺旋状パターン852を有する。螺旋状パターン832、842、852の各々は、それぞれ異なるか、または同一のピッチ角θ、ι、κを有することができる。切込セクションの数、断続的切込セクション及び不断的切込セクションの相対的な位置取り、または切込部が辿る螺旋状パターンのピッチ角について、各種実施形態に制限はない。こうした構成は、所望の用途に合わせてフレキシブルニードルのシャフトに沿った様々なレベルの柔軟性が与えられるように変えることができる。
【0031】
さらに
図9から
図14までを見ると、切込部は様々な形状のものであることができる。切込部形状の違いは、ピッチ角の違いと同様、切込セクションの相対的な柔軟性またはコラム強度に影響する可能性がある。さらに
図9を見ると、不断的切込部(図示せず)及び断続的切込部900はシャフト905の表面全体にわたる直線的なものであることができる。断続的切込部900間のギャップ910は揃えることができることが理解されよう。ギャップ910をずらすと、シャフト905の剛性部分がシャフト905の屈曲に抵抗する可能性があり、断続的切込部900によってもたらされた柔軟性が損なわれかねない。
図9及び
図10を比較すると、様々な実施形態において、断続的切込セクション900、1000間のギャップ910、1010は大きさを変えることができる。ギャップ910、1010のサイズが小さければ、シャフト905の柔軟性は増すことが理解されよう。
【0032】
さらに
図11を見ると、切込部1100は、その形状が直線的であるまたはないにかかわらず、丸付端部1110を有することができる。丸付端部1110は、シャフト1105の表面にわたる応力及び歪を切込部1100の端部で分散させるのに役立つ。シャフト1105の表面にわたる応力または歪の分散を望み通りに成し遂げるために丸められる端部の大きさは様々なものであり得る。すでに説明した切込部自体の形成時と同様に、穴はシャフト1105の表面にレーザであけることができる。
【0033】
図9から
図11を参照しながら説明した直線的な切込部に加え、またはその代わりに、断続的切込部は直線的な切込部以外の形状で作成することもできる。さらに
図12から
図14を見ると、様々な実施形態において、正弦波状切込部1200(
図12)、ジグソー形切込部(
図13)、ジグザグ形切込部(
図14)を使用することができる。これら直線的でない切込部は、直線的な切込部よりもシャフトの表面にわたる応力及び歪の伝播に資することができ、かつ/または直線的な切込部に比べて追加的な柔軟性が抑えられる可能性がある。
【0034】
フレキシブルニードルの実施形態は、挿入システムと共に使用することで体内組織の目標部位のサンプルを得ることができる。さらに
図15を見ると、挿入システム1500は、フレキシブルニードル1510(挿入システム1500を通して挿入された状態が点線で示されている)のような細長い器具を受け入れるように構成されたポート1504を有する制御インターフェース1502を備えている。制御インターフェース1502は、挿入チューブ1522を方向づける挿入メカニズム1520を制御して、機械的及び/または電気的に挿入チューブ1522を組織1530の目標部位に差し向け、フレキシブルニードル1510の遠位端1540によってそのサンプル採取を行えるようにする。様々な実施形態において、フレキシブルニードル1510は、フレキシブルニードル1510を操作するために使用できるハンドル1550に連結される。例えば、ハンドル1550は、挿入器具1500へのフレキシブルニードル1510の挿入を容易にするため、及び/または組織1530の目標部位のサンプルを採取する目的でフレキシブルニードル1510を操作するために使用することができる。
【0035】
様々な実施形態では、挿入システム1500は、以下で詳しく説明するような撮像システムを備えることができる。撮像システムは、組織1530の目標部位及び/またはフレキシブルニードル1510の遠位端1540の撮像データ1562を表示するディスプレイ1560と協働することができ、それによって作業者が挿入器具1500及びフレキシブルニードル1510を操作してサンプルを得るための支援を行う。様々な実施形態では、撮像データ1562には、サンプル収集プロセスを視覚化するために使用可能な超音波撮像データ、視覚データまたはその他の撮像データが含まれる。
【0036】
さらに
図16を見ると、挿入システム1500(
図15)のヘッド1600は、超音波トランスデューサやカメラのような撮像トランスデューサ1610を備える。様々な実施形態において、ヘッド1600は挿入チューブ1522の遠位端に配置される。ヘッド1600は、挿入チューブ1522を通って運ばれるフレキシブルニードル1510のような細長い器具がヘッド1600から出る際にそこから出ることができる出口1620を含むこともできる。様々な実施形態において、細長い器具は、挿入チューブ1522を通して延びるシース1630内を運ばれることができる。撮像トランスデューサ1610は、作業者がフレキシブルニードル1510の遠位端1540を組織1530の目標部位まで案内するのを助けるため、及び/または組織1530の目標部位をフレキシブルニードル1510に係合させてサンプルを確保するために、ディスプレイ1560(
図15)を介するなどして作業者に提供することのできる撮像データを収集する。
【0037】
図15及び
図16を見ると、フレキシブルニードル1510は挿入システム1500を通り抜けて、さらにその先へと曲がりくねった経路を通って所望の目標に至ることがわかるであろう。フレキシブルニードル1510の全長にわたる様々なポイントで調整された柔軟性のレベルが用意されることはフレキシブルニードルが所望の箇所に到達できるようにする上で重要であると考えられる。それと同時に、一定レベルのコラム強度及び剛性を有することもフレキシブルニードル1510を所望の箇所まで押し込むためには重要となろう。不断的切込セクションへと連続して延びる断続的切込セクションを用いることで、選択されたレベルの柔軟性を可能にしながら応力及び歪を分散させ、フレキシブルニードルの望ましくない変形または構造的な不具合を回避することができる。
【0038】
次に
図17を見ると、フレキシブルニードルを形成するための方法1700が図示されている。方法1700はブロック1705で始まる。ブロック1710でニードルシャフトが作成され、ニードルは近位端と、ニードルチップを含む遠位端とを有する。ブロック1720では、シャフトの壁を貫く複数の断続的切込部が形成されるが、その際、複数の断続的切込部は第1の螺旋状パターンを辿る。ブロック1730では、シャフトの壁を貫いてシャフトに不断的切込部が形成され、その不断的切込部は複数の断続的切込部の第1の端部で第1の終端切込部の端部から連続して延び、不断的切込部は第2の螺旋状パターンを辿る。方法1700はブロック1735で止まる。
【0039】
次に
図18を見ると、図示されているのは、断続的切込パターン例の概略図と、その実施例のパラメータの数値例の表である。実施形態1において、断続的切込パターンは、個々の切込部(一連の切込部または切込部のシーケンス)を有しており、それがニードルの周囲を螺旋状の経路に従って115度(すなわち約2ラジアン)だけ径方向に横移動する。そこで29度(すなわち約0.5ラジアン)の個々の無切込部セクションによって遮られた後、改めて前と同じ螺旋状の経路に従って新たに個々の切込部が始まり、新たに115度の横移動をした後、さらに29度の新たな無切込部セクションで遮られる。このシーケンスは無切込部セクションの全長にわたって続くことができる。
図18に示すように、実施形態1には、115/29という螺旋状のスロットパターンによって1回転当たり約2.5本の切込部が含まれる。実施例1~7に関連して
図18に示したすべての数値の単位はインチである。
【0040】
ここに説明するフレキシブルニードル装置、そのフレキシブルニードル装置を用いるシステム及び方法についての本明細書の説明は幾つもの用途に使用可能であることは理解されよう。システムの例では、目標組織の部位からサンプルを確保することが説明されているが、フレキシブルニードルは、物質の定置、液体のサンプル採取もしくは排出のための用途、または様々な用途で使用することができる。
【0041】
ここでは、時として1以上の構成要素について、「~ために構成された」、「~によって構成された」、「~ように構成できる」、「~ために動作できる/機能する」、「適合された/適合可能な」、「~ことができる」、「~に合った/合わされた」などと表現されることがある。当業者であれば、こうした文言(「~ように構成された」など)が、文脈から別の理解が要求される場合を除き、有効な状態の構成要素及び/または無効な状態の構成要素及び/または待機状態の構成要素を一般に包含するものであることを理解するであろう。
【0042】
ここに説明した本主題の具体的な態様を示し、それらについて説明してきたが、当業者の目には、ここで教示する内容に基づいて、ここでの主題から外れることなく、改変及び変更を行うことができること、ならびにその幅広い態様、ひいては添付の特許請求の範囲は、ここに説明する主題の真の精神及び範囲内のものである限りにおいて、そうしたすべての改変及び変更をその範囲内に含むことは明らかであろう。当業者であれば、ここで用いられている用語、とりわけ添付の特許請求の範囲(例えば添付の請求項の本体)で使用される用語が、基本的には「開かれた」用語として意図されたものであることは理解されよう(例えば、「~を含む」という用語は「~を含むが、それだけに限らない」と解釈されるべきこと、「~を有する」という用語は「~を少なくとも有する」と解釈されるべきこと、「~が含まれる」という用語は「~が含まれるが、それだけに限らない」と解釈されるべきことなど)。さらに、当業者であれば、請求項に掲げられた記載の具体的な数が意図されたものである場合は、その意図は請求項の中で明示的に記載され、その記載がないときは、そうした意図がないことは理解されよう。理解の一助として記せば、例えば、以下の添付の請求項では、請求項の記載の導入部で「少なくとも1つの」及び「1以上の」という限定辞が使われる場合がある。しかし、そのような言い回しの使用は、請求項の記載の導入部に不定冠詞「ある」または「1つの」がつくことによって、そのような導入部を有する請求項をその記載1つのみを有するものとして制限することを含意するものと受け取られるべきではない。それは、たとえ同じ請求項に「1以上の」または「少なくとも1つの」という導入部の言い回し、及び「ある」または「1つの」のような不定冠詞が含まれていたとしても(例えば、「1つの」は典型的には「少なくとも1つの」または「1以上の」を意味すべきである。)同様であり、それは請求項の記載の導入部に定冠詞が使われた場合でも同様である。さらに、請求項の記載が具体的な数の導入部をもって明示的になされている場合であっても、当業者であれば、そのような記載は少なくとも記載された数を意味する(例えば、「2つの記載事項」と、それ以外の修飾辞なしにそれだけで記載されている場合、少なくとも2つの記載事項または2つもしくはそれ以上の記載事項を典型的に意味する)ものとして典型的に解釈されるべきであることを理解するであろう。さらに、「A、B及びCのうち少なくとも1つ」に類する定型句が使用される場合、一般にその解釈は当業者が慣行として理解するであろうところの意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのいずれか1つを有するシステム」とは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを共に、A及びCを共に、B及びCを共に、ならびに/またはA、B及びCを共に有するシステムを含むが、それだけに限らない)。さらに、当業者であれば、明細書、特許請求の範囲または図面のいずれであっても、典型的には2つまたはそれ以上の選択語を有する択一的な語及び/または句は、文脈から別の理解が要求される場合を除き、いずれか1つの用語、どちらかの用語または両方の用語を含む可能性を想定するものであると理解されるべきであることが理解されよう。例えば、「AまたはB」という言い回しは、典型的には「A」または「B」または「A及びB」の可能性を含むものと理解される。
【0043】
開示された主題について例示的な実施形態で説明したが、当業者には、特許請求の範囲に定める請求対象の主題の範囲から外れることなく、そこに様々な変更を加えることができることが理解されよう。
[付記項1]
フレキシブルニードルを備え、
前記フレキシブルニードルが、
近位端と、
ニードルチップを含む遠位端と、
前記近位端と前記遠位端との間に延びるシャフトであって、柔軟部分を含むシャフトと、を有し、
前記柔軟部分が、
第1の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの複数の断続的切込部を含む断続的切込セクションと、
第2の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの不断的切込部を含む不断的切込セクションと、を有し、
前記不断的切込部が、前記断続的切込セクションの第1の端部で第1の終端切込部の端部から連続して延びる、装置。
[付記項2]
前記断続的切込セクションが、前記遠位端に隣接して配置され、
前記不断的切込セクションが、前記断続的切込セクションと前記近位端との間に配置された、付記項1に記載の装置。
[付記項3]
前記不断的切込セクションが、前記遠位端に隣接して配置され、
前記断続的切込セクションが、前記不断的切込セクションと前記近位端との間に配置された、付記項1に記載の装置。
[付記項4]
前記断続的切込セクションの前記第1の螺旋状パターンの第1のピッチ角が、前記不断的切込セクションの前記第2の螺旋状パターンの第2のピッチ角よりも小さい、付記項1に記載の装置。
[付記項5]
前記断続的切込セクションの前記第1の螺旋状パターンの第1のピッチ角が、固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角を有する、付記項1に記載の装置。
[付記項6]
前記断続的切込セクションの前記第2の螺旋状パターンの第2のピッチ角が、固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角を有する、付記項1に記載の装置。
[付記項7]
複数の前記断続的切込部が、複数の直線的切込部を含む、付記項1に記載の装置。
[付記項8]
複数の前記断続的切込部が、正弦波状切込パターン、ジグソー形切込パターン及びジグザグ形切込パターンから選ばれた少なくとも1つの切込パターンを含む複数の非直線的切込部を含む、付記項1に記載の装置。
[付記項9]
前記断続的切込部の少なくとも一部が、前記シャフト内に形成された丸穴で終わる、付記項1に記載の装置。
[付記項10]
第3のピッチ角を有する第3の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの追加の不断的切込部を含む追加の不断的切込セクションであって、前記断続的切込セクションの前記第1の終端切込部と反対の端部で複数の断続的切込部の第2の終端切込部の第2の端部から延びる追加の不断的切込セクションと、
第4のピッチ角を有する第4の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの追加の複数の断続的切込部を含む追加の断続的切込セクションであって、前記不断的切込部の前記第1の終端切込部の端部に対向する端部から延びる追加の断続的切込セクションとから選ばれた少なくとも1つの追加の切込セクションをさらに備える、付記項1に記載の装置。
[付記項11]
組織の目標部位のサンプリングのためのシステムであって、・細長い器具をルーメンの近位端に受け入れ、前記ルーメンの遠位端をサンプル採取を行う組織の目標部位に向けて体内に運ぶように構成された挿入システムと、・前記ルーメンを介して前記体内に挿入できるように構成されたフレキシブルニードルアセンブリであって、
-フレキシブルニードルを有し、
前記フレキシブルニードルが、
*近位端と、
*ニードルチップを含む遠位端と、
*前記近位端と前記遠位端との間に延び、柔軟部分を含むシャフトと、を有し、
前記柔軟部分が、
*第1の螺旋状パターンを辿る前記シャフトに複数の断続的切込部を有する断続的切込セクションと、
*第2の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの不断的切込部を含む不断的切込セクションであって、前記不断的切込部が前記断続的切込セクションの第1の端部で第1の終端切込部の端部から連続して延びる不断的切込部切込セクションと、を含む、フレキシブルニードルアセンブリと、・前記フレキシブルニードルの近位端を係合させ、前記フレキシブルニードルの動きを制御するように構成されたハンドルアセンブリと、を備えるシステム。
[付記項12]
前記断続的切込セクションが、前記遠位端に隣接して配置され、
前記不断的切込セクションが、前記断続的切込セクションと前記近位端との間に配置された、付記項11に記載のシステム。
[付記項13]
前記不断的切込セクションが、前記遠位端に隣接して配置され、
前記断続的切込セクションが、前記不断的切込セクションと前記近位端との間に配置された、付記項11に記載のシステム。
[付記項14]
前記断続的切込セクションの前記第1の螺旋状パターンの第1のピッチ角が、前記不断的切込セクションの前記第2の螺旋状パターンの第2のピッチ角よりも小さい、付記項11に記載のシステム。
[付記項15]
前記断続的切込セクションの前記第1の螺旋状パターンの第1のピッチ角が、固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角を有する、付記項11に記載のシステム。
[付記項16]
前記断続的切込セクションの前記第2の螺旋状パターンの第2のピッチ角が、固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角を有する、付記項11に記載のシステム。
[付記項17]
複数の前記断続的切込部が、複数の直線的切込部を含む、付記項11に記載のシステム。
[付記項18]
複数の前記断続的切込部が、正弦波状切込パターン、ジグソー形切込パターン及びジグザグ形切込パターンから選ばれた少なくとも1つの切込パターンを含む複数の非直線的切込部を含む、付記項11に記載のシステム。
[付記項19]
前記断続的切込部の少なくとも一部が、前記シャフト内に形成された丸穴で終わる、付記項11に記載のシステム。
[付記項20]
第3のピッチ角を有する第3の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの1つの追加の不断的切込部を含む1つの追加の不断的切込セクションであって、前記断続的切込セクションの前記第1の終端切込部と反対の端部で複数の断続的切込部の第2の終端切込部の第2の端部から延びる追加の不断的切込セクションと、
第4のピッチ角を有する第4の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの追加の複数の断続的切込部を含む追加の断続的切込セクションであって、前記第1の終端切込部の端部に対向する前記不断的切込部の端部から延びる追加の断続的切込セクションと、から選ばれた少なくとも1つの追加の切込セクションを備える、付記項11に記載のシステム。
[付記項21]
前記挿入システムが、前記ルーメンの前記遠位端に装着可能であり、サンプル採取を行う組織の目標部位に対する前記ニードルの位置をモニタリングする撮像プローブをさらに備える、付記項11に記載のシステム。
[付記項22]
近位端と、ニードルチップを含む遠位端と、を有するニードルシャフトを形成するステップと、
前記シャフトの壁を貫く複数の断続的切込部を形成するステップであって、複数の前記断続的切込部が第1の螺旋状パターンを辿る、ステップと、
前記シャフトの前記壁を貫いて前記シャフトに不断的切込部を形成するステップであって、前記不断的切込部が複数の断続的切込部の第1の端部で第1の終端切込部の端部から連続して延び、前記不断的切込部が第2の螺旋状パターンを辿る、ステップと、を含む方法。
[付記項23]
前記遠位端と不断的切込セクションとの間に断続的切込セクションを形成するステップをさらに含む、付記項22に記載の方法。
[付記項24]
前記遠位端と断続的切込セクションとの間に不断的切込セクションを形成するステップをさらに含む、付記項22に記載の方法。
[付記項25]
複数の前記断続的切込部を第1のピッチ角の前記第1の螺旋状パターンで形成するステップと、前記不断的切込部を第2のピッチ角の前記第2の螺旋状パターンで形成するステップと、をさらに含む、付記項22に記載の方法。
[付記項26]
複数の前記断続的切込部を固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角の前記第1の螺旋状パターンで形成するステップをさらに含む、付記項22に記載の方法。
[付記項27]
前記不断的切込部を固定ピッチ角と可変ピッチ角とから選ばれたピッチ角の前記第2の螺旋状パターンで形成するステップをさらに含む、付記項22に記載の方法。
[付記項28]
複数の前記断続的切込部を形成するステップが、複数の直線的切込部を形成するステップをさらに含む、付記項22に記載の方法。
[付記項29]
複数の前記断続的切込部を形成するステップが、正弦波状切込パターン、ジグソー形切込パターン及びジグザグ形切込パターンから選ばれた少なくとも1つの切込パターンによる複数の非直線的切込部を形成するステップをさらに含む、付記項22に記載の方法。
[付記項30]
複数の前記断続的切込部の各々の少なくとも1つの端部に丸穴を形成するステップをさらに含む、付記項22に記載の方法。
[付記項31]
第3のピッチ角を有する第3の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの追加の不断的切込部を含む追加の不断的切込セクションであって、前記第1の終端切込部とは反対の断続的切込セクションの端部で第2の終端切込部の第2の端部から延びる追加の不断的切込セクションを形成するステップと、
第4のピッチ角を有する第4の螺旋状パターンを辿る前記シャフトの複数の追加の断続的切込部を含む1つの追加の断続的切込セクションであって、前記第1の終端切込部の前記端部とは反対の前記不断的切込部の端部から延びる1つの追加の断続的切込セクションを形成するステップと、から選ばれた少なくとも1つの追加の切込セクションを形成するステップをさらに含む、付記項22に記載の方法。
【符号の説明】
【0044】
100 フレキシブルニードル、110 シャフト、112 近位端、114 遠位端、116 ニードルチップ、118 開口部、120 柔軟部分、130 断続的切込セクション、132 断続的切込部、140 不断的切込セクション、142 不断的切込部、260 第1の終端切込部、262 端部、300 フレキシブルニードル、320 柔軟部分、340 不断的切込セクション、400 フレキシブルニードル、414 遠位端、430,440,450 切込セクション、460 第1の終端切込部、462 不断的切込部、472 端部、473 第3の螺旋状パターン、500 フレキシブルニードル、520 柔軟部分、530 ,540,550 切込セクション、570 第2の終端切込部、572 端部、600 フレキシブルニードル、630 断続的切込セクション、632 螺旋状パターン、640 切込セクション、642 螺旋状パターン、700 フレキシブルニードル、730 第1の断続的切込セクション、732 第2の螺旋状パターン、750 第2の断続的切込セクション、800 フレキシブルニードル、830 第1の不断的切込セクション、840 第1の断続的切込セクション、850 第2の不断的切込セクション、852 第3の螺旋状パターン、900,1000 断続的切込部、905 シャフト、910 ギャップ、1110 丸付端部、1500 挿入システム,挿入器具、1502 制御インターフェース、1510 フレキシブルニードル、1522 挿入チューブ、1530 組織、1540 遠位端、1550 ハンドル、1560 ディスプレイ、1562 撮像データ、1600 ヘッド、1610 撮像トランスデューサ、1700 方法、1710 ブロック
【外国語明細書】