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特開2024-149607媒体輸送用の装置及びその装置を製造する方法
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  • 特開-媒体輸送用の装置及びその装置を製造する方法 図1
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  • 特開-媒体輸送用の装置及びその装置を製造する方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149607
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】媒体輸送用の装置及びその装置を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/20 20060101AFI20241010BHJP
   B60K 11/02 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
B29C49/20
B60K11/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024125031
(22)【出願日】2024-07-31
(62)【分割の表示】P 2022052031の分割
【原出願日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】21166246.5
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】518148098
【氏名又は名称】テーイー オートモーティブ テクノロジー センター ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ウィンター
(72)【発明者】
【氏名】トシュテン シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン デイベル
(72)【発明者】
【氏名】アルテム トゥツィン
(57)【要約】
【課題】安価に製造可能で且つ組み立てが容易な、媒体輸送用の装置を提供する。
【解決手段】ブロー成形部品として形成される基体(2)と、少なくとも1つの機能要素(3)とを備える媒体輸送用の装置(1)であって、機能要素(3)は基体(2)に形状接続式に固定されており、形状接続が、ブロー成形中に基体(2)を成形することにより形成されることを特徴とする装置(1)、及び、装置(1)を製造する方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体輸送用の装置(1)であって、
ブロー成形部品として形成される基体(2)と、
少なくとも1つの機能要素(3)と
を備え、
前記機能要素(3)は、前記基体(2)に形状接続式に固定されており、
前記基体(2)は、流路(4)を少なくとも1つ有し、
前記機能要素(3)は、さらなる流路(5)を少なくとも1つ有し、
前記基体(2)と前記少なくとも1つの機能要素(3)との前記接続は、形状接続であり、
前記基体(2)と前記機能要素(3)は、前記流路(4)と前記さらなる流路(5)との間に流体密な接続ができるように互いに固定され、
前記機能要素(3)は、複数の凹部(6)を有する縁領域を備え、前記複数の凹部(6)は複数の穴を画定するために前記縁領域を貫通して延びており、
前記基体(2)は、少なくとも部分的に、該凹部(6)内に延在しており、前記形状接続が形成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記基体(2)はきのこ形状の突起(7)を形成しており、前記突起(7)が前記凹部(6)内に延在している
ことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、
前記基体(2)と前記少なくとも1つの機能要素(3)との前記接続は、材料接続である
ことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の装置であって、
前記基体(2)と前記機能要素(3)との間には、流れを誘導する接続が少なくとも1つ存在する
ことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の装置であって、
前記機能要素(3)は、少なくとも部分的にプラスチックから形成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の装置であって、
前記装置(1)は、温度制御媒体用の分配構造をなしている
ことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の装置であって、
前記機能要素(3)は、アダプタ、ポンプ、冷却器、センサ、弁、ホースアダプタとして形成されているか、又は、前述の要素の一部として形成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の装置であって、
前記凹部(6)には、アンダーカットが形成されている
ことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の装置(1)を製造する方法であって、
前記少なくとも1つの機能要素(3)と、ポリマー材料からなるプリフォームとが提供され、
前記機能要素(3)及び前記プリフォームは、ブロー金型内に配置され、
前記基体(2)は、前記プリフォームから形成され、
前記プリフォームは、接続を形成するために、成形中は前記機能要素(3)に当接する
方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
成形中、前記プリフォームは、少なくとも部分的に、前記凹部(6)内に延在する
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の方法であって、
前記プリフォームは、アンダーカットが形成されるような態様で、成形中に前記凹部(6)内で変形する
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか1項に記載の方法であって、
ブロー成形後、流れを誘導する接続が、前記基体(2)と前記機能要素(3)との間に形成される
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1に記載の装置であって、
前記基体(2)は、前記複数の穴を貫通して延び、前記形状接続を形成するための拡大された突起(7)を画定する
装置。
【請求項14】
請求項4に記載の装置であって、
前記さらなる流路(5)は、ノズル(8)の外周に嵌合され径方向に向いたシール(9)を備えた前記ノズル(8)を有する入口を画定し、前記基体(2)は前記外周及び前記シール(9)の周りに径方向内側に延びるように形成される
装置。
【請求項15】
請求項4に記載の装置であって、
前記複数の凹部(6)は、前記流路(4)の周囲に円周方向に配置される、
装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置であって、
前記基体(2)は第一流路を有し、
前記機能要素(3)は第二流路を有し、
前記第二流路の周囲に取り付けられたシール(9)をさらに有し、
前記シール(9)は、前記基体(2)をブロー成形すると前記基体(2)が前記シール(9)に当接して前記シール(9)に弾性的な予荷重を与えるように構成されている、
装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置であって、
前記基体(2)がその中に延在する前記複数の凹部(6)は、前記シール(9)の径方向外側に位置する、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体輸送用の装置に関し、この装置は、ブロー成形部品として形成される基体と、少なくとも1つの機能要素とを備える。
【背景技術】
【0002】
媒体輸送用の装置は、例えば電気自動車に必要である。電気自動車の電池、特にリチウムイオン電池は、限定された温度範囲内でのみ、最適な能力を発揮する。このため、周囲温度に応じて電池の加熱又は冷却が必要になることがある。よって、電池のセルを所望の温度範囲内で温度制御するために、電気自動車のドライブユニットは、通常、管路装置を有する温度制御回路を備えており、この管路装置を通して、温度制御媒体等をセルに供給することができる。
【0003】
さらに、電気自動車のドライブユニット全体の構成要素の温度を制御する、特に冷却することが必要な場合がある。これらの構成要素には、電池のほかに、パワーエレクトロニクス機器や電気モータが含まれる。充電用エレクトロニクス機器やこれに関連するプラグ接続部やケーブルも、温度制御ユニットによって冷却することができる。高速充電処理に関しては、このことは特に重要である。
【0004】
ドライブユニット内での使用に加えて、車両エレクトロニクス機器におけるその他の部分、特にセンサ及び車載コンピュータに関連するさらなる応用分野がある。車両が自動運転用に装備される場合、強力なセンサ及び強力なコンピュータが必要になり、この場合、システムがほぼ冗長になる。車両内の設置するスペースが限られているため、これらのシステムは、これらの構成要素の温度を制御する温度制御ユニットについても特別な要件を有する。
【0005】
空調システム内でも温度制御媒体が使用される。空調システム、特に移動式空調システムは、温度制御媒体を空調システムの個々の装置間で輸送可能にする管路装置を備える。移動式空調システム、例えば自動車の車内空調用の空調システムでは、管路装置は比較的複雑な構造を有している。さらに、装置のさらなる構成要素、例えばポンプ等の機能要素は、装置に一体化して設置するスペースを節約する必要がある。機能要素を装置に一体化すると、装置を組み立てる手間が減るという利点も生じる。しかし、特に装置を組み立てる際に機能要素が脱落しないような態様で装置に保持されることは、確実にしなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、安価に製造可能で且つ組み立てが容易な、媒体輸送用の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴により達成される。従属請求項は、有利な実施形態を示している。
【0008】
本発明による、媒体輸送用の装置は、ブロー成形部品として形成される基体と、少なくとも1つの機能要素とを備え、機能要素は基体に形状接続式に固定されており、基体と少なくとも1つの機能要素との接続は、ブロー成形中に基体を成形することにより形成される。
【0009】
従って、本発明による装置は、ブロー成形によって製造される基体を備える。ブロー成形により、複雑な形状を有する1つの部品からなる基体を製造することが可能になる。例えば、基体は、媒体用マニホルドとして形成可能である。マニホルドは、例えば湾曲させるなど取り付け場所に必要な形態に成形可能な流路を複数有してもよい。さらに、流路の断面形状は、選択の自由度が大きい。本発明による装置には、基体に固定される少なくとも1つの機能要素がさらに装備される。機能要素は、形状接続式か又は材料接続式か又はその両方の態様で、基体に固定することができる。形状接続であるので、機能要素は脱落しないような態様で基体に固定されており、これにより、装置の組み立てが特に容易になる。さらに、装置の輸送が特に容易にできる。また、ブロー成形中に基体を成形することにより形状接続が形成されることにより、装置を大量に安価に製造可能となる。
【0010】
形状接続の場合、ブロー成形工程で成形する間に基体から各形状接続要素が形成される。これらの形状接続要素は、機能要素と係合し、損失防止型接続、すなわち、固定され脱落しないようになっているか又は一体化された接続となる。材料接続の場合は、ブロー成形中に基体の材料を熱の影響下で軟化又は溶融可能であり、基体が機能要素に当接すると、この材料が機能要素と材料接続を形成することができる。
【0011】
基体用の材料としては、熱可塑性ポリマーや熱可塑性エラストマー等のプラスチックが使用されることが好ましい。装置内を輸送されている媒体の圧力条件に応じて、基体を単層に形成することができるが、多層に形成することもできる。
【0012】
基体は、媒体を収容する容器とすることができる。しかしながら、基体は流路を有することが好ましく、装置に輸送される媒体はこの流路を流れることができる。機能要素は、さらなる流路を有することが好ましく、流れを誘導する接続が基体と機能要素との間に存在することが好ましい。この実施形態において、装置を通過する媒体は、基体内を流れ、機能要素内を流れる。ここでは、基体によって媒体を分配することができる。この意味で、装置は、温度制御媒体用の分配構造を形成することができる。
【0013】
基体と機能要素は、流路とさらなる流路との間に流体密な接続ができるように、互いに固定されることが好ましい。これにより、温度制御媒体を漏れさせることなく輸送することが可能になる。
【0014】
基体の流路と機能要素の流路との間にシールが配置されていることが好ましい。シールは、基体と機能要素との間の接触領域を閉じ、この領域の密閉性を向上させる。シールは、Oリングとして形成することができるが、例えば、熱可塑性エラストマー製の封止路として、基体及び機能要素の少なくとも一方に直接成形することもできる。
【0015】
機能要素は、好ましくは、少なくとも部分的にプラスチックから形成されている。これにより、機能要素は、安価に且つ多種多様な形状に製造することができる。好ましくは、機能要素は、射出成形可能なプラスチックから形成されており、プラスチックについては、ブロー成形工程中に機能要素が形状的に安定しているものが選択される。このためには、機能要素用に選択されるプラスチックは、ブロー成形工程で必要な温度を上回るガラス転移温度を有することが好ましい。
【0016】
機能要素は、アダプタ又はアダプタの少なくとも一部をなすことができる。また、アダプタは、1つ又は複数の機能要素を収容するように形成することができる。アダプタは多種多様な機能要素を収容することが可能であり、これにより、基体に機能要素を装備するのに融通が利く。機能要素を動作中に交換することも考えられる。
【0017】
機能要素は、ポンプの少なくとも一部をなすことができる。例えば、機能要素を、ポンプカバーとして形成することができる。機能要素がポンプカバーとして形成される場合、装置を完成させるためにポンプカバー上にポンプハウジングも装着される。続いて、装置全体を据付けることができる。別の方法として、機能要素が、弁カバー等の弁の一部を形成することも考えられる。
【0018】
しかしながら、これの代わりに、機能要素は、アダプタ、弁、冷却器、センサ、ホースアダプタとして形成されているか、又は、前述の要素の一部として形成されていることも考えられる。
【0019】
機能要素は凹部を有することができ、基体は少なくとも部分的にこの凹部内に延在しており、形状接続が形成されている。凹部は、形状接続のための幾何学形状の一部をなしており、基体と機能要素とが容易に形状接続できるようにする。確実に形状接続されるように、凹部にはアンダーカットが形成されていることが好ましい。
【0020】
装置は、温度制御媒体用の分配構造とすることができる。温度制御媒体は、例えば水が主成分の冷却液である。機能要素がポンプとして形成されている場合、温度制御が必要な様々なユニットに、温度制御媒体を本装置を介して供給することができる。温度制御が必要なユニットとは、電気自動車の、電池、モータ、パワーエレクトロニクス、パワーコンピュータ、コンバータ等が挙げられる。
【0021】
本発明による、装置を製造する方法では、少なくとも1つの機能要素と、ポリマー材料からなるプリフォームとがまず提供され、この機能要素及びプリフォームがブロー金型内に配置され、その後、プリフォームから基体が形成され、接続を生成するために、プリフォームが成形中は機能要素に当接する。好ましくは、機能要素は、機能要素がブロー成形工程の完了後において基体の外側に配置されるような態様でプリフォームに載置される。ブロー成形工程によって、基体と機能要素との間に形状接続が生じ且つ機能要素は脱落しないように基体上に保持されるような態様で基体が変形することが好ましい。これの代わりに又はこれに加えて、基体は、ブロー成形中に機能要素と材料接続式に接続することもできる。
【0022】
好ましくは、成形中、プリフォームは、機能要素内に形成されている凹部内に少なくとも部分的に延在する。さらに好ましくは、成形中、プリフォームは、凹部内に形成されるアンダーカットの後方に延在する。この目的で、プリフォームは、アンダーカットが形成されるような態様で、成形中に凹部内で変形することができる。アンダーカットにより、基体は、確実に形状接続式に機能要素に係止される。このためには、例えば、プリフォームを凹部内できのこの頭のような形状に広げてもよい。
【0023】
ブロー成形後、流れを誘導する接続を、基体と機能要素との間に形成することができる。ブロー成形中、プリフォームが機能要素に当接し、基体が製造される。その際、基体は、まず、機能要素のさらなる流路を覆っている。流れを誘導する接続を形成するには、流路の領域内で基体に開口を形成してもよい。このためには、例えば、基体の壁に穿孔してもよい。
【0024】
ブロー成形前に、機能要素に封止要素を設けることができ、封止要素は、好ましくは、さらなる流路の領域内に配置される。例えば、さらなる流路の先にノズルを形成することができ、さらなる流路は、Oリング等の封止要素によって、外周上の複数箇所で囲まれている。ブロー成形工程中、プリフォームは、さらなる流路のノズルに当接し、工程中に封止要素を囲い込む。ブロー成形中に加えられる圧力があるため、プリフォーム又は形成された基体は、予荷重によって封止要素に当接しており、これにより、永続的な封止接続が生じる。流れを誘導する接続を流路とさらなる流路との間に形成するために後から基体に開口を形成する場合は、この封止要素によって、確実に、漏れが生じないようにする。
【0025】
本発明による装置の幾つかの実施形態を、図を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】装置を概略的に示した上面図である。
図2】装置を概略的に示した分解図である。
図3】凹部の領域における装置の詳細図である。
図4】流路の領域における装置の詳細図である。
図5】別の装置を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
これらの図は、媒体輸送用の装置1を示す。本実施形態において、装置1は、電気自動車の温度制御回路の一部をなす分配構造である。これに関連して、装置1は、温度制御が必要な電気自動車の要素、例えば電池、電気モータ、パワーエレクトロニクス等の、温度を制御する温度制御媒体を輸送し分配するために使用される。
【0028】
装置1は、ブロー成形部品として形成される基体2と、基体2に形状接続式に固定される2つの機能要素3とを備える。
【0029】
機能要素3は、射出成形可能なプラスチックから形成されており、機能要素3用に選択されたプラスチックのガラス転移温度は、基体2をブロー成形工程で製造するのに必要な温度を上回る。本実施形態においては、機能要素3は、ポンプの一部をなしており、つまりポンプカバーとなっている。
【0030】
しかし、代わりの実施形態においては、機能要素3は、アダプタ、ポンプ、冷却器、センサ、弁、ホースアダプタとして形成してもよく、又は、前述の要素の一部として形成してもよい。
【0031】
機能要素3は、基体2に形状接続式に固定されている。この場合、形状接続は、ブロー成形中にプリフォームを基体2に成形することにより形成される。機能要素3は凹部6を有し、凹部6はそれぞれ、アンダーカットが形成されている。基体2は凹部6内に延在しており、形状接続が形成されている。これにより、基体2から突起7が形成され、凹部6内へ突出する。突起7の自由端がきのこの頭のような形状に広がり、基体2と機能要素3との間に、損失防止型の形状接続が形成される。これの代わりに又はこれに加えて、ブロー成形中に、基体2には、機能要素3との材料接続を形成することもできる。
【0032】
装置を製造するには、まず、機能要素3と、ポリマー材料からなるプリフォームとが提供され、この機能要素及びプリフォームがブロー金型内に配置される。ブロー成形工程において、プリフォームから基体2が形成され、プリフォームは、成形中は機能要素3に当接する。
【0033】
基体2はプラスチック製であり、基体2用に選択されたプラスチックのガラス転移温度は、機能要素3用に選択されたプラスチックのガラス転移温度を下回る。
【0034】
形状接続を生成するために、プリフォームは、成形中に凹部6内に部分的に延在する。成形中に各突起7が形成され、これらの突起は凹部6内で広がり、アンダーカットの後方へきのこの頭のような形状に広がる。
【0035】
図1は、装置1の上面図である。2つの機能要素3は、それぞれポンプカバーをなしており、略円形の基本形状を有する。複数の凹部6が、周上に亘って、機能要素3の縁領域に分散配置される。各凹部6と合致するようになっている各突起7は、基体2から形成されており、突起7は凹部6内に延在する。
【0036】
基体2は、幾つかの流路4を有する。機能要素3はそれぞれ、さらなる流路5を有する。基体2と機能要素3との間には、流れを誘導する接続があり、いずれの場合も、一方の流路4が、機能要素3のさらなる流路5内へ開放されている。
【0037】
図2は、図1に示す装置1の分解図である。基体2は、機能要素3の領域において機能要素3に合致するように成形されており、これにより、基体2において特に省スペースに機能要素3との一体化が可能になることが分かる。各機能要素3は、さらなる流路5と、さらなる流路5に属する供給路とを有し、これらのさらなる流路及び供給路が基体2内の複数箇所に埋め込まれることも分かる。装置1には、ホースアダプタの形態のさらなる機能要素がさらに装備され、装置1は、これらのホースアダプタを介して、電気自動車の温度制御回路に一体化される。ブロー成形中に基体2を成形することにより、基体2をさらなる機能要素に取付けることも実現する。
【0038】
図3は、凹部6の領域における、装置1の詳細な断面図である。
【0039】
図4は、基体2と機能要素3との間の流れを誘導する接続の領域における、装置1の詳細図である。基体2の流路4と、機能要素3のさらなる流路5とを見ることができる。
【0040】
さらなる流路5の先にノズル8が形成されており、このノズルに、Oリングの形態のシール9が外周上で嵌合する。ブロー成形中、プリフォームはノズル8の外側且つシール9に当接する。ブロー成形工程の完了後においては、基体2は、その外側に且つ弾性的な予荷重によって封止する態様で、シール9が当接する。
【0041】
図4は、ブロー成形直後においては、流路4とさらなる流路5との間の流れを誘導する接続を、基体2が遮断していることをも示す。従って、流れを誘導する接続を形成するには、ブロー成形工程の完了後に、流路の領域内で基体2に開口が形成される。これは、穿孔等により行うことができる。この処理で、ディスク状の区域10が、少なくとも部分的に除去される。
【0042】
図5は別の装置1を示す。ここに示した装置1は、前述の装置1と実質的に同じである。ただし、この実施形態では、機能要素3は、アダプタプレートの形態のアダプタとして形成されている。アダプタプレートは、センサ、ポンプ、弁等のさらなる機能要素を収容するために使用される。
図1
図2
図3
図4
図5