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特開2024-15電子機器、機能設定システム、機能設定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000015
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】電子機器、機能設定システム、機能設定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 15/02 20060101AFI20231225BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20231225BHJP
【FI】
G06F15/02 360Z
G06Q10/00
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098515
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 正明
【テーマコード(参考)】
5B019
5L049
【Fターム(参考)】
5B019GA03
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】電子機器が有する複数の機能の使用の制限をユーザが操作することなく容易に設定できるようにする。
【解決手段】電子機器としての関数電卓の制御部は、通信部により受信したアドバタイズパケットに含まれる複数の機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の機能の使用を制限する設定を実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から送信される無線信号を受信する受信部と、
複数の機能のいずれかを実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する、電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能のそれぞれの使用許可または使用禁止の設定を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器に関する識別情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている識別情報と前記無線信号に含まれる第2データが示す識別情報とが一致する場合に、前記設定を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器に関する識別情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている識別情報に基づいて前記使用可否に関する情報が復号できた場合に、前記設定を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記使用可否に関する情報に基づく前記設定の実行後に前記電子機器の電源オフの指示を検出した場合、前記使用可否に関する情報を記憶部に記憶した後に電源オフの処理を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記使用可否に関する情報に基づく前記設定の実行後に前記電子機器の電源オフの指示を検出した場合、前記無線信号に含まれる第3データが示す前記設定の有効期限を過ぎているか否かを判断し、前記設定の有効期限を過ぎていないと判断した場合は、前記使用可否に関する情報及び前記有効期限に関する情報を記憶部に記憶した後に電源オフの処理を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記電子機器の電源が投入された場合に、前記記憶部から前記使用可否に関する情報を読み出して再度前記設定を実行する請求項5又は6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記無線信号に含まれる第4データが示す前記設定の開始日時が到来したか否かを判断し、前記設定の開始時刻が到来したと判断した場合に前記設定を実行する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、前記無線信号に含まれる第3データが示す前記設定の有効期限を過ぎているか否かを判断し、前記設定の有効期限を過ぎていると判断した場合に前記設定を解除する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記使用可否に関する情報は、所定の時間範囲内の時間帯ごとに定められた情報であり、
前記制御部は、前記時間帯ごとに前記設定を変更する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
情報処理装置と、電子機器と、を備え、
前記情報処理装置は、前記電子機器が有する複数の機能のそれぞれの使用可否に関する情報を含む無線信号を送信し、
前記電子機器は、
前記情報処理装置から送信される前記無線信号を受信する受信部と、
複数の機能のいずれかを実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記受信部により受信された前記無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する、機能設定システム。
【請求項12】
外部装置から送信される無線信号を受信する工程と、
複数の機能のいずれかを実行する工程と、
前記受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する工程と、
を含む機能設定方法。
【請求項13】
コンピュータを、
外部装置から送信される無線信号を受信する受信部、
複数の機能のいずれかを実行する制御部、
として機能させ、
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、機能設定システム、機能設定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、辞書機能を備えた電子機器において、テストモードが設定されている期間は、テストモードが設定された時点で使用されていた辞書データのみを検索対象とした辞書検索のみを使用可能とするとともに、辞書検索以外の機能の一部または全部を使用不可能に設定できるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-63316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、テストモードで使用できる機能、使用できない機能は予め定められている。そのため、テストや試験に応じて使用できる機能、使用できない機能を定めることができない。
一方、テストや試験を受ける際に、各ユーザ(生徒)がそのテストや試験に応じて使用できる機能、使用できない機能を電子機器に設定することは必ずしも容易ではない。
【0005】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、電子機器が有する機能の使用の制限をユーザが操作することなく容易に設定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明の電子機器は、
外部装置から送信される無線信号を受信する受信部と、
複数の機能のいずれかを実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子機器が有する機能の使用の制限をユーザが操作することなく容易に設定できるようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】機能設定システムの構成例を示すブロック図である。
図2図1の情報処理装置により実行される情報処理装置側メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図3図2のステップS6において実行されるアドバタイズ送信処理の流れを示すフローチャートである。
図4】アドバタイズパケットのフォーマットの一例を示す図である。
図5図1の関数電卓により実行される関数電卓側メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図6図5のステップS16において実行されるアドバタイズ受信処理の流れを示すフローチャートである。
図7】第2の実施形態において図1の情報処理装置により実行されるアドバタイズ送信処理Aの流れを示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態において図1の関数電卓により実行されるアドバタイズ受信処理Aの流れを示すフローチャートである。
図9】第3の実施形態において図1の関数電卓により実行される関数電卓側メイン処理Aの流れを示すフローチャートである。
図10】第4の実施形態において図1の関数電卓により実行される関数電卓側メイン処理Bの流れを示すフローチャートである。
図11】第5の実施形態において図1の関数電卓により実行される関数電卓側メイン処理Cの流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る電子機器の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
<第1の実施形態>
[システム構成]
図1は、本発明に係る電子機器の一例としての関数電卓1と、情報処理装置2と、を備える機能設定システム100の構成例を示すブロック図である。
関数電卓1は、例えば、生徒が使用する電卓である。情報処理装置2は、例えば、教師が所有するPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、関数電卓等である。機能設定システム100においては、情報処理装置2から送信される無線信号(アドバタイズパケット)に基づいて、複数の関数電卓1それぞれを試験モードに設定する。試験モードは、試験のために、関数電卓1が有する複数の機能の使用可否が設定可能なモードである。ここで関数電卓1が有する機能とは、例えば四則計算機能、行列計算機能、複素数計算機能、ベクトル計算機能、統計計算機能、関数計算機能、グラフ・座標表示機能、プログラム機能(変数の定義、式への代入、条件処理、繰り返し処理等で構成されたBasic等のプログラミング言語で記述された処理機能)等である。なお、機能設定システム100における関数電卓1の数は、特に限定されない。
【0011】
[関数電卓の構成]
関数電卓1は、図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、入力部13と、表示部14と、通信部15と、を備えて構成され、各部はバス16を介して接続されている。
【0012】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、関数電卓1の各部を制御する。具体的には、制御部11のCPUは、記憶部12に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムとの協働で、後述する関数電卓側メイン処理を始めとする各種処理を実行する。
【0013】
記憶部12は、不揮発性メモリ等により構成され、プログラムやデータ等を記憶する。記憶部12は、関数電卓1に内蔵されたものに限られず、関数電卓1に対して着脱可能な外部記録媒体を含んでもよい。
【0014】
本実施形態において、記憶部12には、関数電卓1のシステムプログラムや、後述する関数電卓側メイン処理を始めとする各種処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0015】
また、記憶部12には、関数電卓1に関する識別情報として、関数電卓1のユーザである生徒が所属しているクラスや学校の識別情報が記憶されている。本実施形態では、記憶部12には、クラスの識別情報である第1識別情報と、学校の識別情報である第2識別情報が識別情報として記憶されている。この第1識別情報及び第2識別情報は、例えば、メーカーが関数電卓1を納入する前に設定したもの、または、教師がクラスの生徒に関数電卓1を配布する前に設定したものである。なお、第2識別情報は、学校の識別情報に限らず、例えば、関数電卓1のロット番号等としてもよい。ここでのクラスとは、例えば学校における複数の教室それぞれを異なるクラスとして扱ってもいいし、同じフロアにある3つの教室A~Cがある場合に教室AとBを同じクラスとして扱い、教室Cをそれとは異なるクラスとして扱ってもよい。また、ある1つの教室Aの中に存在する生徒を2つグループに分け、一方のグループと他方のグループで異なるクラスとして扱ってもよい。
【0016】
また、記憶部12には、情報処理装置2から送信されたアドバタイズパケットに含まれる第1データであるコマンド・パラメータ(詳細後述)のうち、すでに処理済みのコマンド・パラメータのコマンド順番番号(処理済みコマンド順番番号と呼ぶ)が記憶されている。
【0017】
入力部13は、テンキー、カーソルキー(十字キー)、MENUキー等を備えており、ユーザ操作により入力されたキーに対応するキー入力信号を制御部11に出力する。制御部11は、ユーザ操作により入力されたキーに対応するキー入力信号を受け付けて対応する数値や演算記号等を表示部14上に表示させたり、キー入力により選択された機能を実行したりする。また、入力部13は、関数電卓1の電源のオン/オフを指示するための電源ボタンを備えている。
なお、入力部13は、タッチパネルにより構成されていてもよい。
【0018】
表示部14は、上述のように、液晶ディスプレイ等により構成され、制御部11の制御動作に基づいて表示を行う。
【0019】
通信部15は、WiFiなどの無線LAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話通信網、又はBluetooth(登録商標)により情報処理装置2を始めとする外部機器と通信を行うための通信制御を行う。
【0020】
[情報処理装置の構成]
情報処理装置2は、図1に示すように、制御部21と、記憶部22と、入力部23と、表示部24と、通信部25と、を備えて構成され、各部はバス26を介して接続されている。
【0021】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、情報処理装置2の各部を制御する。具体的には、制御部21のCPUは、記憶部22に記憶されているシステムプログラムや各種アプリケーションプログラム(アプリと呼ぶ)の中から指定されたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムとの協働で、後述する情報処理装置側メイン処理を始めとする各種処理を実行する。
【0022】
記憶部22は、不揮発性の半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)により構成されている。記憶部22は、情報処理装置2のシステムプログラムや各種アプリケーションプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。記憶部22に記憶されているプログラムとしては、例えば、後述する情報処理装置側メイン処理を実行するための処理プログラムや、関数電卓1を試験モードに設定するための所定のアプリ(試験モード設定用アプリと呼ぶ)が含まれる。記憶部22は、情報処理装置2に内蔵されたものに限られず、情報処理装置2に対して着脱可能なメモリカード等の外部記録媒体を含んでもよい。
【0023】
また、記憶部22は、クラスに対応付けて、そのクラスに対応する識別情報(第1識別情報及び第2識別情報)を記憶している。
さらに、記憶部22には、後述するコマンド順番番号をカウントするためのカウンター領域を有している。
【0024】
入力部23は、各種キーを備えたキーボードやマウス等のポインティングデバイス、あるいは表示部24に取り付けられたタッチパネル等で構成されている。入力部23は、ユーザ操作により入力されたキーに対応するキー入力信号や画面上の操作信号を制御部21に出力する。
【0025】
表示部24は、液晶ディスプレイ等により構成され、制御部21の制御動作に基づいて表示を行う。
【0026】
通信部25は、WiFiなどの無線LAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話通信網、又はBluetooth(登録商標)等により外部機器と通信を行うための通信制御を行う。
【0027】
[動作]
次に、本実施形態における機能設定システム100の動作について説明する。
機能設定システム100では、例えば、生徒の関数電卓1をセントラル、教師の情報処理装置2をペリフェラルとして、情報処理装置2から送信するBLE(Bluetooth Low Energy)のアドバタイズパケットに、試験における、関数電卓1が有する複数の機能のそれぞれの使用可否に関する情報(第1データ)を含めて送信し、生徒の関数電卓1に試験モードを設定する。
【0028】
まず、アドバタイズパケットの送信側である情報処理装置2の動作について説明する。
図2は、情報処理装置2において実行される情報処理装置側メイン処理の流れを示すフローチャートである。情報処理装置側メイン処理は、制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0029】
電源ボタンが押下され、電源が投入されると(ステップS1;YES)、制御部21は、起動処理を開始する(ステップS2)。
【0030】
次いで、制御部21は、起動処理が完了したか否かを判断する(ステップS3)。起動処理が完了していないと判断した場合(ステップS3;NO)、制御部21は、ステップS3の処理を繰り返す。
【0031】
起動処理が完了したと判断した場合(ステップS3;YES)、制御部21は、入力部23の操作により試験モード設定用アプリが起動されたか否かを判断する(ステップS4)。
試験モード設定用アプリが起動されたと判断した場合(ステップS4;YES)、制御部21は、試験モード設定用アプリにおいて、アドバタイズパケットの送信が要求されたか否かを判断する(ステップS5)。
例えば、試験モード設定用アプリでは、入力部23の操作によりアドバタイズパケットの送信を要求することができる。
【0032】
アドバタイズパケットの送信が要求されたと判断した場合(ステップS5;YES)、制御部21は、アドバタイズ送信処理を実行する(ステップS6)。
【0033】
図3は、図2のステップS6において実行されるアドバタイズ送信処理の流れを示すフローチャートである。図3のアドバタイズ送信処理は、制御部21と試験モード設定用アプリとの協働により実行される。
【0034】
まず、制御部21は、送信回数を格納する変数n(送信回数n)に0を設定する(ステップS601)。
【0035】
次いで、制御部21は、入力部23からの入力に基づいて、試験モードの設定対象となるクラスに属するユーザの関数電卓1に送信する送信データを生成する(ステップS602)。
【0036】
図4は、情報処理装置2から送信されるアドバタイズパケットのフォーマットの一例を示す図である。図4に示すように、アドバタイズパケットはプリアンブル、アクセスアドレス、プロトコルデータユニット(PDU)、CRC(Cyclic Redundancy Check)で構成される。各データのサイズはオクテット(Octet)で示し、1オクテットは8ビットである。更にPDUは、ヘッダーとペイロード(Payload)で構成される。また、本実施形態での送信データはPDUのペイロードのデータ領域に配置され、CRC(チェックサムでもよい)と、コマンド順番番号と、コマンド・パラメータと、が含まれる。
コマンド順番番号は、送信データを識別するための番号である。
コマンド・パラメータは、試験モードにおける、関数電卓1に備えられている複数の機能のそれぞれの機能についての使用可否に関する情報である。関数電卓1に備えられている複数の機能のそれぞれの機能についての使用可否に関する情報としては、対象となる試験において使用不可に設定すべき機能のみを示す情報(当該情報に含まれない機能は、使用可であることを示す)としてもよいし、対象となる試験において使用可に設定すべき機能のみを示す情報(当該情報に含まれない機能は、使用不可であることを示す)としてもよいし、複数の機能のそれぞれの機能についての使用可否を示す情報としてもよい。
【0037】
試験モードでは、試験のカンニング対策として、主に試験中に使わせるべきではない機能を使用不可に設定して使用を制限する。カンニング対策として使用が制限される機能としては、例えば、アドインアプリ、プログラミング系アプリ、一部の演算機能(例えば、ベクトル計算を含む試験であれば、ベクトル計算機能、統計計算の試験であれば、統計機能など)、画像ファイル参照、CSVファイル参照、「通常モード→試験モード」/「試験モード→通常モード」のようにモードをまたいだ電卓内メモリの引き継ぎ、などが挙げられる。
【0038】
ステップS602において、制御部21は、例えば、入力部23により(ユーザ操作により)試験モードの設定対象となるクラスと、試験で使用不可に設定する機能(又は、試験で使用可能に設定する機能)を選択させ、送信データの「コマンド順番番号」に、記憶部22に記憶されているコマンド順番番号を、「コマンド・パラメータ」に、入力部23による選択に応じた関数電卓1の複数の機能のそれぞれの使用可否に関する情報を、「CRC」に、コマンド順番番号とコマンド・パラメータから算出したCRCを設定して送信データを生成する。
【0039】
次いで、制御部21は、入力部23により選択されたクラスに対応する識別情報(第1識別情報及び第2識別情報)を記憶部22から取得して、第1識別情報と第2識別情報に基づいて生成された暗号化キーを用いて、所定の暗号化方式により送信データを暗号化し暗号化送信データを生成する(ステップS603)。
暗号化方式は特に限定されないが、例えば、AES(Advanced Encryption Standard)などを用いることができる。
【0040】
次いで、制御部21は、暗号化送信データを含むアドバタイズパケットを通信部25により送信(ブロードキャスト)する(ステップS604)。
例えば、制御部21は、暗号化送信データを、例えば、BLEのアドバタイズパケットのPDUのペイロードのデータ領域の中に含めて送信する。
【0041】
次いで、制御部21は、送信回数nを1インクリメントし(ステップS605)、送信回数nが予め設定された回数(ここでは、送信のリトライを含めて10とする)であるか否かを判断する(ステップS606)。
送信回数nが10ではないと判断した場合(ステップS606;NO)、制御部21は、ステップS604に戻り、ステップS604~S606を繰り返す。ここで、アドバタイズパケットの送信は、情報処理装置2から関数電卓1への一方向の通信のため、セントラル(関数電卓1)がアドバタイズパケットを正常に受信したか否かを情報処理装置2で判断することはできない。そこで、制御部21は、ステップS604~S606を予め設定された送信回数繰り返す。
【0042】
送信回数nが10であると判断した場合(ステップS606;YES)、制御部21は、記憶部22に記憶されているコマンド順番番号のカウント領域をインクリメントして更新(ステップS607)してアドバタイズ送信処理を終了し、図2のステップS7に移行する。
ステップS607で記憶部22に記憶されているコマンド順番番号をインクリメントして更新しておくで、次に別の送信データをアドバタイズパケットに含めて送信する際、セントラル(関数電卓1)でリトライによる送信データではなく新たな送信データであることが識別可能となる。
【0043】
一方、図2のステップS4において、試験モード設定用アプリが起動されていないと判断された場合(ステップS4;NO)、又は、ステップS5において試験モード設定用アプリによりアドバタイズパケットの送信が要求されていないと判断した場合(ステップS5;NO)、制御部21は、ステップS7に移行する。
【0044】
ステップS7において、制御部21は、電源ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS7)。
電源ボタンが押下されていないと判断した場合(ステップS7;NO)、制御部21は、ステップS4に戻り、ステップS4~ステップS7を繰り返し実行する。
【0045】
電源ボタンが押下されたと判断した場合(ステップS7;YES)、制御部21は、シャットダウン処理(電源オフの処理)を行い(ステップS8)、情報処理装置側メイン処理を終了する。
【0046】
次に、アドバタイズパケットの受信側である関数電卓1の動作について説明する。
図5は、関数電卓1において実行される関数電卓側メイン処理の流れを示すフローチャートである。関数電卓側メイン処理は、制御部11と記憶部12に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0047】
電源ボタンが押下され、電源が投入されると(ステップS11;YES)、制御部11は、起動処理を開始する(ステップS12)。
【0048】
次いで、制御部11は、起動処理が完了したか否かを判断する(ステップS13)。起動処理が完了していないと判断した場合(ステップS13;NO)、制御部11は、ステップS13の処理を繰り返す。
【0049】
起動処理が完了したと判断した場合(ステップS13;YES)、制御部11は、入力部13のいずれかのキーが押下されたか否かを判断する(ステップS14)。
【0050】
入力部13のいずれのキーも押下されていないと判断した場合(ステップS14;NO)、制御部11は、ステップS16に移行する。
入力部13のいずれかのキーが押下されたと判断した場合(ステップS14;YES)、制御部11は、押下されたキーに応じた処理(キーの押下により選択された機能や入力された数値の表示等)を実行し(ステップS15)、ステップS16に移行する。
なお、使用禁止が設定されている機能については、キーを押下しても実行されない。
【0051】
ステップS16において、制御部11は、アドバタイズ受信処理を実行する(ステップS16)。
図6は、図5のステップS16により実行されるアドバタイズ受信処理の流れを示すフローチャートである。図6のアドバタイズ受信処理は、制御部11と記憶部12に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0052】
まず、制御部11は、アドバタイズ信号をスキャンして受信を開始する(ステップS161)。
例えば、制御部11は、Bluetoothの使用がOFF(無効)になっていたらON(有効)にし、周囲の電波の探索を開始する。
【0053】
次いで、制御部11は、通信部15によりアドバタイズパケットを受信したか否かを判断する(ステップS162)。
アドバタイズパケットを受信していないと判断した場合(ステップS162;NO)、制御部11は、アドバタイズ受信処理を終了して図5のステップS17に移行する。
【0054】
アドバタイズパケットを受信したと判断した場合(ステップS162;YES)、制御部11は、受信したアドバタイズパケットをRAMに記憶し、記憶部12に記憶されている識別情報(第1識別情報及び第2識別情報)を用いて、受信したアドバタイズパケットの暗号化送信データを復号する(ステップS163)。
【0055】
次いで、制御部11は、暗号化送信データが復号できたか否かを判断する(ステップS164)。
ここで、暗号化に用いられた識別情報(暗号化キー)と、復号に用いられた識別情報(復号化キー)とが一致しない場合、暗号化送信データを復号することができない。例えば、暗号化キーとして用いられた第1識別情報が関数電卓1のユーザが属するクラスの識別情報でない場合(違うクラス向けの暗号化データを受信した場合など)は、暗号化キーと復号化キーが一致しないため、復号はできない。すなわち、自装置宛でない送信データに基づいて試験モードに設定されてしまうことを防止できる。
【0056】
暗号化送信データが復号できなかったと判断した場合(ステップS164;NO)、制御部11は、RAMに一時記憶したアドバタイズパケットを破棄してアドバタイズ受信処理を終了し、図5のステップS17に移行する。
【0057】
暗号化送信データが復号できたと判断した場合(ステップS164;YES)、制御部11は、復号した送信データから算出したCRCと、復号した送信データに含まれるCRCが一致しているか否かを判断する(ステップS165)。
【0058】
復号した送信データから算出したCRCと、復号した送信データに含まれるCRCとが一致しないと判断した場合(ステップS165;NO)、制御部11は、RAMに一時記憶したアドバタイズパケットを破棄してアドバタイズ受信処理を終了し、図5のステップS17に移行する。
ステップS165においてCRCが一致しない場合、送信データが改ざんされているか破損しているため、送信データに基づく試験モードの設定は行われない。
【0059】
復号した送信データから算出したCRCと、復号した送信データに含まれるCRCとが一致したと判断した場合(ステップS165;YES)、制御部11は、送信データに含まれるコマンド順番番号が既に処理した送信データのコマンド順番番号であるかを判断する(ステップS166)。
ステップS166では、情報処理装置2によりリトライ送信された送信データを再度処理することを防ぐための判断である。制御部11は、記憶部12に記憶されている処理済みコマンド順番番号と送信データに含まれるコマンド順番番号を比較し、送信データに含まれるコマンド順番番号が記憶部12に記憶されている処理済みコマンド順番番号に含まれている場合は、送信データに含まれるコマンド順番番号が既に処理した送信データのコマンド順番番号であると判断する。
【0060】
送信データに含まれるコマンド順番番号が既に処理した送信データのコマンド順番番号であると判断した場合(ステップS166;YES)、制御部11は、RAMに一時記憶したアドバタイズパケットを破棄してアドバタイズ受信処理を終了し、図5のステップS17に移行する。
【0061】
送信データに含まれるコマンド順番番号が既に処理した送信データのコマンド順番番号ではないと判断した場合(ステップS166;NO)、制御部11は、送信データのコマンド・パラメータで指定された設定(試験モードの設定)を実施する(ステップS167)。
ステップS167において、制御部11は、送信データのコマンド・パラメータにおいて使用不可として指定されている機能を使用不可(使用禁止)に設定し、使用可として指定されている機能を使用可(使用許可)に設定する。機能の使用可否の設定情報は、制御部11のRAMに記憶する。機能の使用可否の設定情報は、使用不可の機能のみの情報(設定情報にない機能は、使用可)としてもよいし、使用可の機能のみの情報(設定情報にない機能は、使用不可)としてもよいし、全ての機能について使用可否を示す情報であってもよい。
【0062】
次いで、制御部11は、送信データのコマンド順番番号を記憶部12に記憶されている処理済みコマンド順番番号に追加して更新(ステップS168)してアドバタイズ受信処理を終了し、図5のステップS17に移行する。
【0063】
図5のステップS17において、制御部11は、電源ボタンの押下が検出されたか否かを判断する(ステップS17)。
電源ボタンの押下が検出されていないと判断した場合(ステップS17;NO)、制御部11は、ステップS14に戻り、ステップS14~ステップS17を繰り返し実行する。
【0064】
電源ボタンの押下が検出されたと判断した場合(ステップS17;YES)、制御部11は、シャットダウン処理を行い(ステップS18)、関数電卓1側メイン処理を終了する。
【0065】
試験で関数電卓1を使用するクラスの教師は、例えば試験を開始する際に、情報処理装置2において試験モード設定用アプリを起動して、入力部23により試験の対象となるクラス、試験で使用不可(使用禁止)とする機能又は使用可(使用許可)とする機能を選択する。情報処理装置2の制御部21は、入力部23からの入力に応じて、関数電卓1が有する複数の機能の試験モードでの使用可否に関する情報をコマンド・パラメータとして含む送信データを生成し、生成した送信データを試験を実施するクラスに対応する識別情報を含む暗号化キーで暗号化し、暗号化送信データをアドバタイズパケットに含めて通信部25により送信する。
関数電卓1では、情報処理装置2から送信されるアドバタイズパケットを通信部15により受信すると、記憶部12に予め記憶されている識別情報を含む復号化キーによりアドバタイズパケットに含まれる暗号化送信データを復号し、復号された送信データのコマンド・パラメータに基づいて、関数電卓1が有する複数の機能のうち、コマンド・パラメータで使用可として指定されている機能を使用許可に設定し、使用不可として指定されている機能を使用不可(使用禁止)に設定する。
したがって、関数電卓1が有する複数の機能の試験での使用可否を、試験ごとに、試験の対象となるクラスの複数の生徒それぞれが所有する関数電卓1を自動的に試験モードに設定することができる。その結果、関数電卓1が有する複数の機能の試験での使用可否を、ユーザである生徒がそれぞれ個別に関数電卓を操作して設定することなく、容易に設定することが可能となる。
また、関数電卓1はコマンド・パラメータに基づいて、関数電卓1が有する複数の機能のうち、使用許可として設定された機能(例えば四則計算機能と行列計算機能等、)と、使用禁止として設定された機能(例えば複素数計算機能と統計計算機能等)の状態になる。すなわち、関数電卓1は、関数電卓1が有する複数の機能の使用について制限された状態になっている。
【0066】
なお、試験モードの設定は、電源OFFにより解除される。また、試験の終了時に情報処理装置2から試験モードの解除を指示するコマンド・パラメータを含むアドバタイズパケットを送信することにより、関数電卓1に試験モードを解除させることとしてもよい。
【0067】
なお、関数電卓1及び情報処理装置2が計時部(RTC(Real Time Clock))を有する構成の場合、暗号化キーは、第1識別情報及び第2識別情報に、さらに計時部から取得した時刻情報を加えたものとしてもよい。例えば、情報処理装置2において、第1識別情報、第2識別情報及び時刻情報に基づいて生成された暗号化キーでコマンド・パラメータ(例えば図4のCRCとコマンド順番番号を含めてもよい)の暗号化を行い、関数電卓1において、第1識別情報、第2識別情報及びアドバタイズパケットの受信時刻(±αの範囲)に基づいて生成された復号化キーを用いて、暗号化されたコマンド・パラメータの復号を行う。これにより、時刻情報を加えたデータから生成された暗号化キーを、ワンタイムパスワードとして用いることができるので、外部から誤信号を送るなどのハッキングを防止しやすくすることができる。なお、関数電卓1の時刻情報と情報処理装置2の時刻情報にはタイムラグがある可能性があるため、暗号化キー及び復号化キーに用いる時刻は数十秒単位、分単位など、幅をもたせた単位とすることが好ましい。
【0068】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、送信データの少なくとも一部を暗号化してアドバタイズパケットに含ませることとしたが、第2の実施形態では、送信データを平文のまま送る例について説明する。
【0069】
第2の実施形態の機能設定システム100の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第2の実施形態の動作について説明する。
【0070】
第2の実施形態で実施される情報処理装置側メイン処理は、図2を用いて説明したものと同様であるが、ステップS6におけるアドバタイズ送信処理が異なる。また、第2の実施形態で実施される関数電卓側メイン処理は、図5を用いて説明したものと同様であるが、ステップS16におけるアドバタイズ受信処理が異なる。そこで、以下、第2の実施形態におけるアドバタイズ送信処理とアドバタイズ受信処理について説明する。
なお、以下の説明では、第2の実施形態におけるアドバタイズ送信処理をアドバタイズ送信処理A、第2の実施形態におけるアドバタイズ受信処理をアドバタイズ受信処理Aとして説明する。
【0071】
図7は、アドバタイズ送信処理Aの流れを示すフローチャートである。アドバタイズ送信処理Aは、情報処理装置2の制御部21と記憶部22に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0072】
アドバタイズ送信処理Aにおいて、制御部21は、まず、送信回数を格納する変数n(送信回数n)に0を設定する(ステップS6011)。
次いで、制御部21は、入力部23からの入力に基づいて、試験モードの設定対象となるクラスに属するユーザの関数電卓1に送信する送信データを生成する(ステップS6012)。
【0073】
ステップS6012で生成される送信データには、CRC(Cyclic Redundancy Check、チェックサムでもよい)と、コマンド順番番号と、コマンド・パラメータ(第1データ)と、に加え、識別情報(第2データ)が含まれる。
識別情報は、試験モードの設定の対象となる関数電卓1に関する識別情報である。本実施形態では、例えば、入力部23により選択されたクラスに対応付けて記憶部22に記憶されている識別情報(上述の第1識別情報及び第2識別情報)である。
【0074】
次いで、制御部21は、生成した送信データを含むアドバタイズパケットを通信部25により送信(ブロードキャスト)する(ステップS6013)。
【0075】
次いで、制御部21は、送信回数nをインクリメントし(ステップS6014)、送信回数nが予め設定された回数(ここでは、10とする)であるか否かを判断する(ステップS6015)。
送信回数nが10ではないと判断した場合(ステップS6015;NO)、制御部21は、ステップS6013に戻り、ステップS6013~S6015を繰り返す。
【0076】
送信回数nが10であると判断した場合(ステップS6015;YES)、制御部21は、記憶部22に記憶されているコマンド順番番号をインクリメントして更新(ステップS6016)してアドバタイズ送信処理Aを終了し、図2のステップS7に移行する。
【0077】
このように、アドバタイズ送信処理Aでは、情報処理装置2は、CRC(Cyclic Redundancy Check、チェックサムでもよい)と、コマンド順番番号と、コマンド・パラメータと、に加え、試験モードの設定対象の関数電卓1に関する識別情報を含むアドバタイズパケットをブロードキャスト送信する。
【0078】
次に、アドバタイズ受信処理Aについて説明する。
図8は、アドバタイズ受信処理Aの流れを示すフローチャートである。アドバタイズ受信処理Aは、関数電卓1の制御部11と記憶部12に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0079】
アドバタイズ受信処理Aにおいて、制御部11は、まず、アドバタイズ信号をスキャンして受信を開始する(ステップS1611)。
【0080】
次いで、制御部11は、通信部15によりアドバタイズパケットを受信したか否かを判断する(ステップS1612)。
アドバタイズパケットを受信していないと判断した場合(ステップS1612;NO)、制御部11はアドバタイズ受信処理Aを終了して、図5のステップS17に移行する。
【0081】
アドバタイズパケットを受信したと判断した場合(ステップS1612;YES)、制御部11は、受信したアドバタイズパケットをRAMに記憶し、アドバタイズパケットの送信データに含まれる識別情報(第2データ)と記憶部12に記憶されている関数電卓1に関する識別情報とを比較して一致するか否かを判断する(ステップS1613)。
【0082】
アドバタイズパケットの送信データに含まれる識別情報と記憶部12に記憶されている関数電卓1に関する識別情報とが一致しないと判断した場合(ステップS1613;NO)、制御部11は、RAMに一時記憶したアドバタイズパケットを破棄してアドバタイズ受信処理Aを終了し、図5のステップS17に移行する。
【0083】
アドバタイズパケットの送信データに含まれる識別情報と記憶部12に記憶されている関数電卓1に関する識別情報とが一致したと判断した場合(ステップS1613;YES)、制御部11は、送信データから算出したCRCと、送信データに含まれるCRCが一致しているか否かを判断する(ステップS1614)。
【0084】
送信データから算出したCRCと、送信データに含まれるCRCとが一致しないと判断した場合(ステップS1614;NO)、制御部11は、RAMに一時記憶したアドバタイズパケットを破棄してアドバタイズ受信処理Aを終了し、図5のステップS17に移行する。
【0085】
送信データから算出したCRCと、送信データに含まれるCRCとが一致したと判断した場合(ステップS1614;YES)、制御部11は、送信データに含まれるコマンド順番番号が既に処理した送信データのコマンド順番番号であるかを判断する(ステップS1615)。
【0086】
送信データに含まれるコマンド順番番号が既に処理した送信データのコマンド順番番号であると判断した場合(ステップS1615;YES)、制御部11は、RAMに一時記憶したアドバタイズパケットを破棄してアドバタイズ受信処理Aを終了し、図5のステップS17に移行する。
【0087】
送信データに含まれるコマンド順番番号が既に処理した送信データのコマンド順番番号ではないと判断した場合(ステップS1615;NO)、制御部11は、送信データのコマンド・パラメータで指定された設定(試験モードの設定)を実施する(ステップS1616)。
すなわち、制御部11は、送信データのコマンド・パラメータにおいて使用不可として指定されている機能を使用不可(使用禁止)に設定し、使用可として指定されている機能を使用可(使用許可)に設定する。機能の使用可否の設定情報は、制御部11のRAMに記憶する。
【0088】
そして、制御部11は、記憶部12に記憶されている処理済みコマンド順番番号を更新(ステップS1617)してアドバタイズ受信処理Aを終了し、図5のステップS17に移行する。
【0089】
このように、アドバタイズ受信処理Aでは、アドバタイズパケットの送信データに含まれる識別情報と関数電卓1に関する識別情報とが一致する場合、コマンド・パラメータに基づく設定(試験モードの設定)を行うので、自装置(関数電卓1)に対する送信データでない送信データに基づいて機能の使用可否を設定することを回避することができる。
【0090】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、試験モードに入った後に関数電卓1の電源を一旦オフし、再度オンすると、試験モードの設定が解除されてしまう。そこで、第3の実施形態では、試験中において関数電卓1の電源をオフして再度電源をオンにしても試験モードの設定が解除されないようにする制御について説明する。
【0091】
第3の実施形態において、関数電卓1の制御部11には、RTC(計時部)が備えられている。
また、関数電卓1の記憶部12には、後述する関数電卓側メイン処理Aを実行するためのプログラムが記憶されている。
その他の機能設定システム100の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第3の実施形態における動作について説明する。
【0092】
情報処理装置2の制御部21は、上述のアドバタイズ送信処理(図3参照)においてアドバタイズパケットに含める送信データを生成する際、試験モードの設定の有効期限を示す情報(第3データ)をさらに含んだ送信データを生成し、生成した送信データを暗号化した暗号化送信データを含むアドバタイズパケットを通信部25により送信する。試験モードの設定の有効期限を示す情報は、例えば、試験終了時刻(例えば、15:30)や試験時間(例えば、60分)等である。
【0093】
関数電卓1の制御部11は、関数電卓側メイン処理Aを実行する。
図9は、関数電卓側メイン処理Aの流れを示すフローチャートである。関数電卓側メイン処理Aは、制御部11と記憶部12に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0094】
電源ボタンが押下され、電源が投入されると(ステップS31;YES)、制御部11は、起動処理を開始する(ステップS32)。
【0095】
次いで、制御部11は、試験モードの設定の有効期限を示す情報(第3データ)を含むアドバタイズパケットの情報が記憶部12に記憶されているか否かを判断する(ステップS33)。
ここで、試験モードが設定されている最中に電源がオフされた場合、電源オフ前に実行された関数電卓側メイン処理AのステップS45によって、記憶部12に、試験モードの設定の有効期限を示す情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶されている。
【0096】
試験モードの設定の有効期限を含むアドバタイズパケットの情報が記憶部12に記憶されていると判断した場合(ステップS33;YES)、制御部21は、アドバタイズパケットの情報において指定された設定(試験モードの設定)を実行し(ステップS34)、ステップS35に移行する。
すなわち、制御部11は、記憶部12に記憶されているアドバタイズパケットに含まれるデータのコマンド・パラメータにより指定された機能の使用可否を設定する。機能の使用可否の設定情報は、制御部11のRAMに記憶する。
【0097】
試験モードの設定の有効期限を示す情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶部12に記憶されていないと判断した場合(ステップS33;NO)、制御部11は、ステップS35に移行する。
【0098】
ステップS35において、制御部11は、起動処理が完了したか否かを判断する(ステップS35)。
起動処理が完了していないと判断した場合(ステップS35;NO)、制御部11は、ステップS35を繰り返す。
【0099】
起動処理が完了したと判断した場合(ステップS35;YES)、制御部11は、試験モードに入っているか否かを判断する(ステップS36)。すなわち、試験モードの設定がされているか否かを判断する。
試験モードに入っていないと判断した場合(ステップS36;NO)、制御部11は、ステップS39に移行する。
【0100】
試験モードに入っていると判断した場合(ステップS36;YES)、制御部11は、試験モードの設定の有効期限を過ぎているか否かを判断する(ステップS37)。
試験モードの設定の有効期限を過ぎていないと判断した場合(ステップS37;NO)、制御部11は、ステップS39に移行する。
【0101】
試験モードの設定の有効期限を過ぎていると判断した場合(ステップS37;YES)、制御部11は、アドバタイズパケットの情報で指定された試験モードの設定を解除し(ステップS38)、ステップS39に移行する。
ここで、制御部11は、試験モードの設定に用いたアドバタイズパケットが記憶部12に記憶されている場合には、併せて消去する。
【0102】
ステップS39において、制御部11は、入力部13のいずれかのキーが押下されたか否かを判断する(ステップS39)。
入力部13のいずれかのキーが押下されたと判断した場合(ステップS39;YES)、制御部11は、押下されたキーに応じた処理(キーの押下により選択された機能や入力された数値の表示等)を実行し(ステップS40)、ステップS41に移行する。
なお、使用禁止が設定されている機能については、キーを押下しても実行されない。
【0103】
入力部13のいずれのキーも押下されていないと判断した場合(ステップS39;NO)、ステップS41に移行する。
【0104】
ステップS41において、制御部11は、アドバタイズ受信処理を実行する(ステップS41)。
ステップS41の処理は、図6で説明したものと同様であるが、受信したアドバタイズパケットの試験モードの設定の有効期限を示す情報が試験時間である場合、例えば、現在時刻と試験時間から試験終了時刻を算出し、受信したアドバタイズパケットのデータのうち、試験時間(有効期限を示す情報)を算出した試験終了時刻に置き換える。
【0105】
アドバタイズ受信処理の終了後、制御部11は、電源ボタンの押下が検出されたか否かを判断する(ステップS42)。
電源ボタンの押下が検出されていないと判断した場合(ステップS42;NO)、制御部11は、ステップS36に戻り、ステップS36~S42を繰り返し実行する。
【0106】
電源ボタンの押下が検出されたと判断した場合(ステップS42;YES)、制御部11は、試験モードに入っているか否かを判断する(ステップS43)。
試験モードに入っていないと判断した場合(ステップS43;NO)、制御部11は、ステップS47に移行する。
【0107】
試験モードに入っていると判断した場合(ステップS43;YES)、制御部11は、計時部によって計時された時刻情報が、試験モードの設定の有効期限を過ぎているか否かを判断する(ステップS44)。
試験モードの有効期限を過ぎていないと判断した場合(ステップS44;NO)、現在の試験モードの設定に用いたアドバタイズパケットを記憶部12に記憶し(ステップS45)、ステップS47に移行する。
【0108】
試験モードの有効期限を過ぎていると判断した場合(ステップS44;YES)、現在の試験モードの設定に用いたアドバタイズパケットを記憶部12から消去し(ステップS46)、ステップS47に移行する。
なお、試験モード中に電源がオフされなかった場合は、記憶部12に該当するアドバタイズパケットが記憶されていないため、ステップS46は省略する。
【0109】
ステップS47において、制御部11は、シャットダウン処理を実施し、関数電卓側メイン処理Aを終了する。
【0110】
このように、関数電卓側メイン処理Aでは、電源ボタンの押下(電源オフの指示)を検出すると、試験モードの設定の有効期限が含まれるアドバタイズパケットを電源オフの処理を実行する前に記憶部12(不揮発性メモリ)に記憶し、電源オンが検出された場合に、記憶部12から上記アドバタイズパケットを読みだして試験モードにおける機能の設定を行う。
したがって、試験モードに入った後に関数電卓1の電源を一旦OFFしても、試験モードの設定の有効期限が過ぎるまでは試験モードの設定が解除されることを防止することができる。
【0111】
なお、第2の実施形態のように、情報処理装置2から送信されるアドバタイズパケットに含まれる送信データは暗号化されていないものであってもよい。この場合、情報処理装置2で生成される送信データには、試験モードの設定対象となる関数電卓1に関する識別情報(第2データ)が含まれる。また、ステップS41のアドバタイズ受信処理としては、図8に示すアドバタイズ受信処理Aが実行される。
【0112】
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。
試験では、試験時間内の時間帯によって、試験内容が変わる場合がある(例えば、前半30分がベクトルの試験で、後半30分が統計計算の試験の場合など)。そこで、第4の実施形態では、試験時間内の時間帯によって、関数電卓1の複数の機能の使用可否の設定を変更する例について説明する。
【0113】
第4の実施形態において、関数電卓1の制御部11には、RTC(計時部)が備えられている。
また、関数電卓1の記憶部12には、後述する関数電卓側メイン処理Bを実行するためのプログラムが記憶されている。
その他の機能設定システム100の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第4の実施形態における動作について説明する。
【0114】
本実施形態の情報処理装置2では、試験時間内の時間帯ごとに、関数電卓1の複数の機能の使用可否を入力(選択)することが可能である。
情報処理装置2の制御部21は、上述のアドバタイズ送信処理においてアドバタイズパケットに含める送信データを生成する際、コマンド・パラメータに、試験時間内の時間帯ごとの関数電卓1の複数の機能のそれぞれの使用可否に関する情報を含んだ送信データを生成し、生成した送信データを暗号化した暗号化送信データを含むアドバタイズパケットを通信部25により送信する。時間帯は、その時間帯の開始時刻及び終了時刻で示したものであってもよいし、例えば試験開始から〇分まで、試験開始から〇分~△分まで、のように、試験開始からの時間で示したものであってもよい。
【0115】
本実施形態の関数電卓1において、制御部11は、関数電卓側メイン処理Bを実行する。
図10は、関数電卓側メイン処理Bの流れを示すフローチャートである。関数電卓側メイン処理Bは、制御部11と記憶部12に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0116】
電源ボタンが押下され、電源が投入されると(ステップS51;YES)、制御部11は、起動処理を開始する(ステップS52)。
【0117】
次いで、制御部11は、試験時間内の時間帯ごとの機能の使用可否に関する情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶部12に記憶されているか否かを判断する(ステップS53)。
ここで、試験モードが設定されている最中に電源がオフされた場合、電源オフ前に実行された関数電卓側メイン処理BのステップS68によって、記憶部12に、試験時間内の時間帯ごとの機能の使用可否に関する情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶されている。
【0118】
試験時間内の時間帯ごとの機能の使用可否に関する情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶部12に記憶されていると判断した場合(ステップS53;YES)、制御部11は、RTCの時刻に基づいて、試験時間内の最終の時間帯を過ぎているか否かを判断する(ステップS54)。
最終の時間帯を過ぎていないと判断した場合(ステップS54;NO)、制御部11は、アドバタイズパケットにおいて指定された時間帯に応じた設定(試験モードの設定)を実行し(ステップS55)、ステップS56に移行する。
すなわち、制御部11は、記憶部12に記憶されているアドバタイズパケットに含まれるコマンド・パラメータにより、現在時刻を含む時間帯に対して指定された機能の使用可否を設定する。機能の使用可否の設定情報は、制御部11のRAMに記憶する。
【0119】
試験時間内の時間帯ごとの機能の使用可否に関する情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶部12に記憶されていないと判断した場合(ステップS53;NO)、又は、最終の時間帯が過ぎていると判断した場合(ステップS54;YES)、制御部11は、ステップS56に移行する。
【0120】
ステップS56において、制御部11は、起動処理が完了したか否かを判断する(ステップS56)。
起動処理が完了していないと判断した場合(ステップS56;NO)、制御部11は、ステップS56を繰り返す。
【0121】
起動処理が完了したと判断した場合(ステップS56;YES)、制御部11は、ステップS57に移行する。
【0122】
ステップS57において、制御部11は、試験モードに入っているか否かを判断する(ステップS57)。すなわち、試験モードの設定がされているか否かを判断する。
試験モードに入っていないと判断した場合(ステップS57;NO)、制御部11は、ステップS62に移行する。
【0123】
試験モードに入っていると判断した場合(ステップS57;YES)、制御部11は、RTCの時刻に基づいて、試験時間内の最終の時間帯が過ぎているか否かを判断する(ステップS58)。
最終の時間帯が過ぎていると判断した場合(ステップS58;YES)、制御部11は、アドバタイズパケットで指定された試験モードの設定を解除し(ステップS59)、ステップS62に移行する。
ここで、試験モードの設定に用いたアドバタイズパケットが記憶部12に記憶されている場合には、併せて消去する。
【0124】
最終の時間帯が過ぎていないと判断した場合(ステップS58;NO)、制御部11は、現在時刻を含む時間帯に応じた設定がされているか否かを判断する(ステップS60)。すなわち、制御部11は、RTCの時刻に基づいて現在時刻を特定し、現在の試験モード設定が、アドバタイズパケットのコマンド・パラメータで指定された、現在時刻を含む時間帯に応じた設定となっているか否かを判断する。
【0125】
現在時刻を含む時間帯に応じた設定がされていると判断した場合(ステップS60;YES)、制御部11は、ステップS62に移行する。
現在時刻を含む時間帯に応じた設定がされていないと判断した場合(ステップS60;NO)、制御部11は、試験モードでの機能の使用可否の設定を、現在時刻を含む時間帯に応じた設定に変更し(ステップS61)、ステップS62に移行する。
【0126】
ステップS62において、制御部11は、入力部13のいずれかのキーが押下されたか否かを判断する(ステップS62)。
入力部13のいずれかのキーが押下されたと判断した場合(ステップS62;YES)、制御部11は、押下されたキーに応じた処理(キーの押下により選択された機能や入力された数値の表示等)を実行し(ステップS63)、ステップS64に移行する。
なお、使用禁止が設定されている機能については、キーを押下しても実行されない。
【0127】
入力部13のいずれのキーも押下されていないと判断した場合(ステップS62;NO)、ステップ64に移行する。
【0128】
ステップS64において、制御部11は、アドバタイズ受信処理を実行する(ステップS64)。
ステップS64の処理は、図6で説明したものと同様であるが、受信したアドバタイズパケットのうち、時間帯を示す領域が時間で示されている場合(例えば、試験開始後〇分間、試験開始後△分間(〇<△)それぞれにおける、関数電卓1の複数の機能のそれぞれの使用可否に関する情報など)、例えば、現在時刻を開始時刻とみなして、各時間帯の開始時刻と終了時刻を算出し、受信したアドバタイズパケットのデータのうち、上記時間を算出した各時間帯の開始時刻と終了時刻に置き換える。
【0129】
次いで、制御部11は、電源ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS65)。
電源ボタンが押下されていないと判断した場合(ステップS65;NO)、制御部11は、ステップS57に戻り、ステップS57~S65を繰り返し実行する。
【0130】
電源ボタンが押下されたと判断した場合(ステップS65;YES)、制御部11は、試験モードに入っているか否かを判断する(ステップS66)。
試験モードに入っていないと判断した場合(ステップS66;NO)、制御部11は、ステップS70に移行する。
【0131】
試験モードに入っていると判断した場合(ステップS66;YES)、制御部11は、試験時間の最終の時間帯が過ぎているか否かを判断する(ステップS67)。
最終の時間帯が過ぎていないと判断した場合(ステップS67;NO)、制御部11は、現在の試験モードの設定に用いたアドバタイズパケットを記憶部12に記憶し(ステップS68)、ステップS70に移行する。
【0132】
最終の時間帯が過ぎていると判断した場合(ステップS67;YES)、現在の試験モードの設定に用いたアドバタイズパケットを記憶部12から消去し(ステップS69)、ステップS70に移行する。
なお、試験モード中に電源がオフされなかった場合は、記憶部12に該当するアドバタイズパケットが記憶されていないため、ステップS69は省略する。
【0133】
ステップS70において、制御部11は、シャットダウン処理を実施し(ステップS70)、関数電卓側メイン処理Bを終了する。
【0134】
このように、関数電卓側メイン処理Bでは、アドバタイズパケットのデータ(コマンド・パラメータ)に、試験時間の時間帯ごとの機能の使用可否に関する情報が含まれている場合、その試験時間の時間帯ごとの機能の使用可否に関する情報に基づいて、時間帯ごとに機能の使用可否の設定を変更する。したがって、試験時間内で機能の使用可否の設定を変更することができる。
【0135】
なお、第2の実施形態のように、情報処理装置2から送信されるアドバタイズパケットに含まれる送信データは暗号化されていないものであってもよい。この場合、情報処理装置2で生成される送信データには、試験モードの設定対象となる関数電卓1に関する識別情報(第2データ)が含まれる。また、ステップS64のアドバタイズ受信処理としては、図8に示すアドバタイズ受信処理Aが実行される。
【0136】
<第5の実施形態>
以下、本発明の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態では、ユーザがPCなどの端末から試験の申込を完了すると、申し込みを行ったPCが試験開始時刻を含む送信データを含むアドバタイズパケットを送信し、当該アドバタイズパケットを受信した関数電卓1では、試験開始時刻が到来すると、自動的に試験モードを設定する例について説明する。
【0137】
第5の実施形態において、情報処理装置2は、例えば、生徒のPC、タブレット端末又はスマートフォンであり、ウェブブラウザを搭載している。制御部21は、ユーザが試験の申し込みをするためのWebアプリを開くと、Webアプリとの協働により、申し込み画面を表示部24に表示させる。申し込み画面から入力する情報には、試験で使用する関数電卓1の個体識別情報(例えば、機種名、製品シリアル番号、MACアドレス等)が含まれる。ユーザが必要事項を入力し、申し込みを確定すると、制御部21は、Webアプリとの協働により、申し込み画面から入力された情報を通信部25により試験機関のサーバに送信して登録する。また、制御部21は、Webアプリとの協働により、アドバタイズ送信処理(図3参照)を実行し、送信データに上述のコマンド順番情報、コマンド・パラメータ(第1データ)、試験の開始日時及び終了日時(すなわち、試験モードの設定の開始日時及び終了日時。第3データ。)を含むアドバタイズパケットを生成し、通信部25により送信(ブロードキャスト)する。
【0138】
第5の実施形態において、関数電卓1には、RTC(計時部)が備えられている。
また、関数電卓1の記憶部12には、後述する関数電卓側メイン処理Cを実行するためのプログラムが記憶されている。制御部11は、関数電卓側メイン処理Cを実行することにより、情報処理装置2からのアドバタイズパケットを受信し、試験開始日時、すなわち試験モードの設定の開始日時が到来すると、試験モードの設定(機能の使用可否の設定)を行う。
その他の機能設定システム100の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用し、以下、第5の実施形態における関数電卓1の動作について説明する。
【0139】
図11は、関数電卓側メイン処理Cの流れを示すフローチャートである。関数電卓側メイン処理Cは、制御部11と記憶部12に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0140】
電源ボタンが押下され、電源が投入されると(ステップS81;YES)、制御部11は、起動処理を開始する(ステップS82)。
【0141】
次いで、制御部11は、試験モードの設定の開始日時及び設定終了日時を示す情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶部12に記憶されているか否かを判断する(ステップS83)。
ここで、試験モードの設定の開始日時及び設定終了日時を示す情報を含むアドバタイズパケットが受信された後に電源がオフされた場合、電源オフ前に実行された関数電卓側メイン処理CのステップS98によって、記憶部12に、試験モードの設定の開始日時及び設定終了日時を示す情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶されている。
【0142】
試験モードの設定の開始日時及び終了日時を示す情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶部12に記憶されていると判断した場合(ステップS83;YES)、制御部11は、RTCが示す日時が試験モードの設定の開始日時を過ぎているか否かを判断する(ステップS84)。
RTCが示す日時が試験モードの設定の開始日時を過ぎていると判断した場合(ステップS84;YES)、制御部11は、アドバタイズパケットにより指定された設定(試験モードの設定)を実行し(ステップS85)、ステップS86に移行する。
すなわち、制御部11は、記憶部12に記憶されているアドバタイズパケットに含まれるデータのコマンド・パラメータにより指定された機能の使用可否を設定する。機能の使用可否の設定情報は、制御部11のRAMに記憶する。
【0143】
試験モードの設定開始日時及び設定終了日時を示す情報を含むアドバタイズパケットの情報が記憶部12に記憶されていないと判断した場合(ステップS83;NO)、または、RTCが示す日時が試験モードの設定の開始日時を過ぎていないと判断した場合(ステップS84;NO)、制御部11は、ステップS86に移行する。
【0144】
ステップS86において、制御部11は、起動処理が完了したか否かを判断する(ステップS86)。
起動処理が完了していないと判断した場合(ステップS86;NO)、制御部11は、ステップS86を繰り返す。
【0145】
起動処理が完了したと判断した場合(ステップS86;YES)、制御部11は、試験モードに入っているか否かを判断する(ステップS87)。
ここで、制御部11は、RTCが示す日時が試験モードの設定の開始日時を過ぎている場合、試験モードに入っていると判断する。
【0146】
試験モードに入っていると判断した場合(ステップS87)、制御部11は、RTCが示す日時が試験モードの設定の終了日時を過ぎているか否かを判断する(ステップS88)。
RTCが示す日時が試験モードの設定の終了日時を過ぎていると判断した場合(ステップS88;YES)、制御部11は、アドバタイズパケットの送信データで指定された試験モードの設定を解除し(ステップS89)、ステップS92に移行する。
ここで、試験モードの設定に用いたアドバタイズパケットが記憶部12に記憶されている場合には、併せて消去する。
【0147】
RTCが示す日時が試験モードの設定の終了日時を過ぎていないと判断した場合(ステップS88;NO)、制御部11は、ステップS92に移行する。
【0148】
一方、ステップS87において、試験モードに入っていないと判断した場合(ステップS87;NO)、制御部11は、RTCが示す日時が試験モードの設定の開始日時を過ぎているか否かを判断する(ステップS90)。
RTCが示す日時が試験モードの設定の開始日時を過ぎていないと判断した場合(ステップS90;NO)、制御部11は、ステップS92に移行する。
【0149】
RTCが示す日時が試験モードの設定の開始日時を過ぎていると判断した場合(ステップS90;YES)、制御部11は、アドバタイズパケットにより指定された設定(試験モードの設定)を実行し(ステップS91)、ステップS92に移行する。
すなわち、制御部11は、記憶部12に記憶されているアドバタイズパケットに含まれるデータのコマンド・パラメータにより指定された機能の使用可否を設定する。機能の使用可否の設定情報は、制御部11のRAMに記憶する。
【0150】
ステップS92において、制御部11は、入力部13のいずれかのキーが押下されたか否かを判断する(ステップS92)。
入力部13のいずれかのキーが押下されたと判断した場合(ステップS92;YES)、制御部11は、押下されたキーに応じた処理(キーの押下により選択された機能や入力された数値の表示等)を実行し(ステップS93)、ステップS94に移行する。
なお、使用禁止が設定されている機能については、キーを押下しても実行されない。
【0151】
入力部13のいずれのキーも押下されていないと判断した場合(ステップS92;NO)、ステップS94に移行する。
【0152】
ステップS94において、制御部11は、アドバタイズ受信処理(図6参照)を実行する(ステップS94)。
【0153】
次いで、電源ボタンの押下が検出されたか否かを判断する(ステップS95)。
電源ボタンの押下が検出されていないと判断した場合(ステップS95;NO)、制御部11は、ステップS87に戻り、ステップS87~S95を繰り返し実行する。
【0154】
電源ボタンの押下が検出されたと判断した場合(ステップS95;YES)、制御部11は、試験モードに入っている、かつ、RTCが示す日時が試験モードの設定の終了日時を過ぎているか否かを判断する(ステップS96)。
試験モードに入っており、かつ、RTCが示す日時が試験モードの設定の終了日時を過ぎていると判断した場合(ステップS96;YES)、制御部11は、現在の試験モードの設定に用いたアドバタイズパケットを記憶部12から消去し(ステップS97)、ステップS99に移行する。
なお、試験モード中に電源がオフされなかった場合は、記憶部12に該当するアドバタイズパケットが記憶されていないため、ステップS97は省略する。
【0155】
試験モードに入っていないか、又は、試験モードに入っているがRTCが示す日時が試験モードの設定の終了日時を過ぎていないと判断した場合(ステップS96;NO)、制御部11は、RAMに記憶されているアドバタイズパケットを記憶部12に記憶し(ステップS98)、ステップS99に移行する。
【0156】
ステップS99において、制御部11は、シャットダウン処理を実施し(ステップS99)、関数電卓側メイン処理Cを終了する。
【0157】
このように、関数電卓側メイン処理Cでは、受信したアドバタイズパケットのデータに含まれる試験モードの開始日時が到来すると、コマンド・パラメータで指定されている、試験モードにおける機能の使用可否の設定を実行する。
したがって、関数電卓1に、試験開始時(試験開始直前)ではなく、事前にアドバタイズパケットを送信しておくことができる。
【0158】
なお、関数電卓1では、入力部13の所定のキーの押下により、関数電卓1の個体識別情報(例えば、機種名、製品シリアル番号、MACアドレス等)を示すバーコードを表示可能である。そこで、試験会場では、試験に使用される関数電卓1に表示されるバーコードを読み取って、受験者が使用する関数電卓が、試験モードが設定される関数電卓1であるか否かを確認することとしてもよい。
例えば、試験会場にて、受験者の関数電卓1に個体識別情報のバーコードを表示させてバーコードリーダーを有するPCや端末により読み取らせ、読み取ったバーコードの情報を試験機関のサーバに送信する。サーバでは、バーコードが示す関数電卓1の個体識別情報と、サーバに登録されている、試験の受験者の関数電卓1の個体識別情報と照合し、一致しているか否かの確認結果を送信元のPCや端末に送信する。PCや端末では、サーバから受信した確認結果を表示する。これにより、試験会場で、受験者が使用する関数が、試験モードが設定される関数電卓1であるか否かを確認することができる。
【0159】
また、本実施形態では、受験機関に試験を申し込む場合について説明したが、学校の試験においても、教師のPCなどの情報処理装置2から試験開始前に予め試験モードの開始日時の情報が含まれるデータを有するアドバタイズパケットを送信しておき、試験開始日時に自動的に試験モードに設定されるようにしてもよい。
【0160】
また、第2の実施形態のように、情報処理装置2から送信されるアドバタイズパケットに含まれるデータは暗号化されていないものであってもよい。この場合、情報処理装置2で生成される送信データには、試験モードの設定対象となる関数電卓1に関する識別情報(第2データ)が含まれる。また、ステップS94のアドバタイズ受信処理としては、図8に示すアドバタイズ受信処理Aが実行される。
【0161】
以上説明したように、関数電卓1の制御部11は、通信部15により受信されたアドバタイズパケットに含まれる複数の機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の機能の使用を制限する設定を実行する。具体的には、複数の機能のそれぞれの使用許可または使用禁止の設定を実行する。
したがって、関数電卓1が有する複数の機能の使用の制限をユーザが操作することなく容易に設定することが可能となる。
【0162】
また、例えば、制御部11は、記憶部12に記憶されている識別情報と受信したアドバタイズパケットに含まれる識別情報とが一致する場合に、受信した使用可否の情報に基づく設定を実行する。
したがって、自装置向けではない情報に基づいて複数の機能の使用可否を設定してしまうことを防止することができる。
【0163】
また、例えば、制御部11は、記憶部12に記憶されている識別情報に基づいてアドバタイズパケットに含まれる使用可否に関する情報が復号できた場合に、受信した使用可否の情報に基づく設定を実行する。
したがって、自装置向けではない情報に基づいて複数の機能の使用可否を設定してしまうことを防止することができる。
【0164】
また、例えば、制御部11は、受信した機能の使用可否に関する情報に基づく設定の実行後に関数電卓1の電源オフの指示を検出した場合、受信した使用可否に関する情報を記憶部12に記憶した後に電源オフの処理を実行する。
したがって、機能の使用可否の設定後、電源をオフにして、再度電源をオンにした場合であっても、受信した機能の使用可否に関する情報に基づいて機能の使用可否の設定を行うことができる。
【0165】
また、例えば、制御部11は、受信した機能の使用可否に関する情報に基づく設定の実行後に関数電卓1の電源オフの指示を検出した場合、アドバタイズパケットに含まれる設定の有効期限を過ぎているか否かを判断し、有効期限を過ぎていないと判断した場合は、使用可否に関する情報及び有効期限に関する情報を記憶部12に記憶した後に電源オフの処理を実行する。
したがって、機能の使用可否の設定後、電源をオフにして、再度電源をオンにした場合であっても、有効期限内であれば、再度、受信した使用可否に関する情報に基づく使用可否の設定を行うことができる。
【0166】
また、例えば、制御部11は、電源が投入された場合に、記憶部12に記憶されている使用可否に関する情報を読み出して再度設定を実行する。
したがって、ユーザが一旦電源をオフにしてから電源をオンにすることにより機能の使用可否の設定を解除することを防止することができる。
【0167】
また、例えば、制御部11は、アドバタイズパケットに含まれる設定の開始日時が到来したか否かを判断し、設定の開始時刻が到来したと判断した場合に設定を実行する。
したがって、事前に送信されたアドバタイズパケットであっても、設定開始日時に自動的に設定を開始することが可能となる。
【0168】
また、例えば、制御部11は、アドバタイズパケットに含まれる設定の有効期限を過ぎているか否かを判断し、設定の有効期限を過ぎていると判断した場合に設定を解除する。
したがって、設定の有効期限(試験終了時刻など)が過ぎても必要な機能が使用できないといった不都合を防止することができる。
【0169】
また、アドバタイズパケットに含まれる機能の使用可否に関する情報は、所定の時間範囲内(例えば、試験時間)の時間帯ごとに定められた情報であり、制御部11は、時間帯ごとに設定を変更する。したがって、時間帯ごとに使用可能な機能と使用不可能な機能を変更することができる。
【0170】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の実施形態の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0171】
例えば、上記実施形態では、試験において関数電卓1の複数の機能の使用可否を設定する際に本発明を適用した場合を例にとり説明したが、一例であり、これに限定されるものではない。また、上記実施形態では、関数電卓1に本発明を適用した場合を例として説明したが、これに限定されず、本発明は、複数の機能を備える電子機器における機能の使用可否の設定において適用可能である。すなわち、本発明は、電子機器における機能の使用可否の設定に広く適用することができる。
【0172】
また、コマンド・パラメータが長い場合には、1回の設定に対するコマンド・パラメータを複数に分けて、複数のアドバタイズパケットに分けて送信することとしてもよい。この場合は、情報処理装置2において、アドバタイズパケットの送信データに、コマンド・パラメータが何番目のデータであるかを特定するための番号を付与して送信する。最終のデータには、例えば、EOFなど、最終データであることを示す情報を付与して送信する。これにより、電子機器側において、コマンド・パラメータ(機能の使用可否の情報)を再現することが可能となる。
【0173】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0174】
以上、本発明の実施形態や変形例を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態や変形例等に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
外部装置から送信される無線信号を受信する受信部と、
複数の機能のいずれかを実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する、電子機器。
<請求項2>
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能のそれぞれの使用許可または使用禁止の設定を実行する請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記電子機器に関する識別情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている識別情報と前記無線信号に含まれる第2データが示す識別情報とが一致する場合に、前記設定を実行する請求項1に記載の電子機器。
<請求項4>
前記電子機器に関する識別情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている識別情報に基づいて前記使用可否に関する情報が復号できた場合に、前記設定を実行する請求項1に記載の電子機器。
<請求項5>
前記制御部は、前記使用可否に関する情報に基づく前記設定の実行後に前記電子機器の電源オフの指示を検出した場合、前記使用可否に関する情報を記憶部に記憶した後に電源オフの処理を実行する請求項1に記載の電子機器。
<請求項6>
前記制御部は、前記使用可否に関する情報に基づく前記設定の実行後に前記電子機器の電源オフの指示を検出した場合、前記無線信号に含まれる第3データが示す前記設定の有効期限を過ぎているか否かを判断し、前記設定の有効期限を過ぎていないと判断した場合は、前記使用可否に関する情報及び前記有効期限に関する情報を記憶部に記憶した後に電源オフの処理を実行する請求項1に記載の電子機器。
<請求項7>
前記制御部は、前記電子機器の電源が投入された場合に、前記記憶部から前記使用可否に関する情報を読み出して再度前記設定を実行する請求項5又は6に記載の電子機器。
<請求項8>
前記制御部は、前記無線信号に含まれる第4データが示す前記設定の開始日時が到来したか否かを判断し、前記設定の開始時刻が到来したと判断した場合に前記設定を実行する、請求項1に記載の電子機器。
<請求項9>
前記制御部は、前記無線信号に含まれる第3データが示す前記設定の有効期限を過ぎているか否かを判断し、前記設定の有効期限を過ぎていると判断した場合に前記設定を解除する、請求項1に記載の電子機器。
<請求項10>
前記使用可否に関する情報は、所定の時間範囲内の時間帯ごとに定められた情報であり、
前記制御部は、前記時間帯ごとに前記設定を変更する、請求項1に記載の電子機器。
<請求項11>
情報処理装置と、電子機器と、を備え、
前記情報処理装置は、前記電子機器が有する複数の機能のそれぞれの使用可否に関する情報を含む無線信号を送信し、
前記電子機器は、
前記情報処理装置から送信される前記無線信号を受信する受信部と、
複数の機能のいずれかを実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記受信部により受信された前記無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する、機能設定システム。
<請求項12>
外部装置から送信される無線信号を受信する工程と、
複数の機能のいずれかを実行する工程と、
前記受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する工程と、
を含む機能設定方法。
<請求項13>
コンピュータを、
外部装置から送信される無線信号を受信する受信部、
複数の機能のいずれかを実行する制御部、
として機能させ、
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する、プログラム。
【符号の説明】
【0175】
100 機能設定システム
1 関数電卓
11 制御部
12 記憶部
13 入力部
14 表示部
15 通信部
16 バス
2 情報処理装置
21 制御部
22 記憶部
23 入力部
24 表示部
25 通信部
26 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から送信される無線信号を受信する受信部と、
複数の機能のいずれかを実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する、電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能のそれぞれの使用許可または使用禁止の設定を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記電子機器に関する識別情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている識別情報と前記無線信号に含まれる第2データが示す識別情報とが一致する場合に、前記設定を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器に関する識別情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている識別情報に基づいて前記使用可否に関する情報が復号できた場合に、前記設定を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記使用可否に関する情報に基づく前記設定の実行後に前記電子機器の電源オフの指示を検出した場合、前記使用可否に関する情報を記憶部に記憶した後に電源オフの処理を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記使用可否に関する情報に基づく前記設定の実行後に前記電子機器の電源オフの指示を検出した場合、前記無線信号に含まれる第3データが示す前記設定の有効期限を過ぎているか否かを判断し、前記設定の有効期限を過ぎていないと判断した場合は、前記使用可否に関する情報及び前記有効期限に関する情報を記憶部に記憶した後に電源オフの処理を実行する請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記電子機器の電源が投入された場合に、前記記憶部から前記使用可否に関する情報を読み出して再度前記設定を実行する請求項5又は6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記無線信号に含まれる第4データが示す前記設定の開始日時が到来したか否かを判断し、前記設定の開始時刻が到来したと判断した場合に前記設定を実行する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記制御部は、前記無線信号に含まれる第3データが示す前記設定の有効期限を過ぎているか否かを判断し、前記設定の有効期限を過ぎていると判断した場合に前記設定を解除する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
前記使用可否に関する情報は、所定の時間範囲内の時間帯ごとに定められた情報であり、
前記制御部は、前記時間帯ごとに前記設定を変更する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記受信部は、前記外部装置から複数の電子機器に対して一斉に送信される無線信号を受信する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記受信部は、前記外部装置から複数の電子機器に対して同じ前記第1データを含む無線信号として一斉に送信される無線信号を受信する、請求項11に記載の電子機器。
【請求項13】
前記第1データは、前記無線信号を受信した複数の電子機器のそれぞれが、前記機能の使用を制限する設定を実行するか否かを個別に判断するための情報を含む、請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
前記受信部は、前記外部装置と各電子機器とが1対1で通信接続を確立することを必要とせずに、前記外部装置から複数の電子機器に対して一斉に送信される無線信号を受信する、請求項13に記載の電子機器。
【請求項15】
情報処理装置と、電子機器と、を備え、
前記情報処理装置は、前記電子機器が有する複数の機能のそれぞれの使用可否に関する
情報を含む無線信号を送信し、
前記電子機器は、
前記情報処理装置から送信される前記無線信号を受信する受信部と、
複数の機能のいずれかを実行する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記受信部により受信された前記無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する、機能設定システム。
【請求項16】
外部装置から送信される無線信号を受信する工程と、
複数の機能のいずれかを実行する工程と、
前記受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する工程と、
を含む機能設定方法。
【請求項17】
コンピュータを、
外部装置から送信される無線信号を受信する受信部、
複数の機能のいずれかを実行する制御部、
として機能させ、
前記制御部は、前記受信部により受信された無線信号に含まれる第1データが示す、複数の前記機能のそれぞれの使用可否に関する情報に基づいて、複数の前記機能の使用を制限する設定を実行する、プログラム。