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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150007
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】墓石
(51)【国際特許分類】
   E04H 13/00 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
E04H13/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063207
(22)【出願日】2023-04-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】323004271
【氏名又は名称】宗教法人常妙寺
(74)【代理人】
【識別番号】100115598
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 脩
(72)【発明者】
【氏名】飯島 聡
(57)【要約】
【課題】地震に強くて雨水の侵入も防げ、故人単位、夫婦単位、あるいは家単位毎に納骨して個別に供養することができる占有面積の小さい移動可能な墓石を提供する。
【解決手段】納骨室が形成された台石と、骨壺の収納空間が形成された竿石とを備えた墓石であって、台石は、杭を嵌設固定する溝穴が形成された下台石、及び天面に載置された竿石の周囲に花立用の溝穴及び塔婆用の溝穴が形成された上台石を有し、竿石は、納骨室に連通する収納空間が中央部に形成された直柱体、及び直柱体と同形、同寸の柱体を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角柱体の中央部に納骨室が形成された台石と、内部に骨壺の収納空間が形成され、該台石上に載置された竿石とを備えた墓石であって、
前記台石は、地下埋設された杭を嵌設固定する溝穴が形成された下台石、及び天面に載置された前記竿石の周囲に花立用の溝穴及び塔婆用の溝穴が形成され、該下台石上に載置される上台石を有し、
前記竿石は、前記納骨室に連通する骨壺の収納空間が中央部に形成され、底面が多角形の直柱体、及び底面が該直柱体と同形、同寸で該直柱体上に載置される柱体を有することを特徴とする墓石。
【請求項2】
前記直柱体を少なくとも一個備え、
前記上台石と前記下台石との接触面、該上台石と前記直柱体との接触面、該直柱体相互の接触面、及び該直柱体と前記柱体との接触面における対応位置それぞれにダボを差し込む溝穴が形成されたことを特徴とする請求項1記載の墓石。
【請求項3】
前記納骨室及び前記収納空間は、前記上台石、前記下台石、及び前記直柱体それぞれの中央部に設けた同径の貫通孔によって形成され、該納骨室と該収納空間との境界、及び該収納空間が複数形成されている場合における該収納空間相互の境界は、仕切板で仕切られることを特徴とする請求項1又は2記載の墓石。
【請求項4】
前記接触面に差し込んだ前記ダボを取り外して、前記竿石を前記柱体と前記直柱体とに分離すると共に、前記台石を前記上台石と前記下台石とに分離することにより、人力によって持ち自在であることを特徴とする請求項2記載の墓石。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、故人単位、夫婦単位、あるいは家単位に納骨して個別の供養ができる、占有面積の小さい移動可能な墓石に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、檀家などのお墓は、菩提寺等の墓地に固定的に設けられ、先祖から代代受け継がれており、移動することが困難である。そのため、お墓の所有者が遠方に転居する場合や跡継ぎがいない場合などには、維持管理ができなくなるため、止むを得ず墓終いせざるを得ない。そして、空いた区画に、新たなお墓を建立することは、経済的な問題や、遠方への転勤可能性を勘案して極めて限られている。また、近年、核家族化、少子化が進展し、家制度が崩壊しつつある上、故人を偲ぶあり方にも変化が生じてきている。
そこで、所望の地域に所望のお墓を確保することが困 難な人や、墓所の維持管理が難しい人等のために、多数の遺骨を納骨堂に一括保管する合祀納骨堂が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、デザインを統一した複数基の小型墓石を屋外設置の載置壇上に任意の間隔で載置し、転居等する場合には、転居先に持参することができる共同小型墓石群(特許文献2参照)も提案されている。
【0003】
一方、墓の構造は、従来、周囲を石垣あるいはコンクリート壁で囲んだ平台状の区画内に土砂を埋め戻して基礎とし、その中央に骨つぼを収納する収納室空間を設け、周囲に根太石を組み合わせて固定し、その収納室前方に取り外し可能な前蓋石を設置して墓石の一段目を形成する。その上方に骨つぼ収納室を覆う二段目の墓石となる上台石を積み、その上台石の上にやや小さい上台石などを積み上げて、最後に戒名や俗名、忌日、建立者などを記載した塔石を立てる。そして、墓石の前部には、花立てや線香立て、水入れなどからなる供養台が設けられている。
そのため、墓石の各部材の組合わせ部分から最下部中央に設けた骨つぼ収納室に雨水などが浸入し、骨つぼ が水浸しとなり、骨つぼ収納室はカビがはびこったり、水が凍って膨張して墓石を傾けたり、倒壊させてしまう原因になっている。
【0004】
そこで、骨つぼに水抜き貫通孔を設けたり、骨つぼ収納室に水抜き孔を設け、その下の砂石層に排水機構を設けた墓構造(特許文献3参照)が提案されている。
また、地震の際に墓の竿石が倒壊すると、積み重ねられた石の一部が欠ける被害が生じ、復旧費用がかさむうえ、復旧までに多くの時間がかかることから、墓石の最上端の石材の下面部中央に連結棒の上端を固定し、その下の石材中央に、上下方向の貫通孔を設け、そこに連結帽を挿通し、その下端に螺合したナットを締め付ける方法(特許文献4参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4842994号公報
【特許文献2】特開2022-140706号公報
【特許文献3】特許第3778896号公報
【特許文献4】特許第3778907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、大規模な墓地内に、大小さまざまな区画が歯抜けの状態で生じた場合に、それらの空地を活用して個別に故人の供養をしたいという要望に応える必要があるが、従来通りの墓石では、今日における多様な要望に応えることが難しい。
そこで、地震に強くて雨水の侵入も防げる上、所定の仏具がセット可能であり、故人単位、夫婦単位、あるいは家単位毎に納骨して個別に供養することができる占有面積の小さい移動可能な墓石を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の墓石は、角柱体の中央部に納骨室が形成された台石と、内部に骨壺の収納空間が形成され、該台石上に載置された竿石とを備えた墓石であって、上記台石は、地下埋設された杭を嵌設固定する溝穴が形成された下台石、及び天面に載置された上記竿石の周囲に花立用の溝穴及び塔婆用の溝穴が形成され、該下台石上に載置される上台石を有し、上記竿石は、上記納骨室に連通する骨壺の収納空間が中央部に形成され、底面が多角形の直柱体、及び底面が該直柱体と同形、同寸で該直柱体上に載置される柱体を有することを特徴とする。
墓石が、骨壺の収納空間が形成された直柱体を多段階に積み重ねて竿石が形成され、台石には花立用の溝穴や塔婆用の溝穴が形成されているので、この墓石に故人単位、夫婦単位、あるいは家単位毎に納骨すれば、占有面積の小さなお墓として個別に供養することができるうえ、必要な場合には移動することが容易である。
【0008】
また、上記直柱体を少なくとも一個備え、上記上台石と上記下台石との接触面、該上台石と上記直柱体との接触面、該直柱体相互の接触面、及び該直柱体と上記柱体との接触面における対応位置それぞれにダボを差し込む溝穴が形成されていれば、積み重ねた台石や竿石は、相互にしっかりと固定されるので、地震があっても、ずれが生じたり、倒壊したりするおそれがない上に、積み重ねた接触面が密着しているので、雨水が侵入する恐れがない。
更に、上記納骨室及び上記収納空間は、上記上台石、上記下台石、及び上記直柱体それぞれの中央部に設けた同径の貫通孔によって形成され、該納骨室と該収納空間との境界、及び該収納空間が複数形成されている場合における該収納空間相互の境界は、仕切板で仕切られていれば、骨壺や納骨室が雨水等で濡れたり、浸水したり、カビが生えるおそれはほとんどない。
また、上記接触面に差し込んだ上記ダボを取り外して、上記竿石を上記柱体と上記直柱体とに分離すると共に、上記台石を上記上台石と上記下台石とに分離すれば、上記骨壷とは別個に、自在に持ち運べるので、遠方へ転居する場合等には墓石を転居先に移して継続的に供養することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の墓石は、地震に強くて雨水の侵入が防げる上、竿石に骨壷の収納空間が設けてあるので、故人単位、夫婦単位、あるいは家単位毎に納骨することが可能であり、所定の仏具もセットされているので、小規模なお墓として、個別の供養ができる。また分解・組み立てが容易であり、必要に応じて移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態の墓石の正面図である。
図2図2は、本実施形態の墓石の背面図である。
図3図3は、本実施形態の墓石の右側面図である。
図4図4は、本実施形態の墓石の平面図である。
図5図5は、上台石を示す平面図である。
図6図6は、上台石を示す底面図である。
図7図7は、下台石5の底面を示す図である。
図8図8は、図4に示す墓石の平面をAーA’で切断した断面を示す図である。
図9図9は、図4に示す墓石の平面をB-B‘で切断した断面を示す図である。
図10図10は、墓地の空区画に本実施形態の墓石を設置して個別に供養するお墓とする例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の墓石の実施形態を図に基づいて説明する。
図1から図4は、本実施形態の墓石を示す図であり、図1は正面図、図2は背面図、図3は右側面図、図4は平面図である。
図1から図4に示すように、本実施形態の墓石10は、八角形の底面を有する角柱体からなる台石1と、台石1よりも小さな八角形の底面を有し、台石1の上に載置される柱体からなる竿石2とを備えている。
台石1は、地面に固定設置される下台石5と、その上に積み重ねて載置される上台石6とからなり、上台石5には、竿石1が載置される天面に、花立用の溝穴6a、塔婆用の溝穴6b、及び線香台6cが設けられている。また、図には現れていないが、台石1の中央部には円形の納骨室(又はカロートと称する。以下同じ。)3が設けられており、納骨室3は地面に接している。
竿石2は、上台石6の天面よりも小さな八角形の底面を有する二個の直柱体7と、底面が直柱体7と同じ大きさの柱体8とによって構成されている。
柱体8は、台石1の上に積み重ねられた2個の直柱体7の上に載置されて固定される。
直柱体7それぞれの内部には、図に現れない円形をした骨壺の収納空間4があり、その収納空間4は納骨室3に連通している。
ここで、二個の直柱体7は、底面及び天面が同形、同寸であれば、高さが同じであっても、異なっていてもよく、骨壺の高さに応じて任意に設定することができる。また、直柱体7は二個に限定する必要はなく、一個であっても、三個であってもよい。
【0012】
次に、本実施形態の墓石10の大きさを一例として示す。
台石1を構成する上台石6と下台石5は、天面及び底面が同形、同寸で、八角形をなし、一辺の長さは、210mm、対向する辺相互の距離は490mm、高さは150mmである。ちなみに、納骨室3は、直径が210mm、高さが300mmの円筒形になっている。
また、竿石2は、直柱体7が二個と、柱体8が一個で構成され、直柱体7は、天面及び底面が同形,同寸で高さが250mm、柱体8は、直柱体7と底面が同形、同寸で、背面側の高さが250mm、正面側の高さが150mmで、天面が斜面を形成している。
ちなみに、骨壺の収納空間4は、直径が21mm、高さが250mmの円筒形になっている。
従って、墓石10は、占有面積が約0.2平方メートル、高さが1.05メートルであり、一般的なお墓よりもかなり小型になっている。
【0013】
本実施形態における柱体8は、天面が斜めにカットされているので、墓石10を正面から見ると竿石2の天面が横長に見える。従って、天面に家紋やマーク等を刻印すれば、それぞれの墓石10の目印になる。
また、正面には、一対の花立用の溝穴と線香台とがあり、背面には塔婆用の溝穴が二つ設けてあるので、本実施形態の墓石10があれば、故人単位、夫婦単位、あるいは家単位毎に納骨して供養することができる。そして、台石1の底面が六角形をなし、円形に近い上、天面に花立や線香台等の仏具を設置することができるので、1平方メートル未満の小面積の空地であっても、本実施形態の墓石10を建立することにより独立したお墓とすることができるので、個別の供養をすることができる。
ここで、本実施形態の墓石10は、台石1及び竿石2の底面が八角形を成しているが、必ずしも八角形である必要はなく、四角形でも、五角形でもよい。また、竿石2は、骨壺の収納空間4が形成される直柱体7を二個積み重ねた上に柱体8を載置しているので、骨壺を二個収納できるが、直柱体7は、一個であっても、三個であってもよく、収納する骨壺の数に応じて、重ねる数を調整することができる。
【0014】
図5及び図6は、上台石を示す図であり、図5は平面図、図6は、底面図である。
図5に示すように、上台石6の天面には、中央部に納骨室3が形成される円形の貫通孔9があり、その貫通孔9を挟んだ対向位置に、花立を立設する一対の溝穴6aと、塔婆を立てる二つの溝穴6bがある。そして、図6に示すように、上台石6の底面には、ダボ12を差しこむ溝穴14が4箇所設けてある。
なお、上台石6の上に載置する直柱体7は、柱体8に形成された貫通孔9が上台石6の貫通孔9に連通するように重ねる、
本実施形態では、ダボ12を差し込む溝穴14が4箇所に設けてあるが、必ずしもこれに限定する必要はない。また、上台石6を下台石5に固定するために実際にダボ12を差し込むのは、必ずしも4本である必要はなく、2本でも、3本でもよい。
【0015】
図7は、下台石の底面を示す図である。なお、下台石5の天面は、上台石6の底面と同寸で、同じ位置にダボ12を差し込む溝穴14が設けてあり、図示するのは省略する。
図7に示すように、下台石5の底面には、地中に埋設した杭11を嵌設する溝穴13が4箇所設けてあるが、実際に杭11を嵌設するのは必ずしも4か所である必要はなく、杭11の本数に応じて2個所であっても、3箇所であってもよい。
【0016】
図8及び図9は、図4に示す墓石の平面をAーA’及びB-B‘で切断した断面を示す図である。
図8に示す台石1の正断面には、竿石2が載置された上台石6の正面の手前側に一対の溝穴6aがあり、その溝穴6aには花立が嵌込まれている。
また、図9に示す墓石10の側断面には、台石1と、その上に載置された竿石2とがある。
台石1の中央部には納骨室3が形成されており、竿石2の内部には、納骨室3に連通する骨壺の収納空間4が形成されている。
台石1は、下台石5の上に上台石6が載置されており、接触面それぞれの4か所に設けられた溝穴14にダボ12が差し込まれてズレ等が生じないように固定されている。
そして、下台石5は、地中に埋設された二本の杭11が底面に設けられた溝穴13に嵌設され、台石1が動かないように固定している。
竿石2は、骨壺の収納空間4が形成された二つの直柱体7が積み重ねられ、それらの上に天面が斜面となっている柱体8が載置されている。
そして、上台石6と最下段の直柱体7の接触面、二個の直柱体7相互の接触面、及び直柱体7と柱体8の接触面それぞれに設けられた4か所ずつの溝穴14にダボ12が差し込まれて、積み重ねた石を順次固定する。
また、二つある骨壺の収納空間4の境目、及び納骨室3と収納空間4との境目は、仕切板15で仕切られている。
【0017】
台石1、竿石2、及び仕切板15は、御影石で造ることができるが、必ずしも御影石に限定する必要はない。また、杭11は、径が50mm程度のスチール製のパイプを、ダボ12は、径が10mm程度のステンレス製のパイプを用いることができるが、必ずしもそれらに限定されない。
このように、台石1は、杭11で地面にしっかりと固定され、竿石2は、上台石6に積み重ねた直柱体7や最上段の柱体8がダボ12で下側の石に順次しっかりと固定されているので地震があっても、ずれが生じたり、倒壊したりするおそれがない。
また、積み重ねた台石1や竿石2は、接触面が密着しているので、雨水が侵入する隙間がないうえに、骨壺の収納空間4及び納骨室3は仕切板15で仕切られているので、骨壺や納骨室3が雨水等で濡れたり、浸水したり、カビが生えるおそれはほとんどない。
【0018】
次に、本実施形態の墓石10に骨壺を収納し納骨する場合の手順を一例として示す。
先ず、竿石2の最上部に載置された柱体8を真上に持ち上げてダボ12から外し、差し込まれていたダボ12を下側の直柱体7から取り外す。同様に、上段の直柱体7を真上に持ち上げてダボ12から外し、差し込まれていたダボ12を下段の直柱体7から取り外す。
そして、下段の直柱体7の骨壷の収納空間4を塞いでいる仕切板15を外し、そこに骨壺を収納する。
次に、仕切板15で骨壷の収納空間4を塞ぎ、下段の直柱体7の溝穴14にダボ12を差し込み、そのダボ12に上段の直柱体7の溝穴14を差し込む。そして、上段の直柱体7にダボ12を差し込み、そのダボ12に柱体8の溝穴14を差し込んで、納骨が完了する。
また、下段の直柱体7や上台石6及び下台石5も真上に持ち上げてダボ12を取り外すことができるので、竿石2は、柱体8と直柱体7とに分離し、台石1を上台石6と下台石5に分離すれば、墓石10は、道運び可能な小さな石塊群になるので、必要に応じて墓石10を移動することができる。
【0019】
図10は、墓地の空区画に本実施形態の墓石を設置して個別に供養するお墓とする例を示す図である。
図10における墓地には、墓終い等によって生じた大きさの異なる空区画OSがあるので、故人単位、夫婦単位、あるいは家単位毎に納骨して個別に供養できるように、区画の大きさに応じて本実施形態の墓石10を2基乃至3基設置してそれぞれのお墓とする例を示している。
各墓石10は、花立や線香台に向かって人が立ち、個別の供養ができるように、区画OS内の配置位置や各区画OSに設置する基数が決められる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
規格化された石材を積み重ねた墓石によって占有面積の小さな、個別供養のできるお墓が造れるので、既存の区画を複数の墓地として分譲することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 台石
2 竿石
3 納骨室
4 骨壷の収納室
5 下台石
6 上台石
6a 花立用の溝穴
6b 塔婆用の溝穴
6c 線香台
7 直柱体
8 柱体
9 貫通孔
10 墓石
11 杭
12 ダボ
13 杭用溝穴
14 ダボ用溝穴
15 仕切板
OS 空区画
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面及び底面が多角形で、中央部に円筒形の納骨室が形成された台石と、該台石上に載置され、底面が多角形で、内部に円筒形の骨壷収納空間が形成された竿石とを備え、
前記台石は、地下埋設された杭を嵌設する溝穴が底面に形成され、地面に固定設置される下台石と、該下台石上に載置され、天面に載置される前記竿石の周囲に花立用の溝穴及び塔婆用の溝穴が設けられた上台石と、からなり、
前記竿石は、天面及び底面が多角形で、中央部に前記骨壷収納空間が形成され、前記上台石の中央部に重ね置きすることにより該骨壷収納空間が前記納骨室に連通する少なくとも1個の直柱体と、該直柱体と同形、同寸の底面を有し、該直柱体上に載置する柱体と、からなり、
前記下台石、前記上台石、前記直柱体、及び前記柱体は、積み重ねられた接触面の対応位置それぞれに設けられた溝穴に差し込まれたダボにより順次固定されることを特徴とする墓石。
【請求項2】
前記竿石は、前記天面及び底面が八角形の複数個の前記直柱体と、1個の前記柱体とで構成され、該直柱体それぞれの中央部に形成された円形の貫通孔の境目を仕切板で仕切ることにより複数の骨壷が収納されることを特徴とする請求項1記載の墓石。
【請求項3】
前記台石は、前記天面及び底面が八角形で、墓地の占有面積が0.1乃至0.3平方メートルであることを特徴とする墓石。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の墓石は、天面及び底面が多角形で、中央部に円筒形の納骨室が形成された台石と、該台石上に載置され、底面が多角形で、内部に円筒形の骨壷収納空間が形成された竿石とを備え、前記台石は、地下埋設された杭を嵌設する溝穴が底面に形成され、地面に固定設置される下台石と、該下台石上に載置され、天面に載置される前記竿石の周囲に花立用の溝穴及び塔婆用の溝穴が設けられた上台石と、からなり、前記竿石は、天面及び底面が多角形で、中央部に前記骨壷収納空間が形成され、前記上台石の中央部に重ね置きすることにより該骨壷収納空間が前記納骨室に連通する少なくとも1個の直柱体と、該直柱体と同形、同寸の底面を有し、該直柱体上に載置する柱体と、からなり、前記下台石、前記上台石、前記直柱体、及び前記柱体は、積み重ねられた接触面の対応位置それぞれに設けられた溝穴に差し込まれたダボにより順次固定されることを特徴とする。
墓石は、骨壺収納空間が形成された直柱体を積み重ね、その上に柱体を載置して竿石が形成され、台石には合祀する納骨室や花立用の溝穴や塔婆用の溝穴が形成されているので、この墓石に故人単位、夫婦単位、あるいは家単位毎に納骨すれば、占有面積の小さなお墓として個別に供養することができるうえ、必要な場合には移動することが容易である。そして、下台石、上台石、直柱体、及び柱体は、積み重ねられた接触面の対応位置それぞれに設けられた溝穴にダボを差し込んで順次しっかりと固定されるので地震があっても、ずれが生じたり、倒壊したりするおそれが少ない上に、積み重ねた接触面が密着しているので、雨水が侵入する恐れも少ない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、上記竿石は、上記天面及び底面が八角形の複数個の上記直柱体と、1個の上記柱体とで構成され、該直柱体それぞれの中央部に形成された円形の貫通孔の境目を仕切板で仕切ることにより複数の骨壷を収納することができるので、故人単位、夫婦単位、あるいは家単位など、納骨形態に応じて、上台石に積み重ねる直柱体の数を調整することができる。
さらに、上記台石は、上記天面及び底面が八角形で、墓地の占有面積が0.1乃至0.3平方メートルにすることができるので、墓地の空区画に複数基の墓石を設置することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本実施形態における柱体8は、天面が斜めにカットされているので、墓石10を正面から見ると竿石2の天面が横長に見える。従って、天面に家紋やマーク等を刻印すれば、それぞれの墓石10の目印になる。
また、正面には、一対の花立用の溝穴と線香台とがあり、背面には塔婆用の溝穴が二つ設けてあるので、本実施形態の墓石10があれば、故人単位、夫婦単位、あるいは家単位毎に納骨して供養することができる。そして、台石1の底面が八角形をなし、円形に近い上、天面に花立や線香台等の仏具を設置することができるので、1平方メートル未満の小面積の空地であっても、本実施形態の墓石10を建立することにより独立したお墓とすることができるので、個別の供養をすることができる。
ここで、本実施形態の墓石10は、台石1及び竿石2の底面が八角形を成しているが、必ずしも八角形である必要はなく、四角形でも、五角形でもよい。また、竿石2は、骨壺の収納空間4が形成される直柱体7を二個積み重ねた上に柱体8を載置しているので、骨壺を二個収納できるが、直柱体7は、一個であっても、三個であってもよく、収納する骨壺の数に応じて、重ねる数を調整することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
図5及び図6は、上台石を示す図であり、図5は平面図、図6は、底面図である。
図5に示すように、上台石6の天面には、中央部に納骨室3が形成される円形の貫通孔9があり、その貫通孔9を挟んだ対向位置に、花立を立設する一対の溝穴6aと、塔婆を立てる二つの溝穴6bがある。そして、図6に示すように、上台石6の底面には、ダボ12を差しこむ溝穴14が4箇所設けてある。
なお、上台石6の上に載置する直柱体7は、直柱体7に形成された円形の貫通孔9が上台石6の貫通孔9に連通するように中央部に重ねる。
本実施形態では、ダボ12を差し込む溝穴14が4箇所に設けてあるが、必ずしもこれに限定する必要はない。また、上台石6を下台石5に固定するために実際にダボ12を差し込むのは、必ずしも4本である必要はなく、2本でも、3本でもよい。

【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
前記台石は、前記天面及び底面が八角形で、墓地の占有面積が0.1乃至0.3平方メートルであることを特徴とする請求項2記載の墓石。