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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149711
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】充電装置を備えた駐車装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241010BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20241010BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20241010BHJP
   E04H 6/06 20060101ALN20241010BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
B60L53/30
E04H6/42 Z
E04H6/06 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024131018
(22)【出願日】2024-08-07
(62)【分割の表示】P 2022023732の分割
【原出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】長友 真也
(57)【要約】
【課題】電気自動車の充電時の安全性を確保する駐車装置を提供する。または、電気自動車の充電時の充電ケーブルの断線や充電ケーブルが引っ掛かることによる搬送装置の故障を防止する駐車装置を提供する。または、電気自動車の充電時の充電ケーブルの断線や充電ケーブルが引っ掛かることによる搬送装置の故障を防止する充電装置を提供する。
【解決手段】充電装置は、第1の孔とコンセントとを有し、車両を駐車するパレットの下面に配置可能な第1の収容部と、第2の孔と開口部を有し、前記パレットの上面に配置可能な第2の収容部と、第1の収容部又は第2の収容部に配置されたケーブル係止部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の孔とコンセントとを有し、車両を駐車するパレットの下面に配置可能な第1の収容部と、
第2の孔と開口部を有し、前記パレットの上面に配置可能な第2の収容部と、
前記第1の収容部又は前記第2の収容部に配置されたケーブル係止部と、を備える、充電装置。
【請求項2】
前記第2の収容部に配置され、充電ケーブルを取り出し可能な開口部をさらに備え、
前記ケーブル係止部は、前記充電ケーブルを係止する、請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記ケーブル係止部は、前記第1の孔と前記第2の孔とを接続する、請求項1又は2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記第2の収容部は、所定の長さの前記充電ケーブルの第1の部分を収容する、請求項2に記載の充電装置。
【請求項5】
前記充電ケーブルの端部に配置された充電コネクタを係止可能なホルダをさらに備える、請求項4に記載の充電装置。
【請求項6】
前記開口部に開閉可能に配置され、前記ホルダを配置した蓋部と、をさらに備える、請求項5に記載の充電装置。
【請求項7】
充電ケーブルを配置可能な1つ以上の第3の孔を有するパレットと、
前記パレットに配置された請求項1乃至5の何れか一項に記載の充電装置と、を備え、
前記第1の孔、前記第2の孔及び前記第3の孔は、重畳して配置され、
前記ケーブル係止部は、前記第1の孔、前記第2の孔及び前記第3の孔を接続する、駐車装置。
【請求項8】
前記パレットは、第1の側部に配置された第1の凸状部又は前記第1の側部に対向する第2の側部に配置された第2の凸状部に、前記1つ以上の第3の孔を有する、請求項7に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記パレットは、前記車両が侵入可能な第1の端部を有し、
前記第1の凸状部は、前記第1の端部側の第1の領域と、前記第1の端部と対向した第2の端部側の第2の領域とを有し、
前記第2の凸状部は、前記第1の端部側の第3の領域と、前記第2の端部側の第4の領域とを有し、
前記1つ以上の第3の孔は、前記第1の領域乃至前記第4の領域の何れか1つ以上に配置される、請求項8に記載の駐車装置。
【請求項10】
前記第1の領域乃至前記第4の領域のそれぞれに、前記第3の孔が1つ以上配置される、請求項9に記載の駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車装置に配置する電気自動車の充電装置に関する。または、本発明は、電気自動車の充電装置を有する駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車スペースの確保の観点から、立体的に車両を駐車する多段式駐車装置が広く普及している。多段式駐車装置は、自動車を載置するパレットと、パレットを昇降させる搬送装置を有している。車両はパレットに駐車され、必要に応じて、搬送装置によりパレットを昇降させる。一方、近年の電気自動車の普及から、多段式駐車装置での電気自動車の駐車が必要となっている。電気自動車は、駐車時での充電が不可欠であるため、多段式駐車装置での電気自動車への充電が必要となっている。
【0003】
平面式駐車場とは異なり、電気自動車への充電時にも、電気自動車を載置したパレットの昇降や左右方向への移動が必要となる場合がある。電気自動車への充電には充電ケーブルが必要であるため、電気自動車への充電時には、パレット上に充電ケーブルが置かれることになるが、この時、充電ケーブルがパレットからはみ出して、搬送装置に引っ掛かって、充電ケーブルが断線したり、搬送装置が故障したりする懸念がある。電気自動車への充電を可能とする多段式駐車装置のこれらの問題を解決するため、例えば、特許文献1~7のような技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-121403号公報
【特許文献2】特開2010-242297号公報
【特許文献3】特開2011-021360号公報
【特許文献4】特開2011-026925号公報
【特許文献5】特開2012-092511号公報
【特許文献6】特開2012-102474号公報
【特許文献7】特開2012-158955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施形態は、電気自動車の充電時の安全性を確保する駐車装置を提供することを目的の一つとする。または、本発明の一実施形態は、電気自動車の充電時の充電ケーブルの断線や充電ケーブルが引っ掛かることによる搬送装置の故障を防止する駐車装置を提供することを目的の一つとする。または、本発明の一実施形態は、電気自動車の充電時の充電ケーブルの断線や充電ケーブルが引っ掛かることによる駐車装置の故障を防止する充電装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る充電装置は、第1の孔とコンセントとを有し、車両を駐車するパレットの下面に配置可能な第1の収容部と、第2の孔と開口部を有し、前記パレットの上面に配置可能な第2の収容部と、第1の収容部又は第2の収容部に配置されたケーブル係止部と、を備える。
【0007】
第2の収容部に配置され、充電ケーブルを取り出し可能な開口部をさらに備え、ケーブル係止部は、充電ケーブルを係止してもよい。
【0008】
ケーブル係止部は、第1の孔と第2の孔とを接続してもよい。
【0009】
第2の収容部は、所定の長さの充電ケーブルの第1の部分を収容してもよい。
【0010】
充電ケーブルの端部に配置された充電コネクタを係止可能なホルダをさらに備えてもよい。
【0011】
開口部に開閉可能に配置され、ホルダを配置した蓋部と、をさらに備えてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る駐車装置は、充電ケーブルを配置可能な1つ以上の第3の孔を有するパレットと、パレットに配置された上記の何れかの充電装置と、を備え、第1の孔、第2の孔及び第3の孔は、重畳して配置され、ケーブル係止部は、第1の孔、第2の孔及び第3の孔を接続する。
【0013】
パレットは、第1の側部に配置された第1の凸状部又は第1の側部に対向する第2の側部に配置された第2の凸状部に、1つ以上の第3の孔を有してもよい。
【0014】
パレットは、車両が侵入可能な第1の端部を有し、第1の凸状部は、第1の端部側の第1の領域と、第1の端部と対向した第2の端部側の第2の領域とを有し、第2の凸状部は、第1の端部側の第3の領域と、第2の端部側の第4の領域とを有し、1つ以上の第3の孔は、第1の領域乃至第4の領域の何れか1つ以上に配置されてもよい。
【0015】
第1の領域乃至第4の領域のそれぞれに、第3の孔が1つ以上配置されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態は、電気自動車の充電時の安全性を確保する駐車装置を提供することを目的の一つとする。または、本発明の一実施形態は、電気自動車の充電時の充電ケーブルの断線や充電ケーブルが引っ掛かることによる搬送装置の故障を防止する駐車装置を提供することを目的の一つとする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る駐車装置の概略側面図である。
図2図1に示した駐車装置1000の概略正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る充電装置を配置したパレットを示す断面端図である。
図4】(a)は、本発明の一実施形態に係る第1の収容部110の上面図であり、(b)は、(a)の線分AA’における第1の収容部110の断面端図であり、(c)は、第1の収容部110の底面図である。
図5】(a)は、本発明の一実施形態に係るケーブル係止部130の上面図であり、(b)は、(a)の線分BB’におけるケーブル係止部130の断面端図である。
図6】(a)は、本発明の一実施形態に係る第2の収容部120の上面図であり、(b)は、(a)の線分CC’における第2の収容部120の断面端図であり、(c)は、第2の収容部120の底面図である。
図7】(a)は、本発明の一実施形態に係る充電装置100を配置したパレット1001の正面図であり、(b)は、パレット1001の上面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る充電装置を配置したパレットを示す断面端図である。
図9】本発明の一実施形態に係る充電装置を配置したパレットを示す断面端図である。
図10】本発明の一実施形態に係る充電装置を配置したパレットを示す断面端図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0019】
本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号(数字の後にA、Bなどを付しただけの符号)を付す。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数は、説明を簡潔にするためだけに用いられており、限定的に解釈されるべきではない。
【0020】
[駐車装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置1000の概略側面図である。図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置1000の主な構成を示す。また、図2は、図1に示した駐車装置1000の概略正面図である。
【0021】
駐車装置1000は、支柱1102により主構造体が構成され、主構造体の中に車両Vを載置するパレット1001が設置されている。
【0022】
パレット1001は、昇降機1106により支柱1102に沿って昇降可能に設けられている。また、パレット1001は、車体横方向(図1における紙面奥行き方向)に沿って移動可能であってもよい。
【0023】
主構造体の中でパレット1001は、複数の車両Vを縦方向に積み重ねたとき、車両同士が干渉しない間隔をもって設けられている。これにより、支柱1102により形成される主構造体は、縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成している。
【0024】
駐車装置1000は、制御装置1110を介して操作盤1112により操作される。操作盤1112は、駐車装置1000の外側に設けられている。図1においては、駐車装置1000の入出庫口(図右側下部)の近くの支柱1102に操作盤1112が取り付けられている例を示している。
【0025】
利用者は、駐車装置1000の外側から操作盤1112を操作して制御装置1110に指示することにより、制御装置1110が所望のパレット1001を入出庫口まで移動させることができる。
【0026】
駐車装置1000の入出庫口に設けられるゲート1108は、操作盤1112の操作を通じて制御装置1110により開閉を行うことができる。
【0027】
ゲート1108は、車両Vを入出庫するために開けた場合以外は閉じられた状態となっている。したがって、パレット1001が移動するとき、ゲート1108は閉じられた状態になっている。ゲート1108が閉じられていることにより、通常は駐車装置1000の装置内に人が入れないようになっている。
【0028】
縦方向に複数段に積み重なった駐車空間を形成し立体的に車両Vを収納して駐車させる駐車装置1000では、パレット1001が昇降することで、所望のパレット1001を入出庫口へ移動させて車両の出し入れを行う。
【0029】
所望のパレット1001を入出庫口まで移動させる動作にはいくつかの方式がある。例えば上段のパレット1001に駐車された車両を出庫させるために下段のパレット1001を地下ピットに沈み込ませる方式、下段又は上段のパレット1001を車体横方向(図1の紙面奥行き方向)にスライドさせて上段のパレット1001を下段のパレット1001が存在しない空間に降下させる方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などが採用されている。
【0030】
図1では、1階から上階に向かって駐車空間PS1、PS2、PS3、PS4が設けられている態様を示している。また、図2に示した駐車空間PS1の横方向には駐車空間PS5が、さらに、その横方向には駐車空間PS9が、設けられている。
【0031】
駐車空間PS1~PS9には、パレットの番号P1~P9のパレット1001がそれぞれ備えられている。このとき、上段にある駐車空間PS4にあるパレット1001を降下させ車両Vを入出庫するには、下段の駐車空間PS1、PS2、PS3のパレット1001が障害となる。この場合、駐車空間PS9のパレット1001を駐車空間PS8のパレット1001と同じ高さまで上昇させ、駐車空間PS1~PS3と駐車空間PS5~PS7とのパレット1001を横方向にスライドさせると、障害物がなくなるため、駐車空間PS4のパレット1001を入出庫口まで降下させることが可能となる。
【0032】
[充電装置の構成]
図3に、本発明の一実施形態に係る充電装置100を配置したパレット1001の断面端図を示す。また、図4~6に、本発明の一実施形態に係る充電装置100の構成を示す。図4(a)は、第1の収容部110の上面図であり、図4(b)は、図4(a)の線分AA’における第1の収容部110の断面端図であり、図4(c)は、第1の収容部110の底面図である。また、図5(a)は、ケーブル係止部130の上面図であり、図5(b)は、図5(a)の線分BB’におけるケーブル係止部130の断面端図である。図6(a)は、第2の収容部120の上面図であり、図6(b)は、図6(a)の線分CC’における第2の収容部120の断面端図であり、図6(c)は、第2の収容部120の底面図である。
【0033】
充電装置100は、車両Vを駐車するパレット1001に配置するための装置であり、第1の収容部110と第2の収容部120を備える。第1の収容部110は、パレット1001の下面(車両Vを駐車する面とは反対側の面)に配置可能な筐体である。第1の収容部110の上面には、充電ケーブル10のケーブル11を配置可能な第1の孔117が配置される。第1の孔117は、充電ケーブル10のプラグ13が通過可能な径を有することが好ましい。図4(a)においては、第1の孔117を円形の孔として示したが、第1の孔117の形状は、プラグ13が通過可能な形状であれは、特には限定されない。
【0034】
また、第1の収容部110の内部には、充電ケーブル10のプラグ13を接続するためのコンセント111が設置される。また、コンセント111には、第1の収容部110の外部に配置されるケーブル113が接続する。ケーブル113の端部には、プラグ115が接続する。プラグ115は、駐車装置1000に配置されたコンセント(図示せず)に接続され、ケーブル113を介して、コンセント111に電源を供給する。なお、ケーブル113を駐車装置1000から直接引き込むケーブルとする場合は、プラグ115を配置する必要はない。
【0035】
第2の収容部120は、パレット1001の上面(車両Vを駐車する面)に配置可能な筐体である。第2の収容部120の底面には、充電ケーブル10のケーブル11を配置可能な第2の孔127が配置される。第2の孔127は、充電ケーブル10のプラグ13が
通過可能な径を有することが好ましい。図6(c)においては、第2の孔127を円形の孔として示したが、第2の孔127の形状は、プラグ13が通過可能な形状であれは、特には限定されない。
【0036】
第1の収容部110と第2の収容部120は、屋外に設置する観点から、耐腐食性を有する部材又は防錆コーティングを施された部材で構成される。第1の収容部110と第2の収容部120との合計の容積は、1本の充電ケーブル10を収容するのに十分な容積である。また、第2の収容部120は、充電ケーブル10を充電装置100から引き出して、車両Vに充電コネクタ15を接続して充電するために十分な長さのケーブル11aを収容する。第1の収容部110は、プラグ13迄の残りの長さ(余剰分)のケーブル11bを収容する。
【0037】
充電装置100の内部には、充電ケーブル10のケーブル11を係止するケーブル係止部130が配置される。ケーブル係止部130は、ケーブル11を係止可能な孔131を有する。また、一実施形態において、ケーブル係止部130は、第1の収容部110の第1の孔117及び第2の収容部120の第2の孔127からの脱離を防止する脱離防止部133を有する。図3においては、上面視において円形のケーブル係止部130を示したが、ケーブル係止部130は、ケーブル11を係止し第1の孔117及び第2の孔127からの脱離を防止可能な形状であれば、特には限定されない。ケーブル係止部130は、第1の収容部110の第1の孔117と第2の収容部120の第2の孔127とが重畳する位置で、第1の孔117と第2の孔127を接続するとともに、充電ケーブル10のケーブル11を係止する。ケーブル係止部130は、ケーブル11を係止することにより、第1の収容部110に収容されるケーブル11aの長さを所定の長さに制限することができる。ここで、ケーブル係止部130によって制限されるケーブル11aの所定の長さとは、充電ケーブル10のプラグ13をコンセント111に接続したときに、後述する開口部121から外部へ取り出し可能な長さである。換言すると、所定の長さとは、車両Vへの充電に必要な開口部121から車両V迄のケーブル11aである。
【0038】
第2の収容部120には、充電ケーブル10を取り出し可能な開口部121が配置される。本実施形態においては、第2の収容部120には、蓋部123が開口部121に開閉可能に配置される。また、第2の収容部120の内側に向く蓋部123の面には、充電コネクタ15を係止するためのホルダ125が配置される。ホルダ125は、例えば、充電コネクタ15と嵌合可能な構造を有する絶縁部材で構成されてもよい。
【0039】
充電装置100を用いることにより、充電ケーブル10の余剰なケーブル11bを第1の収容部110に収容して、ケーブル係止部130により充電ケーブル10を固定して、車両Vへの充電に必要なケーブル11aを第1の収容部110に収容することができる。このため、充電時に、充電ケーブル10の余剰なケーブル11bまでもがパレット1001上に置かれることはない。したがって、車両Vへの充電時の充電ケーブル10の断線や充電ケーブル10が引っ掛かることによる駐車装置1000の故障を防止することができる。
【0040】
[充電装置のパレットへの配置]
電気自動車は、メーカーや車種毎に、充電口の配置が異なる。このため、車両Vへの充電時の充電ケーブル10の断線や充電ケーブル10が引っ掛かることによる駐車装置1000の故障を防止するためには、充電装置100を車両Vの充電口近傍に配置する必要がある。一方、車両Vのドアの開閉時に干渉しない位置に充電装置100を配置する必要がある。
【0041】
本実施形態においては、駐車装置1000のパレット1001に、充電装置100を配
置可能な1つ以上の第3の孔1005を有する。より詳細には、パレット1001は、側部に配置された凸状部1003に、1つ以上の第3の孔1005を有する。図7(a)は、充電装置100を配置したパレット1001の正面図である。図7(b)は、パレット1001の上面図である。図7(b)においては、パレット1001において対向して配置された2つの側部に4つの配置空間1105を配置した例を示す。
【0042】
パレット1001は、車両Vが侵入可能な第1の端部1007と、第1の端部1007と対向した第2の端部1009を有する。パレット1001の第2の端部1009側には、車止めが配置される。パレット1001に配置された2つ凸状部1003(一方を第1の凸状部と称し、他方を第2の凸状部と称してもよい。)は、第1の端部1007側の領域と、第2の端部1009側の領域に、第3の孔1005をそれぞれ配置可能である。より詳細には、一方の凸状部1003(第1の凸状部)の第1の端部1007側の第1の領域、第2の端部1009側の第2の領域、他方の凸状部1003(第2の凸状部)の第1の端部1007側の第3の領域、第2の端部1009側の第4の領域に、第3の孔1005を配置することができる。
【0043】
一般に、電気自動車の充電口は、車両Vの後部左右の側面(一般に給油口が配置される位置)又は車両Vの前面に配置される。このため、パレット1001において、車両Vの後部左右の側面近傍の位置(第1の領域又は第3の領域)、又は車両Vの左右の前面近傍の位置(第2の領域又は第4の領域)に第3の孔10051つ以上を配置する。第3の孔1005は、車両Vの充電口に最も近い位置に配置されることが好ましい。一実施形態において、第1の領域~第4の領域のそれぞれに、第3の孔が1つ以上、即ち合計で4つ以上配置してもよい。
【0044】
駐車装置1000は、パレット1001に第3の孔1005が予め配置されているため、パレット1001に駐車する車両Vの充電口の位置や、運転席の位置(右ハンドル、左ハンドル)等に応じて、充電装置100の設置に適した第3の孔1005を選択して、充電装置100を設置することができる。
【0045】
図3を参照する。パレット1001は、充電ケーブル10を配置可能な1つ以上の第3の孔1005を有する。本実施形態においては、パレット1001の側部に配置された凸状部(縁部)1003に、充電装置100を配置する。このとき、第1の収容部110は、凸状部1003の内部(下方)の空間に収容される。このため、凸状部1003上には、第2の収容部120のみが配置される構造となる。本実施形態においては、第1の孔117、第2の孔127及び第3の孔1005は、重畳して配置される。ケーブル係止部130は、第1の孔117、第2の孔127及び第3の孔1005を接続するとともに、充電ケーブル10のケーブル11を係止する。
【0046】
一実施形態において、第1の収容部110の高さは、凸状部1003の内部の空間の高さと概略等しいことが好ましい。本実施形態においては、充電装置100全体がパレット1001に配置される構造とは異なり、パレット1001上に露出する充電装置100の高さを低減して、車両Vのドアなどの干渉を回避することができる。
【0047】
パレット1001に予め配置された第3の孔1005から充電装置100の設置に適した位置の第3の孔1005を選択して、充電装置100を設置することにより、駐車装置1000に車両Vを駐車して充電をした状態で、パレット1001を移動させても、充電ケーブル10の余剰なケーブル11bまでもがパレット1001上に置かれることがないため、充電ケーブル10の断線や充電ケーブル10が引っ掛かることによる駐車装置1000の故障を防止することができる。
【0048】
また、第2の収容部120から取り出される充電ケーブル10の長さがケーブル11aの分に制限されることから、充電ケーブル10の全長が取り出される場合よりも、充電ケーブル10の取り出しや収納が容易になる。さらに、第2の収容部120の蓋部123に配置されたホルダ125に充電コネクタ15を係止して、充電ケーブル10を収容するため、充電コネクタ15からの不用意な通電や漏電を防止することができる。また、ホルダ125を蓋部123の内側に配置するため、第2の収容部120の内部にホルダ125を配置した場合とは異なり、蓋部123を空けた広い空間でホルダ125からの充電コネクタ15の着脱を行うことができる。
【0049】
[充電装置の変形例1]
図8は、蓋部123に代えて、支柱223にホルダ125Aを配置した充電装置100Aをパレット1001Aに配置した断面端図である。第1の収容部110の構成は、充電装置100と同じであるため、詳細な説明は省略する。第2の収容部120Aには、支柱223が配置され、支柱223にはホルダ125Aが配置される。充電装置100Aにおいては、支柱223に配置されたホルダ125Aに充電コネクタ15を係止して、充電ケーブル10を収容するため、充電コネクタ15からの不用意な通電や漏電を防止することができる。また、ホルダ125Aを支柱223に配置するため、第2の収容部120の内部にホルダ125Aを配置した場合とは異なり、広い空間でホルダ125Aからの充電コネクタ15の着脱を行うことができる。なお、支柱223は、第2の収容部120A以外に、パレット1001に配置に配置してもよい。
【0050】
[充電装置の変形例2]
図9は、第1の孔117、第2の孔127及び第3の孔1005を接続するケーブル係止部130に代えて、第1の収容部110に配置したケーブル係止部130Aを有する充電装置100Bをパレット1001Bに配置した断面端図である。ケーブル係止部130Aは、充電ケーブル10の余剰分のケーブル11bが第2の収容部120へ移動するのを防止する部材であり、例えば、リング状の部材である。第1の収容部110にケーブル係止部130Aを配置することにより、コンセント111からのプラグ13の脱離を防止することができる。
【0051】
[充電装置の変形例3]
図10は、第1の孔117、第2の孔127及び第3の孔1005を接続するケーブル係止部130に代えて、第2の収容部120に配置したケーブル係止部130Bを有する充電装置100Cをパレット1001Cに配置した断面端図である。ケーブル係止部130Cとしては、例えば、施錠可能なケーブルロック、ケーブルクリップ、ケーブル結束フック、第2の収容部120の内部に配置した2つの穴(又は開口)と結束バンドとの組み合わせ等のケーブル11を係止可能な公知の機構を用いることができる。第2の収容部120にケーブル係止部130Bを配置することにより、第2の収容部120から引き出し可能な充電コネクタ15ケーブル11aの長さを容易に調整することができる。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の駐車装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0053】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものに
ついては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0054】
10 充電ケーブル、11 ケーブル、11a ケーブル、11b ケーブル、13 プラグ、15 充電コネクタ、100 充電装置、100A 充電装置、100B 充電装置、100C 充電装置、110 第1の収容部、111 コンセント、113 ケーブル、115 プラグ、117 第1の孔、120 第2の収容部、120A 第2の収容部、121 開口部、123 蓋部、125 ホルダ、125A ホルダ、127 第2の孔、130 ケーブル係止部、130A ケーブル係止部、130B ケーブル係止部、223 支柱、1000 駐車装置、1001 パレット、1001A パレット、1001B パレット、1001C パレット、1003 凸状部、1005 第3の孔、1007 第1の端部、1009 第2の端部、1102 支柱、1105 配置空間、1106 昇降機、1108 ゲート、1110 制御装置、1112 操作盤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-08-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電ケーブルを配置可能な第1の孔を有し、車両を駐車するパレットの上面に配置可能な収容部と、前記収容部に配置され、前記充電ケーブルを係止するケーブル係止部と、を備える、充電装置と、
第1の側部に配置された第1の凸状部又は前記第1の側部に対向する第2の側部に配置された第2の凸状部を有し、前記充電ケーブルを配置可能な4つの第2の孔を有するパレットと、を備え、
前記充電装置は、前記第1の孔と、何れか1つの前記第2の孔とが重畳するように前記パレットの前記第1の凸状部又は前記第2の凸状部に配置され、
前記充電ケーブルは、前記第1の孔及び前記第2の孔を通って配置される、駐車装置。
【請求項2】
前記パレットは、前記車両が侵入可能な第1の端部を有し、
前記第1の凸状部は、前記第1の端部側の第1の領域と、前記第1の端部と対向した第2の端部側の第2の領域とを有し、
前記第2の凸状部は、前記第1の端部側の第3の領域と、前記第2の端部側の第4の領域とを有し、
前記第2の孔は、前記第1の領域乃至前記第4の領域のそれぞれに1つずつ配置される、請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記車両の充電口に最も近い位置に配置された第2の孔を選択し、前記充電装置が配置される、請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記充電装置は、前記収容部に配置され、前記充電ケーブルを取り出し可能な開口部をさらに備える、請求項1乃至3の何れか一項に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記充電装置は、前記充電ケーブルの端部に配置された充電コネクタを係止可能なホルダをさらに備える、請求項1乃至3の何れか一項に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記充電装置は、前記収容部に配置され、前記充電ケーブルを取り出し可能な開口部をさらに備え、
前記開口部に開閉可能に配置され、前記ホルダを配置した蓋部をさらに備える、請求項5に記載の駐車装置。