(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149984
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】加煙試験器
(51)【国際特許分類】
G08B 17/10 20060101AFI20241016BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20241016BHJP
G08B 29/04 20060101ALI20241016BHJP
A24F 40/10 20200101ALN20241016BHJP
【FI】
G08B17/10 L
G08B17/00 K
G08B29/04
A24F40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063181
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】吉井 裕二
【テーマコード(参考)】
4B162
5C085
5C087
5G405
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AC17
4B162AC22
5C085AA03
5C085AB01
5C085CA12
5C085CA14
5C085FA25
5C087CC27
5C087DD04
5C087DD17
5G405AB02
5G405CA13
5G405FA16
(57)【要約】
【課題】煙感知器の動作確認試験を実施する際の操作性を改善することのできる加煙試験器を得る。
【解決手段】煙感知器の動作確認試験に使用される加煙試験器であって、リキッドタンクとコイルが一体化されており、電源が供給されることでコイルが加熱され、かつ、外部からの給気または外部からの吸引に伴って、リキッドを気化させて発生した蒸気を放出するアトマイザと、電源が供給されることで駆動し、アトマイザへの給気、あるいはアトマイザからの吸引を行うポンプと、コイルの加熱、およびポンプの駆動を行うための電源の供給源である電池とを備え、アトマイザから放出される蒸気を試験煙として煙感知器に供給する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙感知器の動作確認試験に使用される加煙試験器であって、
リキッドタンクとコイルが一体化されており、電源が供給されることで前記コイルが加熱され、かつ、外部からの給気または外部からの吸引に伴って、リキッドを気化させて発生した蒸気を放出するアトマイザと、
前記電源が供給されることで駆動し、前記アトマイザへの前記給気、あるいは前記アトマイザからの前記吸引を行うポンプと、
前記コイルの加熱、および前記ポンプの駆動を行うための前記電源の供給源である電池と
を備え、前記アトマイザから放出される前記蒸気を試験煙として前記煙感知器に供給する加煙試験器。
【請求項2】
前記ポンプと前記電池との間に接続され、オン状態となることで前記ポンプへの前記電源の供給経路を形成し、オフ状態となることで前記供給経路を遮断するスイッチ
をさらに備え、
前記アトマイザは、前記電池から前記電源が供給されており、
前記ポンプは、前記スイッチが前記オン状態に切り替わることで駆動し、前記アトマイザからの前記吸引を開始することで前記アトマイザによって生成された前記蒸気を前記煙感知器に向かって出力する
請求項1に記載の加煙試験器。
【請求項3】
前記コイルと前記電池との間に接続され、オン状態となることで前記コイルへの前記電源の供給経路を形成し、オフ状態となることで前記供給経路を遮断するスイッチ
をさらに備え、
前記ポンプは、前記電池から前記電源が供給されて、前記アトマイザへの前記給気を行っており、
前記アトマイザは、前記スイッチが前記オン状態に切り替わることで前記コイルが加熱し、かつ、前記給気が行われることで、前記蒸気を生成し、生成した前記蒸気を前記煙感知器に向かって出力する
請求項1に記載の加煙試験器。
【請求項4】
前記スイッチは、外部からの無線信号に応じて前記オン状態と前記オフ状態との切り替えが可能な構成を有し、
オペレータによる操作入力に基づいて、前記オン状態と前記オフ状態との切り替えを行うための前記無線信号を出力するリモートコントローラ
をさらに備える請求項2または3に記載の加煙試験器。
【請求項5】
前記電池から前記コイルに供給される電流量を調整可能な制御基板
をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載の加煙試験器。
【請求項6】
前記加煙試験器は、ドローンに搭載され、高所の火災感知器を試験するものであり、
天井に設置された火災感知器を覆うカップを前記アトマイザに設け、
オン状態となることで前記ポンプへの前記電源の供給経路を形成し、オフ状態となることで前記供給経路を遮断するスイッチと、
オペレータによる操作入力に基づいて、前記スイッチの前記オン状態と前記オフ状態との切り替えを行うための無線信号を出力するリモートコントローラと
をさらに備える請求項1に記載の加煙試験器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、煙感知器の動作確認試験を行う加煙試験器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火災監視エリアに設置され、煙を感知することで早期に火災を感知する煙感知器がある。そして、煙感知器の動作確認試験を行うための専用の加煙試験器が準備されている(例えば、非特許文献1参照)。従来の加煙試験器では、試験員がスプレー缶を指で押すことで擬似的に煙を試験煙として発生させ、煙感知器が正常に動作するか否かの試験が行われていた。
【0003】
また、加煙試験器の性能改善を図る従来技術としては、熱を用いずに安全性を向上させ、省電力化を可能とする加煙試験器、あるいは迅速に試験煙を生成する加煙試験器などがある(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-151635号公報
【特許文献2】特開2020-77104号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】能美防災株式会社 ホームページ 加煙試験器(URL: https://www.nohmi.co.jp/shoninzu/015/015-0002.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
火災監視エリアの規模に応じて、数多くの煙感知器が設置されることも考えられ、より手軽に動作確認試験を実施できる加煙試験器が望まれている。また、動作確認試験の対象となる煙感知器は、高所に設置されることも多く、このような煙感知器に対しても、より手軽に動作確認試験を実施できる加煙試験器が望まれている。
【0007】
特に、スプレー缶を指で押すという操作をなくすことができれば、操作性の改善につながる。また、特許文献1、2では、試験煙を発生させる性能改善を図っている。ただし、高所に設置された煙感知器に対する操作性の改善には着目していない。
【0008】
また、操作性が改善されることで、例えば、ドローンに搭載して遠隔操作によって加煙試験を実施することが実現できれば、高所に設置された煙感知器の動作確認試験においても、試験員の作業負担の軽減を図ることができる。
【0009】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、煙感知器の動作確認試験を実施する際の操作性を改善することのできる加煙試験器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る加煙試験器は、煙感知器の動作確認試験に使用される加煙試験器であって、リキッドタンクとコイルが一体化されており、電源が供給されることでコイルが加熱され、かつ、外部からの給気または外部からの吸引に伴って、リキッドを気化させて発生した蒸気を放出するアトマイザと、電源が供給されることで駆動し、アトマイザへの給気、あるいはアトマイザからの吸引を行うポンプと、コイルの加熱、およびポンプの駆動を行うための電源の供給源である電池とを備え、アトマイザから放出される蒸気を試験煙として煙感知器に供給するものである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、煙感知器の動作確認試験を実施する際の操作性を改善することのできる加煙試験器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る加煙試験器の機能ブロック図である。
【
図2】本開示の実施の形態1に係る加煙試験器に関する第1の構成例を示した説明図である。
【
図3】本開示の実施の形態1に係る加煙試験器に関する第2の構成例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の加煙試験器の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
本開示に係る加煙試験器は、電子タバコでも用いられているアトマイザを利用して発生させた試験煙を煙感知器に供給する構成を備えることを技術的特徴とするものであり、特に、電池駆動による軽量化、およびアトマイザ利用による発煙構成の簡素化を実現することで、ドローン等への搭載にも適した加煙試験器を実現している。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本開示の実施の形態1に係る加煙試験器の機能ブロック図である。本実施の形態1に係る加煙試験器100は、アトマイザ10、ポンプ20、および電池30を備えている。
【0015】
アトマイザ10は、外部からの給気または外部からの吸引に伴って蒸気を発生させる機器であり、電子タバコなどでも用いられているものである。アトマイザ10は、リキッドタンクとコイルが一体化されて構成されている。
【0016】
アトマイザ10は、リキッドタンクに注入し溜めておいたリキッドを、コイルの加熱により気化させることで、蒸気が発生する仕組みとなっている。アトマイザ10が有するコイルは、電池30を電源として電流が供給されることで加熱する。
【0017】
なお、リキッドの具体例としては、プロピレングリコールと植物性グリセリンを配合した液体が挙げられる。
【0018】
アトマイザ10のより具体的な構成について補足説明すると、リキッドが染み込んだウィック(綿)がコイルの周囲に配置されており、コイルに電流を流すことでウィックに染み込んだリキッドが加熱され、蒸気が発生する。
【0019】
コイルの抵抗値が低いほど、電流が流れやすく、加熱しやすくなり、気化量を増大させることができる。さらに、ウィックの量が多いほど、蒸気量が増大することとなる。従って、火災監視エリアに設置された煙感知器の設置環境などに応じて、動作確認試験を行うために適した量の試験煙を生成できるように、コイルおよびウィックを選定することとなる。
【0020】
リキッドタンクに注入されているリキッドをウィックに染み込ませるためには、電子タバコと同じように、空気を供給する必要がある。そこで、本実施の形態1に係る加煙試験器100では、空気の供給源としてポンプ20を用いている。
【0021】
ポンプ20は、電源が供給されることで駆動し、アトマイザ10への給気、あるいはアトマイザからの吸引を行うことで、アトマイザ10に対して空気を供給することができる。
【0022】
電池30は、コイルの加熱、およびポンプの駆動を行うための電源の供給源である。なお、電源の供給源として電池30を使用することで、加煙試験器100を携帯して使用することが可能となり、ドローン等に搭載する際にも対応可能となる。
【0023】
このようにして、アトマイザ10から放出される蒸気は、試験煙として煙感知器に供給されることとなり、煙感知器の動作確認試験に利用される。
【0024】
次に、本実施の形態1に係る加煙試験器を実現するための具体的な構成例について、
図2、
図3を用いて詳細に説明する。
【0025】
図2は、本開示の実施の形態1に係る加煙試験器に関する第1の構成例を示した説明図である。第1の構成例による加煙試験器100aは、アトマイザ10、ポンプ20、電池30a、MOD30b、およびスイッチ40aを備えて構成されている。
【0026】
図2に示した第1の構成例では、先の
図1で説明した電池30が、電池30aとMOD30bとで構成されているとともに、スイッチ40aが設けられている。さらに、
図2に示した第1の構成例では、アトマイザ10内のコイルが、コイル10aとして図示されている。
【0027】
電池30aは、ポンプ20を駆動するための電源の供給源である。電池30aは、スイッチ40aを介してポンプ20と接続されている。スイッチ40aがオン状態となることで電池30aからポンプ20への電源の供給経路が形成され、スイッチ40aがオフ状態となることで電池30aからポンプ20への電源の供給経路が遮断される。
【0028】
一方、MOD30bは、蒸気を発生させるために、アトマイザ10に電源を供給するバッテリーユニットに相当する。MOD30bによってコイル10aに通電されるタイミングは、ポンプ20による吸引が行われるタイミングである。
【0029】
すなわち、スイッチ40aがオン状態となり、ポンプ20が駆動されることで、アトマイザ10に対してポンプ20からの吸引が開始される結果、コイル10aが通電状態となり、アトマイザ10により蒸気が生成され、ポンプ20側へ蒸気が吸引されることとなる。
【0030】
ポンプ20は、アトマイザ10によって生成された蒸気を試験煙として、煙感知器に向かって出力することができ、煙感知器の動作確認試験を容易に実施することができる。
【0031】
図2の構成を備えた加煙試験器100aは、外部からの電源供給が不要であるとともに、スイッチ40aの切り替えにより、試験煙の発生タイミングを容易に操作することを可能としている。また、アトマイザ10を用いることで、比較的短時間で試験煙を生成することができる。
【0032】
さらに、個々の構成要素が比較的軽量であり、試験器全体としても、軽量化を実現できる。従って、加煙試験器100aを用いることで、煙感知器の動作確認試験を実施する際の操作性を改善することが可能となる。
【0033】
次に、
図3は、本開示の実施の形態1に係る加煙試験器に関する第2の構成例を示した説明図である。第2の構成例による加煙試験器100bは、アトマイザ10、ポンプ20、電池30、スイッチ40b、およびリモートコントローラ50(
図3上では省略してリモコンと記載する)を備えて構成されている。
【0034】
図3に示した第2の構成例では、スイッチ40bが設けられているとともに、オペレータによるリモートコントローラ50の操作入力に基づいて、スイッチのオンオフ状態が切り替えられる構成となっている。さらに、
図3に示した第2の構成例では、アトマイザ10内のコイルが、コイル10aとして図示されている。
【0035】
また、
図3に示した第2の構成例では、煙感知器の動作確認試験を実施する際に、煙感知器を覆うためのカップ60が、参考までに図示されている。
【0036】
電池30は、コイル10aの加熱、およびポンプ20の駆動を行うために共通に用いられる電源の供給源となっている。ただし、電池30は、スイッチ40bを介してコイル10aと接続されている。スイッチ40bがオン状態となることで電池30からコイル10aへの電源の供給経路が形成され、スイッチ40bがオフ状態となることで電池30からコイル10aへの電源の供給経路が遮断される。
【0037】
従って、スイッチ40bがオン状態となることでコイル10aが通電状態となり、アトマイザ10により蒸気が生成されることとなる。そして、ポンプ20は、アトマイザに対して給気を行うことで、アトマイザ10によって生成された蒸気を試験煙として、煙感知器に向かって出力することができる。
【0038】
さらに、スイッチ40bのオンオフ状態の切り替えは、リモートコントローラ50の操作に基づく無線信号によって容易に行うことができる。この結果、煙感知器の動作確認試験を容易に実施することができる。
【0039】
図3の構成を備えた加煙試験器100bは、外部からの電源供給が不要であるとともに、スイッチ40bの切り替えにより、試験煙の発生タイミングを容易に操作することを可能としている。また、アトマイザ10を用いることで、比較的短時間で試験煙を生成することができる。
【0040】
また、スイッチ40bの切り替えは、リモートコントローラ50を用いて遠隔制御することが可能である。さらに、個々の構成要素が比較的軽量であり、試験器全体としても、軽量化を実現できる。
【0041】
なお、
図3に示すとおり、スイッチ40bは、電池30によりポンプ20を駆動して、ポンプ20へ電源の供給経路を形成できればよく、必ずしもポンプ20と電池30との間に接続されている必要はない。
【0042】
従って、加煙試験器100bを用いることによっても、煙感知器の動作確認試験を実施する際の操作性を改善することが可能となる。特に、
図3に示した加煙試験器100bでは、アトマイザ10だけをカップ60内に配置することが可能となる。
【0043】
従って、図示しない試験棒の一端側にアトマイザ10を収納したカップ60を取り付け、他端側を試験員が保持することで、高所に設置された煙感知器の動作確認試験を行うことが可能な加煙試験器を実現できる。
【0044】
従来からある天井まで届くような長さを有する試験棒を用いる場合には、アトマイザ10を試験棒の先端に設け、少し重さのあるポンプ20および電池30は、試験棒の下端側に設置すると、火災感知器の試験操作が行いやすくなる。
【0045】
この際、試験棒は、中空のものを使用し、ポンプ20から供給される空気を試験棒の先端に取り付けられたアトマイザ10に供給するものとする。
【0046】
なお、先の
図2に示した第1の構成例においても、スイッチ40aの切り替えを、リモートコントローラ50を用いて遠隔制御するように構成することも可能である。
【0047】
また、電池30aからコイル10aに供給される電流量を調整可能な制御基板をさらに設けることで、用途に応じて、試験煙の発煙量を適切に調整することが可能となる。
【0048】
以上のように、実施の形態1によれば、電子タバコなどで用いられているアトマイザを利用して発生させた試験煙を煙感知器に供給し、動作確認試験を実施できる構成を備えている。アトマイザ自身はコンパクトで軽量であり、また、アトマイザからの吸引あるいはアトマイザへの給気を行うポンプも、小容量のポンプで実現可能であり、軽量である。従って、軽量化を図った加煙試験器を実現できる。
【0049】
また、アトマイザおよびポンプは、いずれも消費電力が比較的少ないものとして実現できるため、電源の供給源として電池を用いることができる。この結果、外部からの電源供給が不要であるとともに、携帯性および軽量化を兼ね備えた加煙試験器を実現できる。
【0050】
また、リモートコントローラによる遠隔制御を可能とすることで、所望のタイミングで試験煙を容易に発生されることが可能となる。
【0051】
さらに、本実施の形態1に係る加煙試験器は、軽量であり、携帯性、操作性に優れ、かつ、試験煙を発生させるまでの時間も比較的短時間であり、試験棒に取り付ける、あるいはドローン等に搭載するといった使用にも適用可能である。
【0052】
ここで、本実施の形態1の加煙試験器をドローンに搭載する場合について言及する。例えば、
図3に示す加煙試験器100bを図示しないドローンに搭載する場合、アトマイザ10、スイッチ40b、ポンプ20、電池30を少なくとも備えた加煙試験器100bを筐体に収容し、ドローンの上部に取り付け固定する。
【0053】
そして、アトマイザ10を収容するカップ60は、天井に設置された火災感知器を覆うことができる大きさで構成される。また、カップ60は、ある程度の高さを有しており、この高さは、ドローンが天井面付近でホバリングして火災感知器を試験する際、ドローンのプロペラ部分が、天井に接触しない高さとなっている。
【0054】
リモートコントローラ50は、床面側にいる火災感知器の点検者が持っており、この点検者が、ドローンを操作して、高所に設置された火災感知器に対してカップ60を被せるようにドローンの操縦を行う。カップ60で火災感知器を覆ったら、リモートコントローラ50を操作して、スイッチ40bをオンにする。
【0055】
このようにリモートコントローラ50は、20~30m程度離れた箇所にあるスイッチ40bを無線信号によりオンオフできるものとする。
【0056】
従って、高所に設置された煙感知器の動作確認試験を実施する際には、足場を設置するなどの作業をなくすことができるとともに、試験員による高所作業をなくすことができる。また、多数の煙感知器の動作確認試験を実施する際にも、本実施の形態1に係る加煙試験器を携帯しながら、効率よく作業を進めることができる。この結果、動作確認試験に必要となる時間の短縮化を図ることができる。
【符号の説明】
【0057】
10 アトマイザ、10a コイル、20 ポンプ、30、30a 電池、40a、40b スイッチ、50 リモートコントローラ、60 カップ、100、100a、100b 加煙試験器。