IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップの特許一覧

特開2024-149677注入ポンプ装置、方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149677
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】注入ポンプ装置、方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
A61M5/142 520
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024128804
(22)【出願日】2024-08-05
(62)【分割の表示】P 2022016359の分割
【原出願日】2011-02-04
(31)【優先権主張番号】61/301,957
(32)【優先日】2010-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】594010009
【氏名又は名称】デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ディーン カメン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エム. カーウィン
(72)【発明者】
【氏名】マーク エー. マンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ケビン エー. デュランド
(72)【発明者】
【氏名】ラリー ビー. グレイ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー アール. ラニエール ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】コリン エイチ. マーフィー
(57)【要約】
【課題】注入ポンプ装置、方法およびシステムの提供。
【解決手段】システムを開示する。システムは、発熱体(706)および流体経路(712)を含む熱交換器を含む充填アダプタデバイス(700)を含み、流体経路は、充填針入力(714)に流体的に接続され、流体は、充填針入力を通って熱交換器に進入し、流体経路を通って流れ、流体は、発熱体によって加熱される。システムはまた、プランジャ(708)およびプランジャロッドを含むリザーバ(704)と、リザーバに取外し可能に取り付けられるように構成される充填針(710)とを含み、充填アダプタは、流体のバイアル(702)に取り付けられるように構成され、バイアルからの流体は、流体経路を通って流れ、加熱され、充填針を通してリザーバの中に装填される。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスに関する発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/301,957号(名称「Infusion Pump Apparatus,Method and System」、2010年2月5日出願、代理人整理番号H91)の優先権を主張する非仮特許出願であって、この出願は、その全体が参照することによって本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、医療デバイスに関し、より具体的には、注入ポンプ装置、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
生物学的製剤を含む、多くの潜在的に貴重な薬剤または化合物は、吸収率の悪さ、肝代謝、または他の薬物動態学的要因により、経口的に有効ではない。さらに、いくつかの治療化合物は、経口的に吸収することができるが、頻繁に投与されることを必要とすることがあり、患者が所望のスケジュールを維持することは困難である。これらの場合において、非経口送達がしばしば採用されているか、または採用されることが可能である。
【0004】
皮下注射、筋肉内注射、および静脈内(IV)投与等の、薬剤送達ならびに他の流体および化合物の効果的な非経口経路は、針またはスタイレットによる皮膚の穿刺を含む。インスリンは、数百万人の糖尿病患者によって自己注入される治療用流体の実施例である。非経口的に送達される薬物のユーザは、一定期間にわたって必要な薬物/化合物を自動的に送達する装着型デバイスからの恩恵を享受し得る。
【0005】
この目的を達成するために、治療薬の制御された放出のための携帯型および装着型デバイスを設計する取り組みが行われてきた。そのようなデバイスは、カートリッジ、注射器、またはバッグ等のリザーバを有することおよび電子的に制御されることが知られている。これらのデバイスは、故障率を含むいくつかの欠点を抱えている。これらのデバイスのサイズ、重量、および費用を削減することも、継続的課題である。さらに、これらのデバイスはしばしば、皮膚に適用され、適用のための頻繁な再配置の課題をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、システムが開示される。システムは、発熱体と流体経路とを含む熱交換器を含む充填アダプタデバイスを含み、流体経路は、充填針入力に流体的に接続され、流体は、充填針入力を通って熱交換器に進入し、流体経路を通って流れ、流体は、発熱体によって加熱される。システムはまた、プランジャおよびプランジャロッドを含むリザーバと、リザーバに取外し可能に取り付けられるように構成される充填針とを含み、充填アダプタは、流体のバイアルに取り付けられるように構成され、バイアルからの流体は、流体経路を通って流れ、加熱され、充填針を通してリザーバの中に装填される。
【0007】
本発明のこの側面のいくつかの実施形態は、以下のうちの1つ以上を含んでもよい。システムは、所定の率で流体経路の中に流体を送出するポンプをさらに含む。システムは、流体経路の中への流体を計測するための逆止弁をさらに含み、それにより、熱交換器を通る流体の流量が制御される。システムは、1つ以上の事前にプログラムされたプロファイルに従って流体の加熱を制御するためのプロセッサをさらに含む。システムは、充填針入力が隔壁であることをさらに含む。システムは、空気トラップをさらに含み、空気トラップは、空気が熱交換器から流出することを可能にする。システムは、空気トラップが疎水性フィルタを備えることをさらに含む。
【0008】
本発明の一側面によれば、充填アダプタデバイスが開示される。充填アダプタデバイスは、発熱体および流体経路を含む熱交換器を含み、流体経路は、充填針入力およびバイアルに流体的に接続され、バイアルからの流体は、熱交換器に進入し、流体経路を通って流れ、流体は、発熱体によって加熱される。
【0009】
本発明のこの側面のいくつかの実施形態は、以下のうちの1つ以上を含んでもよい。デバイスは、所定の率で流体経路の中に流体を送出するポンプをさらに含む。デバイスは、流体経路の中への流体を計測するための逆止弁をさらに含み、それにより、熱交換器を通る流体の流量が制御される。デバイスは、1つ以上の事前にプログラムされたプロファイルに従って、流体の加熱を制御するためのプロセッサをさらに含む。デバイスは、充填アダプタが流体のバイアルに取り付けられるように構成されることをさらに含む。デバイスは、充填針入力が隔壁であることをさらに含む。デバイスは、空気トラップをさらに含み、空気トラップは、空気が熱交換器から流出することを可能にする。デバイスは、空気トラップが疎水性フィルタを備えることをさらに含む。
【0010】
本発明の一側面によれば、注入ポンプの中の大気軽減のための方法が開示される。方法は、所定の間隔でデータをポンププロセッサに送信する圧力センサと、データが警告閾値を超えるか否かを決定するステップと、データが所定の警告閾値を超える場合、プロセッサが、カニューレから切断するようにユーザに示すステップと、データが所定の安全閾値を満たすか否かを決定するステップと、カニューレに再接続するようにユーザに示すステップとを含む。
【0011】
本発明の一側面によれば、注入ポンプシステムが開示される。システムは、リザーバと、リザーバから下流およびカニューレから上流に位置する能動型逆止弁と、リザーバから下流に位置する、クラッキング圧力を有する受動型逆止弁と、ポンププロセッサとを含み、能動型逆止弁は、予定されたポンプ送達のためにポンププロセッサによって開かれ、流体圧力がクラッキング圧力を克服するときに、受動型逆止弁が開き、流体は、リザーバから受動型逆止弁を通って流れる。
【0012】
本発明の一側面によれば、注入ポンプシステムが開示される。システムは、リザーバと、リザーバから下流にある少なくとも1つの弁とを含み、少なくとも1つの弁は、クラッキング圧力を有する圧力補償弁であり、注入ポンプの高度の変化に関係する圧力差は、少なくとも1つの弁を開かせる。
【0013】
本発明の一側面によれば、注入ポンプの中の大気軽減のための方法が開示される。方法は、予定された出発および予定された着陸の時間に関係する情報を受信するステップと、情報に基づいて、高度に関係するデータを処理する頻度を修正するステップと、情報と高度計とを比較することによって、スケジュールの変更が発生しているか否かを決定するステップと、スケジュールの変更についてユーザに警告するステップと、更新されたスケジュール情報を要求するステップと、入力されたスケジュールおよび高度計データに基づいて、流体の予定された送達を修正するステップとを含む。
【0014】
本発明の一側面によれば、注入ポンプシステムが開示される。システムは、プランジャを備えるリザーバと、プランジャの場所を決定するための少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサから情報を受信するように構成される、プロセッサとを含む。プロセッサは、プランジャの場所の決定の頻度を修正するように構成され、プロセッサは、リザーバの中に吸い上げられるか、またはリザーバから外に送達される流体の体積を決定し、所定の時間量に対して予定されたポンプ送達を修正するように構成される。
【0015】
本発明の一側面によれば、注入ポンプの温度補償のためのシステムが開示される。システムは、少なくとも1つの温度センサと、少なくとも1つのプロセッサとを含み、プロセッサは、温度センサと連絡しており、プロセッサは、少なくとも温度センサからの通信に基づいて、標的プランジャ位置を決定し、感知された温度に基づいて、標的プランジャ位置を修正する。
【0016】
本発明の一側面によれば、注入ポンプの中の圧力軽減のためのシステムが開示される。システムは、少なくとも1つの圧力センサと、プロセッサとを含み、圧力センサは、データをプロセッサに送信し、プロセッサは、圧力変化が事前にプログラムされた閾値を満たす場合に圧力変化を軽減する。
【0017】
本発明のこれらの側面は、排他的となるように意図されておらず、本発明の他の特徴、側面、および利点は、添付の特許請求の範囲ならびに添付図面と併せて読まれると、当業者に容易に明白となるであろう。
例えば本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
システムであって、該システムは、
充填アダプタデバイスであって、該充填アダプタデバイスは、
発熱体および流体経路を含む熱交換器
を含み、該流体経路は、充填針入力に流体的に接続され、それにより、流体は、該充填針入力を通って該熱交換器に進入し、および該流体経路を通って流れ、それにより、該流体は、該発熱体によって加熱される、充填アダプタデバイスと、
プランジャおよびプランジャロッドを含むリザーバと、
該リザーバに取外し可能に取り付けられるように構成される充填針と
を含み、
該充填アダプタは、流体のバイアルに取り付けられるように構成され、該バイアルからの流体は、該流体経路を通って流れ、加熱され、該充填針を通して該リザーバの中に装填される、システム。
(項目2)
所定の率で前記流体経路の中に流体を送出するポンプをさらに備える、項目1に記載の充填アダプタ。
(項目3)
前記流体経路の中への流体を計測するための逆止弁をさらに備え、それにより、前記熱交換器を通る流体の流量が制御される、項目1に記載の充填アダプタ。
(項目4)
1つ以上の事前にプログラムされたプロファイルに従って、前記流体の加熱を制御するためのプロセッサをさらに備える、項目1に記載の充填アダプタ。
(項目5)
前記充填針入力は、隔壁である、項目1に記載の充填アダプタ。
(項目6)
空気トラップをさらに備え、それにより、該空気トラップは、空気が前記熱交換器から外に流出することを可能にする、項目1に記載の充填アダプタ。
(項目7)
前記空気トラップは、疎水性フィルタを備える、項目6に記載の充填アダプタ。
(項目8)
充填アダプタデバイスであって、該デバイスは、
発熱体と流体経路とを含む熱交換器を含み、
該流体経路は、充填針入力およびバイアルに流体的に接続され、それにより、該バイアルからの流体は、該熱交換器に進入し、該流体経路を通って流れ、およびそれにより、該流体は該発熱体によって加熱される、デバイス。
(項目9)
所定の率で前記流体経路の中に流体を送出するポンプをさらに備える、項目8に記載の充填アダプタ。
(項目10)
前記流体経路の中への流体を計測するための逆止弁をさらに備え、それにより、前記熱交換器を通る流体の流量が制御される、項目8に記載の充填アダプタ。
(項目11)
1つ以上の事前にプログラムされたプロファイルに従って前記流体の加熱を制御するためのプロセッサをさらに備える、項目8に記載の充填アダプタ。
(項目12)
前記充填アダプタは、流体のバイアルに取り付けられるように構成される、項目8に記載の充填アダプタ。
(項目13)
前記充填針入力は、隔壁である、項目8に記載の充填アダプタ。
(項目14)
空気トラップをさらに備え、それにより、該空気トラップは、空気が前記熱交換器から外に流出することを可能にする、項目8に記載の充填アダプタ。
(項目15)
前記空気トラップは、疎水性フィルタを備える、項目14に記載の充填アダプタ。
(項目16)
注入ポンプの中の大気軽減のための方法であって、該方法は、
所定の間隔でデータをポンププロセッサに送信する圧力センサと、
該データが警告閾値を超えるか否かを決定することと、
該データが所定の警告閾値を超える場合、該プロセッサは、カニューレから切断するようにユーザに示すことと、
該データが所定の安全閾値を満たすか否かを決定することと、
該カニューレに再接続するように該ユーザに示すことと
を含む、方法。
(項目17)
注入ポンプシステムであって、該システムは、
リザーバと、
該リザーバから下流およびカニューレから上流に位置する能動型逆止弁と、
該リザーバから下流に位置する、クラッキング圧力を有する受動型逆止弁と、
ポンププロセッサであって、該能動型逆止弁は、予定されたポンプ送達のために該ポンププロセッサによって開かれる、ポンププロセッサと
を含み、
流体圧力が該クラッキング圧力を克服するときに、該受動型逆止弁が開き、流体は、該リザーバから該受動型逆止弁を通って流れる、システム。
(項目18)
注入ポンプシステムであって、該システムは、
リザーバと、
該リザーバから下流にある少なくとも1つの弁であって、該少なくとも1つの弁は、クラッキング圧力を有する圧力補償弁であり、該注入ポンプの高度の変化に関係する圧力差は、該少なくとも1つの弁を開かせる、少なくとも1つの弁と
を含む、システム。
(項目19)
注入ポンプの中の大気軽減のための方法であって、該方法は、
予定された出発および予定された着陸の時間に関係する情報を受信することと、
該情報に基づいて、高度に関係するデータを処理する頻度を修正することと、
該情報と高度計とを比較することによって、スケジュールの変更が発生しているか否かを決定することと、
スケジュールの変更についてユーザに警告することと、
更新されたスケジュール情報を要求することと、
入力されたスケジュールおよび高度計データに基づいて、流体の予定された送達を修正することと
を含む、方法。
(項目20)
注入ポンプシステムであって、該システムは、
プランジャを備えるリザーバと、
該プランジャの場所を決定するための少なくとも1つのセンサと、
プロセッサであって、該プロセッサは、該少なくとも1つのセンサから情報を受信することと、該プランジャの場所の決定の頻度を修正することと、リザーバの中に吸い上げられるか、またはリザーバから外に送達される流体の体積を決定することと、所定の時間量に対して予定されたポンプ送達を修正することと
を行うように構成される、プロセッサと
を含む、システム。
(項目21)
注入ポンプの温度補償のためのシステムであって、該システムは、
少なくとも1つの温度センサと、
少なくとも1つのプロセッサであって、該温度センサと連絡しているプロセッサと
を含み、
該プロセッサは、少なくとも該温度センサからの通信に基づいて、標的プランジャ位置を決定し、感知された温度に基づいて、該標的プランジャ位置を修正する、システム。
(項目22)
注入ポンプの圧力軽減のためのシステムであって、該システムは、
少なくとも1つの圧力センサと、
プロセッサと
を含み、該圧力センサは、データを該プロセッサに送信し、該プロセッサは、圧力変化が事前にプログラムされた閾値を満たす場合に、該圧力変化を軽減する、システム。
【0018】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の図面とともに解釈される以下の詳細な説明を読むことによって、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1-1】図1A図1Bは、注入ポンプの実施形態の正面および背面等角図である。
図1-2】図1C~1Eは、図1の注入ポンプアセンブリの側面および正面図である。図1Fは、図1の注入ポンプアセンブリの正面等角図である。
図3図3は、遠隔制御アセンブリの一実施形態の例示的な図である。
図4図4は、図1の注入ポンプアセンブリの線図である。
図10図10A~10Eは、いくつかの実施形態による、複数のマジックテープ(登録商標)構成を描写する。
図11図11は、ホルダの一実施形態の説明図である。
図12図12は、ホルダを装着するユーザの一実施形態の説明図である。
図13図13は、ホルダの背面の一実施形態の説明図である。
図14図14は、温度計/ラベルを伴うバイアルの一実施形態の説明図である。
図15図15は、大気圧決定および軽減のための方法の一実施形態のフローチャートである。
図16図16は、受動および能動型逆止弁の実施形態の一実施形態の説明図である。
図17図17は、充填アダプタの一実施形態の断面図の説明図である。
図18図18は、一実施形態による、バイアル内で真空を維持するためのバイアルシステムの説明図である。
図19図19は、一実施形態による、バイアル装置の説明図であり、付録Aは、いくつかの実施形態で使用されるマイクロ逆止弁の一実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(定義)
本説明および添付の特許請求の範囲において使用されるように、以下の用語は、文脈が別段の要求をしない限り、示される意味を有するものとする。
【0021】
「デバイス」は、注入ポンプおよび/またはコントローラ、すなわち、別の医療デバイスの無線制御のためのデバイスを含むが、それに限定されない医療デバイスを意味するものとする。いくつかの実施形態では、「デバイス」という言葉は、「ポンプ」、「注入ポンプ」、および/または「コントローラ」、および/または「コンパニオン」、および/または「遠隔コントローラデバイス」、および/または「遠隔コントローラアセンブリ」と交換可能に使用される。
【0022】
「コンパニオン」は、別の医療デバイスの無線制御のためのデバイスを意味するものとする。例示的実施形態では、コンパニオンはまた、グルコースメータ/細片読取機を含んでもよい。
【0023】
デバイスの「入力」は、それによってデバイスのユーザまたは他のオペレータ/介護者がデバイスの機能を制御し得る任意の機構を含む。ユーザ入力は、機械的配設(例えば、スイッチ、押しボタン、(複数の)ジョグホイール)、電気的配設(例えば、スライダ、タッチ画面)、遠隔コントローラとの通信のための無線インターフェース(例えば、RF、赤外線)、(例えば、音声認識との)音響インターフェース、コンピュータネットワークインターフェース(例えば、USBポート)、および他の種類のインターフェースを含んでもよい。
【0024】
以下で論議されるいわゆる「ボーラスボタン」等の入力の文脈における「ボタン」は、所望の機能を果たすことが可能である任意の種類のユーザ入力であってもよく、押しボタン、スライダ、スイッチ、タッチ画面、またはジョグホイールに限定されない。
【0025】
「アラーム」は、それによって警告がユーザまたは第3者に生成されてもよい任意の機構を含む。アラームは、可聴アラーム(例えば、スピーカ、ブザー、音声生成器)、視覚アラーム(例えば、LED、LCD画面)、触覚アラーム(例えば、振動要素)、無線信号(例えば、遠隔コントローラまたは介護者への無線伝送)、または他の機構を含んでもよい。アラームは、冗長機構(例えば、2つの異なる音響アラーム)または相補的機構(例えば、音響アラーム、触覚アラーム、および無線アラーム)を含む複数の機構を同時に、並行して、または順に使用して生成されてもよい。
【0026】
「流体」は、流線を通って流れることが可能である物質、例えば、液体を意味するものとする。
【0027】
「ユーザ」は、薬物治療または別の方法の一部としてであろうとなかろうと、流体送達デバイスから流体を受容する個人または動物、あるいは流体を別のものに注入するようにデバイスをプログラムすること、または別様にデバイスと相互作用することに関与する介護者または第3者を含む。
【0028】
「カニューレ」は、流体をユーザに注入することが可能な使い捨てデバイスを意味するものとする。本明細書で使用されるようなカニューレは、従来のカニューレまたは針を指してもよい。
【0029】
「使い捨て」とは、固定期間にわたって使用され、次いで廃棄され、交換されることを目的としている部品、デバイス、部分、またはその他を指す。
【0030】
「再利用可能」は、制限のない使用期間を有することを目的としている部分を指す。
【0031】
「音響容量測定」は、それらの全体が参照することにより本明細書に組み込まれる米国特許第5,349,852号および第5,641,892号で説明されているもの等の音響技法、ならびに他の技法を使用する、関連容量の定量的測定を意味するものとする。
【0032】
「温度センサ」は、温度を測定し、温度情報をコントローラおよび/またはポンププロセッサに通信するための任意の温度決定デバイス/機構を含む。本明細書で説明されるデバイスは、ユーザの皮膚温度、AVS温度、周囲温度、内部ポンプ温度、プランジャ温度、駆動系温度、および流体温度のうちの1つ以上等であるが、それらに限定されないものを測定するための1つ以上の温度センサを含んでもよい。
【0033】
ここで説明されるデバイス、方法、およびシステムの実施形態の例示的な用途は、糖尿病とともに生きる人々へのインスリンの送達のためであるが、他の用途は、上記で説明されるような任意の流体の送達を含む。流体は、痛みがある人への鎮痛剤、癌患者への化学療法、および代謝性疾患がある患者への酵素を含む。種々の治療用流体は、小分子、天然生成物、ペプチド、タンパク質類、核酸、炭水化物、ナノ粒子懸濁液、および関連する薬学的に容認可能な担体分子を含んでもよい。治療的に活性な分子は、デバイスの中での安定性を向上させるように修飾されてもよい(例えば、ペプチドまたはタンパク質のペグ化によって)。本明細書の例示的実施形態は、薬物送達用途を説明するが、実施形態は、ラボオンチップ用途および毛管クロマトグラフィ等の高スループットの分析的測定のための試薬の液体分注を含む他の用途に使用されてもよい。以下の説明の目的で、「治療的」、「インスリン」、または「流体」という用語は、交換可能に使用されるが、他の実施形態では、上記で説明されるように、任意の流体が使用されてもよい。したがって、本明細書に含まれるデバイスおよび説明は、治療での使用に限定されない。
【0034】
流体送達デバイスのいくつかの実施形態は、糖尿病とともに生きる人々および/または彼らの介護者による使用のために適合される。したがって、これらの実施形態では、デバイス、方法、およびシステムは、糖尿病とともに生きる個人(ユーザと呼ばれる)の膵島ベータ細胞の作用を補助するか、または置き換わるインスリンを送達するように働く。インスリン送達のために適合される実施形態は、基礎レベルの流体送達ならびにボーラスレベルの送達の両方を提供することによって、膵臓の作用を模倣しようとする。基礎レベル、ボーラスレベル、およびタイミングは、無線手持ち式ユーザインターフェースを使用することによってユーザまたは介護者によって設定されてもよく、またはポンプを使用することによって直接設定されてもよい。加えて、基礎および/またはボーラスレベルは、例示的実施形態では、コントローラと一体であるグルコースメータの出力に応答して、誘起または調整されてもよい。他の実施形態では、コントローラは、加えて、血糖グルコースセンサからデータを受信するグルコース監視デバイスを含む。いくつかの実施形態では、ボーラスは、デバイス上、すなわち、コントローラ上および/または注入ポンプ上に位置する指定ボタンまたは他の入力手段を使用して、ユーザによって誘起されてもよい。なおも他の実施形態では、ボーラスまたは基礎は、流体送達デバイス注入ポンプ上および/またはコントローラ上のいずれか一方に位置するユーザインターフェースを介してプログラムまたは投与されてもよい。
【0035】
画面に与えられる名前および画面の種類、ならびに種々の特徴に与えられる適正な名前に関して、種々の実施形態の全体を通してこれらの用語は様々であってもよい。
【0036】
本明細書で説明されるシステムおよび方法は、注入ポンプを制御するために使用されてもよい。この説明の目的で、ユーザインターフェースおよび注入ポンプの種々の実施形態は、インスリンポンプ、またはインスリンを注入するポンプを参照して説明されてもよい。しかしながら、ユーザインターフェースは、注入ポンプ上および/またはコントローラ上にあってもよいことを理解されたい。加えて、説明が注入ポンプ「画面」に関連する場合、この「画面」はまた、コントローラ上にも現れてもよく、またはポンプの代わりにコントローラ上に現れてもよい。
【0037】
本説明によって検討される注入ポンプは、インスリンを含むが、それに限定されない治療用流体を含むが、それに限定されない任意の流体を送出し得るポンプを含む。したがって、本説明がインスリンに関連して例示的実施形態を説明する場合、デバイスがインスリンに限定されることを目的としていないので、これは説明目的にすぎない。他の流体も検討される。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される方法、システム、およびデバイスは、当技術分野で公知である、インスリン「ペン」および/または流体送達「ペン」と併用されてもよい。
【0038】
注入ポンプは、例えば、任意の注入ポンプであってもよいが、図1A~1Fに関して示され、説明されるポンプデバイス、および参照することにより本明細書に組み込まれるものに限定されず、参照することにより本明細書に組み込まれるものを含んでもよいが、それらに限定されない。種々の例示的実施形態では、注入ポンプは、注射器ポンプであり、すなわち、プランジャが注射器の中を前進し、注射器の内部の流体をカニューレに押し込むと、流体がユーザに送出または送達される。カニューレがユーザに接続される場合(すなわち、カニューレがユーザの皮下領域の中にある)、流体はユーザに皮下送達される。
【0039】
例示的実施形態では、注入ポンプは、コントローラとの無線RF通信のためのハードウェアを含む。しかしながら、種々の実施形態では、注入ポンプは、任意の注入ポンプであってもよい。図1A図1Fおよび図2A図2Dを参照すると、いくつかの例示的実施形態では、注入ポンプは、ディスプレイアセンブリ104を含んでもよいが、図2A図2Dに示されるもの等の他の例示的実施形態では、注入ポンプは、ディスプレイアセンブリを含んでいなくてもよい。これらの実施形態では、図1A、1D、および1Fに示されるものと同様であってもよいか、またはより大きいか、もしくはより小さくてもよいディスプレイアセンブリが、コントローラまたはコンパニオンデバイス上に含まれる。コントローラまたはコンパニオンデバイスの実施形態が、図3に示されている。
【0040】
図1A~1Fを参照すると、封入アセンブリ102の中に収納され得る注入ポンプアセンブリ100の実施形態が示されている。注入ポンプアセンブリ100は、封入アセンブリ102を通して可視的であり得るディスプレイシステム104を含んでもよい。1つ以上のスイッチアセンブリ/入力デバイス106、108、110が、封入アセンブリ102の種々の部分の周囲に配置されてもよい。封入アセンブリ102は、カニューレアセンブリ114が解放可能に連結され得る注入ポートアセンブリ112を含んでもよい。取外し可能なカバーアセンブリ116は、電源キャビティ118(図1Dにファントムで示される)へのアクセスを可能にしてもよい。
【0041】
図1A図1Fに示される注入ポンプアセンブリを参照すると、注入ポンプアセンブリ100は、注入ポンプアセンブリ100が適正に動作するために必要とされ得る1つ以上のプロセスを実行するポンププロセッサと呼ばれ得る処理論理(図示せず)を含んでもよい。処理論理は、1つ以上のマイクロプロセッサ(図示せず)、1つ以上の入力/出力コントローラ(図示せず)、およびキャッシュメモリデバイス(図示せず)を含んでもよい。処理論理を1つ以上のサブシステムと相互接続するために、1つ以上のデータバスおよび/またはメモリバスが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、図4に示されるサブシステムのうちの少なくとも1つも、図2A図2Dに示される注入ポンプアセンブリ200の実施形態の中に含まれる。
【0042】
ここで、図1A図1Fおよび図4を参照すると、処理論理400と相互接続されるサブシステムの実施例は、メモリシステム402、入力システム404、ディスプレイシステム406、振動システム408、音響システム410、モータアセンブリ416、力センサ412、温度センサ(図示せず)、および変位検出デバイス418(プランジャが注射器バレル/注射器に対して移動した距離を決定および/または検出するデバイスと呼ばれてもよい)を含んでもよいが、それらに限定されない。注入ポンプアセンブリ100は、電源キャビティ118の中から取外し可能および設置可能に構成され、処理論理400の少なくとも一部分およびサブシステムのうちの1つ以上(例えば、メモリシステム402、入力システム404、ディスプレイシステム406、振動システム408、音響システム410、モータアセンブリ416、力センサ412、および変位検出デバイス418)に電力を提供するように構成される主電源420(例えば、バッテリ)を含んでもよい。
【0043】
注入ポンプアセンブリ100は、注入可能流体422を含有するように構成されるリザーバアセンブリ430を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リザーバアセンブリ430は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号で説明されているものと同様のリザーバアセンブリ、および/または2007年12月11日に発行され、Loading Mechanism for Infusion Pumpと題された米国特許第7,306,578号、2009年10月9日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158、現在は2010年4月15日に公開された国際公開第WO2010/042814(代理人整理番号F51WO)、2008年10月10日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願第12/249,882号、現在は2010年4月15日に公開された米国特許出願公開第US-2010-0094222号(代理人整理番号F51)で説明されているようなリザーバアセンブリであってもよく、これらはすべて、参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。他の実施形態では、リザーバアセンブリは、流体が、流体の少なくとも一部分がリザーバアセンブリから外に流出し得るように作用され得る任意のアセンブリであってもよく、例えば、リザーバセンブリは、種々の実施形態では、プランジャを有するバレル、カセット、および/または少なくとも部分的に可撓性膜で構築されたコンテナを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0044】
プランジャアセンブリ424は、注入可能流体422がユーザ454に送達され得るように、リザーバアセンブリ430からカニューレアセンブリ450(注入ポートアセンブリ424を介して注入ポンプアセンブリ100に連結され得る)を通して注入可能流体422を変位させるように構成されてもよい。この特定の実施形態では、プランジャアセンブリ424は、処理論理400から受信された信号に応じて、モータアセンブリ416によって回転可能であり得る送りネジアセンブリ428に係合し得る、部分的ナットアセンブリ426によって変位可能であることが示されている。この特定の実施形態では、モータアセンブリ416、プランジャアセンブリ424、部分的ナットアセンブリ426、および送りネジアセンブリ428の組み合わせは、リザーバアセンブリ430内に含有された注入可能流体422の分注を達成する、ポンプアセンブリを形成してもよい。部分的ナットアセンブリ426の実施例は、例えば、30度だけ送りネジアセンブリ426の周囲に巻着するように構成されるナットアセンブリを含むが、それに限定されない。いくつかの実施形態では、ポンプアセンブリは、2007年12月11日に発行され、Loading Mechanism for Infusion Pumpと題された米国特許第7,306,578号(代理人整理番号C54)、2008年10月10日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願第12/249,882号、現在は2010年4月15日に公開された米国特許出願公開第US-2010-0094222号(代理人整理番号F51)、および2008年10月10日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願第12/249,891号、2009年4月16日に公開された米国特許出願公開第US-2009-0099523号(代理人整理番号G46)において説明されているものと同様であってもよく、これらは全て、参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0045】
(ユーザインターフェース)
本説明の全体を通して、画面は、「ポンプ」または「コンパニオン」または「コントローラ」に関して参照されてもよい。しかしながら、種々の実施形態では、同様の画面または同様の方法が、別のデバイス上で達成されてもよい。例えば、画面または方法が「ポンプ」に関して参照される場合、同様に機能的な画面または方法が、他の実施形態において「コンパニオン」または「コントローラ」上で使用されてもよい。本説明は、ディスプレイを有するポンプおよびディスプレイを有しないポンプの両方に関係する実施形態を含むので、実施形態がディスプレイのない注入ポンプを含む場合、任意の画面がコンパニオンまたはコントローラ上で可視的となることが明らかになるはずである。同様に、方法が、ユーザとポンプとの間の相互作用を要求する場合、ポンプがディスプレイのない注入ポンプであるとき、ポンプ上のスイッチアセンブリを介して相互作用が達成されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、図4に関して示され、説明されるような少なくとも1つの要素を含む処理論理が、ユーザまたは介護者から入力を受信するために使用される。ユーザまたは介護者は、ボタン/スイッチアセンブリ、容量スライダを含むが、それに限定されない、スライダアセンブリ(例えば、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、2007年12月4日に出願され、Medical Device Including a Slider Assemblyと題された米国特許出願第11/999,268号、現在は2008年7月24日に公開された米国特許出願公開第US-2008-0177900号(代理人整理番号F14)で説明されている任意のスライダを含んでもよいが、それに限定されない)、ジョグホイール、および/またはタッチ画面のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない、1つ以上の入力デバイスまたはアセンブリを使用する。注入デバイスは、加えて、閉塞検出プロセス438、確認プロセス440、容量測定技術(例えば、音響容量感知)を含むが、それらに限定されない、内部システムから入力を受信する。これらの入力を使用して、注入デバイスは、例えば、ユーザへの注入流体送達、またはユーザへのコメント、警報、アラーム、あるいは警告を含むが、それらに限定されない、出力を生じさせる。したがって、入力は、直接ユーザからポンプまで、直接ポンプシステムから処理論理まで、または別のデバイス、例えば、遠隔コントローラデバイス(以下でより詳細に説明される)からポンプまでのいずれか一方である。したがって、ユーザまたは介護者の相互作用経験は、ディスプレイ上のテキストおよび/または図形を読むこと/見ることを含むが、それに限定されない、ディスプレイ(注入ポンプデバイス自体または遠隔コントローラデバイスのいずれか一方、あるいは両方の上にある)との相互作用、例えば、タッチ画面を通したディスプレイとの直接相互作用、1つ以上のボタン、スライダ、ジョグホイール、1つ以上のグルコース細片読取機との相互作用、ならびに触覚または音響、1つ以上の振動モータ、および/または音響システムのいずれか一方を介した感知のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない。したがって、「ユーザインターフェース」という用語は、ユーザまたは介護者が、注入ポンプを制御するように注入ポンプと相互作用する全てのシステムおよび方法を包含するために使用される。
【0047】
ここで図3を参照すると、注入ポンプシステムのいくつかの実施形態では、注入ポンプは、コントローラまたはコンパニオンとも呼ばれる遠隔コントローラアセンブリ300を使用して遠隔制御されてもよい。遠隔制御アセンブリ300は、図1A図1Fに示される注入ポンプアセンブリ自体の機能性の全て、またはその一部分を含んでもよい。したがって、上記の注入ポンプアセンブリのいくつかの例示的実施形態では、注入ポンプアセンブリ(図示せず、他の図の中でも特に図1A図1Fを参照)は、遠隔制御アセンブリ300を介して構成されてもよい。これらの特定の実施形態では、注入ポンプアセンブリは、注入ポンプアセンブリと、例えば、遠隔制御アセンブリ300との間の通信(例えば、有線または無線)を可能にし、したがって、遠隔制御アセンブリ300が注入ポンプアセンブリ100を制御することを可能にするテレメトリ回路(図示せず)を含んでもよい。遠隔制御アセンブリ300(テレメトリ回路(図示せず)も含んでもよく、注入ポンプアセンブリと通信することが可能であってもよい)は、ディスプレイアセンブリ302と、入力制御デバイス(ジョグホイール306、スライダアセンブリ310、またはデバイスに入力するための別の従来の様態等)、およびスイッチアセンブリ304、308のうちの1つ以上を含み得る入力アセンブリとを含んでもよい。図3に示されるような遠隔制御アセンブリ300は、ジョグホイール306およびスライダアセンブリ310を含むが、いくつかの実施形態は、ジョグホイール306またはスライダアセンブリ310のうちのいずれか一方のみ、あるいはデバイスに入力するための別の従来の様態を含んでもよい。ジョグホイール306を有する実施形態では、ジョグホイール306は、ホイール、リング、ノブ、または同等物を含んでもよく、これらは、少なくとも部分的にホイール、リング、ノブ、または同等物の動きに基づいて制御信号を提供するために、回転エンコーダまたは他の回転トランスデューサに連結されてもよい。
【0048】
遠隔制御アセンブリ300は、基礎率、ボーラスアラーム、送達制限を事前にプログラムする能力を含み、ユーザが履歴を見ること、およびユーザ選好を確立することを可能にしてもよい。遠隔制御アセンブリ300はまた、グルコース細片読取機312を含んでもよい。
【0049】
使用中、遠隔制御アセンブリ300は、遠隔制御アセンブリ300と注入ポンプアセンブリとの間に確立される無線通信チャネルを介して、注入ポンプアセンブリに命令を提供してもよい。したがって、ユーザは、注入ポンプアセンブリをプログラム/構成するために遠隔制御アセンブリ300を使用してもよい。遠隔制御アセンブリ300と注入ポンプアセンブリとの間の通信の一部または全ては、向上したセキュリティレベルを提供するために暗号化されてもよい。
【0050】
ユーザインターフェースの例示的実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザ確認およびユーザ入力を要求してもよい。ユーザインターフェースの例示的実施形態は、ユーザがポンプへの種々の相互作用の影響を確実に把握することに重点が置かれる。ポンプのこの説明の全体を通して、ユーザの作用の結果をユーザに通信する多くの実施例が提示されている。これらの特徴は、ユーザがユーザの作用を理解することを確実にし、したがって、より優れた安全性をユーザに付与する。そのような実施例の1つは、ユーザインターフェースの例示的実施形態の全体を介したものであって、ユーザは、値が変更された後に、画面上の戻りボタンを押下し、ユーザインターフェースは、図6に示されるように、変更キャンセル確認画面を表示する。ユーザが「はい」を選択した場合、ユーザインターフェースは、保留中の変更を破棄し、確認画面を閉じて以前の画面(すなわち、ユーザが戻りボタンを押下した画面より前の画面)に戻る。「変更をキャンセルしますか?」確認画面上において、作用選択が「いいえ」のとき、ユーザは、実施形態に応じて、確定ボタンまたは他のボタンを押下し、ユーザインターフェースは、確認画面を閉じ、保留中の変更を有する画面に戻る。この特徴は、変更が実装されたとユーザが仮定するが、実際には実装されていないという結果を防止する。したがって、この特徴は、その状況を防止し、変更が実装されていないことをユーザが理解することを確実にする。
【0051】
(温度)
注入ポンプの種々の実施形態では、ユーザは、デバイスが身体上に装着されるように、ベルトに取り付けられるか、別の部品または衣服あるいは衣類に取り付けられるか、またはいくつかの実施形態では、下着に取り付けられるポケットの中にあるか、またはいくつかの実施形態では、ユーザの皮膚に取り付けられる注入ポンプを装着してもよい。ユーザは、概して、可能な限り1日24時間近く注入ポンプを装着し、場合によっては、例えば、デバイスに影響を及ぼす場合があるMRIまたは他の治療中、および/またはシャワー/入浴の間であるが、それらに限定されない、短時間の間、デバイスを除去する。したがって、ユーザが注入ポンプを装着する通常のプロセス中に、注入ポンプは、正の温度変動および/または負の温度変動を含み得る温度変動を含む種々の温度に暴露され得る。これらの温度変動は、ユーザが屋外に出る、寒い部屋に入る、暑い部屋に入る、および/または毛布あるいは他の加温作用物質の下に入った結果であってもよい。
【0052】
上記で論議されるように、インスリンを含んでもよいが、それに限定されない、ポンプの中にある間、リザーバ内に含有される流体は、一般体積熱膨張係数と呼ばれ得る熱膨張係数を有する。したがって、正であろうと負であろうと、温度変動差/変化中に、流体またはインスリンが膨張または収縮する。温度変化率を含むが、それに限定されない、種々の要因が、流体の膨張または収縮に寄与してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、膨張または収縮量は、温度の関数であり得る。
【0053】
加えて、説明されるデバイスの種々の実施形態では、ポンプの構成要素もまた、熱膨張係数を有する。これらの熱膨張係数は、材料に応じて異なってもよい。したがって、種々の構成要素が異なる材料でできている場合、熱膨張係数は異なり得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、温度変化は、流体および/または注入ポンプの1つ以上の構成要素の熱膨張または熱収縮に影響を及ぼし得る。例えば、これに限定されないが、温度上昇は、リザーバ/注射器430(例示にすぎない、図4を参照されたい)の直径の増加を引き起こし得る。これは、流体と比較した注射器の相対的な熱膨張が、流体が送達されるか引き戻されるかを定めるためであり得る。したがって、これは、次に、リザーバ430に向かってカニューレ450の中の任意の流体/インスリンを逆流させ得る。この場合、流体インスリンの体積が、リザーバの中へ引き戻される。したがって、処理論理400による送達の後続要求は、この後退させられた体積をユーザに送達させるのみであってもよい。したがって、流体/インスリンの容量(後退させられた体積)は、ユーザによる要求または把握を伴わずに、ユーザに送達されていない。別の実施例は、温度低下を含む。いくつかの実施形態では、温度低下は、リザーバ430の直径を減少させ、流体インスリンをカニューレ450まで流れさせ得る。したがって、意図しないボーラス容量が、このユーザに送達される。この場合、流体インスリンは、ユーザによる要求または把握を伴わずにユーザに送達されている。
【0055】
したがって、第1の実施例では、ユーザは、必要または要求されるよりも少ない流体インスリンを受容する場合があり、したがって、高血糖を経験する場合がある。第2の実施例では、ユーザは、必要または要求されるよりも多い流体インスリンを受容する場合があり、したがって、低血糖を経験する場合がある。いずれの実施例でも、ユーザは、要求またはプログラムされた療法と同じではない流体インスリン体積を受容し、相違を通知されない。
【0056】
これらの実施例では、リザーバは、円筒形であると仮定される。以下は、円筒形の体積変化の数学モデルである(一定の線形膨張係数αを仮定する)。これは、説明目的のためのモデルである。付加的な数学モデルが、付加的な仮定、例えば、円筒形以外の形状、または可動プランジャを有する注射器に適応するように、以下のように決定され得る。
【0057】
【数1】
【0058】
これは、αΔT<<1と仮定して、
【0059】
【数2】
【0060】
と簡略化され得る。
【0061】
したがって、線形膨張係数
【0062】
【化1】
【0063】
を有する材料であるポリプロピレンに対しては、温度が30Cから10Cまで変化する場合、ポリプロピレンから構成される円筒形の体積変化は、
【0064】
【数3】
【0065】
となる。
【0066】
30Cから10Cまでの水の固有の体積変化は、約0.40%である。3cc注射器またはリザーバに適用されるその2つの間の差(約0.12%)は、約3.6μLとなる。しかしながら、加えて、注射器プランジャは、プランジャ材料およびポンプの中の注射器の関係(例えば、ポンプの中の注射器保持の設計)に応じて、熱膨張に応答して移動し得る。
【0067】
したがって、流体の送達への温度の影響を最小化することが所望され得る。したがって、流体および/または注入ポンプの構成要素のうちの1つ以上の熱膨張を制限または最小化する、および/または特性評価することが望まれる。流体および/または注入ポンプの構成要素のうちの1つ以上の熱膨張への温度の影響を最小化するように説明されるシステム、方法、および装置は、以下の例示的実施形態のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、予測可能および好ましい熱膨張係数を有する材料の選択は、上記で論議されるように、流体の潜在的な過小および過剰送達を最小化してもよい。いくつかの実施形態では、注射器材料は、例えば、流体の熱膨張と一致するように選択されてもよい。例えば、約20Cにおける水の線形膨張係数は、およそ
【0069】
【数4】
【0070】
である。
【0071】
したがって、注射器材料は、この値に近い膨張係数を有するように選択されてもよい。例えば、ポリカーボネートとアクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」とも呼ばれる)との混成物を、流体の熱膨張係数に一致するように使用することができる。いくつかの実施形態では、例えば、ポリカーボネートであるが、それに限定されない、他のプラスチックは、予測される温度変化による、注射器ポンプによって送達される容量が、最小および/または容認可能であるようなまさにその膨張係数に近くてもよい。いくつかの実施形態では、選択されるプラスチックまたは材料は、流体の熱膨張の勾配に合わせられてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、プランジャおよび/またはプランジャロッドの材料は、熱差動式に温度変化を補償するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、注射器、プランジャ、およびプランジャロッドのための材料は、熱差動式に温度変化を補償するように選択されてもよい。また、または加えて、いくつかの実施形態では、駆動系の1つ以上の構成要素または注入ポンプの任意の他の構成要素の材料は、熱差動式に温度変化を補償するように選択されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、任意の1つ以上の注入ポンプ構成要素のための材料は、温度の熱膨張効果を最小化するために、反対の熱係数または熱的補償材料を有するように選択されてもよい。例えば、注入ポンプ注射器が膨張するより高い温度において、流体の流動は負であり得る。いくつかの実施形態では、駆動系の少なくとも1つの構成要素は、負の熱定数を有し、したがって、反対の熱係数を有してもよい。したがって、温度上昇に応じて、注射器は体積変化を経験しない。
【0074】
いくつかの実施形態では、温度変化事象の間にフェーズ変化を受け得る材料の使用は、注入ポンプへの温度差動/変化の影響を最小化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、プランジャは、所定の体積のワックスを含んでもよく、したがって、温度が上昇することに伴って、長さまたは位置が、ワックスのフェーズ変化によって増加し得る。付加的なワックス特徴が、いくつかの実施形態では、流動を防止するために追加されてもよい。いくつかの実施形態では、結果として生じる体積の変化が、プランジャの直径の平方根に等しくなるように、ワックス特徴が、(所定の)距離、プランジャを前方に移動させるために追加されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、温度/温度変化/差動に応じてフェーズ変化を受ける材料の使用は、温度変化に起因する注射器の体積の変化を補償するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、温度変化に応じてフェーズ変化を受ける材料は、熱差動のエネルギーを吸収してもよく、したがって、例えば、注入ポンプの温度上昇よりもむしろ温度が上昇している場合、ワックスまたは他のフェーズ変化材料は、ワックスフェーズ変化材料を溶融し、したがって、エネルギーシンクの役割を果たし、熱を吸収してもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、注射器は、温度変化によってプランジャが前進させられるか、または引き抜かれ、注射器の体積変化を補償し得るように、制約されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、注射器は、金属ケースの中で担持されてもよく、使用されてもよい金属は、鋼鉄、アルミニウム、および/またはINVAR(登録商標)としても知られる、FeNi36を含んでもよいが、それに限定されない、低熱膨張係数を有する任意の金属を含むが、それらに限定されない。プランジャは、高熱膨張係数を有する材料から構成されていてもよい。したがって、本実施例では、注射器バレルの直径が減少すると、温度低下によって注射器プランジャを引き抜かれる。したがって、これらの影響を平衡化して、総体積変化が、最小化されてもよい。
【0076】
(特性化および制御補償)
いくつかの実施形態では、注入デバイスによって送出される流体の体積への温度変化の影響を特性化することが検討されてもよい。本実施形態では、ポンプは、温度変動(すなわち、正および負の両方)を受けてもよく、注入ポンプによる対応する応答が記録されてもよい。特性化は、変化の変動率(すなわち、摂氏1度/分、正および負であるか否か等)、総温度変動(例えば、摂氏10度、5度等)、および/または注射器プランジャの位置を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0077】
注入ポンプは、温度を決定する1つ以上のデバイスおよび/または構成要素および/またはシステムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、注入ポンプは、温度を決定する1つ以上のサーミスタまたは他の温度センサを含んでもよい。しかしながら、他の実施形態では、少なくとも1つの抵抗温度デバイス(RTD)および/または少なくとも1つの非接触赤外線デバイス(非接触IR)のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない、直接的または間接的に温度を決定する種々の方法および/またはデバイスおよび/またはシステムが使用されてもよい。1つ以上のサーミスタおよび/または温度決定デバイスの場所は、異なってもよい。1つ以上のサーミスタおよび/または温度決定デバイスの場所は、駆動ねじ、駆動系上の任意の場所、注射器バレル、プランジャ、および/またはプリント回路基板上にプリントされることを含むが、それらに限定されない注射器バレル上を含んでもよいが、それらに限定されない。種々の実施形態では、1つ以上のサーミスタおよび/または温度決定デバイスの場所は、熱源から離れた任意の場所であってもよく、それは潜在的に誤った示度値をもたらす。いくつかの実施形態では、1つ以上のサーミスタは、注射器の内部、注射器の外部、ポンプの内部、および/またはポンプの外部を含むが、それらに限定されない、1つ以上の場所の温度を決定してもよい。種々の制御は、これらの場所のうちのいずれか1つ以上における温度モデルに基づいて決定されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、特性化は、注射器内および注射器の外部の両方において、温度示度値を採取することによって行われてもよい。他の実施形態では、特性化は、ポンプの外部およびポンプの内部から温度示度値を採取することによって行われてもよい。種々の実施形態では、1つ以上のサーミスタおよび/または温度決定デバイスは、好ましくは、特性化中にあったものと同じポンプ上の場所で、ユーザによる使用のために配置される。
【0078】
いくつかの実施形態では、特性化は、温度の関数として、送達される流体の容量を測定することによって完了されてもよい。いくつかの実施形態では、これは、熱チャンバ、および流体を精密なスケールに送達するリザーバ/注射器に接続された注入セット/カニューレを使用することによって達成されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、これは、熱チャンバ、および流体を送達するリザーバ/注射器に接続された注入セットカニューレを使用し、その後、リザーバ内部のプランジャの位置を決定し、送達された流体の総容量を決定することによって、完了されてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、実践では、(1つ以上の場所における、および/または1つ以上のサーミスタによって採取される)ポンプの温度が測定されてもよく、プランジャの標的位置は、注射器および/またはプランジャの熱膨張を補償するように、温度の関数として異なってもよい。熱膨張示度値は、上記で論議されるように、特性化データを参照することによって決定されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、標的位置は、温度による注射器の体積変化の参照テーブルまたは関数近似に基づいて修正されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、注入ポンプは、基礎またはボーラス送達、および/またはその変種として、流体を送達する。基礎送達は、プログラムされた速度または容量/時間である。注入ポンプは、事前設定された持続時間にわたって事前設定された間隔で流体の容量を送達する。注入ポンプはまた、ボーラス容量を送達してもよい。ボーラスは、直ちに、すなわち、要求が行われたときに送達される要求された流体の容量である。ボーラスおよび基礎送達方法の一実施形態は、2009年10月9日に出願された、Infusion Pump Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158号、現在は2010年4月15日に公開された特許出願公開第WO 2010/042814号(代理人整理番号F51WO)、および2008年10月10日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願第12/249,882号、現在は2010年4月15日に公開された米国特許出願公開第US-2010-0094222号(代理人整理番号F51)で説明されており、その両方は参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。さらに、いくつかの実施形態では、例えば、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、2009年3月3日に発行された、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)で説明されている実施形態では、注入ポンプは、流体の容量、例えば、基礎容量またはボーラス容量を送達するためにプランジャが移動しなければならない距離を決定してもよい。したがって、注入ポンプシステムのいくつかの実施形態では、注入ポンプは、光学変位センサを使用して、送達中にプランジャが移動した距離を確認してもよい。いくつかの実施形態では、注入ポンプは、送達当たりのモータエンコーダカウントの数を決定し、プランジャの移動を確認する。
【0081】
しかしながら、種々の実施形態では、送達方法は、所望の/標的容量を送達するために、プランジャが移動するべき距離(標的プランジャ位置と呼ばれてもよい)の決定を含む。上記で論議されるように、これは、モータエンコーダステップの数を決定することによって行われてもよく、他の実施形態では、別の方法であってもよい。いずれにしても、注入ポンプは、プランジャ距離移動の決定を行う。
【0082】
特性化および制御補償方法の一実施例は、以下の通りである。第1のステップは、温度変化として送達される容量を特性化することであってもよい。この容量は、温度(これをTと呼ぶ)の関数でもあるプラスチックおよび液体/流体の熱膨張特性における変動による注射器の中に含有される流体の量(これをVと呼ぶ)の関数であり得る。関数β(T)は、以下の式
【0083】
【数5】
【0084】
からわかるように体積変化を温度変化に実験的に関連付けている。
【0085】
係数β(T)は、(上記で示されるように)温度の関数として求められるか、または可能性として温度およびプランジャ位置の両方の関数β(T,x)として求められる定数として、近似されてもよい。
【0086】
次に、標的プランジャ位置が、決定および調整され得る。標的位置xは、以下の式
【0087】
【数6】
【0088】
に基づいて、調整されてもよい。式中、Dは、プランジャ直径である。
【0089】
【化2】
【0090】
を代入すると(プランジャが進行端部に到達し、注射器内の流体のすべてを押し出した場合、x=0とする)、その関係は、
【数7】



と簡略化され得る。
【0091】
種々の実施形態では、この補償は、以下を含むが、それらに限定されない、異なる方法で行われてもよい。いくつかの実施形態では、補償は、例えば、3分毎に1回の送達であり得るが、それに限定されない基礎送達間隔よりも頻繁であり得る間隔に基づいて送達することによって行われてもよいが、他の実施形態では、より頻繁、または低頻度であってもよい。さらに、注射器の位置は、温度変化に基づいて調整され、規則的な送達、例えば、基礎および/またはボーラス送達の間に送達されるゼロ正味容量を維持してもよい。いくつかの実施形態では、これは、低い基礎率のために使用されてもよく、熱的に駆動された容量が規則的に予定された基礎送達を超え得る。しかしながら、これは、いくつかの実施形態では、送達を防止するために注射器方向を逆転させることを必要としてもよい。
【0092】
別の実施形態は、流体/インスリンが送達の予定になっているときに、補正を適用するステップを含んでもよい。したがって、標的プランジャ位置は、測定された温度変化および推定された熱的に駆動された容量送達に基づいて、補正されてもよい。これらの実施形態のうちのいくつかでは、補正は、プランジャが1つの方向にのみ駆動されてもよいように限定されてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、モデル化が異なってもよく、注射器の長さおよび直径の両方に関して仮定が行われてもよい。加えて、駆動系、プランジャ、プランジャロッド、注入ポンプ筐体、およびカニューレを含むが、それらに限定されない、注入ポンプの1つ以上の構成要素の熱膨張係数への温度の影響に関して仮定が行われてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、プランジャ標的を調整するステップは、注射器の出口により近くなるように、または注射器の出口からさらに離れるように、標的を調整するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、プランジャ前進が修正されてもよい。他の実施形態では、プランジャは、温度を補償するように後方に駆動されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、注入ポンプに応じて、注射器の出口により近く調整を限定することが所望されてもよい。これは、バックラッシュの潜在性によるものであってもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、温度依存基礎率が、温度補償のためにポンプに事前にプログラムされてもよい。これらの実施例では、ポンププロセッサは、少なくとも1つの温度センサからデータを受信する。温度または温度の変化率が、調整が行われるべきであるようなものであることを、温度データが示す場合、プロセッサは、事前にプログラムされた基礎率を改変するように信号伝達してもよい。いくつかの実施形態では、この改変は、事前設定された割合、例えば、30%の増加または15%の減少で、基礎率の追加あるいは減少のいずれか一方であってもよい。当然ながら、これらは実施例にすぎず、これらの実施形態では、事前設定された改変は、記述されたものとは異なると決定されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、注入ポンプは、少なくとも1つの温度センサと、少なくとも1つの光学センサとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学センサは、プランジャが前進したことを決定するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、前進の距離もまた決定されてもよい。いくつかの実施形態では、注入ポンプハードウェアの形状因子に適合する、小型反射光学センサ(以降では「光学センサ」)が使用される。光学センサは、プランジャ変位と重複する感知範囲を有する。例示的実施形態では、Sharp
Corporation(大阪、日本)の米国子会社である、Sharp Electronics Corporationによって製造された、Sharp GP2S60を含むが、それに限定されない、任意の光学センサが使用されてもよい。この光学センサは、単一パッケージ内に赤外線発光ダイオードおよび赤外線感知検出器を含有する。エミッタからの光は、非集束であって、感知表面から跳ね返り、その一部が、検出器に戻され、反射体までの距離/角度の関数として変化する感知された光の強度をもたらす。いくつかの実施形態では、センサは、反射表面がプランジャであるように配置される。
【0097】
いくつかの実施形態では、光学センサが、注射器/リザーバの中の流体のレベルを決定するために使用されてもよい。この情報は、プランジャロッドが前進したか否かを決定するために使用されてもよい。温度センサ情報とともに、これは、追加データ/情報を提供し、温度依存変化を決定してもよい。
【0098】
その全てが参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる、2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)、2009年10月9日に出願され、Infusion Pump
Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158号、現在は2010年4月15日に公開された国際公開第WO2010/042814号(代理人整理番号F51WO)、および2008年10月10日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願第12/249,882号、現在は2010年4月15日に公開され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願公開第US-2010-0094222号(代理人整理番号F51)で開示および説明されている実施形態を含む、注入ポンプシステムのいくつかの実施形態では、注入ポンプは、光学変位センサを含んでもよい。このセンサは、プランジャロッドが前方または後方のいずれか一方に前進したか否か、および前進の距離を決定するために使用されてもよい。この変位情報を使用して、1つ以上の温度センサからの情報とともに、プランジャへの温度変化の影響が決定されてもよい。順に、この決定は、温度変化を補償するために使用される制御の正確性を増大させてもよい。これは、感知された前方移動により送達される流体の量を減少させる、および/または感知された後方移動により送達される流体の量を増加させることを含んでもよいが、それらに限定されない。いずれの場合も、基礎率および/または量および/またはボーラスの量(例えば、意図された量のある割合だけ)の増加および/または減少は、所定の量だけ、かつ所定の時間の間である。
【0099】
いくつかの実施形態では、注入ポンプシステムは、温度変化に基づいて、基礎率および/またはボーラス量を調整するためのシステムおよび/または方法を含んでもよい。したがって、種々の実施形態では、上方または下方の閾値温度変化が生じたことをシステムが決定する場合、システムは、自動的に、および/またはユーザによる要求および/または確認によって、限定期間、例えば、均一の事前改訂された限定期間、例えば、20分を有するモードになってもよく、および/またはいくつかの実施形態では、モードは、温度変化閾値がもはや適用可能ではなくなるまで、継続してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、低下温度勾配が主要な懸念である場合、注入ポンププロセッサは、「低下勾配」モードで事前にプログラムされてもよく、注入ポンプは、意図的に、このモード、すなわち、基礎率の自動割合減少において、過小送達してもよく、いくつかの実施形態では、ボーラスもまた、流体の予測された付加的な送達を補償するように策定されてもよい。上記で論議されるように、インスリン送達の割合変化の決定は、注入ポンプの特性化に依存してもよい。
【0100】
その後、いくつかの実施形態では、例えば、上昇温度勾配が主要な懸念である場合、注入ポンププロセッサは、「上昇温度勾配」モードで事前にプログラムされてもよく、注入ポンプは、すなわち、基礎率の自動割合増加において、意図的に過剰送達してもよく、いくつかの実施形態では、ボーラスもまた、流体の予測された付加的な送達を補償するように策定されてもよい。上記で論議されるように、割合変化の決定は、注入ポンプの特性化に依存してもよい。
【0101】
(閉ループ温度補償)
本説明の目的のために、「前進した」という用語は、注射器またはリザーバ本体内のプランジャの移動を指す。前進は、特定の方向への移動に限定されない。注射器は、流体が注射器から外向きに移動する、注射器の端部である、出口端を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、システムは、注射器/プランジャへの温度の影響、および/またはユーザ/カニューレに向かった、またはユーザ/カニューレから離れる流体の送出の影響を決定する1つ以上のデバイスおよび/またはセンサを含んでもよい。これらのデバイスおよび/またはセンサは、1つ以上の流量センサ、1つ以上の閉塞デバイスおよび/または1つ以上のバイナリ弁、および/または1つ以上の歪み梁またはセンサ、および/または1つ以上の光学センサ、および/または1つ以上の温度センサ、および/または1つ以上の超音波範囲センサ、および/または1つ以上の電位差計、および/または1つ以上のロータエンコーダ、および/または1つ以上の線形エンコーダを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0103】
光学センサに関して、いくつかの実施形態では、注入ポンプは、少なくとも1つの温度センサと、少なくとも1つの光学センサとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光学センサは、プランジャが前進したことを決定するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、前進の距離もまた、決定されてもよい。いくつかの実施形態では、注入ポンプハードウェアの形状因子に適合する、小型反射光学センサ(以降では「光学センサ」)が使用される。種々の実施形態では、光学センサは、プランジャ変位と重複する感知範囲を有する。種々の実施形態では、 その全てがSharp Corporation(大阪、日本)の米国子会社である、Sharp Electronics Corporationによって製造されている、Sharp GP2S60、Sharp GP2S700、およびSharp GP2A240LCを含むが、それらに限定されない、任意の光学センサが使用されてもよい。この光学センサは、単一パッケージ内に赤外線発光ダイオードおよび赤外線感知検出器を含有する。エミッタからの光は、非集束であって、感知表面から跳ね返り、その一部が、検出器に戻され、反射体までの距離/角度の関数として変化する感知された光の強度をもたらす。いくつかの実施形態では、センサは、反射表面がプランジャであるように配置される。
【0104】
いくつかの実施形態では、光学センサは、注射器/リザーバ内の流体のレベルを決定するために使用されてもよい。この情報は、プランジャロッドが前進したか否かを決定するために使用されてもよい。温度センサ情報とともに、これは、追加データ/情報を提供し、温度依存変化を決定してもよい。
【0105】
注入ポンプシステムのいくつかの実施形態では、注入ポンプは、光学変位センサを含んでもよい。このセンサは、プランジャロッドが、前方(注射器出口に向かって)または後方(注射器出口から離れるように)のいずれか一方に前進したか否か、および前進の距離を決定するために使用されてもよい。この変位情報を使用して、1つ以上の温度センサからの情報とともに、プランジャへの温度変化の影響が決定されてもよい。次に、この決定は、温度変化を補償するために使用される制御の正確性を増大させてもよい。これは、感知された前方移動により送達される流体の量を減少させること(すなわち、送達されることが予定された流体の容量、すなわち、基礎率、または送達されるように要求された流体の容量、すなわち、ボーラス量を減少させること)、および/または感知された後方移動により送達される流体の量を増加させることを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0106】
いくつかの実施形態では、注入ポンプは、出口弁および/または閉塞器を含んでもよい。したがって、これらの実施形態では、注入ポンプは、注射器からカニューレへ、および/またはカニューレからユーザへの流体の送達を防止する少なくとも1つのデバイスを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの温度センサが信号をプロセッサに送信し、温度変化が閾値を満たす、すなわち、温度変化が温度による送達の変化をもたらすほど十分に大きいとプロセッサが決定するときに、デバイスが起動される。いくつかの実施形態では、これは、閉塞器および/または出口弁を起動し、流体が注射器および/またはカニューレに流入すること、および/またはそこから流出することを防止してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの温度センサが信号をプロセッサに送信し、温度変化が閾値をもはや満たさない、すなわち、温度変化がもはや温度による送達の変化をもたらすほど十分に大きくないとプロセッサが決定するときに、閉塞器および/または出口弁デバイスが動作停止される。いくつかの実施形態では、これは、閉塞器および/または出口弁を動作停止し、流体が注射器から流出し、および/またはカニューレへ、および/またはユーザへと流れることを可能にしてもよい。再び、上記で論議されるように、いくつかの実施形態では、プランジャ標的は、1つ以上の温度センサからの情報に応答して調整されてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、閉塞器/出口弁は、温度変化による、注射器/リザーバ内への偶発的な流体の流入またはそこからの流出を防止するよう、注入ポンプが流体を能動的に送達していないときの間隔の間に、閉鎖されてもよい。注入ポンプが流体を能動的に送達していないときのとき間の間に、少なくとも1つの温度センサは、温度を示す信号をプロセッサに送信し続けてもよい。この情報は、流体の「次の送達」、すなわち、次のプランジャ標的を修正するか否か、およびどのように修正するかを決定するために、制御システムによって使用されてもよい。したがって、「次の送達」が行われるとき、閉塞器/出口弁は開放してもよく、流体が送達される。
【0108】
したがって、これらの実施形態では、閉塞器/出口弁は主に、温度変化によって引き起こされる場合がある、自発的な意図されない流体流動を防止するように作用してもよい。制御システムは、送達された流体の容量が温度変化を補償するように、温度変化に基づいて、容量送達、すなわち、プランジャ標的を調整してもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、注入ポンプは、柔軟構成要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、柔軟構成要素は、圧力定数を維持しながら、注射器/リザーバの体積変化の差を許容してもよい。したがって、これらの実施形態では、温度変化から蓄積された圧力が存在しないであろうため、閉塞器/出口弁が開いているときに、温度変化を補償するためにコントローラ補償が必要でなくてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、いったん閾値温度変化が決定されると、閉塞器/出口弁は、閉鎖されてもよく、プランジャロッドは、浮遊することが許可されてもよく、すなわち、プランジャロッドは、駆動系と係脱されてもよい。したがって、圧力変化は、プランジャが浮遊することを可能にし、平衡を得て、したがって、温度変化に応答してコントローラ補償を必要とせずに調整する。
【0111】
いくつかの実施形態では、注入ポンプは、出口流路内に配置される流量センサを含むが、それに限定されない、少なくとも1つの流量センサを含んでもよい。流量センサは、流体の流動を検出してもよい。この情報は、送達命令と相関してもよく、送達された流体が、要求された、および/または適正な送達であるか否か、決定が行われてもよい。いくつかの実施形態では、流動が検出され、送達された流体が要求されなかった、および/または適正な送達ではないと決定される場合、閉塞器および/または出口弁は、閉鎖されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、流量センサは、内向きまたは外向きの流体流動を決定してもよく、これが予期事象ではない場合、注入ポンプは、閉塞器および/または弁を含むが、これらに限定されない、少なくとも1つの機構を起動し、流体の継続流動を防止してもよい。加えて、送達された、または内向きに流動した流体の量または容量を決定するために、流動情報が使用されてもよく、この情報は、次の予定または要求された送達(例えば、基礎またはボーラス)中に、プランジャ標的を改変するために使用されてもよく、またはいくつかの実施形態では、送達スケジュールを改変するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、これは、ユーザ相互作用を伴わずに完了されてもよい。いくつかの実施形態では、アラートがユーザに送信されてもよく、ユーザは、提案されたプロセスまたは作用を容認し、流体の過小または過剰の送達を軽減させなければならない。
【0112】
いくつかの実施形態では、注入ポンプは、1つ以上の光学センサを含んでもよい。これらのセンサは、注射器/リザーバ内の流体のレベルを決定するように、注入ポンプ内に配置されてもよい。1つ以上の光学センサは、プロセッサが駆動系に信号伝達してプランジャを前進させる前および後に、流体のレベルを決定してもよい。したがって、体積差は、プランジャが前進される前および後に、決定されてもよい。しかしながら、少なくとも1つの光学センサは、いくつかの実施形態では、駆動系が起動されたか否かにかかわらず、事前設定された間隔でデータを収集してもよい。したがって、少なくとも1つの光学センサは、情報を収集し、プランジャが前進したときならびに前進したか否か、および/または流体が送達された、あるいは引き込まれたときならびにそうされたか否かを決定してもよい。したがって、少なくとも1つの光学センサは、要求されていない事象が発生した場合があるときをプロセッサが決定するためにデータを収集してもよい。プロセッサは、この情報を少なくとも1つの温度センサと相関させ、それによって、注入ポンプが温度関連影響を受けているか否かを決定してもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ユーザに警告してもよい。いくつかの実施形態では、情報は、例えば、限定されないが、本明細書で論議される種々の実施形態を使用して、制御アルゴリズムに温度変化の影響を補償させるために使用されてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、プランジャが注射器の出口から離れるように移動することを識別するために、歪み梁が使用されてもよい。これらの実施形態では、プランジャロッドが注射器出口から離れて移動し始める場合、歪み梁が歪みを感知するように、歪み梁は、プランジャロッドに対して配置されてもよい。注入ポンプシステムのいくつかの実施形態では、注入ポンプは、閉塞を検出および/または識別するために使用され得る歪み梁を含む。歪み梁および方法は、いくつかの実施形態では、参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる、2008年10月10日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願第12/249,882号、現在は2010年4月15日に公開された米国特許出願公開第US-2010-0094222(代理人整理番号F51)、および2009年10月9日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158号、現在は2010年4月15日に公開された国際公開第WO2010042814号(代理人整理番号F51WO)で説明されているものと同様であってもよい。しかしながら、少なくとも1つの温度センサとともに、歪み梁は、特定の温度変化がプランジャ移動をもたらしたか否かを決定してもよい。プランジャ移動が温度変化により検出される場合、注入ポンプは、ユーザに警告してもよい。いくつかの実施形態では、システムは、歪みの変化を温度変化と相関させてもよい。
【0114】
(温度維持)
上記で説明されるように、温度変化からの任意の結果を回避するように、注入ポンプの温度を維持する所望があってもよい。いくつかの実施形態では、注入ポンプおよび流体の送達への温度変化の上記の影響を最小化または防止するために、1つ以上の種々の装置および/またはシステムが、注入ポンプの温度を維持するために採用されてもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、注入ポンプは、加熱デバイスを含む。加熱デバイスは、プロセッサから命令を受信してもよい。加熱デバイスは、注入ポンプの中または上のどこかに位置してもよいが、いくつかの実施形態では、加熱デバイスは、注入ポンプ筐体内に位置する。いくつかの実施形態では、加熱デバイスは、注入ポンプの内部の電源またはバッテリによって給電される。しかしながら、いくつかの実施形態では、電源は、注入ポンプの外部にあってもよい。
【0116】
加熱源は、所望される任意の加熱源であってもよいが、例示的実施形態では、加熱源は、部品番号KH-KIT-EFH-15001のomega.com(登録商標)から入手可能である、KAPTON(登録商標)(ポリイミドフィルム)ヒータキットであってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの温度センサが、注入ポンプの中または上に位置する。少なくとも1つの温度センサは、プロセッサに情報を通信してもよい。温度センサデータに基づいて、プロセッサは、サーモスタットの役割を果たし、加熱源に給電して、所望の温度で注入ポンプ内の温度を維持してもよい。いくつかの実施形態では、所望の温度は、摂氏15から30度の間であってもよいが、他の実施形態では、維持温度は異なってもよい。いくつかの実施形態では、温度をより高く維持することが望ましくてもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、注射器/リザーバは、注入ポンプ内の金属ケースに含有されてもよい。金属ケースは、発熱体と注射器/リザーバとの間の熱の伝導を増加させてもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの発熱体は、注入ポンプの内部の1つ以上の場所に位置してもよく、これらの場所のうちの1つ以上は、注射器、流体、プランジャ、筐体、プランジャロッド、および/または駆動系を含むが、それらに限定されない、注入ポンプの1つ以上の構成要素の温度を維持するように選択されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの発熱体は、加えて、注入ポンプ内の電源および/またはバッテリ寿命を延長させ得る。摂氏約35度に温度を維持することは、バッテリ寿命および/または性能に有益であり得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、ヒートシンクとしてユーザの身体を利用し、ユーザの皮膚に近接して注入ポンプを装着することが望ましくてもよい。これは、以下のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない、種々のデバイスおよび装置を使用して達成されてもよい。
【0121】
例えば、VELCRO(登録商標) USA Inc.(Manchester、NH)によって提供されるものであるが、それに限定されない、マジックテープ(登録商標)システムが、注入ポンプの容易な取付/ユーザからの除去を可能にするために利用されてもよい。したがって、接着パッチが、ユーザの皮膚に取り付けられてもよく、外向きに面するフックまたはループ表面を含んでもよい。加えて、注入ポンプ114の表面は、相補的フックまたはループ表面を含んでもよい。採用される特定の種類のマジックテープ(登録商標)システムの分離抵抗に応じて、フックおよびループ接続の強度は、皮膚接続に対する接着剤の強度よりも強力となることが可能であってもよい。したがって、種々のフックおよびループ表面パターンが、フックおよびループ接続の強度を調節するために利用されてもよい。
【0122】
また、図10A-10Eを参照すると、そのようなフックおよびループ表面パターンの5つの実施例が示されている。例示的目的で、注入ポンプ筐体の1つの表面が、「ループ」材料で覆われると仮定する。したがって、フックおよびループ接続の強度は、接着パッチの表面上に存在する「フック」材料のパターン(すなわち、量)を変化させることによって、調節されてもよい。そのようなパターンの実施例は、(図10Aに示されるような)「フック」材料の単一外円220、(図10Bに示されるような)「フック」材料の複数の同心円222、224、(図10Cに示されるような)「フック」材料の複数の放射状スポーク226、(図10Dに示されるような)「フック」材料の単一外円230と組み合わせた「フック」材料の複数の放射状スポーク228、および(図10Eに示されるような)「フック」材料の複数の同心円234、236と組み合わせた「フック」材料の複数の放射状スポーク232を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0123】
別の実施形態では、ホルダ、ポーチ、袋、容器、または他の種類の筐体(概して「ホルダ」と呼ばれる)が、注入ポンプを収容するようにサイズ決定されてもよい。いくつかの実施形態では、ホルダは、1つ以上の絶縁層を含むが、それらに限定されない、多重層を含むように構築されてもよい。いくつかの実施形態では、層のうちの1つ以上は、湿潤および冷蔵または凍結されたときに、層が冷却効果を提供する、布地を含んでもよい。この層は、ユーザの注入ポンプが、太陽または温暖環境に暴露されてもよい、より暖かい天候または状況において所望されてもよい。いくつかの実施形態では、材料のうちの1つ以上の層は、高吸収性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ホルダは、配備されると、ホルダの高吸収性材料に吸収され、注入ポンプに蒸発冷却を提供してもよい、イソプロピルアルコールの1つ以上の缶を含んでもよい。種々の実施形態では、ホルダは、注入ポンプを冷却するための代替的および/または付加的な方法、システム、および/またはデバイスを含んでもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、ホルダは、注入ポンプおよび/またはコントローラに情報を伝送してもよい、1つ以上の温度測定デバイスおよび/または温度センサを含んでもよい。1つ以上の温度センサは、ホルダの温度を通信し、アルコールの1つ以上の缶を配備する、および/または注入ポンプ/ユーザ/コントローラに警告する、および/または温度センサに基づいて、加熱源をオンにしてもよい。いくつかの実施形態では、加熱および/または冷却は、閾値温度変化に到達することによって誘起されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ホルダは、注入ポンプのための温度を維持するために、閉ループシステムを提供してもよい。
【0125】
ここで図11を参照すると、ホルダ500のいくつかの実施形態は、外側層502と、内側層504と、内側ポケット506とを含む。ポケット506は、外部の力および/または温度変化から注入ポンプを保護するように、付加的なクッションまたは絶縁を含んでもよい。ホルダ500は、正面、頂面、または側面に沿って、ファスナを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ホルダ500は、画面および/または入力アセンブリ(例えば、ボタン、スライダ、および/またはジョグホイールを含むが、それらに限定されない)を露出するように、正面にプルダウンフラップ(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フラップは、マジックテープ(登録商標)システムを使用して、固定閉鎖されてもよい。他の実施形態では、フラップは、スナップ、ボタン、磁気閉鎖、およびジッパを含むが、それらに限定されない、任意の他のファスナシステムを使用して、固定されてもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、ホルダ500は、ユーザに取り付けられる設計されているストラップ508に取り付けられてもよい(例えば、図12参照)。しかしながら、種々の実施形態では、ストラップ508は、弾性および/または調整可能であってもよく、少なくとも1つの閉鎖デバイスを含んでもよい。
【0127】
ユーザ510の中央部の周囲に装着されるものとして図12に示されているが、ホルダ500は、ユーザが所望するどこにでも装着されてもよい。
【0128】
ここで図13を参照すると、ホルダ500の背面の実施形態が示されている。いくつかの実施形態では、ホルダは、ベルト、ハンドル、1枚の衣服、またはその他を覆って、固定して、かつ取外し可能に嵌合するように構成される、「ベルトクリップ」または別の種類のクリップと呼ばれてもよい、クリップ512を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ホルダ500は、加えて、管類516がそれを通って嵌合するための開口部514を含んでもよい。いくつかの実施形態では、注入ポンプ(図示せず)は、ホルダ500の内部に含有され、ホルダは、最小管類516が外部温度に暴露されるように、ユーザの挿入部位(図示せず)に近接して装着されてもよい。したがって、管類のための開口部514を含む、ホルダ500の実施形態は、管類516および/または管類内の流体の温度を維持するために有益であってもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、プラスチック材料、例えば、Press n’Seal、または同様の挙動の別の材料が、ユーザの身体に対して注入ポンプを取り付けて維持するために使用されてもよい。他の実施形態では、例えば、ユーザの脚、中央部、または腕に対して嵌合される、カフおよびバンドが、注入ポンプのためのポーチを含んでもよい。他の実施形態では、注入ポンプは、内側ポケット、ブラポケット等を通して、皮膚に対して定位置に維持されてもよい。
【0130】
ユーザの体温および/または発熱体の両方を利用して、注入ポンプの温度を維持するための種々の実施形態が、本明細書で説明される。しかしながら、付加的なデバイスおよび装置は、本発明の範囲内である。さらに、注入ポンプの温度を維持するための種々の方法、システム、および装置は、少なくとも1つの温度センサを含んでもよい。
【0131】
(インスリン温度)
本明細書では、注入ポンプの温度を維持するための種々の方法、システム、デバイス、および/または装置が説明される。これらの実施形態のうちの少なくともいくつかにおいて、注入可能流体/インスリン温度の維持が固有のものである。インスリンの温度が高温および低温を超えないことをインスリンの製造業者が推奨していることは周知である。加えて、いったんバイアルが使用されると、室温/周囲温度(例えば、華氏59度から86度までの間)において即効性(例えば、HUMALOG(登録商標)、NOVOLOG(登録商標))を維持することが有益であり得、すなわち、製造業者は、バイアルが使用されるまで冷蔵領域の中、例えば、華氏36度から46度までの間で、インスリンを保管することを推奨している。そのために、バイアルが室温で保管されることが推奨される。
【0132】
インスリンは、いったん非推奨温度に到達すると、低い有効性または無効になる場合があるので、運搬中、冷蔵庫の中、または使用中であろうと、インスリンが適正に保管されていたか否かをユーザが把握することは有益であり得る。
【0133】
図14を参照すると、一実施形態では、貼付式温度計520が、流体のバイアル522の上、いくつかの実施形態では、インスリンのバイアルの上に配置されてもよい。温度計は、バイアルの現在の温度をユーザに知らせてもよい。いくつかの実施形態では、温度は、高および低範囲に向かう種々の温度を示す赤色および青色の種々の陰影として示されてもよい。いくつかの実施形態では、いったん温度が最高または最低温度(あらかじめ定められ、いくつかの実施形態では、それぞれ華氏35度および87度であってもよい)に到達すると、温度計は、非可逆的となり、したがって、インスリンが最高または最低温度に到達したことをユーザに瞬時に示す。
【0134】
omega.com(登録商標)から入手可能な部品番号TL-3のNon-Reversible Temperature Labels、3 Temperature Ranges、または別の同様の温度ラベル等の非可逆的温度ラベルを含む、任意の貼付式温度計が使用されてもよい。上記で論議されるように、いくつかの実施形態では、Reversible Temperature Labelが使用されてもよく、または可逆的および非可逆的構成要素の両方を有するラベルが使用されてもよい。
【0135】
(大気圧)
大気圧の低下は、注入ポンプの中のリザーバからユーザまでの流体の意図しない、および/または予定されていない、および/または要求されていない送達をもたらし得る。圧力の低下は、リザーバの中に存在し得るか、またはリザーバの中の流体に溶解させられ得る空気を生じさせる。影響を受け得る注入ポンプのいくつかの実施形態は、注射器注入ポンプ、および全てが参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれ、図1A~4に示される、2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)、2007年12月11日に発行され、Loading Mechanism for Infusion Pumpと題された米国特許第7,306,578号(代理人整理番号C54)、および2009年10月9日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158号、現在は2010年4月15日に公開された特許出願公開第WO 2010/042814号(代理人整理番号F51WO)に示され、説明されている種々の実施形態を含んでもよいが、それらに限定されない、注射器注入ポンプと同様のものである。したがって、動作中に、注射器注入ポンプが大気圧低下を受ける場合、意図しないボーラスがユーザに送達される場合がある。意図しないボーラスはまた、ユーザに知られない場合があるので、これは安全性の懸念を提示する。したがって、ユーザは、インスリンポンプを含む実施形態では、低血糖事象をもたらす場合がある過剰送達事象を経験する場合がある。
【0136】
大気圧の上昇は、管類/カニューレから注入ポンプの中のリザーバに向かう流体の意図しない、および/または予定されていない吸上げをもたらし得る。影響を受け得る注入ポンプのいくつかの実施形態は、2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)、2007年12月11日に発行され、Loading Mechanism for Infusion Pumpと題された米国特許第7,306,578号(代理人整理番号C54)、および2009年10月9日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158号、現在は2010年4月15日に公開された特許出願公開第WO 2010/042814号(代理人整理番号F51WO)、ならびに図1A~4で示され、説明されている種々の実施形態を含んでもよいが、それらに限定されない注射器注入ポンプと同様のものである。したがって、動作中に、注射器注入ポンプが大気圧上昇を受ける場合、意図したよりも少ない容量をユーザに送達させる場合がある、管類/カニューレからの流体の意図しない吸い上げが発生する場合がある。吸い上げ容量はまた、ユーザに分からない場合があるため、これは安全性の懸念を提示する。したがって、ユーザは、インスリンポンプを含む実施形態では、高血糖事象をもたらす場合がある、過小送達事象を経験する場合がある。
【0137】
いくつかの実施形態では、注射器注入ポンプおよび/または注射器注入ポンプ用の遠隔コントローラは、当技術分野で公知であるものと同様である、いくつかの実施形態において高度計であってもよい圧力センサを含んでもよい。「圧力センサ」および「高度計」という用語は、本明細書において交換可能に使用されてもよい。高度計は、ポンププロセッサと通信していてもよく、したがって、高度計からのデータが、ポンププロセッサによって使用されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、注入ポンプから少なくとも1つの応答を誘起してもよい所定の変化率および/または大気圧閾値(上昇または低下)を含んでもよい。
【0138】
いくつかの実施形態では、応答は、ユーザへの通知を含んでもよい。したがって、注入ポンプおよび/または遠隔コントローラは、高度計が、閾値を誘起した大気圧の上昇および/または低下を示すデータを送信する場合に、ユーザに通知および/または警報および/または警告してもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、潜在的な事象、例えば、航空機の離陸、航空機の下降、高い高度へ/高い高度から低い高度への移動を高度計データから認識してもよい。これらの認識された事象は、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコマンドをユーザに誘起してもよく、例えば、ポンプおよび/またはコントローラは、例えば、「航空機の離陸?」および/または「航空機の下降?」を含んでもよいが、それらに限定されない質問によってユーザに警告および/または警報してもよい。ユーザによる確認時に、ポンプは、例えば、ユーザへの音響および/または視覚信号による、例えば、アラートおよび/またはアラームによって、ユーザがカニューレから切断することを提案してもよい。その後、閾値「安全」高度に到達した、および/またはユーザが所定の期間にわたって適切な高度にいることを高度計データが示すときに、ポンプ/コントローラは、カニューレに再接続するようにユーザに警告および/または警報してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、大気圧変化によって引き起こされるあらゆる潜在的な悪影響が、ユーザへの通知によって最小化および/または軽減および/または回避されてもよく、その後に続いて、ユーザが適宜に切断および/または再接続する。
【0139】
ここで図15も参照すると、大気圧軽減のための方法600が示されている。いくつかの実施形態では、圧力センサ/高度計が、所定の間隔でデータをプロセッサに送信する602。高度計データが所定の警戒および/または警告閾値を示す場合604、プロセッサは、カニューレから切断するようにユーザに警告および/または警報してもよい606。所定の適切/安全な閾値を満たしていることを高度計が示すとき608、プロセッサは、カニューレに再接続するように警告および/または警報してもよい610。しかしながら、所定の適切な閾値が満たされるまで608、高度計は、所定の間隔でデータをプロセッサに送信し続ける612。
【0140】
いくつかの実施形態では、高度計は、毎分であってもよいが、それに限定されない、所定の間隔でデータをプロセッサに送信してもよい。いくつかの実施形態では、頻度は、高度計データに基づいて増加または減少してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、航空機の離陸がユーザによって確認される場合、高度計は、より頻繁にデータをプロセッサに送信してもよい。いくつかの実施形態では、いったんユーザが再接続すると、高度計は、ユーザによる入力された事象に基づいてデータをプロセッサに送信してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザが航空機での移動を予測する場合(航空機での移動は実施例として使用されるにすぎず、他の実施形態では、事象は、大気圧の変化をもたらしてもよい任意の事象であってもよい)、ユーザは、ポンプが「航空機モード」にされることを示すように、ユーザインターフェースの中のメニューオプションを、ポンプおよび/またはコントローラ上で選択してもよい。このモードはまた、付加的な情報、例えば、予定された離陸時間および/または予定された着陸時間を入力するようにユーザに要求してもよい。したがって、ポンプおよび/またはコントローラは、ユーザ入力情報に基づいて、高度計データ通信の頻度を修正してもよい。ユーザ入力情報は、加えて、高度計からの示度値を介して事象の変化を認識するために、ポンプおよび/またはコントローラによって使用されてもよい。例えば、プロセッサは、ユーザが入力した離陸時間に基づいて、大気圧の減少が予測され得る場合が実現されないと、ポンプ/コントローラが、変更された離陸時間に関して、ユーザからさらなる情報を要求し得ることを認識してもよい。ユーザが入力した事象情報は、加えて、高度計の機能および/または精度を確認するためにプロセッサによって使用されてもよい。例えば、事前にプログラムされた誤差限界内においてさえも、離陸中の示度値が期待通りではない場合、これが高度計の誤動作を示す場合があるので、ポンプ/コントローラは警報および/または警告してもよい。いくつかの実施形態では、次いで、ポンプ/コントローラは、離陸および下降中に切断するようにユーザに警告してもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、高度計からのデータおよび/または圧力センサからのデータは、流体の予定された送達を修正するために使用されてもよい。したがって、高度計および/または圧力センサは、注入ポンププロセッサと通信していてもよい。正または負の方向における感知された圧力の変化が、プロセッサに通信されてもよい。それに応じて、プロセッサは、コントローラに通信して、注入可能流体の送達の速度を減少または増加させてもよい。例えば、コントローラは、所定の割合で所定の期間にわたって任意の予定された送達を増加または減少させてもよい。いくつかの実施形態では、注入ポンプは、注入ポンプが流体の送達を達成してもよい圧力の上昇または減少を受けてもよい状況に対処する、モードまたは他の事前にプログラムされた送達スケジュール修飾因子を含んでもよい。モードは、ユーザが、例えば、航空機での飛行であるが、それに限定されない、圧力変化事象を経験しているか、または経験する計画であるときに、ユーザによって選択されてもよい。ユーザは、いくつかの実施形態では、「航空機モード」と称され得るモードを選択してもよく(しかしながら、これは名称の実施例にすぎず、また、用語は、種々の実施形態において任意の圧力変化事象を識別するために使用されてもよく、種々の実施形態では、航空機事象に限定されない)、加えて、例えば、離陸か着陸か否かを特定してもよい。それに応じて、注入ポンプは、送達の速度を増加または減少させてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態では、高度計データが、流体送達の意図的ではない/意図しない増加または減少をもたらし得る圧力変化事象を示す場合、および/またはユーザが、メニュー選択および/または手動入力および/または音声認識コマンドを介して、例えば、以下のうちの1つ以上であるが、それらに限定されない、ポンプおよび/またはコントローラに同じことを示した場合、ポンプは、いくつかの実施形態では、プランジャの場所の決定の頻度の修正を含む「航空機モード」になってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、上記で、および/または2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)で説明されるように、注入ポンプは、プランジャの場所を決定するための少なくとも1つのセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、これは、上記で、および/または2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)で説明されている方法、装置、およびシステムを使用することによって達成されてもよく、他の実施形態では、プランジャの移動またはプランジャの場所を決定するための他のセンサが利用されてもよい。しかしながら、種々の実施形態では、センサがプランジャの位置を決定する頻度は、「航空機モード」において変化してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、通常動作中、注入ポンプは、予定および/または要求された送達の前および後にプランジャの位置を決定してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、航空機モードにおいて、予定および/または要求された送達に起因するものではなくてもよいプランジャの移動を決定するために、注入ポンプは、センサ示度値の頻度を修正することにより、圧力事象の変化に起因して吸い上げられた、または送達された流体の容量を決定してもよい。したがって、航空機モードに入ると、および/または高度計データがモードを誘起すると、センサは、所定の間隔で、例えば、1分毎に示度値を採取してもよい。いくつかの実施形態では、センサ示度値が送達または吸上げに向かう移動を示す場合、送達されるか、または吸い上げられる流体の推定容量が、ユーザに提示されてもよい。したがって、ユーザは、この情報に基づいて治療の適切な変更を行ってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、送達された、および/または吸い上げられた流体の感知された容量は、所定の期間にわたる予定された送達を修正するために、プロセッサによって使用されてもよい。いくつかの実施形態では、所定の期間は、注入ポンプが補正している流体の容量を含むが、それに限定されない、多くの要因に依存してもよい。
【0143】
温度変化および軽減に関して上記の説明を参照すると、いくつかの実施形態では、圧力変化閾値が満たされると、自動的に、および/または手動で、プランジャの位置の感知に関する同様のモードに入れられてもよい。したがって、センサ頻度修正および送達の下流修正に関連する種々の実施形態に関して説明される、種々の方法が、圧力軽減に使用されてもよい。
【0144】
いくつかの実施形態では、注入ポンプは、リザーバから下流に位置する少なくとも1つの弁を含んでもよい。種々の実施形態では、弁は、管類の中、カニューレの中、および/またはリザーバの遠位端のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されず、注入セット自体に組み込まれることを含むが、それに限定されず、リザーバの遠位端からカニューレ部位までの間のどこかに位置してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの弁は、圧力/大気補償弁であってもよい。いくつかの実施形態では、弁は、付録Aに示されるもの(The Lee Company(Westbrook,Connecticut,USA)から入手可能な(Lee 250 Zero Leak Chek(登録商標))と同様のマイクロ逆止弁であってもよく、この弁は、弁のリザーバ側と比較して弁のカニューレ側(それぞれ、「弁から下流」および「弁の上流」と呼ばれてもよい)においてより高い任意の圧力差によって弁が完全に閉じられたままであるように、すなわち、弁が閉じているときに流体がリザーバに逆流し得ないように構成されている。いくつかの実施形態では、流出クラッキング圧力は、高度の変化に関係する差圧が弁を開かせないように選択されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、クラッキング圧力は、5PSIに設定されてもよい。したがって、この実施形態では、海水面において、注入ポンプは、5PSIを生成して流動を誘発するように要求されてもよい。例えば、航空機の飛行中に経験されるもの等の圧力低下中に、注入ポンプは、1PSIを誘発して、例えば、高度変化の負の圧力バイアスによる流動を誘発するように要求されてもよい。いくつかの実施形態では、高度変化のみに基づく流体流動は、排除および/または減少および/または軽減されてもよい。したがって、これら等の実施形態では、ユーザが意図および/または予定および/または要求された治療送達を受信している間、圧力変化の影響が軽減されてもよい。
【0145】
(気泡管理)
2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)、2007年12月11日に発行され、Loading Mechanism for Infusion Pumpと題された米国特許第7,306,578号(代理人整理番号C54)、および2009年10月9日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158号、現在は2010年4月15日に公開された国際公開第WO2010/042814号(代理人整理番号F51WO)において示され、説明されているものと同様である注射器リザーバの中の流体に溶解された気泡および/または空気は、流体送達に影響を及ぼす場合がある。流体中の気泡および/または溶解空気が脱気すると、流体を変位させ、膨張し、および/または圧縮され得、それが送達に影響し得る。加えて、気泡は、注入ポンプのいくつかの実施形態では、閉塞検出に影響を及ぼし得る。例えば、多くの注入ポンプシステムにおいて、閉塞検出は、プランジャから歪み梁に向かって及ぼされる上流圧力を検出するように、歪み梁/歪みゲージを使用して行われる。圧力が閾値に達すると、閉塞がシステムによって決定および/または仮定され、概して、閉塞アラームおよび/または警告がユーザに与えられる。しかしながら、この閉塞検出システムは、非圧縮性であるリザーバの中に流体に依存する。
【0146】
リザーバの中の流体が少なくとも1つの気泡を含むとき、空気が圧縮性であるので、閉塞によるリザーバ内の付加的な力は、力が歪みゲージに及ぼされる前に、最初に気泡を圧縮するはずである。これは、閉塞を検出するために、さらなる力が存在することを最終的に必要とし得る。したがって、リザーバの中の気泡は、閉塞検出の遅延に寄与する場合がある。したがって、閉塞検出を含む多くの理由に対して、リザーバの中の流体中の気泡および/または溶解空気を最小化、軽減、および/または排除することがで望ましくあり得る。
【0147】
加えて、気泡のサイズが増加するにつれて、気泡は、リザーバ内の流体圧力を上昇させ得る。リザーバ内の上昇した流体圧力は、流体(いくつかの実施形態ではインスリンである)の容量の意図的ではない、および/または予定されていない送達を引き起こす場合がある。
【0148】
(空気によって引き起こされる過剰送達の軽減)
意図的ではない、および/または予定されていない流体送達を最小化および/または排除する気泡の軽減に関して、いくつかの実施形態では、三方弁がリザーバから下流に位置してもよい。ここで図16を参照すると、いくつかの実施形態では、能動型逆止弁650および受動型逆止弁652の両方が、リザーバ654から下流に位置してもよい。いくつかの実施形態では、能動型逆止弁650は、意図および/または予定および/または要求された治療送達のために開かれてもよいが、そうでなければ閉じたままであってもよい。受動型逆止弁652は、弁を克服することに十分な圧力が弁に及ぼされたときにのみ、開けられ得る。したがって、いくつかの実施形態では、意図および/または予定および/または要求された治療送達がないとき、能動型弁650は閉じられたままである。これは、流体圧力が受動型逆止弁652を克服することに十分ではない限り、かつ十分になるまで続き、したがって、いずれの流体もいずれの一方の弁を通過しない。しかしながら、場合によっては、例えば、気泡からの上昇した流体圧力が、受動型逆止弁652を克服し(すなわち、受動型逆止弁652のクラッキング圧力を克服し)、ポンプの外部に流れ得る(種々の実施形態では、受動型逆止弁652を通って流れる流体は、ユーザを除く所望されるどこかに流れてもよい)。したがって、この実施形態では、意図および/または予定および/または要求された治療送達のみが行われ、そうでなければ、上昇した流体圧力は、受動型逆止弁652の使用を介して軽減されてもよい(意図および/または予定されていない流体送達が回避および/または軽減および/または減少させられてもよい)。
【0149】
(気泡の最小化)
気泡は、流体脱気を含むが、それに限定されない、種々の方法によって、種々の環境に起因してリザーバに導入され得る。場合によっては、流体は、リザーバに導入された後に、アウトガスしてもよい。これは、温度の結果として起こってもよい。場合によっては、例えば、インスリンが流体として使用される場合、室温を下回るインスリンは、室温になる間に、ある量の脱ガスを受けてもよい。比較的、ある期間にわたって室温であるインスリンは、それほど多くの脱ガスを受けなくてもよく、したがって、この状態のインスリンは、リザーバの中に装填されたときに室温を下回るインスリンと比較して、リザーバの中で最小の、またはより少ない脱ガスを受け得る。
【0150】
したがって、リザーバの中に装填する前にインスリンおよび/または流体の脱ガスを増大させるための方法、システム、および装置が所望されてもよい。これは、脱ガスの影響を最小化する、つまり、リザーバの中の気泡の影響を最小化し得る。
【0151】
ここで図17を参照すると、いくつかの実施形態では、脱ガスの影響を最小化するために、充填アダプタデバイス700が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700は、再利用可能な充填アダプタであってもよいが、他の実施形態では、充填アダプタ700は、使い捨てであってもよい。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700デバイスは、いくつかの実施形態では、インスリンである注入可能流体によってリザーバ/注射器704を充填および/または部分的に充填しながら、使用されるべき注入可能流体のバイアル702に接続されてもよい(すなわち、バイアルに接続される、および/または取外し可能に取り付けられるように構成される)。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700は、製造時にバイアル702に取り付けられ、および/または取外し可能に取りつけられてもよく、いくつかの実施形態では、ユーザは、使用時に充填アダプタ700を取り付けてもよい(これらの実施形態のうちのいくつかでは、充填アダプタ700は、取外し可能に取り付けられてもよい)。したがって、いくつかの実施形態では、バイアル702は、充填アダプタ700とともに提供されてもよく、いくつかの実施形態では、リザーバ704は、充填アダプタ700とともにユーザに提供されてもよい。他の実施形態では、充填アダプタ700は、バイアル702および/またはリザーバ704とは別個のデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700は、さらに、バイアルから流体経路712まで流体を接続する針(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700がバイアル702に取り付けられているとき、針は。
【0152】
デバイスは、発熱体706と、例えば、1本の管類/流体経路(ガラスおよび/またはプラスチックあるいは任意の流体適合性材料で作成されてもよい)であるが、それに限定されない流体経路712とを含んでもよい熱交換器を含んでもよい。流体経路712は、隔壁および/または充填針入力714に流体的に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、管類の長さは、脱ガスを最も効率的かつ効果的に誘発するような任意の長さおよび/または直径であってもよい。リザーバ/注射器704(いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプランジャ708を含んでもよい)を充填している間に、流体は、それが所定の温度まで加熱され得る、発熱体706によって加熱される流体経路712を含む熱交換器に進入し、それを通過する。所定の温度まで加熱される間に、脱ガスが起こってもよい。
【0153】
充填アダプタ700のいくつかの実施形態は、熱源および/または発熱体706を含む。種々の実施形態では、発熱体706は、誘導、光学、RF、マイクロ波、電気、またはその他を含んでもよいが、それらに限定されない、当技術分野で公知である任意の発熱体であってもよい。
【0154】
いくつかの実施形態では、流体経路712および/または充填アダプタ700は、所望および/または所定の速度で流体を加熱するように設計されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、流体の加熱速度および/または発熱体706を通る流体の流量を制御する付加的な特徴が充填アダプタ700上にあってもよい。これらは、ポンプおよび/または能動弁を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0155】
いくつかの実施形態では、流体は、室温に加熱されてもよい。他の実施形態では、流体は、室温未満に加熱されてもよく、なおも他の実施形態では、流体は、室温以上に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700は、1つ以上の事前にプログラムされたプロファイルに従って流体の加熱を制御してもよいプロセッサ(図示せず)を含んでもよい。1つ以上のプロファイルは、種々の状況および/または種々の種類の流体に対して設計されてもよい。所望の温度に応じて、熱交換器および/または充填アダプタ700は、それに従って設計されてもよい。
【0156】
したがって、種々の実施形態では、充填アダプタ700の実施形態の使用は、少なくとも、限定するものではないが、以下の事項のうちの1つ以上を達成するように作用してもよい:脱ガスの下流影響を最小化、減少、および/または排除すること;脱ガスの量が制御され、および/または予測可能であり、したがって、他の手段を介して軽減され得るように、脱ガスの主観的な量を最小化、減少、および/または排除すること;脱ガスの発生を減少、最小化、排除、および/または低減すること;例えば、冷蔵温度と室温との間の温度上昇の潜在的影響を最小化するように流体の温度を安定させること;リザーバ704の体積変化を含むが、それに限定されない、リザーバ704の中の脱ガスの影響を減少、排除、および/または最小化、および/または低減することである。
【0157】
いくつかの実施形態では、熱交換器からの空気の漏出を可能にする空気トラップおよび/または疎水性フィルタ(図示せず)またはその他があってもよい。したがって、流体が所定の温度まで加熱されると、脱ガスが起こり、したがって、そうでなければリザーバおよび/または注射器704を充填した後に起こっていてもよいような脱ガスを最小化する。
【0158】
いくつかの実施形態では、リザーバ704の充填または部分充填後にリザーバ704を加熱するために、加熱装置(図示せず)が使用されてもよい(「充填」という用語は、流体の容量が最大容量または部分容量に達するか否かにかかわらず、注射器/リザーバの中への流体の任意の容量の移送を指すために使用されてもよい)。加熱装置は、誘導、光学、RF、マイクロ波、電気、またはその他の発熱体を含んでもよい非使い捨て/再利用可能型装置であってもよい。加熱装置は、充填されたリザーバが発熱体と加熱するように連絡して収容されるように構成されてもよい。発熱体は、熱がリザーバに伝達されてもよく、熱がリザーバ内の流体を所望の温度まで加熱し得るように位置してもよい。いくつかの実施形態では、加熱装置は、所望の速度で流体を加熱するように設計されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、流体の加熱の速度を制御する付加的な特徴が加熱装置にあってもよい。
【0159】
いくつかの実施形態では、流体は、室温に加熱されてもよい。他の実施形態では、流体は、室温未満に加熱されてもよく、なおも他の実施形態では、流体は、室温以上に加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、加熱装置は、1つ以上の事前にプログラムされたプロファイルに従って流体を加熱してもよい。1つ以上のプロファイルは、種々の状況および/または種々の種類の流体のために設計されてもよい。所望の温度に応じて、加熱装置は、それに従って設計されてもよい。
【0160】
したがって、種々の実施形態では、加熱装置の実施形態の使用は、限定するものではないが、少なくとも、下記の事項のうちの1つ以上を達成するように作用してもよい:脱ガスの下流影響を最小化、減少、および/または排除すること;脱ガスの量が制御され、および/または予測可能であり、したがって、他の手段を介して軽減されてもよいように、脱ガスの主観的な量を減少、最小化、および/または排除すること;脱ガスの発生を減少、最小化、排除、および/または低減すること;例えば、冷蔵温度と室温との間の温度上昇の潜在的影響を最小化するように、流体の温度を安定させること;リザーバの体積変化を含むが、それに限定されない、リザーバの中の脱ガスの影響を減少、排除、および/または最小化、および/または低減することである。
【0161】
加熱中に、流体は、アウトガスしてもよい。したがって、加熱後、リザーバが加熱装置から除去されてもよく、リザーバ704を注入ポンプの中に装填する前に、限定されないが、例えば、充填針710を通して空気が注射器/リザーバから押し出されてもよい。したがって、加熱装置は、熱により生じさせられる流体送達誤差を最小化および/または除去し得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、流体の脱気は、リザーバに流体を装填する前に、または注入ポンプに充填されたリザーバを装填する前に、流体を部分真空にさらすことによって達成されてもよい。これは、以下のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない、いくつかの実施形態を介して達成されてもよい。
【0163】
いくつかの実施形態では、いったん流体がリザーバの中に充填されると、次いで、充填針が、リザーバから除去されてもよく、リザーバは、リザーバの内外への流体の移動を可能にしないキャップで冠着されてもよい。プランジャは、リザーバの中の流体に真空を印加するために後退させられてもよい。脱ガスが起こってもよい。次いで、放出された空気が、注入ポンプに装填する前に、リザーバから押し出されてもよい。
【0164】
いくつかの実施形態では、リザーバの充填後に、リザーバは、デバイスの中に、またはリザーバが部分真空下に置かれる他の場所に配置されてもよい。流体は、アウトガスしてもよい。次に、リザーバは、注入ポンプの中に装填されてもよい。
【0165】
いくつかの実施形態では、脱ガスする加熱に加えて、システムはまた、真空を上昇温度/発熱体と組み合わせてもよく、それは流体をより高い温度に加熱させてもよい。いくつかの実施形態では、温度上昇は、真空とともに印加されたときに最小化されてもよい。加えて、印加される真空は、温度上昇とともに印加されたときに最小化されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、流体が加熱され、真空が流体に印加される場合、温度上昇および/または印加される真空のレベルが最小化されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、可能な限り低い真空を印加し、それにより、熱交換器を通る乱流の量および/または流量を減少させ、および/または熱交換表面にわたる接触面積を最小化させ、したがって、極端な温度および/または極端な圧力変化を最小化および/または防止することが望ましくてもよい。これは、流体の生存能力を維持することを含むが、それに限定されない、多くの理由で望ましくてもよい。
【0166】
いくつかの実施形態では、圧力を受けている間に、流体は、リザーバおよび/または注射器あるいはその他の中へ、バイアルから除去されてもよく、いったん流体の所望の容量がリザーバ/注射器またはその他に装填されると、リザーバ/注射器とバイアルとの間の流体経路が閉鎖されてもよく、注射器プランジャが後退させられ続ける、すなわち、流体上に真空を印加してもよい。その後、注射器またはその他が振動され、および/または衝撃を受けてもよく、および/または力が、所定の期間、すなわち、力のパルスにわたって、所定の点で提供されてもよい。これは、気泡形成、すなわち、流体の脱気を増進/増幅してもよく、したがって、いくつかの実施形態では、振動力の印加後に、空気/ガスがリザーバ/注射器から押し出されてもよい。
【0167】
いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態において充填針であってもよい流体ラインによって、リザーバ/注射器を流体のバイアルに接続し得る自動充填デバイスが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、デバイスは、リザーバ/注射器の充填を自動化してもよい。その後、いくつかの実施形態では、デバイスは、流体ラインを閉鎖/閉塞し、振動および/または力をリザーバ/注射器に提供してもよい(すなわち、リザーバ/注射器に真空を引き込む)。いくつかの実施形態では、この方法は、1回よりも多く、例えば、2回以上、および/または、いくつかの実施形態では、リザーバ/注射器の中の流体の容量および所与の試行で抽出された空気の量に基づいて、空気の閾値容量が流体から除去されたか否かをデバイスが決定してもよい、すなわち、抽出されるべき所定の閾値目標空気量があってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、1.5~5ccの容量を有する注射器が使用され、容積の半分または一部まで充填されてもよく、その後に続いて真空が印加される。いくつかの実施形態では、デバイスは、閾値目標が満たされたか否かを決定するために、空気抽出/脱気の前および後の流体の容量を決定するカメラおよび/または他のセンサを含んでもよい。いくつかの実施形態では、デバイスは、リザーバが注入ポンプに装填される前にリザーバの中の流体の量を入力するために、注入ポンプ用のコントローラおよび/または注入ポンプと通信してもよい。いくつかの実施形態では、このシステムは、空気緩和を向上させること、および注射器/リザーバの中に充填される流体の容量の精度を増加させることを含むが、それらに限定されない多くの理由のために有益であってもよい。いくつかの実施形態では、上記のシステムおよび方法は、プランジャの変位を決定する光学センサまたは他のセンサを含んでもよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、自動充填デバイスは、流体の温度を測定してもよく、これは、充填されたリザーバ/注射器に作用している作動力の量、すなわち、空気を抽出するためにどれだけ多くの力が注射器に印加されているかを決定する制御システム728に入力されてもよい。例えば、より寒い温度では、空気を除去することがより困難となる場合があり、したがって、真空のさらなる、またはより長い印加、および/または、振動および/または力のさらなる、またはより長い印加、あるいは両方を必要としてもよい。いくつかの実施形態では、流体の温度は、制御システム728に入力されてもよく、流体の加熱の量は、温度示度値を使用して決定されてもよい。いくつかの実施形態では、温度示度値は、注射器に印加される力の量および流体に印加される加熱の量の両方を決定するために使用されてもよい。
【0169】
いくつかの実施形態では、リザーバ/注射器に印加される真空を最小化するために、例えば、流体を保護することが望ましくあり得る場合、デバイスは、いくつかの実施形態では、力を流体に作用している圧力と相関させるために、注射器が引っ張られる力を測定してもよく(例えば、圧力センサを含んでもよい)、したがって、真空がもはや機能していなくなるように真空が減少させられるときが決定されてもよい。したがって、リザーバ/注射器上の力または引張は、力または引張を停止/中止するときを決定するため、また、力に基づいて、十分な量の空気が流体から引かれた可能性が高いときを決定するための出力であってもよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、光学センサ、例えば、光学変位センサを使用して、流体に作用している圧力を決定する圧力センサとともに、プランジャの変位を決定するために、制御システム728は、除去された空気の容量を計算し、および圧力を変位と相関させてもよい。
【0171】
ここで図18を参照すると、流体バイアル702の中により低い陽圧を維持するためのシステムの一実施形態が示されている。流体中により多くの容量の溶解ガスをもたらし得る圧力よりはむしろ、大気圧またはほぼ大気圧において、リザーバの中に最終的に使用される流体を維持することが望ましくあり得る。したがって、いくつかの実施形態では、大気圧またはほぼ大気圧において流体を維持することは、バイアルの内部の圧力がより高い、または上昇する実施形態と比較して、流体中の溶解ガスの量/容量が制限されるので、リザーバ充填後の流体の脱ガスを最小化し得る。図18に示されるように、いくつかの実施形態では、針716は、バイアル702の隔壁718を通して挿入される。針716は、それぞれ大気に開いている2つの端を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、バイアル702の外部に暴露された端は、滅菌性を維持するために、および/または針を乾燥して維持するために、いくつかの実施形態では、疎水性フィルタ(図示せず)であってもよいフィルタを含んでもよい。
【0172】
いくつかの実施形態では、針716は、針716の一方の端に一方向逆止弁720を含んでもよい。いくつかの実施形態では、一方向逆止弁720は、例えば、1または2PSIのクラッキング圧力を有してもよい。バイアル702内の圧力が十分高いときに、バイアル702が排気する。これは、バイアルの中の陽圧を低下させ得る。いくつかの実施形態では、逆止弁720は、例えば、さらに1または2PSIを加えた大気圧と同じ程度になるように、内部バイアル702の圧力を制限してもよい。したがって、これらの実施形態では、図18に示される装置/システムは、大気圧変化に起因する圧力を制限することを含むが、それに限定されない、多くの理由で有益であってもよい。
【0173】
ここで図19をも参照すると、いくつかの実施形態では、図18に示される装置/システムは、さらに、バイアルマネージャ装置722がバイアル702に取外し可能に取り付けられ得るように、バイアル702に適合するようにサイズ決定および成形され得るバイアルマネージャ装置722を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、針716を介してバイアル702の内部と流体連通している空気ポンプと称され得るポンプ724を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電気機械的ポンプおよび/または手動で操作され得るポンプであってもよいポンプが、バイアル702から空気を送出するために使用されてもよい。ポンプ724は、バイアル702の内部に低い真空を印加するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ724は、バッテリ動作型であり得るダイヤフラムポンプであってもよく、例えば、大気圧未満のPSIを引くように働き、種々の実施形態では、1未満から12までのPSIで、例えば、バイアル702の内部において真空を引くことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、電力を少なくともポンプおよび/またはプロセッサに提供する電源、すなわち、バッテリ726を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、加えて、ポンプ724をオンおよびオフにして真空を制限するように事前にプログラムされ得るプロセッサ726および/またはタイマを含んでもよく、例えば、ポンプ724は、5分毎に30秒間送出してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、ポンプがオンである持続時間および/または持続時間の頻度は、バイアル702の漏出速度に依存してもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ724は、常に作動していてもよい。
【0174】
いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、加えて、針716の経路内に位置する圧力センサ(図示せず)を含んでもよい。種々の実施形態では、圧力センサは、プロセッサ/制御システム728と通信してもよく、ポンプ724は、圧力センサからの圧力データに基づいて起動されてもよい。いくつかの実施形態では、圧力センサが針716に含まれる場合、デバイスは、圧力センサ示度値を使用して、バイアル702が傾斜したか否かを決定してもよい。いくつかの実施形態では、傾斜が決定された場合、バイアルマネージャ装置722は、点滅または1つ以上のライト、音響アラームおよび/または振動アラームを含むが、それらに限定されない、任意の種類のアラームを使用して警報してもよい。バイアル702が傾斜したときを決定することは、いったんバイアル702が傾斜すると、流体が針716と接触し得るので、ポンプ724が空気を送出できない場合があることを含むが、それに限定されない、多くの理由に対して有益であり得る。したがって、バイアルマネージャ装置722は、バイアル702に真空を引くことができない場合がある。したがって、いったんバイアル702が傾斜すると、警報/警告することが望ましくあり得る。このアラーム警告は、いくつかの実施形態では、圧力センサによって誘起されてもよい。
【0175】
いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、状態を示す1つ以上のライト、例えば、バイアルマネージャ装置722および/またはバイアル702の状態を示す1つ以上の緑色ライトおよび1つ以上の赤色ライトを含んでもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、例えば、点滅することによって種々の状態条件を示し得る1つのライトを含んでもよい。
【0176】
いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、プロセッサ728に接続されてもよい少なくとも1つの加速度計を含んでもよい。これは、バイアルが保管中に傾斜したとき/場合を決定するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、加えて、デバイスが傾斜したことをユーザ/介護者に警告する少なくとも1つのアラーム(例えば、振動および/または音響および/または視覚)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針716は、いくつかの実施形態では、疎水性フィルタ(図示せず)であり得るフィルタを含んでもよい。疎水性フィルタは、送出流体から空気ポンプ724を保護することを含むが、それに限定されない、多くの理由に対して有益であり得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722のプロセッサ728は、バイアルマネージャ制御システムを含んでもよい。システムは、バイアルマネージャ装置722の内部に位置してもよく、プロセッサ728と通信していてもよい少なくとも1つの温度センサを含んでもよい。少なくとも1つの温度センサは、所定の頻度で、例えば、5分毎に、温度データを提供してもよく、閾値の高または低温度示度値において、装置702は、警報/警告してもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、例えば、バイアルマネージャ装置722がバイアル702に接続されたときに、タイマが始動され得るタイムキーパを含んでもよく、所定の時間、例えば、28日に、バイアルマネージャ装置722は、バイアルが交換されるべきであること、および/または所定の時間量にわたって使用されていることをユーザに警報/警告してもよい。これは、バイアル702の内部の流体が有効期限を過ぎている場合があるときにユーザに警告し、それにより、ユーザが期限切れの流体および/または薬剤を治療に使用しないことを確実にすることを含むが、それに限定されない、多くの理由に対して有益であり得る。
【0178】
バイアルマネージャ装置722は、いくつかの実施形態では、任意の種類のプラスチックおよび/または金属を含むが、それに限定されない、任意の材料でできていてもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、バイアル702の最上部を覆って配置され、いったん針716が隔壁718を穿刺すると、タイマがカウントダウンを開始してもよい。したがって、バイアルマネージャ装置722は、バイアル702の中の圧力を維持するため、また、バイアル702が最初に使用されたとき、すなわち、針716が最初にバイアル702に挿入されたときを決定するための方法の提供を確実にするためのシステムを提供する。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、バイアル702が「使用中」である間、例えば、ユーザがバイアル702を治療に使用している間に使用されてもよい。
【0179】
いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、使い捨て部分と、再利用可能部分とを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、針716を含む、バイアル702と接続するバイアルマネージャ装置722の部分は、使い捨て部分に含有されてもよい。したがって、再利用可能部分は、プロセッサ、電源、およびポンプ等を含んでもよいが、それらに限定されない。これは、バイアルマネージャ装置722の多くの要素の再利用可能性を含むが、それに限定されない、多くの理由で有益であってもよい。
【0180】
いくつかの実施形態では、貼付式圧力および/または力計が、流体のバイアル上に、いくつかの実施形態では、インスリンのバイアル上に配置されてもよい。圧力計は、バイアルの現在の圧力をユーザに知らせてもよい。いくつかの実施形態では、圧力は、種々の色合いとして示されてもよい。非可逆的圧力ラベルを含む、任意の貼付型圧力計が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、Reversible Pressure Labelが使用されてもよく、または可逆的および非可逆的構成要素の両方を伴うラベルが使用されてもよい。
【0181】
いくつかの実施形態では、圧力および/または力ラベルは、バイアル上に含まれてもよい。流体の空気飽和の上昇した容量を示してもよい、すなわち、空気の付加的な脱ガスにつながる場合がある、流体中の溶解空気の容量の増加があってもよいことを示してもよい、圧力/力がバイアル上に及ぼされたか否かを決定することを含むが、それに限定されない、多くの理由で、圧力および/または力ラベルを含むことが望ましくてもよい。これは、いくつかの実施形態では、流体のバイアルが損なわれている場合があることを示してもよく、したがって、バイアルが損なわれているか否かをユーザ/介護者が知ることが望ましくてもよい。
【0182】
例えば、本明細書で、ならびに参照することによりそれらの全体で本明細書に組み込まれる、2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)、2007年12月11日に発行され、Loading Mechanism for Infusion Pumpと題された米国特許第7,306,578号(代理人整理番号C54)、2009年10月9日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158号、現在は2010年4月15日に公開された国際公開第2010/042814号(代理人整理番号F51WO)、2007年2月9日に出願され、Fluid Delivery Systems and Methodsと題された米国特許出願第11/704,899号、現在は2007年10月4日に公開された米国特許出願公開第US-2007-0228071-A1号(代理人整理番号E70)、2008年12月31日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願第12/347,985号、現在は2009年12月3日に公開された米国特許出願公開第US-2009-0299277-A1号(代理人整理番号G75)、および2009年9月15日に出願され、Systems and Methods for
Fluid Deliveryと題された米国特許出願第12/560,106号、現在は2010年7月22日に公開された米国特許出願公開第US-2010-0185142-A1号(代理人整理番号G47)で示され、説明されているものを含む、種々の注入デバイスでは、いくつかの実施形態において、注入ポンプの使い捨て/リザーバ部分は、気泡を軽減する1つ以上の被覆を含んでもよい。被覆は、使い捨て/リザーバ部分内の流体経路に、および/またはリザーバの外部に塗布されてもよい。流体経路に塗布される被覆に関して、いくつかの実施形態では、表面がより親水性になるように、被覆が表面張力特性を変化させるように塗布されてもよい。流体経路の親水性を増加させることは、気泡と流体経路表面との間の接触角を改変してもよく、したがって、呼び水およびポンピングによる気泡の軽減を可能にする。いくつかの実施形態では、被覆は、硬質プラスチック部分および/または膜部分に塗布されてもよい。
【0183】
リザーバに関して、いくつかの実施形態では、被覆がリザーバの外部に塗布されてもよい。被覆は、リザーバの透過性を減少させるように選択されてもよく、したがって、リザーバに浸透する空気の発生率を減少させてもよく、したがって、リザーバの中の気泡の発生率を最小化および/または減少および/または低減してもよい。被覆がリザーバの外部に塗布されてもよいので、使用され得る被覆は、所望されるどの様なものでもよく、流体適合性材料に限定されない。いくつかの実施形態では、被覆は、パリレンおよび/または油のうちの1つ以上を含んでもよいが、それに限定されない。いくつかの実施形態では、リザーバは、外部が被覆されてもよく、被覆は、内向きの空気拡散および外向きの水蒸気拡散を防止してもよい。いくつかの実施形態では、リザーバの内部は、パリレンおよび/または油、および/またはSurModics,Inc.(Eden Prairie,Minnesota,U.S.A.)製の親水性被覆材料、あるいはリザーバの中の流体と適合してもよい親水性被覆を含むが、それに限定されない材料によって被覆されてもよい。いくつかの実施形態では、これは、空気がリザーバ材料を通って移動することを可能にするために望ましくてもよい。
【0184】
(高度計)
2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)、2007年12月11日に発行され、Loading Mechanism for Infusion Pumpと題された米国特許第7,306,578号(代理人整理番号C54)、および2009年10月9日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158号、現在は2010年4月15日に公開された国際公開第WO2010/042814号(代理人整理番号F51 WO)で説明されているもの、および当技術分野で公知である注入ポンプを含む、注入ポンプの種々の実施形態をここで参照すると、いくつかの実施形態では、高度計が注入ポンプに導入されてもよい。
【0185】
両方とも参照することによりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、2007年2月9日に出願され、Fluid Delivery Systems and Methodsと題された米国特許出願第11/704,899号、現在は2007年10月4日に公開された米国特許出願公開第US-2007-0228071-A1号(代理人整理番号E70)、2008年12月31日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願第12/347,985号、現在は2009年12月3日に公開された米国特許出願公開第US-2009-0299277-A1号(代理人整理番号G75)を参照すると、いくつかの実施形態では、高度計は、例えば、周囲圧力に基づいて抑制を変化させるために、音響容量測定において使用されてもよい。2007年2月9日に出願され、Fluid Delivery Systems and Methodsと題された米国特許出願第11/704,899号、現在は2007年10月4日に公開された米国特許出願公開第US-2007-0228071-A1号(代理人整理番号E70)、2008年12月31日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された米国特許出願第12/347,985号、現在は2009年12月3日に公開された米国特許出願公開第US-2009-0299277-A1号(代理人整理番号G75)を依然として参照すると、いくつかの実施形態では、注入ポンプの使い捨て/リザーバ部分は、種々の実施形態で論議されているように、注入セットよりもむしろ、管類に接続された静脈内針を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、注入ポンプは、静脈内投与するために使用されてもよく、皮下注入に限定されない。これらの実施形態のうちのいくつかでは、注入される流体は、出血を最小化するために使用されるものであってもよく、例えば、モルヒネおよび/または血圧降下薬剤および/または他の治療薬であるが、それに限定されない。
【0186】
(カニューレ検出)
注入ポンプのいくつかの実施形態では、カニューレは、カニューレがユーザの皮膚と注入ポンプとの間に直接位置し得るように、ユーザに挿入されてもよい。これは、カニューレが取り外されたときを決定すること、およびカニューレの中の閉塞を決定することを含む、それらに限定されない、いくつかの課題を提示する。
【0187】
いくつかの実施形態では、2つの電極接触が使用されてもよい。一方の電極接触は、注入ポンプとユーザの皮膚との間に位置してもよく、ユーザの皮膚と接触しており、他方は、注入ポンプと電気接触している。2つの間の電極の間の電気的経路が確立される。高いインピーダンス/低い電圧を使用して、2つの電極の間のインピーダンスが決定され、追跡される。インピーダンスが非常に高い値、例えば、「無限」に到達した場合、閉塞および/またはカニューレの取外しが推測されてもよい。ユーザが警告されてもよい。これは、カニューレの取外しがある場合、ユーザがもはや流体療法を受けていないので、好ましくあり得る。インスリンポンプの場合、ユーザは、高血糖事象を経験する場合がある。早期検出およびユーザの警告は、これらの種類の注入ポンプの安全性を増加させてもよい。
【0188】
本発明の原理が本明細書で説明されてきたが、本説明は、本発明の範囲に関する限定としてではなく、例としてのみ行われていることが当業者によって理解される。本明細書で示され、説明される例示的実施形態に加えて、他の実施形態が本発明の範囲内で想定される。当業者による修正および代替は、本発明の範囲内にあると見なされる。
図1-1】
図1-2】
図3
図4
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図1-1】図1A図1Bは、注入ポンプの実施形態の正面および背面等角図である。
図1-2】図1C~1Eは、図1の注入ポンプアセンブリの側面および正面図である。図1Fは、図1の注入ポンプアセンブリの正面等角図である。
図2】図は、遠隔制御アセンブリの一実施形態の例示的な図である。
図3】図は、図1の注入ポンプアセンブリの線図である。
図4】図A~Eは、いくつかの実施形態による、複数のマジックテープ(登録商標)構成を描写する。
図5】図は、ホルダの一実施形態の説明図である。
図6】図は、ホルダを装着するユーザの一実施形態の説明図である。
図7】図は、ホルダの背面の一実施形態の説明図である。
図8】図は、温度計/ラベルを伴うバイアルの一実施形態の説明図である。
図9】図は、大気圧決定および軽減のための方法の一実施形態のフローチャートである。
図10】図10は、受動および能動型逆止弁の実施形態の一実施形態の説明図である。
図11】図11は、充填アダプタの一実施形態の断面図の説明図である。
図12】図12は、一実施形態による、バイアル内で真空を維持するためのバイアルシステムの説明図である。
図13】図13は、一実施形態による、バイアル装置の説明図であり、付録Aは、いくつかの実施形態で使用されるマイクロ逆止弁の一実施形態である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
例示的実施形態では、注入ポンプは、コントローラとの無線RF通信のためのハードウェアを含む。しかしながら、種々の実施形態では、注入ポンプは、任意の注入ポンプであってもよい。図1A図1F参照すると、いくつかの例示的実施形態では、注入ポンプは、ディスプレイアセンブリ104を含んでもよいが他の例示的実施形態では、注入ポンプは、ディスプレイアセンブリを含んでいなくてもよい。これらの実施形態では、図1A、1D、および1Fに示されるものと同様であってもよいか、またはより大きいか、もしくはより小さくてもよいディスプレイアセンブリが、コントローラまたはコンパニオンデバイス上に含まれる。コントローラまたはコンパニオンデバイスの実施形態が、図に示されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
図1A図1Fに示される注入ポンプアセンブリを参照すると、注入ポンプアセンブリ100は、注入ポンプアセンブリ100が適正に動作するために必要とされ得る1つ以上のプロセスを実行するポンププロセッサと呼ばれ得る処理論理(図示せず)を含んでもよい。処理論理は、1つ以上のマイクロプロセッサ(図示せず)、1つ以上の入力/出力コントローラ(図示せず)、およびキャッシュメモリデバイス(図示せず)を含んでもよい。処理論理を1つ以上のサブシステムと相互接続するために、1つ以上のデータバスおよび/またはメモリバスが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、図に示されるサブシステムのうちの少なくとも1つも注入ポンプアセンブリ実施形態の中に含まれる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
ここで、図1A図1Fおよび図を参照すると、処理論理400と相互接続されるサブシステムの実施例は、メモリシステム402、入力システム404、ディスプレイシステム406、振動システム408、音響システム410、モータアセンブリ416、力センサ412、温度センサ(図示せず)、および変位検出デバイス418(プランジャが注射器バレル/注射器に対して移動した距離を決定および/または検出するデバイスと呼ばれてもよい)を含んでもよいが、それらに限定されない。注入ポンプアセンブリ100は、電源キャビティ118の中から取外し可能および設置可能に構成され、処理論理400の少なくとも一部分およびサブシステムのうちの1つ以上(例えば、メモリシステム402、入力システム404、ディスプレイシステム406、振動システム408、音響システム410、モータアセンブリ416、力センサ412、および変位検出デバイス418)に電力を提供するように構成される主電源420(例えば、バッテリ)を含んでもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
いくつかの実施形態では、図に関して示され、説明されるような少なくとも1つの要素を含む処理論理が、ユーザまたは介護者から入力を受信するために使用される。ユーザまたは介護者は、ボタン/スイッチアセンブリ、容量スライダを含むが、それに限定されない、スライダアセンブリ(例えば、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、2007年12月4日に出願され、Medical Device Including a Slider Assemblyと題された米国特許出願第11/999,268号、現在は2008年7月24日に公開された米国特許出願公開第US-2008-0177900号(代理人整理番号F14)で説明されている任意のスライダを含んでもよいが、それに限定されない)、ジョグホイール、および/またはタッチ画面のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない、1つ以上の入力デバイスまたはアセンブリを使用する。注入デバイスは、加えて、閉塞検出プロセス438、確認プロセス440、容量測定技術(例えば、音響容量感知)を含むが、それらに限定されない、内部システムから入力を受信する。これらの入力を使用して、注入デバイスは、例えば、ユーザへの注入流体送達、またはユーザへのコメント、警報、アラーム、あるいは警告を含むが、それらに限定されない、出力を生じさせる。したがって、入力は、直接ユーザからポンプまで、直接ポンプシステムから処理論理まで、または別のデバイス、例えば、遠隔コントローラデバイス(以下でより詳細に説明される)からポンプまでのいずれか一方である。したがって、ユーザまたは介護者の相互作用経験は、ディスプレイ上のテキストおよび/または図形を読むこと/見ることを含むが、それに限定されない、ディスプレイ(注入ポンプデバイス自体または遠隔コントローラデバイスのいずれか一方、あるいは両方の上にある)との相互作用、例えば、タッチ画面を通したディスプレイとの直接相互作用、1つ以上のボタン、スライダ、ジョグホイール、1つ以上のグルコース細片読取機との相互作用、ならびに触覚または音響、1つ以上の振動モータ、および/または音響システムのいずれか一方を介した感知のうちの1つ以上を含むが、それらに限定されない。したがって、「ユーザインターフェース」という用語は、ユーザまたは介護者が、注入ポンプを制御するように注入ポンプと相互作用する全てのシステムおよび方法を包含するために使用される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
ここで図を参照すると、注入ポンプシステムのいくつかの実施形態では、注入ポンプは、コントローラまたはコンパニオンとも呼ばれる遠隔コントローラアセンブリ300を使用して遠隔制御されてもよい。遠隔制御アセンブリ300は、図1A図1Fに示される注入ポンプアセンブリ自体の機能性の全て、またはその一部分を含んでもよい。したがって、上記の注入ポンプアセンブリのいくつかの例示的実施形態では、注入ポンプアセンブリ(図示せず、他の図の中でも特に図1A図1Fを参照)は、遠隔制御アセンブリ300を介して構成されてもよい。これらの特定の実施形態では、注入ポンプアセンブリは、注入ポンプアセンブリと、例えば、遠隔制御アセンブリ300との間の通信(例えば、有線または無線)を可能にし、したがって、遠隔制御アセンブリ300が注入ポンプアセンブリ100を制御することを可能にするテレメトリ回路(図示せず)を含んでもよい。遠隔制御アセンブリ300(テレメトリ回路(図示せず)も含んでもよく、注入ポンプアセンブリと通信することが可能であってもよい)は、ディスプレイアセンブリ302と、入力制御デバイス(ジョグホイール306、スライダアセンブリ310、またはデバイスに入力するための別の従来の様態等)、およびスイッチアセンブリ304、308のうちの1つ以上を含み得る入力アセンブリとを含んでもよい。図に示されるような遠隔制御アセンブリ300は、ジョグホイール306およびスライダアセンブリ310を含むが、いくつかの実施形態は、ジョグホイール306またはスライダアセンブリ310のうちのいずれか一方のみ、あるいはデバイスに入力するための別の従来の様態を含んでもよい。ジョグホイール306を有する実施形態では、ジョグホイール306は、ホイール、リング、ノブ、または同等物を含んでもよく、これらは、少なくとも部分的にホイール、リング、ノブ、または同等物の動きに基づいて制御信号を提供するために、回転エンコーダまたは他の回転トランスデューサに連結されてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
ユーザインターフェースの例示的実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザ確認およびユーザ入力を要求してもよい。ユーザインターフェースの例示的実施形態は、ユーザがポンプへの種々の相互作用の影響を確実に把握することに重点が置かれる。ポンプのこの説明の全体を通して、ユーザの作用の結果をユーザに通信する多くの実施例が提示されている。これらの特徴は、ユーザがユーザの作用を理解することを確実にし、したがって、より優れた安全性をユーザに付与する。そのような実施例の1つは、ユーザインターフェースの例示的実施形態の全体を介したものであって、ユーザは、値が変更された後に、画面上の戻りボタンを押下し、ユーザインターフェースは変更キャンセル確認画面を表示する。ユーザが「はい」を選択した場合、ユーザインターフェースは、保留中の変更を破棄し、確認画面を閉じて以前の画面(すなわち、ユーザが戻りボタンを押下した画面より前の画面)に戻る。「変更をキャンセルしますか?」確認画面上において、作用選択が「いいえ」のとき、ユーザは、実施形態に応じて、確定ボタンまたは他のボタンを押下し、ユーザインターフェースは、確認画面を閉じ、保留中の変更を有する画面に戻る。この特徴は、変更が実装されたとユーザが仮定するが、実際には実装されていないという結果を防止する。したがって、この特徴は、その状況を防止し、変更が実装されていないことをユーザが理解することを確実にする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
いくつかの実施形態では、温度変化は、流体および/または注入ポンプの1つ以上の構成要素の熱膨張または熱収縮に影響を及ぼし得る。例えば、これに限定されないが、温度上昇は、リザーバ/注射器430(例示にすぎない、図を参照されたい)の直径の増加を引き起こし得る。これは、流体と比較した注射器の相対的な熱膨張が、流体が送達されるか引き戻されるかを定めるためであり得る。したがって、これは、次に、リザーバ430に向かってカニューレ450の中の任意の流体/インスリンを逆流させ得る。この場合、流体インスリンの体積が、リザーバの中へ引き戻される。したがって、処理論理400による送達の後続要求は、この後退させられた体積をユーザに送達させるのみであってもよい。したがって、流体/インスリンの容量(後退させられた体積)は、ユーザによる要求または把握を伴わずに、ユーザに送達されていない。別の実施例は、温度低下を含む。いくつかの実施形態では、温度低下は、リザーバ430の直径を減少させ、流体インスリンをカニューレ450まで流れさせ得る。したがって、意図しないボーラス容量が、このユーザに送達される。この場合、流体インスリンは、ユーザによる要求または把握を伴わずにユーザに送達されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0122】
また、図A-Eを参照すると、そのようなフックおよびループ表面パターンの5つの実施例が示されている。例示的目的で、注入ポンプ筐体の1つの表面が、「ループ」材料で覆われると仮定する。したがって、フックおよびループ接続の強度は、接着パッチの表面上に存在する「フック」材料のパターン(すなわち、量)を変化させることによって、調節されてもよい。そのようなパターンの実施例は、(図Aに示されるような)「フック」材料の単一外円220、(図Bに示されるような)「フック」材料の複数の同心円222、224、(図Cに示されるような)「フック」材料の複数の放射状スポーク226、(図Dに示されるような)「フック」材料の単一外円230と組み合わせた「フック」材料の複数の放射状スポーク228、および(図Eに示されるような)「フック」材料の複数の同心円234、236と組み合わせた「フック」材料の複数の放射状スポーク232を含んでもよいが、これらに限定されない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】
ここで図を参照すると、ホルダ500のいくつかの実施形態は、外側層502と、内側層504と、内側ポケット506とを含む。ポケット506は、外部の力および/または温度変化から注入ポンプを保護するように、付加的なクッションまたは絶縁を含んでもよい。ホルダ500は、正面、頂面、または側面に沿って、ファスナを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ホルダ500は、画面および/または入力アセンブリ(例えば、ボタン、スライダ、および/またはジョグホイールを含むが、それらに限定されない)を露出するように、正面にプルダウンフラップ(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フラップは、マジックテープ(登録商標)システムを使用して、固定閉鎖されてもよい。他の実施形態では、フラップは、スナップ、ボタン、磁気閉鎖、およびジッパを含むが、それらに限定されない、任意の他のファスナシステムを使用して、固定されてもよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0126】
いくつかの実施形態では、ホルダ500は、ユーザに取り付けられる設計されているストラップ508に取り付けられてもよい(例えば、図参照)。しかしながら、種々の実施形態では、ストラップ508は、弾性および/または調整可能であってもよく、少なくとも1つの閉鎖デバイスを含んでもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0127】
ユーザ510の中央部の周囲に装着されるものとして図に示されているが、ホルダ500は、ユーザが所望するどこにでも装着されてもよい。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
ここで図を参照すると、ホルダ500の背面の実施形態が示されている。いくつかの実施形態では、ホルダは、ベルト、ハンドル、1枚の衣服、またはその他を覆って、固定して、かつ取外し可能に嵌合するように構成される、「ベルトクリップ」または別の種類のクリップと呼ばれてもよい、クリップ512を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ホルダ500は、加えて、管類516がそれを通って嵌合するための開口部514を含んでもよい。いくつかの実施形態では、注入ポンプ(図示せず)は、ホルダ500の内部に含有され、ホルダは、最小管類516が外部温度に暴露されるように、ユーザの挿入部位(図示せず)に近接して装着されてもよい。したがって、管類のための開口部514を含む、ホルダ500の実施形態は、管類516および/または管類内の流体の温度を維持するために有益であってもよい。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0133】
を参照すると、一実施形態では、貼付式温度計520が、流体のバイアル522の上、いくつかの実施形態では、インスリンのバイアルの上に配置されてもよい。温度計は、バイアルの現在の温度をユーザに知らせてもよい。いくつかの実施形態では、温度は、高および低範囲に向かう種々の温度を示す赤色および青色の種々の陰影として示されてもよい。いくつかの実施形態では、いったん温度が最高または最低温度(あらかじめ定められ、いくつかの実施形態では、それぞれ華氏35度および87度であってもよい)に到達すると、温度計は、非可逆的となり、したがって、インスリンが最高または最低温度に到達したことをユーザに瞬時に示す。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0136
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0136】
大気圧の上昇は、管類/カニューレから注入ポンプの中のリザーバに向かう流体の意図しない、および/または予定されていない吸上げをもたらし得る。影響を受け得る注入ポンプのいくつかの実施形態は、2009年3月3日に発行され、Optical Displacement Sensor for Infusion Devicesと題された米国特許第7,498,563号(代理人整理番号D78)、2007年12月11日に発行され、Loading Mechanism for Infusion Pumpと題された米国特許第7,306,578号(代理人整理番号C54)、および2009年10月9日に出願され、Infusion Pump Assemblyと題された国際出願第PCT/US2009/060158号、現在は2010年4月15日に公開された特許出願公開第WO 2010/042814号(代理人整理番号F51WO)、ならびに図1A示され、説明されている種々の実施形態を含んでもよいが、それらに限定されない注射器注入ポンプと同様のものである。したがって、動作中に、注射器注入ポンプが大気圧上昇を受ける場合、意図したよりも少ない容量をユーザに送達させる場合がある、管類/カニューレからの流体の意図しない吸い上げが発生する場合がある。吸い上げ容量はまた、ユーザに分からない場合があるため、これは安全性の懸念を提示する。したがって、ユーザは、インスリンポンプを含む実施形態では、高血糖事象をもたらす場合がある、過小送達事象を経験する場合がある。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】
ここで図も参照すると、大気圧軽減のための方法600が示されている。いくつかの実施形態では、圧力センサ/高度計が、所定の間隔でデータをプロセッサに送信する602。高度計データが所定の警戒および/または警告閾値を示す場合604、プロセッサは、カニューレから切断するようにユーザに警告および/または警報してもよい606。所定の適切/安全な閾値を満たしていることを高度計が示すとき608、プロセッサは、カニューレに再接続するように警告および/または警報してもよい610。しかしながら、所定の適切な閾値が満たされるまで608、高度計は、所定の間隔でデータをプロセッサに送信し続ける612。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
(空気によって引き起こされる過剰送達の軽減) 意図的ではない、および/または予定されていない流体送達を最小化および/または排除する気泡の軽減に関して、いくつかの実施形態では、三方弁がリザーバから下流に位置してもよい。ここで図10を参照すると、いくつかの実施形態では、能動型逆止弁650および受動型逆止弁652の両方が、リザーバ654から下流に位置してもよい。いくつかの実施形態では、能動型逆止弁650は、意図および/または予定および/または要求された治療送達のために開かれてもよいが、そうでなければ閉じたままであってもよい。受動型逆止弁652は、弁を克服することに十分な圧力が弁に及ぼされたときにのみ、開けられ得る。したがって、いくつかの実施形態では、意図および/または予定および/または要求された治療送達がないとき、能動型弁650は閉じられたままである。これは、流体圧力が受動型逆止弁652を克服することに十分ではない限り、かつ十分になるまで続き、したがって、いずれの流体もいずれの一方の弁を通過しない。しかしながら、場合によっては、例えば、気泡からの上昇した流体圧力が、受動型逆止弁652を克服し(すなわち、受動型逆止弁652のクラッキング圧力を克服し)、ポンプの外部に流れ得る(種々の実施形態では、受動型逆止弁652を通って流れる流体は、ユーザを除く所望されるどこかに流れてもよい)。したがって、この実施形態では、意図および/または予定および/または要求された治療送達のみが行われ、そうでなければ、上昇した流体圧力は、受動型逆止弁652の使用を介して軽減されてもよい(意図および/または予定されていない流体送達が回避および/または軽減および/または減少させられてもよい)。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0151】
ここで図11を参照すると、いくつかの実施形態では、脱ガスの影響を最小化するために、充填アダプタデバイス700が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700は、再利用可能な充填アダプタであってもよいが、他の実施形態では、充填アダプタ700は、使い捨てであってもよい。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700デバイスは、いくつかの実施形態では、インスリンである注入可能流体によってリザーバ/注射器704を充填および/または部分的に充填しながら、使用されるべき注入可能流体のバイアル702に接続されてもよい(すなわち、バイアルに接続される、および/または取外し可能に取り付けられるように構成される)。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700は、製造時にバイアル702に取り付けられ、および/または取外し可能に取りつけられてもよく、いくつかの実施形態では、ユーザは、使用時に充填アダプタ700を取り付けてもよい(これらの実施形態のうちのいくつかでは、充填アダプタ700は、取外し可能に取り付けられてもよい)。したがって、いくつかの実施形態では、バイアル702は、充填アダプタ700とともに提供されてもよく、いくつかの実施形態では、リザーバ704は、充填アダプタ700とともにユーザに提供されてもよい。他の実施形態では、充填アダプタ700は、バイアル702および/またはリザーバ704とは別個のデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700は、さらに、バイアルから流体経路712まで流体を接続する針(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、充填アダプタ700がバイアル702に取り付けられているとき、針は。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0171
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0171】
ここで図12を参照すると、流体バイアル702の中により低い陽圧を維持するためのシステムの一実施形態が示されている。流体中により多くの容量の溶解ガスをもたらし得る圧力よりはむしろ、大気圧またはほぼ大気圧において、リザーバの中に最終的に使用される流体を維持することが望ましくあり得る。したがって、いくつかの実施形態では、大気圧またはほぼ大気圧において流体を維持することは、バイアルの内部の圧力がより高い、または上昇する実施形態と比較して、流体中の溶解ガスの量/容量が制限されるので、リザーバ充填後の流体の脱ガスを最小化し得る。図12に示されるように、いくつかの実施形態では、針716は、バイアル702の隔壁718を通して挿入される。針716は、それぞれ大気に開いている2つの端を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、バイアル702の外部に暴露された端は、滅菌性を維持するために、および/または針を乾燥して維持するために、いくつかの実施形態では、疎水性フィルタ(図示せず)であってもよいフィルタを含んでもよい。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0172
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0172】
いくつかの実施形態では、針716は、針716の一方の端に一方向逆止弁720を含んでもよい。いくつかの実施形態では、一方向逆止弁720は、例えば、1または2PSIのクラッキング圧力を有してもよい。バイアル702内の圧力が十分高いときに、バイアル702が排気する。これは、バイアルの中の陽圧を低下させ得る。いくつかの実施形態では、逆止弁720は、例えば、さらに1または2PSIを加えた大気圧と同じ程度になるように、内部バイアル702の圧力を制限してもよい。したがって、これらの実施形態では、図12に示される装置/システムは、大気圧変化に起因する圧力を制限することを含むが、それに限定されない、多くの理由で有益であってもよい。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0173
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0173】
ここで図13をも参照すると、いくつかの実施形態では、図12に示される装置/システムは、さらに、バイアルマネージャ装置722がバイアル702に取外し可能に取り付けられ得るように、バイアル702に適合するようにサイズ決定および成形され得るバイアルマネージャ装置722を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、針716を介してバイアル702の内部と流体連通している空気ポンプと称され得るポンプ724を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電気機械的ポンプおよび/または手動で操作され得るポンプであってもよいポンプが、バイアル702から空気を送出するために使用されてもよい。ポンプ724は、バイアル702の内部に低い真空を印加するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ724は、バッテリ動作型であり得るダイヤフラムポンプであってもよく、例えば、大気圧未満のPSIを引くように働き、種々の実施形態では、1未満から12までのPSIで、例えば、バイアル702の内部において真空を引くことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、電力を少なくともポンプおよび/またはプロセッサに提供する電源、すなわち、バッテリ726を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バイアルマネージャ装置722は、加えて、ポンプ724をオンおよびオフにして真空を制限するように事前にプログラムされ得るプロセッサ726および/またはタイマを含んでもよく、例えば、ポンプ724は、5分毎に30秒間送出してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、ポンプがオンである持続時間および/または持続時間の頻度は、バイアル702の漏出速度に依存してもよい。いくつかの実施形態では、ポンプ724は、常に作動していてもよい。
【手続補正22】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】