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  • 特開-振り子式免震装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149547
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】振り子式免震装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20241010BHJP
   E04H 9/02 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
F16F15/02 L
E04H9/02 341A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024122891
(22)【出願日】2024-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】501241553
【氏名又は名称】牛場 清六
(72)【発明者】
【氏名】牛場 清六
【テーマコード(参考)】
2E139
3J048
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AB03
2E139AC04
2E139BB02
2E139BB10
2E139BB26
2E139BB34
2E139BB43
2E139BB52
3J048AA07
3J048BF10
3J048CB18
3J048DA07
3J048EA13
3J048EA38
(57)【要約】
【課題】免震対象物が軽量であっても応答する免震の技術および装置と、積層ゴムによる免震よりも安価な免震の技術および装置と、地震後すみやかに自動的に位置復元する免震の技術および装置を実現して提供することである
【解決手段】上記課題を解決するための手段は、水平を保ちながら揺動する支承機能を備えた振り子体をチェーン、ロープ等の自在性を有する部材とバネ、伸縮ベルト等の伸縮部材とで構成された吊り具にて吊り支持するようにしたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーン、ロープ等の自在性を有する部材と、バネ、伸縮ベルト等の引張部材とで構成された吊り具を装着された複数の支柱と、前記複数の支柱にて構成された振り子体の揺動空間に、水平面を保ちながら揺動する支承機能を備えた振り子体を、前記吊り具に装着したことを特徴とする振り子式の免震装置。
【請求項2】
請求項1を構成する振り子体の外縁に圧縮バネ、引張バネ、オイルダンパー、エアバッグ等のショックアブソーバーを設置したことを特徴とする振り子式の免震装置。
【請求項3】
請求項1を構成する吊り具に、水平面を保ちながら揺動する支承機能を備えた複数の振り子体を複層にして装着したことを特徴とする振り子式の免震装置。
【請求項4】
請求項1又は2の免震装置を複数用いて「入れ子構造」にしたことを特徴とする振り子式の免震装置。
【請求項5】
チェーン、ロープ等の自在性を有する部材とバネ、伸縮ベルト等の引張部材とで構成された吊り具を装着された門型支柱と、前記門型支柱にて構成された振り子体の揺動空間に、水平面を保ちながら揺動する支承機能を備えた振り子体を前記吊り具に装着したことを特徴とする振り子式の免震装置。
【請求項6】
請求項5を構成する振り子体に支柱を設置し、前記支柱にて支承機能を備えた天板を支持するようにしたことを特徴とする振り子式の免震装置。
【発明の詳細な説明】
【技述分野】
【0001】
本発明は、免震装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の免震技術のなかには「非特許文献1A。」のように免震対象物を浮かす、転がす、滑らす、柱を柔らかくするなどがある。
【0003】
上記、柱を柔らかくする技術のなかには、積層ゴムによる免震技術がある。(例えば非特許文献1B。)
【0004】
上記、浮かす技術のなかには「特許文献1」のように吊り支持するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許番号第2501648号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1A,1B】
「耐震、制震、免震が一番わかる」2012年11月25日発行、株式会社技術評論社 1A 126、127頁 1B 128、129頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した積層ゴムによる免震技術においては、免震対象物の設計、デザインの自由度が高いが、免震対象物の重量によっては免震機能が応答しないという問題があった。
【0008】
また、積層ゴムは高価であるため戸建住宅には採用しづらいという問題があった。
【0009】
余震が発生する仮設ハウスにおいても同様であった。
【0010】
上述した滑らす免震技術においては、地震後の位置復元ができない場合があった。
【0011】
上記問題より本発明の課題は以下の、
・免震対象物が軽量であっても応答する免震技術の提供。
・積層ゴム免震よりも安価な免震技術の提供。
・地震後、すみやかに、自動的に位置復元する免震技術の提供。
を実現することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための第1の手段は
チェーン、ロープ等の自在性を有する部材と、バネ、伸縮ベルト等の引張部材とで構成された吊り具を支柱に装着し、支柱にて構成される振り子体の揺動空間に設置される支承機能を備えた振り子体を吊り具に装着して吊り支持するようにしたものである。
【0013】
第2の解決手段は、
上記、第1の解決手段による構成にて吊り支持された振り子体の外縁に圧縮バネ、引張バネ、オイルダンパー、エアバック等のショックアブソーバーを設置するようにしたものである。
【0014】
第3の解決手段は、
上記、第1の解決手段による構成に用いられた吊り具に、複数の振り子体を複層にして装着することによりそれぞれの振り子体が時間差により揺動するようにしたものである。
【0015】
第4の解決手段は、
第1又は第2の解決手段により構成された免震装置を複数台用いて「入れ子構造」にしたものである。
【0016】
第5の解決手段は、
門型支柱に装着されたチェーン、ロープ等の自在性を備えた部材と、バネ、伸縮ベルト等の引張部材にて構成された吊り具にて水平を保ちながら揺動する支承機能を備えた振り子体を吊り支持するようにしたものである。
【発明の効果】
【0017】
上述した解決手段による効果は、
チェーン、ロープ等の自在性を有する部材と、バネ、伸縮ベルト等の引張部材とで構成された吊り具にて水平を保ちながら揺動する支承機能を備えた振り子体を吊り支持することにより地震発生時に揺動する振り子体の減衰および地震収束後の位置復元ができる。
【0018】
上記、吊り具を構成するチェーン、ロープ等の自在性を有する部材およびバネ、伸縮ベルト等の引張部材は必要強度に応じて市販品、量産品にて構成することにより特注品に比して安価にて提供できる。
【0019】
ひいては、戸建住宅への導入を促進させることができる。
【0020】
上記、吊り具を装着する支柱においては、
鉄、ステンレス等の金属のほか木材を用いることもできるゆえ支柱においても安価にて提供できる。
【0021】
上記、吊り具が装着された支柱は、増設、交換が容易にできる。
【0022】
また、吊り支持される振り子体においては、
形状、大きさ、重量の自由度が高いため、免震対象物が軽量の場合には、振り子体を重くすることにより効果的に応答させることができる。
【0023】
また、本発明の構成は、
家具、陳列棚の免震装置として用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】円盤型の振り子体を吊り支持した免震装置の斜視図。
図2】角型の振り子体の外縁に圧縮バネを装着した免震装置の斜視図。
図3】「入れ子構造」を用いた免震装置の構成図。
図4】振り子体を複層に装着した免震装置の斜視図。
図5】門型支柱にて支持された免震装置の斜視図。
図6】門型支柱にて支持された免震装置に天板を設けた斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図1図6に基づいて説明する。
【0026】
図1においては、
自在性を有するチェーン1と、引張機能を有するバネ2とで構成された吊り具3を装着された支柱4を複数用いて、複数の支柱にて構成された振り子体の揺動空間5に、水平を保ちながら揺動する振り子体6を吊り具3にて吊り支持するようにしたものである。
【0027】
上記、チェーン1はロープ、ベルトを用いることもできる。
【0028】
上記、引張機能を有するバネ2は伸縮ゴム、伸縮ベルトを用いることもできる。
【0029】
上記、支柱は金属、木材、コンクリート、石材にて構築することができる。
【0030】
上記、水平を保ちながら揺動する振り子体においては、金属、木材、鉄筋コンクリートにて構築することができる。
【0031】
図2においては、
振り子体6の外縁に、圧縮バネ7によるショックアブソーバーを設置するようにしたものである。
【0032】
上記、ショクアブソーバーは、引張バネ、オイルダンパー、エアバッグを用いることができる。
【0033】
図3においては、
免震装置を複数用いて「入れ構造」にしたものである。
【0034】
図4においては、
均等、又は近似させた重量の振り子体6を複層式に吊り具3に装着することにより地震エネルギーを受けて複層式のそれぞれの振り子体6a、6b、6cを時間差による揺動により減衰機能を生じるようにしたものである。
【0035】
図5においては、
門型支柱に装着された吊り具3にて角型環状の振り子体7を吊り支持するようにしたものである。
【0036】
図6においては、
上記、角型環状の振り子体7に支承機能を有する天板8を設置するようにしたものである。
【符号の説明】
【0037】
1 チェーン
2 バネ
3 吊り具
4 支柱
5 揺動空間
6、6a、6b、6c 振り子体
7 角型環状の振り子体
8 天板
図1
図2
図3
図4
図5
図6