(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149572
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241010BHJP
A63F 13/822 20140101ALN20241010BHJP
【FI】
A63F13/69 500
A63F13/822
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024123593
(22)【出願日】2024-07-30
(62)【分割の表示】P 2023071774の分割
【原出願日】2019-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(57)【要約】
【課題】チームを構成する複数のプレイヤに報酬を分配する際に各プレイヤに不要な又は必要性の低い報酬が付与される可能性を低減させる。
【解決手段】本発明の一形態である情報処理装置(例えば、ユーザ管理サーバ10)は、複数のプレイヤを含むチームが対象ゲームに定められた所定条件を達成した場合に、該チームに属するプレイヤが所持しているオブジェクトの属性と前記対象ゲームに定められている報酬の属性との関係性を特定する特定部(例えば、特定部430)と、前記特定部により特定される前記関係性に基づいて、複数の前記プレイヤのそれぞれに前記報酬を分配する分配部(例えば、分配部440)と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤを含むチームが対象ゲームに定められた所定条件を達成した場合に、該チームに属するプレイヤが所持しているオブジェクトの属性と前記対象ゲームに定められている報酬の属性との関係性を特定する特定部と、
前記特定部により特定される前記関係性に基づいて、複数の前記プレイヤのそれぞれに前記報酬を分配する分配部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記報酬が前記プレイヤに分配された場合に前記オブジェクトにもたらす効果の大きさに基づいて前記関係性を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記プレイヤによる使用頻度が所定の閾値以上の前記オブジェクトの属性を用いて前記関係性を特定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、前記使用頻度が前記閾値以上である前記オブジェクトから、前記報酬が前記プレイヤに分配されても前記効果が発生し得ない前記オブジェクトを除外して前記関係性を特定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
対象ゲームに定められた所定条件を複数のプレイヤを含むチームが達成した場合に、該チームに属する少なくとも1人のプレイヤが所持しているオブジェクトの属性と前記対象ゲームに定められている報酬の属性との関係性を特定し、
前記関係性に基づいて、前記複数のプレイヤのそれぞれに前記報酬を分配する、
処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元以上の表示ができるディスプレイを用いた電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
クエストのマルチプレイが可能なオンラインの電子ゲームが知られている。例えば、特許文献1には、マルチプレイによりクエストがクリアされた場合に、当該マルチプレイに参加した各プレイヤに対し各プレイヤの貢献度に応じたクリア報酬を付与する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子ゲームのクリア報酬には、複数種類のアイテムが含まれる場合がある。あるチームに属する複数のプレイヤが当該電子ゲームをマルチプレイによりクリアした場合に、当該クリア報酬に含まれる個々のアイテムを当該チームに属する複数のプレイヤのいずれかにそれぞれ割り当てる必要がある。
【0005】
クリア報酬が複数のプレイヤに均等に又はランダムに分配される場合、少なくとも一部のプレイヤに当該プレイヤが必要としていないアイテムが付与される可能性がある。また、クリア報酬が特許文献1記載の手法のように貢献度に応じて付与される場合にも、少なくとも一部のプレイヤに当該プレイヤが必要としていないアイテムが付与される可能性がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、チームを構成する複数のプレイヤに報酬を分配する際に各プレイヤに不要な又は必要性の低い報酬が付与される可能性を低減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一形態である情報処理装置は、複数のプレイヤを含むチームが対象ゲームに定められた所定条件を達成した場合に、該チームに属するプレイヤが所持しているオブジェクトの属性と前記対象ゲームに定められている報酬の属性との関係性を特定する特定部と、前記特定部により特定される前記関係性に基づいて、複数の前記プレイヤのそれぞれに前記報酬を分配する分配部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一形態である情報処理プログラムは、対象ゲームに定められた所定条件を複数のプレイヤを含むチームが達成した場合に、該チームに属する少なくとも1人のプレイヤが所持しているオブジェクトの属性と前記対象ゲームに定められている報酬の属性との関係性を特定し、前記関係性に基づいて、前記複数のプレイヤのそれぞれに前記報酬を分配する、処理をコンピュータに実行させる。なお、上記情報処理プログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に非一時的に記録されていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、チームを構成する複数のプレイヤに報酬を分配する際に各プレイヤに不要な又は必要性の低い報酬が付与される可能性が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】システムのネットワーク構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図2】サーバ装置の電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図3】ユーザ装置の電気的構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図4】ユーザ管理サーバの機能構成を例示するブロック図である。(実施例)
【
図5】データベース構成を例示する説明図である。(実施例)
【
図6】データベース構成を例示する説明図である。(実施例)
【
図7】マルチプレイの実行手順を例示するシーケンス図である。(実施例)
【
図8】攻略報酬の分配手順を例示するフロー図である。(実施例)
【
図10】第2分配手法による分配例の説明図である。(実施例)
【
図11】第2分配手法による分配例の説明図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1.実施形態]
[1-1.前提]
本実施形態は、2次元以上の表示ができるディスプレイを用いた電子ゲームに関する。実施形態に係る電子ゲームでは、複数のプレイヤを含むチームが対象ゲームに定められた所定条件を達成した場合に、当該対象ゲームに定められている報酬が当該チームに属する複数のプレイヤのそれぞれに分配される。
【0012】
上記電子ゲームは、複数のステージを含んでいてもよい。各ステージには、一律でない難易度が設定されていてもよい。
【0013】
上記対象ゲームは、上記電子ゲームそのもの、又は、上記電子ゲームに含まれる個別のステージのうちいずれか、を指す。上記対象ゲームには、単数又は複数の報酬規定が設定されていている。各報酬規定には、所定の報酬がプレイヤに付与される条件(付与条件)と、当該条件が達成された場合にプレイヤに付与される報酬の内容(付与内容)と、が設定されているのが好ましい。
【0014】
上記付与条件は、対象ゲームに挑戦することでもよいし、対象ゲームにおいて所定の成績を収めることでもよいし、対象ゲームを攻略(クリア)することでもよい。対象ゲームを攻略するとは、例えば、当該ゲームに登場する所定の敵オブジェクト(敵キャラクタ)を倒すことである。所定の敵オブジェクトを倒すとは、例えば、当該敵オブジェクトに種々の攻撃を加え、当該敵オブジェクトを所定の状態に変化させることである。所定の状態は、例えば、所定のパラメータが減少して所定値以下になった状態である。
【0015】
オブジェクトは、上記電子ゲーム内に登場しプレイヤによる操作対象となるゲーム内要素である。上記オブジェクトは、例えば、画面上の外観と変動し得る状態(ステータス)が設定されたキャラクタである。上記キャラクタは、動作キャラクタと、動作キャラクタの状態に変化を加える装備アイテムを包含する。動作キャラクタの外観は、例えば、人物,動物,機械,怪獣などの外観である。動作キャラクタの状態は、例えば、HP(Hit Point),SP(Skill Point),攻撃力,防御力,経験値,レベル等の値として表現される。装備アイテムの外観は、例えば、武器,アクセサリなどの外観である。装備アイテムの状態は、例えば、攻撃力,防御力等の値として表現される。各動作キャラクタには、動作キャラクタの種類を特定可能な属性が設定されているのが好ましい。各装備アイテムには、装備アイテムの種類を特定可能な属性が設定されているのが好ましい。
【0016】
上記付与内容は、付与対象及び付与数量を含む。上記付与内容は、固定の内容でもよいし、上記対象ゲームをプレイした成績に応じて変動する内容でもよい。
【0017】
上記付与対象は、アイテムを含んでいてよい。上記アイテムは、上記電子ゲーム内に登場し上記オブジェクトに対して所定の効果をもたらすために用いられるゲーム内要素である。上記アイテムは、例えば、画面上の外観と上記効果の内容とが設定された合成素材である。合成素材の外観は、例えば、雫,宝石などの外観である。上記効果の内容は、例えば、上記動作キャラクタ又は上記装備アイテムの状態を変化させることである。変化量は、変化数として設定されていてもよいし、変化割合として設定されていてもよい。上記変化は、一時的な変化でもよいし、恒久的な変化でもよい。各合成素材には、合成素材の種類を特定可能な属性が設定されているのが好ましい。各合成素材は、対応する種類のオブジェクトに対して上記効果をもたらすのが好ましい。
【0018】
以上をまとめると、本実施形態に係る電子ゲームでは、複数のプレイヤを含むチームが対象ゲームに設定されている規定(報酬規定)に係る付与条件(所定条件)を達成した場合に、当該規定に係る付与内容として定められている付与対象(報酬)が付与数量の分だけ当該チームに付与され、さらに、当該付与対象が当該チームに属する複数のプレイヤのそれぞれに分配される。
【0019】
[1-2.主要な特徴]
本実施形態では、プレイヤに不要な又は必要性の低い報酬が付与される可能性を低減させるため、情報処理装置が特定部と分配部とを備える。特定部は、複数のプレイヤを含むチームが対象ゲームに定められた所定条件を達成した場合に、当該チームに属するプレイヤが所持しているオブジェクトの属性と当該対象ゲームに定められている報酬の属性との関係性を特定する。分配部は、上記特定部により特定される上記関係性に基づいて、複数の上記プレイヤのそれぞれに上記報酬を分配する。
【0020】
上記電子ゲームがクライアントサーバ方式の情報処理システムにおいて提供される場合、実施形態に係る情報処理装置は、複数のクライアント側装置に通信ネットワークを介して上記電子ゲームを提供可能なサーバ側装置として構成される。この場合、クライアント側装置は、ゲームセンター等に設置される業務用ゲーム機(アーケードゲーム機)でもよいし、各プレイヤが所持する個人用ゲーム機でもよい。個人用ゲーム機は、据置型のゲーム機でもよいし、携帯型のゲーム機でもよい。据置型のゲーム機及び携帯型のゲーム機は、専用のゲーム機でもよいし、汎用の端末でもよい。
【0021】
上記電子ゲームがスタンドアロン型のゲーム装置により提供される場合、当該ゲーム装置が実施形態に係る情報処理装置に相当する。この場合、ゲーム装置は、ゲームセンター等に設置される業務用ゲーム機(アーケードゲーム機)でもよいし、各プレイヤが所持する個人用ゲーム機でもよい。個人用ゲーム機は、据置型のゲーム機でもよいし、携帯型のゲーム機でもよい。据置型のゲーム機及び携帯型のゲーム機は、専用のゲーム機でもよいし、汎用の端末でもよい。
【0022】
[1-3.任意の限定事項]
(1)上記特定部は、上記報酬が上記プレイヤに分配された場合に上記オブジェクトにもたらす上記効果の大きさに基づいて上記関係性を特定してもよい。例えば、上記特定部は、上記効果が大きいほど上記関係性が強いものと評価してもよい。これにより、必要度の高い報酬が各プレイヤに付与されやすくなる。
【0023】
(2)上記特定部は、上記プレイヤによる使用頻度が所定の閾値以上の上記オブジェクトの属性を用いて上記関係性を特定してもよい。換言すれば、上記特定部は、上記プレイヤによる使用頻度が上記閾値未満の上記オブジェクトの属性を用いないで上記関係性を特定してもよい。使用頻度が高いオブジェクトは、各プレイヤにとって育成の対象である可能性が高い。そのため、使用頻度が上記閾値以上であるオブジェクトに対して上記効果をもたらす報酬が当該オブジェクトを使用するプレイヤに優先的に付与されるように構成すれば、より必要度の高い報酬が各プレイヤに付与されやすくなる。なお、オブジェクトごとの使用頻度は、各プレイヤに係るプレイ履歴を参照することにより特定可能である。
【0024】
(3)上記特定部は、上記使用頻度が上記閾値以上である上記オブジェクトから、上記報酬が上記プレイヤに分配されても上記効果が発生し得ない上記オブジェクトを除外して、上記関係性を特定してもよい。例えば、設定上の上限まで育成されたオブジェクトには、上記効果が発生し得ない。そのため、上記関係性の特定に当たり上記効果が発生し得ないオブジェクトが除外されるように構成すれば、必要度の低い報酬が各プレイヤに付与されにくくなる。
【実施例0025】
[2.実施例]
[2-1.概要]
本実施例は、少なくとも一部がオンラインで提供されるゲームサービス(実施例のサービス)に関する。実施例のサービスでは、プレイヤに対し、パーティを構成する複数の動作キャラクタ(オブジェクト)をプレイヤが操作して、ゲーム内に用意されている複数のステージ(対象ゲーム)に順次挑戦していくロールプレイングゲーム(電子ゲーム)が提供される。以下では、当該ステージを「クエスト」と呼ぶ。
【0026】
各動作キャラクタは、属性や状態により他の動作キャラクタと区別され得る。各動作キャラクタの各状態は、クエストのプレイの他、装備アイテム(オブジェクト)の装備や合成素材(報酬)の合成によりプレイヤに有利な方向に変化し得る。以下では、動作キャラクタの有利な変化を「成長」と呼ぶ。また、プレイヤが自身が保有する動作キャラクタを成長させる手続を「育成」と呼ぶ。
【0027】
各装備アイテムは、属性や状態により他の装備アイテムと区別され得る。各装備アイテムの各状態は、合成素材(報酬)の合成によりプレイヤに有利な方向に変化し得る。以下では、装備アイテムの有利な変化を「進化」と呼ぶ。また、プレイヤが自身が保有する装備アイテムを進化させる手続を「強化」と呼ぶ。
【0028】
クエストのプレイには、1人のプレイヤが単独で挑戦するソロプレイ(通常プレイ)と、2人~4人のプレイヤが協同して挑戦するマルチプレイ(協同プレイ)と、の2通りのプレイ形態がある。マルチプレイでは、当該マルチプレイを主催して仲間を募集するホストと当該募集に応募して当該マルチプレイに参加するゲストとにより協同関係(チーム)が形成され、プレイの進行がプレイヤ間で同期される。
【0029】
各クエストには、攻略報酬に関する規定(報酬規定)が設定されている。各規定には、報酬が付与される条件(付与条件)と報酬の内容(付与内容)が定められている。付与条件(所定条件)は、クエストの攻略である。付与内容は、付与されるアイテムの種類(付与対象)と付与される数量(付与数量)を含む。アイテムは、仮想価値と合成素材を包含する。例えば、あるクエストがあるパーティ(チーム)によりマルチプレイで攻略された場合に、当該クエストの攻略報酬たるアイテムは当該パーティに付与される。パーティに付与されるアイテムは、当該マルチプレイに参加した複数のプレイヤに分配される。仮想価値は、例えば、全プレイヤに平等に分配される。合成素材は、原則として、全プレイヤにランダムに分配される。以下の説明では、合成素材をランダムに分配する手法を「第1分配手法」と呼ぶ。
【0030】
[2-2.特徴]
実施例のサービスでは、プレイヤに必要性の低い合成素材(報酬)が付与される可能性を低減させるため、あるクエストがマルチプレイで攻略された場合、当該クエストの攻略報酬として当該マルチプレイに挑戦したパーティに付与される合成素材を、当該パーティに係るチームに属するプレイヤによる使用頻度が所定の閾値以上である動作キャラクタ又は装備アイテムの属性と当該合成素材の属性との関係性に基づいて、複数の当該プレイヤに分配する。以下の説明では、合成素材を関係性に基づいて分配する手法を「第2分配手法」と呼ぶ。
【0031】
上記関係性の特定に際し、上記合成素材が上記プレイヤに分配された場合に上記動作キャラクタを成長させ又は上記装備アイテムを進化させる度合いの大きさ(オブジェクトにもたらす効果の大きさ)が考慮される。実施例のサービスでは、上記度合いが大きいほど上記関係性が強いものと評価される。また、設定上の上限まで既に成長している動作キャラクタ(上記効果が発生し得ないオブジェクト)及び設定上の上限まで既に進化している装備アイテム(上記効果が発生し得ないオブジェクト)は、上記関係性の特定に際し除外される。これらにより、必要度の高い合成素材が各プレイヤに付与されやすくなり、かつ、必要度の低い合成素材が各プレイヤに付与されにくくなる。
【0032】
[2-3.実施例のシステムの構成]
[2-3-1.ネットワーク構成]
(1)概要
図1は、実施例のシステムのネットワーク構成を例示する。実施例のシステムは、実施例のサービスをユーザに提供する。
【0033】
図1に例示されるように、実施例のシステムは、実施例のサービスのユーザを管理するユーザ管理サーバ10と、実施例のサービスに関連するデータを管理するデータ管理サーバ20と、複数のユーザがそれぞれ使用する複数のユーザ端末30(30-1,30-2,…30-n)(n:自然数)と、を含む。
【0034】
ユーザ管理サーバ10とユーザ端末30は、通信ネットワーク40を通じてデータの授受が可能である。データ管理サーバ20は、内蔵する又は外部の接続可能なストレージ21にアクセス可能である。ユーザ管理サーバ10は、データ管理サーバ20を介してストレージ21に記憶されるデータにアクセス可能である。
【0035】
通信ネットワーク40は、インターネット(Internet),携帯電話網,無線WAN(Wireless Wide Area Network),無線LAN(Wireless Local Area Network),イーサネット(Ethernet)(登録商標)などの既存のネットワークのうち少なくともいずれかを含んでいてよい。
【0036】
(2)ユーザ管理サーバ
ユーザ管理サーバ10は、Webサーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。ユーザ管理サーバ10は、要求(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ20にストレージ21から必要なデータを取得させ、要求元に提供(レスポンス)する。また、ユーザ管理サーバ10は、要求(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ20にストレージ21へ必要なデータを登録させる。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ユーザ管理サーバ10の機能を分担させ又はユーザ管理サーバ10にかかる負荷を分散させてもよい。
【0037】
(3)データ管理サーバ
データ管理サーバ20は、DB(Data Base)サーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。データ管理サーバ20とストレージ21は、DBMS(Data Base Management System)を構成する。データ管理サーバ20は、要求(リクエスト)に応じて、ストレージ21から必要なデータを取得し、要求元に提供(レスポンス)する。また、データ管理サーバ20は、要求(リクエスト)に応じて、ストレージ21へ必要なデータを登録する。ストレージ21は、実施例のサービスに関連するデータを記憶する記憶装置である。なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、データ管理サーバ20の機能を分担させ又はデータ管理サーバ20にかかる負荷を分散させてもよい。
【0038】
(4)ユーザ端末
ユーザ端末30は、所定のゲームプログラムがインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。本実施例では、ユーザ装置として、プログラムをインストール可能な汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),ウェアラブルデバイス(wearable device)など)や汎用の処理装置(例えば、PC(personal computer)など)を用いることができる。
【0039】
[2-3-2.電気的構成]
(1)サーバ装置の電気的構成
図2は、サーバ装置の電気的構成を例示する。
図2に例示されるサーバ装置は、CPU
(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置210と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置220と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置230と、マウスやキーボードを含む入力装置240と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置250と、ネットワークカード(Network InterfaceCard)を含む通信制御装置260と、を有する。なお、CPUの代わりにMPU(Micro-Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等の装置を用いてもよい。
【0040】
主記憶装置220,補助記憶装置230,入力装置240,出力装置250及び通信制御装置260は、バスラインを介して制御処理装置210とそれぞれ接続される。制御処理装置210は、(1)補助記憶装置230に記憶されたプログラムを主記憶装置220上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置240と補助記憶装置230と通信制御装置260との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置230と出力装置250と通信制御装置260との少なくともいずれかに提供する。
【0041】
(2)ユーザ装置の電気的構成
図3は、ユーザ装置の電気的構成を例示する。
図3に例示されるユーザ装置は、制御処理部を構成するDSP311と、主記憶部を構成するRAM321と、補助記憶部を構成するROM322及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)323と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ331と、音声出力部を構成するスピーカ332と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)341及び無線LAN(Local Area Network)チップ342と、を少なくとも有する。
【0042】
RAM321、ROM322、EEPROM323、タッチパネルディスプレイ331、スピーカ332、NIC341及び無線LANチップ342は、バスラインを介してDSP311とそれぞれ接続される。DSP311は、(1)ROM322又はEEPROM323に記憶されたプログラムをRAM321上に読み込み、(2)プログラムの指示に従ってタッチパネルディスプレイ331とEEPROM323とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM323とタッチパネルディスプレイ331とスピーカ332とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかに提供する。
【0043】
[2-3-3.機能構成]
(1)概要
ユーザ管理サーバ10及びデータ管理サーバ20の機能は、サーバ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するプログラム(情報処理プログラム)とがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。サーバ装置にインストールされるべきプログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に非一時的に記録された状態で配布され当該記録媒体からサーバ装置に読み込まれてもよいし、通信ネットワーク40又はその他の通信ネットワークを介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給されてもよい。
【0044】
ユーザ端末30の機能は、ユーザ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するゲームプログラム(制御プログラム)がユーザ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。なお、ゲームプログラムに代えて、上記ユーザ装置向けOS上で動作するWebブラウザプログラムと当該Webブラウザプログラム上で動作するゲームプログラム(プラグイン)がユーザ装置にそれぞれインストールされることによってもユーザ端末30の機能が実現され得る。
【0045】
ユーザ装置向けOSは、出荷当初からユーザ装置にインストールされているのが一般的である。ユーザ装置にインストールされるべきその他のプログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されるのが一般的である。なお、ユーザ装置にインストールされるべき上記その他のプログラムは、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)などの記録媒体に非一時的に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に読み込まれてもよい。
【0046】
(2)ユーザ管理サーバの機能構成(第2分配手法に関連する部分)
図4は、ユーザ管理サーバの機能構成を例示する。
図4には、第2分配手法に関連する部分が例示されている。
図4に例示されるように、ユーザ管理サーバ10は、受付提供部410,設定部420,特定部430,分配部440,報知部450及び同期部460を具備する。受付提供部410,設定部420,特定部430,分配部440,報知部450及び同期部460はそれぞれ、ユーザ管理サーバ10として動作するサーバ装置の制御処理装置210及び通信制御装置260を含んで構成される。
【0047】
受付提供部410は、クエストの開始前に、プレイヤによる分配手法の指定を、ユーザ端末30を介して受け付ける。実施例のサービスにおけるマルチプレイでは、第1分配手法と第2分配手法のいずれかをプレイヤが指定可能である。分配手法は、例えば、マルチプレイを主催するホストにより指定され、当該マルチプレイに参加するゲストがこれに同意する形で行われる。また、受付提供部410は、クエストの終了後に、結果表示を演出させるための結果表示用データをユーザ端末30に提供する。
【0048】
設定部420は、プレイヤによる指定に応じて、分配部440による合成素材の分配手法を、第1分配手法と第2分配手法のいずれかに設定する。
【0049】
特定部430は、あるパーティがあるクエストをマルチプレイで攻略した場合であって、第2分配手法が指定されているとき、当該マルチプレイを主催し又はこれに参加した複数のプレイヤがそれぞれ所持している、使用頻度が所定の閾値以上の動作キャラクタ及び装備アイテムの属性と、当該クエストに設定されている報酬規定において付与対象に定められている合成素材の属性と、の関係性を特定する。具体的には、特定部430は、付与対象の合成素材が各プレイヤに付与された場合に上記動作キャラクタを成長させる度合い又は上記装備アイテムを進化させる度合いの大きさに基づいて上記関係性を特定する。一例として、特定部430は、上記度合いが大きいほど上記関係性が強い(深い)ものと評価するとよい。なお、特定部430は、使用頻度が上記閾値以上の動作キャラクタ及び装備アイテムのうち、設定上の上限まで既に成長している動作キャラクタや設定上の上限まで既に進化している装備アイテムを除外するのが好ましい。
【0050】
分配部440は、付与対象である仮想価値や合成素材を、マルチプレイを主催し又はこれに参加した各プレイヤに分配する。仮想価値は、全プレイヤに平等に分配される。合成素材は、プレイヤの指定に基づき第1分配手法又は第2分配手法により分配される。第2分配手法が指定されている場合、分配部440は、上記マルチプレイを主催し又は参加したプレイヤに、攻略報酬の付与対象である合成素材を、特定部430により特定される関係性に基づいて分配する。
【0051】
報知部450は、結果表示を演出させるための結果表示用データを受付提供部410に出力し、ユーザ端末30に提供させる。結果表示用データは、攻略報酬の内容を含む。攻略報酬の内容は、例えば、仮想価値及び合成素材ごとの付与対象及び付与数量を含む。
【0052】
同期部460は、所定の更新タイミングで、ユーザ端末30にキャッシュ更新データを送信して、ユーザ端末30に保持されるキャッシュデータを更新させる。所定の更新タイミングは、例えば、ユーザ端末30においてゲームプログラムが起動されユーザ管理サーバ10にアクセスがなされた直後や、ユーザ端末30においてクエストが開始される前及び当該クエストが終了した直後である。また、同期部460は、所定のタイミングで、ユーザ端末30から各種データを受信し、データ管理サーバ20で管理されているデータを必要に応じて更新する。
【0053】
[2-3-4.データベース構成]
図5及び
図6は、実施例のシステムにおけるデータベース構成を例示する。これらのデータは、ストレージ21に記憶され、データ管理サーバ20を介してアクセス可能である。これらのデータの少なくとも一部を含むキャッシュ更新データがユーザ管理サーバ10
(同期部460)からユーザ端末30に提供され、ユーザ端末30においてキャッシュデータとして保持される。
【0054】
(1)プレイヤ管理情報
プレイヤ管理情報は、プレイヤごとに当該プレイヤに関連する各種パラメータを管理する管理情報である。プレイヤ管理情報は、各プレイヤによる初期設定時に追加され、随時更新され得る。
図5(a)に例示されるように、プレイヤ管理情報は、プレイヤに一意の「プレイヤID(識別情報)」に「仮想価値保有量」を少なくとも対応付ける。
【0055】
(2)クエスト設定情報
クエスト設定情報は、クエストごとに当該クエストに関連する各種パラメータを設定する設定情報である。クエスト設定情報は、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(b)に例示されるように、クエスト設定情報は、クエストに一意の「クエストID(識別情報)」に「報酬規定ID(識別情報)」を少なくとも対応付ける。
【0056】
(3)報酬規定定義情報
報酬規定定義情報は、報酬規定ごとに当該報酬規定の内容を定義する定義情報である。報酬規定定義情報は、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(c)に例示されるように、報酬規定定義情報は、報酬規定に一意の「報酬規定ID(識別情報)」に「ファイルパス」を少なくとも対応付ける。ファイルパスは、報酬が付与される条件
(付与条件)と報酬の内容(付与内容)を定める報酬規定を定義する定義ファイルのパスである。
【0057】
(4)動作キャラクタ定義情報
動作キャラクタ定義情報は、動作キャラクタの種別ごとに当該種別の動作キャラクタに関連する各種パラメータを定義する定義情報である。動作キャラクタ定義情報は、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(d)に例示されるように、動作キャラクタ定義情報は、動作キャラクタの種別に一意の「動作キャラクタ種別ID(識別情報)」に「属性」を少なくとも対応付ける。動作キャラクタの属性は、実施例のサービスにおいて提供されるロールプレイングゲームにおけるロール(つまり、役割,職業)に相当する。
【0058】
(5)動作キャラクタ設定情報
動作キャラクタ設定情報は、動作キャラクタに関連する各種パラメータの上限を設定する設定情報である。動作キャラクタ設定情報は、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(e)に例示されるように、動作キャラクタ設定情報は、「動作キャラクタ種別ID」及び「レベル」に各種の「ステータス上限」を少なくとも対応付ける。実施例のサービスでは、レベルが高いほど上限が大きくなるように設定される。ステータスは、動作キャラクタの状態を表す。動作キャラクタの状態は、例えば、HP(Hit Point),SP(Skill Point),攻撃力,防御力等のステータスにより表される。
【0059】
(6)装備アイテム定義情報
装備アイテム定義情報は、装備アイテムの種別ごとに当該種別の装備アイテムに関連する各種パラメータを定義する定義情報である。装備アイテム定義情報は、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(f)に例示されるように、装備アイテム定義情報は、装備アイテムの種別に一意の「装備アイテム種別ID(識別情報)」に「レアリティ」と「属性」を少なくとも対応付ける。
【0060】
(7)装備アイテム設定情報
装備アイテム設定情報は、装備アイテムに関連する各種パラメータの上限を設定する設定情報である。装備アイテム設定情報は、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(g)に例示されるように、装備アイテム設定情報は、「装備アイテム種別ID」及び「レアリティ」に各種の「ステータス上限」を少なくとも対応付ける。実施例のサービスでは、レアリティが高いほど上限が大きくなるように設定される。ステータスは、装備アイテムの状態を表す。装備アイテムの状態は、例えば、攻撃力,防御力等のステータスにより表される。
【0061】
(8)合成素材定義情報
合成素材定義情報は、合成素材の種別ごとに当該種別の合成素材に関連する各種パラメータを定義する定義情報である。合成素材定義情報は、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(h)に例示されるように、合成素材定義情報は、合成素材の種別に一意の「合成素材種別ID(識別情報)」に「ランク」と「属性」を少なくとも対応付ける。
【0062】
(9)装備効果設定情報
装備効果設定情報は、装備アイテムの種別ごとに装備効果をもたらす動作キャラクタと装備効果の内容を設定する設定情報である。装備効果設定情報は、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(i)に例示されるように、装備効果設定情報は、「装備アイテム種別ID」及び「動作キャラクタ属性」に「装備効果」を少なくとも対応付ける。動作キャラクタ属性は、動作キャラクタの属性に対応する。装備効果は、例えば、当該属性を有する動作キャラクタに対応付けられた単数又は複数のステータスを上昇させる量を含む。
【0063】
(10)合成効果設定情報A
合成効果設定情報Aは、合成素材の種別ごとに合成効果をもたらす動作キャラクタと合成効果の内容を設定する設定情報である。合成効果設定情報Aは、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(j)に例示されるように、合成効果設定情報Aは、「合成素材種別ID」及び「動作キャラクタ属性」に「合成効果」を少なくとも対応付ける。動作キャラクタ属性は、動作キャラクタの属性に対応する。合成効果は、例えば、当該属性を有する動作キャラクタに対応付けられた単数又は複数のステータスを上昇させる量や、当該合成素材が当該属性を有する動作キャラクタに合成された実績に基づく統計値を含む。
【0064】
(11)合成効果設定情報B
合成効果設定情報Bは、合成素材ごとに合成効果をもたらす装備アイテムと合成効果の内容を設定する設定情報である。合成効果設定情報Bは、実施例のサービスの提供者により随時更新され得る。
図5(k)に例示されるように、合成効果設定情報Bは、「合成素材種別ID」及び「装備アイテム属性」に「合成効果」を少なくとも対応付ける。装備アイテム属性は、装備アイテムの属性に対応する。合成効果は、例えば、当該属性を有する装備アイテムに対応付けられた単数又は複数のステータスを上昇させる量や、当該合成素材が当該属性を有する装備アイテムに合成された実績に基づく統計値を含む。
【0065】
(12)動作キャラクタ管理情報
動作キャラクタ管理情報は、プレイヤが保有する動作キャラクタに関連する各種パラメータを管理する管理情報である。動作キャラクタ管理情報は、プレイヤが動作キャラクタを獲得する度に追加され、随時更新され得る。
図6(l)に例示されるように、動作キャラクタ管理情報は、「プレイヤID」及び「BOX番号」に、「動作キャラクタ種別ID」,「使用頻度」,「経験値」,「レベル」,「状態」を少なくとも対応付ける。経験値は、クエストの攻略により上昇し得る。レベルは、経験値の上昇に伴い段階的に上昇する。BOX番号は、動作キャラクタを保管するBOX内の格納領域に一意の番号である。使用頻度は、例えば、直近の所定期間における使用回数又は使用時間である。状態は各種のステータスである。
【0066】
(13)装備アイテム管理情報
装備アイテム管理情報は、プレイヤが保有する装備アイテムに関連する各種パラメータを管理する管理情報である。装備アイテム管理情報は、プレイヤが装備アイテムを獲得する度に追加され、随時更新され得る。
図6(m)に例示されるように、装備アイテム管理情報は、「プレイヤID」及び「BOX番号」に、「装備アイテム種別ID」,「使用頻度」,「状態」,「装備状況」を少なくとも対応付ける。BOX番号は、装備アイテムを保管するBOX内の格納領域に一意の番号である。使用頻度は、例えば、直近の所定期間における強化回数である。状態は各種のステータスである。装備状況は、当該装備アイテムを装備中の動作キャラクタを特定可能な情報を含む。
【0067】
(14)保有素材管理情報
保有素材管理情報は、プレイヤが保有する合成素材に関連する各種パラメータを管理する管理情報である。保有素材管理情報は、プレイヤが合成素材を獲得する度に追加され、プレイヤが合成素材を使用する度に更新される。
図6(n)に例示されるように、保有素材管理情報は、「プレイヤID」及び「BOX番号」に、「合成素材種別ID」,「保有数」を少なくとも対応付ける。BOX番号は、保有素材を保管するBOX内の格納領域に一意の番号である。
【0068】
(15)パーティ管理情報
パーティ管理情報は、マルチプレイのパーティごとに当該パーティを構成する動作キャラクタを管理する管理情報である。パーティ管理情報は、パーティが形成される度に追加される。
図6(o)に例示されるように、パーティ管理情報は、パーティに一意の「パーティID(識別情報)」に、パーティに属する2~4体の「動作キャラクタ」を少なくとも対応付ける。マルチプレイは、1人のホストと2~3人のゲストにより行われる。動作キャラクタは、各プレイヤのプレイヤIDと当該動作キャラクタが格納されているBOX番号により特定される。
【0069】
(16)攻略報酬管理情報
攻略報酬管理情報は、マルチプレイのパーティごとに当該パーティに対する攻略報酬に関連する情報を管理する管理情報である。攻略報酬管理情報は、パーティによりクエストに挑戦される度に追加され、当該挑戦の終了後に更新され得る。
図6(p)に例示されるように、攻略報酬管理情報は、「パーティID」に、「クエストID」,「分配手法」,「攻略済フラグ」を少なくとも対応付ける。分配手法は、攻略報酬の合成素材を分配する手法である。実施例のサービスでは、分配手法は第1分配手法又は第2分配手法である。
【0070】
[2-4.実施例のシステムによる情報処理]
[2-4-1.キャラクタのステータス変化]
(1)動作キャラクタの成長
動作キャラクタは、プレイヤによる育成の手続を経て、成長し得る。育成の手続は、クエストのプレイ,攻略報酬の獲得,装備アイテムの装備,合成素材の合成を含む。
【0071】
クエストのプレイにおいてある動作キャラクタが使用されると、当該動作キャラクタの経験値が上昇する。また、当該プレイによりクエストが攻略され攻略報酬として経験値が付与されると当該動作キャラクタの経験値がさらに上昇する。経験値が上昇すると、レベルが上昇し得る。レベルが上昇すると、動作キャラクタ設定情報(
図5(e))の設定内容に応じて、各種ステータスの上限が上昇する。経験値やレベルは、プレイヤによる追加の手続を経ることなく上昇し得る。したがって、あるプレイヤが保有する複数の動作キャラクタの中で使用頻度が相対的に高い動作キャラクタは、当該プレイヤにとって育成中の動作キャラクタである可能性が高い。以下では、使用頻度が所定閾値以上である動作キャラクタを「育成対象」と呼ぶ。
【0072】
ある動作キャラクタに対しこれに装備可能な特定の装備アイテムが装備されると、当該動作キャラクタの特定のステータスが上昇する。装備可能な装備アイテムや装備の効果は、装備効果設定情報(
図5(i))に設定されている。動作キャラクタに対する装備アイテムの装備は、クエストのプレイ中を除く任意のタイミングにおけるプレイヤによる所定の装備手続により行われる。
【0073】
ある動作キャラクタに対し特定の合成素材が合成されると、当該動作キャラクタの特定のステータスが上昇する。合成の効果は、合成効果設定情報A(
図5(j))に設定されている。動作キャラクタに対する合成素材の合成は、クエストのプレイ中を除く任意のタイミングにおけるプレイヤによる所定の合成手続により行われる。
【0074】
(2)装備アイテムの進化
装備アイテムは、プレイヤによる強化の手続を経て、進化し得る。強化の手続は、合成素材の合成を含む。
【0075】
ある装備アイテムに対し特定の合成素材が合成されると、当該装備アイテムの特定のステータスが上昇する。合成の効果は、合成効果設定情報B(
図5(k))に設定されている。装備アイテムに対する合成素材の合成は、クエストのプレイ中を除く任意のタイミングにおけるプレイヤによる所定の合成手続により行われる。
【0076】
[2-4-2.マルチプレイの実行]
(1)実行手順
図7は、実施例のシステムによるマルチプレイの実行手順を例示する。
図7は、ユーザ端末30aを使用するプレイヤAによりクエストが選択され、プレイヤAによりマルチプレイが募集され、ユーザ端末30bを使用するプレイヤBを含むプレイヤが当該募集に応募し、パーティが形成された後の手順である。
【0077】
ステップS705では、ユーザ管理サーバ10が、ホスト向け及びゲスト向けの進行用パラメータをそれぞれ設定する。ステップS710では、ユーザ管理サーバ10(同期部460)がユーザ端末30a及びユーザ端末30bに、進行用パラメータをそれぞれ提供する。ステップS715a~cでは、ユーザ端末30a及びユーザ端末30bが、それぞれクエストを進行する。クエストの進行には、進行用パラメータが用いられる。ユーザ管理サーバ10は、ユーザ端末30a及びユーザ端末30bとそれぞれ接続し、操作情報を含むデータの交換を中継しクエストの進行を同期させる。
【0078】
ステップS720では、クエスト終了後、ユーザ管理サーバ10が、報酬を分配する。ステップS725では、ユーザ管理サーバ10が、結果表示用データを設定する。ステップS730では、ユーザ管理サーバ10がユーザ端末30a及びユーザ端末30bに、結果表示用データをそれぞれ提供する。ステップS735a,bでは、ユーザ端末30a及びユーザ端末30bが、獲得された報酬を含む結果をそれぞれ表示する。例えば、更新前のデータが所定の視聴覚的効果により更新後のデータに変化する様子が示される。
【0079】
(2)攻略報酬の分配
図8は、ユーザ管理サーバ10による攻略報酬の分配手順を例示する。
図8は、
図7のステップS720でユーザ管理サーバ10によりなされる、第2分配手法による分配処理の手順を示す。
【0080】
ステップS805では、特定部430が、マルチプレイを主催し又はこれに参加したプレイヤを特定する。具体的には、特定部430は、パーティ管理情報(
図6(o))を参照し、パーティを構成する動作キャラクタの保有者であるプレイヤを特定する。
【0081】
ステップS810では、特定部430が、ステップS805で特定された各プレイヤの育成対象を特定する。具体的には、特定部430は、各プレイヤに対応する動作キャラクタ管理情報(
図6(l))を参照し、使用頻度が所定閾値以上である動作キャラクタを育成対象として特定する。各プレイヤの育成対象は単数でも複数でもよい。使用頻度が所定閾値以上である動作キャラクタを保有していないプレイヤについては、育成対象を有しないものとする。また、使用頻度が所定閾値以上であっても成長余地がない動作キャラクタは、育成対象から除外するのが好ましい。
【0082】
ステップS815では、特定部430が、マルチプレイに適用される報酬規定を特定する。具体的には、特定部430は、クエスト設定情報(
図5(b))を参照して報酬規定IDを特定し、報酬規定定義情報(
図5(c))を参照して当該報酬規定IDに対応するファイルパスを特定し、当該ファイルパスにより特定される報酬規定ファイルに定められている報酬規定を特定する。
【0083】
ステップS820では、特定部430が、ステップS815で特定された報酬規定の付与対象である合成素材を特定する。具体的には、特定部430は、ステップS815で特定された報酬規定に含まれる付与条件が達成されていれば、当該報酬規定に含まれる付与内容が示す付与対象と付与数量を特定する。
【0084】
ステップS825では、特定部430が、ステップS810で特定された育成対象とステップS820で特定された合成素材との関係性を特定する。具体的には、特定部430は、各育成対象の属性と各合成素材の属性とが、当該育成対象の成長に対し当該合成素材が直接に又は間接的に役に立つ度合いの大きさを上記関係性の強さとして特定する。育成対象の成長に対し合成素材が直接に役に立つ度合いは、合成効果設定情報A(
図5(j))の合成効果の大きさとして特定される。育成対象の成長に対し合成素材が間接的に役に立つという関係性は、各育成対象を成長させ得る装備アイテムの進化に対し合成素材が直接に役に立つという関係性をいう。育成対象を成長させ得る装備アイテムは、装備効果設定情報(
図5(i))に基づいて特定され得る。ここで特定される装備アイテムは、当該育成対象を保有するプレイヤが既に保有している装備アイテムが優先され、又はこれに限定されるのが好ましい。装備アイテムの進化に対し合成素材が直接に役に立つ度合いは、合成効果設定情報B(
図5(k))の合成効果の大きさとして特定される。
【0085】
ステップS830では、特定部430が、全ての育成対象について関係性を特定したか否かを判定する。肯定判定の場合はステップS835に進み、否定判定の場合はステップS825に戻る。ステップS835では、特定部430が、全ての合成素材について関係性を特定したか否かを判定する。肯定判定の場合はステップS840に進み、否定判定の場合はステップS820に戻る。
【0086】
ステップS840では、分配部440が、ステップS825で特定部430により特定された関係性に基づいて合成素材を分配する。具体的には、分配部440は、各育成対象の使用頻度の高さ,付与される合成素材の数量,各育成対象と各合成素材の関係性の強さ等を用いて報酬を分配する。
【0087】
[2-4-3.報酬の分配例]
(1)設例
次のような状況における合成素材の分配例を示す。
・プレイヤP1~P4の4人によるマルチプレイにより、クエストQが攻略された。
・プレイヤP1の育成対象C11,プレイヤP2の育成対象C21,プレイヤP2の育成対象C22,プレイヤP3の育成対象C31,プレイヤP3の育成対象C32,プレイヤP4の育成対象C41,プレイヤP4の育成対象C42がそれぞれ特定された。
・クエストQに係る攻略報酬の付与対象として、合成素材E1(4つ),合成素材E2
(4つ),合成素材E3(4つ),合成素材E4(4つ)が特定された。
・各育成対象と各合成素材との関係性が、
図9の表中に示すように特定された。
【0088】
図9に示される表では、各行が育成対象にそれぞれ対応し、各列が合成素材にそれぞれ対応する。また、行と列が交差する枠(セル)には、当該行に対応する育成対象と当該列に対応する合成素材との関係性の強さの度合いが数値で示されている。これらの関係性の強さを表す度合いは、例えば、ゲーム中で育成対象が装備するアイテム(装備アイテム)の強化や当該育成対象の育成のために使用された素材(合成素材)の統計データに基づいて特定される。育成対象と合成素材の間に関係性がない場合、枠は空欄である。例えば、1行2列の数値「100」は、プレイヤP1の育成対象C11と合成素材E2との関係性の強さの度合いを示す。他の枠も数値も同様である。
【0089】
合成素材E1は、例えば、育成対象C21と育成対象C42の育成又はこれらの動作キャラクタが装備する装備アイテムの強化に多く使用された統計データがあるものとする。そのため、
図9の例では、当該統計データに基づいて、合成素材E1と育成対象C21の関係性を表す数値を「200」、合成素材E1と育成対象C42の関係性を表す数値を「200」としている。
【0090】
次に、合成素材E2は、育成対象C11と育成対象C32の育成又はこれらの動作キャラクタが装備する装備アイテムの強化に多く使用された統計データがあるものとする。そのため、
図9の例では、当該統計データに基づいて、合成素材E2と育成対象C11の関係性を表す数値を「100」、合成素材E2と育成対象C32の関係性を表す数値を「100」としている。
【0091】
ここで、
図9の例では、合成素材E1と育成対象C21の関係性を表す数値「200」は、合成素材E2と育成対象C11の関係性を表す数値「100」よりも、大きく設定されている。これは、育成対象C21の育成に使用された合成素材E1の数が、育成対象C11の育成に使用された合成素材E2の数よりも多いことを示している。言い換えると、合成素材と育成対象の関係性は、当該育成対象に対して使用された合成素材の数に応じて強くなる。
【0092】
報酬の分配に際し考慮し得るファクターは複数ある。そして、これらのファクターの優先度しだいで、分配の結果が変化し得る。以下では、2種類の分配アルゴリズムを例示する。いずれの分配アルゴリズムを採用する場合にも、合成素材の付与先の候補(プレイヤ)が競合したら、合成素材の付与数が複数である場合は案分するとよい。案分できない合成素材の付与先は未定とする。また、いずれの育成対象の成長にもつながらない合成素材など付与先が未定の合成素材は、付与数量が概ね均等になるように各プレイヤに分配されるのが好ましい。
【0093】
(2)使用頻度の高い育成対象を優先する分配アルゴリズム
分配部440は、各プレイヤの育成対象のうち使用頻度が最も高いもの(以下「第1育成対象」という。)の成長が優先されるように合成素材を分配することができる。本設例においては、プレイヤP1の育成対象C11,プレイヤP2の育成対象C21,プレイヤP3の育成対象C31,プレイヤP4の育成対象C41がそれぞれ各プレイヤの第1育成対象である。
【0094】
したがって、分配部440は、各プレイヤの第1育成対象をそれぞれ成長させる合成素材を当該各プレイヤに優先的に付与する。具体的には、
図10に例示されるように、育成対象C11を成長させる合成素材E2を全てプレイヤP1に付与し、育成対象C21を成長させる合成素材E1を全てプレイヤP2に付与し、育成対象C31を成長させる合成素材E4を全てプレイヤP3に付与し、育成対象C41を成長させる合成素材E3を全てプレイヤP4に付与する。
【0095】
(3)関係性の強さを優先する分配アルゴリズム
分配部440は、プレイヤごとに合成素材との関係性の強さの度合いが大きい育成対象
(以下「第2育成対象」という。)の成長が優先されるように合成素材を分配することができる。本設例においては、プレイヤP1の育成対象C11,プレイヤP2の育成対象C21,プレイヤP3の育成対象C31,プレイヤP4の育成対象C42がそれぞれ各プレイヤの第2育成対象である。
【0096】
したがって、分配部440は、各プレイヤの第2育成対象をそれぞれ成長させる合成素材を当該各プレイヤに優先的に付与する。具体的には、
図11に例示されるように、まず、育成対象C11を成長させる合成素材E2を全てプレイヤP1に付与し、育成対象C31を成長させる合成素材E4を全てプレイヤP3に付与する。一方、育成対象C21と育成対象C42はこれらを大きく成長させ得る合成要素E1が共通しているため、合成要素E1をプレイヤP2とプレイヤP4に案分する。続いて、プレイヤP2の第2育成対象でない育成対象C22とプレイヤP4の第2育成対象でない育成対象C41はこれらを成長させ得る合成要素E3が共通しているため、合成要素E3をプレイヤP2とプレイヤP4に案分する。
プロセッサが、前記第1報酬および前記第2報酬を、前記第1報酬および前記第2報酬の少なくともいずれかが、前記第1ゲーム媒体と前記第2ゲーム媒体の少なくともいずれかの育成のために使用された実績に基づいて決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。