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特開2024-149840ゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149840
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20241010BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20241010BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20241010BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/30
A63F13/792
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024139351
(22)【出願日】2024-08-20
(62)【分割の表示】P 2023087325の分割
【原出願日】2018-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100127203
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】山下 健知
(57)【要約】
【課題】キャラクタなどの抽選イベントについての興趣性が従来よりも向上したゲームシステムおよびゲームプログラムを提供する。
【解決手段】本発明は、表示部を備え、サーバ装置と接続されるゲーム装置を、ユーザ操作に基づき、1以上のゲーム媒体のうちからユーザに付与するゲーム媒体を選択させる抽選を実行させるための抽選要求をサーバ装置に送信する抽選要求手段として機能させるゲームプログラムであり、抽選要求手段は、ユーザ操作に基づき、抽選によってゲーム媒体選択後に、引き直しの再抽選をサーバ装置に実行させる場合、抽選要求をサーバ装置に対して再送信し、抽選を行う前に、再抽選をサーバ装置に実行させる場合に要する対価を予めユーザに通知し、再抽選を行った場合、抽選によって選択されたゲーム媒体をサーバ装置に削除させ、再抽選により選択されたゲーム媒体を、ユーザに付与するゲーム媒体として、サーバ装置に選択させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備え、ネットワークを介してサーバ装置と接続されるゲーム装置を、
ユーザの操作に基づいて、1以上のゲーム媒体のうちから前記ユーザに付与する前記ゲーム媒体を選択させる抽選を前記サーバ装置に実行させるための抽選要求を前記サーバ装置に対して送信する抽選要求手段として機能させ、
前記抽選要求手段は、前記ユーザの操作に基づいて、
前記抽選によって前記ゲーム媒体が選択された後に、引き直しのための再度の前記抽選(以下、再抽選)を前記サーバ装置に実行させる場合、前記サーバ装置に実行させるための抽選要求を前記サーバ装置に対して再度送信し、
前記抽選を行う前に、前記再抽選を前記サーバ装置に実行させる場合に要する対価を予め前記ユーザに通知し、
前記再抽選を行った場合、前記抽選によって選択された前記ゲーム媒体を前記サーバ装置に削除させ、前記再抽選によって選択された前記ゲーム媒体を、前記ユーザに付与する前記ゲーム媒体として、前記サーバ装置に選択させる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
表示部を備え、ネットワークを介してサーバ装置と接続されるゲーム装置を、
ユーザの操作に基づいて、1以上のゲーム媒体のうちから前記ユーザに付与する前記ゲーム媒体を選択させる抽選を前記サーバ装置に実行させるための抽選要求を前記サーバ装置に対して送信する抽選要求手段として機能させ、
前記抽選要求手段は、前記ユーザの操作に基づいて、
前記抽選によって前記ゲーム媒体が選択された後に、引き直しのための再度の前記抽選(以下、再抽選)を前記サーバ装置に実行させる場合、前記サーバ装置に実行させるための抽選要求を前記サーバ装置に対して再度送信し、
前記抽選を行う前に、前記再抽選を前記サーバ装置に実行させることが可能な回数を予め前記ユーザに通知し、
前記再抽選を行った場合、前記抽選によって選択された前記ゲーム媒体を前記サーバ装置に削除させ、前記再抽選によって選択された前記ゲーム媒体を、前記ユーザに付与する前記ゲーム媒体として、前記サーバ装置に選択させる、
ゲームプログラム。
【請求項3】
前記抽選を行う前に、前記再抽選を前記サーバ装置に実行させることが可能な回数を予め前記ユーザに通知する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記抽選を行う場合に対価を要する場合、
前記再抽選の対価は、前記抽選を行う場合の対価よりも低い対価である、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記再抽選の対価は0である、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記再抽選の対価が0であり、
前記抽選要求手段は、前記ユーザの操作に基づいて、
前記再抽選によって前記ゲーム媒体が選択された後に、再度の前記再抽選(以下、再々抽選)を前記サーバ装置に実行させる場合、前記サーバ装置に実行させるための抽選要求を前記サーバ装置に対して再度送信し、
前記抽選を行う前に、前記再抽選を前記サーバ装置に実行させることが可能な回数、および/または、前記再々抽選を前記サーバ装置に実行させる場合に要する対価、を予め前記ユーザに通知し、
前記再々抽選を行った場合、前記再抽選によって選択された前記ゲーム媒体を前記サーバ装置に削除させ、前記再々抽選によって選択された前記ゲーム媒体を前記サーバ装置によって前記ユーザに付与させる、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記抽選要求手段は、前記再抽選が複数回行われた場合、前記再抽選が行われた回数が増加するほど、前回までの前記再抽選で選択された前記ゲーム媒体よりも価値が高い前記ゲーム媒体を前記サーバ装置によって選択させる、
請求項1~6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記抽選要求手段は、前記再抽選が複数回実行された場合、前回までの前記再抽選で選択された前記ゲーム媒体と異なるゲーム媒体を前記サーバ装置によって選択させる、
請求項1~6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
プロセッサと、請求項1または2に記載のゲームプログラムを記憶する記憶部と、を備えるゲーム装置。
【請求項10】
サーバ装置と、請求項9に記載のゲーム装置と、を含むゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽選によってユーザに、キャラクタなどのゲーム媒体を付与するゲームを提供するゲームシステムおよびゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム内で使用されるキャラクタを抽選(ガチャ)によってユーザが獲得するゲームが知られている。たとえば、特許文献1には、複数種類のゲーム媒体のうちからいずれかをユーザに付与するための抽選処理が複数回行われる際に、2回目以降の抽選処理で選択されたゲーム媒体が既に選択済みのゲーム媒体と同種類のゲーム媒体である場合、前記2回目以降の抽選処理で選択されたゲーム媒体の再抽選を行うゲームが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-33864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のゲームにおけるガチャは、ユーザが単にガチャをやり直すことができるにすぎず、ガチャの興趣を向上させつつユーザにガチャを要求させる意欲を持たせるものではない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、キャラクタなどの抽選イベントについての興趣性が従来よりも向上したゲームシステムおよびゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、
ユーザによる操作部への操作信号を受けつけてゲームを実行するゲーム装置と、
前記ゲーム装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備え、
前記ゲーム装置は、
表示部と、
前記ユーザの操作に基づいて、前記ゲームを実行するゲーム制御部と、
前記ユーザの操作に基づいて、複数の属性のうちのいずれかを備える複数のゲーム媒体のうちのいずれかを前記ユーザに付与するために行われる抽選についての抽選要求を行う抽選要求部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
前記抽選要求が前記ユーザの操作に基づいて行われたときに前記抽選を行う抽選部、
を備え、
前記表示部は、前記抽選によって選択された前記ゲーム媒体に関する情報のうち、いずれの前記ゲーム媒体が選択されたか前記ユーザが判別できない態様の情報である一部情報のみを表示し、
前記抽選要求部は、選択された前記ゲーム媒体の前記一部情報が前記表示部に表示された後、前記ユーザの操作に基づいて、前記抽選によって選択された前記ゲーム媒体の獲得および再度の前記抽選要求のいずれかを行い、
再度の前記抽選要求の実行が行われた場合、前記抽選部は、再度の前記抽選要求前の抽選で選択した前記ゲーム媒体と異なる前記ゲーム媒体の中から再度の前記抽選を行う、ゲームシステムである。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記抽選要求部は、前記ユーザの操作に基づいて、複数の前記ゲーム媒体のうちから2つ以上の前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与するために行われる複数抽選についての複数抽選要求を前記抽選部に対して行い、選択された前記ゲーム媒体の前記一部情報が前記表示部に表示された後、前記2つ以上の前記ゲーム媒体のうち重複した前記ゲーム媒体がある場合、前記ユーザの操作に基づいて、前記複数抽選によって選択された前記重複した前記ゲーム媒体のうち1つの前記ゲーム媒体以外(以下、再抽選ゲーム媒体)について再度の前記抽選要求の実行を行い、前記1つの前記ゲーム媒体について獲得し、
再度の前記抽選要求の実行が行われた場合、前記抽選部は、前記ユーザの操作に基づいて選択された前記再抽選ゲーム媒体と異なる前記ゲーム媒体の中から再度の前記抽選を行うものである。
【0008】
第3の発明は、
ネットワークを介してサーバ装置と接続され、ユーザによる操作部への操作信号を受けつけてゲームを実行するゲーム装置を、
表示手段、
前記ユーザの操作に基づいて、前記ゲームを実行するゲーム制御手段、
前記ユーザの操作に基づいて、複数の属性のうちのいずれかを備える複数のゲーム媒体のうちのいずれかを前記ユーザに付与するために行われる抽選についての抽選要求を前記サーバ装置に行う抽選要求手段、
として機能させ、
前記表示手段は、前記抽選によって選択された前記ゲーム媒体に関する情報のうち、いずれの前記ゲーム媒体が選択されたか前記ユーザが判別できない態様の情報である一部情報のみを表示し、
前記抽選要求手段は、選択された前記ゲーム媒体の前記一部情報が前記表示手段に表示された後、前記ユーザの操作に基づいて、前記抽選によって選択された前記ゲーム媒体の獲得および再度の前記抽選要求のいずれかを行い、
再度の前記抽選要求の実行が行われた場合、前記サーバ装置は、再度の前記抽選要求前の抽選で選択した前記ゲーム媒体と異なる前記ゲーム媒体の中から再度の前記抽選を行う、ゲームプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、キャラクタなどの抽選イベントについての興趣性が従来よりも向上したゲームシステムおよびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態におけるゲームシステムのハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
図2】本実施の形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図3】本実施の形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図4】本実施の形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図5】本実施の形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図6】本実施の形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図7】本実施の形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。
図8】本実施の形態における引き直し抽選処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1について、図1図8を参照して説明する。図1に示す本発明のゲームシステム1により、たとえば、スマートフォンなどのゲーム装置3においてゲームが実行される。
【0012】
本実施形態で説明されるゲームは、育成パートと戦闘パートとガチャパートとを含むロールプレイングゲームである。たとえば、ユーザは、ガチャパートにおいて、抽選(ガチャ)によりゲーム媒体(キャラクタ)を獲得し、育成パートにおいて、所持するキャラクタと、キャラクタとは別のサブキャラクタ(たとえば、キャラクタに追従するサブキャラクタなど)とを組み合わせてユニットを作成する。そして、戦闘パートにおいて、ユーザは、作成したユニットを操作して仮想空間上の敵キャラクタと戦い、所定のストーリーを軸にクエストを攻略することでゲームが進行する。
【0013】
また、ユーザは、クエストを攻略すると、キャラクタおよびサブキャラクタを含む様々なキャラクタまたは育成用アイテムなどを、ゲーム課題のクリア条件に合わせて獲得することができ、新たに強力なユニットを作成して高難度のクエストに挑戦することができる。
【0014】
また、本実施形態で説明されるゲームは、ユーザが抽選(以下、「ガチャ」という。)を要求することで、複数の属性(ランク)のうちのいずれかを備える複数のキャラクタのうち、サーバ装置2にて実行されたガチャにおいて選択されたキャラクタを所定数(たとえば10体)ユーザに付与する。
【0015】
<ハードウェア構成について>
図1を参照して、ゲームシステム1を実現するサーバ装置2のハードウェア構成、および、このサーバ装置2とインターネット回線などの通信ネットワーク4を介して互いに通信接続される複数のゲーム装置3のハードウェア構成について説明する。
【0016】
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置3にて構成される。このゲームシステム1において、サーバ装置2と各ゲーム装置3とは所定のタイミングで相互に通信を行い、サーバ装置2から配信されたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。
【0017】
サーバ装置2は、記憶部21にゲームプログラムおよびゲームデータを記憶している。情報処理手段201は、各ゲーム装置3(アカウント)のゲームデータを管理する。サーバ装置2とゲーム装置3とは通信ネットワーク4を介して互いに通信を行う。
【0018】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行(プレイ)するために、ゲーム装置3を介してサーバ装置2の記憶部21に記憶されたゲームプログラムおよびゲームデータを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。また、アップデート用のゲームプログラムおよびゲームデータを受信する(ダウンロードおよびインストールする)。
【0019】
ゲーム装置3は、インストールしたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいて、ゲーム装置3にてゲーム進行を行い、これらのゲーム進行に伴うゲーム演出(ゲーム画像、音声)を液晶画面(表示部)330およびスピーカ340などに出力する。
【0020】
なお、各ゲーム装置3および各ユーザには、それぞれ異なるアカウント情報(固有の識別情報)が付与される。そして、アカウント情報ごとにID(識別符号)が付与される。
【0021】
サーバ装置2は、各ユーザのアカウント情報を管理し、各アカウントのゲーム進行状況に関するデータなどをゲーム装置3から受信して記憶部21に記憶する。
【0022】
たとえば、ゲーム装置3は、ユーザによってゲームを開始する操作が行われたとき、各ゲーム装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行い、このゲーム装置3からアカウント情報が送信される。サーバ装置2は、送信されたアカウント情報に基づいて所定の認証を行い、ゲーム装置3にゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)を送信する。
【0023】
ゲーム装置3は、このアカウントのゲーム進行状況に関するデータなど受信して、ゲーム装置3にてゲーム進行を行う。また、ゲーム装置3は、ゲームの開始時のみならず、ゲーム進行の所定のタイミング(アイテム消費またはゲーム課題クリアなどのデータ更新時)でサーバ装置2にゲーム進行状況に関するデータを送信する。
【0024】
・サーバ装置2のハードウェア構成
サーバ装置2は、制御部20、記憶部21、および、ネットワークインターフェース22を備える。
【0025】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス200を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0026】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。
【0027】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される。
【0028】
記憶部21には、たとえば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータ(アカウントのゲーム進行状況に関する情報を含む)、本発明のゲームシステム1を実現するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0029】
・ゲーム装置3のハードウェア構成
ゲーム装置3には、液晶画面330、スピーカ340およびタッチパッド350が内蔵される。このゲーム装置3において、記憶媒体などから読み込んだゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。また、ゲーム装置3は、他ゲーム装置3およびサーバ装置2との間で、インターネットなどの通信ネットワーク4あるいは近距離無線通信装置を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0030】
ゲーム装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、グラフィック処理部33、オーディオ処理部34、および操作部35を備える。
【0031】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、グラフィック処理部33、オーディオ処理部34、および操作部35は、バス300を介して、制御部30に接続される。
【0032】
制御部30は、ゲーム装置3の動作を制御する。
【0033】
記憶部31は、主にHDD、RAMおよびROMで構成される。記憶部31には、たとえば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。また、記憶部31には、他ゲーム装置3に送信するアカウント情報、フレンドに関する情報ならびに他ゲーム装置3から受信した他のアカウント情報などが記憶される。
【0034】
ネットワークインターフェース32は、通信ネットワーク4に接続され、サーバ装置2と各ゲーム装置3との間で、またはゲーム装置3同士でデータをインターネット通信によって送受信する。
【0035】
グラフィック処理部33は、制御部30の指示に従って仮想空間および各キャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部33にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面330に表示される。
【0036】
オーディオ処理部34は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部34には、スピーカ340が接続される。ゲーム音声は、スピーカ340から外部へと出力される。
【0037】
操作部35は、ゲーム装置3に付属(内蔵)するタッチパッド350と接続され、操作入力に関するデータを送受信することが可能である。ユーザは、タッチパッド350に設けられたボタン等の操作子(図示略)を操作することにより、ゲーム装置3へ操作信号を入力する。
【0038】
<各制御部の機能的構成について>
図1を参照して、ゲームシステム1を実現するサーバ装置2の制御部20およびゲーム装置3の制御部30の機能的構成について説明する。
【0039】
・サーバ装置2の制御部20の機能的構成
サーバ装置2の制御部20は、所定のゲームプログラムを実行することにより、情報処理手段201、抽選手段202、および課金管理手段203として機能する。
【0040】
情報処理手段201は、ゲーム進行に必要なデータを各ゲーム装置3との間で送受信する。また、情報処理手段201は、ゲーム装置3から送信されるアカウント情報を用いて、
アカウント情報の認証を行う。
【0041】
情報処理手段201が各ゲーム装置3から受信する情報は、たとえば、ユーザまたはゲーム装置3のアカウント情報、抽選要求信号およびゲーム進行状況に関する情報を含む。
【0042】
情報処理手段201は、ユーザに付与するべく抽選手段202が生成したキャラクタに関する情報(キャラクタ名・画像およびそのランク)をゲーム装置3へ送信する。なお、各ゲーム装置3から送信される各情報は、情報処理手段201を介して各手段に送信されるが、以下では、説明の便宜上、この点の記載を省略することがある。
【0043】
抽選手段202は、ゲーム装置3から通信手段303を介して抽選要求信号を受け付けた場合、ガチャを行って記憶部21に記憶された複数種類のキャラクタの中から、無作為にキャラクタ選択する。そして、抽選手段202は、選択されたキャラクタに関する情報を生成する。このキャラクタに関する情報(キャラクタ名・画像およびランク)は、すべて通信手段303を介してゲーム装置3へ一度に送信される。
【0044】
課金管理手段203は、アカウント情報ごとに、そのアカウントの課金状況を管理する。たとえば、課金管理手段203は、ユーザが何個のオーブを所有しているかを管理する。また、課金管理手段203は、ユーザが所有しているオーブのうちのいずれが課金によって獲得されたものであるか、また、いずれが課金によらず獲得されたものであるかを管理する。
【0045】
・ゲーム装置3の制御部30の機能的構成
ゲーム装置3の制御部30は、ゲーム装置3に挿入された記憶媒体またはゲーム装置3の記憶部31にダウンロード(インストール)されているゲームプログラムを実行することで、ゲーム制御手段301、抽選要求手段302、および通信手段303として機能する。
【0046】
ゲーム制御手段301は、サーバ装置2から受信したゲームデータおよび記憶部31に記憶されたゲームデータ(オブジェクトおよびテクスチャなどのデータ)を読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。さらに、ゲーム制御手段301は、仮想空間を生成し、その仮想空間にキャラクタ(プレイヤキャラクタ)あるいは敵キャラクタなどのノンプレイヤキャラクタを配置する。
【0047】
また、ゲーム制御手段301は、自ゲーム装置3に接続されるタッチパッド350への操作信号、および、ゲームの進行状況に応じて、仮想空間における自プレイヤキャラクタの行動、および、敵キャラクタの行動を制御する。
【0048】
ゲーム制御手段301は、これらの仮想空間およびキャラクタをゲーム画面として液晶画面330に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部33がゲーム画像を描画する。
【0049】
ゲーム制御手段301は、前記抽選要求信号などの各種の要求をサーバ装置2に送信するためのボタンアイコンなどのユーザインターフェイスを液晶画面330に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部33がユーザインターフェイスの画像を描画する。
【0050】
たとえば、描画されるユーザインターフェイスの画像は、図2図6に示した画面が挙げられる。具体的に説明すると、図2は、アイコン351をタッチすることによってガチャを要求するための抽選要求画面を示している。
【0051】
また、ゲーム制御手段301は、キャラクタ抽選の演出画像およびその抽選結果を液晶画面330に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部33が、キャラクタ抽選の演出画像およびその抽選結果の画像を描画する。
【0052】
たとえば、ユーザによるアイコン351の操作があった場合、ゲーム装置3におけるゲーム制御手段301は、ガチャで獲得しサーバ装置2から送信されたキャラクタのランクについての情報に基づいて、獲得したキャラクタに関するランクオブジェクト(星の数によって表される画像)などを生成してキャラクタの獲得演出を描画し、液晶画面330に表示させる。
【0053】
本実施形態においては、ゲーム制御手段301は、ユーザが引き直し抽選を選択せず、ガチャの結果を確定させるまでは、抽選手段202によって選択されたキャラクタに関する情報のうち、ユーザがこのキャラクタが何であるかを特定できる情報は直接的に表示させない。たとえば、ランクのみを液晶画面330に表示させ、キャラクタ名・画像は液晶画面330に表示させない。ランクは、各キャラクタに設定された強さ、成長性などのパラメータに基づいてあらかじめ定められている。また、ランクは星の数が多いほどパラメータが高い。すなわち、ランクの星の数は、キャラクタのレアリティ(スーパーレア、レア、ノーマルなど)を示す。
【0054】
本実施形態では、抽選要求手段302は、ユーザの操作に基づいて、複数のランクのうちのいずれかを備える複数のキャラクタのうちから10体のキャラクタをユーザに付与するために行われる10連ガチャについての複数抽選要求を行う。
【0055】
抽選要求手段302がユーザの操作に基づいてゲーム装置3にて10連ガチャを要求した場合には、10連ガチャについての抽選要求信号がサーバ装置2へ送信される。この抽選要求信号とは、サーバ装置2にガチャを実行させる契機となる信号である。
【0056】
また、抽選要求手段302は、ガチャによって選択されたキャラクタのランクおよびシルエットのみが液晶画面330に表示された後、ユーザの操作に基づいて、ガチャによって選択されたキャラクタの獲得および再度の複数抽選要求(引き直し抽選要求)のいずれかを行う。
【0057】
通信手段303は、たとえば、抽選要求信号をサーバ装置2に送信する。また、通信手段303は、選択されたキャラクタに関する情報を含むゲームデータをサーバ装置2から受信する。また、通信手段303は、課金状況データをサーバ装置2との間で送受信する。
【0058】
<引き直し抽選処理について>
以下、図8を参照して、本発明のゲームシステム1における引き直し抽選処理について説明する。
【0059】
図8は、本発明のゲームシステム1における引き直し抽選処理を示すフローチャートである。このフローチャートを用いて、各ユーザのゲーム装置3に対する操作に基づいて、引き直し抽選処理がサーバ装置2で実行される場合を説明する。
【0060】
まず、ユーザの操作に基づいてゲーム装置3から10連ガチャの抽選要求信号が送信され、サーバ装置2の情報処理手段201が抽選要求信号を受信する(ステップS1)。具体的に説明すると、図2のゲーム画面に表示される「ガチャをする」のアイコン351をユーザがタッチすると、図3のゲーム画面に移行する。図3のゲーム画面では、「やめる」のアイコン352および「3000オーブでまわす」のアイコン353が表示されている。ユーザが「やめる」のアイコン352をタッチした場合には10連ガチャは実行されず、もとの画面に戻る。ユーザが「3000オーブでまわす」のアイコン353をタッチした場合には10連ガチャが実行される。そして、「3000オーブでまわす」のアイコン353をユーザがタッチしたときに抽選要求信号が生成され、サーバ装置2へ送信される。
【0061】
次に、サーバ装置2の抽選手段202によって10連ガチャが実行される(ステップS2)。この10連ガチャでは、10体のキャラクタが一度に抽選される。そして、選択された10体のキャラクタに関するキャラクタ名・画像およびランクに関する情報のすべてがゲーム装置3へ送信される。
【0062】
次に、ゲーム装置3の液晶画面330に、キャラクタ名および画像が伏せられ、ランクおよびシルエットのみが一部情報として表示されたリザルト画面が表示される(ステップS3)。図4は、このリザルト画面の一例である。
【0063】
次に、抽選要求手段302が、ユーザが引き直し抽選を要求したか否か(再度ガチャを要求したか)否かを判定する(ステップS4)。このとき液晶画面3には、たとえば図5のとおり、「やめる」アイコン354と、「引き直す(0オーブ)」のアイコン355とが表示されている。そして、抽選要求手段302は、ユーザが「やめる」のアイコン354をタッチしたか、「引き直す(0オーブ)」のアイコン355をタッチしたかを判定する。
【0064】
ユーザが引き直し抽選を要求しなかった場合(ステップS4:NO)、すなわち、ユーザ「やめる」のアイコン354をタッチした場合には、液晶画面3は、図6のとおりガチャにて選択された10体のキャラクタ名および画像、ならびにランクを表示する(ステップS6)。その後、本発明の引き直し抽選処理は終了する。
【0065】
ユーザが引き直し抽選を要求した場合(ステップS4:YES)、抽選手段202が、選択されたキャラクタの情報を削除したのち、その引き直しが1回目の引き直しか、2回目以降の引き直しかを判定する(ステップS5)。すなわち、ユーザが、図5の「引き直す(0オーブ)」のアイコン355、および図7の「引き直す(500オーブ)」のアイコン356のいずれのアイコンをタッチしたかが判定される。
【0066】
引き直しが2回目以降の引き直しである(ユーザがアイコン356をタッチした)場合(ステップS5:NO)には、課金管理手段203が、ユーザが所有するオーブを500減らす(ステップS7)。その後、処理はステップS2へ戻る。
【0067】
引き直しが1回目の引き直しである(ユーザがアイコン355をタッチした)場合(ステップS5:YES)には、課金管理手段203はオーブを消費させることなく、処理はステップS2へ戻る。そして、本発明の引き直し抽選処理は終了する。
【0068】
以上をまとめると、本実施形態のゲームシステム1は、
ユーザによるタッチパッド350への操作信号を受けつけてゲームを実行するゲーム装置3と、
ゲーム装置3とネットワーク4を介して接続されるサーバ装置2と、を備え、
前記ゲーム装置3は、
表示部(液晶画面)330と、
前記ユーザの操作に基づいて、前記ゲームを実行するゲーム制御部301と、
前記ユーザの操作に基づいて、複数の属性(ランク)のうちのいずれかを備える複数のゲーム媒体(キャラクタ、アイテム、カードなど)のうちのいずれかを前記ユーザに付与するために行われる抽選についての抽選要求を行う抽選要求部302と、
を備え、
前記サーバ装置2は、
前記抽選要求が前記ユーザの操作に基づいて行われたときに前記抽選を行う抽選部202、
を備え、
前記表示部330は、前記抽選によって選択された前記ゲーム媒体に関する情報のうち、いずれの前記ゲーム媒体が選択されたか前記ユーザが判別できない態様の情報である一部情報(たとえば、キャラクタのランク、キャラクタのシルエット)のみを表示し、
前記抽選要求部302は、選択された前記ゲーム媒体の前記一部情報が表示部330によって表示された後、前記ユーザの操作に基づいて、前記抽選によって選択された前記ゲーム媒体の獲得および前記抽選要求の再度の実行のいずれかを行うゲームシステムである。
【0069】
ここで、ゲーム媒体とは、ゲーム進行のためにユーザによって用いられる電子データの総称であり、たとえば、複数種類のキャラクタ、複数種類のアイテム、および複数種類のカード、仮想通貨などを含む。上記実施形態では、ゲーム媒体として、キャラクタを例に説明したが、アイテム、カード、仮想通貨などにおいても同様の処理が可能であるとともに、キャラクタ、アイテム、カード、および仮想通貨のうち2つ以上が、通常ゲーム媒体または特典ゲーム媒体として混在して適用されてもよい。
【0070】
[発明の効果]
たとえば、本実施形態のゲームシステムによれば、引き直し抽選が行われた場合には、選択されるキャラクタが良くなったり、悪くなったりする。そのため、今回の抽選結果を受けて、引き直し抽選を行うか否かをユーザが駆け引きを楽しみながら判断することになる。その結果、キャラクタなどの抽選イベントについての興趣性を従来よりも向上させることができる。
【0071】
[他の実施形態]
図8において説明した制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0072】
また、前記実施形態では、ガチャが実行されることによってキャラクタが選択される例が記載されていたが、ガチャが実行されることによりランクのみが先に選択されてもよい。この場合には、ユーザが引き直しをしないことを決定したときに、選択されたランクに基づいてサーバ装置が再度キャラクタを抽選することもできる。
【0073】
また、ガチャにより選択されたキャラクタに関する情報のうち、まずランクおよびシルエットに関する情報のみが一部情報としてゲーム装置へ送信され、その後ユーザが引き直し抽選を要求せずガチャの結果が確定したときに、キャラクタ名・画像に関する情報がゲーム装置へ送信されてもよい。
【0074】
また、前記実施形態とは異なり、ユーザが引き直し抽選を行うほど、ランクが高いキャラクタが当選しやすくなってもよい。
【0075】
また、前記実施形態では、キャラクタの属性であるランクが一部情報として表示される例が記載されていたが、水タイプ、火タイプなどのキャラクタの属性のみが一部情報として表示されてもよい。
【0076】
また、前記実施形態では、いわゆる10連ガチャの例が記載されているが、一度のガチャで1体のキャラクタが選択される通常ガチャに対しても本発明を適用することができる。
【0077】
また、前記実施形態の引き直し抽選処理は、特定の日(イベント日)のみまたは特定期間のみ実行されるようにしてもよい。
【0078】
また、ユーザが引き直し抽選を要求した場合には、当該引き直し抽選においては、引き直し抽選が行われる前のキャラクタと同一のキャラクタは選択されないようにすることもできる。
【0079】
また、抽選要求部が、ユーザの操作に基づいて、複数抽選によって選択された2つ以上のゲーム媒体のうちの一部のゲーム媒体を獲得し、残りのゲーム媒体については再度の抽選要求の実行を行うことができてもよい。すなわち、引き直し抽選により、すべてのキャラクタではなく、その一部のみが引き直されてもよい。この場合には、たとえば、ユーザは10連ガチャによって選択された10体のうちの一部である任意の4体を選択することによって当該4体のキャラクタをキープキャラクタとして、残りの6体を引き直しすることができる。
【0080】
また、この一部キープ機能を実行する場合には、ユーザはキープしようとするキャラクタ1体につき、たとえば100オーブ消費することが必要とすることができる。
【0081】
なお、キープキャラクタとしていずれのキャラクタが当選したかが引き直し抽選時に先行して表示されてもよいし、引き直し抽選後(全部のキャラクタが確定したあと)に表示されてもよい。
【0082】
また、一部キープ機能によって、特定のランクのキャラクタだけを引き直しすることができてもよい。その場合には、ユーザはそのランクを選ぶことができる。また、高いランクのキャラクタだけを引き直しすることができてもよい。この場合には、例えば、星3個のキャラクタは入れ替えることができず、星2個以下のキャラクタは入れ替えることができてもよい。また、その逆で、星3個のキャラクタは入れ換えることができ、星2個以下のキャラクタは入れ換えることができなくてもよい。
【0083】
また、ユーザが複数のキャラクタについて引き直した場合には、1体のキャラクタと交換することができてもよい。たとえば、ユーザが星1個のキャラクタ3体で引き直し抽選を実行すると、1体のキャラクタと交換することができてもよい。また、この場合、星2個以上のキャラクタから1体のキャラクタが選択されてもよい。
【0084】
また、10体のキャラクタの中で重複しているキャラクタ(同じキャラクタが2体以上)のうち、1体だけを残して、そのほかを引き直しすることができてもよい。また、重複するキャラクタ同士が自動的に合成され、1体分新たに引き直しが行われてもよい。
【0085】
ユーザが引き直し抽選を実行した場合には、引き直し前の10体、引き直し後の10体をあわせた20体が表示され、ユーザがそこから任意に10体を選択して獲得することができてもよい。
【0086】
また、キャラクタがシルエットで表示された状態、キャラクタにモザイクが入った状態、ランクに応じた色が表示された状態など、ユーザがキャラクタを想像することのできるヒントが表示されてもよい。また、選択された10体のキャラクタうち、最も多いランクの色が告知されてもよい。
【0087】
前記実施形態においては、ゲーム装置として携帯端末装置を用いた例が記載されているが、本発明はこれには限られない。たとえば、ゲームセンターなどに提供されるアーケードゲーム筐体を用いて本発明を実現することもできる。また、ゲーム装置として、家庭用のゲーム装置を用いて本発明を実現することもできる。
【0088】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置(コンピュータ)
201 情報処理手段(情報処理部)
202 抽選手段(抽選部)
3 ゲーム装置(コンピュータ)
301 ゲーム制御手段(ゲーム制御部)
302 抽選要求手段(抽選要求部)
4 通信ネットワーク(ネットワーク)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8