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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149936
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】給湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20241016BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20241016BHJP
   F24H 15/14 20220101ALI20241016BHJP
   F24H 15/20 20220101ALI20241016BHJP
   F24H 15/355 20220101ALI20241016BHJP
   F24H 15/30 20220101ALI20241016BHJP
【FI】
F24H15/196 301L
A47K3/00 Q
A47K3/00 K
A47K3/00 F
A47K3/00 E
F24H15/14
F24H15/20
F24H15/355
F24H15/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063121
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 誠
【テーマコード(参考)】
3L024
【Fターム(参考)】
3L024CC03
3L024DD35
3L024GG50
3L024HH38
(57)【要約】
【課題】浴槽壁を効果的に洗浄することが可能な給湯システムを提供することを目的とする。
【解決手段】給湯システムは、湯水を生成する給湯装置と、浴槽に湯水を供給する給湯アダプタと、浴槽の壁である浴槽壁を洗浄するための洗浄装置と、給湯アダプタ又は洗浄装置の何れかが接続される接続部と、給湯装置と接続部とを接続する配管と、給湯装置を制御する制御装置と、を備え、接続部は、給湯アダプタ又は洗浄装置の何れが接続されているかを識別する識別部を有し、制御装置は、識別部の識別結果に応じて、湯水に混入させる気泡の大きさ、気泡の量、又は湯水の温度の少なくとも何れか一つを調整する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を生成する給湯装置と、
浴槽に前記湯水を供給する給湯アダプタと、
前記浴槽の壁である浴槽壁を洗浄するための洗浄装置と、
前記給湯アダプタ又は前記洗浄装置の何れかが接続される接続部と、
前記給湯装置と前記接続部とを接続する配管と、
前記給湯装置を制御する制御装置と、を備え、
前記接続部は、前記給湯アダプタ又は前記洗浄装置の何れが接続されているかを識別する識別部を有し、
前記制御装置は、前記識別部の識別結果に応じて、前記湯水に混入させる気泡の大きさ、前記気泡の量、又は前記湯水の温度の少なくとも何れか一つを調整する給湯システム。
【請求項2】
前記洗浄装置は、
前記接続部に接続される結合部と、
前記湯水を吐出する洗浄部と、
前記結合部と前記洗浄部とを接続する導管と、を備える請求項1に記載の給湯システム。
【請求項3】
前記導管は、前記浴槽の長尺寸法をL、短尺寸法をW、高さ寸法をHとした場合、下記の式で求められる長さL以上の長さを有している請求項2に記載の給湯システム。
=(L+W+H0.5
【請求項4】
前記洗浄部は、前記浴槽壁の汚れを検知する汚れ検知部を有し、
前記制御装置は、前記汚れ検知部の検知結果に応じて、前記気泡の大きさ、前記気泡の量、又は前記湯水の温度の少なくとも何れか一つを調整する請求項2又は3に記載の給湯システム。
【請求項5】
前記気泡を発生し、前記湯水に前記気泡を混入させる気泡発生装置をさらに備え、
前記洗浄部は、前記気泡の大きさ又は量を検知する気泡検知部を有し、
前記制御装置は、前記気泡検知部の検知結果に応じて、前記気泡発生装置を制御し、前記気泡の大きさ又は前記気泡の量の少なくとも何れか一つを調整する請求項2又は3に記載の給湯システム。
【請求項6】
前記洗浄装置は、前記洗浄部を回転する回転機構を有する請求項2又は3に記載の給湯システム。
【請求項7】
前記洗浄装置は、前記洗浄部から吐出される前記湯水に洗浄剤を混合する洗浄剤混合部を有する請求項2又は3に記載の給湯システム。
【請求項8】
前記導管は、延長管を接続する連結部を有する請求項2又は3に記載の給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浴槽に湯水を供給する給湯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯装置で加熱した湯水を浴槽に供給し、入浴又は洗浄に利用する給湯システムが知られている。例えば、特許文献1には、浴槽の表層水を吸い取る汚れ吸い取り運転と、給湯装置からの清浄な湯水によって浴槽を洗浄する注水洗浄動作と、を実施する給湯システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-92433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、入浴後の浴槽壁は、皮脂、湯垢、又は繊維状のほこりなどの異物の付着により汚れている。これに対し、特許文献1の洗浄方法では、浴槽内の湯水の汚れを吸い取ることはできるものの、浴槽壁に付着した汚れについては十分な洗浄を行うことはできない。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、浴槽壁を効果的に洗浄することが可能な給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る給湯システムは、湯水を生成する給湯装置と、浴槽に湯水を供給する給湯アダプタと、浴槽の壁である浴槽壁を洗浄するための洗浄装置と、給湯アダプタ又は洗浄装置の何れかが接続される接続部と、給湯装置と接続部とを接続する配管と、給湯装置を制御する制御装置と、を備え、接続部は、給湯アダプタ又は洗浄装置の何れが接続されているかを識別する識別部を有し、制御装置は、識別部の識別結果に応じて、湯水に混入させる気泡の大きさ、気泡の量、又は湯水の温度の少なくとも何れか一つを調整する。
【発明の効果】
【0007】
本開示における給湯システムによれば、識別部の識別結果に応じて、湯水に混入させる気泡の大きさ、気泡の量、又は湯水の温度の少なくとも何れか一つを洗浄に適したものに調整することができ、浴槽壁を効果的に洗浄することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る給湯システムの概略構成図である。
図2】実施の形態1に係る接続部の識別部を説明する図である。
図3】実施の形態1に係る給湯システムの制御ブロック図である。
図4】実施の形態1に係る洗浄装置を用いた洗浄を説明する図である。
図5】変形例1に係る洗浄装置の概略構成図である。
図6】変形例2に係る洗浄装置の概略構成図である。
図7】変形例3に係る洗浄装置の概略構成図である。
図8】変形例4に係る洗浄装置の概略構成図である。
図9】変形例5に係る洗浄装置の概略構成図である。
図10】実施の形態2に係る給湯システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る給湯システム100の概略構成図である。本実施の形態の給湯システム100は、浴槽200に供給する湯水を生成する給湯装置1と、給湯装置1と配管を介して接続された接続部2と、給湯装置1で生成された湯水を浴槽200に供給する給湯アダプタ3と、を備えている。また、給湯システム100は、浴槽200を洗浄するための洗浄装置4と、給湯システム100を制御する制御装置5と、ユーザの操作を受け付けるリモートコントローラ6と、を備えている。
【0011】
給湯装置1は、水を加熱するヒートポンプユニット11と、ヒートポンプユニット11で加熱された湯水を貯留する貯湯タンク12と、貯湯タンク12内の湯水と浴槽200内の湯水とを熱交換する熱交換器13と、気泡を発生して湯水に混入させる気泡発生装置14と、を備える。また、給湯装置1は、浴槽200から流出した湯水を、熱交換器13を経由して浴槽200へと戻す浴槽循環経路15と、貯湯タンク12から流出した湯水を、熱交換器13を経由して貯湯タンク12へと戻すタンク循環経路16とを備える。さらに、給湯装置1は、貯湯タンク12内の湯水をヒートポンプユニット11を経由して循環させる沸上げ経路17、各経路に設けられる開閉弁、及び温度センサなどを備える。
【0012】
ヒートポンプユニット11は、例えば、CO又はHFC(ハイドロフルオロカーボン)などを冷媒に用いた冷凍サイクル装置である。ヒートポンプユニット11は、圧縮機、冷媒と水との間の熱交換を行う第1熱交換器、膨張弁、外気と冷媒との間の熱交換を行う第2熱交換器、送風機、温度センサ、及び制御基板等から構成される。圧縮機、第1熱交換器、膨張弁及び第2熱交換器は環状に接続され、冷媒を循環させるための冷凍サイクル回路(冷媒回路ともいう)を形成する。
【0013】
貯湯タンク12は、ステンレスなどの金属又は樹脂などで形成される円筒形状のタンクである。貯湯タンク12の外側には断熱材(図示せず)が配置されている。これにより、貯湯タンク12内で、高温水を長時間に渡って保温することができる。貯湯タンク12の下部は、図示しない給水端に接続される。また、貯湯タンク12の下部及び上部は、沸上げ経路17を介してヒートポンプユニット11に接続される。これにより、貯湯タンク12の下部から流出した低温水が、ヒートポンプユニット11の第1熱交換器で熱交換されて高温のお湯となり、貯湯タンク12の上部へ戻される。このような循環により、沸上げ回路が構成される。また、貯湯タンク12の内部には、上下方向において上側ほど湯水の温度が高く、下側ほど湯水の温度が低い温度成層が形成される。
【0014】
熱交換器13は、浴槽200内の湯水と、貯湯タンク12内の湯水を熱交換させるものである。より詳しくは、熱交換器13は、浴槽循環経路15及びタンク循環経路16上に設けられ、浴槽循環経路15を流れる湯水とタンク循環経路16を流れる湯水との熱交換を行うものである。
【0015】
浴槽循環経路15は、給湯装置1と接続部2とを接続する配管で構成される。浴槽循環経路15は、浴槽戻り配管151と、浴槽往き配管152とからなる。また、浴槽循環経路15上には、浴槽内の湯水を循環させる浴槽循環ポンプ155が設けられている。浴槽循環ポンプ155を駆動することにより、給湯装置1と浴槽200との間で湯水を循環させることができる。詳しくは、浴槽循環ポンプ155を駆動することにより、浴槽200内の湯水が浴槽戻り配管151を経由して給湯装置1へと流入し、給湯装置1から浴槽往き配管152を経由して、再び浴槽200へ戻る。
【0016】
また、浴槽往き配管152には、気泡発生装置14が設けられている。気泡発生装置14は、図示しない気体供給部に接続されており、マイクロバブルと呼ばれる気泡を発生させ、浴槽往き配管152を流れる湯水に混入させる。気泡発生装置14が発生する気泡の量及び大きさは、制御装置5によって制御される。
【0017】
タンク循環経路16は、熱交換器13を介して、貯湯タンク12の下部と中部とを接続する配管である。タンク循環経路16には、貯湯タンク12の湯水を熱交換器13又は接続部2に搬送するためのタンク循環ポンプ165が設けられている。また、タンク循環経路16には、貯湯タンク12の湯水の循環経路を熱交換器13又は接続部2に切り替えるための三方弁161が設けられている。
【0018】
浴槽循環ポンプ155及びタンク循環ポンプ165は、図示しないインバータ回路を備え、制御装置5から送信される制御信号に従って駆動される。浴槽循環ポンプ155及びタンク循環ポンプ165の駆動回転数を変更することにより、浴槽循環経路15及びタンク循環経路16に流れる湯水の量を変化させることができる。
【0019】
接続部2は、浴槽戻り配管151及び浴槽往き配管152と、給湯アダプタ3又は洗浄装置4とを接続する。接続部2は、ねじ込み形等の継手構造を有しており、給湯アダプタ3又は洗浄装置4が着脱可能に接続される。また、接続部2は、接続部2に給湯アダプタ3が接続されているか、又は洗浄装置4が接続されているかを識別する識別部21を有している。
【0020】
給湯アダプタ3は、浴槽200の内壁面である浴槽壁201に取り付けられ、給湯装置1によって生成された湯水を浴槽200に供給する。また、給湯アダプタ3は、浴槽200内の湯水を吸入し、給湯装置1に供給する。給湯アダプタ3は、入浴のために浴槽200に湯水を溜める際に接続部2に接続される。
【0021】
洗浄装置4は、湯水を吐出する洗浄部41と、洗浄部41に湯水を供給する導管42と、接続部2に接続される結合部43とを備えている。洗浄装置4は、浴槽200を洗浄する際に、接続部2に接続される。
【0022】
洗浄部41は、浴槽壁201に接触して浴槽壁201を洗浄するものである。洗浄部41の先端には、湯水を吐出する少なくとも一つの吐出口411が設けられている。また、洗浄部41は、ブラシ形状、スポンジ状態、又は布状態等、様々な材質又は形状とすることができる。又は、洗浄部41を導管42から着脱可能な構成とし、様々な材質又は形状の複数の洗浄部41の何れかを汚れの状態に応じて付け替える構成としてもよい。
【0023】
導管42は、結合部43と洗浄部41とを接続する可撓性を有する配管である。導管42は、浴槽200の長尺寸法をL、短尺寸法をW、高さ寸法をHとした場合、下記の式(1)で求められる長さL以上の長さを有している。例えば、導管42は、Lの1.2倍の長さであることが望ましい。
=(L+W+H0.5・・・(1)
【0024】
導管42の長さをL以上とすることで、洗浄装置4の結合部43が接続部2に接続された状態において、浴槽壁201の全体に洗浄部41を接触させることができる。また、導管42の材質は任意であるが、柔軟性、耐久性、又は耐薬品性を有する高分子化合物素材のものであることが望ましい。
【0025】
結合部43は、接続部2と接続可能なねじ構造などを有し、接続部2に対して着脱可能に接続される。結合部43が接続部2に接続されると、浴槽往き配管152からの湯水が結合部43を介して導管42及び洗浄部41に供給される。
【0026】
図2は、実施の形態1に係る接続部2の識別部21を説明する図である。図2に示すように、接続部2の給湯アダプタ3及び洗浄装置4と接続される面には、識別部21が設けられている。識別部21は、第1スイッチ211と、第2スイッチ212とを有している。第1スイッチ211と第2スイッチ212は、それぞれ異なる形状を有していることが望ましい。
【0027】
給湯アダプタ3の接続部2と接続される面には、第1スイッチ211と嵌合する形状を有する第1突起部31が設けられている。給湯アダプタ3が接続部2に接続されると、第1突起部31が第1スイッチ211と嵌合し、第1スイッチ211がONとなる。また、給湯アダプタ3の接続部2と接続される面とは反対側の面には、浴槽200内に湯水を放水するための放水口32と、浴槽200内の湯水を吸入するための吸水口33とが設けられている。
【0028】
洗浄装置4の結合部43の接続部2と接続される面には、第2スイッチ212と嵌合する形状を有する第2突起部431が設けられている。結合部43が接続部2と接続されると、第2突起部431が第2スイッチ212と嵌合し、第2スイッチ212がONとなる。第1突起部31と第1スイッチ211、及び第2突起部431と第2スイッチ212は、それぞれ異なる形状で嵌合されるため、第1突起部31により第2スイッチ212が、又は第2突起部431により第1スイッチ211がONとなることはない。
【0029】
識別部21の第1スイッチ211及び第2スイッチ212のON/OFFを示す信号は、有線又は無線通信によって制御装置5に送信される。制御装置5は、第1スイッチ211がONの場合は、給湯アダプタ3が接続部2に接続されており、第2スイッチ212がONの場合は洗浄装置4が接続部2に接続されていると判断する。また、制御装置5は、第1スイッチ211及び第2スイッチ212の何れもOFFの場合は、接続部2に何も接続されていない、と判断する。
【0030】
図1に戻って、制御装置5は、例えばCPUなどのプロセッサと、プロセッサで実行されるソフトウェア及び各種機器からの信号に含まれる命令又はデータを記憶するメモリとにより構成される。なお、制御装置5は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアにより構成されてもよい。本実施の形態の制御装置5は、給湯装置1に内蔵されてもよいし、給湯装置1とは別の場所に設けられてもよい。
【0031】
リモートコントローラ6は、浴槽200が設けられた浴室の壁又は居室などに取り付けられている。リモートコントローラ6は、給湯装置1の運転状態等を表示する表示部と、給湯装置1に対するユーザの操作を受け付ける操作部とを備える。本実施の形態では、リモートコントローラ6を介して、給湯の開始、停止、及び追い炊きなどの指示が入力される。また、リモートコントローラ6を介して、入浴のための給湯の際の湯水の温度及び給湯量の設定が入力される。
【0032】
図3は、実施の形態1に係る給湯システム100の制御ブロック図である。図3に示すように、制御装置5は、記憶部51と、給湯制御部52と、気泡制御部53と、を有する。給湯制御部52及び気泡制御部53は、制御装置5のプロセッサが記憶部51に記憶されたプログラムを実行することにより実現される機能部である。又は、給湯制御部52及び気泡制御部53の少なくとも何れかを、ASIC又はFPGAなどの処理回路で実現してもよい。
【0033】
記憶部51は、例えば、ROM又はフラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリ、RAM等の揮発性の半導体メモリ、又はHDD等である。記憶部51は、制御装置5が実行するプログラム及びプログラムの実行に用いられるデータを記憶する。例えば、記憶部51は、リモートコントローラ6を介して入力された設定情報及び給湯システム100の各運転に用いられるデータなどを記憶する。なお、記憶部51は、制御装置5とは別に設けられてもよい。
【0034】
給湯制御部52は、リモートコントローラ6に対するユーザ操作に応じて、ヒートポンプユニット11、浴槽循環ポンプ155、タンク循環ポンプ165の動作を制御する。具体的には、給湯制御部52は、リモートコントローラ6を介して給湯の開始が指示された場合、貯湯タンク12の湯水が接続部2に供給されるよう三方弁161を切り換え、タンク循環ポンプ165を駆動させる。これにより、貯湯タンク12の湯水が、タンク循環経路16、三方弁161、浴槽往き配管152、接続部2を通って給湯アダプタ3から浴槽200内に供給される。また、給湯制御部52は、リモートコントローラ6を介して追い炊きが指示された場合、貯湯タンク12の湯水が熱交換器13に供給されるよう三方弁161を切り換え、浴槽循環ポンプ155及びタンク循環ポンプ165を駆動させる。これにより、浴槽200の湯水が給湯アダプタ3から吸入され、浴槽戻り配管151を通って熱交換器13にて貯湯タンク12の湯水と熱交換され、加熱される。そして、熱交換器13から、浴槽往き配管152及び接続部2を通って給湯アダプタ3から浴槽200内に供給される。
【0035】
気泡制御部53は、リモートコントローラ6を介して給湯の開始又は追い炊きが指示された場合、気泡を発生するよう気泡発生装置14を制御する。また、気泡制御部53は、識別部21の識別結果に応じて、気泡発生装置14が発生する気泡の大きさ及び量を調整する。具体的には、気泡制御部53は、接続部2に給湯アダプタ3が接続された入浴のための給湯時と、洗浄装置4が接続された洗浄のための給湯時とで、気泡発生装置14で発生させる気泡の大きさ及び量を異ならせる。気泡制御部53は、入浴のための給湯時は、入浴に適した大きさ及び量の気泡(例えば、気泡の大きさが0.5mm、気泡の量が1000個/L)を発生するよう気泡発生装置14を制御する。また、気泡制御部53は、洗浄のための給湯時は、洗浄に適した大きさ及び量の気泡(例えば気泡の大きさが0.2mm、気泡の量が5000個/L)を発生するよう気泡発生装置14を制御する。
【0036】
続いて、洗浄装置4を用いた浴槽200の洗浄について説明する。図4は、実施の形態1に係る洗浄装置4を用いた洗浄を説明する図である。まず、浴槽200を洗浄するために、入浴後の浴槽200の湯水を排水口(不図示)から排出する。又は、浴槽200の湯水は、排水せずに浴槽200内に残したままでもよい。そして、ユーザは接続部2に取り付けられた給湯アダプタ3を取り外し、洗浄装置4の結合部43を接続部2に取り付ける。そして、リモートコントローラ6を操作して、給湯の開始を指示する。給湯制御部52は、給湯開始の指示を受け、貯湯タンク12の湯水が接続部2に供給されるよう三方弁161を切り換え、タンク循環ポンプ165を駆動させる。これにより、貯湯タンク12の湯水が、タンク循環経路16、三方弁161、浴槽往き配管152、接続部2を通って洗浄装置4に供給される。
【0037】
また、このとき、接続部2に洗浄装置4が接続されたことで、識別部21の第2スイッチ212がONとなっているため、気泡制御部53は、洗浄に適した気泡を発生するよう気泡発生装置14を制御する。気泡発生装置14は、気泡制御部53の制御の下、洗浄に適した大きさ及び量の気泡を発生し、湯水に混入させる。ユーザは、洗浄装置4の洗浄部41を浴槽壁201に接触させ、手動で動かすことで、浴槽壁201を洗浄する。これにより、洗浄に適した気泡を含む湯水で浴槽壁201が洗浄される。なお、浴槽壁201の汚れが固着しているなどの場合は、浴槽200の壁面に洗浄剤を塗布する等、洗浄剤を使用して洗浄してもよい。
【0038】
そして、洗浄が終了した場合は、ユーザによりリモートコントローラ6が操作され、給湯の停止が指示される。これにより、給湯制御部52によってタンク循環ポンプ165が停止され、洗浄装置4への湯水の供給が停止される。また、洗浄装置4に気体を流すことで、洗浄後の浴槽200を乾燥させてもよい。
【0039】
以上のように、本実施の形態の給湯システム100では、接続部2に設けた識別部21によって、入浴のための給湯か、洗浄のための給湯かを識別し、識別結果に応じて発生する気泡を調整する。これにより、洗浄に適した大きさ及び量の気泡を含む湯水を洗浄装置4に供給することができ、効果的に浴槽壁201を洗浄することができる。これにより、浴槽壁201に固着した汚れも洗い残しなく洗浄できる。また、識別部21によって、入浴のための給湯か、洗浄のための給湯かを自動的に識別するため、ユーザによる設定の手間を削減するとともに、設定の間違いによる誤った制御を抑制することができる。
【0040】
なお、上記実施の形態1では、識別部21の識別結果に応じて、気泡発生装置14における気泡の大きさ及び量を調整したが、供給する湯水の温度を識別結果に応じて調整してもよい。一例として、給湯制御部52は、入浴のための給湯の場合は、リモートコントローラ6で設定された温度(例えば40℃)の湯水を供給し、洗浄のための給湯の場合は、湯水の温度を入浴のための給湯の場合よりも高い温度(例えば45℃)としてもよい。これにより、浴槽壁201に付着した油分を含む汚れを洗浄しやすくなる。又は、給湯制御部52は、洗浄のための給湯の場合は、湯水の温度を入浴のための給湯の場合よりも低い温度(例えば30℃)としてもよい。これにより、浴槽壁201に付着したタンパク質を含む汚れを洗浄しやすくなる。なお、給湯制御部52における湯水の温度の調整は、貯湯タンク12の湯水と、図示しない給水端からの水との混合比率を調整することで行われる。また、制御装置5は、識別部21の識別結果に応じて、湯水に混入する気泡の大きさ、気泡の量、又は湯水の温度の少なくとも何れか一つを調整すればよい。
【0041】
また、上記実施の形態1では、洗浄のための給湯の開始と終了とをリモートコントローラ6によって操作することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、洗浄装置4の洗浄部41に、洗浄のための給湯の開始及び終了を指示する手動スイッチを設けてもよい。この場合は、手動スイッチからの信号が有線又は無線通信により制御装置5に送信され、給湯の開始と終了を制御する。又は、バルブのような弁体を洗浄部41に設け、弁体を手動で操作することで、給湯を開始及び終了してもよい。
【0042】
さらに、給湯システム100における洗浄装置4の構成は、図1に示す構成に限定されるものではなく、様々に変形が可能である。以下に、洗浄装置4の変形例について説明する。
【0043】
(変形例1)
図5は、変形例1に係る洗浄装置4Aの概略構成図である。図5に示すように、洗浄装置4Aは、洗浄部41に汚れ検知部44を有してもよい。汚れ検知部44は、洗浄部41で洗浄する浴槽壁201の汚れを示す情報を検知する。汚れ検知部44は、例えば浴槽壁201からの光の反射を検知する光学的検知器、又は浴槽壁201の導電率などの電気的物性量を検知する電気的検知器である。
【0044】
汚れ検知部44の検知結果は、有線又は無線通信により、制御装置5に送信される。制御装置5は、汚れ検知部44の検知結果に基づいて、給湯装置1を制御する。例えば、制御装置5の気泡制御部53は、汚れ検知部44の検知結果から、浴槽壁201の汚れの量を判断し、浴槽壁201の汚れの量が多い場合は、気泡の量を基準値よりも増やすよう、気泡発生装置14を制御する。
【0045】
また、気泡制御部53は、汚れ検知部44の検知結果から、汚れの成分を分析し、汚れの成分に応じて気泡発生装置14を制御する。具体的には、気泡制御部53は、分析された汚れの成分が油性のものである場合、気泡の大きさを基準値よりも小さくして、気泡の量を基準値よりも増やす。汚れ検知部44が光学検知器の場合、気泡制御部53は、汚れ検知部44から照射される光の波長と、浴槽壁201から反射した光(汚れ検知部44が検知した光)の波長とに基づき、汚れの成分を特定することができる。又は、給湯制御部52によって、汚れの成分に応じて湯水の温度を基準値から変更してもよい。
【0046】
また、気泡制御部53は、汚れ検知部44の検知結果から判断された汚れの量が、時間の経過とともに減少しない場合、汚れの付着力が高いと判断し、気泡の量を基準値よりも増やすよう、気泡発生装置14を制御する。付着力が高い場合は、気泡が小さいと汚れを除去する力が低下するため、気泡の大きさは基準値よりも小さくしない。なお、上記した「基準値」は、洗浄に適した一般的な気泡の量、大きさ、又は湯水の温度であり、予め実験等により求められ、記憶部51に記憶されているものとする。
【0047】
以上のように、本変形例の洗浄装置4Aを備えた給湯システム100によると、浴槽壁201に付着した汚れの量、成分又は付着力などを分析することができる。これにより、付着した汚れの洗浄に適した気泡の量、気泡の大きさ、又は湯水の温度となるように、給湯装置1を制御することができ、浴槽壁201をさらに効果的に洗浄することができる。
【0048】
(変形例2)
図6は、変形例2に係る洗浄装置4Bの概略構成図である。図6に示すように、洗浄装置4Bは、導管42と洗浄部41との間に気泡検知部45を有してもよい。気泡検知部45は、洗浄部41に供給される湯水に含まれる気泡の大きさ及び量の少なくとも何れか一方を検知する。気泡検知部45は、例えば浴槽壁201からの光の反射を用いた光学的検知器、又は浴槽壁201の導電率などの電気的物性量を用いた電気的検知器である。
【0049】
気泡検知部45の検知結果は、有線又は無線通信により、制御装置5に送信される。制御装置5は、気泡検知部45の検知結果に基づいて、給湯装置1を制御する。具体的には、制御装置5の気泡制御部53は、気泡検知部45により検知された気泡の大きさ及び量が、洗浄に適した気泡の大きさ及び量となるように、気泡発生装置14を制御する。例えば、気泡検知部45により検知された気泡の量M1が、気泡発生装置14が発生する洗浄に適した気泡の量Msよりも少ない場合、気泡発生装置14から洗浄部41に達するまでに気泡の量が減少したと考えられる。この場合、気泡制御部53は、洗浄部41から吐出される湯水に含まれる気泡の量が洗浄に適した量Msとなるように、気泡発生装置14で発生する気泡の量を洗浄に適した量Msよりも増加させる。
【0050】
以上のように、本変形例の洗浄装置4Bを備えた給湯システム100によると、気泡検知部45によって気泡の大きさ及び量を検知して気泡発生装置14のフィードバック制御を行うことができる。これにより、洗浄装置4Bの洗浄部41から、洗浄に効果的な気泡を含む湯水を供給することができ、浴槽壁201をさらに効果的に洗浄することができる。
【0051】
なお、洗浄装置4Bは、気泡検知部45に替えて、又は気泡検知部45に加えて、洗浄部41に供給される湯水の温度を検知する温度検知部を有してもよい。この場合、温度検知部の検知結果は、有線又は無線通信により、制御装置5に送信され、制御装置5は、温度検知部の検知結果に基づいて、給湯装置1を制御する。具体的には、制御装置5の給湯制御部52は、温度検知部により検知された湯水の温度が、洗浄に適した湯水の温度となるようにフィードバック制御を行う。これにより、洗浄装置4Bの洗浄部41から、洗浄に効果的な温度の湯水を供給することができ、浴槽壁201をさらに効果的に洗浄することができる。
【0052】
(変形例3)
図7は、変形例3に係る洗浄装置4Cの概略構成図である。図7に示すように、洗浄装置4Cは、洗浄部41を回転させるための回転機構46を有してもよい。回転機構46は、浴槽壁201に接触した洗浄部41を、浴槽壁201と垂直な方向を回転軸として回転させる。回転機構46は、例えば湯水を動力として洗浄部41を回転させる。具体的には、回転機構46は、プロペラと、プロペラの回転により回転するギアと、洗浄部41に連結され、ギアの回転により回転するシャフトと、を有している。そして、導管42を通過した湯水によって回転機構46のプロペラが回転されると、当該プロペラの回転によってギア及びシャフトが回転し、洗浄部41が回転する。
【0053】
以上のように、本変形例の洗浄装置4Cによると、回転機構46によって洗浄部41を回転させることで、洗浄部41の物理力が増加する。これにより、浴槽壁201に固着した汚れについても洗浄することができる。なお、回転機構46は、湯水を動力として回転する構造に限定されるものではなく、例えば電気を動力として駆動するモータを用いて洗浄部41を回転させてもよい。
【0054】
(変形例4)
図8は、変形例4に係る洗浄装置4Dの概略構成図である。図8に示すように、洗浄装置4Dは、湯水に洗浄剤を混合する洗浄剤混合部47を有してもよい。洗浄剤混合部47は、洗浄部41に取り付けられている。なお、洗浄剤混合部47は、導管42と洗浄部41の間の任意の場所に設けることができる。洗浄剤混合部47は、チューブ471を介して洗浄剤貯蔵部472に接続されている。洗浄剤は、例えば界面活性効果を有する物であり、洗浄剤貯蔵部472からチューブ471を通して洗浄剤混合部47に供給される。
【0055】
洗浄剤混合部47は、ベンチュリ管又はエジェクタと、手動ポンプと、を備え、手動によって湯水に洗浄剤を混合する。又は、洗浄剤貯蔵部472を加圧することで、洗浄剤混合部47から湯水に自動的に洗浄剤を混合してもよい。図8において、洗浄剤貯蔵部472は外付けとなっているが、洗浄装置4Dに内蔵してもよい。また、洗浄装置4Dは、洗浄剤の供給開始と停止、及び洗浄剤の供給量を制御できるスイッチ等を備えてもよい。洗浄後は、洗浄剤の供給を停止し、給湯装置1から供給される湯水で洗浄剤を洗い流してもよい。
【0056】
以上のように、本変形例の洗浄装置4Dによると、洗浄剤混合部47によって洗浄剤を湯水に混合することで、浴槽壁201に洗浄剤を塗布する手間が省け、省力化することができる。また、洗浄剤によって化学力が増加し、洗浄力が向上する。
【0057】
(変形例5)
図9は、変形例5に係る洗浄装置4Eの概略構成図である。図9に示すように、洗浄装置4Eは、洗浄部41と導管42との間に延長管481を接続するための連結部48を有してもよい。連結部48は、導管42に結合された第1継手48aと、洗浄部41に結合された第2継手48bとからなる。延長管481は、材質は任意であるが、導管42と同様に、柔軟性、耐久性、又は耐薬品性を有する高分子化合物素材のものであることが望ましい。また延長管481の長さは、導管42より長いことが望ましい。
【0058】
図9に示すように、延長管481を接続しない場合は、第1継手48aと第2継手48bとが接続される。これにより、導管42と洗浄部41とが連結部48を介して接続される。一方、延長管481を接続する際には、延長管481の一端に第1継手48aが接続され、延長管481の他端に第2継手48bが接続される。これにより、洗浄装置4Eの長さを延長することができる。
【0059】
なお、連結部48に延長管481の長さを検知する長さ検知部482を設けてもよい。長さ検知部482は、接続された延長管481に付された識別情報を読み取って延長管481の長さを検知する。又は、長さ検知部482は、延長管481に導線を設け、導線に電流を流し、導線の端部で検知された電流値と、延長管481の抵抗値とに基づいて、延長管481の長さを検知してもよい。
【0060】
長さ検知部482の検知結果は、有線又は無線通信により制御装置5に送信される。制御装置5は、延長管481の長さに応じて、給湯装置1を制御する。例えば、制御装置5は、基準長さに対して延長管481の長さが長い場合は、湯水の温度を上げる、又は気泡の量を増加させるなどの制御を行う。
【0061】
以上のように、本変形例の洗浄装置4Eによると、連結部48によって延長管481を接続することで、洗浄装置4Eの長さを延長することができる。これにより、浴槽壁201だけでなく、浴室の床、壁面、天井、鏡等、浴室全体を洗浄することができる。また、洗浄装置4Eによって、浴室の外の洗濯機又はトイレへ湯水を供給して使用することも可能となる。
【0062】
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係る給湯システム100Aの概略構成図である。本実施の形態の給湯システム100Aは、浴槽戻り配管151の接続先において、実施の形態1と相違する。給湯システム100Aのその他の構成は、実施の形態1と同じである。
【0063】
図10に示すように、本実施の形態の給湯システム100Aでは、浴槽200の下部に戻り口20が設けられ、戻り口20に浴槽戻り配管151が接続されている。戻り口20には、湯水の汚れを収集するフィルタが設けられている。そして、本実施の形態の接続部2には、浴槽往き配管152のみが接続され、給湯アダプタ3は、浴槽往き配管152から供給される湯水の浴槽200への放出のみを行う。
【0064】
本実施の形態の給湯システム100Aでは、実施の形態1と同様に、給湯、追い炊き、及び洗浄装置4を用いた洗浄を行うことができる。なお、追い炊きの場合は、浴槽200の湯水が戻り口20から浴槽戻り配管151に吸入される。
【0065】
また、本実施の形態では、浴槽200の残り湯を使った洗浄を行うことができる。具体的には、まず、入浴後の浴槽200の湯水を残したまま、接続部2に取り付けられた給湯アダプタ3を取り外し、洗浄装置4の結合部43を接続部2に取り付ける。そして、リモートコントローラ6を操作して、追い炊きを指示する。給湯制御部52は、追い炊きが指示された場合であって、洗浄のための給湯である場合は、浴槽循環ポンプ155のみを駆動させる。これにより、浴槽200の湯水が戻り口20から吸入され、浴槽戻り配管151、熱交換器13、浴槽往き配管152、及び接続部2を通って洗浄装置4に供給される。
【0066】
なお、給湯制御部52は、洗浄のための追い炊きの場合であっても、入浴のための追い炊きの場合と同様に、貯湯タンク12の湯水が熱交換器13に供給されるよう三方弁161を切り換え、浴槽循環ポンプ155及びタンク循環ポンプ165を駆動させてもよい。この場合は、熱交換器13にて加熱された湯水が、浴槽往き配管152及び接続部2を通って洗浄装置4に供給される。
【0067】
気泡発生装置14は、洗浄に適した大きさ及び量の気泡を発生し、湯水に混入させる。ユーザは、洗浄装置4の洗浄部41を浴槽壁201に接触させ、手動で動かすことで、浴槽壁201を洗浄することができる。浴槽壁201の汚れが固着しているなどの場合は、浴槽200の壁面に洗浄剤を塗布する等、洗浄剤を使用して洗浄することもできる。洗浄が終了すると、浴槽200に残った湯水を排水口から排出させる。そして、排水完了後、給湯装置1からの湯水を洗浄装置4に供給し、すすぎ洗浄を行う。また、洗浄装置4に気体を流すことで、洗浄後の浴槽200を乾燥させることもできる。
【0068】
以上のように、本実施の形態の給湯システム100Aにおいても、洗浄に適した大きさ及び量の気泡を含む湯水を洗浄装置4に供給することができるため、効果的に浴槽壁201を洗浄することができる。また、浴槽200の湯水を洗浄装置4に供給して洗浄することで、洗浄に使用する湯水の量を削減することができる。
【0069】
以上が実施の形態の説明であるが、本開示は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、上記の実施の形態及びその変形例に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。例えば、変形例1と変形例2とを組み合わせ、洗浄装置4に汚れ検知部44と回転機構46とを設けてもよい。この場合、汚れ検知部44で検知された汚れの付着状況等に応じて、回転機構46の回転速度を変更することで、より効果的に浴槽壁201を洗浄することができる。
【0070】
又は、変形例1と変形例4とを組み合わせ、洗浄装置4に汚れ検知部44と洗浄剤混合部47とを設けてもよい。この場合、汚れ検知部44で検知された汚れの付着状況に応じて洗浄剤混合部47による洗浄剤の混合を行うことで、より効果的に浴槽壁201を洗浄することができる。
【0071】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0072】
(付記1)
湯水を生成する給湯装置と、
浴槽に前記湯水を供給する給湯アダプタと、
前記浴槽の壁である浴槽壁を洗浄するための洗浄装置と、
前記給湯アダプタ又は前記洗浄装置の何れかが接続される接続部と、
前記給湯装置と前記接続部とを接続する配管と、
前記給湯装置を制御する制御装置と、を備え、
前記接続部は、前記給湯アダプタ又は前記洗浄装置の何れが接続されているかを識別する識別部を有し、
前記制御装置は、前記識別部の識別結果に応じて、前記湯水に混入させる気泡の大きさ、前記気泡の量、又は前記湯水の温度の少なくとも何れか一つを調整する給湯システム。
(付記2)
前記洗浄装置は、
前記接続部に接続される結合部と、
前記湯水を吐出する洗浄部と、
前記結合部と前記洗浄部とを接続する導管と、を備える付記1に記載の給湯システム。
(付記3)
前記導管は、前記浴槽の長尺寸法をL、短尺寸法をW、高さ寸法をHとした場合、下記の式で求められる長さL以上の長さを有している付記2に記載の給湯システム。
=(L+W+H0.5
(付記4)
前記洗浄部は、前記浴槽壁の汚れを検知する汚れ検知部を有し、
前記制御装置は、前記汚れ検知部の検知結果に応じて、前記気泡の大きさ、前記気泡の量、又は前記湯水の温度の少なくとも何れか一つを調整する付記2又は3に記載の給湯システム。
(付記5)
前記気泡を発生し、前記湯水に前記気泡を混入させる気泡発生装置をさらに備え、
前記洗浄部は、前記気泡の大きさ又は量を検知する気泡検知部を有し、
前記制御装置は、前記気泡検知部の検知結果に応じて、前記気泡発生装置を制御し、前記気泡の大きさ又は前記気泡の量の少なくとも何れか一つを調整する付記2~4の何れか一つに記載の給湯システム。
(付記6)
前記洗浄装置は、前記洗浄部を回転する回転機構を有する付記2~5の何れか一つに記載の給湯システム。
(付記7)
前記洗浄装置は、前記洗浄部から吐出される前記湯水に洗浄剤を混合する洗浄剤混合部を有する付記2~6の何れか一つに記載の給湯システム。
(付記8)
前記導管は、延長管を接続する連結部を有する付記2~7の何れか一つに記載の給湯システム。
【符号の説明】
【0073】
1 給湯装置、2 接続部、3 給湯アダプタ、4、4A、4B、4C、4D、4E 洗浄装置、5 制御装置、6 リモートコントローラ、11 ヒートポンプユニット、12 貯湯タンク、13 熱交換器、14 気泡発生装置、15 浴槽循環経路、16 タンク循環経路、17 沸上げ経路、20 戻り口、21 識別部、31 第1突起部、32 放水口、33 吸水口、41 洗浄部、42 導管、43 結合部、44 汚れ検知部、45 気泡検知部、46 回転機構、47 洗浄剤混合部、48 連結部、48a 第1継手、48b 第2継手、51 記憶部、52 給湯制御部、53 気泡制御部、100、100A 給湯システム、151 浴槽戻り配管、152 浴槽往き配管、155 浴槽循環ポンプ、161 三方弁、165 タンク循環ポンプ、200 浴槽、201 浴槽壁、211 第1スイッチ、212 第2スイッチ、411 吐出口、431 第2突起部、471 チューブ、472 洗浄剤貯蔵部、481 延長管、482 長さ検知部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10