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特開2024-149817情報処理装置及び情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149817
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241010BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20241010BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/06
G06F3/12 375
G06F3/12 303
G06F3/12 324
G06F3/12 359
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024137626
(22)【出願日】2024-08-19
(62)【分割の表示】P 2020128486の分割
【原出願日】2020-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澤田 尚大
(57)【要約】
【課題】複数部品を組み合わせて生成される中間部品を管理対象とせずにワークフローを生成して管理する場合と比較して、中間部品の加工を開始できない場合の原因を把握し易くすることができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置2は、CPU20Aを備える。CPU20Aは、複数の部品を含む製品の製造に関する工程の関係を表したワークフロー、及び複数の部品それぞれの進捗状況を表示させ、複数の部品のうち工程が開始されない部品がある場合、開始されない原因となった部品を特定し、原因となった部品を表示または通知する制御を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
複数の部品を含む製品の製造に関する工程の関係を表したワークフロー、及び前記複数の部品それぞれの進捗状況を表示させ、
前記複数の部品のうち工程が開始されない部品がある場合、開始されない原因となった部品を特定し、前記原因となった部品を表示または通知する制御を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記製品は、印刷製品である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記工程は、
印刷工程と、
当該印刷工程の成果物である印刷物に対する加工工程と、
を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記加工工程は、印刷物を含む複数の部品に対する加工により中間部品を生成する工程である、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ワークフローは、編集可能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記中間部品の加工を開始できない場合に、前記中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々の進捗状況を表示する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記複数の部品のうち前記工程が開始されない部品が中間部品である場合、前記中間部品を構成する部品を原因の部品として特定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記原因となった部品とともに工程の調整を促すメッセージを表示または通知する制御を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
複数の部品を含む製品の製造に関する工程の関係を表したワークフロー、及び前記複数の部品それぞれの進捗状況を表示させ、
前記複数の部品のうち工程が開始されない部品がある場合、開始されない原因となった部品を特定し、前記原因となった部品を表示または通知する制御を行う処理を、
コンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、印刷業務を行うためのワークフローの作成を支援するワークフロー作成支援装置が記載されている。このワークフロー作成支援装置は、ジョブの内容を特定する複数のパラメータに関する情報を含んだジョブ情報を取得するジョブ情報取得部を備える。また、このワークフロー作成支援装置は、予め登録されている複数のテンプレートの中から、ジョブ情報取得部により取得した複数のパラメータに関する情報のうち少なくとも一部のパラメータの情報を利用して、選択候補となるテンプレートの絞り込み処理を行う絞り込み処理部を備える。また、このワークフロー作成支援装置は、絞り込み処理部によって絞り込まれたテンプレートの情報を選択候補として表示させ、かつ選択候補の中から一つのテンプレートをユーザに選択させる選択操作を受け付けるための選択画面の表示に用いられる選択画面データを作成する選択画面データ作成部を備える。また、このワークフロー作成支援装置は、選択操作により選択された一つのテンプレートの情報及び複数のパラメータに関する情報に基づいて、ジョブ定義ファイルを作成するジョブ定義ファイル作成部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-16315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、依頼に対応した印刷製品の製造に関して、ワークフローを用いて工程管理を行う場合、印刷製品の印刷形態や製造過程等の様々な仕様に対応した管理が要求されるため、印刷製品毎に個別にワークフローを作成し、工程管理を行う。ところが、印刷製品は、印刷形態や製造過程等の様々な仕様を含む多種多様な印刷製品となる。
【0005】
更に、印刷製品の製造過程では仕掛品としての中間部品が発生するが、従来のワークフローでは、中間部品の進捗管理については考慮されていない。このため、印刷製品の中間部品の加工を開始できない場合にその原因が分からず、適切な対応を取ることができない。
【0006】
開示の技術は、複数部品を組み合わせて生成される中間部品を管理対象とせずにワークフローを生成して管理する場合と比較して、中間部品の加工を開始できない場合の原因を把握し易くすることができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、複数の部品を含む製品の製造に関する工程の関係を表したワークフロー、及び前記複数の部品それぞれの進捗状況を表示させ、前記複数の部品のうち工程が開始されない部品がある場合、開始されない原因となった部品を特定し、前記原因となった部品を表示または通知する制御を行う。
【0008】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記製品は、印刷製品である。
【0009】
第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記工程は、印刷工程と、当該印刷工程の成果物である印刷物に対する加工工程と、を含む。
【0010】
第4態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記加工工程は、印刷物を含む複数の部品に対する加工により中間部品を生成する工程である。
【0011】
第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記ワークフローは、編集可能である。
【0012】
第6態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記中間部品の加工を開始できない場合に、前記中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々の進捗状況を表示する。
【0013】
第7態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記複数の部品のうち前記工程が開始されない部品が中間部品である場合、前記中間部品を構成する部品を原因の部品として特定する。
【0014】
第8態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記原因となった部品とともに工程の調整を促すメッセージを表示または通知する制御を行う。
【0015】
第9態様に係る情報処理プログラムは、複数の部品を含む製品の製造に関する工程の関係を表したワークフロー、及び前記複数の部品それぞれの進捗状況を表示させ、前記複数の部品のうち工程が開始されない部品がある場合、開始されない原因となった部品を特定し、前記原因となった部品を表示または通知する制御を行う処理を、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
第1態様~第9態様によれば、複数部品を組み合わせて生成される中間部品を管理対象とせずにワークフローを生成して管理する場合と比較して、中間部品の加工を開始できない場合の原因を把握し易くすることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る印刷製品の製造に関するプロセスの概略図である。
図2】実施形態に係る印刷ネットワークシステムの概略構成を示す図である。
図3】実施形態に係る情報処理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図5】実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る情報処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る編集処理における画面の一例を示す図である。
図9】実施形態に係る印刷製品のワークフロー情報の一例を示す図である。
図10】(A)、(B)、及び(C)は、実施形態に係る工程編集画面の一例を示す図である。
図11】実施形態に係るワークフロー情報表示画面の一例を示す図である。
図12】(A)は、実施形態に係る印刷装置の作業状況画面の一例を示す図である。(B)は、実施形態に係る加工装置の作業状況画面の一例を示す図である。
図13】実施形態に係るワークフロー情報表示画面の他の例を示す図である。
図14】実施形態に係るワークフロー情報表示画面における製品ワークフロー表示領域の一例を示す図である。
図15】実施形態に係る再印刷画面の一例を示す図である。
図16】実施形態に係る製品ワークフロー表示領域の他の例を示す図である。
図17】実施形態に係る詳細画面の一例を示す図である。
図18】実施形態に係る製品ワークフロー表示領域の他の例を示す図である。
図19】実施形態に係る印刷装置の作業状況画面及び作業完了取消ダイアログの一例を示す図である。
図20】(A)、(B)、及び(C)は、実施形態に係る再処理の工程を追加する方法の一例の説明に供する図である。
図21】(A)、(B)、及び(C)は、実施形態に係る再処理の工程を追加する方法の他の例の説明に供する図である。
図22】(A)、(B)、及び(C)は、実施形態に係る再処理の工程を追加する方法の他の例の説明に供する図である。
図23】(A)及び(B)は、実施形態に係る再処理の工程を追加する方法の他の例の説明に供する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0019】
本開示において「製品」とは、印刷物、印刷製品、複数の同種又は異なる印刷物の複合体、及び印刷物を含む発送段階の物品を含む概念である。「部品」とは、「製品」を構成する一部のエレメントを含む概念である。「中間部品」とは、「製品」を製造する以前に、すなわち、製品を受注してから完成までの間に、少なくとも2つの「部品」に対して加工を施すことにより生成される仕掛品等の物品を含む概念である。「加工」とは、物品に対して変形や変化を与える加工処理のみならず、複数の物品を組み合わせた組合体の生成処理、物品に対して作業を伴う物品処理を含む概念である。
【0020】
また、「工程」は、製品を受注してから完成までの間において実行される作業を含む概念である。なお「工程」は、製品を受注してから完成までの間で実行される最小の作業を単位として含む。「製造工程」は、製品に含まれる部品を製造する工程を含む概念である。「作業オブジェクト」は、製版や印刷等の部品製造時の作業を示す情報を含む概念である。「中間オブジェクト」は、部品に対する作業及び当該作業による成果物を中間部品とした情報を含む概念である。
【0021】
ところで、印刷物を含む印刷製品の印刷業務は、主なプロセスとして、受注、原稿の制作、プリプレス(試し刷り)、印刷(本印刷)、加工、及び発送の各プロセスを含んでいる。
【0022】
図1は、実施形態に係る印刷製品の製造に関するプロセスの概略例を示す図である。
【0023】
図1に示す例では、印刷製品の一例として、カバー、表紙、及び本文の各部品から印刷製品が構成され、カバー及び表紙の各部品がデジタル印刷により形成され、本文の部品がオフセット印刷により形成される場合を示している。
【0024】
受注/制作プロセスは、依頼者から印刷製品の製造を受注し、印刷用の原稿の電子データを制作するプロセスである。受注/制作プロセスにおける処理は、例えば、校正管理システムによって行われる。
【0025】
プリプレスプロセスは、印刷製品を印刷する以前の工程の総称として使われ、一般的に入稿された原稿に対して、デザイン、写植、組版、版下作成、色分解、レタッチ、集版、刷版製版などの工程を含みうる。また、必要に応じて試験的に印刷を実施して、印刷結果の良否を確認するためにプリプレスプロセスを使うことがある。試験的な印刷の結果を基に、原稿データの修正(校正)の要否が判断され、依頼者の要求に満たないものである場合には、校正が行われる。プリプレスプロセスにおける処理は、例えば、プリプレスシステムによって行われる。
【0026】
プリプレスによる試し刷りの結果が、依頼者の要求を満たすものとなった場合には、印刷プロセスに進む。
【0027】
印刷プロセスは、印刷用のデザインデータを基に、紙その他の印刷媒体に印刷を行うプロセスである。印刷プロセスは、印刷用のデザインデータを基に、刷版を作成するプロセスを含むことができる。オフセット印刷を行う場合は、印刷用のデザインデータを基に作成された刷版を用いて、紙その他の印刷媒体に印刷を行う。また、デジタル印刷装置によって、CTP(Computer To Plate)印刷として知られるデジタル印刷を行う場合は、刷版の作製は不要である。なお、「印刷装置」は、印刷機、プリンタ、画像形成装置、画像記録装置などを含む概念である。印刷プロセスにおける処理は、例えば、印刷システムによって行われる。
【0028】
加工プロセスは、印刷後の部品や製品に実施される各種の加工を行うプロセスである。ここで、「加工」という用語は、例えば、印刷済みの印刷物に対して施される各種加工の総称である。加工の具体例として、例えば、裁断加工、折り加工、丁合い加工、とじ加工、特殊加工、表面加工、製本加工などを挙げることができる。また、加工は1種類のみならず、複数の種類の加工を組み合わせることができる。加工のプロセスを経て、印刷製品が、書籍、雑誌、パンフレット、カタログその他の製品形態に整えられる。加工プロセスにおける処理は、例えば、加工装置によって行われる。
【0029】
発送プロセスは、製造された複数の部品を含む印刷製品を依頼者に発送するプロセスである。
【0030】
このような一連の印刷業務を効率よく運用及び管理するために、ワークフローが用いられる。
【0031】
本実施形態においては、印刷製品の製造依頼から完成まで、ワークフローを用いて、当該製品の製造について管理をする場合、多種多様な印刷製品の各々に対して、個別にワークフローを作成し、工程管理を行う。ところが、複数の部品を含んで製造される印刷製品は、製造過程において中間部品が生成される場合がある。この場合、印刷製品の製造依頼から完成までを管理するとき、中間部品がどの部品を使って構成されるのかを容易に把握することが困難であった。
【0032】
更に、従来のワークフローでは、形成された中間部品の進捗管理については考慮されていない。このため、印刷製品の中間部品の加工を開始できない場合にその原因が分からず、適切な対応を取ることができない。
【0033】
そこで、本実施形態では、受注した印刷製品を製造するための複数の部品を特定し、印刷製品の受注から完成までに必要となる複数の工程を特定する。これらの複数の部品のうちの少なくとも2つの部品を加工することで生成される中間部品に対して、中間部品を示す中間オブジェクトを生成し、複数の部品の各々に対して、個々の部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを生成する。そして、複数の部品毎に、各部品の製造に必要となる工程を示す作業オブジェクトを、複数の工程順に並べて表示すると共に、連続して処理される工程間の作業オブジェクトを関係づけて表示するワークフロー情報を作成する。このワークフロー情報は、中間部品を示す中間オブジェクトと、中間部品を生成するために使われる少なくとも2つの部品に対する作業オブジェクトとを関連付けられる。そして、本実施形態では、作成したワークフロー情報において、中間部品の加工を開始できない場合に、中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々の進捗状況を表示する制御を行う。
【0034】
図2は、本開示の技術を実施するための実施形態に係る印刷ネットワークシステム1の概略構成を示す図である。
【0035】
図2に示すように、印刷ネットワークシステム1は、情報処理装置2、経営情報システム3、校正管理システム4、プリプレスシステム5A、プリプレスシステム5B、印刷システム6A、印刷システム6B、加工装置7A、及び加工装置7Bを含んでいる。これらの情報処理装置2、経営情報システム3、校正管理システム4、プリプレスシステム5A、プリプレスシステム5B、印刷システム6A、印刷システム6B、加工装置7A、及び加工装置7Bは、ネットワークNTに接続され、相互に情報授受が可能に構成されている。なお、ネットワークNTには、一例として、インターネットや、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用される。
【0036】
情報処理装置2は、印刷業務を行うためのワークフローの作成を支援するワークフロー作成支援機能を有するコンピュータシステムである。この情報処理装置2には、一例として、サーバコンピュータや、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0037】
経営情報システム(Management Information System。以下、MISという。)3は、印刷関係の経営情報を管理するコンピュータシステムであり、印刷製品の生産工程管理や在庫管理などを行う。経営情報には、例えば、受注情報、見積り情報、売上げ情報、経営計画、在庫情報などの種々の情報を含めることができる。本実施形態では、MIS3が印刷製品を製造する際に必要な情報をXML(Extensible Markup Language)形式の情報を送信する場合を一例として説明する。なお、MIS3は、JDF(Job Definition Format)及びJMF(Job Messaging Format)等の情報を用いてもよい。
【0038】
校正管理システム4は、依頼者から印刷製品の製造を受注し、印刷用の原稿の電子データを制作したり校正したりすることを処理するコンピュータシステムである。この校正管理システム4は、印刷製品の原稿を示すデータが出力される。
【0039】
プリプレスシステム5A、5Bは、印刷製品を印刷する以前に試験的に印刷を実施して、印刷結果の良否を確認することを処理するコンピュータシステムである。プリプレスシステム5Aは、一例として、刷版を用いずに印刷を行うデジタル印刷装置を含むシステムが適用される。また、プリプレスシステム5Bは、一例として、刷版を用いて印刷を行うオフセット印刷装置を含むシステムが適用される。
【0040】
印刷システム6A、6Bは、印刷用のデザインデータを基に、紙その他の印刷媒体に印刷を行うことを処理するコンピュータシステムである。印刷システム6Aは、一例として、刷版を用いずに印刷を行うデジタル印刷装置を含むシステムが適用される。また、印刷システム6Bは、一例として、刷版を用いて印刷を行うオフセット印刷装置を含むシステムが適用される。
【0041】
加工装置7A、7Bは、部品や製品に実施される各種の加工を行うことを処理する装置である。加工装置7Aは、一例として、製品を構成する部品の形成が完了したものにカバーを付与するカバー付装置が適用される。加工装置7Bは、一例として、オフセット印刷済みの部品に対して折り加工されたものを丁合いする丁合装置が適用される。
【0042】
なお、印刷製品の印刷業務は、上述の各システム及び各装置のみに限定されるものではなく、印刷業務上で利用可能な他のシステム及び他の装置を含めてもよい。例えば、下版として知られている、印刷製品の依頼者側が印刷内容を確認して、印刷の実行段階に移行することを確認、承認、及び依頼することを処理する下版管理システムを備えてもよい。
【0043】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置2の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
図3に示すように、本実施形態に係る情報処理装置2は、制御部20と、記憶部22と、通信部24と、表示部26と、操作部28と、を備えている。
【0045】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20A、RAM(Random Access Memory)20B、ROM(Read Only Memory)20C、及び入出力インターフェース(I/O)20Dを備えており、これら各部がバス20Eを介して各々接続されている。ここで、CPU20Aは、プロセッサの一例である。
【0046】
I/O20Dには、記憶部22と、通信部24と、表示部26と、操作部28と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O20Dを介して、CPU20Aと相互に通信可能とされる。
【0047】
制御部20は、情報処理装置2の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、情報処理装置2の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部20の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部20の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0048】
記憶部22としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置が用いられる。記憶部22には、本実施形態に係る情報処理を実現するための情報処理プログラム22A及びデータ22Bが記憶される。CPU20Aは、情報処理プログラム22Aを記憶部22から読み出してRAM20Bに展開して処理を実行する。これにより、情報処理プログラム22Aを実行した情報処理装置2は、本開示の情報処理装置として動作する。なお、この情報処理プログラム22Aは、ROM20Cに記憶されていてもよい。
【0049】
情報処理プログラム22Aは、例えば、情報処理装置2に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム22Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークNTを介して配布して、情報処理装置2に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0050】
表示部26には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部26は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部28には、例えば、キーボードやマウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部26及び操作部28は、情報処理装置2のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部26は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0051】
通信部24は、インターネットや、LAN、WAN等のネットワークNTに接続されており、外部装置との間でネットワークNTを介して通信が可能とされる。
【0052】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置2の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0053】
図4に示すように、情報処理装置2のCPU20Aは、取得部200、特定部202、生成部204、作成部206、及び表示制御部208の各々として機能する機能部を含む。
【0054】
また、本実施形態に係る記憶部22には、印刷製品のワークフローを示すワークフロー情報(以下、製品ワークフロー情報という。)に適用可能なテンプレート情報が格納される。なお、印刷製品のワークフローを製品ワークフローという場合がある。テンプレート情報は、印刷製品を製造する際における各工程について、各工程で行われる作業の単位や各工程で処理・生成される部品等を示す情報をノードとして、複数の工程間の関連をノード間の繋がりとしてデータ化したものである。例えば、印刷製品の種類ごと、顧客ごと、印刷製品の仕上げの条件ごと、などの諸条件に応じて、その印刷製品の製造のために行われる処理工程と、各工程で処理されたり生成されたりする部品と、各工程間、あるいは各工程と部品の関係をテンプレートとして設定しておくことができる。例えば、実施形態によっては、想定される印刷製品ごとに、複数のテンプレートを、事前に登録しておき、登録された複数のテンプレートの中から、受注した印刷製品の仕様に応じた適切なテンプレートを設定することで、印刷製品を製造するための工程を設定するようにテンプレートを使うことができる。具体的な一例として、複数のテンプレートを予め作成して、その複数のテンプレートを記憶部22に格納し、記憶部22に記憶されている複数のテンプレートの中から、例えばユーザが適切なテンプレートを設定し、設定されたテンプレートを用いることができる。そのようにテンプレートを使った場合、印刷製品を受注するたびに印刷製品を製造するために必要となる工程や、各工程で処理される部品や、処理された部品を統合した次工程との関係を一から設計する場合と比べて、より簡単に、印刷製品の製造のための工程を設定することが可能となる。
【0055】
図5は、本実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
【0056】
図5には、表示部26に表示されたテンプレート情報の一例として画面100が示されている。表示制御部208は、テンプレート情報を用いて画面110を表示部26に表示する制御を行う。
【0057】
画面100は、表示領域101、102、103、及び104を含んでいる。表示領域101には、印刷製品を製造する際のプロセスが表示される。図5に示すプロセスは、印刷製品を製造する際における印刷製品の受注から発送までの作業の一例である。
【0058】
例えば、「受付」は、依頼者から印刷製品の少なくとも一部の製造の依頼を受ける作業を示す。「制作」は、印刷製品の原稿の制作を行う作業を示す。「プリプレス」は、印刷製品の印刷前に試験的に印刷を実施する作業を示す。「製版」は、印刷用の刷版を作成する作業を示す。「印刷」は、印刷媒体に印刷を行う作業を示す。「受入」は、部品又は製品を受け取る作業を示す。「加工」は、印刷物に対して施す加工作業を示す。「検品」は、部品又は製品を検査する作業を示す。「部品カスタム」は、部品に対して特殊な加工や処理を施す作業の総称を示す。「製品カスタム」は、製品に対して特殊な加工や処理を施す作業の総称を示す。「発送」は、製造が完了した印刷製品を発送する作業を示す。
【0059】
表示領域102には、印刷製品の部品が表示される。図5に示す例では、印刷製品を製造する過程において、印刷製品に含まれる部品、及び部品から生成される中間部品が示されている。例えば、印刷製品に含まれる部品の一例として、「表紙」、「本文」、及び「カバー」が示されている。また、中間部品の一例として、「表紙」と「本文」とを組み合わせて生成される「ブックブロック」、「ブックブロック」と「カバー」とを組み合わせて生成される「完成品」が示されている。また、製造が完了した段階の印刷物が、「製品名」として示されている。
【0060】
表示領域103には、印刷製品を製造する際における製造工程の作業の各々が表示される。表示領域103に表示される情報は、表示領域101に表示されるプロセスに対応する。
【0061】
表示領域104には、印刷製品を製造する際における作業の各々がノード(図5では丸印の図形)として表示される。すなわち、プロセスとして表示された「受付」から「発送」までの各工程における作業を示す作業オブジェクトが、印刷製品を製造する過程の順序に対応して、ノード(図5では丸印の図形)として表示される。また、作業オブジェクトのうち、中間部品の作業を示すノードは、中間オブジェクトとして機能する。
【0062】
また、作業オブジェクトは、複数の部品毎に、各部品の製造工程に含まれる作業を示す作業オブジェクトであるノードが、作業順に並べて表示され、連続して処理されてノード間に関係性を有するように、ノード間が関係づけられる。図5では点線によりノード間が接続されることでノード間が関係づけられた一例を示している。また、中間部品を示す中間オブジェクトであるノードは、中間部品を生成するために用いられる複数の部品に対する作業オブジェクトに関係性を有するように中間オブジェクトであるノードと他の作業オブジェクトであるノードが関係づけられる(接続される)。
【0063】
テンプレート情報は、印刷製品を構成する部品数、及び加工などの種類に対応して複数のテンプレート情報が予め作成済みであり、これらの複数のテンプレート情報が記憶部22に記憶される。なお、複数のテンプレート情報の各々は、各々を識別するための識別情報として、例えば、それぞれ異なる「ワークフローID(IDentification)」及び「ワークフロー名」の各々を示す情報が対応付けて記憶される。すなわち、テンプレート情報は、ワークフローID及びワークフロー名が関連付けられて管理される。
【0064】
取得部200は、印刷製品を製造するための製造情報を取得する。
【0065】
なお、本実施形態では、一例として、情報処理装置2が、MIS3から印刷製品を製造する際に必要な情報(以下、MIS情報という。)を取得するものとする。このMIS情報は、例えば、XML形式で記述された情報である。MIS情報は、一例として、印刷製品の製品ワークフロー情報を示すワークフローID、印刷製品を構成する部品を示す部品タイプID、及び部品及び工程として印刷製品に施す加工等のプロセスを示す情報等の各種情報を含む。このMIS情報から印刷製品を製造する場合における工程、プロセス、及び作業オブジェクトなどを特定することが可能である。
【0066】
特定部202は、MIS3から取得したMIS情報を用いて、製造工程の種類(パターン)を特定する。ここで、製造工程の種類(パターン)とは、印刷製品に含まれる部品数等の部品情報、及び各部品の製造工程を示す情報の組み合わせによる製造工程を特定するための情報である。すなわち、特定部202は、MIS情報を用いて、印刷製品の受注から完成するまでに必要となる複数の工程、及び印刷製品を製造するための複数の部品を特定する。
【0067】
生成部204は、特定部202で特定された製造工程の種類に基づいて、印刷製品を製造する場合における作業を示す作業オブジェクト及び中間オブジェクトを生成する。具体的には、印刷製品に含まれる複数の部品の各々に対して、個々の部品を製造するために行われる加工を含む作業を示す作業オブジェクトを生成する。また、複数の部品のうちの少なくとも2つの部品を組み合わせる加工等を行うことで生成される中間部品に対して、中間部品を示す中間オブジェクトを生成する。
【0068】
作成部206は、MIS3から取得したMIS情報、及び生成部204で生成された作業オブジェクト及び中間オブジェクトを用いて、作業オブジェクト及び中間オブジェクトを関係づけた(接続した)製品ワークフロー情報を作成する。
【0069】
なお、作成部206は、製品ワークフロー情報の作成、及び一部を変更する編集機能を有している。この編集機能については後述する。
【0070】
本実施形態では、生成部204、及び作成部206として、MIS3から取得したMIS情報に適合するテンプレート情報を、記憶部22から取得することで、作業オブジェクト及び中間オブジェクトを生成し、印刷製品のワークフローを作成する場合について説明する。具体的には、MIS3から取得したMIS情報のうち、製造工程の種類、すなわち、印刷製品に含まれる部品数及び各部品の製造工程を示す情報に適合するテンプレート情報を、記憶部22から取得する。
【0071】
なお、MIS3から取得したMIS情報に対して、複数のテンプレート情報が適合する場合、複数のテンプレート情報を候補テンプレート情報として、複数の候補テンプレート情報のうち何れか1つを選択することを可能にする構成とすることができる。
【0072】
表示制御部208は、作成部206で作成された製品ワークフロー情報を、表示部26に表示させるための表示情報を作成し、作成した表示情報を表示部26に表示する制御を行う。
【0073】
なお、表示制御部208は、取得部200、特定部202、生成部204、及び作成部206の各機能部において得られた情報を、表示部26に表示する表示制御を行うことが可能である。
【0074】
また、表示制御部208は、製品ワークフロー情報において、中間部品の加工が開始されない場合に、中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々の進捗状況を表示する制御を行う。
【0075】
次に、図6を参照して、情報処理装置2の作用について説明する。
【0076】
図6は、情報処理装置2において実行される情報処理プログラム22Aの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0077】
情報処理装置2において、情報処理プログラム22Aの起動が指示されると、CPU20Aは、上述した各機能部として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0078】
図6のステップS100では、取得部200が、MIS3から、MIS情報を取得する。MIS情報は、上述したようにXML形式で記述された情報であり、印刷製品を製造する際の部品及び製造工程に関する情報を含む。
【0079】
次に、MIS情報の一例を示す。
【0080】
<product_template_attributes>
<product_wf_template_id>WFID_020</product_wf_template_id>
<part_template_attributes>
<part_type_id>ID020_1_1</part_seq>
+各工程の属性情報
</part_template_attributes>
</product_template_attributes>
・・・
【0081】
このMIS情報では、印刷製品に対して指定されるテンプレートを示すテンプレート情報のワークフローIDが「WFID_020」であることを示している(図9も参照)。また、テンプレート情報に含まれる部品が「ID020_1_1」であり、その部品の工程内容、すなわち、作業オブジェクトが「各工程の属性情報」として示されている。
【0082】
ステップS102では、特定部202が、MIS情報を用いて、製造工程の種類を特定することで、候補となる製品ワークフロー情報を生成するためのテンプレート情報を特定する。このステップS102では、MIS情報に含まれるワークフローIDを検出し、検出されたワークフローIDによりテンプレート情報を特定する。この特定されたテンプレート情報は、本開示の適合テンプレートの一例である。
【0083】
ステップS104では、生成部204及び作成部206が、中間部品を含む製品ワークフロー(製品ワークフロー情報)の候補を生成する。このステップS104では、まず、生成部204が、特定された製造工程の種類に基づいて、印刷製品を製造する場合における作業を示す作業オブジェクト及び中間オブジェクトを生成する。そして、作成部206が、MIS情報、及び作業オブジェクト及び中間オブジェクトを用いて、作業オブジェクト及び中間オブジェクトを接続してなる、中間部品を含む製品ワークフローの候補を生成する。
【0084】
具体的には、MIS情報に含まれるワークフローIDに適合するテンプレート情報を、記憶部22から取得することで、作業オブジェクト及び中間オブジェクトを生成し、それらのノードを接続した製品ワークフローの候補を作成する。
【0085】
図7は、製品ワークフローの候補となるテンプレート情報の一例を示す図である。
【0086】
図7には、表示部26に表示されたテンプレート情報の一例として画面110が示されている。表示制御部208は、テンプレート情報を用いて画面110を表示部26に表示する制御を行う。
【0087】
画面110は、表示領域111、112、及び113を含んでいる。表示領域111には、製品ワークフローの作成に関する指示ボタンが表示される。図7に示す例では、「追加」、「編集」、「解除」、「複製」、「削除」、「有効」、及び「無効」の指示ボタンが表示されている。これらの指示ボタンは、操作部28のユーザによる操作によって、指示される。
【0088】
「追加」の指示ボタンは、製品ワークフローを新規に追加することを指示するためのボタンである。「編集」の指示ボタンは、既存の製品ワークフローの編集の開始を指示するためのボタンである。「解除」の指示ボタンは、編集中の製品ワークフローの編集解除を指示するためのボタンである。「複製」の指示ボタンは、既存の製品ワークフローを複製して同じワークフローを作成することを指示するためのボタンである。「削除」の指示ボタンは、選択中の製品ワークフローの削除を指示するためのボタンである。「有効」の指示ボタンは、選択中の製品ワークフローを使用可能な状態に設定するためのボタンである。「無効」の指示ボタンは、選択中の製品ワークフローを使用可能な状態から使用不可能な状態に設定するためのボタンである。
【0089】
表示領域112には、記憶部22に記憶されたテンプレート情報のリストが表示される。図7に示す例のリストには、テンプレート情報を識別するためのワークフローID及びワークフロー名を含むテンプレート情報に含まれる各種の情報が項目を示すラベルに対応付けられている。
【0090】
表示領域113には、図5と同様に、選択されたテンプレート情報における製造工程の作業の各々が表示される。具体的には、選択されたテンプレート情報(表示領域112に太枠線114で囲まれた領域に含まれる情報)における作業オブジェクトの各々がノード(丸印の図形)として表示される。また、作業オブジェクトのうち、中間部品の作業を示すノードは、中間オブジェクトとして機能する。この場合、中間オブジェクトは、中間加工オブジェクト及び中間作業オブジェクトを含む。中間加工オブジェクトは、複数の部品に対する加工を示す(図7の例では「加工」)。また、中間作業オブジェクトは、生成された中間部品に対する作業を示す(図7の例では「部品カスタム203」)。
【0091】
ステップS106では、作成部206が、製品ワークフローの候補に対する編集処理が行われる。具体的には、操作部28のユーザによる操作によって、図7に示す指示ボタンの何れかが指示されると、ステップS106の処理が開始される。例えば、編集ボタンが指示されると、製品ワークフローの候補の一部を変更する編集を行う処理が開始される。
【0092】
図8は、編集処理における画面の一例を示す図である。
【0093】
図8には、一例として、編集ボタンが指示されて製品ワークフローの候補の一部を変更する編集を行う場合の画面120が示されている。表示制御部208は、編集中に画面120を表示部26に表示する制御を行う。
【0094】
画面120は、表示領域121、122、及び123を含んでいる。表示領域121には、編集対象のテンプレート情報(すなわち、製品ワークフローの候補)を示すワークフローID及びワークフロー名が表示される。
【0095】
表示領域122には、編集対象のテンプレート情報について、編集状況を指示する指示ボタンが表示される。図8に示す例では、「クリア」、「戻す」、「進める」、「保存」、「一時保存」、及び「閉じる」の指示ボタンが表示されている。これらの指示ボタンは、操作部28のユーザによる操作によって、指示される。
【0096】
「クリア」の指示ボタンは、編集中の製品ワークフローの候補に対して行われた処理(編集操作)を消去することを指示するためのボタンである。「戻す」の指示ボタンは、直前に処理した編集操作を取り消し、それより前の状態に戻すことを指示するためのボタンである。「進める」の指示ボタンは、「戻す」の指示ボタンで戻された状態から、取り消した編集操作を元に戻すことを指示するためのボタンである。「保存」は、現在の編集作業の状態で、製品ワークフローの候補を保存、すなわち、記憶部22に記憶することを指示するためのボタンである。「一時保存」の指示ボタンは、現在の編集作業の状態で、製品ワークフローの候補をRAM20Bに、一時的に保存することを指示するためのボタンである。「閉じる」の指示ボタンは、編集中の製品ワークフローの候補の編集処理を終了して、画面120を閉じることを指示するためのボタンである。
【0097】
表示領域123には、図5と同様に、編集対象のテンプレート情報における作業オブジェクトの各々がノード(丸印の図形)として表示される。また、作業オブジェクトのうち、中間部品の作業を示すノードは、中間オブジェクトとして機能する。
【0098】
なお、編集処理では、表示領域に表示された作業オブジェクトを削除したり、プロセス欄に表示された作業オブジェクトを追加(例えば図形をドラッグ)したりすることが可能である。
【0099】
次に、ステップS108では、作成部206が、編集が完了した製品ワークフローの候補を製品ワークフローとして作成する。すなわち、図8に示す「閉じる」の指示ボタンが指示され、保存が完了すると、その製品ワークフローの候補を示す製品ワークフロー情報を作成する。作成された製品ワークフロー情報は記憶部22に記憶される。
【0100】
図9は、製品ワークフロー情報の一例を示す図である。
【0101】
図9には、表示部26に表示された製品ワークフロー情報の一例として画面130が示されている。表示制御部208は、製品ワークフロー情報を表示部26に表示する制御を行う。この制御によって、表示部26には、例えば、画面130の画像が表示される。
【0102】
画面130は、表示領域131、132、133、及び134を含んでいる。表示領域131には、表示する製品ワークフローの状態に関する指示ボタンが表示される。図9に示す例では、「受注」、「製品」、「部品」、及び「発送」の指示ボタンが表示されている。これらの指示ボタンは、操作部28のユーザによる操作によって、指示される。
【0103】
「受注」の指示ボタンは、印刷製品の製造段階が受注段階の製品ワークフローの表示を指示するための指示ボタンを示す。「製品」の指示ボタンは、印刷製品の製品ワークフローの表示を指示するための指示ボタンを示す。「部品」の指示ボタンは、印刷製品の製品ワークフローのうち部品に関する部分的な表示を指示するための指示ボタンを示す。「発送」の指示ボタンは、印刷製品の製造段階が発送段階の製品ワークフローの表示を指示するための指示ボタンを示す。
【0104】
表示領域132には、表示領域131で指示された指示ボタンに対応して記憶部22から読み取られた製品ワークフロー情報がリストとして表示される。図9に示す例のリストには、指示された指示ボタン(表示領域131に太枠線135で囲まれた「製品」を示す指示ボタン)に対応する製品ワークフロー情報が表示されている。
【0105】
表示領域133には、図5と同様に、指示された製品ワークフロー(表示領域132に太枠線136で囲まれた製品ワークフロー情報)に対応する作業オブジェクトの各々がノード(丸印の図形)として表示される。また、作業オブジェクトのうち、中間部品の作業を示すノードは、中間オブジェクトとして機能する。
【0106】
具体的には、図9に示す例の製品ワークフロー情報では、部品201及び部品202の各部品の各製造工程におけるノード(作業オブジェクト)が生成される。また、部品201及び部品202の各部品の組み合わせによる仕掛品である中間部品203の中間工程におけるノード(中間オブジェクト)が生成される。そして、検品のプロセスを示すノード及び発送のプロセスを示すノードへ順に続く。従って、受付のプロセスから発送のプロセスまで、部品201及び部品202の各部品の製造工程のノード(作業オブジェクト)と、中間部品203の中間工程のノード(中間オブジェクト)とが接続された製品ワークフロー情報が作成されている。
【0107】
表示領域134には、MIS3から取得したMIS情報が表示される。図9の例では、MIS情報の表示例として、「項目」及び「内容」の各々を示す情報が対応付けたテーブルが表示された場合を示している。
【0108】
なお、製品ワークフロー情報は、MIS3によるMIS情報に連携して、現在の製品ワークフロー情報による作業の進捗状態を示す作業ステータス情報が表示されるようになっている。具体的には、MIS情報により示される作業オブジェクトの各々の進捗度合いについて、表示制御部208が表示部26に表示する制御を行う。
【0109】
図9に示す表示領域133には、印刷製品及び部品について、印刷製品が「製品名」で示され、部品が「部品201」、「部品202」及び「中間部品203」で示される。この場合において、作業ステータス情報として、現時点における進捗状態に該当するノードの表示形態が変更される。例えば、MIS3によるMIS情報として、部品201が制作段階で、部品202が印刷段階である情報を含む場合、各々のノードが他のノードと異なる表示形態で表示される。具体的には、部品201の制作プロセス、及び部品202の印刷プロセスの各々を示すノードが、他のノードと異なる表示形態137(黒丸印の図形による表示形態)とされている。この段階では、中間部品203は、部品201と部品202を組み合わせて生成されるため、中間部品203は未生成であることを確認することが可能となる。このように、ノードの表示形態を変更することで、印刷製品のワークフローにおける作業の進捗状態を確認することが可能となる。
【0110】
なお、上述したノードの表示形態を変更する一例には、ノードとして表示される画像の形状変更、ノードの色彩変更、及び注釈画像の付与によるノード変更が挙げられる。
【0111】
上記のように、印刷製品の受注から完成までの複数の製造工程及び複数の部品を特定し、部品を加工することで生成される中間部品に対して、中間部品を示す中間オブジェクトを生成する。そして、作業オブジェクトを、作業順に並べて表示させ、かつ連続して処理される作業間の作業オブジェクトを接続して表示させると共に、中間オブジェクトと、作業オブジェクトとを接続して表示させるための製品ワークフロー情報が作成される。従って、印刷製品の受注から完成までを管理するとき、中間部品がどの部品を使って構成されるのかを容易に把握することが可能となる。
【0112】
次に、ステップS110では、作成部206が、中間部品の加工が開始されたか否かを判定する。中間部品の加工が開始されたと判定した場合(肯定判定の場合)、中間部品のステータスを「着手可」にして、本情報処理プログラム22Aによる一連の処理を終了する。中間部品の加工が開始されないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS112に移行する。
【0113】
ステップS112では、表示制御部208が、ステップS108で作成した製品ワークフローにおいて、中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々の進捗状況を表示部26に表示する制御を行い、本情報処理プログラム22Aによる一連の処理を終了する。
【0114】
次に、図10図19を参照して、本実施形態に係る中間部品進捗管理方法について具体的に説明する。
【0115】
図10(A)、図10(B)、及び図10(C)は、本実施形態に係る工程編集画面210の一例を示す図である。
【0116】
図10(A)に示す工程編集画面210は、「全般」タブが選択された状態を示している。この「全般」タブでは、各工程において、設定項目として、「自動で作業を開始する」、「作業開始時に自動でデータ送信する」、及び「自動で作業を完了する」が指定可能とされている。この場合、外部システムであるMIS3と連携することで、各工程を完全自動で処理することが可能となる。
【0117】
図10(B)に示す工程編集画面210は、「プロセス属性」タブが選択された状態を示している。この「プロセス属性」タブでは、工程で使用する印刷機材(プリンタ)が指定可能とされる。
【0118】
図10(C)に示す工程編集画面210は、「グルーピング」タブが選択された状態を示している。この「グルーピング」タブでは、部品をグルーピングするためのグルーピング条件が指定可能とされる。
【0119】
図11は、本実施形態に係るワークフロー情報表示画面220の一例を示す図である。
【0120】
図11に示すワークフロー情報表示画面220では、製品ワークフローが表示されている。この製品ワークフローでは、「部品タイプ名1」及び「部品タイプ名2」の各部品の各製造工程における作業オブジェクトが生成されている。また、「部品タイプ名1」及び「部品タイプ名2」の各部品の組み合わせによる仕掛品である「中間部品20」の中間工程における中間オブジェクトが生成されている。
【0121】
「部品タイプ名1」の部品の製造工程の作業オブジェクトには、「印刷プロセス名」として表される作業オブジェクト221が含まれる。この作業オブジェクト221には、対応部品のステータス情報を含む作業属性情報222が対応付けられている。この作業属性情報222は、作業オブジェクト221が指定された場合にポップアップ表示することが可能とされる。同様に、「部品タイプ名2」の部品の製造工程の作業オブジェクトには、「印刷プロセス名」として表される作業オブジェクト223が含まれる。この作業オブジェクト223には、対応部品のステータス情報を含む作業属性情報224が対応付けられている。この作業属性情報224は、作業オブジェクト223が指定された場合にポップアップ表示することが可能とされる。また、「中間部品20」の中間部品の中間工程の中間オブジェクトには、「加工20」として表される中間オブジェクト225が含まれる。この中間オブジェクト225には、対応中間部品のステータス情報を含む作業属性情報226が対応付けられている。この作業属性情報226は、中間オブジェクト225が指定された場合にポップアップ表示することが可能とされる。これらの作業オブジェクト221、作業オブジェクト223、及び中間オブジェクト225は、例えば、アイコンとして表示される。
【0122】
上述したように、CPU20Aは、表示制御部208として機能し、製品ワークフローにおいて、中間部品の加工が開始されない場合に、中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々の進捗状況を表示する制御を行う。具体的に、図11の例では、中間部品である「中間部品20」の作業属性情報226を参照すると、ステータスが「着手不可」として表示される。この場合、中間部品である「中間部品20」の加工は開始されない。そして、中間部品である「中間部品20」は、「部品タイプ名1」及び「部品タイプ名2」の2つの部品によって構成される。各部品の最終工程が全て完了しないと中間部品の最初の加工は「着手不可」のままとなる。図11の例では、一方の部品である「部品タイプ名1」の作業属性情報222を参照すると、ステータスが「プロセス未着手」として表示される。また、他方の部品である「部品タイプ名2」の作業属性情報224を参照すると、ステータスが「プロセス完了」として表示される。つまり、中間部品を構成する2つの部品の各々の進捗状況が表示される。
【0123】
この場合、CPU20Aは、製品ワークフローにおいて、中間部品を構成する少なくとも2つの部品のうち、中間部品の加工を開始できない原因となっている部品及び工程を特定する。図11の例では、一方の部品である「部品タイプ名1」のステータスが「プロセス未着手」である。このため、中間部品である「中間部品20」の加工を開始できない原因として、「部品タイプ名1」として表される部品が特定される。また、加工を開始できない原因として、「印刷プロセス名」として表される工程が特定される。
【0124】
図12(A)は、本実施形態に係る印刷装置の作業状況画面230の一例を示す図である。図12(B)は、本実施形態に係る加工装置の作業状況画面240の一例を示す図である。
【0125】
図12(A)に示す作業状況画面230では、「部品タイプ名1」及び「部品タイプ名2」の各部品の印刷に用いる印刷装置(印刷機材)である「aaaa6A」の作業状況が管理される。作業状況画面230において、「aaaa6A」に関する項目231が選択されると、「部品タイプ名2」に対応する作業状況情報232、及び、「部品タイプ名1」に対応する作業状況情報234が表示される。「部品タイプ名2」に対応する作業状況情報232では、ステータス233が「完了」として表示され、「部品タイプ名1」に対応する作業状況情報234では、ステータス235が「未着手」として表示される。作業状況情報232のステータス233は、上述の図11に示す作業属性情報224のステータスに対応しており、作業状況情報234のステータス235は、上述の図11に示す作業属性情報222のステータスに対応している。
【0126】
図12(B)に示す作業状況画面240では、「中間部品20」の中間部品の加工に用いる加工装置(加工機材)である「bbbb9B」の作業状況が管理される。作業状況画面240において、「bbbb9B」に関する項目241が選択されると、「中間部品20」に対応する作業状況情報242が表示される。「中間部品20」に対応する作業状況情報242では、ステータス243が「着手不可」として表示される。作業状況情報242のステータス243は、上述の図11に示す作業属性情報226のステータスに対応している。
【0127】
図13は、本実施形態に係るワークフロー情報表示画面220の他の例を示す図である。
【0128】
図13に示すワークフロー情報表示画面220には、上述の図11の例と同様に、「部品タイプ名1」の「印刷プロセス名」として表される作業オブジェクト221と、「中間部品20」の「加工20」として表される中間オブジェクト225とが表示される。また、作業オブジェクト221には、詳細情報227が対応付けられている。この詳細情報227では工程管理者の連絡先(例えば、電子メールアドレス等)が管理される。例えば、詳細情報227の「開始報告者ID」及び「完了報告者ID」には、工程管理者(Administrator)の電子メールアドレスが対応付けられている。
【0129】
ここで、上述したように、「部品タイプ名1」として表される部品は、「中間部品20」として表される中間部品の加工を開始できない原因として特定される。この場合、CPU20Aは、中間部品の加工を開始できない原因となっている部品の工程を管理する工程管理者に対して、当該工程が遅延していることを通知する制御を行うようにしてもよい。具体的には、詳細情報227から工程管理者の電子メールアドレスを取得し、取得した電子メールアドレスに対して、例えば、「部品xxのxx工程が遅れています。工程の調整をお願いします。」等のメッセージを自動的に送信する。
【0130】
また、図13に示す例では、作業オブジェクト221及び中間オブジェクト225が完了予定に対して遅延している。この場合、例えば、作業オブジェクト221を表すアイコン(例えば、プリンタのアイコン)、及び、中間オブジェクト225を表すアイコン(例えば、プリンタのアイコン)の色を変更して、警告表示を行うようにしてもよい。なお、警告表示は、アイコンの色の変更に限定されるものではなく、例えば、アイコンに対してエクスクラメーション・マークを付与する等の形態としてもよい。これにより、どの部品のどの工程が遅延しているかを一見して把握することが可能とされる。
【0131】
図14は、本実施形態に係るワークフロー情報表示画面220における製品ワークフロー表示領域250の一例を示す図である。
【0132】
図14に示す製品ワークフロー表示領域250では、製品ワークフローが表示される。この製品ワークフローには、「中間部品20」の「加工20」として表される中間オブジェクト251が含まれる。中間オブジェクト251を表すアイコンには、×印が付与されており、この×印は、「中間部品20」として表される中間部品の工程において何らかのエラーが発生したことを示している。なお、この場合、例えば、中間オブジェクト251を表すアイコンの色を変更して、警告表示を行うようにしてもよい。
【0133】
ここで、「加工20」で加工に失敗した部品を遡って生成する。このとき、失敗した部品を遡って生成する工程を、「部品タイプ名1」の「印刷プロセス名」又は「部品タイプ名2」の「印刷プロセス名」とは別の工程として追加する。なお、「印刷プロセス名」は部品を印刷する工程を示す。そして、追加した工程で印刷される部数と、「加工20」で加工に成功した部数とを合わせて、トータルの良品数で管理を行う。例えば、受注した印刷製品の部数が100部で、そのうち「加工20」で加工に成功した部数が50部、失敗した部数が50部であった場合を想定する。失敗した50部を「加工20」で再加工するために、「部品タイプ名2」の部品を50部再印刷する必要がある場合、「部品タイプ名2」の「印刷プロセス名」とは別の工程として「印刷プロセス名」(後述の図17を参照)を追加し、「部品タイプ名2」の部品を50部印刷する。
【0134】
CPU20Aは、製品ワークフローにおいて、中間部品にエラーが発生した場合に、中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々について、再処理が必要な部数を特定する。例えば、中間オブジェクト251に対応する作業状況ダイアログ252を表示する。作業状況ダイアログ252では、ステータスが「エラー」として表示され、「再印刷」の指示ボタン253が表示される。「再印刷」の指示ボタン253が操作部28により指示されると、図15に示す再印刷画面260に遷移する。
【0135】
図15は、本実施形態に係る再印刷画面260の一例を示す図である。
【0136】
図15に示す再印刷画面260では、各部品について再印刷に必要な部数を指定することが可能とされる。ここでは、例えば、「部品タイプ名1」として表される部品及び「部品タイプ名2」として表される部品について、それぞれ再印刷に必要な部数を指定することが可能とされる。再印刷画面260で指定された部数に基づいて、再印刷に必要な部数が特定される。なお、上述の図10(A)に示す工程編集画面210において、各工程に対して、「自動で作業を開始する」、「作業開始時に自動でデータ送信する」、及び「自動で作業を完了する」が全て指定されている場合、再印刷画面260で指定した部数で自動的に再処理が実行される。
【0137】
図16は、本実施形態に係る製品ワークフロー表示領域250の他の例を示す図である。
【0138】
図16に示す製品ワークフロー表示領域250では、再処理後の製品ワークフローが表示される。この製品ワークフローには、「中間部品20」の「加工20」として表される中間オブジェクト251と、「部品タイプ名1」の「印刷プロセス名」として表される作業オブジェクト254とが含まれる。上述したように、「中間部品20」として表される中間部品の工程において何らかのエラーが発生したため、例えば、「部品タイプ名1」の「印刷プロセス名」として表される作業オブジェクト254の工程が追加される。つまり、「部品タイプ名1」として表される部品が遡って再処理される。
【0139】
CPU20Aは、再処理の作業に対応する作業オブジェクトに対して、再処理の作業に関する情報を対応付けて登録する。図16の例では、作業オブジェクト254が再処理の作業に対応する。但し、表示するアイコン数は変化させずに、追加した工程のステータスを含む工程情報255を表示する。工程情報255は、再処理の作業に関する情報の一例であり、追加する部品の部数、ステータス、再処理回数等が含まれる。工程情報255では、再処理が行われる毎に、部数、ステータス、再処理回数等が変更される。
【0140】
図17は、本実施形態に係る詳細画面270の一例を示す図である。
【0141】
上述したように部品の再処理を行う場合、内部的に工程が追加され、図17に示す詳細画面270において印刷工程のレコードが1つ追加される。具体的に、詳細画面270では、レコード271及びステータス情報272が表示される。レコード271は、追加した印刷工程(例えば、「印刷プロセス名」として表される。)に対応するレコードである。ステータス情報272は、レコード271に対応する印刷工程のステータスに関する情報である。ステータス情報272で管理されるステータスは、工程情報255に反映される。
【0142】
図18は、本実施形態に係る製品ワークフロー表示領域250の他の例を示す図である。
【0143】
図18に示す製品ワークフロー表示領域250では、部品の最終工程が全て完了した場合の製品ワークフローが表示される。この製品ワークフローには、「中間部品20」の「加工20」として表される中間オブジェクト251と、「部品タイプ名1」の「印刷プロセス名」として表される作業オブジェクト254と、部品タイプ名2」の「印刷プロセス名」として表される作業オブジェクト256とが含まれる。中間オブジェクト251には、対応中間部品のステータス情報を含む作業属性情報257が対応付けられている。この作業属性情報257は、中間オブジェクト251が指定された場合にポップアップ表示することが可能とされる。
【0144】
CPU20Aは、製品ワークフローにおいて、中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々についての全ての作業が完了した場合に、中間部品の最初の作業が開始可能な状態に設定する。具体的には、図18の例の場合、「部品タイプ名1」及び「部品タイプ名2」の各々の部品についての全ての作業が完了した場合に、「中間部品20」の中間部品の最初の作業が開始可能な状態、つまり、作業属性情報257のステータスが「プロセス未着手」となる。
【0145】
図19は、本実施形態に係る印刷装置の作業状況画面280及び作業完了取消ダイアログ286の一例を示す図である。
【0146】
図19に示す作業状況画面280では、「部品タイプ名1」及び「部品タイプ名2」の各部品の印刷に用いる印刷装置(印刷機材)である「aaaa6A」の作業状況が管理される。作業状況画面280において、「aaaa6A」に関する項目281が選択されると、「部品タイプ名2」に対応する作業状況情報282、及び、「部品タイプ名1」に対応する作業状況情報284が表示される。「部品タイプ名2」に対応する作業状況情報282では、ステータス283が「完了」として表示され、「部品タイプ名1」に対応する作業状況情報284では、ステータス285が「処理中」として表示される。
【0147】
CPU20Aは、製品ワークフローにおいて、中間部品の最初の作業が開始可能な状態に設定されている場合に、中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々について、作業完了の状態を取り消し可能としている。具体的に、「加工20」の工程のステータスが「プロセス未着手」である場合、「部品タイプ名2」のステータス283である「完了」を取り消すことが可能とされる。この「完了」の取り消しは、作業完了取消ダイアログ286から行われる。なお、「加工20」の工程のステータスが処理中あるいは完了している場合、部品の印刷に関する作業完了の取り消しはできない。
【0148】
次に、図20図23を参照して、部品を再処理する場合に工程を追加する方法の具体例について説明する。
【0149】
図20(A)、図20(B)、及び図20(C)は、本実施形態に係る再処理の工程を追加する方法の一例の説明に供する図である。
【0150】
図20(A)に示すように、ある部品について、例えば、注文部数が100部、内部予備が20部、製造部数が120部、印刷部数が120部である場合を想定する。なお、「受付」は受付の工程を示し、「プ」はプリプレスの工程を示し、「印刷」は印刷の工程を示し、「加工」は加工の工程を示す。
【0151】
図20(B)に示すように、「印刷」の工程において、印刷部数120部のうち、良品(「良」で示す。)が80部で、不良品(「不」で示す。)が40部であった場合、「印刷」のステータスを、印刷が仮完了であることを示す「印刷仮完」とする。このとき、総良品数(「総良」で示す。)は80部で、総不良品数(「総不」で示す。)は40部となる。
【0152】
図20(C)に示すように、不良品分40部の再印刷を行う「印刷」の工程を、「印刷2」として追加する。この「印刷2」の工程は追加当初のステータスが「未着手」となる。そして、図20(B)に示す「印刷仮完」のステータスを「印刷完了」とする。このとき、総良品数は80部で、総不良品数は40部となる。
【0153】
図21(A)、図21(B)、及び図21(C)は、本実施形態に係る再処理の工程を追加する他の例の説明に供する図である。
【0154】
図21(A)に示すように、上述の図20(C)に示す「印刷2」の工程において、再印刷の結果、良品が30部で、不良品が10部であった場合、「印刷2」のステータスを「印刷仮完2」とする。このとき、総良品数は110(=80+30)部で、総不良品数は50(=40+10)部となる。
【0155】
図21(B)に示すように、図21(A)に示す「印刷仮完2」のステータスを「印刷完了2」とする。
【0156】
図21(C)に示すように、「加工」の工程における加工部数を120部とする。このとき、総良品数は0(ゼロ)部で、総不良品数は0(ゼロ)部となる。
【0157】
図22(A)、図22(B)、及び図22(C)は、本実施形態に係る再処理の工程を追加する他の例の説明に供する図である。
【0158】
図22(A)に示すように、上述の図21(C)に示す「加工」の工程において、加工部数120部のうち、良品が90部で、不良品が20部であった場合、「加工」のステータスを「加工仮完」とする。このとき、総良品数は90部で、総不良品数は20部となる。
【0159】
図22(B)に示すように、不良品分20部の再加工を行う「加工」の工程を、「加工2」として追加する。また、20部の再印刷を行う「印刷」の工程を、「印刷3」として追加する。そして、図22(A)に示す「加工仮完」のステータスを「加工完了」とする。このとき、総良品数は110(=80+30)部で、総不良品数は50(=40+10)部となる。
【0160】
図22(C)に示すように、上述の図22(B)に示す「印刷3」の工程において、印刷部数20部のうち、良品が20部で、不良品が0(ゼロ)部であった場合、「印刷3」のステータスを「印刷仮完3」とする。このとき、総良品数は130(=80+30+20)部で、総不良品数は50(=40+10)部となる。
【0161】
図23(A)及び図23(B)は、本実施形態に係る再処理の工程を追加する他の例の説明に供する図である。
【0162】
図23(A)に示すように、上述の図22(C)に示す「加工2」の工程において、加工部数20部のうち、良品が20部で、不良品が0(ゼロ)部であった場合、「加工2」のステータスを「加工仮完2」とする。このとき、総良品数は110(=90+20)部で、総不良品数は20(=20+0)部となる。
【0163】
図23(B)に示すように、図23(A)に示す「加工仮完2」のステータスを「加工完了2」とする。このとき、総良品数は110部で、総不良品数は20部となる。
【0164】
このように本実施形態によれば、中間部品の加工が開始されない場合に、中間部品を構成する少なくとも2つの部品の各々の進捗状況を表示する制御を行う。複数部品を組み合わせて生成される中間部品を管理対象とせずにワークフローを生成して管理する場合と比較して、中間部品の加工を開始できない場合の原因が把握し易くなる。
【0165】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0166】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0167】
以上、実施形態に係る情報処理装置を例示して説明した。実施形態は、情報処理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0168】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0169】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0170】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0171】
1 印刷ネットワークシステム
2 情報処理装置
3 経営情報システム
4 校正管理システム
5A、5B プリプレスシステム
6A、6B 印刷システム
7A、7B 加工装置
20 制御部
22 記憶部
22A 情報処理プログラム
24 通信部
26 表示部
28 操作部
200 取得部
202 特定部
204 生成部
206 作成部
208 表示制御部
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