(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149605
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】複数回使用血液制御カテーテルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20241010BHJP
A61M 39/06 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A61M25/06 580
A61M25/06 500
A61M39/06 122
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024124837
(22)【出願日】2024-07-31
(62)【分割の表示】P 2021559238の分割
【原出願日】2020-04-02
(31)【優先権主張番号】62/829,458
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/837,767
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャド アラン タッグ
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(57)【要約】
【課題】隔壁の近位位置から遠位位置への戻り及び隔壁の複数回の使用を容易にし得るカテーテルアセンブリを提供する。
【解決手段】カテーテルアセンブリは、遠位端、近位端、並びにカテーテルアダプタの遠位端及び近位端を通って延びる管腔を含み得るカテーテルアダプタを含み得る。カテーテルアセンブリは、管腔内に配置された隔壁と、管腔内に固定された隔壁アクチュエータと、隔壁の遠位にある管腔内に配置されたばねとを含み得る。隔壁は、遠位端と、近位端と、隔壁の内部を遠位空洞と近位空洞とに分割し得る仕切りとを含み得る。カテーテルアダプタの近位端への医療機器の挿入に応じて、隔壁は近位位置から遠位位置へ移動し得、隔壁アクチュエータは隔壁を貫通し得る。ばねは、医療機器の取り外しに応じて、隔壁を遠位位置から近位位置に戻し得る。遠位空洞を形成する隔壁の内面の一部は、滑らかであり得る。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリであって、
遠位端、近位端、ならびに前記遠位端および前記近位端を通って延びる管腔を備えるカテーテルアダプタと、
前記管腔内に配置された隔壁であって、前記隔壁が遠位端、近位端、および前記隔壁の遠位端と前記隔壁の近位端との間に配置された仕切りを備え、前記仕切りが前記隔壁の内部を遠位空洞と近位空洞とに分割し、前記仕切りがスリットを備え、前記隔壁が、カテーテルアダプタの近位端への医療機器の挿入に応じて、近位位置から遠位位置へ移動するように構成されている、隔壁と、
前記管腔内に固定された隔壁アクチュエータであって、前記隔壁アクチュエータは、管状体と、前記管状体の外面から外向きに延びる環状リップとを備え、前記環状リップは、前記隔壁アクチュエータの近位端に配置され、前記隔壁アクチュエータは、前記近位位置から前記遠位位置への前記隔壁の移動に応じて、前記スリットを貫通するように構成されている、隔壁アクチュエータと、
前記隔壁の遠位にある前記管腔内に配置されたばねであって、前記ばねは、前記カテーテルアダプタの前記近位端からの前記医療機器の取り外しに応じて、前記隔壁を前記遠位位置から前記近位位置に戻すように構成されている、ばねと、
を備え、
前記遠位空洞を形成する前記隔壁の内面の一部は滑らかであり、前記一部は、前記仕切りの遠位にあり、前記隔壁が前記近位位置に配置されるとき、前記一部は、前記環状リップと位置合わせされるか、または前記環状リップの近位にある、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記ばねが、前記隔壁アクチュエータを取り囲む、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記ばねおよび前記隔壁が、エラストマーでつくられている、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記ばねおよび前記隔壁が、シリコンでつくられている、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記ばね及び前記隔壁が、単一のユニットとして一体的に形成される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記管状体の外面が滑らかである、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記環状リップが、略円錐台形状を備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記遠位空洞を形成する前記隔壁の内面は、突出部を備え、前記環状リップは、前記隔壁が前記近位位置から前記遠位位置に移動することに応じて、前記突出部を通過するように構成される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記ばねがコイルを備え、前記コイルが前記隔壁アクチュエータを取り囲み、前記コイルが螺旋形状または複数のウェーブを備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記コイルが金属でつくられている、請求項9に記載のカテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カテーテルは様々な注入療法に一般的に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水、種々の薬剤、および完全非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用され得る。カテーテルは患者から血液を抜き取るためにも使用され得る。
【0002】
一般的なタイプのカテーテルは、オーバー・ザ・ニードル末梢静脈カテーテル(「PIVC」)である。その名前が示唆するように、オーバー・ザ・ニードルPIVCは、鋭利な遠位先端部を有する導入針をおおって取り付けられ得る。PIVCおよび導入針は、導入針の遠位先端部がPIVCの遠位先端部を越えて延在し、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向くように組み立てることができる。PIVCおよび導入針は、一般に、浅い角度で皮膚を通して患者の脈管構造に挿入される。
【0003】
静脈内の導入針および/またはPIVCの適切な配置を確認するために、使用者は一般に、PIVCアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認されると、使用者は、静脈内の流れを一時的に遮断し、導入針を取り去って、PIVCを静脈内の所定の位置に残すことができる。次いで、PIVCは、輸液および/または血液の抜き取りまたは採取のために使用され得る。
【0004】
本明細書に請求される主題は、いずれかの欠点を解決するか、または上述のような環境においてのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、本明細書に記載されたある実施形態が実施され得る1つの例示的な技術分野を示すためにのみ提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第15/012,013号
【特許文献2】米国特許出願第62/808,133号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、一般に、血管アクセス装置および関連するシステムおよび方法に関する。より詳細には、本開示は、カテーテルアセンブリに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタを含んでもよく、カテーテルアダプタは、遠位端、近位端、およびカテーテルアダプタの遠位端およびカテーテルアダプタの近位端を通って延びる管腔を含んでもよい。
【0008】
ある実施形態において、カテーテルアセンブリは、管腔内に配置され得る隔壁を含んでもよい。ある実施形態では、隔壁は、遠位端、近位端、および隔壁の遠位端と隔壁の近位端との間に配置された仕切りを含んでもよい。ある実施形態において、仕切りは、隔壁の内部を遠位空洞と近位空洞とに分割してもよい。ある実施形態では、仕切りはスリットを含んでもよい。ある実施形態において、隔壁は、カテーテルアダプタの近位端への医療機器の挿入に応じて、近位位置から遠位位置へ移動するように構成されてもよい。
【0009】
ある実施形態において、カテーテルアセンブリは、管腔内に固定され得る隔壁アクチュエータを含んでもよい。ある実施形態では、隔壁アクチュエータは、隔壁の近位位置から遠位位置への移動に応じてスリットを貫通するように構成されてもよい。
【0010】
ある実施形態では、カテーテルアセンブリは、隔壁の遠位にある管腔内に配置され得るばねを含んでもよい。ある実施形態において、ばねは、カテーテルアダプタの近位端からの医療機器の取り外しに応じて、隔壁を遠位位置から近位位置に戻すように構成してもよい。ある実施形態では、ばねは、隔壁アクチュエータを取り囲んでもよい。
【0011】
ある実施形態において、ばねおよび/または隔壁は、エラストマーでつくられていてもよい。例えば、ばねおよび/または隔壁は、シリコン又は他の適切な材料でつくられていてもよい。ある実施形態では、ばねおよび隔壁は、単一のユニットとして一体的に形成されてもよい。ある実施形態では、ばねは、隔壁アクチュエータを取り囲んでもよいコイルを含んでもよい。ある実施形態では、コイルは、金属または他の適切な材料でつくられていてもよい。ある実施形態では、コイルは、螺旋形状または複数のウェーブを含み得る。
【0012】
ある実施形態において、隔壁アクチュエータは、管状体を含んでもよい。ある実施形態において、管状体の外面は滑らかであってもよい。ある実施形態において、管状体は、概ね円柱状又はテーパ状であってよい。
【0013】
ある実施形態において、隔壁アクチュエータは、管状体の外面から外向きに延びる環状リップを含んでもよい。ある実施形態では、環状リップは、管状体の外面から遠位に延びていてもよい。ある実施形態では、環状リップは、隔壁アクチュエータの近位端に配置されてもよい。ある実施形態では、環状リップは、略円錐台形状を含んでもよい。
【0014】
ある実施形態において、遠位空洞を形成する隔壁の内面は、1つ以上の突出部を含んでもよい。ある実施形態では、1つ以上の突出部は環状であってもよい。ある実施形態において、環状リップは、隔壁が近位位置から遠位位置に移動することに応じて、1つ以上の突出部を通過するように構成されてもよい。ある実施形態において、環状リップは、隔壁が近位位置から遠位位置に移動されるときに、1つ以上の突出部に接触するように構成されてもよい。
【0015】
ある実施形態において、遠位空洞を形成する隔壁の内面の一部(portion)は、滑らかであり得る。これらの実施形態および他の実施形態では、遠位空洞を形成する隔壁の内面は、1つ以上の突出部を含まなくてもよい。ある実施形態では、内面の一部は、仕切りの遠位にあってもよい。ある実施形態では、内面の一部は、隔壁が近位位置に配置される場合、環状リップと位置合わせされてもよく、または環状リップの近位にあってもよい。ある実施形態において、環状リップは、隔壁が近位位置から遠位位置に移動されるときに環状リップが内面の一部と接触しないように、隔壁の内面の一部から離間されてもよい。ある実施形態では、内面の一部は、隔壁の遠位端の開口部に隣接していてもく、および/または隔壁の遠位端の開口部の近位にあってもよい。
【0016】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的であり、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された配置および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態を組み合わせてもよく、または他の実施形態を利用してもよく、特許請求の範囲に記載されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、構造的な変更を行ってもよいことも理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味では解釈されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用して、さらなる具体性および詳説を伴って記載および説明される。
【0018】
【
図1】ある実施形態による、例示的なカテーテルシステムの上方斜視図である。
【
図2A】ある実施形態による、例示的なばねおよび近位位置に配置された例示的な隔壁を示す、例示的なカテーテルアセンブリの部分切断図である。
【
図2B】ある実施形態による、ばねおよび近位位置に配置された隔壁を示す、
図2Aのカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図2C】ある実施形態による、ばねおよび遠位位置に配置された隔壁を示す、
図2Aのカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図3A】ある実施形態による、他の例示的なばねおよび近位位置に配置された隔壁を示す、カテーテルアセンブリの部分切断図である。
【
図3B】ある実施形態による、他のばねおよび近位位置に配置された隔壁を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図3C】ある実施形態による、他のばねおよび遠位位置に配置された隔壁を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図4A】ある実施形態による、近位位置に配置された他の例示的な隔壁を示す、カテーテルアセンブリの部分切断図である。
【
図4B】ある実施形態による、遠位位置に配置された他の隔壁を示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図5A】ある実施形態による、近位位置に配置された他の隔壁および例示的な隔壁アクチュエータを示す、カテーテルアセンブリの部分切断図である。
【
図5B】ある実施形態による、近位位置に配置された他の隔壁および隔壁アクチュエータを示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図5C】ある実施形態による、遠位位置に配置された他の隔壁および隔壁アクチュエータを示す、カテーテルアセンブリの断面図である。
【
図6】ある実施形態による、隔壁または他の隔壁の上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1を参照すると、ある実施形態によるカテーテルシステム10が示されている。ある実施形態では、カテーテルシステム10は、針シールド装置12およびカテーテルアセンブリ14を含んでもよい。ある実施形態では、カテーテルアセンブリ14は、カテーテルアダプタ16を含んでもよく、カテーテルアダプタ16は、遠位端18、近位端20、および遠位端18および近位端20を通って延びる管腔を含んでもよい。ある実施形態では、カテーテルアセンブリ14は、カテーテル22を含んでもよく、カテーテル22は、遠位端24および近位端26を含んでもよい。ある実施形態では、カテーテル22は、末梢静脈カテーテル(「PIVC」)、正中線カテーテル、末梢挿入中心カテーテル(「PICC」)、または他の適切なカテーテルを含んでもよい。ある実施形態では、カテーテル22の近位端26は、カテーテルアダプタ16内に固定されてもよい。
【0020】
ある実施形態において、カテーテルシステム10は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「RELEASABLE CATHETER HUB RETAINER」という名称の、2016年2月1日出願の特許文献1(米国特許出願第15/012,013号)に記載された安全カテーテルアセンブリの1つ以上の特徴を含んでもよい。ある実施形態では、カテーテルシステム10は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「IMPROVED COUPLING BETWEEN A TELESCOPING NEEDLE SHIELD AND A CATHETER ADAPTER」という名称の、2019年2月20日に出願された特許文献2(米国特許出願第62/808,133号)に記載された安全カテーテルアセンブリの1つ以上の特徴を含んでもよい。
【0021】
ある実施形態において、針シールド装置12は、カテーテルアダプタ16に取り外し可能に結合され得る針ハウジング30を含んでもよい。ある実施形態において、針ハウジング30は、細長い本体(elongated body)32を含んでもよい。ある実施形態において、針シールド装置12は、針ハウジング30にスライド可能に結合され得る針アセンブリ34を含んでもよい。
【0022】
ある実施形態では、針アセンブリ34は、導入針36を含んでもよく、導入針36は、鋭利な遠位先端部38を含んでもよい。ある実施形態では、導入針36は、カテーテルシステム10が、例えば
図1Aに示されるように、患者の脈管構造内に挿入する準備ができている挿入位置にあるとき、カテーテル22を通って延びてもよい。ある実施形態では、針アセンブリ34は、針グリップ40を含んでもよく、脈管構造内へのカテーテル22の配置が確認されると、使用者が、針グリップ40を把持し、近位に移動して、脈管構造から導入針36を引き抜いてもよい。
【0023】
ある実施形態において、脈管構造内のカテーテル22の配置は、血液フラッシュバックによって確認することができる。ある実施形態では、導入針36が患者の脈管構造内に挿入されることに応じて、血液フラッシュバックは、導入針36の鋭利な遠位先端部38を通って、導入針36の遠位切欠き(distal notch)からカテーテルシステム10の一部へと流れることができる。例えば、血液フラッシュバックは、鋭利な遠位先端部38を通って、遠位切欠きから、導入針36の外面とカテーテル22の内面との間の空間内へと流れることができる。ある実施形態では、血液フラッシュバックが臨床医によって観察された後、導入針36を引き抜き、針アセンブリ34および針ハウジング30をカテーテルアダプタ16から取り外すことができる。
【0024】
次に
図2A~
図2Cを参照すると、ある実施形態では、カテーテルアセンブリ14は、カテーテルアダプタ16を含んでもよく、カテーテルアダプタ16は、遠位端18、近位端20、およびカテーテルアダプタ16の遠位端18およびカテーテルアダプタ16の近位端20を通って延びる管腔42を含んでもよい。
【0025】
ある実施形態では、カテーテルアセンブリ14は、管腔42内に配置され得る隔壁44を含んでもよい。ある実施形態では、隔壁44は、遠位端46、近位端48、および隔壁44の遠位端46と隔壁44の近位端48との間に配置された仕切り50を含んでもよい。ある実施形態では、仕切り50は、隔壁44の内部を遠位空洞52と近位空洞54とに分割し得る。ある実施形態では、仕切り50は、仕切り50が閉じられたとき、遠位空洞52と近位空洞54との間で流体が流れるのを防止することができる。ある実施形態において、仕切り50は、スリット56を含んでもよい。ある実施形態において、隔壁44は、医療機器55のカテーテルアダプタ16の近位端20への挿入に応じて、近位位置から遠位位置へ移動するように構成されてもよい。
【0026】
ある実施形態において、カテーテルアセンブリ14は、管腔42内に固定され得る隔壁アクチュエータ58を含み得る。ある実施形態において、隔壁アクチュエータ58は、隔壁44の近位位置から遠位位置への移動に応じて、スリット56を貫通するように構成され得る。ある実施形態において、隔壁44は、実質的にH形の断面を含んでもよい。
【0027】
ある実施形態では、カテーテルアセンブリ14は、隔壁44の遠位にある管腔42内に配置され得るばね60を含んでもよい。ある実施形態では、ばね60は、カテーテルアダプタ16の近位端20からの医療機器55の取り外しに応じて、隔壁44を遠位位置から近位位置に戻すように構成され得る。したがって、ある実施形態では、ばね60は、医療機器55のカテーテルアダプタ16への複数の接続を介した複数の注入および/または血液の抜き取りを含む、カテーテルアセンブリ14および隔壁44の複数回の使用を容易にすることができる。ある実施形態では、ばね60は、隔壁44の遠位位置への移動に応じて圧縮され得る。ある実施形態では、ばね60は、隔壁44の近位位置への移動に応じて圧縮前の状態に戻され得る。
【0028】
ある実施形態において、ばね60は、例えば
図2Aに示されるように、隔壁アクチュエータ58を取り囲んでもよい。ある実施形態において、ばね60は、例えば
図2Aに示されるように、隔壁アクチュエータ58を取り囲んでもよいコイルを含んでもよい。ある実施形態において、コイルは、らせん状であってもよい。ある実施形態では、コイルは、金属または他の適切な材料でつくられていてもよい。ある実施形態では、コイルはエラストマーでつくられていてもよい。例えば、コイルおよび/または隔壁44は、改良された機械的特性を提供し得るシリコン又は他の適切な材料でつくられていてもよい。ある実施形態では、コイルおよび隔壁44は、単一のユニットとして一体的に形成されてもよい。ある実施形態では、ばね60の近位端は隔壁44に結合されてもよく、および/またはばね60の遠位端はカテーテルアダプタ16に結合されてもよい。
【0029】
ある実施形態において、ばね60は、コイル状であってもよく、および/または隔壁アクチュエータ58を取り囲んでもよい、ウェーブばねを含んでもよい。ある実施形態において、ウェーブばねは、コイル状ワイヤにばね効果を与えるウェーブを含むコイル状ワイヤから作られてもよい。ある実施形態において、ウェーブばねは、金属または他の適切な材料でつくられていてもよい。ある実施形態において、ウェーブばねは、エラストマーでつくられていてもよい。例えば、ウェーブばねおよび/または隔壁44は、改良された機械的特性を提供し得るシリコン又は他の適切な材料でつくられていてもよい。ある実施形態では、ウェーブばねおよび隔壁44は、単一のユニットとして一体的に形成されてもよい。ある実施形態では、ばね60の近位端は隔壁44に結合されてもよく、および/またはばね60の遠位端はカテーテルアダプタ16に結合されてもよい。
【0030】
ある実施形態では、隔壁アクチュエータ58は、管状体62を含んでもよい。ある実施形態では、管状体62は、ほぼ円柱状であってもよく、またはテーパ状であってもよい。ある実施形態では、隔壁アクチュエータ58は、管状体62の外面66から外向きに延びる環状リップ64を含んでもよい。ある実施形態では、環状リップ64は、管状体62の外面66から遠位に延びていてもよい。ある実施形態では、環状リップ64は、隔壁アクチュエータ58の近位端に配置されてもよい。ある実施形態では、環状リップ64は、例えば
図2Aに示されているような、略円錐台形状を含んでもよい。ある実施形態では、環状リップ64または略円錐台形状は、医療機器55をカテーテルアダプタ16の近位端20に挿入する前の近位位置における隔壁44の固定を容易にし、隔壁44の遠位移動に対する抵抗を与えることができる。
【0031】
ある実施形態において、遠位空洞52を形成する隔壁44の内面は、1つ以上の突出部68を含んでもよい。ある実施形態において、1つ以上の突出部68は、環状であってもよい。ある実施形態では、環状リップ64は、隔壁が近位位置から遠位位置に移動することに応じて、1つ以上の突出部68を通過するように構成されてもよい。ある実施形態では、環状リップ64は、隔壁44が近位位置から遠位位置に移動されるときに、1つ以上の突出部68に接触するように構成してもよい。ある実施形態において、1つ以上の突出部68は、管状体62に接触してもよく、あるいは1つ以上の突出部68は、管状体62に接触しなくてもよい。
【0032】
ある実施形態では、1つ以上の突出部68および/または環状リップ64は、医療機器55の取り外しに応じて遠位位置から近位位置に戻る隔壁44に対して抵抗を与えてもよい。より詳細には、1つ以上の突出部68は、隔壁44が遠位位置から近位位置に向かって移動するときに環状リップ64に接触又は引っ掛かり得、および/または環状リップ64は、隔壁44が遠位位置から近位位置に向かって移動するときに仕切り50に接触又は引っ掛かり得る。しかしながら、ばね60は、抵抗に打ち勝って、隔壁44の遠位位置から近位位置への移動を容易にすることができる。このように、ある実施形態では、ばね60は、カテーテルアセンブリ14および隔壁44の複数回の使用を容易にすることができる。
【0033】
図3A~3Cを参照すると、ある実施形態において、ばね60および/または隔壁44は、エラストマーでつくられていてもよい。例えば、ばね60および/または隔壁44は、改良された機械的特性を提供し得るシリコン又は他の適切な材料でつくられていてもよい。ある実施形態では、ばね60および隔壁44は、単一のユニットとして一体的に形成されてもよい。ある実施形態では、ばね60は、隔壁アクチュエータ58を取り囲んでもよい。
【0034】
図4A~
図4Bを参照すると、ある実施形態において、遠位空洞52を形成する、隔壁44の内面の一部70は、滑らかであり得る。これらの実施形態および他の実施形態では、遠位空洞52を形成する隔壁44の内面は、1つ以上の突出部68を含まなくてもよい。ある実施形態では、内面の一部70は、仕切り50の遠位にあってもよい。ある実施形態では、1つ以上の突出部68の除去は、隔壁44の近位位置から遠位位置への戻り(return)および隔壁44の複数回の使用を容易にし得る。
【0035】
ある実施形態において、内面の一部70は、隔壁44が近位位置に配置されるときに、環状リップ64と位置合わせされてもよく、または環状リップ64の近位にあってもよい。ある実施形態では、環状リップ64は、隔壁44が近位位置から遠位位置に移動されるときに環状リップ64が内面の一部70と接触しないように、隔壁44の内面の一部70から離間されてもよい。ある実施形態において、内面の一部70は、隔壁44の遠位端の開口部72に隣接していてもく、および/または隔壁44の遠位端の開口部72の近位にあってもよい。
【0036】
図5A~5Cを参照すると、ある実施形態において、隔壁アクチュエータ58の近位端74の外面は滑らかであってもよく、環状リップ64を含まなくてもよい。より詳細には、ある実施形態において、管状体62の外面は滑らかであってもよく、環状リップ64を含まなくてもよい。ある実施形態において、環状リップ64の除去は、隔壁44の近位位置から遠位位置への戻りおよび隔壁44の複数回の使用を容易にすることができる。ある実施形態において、遠位空洞52を形成する、隔壁44の内面は、1つ以上の突出部68を含んでもよい。他の実施形態において、遠位空洞52を形成する、隔壁44の内面の一部70は、滑らかであってもよい。
【0037】
図6を参照すると、ある実施形態による、隔壁44の上方斜視図が示されている。ある実施形態において、隔壁44の外面は、概ね円柱状であってもよい。
【0038】
本明細書に記載される全ての例および条件付き言語は、本発明および本技術の発展に本発明者が貢献した概念を読者が理解するのを助けるための教育的な目的のためのものであり、このような具体的に記載された例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本開示の実施形態を詳細に説明してきたが、開示された実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を本明細書で行うことができることを理解されたい。