(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149585
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ビデオディスプレイ画面のPWM制御のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/66 20060101AFI20241010BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241010BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H04N5/66 B
G09G5/00 550C
G09G5/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024124344
(22)【出願日】2024-07-31
(62)【分割の表示】P 2023543466の分割
【原出願日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】63/084,354
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523110972
【氏名又は名称】ブロンプトン テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー デイトン
(57)【要約】
【課題】好適なビデオディスプレイ画面のPWM制御のためのシステム及び方法の提供。
【解決手段】PWM制御システムはメモリとプロセッサを含む。プロセッサは、ビデオディスプレイにより表示される画像を捕捉するよう構成されるカメラの関連カメラ特性を取得する。カメラ特性は、カメラのシャッタ開の周期の持続時間を含む。プロセッサはビデオディスプレイに対するPWMタイミング制御も計算する。PWMタイミング制御はカメラのシャッタ開の周期に基づくPWMサイクル持続時間を規定する。プロセッサは信号をビデオディスプレイに送信する。信号は、PWMタイミング制御を含み、カメラのシャッタ開の周期の間、PWMタイミング制御に従いビデオディスプレイにビデオディスプレイの輝度を制御させるよう構成される。LEDスクリーンがカメラ及び人間の観察者の両方により同時視認可能で、いずれの視認者にもアーチファクト又はフリッカが見えない。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、全体として転載される場合と同様に、参照することによって本明細書に組み込まれる、Christopher Deightonによって、2020年9月28日に出願され、「System and Method for PWM Control of a Video Display Screen」と題された、米国仮出願第63/084,354号に対して優先権を主張する。
【0002】
(開示の技術分野)
本開示は、概して、発光ダイオード(LED)ビデオ画面に関し、より具体的には、画面が、カメラによって視認されるとき、可視アーチファクトを低減させるために、LEDビデオ画面のLEDのパルス幅変調(PWM)リフレッシュサイクルを制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
LEDビデオ画面は、LEDビデオ画面のLEDを制御するために、ドライバチップを使用し得る。これらのドライバチップは、PWMを使用して、個々のLEDの輝度を調節し得、本場合では、LEDは、完全にオン(電流が、LEDを通して駆動され、フル輝度で光を放出する)と完全にオフ(電流は、LEDを通して駆動されず、光を全く放出しない)との間で切り替えられる。LEDがオンである時間量対それがオフである時間量の比は、人間の眼またはビデオカメラによって見られ得る、平均輝度を確立する。例えば、LEDが、時間の50%にわたってオンであり、時間の50%にわたってオフであり、本変更の頻度が、知覚可能ではないように十分に速い場合、LEDは、フル輝度の50%にあるように現れるであろう。視認者が、人間の眼であるとき、本PWMの周波数は、眼に、その結果が閃光パルスとしてではなく、調光された一定の光出力として見えるように十分に高くあるように選択されてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
第1の実施形態では、PWM制御システムは、命令を記憶するように構成される、メモリと、メモリに結合され、メモリ内に記憶される命令を実行するように構成される、プロセッサとを含む。プロセッサは、ビデオディスプレイによって表示される画像を捕捉するように構成される、カメラに関連するカメラ特性を取得する。カメラ特性は、カメラのシャッタが開かれている周期の持続時間を含む。プロセッサはまた、ビデオディスプレイに関するPWMタイミング制御を計算する。PWMタイミング制御は、カメラのシャッタが開かれている周期に基づく、PWMサイクル持続時間を規定する。プロセッサはさらに、信号をビデオディスプレイに送信する。信号は、PWMタイミング制御を含み、カメラのシャッタが開かれている周期の間、PWMタイミング制御に従って、ビデオディスプレイにビデオディスプレイの輝度を制御させるように構成される。
【0005】
第2の実施形態では、ビデオディスプレイ内のPWMを制御する方法は、ビデオディスプレイによって表示される画像を捕捉するように構成される、カメラに関連するカメラ特性を取得することを含む。カメラ特性は、カメラのシャッタが開かれている周期の持続時間を含む。本方法はまた、ビデオディスプレイに関するPWMタイミング制御を計算することを含む。PWMタイミング制御は、カメラのシャッタが開かれている周期に基づく、PWMサイクル持続時間を規定する。本方法はさらに、信号をビデオディスプレイに送信することを含む。信号は、カメラのシャッタが開かれている周期の間、PWMタイミング制御に従って、ビデオディスプレイにビデオディスプレイの輝度を制御させるように構成される。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
パルス幅変調(PWM)制御システムであって、
命令を記憶するように構成される、メモリと、
前記メモリに結合される、プロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
ビデオディスプレイによって表示される画像を捕捉するように構成される、カメラに関連するカメラ特性を取得することであって、前記カメラ特性は、前記カメラのシャッタが開かれている周期の持続時間を備える、ことと、
前記ビデオディスプレイに関するPWMタイミング制御を計算することであって、前記PWMタイミング制御は、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期に基づいて、PWMサイクル持続時間を規定する、ことと、
信号を前記ビデオディスプレイに送信することであって、前記信号は、前記PWMタイミング制御を含み、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期の間、前記PWMタイミング制御に従って、前記ビデオディスプレイに前記ビデオディスプレイの輝度を制御させるように構成される、ことと
を行うために、前記メモリ内に記憶される命令を実行するように構成される、PWM制御システム。
(項目2)
前記PWMタイミング制御は、第1のPWMタイミング制御であり、前記PWMサイクル持続時間は、第1のPWMサイクル持続時間であり、
前記プロセッサは、前記カメラのシャッタが閉じられている周期に基づいて、第2のPWMサイクル持続時間を規定する、第2のPWMタイミング制御を計算するために、前記メモリ内に記憶される前記命令を実行するように構成され、
前記信号はさらに、前記第2のPWMタイミング制御を含み、前記カメラのシャッタが閉じられている前記周期の間、前記第2のPWMタイミング制御に従って、前記ビデオディスプレイに前記ビデオディスプレイの前記輝度を制御させるようにさらに構成される、項目1に記載のPWM制御システム。
(項目3)
前記信号は、前記PWMサイクルの開始時間のインジケーションを含む、項目1に記載のPWM制御システム。
(項目4)
前記PWMタイミング制御によって規定される前記PWMサイクル持続時間は、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期の前記持続時間よりも短い、項目1に記載のPWM制御システム。
(項目5)
前記信号はさらに、PWM調節を含む、項目1に記載のPWM制御システム。
(項目6)
前記PWM調節は、PWMクロックレートを調節すること、PWMビット深度を調節すること、前記ビデオディスプレイが前記PWMサイクルにおいてオフである場合の1つ以上の周期を延長または短縮すること、および前記PWMサイクルが完了する前にそれを中断することのうちの1つによって、前記ビデオディスプレイに前記PWMサイクル持続時間を延長または短縮させるように構成される、項目5に記載のPWM制御システム。
(項目7)
前記PWMタイミング制御は、第1のPWMタイミング制御であり、前記PWMサイクル持続時間は、第1のPWMサイクル持続時間であり、前記信号は、第1の信号であり、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期は、第1の周期であり、
前記プロセッサは、
前記ビデオディスプレイに関する第2のPWMタイミング制御を計算することであって、前記第2のPWMタイミング制御は、第2のPWMサイクル持続時間を規定し、前記第1のPWMサイクル持続時間と前記第2のPWMサイクル持続時間との平均値は、前記第1のPWMサイクル持続時間よりも、前記カメラのシャッタが開かれる前記第1の周期の前記持続時間と厳密に合致する、ことと、
第2の信号を前記ビデオディスプレイに送信することであって、前記第2の信号は、前記第2のPWMタイミング制御を含み、前記カメラのシャッタが開かれる第2の周期の間、前記第2のPWMタイミング制御に従って、前記ビデオディスプレイに前記ビデオディスプレイの前記輝度を制御させるように構成される、ことと
を行うために、前記メモリ内に記憶される前記命令を実行するように構成される、項目1に記載のPWM制御システム。
(項目8)
前記カメラ特性はさらに、カメラシャッタタイプを備え、前記プロセッサは、前記メモリ内に記憶される前記命令を実行し、前記カメラのシャッタタイプに基づいて、前記PWMタイミング制御をさらに計算するように構成される、項目1に記載のPWM制御システム。
(項目9)
前記プロセッサは、前記PWMサイクル持続時間が、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期と厳密に合致する程度を示すように構成される、PWM合致信号を前記PWM制御システムのユーザに送信するために、前記メモリ内に記憶される前記命令を実行するように構成される、項目1に記載のPWM制御システム。
(項目10)
前記カメラ特性は、第1のカメラに関連する第1のカメラ特性であり、前記第1のカメラのシャッタが開かれる第1の周期の第1の持続時間を備え、
前記プロセッサは、
前記ビデオディスプレイによって表示される前記画像を捕捉するように構成される、第2のカメラに関連する第2のカメラ特性を取得することであって、前記第2のカメラ特性は、前記第2のカメラのシャッタが開かれる第2の周期の第2の持続時間を備える、ことと、
前記第1のカメラ特性および前記第2のカメラ特性の両方に基づいて、前記PWMタイミング制御を計算することと
を行うために、前記メモリ内に記憶される前記命令を実行するように構成される、項目1に記載のPWM制御システム。
(項目11)
ビデオディスプレイ内のパルス幅変調(PWM)を制御する方法であって、前記方法は、
制御システムによって、前記ビデオディスプレイによって表示される画像を捕捉するように構成される、カメラに関連するカメラ特性を取得することであって、前記カメラ特性は、前記カメラのシャッタが開かれている周期の持続時間を備える、ことと、
前記制御システムによって、前記ビデオディスプレイに関するPWMタイミング制御を計算することであって、前記PWMタイミング制御は、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期に基づいて、PWMサイクル持続時間を規定する、ことと、
前記制御システムによって、信号を前記ビデオディスプレイに送信することであって、前記信号は、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期の間、前記PWMタイミング制御に従って、前記ビデオディスプレイに前記ビデオディスプレイの輝度を制御させるように構成される、ことと
を含む、方法。
(項目12)
前記PWMタイミング制御は、第1のPWMタイミング制御であり、前記PWMサイクル持続時間は、第1のPWMサイクル持続時間であり、
前記方法は、前記制御システムによって、前記カメラのシャッタが閉じられている周期に基づいて、第2のPWMサイクル持続時間を規定する、第2のPWMタイミング制御を計算することをさらに含み、
前記信号はさらに、前記第2のPWMタイミング制御を含み、前記カメラのシャッタが閉じられている前記周期の間、前記第2のPWMタイミング制御に従って、前記ビデオディスプレイに前記ビデオディスプレイの前記輝度を制御させるようにさらに構成される、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記信号は、前記PWMサイクルの開始時間のインジケーションを含む、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記PWMタイミング制御によって規定される前記PWMサイクル持続時間は、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期の前記持続時間よりも短い、項目11に記載の方法。
(項目15)
前記信号はさらに、PWM調節を含む、項目11に記載の方法。
(項目16)
前記PWM調節は、PWMクロックレートを調節すること、PWMビット深度を調節すること、前記ビデオディスプレイが前記PWMサイクルにおいてオフである場合の1つ以上の周期を延長または短縮すること、および前記PWMサイクルが完了する前にそれを中断することのうちの1つによって、前記ビデオディスプレイに前記PWMサイクル持続時間を延長または短縮させるように構成される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記PWMタイミング制御は、第1のPWMタイミング制御であり、前記PWMサイクル持続時間は、第1のPWMサイクル持続時間であり、前記信号は、第1の信号であり、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期は、第1の周期であり、
前記方法は、
前記制御システムによって、前記ビデオディスプレイに関する第2のPWMタイミング制御を計算することであって、前記第2のPWMタイミング制御は、第2のPWMサイクル持続時間を規定し、前記第1のPWMサイクル持続時間と前記第2のPWMサイクル持続時間との平均値は、前記第1のPWMサイクル持続時間よりも、前記カメラのシャッタが開かれる前記第1の周期の前記持続時間と厳密に合致する、ことと、
前記制御システムによって、第2の信号を前記ビデオディスプレイに送信することであって、前記第2の信号は、前記第2のPWMタイミング制御を含み、前記カメラのシャッタが開かれる第2の周期の間、前記第2のPWMタイミング制御に従って、前記ビデオディスプレイに前記ビデオディスプレイの前記輝度を制御させるように構成される、ことと
をさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目18)
前記カメラ特性はさらに、カメラシャッタタイプを備え、前記方法は、前記カメラのシャッタタイプに基づいて、前記PWMタイミング制御を計算することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目19)
前記方法は、前記制御システムによって、前記PWMサイクル持続時間が、前記カメラのシャッタが開かれている前記周期と厳密に合致する程度を示すように構成される、PWM合致信号を前記制御システムのユーザに送信することをさらに含む、項目11に記載の方法。
(項目20)
前記カメラ特性は、第1のカメラに関連する第1のカメラ特性であり、前記第1のカメラのシャッタが開かれる第1の周期の第1の持続時間を備え、
前記方法は、
前記制御システムによって、前記ビデオディスプレイによって表示される前記画像を捕捉するように構成される、第2のカメラに関連する第2のカメラ特性を取得することであって、前記第2のカメラ特性は、前記第2のカメラのシャッタが開かれる第2の周期の第2の持続時間を備える、ことと、
前記制御システムによって、前記第1のカメラ特性および前記第2のカメラ特性の両方に基づいて、前記PWMタイミング制御を計算することと
をさらに含む、項目11に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示およびその利点のより完全な理解のために、ここで、同様の参照数字が、同様の特徴を示す、付随の図面と併せて解釈される、以下の説明が参照される。
【0007】
【
図1】
図1は、本開示のある実施形態による、PWM制御システムのブロック図である。
【0008】
【
図2A】
図2Aは、ビデオおよびPWMタイミング信号の実施例である。
【0009】
【
図2B】
図2Bは、本開示の実施形態による、ビデオおよびPWMタイミング信号の実施例である。
【0010】
【
図3】
図3は、本開示のある実施形態による、PWM制御システム内で使用するためのコントローラのブロック図である。
【0011】
【
図4】
図4は、本開示のある実施形態による、ビデオディスプレイ内でPWMを制御する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
説明される実施形態は、図において例証され、同様の数字は、種々の図面の同様かつ対応する部分を指すために使用される。
【0013】
ビデオディスプレイの「視認者」が、ビデオカメラであるとき、例えば、ビデオディスプレイが、ビデオ撮影における背景として使用されることになる画像を提供している、またはスポーツスタジアム内の広告またはメッセージディスプレイ画面等の他の画像を提供している場合、ビデオディスプレイの輝度を制御する際に使用されることになる、PWM制御信号を判定する際に、ビデオカメラのフレームレートおよびシャッタ(またはシャッタタイミング)速度を考慮に入れることが望ましくあり得る。すなわち、本開示によるPWM制御システムは、ビデオディスプレイのPWM制御を、ビデオディスプレイ上に表示されるものを捕捉している、1つ以上のビデオカメラの1つ以上の動作特性に合致させる。
【0014】
本明細書で使用されるように、用語「PWMサイクル」は、オフ(「0」)状態とオン(「1」)状態との間で交互し得る、選定された持続時間のデジタル波形を示し、各状態において消費される時間は、0~1(0と1も含む)の波形のある所望の平均出力値(例えば、0.25または同等に25%)を達成するように制御される。用語「PWMデューティサイクル」は、オンの時間対PWMサイクルの持続時間の比を示し、したがって、また、PWMサイクルの間の平均出力値も示す。本明細書で使用されるように、PWM制御信号は、2つのタイプのPWM制御を含んでもよい。第1のタイプのPWM制御は、PWMサイクルまたはPWMデューティサイクルに適用され得る、PWM調節である。そのようなPWM調節の一実施例は、LEDの効率の変化に適応させるために、デューティサイクルを調節することによって、LEDの動作温度の変化を補償するための制御値である。第2のタイプのPWM制御は、PWMサイクルが開始されることになる時間および/またはPWMサイクルの持続時間(またはその間にPWMサイクルが完了する時間周期)等のパラメータを規定し得る、PWMタイミング制御である。
【0015】
デジタルビデオおよびフィルムカメラは、典型的には、入射光をセンサの上へ集束させる、レンズの後方に位置する、光感受性センサを有する。そのようなカメラは、典型的には、所望のカメラフレームレートのために構成される。例えば、毎秒24フレーム(fps)のカメラフレームレートが、映画撮影のために、50/60fpsのカメラフレームレートが、放送用途のために、さらにより高いカメラフレームレートが、スローモーション視覚効果ショットのために使用されてもよい。シャッタ速度は、所望の露光レベルならびに場面内のモーションの所望の出現を達成するために、絞り値、場合によっては、減光(ND)フィルタ等のレンズ設定と併せて選択される。シャッタ速度はまた、シャッタ角度の観点において説明され得、本場合では、360度が、フルフレーム周期に対応し、180度が、半フレーム周期に対応する等となる。カメラフレームレートおよびシャッタ速度は、ともに、カメラのシャッタが開かれ、光を感知している時間と、それが閉じられ、いかなる入射光も受光していない時間とを定義する。いくつかの実施形態では、シャッタの開かれた状態および閉じられた状態は、外部のフレーム同期信号と併せて、さらに定義される。カメラのシャッタが開かれている周期はまた、露光時間とも称され得る。
【0016】
LEDビデオ画面は、カメラフレームレートの範囲のいずれかを使用して、ビデオカメラによって視認され得、これは、いくつかの実施形態では、24fps~250fpsの範囲内であり得る。いくつかのシステムでは、LEDビデオ画面制御システムのPWM出力は、ビデオカメラのビデオフレームレートと同期される。しかしながら、そのようなシステムが、シャッタタイミングを無視した場合、捕捉された画像内の視覚的なアーチファクトが、依然として、結果としてもたらされ得る。これらのアーチファクトは、ビデオカメラによって捕捉される画像を横断して、黒帯、暗線、明線、縞模様、または輝度における他の変動として顕現し得る。そのようなアーチファクトは、レンズのタイプ、レンズの設定、および/または他のカメラ設定に応じて、多少明白になり得る。アーチファクトはまた、カメラが、(カメラの画像センサ内の全てのピクセルが、同時に露光される)グローバルシャッタまたは(センサの線が、線のピクセルが読み取られるにつれて露光される)ローリングシャッタを使用するかどうかに応じて変動し得る。LEDビデオ画面のPWM制御のための改良されたシステムは、画面がカメラによって視認されるとき、可視アーチファクトを除去する、または最小限にするであろう。さらなる改良は、カメラおよび人間の観察者の両方によって、同時に視認されるように、LED画面を制御するシステムであり、いずれの視認者にもアーチファクトまたはフリッカが見えることはない。
【0017】
LEDビデオ画面(および/またはそのLEDパネル)は、単一のビデオフレーム周期内に適合する、ある整数のPWMサイクルを有することを目標として、着信するビデオ信号のタイミングに厳密に合致するように、そのPWMリフレッシュレートを調節し得る。いくつかのシステムに関して、単一のビデオフレーム周期は、約1/24~1/250秒のいずれかであり得る。LED画面を撮影するとき、ビデオフレームレートをカメラフレームレートに合致させ、その2つをともにジェネレータロック(ゲンロック)し、2つのシステム間の周波数および位相の両方の整合を確実にすることはさらに、有益であり得る。そのようなゲンロックは、厳密に1つのビデオフレームを捕捉する、カメラフレームを結果としてもたらし得る。
【0018】
いくつかのシステムでは、カメラは、フレーム周期全体にわたって、それらのシャッタが開かれた状態では、動作しない。例えば、180度のシャッタ角度(ゲンロックシステムでは、シャッタは、ビデオフレーム周期の半分にわたって開かれるであろう)が、使用され得るが、他のシャッタ角度も、他のシステム内で使用されてもよい。例えば、172.8度のシャッタ角度が、照明がフリッカするように現れることを回避することの試みにおいて、欧州では、白熱照明を用いて24fpsにおいて撮影するときに使用され、24fpsのカメラフレームレートに対して、1/50秒のシャッタ周期を結果としてもたらし得る。
【0019】
そのようなシャッタ角度の変動は、シャッタ速度が考慮に入れられないシステムに関して上記に説明されるものと同様に、LEDビデオ画面上のアーチファクトを観察する、ビデオカメラを結果としてもたらし得る。そのようなアーチファクトは、多くの場合、LED PWMレートと、LEDビデオ画面またはLEDパネル内のLEDの行の走査多重化と、カメラのシャッタ設定(例えば、カメラフレームレート、グローバルまたはローリングシャッタ、およびシャッタ角度)との間の相互作用である。いくつかのシステムでは、そのようなアーチファクトは、カメラのシャッタ設定を調節することによって回避されることができる。但し、他のシステムでは、(例えば、技術的な限界に起因して、またはシャッタ速度を変更することが、モーションブラー等の他の創造的な選択肢に影響を及ぼすため)カメラ設定を変更することは、不可能であり得る。
【0020】
図1は、本開示のある実施形態による、PWM制御システム100のブロック図を提示する。ビデオディスプレイ画面102は、ピクセルが、少なくとも1つのLEDから成る、個々のピクセルのアレイを備える。いくつかの実施形態では、ビデオディスプレイ画面102は、個々のLEDピクセルのアレイを備える、複数のLEDパネルを備える。ビデオディスプレイ画面102またはLEDパネルのいずれか内のピクセルは、3色のLED(例えば、赤色、緑色、および青色)または任意の数の色の任意の数のLEDを含んでもよい。
【0021】
ビデオディスプレイ画面102は、画面プロセッサ104によって制御される。画面プロセッサ104は、照明されることになるピクセル、ならびにそれらのピクセルの色および強度を示すデータ(例えば、PWM制御信号)を、ビデオディスプレイ画面102に送信する、制御システムを備える。ビデオディスプレイに関して、これらの値は、限定ではないが、毎秒24、25、30、60、またはそれを上回る時間を含むレートで、更新されてもよい。加えて、ビデオディスプレイ画面102は、画面プロセッサ104からのコマンドに応答して、または自律的にのいずれかで、個々のピクセルの強度および色をさらに修正することが可能である、内部処理システムを含んでもよい。複数のLEDパネルを含む実施形態では、個々のLEDパネルは、そのような内部処理システムを含んでもよい。他の実施形態では、ビデオ画面は、全てのそのLEDパネルまたはLEDに対して、単一の内部処理システムを含む。
【0022】
画面プロセッサ104は、ビデオデータに関連する情報、およびビデオディスプレイ画面102によって表示される画像を捕捉するように構成される、カメラに関連するカメラ特性を取得し得る。ビデオデータは、限定ではないが、ビデオデータ118と、ビデオフレームレート106と、ビデオ同期108とを含んでもよい。カメラ特性は、限定ではないが、カメラフレームレート110と、カメラのシャッタ速度112と、カメラのシャッタタイプ114と、シャッタ速度調節116とを含んでもよい。ビデオデータ118は、ビデオディスプレイ画面102上に表示されることになる画像を表す、データである。ビデオフレームレート106は、着信するビデオデータ118のフレームレートを示す、データである。例えば、ビデオフレームレート106は、25fpsまたは24fpsであってもよい。ビデオ同期108は、ビデオデータ118からのビデオフレームの開始を示す、信号またはデータである。ビデオフレームレート106、ビデオ同期108、およびビデオデータ118は、本明細書では、集合的に、ビデオ特性と称される。
【0023】
外部同期109は、ビデオディスプレイ画面102の所望の位相および周波数を直接または間接的に示す、信号またはデータであり、これは、位相および/または周波数において、ビデオ同期108と異なり得、カメラのシャッタの位相および/または周波数に関連し得る。そのような信号は、一般的に利用可能であり、ゲンロックまたはフレーム同期と呼ばれ得る、またはカメラからのビデオ出力信号等の関連する信号から推測され得る。
【0024】
カメラフレームレート110は、ビデオディスプレイ画面102を視認している、カメラのフレームレートを示す、データである。カメラのシャッタ速度112は、ビデオディスプレイ画面102を視認している、カメラのシャッタ速度を示す、データである。「シャッタ速度」または「シャッタタイミング」として説明されるとき、本特性は、露光時間を表す。「シャッタ角度」として説明されるとき、露光時間は、フレームレートおよびシャッタ角度の両方の関数である。カメラのシャッタタイプ114は、ビデオディスプレイ画面102を視認している、カメラの利用されるシャッタタイプを示す、データである。例示的なカメラのシャッタタイプは、グローバルまたはローリングであり得る。実際のカメラのシャッタ速度は、示されるシャッタ速度と精密に合致し得ない。したがって、何らかの形態の精緻な制御または調節が、シャッタ速度調節116として提供されてもよい。これは、高正確度の非整数シャッタ速度(例えば、1/50.0001)に対する支援の形態であってもよい、または+100マイクロ秒(μs)もしくは恐らく+0.01%等のシャッタ速度の分数等の絶対時間として規定される、別個のオフセット信号の形態であり得る。カメラフレームレート110、カメラのシャッタ速度112、カメラのシャッタタイプ114、およびシャッタ速度調節116は、本明細書では、集合的に、カメラ特性と称される。
【0025】
特性106、110、112、114、および116は、異なる方法で取得されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、これらの特性のいずれかまたは全ては、数値入力パッドを通して、または画面プロセッサ104上の制御動作を通して、ユーザによって提供され得る。他の実施形態では、画面プロセッサ104は、1つ以上の外部データソースから、特性のうちの1つ以上を要求する、または読み取ってもよい。代替として、本開示のさらなる実施形態では、(ビデオ同期108と、外部同期109とを含む)これらの特性のいずれかまたは全ては、個々のデータまたは同期信号として提供され得る。代替として、本開示のなおもさらなる実施形態では、これらの特性のいずれかまたは全ては、複合データから導出され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ビデオフレームレート106およびビデオ同期108は、画面プロセッサ104によってビデオデータ118から導出されてもよい。別の実施形態では、カメラのシャッタ速度112は、カメラからの信号またはデータフィードから導出されてもよい。別の実施形態では、これらの特性のいずれかまたは全ては、一般的な動作選択肢または他のそのような経験則に関する以前の知識に基づいて、推測、近似、または仮定され得る。
【0026】
画面プロセッサ104からビデオディスプレイ画面102に送信される画面制御信号120は、ビデオディスプレイ画面102のLEDに関するPWM制御信号を含む。限定ではないが、所望のPWM信号のビット深度、周波数、持続時間、開始、および位相を含む、PWMタイミングが、画面プロセッサ104によって、またはビデオディスプレイ画面102の一部であるシステムによって生成されてもよい。PWMタイミングは、画面制御信号120によって、明示的に(例えば、ビデオデータ118のフレームと同期する、PWMタイミングを直接規定することによって)、または暗示的に(例えば、そこからPWMタイミングが、ビデオディスプレイ画面102によってビデオデータ118から導出され得る、カメラ露光時間を規定することによって)のいずれかで制御される。画面制御信号120は、カメラのシャッタが開かれている周期の間、ビデオデータを表示するとき、PWMタイミングを用いて、ビデオディスプレイ画面102にLEDの輝度を制御させるように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、画面制御信号120の同期パケットは、PWMタイミング制御を提供するように構成される。パネルは、同期パケットにロックオンされ、画面プロセッサ104が、ビデオディスプレイ画面102におけるPWMサイクルの開始時間を制御するために、同期パケットの周波数および位相を調節し得るという結果を伴う。画面プロセッサ104は、画面プロセッサ104に対するタイミング基準(例えば、ビデオ入力または同期入力)の設定に基づいて、同期パケットの周波数を選択し得る。2つの同期パケット間で、パネルは、次いで、カメラのシャッタが開かれている周期(これは、ひいては、カメラのシャッタ速度112、適切である場合、カメラのフレームレート110に基づいてもよい)に従って、一度に、PWMサイクルを開始することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、画面制御信号120はまた、ビデオデータ118も含む。いくつかのそのような実施形態では、ビデオデータは、画面制御信号120内への含有に先立って、ビデオデータ118内で受信されるフォーマット(例えば、ガンマ符号化レベル)から別のフォーマット(例えば、線形輝度レベル)に変換される。いくつかのそのような実施形態では、画面プロセッサ104は、露光時間が、続いて、画面制御信号120のタイミングから、かつそれから、PWM信号の必要とされるタイミングに関連する性質が確保され得るように、カメラの露光時間とのある他のユーザ規定の関連性と合致させる、または維持するために、ビデオデータ118のフレームが伝送されるレートを調節してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、ビデオデータ118、ビデオフレームレート106、ビデオ同期108、外部同期109、カメラフレームレート110、カメラのシャッタ速度112、カメラのシャッタタイプ114、シャッタ速度調節116、およびビデオデータ118のいずれかまたは全てが、それらの個別のソースからビデオディスプレイ画面102に、またはその複合LEDパネルに提供されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、情報は、画面プロセッサ104およびビデオディスプレイ画面102の両方に提供される。上記に開示されるように、本明細書で説明されるPWM制御プロセスは、画面プロセッサ104内で完全に、またはビデオディスプレイ画面102内で完全に実施され得る、または画面プロセッサ104およびビデオディスプレイ画面102は、プロセスの異なる部分を実施し得る。
【0030】
図2Aおよび2Bはそれぞれ、上から下へ、ビデオデータのビデオフレームのタイミング、LED PWMのタイミングおよび整合、カメラフレームのタイミング、ならびにカメラのシャッタのタイミングを提示する。
【0031】
図2Aは、ビデオおよびPWMタイミング信号のタイミング
図200である。(PWMサイクル1および2を備える)PWM信号202は、(ビデオフレーム1および2を備える)ビデオフレーム信号204に同期され、これは、ひいては、(カメラフレーム1および2を備える)カメラフレーム信号206に同期される。PWMサイクル1は、ビデオフレーム1の持続時間にわたって継続され、複数の離散パルスから成る。PWMサイクル1のパルス列(例えば、そのデューティサイクル、またはサイクルのある時間におけるパルスの存在もしくは不在)は、PWM信号202を生成する、LEDドライバチップに応じて、ビデオフレーム1の間、変動し得る。LEDドライバチップの構成および制御パラメータは、チップに、PWMサイクル1の持続時間の間、眼によって視認されるとき、所望の輝度レベルを達成する、全体的な平均デューティサイクルを生成させる。
【0032】
(開かれた部分と、閉じられた部分とを備える)カメラのシャッタ信号208によって示されるように、PWM信号202の一部は、カメラのシャッタが閉じられているときに生じる。例えば、PWMサイクル1は、カメラフレーム1が開始し、カメラのシャッタが開かれるときに開始する。カメラフレーム1の途中で、カメラのシャッタは、閉じるが、PWMサイクル1は、カメラフレーム1の終了まで継続する。
【0033】
上記に議論されるように、PWM信号202を生成する、LEDドライバチップは、規定された平均デューティサイクルを達成するために、PWMサイクルを変動させ得る。
図2Aおよび2Bに示される実施例では、PWMサイクルは、フレーム周期の終了に向かって変化する。タイミング
図200における、シャッタが閉じた後のPWMサイクル内の本変動は、カメラによっては見られず、カメラのシャッタが開いている間の信号のデューティサイクルが、フレーム周期全体にわたる平均デューティサイクルと異なるという結果をもたらし、これは、カメラによって捕捉される信号内のアーチファクトにつながり得る。
【0034】
図2Bは、本開示の実施形態による、ビデオおよびPWMタイミング信号のタイミング
図210である。ビデオフレーム信号204、カメラフレーム信号206、およびカメラのシャッタ信号208は、
図2Aと同一である。しかしながら、(PWMサイクル3-6を備える)PWM信号212は、速度が増加され、それによって、PWMサイクル3は、上記に議論されるアーチファクトを低減させる、または排除するために、カメラフレーム3の周期全体を通して延長するのではなく、カメラフレーム3の露光時間の間に完了し、これは、開かれたカメラのシャッタが、完全なPWMデューティサイクルの一部のみを捕捉することから結果としてもたらされ得る。
【0035】
PWMサイクル3および5は、カメラのシャッタが開くときに開始し、カメラのシャッタが閉じるときに終了する。カメラは、シャッタが閉じられているとき、ビデオディスプレイ画面102上で何も捕捉しない。しかしながら、ビデオディスプレイ画面102が、オフのままであるが、カメラのシャッタが、閉じられる場合、これは、ビデオディスプレイ画面102が、閃光がオンおよびオフにされているように現れ得るため、ビデオディスプレイ画面102を視認しているユーザ、実施者、および操作者を不快にさせ得る。本影響を低減させるために、本開示の他の実施形態では、PWMサイクル4および6が、シャッタが閉じるにつれて、開始されてもよい。PWMサイクル4等のサイクルは、カメラによって視認されず、ビデオディスプレイ画面102を視認する人々によってのみ視認されるであろう。
【0036】
さらなる実施形態では、ディスプレイのリフレッシュレートを増加させるために、PWMサイクル3は、より短い持続時間を有し、露光時間の間、繰り返され、複数のより短いPWMサイクルの本セットは、カメラのシャッタへの整合の目的のために、1つのより長いサイクルと同一に処理され、したがって、これらのより短いPWMサイクルの全てが、視覚的なアーチファクトを回避するように、カメラによって全体として捕捉されることを確実にする。いくつかのそのような実施形態では、そのようなより短いPWMサイクルは、カメラのシャッタが開かれている周期の間、完全に繰り返されるために、シャッタが開かれている周期の単位分数(すなわち、1/2、1/3、1/4等)である、持続時間を有する。他のそのような実施形態では、より短いPWMサイクルのセットの組み合わせられた持続時間は、カメラのシャッタの開かれている周期に等しい(例えば、カメラのシャッタの開かれている周期の50%、25%、および25%の持続時間)。同様に、いくつかのより短いPWMサイクルが、シャッタが閉じられている周期の間、出力されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、異なる数のPWMサイクルが、シャッタが閉じられている周期の間よりも、シャッタが開かれている周期の間に出力される。
【0037】
前述で説明されるように、いくつかの実施形態では、シャッタ速度は、PWMサイクルをシャッタとより厳密に同期させるために、高いレベルの正確度まで判定される。そのような高精度シャッタタイミング情報をより厳密に合致させるために、ビデオディスプレイ画面102にPWMサイクルの持続時間を延長または短縮させる、画面制御信号120内のPWM調節は、PWMクロックレートを調節すること、PWMビット深度を調節すること、LEDがオフであるPWM信号の1つ以上の部分を延長または短縮すること、PWM信号が完了する前に、それを中断すること、およびPWMサイクルの持続時間を精密に調節する他の好適な技法を含んでもよい。
【0038】
ビデオディスプレイ画面102のLEDドライバクロックジェネレータにおける限界が、所望の持続時間を達成することを阻止する実施形態では、画面制御信号120内のPWM調節は、ディザリング技法を、複数のカメラのシャッタが開かれている周期に対応する、複数のPWMサイクルを横断して採用させ得る。このように、複数のPWMサイクルのうちのいくつかのPWMサイクルは、他のものとは異なる持続時間を有し、PWMサイクルの平均持続時間が、所望のカメラのシャッタが開かれている周期とより厳密に合致するという結果を伴う。
【0039】
非常に速いシャッタ速度等のいくつかの場合には、結果として生じるPWMクロックが、LEDドライバチップ、またはPWM制御システム100の他の要素の能力を超過し得るため、完全なPWMサイクルをシャッタが開かれている周期に直接適合させることは、不可能であり得る。そのような場合では、他の実施形態は、PWMサイクルのサブセットをシャッタが開かれている周期に整合させ、サブセットが、例えば、具体的な整数のPWMパルスをシャッタが開かれている周期に整合させる(したがって、部分的なパルスが、露光周期の開始または終了時に、カメラによって視認されることを回避する)ことによって、視覚的なアーチファクトを最小限にするように選定されてもよい。他の実施形態では、(複数の走査線が、順次、駆動され、結果として生じる画像を形成する)走査多重化ドライバチップが、明線または暗線がカメラによって感知される尤度を低減させるために、シャッタが開かれている周期の間、毎回、等しい回数で、かつ同一の持続時間にわたって、各走査線をアクティブ化にするように制御されてもよい。
【0040】
PWMサイクルのサブセットをシャッタが開かれている周期に整合させる、そのような実施形態は、フルビット深度が、典型的には、PWMサイクルのサブセットだけでなく、その全体を視認するときに達成されるため、ビット深度における低減を結果としてもたらし得る。そのような実施形態では、本影響を最小限にするために、PWM信号の位相は、例えば、カメラが、いくつかのより短いパルス、ならびにより短いパルスのみではなく、いくつかのより長いパルスも感知することを可能にするために、ドライバチップ内の具体的なPWM実装に基づいて調節されてもよい。ビット深度におけるある程度の低減が、そのままであり続ける場合、そのような実施形態は、ドライバチップに送信される、PWM駆動レベルを調節し得る。例えば、カメラのシャッタが閉じられている間に、いくつかのより長い(より明るい)パルスが生じる場合、駆動レベルは、人工的にブースト(増加)され、そのようなブースティングは、カメラのシャッタが開かれている間、付加的なより長いパルスを生じさせ、シャッタが開かれている周期の間、所望の輝度により近接するLED輝度を達成し得る。さらなる他の実施形態では、ビット深度における低減は、加えて、または代替として、空間的かつ時間的ディザリングまたは他の好適な技法を介して、補償されてもよい。
【0041】
(
図2Bに示されるように)露光時間が、ビデオフレームの周期の半分未満である、いくつかの実施形態では、PWMサイクル4が、完了し、PWM制御システム100が、PWMサイクル5を開始する前に、次のビデオフレームが開始されるのを待機するため、ビデオディスプレイ画面102は、ビデオフレームの終了時に暗くなり得る。暗いビデオディスプレイ画面102は、カメラのシャッタが、本周期の間、閉じられるため、カメラによって捕捉され得ないが、しかしながら、ビデオディスプレイ画面102の短時間の暗い周期は、画面が、眼によって視認されるとき、フリッカを結果としてもたらし得る。そのような実施形態では、PWM制御システム100は、暗い周期の間、付加的なPWMサイクルを駆動させることを開始し、次いで、次のビデオフレームの開始時に、付加的なPWMサイクルを中断し得る。これは、とりわけ、画像のより明るい面積内で、明白なフリッカを低減させることができる。
【0042】
上記の議論は、主に、グローバルシャッタカメラに焦点を当てているが、本開示の実施形態は、同一のPWMサイクルが、ビデオフレーム周期内に、少なくとも2回繰り返されることを前提とすることによって、ローリングシャッタにも適応し得る。これは、カメラのシャッタが、画面の下方へ「回転」するにつれて、個々のセンサ線が、センサ線が動作している位相にかかわらず、1つの完全なPWMサイクルを捕捉するという利点を有する。したがって、いくつかの実施形態では、カメラのシャッタタイプ114(グローバルまたはローリング)は、均一な出力を達成することに役立てるために、ユーザによって規定されるか、またはPWM制御システム100によってカメラから受信されるかのいずれかである。いくつかのそのような実施形態では、カメラセンサ読出速度(シャッタが、迅速に「回転」する程度)を規定または受信することは、より速い読出速度が、カメラセンサの上部と底部との間のより小さな位相オフセットを結果としてもたらすため、より良好な結果が、取得されることを有効にし得る。そのような実施形態では、PWM信号は、より短い時間周期にわたって、フレームの開始を複製し続けるのみであり得る。
【0043】
ここに提示される動的アプローチの代替として、シャッタ角度、センサタイプ、読出速度等の情報が、ユーザインターフェースを介して、ランタイムにおいて、ユーザによって提供される、またはカメラもしくは他のデータソースから受信される場合、本開示の実施形態は、同様の機能性、すなわち、「オフライン」を実装してもよく、本場合では、静的構成が、一般的に遭遇され得る、一連の事前に定義されたシャッタ角度に基づいて、LEDビデオ画面102の特定のタイプ(または複数のタイプ)のために事前に生成される。そのようなアプローチは、低減されたランタイムの複雑性から利益を享受し、依然として、カメラのシャッタ速度等のある他の規定されたタイミングパラメータに基づいて、ビデオフレームレートから独立して、LED PWM出力(周波数、位相、波形形状等)の調整を提供する。
【0044】
本開示によるPWM制御システムのいくつかの実施形態はまた、PWM制御システムの出力が十分に調整されている程度を示す、PWM合致信号をユーザに送信してもよい。そのような信号は、「信号機」のステータスインジケータと同程度に単純であり得、一実施例では、緑色は、PWMサイクル全体(またはPWMサイクルのセット)が、規定されたシャッタタイミングまたはシャッタが開かれている周期と適正に合致していることをを示し、黄色は、ある整数のPWMパルスが、シャッタタイミングと合致している(しかし、PWMサイクル全体が、何らかの理由のために、合致されることができず、有効ビット深度におけるある程度の低減が、生じ得るという結果を伴う)ことを示し、赤色は、規定されたシャッタタイミングに対して、PWM出力を調整することが不可能であった(例えば、シャッタ速度が、非常に速いため、単一のPWMパルスでさえも、全ての走査線にわたって完了されることができない)ことを示す。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態では、例えば、高速カメラが、通常速度のビデオコンテンツを表示する、ビデオ画面と併用されている場合、例えば、スポーツイベントにおいて、高速移動アクションの鮮明な画像を提供するために、かつスローモーション再生を可能にするために、カメラが、高速である一方、掲示板、スコアボード、またはアクション再生画面上のビデオディスプレイが、通常のビデオフレームレートにおいて動作している場合、カメラフレームレート110は、ビデオフレームレート106と合致しない。高速カメラは、典型的には、通常のカメラよりも速いシャッタ速度を伴って動作し、したがって、LEDディスプレイ画面が、それらに対して適切に調整されない場合、フリッカおよび他のアーチファクトを呈する可能性がより高い。そのような実施形態では、ユーザが、カメラフレームレート110を規定してもよい。そのような実施形態のPWM制御システム100は、次いで、カメラフレームレート110およびカメラのシャッタ速度112の両方を使用し、PWMタイミングを、単一のシャッタ露光周期に、ならびに同一のビデオフレーム周期内の後続のシャッタ露光周期により良好に合致させるであろう。
【0046】
いくつかの実施形態では、PWM制御システム100は、例えば、カメラからのビデオ出力を監視し、カメラのビデオ出力内に存在する、任意の視覚的なアーチファクトを検出することによって、好適なタイミング情報を間接的に判定する。そのような実施形態は、そのようなアーチファクト(存在する場合)の可視性が、カメラのビデオ信号において最小限にされるまで、LEDビデオディスプレイ画面102のPWMタイミングを調節し得る。そのような調節は、LEDビデオディスプレイ画面102上に、通常のビデオコンテンツを表示しながら、または特別に設計された試験パターンを表示しながら判定されてもよい。いくつかのそのような実施形態は、必要とされる調節情報を判定するために、(例えば、光学研究所内で)カメラ特性を測定するために、別個の試験設定を使用する。
【0047】
他の実施形態では、PWM制御システム100の「オンの時間」は、LEDビデオディスプレイ画面102の前で移動する、高速移動物体のモーションブラーおよび/またはストロボ効果の影響を制御するように調節される。そのような物体は、シルエットで可視であるが、LEDが点灯している間のみである。そのような実施形態は、ユーザ入力に応じて、それが、自然に見える、または排除されているように、それぞれ、モーションブラーの量を増加または減少させるために、ユーザ入力に基づいて、ビデオフレームレートから独立して、PWMサイクルの持続時間を増加または減少させ得る。
【0048】
さらなる他の実施形態は、複数のカメラからのタイミング情報を支援し、PWM制御システム100が、全てのカメラに適応させることが可能であるように、その設定を最適化し得る。本適応は、種々のカメラの重要性を示す、ユーザ入力に従って、1つ以上のカメラを他のものより偏重するように加重されてもよい。複数のカメラは、高速カメラと通常速度カメラとの混合に伴って遭遇され得るような、種々の異なるカメラフレームレートおよび/またはシャッタ速度において動作し得る。
【0049】
いくつかの状況では、高速カメラおよび通常速度カメラをともに使用するとき等、各カメラの露光周期の間に表示されることになるビデオ画像は、同じであり得る。そのような実施例では、PWM制御システム100は、全てのカメラの露光周期を考慮し、これらの制約に基づいて「最適な」解決策を見出す。例えば、16.7ミリ秒(ms)の露光時間を伴う通常速度カメラおよび2msの露光時間を伴う高速カメラは、PWM出力が、(より短い2msの露光時間と合致させるために)500ヘルツ(Hz)の周波数において動作することを要求し得、複数のPWMサイクルが、通常カメラのより長い16.7msの露光時間の間に生じるように整合され、可能性として、中断される必要があり、それによって、可視アーチファクトを引き起こすであろう、9回の繰り返しではなく、合計16msになるまで8回繰り返し、フル16.7ms周期を構成するために、付加的な0.7msの「オフの時間」が挿入される。このように、両方のカメラ上のアーチファクトが、最小限にされ得る。
【0050】
他の状況では、第1のカメラに対して表示されるビデオ画像は、第2のカメラ(例えば、追跡カメラ)に対して表示されるものとは異なり得る。1つのそのような実施例では、PWM制御システム100は、一次カメラの露光周期の間、第1のビデオ画像と、追跡カメラの露光周期の間(例えば、一次カメラのシャッタが、閉じられているとき)、機械可読追跡パターンを備える第2のビデオ画像とを表示する。そのような状況に適応される実施形態では、本明細書に説明される技法は、そのようなアーチファクトが、一次カメラまたは人間の視認者に可視である画質を損なうだけでなく、機械可読パターンの追跡カメラの使用における問題を引き起こし得るため、両方のカメラ上のアーチファクトを最小限にするために適用されてもよい。
【0051】
本開示は、LEDビデオディスプレイ画面を参照するが、本開示が、そのように限定されないこと、および他の実施形態では、PWM制御システム100が、ディスプレイの視認者に明白である、アーチファクトを生産することなく、PWMを使用して、画面の輝度を制御するために、他のビデオディスプレイタイプと併用され得ることを理解されたい。そのような他のビデオディスプレイタイプは、有機LED(OLED)と、顕微鏡用LED(マイクロLED)と、液晶ディスプレイ(LCD)と、プラズマディスプレイと、他のそのような発光型デバイスとを含む。さらなる他の実施形態では、PWM制御システム100は、デジタル光処理(DLP)プロジェクタ、シリコン上液晶(LCoS)プロジェクタ、およびレーザプロジェクタ等の投影ビデオディスプレイと併用されてもよい。
【0052】
図3は、本開示による、PWM制御システム100内での使用のためのコントローラ300のブロック図である。コントローラ300は、画面プロセッサ104、ビデオディスプレイ画面102、およびビデオディスプレイ画面102のLEDパネル内の使用にとって好適である。コントローラ300は、メモリ304に電気的に結合される、プロセッサ302を含む。プロセッサ302は、ハードウェアおよびソフトウェアによって実装される。プロセッサ302は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)チップ、コア(例えば、マルチコアプロセッサとして)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、およびデジタル信号プロセッサ(DSP)として実装されてもよい。
【0053】
プロセッサ302はさらに、通信インターフェース306と、ユーザディスプレイ画面310と、ユーザインターフェース312とに電気的に結合され、それらと通信している。通信インターフェース306は、1つ以上の通信リンク308aを介して、ビデオ信号(ビデオデータ118等)を受信するように構成される。通信インターフェース306はまた、1つ以上のイーサネット(登録商標)または他のデジタル通信リンク308bを介して、制御目的のために、外部デバイスと通信するように構成される。そのような制御データは、ビデオフレームレート106と、ビデオ同期108と、外部同期109と、カメラフレームレート110と、カメラのシャッタ速度112と、カメラのシャッタタイプ114と、シャッタ速度調節116とを含んでもよい。通信インターフェース306はまた、1つ以上の付加的なイーサネット(登録商標)または他のデジタル通信リンク308cを介して、ビデオディスプレイまたはLEDパネル制御信号(画面制御信号120等)を送信および/または受信するように構成される。リンク308a、308b、および308cのうちのいくつかは、随意に、単一の物理的接続部を共有してもよい。他の実施形態では、ビデオ信号、制御データ、およびビデオデータは、3つより少ない、または3つを超える通信リンクの中に組み合わせられる、またはそれらに分離されてもよい。
【0054】
プロセッサ302は、ユーザディスプレイ画面310を介して、ユーザにシステム情報を表示し、ユーザインターフェース312を介して、ユーザ制御情報を出力および受信するように構成される。コントローラ300は、ユーザディスプレイ画面310と、ユーザインターフェース312とを含むが、他の実施形態は、ユーザディスプレイ画面と、ユーザインターフェースとを含まず、ユーザ制御情報が、イーサネット(登録商標)通信リンク308bのうちの1つ以上または他の好適な通信リンクを介して、送信および受信され得る。
【0055】
コントローラ300は、本明細書に開示されるようなプロセス、PWM合致制御、および他の機能性を実装するために好適であり、これは、メモリ304内に記憶され、プロセッサ302によって実行される命令として実装されてもよい。
【0056】
メモリ304は、1つ以上のディスク、テープドライブ、および/またはソリッドステートドライブを備え、そのようなプログラムが、実行のために選択されるときにプログラムを記憶するために、かつプログラム実行の間に読み取られる命令およびデータを記憶するために、オーバーフローデータ記憶デバイスとして使用されてもよい。メモリ304は、揮発性および/または不揮発性であってもよく、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)であってもよい。メモリ304は、プロセッサ302によって実行されるとき、本明細書で説明されるPWM合致機能性を提供する、命令を備える、ソフトウェアまたはファームウェアを記憶するように構成される。
【0057】
図4は、本開示のある実施形態による、ビデオディスプレイ内でPWMを制御する方法400のフロー図である。
図1、2B、および3に示される要素を参照すると、方法400は、ビデオディスプレイ画面102内のLEDピクセルのPWMを制御する際に、画面プロセッサ104のコントローラ300による使用にとって好適である。プロセッサ302は、方法400を実施するために、メモリ304内に記憶される命令を実行する。
【0058】
ステップ402では、画面プロセッサ104は、LEDビデオディスプレイ画面102によって表示される画像を捕捉するように構成される、カメラに関連するカメラ特性を取得する。カメラ特性は、カメラのシャッタが開かれている周期の持続時間を含む。ステップ404では、画面プロセッサ104は、LEDビデオディスプレイ画面102に関するPWMタイミング制御を計算する。PWMタイミング制御は、カメラのシャッタが開かれている周期に基づいて、PWMサイクル持続時間を規定する。ステップ406では、画面プロセッサ104は、画面制御信号120をLEDビデオディスプレイ画面102に送信する。画面制御信号120は、カメラのシャッタが開かれている周期の間、PWMタイミング制御に従って、LEDビデオディスプレイ画面102の輝度を制御するように構成される。
【0059】
本明細書で使用されるように、用語「PWM制御システム」は、ビデオディスプレイのPWM制御を1つ以上のビデオカメラの動作特性に合致させる、本開示によるシステムを指す。種々の実施形態では、本開示によるPWM制御システムの要素は、画面プロセッサ104と、ビデオディスプレイ画面102および/またはそれらのLEDパネル(存在する場合)内の内部処理システムとを含んでもよい。種々の実施形態では、本開示によるPWM制御システムに起因する処理は、システムの単一の要素内で実施される、またはシステムの複数の要素を横断して分散されてもよい。
【0060】
本開示のいくつかの実施形態のみが、本明細書に説明されているが、本開示の利益を有する、当業者は、本開示の範囲から逸脱しない他の実施形態が、考案され得ることを理解するであろう。本開示は、詳細に説明されているが、種々の変更、代用、および改変が、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に対して行われ得ることを理解されたい。
【外国語明細書】