(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149507
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】可動縫合器具及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/062 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61B17/062
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024114898
(22)【出願日】2024-07-18
(62)【分割の表示】P 2021057296の分割
【原出願日】2021-03-30
(31)【優先権主張番号】63/002,928
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/002,995
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アダム・リー・スミス
(57)【要約】
【課題】開示される実施形態は、創傷、切開、又は他の開口部を縫合するための器具、システム、及び方法を含む。
【解決手段】器具は、間に螺旋形状の針のシャフトを係合させるように構成された2つの略平行なローラーを逆回転可能に支持するように構成されたローラー機構を含み、針は、前端部に突端を有し、後端部からフィラメントを引き出し、第1の螺旋状半径を有し、針は、針が身体に穿孔し、フィラメントを第1のローラーに隣接して配置された身体に通して引き出すことを可能にするように、針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有する第1のローラーの周りを旋回可能である。モーター駆動部は、2つの略平行なローラーを回転させるための回転力を伝達するように、ローラー機構と動作可能に連結される。コントローラは、モーター駆動部と動作可能に連結され、針に少なくとも1回の旋回を完了して身体に単一の縫合を形成するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具であって、
間に螺旋形状の針のシャフトを係合させるように構成された、第1のローラーと第2のローラーとを含む2つの平行なローラーを逆回転可能に支持するように構成されたローラー機構であって、前記針は、前端部に突端を有し、後端部からフィラメントを引き出し、第1の螺旋状半径を有し、前記針は、前記針が身体に穿孔し、フィラメントを前記第1のローラーに隣接して配置された身体に通して引き出すことを可能にするように、前記針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有する前記第1のローラーの周りを旋回可能であり、前記2つの平行なローラーは溝を有するローラーを含み、前記溝を有するローラーは、前記針の前記シャフトの対向面を少なくとも部分的に受容するように構成された前記溝を画定する溝付き表面と、前記溝の前方端部において前記溝の幅方向に対して先細りになる補正凹部と、を備える、ローラー機構と、
前記2つの平行なローラーを回転させるために回転力を伝達するように、ローラー機構と動作可能に連結されたモーター駆動部と、
前記モーター駆動部と動作可能に連結され、前記針に少なくとも1回の旋回を完了させて前記身体に単一の縫合を形成するように構成されたコントローラと、を備え、
前記第1のローラーは、前記針の前記シャフトの第1の面と転動可能に係合するように構成された平坦な表面を含む、
器具。
【請求項2】
前記モーター駆動部が、前記ローラー機構との間に設けられたシャフト(130)によって前記ローラー機構を支持し、前記ローラー機構は、ハンドルが前記ローラー機構と前記身体との間の距離よりも大きい距離に位置付けられたままである間に、前記身体に近い距離に位置付けられ得る、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記溝の底部は、第2の面と少なくとも同じ幅の底部幅を有し、前記第2の面よりも広い表面幅を有する前記溝付き表面の溝開口部まで延在する側部によって境界付けられている、請求項1に記載の器具。
【請求項4】
前記溝のピッチが前記針のピッチと比例しており、前記溝のピッチと前記針のピッチとの比は、前記針の半径と前記第2のローラーの半径との比に対応する、請求項1に記載の器具。
【請求項5】
前記第2のローラーの前記補正凹部は、前記溝の前記前方端部において前記溝の外側面によって境界付けられ、前記第1及び前記第2のローラーの逆回転に応答して、前記前端部が前記補正凹部内に受容されるとき、前記外側面のうちの少なくとも1つが、前記前端部と係合し、前記前端部を前記溝の前記前方端部に案内する、請求項1に記載の器具。
【請求項6】
前記ローラー機構が開放遠位端を含み、前記2つの平行なローラーの端部が露出しており、前記針の前記後端部が、前記開放遠位端から前記フィラメントを引き出すために前記開放遠位端に面している、請求項1に記載の器具。
【請求項7】
前記ローラー機構は、前記モーター駆動部から前記回転力を受け、前記回転力を前記第1のローラー及び前記第2のローラーのうちの少なくとも1つに付与するように構成されている、請求項1に記載の器具。
【請求項8】
前記コントローラは、前記針に少なくとも1回の旋回を完了させて前記身体に単一の縫合を形成するように構成された瞬間的入力を受信するように構成されている、請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記コントローラは、前記モーター駆動部に前記針を逆方向に旋回させるように構成された逆入力を受信するように構成されている、請求項1に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、いずれも2020年3月31日に出願された「MOVABLE SUTURING APPARATUS AND METHOD」と題する米国特許仮出願第63/002,928号及び米国特許仮出願第63/002,995号の優先権及び利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、物体を縫合するための器具、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションにおける記述は、単に、本開示に関する背景情報を提供し、先行技術を構成しない場合もある。
【0004】
縫合は、切開又は創傷を閉じるために一般的に使用される。縫合は、典型的には、切開又は創傷の両側の組織に湾曲した針を通すことによって形成され、針は後端からフィラメントを引き出す。湾曲した針が切開又は創傷の周りで完全な旋回を完了すると、フィラメントは縫合を形成して、組織を閉じた状態に保持する。
【0005】
プロセス自体は周知であるが、針を所望の場所に位置付け、針を推進するプロセスは単純ではない場合がある。縫合が技術及び/又は経験のある医療提供者によって実施される場合であっても、創傷又は切開を縫合する人が、その場所に到達し、針を組織に通して推進することは困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
開示される実施形態は、創傷、切開、又は他の開口部を縫合するための器具、システム、及び方法を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な実施形態では、器具は、間に螺旋形状の針のシャフトを係合させるように構成された2つの略平行なローラーを逆回転可能に支持するように構成されたローラー機構を含み、針は、前端部に突端を有し、後端部からフィラメントを引き出し、第1の螺旋状半径を有し、針は、針が身体に穿孔し、フィラメントを第1のローラーに隣接して配置された身体に通して引き出すことを可能にするように、針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有する第1のローラーの周りを旋回可能である。モーター駆動部は、2つの略平行なローラーを回転させるための回転力を伝達するように、ローラー機構と動作可能に連結される。コントローラは、モーター駆動部と動作可能に連結され、針に少なくとも1回の旋回を完了して身体に単一の縫合を形成するように構成されている。
【0008】
別の実施形態では、システムは螺旋状半径を有する螺旋形状の針を含み、針は、シャフトの第1の端部にある突端と、第2の端部に接合されたフィラメントと、を有する。ローラー機構は、間に針のシャフトを係合させるように構成された2つの略平行なローラーを逆回転可能に支持するように構成され、針は、針の第1の端部が身体に穿孔し、フィラメントを第1のローラーに隣接して配置された身体に通して引き出すことを可能にするように、針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有する第1のローラーの周りを旋回可能
である。モーター駆動部は、2つの略平行なローラーを回転させるための回転力を伝達するように、ローラー機構に動作可能に連結されたモーターと、モーターに動作可能に連結され、針に少なくとも1回の旋回を完了させて身体に単一の縫合を形成するように構成されたコントローラと、を含む。
【0009】
更なる実施形態において、例示的な方法では、2つの略平行なローラーのうちの第1のローラーの位置付けは、身体に隣接して位置付けられ、2つの略平行なローラーは、間に螺旋形状の針を係合させ、針は、後端部からフィラメントを引き出し、第1のローラーの半径よりも大きい第1の螺旋状半径を有し、針が身体に穿孔し、身体を通って延在することを可能にするように、第1のローラーの周りを旋回可能である。2つの略平行なローラーのうちの少なくとも1つと動作可能に連結されたモーターに入力が提供され、入力は、針に少なくとも1回の旋回を完了させて単一の縫合を形成するために、概ね2つの平行するローラーを回転させるために、モーターを回転させる。
【0010】
更なる例示的な実施形態では、器具は、第1の螺旋状半径を有する螺旋形状の針を含み、針はシャフトを有し、後端部からフィラメントを引き出す。2つの略平行なローラーは、間に針のシャフトを係合させるように構成され、第1のローラーは、針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有して、針が、第1のローラーの周りを旋回して、第1のローラーに隣接して配置された身体に穿孔し、フィラメントを身体に通して引き出すことを可能にする。フレームは、ローラーを逆回転可能に支持するように構成されている。フレームは、駆動機構から延在する支持シャフトの遠位端を取り外し可能に受容するように構成された支持連結具と、駆動機構から延在する駆動部材の遠位端を取り外し可能に受容するように構成された駆動連結具と、を含み、駆動部材は、回転力をローラーのうちの少なくとも1つに提供するように構成されている。
【0011】
別の例示的な実施形態では、駆動機構は、ハウジングと、ハウジングによって支持されるモーターと、ハウジングから延在する支持シャフトと、モーターと連結され、シャフトによって支持される駆動部材と、を含み、駆動部材は、モーターからの回転力を伝達するように構成されている。縫合カートリッジは、第1の螺旋状半径を有する螺旋形状の針を含み、針はシャフトを有し、後端部からフィラメントを引き出す。2つの略平行なローラーは、間に針のシャフトを係合させるように構成され、第1のローラーは、針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有して、針が、第1のローラーの周りを旋回して、第1のローラーに隣接して配置された身体に穿孔し、フィラメントを身体に通して引き出すことを可能にする。フレームは、ローラーを逆回転可能に支持するように構成されている。フレームは、支持シャフトの遠位端を取り外し可能に受容するように構成された支持連結具と、駆動部材の遠位端を取り外し可能に受容し、回転力をローラーのうちの少なくとも1つに伝達するように構成された駆動連結具と、を含む。
【0012】
更に別の実施形態では、例示的な方法は、縫合カートリッジをモーター駆動部と係合させることを含む。縫合カートリッジは、間に螺旋形状の針のシャフトを回転可能に係合する一対の略平行なローラーを支持し、針は、第1のローラーの周りで回転可能であり、第1のローラーのローラー半径よりも大きい螺旋状半径を有して、針が、第1のローラーに隣接して配置された身体に穿孔し、身体を通って延在することを可能にする。2つの略平行なローラーのうちの第1のローラーは、身体に隣接して位置付けられる。入力がモーター駆動部に提供され、入力は、針に少なくとも1回の旋回を完了させて単一の縫合を形成するために、モーター駆動部に2つの略平行なローラーを回転させる。
【0013】
更なる特徴、利点、及び適用分野は、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。説明及び具体的な例は、単に例示目的のために意図され、本開示の範囲を限定することは意図されないことを理解されたい。
【0014】
本明細書に説明される図面は、単に例示目的のためであり、決して本開示の範囲を制限することは意図されない。図面における構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、開示された実施形態の原理を例示することに重点を置かれる。図面において以下を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】物体を縫合するための器具の一実施形態の斜視図である。
【
図3】
図1の器具の構成要素の概略ブロック図である。
【
図4A】それぞれ、人間の手及びロボットアクチュエータによって物体を縫合するように位置付けられた
図1の器具の斜視図である。
【
図4B】それぞれ、人間の手及びロボットアクチュエータによって物体を縫合するように位置付けられた
図1の器具の斜視図である。
【
図5】
図1の器具と共に使用可能な螺旋状の針の側面図である。
【
図8】
図7のローラーのうちの1つの溝内に受容された
図5の針の一部分の上視図である。
【
図9】拡開状の溝を有するローラーの中に受容された
図5の針の側面図である。
【
図10】針を圧縮する横断力にさらされる針と係合する
図7の器具のローラーの概略図である。
【
図11】補正凹部内に針を受容する
図7の器具のローラーの概略図である。
【
図12】補正凹部内に針を受容する
図7の器具のローラーの概略図である。
【
図13】補正凹部内に針を受容する
図7の器具のローラーの概略図である。
【
図14】補正凹部によって受容され、溝に案内される針の側面図である。
【
図15】補正凹部によって受容され、溝に案内される針の側面図である。
【
図16】補正凹部によって受容され、溝に案内される針の側面図である。
【
図17】補正凹部の他の形状を用いる、
図7の器具の溝付きローラーの概略図である。
【
図18】補正凹部の他の形状を用いる、
図7の器具の溝付きローラーの概略図である。
【
図19A】溝付きローラー上の補正凹部を潜在的に欠いている針の概略軸方向図である。
【
図19B】溝付きローラー上の補正凹部を潜在的に欠いている針の概略軸方向図である。
【
図20A】縮小された螺旋状半径を有する針の概略軸方向図である。
【
図20B】縮小された螺旋状半径を有する針の概略軸方向図である。
【
図22】取り外し可能な縫合カートリッジを使用した、
図1の器具のシャフトの斜視図である。
【
図23】異なるサイズの針を有する代替の縫合カートリッジと係合可能な
図1の器具のシャフトの斜視図である。
【
図24】
図1の器具のモーター駆動部及びいくつかの交換可能な縫合カートリッジを支持する供給トレーの上視図である。
【
図25】交換可能な縫合カートリッジを支持する
図24の供給トレーの一部分の側面図である。
【
図26A】開口部を縫合するように位置付けられた螺旋状針の概略図である。
【
図26B】開口部を縫合するように旋回させた後の
図26Bの螺旋状針の概略図である。
【
図27】2つの略平行なローラーによって推進された螺旋形状の針で身体を縫合する例示的な方法のフロー図である。
【
図28】縫合カートリッジをモーター駆動部と係合させて身体を縫合する例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明は、限定することなく単に例示として、創傷又は切開など、身体の開口部を縫合するための器具、システム、及び方法の様々な実施形態を説明する。3桁の参照番号の最初の桁と、4桁の参照番号の最初の2桁は、要素が最初に現れる図の番号に対応することに留意されたい。
【0017】
非限定的な導入及び概要として、本開示の器具及びシステムは、螺旋状の針のシャフトの対向する面と係合する2つの略平行なローラーを推進するためのモーター駆動部を用いる。2つのローラーのうちの第1のローラーは、創傷又は切開など、身体の開口部に隣接して配置される。螺旋状の針及び第1のローラーは、螺旋状の針が第1のローラーの周りを、開口部の両側の組織を通って旋回することを可能にするようにサイズ決めされた半径を有する。螺旋状の針の後端部は、フィラメントを引き出す。モーター駆動部が、ローラーに、完全旋回によって針を旋回させると、開口部を閉じる縫合が形成される。様々な実施形態において、モーター駆動部は、ボタンが押下されるか又は別の個別入力を受信すると、モーターに単一の縫合を形成させるコントローラを有する。したがって、縫合が所望される場所にローラー及び針を位置付けて、単一の入力を提供することによって、操作者又はアクチュエータが手動で針を身体に通して引き出して縫合を形成するために動く必要なく、縫合が形成され得る。
【0018】
様々な実施形態において、モーター駆動部は、ローラー及び針を支持する縫合カートリッジに取り外し可能に係合されてもよい。結果として、異なるカートリッジが、身体の異なる部分又は異なる身体上に縫合を形成するために、モーター駆動部によって取り外し可能に、かつ使い捨て的に係合されてもよい。モーター駆動部は再使用されてもよく、一方、ローラー及び針を含む縫合カートリッジは廃棄されてもよい。更に、代替的な縫合カートリッジは、異なる用途のための異なるサイズの縫合の形成を支持するために、異なるサイズの縫合針を支持してもよい。
【0019】
ここで、概要が与えられており、様々な実施形態の詳細は、例示としてのみ与えられた非限定的な例として説明され、限定するものではない。
【0020】
更に
図1を参照すると、器具100は、フィラメント190を引き出して縫合(
図1には図示せず)を形成する螺旋状の針180を推進するローラー機構150と連結されたモーター駆動部120を含む。モーター駆動部120は、モーター駆動部120の他の構成要素を支持及び/又は収容するハウジング122を含む。ハウジング122は、ハウジング122が人間の操作者によって把持されこと、又はロボットアーム若しくは他の機械的アクチュエータ(
図1には図示せず)によって支持されることを容易にするインターフェイス124を含む。インターフェイス124は、操作者又はアクチュエータがハウジング122をしっかりと保持することができるように成形されるか又は非平滑化されてもよい。
【0021】
ハウジング122は、モーター駆動部122の動作を制御する1つ以上の制御部124及び126を支持してもよい。様々な実施形態において、更に後述するように、縫合制御部124は、モーター駆動部120の構成要素が1回の旋回によって針180を旋回させて単一の縫合を形成するようにし得る。第2の制御部126は、所望に応じて針180の旋回を停止及び/又は逆転させるように構成されてもよい。電気入力部128は、外部源
(図示せず)からモーター及び他の構成要素(
図1には図示せず)への電力の供給を可能にするために含まれてもよい。電気入力部128はまた、制御部124及び126の代わりに又はそれに加えて入力信号を提供するために使用されてもよい。例えば、このような入力部128を使用することにより、人間操作者は、フットペダル(図示せず)又は他の外部制御部を作動させることによって、縫合の形成をトリガすることができ得る。加えて、器具100がロボットアーム又は他のアクチュエータによって用いられる場合、入力部128は、制御部124及び126と物理的に係合することなく、アクチュエータが器具100を制御することを可能にし得る。
【0022】
様々な実施形態において、シャフト130は、ローラー機構150を支持するためにハウジング122から延在する。シャフト130は、ハウジング122及び/又は操作者の手若しくは他の支持体が縫合される開口部に近接して配置される必要なく縫合を形成するために、ローラー機構150をハウジング122から離れる方向に適宜位置付けることを可能にするようにサイズ決めされ、成形されてもよい。したがって、ハウジング122とローラー機構150との距離を取ることは、ハウジング122を縫合される開口部に直接隣接して位置付けなければならない場合よりも、縫合される開口部のより高い視認性を操作者に与え、更なる運動の自由度をもたらし得る。シャフト130は、更に後述するように、ローラー機構150を機械的に支持し、ローラー機構150に回転力を提供する駆動部材(
図1には図示せず)を収容し得る。
【0023】
更に
図2を参照すると、ローラー機構150は、針180を推進するローラー156及び158を支持するフレーム154を含んでもよく、針180は次いで、縫合を形成するフィラメント190を引き出す。フレーム154は、以下に更に記載されるように、シャフト130と取り外し可能に連結されてもよい。フレーム150の近位端152は、シャフト130の遠位端132と係合してもよい。前述の駆動連結部(図示せず)は、シャフト130の遠位端132とフレームの近位端152との接合部を横切って及び/又はそれを通って延在して、ローラー156及び158に回転力を提供してもよい。
【0024】
第1のローラー156は、螺旋状の針180が、身体に穿孔し、身体に通してフィラメント190を引き出すために第1のローラー156の周りで軌道運動するように位置付けられた状態で、縫合される身体の開口部(
図1及び
図2には図示せず)に隣接して位置付けられてもよい。針180のシャフトは、第1のローラー156及び第2のローラーによって両側で係合され、ローラー156及び158は、針180に第1のローラー156の周りを偏心旋回させるように逆回転する。以下に更に記載されるように、第2のローラー158は、旋回して縫合を形成するときに針180を位置的に固定するため、針180を部分的に受容するための溝159を含んでもよい。フレーム150の開放端部160は、フィラメント190が開放端部160においてフレームの周りに方向付けられるか、又はフレームによって潜在的に閉塞されるようにすることなく、フィラメント190が針180によって引き出されることを可能にする。
【0025】
更に
図3を参照すると、様々な実施形態において、モーター駆動部110は、前述の機能を支持する構成要素を含む。前述したように、モーター駆動部110は、縫合制御部124、第2の制御部126、及び電気入力部128を含む。このような実施形態では、モーター駆動部110はまた、モーター310、コントローラ320、電源330、及び駆動部材340を含んでもよい。
【0026】
様々な実施形態において、モーター310は、ローラー機構150に伝達される回転力の選択的な作動源を提供する任意のタイプの電気モーターである。モーター310は、駆動シャフト又は駆動ケーブルなどの駆動部材340に機械的に連結される。以下で更に説明するように、駆動部材340は、ローラー機構150の駆動連結部350と動作可能に
連結可能である。駆動部材340は、ローラー156又は158のうちの少なくとも1つに機械的に連結された駆動シャフト又は駆動ケーブルであってもよく、以下で更に説明するように、駆動部材340及び駆動連結具350を介してモーター310から回転力を受けて、ローラー156及び158のうちの少なくとも1つを回転させて、針180を推進して縫合を形成する。
【0027】
様々な実施形態において、モーター310はコントローラ320と連結され、コントローラ320は、様々な実施形態において、縫合制御部124、第2の制御部126、電気入力部128、及び電源330に連結される。様々な実施形態において、コントローラ320は、縫合制御部124、第2の制御部126、及び/又は電気入力部128から受信した制御入力を受信すると、モーター310の動作を指示する、構成可能な論理回路又はマイクロプロセッサである。前述したように、ユーザーが縫合制御部124に係合する(又は同様の命令が電気入力部128を介して受信される)と、コントローラ320は、モーター310を回転させてローラー機構150に針180(
図1及び2)を旋回させることで、旋回を完了させて縫合を形成する。コントローラ320は、モーター駆動部110内に収容された電源330から、又は電気入力部128を介して外部電源から電力を受け取り、モーター310に回転力を発生させるためにモーター310に電力を選択的に提供する。また前述したように、ユーザーが第2の制御部126に係合する(又は同様の命令が電気入力部128を介して受信される)と、コントローラ320は、所望に応じてモーター310を停止又は逆転させる。
【0028】
更に
図4A及び
図4Bを参照すると、器具100は、操作を容易にするように成形されてもよい。様々な実施形態において、シャフト130は、縫合を受ける場所412にローラー機構150が配置されると同時に、ハウジング122が、縫合される身体410から第1の変位432に位置付けられることを可能にするため、角度付き部分430を含んでもよい。角度付き部分430は、第1の変位432が、器具100を支持して、身体410に当接することなく器具100を定位置に保持する人間操作者の手404(
図4A)又は電気機械デバイスのアクチュエータ452(
図4B)のための空間を提供することを可能にする。
【0029】
同様に、シャフト130は、ハウジング120が場所412の真隣りに置かれる必要がないように、ハウジング120とローラー機構150との間の第2の変位434を可能にするように構成されてもよい。第2の変位434を可能にすることは、他の構造(図示せず)のため、又はハウジング120が場所412の視界を遮らないようにするため、ハウジング120が嵌合し得ない場所にローラー機構150が挿入されることを可能にし得る。
【0030】
再び
図4Aを参照すると、ユーザーの手402が器具100を支持した状態で、ユーザーは、器具110を片手で場所412に保持することができ、縫合制御部124に親指404(又は、縫合制御部124及び手の配置によって他の指)を係合させることによって縫合の形成を開始し得ることが理解されるであろう。再び
図4Bを参照すると、アクチュエータ452が器具100を支持している状態で、アクチュエータ452は、器具を場所412に位置付けることができ、信号カップリング454を介して制御信号を電気入力部128に送信することによって、縫合の形成を開始し得る。いずれの場合にも、人が場所412で片手又は両手を使って、針を身体に通して押し引きして縫合を形成するのに必要とされる労力も空間もなしに、場所412に縫合が形成され得る。
【0031】
更に
図5を参照すると、螺旋状の針180は、逆回転ローラー156及び158(
図1及び
図2)によって推進されたときに、その周りを旋回する軸501を有する。
図1及び
図2で以下に示されるように、軸501は、ローラー156及び158のいずれかの軸と
同軸上に位置付けられない。その代わりに、軸501は、ローラー156及び158の軸と平行であり、それにより、針180が、それ自体の軸501を中心に回転しながらローラー156及び158によって旋回され、ローラー156とローラー158との間に係合される針180の側とは反対の針180の側で、身体410(
図4A及び
図4B)に係合することを可能にする。様々な実施形態では、針180のシャフト510は、以下に更に記載されるように、矩形又は正方形の断面を有してもよい。針180は尖った前端部512を有し、後端部514からフィラメント190を引き出す。様々な実施形態では、フィラメント190は、例えば後端部514をフィラメント190の端部の周りで捲縮させることによって、後端部514に連結される。
【0032】
更に
図6を参照すると、
図5の軸6-6に沿って取られた針180のシャフト510の部分において、針180のシャフト510は、概ね矩形又は正方形の断面600の対向する側に対向する平坦面602及び604を有する。平坦面602及び604は、幅wsを有する。対向する平坦面602及び604は、ローラー158(
図1及び
図2)の溝159内の一方の側で係合可能であり、他方の側ではローラー156の表面によって係合可能である。
【0033】
更に
図7を参照すると、針180のシャフト510は、ローラー158の溝159内に受容される。様々な実施形態において、溝159は、矩形の断面を有する。溝159は、ローラー158の溝付き表面720において、開口部714にそれぞれ延在する略平坦な側部716によって境界付けられる略平坦な底部712によって境界付けられる。ローラー156は平坦な表面757を有する。したがって、針180のシャフト510は、一方の側のローラー158の溝159と反対側のローラー156の平坦面757との間に係合される。ローラー156及び158は、器具100の開放端部160に開放遠位端756及び758をそれぞれ有する(
図1及び2)。ローラー156及び158の開放遠位端756及び758は、それぞれ、フィラメント190が遠位マウント又は他の同様の障害物を通って又はその周りに経路付けされることなく、フィラメント190が針180の後端部514(
図7には図示せず)によって引き出されることを可能にする。
【0034】
ローラー156及び158は逆回転して針180を旋回させ、ローラー156は方向766に回転し、ローラー158は反対方向768に逆回転する。針180がローラー156の周りを偏心して旋回するように配置された状態で、針180はローラー156と同じ方向756に旋回する。ローラー156及び158は、ギア又は同様の回転可能な連結部(
図7には図示せず)によって機械的に相互接続されて、ローラー156及び158を逆回転させてもよい。あるいは、ローラー156及び158は、針180のシャフト510の反対側と摩擦係合しているため、ローラー156又は158の一方の回転は反対側のローラーを逆回転させる。様々な実施形態において、針180の前端部512は、ローラー156及び158が逆回転すると、器具100の開放端部160から離れる方向701に前進するように配置される。
【0035】
引き続き
図7を参照すると、溝のピッチφは、針180の螺旋状半径R(
図5)とローラー158の半径rと比の比に従って、針のピッチθに比例して一致することが理解されよう。結果として、針180は、ローラー158が針180を推進する際にローラー156と共に回転されるとき、溝159と位置合わせされる。
【0036】
更に
図8を参照すると、ローラー158の溝159が針180のシャフト512の幅Wsよりも大きい幅Wを有することで、溝159の側部716が針180のシャフト512の側部810に衝突することなく、針180のシャフト512は溝159内に嵌合する。その結果、溝159の拡幅された幅Wは、その軸501に沿った針180の圧縮などの望ましくない効果を回避する。様々な実施形態では、針180のシャフト510の幅Wsよりも20パーセント大きい溝幅Wを使用することで、側部716が針180のシャフト510に衝突することなく、針180のシャフト510が溝159内に適切に収容される。
【0037】
更に
図9を参照すると、溝付きローラー958の様々な実施形態は、針180のシャフト512に適応するために2つの拡開状の側部916を有する溝959を含んでもよい。拡開状の側部を有する溝959の物体は、針180の側部を収容するためのものである。先細りの側部を有さない正方形又は矩形の溝は、針180と干渉し、針180がローラー間で回転する際に針180を変形させ得る。この先細りの隙間は、螺旋状の針が溝から干渉されることなく、ローラー156とローラー158(
図7)との間を通過することを可能にするために必要とされる。したがって、
図9に示されるように、溝959は、溝959の底部912からローラー958の表面920の開口部914まで拡開状になる。したがって、溝959は、略台形の断面を有する。表面920における溝959の幅WFは、針180が変位又は変形されたときに針180のシャフト510として針180のシャフト510の側部912を収容するために使用される。
【0038】
図10を参照すると、針180にかかる力1002はまた、針180の前端部512が、縫合されている身体(
図10に図示せず)を出て、溝付きローラー158に向かって戻るように旋回する際に、前端部512が溝159を逃すようにし得る。溝159の中へ旋回する代わりに、針180の前端部512は、溝159の外側のローラー158の表面1004に衝突する。力1002は、いずれかの方向に作用することができ、それにより、針180の前端部512が、いずれかの側部上の溝159を逃す可能性があることが理解されるであろう。
【0039】
図11を参照すると、補正凹部1110は、溝付きローラー158の溝159の前方端部1112に位置してもよい。補正凹部1110は、以下に説明されるように、針180の前端部512を溝159に戻すように方向付けるじょうご又は案内部として機能する、拡開状の外側面1130及び1131によって境界付けられ得る。外側面1130及び1131は、針180の前端部512を受容するための拡幅領域を画定する。それゆえ、力1002は、針180に作用しない(これによって針180の前端部512は溝159を逃し、ローラー159の表面1004に衝突する)。代わりに、針180の前端部512は、補正凹部1110内に受容される。次いで、後述するように、ローラー156及び158の逆回転は、補正凹部1110を針180の前端部512に対して回転させて、針180を溝159に戻すように案内させることになる。
【0040】
図12を参照すると、ローラー156及び158が方向1220に回転する溝付きローラー158と逆回転するとき、補正凹部1110は、対向するローラー156に向かって回転する。補正凹部1110の移動により、補正凹部1110の側面1130が針180の前端部512に衝突することになる。側面1130は、針180の前端部512を方向1240に移動させて、前端部512を溝159の前方端部1112に向かって案内する。
【0041】
図13を参照すると、溝付きローラー158の方向1220への更なる回転により、針の前端部512は、溝159の前方端部1112に案内される。補正凹部(
図13には図示せず)は、それぞれの縫合を形成した後に、針180の後に続く旋回で針180の前端部512を受容するための位置に繰り返し旋回することになる。
【0042】
図13を引き続き参照すると、様々な実施形態では、溝159は、溝159の残りの部分1350の規則的な深さd2と比較して、溝159の前方端部1112において、又はその付近に、低減された深さd1を有し得る。前方端部1112における低減された深さd1は、溝159の前方端部1112と対向するローラー156との間の低減された隙間をもたらし得る。かかる低減された隙間により、対向するローラー156が、溝159の前方端部1112において針180に対してより高い圧力の適用をもたらすことができる。低減された深さd1(及び結果として生じるより高い圧力)は、針180が補正凹部1110によって溝159に再度方向付けされた後、その次の回転を開始する際に、ローラー156及び158が針180を確実に把持することを可能にする。
【0043】
図14~
図16を参照すると、針180の前端部512は、補正凹部1110の側面1130によって、溝付きローラー158の溝159の前方端部1112に方向付けられる。
図14を参照すると、針180の前端部512は、補正凹部1110の側部を画定する側面1130と側面1131との間の補正凹部1110に受容される。
図10を参照して前述されたように、針180の前端部512は、溝159の外側に置かれ、その側部は、
図14~
図16に点線で表現される。
【0044】
図15を参照すると、溝付きローラー158が
図12及び
図13を参照して説明されるように回転されると、補正凹部1110の側面1130は、針180の前端部512と係合する。溝付きローラー158が
図13を参照して説明されるように回転されると、補正凹部1110は、側面1130と側面1131との間で狭くなることが理解されよう。
図16を参照すると、溝付きローラー158が、
図13を参照して説明されるように更に回転されると、補正凹部1110の側面1130及び1131(
図16には図示せず)が、溝159の前方端部1112に合流する。それゆえ、補正凹部1110は、溝159の外側の場所で針180の前端部512を受容し、針180の前端部512を溝159に方向付ける。
【0045】
図17及び
図18を参照すると、溝付きローラーは、
図11~
図16を参照して記載されたもの以外の形状の補正凹部を含んでもよい。
図17を参照すると、例えば、溝付きローラー158は、一方の側部でのみ広がっている補正凹部1710を含んでもよい。例えば、針180上に作用する力のみが、針180を方向1702に偏向させるであろうことが予想され得る。それゆえ、補正凹部1710は、溝159の前方端部1712から真っ直ぐに延在する1つの側面1731と、針180の前端部512の方向1702への偏向に適応する1つの拡開状の側面1730と、を含んでもよい。単一の拡開状の側面1730は、針180の前端部512の任意の予想される偏向に適応するべきである。
【0046】
補正凹部の側面は、直線状の拡開形状に限定されないことが理解されるであろう。
図18を参照すると、例えば、補正凹部1810は、針180の前端部512と係合するために、1つ以上の湾曲した、又は他の非直線の表面1830及び1831を含んでもよい。湾曲した側面1830及び1831はまた、前端部512を溝159の前方端部1812に案内するために、針180の前端部512に衝突する働きをしてもよい。補正凹部の側面は、任意の特定の幾何学的形状に限定されない。
【0047】
図19A及び
図19Bを参照すると、針180が遭遇する抵抗、又はローラー156とローラー158との間の針180の滑りなどの螺旋状の針180の移動に影響を及ぼし得る力に基づいて、前端部512が補正凹部1110に向かって回転するときに、針180の前端部512が補正凹部1110を逃すようにし得る。
【0048】
図19Aを参照すると、針180がローラー156の周りを旋回するときの針180の一部分が示されている。
図19A及び
図19Bにおける針180の軸方向図、並びに
図20A及び
図20Bにおける針180の軸方向図は、それらの軸の周りで完全な円弧未満を描く、針180の投影を示していることが理解されよう。しかしながら、実際には、針180は、縫合を形成する際にその軸の周りを完全に旋回するので、ローラー156及び158が、針180のシャフトと係合することを可能にするため、事実上、その軸の周りで完全な円弧を超える弧を描く。
【0049】
針180は、ローラー156及び158によって係合されるには細すぎる可能性のある、針180の細く尖った前端部512を考慮して、その軸の周りで完全な円弧をある程度超える弧を描く。同様に、針180の後端部514(
図5)は、縫合(
図29A~
図20Bには図示せず)を形成するために使用される、後端部514から引き出されるフィラメントを係合させるように細い又は先細りであり得、ローラー156及び158によって係合されるには細すぎる可能性がある。したがって、針180は、ローラー156及び158によって係合可能でない場合のある端部を考慮するため、それらの軸の周りで完全な円弧を超える弧を描く。いずれの場合も、
図19A~
図20Bの針180は、前端部512の位置が、針180の重なり合う部分によって潜在的に不明瞭になることなく、針180の前端部512の位置を示すことができるように、その軸の周りで完全な円弧を描かずに表現されている。
【0050】
図19Aを引き続き参照すると、針180が、ローラー156及び158の逆回転の結果として、方向1901に旋回するにつれ、針180の前端部512は、溝付きローラー158の表面に形成された補正凹部1110に接近する。
図19Bを参照すると、記載されているようないくつかの力によって針180の移動が妨げられた場合、溝付きローラー158は、補正凹部1110が回転するように回転して、針180の前端部512が補正凹部1110に受容されないようにし得る。一般的に言えば、螺旋状の針180の半径Rは、溝付きローラーの半径rの整数倍であり、そのため、補正凹部1110の移動が、針180の旋回と同期して、針180の前端部512を受容することになる。換言すれば、針180の半径R(又は直径)とローラー158の半径r(又は直径)との間の比は、2以上の整数ということになる。しかしながら、針180上に作用する力は、針180及び溝付きローラー158の回転の同期を損なう可能性があり、それゆえ、針180は、ローラー158の半径rの整数倍未満であり得る半径Rを有すること(又はRとrとの比は、2未満又はRとrとの別の整数比であるべきであること)を示している。
【0051】
図20A及び
図20Bを参照すると、螺旋状の針180の半径を減少させることは、針180の回転を妨げ得る力を補い、溝付きローラー158との同期問題を回避し得る。
図20Aを参照すると、螺旋状の針2090は、針180(針2090との比較のために、
図20Aにおいて破線形態で表現される)の半径Rよりも約5パーセント小さい半径R’を有する。それゆえ、溝付きローラー158の半径rの2倍の半径Rを有する針180とは対照的に、針2090は、約1.9R、又はRより5パーセント小さい半径R’を有する。針180の半径Rとは対照的に、短くなった半径R’を有することで、針2090の前端部2092は、針2090の旋回のこの時点で、針180の前端部512よりも溝付きローラー158に近くなる。
図20Bを参照すると、針2090が方向2001に回転すると、針2090の前端部2092は、補正凹部1110内に受容される。
【0052】
図21A及び
図21Bを参照すると、針2090の前端部2092は、補正凹部1110が針2090の前端部2092を受容する位置に回転される前に、溝付きローラー158の表面2104に到達し得る。針2090は、前述されたように、溝付きローラー158の半径rの整数倍未満の半径R’を有するため、針2090は、この実施例では、針2090の半分未満の半径rを有する溝付きローラーが2回転を完了する前に、旋回を完了し得る。それゆえ、針2090の前端部2092は、補正凹部1110が針2090の前端部2092を受容する位置になる前に、溝付きローラー158の表面2104に到達し得る。
図21Aを参照すると、針2090の前端部2092は、それゆえ、補正凹部1110の外側の溝付きローラー158の表面2104上に衝突し得る。
【0053】
しかしながら、
図21Bを参照すると、溝付きローラー158がローラー156との逆
回転の方向2101に旋回し続けるとき、補正凹部1110は、針2090の前端部2092の下で回転する。それゆえ、補正凹部1110が前端部2092を受容する位置になる前に、半径R’を有する針2090の前端部2092が補正凹部1110と係合する位置にあるはずであっても、前端部2092は、補正凹部1110に摺動することができるまで溝付きローラー158の表面2104に沿って摺動することになる。
【0054】
前端部2092が補正凹部1110に受容される前に、前端部2092が、溝付きローラー158の表面2104と対向するローラー156の表面との間の間隙2125(
図21A)に到達するはずである場合であっても、針2090は、ローラー156とローラー’58との間の間隙2125に滑り込むことができない。螺旋状の針180又は2090は、溝付きローラー159の溝159内に受容されたときにのみ、ローラー156とローラー158との間に嵌合するようにサイズ決めされることが想起され、理解されるであろう。したがって、針2090は、間隙2125に嵌合するには、幅が広すぎる。それゆえ、針2090の前端部2092は、補正凹部1110が、針2090の前端部2092の下で回転するまで、溝付きローラー158の表面2104に沿って摺動することになる。その時点で、針2090の前端部2092は、
図11~
図18を参照して前述されたように、補正凹部1110によって捕捉され、溝159に案内されることになる。
【0055】
様々な実施形態において、ローラー機構150は、モーター駆動部120から選択的に取り外し可能であり、かつモーター駆動部120に取り付け可能であってもよい。したがって、ローラー機構150は、生理的理由のために変更されてもよく、かつ/又は以下に更に記載されるように、異なるサイズの針と係合するように変更されてもよい。前述したように、ローラー機構150のフレーム154の近位端152は、シャフト130の遠位端132と係合する。更に
図22を参照すると、様々な実施形態において、ローラー機構150は、ローラー機構150の近位端152とシャフト130の近位端132との接合部を取り外すことによって係合解除されてもよい。フレーム154、ローラー156及び158、並びに針180を含むローラー機構150は、取り外し可能かつ交換可能な縫合カートリッジ2200と見なされてもよい。したがって、シャフト130の遠位端132は、フレーム150の近位端152において支持連結具2210と係合するように構成されたシャフト連結具2230を含んでもよい。連結具2230及び2210は、シャフト130の遠位端132とフレーム154の近位端152とを摩擦的に及び/又は機械的に係合するための、さねはぎ構成又は別の構造を含んでもよい。
【0056】
なお
図22を参照すると、様々な実施形態において、シャフト130は、モーター駆動部110のモーター310(
図3)から回転力を伝達するために、1つ以上の駆動部材2260及び2270を支持してもよい。駆動部材2260及び2270は、剛性若しくは半剛性シャフト又は可撓性駆動ケーブルを含んでもよい。駆動部材2260及び2270は、異なる方法でモーター310に連結されてもよい。様々な実施形態において、駆動部材2260及び2270は、ローラー156及び158をそれぞれ逆回転させるために、駆動部材2260及び2270がモーター310の回転に反応して逆回転するように、ギアボックス(図示せず)に接続されてもよい。他の実施形態は、モーター310からローラー156又は158のうちの1つに回転力を伝達するための単一の駆動部材2260又は2270のみを含んでもよい。前述したように、ローラー156及び158は、駆動部材2260又は2270から回転力を受けるローラー156又は158の一方が他方のローラーを逆回転させるように、フレーム154の位置に又はフレーム154内に収容されたギア付き機構(図示せず)によって連結されてもよい。また記載されるように、ローラー156又は158の一方が駆動部材2260又は2270と係合すると、ローラー156及び158と針180との摩擦係合によって、他方のローラーが逆回転する。これらの構成のいずれも、ローラー機構150がモーター駆動部110に固定可能に取り付けられているか、又はローラー機構150がモーター駆動部110から取り外し可能な縫合カートリッジ2200の一部であるかどうかにかかわらず使用されてもよい。
【0057】
特に、モーター駆動部110が縫合カートリッジ2200から選択的に取り外し可能であり、かつ縫合カートリッジ2200と連結可能である場合、1つ以上の駆動部材2260及び2270がローラー156及び158から取り外し可能であり、かつローラー156及び158に取り付け可能でなければならない。様々な実施形態において、ローラー156及び/又は158のうちの少なくとも1つは、それぞれ、ローラー156及び/又は158からフレーム154を通って延在するシャフト2256及び/又は2266を含む。シャフト2256及び/又は2268は、それぞれ駆動部材2260及び/又は2270によって係合可能である。この説明の残りの目的のために、1つのシャフト2256若しくは2266又は2つのシャフト2256及び2266にそれぞれ係合するための、1つの駆動部材2260若しくは2270、又は2つの駆動部材2260及び2270が存在し得ることが理解されるであろう。
【0058】
駆動部材2260及び/又は2270からシャフト2256及び/又は2266への回転力の伝達を容易にするために、シャフト2256及び/又は2266のそれぞれは、駆動連結具2257及び2267をそれぞれ含んでもよい。駆動連結具2257及び2267は、切子端部2259及び/又は2269を含む。切子端部2259及び/又は2269は、
図22に示されるような六角形の端部などの成形された外端部を含んでもよく、又は駆動部材2260及び/若しくは2270を介して回転力を受けるのに好適な支持ギア付き表面若しくは他の端部を含んでもよい。駆動部材2260及び/又は2270は、それぞれ、駆動連結具2266及び2268の切子端部2259及び2269と係合するための切子端部2262及び2272を含んでもよい。様々な実施形態において、駆動部材2260及び2270の切子端部2262及び2272はそれぞれ、駆動連結具2257及び2267の外向き端部にそれぞれ係合するための内向きソケットを含んでもよい。したがって、モーター駆動部110が、シャフト130の遠位端132がフレーム150の近位端152に係合した状態で縫合カートリッジ2200に係合されると、駆動部材2260及び/又は2270の切子端部2262及び/又は2272は、駆動連結具2257及び/又は2267の切子端部2259及び2269とそれぞれ係合する。
【0059】
前述のように、交換可能な縫合カートリッジ2200が使用されるとき、異なるカートリッジは、異なる用途のために異なるサイズの針を有してもよい。例えば、小さい縫合を形成して小さい創傷又は切開を閉じるために、より小さい螺旋状半径の針を有する縫合カートリッジが使用されてもよい。あるいは、より大きい縫合を形成してより大きい創傷又は切開を閉じるために、より大きい螺旋状半径の針を有する縫合カートリッジが使用されてもよい。縫合カートリッジは、異なるサイズのローラーを有してもよい。異なるサイズの針を収容するために、溝付きローラーの溝のピッチ及び針のピッチは、溝付きローラーが回転される際に、針と溝との適切な位置合わせを確実にするために、比例して一致する必要がある。加えて、異なるサイズの針を支持するために異なるサイズのローラーを使用することが望ましい場合がある。例えば、小さい切開を縫合するには、縫合が閉じられる創傷又は切開の縁部に緊密に一致するように、小さい螺旋状半径の針が望ましい場合がある。したがって、少なくとも針が周りを旋回するローラーは、より小さい螺旋状半径を有する針を収容するために、より小さい半径を有する必要がある。それに応じて、縫合を形成してより大きい創傷又は切開を閉じるためにより大きい針が望ましい場合、針が縫合を形成するために旋回するときに、針と摩擦係合するより広い表面を提供するため、より大きいローラーが望ましい場合がある。
【0060】
図23を参照すると、2つの異なるサイズの縫合カートリッジ2310及び2311は、それぞれ異なる螺旋状半径R及びR’を有する異なるサイズの針2380及び2381を支持する。縫合カートリッジ2310及び2311のそれぞれは、シャフト130のシャフト連結具2230と係合するように構成された支持連結具2210を含み、その結果、縫合カートリッジ2310及び2311は、シャフト130によって機械的に支持され得る。縫合カートリッジ2310及び2311の両方は、同じサイズのフレーム154を含む。しかしながら、フレームがシャフト130と等しく係合できる限り、縫合カートリッジ2310及び2311のフレームは同じサイズのものである必要はないことが理解されるであろう。
【0061】
縫合カートリッジ2310及び2311は両方とも、回転力をローラーに提供するために、駆動部材2270の切子端部2272と係合するように、切子端部2269を有するシャフト2268を含む。
図1の縫合カートリッジ2200とは対照的に、縫合カートリッジ2310及び2311は、単一の駆動部材2270によって推進され、前述のように、ローラー間のギア又は針との摩擦係合によって両方のローラーが逆回転する。シャフト2268及び縫合カートリッジ2310及び2311の両方の切子端部2269は、縫合カートリッジ2310及び2311と駆動部材2270との互換性を支持することに相当する。
【0062】
縫合カートリッジ2310は、半径rを有する溝付きローラー2358と、螺旋状半径Rの針2380を旋回させる対向ローラー2356と、を有する。縫合カートリッジ2311は、半径r’を有する溝付きローラー2359と、螺旋状半径R’の針2381を旋回させる対向ローラー2357と、を有する。螺旋状半径R’は、螺旋状半径Rよりも大きく、そのため、縫合カートリッジ2311が縫合カートリッジ2310よりも大きい縫合を形成するのに適している。縫合カートリッジ2310及び縫合カートリッジ2311の両方の場合、溝付きローラー2358及び2359内の溝のピッチ並びに螺旋状針2380及び2381のピッチはそれぞれ、比例して一致する。直径r及びr’は、モーター駆動部(
図23には図示せず)が係合されて針2380又は2381を旋回させたときに、針2380及び2381をそれぞれ旋回させて単一の縫合を形成するように選択される。様々な実施形態において、針2380又は2381がそれぞれ周りを旋回するローラー2356及び2357は、ローラー2356及び2357が、針2380及び2381との好適な摩擦係合を提供して、針2380及び2381の旋回を推進する限り、同じサイズのものでも異なるサイズのものでよい。
【0063】
2つのサイズの縫合カートリッジ2310及び2311のみが示されているが、任意のサイズの縫合を形成するために任意の数のサイズの縫合カートリッジが存在し得ることが理解されるであろう。加えて、
図22には示されていないが、針2380及び2381のそれぞれは、フィラメントと接合して縫合の形成をもたらす。
【0064】
更に
図24を参照すると、供給トレー2400は、いくつかの交換可能な縫合カートリッジ2411~2418を支持する。供給トレー2400は、縫合カートリッジ2411~2418がモーター駆動部110によって係合され、使用のために供給トレー2400から取り外されるまで、縫合カートリッジの側部を摩擦係合して、縫合カートリッジ2411~2418を定位置に保持するためのブラケット2420を含んでもよい。
図24を参照して更に記載されるように、様々な実施形態において、供給トレー2400は、提供される支持連結具及び駆動連結具(
図24には図示せず)を用いて縫合カートリッジ2411~2418を支持し、それにより、モーター駆動部110は、ユーザーが供給カートリッジ2411~2418を取り扱う又は触れる必要なく、縫合カートリッジ2411~2418のいずれかと係合し得る。ユーザーが供給カートリッジ2411~2418を取り扱う又は触れる必要がないことから、縫合カートリッジ2411~2418がユーザーの手の細菌又は他の物質で汚れる又はそれに感染することが防止され得る。この目的のために、供給トレー2400は、供給トレーを封止するために、衛生用ラッピング2402(破線で表される)で覆われてもよい。同様に、モーター駆動部110(同じくブラケット2422によって供給トレー2400の表面に保持され得る)は、供給トレー2400上に衛生的に提供され得る。
【0065】
供給トレー2400によって支持される縫合カートリッジ2411~2418は、操作者が本出願の適切な縫合カートリッジ(単数又は複数)を選択することを可能にするために、異なるサイズであってもよい。例えば、縫合カートリッジ2410は、縫合カートリッジ2413の針2433よりも小さい針2431(したがって、前述のように、潜在的により小さいローラー)を含む。同様に、縫合カートリッジ2417は、縫合カートリッジ2413の針2433よりも大きい針2437を含む。したがって、操作者は、利用可能な縫合カートリッジ2411~2418の中から選択して、本出願に適切なサイズの縫合を形成する縫合カートリッジを選択することができる。
【0066】
更に
図25を参照すると、供給トレー2400は、縫合カートリッジ2411~2413の端部に、それらの支持連結具2210、並びにモーター駆動部110によってアクセス可能になるように提供される駆動連結具2266及び2268のそれぞれを提供する。
図24に示されるように、縫合カートリッジ2411~2413は、間に縫合カートリッジ2411~2413のそれぞれを保持するブラケット2420を有する供給トレー2400に機械的に保持される。代替的に又は追加的に、供給トレー2400は、縫合カートリッジ2411~2413のそれぞれのフレーム154に強制的に係合して、縫合カートリッジ2411~2413を定位置に保持する基部2501を含んでもよい。例えば、基部2501は、縫合カートリッジ2411~2413のそれぞれのフレーム154と係合して、縫合カートリッジ2411~2413を、供給トレー2400から除去するためにモーター駆動部110によって係合されるまで定位置に保持するように構成された接着パッド又は磁石であってもよい。
【0067】
図26A及び
図26Bを更に参照すると、ローラー(
図26A及び
図26Bには図示されない)による針180の旋回は、縫合2650を形成して、創傷又は切開など、身体2600の開口部2601を閉じる。
図26Aに示されるように、針180は、開口部2601に隣接する身体2600に穿孔するために、方向2602に旋回するところである。針180が螺旋状の形状であるため、針180の旋回によって針180は方向2603に引き出される。針180の前端部512が身体2600に穿孔する。針180の旋回は、フィラメント190を引き出す後端部514が身体400から出現するまで、針180のシャフト510を身体に通して引き出す。
図26Bに示されるように、針180が方向2602に旋回され、したがって、方向2601に移動された後に、フィラメント190のループは、身体2600を通って縫合2650を形成している。
【0068】
更に
図27を参照すると、様々な実施形態において、前述のように螺旋状針を旋回させることによって物体を縫合するための例示的な方法2700が提供される。方法2700は、ブロック2705で開始する。ブロック2710において、2つの略平行なローラーのうちの第1のローラーが身体に隣接して位置付けられ、2つの略平行なローラーは、間に螺旋形状の針を係合させる。針は、後端部からフィラメントを引き出し、第1のローラーの半径よりも大きい第1の螺旋状半径を有し、針は、針が身体に穿孔し、身体を通って延在することを可能にするように、第1のローラーの周りを旋回可能である。ブロック2720において、2つの略平行なローラーのうちの少なくとも1つと動作可能に連結されたモーターに入力が提供される。入力は、針に少なくとも1回の旋回を完了させて単一の縫合を形成するために、2つの略平行なローラーを回転させるために、モーターを回転させる。方法2700は、ブロック2725で終了する。
【0069】
更に
図28を参照すると、様々な実施形態において、交換式縫合カートリッジを使用して縫合を形成するための例示的な方法2800が提供される。方法2800は、ブロック2805で開始する。ブロック2810において、縫合カートリッジはモーター駆動部と係合され、縫合カートリッジは、間に螺旋形状の針のシャフトを回転可能に係合させる一対の略平行なローラーを支持する。針は、第1のローラーの周りで回転可能であり、第1のローラーのローラー半径のものよりも大きい螺旋状半径を有して、針が第1のローラーに隣接して配置された身体に穿孔し、身体を通って延在することを可能にする。ブロック2820において、2つの略平行なローラーのうちの第1のローラーは、身体に隣接して位置付けられる。ブロック2830では、入力がモーター駆動部に提供され、入力は、針に少なくとも1回の旋回を完了させて単一の縫合を形成するために、モーター駆動部に2つ略平行なローラーを回転させる。方法2800は、ブロック2835で終了する。
【0070】
開示される主題は、以下の項に記載される主題を含むが、これらに限定されない。
1.器具であって、
間に螺旋形状の針のシャフトを係合させるように構成された2つの略平行なローラーを逆回転可能に支持するように構成されたローラー機構であって、針は、前端部に突端を有し、後端部からフィラメントを引き出し、第1の螺旋状半径を有し、針は、針が身体に穿孔し、フィラメントを第1のローラーに隣接して配置された身体に通して引き出すことを可能にするように、針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有する第1のローラーの周りを旋回可能である、ローラー機構と、
2つの略平行なローラーを回転させるために回転力を伝達するように、ローラー機構と動作可能に連結されたモーター駆動部と、
モーター駆動部と動作可能に連結され、針に少なくとも1回の旋回を完了させて身体に単一の縫合を形成するように構成されたコントローラと、を備える、器具。
2.モーター駆動部が、ローラー機構に対してオフセットでローラー機構を支持し、ローラー機構は、ハンドルが身体から近位距離よりも大きい距離に位置付けられたままである間に、身体に対して近位距離に位置付けられ得る、第1項に記載の器具。
3.第1のローラーは、針のシャフトの第1の面に転動可能に係合するように構成された平坦な表面を含み、
第2のローラーは、針のシャフトの対向面を少なくとも部分的に受容するように構成された溝を画定する溝付き表面を含む、第1項に記載の器具。
4.溝の底部が、第2の面と少なくとも同じ幅の底部幅を有し、第2の面よりも広い表面幅を有する溝付き表面の溝開口部まで延在する側部によって境界付けられている、第3項に記載の器具。
5.溝のピッチが、針の半径と第2のローラーの半径との比に従って、針のピッチと比例して一致している、第3項に記載の器具。
6.第2のローラーは、溝の前方端部において外側面によって境界付けられ、溝の前方端部において溝の幅に向かって先細りになる補正凹部を更に画定し、第1及び第2のローラーの逆回転に応答して、前端部が補正凹部内に受容されるとき、外側面のうちの少なくとも1つが、前端部と係合し、前端部を溝の前方端部に案内する、第3項に記載の器具。
7.ローラー機構が開放遠位端を含み、2つの略平行なローラーの端部が露出しており、針の後端部が、開放遠位端からフィラメントを引き出すために開放遠位端に面している、第1項に記載の器具。
8.ローラー機構は、モーター駆動部から回転力を受け、回転力を第1のローラー及び第2のローラーのうちの少なくとも1つに付与するように構成されている、第1項に記載の器具。
9.コントローラは、針に少なくとも1回の旋回を完了させて、身体に単一の縫合を形成するように構成された瞬間的入力を受信するように構成されている、第1項に記載の器具。
10.コントローラは、モーター駆動部に針を逆方向に旋回させるように構成された逆入力を受信するように構成されている、第1項に記載の器具。
11.システムであって、
螺旋状半径を有する螺旋形状の針であって、針は、シャフトの第1の端部に突端を有し、第2の端部にフィラメントが接合されている、螺旋形状の針と、
間に針のシャフトを係合させるように構成された2つの略平行なローラーを逆回転可能に支持するように構成されたローラー機構であって、針は、針の第1の端部が身体に穿孔し、フィラメントを第1のローラーに隣接して配置された身体に通して引き出すことを可能にするように、針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有する第1のローラーの周りを旋回可能である、ローラー機構と、
モーター駆動部であって、
2つの略平行なローラーを回転させるために回転力を伝達するように、ローラー機構と動作可能に連結されたモーターと、
モーターと動作可能に連結され、針に少なくとも1回の旋回を完了させて身体に単一の縫合を形成するように構成されたコントローラと、
モーター駆動部が、人間ユーザー及びロボットアクチュエータのうちの一方によって支持されることを可能にするように構成されたインターフェイスと、を含む、モーター駆動部と、を備える、システム。
12.モーター駆動部が、ローラー機構に対してオフセットでローラー機構を支持し、ローラー機構は、ハンドルが身体から近位距離よりも大きい距離に位置付けられたままである間に、身体に対して近位距離に位置付けられ得る、第11項に記載のシステム。
13.第1のローラーは、針のシャフトの第1の面に転動可能に係合するように構成された平坦な表面を含み、
第2のローラーは、針のシャフトの対向する第2の面を少なくとも部分的に受容するように構成された溝を画定する溝付き表面を含む、第11項に記載のシステム。
14.溝の底部は、第2の面と少なくとも同じ幅の底部幅を有し、第2の面よりも広い表面幅を有する溝付き表面の溝開口部まで延在する側部によって境界付けられている、第13項に記載のシステム。
15.溝のピッチが、針の半径と第2のローラーの半径との比に従って、針のピッチと比例して一致している、第13項に記載のシステム。
16.第2のローラーは、溝の前方端部において外側面によって境界付けられ、溝の前方端部において溝の幅に向かって先細りになる補正凹部を更に画定し、第1及び第2のローラーの逆回転に応答して、前端部が補正凹部内に受容されるとき、外側面のうちの少なくとも1つが、前端部と係合し、前端部を溝の前方端部に案内する、第13項に記載の器具。
17.ローラー機構が開放遠位端を含み、2つの略平行なローラーの端部が露出しており、針の後端部が、開放遠位端からフィラメントを引き出すために開放遠位端に面している、第11項に記載のシステム。
18.コントローラは、針に少なくとも1回の旋回を完了させて、身体に単一の縫合を形成するように構成された瞬間的入力を受信するように構成されている、第11項に記載のシステム。
19.コントローラは、モーター駆動部に針を逆方向に旋回させるように構成された逆入力を受信するように構成されている、第11項に記載のシステム。
20.方法であって、
2つの略平行なローラーのうちの第1のローラーを身体に隣接して位置付けることであって、2つの略平行なローラーは、間に螺旋形状の針を係合させ、針は、後端部からフィラメントを引き出し、第1のローラーの半径よりも大きい第1の螺旋状半径を有し、針は、針が身体に穿孔し、身体を通って延在することを可能にするように、第1のローラーの周りを旋回可能である、ことと、
2つの略平行なローラーのうちの少なくとも1つと動作可能に連結されたモーターに入力を提供することであって、入力は、針に少なくとも1回の旋回を完了させて単一の縫合を形成するために、2つの略平行なローラーを回転させるために、モーターを回転させる、ことと、を含む、方法。
21.器具であって、
第1の螺旋状半径を有する螺旋形状の針であって、針はシャフトを有し、後端部からフィラメントを引き出す、螺旋形状の針と、
間に針のシャフトを係合するように構成された2つの略平行なローラーであって、第1のローラーは、針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有し、針が、第1のローラーの周りを旋回して、第1のローラーに隣接して配置された身体に穿孔し、フィラメントを身体に通して引き出すことを可能にする、2つの略平行なローラーと、
ローラーを逆回転可能に支持するように構成されたフレームであって、
駆動機構から延在する支持シャフトの遠位端を取り外し可能に受容するように構成された支持連結具と、
駆動機構から延在する駆動部材の遠位端を取り外し可能に受容するように構成された駆動連結具であって、駆動部材は、ローラーのうちの少なくとも1つに回転力を提供するように構成されている、駆動連結具と、を含む、フレームと、を備える、器具。
22.駆動機構に取り外し可能に係合するように構成された少なくとも1つの駆動部材を更に備える、第21項に記載の器具。
23.駆動部材が、ローラーのうちの1つの端部から延在し、駆動機構に取り外し可能に係合するように構成された切子端部を有するシャフトを含む、第21項に記載の器具。
24.フレームが供給トレーによって係合可能であり、供給トレーは、支持シャフトがフレームと係合し、フレームを供給トレーから取り外すことがない限り、フレームを定位置に保持するためにフレームに力を加えるように構成されている、第21項に記載の器具。
25.第1のローラーは、針のシャフトの第1の側面に転動可能に係合するように構成された平坦な表面を含み、
第2のローラーは、針のシャフトの第2の側面を少なくとも部分的に受容するように構成された溝を画定する溝付き表面を含む、第21項に記載の器具。
26.溝のピッチが、針の半径と第2のローラーの半径との比に従って、針のピッチと比例して一致している、第25項に記載の器具。
27.フレームが、支持連結具の反対側の端部に開放遠位端を含み、針は、針の後端部が開放遠位端からフィラメントを引き出すために開放遠位端に面した状態で、ローラー間に受容されている、第21項に記載の器具。
28.システムであって、
駆動機構であって、
ハウジングと、
ハウジングによって支持されるモーターと、
ハウジングから延在する支持シャフトと、
モーターと連結され、シャフトによって支持される駆動部材であって、駆動部材は、モーターから回転力を伝達するように構成されている、駆動部材と、を含む、駆動機構と、
縫合カートリッジであって、
第1の螺旋状半径を有する螺旋形状の針であって、針はシャフトを有し、後端部からフィラメントを引き出す、螺旋形状の針と、
間に針のシャフトを係合するように構成された2つの略平行なローラーであって、第1のローラーは、針の螺旋状半径よりも小さいローラー半径を有し、針が、第1のローラーの周りを旋回して、第1のローラーに隣接して配置された身体に穿孔し、フィラメントを身体に通して引き出すことを可能にする、2つの略平行なローラーと、
ローラーを逆回転可能に支持するように構成されたフレームであって、
支持シャフトの遠位端を取り外し可能に受容するように構成された支持連結具と、
駆動部材の遠位端を取り外し可能に受容し、回転力をローラーの少なくとも1つに伝達するように構成された駆動連結具と、を含む、フレームと、を含む、縫合カートリッジと、を備える、システム。
29.コントローラを更に含み、ユーザー入力に応答して、縫合コントローラは、針に少なくとも1回の旋回を完了させて単一の縫合を形成するために、何回か旋回を通してモーターを回転させる、第28項に記載のシステム。
30.シャフト及びハンドルの駆動カプラを交換可能に受容するように構成された複数の切換可能な縫合カートリッジを更に備える、第28項に記載のシステム。
31.複数の切換可能な縫合カートリッジが異なるサイズのカートリッジを含み、異なるサイズのカートリッジのそれぞれが、異なる螺旋状半径を有する針を支持し、複数の切換可能な縫合カートリッジのそれぞれが、異なるサイズの縫合を形成するように構成されている、第30項に記載のシステム。
32.異なるサイズのカートリッジの第1のローラーが、異なるローラー半径を有する、第31項に記載のシステム。
33.縫合カートリッジのそれぞれの駆動連結部が、針の螺旋状半径のサイズとは無関係に、針に少なくとも1回の旋回を完了させて単一の縫合を形成するように構成されている、第31項に記載のシステム。
34.駆動連結部が、駆動部材の切子端部を受容するために、ローラーのうちの1つと連結された少なくとも1つの切子部材を含む、第33項に記載のシステム。
35.第1のローラーは、針のシャフトの第1の側面に転動可能に係合するように構成された平坦な表面を含み、
第2のローラーは、針のシャフトの第2の側面を少なくとも部分的に受容するように構成された溝を画定する溝付き表面を含む、第28項に記載のシステム。
36.溝のピッチが、針の半径と第2のローラーの半径との比に従って、針のピッチと比例して一致している、第28項に記載のシステム。
37.縫合カートリッジが開放遠位端を含み、2つの略平行なローラーの端部が露出しており、針の後端部が、開放遠位端からフィラメントを引き出すために開放遠位端に面している、第28項に記載のシステム。
38.方法であって、
縫合カートリッジをモーター駆動部と係合させることであって、縫合カートリッジは、間に螺旋形状の針のシャフトを回転可能に係合させる一対の略平行なローラーを支持し、針は、第1のローラーの周りで回転可能であり、第1のローラーのローラー半径よりも大きい螺旋状半径を有して、針が、第1のローラーに隣接して配置された身体に穿孔し、そこを通って延在することを可能にする、ことと、
2つの略平行なローラーのうちの第1のローラーを身体に隣接して位置付けることと、
モーター駆動部に入力を提供することであって、入力は、針に少なくとも1回の旋回を完了させて単一の縫合を形成するために、モーター駆動部に2つの略平行なローラーを回転させる、ことと、を含む、方法。
39.複数の異なるサイズの縫合カートリッジのうちの1つから縫合カートリッジを選択することを更に含み、複数の縫合カートリッジのそれぞれが、異なる螺旋状半径を有する針を支持し、複数の切換可能な縫合カートリッジのそれぞれが、異なるサイズの縫合を形成するように構成されている、第38項に記載の方法。
40.モーター駆動部を選択された縫合カートリッジと連結することを更に含む、第39項に記載の方法。
【0071】
上に示した発明を実施するための形態は、本質的に単に例示的なものであり、請求項に係る主題の主旨及び/又は趣旨から逸脱しない変形が、請求項の範囲内にあることが意図されることが理解されよう。このような変形は、請求項に係る主題の趣旨及び範囲から逸脱するものとしてみなされない。
【外国語明細書】