(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149555
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】配線部材
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20241010BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20241010BHJP
H01B 7/08 20060101ALI20241010BHJP
B60R 16/02 20060101ALN20241010BHJP
【FI】
H02G3/04
H02G3/30
H01B7/08
B60R16/02 620J
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024123162
(22)【出願日】2024-07-30
(62)【分割の表示】P 2023036393の分割
【原出願日】2019-09-11
(31)【優先権主張番号】P 2019103110
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(72)【発明者】
【氏名】西村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】江端 大輔
(72)【発明者】
【氏名】水下 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】梅原 拓
(72)【発明者】
【氏名】石田 英敏
(72)【発明者】
【氏名】工藤 隆祐
(72)【発明者】
【氏名】中野 悠
(72)【発明者】
【氏名】荒井 健太
(57)【要約】
【課題】積層された複数の偏平な配線部材を作製し易くすることが可能な技術を提供する。
【解決手段】配線部材は、複数の線状伝送部材を備える。複数の線状伝送部材は、複数の線状伝送部材に関する所定条件に応じて、少なくとも、複数の第1線状伝送部材と、前記複数の第2線状伝送部材とにグループ分けされる。配線部材は、複数の第1線状伝送部材を含む第1偏平配線部材と、複数の第2線状伝送部材を含む第2偏平配線部材とを備える。第1偏平配線部材の少なくとも一部と、第2偏平配線部材の少なくとも一部とが積層されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の線状伝送部材を備える配線部材であって、
前記複数の線状伝送部材は、前記複数の線状伝送部材に関する所定条件に応じて、少なくとも、複数の第1線状伝送部材と、複数の第2線状伝送部材とにグループ分けされ、
前記複数の第1線状伝送部材を含む第1偏平配線部材と、
前記複数の第2線状伝送部材を含む第2偏平配線部材と
を備え、
前記第1偏平配線部材の少なくとも一部と、前記第2偏平配線部材の少なくとも一部とが積層されている、配線部材。
【請求項2】
請求項1に記載の配線部材であって、
前記複数の線状伝送部材は、前記複数の線状伝送部材の接続先に応じて、少なくとも、前記複数の第1線状伝送部材と、前記複数の第2線状伝送部材とにグループ分けされている、配線部材。
【請求項3】
請求項1に記載の配線部材であって、
前記複数の線状伝送部材は、前記複数の線状伝送部材の種類に応じて、少なくとも、前記複数の第1線状伝送部材と、前記複数の第2線状伝送部材とにグループ分けされている、配線部材。
【請求項4】
請求項2に記載の配線部材であって、
前記複数の第1線状伝送部材は、電源線あるいはグランド線を含み、
前記複数の第2線状伝送部材は、信号線を含む、配線部材。
【請求項5】
請求項2に記載の配線部材であって、
前記複数の第1線状伝送部材は、車両の少なくとも一つの標準搭載品に接続され、
前記複数の第2線状伝送部材は、前記車両の少なくとも一つのオプション品に接続される、配線部材。
【請求項6】
請求項2に記載の配線部材であって、
前記複数の第1線状伝送部材は、第1エリアに位置する少なくとも一つの第1接続対象部に接続され、
前記複数の第2線状伝送部材は、前記第1エリアとは異なる第2エリアに位置する少なくとも一つの第2接続対象部に接続される、配線部材。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記複数の第1線状伝送部材は、前記第1偏平配線部材と前記第2偏平配線部材とを区別可能な色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含む、配線部材。
【請求項8】
請求項7に記載の配線部材であって、
前記複数の第1線状伝送部材は、前記複数の第2線状伝送部材の少なくとも一つと異なる色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含む、配線部材。
【請求項9】
請求項8に記載の配線部材であって、
前記複数の第1線状伝送部材は、前記複数の第2線状伝送部材のそれぞれと異なる色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含む、配線部材。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記第1偏平配線部材は、前記複数の第1線状伝送部材に含まれる複数の第3線状伝送部材が曲がる曲がり部を有し、
前記曲がり部では、前記複数の第3線状伝送部材のうち最小径の第3線状伝送部材が最も内側に位置する、配線部材。
【請求項11】
請求項10に記載の配線部材であって、
前記曲がり部では、径が大きいほど外側に位置するように前記複数の第3線状伝送部材が配置されている、配線部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、偏平な配線部材に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数の配線が必要とされる場合には、偏平な配線部材が積層されることが考えられる。この場合、積層された複数の偏平な配線部材を作製し易くすることが望まれる。
【0005】
そこで、積層された複数の偏平な配線部材を作製し易くすることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配線部材は、複数の線状伝送部材を備える配線部材であって、前記複数の線状伝送部材は、前記複数の線状伝送部材に関する所定条件に応じて、少なくとも、複数の第1線状伝送部材と、複数の第2線状伝送部材とにグループ分けされ、前記複数の第1線状伝送部材を含む第1偏平配線部材と、前記複数の第2線状伝送部材を含む第2偏平配線部材とを備え、前記第1偏平配線部材の少なくとも一部と、前記第2偏平配線部材の少なくとも一部とが積層されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、積層された第1及び第2偏平配線部材を備える配線部材を作製し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態に係る配線部材の一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は実施形態に係る配線部材の一例を示す断面図である。
【
図3】
図3は実施形態に係る配線部材の一例を示す断面図である。
【
図4】
図4は実施形態に係る配線部材の一例を示す断面図である。
【
図5】
図5は実施形態に係る配線部材の一例を示す断面図である。
【
図6】
図6は実施形態に係る配線部材の一例を示す平面図である。
【
図7】
図7は実施形態に係る配線部材の一例を示す平面図である。
【
図8】
図8は実施形態に係る配線部材の一例を示す平面図である。
【
図9】
図9は実施形態に係る線形伝送部材の色の一例を説明するための図である。
【
図10】
図10は実施形態に係る線形伝送部材の色の一例を説明するための図である。
【
図11】
図11は実施形態に係る偏平配線部材の一例を示す平面図である。
【
図12】
図12は実施形態に係る偏平配線部材の一例を示す平面図である。
【
図13】
図13は実施形態に係る偏平配線部材の一例を示す平面図である。
【
図14】
図14は実施形態に係る偏平配線部材の一例を示す平面図である。
【
図15】
図15は実施形態に係る配線部材の一例を示す断面図である。
【
図16】
図16は実施形態に係る配線部材の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の配線部材は、次の通りである。
【0011】
(1)複数の線状伝送部材を備える配線部材であって、前記複数の線状伝送部材は、前記複数の線状伝送部材に関する所定条件に応じて、少なくとも、複数の第1線状伝送部材と、複数の第2線状伝送部材とにグループ分けされ、前記複数の第1線状伝送部材を含む第1偏平配線部材と、前記複数の第2線状伝送部材を含む第2偏平配線部材とを備え、前記第1偏平配線部材の少なくとも一部と、前記第2偏平配線部材の少なくとも一部とが積層されている、配線部材である。本開示によると、同じグループの複数の線状伝送部材が同じ偏平配線部材に含められることから、積層された第1及び第2偏平配線部材を備える配線部材の作製し易くなる。
【0012】
(2)前記複数の線状伝送部材は、前記複数の線状伝送部材の接続先に応じて、少なくとも、前記複数の第1線状伝送部材と、前記複数の第2線状伝送部材とにグループ分けされてもよい。この場合、積層された第1及び第2偏平配線部材を配策し易くなる。
【0013】
(3)前記複数の線状伝送部材は、前記複数の線状伝送部材の種類に応じて、少なくとも、前記複数の第1線状伝送部材と、前記複数の第2線状伝送部材とにグループ分けされてもよい。この場合、同じ種類の線状伝送部材を同じ偏平配線部材に含めることができるため、積層された第1及び第2偏平配線部材を備える配線部材の作製し易くなる。
【0014】
(4)前記複数の第1線状伝送部材は、電源線あるいはグランド線を含み、前記複数の第2線状伝送部材は、信号線を含んでもよい。この場合、信号線は、比較的電流が多く流れる電源線あるいはグランド線とは別の偏平配線部材に含まれるため、信号線が電源線あるいはグランド線からの影響を受け難い。その結果、信号線にノイズが発生し難い。
【0015】
(5)前記複数の第1線状伝送部材は、車両の少なくとも一つの標準搭載品に接続され、前記複数の第2線状伝送部材は、前記車両の少なくとも一つのオプション品に接続されてもよい。この場合、オプション品は、標準搭載部品とは別の偏平配線部材に含まれる線状伝送部材と接続されるため、配線部材を作製する場合に、オプション品の有無に簡単に対応することができる。よって、配線部材を作製し易くなる。
【0016】
(6)前記複数の第1線状伝送部材は、第1エリアに位置する少なくとも一つの第1接続対象部に接続され、前記複数の第2線状伝送部材は、前記第1エリアとは異なる第2エリアに位置する少なくとも一つの第2接続対象部に接続されてもよい。この場合、第1及び第2偏平配線部材の線状伝送部材は、互いに異なるエリアに位置する接続対象部に接続されるため、積層された第1及び第2偏平配線部材を配策し易くなる。
【0017】
(7)前記複数の第1線状伝送部材は、前記第1偏平配線部材と前記第2偏平配線部材とを区別可能な色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含んでもよい。この場合、第1偏平配線部材と第2偏平配線部材とを区別することが可能となるため、第1及び第2偏平配線部材の積層工程において正確な積み重ねがなされ得る。
【0018】
(8)前記複数の第1線状伝送部材は、前記複数の第2線状伝送部材の少なくとも一つと異なる色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含んでもよい。この場合、第1偏平配線部材と第2偏平配線部材とを区別し易くなることから、第1及び第2偏平配線部材の積層工程において正確な積み重ねがなされ得る。
【0019】
(9)前記複数の第1線状伝送部材は、前記複数の第2線状伝送部材のそれぞれと異なる色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含んでもよい。この場合、第1偏平配線部材と第2偏平配線部材とをさらに区別し易くなることから、第1及び第2偏平配線部材の積層工程において正確な積み重ねがなされ得る。
【0020】
(10)前記第1偏平配線部材は、前記複数の第1線状伝送部材に含まれる複数の第3線状伝送部材が曲がる曲がり部を有し、前記曲がり部では、前記複数の第3線状伝送部材のうち最小径の第3線状伝送部材が最も内側に位置する。この場合、曲がり部では、最小径の第3線状伝送部材よりも外側の径が大きい第3線状伝送部材の曲げ半径を大きくすることができる。よって、径が大きい第3線状伝送部材が曲げ易くなる。
【0021】
(11)前記曲がり部では、径が大きいほど外側に位置するように前記複数の第3線状伝送部材が配置されている。この場合、第3線状伝送部材の径が大きいほど、第3線状伝送部材の曲げ半径を大きくすることができる。よって、複数の第3線状伝送部材が曲げ易くなる。
【0022】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線部材の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内におけるすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
以下、実施形態に係る配線部材について説明する。
図1は、配線部材1を示す概略平面図である。配線部材1は、積層された複数の偏平配線部材10を備える。複数の偏平配線部材10は、例えば、自動車の車両に搭載される複数の部品をつなぐ部材である。本例では、配線部材1は、積層された3つの偏平配線部材10A,10B,10Cを備える。配線部材1が備える積層された複数の偏平配線部材10の数は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。配線部材1が備える複数の偏平配線部材10の少なくとも一つは、分岐したり、曲がったりしてもよい。
図1の例では、偏平配線部材10B及び10Cのそれぞれが曲がっている。
【0024】
配線部材1は、偏平配線部材10A,10B,10Cが積層された積層部分2を備える。積層部分2では、偏平配線部材10Aの少なくとも一部と、偏平配線部材10Bの少なくとも一部と、偏平配線部材10Cの少なくとも一部とが積層されている。本例の積層部分2では、偏平配線部材10Aの一部と、偏平配線部材10Bの一部と、偏平配線部材10Cの一部とが積層されている。
【0025】
図2は積層部分2の概略断面図である。各偏平配線部材10は、複数の線状伝送部材11及びシート12を備える。線状伝送部材11は、電気または光等を伝送する線状の部材である。本例では、線状伝送部材11は、芯線と、当該芯線を覆う絶縁被覆とを含む電線である。芯線は、金属等の導電部材によって形成された線状導体である。芯線は1本または複数本の素線で構成される。絶縁被覆は、芯線の周囲を覆う絶縁部分である。線状伝送部材11は、電線以外に、裸導線、シールド線、ツイスト線、エナメル線、ニクロム線あるいは光ファイバ等であってもよい。
図2の例では、複数の線状伝送部材11の径は互いに同じである。
【0026】
シート12は、複数の線状伝送部材11を偏平な形態に保つシート状の部材である。シート12は、樹脂等によって形成される。シート12は、金属を含んでいてもよい。シート12は、不織シートを含んでもよい。シート12の一方主面に複数の線状伝送部材11が並列状態で固定される。シート12に対する線状伝送部材11の固定は、溶着、接着あるいは粘着等によってなされる。溶着は、超音波溶着であってもよいし、加熱溶着であってもよい。複数の線状伝送部材11がシート12の一方主面に固定されることによって、複数の線状伝送部材11が平たい状態に保たれる。
【0027】
偏平配線部材10は、上記例に限られない。複数の線状伝送部材11は、平たい枠部材等によって偏平状態に保たれていてもよい。複数の線状伝送部材11が偏平な形態となるように並列された形態で直接接合されていてもよい。また、偏平配線部材10は、FCC(Flexible Flat Cable)及びFPC(Flexible printed circuit)等のように、複数の線状導体が絶縁部材によって相互に絶縁された状態で偏平状態に保たれたものであってもよい。すなわち、偏平配線部材10は、複数の線状導体が、相互に絶縁された状態で偏平な形態に保持され、全体として幅よりも厚みが小さく形成された配線部材であってもよい。
【0028】
積層部分2では、
図2に示されるように、偏平配線部材10A、10B,10Cがこの順で積層されている。そして、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11と、偏平配線部材10Bのシート12とが重なっており、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11と偏平配線部材10Cのシート12とが重なっている。
【0029】
偏平配線部材10には、互いに径が異なる複数の線状伝送部材11が含まれてもよい。
図3の例では、偏平配線部材10A及び10Bのそれぞれは、比較的径の大きい線状伝送部材11aと、比較的径の小さい線状伝送部材11bとを含む。偏平配線部材10Cは、比較的径の大きい線状伝送部材11aを含まず、比較的径の小さい線状伝送部材11bを含む。
図3の例では、偏平配線部材10に含まれる複数の線状伝送部材11の径の種類は2種類であるが、3種類以上であってもよい。
【0030】
また、積層された2つの偏平配線部材10において、一方の偏平配線部材10の複数の線状伝送部材11と、他方の偏平配線部材10の複数の線状伝送部材11とが重なってもよい。
図3の例では、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11と、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11とが重なっている。
【0031】
図2の例では、積層部分2の断面視において、積層された2つの偏平配線部材10の境界線は直線となっているが、曲がっていてもよい。
図3~5は、積層された2つの偏平配線部材10の境界線が曲がっている場合の積層部分2の断面構造例を示す図である。
【0032】
図3の例では、偏平配線部材10Aに含まれる径が小さい線状伝送部材11bによって偏平配線部材10Aに凹んだ空間が生じている。また、偏平配線部材10Bに含まれる径が大きい線状伝送部材11aによって偏平配線部材10Bに出っ張り部分が生じている。そして、偏平配線部材10Aの凹んだ空間内に、偏平配線部材10Bの出っ張り部分が配置されている。これにより、積層された2つの偏平配線部材10A及びBの境界線20は直線ではなく曲がっている。
【0033】
図4の例では、シート12が柔軟に変形可能となっており、偏平配線部材10Bのシート12が、偏平配線部材10Aに含まれる径の小さい線状伝送部材11bによって生じる凹んだ空間に応じて変形している。これにより、積層された2つの偏平配線部材10A及びBの境界線は直線ではなく曲がっている。
【0034】
図5の例では、偏平配線部材10Aの幅方向の両端部が同じ方向に折り曲げられることによって生じる凹んだ空間に、偏平配線部材10Bに含まれる複数の線状伝送部材11bが配置されることによって、境界線20が曲がっている。
【0035】
なお、積層部分2には、偏平配線部材10Aのすべてが含まれてもよい。つまり、積層部分2では、偏平配線部材10Aのすべてと、偏平配線部材10Bの少なくとも一部と、偏平配線部材10Cの少なくとも一部とが積層されてもよい。また、積層部分2には、偏平配線部材10Bのすべてが含まれてもよいし、偏平配線部材10Cのすべてが含まれてもよい。また、積層部分2は曲がった部分を有してもよい。
【0036】
また、偏平配線部材10は、それが備える複数の線状伝送部材11の少なくとも一つの少なくとも一方端に接続されたコネクタを備えてもよい。また、配線部材1は積層コネクタを備えてもよい。この場合、積層コネクタには、偏平配線部材10Aの少なくとも一つの線状伝送部材11が接続されたコネクタと、偏平配線部材10Bの少なくとも一つの線状伝送部材11が接続されたコネクタと、偏平配線部材10Cの少なくとも一つの線状伝送部材11が接続されたコネクタとが含まれてもよい。
【0037】
積層部分2において、複数の偏平配線部材10を積層状態に保つ構造は特に限定されない。例えば、積層部分2の周囲に粘着テープ等の結束部材が巻き付けられる構成が採用されてもよい。また、複数の偏平配線部材10がそれらの間に介在する接着剤あるいは両面テープ等によって接着されてもよい。また、複数の偏平配線部材10の両側部のシート12が溶着、粘着テープあるいは接着剤等によって接合されること、あるいはクランプ等によって重ね合わせ状態に保たれる構成が採用されてもよい。
【0038】
ここで、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、当該複数の線状伝送部材11に関する所定条件に応じて複数のグループに分けられている。本例では、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、複数の線状伝送部材11を含む第1グループと、複数の線状伝送部材11を含む第2グループと、複数の線状伝送部材11を含む第3グループとに分けられている。そして、偏平配線部材10Aは第1グループの複数の線状伝送部材11を含み、偏平配線部材10Bは第2グループの複数の線状伝送部材11を含み、偏平配線部材10Cは第3グループの複数の線状伝送部材11を含む。なお、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、2つのグループに分けられてもよいし、4つ以上のグループに分けられてもよい。
【0039】
このように、本例では、積層された複数の偏平配線部材10について、同じグループの複数の線状伝送部材11が同じ偏平配線部材10に含められる。これにより、積層された複数の偏平配線部材10を備える配線部材1を作製し易くなる。
【0040】
配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、例えば、当該複数の線状伝送部材11の接続先に応じて、第1グループ、第2グループ及び第3グループに分けられる。以下に、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11が接続先に応じてグループ分けされる場合の各偏平配線部材10の接続先の例について説明する。
【0041】
配線部材1は、例えば、車両内の複数の接続対象部に接続される。配線部材1が接続される複数の接続対象部は複数の接続対象グループ30に分けられている。複数の接続対象グループ30は、例えば、少なくとも一つの接続対象部を含む接続対象グループ30Aと、少なくとも一つの接続対象部を含む接続対象グループ30Bと、少なくとも一つの接続対象部を含む接続対象グループ30Cとを含む(
図1参照)。
【0042】
配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、接続対象グループ30Aの接続対象部に接続される複数の線状伝送部材11を含む第1グループと、接続対象グループ30Bの接続対象部に接続される複数の線状伝送部材11を含む第2グループと、接続対象グループ30Cの接続対象部に接続される複数の線状伝送部材11を含む第3グループとに分けられている。したがって、偏平配線部材10Aは、接続対象グループ30Aの接続対象部に接続される複数の線状伝送部材11を含み、偏平配線部材10Bは、接続対象グループ30Bの接続対象部に接続される複数の線状伝送部材11を含み、偏平配線部材10Cは、接続対象グループ30Cの接続対象部に接続される複数の線状伝送部材11を含む。
【0043】
偏平配線部材10Aに含まれる複数の線状伝送部材11の一端は、接続対象グループ30Aに含まれる少なくとも一つの接続対象部に接続される。偏平配線部材10Bに含まれる複数の線状伝送部材11の一端は、接続対象グループ30Bに含まれる少なくとも一つの接続対象部に接続される。偏平配線部材10Cに含まれる複数の線状伝送部材11の一端は、接続対象グループ30Cに含まれる少なくとも一つの接続対象部に接続される。複数の接続対象グループ30の数は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0044】
このように、本例では、積層された複数の偏平配線部材10が、互いに異なる複数の接続対象グループ30にそれぞれ接続される。つまり、積層された複数の偏平配線部材10のそれぞれについて、偏平配線部材10に含まれる複数の線状伝送部材11を、同じ接続対象グループ30の接続対象部に接続することができる。これにより、積層された複数の偏平配線部材10のそれぞれを配策し易くなる。以下に、複数の接続対象部のグループ分けの例について説明する。
【0045】
図6はグループ分けの一例を説明するための図である。
図6の例では、接続対象グループ30Aには、車両に搭載された回路の電源を出力する接続対象部が含まれる。例えば、接続対象グループ30Aには、電源ボックス130Aが含まれる。本例では、偏平配線部材10Aの各線状伝送部材11は電源線となる。
【0046】
接続対象グループ30Bには、偏平配線部材10Bの各線状伝送部材11を接地するための接続対象部が含まれる。例えば、接続対象グループ30Bには、接地された金属ボディ130Bが含まれる。本例では、偏平配線部材10Aの各線状伝送部材11はグランド線となる。
【0047】
接続対象グループ30Cには、信号の出力及び信号の入力の少なくとも一方が行われる接続対象部が含まれる。例えば、接続対象グループ30Cには、コントローラ130Cが含まれる。本例では、偏平配線部材10Cの各線状伝送部材11は信号線となる。コントローラ130Cには、例えばECU(Electronic Control Unit)が含まれる。
【0048】
偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11の一端は、電源ボックス130Aに接続される。本例では、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11の一端にコネクタ13Aが接続されている。コネクタ13Aは、電源ボックス130Aが有するコネクタ131Aに接続される。これにより、電源ボックス130Aが出力する電源が、偏平配線部材10Aの各線状伝送部材11に与えられる。
【0049】
偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11の一端は、金属ボディ130Bに接続される。本例では、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11の一端にはアース端子13Bが接続されている。アース端子13Bはネジ止め等で金属ボディ130Bに固定される。これにより、偏平配線部材10Bの各線状伝送部材11は接地される。
【0050】
偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11の一端は、コントローラ130Cに接続される。本例では、偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11の一端にコネクタ13Cが接続されている。コネクタ13Cは、コントローラ130Cが有するコネクタ131Cに接続される。コネクタ131Cに出力端子が含まれる場合には、コントローラ130Cが出力する信号(例えば、回路を制御するための制御信号)が偏平配線部材10Cの線状伝送部材11に与えられる。また、コネクタ131Cに入力端子が含まれる場合には、偏平配線部材10Cの線状伝送部材11が伝達する信号(例えば、センサの検出信号)がコントローラ130Cに入力される。
【0051】
なお、接続対象グループには、複数の接続対象部が含まれてもよい。この場合、互いに近い位置に存在する複数の接続対象部が接続対象グループに含まれてもよい。
【0052】
例えば、接続対象グループ30Aには、複数の電源ボックス130Aが含まれてもよい。この場合、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11が複数の枝部に分岐され、当該複数の枝部が複数の電源ボックス130Aにそれぞれ接続されてもよい。また、接続対象グループ30Aに含まれる電源を出力する接続対象部は電源ボックス130A以外であってもよい。
【0053】
接続対象グループ30Bには、接地された複数の接続対象部が含まれてもよい。この場合、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11が複数の枝部に分岐され、当該複数の枝部が、接地された複数の接続対象部にそれぞれ接続されてもよい。
【0054】
接続対象グループ30Cには、複数のコントローラが含まれてもよい。この場合、偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11が複数の枝部に分岐され、当該複数の枝部が複数のコントローラにそれぞれ接続されてもよい。接続対象グループ30Cには、コントローラ以外が含まれてもよい。例えば、接続対象グループ30Cには、信号を出力する少なくとも一つのセンサが含まれてもよい。
【0055】
図6の例に係る配線部材1では、信号線が、比較的多くの電流が流れる電源線とは別の偏平配線部材10に含まれている。これにより、信号線が電源線からの影響を受け難い。よって、信号線にノイズが発生し難い。
【0056】
また
図6の例では、信号線が、比較的多くの電流が流れるグランド線とは別の偏平配線部材10に含まれている。これにより、信号線がグランド線からの影響を受け難い。よって、信号線にノイズが発生し難い。
【0057】
図7はグループ分けの他の例を説明するための図である。
図7の例では、接続対象グループ30Aには、車両の標準搭載品230Aが含まれる。標準搭載品230Aは、例えば、ルームランプ、ハザードランプ、速度等を示すデジタルメータ、エアコンディショナーあるいはエアバック機構等の機器である。
【0058】
接続対象グループ30Bには、車両のオプション品230Bが含まれる。ここで、オプション品には、標準搭載品に追加して車両に搭載される機器だけではなく、標準搭載品に替えて搭載される機器も含まれる。オプション品はオプション機器とも呼ばれる。標準搭載品に追加して車両に搭載される機器としては、例えば、フォグランプ、ドライブレコーダ、ETC(Electronic Toll Collection System)車載器あるいはバックモニターカメラが考えられる。標準搭載品に替えて搭載される機器としては、例えば、標準搭載されるカーナビゲーション機器よりも性能が良いカーナビゲーション機器、標準搭載されるオーディオ機器よりも性能が良いオーディオ機器、あるいは標準搭載されるハロゲンヘッドライトの替わりに搭載されるLED(Light Emitting Diode)ヘッドライト等が考えられる。オプション品230Bは、標準搭載品に追加して車両に搭載される機器であってもよし、標準搭載品に替えて搭載される機器であってもよい。
【0059】
接続対象グループ30Cには、オプション品230Bとは異なるオプション品230Cが含まれる。オプション品230Cは、標準搭載品に追加して車両に搭載される機器であってもよし、標準搭載品に替えて搭載される機器であってもよい。車両の標準搭載品及びオプション品の種類は、車種、グレード等によって変化する。
【0060】
偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11の一端は、標準搭載品230Aに接続される。本例では、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11の一端にコネクタ13Aが接続されている。コネクタ13Aは、標準搭載品230Aが有するコネクタ231Aに接続される。
【0061】
偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11の一端は、オプション品230Bに接続される。本例では、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11の一端にコネクタ13BBが接続されている。コネクタ13BBは、オプション品230Bが有するコネクタ231Bに接続される。
【0062】
偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11の一端は、オプション品230Cに接続される。本例では、偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11の一端にコネクタ13Cが接続されている。コネクタ13Cは、オプション品230Cが有するコネクタ231Cに接続される。
【0063】
なお、接続対象グループ30には、複数の標準搭載品が含まれてもよい。この場合、互いに近い位置に存在する複数の標準搭載品が接続対象グループ30に含まれてもよい。また、接続対象グループ30には、複数のオプション品が含まれてもよい。この場合、互いに近い位置に存在する複数のオプション品が接続対象グループ30に含まれてもよい。
【0064】
例えば、接続対象グループ30Aには、複数の標準搭載品が含まれてもよい。この場合、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11が複数の枝部に分岐され、当該複数の枝部が複数の標準搭載品にそれぞれ接続されてもよい。同様に、接続対象グループ30Bには複数のオプション品が含まれてもよいし、接続対象グループ30Cには複数のオプション品が含まれてもよい。
【0065】
図7の例に係る配線部材1では、オプション品が、標準搭載品とは別の偏平配線部材10の線状伝送部材11に接続される。これにより、配線部材1を作製する場合に、オプション品の有無に簡単に対応することができる。よって、配線部材1を容易に作製することができる。例えば、オプション品230Cが搭載されない場合には、偏平配線部材10Cを配線部材1に搭載しないことによって、オプション品230Cの有無に簡単に対応することができる。
【0066】
図8はグループ分けの他の例を説明するための図である。
図8には、配線部材1が車両のルーフ500に配策される様子が示されている。
図8の例では、接続対象部が位置するエリアに応じて、複数の接続対象部がグループ分けされている。
【0067】
接続対象グループ30Aに含まれる接続対象部は、ルーフ500の前方エリア510に位置する。接続対象グループ30Aには、例えば、ルーフ500の前方エリア510に位置するルームランプが含まれる。偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11の一端は、前方エリア510に位置するルームランプに接続される。偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11の一端は、前方エリア510に位置する複数の接続対象部に接続されてもよい。
【0068】
接続対象グループ30Bに含まれる接続対象部は、ルーフ500の中央エリア520に位置する。接続対象グループ30Bには、例えば、ルーフ500の中央エリア520に位置するルームランプが含まれる。偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11の一端は、中央エリア520に位置するルームランプに接続される。偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11の一端は、中央エリア520に位置する複数の接続対象部に接続されてもよい。
【0069】
接続対象グループ30Cに含まれる接続対象部は、ルーフ500の後方エリア530に位置する。接続対象グループ30Cには、例えば、ルーフ500の後方エリア530に位置するアンテナが含まれる。偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11の一端は、後方エリア530に位置するアンテナに接続される。偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11の一端は、後方エリア530に位置する複数の接続対象部に接続されてもよい。
【0070】
なお、接続対象グループ30に含まれる接続対象部の位置は上記の例に限られない。例えば、接続対象グループ30Aに含まれる接続対象部は、車両の前方のインストルメントパネルに位置してもよい。また、接続対象グループ30Aに含まれる接続対象部は、車両の後方のパネルに位置してもよい。
【0071】
図8の例に係る配線部材1では、複数の偏平配線部材10の線状伝送部材11は、互いに異なるエリアに位置する接続対象部に接続されることから、積層された複数の偏平配線部材10を配策し易くなる。
【0072】
上記の例では、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、接続先に応じて複数のグループに分けられているが、他の条件に応じて複数のグループに分けられてもよい。例えば、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、複数の線状伝送部材11の種類に応じて複数のグループに分けられてもよい。これにより、同じ種類の複数の線状伝送部材11を同じ偏平配線部材10に含めることができる。よって、積層された複数の偏平配線部材10を備える配線部材1を作製し易くなる。以下に、この場合の複数の例について説明する。
【0073】
配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、例えば、線状伝送部材11の径に応じて複数グループに分けられてもよい。例えば、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、径が大きい複数の線状伝送部材11を含む第1グループと、径が中程度の複数の線状伝送部材11を含む第2グループと、径が小さい複数の線状伝送部材11を含む第3グループとに分けられてもよい。この場合、第1グループに含まれる径が大きい複数の線状伝送部材11は偏平配線部材10Aに含められる。また、第2グループに含まれる径が中程度の複数の線状伝送部材11は偏平配線部材10Bに含められる。そして、第3グループに含まれる径が小さい複数の線状伝送部材11は偏平配線部材10Cに含められる。
【0074】
また、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、線状伝送部材11の芯線の材料に応じて複数グループに分けられてもよい。この場合、複数のグループには、例えば、芯線がアルミニウムで構成された複数の線状伝送部材11を含む第1グループと、芯線が銅で構成された複数の線状伝送部材11を含む第2グループとが含まれてもよい。なお、第3グループには、例えば、芯線の径が同じ複数の線状伝送部材11が含められてもよい。
【0075】
また、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、線状伝送部材11の芯線の形状に応じて複数グループに分けられてもよい。この場合、複数のグループには、例えば、芯線が撚り線である複数の線状伝送部材11を含む第1グループと、芯線が単線である複数の線状伝送部材11を含む第2グループとが含められてもよい。なお、第3グループには、例えば、芯線の径が同じ複数の線状伝送部材11が含められてもよい。
【0076】
また、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、線状伝送部材11の芯線を構成する金属の圧縮率に応じて複数グループに分けられてもよい。例えば、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11は、芯線を構成する金属の圧縮率が高い複数の線状伝送部材11を含む第1グループと、芯線を構成する金属の圧縮率が中程度の複数の線状伝送部材11を含む第2グループと、芯線を構成する金属の圧縮率が低い複数の線状伝送部材11を含む第3グループに分けられてもよい。
【0077】
なお、配線部材1が備える複数の線状伝送部材11が、線状伝送部材11の種類に応じて複数のグループに分けられる場合には、配線部材1が接続される複数の接続対象部は複数の接続対象グループ30に分けられなくてもよい。
【0078】
<線状伝送部材が示す色について>
次に、偏平配線部材10が備える線状伝送部材11が示す色、つまり線状伝送部材11の外周面の色について説明する。本例では、線状伝送部材11は、芯線と、当該芯線を覆う絶縁被覆とを含む電線であることから、線状伝送部材11が示す色とは、芯線を覆う絶縁被覆の外周面の色であると言える。
【0079】
偏平配線部材10に含まれる複数の線状伝送部材11が示す色は同じであってもよい。この場合、複数の偏平配線部材10の間で、線状伝送部材11が示す色が同じであってもよいし、異なっていてもよい。前者の場合には、配線部材1が備えるすべての線状伝送部材11が示す色が同じとなる。この場合、配線部材1が備える各線状伝送部材11が示す色は、黒色であってもよいし、その他の色であってもよい。
【0080】
図9は線状伝送部材11が示す色の一例を説明するための図である。
図9及び後述の
図10では、説明の便宜上、偏平配線部材10A,10B,10Cが積層されずに離れて示されている。
図9及び後述の
図10では、同じ色を示す複数の線状伝送部材11には同じハッチングが示されており、異なる色を示す複数の線状伝送部材11には異なるハッチングが示されている。
【0081】
図9の例では、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11が示す色は同じとなっている。また、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11が示す色は同じとなっている。また、偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11が示す色は同じとなっている。一方で、複数の偏平配線部材10A,10B,10Cの間では、線状伝送部材11が示す色は異なっている。偏平配線部材10Aの各線状伝送部材11が示す色は例えば黒色である。偏平配線部材10Bの各線状伝送部材11が示す色は例えば赤色である。偏平配線部材10Cの各線状伝送部材11が示す色は例えば青色である。
【0082】
ここで、偏平配線部材10Aに着目する。
図9の例では、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11のそれぞれと異なる色を示す線状伝送部材11を含んでいる。これにより、偏平配線部材10Aは偏平配線部材10Bと区別することが可能である。したがって、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Aと偏平配線部材10Bとを区別可能な色を示す線状伝送部材11を含んでいると言える。また、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11のそれぞれと異なる色を示す線状伝送部材11を含んでいる。これにより、偏平配線部材10Aは偏平配線部材10Cと区別することが可能である。したがって、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Aと偏平配線部材10Cとを区別可能な色を示す線状伝送部材11を含んでいると言える。
【0083】
同様にして偏平配線部材10Bに着目すると、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Bと偏平配線部材10Aとを区別可能な色を示す線状伝送部材11を含んでいると言える。また、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Bと偏平配線部材10Cとを区別可能な色を示す線状伝送部材11を含んでいると言える。
【0084】
同様にして偏平配線部材10Cに着目すると、偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Cと偏平配線部材10Aとを区別可能な色を示す線状伝送部材11を含んでいると言える。また、偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Cと偏平配線部材10Bとを区別可能な色を示す線状伝送部材11を含んでいると言える。
【0085】
図10は線状伝送部材11が示す色の他の一例を説明するための図である。
図10の例では、複数の偏平配線部材10A,10B,10Cのそれぞれには、複数の偏平配線部材10A,10B,10Cの間で共通の色を示す線状伝送部材11cが含まれている。線状伝送部材11cが示す色は例えば黒色である。
【0086】
また、複数の偏平配線部材10A,10B,10Cのそれぞれには、他の偏平配線部材10に含まれる各線状伝送部材11と異なる色を示す線状伝送部材11が含まれている。
【0087】
偏平配線部材10Aには、偏平配線部材10Bに含まれる各線状伝送部材11及び偏平配線部材10Cに含まれる各線状伝送部材11とは異なる色を示す1つの線状伝送部材11dが含まれている。線状伝送部材11dが示す色は例えば赤色である。偏平配線部材10Aには、2つ以上の線状伝送部材11dが含まれてもよい。
【0088】
偏平配線部材10Bには、偏平配線部材10Aに含まれる各線状伝送部材11及び偏平配線部材10Cに含まれる各線状伝送部材11とは異なる色を示す2つの線状伝送部材11eが含まれている。線状伝送部材11eが示す色は例えば青色である。偏平配線部材10Bには、1つの線状伝送部材11eが含まれてもよいし、3つ以上の線状伝送部材11eが含まれてもよい。
【0089】
偏平配線部材10Cには、偏平配線部材10Aに含まれる各線状伝送部材11及び偏平配線部材10Bに含まれる各線状伝送部材11とは異なる色を示す3つの線状伝送部材11fが含まれている。線状伝送部材11fが示す色は例えば黄色である。偏平配線部材10Bには、3つ未満の線状伝送部材11fが含まれてもよいし、4つ以上の線状伝送部材11fが含まれてもよい。
【0090】
ここで、偏平配線部材10Aに着目する。
図10の例では、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Bの線状伝送部材11eと異なる色を示す線状伝送部材11dを含んでいる。これにより、偏平配線部材10Aは偏平配線部材10Bと区別することが可能である。したがって、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Aと偏平配線部材10Bとを区別可能な色を示す線状伝送部材11dを含んでいると言える。また、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Cの線状伝送部材11fと異なる色を示す線状伝送部材11dを含んでいる。これにより、偏平配線部材10Aは偏平配線部材10Cと区別することが可能である。したがって、偏平配線部材10Aの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Aと偏平配線部材10Cとを区別可能な色を示す線状伝送部材11dを含んでいると言える。
【0091】
同様にして偏平配線部材10Bに着目すると、
図10の例では、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Bと偏平配線部材10Aとを区別可能な色を示す線状伝送部材11eを含んでいると言える。また、偏平配線部材10Bの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Bと偏平配線部材10Cとを区別可能な色を示す線状伝送部材11eを含んでいると言える。
【0092】
同様にして偏平配線部材10Cに着目すると、
図10の例では、偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Cと偏平配線部材10Aとを区別可能な色を示す線状伝送部材11fを含んでいると言える。また、偏平配線部材10Cの複数の線状伝送部材11は、偏平配線部材10Cと偏平配線部材10Bとを区別可能な色を示す線状伝送部材11fを含んでいると言える。
【0093】
なお、
図10の例において、偏平配線部材10Aと偏平配線部材10Bとを区別することに着目すれば、偏平配線部材10A及び偏平配線部材10Bのどちらか一方に含まれるすべての線状伝送部材11が同じ色であってもよい。同様に、偏平配線部材10Aと偏平配線部材10Cとを区別することに着目すれば、偏平配線部材10A及び偏平配線部材10Cのどちらか一方に含まれるすべての線状伝送部材11が同じ色であってもよい。同様に、偏平配線部材10Bと偏平配線部材10Cとを区別することに着目すれば、偏平配線部材10B及び偏平配線部材10Cのどちらか一方に含まれるすべての線状伝送部材11は同じ色であってもよい。
【0094】
以上のように、
図9及び10の例では、積層される2つの偏平配線部材10において、一方の偏平配線部材10の複数の線状伝送部材11が、当該一方の偏平配線部材10と他方の偏平配線部材10とを区別可能な色を示す少なくとも一つの線状伝送部材11を含んでいる。これにより、当該2つの偏平配線部材を区別することができる。その結果、複数の偏平配線部材10の積層工程において複数の偏平配線部材が正確に積み重ねられ得る。例えば、複数の偏平配線部材10を積み重ねる順番を間違ったり、積み重ねる複数の偏平配線部材10の種類を間違ったりすることが抑制される。
【0095】
また、上記の例のように、積層される2つの偏平配線部材10において、一方の偏平配線部材10の複数の線状伝送部材11が、他方の偏平配線部材10の複数の線状伝送部材11の少なくとも一つと異なる色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含んでいる場合には、当該2つの偏平配線部材10を区別し易くなる。よって、複数の偏平配線部材10の積層工程において複数の偏平配線部材が正確に積み重ねられ得る。
【0096】
また、上記の例のように、積層される2つの偏平配線部材10において、一方の偏平配線部材10の複数の線状伝送部材11が、他方の偏平配線部材10の複数の線状伝送部材11のそれぞれと異なる色を示す少なくとも一つの線状伝送部材11を含んでいる場合には、当該2つの偏平配線部材10をさらに区別し易くなる。よって、複数の偏平配線部材10の積層工程において複数の偏平配線部材が正確に積み重ねられ得る。
【0097】
なお、偏平配線部材10に含まれる線状伝送部材11が示す色の具体例は上記の例に限られない。
【0098】
<偏平配線部材での複数の線状伝送部材の配置について>
偏平配線部材10では、共通の特徴を有する複数の線状伝送部材11が連続的に並列配置されてもよい。
図11は、偏平配線部材10において、共通の特徴を有する複数の線状伝送部材11が連続的に並列配置されている様子の一例を示す概略平面図である。
図11に示される偏平配線部材10には、径の大きさが異なる複数種類の線状伝送部材11が含まれる。例えば、偏平配線部材10には、径が大きい複数の線状伝送部材11gと、径が小さい複数の線状伝送部材11hとが含まれてもよい。この場合、偏平配線部材10では、径が大きい複数の線状伝送部材11gが連続的に並列配置され、径が小さい複数の線状伝送部材11hが連続的に並列配置される。なお、偏平配線部材10には、径の大きさが異なる3種類以上の線状伝送部材11が含まれてもよい。
【0099】
図11の例のように、偏平配線部材10において、径が同じ複数の線状伝送部材11が連続的に並列配置される場合には、当該複数の線状伝送部材11を同時に配策することが可能となる。よって、偏平配線部材10を作製し易くなる。
【0100】
図12は、偏平配線部材10において、共通の特徴を有する複数の線状伝送部材11が連続的に並列配置されている様子の他の一例を示す概略平面図である。
図12に示される偏平配線部材10には、互いに色が異なる複数種類の線状伝送部材11が含まれる。言い換えれば、偏平配線部材10には、絶縁被膜の外周面の色が異なる複数種類の線状伝送部材11が含まれる。例えば、偏平配線部材10には、黒色の複数の線状伝送部材11iと、赤色の複数の線状伝送部材11jとが含まれてもよい。この場合、偏平配線部材10では、
図12に示されるように、複数の線状伝送部材11iが連続的に並列配置され、複数の線状伝送部材11jが連続的に並列配置される。なお、偏平配線部材10には、黒色及び赤色以外の色を示す線状伝送部材11が含まれてもよい。また、偏平配線部材10には、互いに色が異なる3種類以上の線状伝送部材11が含まれてもよい。
【0101】
図13は、偏平配線部材10において、共通の特徴を有する複数の線状伝送部材11が連続的に並列配置されている様子の他の一例を示す概略平面図である。
図13に示される偏平配線部材10には、芯線の種類が異なる複数種類の線状伝送部材11が含まれる。例えば、偏平配線部材10には、芯線の材料が異なる複数種類の線状伝送部材11が含まれてもよい。例えば、偏平配線部材10には、芯線がアルミニウムで構成された複数の線状伝送部材11kと、芯線が銅で構成された複数の線状伝送部材11lとが含まれてもよい。この場合、偏平配線部材10では、複数の線状伝送部材11kが連続的に並列配置され、複数の線状伝送部材11lが連続的に並列配置される。なお、偏平配線部材10には、芯線がアルミニウム及び銅以外の材料で構成された線状伝送部材11が含まれてもよい。
【0102】
偏平配線部材10には、芯線の形状が異なる複数種類の線状伝送部材11が含まれてもよい。例えば、偏平配線部材10には、芯線が撚り線の複数種類の線状伝送部材11kと、芯線が単線の複数の線状伝送部材11lとが含まれてもよい。また、偏平配線部材10には、芯線を構成する金属の圧縮率が異なる複数種類の線状伝送部材11が含まれてもよい。例えば、偏平配線部材10には、芯線を構成する金属の圧縮率が高い複数種類の線状伝送部材11kと、芯線を構成する金属の圧縮率が低い複数の線状伝送部材11lとが含まれてもよい。また、偏平配線部材10には、芯線の種類が異なる3種類以上の線状伝送部材11が含まれてもよい。
【0103】
<偏平配線部材の曲がり部での線状伝送部材の配置について>
偏平配線部材10が、複数の線状伝送部材11が曲がる曲がり部100を備える場合には、曲がり部100では、最小径の線状伝送部材11が最も内側に位置してもよい。曲がり部100には、偏平配線部材10が備える複数の線状伝送部材11のすべてが含まれてもよいし、当該複数の線状伝送部材11の一部だけが含まれてもよい。
【0104】
図14は曲がり部100の一例を示す概略平面図である。
図14の例では、偏平配線部材10の曲がり部100には、湾曲する線状伝送部材11m,11n,11o,11pが含まれる。線状伝送部材11m,11n,11o,11pの径はこの順で大きくなっている。曲がり部100では、最小径の線状伝送部材11mが最も内側に位置している。そして、曲がり部100では、径が大きいほど外側に位置するように線状伝送部材11m,11n,11o,11pが配置されている。よって、最大径の線状伝送部材11pは最も外側に位置する。
【0105】
このように、曲がり部100では、複数の線状伝送部材11m,11n,11o,11pのうち最小径の線状伝送部材11mが最も内側に位置する。これにより、線状伝送部材11mよりも外側の径が大きい線状伝送部材11n,11o,11pの曲げ半径を大きくすることができる。径が大きい線状伝送部材11n,11o,11pの曲げ半径を大きくすることによって、径が大きい線状伝送部材11n,11o,11pが曲げ易くなる。よって、曲がり部100を有する偏平配線部材10を作製し易くなる。
【0106】
また、
図14の例のように、曲がり部100において、径が大きいほど外側に位置するように複数の線状伝送部材11m,11n,11o,11pが配置される場合、曲がり部100では、線状伝送部材11の径が大きいほど、線状伝送部材11の曲げ半径を大きくすることができる。よって、複数の線状伝送部材11m,11n,11o,11pが曲げ易くなる。
【0107】
また、曲がり部100において、径が大きいほど外側に位置するように複数の線状伝送部材11m,11n,11o,11pが配置される場合には、
図14に示されるように、曲がり部100において、複数の線状伝送部材11m,11n,11o,11pをつめて配置し易くなる。これにより、曲がり部100が占めるスペースを小さくすることができる。よって、偏平配線部材10の配策スペースを小さくすることができる。
【0108】
なお、偏平配線部材10の曲がり部100には、径が同じ複数の線状伝送部材11が含まれてもよい。例えば、曲がり部100に複数の線状伝送部材11mが含まれる場合には、複数の線状伝送部材11mは最も内側から外側にかけて連続的に並列配置される。また、曲がり部100に複数の線状伝送部材11pが含まれる場合には、複数の線状伝送部材11pは最も外側から内側にかけて連続的に並列配置される。
【0109】
また、複数の線状伝送部材11m,11n,11o,11pのうち、最小径の線状伝送部材11m以外の線状伝送部材11についての曲がり部100での配置位置は
図14の例に限られない。例えば、線状伝送部材11oを曲がり部100の最も外側に配置してもよい。また、線状伝送部材11oを線状伝送部材11mの隣に配置してもよい。
【0110】
また、配線部材1の積層部分2が、線状伝送部材11の長手方向に沿って曲がる曲がり部200を備える場合には、曲がり部200において、最小径の線状伝送部材11を備える偏平配線部材10を最も内側に配置してもよい。
【0111】
図15は配線部材1の積層部分2の一例を示す概略断面図である。
図15の例では、偏平配線部材10A,10B,10Cのそれぞれは、同じ径の複数の線状伝送部材11を備えている。また、偏平配線部材10A,10B,10Cの間では、線状伝送部材11の径が異なっている。偏平配線部材10Aは最小径の線状伝送部材11qを備える。偏平配線部材10Bは、2番目に径が小さい線状伝送部材11rを備える。偏平配線部材10Cは最大径の線状伝送部材11sを備える。
【0112】
図16は、
図15に示される積層部分2が備える曲がり部200の一例を示す概略側面図である。
図16に示される曲がり部200では、最小径の線状伝送部材11qを備える偏平配線部材10Aが最も内側に位置する。また、曲がり部200では、径が2番目に小さい線状伝送部材11rを備える偏平配線部材10Bが真ん中に位置する。そして、曲がり部200では、最大径の線状伝送部材11sを備える偏平配線部材10Cが最も外側に位置する。
【0113】
このように、曲がり部200では、最小径の線状伝送部材11qを備える偏平配線部材10Aが最も内側に位置する。これにより、線状伝送部材11qよりも外側の径が大きい線状伝送部材11r,11sの曲げ半径を大きくすることができる。径が大きい線状伝送部材11r,11sの曲げ半径を大きくすることによって、径が大きい線状伝送部材11r,11sが曲げ易くなる。よって、曲がり部200を有する配線部材1を作製し易くなる。
【0114】
また、
図16の例のように、曲がり部200において、偏平配線部材10が備える線状伝送部材11の径が大きいほど偏平配線部材10が外側に位置する場合、線状伝送部材11の径が大きいほど線状伝送部材11の曲げ半径を大きくすることができる。よって、複数の線状伝送部材11q,11r,11sが曲げ易くなる。
【0115】
なお、曲がり部200には、線状伝送部材11の径が同じである複数の偏平配線部材10が含まれてもよい。例えば、曲がり部200に、それぞれが線状伝送部材11qを備える複数の偏平配線部材10Aが含まれる場合には、複数の偏平配線部材10Aは最も内側から外側にかけて連続的に配置される。また、曲がり部200に、それぞれが線状伝送部材11sを備える複数の偏平配線部材10Cが含まれる場合には、複数の偏平配線部材10Cは最も外側から内側にかけて連続的に配置される。
【0116】
また、偏平配線部材10A,10B,10Cのうち、最小径の線状伝送部材11qを備える偏平配線部材10A以外の偏平配線部材10についての曲がり部200での配置位置は
図16の例に限られない。例えば、偏平配線部材10Bは、曲がり部200の最も外側に設けられてもよい。
【0117】
以上のように、配線部材1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0118】
1 配線部材
2 積層部分
10,10A,10B,10C 偏平配線部材
11,11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g,11h,11i,11j,11k,11l,11m,11n,11o,11p,11q,11r,11s 線状伝送部材
12 シート
13A,13BB,13C コネクタ
13B アース端子
20 境界線
30,30A,30B,30C,231A,231B,231C 接続対象グループ
100,200 曲がり部
130A 電源ボックス
130B 金属ボディ
130C コントローラ
230A 標準搭載品
230B,230C オプション品
500 ルーフ
510 前方エリア
520 中央エリア
530 後方エリア
【手続補正書】
【提出日】2024-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の線状伝送部材を備える配線部材であって、
前記複数の線状伝送部材は、前記複数の線状伝送部材の芯線の材料に応じて、あるいは当該芯線が拠り線か単線かに応じて、少なくとも、複数の第1線状伝送部材と、複数の第2線状伝送部材とにグループ分けされ、
前記複数の第1線状伝送部材を含む第1偏平配線部材と、
前記複数の第2線状伝送部材を含む第2偏平配線部材と
を備え、
前記第1偏平配線部材の少なくとも一部と、前記第2偏平配線部材の少なくとも一部とが積層されており、
前記第1偏平配線部材は、前記複数の第1線状伝送部材が、相互に絶縁された状態で扁平な形態に保持され、全体として幅よりも厚みが小さく形成されており、
前記第2偏平配線部材は、前記複数の第2線状伝送部材が、相互に絶縁された状態で扁平な形態に保持され、全体として幅よりも厚みが小さく形成されている、配線部材。
【請求項2】
請求項1に記載の配線部材であって、
前記複数の第1線状伝送部材は、前記第1偏平配線部材と前記第2偏平配線部材とを区別可能な色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含む、配線部材。
【請求項3】
請求項2に記載の配線部材であって、
前記複数の第1線状伝送部材は、前記複数の第2線状伝送部材の少なくとも一つと異なる色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含む、配線部材。
【請求項4】
請求項3に記載の配線部材であって、
前記複数の第1線状伝送部材は、前記複数の第2線状伝送部材のそれぞれと異なる色を示す少なくとも一つの線状伝送部材を含む、配線部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記第1偏平配線部材は、前記複数の第1線状伝送部材に含まれる複数の第3線状伝送部材が曲がる曲がり部を有し、
前記曲がり部では、前記複数の第3線状伝送部材のうち最小径の第3線状伝送部材が最も内側に位置する、配線部材。
【請求項6】
請求項5に記載の配線部材であって、
前記曲がり部では、径が大きいほど外側に位置するように前記複数の第3線状伝送部材が配置されている、配線部材。