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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149841
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】運動補助具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/02 20060101AFI20241010BHJP
   A63B 23/14 20060101ALI20241010BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A63B23/02 Z
A63B23/14
A63B71/06 M
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024139352
(22)【出願日】2024-08-20
(62)【分割の表示】P 2020096436の分割
【原出願日】2020-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2019110545
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523471242
【氏名又は名称】アネイジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑井 太陽
(72)【発明者】
【氏名】石塚 利光
(72)【発明者】
【氏名】高木 りか
(57)【要約】
【課題】
伸縮が可能であり、左右のバランスを維持することが可能な運動補助具を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、長手方向に伸縮が可能な棒状の運動補助具であって、運動補助具の長手方向の中央に位置する基部と、基部に対して、基部の一端側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第一長さ調整部と、基部に対して、基部の該一端側とは異なる他端側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第二長さ調整部とを備え、基部と第一長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、基部と第二長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、第一長さ調整部と第二長さ調整部が、基部の長手方向の中心線に関して対称な形状であり、運動補助具が、該中心線に関して対称となるように、第一長さ調整部と第二長さ調整部の位置を固定することが可能である、運動補助具に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に伸縮が可能な棒状の運動補助具であって、
両端に、運動者の手で掴むことが可能なグリップ部と、
グリップ部の端部に、着脱可能に設けられたアタッチメント部と
を備える、
運動補助具。
【請求項2】
アタッチメント部が、括れを有している、
請求項1に記載の運動補助具。
【請求項3】
アタッチメント部が、ロープ状の補助具を通すための孔を有している、
請求項1に記載の運動補助具。
【請求項4】
運動補助具の長手方向の中央へ向かう方向を前方とした場合に、
グリップ部が、窪みを有し、かつ、該窪みよりも前方に設けられた隆起を有する、
請求項1~3のいずれかに記載の運動補助具。
【請求項5】
グリップ部が、窪みを有し、
アタッチメント部が、窪みを有し、
グリップ部の窪みを運動者の手の親指と人差し指で握ることが可能であり、かつ、アタッチメント部の窪みを該手の小指で握ることが可能である、
請求項1又は4に記載の運動補助具。
【請求項6】
グリップ部が、棒状の本体部の端部に、ねじにより取り付けられており、取り換え可能である、
請求項1~5のいずれかに記載の運動補助具。
【請求項7】
センサ
を備え、
センサが、加速度センサ及びジャイロセンサを含む、
請求項1~6のいずれかに記載の運動補助具。
【請求項8】
運動補助具の長手方向の中央に位置する基部と、
基部に対して、基部の一端側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第一長さ調整部と、
基部に対して、基部の該一端側とは異なる他端側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第二長さ調整部と
を備え、
基部と第一長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、
基部と第二長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、
第一長さ調整部と第二長さ調整部が、基部の長手方向の中心線に関して対称な形状であり、
運動補助具が、該中心線に関して対称となるように、第一長さ調整部と第二長さ調整部の位置を固定することが可能である、
請求項1~7のいずれかに記載の運動補助具。
【請求項9】
第一長さ調整部に対して、第一長さ調整部が基部と接続している側とは異なる側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第三長さ調整部と、
第二長さ調整部に対して、第二長さ調整部が基部と接続している側とは異なる側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第四長さ調整部と
を備え、
第一長さ調整部と第三長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、
第二長さ調整部と第四長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、
第三長さ調整部と第四長さ調整部が、基部の長手方向の中心線に関して対称な形状であり、
運動補助具が、該中心線に関して対称となるように、第三長さ調整部と第四長さ調整部の位置を固定することが可能である、
請求項8に記載の運動補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮が可能な運動補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
健康への意識の高まりから、様々なトレーニング方法やトレーニング用の運動補助具が提案されている。例えば、背伸びや体を前後左右に反らしたり、体を捻る等の軽運動をする際に、運動の効果をより高める為に両手に持って使用する運動補助具が開示されている(特許文献1参照)。より具体的には、特許文献1では、両端に指掛け部を設けた2個の円筒状のグリップ部に軸棒を通し、軸棒の両端にストッパー部を取り付けることで、グリップ部をスライドさせることが可能な運動補助具が開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1では、グリップ部をスライドさせることが可能であるものの、運動補助具の長さを変えることができるものではなかった。そのため、この運動補助具を利用できる運動も限定的なものとなり、より多くの運動において、棒状の運動補助具を利用するためには、長さの異なる複数の運動補助具を用意する必要があった。
【0004】
また、棒状で伸縮が可能な運動補助具であっても、棒状の運動補助具の両端をそれぞれの手に持って運動を行うような場合に、左右でバランスが異なるものであれば、両手、両腕、両肩等にかかる負荷は異なるものとなり、適切な運動を提供できるものとはならない、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-195904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、伸縮が可能であり、左右のバランスを維持することが可能な運動補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下により、上記の課題を解決するものである。
[1]長手方向に伸縮が可能な棒状の運動補助具であって、運動補助具の長手方向の中央に位置する基部と、基部に対して、基部の一端側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第一長さ調整部と、基部に対して、基部の該一端側とは異なる他端側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第二長さ調整部とを備え、基部と第一長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、基部と第二長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、第一長さ調整部と第二長さ調整部が、基部の長手方向の中心線に関して対称な形状であり、運動補助具が、該中心線に関して対称となるように、第一長さ調整部と第二長さ調整部の位置を固定することが可能である、運動補助具;
[2]第一長さ調整部に対して、第一長さ調整部が基部と接続している側とは異なる側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第三長さ調整部と、第二長さ調整部に対して、第二長さ調整部が基部と接続している側とは異なる側から長手方向にスライドして移動させることが可能な第四長さ調整部とを備え、第一長さ調整部と第三長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、第二長さ調整部と第四長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、第三長さ調整部と第四長さ調整部が、基部の長手方向の中心線に関して対称な形状であり、運動補助具が、該中心線に関して対称となるように、第三長さ調整部と第四長さ調整部の位置を固定することが可能である、[1]に記載の運動補助具;
[3]基部が円柱状又は円筒状であり、第一長さ調整部が、円筒状であり、基部に対して長手方向を軸として回動させることが可能であり、且つ、基部の前記一端側から基部を挿入することが可能であり、第二長さ調整部が、円筒状であり、基部に対して長手方向を軸として回動させることが可能であり、且つ、基部の前記他端側から基部を挿入することが可能である、[1]又は[2]に記載の運動補助具;
[4]基部又は第一長さ調整部を、長手方向を軸として回動することにより、基部と第一長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、基部又は第二長さ調整部を、長手方向を軸として回動することにより、基部と第二長さ調整部を任意の位置で固定することが可能である、[1]~[3]のいずれかに記載の運動補助具;
[5]第三長さ調整部が、円筒状であり、第一長さ調整部に対して長手方向を軸として回動させることが可能であり、且つ、第一長さ調整部の前記異なる側から第一長さ調整部を挿入することが可能であり、第四長さ調整部が、円筒状であり、第二長さ調整部に対して長手方向を軸として回動させることが可能であり、且つ、第二長さ調整部の前記異なる側から第二長さ調整部を挿入することが可能である、[3]又は[4]に記載の運動補助具;
[6]第一長さ調整部又は第三長さ調整部を、長手方向を軸として回動することにより、第一長さ調整部と第三長さ調整部を任意の位置で固定することが可能であり、第二長さ調整部又は第四長さ調整部を、長手方向を軸として回動することにより、第二長さ調整部と第四長さ調整部を任意の位置で固定することが可能である、[3]~[5]のいずれかに記載の運動補助具;
[7]一端又は両端が、異なる種類のアタッチメント部を着脱可能である、[1]~[6]のいずれかに記載の運動補助具;
[8]基部の長手方向の中央へ向かう方向を前方とした場合に、第一長さ調整部において、第一長さ調整部の前端に第一把持部が設けられており、第二長さ調整部において、第二長さ調整部の前端に第二把持部が設けられており、第一把持部と第二把持部が最も近づくように、第一長さ調整部及び/又は第二長さ調整部をスライドして移動させた場合に、第一把持部と第二把持部が接触しない、[1]~[7]のいずれかに記載の運動補助具;
[9]基部の長手方向の中央へ向かう方向を前方とした場合に、第三長さ調整部において、第三長さ調整部の前端に第三把持部が設けられており、第四長さ調整部において、第四長さ調整部の前端に第四把持部が設けられており、第一把持部と第三把持部が最も近づくように、第一長さ調整部及び/又は第三長さ調整部をスライドして移動させた場合に、第一把持部と第三把持部が接触せずに、第二把持部と第四把持部が最も近づくように、第二長さ調整部及び/又は第四長さ調整部をスライドして移動させた場合に、第二把持部と第四把持部が接触しない、[2]~[8]のいずれかに記載の運動補助具;
[10]基部の長手方向の中心線に関して対称となるように、基部、第一長さ調整部、第二長さ調整部、第三長さ調整部及び/又は第四長さ調整部の表面に、2種類以上の異なる色による配色及び/又は2種類以上の異なる模様が施されている、[1]~[9]のいずれかに記載の運動補助具;
[11]基部の長手方向の中心線に関して対称となるように、基部、第一長さ調整部、第二長さ調整部、第三長さ調整部及び/又は第四長さ調整部の表面に、2種類以上の異なる色及び/又は2種類以上の異なる模様のグラデーションが施されている、[10]に記載の運動補助具;
[12]基部、第一長さ調整部、第二長さ調整部、第三長さ調整部及び/又は第四長さ調整部の表面に、目盛りの機能を果たす模様及び/又は配色が施されている、[1]~[11]のいずれかに記載の運動補助具。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、伸縮が可能であり、左右のバランスを維持することが可能な運動補助具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態にかかる運動補助具の一例を表す図である。
図2】本発明の実施の形態にかかる運動補助具の一例を表す図である。
図3】本発明の実施の形態にかかるアタッチメント部の一例を表す図である。
図4】本発明の実施の形態にかかるアタッチメント部の一例を表す図である。
図5】本発明の実施の形態にかかる運動補助具の使用例を表す図である。
図6】本発明の実施の形態にかかる運動補助具の使用例を表す図である。
図7】本発明の実施の形態にかかる運動補助具の使用例を表す図である。
図8】本発明の実施の形態にかかる運動補助具の模様の一例を表す図である。
図9】本発明の実施の形態にかかる運動補助具の配色の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面等を用いて本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態にかかる運動補助具の一例を表す図である。運動補助具1は、基部10、第一長さ調整部11、第二長さ調整部12、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14を備える。基部10、第一長さ調整部11、第二長さ調整部12、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14のそれぞれの素材は、本発明の趣旨に反しない限り特に限定されないが、例えば、アルミニウムやチタンなどの金属や、塩化ビニル樹脂やアクリル樹脂などの樹脂など、軽くて高い強度を有する素材を用いることが好ましい。
【0012】
基部10は、円柱状又は円筒状の形状を有しており、運動補助具1の長手方向の中央に位置する。基部10の外径は、12mm以上であることが好ましく、14mm以上であることがより好ましい。また、基部10の外径は、18mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましい。
【0013】
第一長さ調整部11は円筒状である。第一長さ調整部11の外径は、15mm以上であることが好ましく、17mm以上であることがより好ましい。また、第一長さ調整部11の外径は、23mm以下であることが好ましく、21mm以下であることがより好ましい。第一長さ調整部11は、基部10に対して、基部10の一端側から長手方向にスライドして移動させることが可能である。第一長さ調整部11の円筒の内径は、基部10の外径よりも大きく、基部10を、基部10の一端側からスライドさせて、第一長さ調整部11内に挿入することが可能である。
【0014】
第一長さ調整部11は、基部10に対して長手方向を軸として回動させることが可能である。なお、基部10を手に持って固定したうえで、第一長さ調整部11を回動させることができるだけでなく、第一長さ調整部11を手に持って固定したうえで、基部10を回動させることも可能である。基部10又は第一長さ調整部11を一方向に回動させることで、基部10と第一長さ調整部11を任意の位置で固定することができる。また、その逆方向に回動させることで、基部10と第一長さ調整部11が固定されていた状態を解除し、再度、基部10と第一長さ調整部11をスライドさせることが可能となる。
【0015】
基部10と第一長さ調整部11を固定する機構としては、公知の機構を採用することができる。前記固定する機構は、基部10の両端に設けられており、基部10に対して第一長さ調整部11を回動させることにより、第一長さ調整部11の円筒の内側面と接している前記固定する機構が長手方向を軸として回転し、この回転に伴い前記固定する機構に備えられたコマが外周に向けて押し広げられることで、基部10と第一長さ調整部11を固定させることができる。コマを押し広げる方式としては、螺子を利用する方式や偏心軸を利用する方式を採用することができる(例えば、特開2001-112561号公報で開示された機構を採用することができる)。
【0016】
第一長さ調整部11において、基部10の長手方向の中心線へ向かう方向を前方とし、長手方向の中心線から離れる方向を後方とした場合、第一長さ調整部11の前端には、把持部11aが設けられている。運動者は、基部10を片手で持ちながら、もう片方の残りの手で、把持部11aを掴んで回動させることで、基部10と第一長さ調整部11の固定と、固定の解除を行うことができる。把持部11aには、例えば、アクリルゴムなどのゴム製の滑りにくい素材を用いることが好ましい。以下、他の把持部12a、13a、14aについても同様である。
【0017】
また、運動補助具1は、基部10と第一長さ調整部11の固定が行われるときに、基部10と第一長さ調整部11が固定されたことが運動者に認識されるような、音などを生じることが好ましい。基部10と第一長さ調整部11の固定が行われるときに音を生じるためには、第一長さ調整部11の円筒の内側に所定の薬品(第一長さ調整部11の素材に応じた薬品を利用)を塗布する、又は擦り加工を施すなどの表面処理を行い、第一長さ調整部11の内側の表面をざらつかせることが考えられる。このような処理を行うことにより、基部の表面と、第一長さ調整部11の内側の表面とが接した際に、摩擦により音を生じるようにすることが可能である。なお、基部の側面の表面に対して同様の表面処理を行うことで、固定の際に音が生じるようにすることも可能であるが、この場合、運動者が触れる部分がざらつくことになるため、表面処理は、第一長さ調整部11の内側の表面であることが好ましい。基部10と第一長さ調整部11の固定が行われるときに音を生じることで、運動者が過度に把持部11aを回転させ、前記固定する機構が破損することを防ぐことができる。以下、他の把持部を回転させ、基部と長さ調整部、又は長さ調整部と長さ調整部を固定する際についても、上記と同様の方法を用いて、音を生じさせることが可能である。
【0018】
第一長さ調整部11と同様に、第二長さ調整部12は円筒状である。第二長さ調整部12の外径は、第一長さ調整部11の外径と同一である。第二長さ調整部12は、基部10に対して、基部10の前記一端側とは異なる他端側から長手方向にスライドして移動させることが可能である。第二長さ調整部12の円筒の内径は、基部10の外径よりも大きく、基部10を、基部10の他端側からスライドさせて、第二長さ調整部12内に挿入することが可能である。
【0019】
第二長さ調整部12は、基部10に対して長手方向を軸として回動させることが可能である。基部10又は第二長さ調整部12を一方向に回動させることで、基部10と第二長さ調整部12を任意の位置で固定することができる。基部10と第二長さ調整部12を固定する機構としては、前記公知の機構を採用することができる。
【0020】
第二長さ調整部12において、基部10の長手方向の中心線へ向かう方向を前方とし、長手方向の中心線から離れる方向を後方とした場合、第二長さ調整部12の前端には、把持部12aが設けられている。運動者は、基部10を片手で持ちながら、もう片方の残りの手で、把持部12aを掴んで回動させることで、基部10と第二長さ調整部12の固定と、固定の解除を行うことができる。
【0021】
第一長さ調整部11と第二長さ調整部12は、基部10の長手方向の中心線に関して対称な形状である。運動補助具1は、該中心線に関して対称となるように、第一長さ調整部11と第二長さ調整部12の位置を固定することが可能である。例えば、第一長さ調整部11の前端と該中心線との距離、そして、第二長さ調整部12の前端と該中心線との距離が同一となる場合に、運動補助具1は左右対称となる。運動者は、運動補助具1が所望の長さになるように、また、運動補助具1の左右のバランスがとれた状態となるように、第一長さ調整部11と第二長さ調整部12の位置をコントロールすることができる。
【0022】
第三長さ調整部13は円筒状である。第三長さ調整部13の外径は、18mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがより好ましい。また、第三長さ調整部13の外径は、26mm以下であることが好ましく、24mm以下であることがより好ましい。第三長さ調整部13は、第一長さ調整部11に対して、第一長さ調整部11の後端側から長手方向にスライドして移動させることが可能である。第三長さ調整部13の円筒の内径は、第一長さ調整部11の外径よりも大きく、第一長さ調整部11を、第一長さ調整部11の後端側からスライドさせて、第三長さ調整部13内に挿入することが可能である。
【0023】
第三長さ調整部13は、第一長さ調整部11に対して長手方向を軸として回動させることが可能である。第一長さ調整部11又は第三長さ調整部13を一方向に回動させることで、第一長さ調整部11と第三長さ調整部13を任意の位置で固定することができる。また、その逆方向に回動させることで、第一長さ調整部11と第三長さ調整部13が固定されていた状態を解除し、再度、第一長さ調整部11と第三長さ調整部13をスライドさせることが可能となる。第一長さ調整部11と第三長さ調整部13を固定する機構としては、公知の機構を採用することができる。
【0024】
第三長さ調整部11において、基部10の長手方向の中心線へ向かう方向を前方とし、長手方向の中心線から離れる方向を後方とした場合、第三長さ調整部13の前端には、把持部13aが設けられている。運動者は、第一長さ調整部11を片手で持ちながら、もう片方の残りの手で、把持部13aを掴んで回動させることで、第一長さ調整部11と第三長さ調整部13の固定と、固定の解除を行うことができる。
【0025】
第四長さ調整部14は円筒状である。第四長さ調整部14の外径は、第三長さ調整部13の外径と同様である。第四長さ調整部14は、第二長さ調整部12に対して、第二長さ調整部12の後端側から長手方向にスライドして移動させることが可能である。第四長さ調整部14の円筒の内径は、第二長さ調整部12の外径よりも大きく、第二長さ調整部12を、第二長さ調整部12の後端側からスライドさせて、第四長さ調整部14内に挿入することが可能である。
【0026】
第四長さ調整部14は、第二長さ調整部12に対して長手方向を軸として回動させることが可能である。第二長さ調整部12又は第四長さ調整部14を一方向に回動させることで、第二長さ調整部12と第四長さ調整部14を任意の位置で固定することができる。また、その逆方向に回動させることで、第二長さ調整部12と第四長さ調整部14が固定されていた状態を解除し、再度、第二長さ調整部12と第四長さ調整部14をスライドさせることが可能となる。第二長さ調整部12と第四長さ調整部14を固定する機構としては、公知の機構を採用することができる。
【0027】
第四長さ調整部14において、基部10の長手方向の中心線へ向かう方向を前方とし、長手方向の中心線から離れる方向を後方とした場合、第四長さ調整部14の前端には、把持部14aが設けられている。運動者は、第二長さ調整部12を片手で持ちながら、もう片方の残りの手で、把持部14aを掴んで回動させることで、第二長さ調整部12と第四長さ調整部14の固定と、固定の解除を行うことができる。
【0028】
第三長さ調整部13と第四長さ調整部14は、基部10の長手方向の中心線に関して対称な形状である。運動補助具1は、該中心線に関して対称となるように、第三長さ調整部13と第四長さ調整部14の位置を固定することが可能である。例えば、第一長さ調整部11の前端と該中心線との距離、そして、第二長さ調整部12の前端と該中心線との距離が同一となり、且つ、第三長さ調整部13の前端と第一長さ調整部11の前端との距離、そして、第四長さ調整部14の前端と第二長さ調整部12の前端との距離が同一となる場合に、運動補助具1は左右対称となる。
【0029】
そのため、運動者は、運動補助具1が所望の長さになるように、また、運動補助具1の左右のバランスがとれた状態となるように、第一長さ調整部11、第二長さ調整部12、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14の位置をコントロールすることができ、身体の対象性にこだわった運動を行うことができる。
【0030】
本発明の運動補助具1は、長くして使用し、すぐに短くして使用するなど、長さの調整を速やかに行うことができるため、1つの運動から次の運動へ間をあけずに、移行することができる。
【0031】
また、本発明の運動補助具1は、運動者の身長や体格にあわせて適切な長さに調整をすることができるため、運動者に代償運動をさせることなく運動させることができる。
【0032】
なお、基部10、第一長さ調整部11、第二長さ調整部12、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14のそれぞれの表面に、等間隔で目盛りを付すことができる。或いは、目盛りは、基部10、第一長さ調整部11、第二長さ調整部12、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14のうち、1以上のいずれかの表面に付されていることとしてもよい。また、目盛りは、表面全体に付されていることとしてもよく、表面の一部に付されていることとしてもよい。このように目盛りを付すことで、運動補助具1の長さを調整する際の目安とすることができる。運動補助具1の長さをいつも同じ長さにして運動をしていれば、例えば、いつもは難なくできるはずなのに、適切に運動ができないようなことがあれば、その日はいつもに比べ身体の状態がよくない状態であるなど、その日の身体の状態の良し悪しを把握することも可能となる。また、身体の柔軟な人ほど、同じ運動をする場合でも、運動補助具1をより短くすることができるため、或いは、より長くすることができるため、身体の柔軟性を容易に数値化することが可能となる。
【0033】
運動補助具1の表面に付されている目盛りは、目盛りの機能を果たす模様及び/又は配色として、基部10、第一長さ調整部11、第二長さ調整部12、第三長さ調整部13及び/又は第四長さ調整部14の表面に施されていてもよい。また、目盛りの機能を果たす模様及び/又は配色は、2種類以上の異なる間隔を有する、2種類以上の異なる模様及び/又は配色であってもよい。これらの模様は、基部10の長手方向の中心線に関して対称であることが好ましい。このような模様及び/又は配色が施されていることで、運動補助具1の美観を損なわずに、長さを調整することが可能となる。
【0034】
図8は、本発明の実施の形態にかかる運動補助具の模様の一例を表す図である。図8において、運動補助具1には、幾何学模様21と、ジグザグ線22の2種類の模様が施されている。幾何学模様21は、正六角形が重なり合うような模様であるが、幾何学模様21中の基部10の長手方向の中心線と平行な複数の線が、1cmの間隔になるように描かれている。また、ジグザグ線22は、ジグザグ線22同士が5cmの間隔になるように描かれている。運動者は、運動補助具1の長さを大幅に変更したいときには5cmの間隔のジグザグ線22を参照し、運動補助具1の長さを細かく変更したいときには1cmの間隔の幾何学模様21を参照することができる。
【0035】
さらに、基部10、第一長さ調整部11、第二長さ調整部12、第三長さ調整部13及び/又は第四長さ調整部14の表面には、基部10の長手方向の中心線に関して対称となるように、2種類以上の異なる色による配色及び/又は2種類以上の異なる模様が施されていてもよい。また、2種類以上の異なる色による配色及び/又は2種類以上の異なる模様は、2種類以上の異なる色及び/又は2種類以上の異なる模様のグラデーションであってもよい。このような配色及び/又は模様が施されていることで、目盛りを正確に数えなくても、運動者が視覚的に運動補助具1を左右のバランスが取れた状態であるか否かを把握することができる。
【0036】
図9は、本発明の実施の形態にかかる運動補助具の配色の一例を表す図である。図9に示すように、運動補助具1は、基部10の長手方向の中心線に関して対称となるように、異なる色によるグラデーションが施されている。このような配色が施されていることで、基部10の長手方向の中心線からの距離を視覚的に把握しやすくなり、運動者が運動補助具1を左右のバランスが取れた状態にすることが容易になる。
【0037】
第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14の後端には、グリップ部15a、15bがそれぞれ設けられている。運動補助具1の長さが比較的短く調整されている場合に、運動者は、例えば、右手でグリップ部15aを掴み、左手でグリップ部15bを掴むことができる。グリップ部15a、15bは、グリップ部15の長手方向の中央から前方において、なだらかな窪み16a、16bを有している。窪み16a、16bを掴むように人差し指と親指で輪をつくり、手のひらと他の指で、窪み16a、16b以外のグリップ部15a、15bの領域を掴むことで、グリップ部15a、15bを手にフィットさせることができる。このような握りやすいグリップ部15a、15bを有することで、力みなく運動を行うことができるため、可動性を高める運動がしやすい。
【0038】
グリップ部15a、15bには、図1に示すように、窪み16a、16bよりも前方に、隆起20a、20bが設けられている。グリップ部15a、15bに隆起20a、20bが設けられていることで、運動者は、人差し指と親指で輪をつくり、隆起20a、20bに引っ掛けるなどの方法で、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14の後端を容易に掴むことができる。このような握りやすいグリップ部15a、15bを有することで、力みなく運動を行うことができるため、可動性を高める運動がしやすい。
【0039】
また、グリップ部15a、15bは、ねじにより第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14に取り付けられていることが好ましい。グリップ部15a、15bがねじにより取り付けられていることで、運動者がグリップ部15の後方に力がかかるような運動を行った際にも、グリップ部15が外れることなく、安全に使用することができる。なお、グリップ部15がねじにより取り付けられている場合、ねじ部がグリップ部15a、15bに設けられており、ねじ穴が第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14に設けられている構造としてもよく、ねじ部が第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14に設けられており、ねじ穴がグリップ部15a、15bに設けられている構造としてもよい。グリップ部15a、15bが第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14に接着されておらず、ねじにより取り付けられていることで、グリップ部15a、15bが摩耗した際には、グリップ部15a、15bを取り換えることも可能である。
【0040】
グリップ部15a、15bの後端には、アタッチメント部17a、17bが設けられている。アタッチメント部17a、17bは、運動補助具1の両端に位置する。アタッチメント部17a、17bは、グリップ部15a、15bとなだらかな曲面(アタッチメント部とグリップ部との間に生じる溝は除く)を構成するような形状とすることができる。このように、アタッチメント部17a、17bは、グリップ部15a、15bが、該溝を除いて不連続とならないような、なだらかな曲面を構成することで、手の大きい人であっても、グリップ部15a、15bだけでなくアタッチメント部17a、17bの側面を利用して、運動補助具1をしっかりと握ることができる。
【0041】
アタッチメント部17a、17bは着脱可能である。アタッチメント部17a、17bの形状は、その用途にあわせて適宜変更することができる。アタッチメント部17a、17bは、第三長さ調整部13及び第4長さ調整部14の円筒の外径と同一の内径を有する円柱状の嵌合穴を有している。運動者は、アタッチメント部17a、17bの有する嵌合穴に、第三長さ調整部13及び第4長さ調整部14の円筒を嵌合させることで、アタッチメント部17a、17bを運動補助具1に固定することができる。また、必要に応じて、取り外し、他の形状をしたアタッチメント部と取り替えることができる。或いは、アタッチメント部17a、17bは、グリップ部15a、15bに直接嵌合し、固定できるような構造であってもよい。特に、グリップ部15a、15bが、ねじにより第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14に取り付けられているときには、このような構造であることが好ましい。
【0042】
図3は、本発明の実施の形態にかかるアタッチメント部の一例を示す図である。アタッチメント部17cは、アタッチメント部17a、17bと同一の形状を有するもので、運動補助具1から取り外したものである。アタッチメント部17cは、円柱状の嵌合穴18を有しており、第三長さ調整部13及び第4長さ調整部14の円筒を嵌合させることで、運動補助具1に固定することができる。或いは、アタッチメント部17cは、グリップ部15a、15bに直接嵌合し、固定できるような構造であってもよい。特に、グリップ部15a、15bが、ねじにより第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14に取り付けられているときには、このような構造であることが好ましい。アタッチメント部17cの底面は曲面となっており、手のひらの中央にアタッチメント部17cの底面が接するような状態で把持する場合でも、違和感なく運動補助具1を把持することができる。
【0043】
図4は、本発明の実施の形態にかかるアタッチメント部の一例を示す図である。アタッチメント部17dは、円柱状の嵌合穴18を有しており、第三長さ調整部13及び第4長さ調整部14の円筒を嵌合させることで、運動補助具1に固定することができる。或いは、アタッチメント部17dは、グリップ部15a、15bに直接嵌合し、固定できるような構造であってもよい。特に、グリップ部15a、15bが、ねじにより第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14に取り付けられているときには、このような構造であることが好ましい。アタッチメント部17dの底面は、滑らかな曲面とせずに、複数の段差を設けることで、運動補助具1を床に立てて使用したり、壁に当てて使用した場合でも、滑りにくくなる。また、アタッチメント部17dは括れ19を有しており、アタッチメント部17dの接地面に対して斜めになるような状態で運動補助具1を使用したとしても、アタッチメント部17dが運動補助具1にあわせて傾斜するため、接地面から滑ることを抑制することができる。
【0044】
その他、アタッチメント部17a、17bとして、例えば、ロープ状ゴムやロープなどの補助具を通す孔を有するものを利用することができる。ロープ状ゴムの一端を、運動補助具1の一端のアタッチメントで固定し、また、ロープ状ゴムの他端を、運動補助具1の他端のアタッチメント部で固定することができる。このようにすることで、例えば、運動者が床に仰向けになり、運動者の背中と床の間で、左右方向にゴムが横切るようにし、運動者が、運動補助具1の両端をそれぞれの手でつかんで、運動補助具1を上下させることで、ベンチプレスをするような運動をすることができる。このようなアタッチメント部を利用することで、ベンチプレスのような重いものを使用しなくても、運動者に負荷をかけた運動をさせることができる。
【0045】
或いは、アタッチメント部17a、17bとして、例えば、窪み16a、16bのような窪みを有するものを利用することができる。グリップ部15、及びアタッチメント部17の双方が窪みを有することで、グリップ部15の窪みを親指と人差し指で、アタッチメント部17の窪みを小指で握ることが可能となる。このようにグリップ部15、及びアタッチメント部17を握ることで、運動補助具1を動かす際に、窪みに指が引っかかり、安定してグリップ部15、及びアタッチメント部17を握ることが可能となる。
【0046】
図2は、本発明の実施の形態にかかる運動補助具1の一例を表す図である。図2に示すように、第一長さ調整部11の前端(把持部11aの前端)及び第二長さ調整部12の前端(把持部12aの前端)が、基部10の長手方向の中心線に位置するようにし、さらに、第三長さ調整部13の前端(把持部13aの前端)が、第一長さ調整部11の把持部11aの後端に位置し、第四長さ調整部14の前端(把持部14aの前端)が、第二長さ調整部12の把持部12aの後端に位置するように長さ調整をした場合に、本発明の運動補助具1は、最も短い状態となる。この場合、第一長さ調整部11は第三長さ調整部13に内包され、第二長さ調整部12は第四長さ調整部14に内包されており、さらに、基部10は、第一長さ調整部11及び第二長さ調整部12に内包されている。そのため、外側から、基部10、第一長さ調整部11及び第二長さ調整部12を視認することはできない。
【0047】
或いは、図示はしないが、運動補助具1は、把持部11aの前端と把持部12aの前端が最も近づくように、第一長さ調整部11及び/又は第二長さ調整部12をスライドして移動させた場合に、把持部11aの前端と把持部12aの前端が接触しないような構造であってもよい。また、運動補助具1は、把持部11aの後端と把持部13aの前端が最も近づくように、第一長さ調整部11及び/又は第三長さ調整部13をスライドして移動させた場合に、把持部11aの後端と把持部13aの前端が接触せずに、把持部12aの後端と把持部14aの前端が最も近づくように、第二長さ調整部12及び/又は第四長さ調整部14をスライドして移動させた場合に、把持部12aの後端と把持部14aの前端が接触しないような構造であってもよい。この場合、本発明の運動補助具1が最も短い状態となったときにも、外側から、基部10、第一長さ調整部11及び第二長さ調整部12を視認することができる。このような構造とすることで、運動補助具1を短くする際に、運動者が把持部と把持部の間に指などを挟まないようにすることができる。
【0048】
一方、図1に示すように、第一長さ調整部11の前端(把持部11aの前端)及び第二長さ調整部12の前端(把持部12aの前端)が、基部10の長手方向の後端近傍に位置するようにし、さらに、第三長さ調整部13の前端(把持部13aの前端)が、第一長さ調整部11の後端近傍に位置し、第四長さ調整部14の前端(把持部14aの前端)が、第二長さ調整部12の後端近傍に位置するように長さ調整をした場合に、本発明の運動補助具1は、最も長い状態となる。
【0049】
本発明の運動補助具1の大きさは、使用の対象となる運動者の属性に応じて、適宜設計することができるが、本発明の趣旨に反しない限り、特に限定されない。最も短い状態に固定した場合の運動補助具1の長さは、550mm以上であることが好ましく、600mm以上であることがより好ましい。また、最も短い状態に固定した場合の運動補助具1の長さは、700mm以下であることが好ましく、750mm以下であることがより好ましい。
【0050】
最も長い状態に固定した場合の運動補助具1の長さは、1300mm以上であることが好ましく、1350mm以上であることがより好ましい。また、最も長い状態に固定した場合の運動補助具1の長さは、1500mm以下であることが好ましく、1450mm以下であることがより好ましい。
【0051】
本実施の形態では、運動補助具1は、基部10、第一長さ調整部11、第二長さ調整部12、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14を備える構成としたが、例えば、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14を有さず、基部10、第一長さ調整部11及び第二長さ調整部12のみで長さの調整を行うことができるような構成としてもよい。また、基部10、第一長さ調整部11、第二長さ調整部12、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14の他、さらに、第三長さ調整部13及び第四長さ調整部14のそれぞれの後端側に、他の長さ調整部を備えるような構成としてもよい。
【0052】
次に、本発明の運動補助具の使用例について、説明する。図5~7は、本発明の実施の形態にかかる運動補助具の使用例を表す図である。図5では、運動者2が、運動補助具1の両端をそれぞれの手で掴み、前方へ両腕を伸ばした状態から、両腕を曲げずに、運動保護具1を運動者2の頭上、そして後方へ移動させ、また、後方から頭上、そして前方へ移動させる運動を行っている。運動者2の柔軟性が高い場合は、運動補助具1の長さをより短く調整することができ、運動者2の柔軟性が低い場合は、運動補助具1の長さをより長く調整する。
【0053】
図6(a)に示す運動は、運動補助具1の両端をそれぞれの手で掴み、前方へ両腕を伸ばした状態から、両腕を曲げずに、運動者から視て、運動補助具1が左回りになるように回転させ、左手が下側で右手が上側となる状態へ移行し、さらに、両腕を交差させて、左手が右側で右手が左側となる状態へと移行するものである。さらに、両腕を交差させた状態から、運動補助具1が右回りになるように回転させ、前方へ両腕を伸ばした状態にまで戻す。そして、図6(b)で示すように、運動補助具1の両端をそれぞれの手で掴み、前方へ両腕を伸ばした状態から、運動補助具1が両腕を曲げずに運動者から視て右回りになるように回転させ、右手が下側で左手が上側となる状態へ移行し、さらに、両腕を交差させて、右手が左側で左手が右側となる状態へと移行する。さらに、両腕を交差させた状態から、運動補助具1が左回りになるように回転させ、前方へ両腕を伸ばした状態にまで戻す。運動者2の柔軟性が高い場合は、運動補助具1の長さをより長く調整することができ、運動者2の柔軟性が低い場合は、運動補助具1の長さをより短く調整する。
【0054】
図7では、運動補助具1の一端を床に接地させ、運動者2が、運動補助具1の上側の他端に両手を乗せ、両腕、背中、両脚を伸ばした状態でストレッチを行っている。このような運動補助具1の一端を床に接地させるような場合は、図4で示すアタッチメント17dのような括れを有するものを用いることが好ましい。括れを有するアタッチメント17を用いることで、アタッチメント17がしなり、床との接地面が広くなるため、安定して運動補助具1を傾けることができる。また、括れを有するアタッチメント17には、例えば、熱可塑性エラストマーなどの固めの素材を用いることが好ましい。
【0055】
また、運動補助具1は、内部にセンサを備えていることが好ましい。運動補助具1は、例えば、加速度センサ、及びジャイロセンサを備えることで、運動者が運動補助具1を動かした際の、運動補助具1の軌道を計測することができる。この際、加速度センサ、及びジャイロセンサは、運動補助具1の左右、基部10の長手方向の中心線に関して対称な位置に1つずつ備えられていることが好ましい。センサが備えられる位置は、グリップ部15、アタッチメント部17、長さ調整部、把持部、基部10のいずれであってもよい。運動者が運動補助具1を動かした際の、運動補助具1の軌道を計測できることで、運動者は、指導者に指導された際の運動補助具1の軌道など、運動補助具1の理想となる、基準となる軌道をスマートフォンやパソコンに記憶させ、自主的に運動をする際に、指導者に指導された際の運動補助具1の軌道を再現できているかを確認しながら運動を行うことが可能となる。また、運動者が指導者に指導されている際にも、運動補助具1の高さを変えずに水平に動かすことができているか、運動補助具1の左右を同じ軌道で動かすことができているかなどを正確に評価することが可能となる。また、運動補助具1を正しく動かせていないときには、音や表示画面の表示などでその旨が通知されることとしてもよい。音や表示画面の表示などによる通知は、スマートフォンやパソコンによって行うことが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 運動補助具
10 基部
11 第一長さ調整部
11a 把持部
12 第二長さ調整部
12a 把持部
13 第三長さ調整部
13a 把持部
14 第四長さ調整部
14a 把持部
15 グリップ部
16 窪み
17 アタッチメント部
18 嵌合穴
19 括れ
20 隆起
2 運動者
21 幾何学模様
22 ジグザグ線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9