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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149977
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241016BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20241016BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20241016BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B41J29/38 301
G08B21/10
G06F3/12 310
G06F3/12 329
H04N1/00 127A
H04N1/00 002B
H04N1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063173
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】土居 臣仁
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5C086
【Fターム(参考)】
2C061HJ08
2C061HN08
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ06
2C061HV01
2C061HV32
2C061HV35
2C061HV40
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB51
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC35
5C062AC55
5C062AE16
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF14
5C086AA13
5C086AA28
5C086CA23
5C086DA08
(57)【要約】
【課題】異常発生時の情報漏洩を抑制する画像形成装置を得る。
【解決手段】 画像形成装置11は、サーバー2,14にアクセスする端末装置13が設置されているエリア(オフィス1)に設置されており、エリア(オフィス1)に設置された異常検知装置15からの異常検知通知を受信すると、情報危機回避処理および回避処理結果報告を実行する。情報危機回避処理では、画像形成装置11は、サーバー2,14へのシャットダウンコマンドの送信を行い、回避処理結果報告では、画像形成装置11は、サーバー2,14のサーバー管理者へ情報危機回避処理の報告を送信する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーにアクセスする端末装置が設置されているエリアに設置された画像形成装置において、
前記端末装置が接続されたネットワークに接続されており前記サーバーと通信可能な通信装置と、
前記エリアに設置された異常検知装置からの異常検知通知を受信すると、情報危機回避処理および回避処理結果報告を実行する情報危機回避処理部とを備え、
前記情報危機回避処理部は、前記情報危機回避処理において、前記通信装置を使用して、前記サーバーへのシャットダウンコマンドの送信を行い、前記回避処理結果報告において、前記サーバーのサーバー管理者へ前記情報危機回避処理の報告を送信すること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記情報危機回避処理部は、前記情報危機回避処理において、前記端末装置を使用中のユーザーに対して、作業中データの保存を促すメッセージを提示することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記情報危機回避処理部は、前記情報危機回避処理において、(a)前記サーバー管理者へシャットダウン要求を送信し、(b1)前記シャットダウン要求に対する応答を所定時間内に受信し、かつ、前記応答が前記サーバーのシャットダウンの承認を示している場合には、前記サーバーへの前記シャットダウンコマンドの送信を行い、(b2)前記シャットダウン要求に対する応答を所定時間内に受信しない場合、または前記応答が前記サーバーのシャットダウンの否認を示している場合には、前記サーバーへの前記シャットダウンコマンドの送信を行わないことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
設定データを記憶している記憶装置をさらに備え、
前記情報危機回避処理部は、前記設定データの値に応じて、前記異常検知通知を受信した際に前記情報危機回避処理および前記回避処理結果報告を実行するか否かを判定すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある制御システムでは、情報処理装置が、あるエリアにおける異常を検知すると、そのエリアに設置された画像形成装置の電源をオフさせる指令を当該画像形成装置にただちに送信している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-67982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オフィスなどの特定エリアにおける端末装置がサーバーと連携して処理を行っている場合、地震発生時の避難などの際にそのような端末装置やサーバーが放置されるため、サーバーからの情報漏洩が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、異常発生時の情報漏洩を抑制する画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、サーバーにアクセスする端末装置が設置されているエリアに設置された画像形成装置であり、前記端末装置が接続されたネットワークに接続されており前記サーバーと通信可能な通信装置と、前記エリアに設置された異常検知装置からの異常検知通知を受信すると、情報危機回避処理および回避処理結果報告を実行する情報危機回避処理部とを備える。そして、前記情報危機回避処理部は、前記情報危機回避処理において、前記通信装置を使用して、前記サーバーへのシャットダウンコマンドの送信を行い、前記回避処理結果報告において、前記サーバーのサーバー管理者へ前記情報危機回避処理の報告を送信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、異常発生時の情報漏洩を抑制する画像形成装置が得られる。
【0008】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む情報処理システムの一例を示す図である。
図2図2は、図1における画像形成装置11の構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1における画像形成装置11の動作について説明するフローチャートである。
図4図4は、実施の形態1における情報危機回避処理について説明するフローチャートである。
図5図5は、図3における回避処理結果報告について説明するフローチャートである。
図6図6は、実施の形態2における情報危機回避処理について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
実施の形態1.
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む情報処理システムの一例を示す図である。図1に示すように当該情報処理システムは、オフィス1に設置された、画像形成装置11、ローカルエリアネットワーク12、端末装置13、サーバー14、およびゲートウェイ15を備え、さらに、オフィス1外に設置されたサーバー2を備える。
【0013】
ここでは、ローカルエリアネットワーク12は、イントラネットであり、画像形成装置11、端末装置13、サーバー14、およびゲートウェイ15は、ローカルエリアネットワーク12に接続されており、端末装置13は、ローカルエリアネットワーク12を介して画像形成装置11、サーバー14、およびゲートウェイ15にアクセス可能となっている。また、端末装置13は、ローカルエリアネットワーク12およびゲートウェイ15を介してサーバー2にアクセス可能となっている。サーバー2,14は、アプリケーションサーバーなどである。
【0014】
したがって、ユーザーは、端末装置13を操作して、端末装置13とサーバー2,14とを連携させて各種作業を実行できるとともに、画像形成装置11にプリントなどを実行させることができる。
【0015】
異常検知装置15は、オフィス1に設置されており、例えば、既存の方法で地震の揺れを検知し、検知した地震の揺れに応じて、異常検知通知を画像形成装置11などに送信する。
【0016】
図2は、図1における画像形成装置11の構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置11は、入力装置31、表示装置32、記憶装置33、通信装置34、プリント装置35、画像読取装置36、および演算処理装置37を備える。
【0017】
入力装置31は、ユーザー操作を検出し、ユーザー操作を示す情報を出力する、キーボード、マウス、ハードキー、タッチパネルなどといった装置である。表示装置32は、ユーザーに対して各種情報を表示する、液晶ディスプレイなどといった装置である。例えば、入力装置31および表示装置32は、画像形成装置11の操作パネルに設置されている。
【0018】
記憶装置33は、ハードディスク、フラッシュメモリーなどといった書換可能な不揮発性の記憶装置であって、プログラムやデータを記憶している。
【0019】
通信装置34は、ローカルエリアネットワーク12に接続されており、ローカルエリアネットワーク12を介して他の装置(サーバー2,14など)とのデータ通信を行う装置である。
【0020】
プリント装置35は、プリント要求に従って原稿画像をプリントする内部装置である。画像読取装置36は、原稿から原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部装置である。
【0021】
演算処理装置37は、各種プログラムを実行するコンピューター、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを備え、そのコンピューター、ASICなどで、各種処理部として動作する。ここでは、演算処理装置37は、制御部41、および情報危機回避処理部42として動作する。
【0022】
制御部41は、内部装置を制御して、プリント要求を受け付けると、プリント要求に従った原稿画像のプリントをプリント装置35に実行させたりする。
【0023】
情報危機回避処理部42は、当該オフィス1に設置された異常検知装置15からの異常検知通知を受信すると、情報危機回避処理および回避処理結果報告を実行する。
【0024】
具体的には、情報危機回避処理部42は、情報危機回避処理において、通信装置34を使用して、サーバー2,14へのシャットダウンコマンドの送信を行い、回避処理結果報告において、サーバー2,14のサーバー管理者へ情報危機回避処理の報告を送信する。サーバー2,14は、シャットダウンコマンドを受信すると、ただちにシャットダウン動作を行う。
【0025】
例えば、回避処理結果報告において、情報危機回避処理部42は、アドレス帳データなどに予め登録されているサーバー管理者の電子メールアドレスを特定し、情報危機回避処理の報告(例えば実行した情報危機回避処理のリストなど)を示す電子メールを生成し、特定した電子メールアドレス宛てで送信する。
【0026】
さらに、情報危機回避処理部42は、情報危機回避処理において、端末装置13を使用中のユーザーに対して、作業中データの保存を促すメッセージを提示する。例えば、画像形成装置11は、端末装置13にインストールされている画像形成装置11用のドライバーに、そのメッセージの表示指令を送信し、そのドライバーは、その表示指令に応じて、そのメッセージを表示装置などに表示する。これにより、メッセージがユーザーに提示される。
【0027】
また、この実施の形態では、記憶装置33に設定データ33aが記憶されており、情報危機回避処理部42は、その設定データ33aの値に応じて、異常検知通知を受信した際に情報危機回避処理および回避処理結果報告を実行するか否かを判定する。これにより、設定データ33aを編集することで、情報危機回避処理および回避処理結果報告のオン/オフが容易に設定できる。
【0028】
次に、上記装置の動作について説明する。図3は、図1における画像形成装置11の動作について説明するフローチャートである。図4は、実施の形態1における情報危機回避処理について説明するフローチャートである。図5は、図3における回避処理結果報告について説明するフローチャートである。
【0029】
図3に示すように、画像形成装置11では、情報危機回避処理部42は、画像形成装置11の起動後、異常検知装置15からの異常検知通知が通信装置34で受信されたか否かを監視しており(ステップS1)、異常検知装置15からの異常検知通知を受信すると、情報危機回避処理(ステップS2)および回避処理結果報告(ステップS3)を実行する。
【0030】
情報危機回避処理では、図4に示すように、情報危機回避処理部42は、通信装置34を使用して、作業中データ保存推奨連絡(上述のメッセージの提示)を行うとともに(ステップS11)、予め登録されているサーバー2,14へのシャットダウンコマンドの送信を行う(ステップS12)。
【0031】
回避処理結果報告では、情報危機回避処理部42は、図示せぬアドレス帳データや設定データ33aから、図示せぬアドレス帳データや設定データ33aに記述されているサーバー2,14のサーバー管理者の電子メールアドレスを取得するとともに(ステップS21)、上述のメッセージを示す電子メール本文を生成し(ステップS22)、通信装置34を使用して、その本文を有する電子メールを、取得した電子メールアドレス宛てで送信する(ステップS23)。
【0032】
以上のように、上記実施の形態1によれば、画像形成装置11は、サーバー2,14にアクセスする端末装置13が設置されているエリア(オフィス1)に設置されており、エリア(オフィス1)に設置された異常検知装置15からの異常検知通知を受信すると、情報危機回避処理および回避処理結果報告を実行する。情報危機回避処理では、画像形成装置11は、サーバー2,14へのシャットダウンコマンドの送信を行い、回避処理結果報告では、画像形成装置11は、サーバー2,14のサーバー管理者へ情報危機回避処理の報告を送信する。
【0033】
これにより、異常(災害、犯罪など)発生時の情報漏洩が抑制される。
【0034】
実施の形態2.
【0035】
図6は、実施の形態2における情報危機回避処理について説明するフローチャートである。
【0036】
図6に示すように、実施の形態2では、情報危機回避処理において、情報危機回避処理部42は、作業中データ保存推奨連絡(上述のメッセージの提示)を行うとともに(ステップS31)、(a)上述のサーバー管理者へシャットダウン要求を電子メールなどで送信し(ステップS32)、(b1)シャットダウン要求に対する応答(電子メールなど)をシャットダウン要求送信から所定時間内に受信し、かつ、その応答がサーバー2,14のシャットダウンの承認を示している場合には(ステップS33でYES)、サーバー2,14へのシャットダウンコマンドの送信を行い(ステップS34)、(b2)シャットダウン要求に対する応答を所定時間内に受信しない場合、または応答がサーバー2,14のシャットダウンの否認を示している場合には(ステップS33でNO)、サーバー2,14へのシャットダウンコマンドの送信を行わない。
【0037】
例えばサーバー管理者は、上述のシャットダウン要求を受け付けた際に、自らサーバー2,14をシャットダウンさせる場合には、シャットダウン要求に対する否認の応答を電子メールなどで送信し、自らサーバー2,14をシャットダウンさせられない場合には、シャットダウン要求に対する承認の応答を電子メールなどで送信する。
【0038】
また、シャットダウン要求には、サーバー2,14の識別情報としてのIPアドレス、サーバー2,14のセットアップ(シャットダウン)を行えるウェブページのURLなどが含まれている。サーバー管理者は、ウェブブラウザーを使用して、そのURLのウェブページにアクセスし、シャットダウンコマンドをサーバー2,14に入力することができる。
【0039】
なお、実施の形態2に係る画像形成装置11のその他の構成および動作については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0040】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0041】
例えば、上記実施の形態1,2において、異常検知装置15は、オフィス1の異常として地震を検知すると異常検知通知を送信しているが、さらに、火災、ガス漏れ、不審者の侵入などといった他の異常を検知した場合でも異常検知通知を送信するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施の形態2において、シャットダウン要求に対する応答が所定時間内に受信されない場合、(サーバー管理者が被災している可能性があるため)自動的にシャットダウンコマンドをサーバー2,14に送信するようにしてもよい。
【0043】
また、上記実施の形態1,2では、オフィス1が1つのエリアとされているが、オフィス1内を複数のエリアに分割し、分割された複数のエリアのそれぞれについて、上述のオフィス1に設置されている装置などを設置するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、例えば、オフィスに設置される画像形成装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 オフィス(エリアの一例)
2,14 サーバー
11 画像形成装置
12 ローカルエリアネットワーク(ネットワークの一例)
13 端末装置
15 異常検知装置
33 記憶装置
33a 設定データ
34 通信装置
42 情報危機回避処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6