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特開2024-150009送風機、送風機の施工方法および送風機のメンテナンス方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150009
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】送風機、送風機の施工方法および送風機のメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/10 20060101AFI20241016BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
F24F7/10 101F
F24F1/0007 401E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063210
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(74)【代理人】
【識別番号】100184022
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 美保
(72)【発明者】
【氏名】宮本 和真
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 毅
(72)【発明者】
【氏名】永▲崎▼ 大輔
(72)【発明者】
【氏名】澤野 友祐
(72)【発明者】
【氏名】古谷 靖明
(72)【発明者】
【氏名】角田 裕磨
(72)【発明者】
【氏名】戸田 吉保
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BH08
(57)【要約】
【課題】使用者が電源接続部に誤って触れることを防ぐとともに、施工やメンテナンス時の作業性を損ねない送風機を得ること。
【解決手段】
本開示に係る送風機は、風路を形成するファンケーシング6と、第1の取付部とを有し、空気の吸気口5及び排気口6が形成され、第1のねじ穴が設けられた本体2と、ファンケーシング6内に設置され、モーター3の駆動により回転するファン4を有し、吸気口5から本体2内に流入し排気口6から流出する気流を発生させる送風部1と、モーター3と外部電源とを接続する電源接続部20と、電源接続部20を覆い、第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、第1のねじ穴と連通する貫通穴29が設けられた端子カバー11と、第1のねじ穴と貫通穴29とを連通して本体2と端子カバー11とを固定するねじ27と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風路を形成するファンケーシングと、第1の取付部とを有し、空気の吸気口及び排気口が形成され、第1のねじ穴が設けられた本体と、
前記ファンケーシング内に設置され、モーターの駆動により回転するファンを有し、前記吸気口から前記本体内に流入し前記排気口から流出する気流を発生させる送風部と、
前記本体に設けられ、前記モーターと外部電源とを接続する電源接続部と、
前記電源接続部を覆い、前記第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、前記第1のねじ穴と連通する貫通穴が設けられた端子カバーと、
前記第1のねじ穴と前記貫通穴とに挿入されて前記本体と前記端子カバーとを固定する固定用ねじと、
を備えた送風機。
【請求項2】
前記端子カバーは、前記本体に対して回転移動する回転軸をさらに有し、前記本体は前記回転軸を挿入する回転穴をさらに有する請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記端子カバーと前記本体との間に前記固定用ねじの頭部が収まるねじ頭部用空間が設けられ、前記第1のねじ穴に前記固定用ねじを挿入した状態で前記第1の取付部と前記第2の取付部とを用いて前記端子カバーと前記本体とを固定した場合に、前記ねじ頭部用空間に前記固定用ねじの頭部が収まることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送風機。
【請求項4】
前記端子カバーの前記貫通穴は前記固定用ねじに対応する第2のねじ穴であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送風機。
【請求項5】
風路を形成するファンケーシングと、第1の取付部とを有し、空気の吸気口及び排気口が形成され、第1のねじ穴が設けられた本体と、
前記ファンケーシング内に設置され、モーターの駆動により回転するファンを有し、前記吸気口から前記本体内に流入し前記排気口から流出する気流を発生させる送風部と、
前記モーターと外部電源とを接続する電源接続部と、
前記電源接続部を覆い、前記第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、前記第1のねじ穴と連通する貫通穴が設けられた端子カバーと、
前記第1のねじ穴と前記貫通穴とを連通して前記本体と前記端子カバーとを固定する固定用ねじと、
を備える送風機の施工方法であって、
前記第1の取付部と前記第2の取付部とで固定された前記端子カバーを開いて前記第1のねじ穴から前記固定用ねじを取り外す端子カバー開工程と、
前記電源接続部に外部電源を接続する端子取付工程と、
前記第1のねじ穴と前記貫通穴とを前記固定用ねじで固定する固定用ねじ固定工程と、
を備えたことを特徴とする送風機の施工方法。
【請求項6】
風路を形成するファンケーシングと、第1の取付部とを有し、空気の吸気口及び排気口が形成され、第1のねじ穴が設けられた本体と、
前記ファンケーシング内に設置され、モーターの駆動により回転するファンを有し、前記吸気口から前記本体内に流入し前記排気口から流出する気流を発生させる送風部と、
前記モーターと外部電源とを接続する電源接続部と、
前記電源接続部を覆い、前記第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、前記第1のねじ穴と連通する第2のねじ穴が設けられた端子カバーと、
前記第1のねじ穴と前記第2のねじ穴とを連通して前記本体と前記端子カバーとを固定する固定用ねじと、
を備える送風機のメンテナンス方法であって、
前記第1のねじ穴から前記固定用ねじを外す固定用ねじ仮外し工程と、
前記第2のねじ穴に前記固定用ねじを保持して前記端子カバーを開く端子カバー開工程と、
前記送風機のメンテナンスを行うメンテナンス工程と、
前記第1のねじ穴と前記第2のねじ穴とを前記固定用ねじで固定する固定用ねじ固定工程と、
を備えたことを特徴とする送風機のメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物の天井、壁面または床面に設置される送風機、送風機の施工方法および送風機のメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の天井、壁面または床面に設置され、モーターの駆動によりファンを回転させることで、気流を発生させる送風機がある。送風機のモーターを駆動させるためには外部電源から電源を供給する必要がある。この種の送風機には、速結端子などの電源接続部を蓋つきの電装ボックスに収めたものがある。例えば、特許文献1には、筒状の保護枠の内部に電源接続部を設置し、水密状態で隔離する開閉可能な端子カバーを設けることで電気部品を湿度や結露から保護でき耐久性と信頼性を確保する換気装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4566665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さらにこの種の送風機の電源接続部の端子カバーは、使用者が意図せず端子カバーを開け、電源接続部に触れることがないように、ねじ止めできるよう構成される。しかしながら、施工やメンテナンスのために端子カバーを開閉する場合、ねじの取り外しに工具が必要となり、端子カバーを開閉するたびに工具を使用するわずらわしさがあった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、施工やメンテナンス時の作業性を損ねない送風機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る送風機は、風路を形成するファンケーシングと、第1の取付部とを有し、空気の吸気口及び排気口が形成され、第1のねじ穴が設けられた本体と、ファンケーシング内に設置され、モーターの駆動により回転するファンを有し、吸気口から本体内に流入し排気口から流出する気流を発生させる送風部と、本体に設けられ、モーターと外部電源とを接続する電源接続部と、電源接続部を覆い、第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、第1のねじ穴と連通する貫通穴が設けられた端子カバーと、第1のねじ穴と貫通穴とに挿入されて本体と端子カバーとを固定するねじと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る送風機によれば、本体の第1の取付部に端子カバーの第2の取付部が係わって固定される方法で、本体と端子カバーとを工具を使用せず固定と解除ができる。したがって、施工やメンテナンス時の作業性を損ねない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1の送風機を備えたダクト用換気扇の断面図
図2】実施の形態1の送風機を備えたダクト用換気扇の端子カバーを閉じた状態の下面図
図3】実施の形態1の送風機を備えたダクト用換気扇の端子カバーを開いた状態の下面図
図4】端子カバーの爪をファンケーシングの爪引掛け部に固定した状態の断面図
図5】端子カバーを開いた状態の断面図
図6】端子カバーとファンケーシングとをねじで固定した状態の断面図
図7】実施の形態1の送風機の施工工程を示すフローチャート
図8】ファンケーシングにねじ頭部用空間を設けた場合の断面図
図9】実施の形態2の端子カバーとファンケーシングとを爪と爪引掛け部で固定した状態の断面図
図10】実施の形態2の端子カバーを開いた状態の断面図
図11】実施の形態2の送風機のメンテナンス工程を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0010】
実施の形態では、本開示に係る送風機をダクト用換気扇として用いる例を述べる。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態の送風機200を備えたダクト用換気扇100の断面図である。図2は、本実施の形態の送風機200を備えたダクト用換気扇100の端子カバー11を閉じた状態の下面図である。図3は、本実施の形態の送風機200を備えたダクト用換気扇の端子カバー11を開いた状態の下面図である。図2図3は、化粧グリルを未装着の状態である。
【0012】
本実施の形態の送風機200は、本体2、送風部1、電源接続部20、端子カバー11および固定用ねじ27から構成される。ダクト用換気扇100(以下、「換気扇」とも称する。)は、送風機200を備え、送風機200の動作により室内の空気を吸い込みダクト14を通じて屋外へ吐出する。
【0013】
送風機200の本体2は、箱型に構成され、本体天面25と、底面の周囲に天井に取り付けるためのフランジ2aと、内部に風路を形成するファンケーシング6とを有し、側部に本体2の側面から直角方向に延び、気流の吐出口となる排気口10と、底面に吸気口5とを設けている。ファンケーシング6は底面の開口部が本体2の吸気口5に連通している。
【0014】
ダクト用換気扇100は、ダクト14に連通する位置まで排気口10を延長するダクト接続口8を有し、天井22に形成された開口を通じて天井裏に配置され、屋外に通じるダクト14に室内側からダクト接続口8を挿入して設置される。
【0015】
ダクト用換気扇100は、天井22に開けられた本体埋込穴23に埋込み、送風機200の本体2のフランジ2aに設けられたねじ穴24を通じて天井22にねじを打ち込むことで固定される。ダクト用換気扇100は、送風機200のファンケーシング6といった内部部品が見えて見栄えが悪くならないようにするため意匠部品である化粧グリル12を備える。化粧グリル12は、本体取付用のスプリング13を備えており、スプリング13をファンケーシング6に取付けられているスプリング固定部7に引っ掛けることにより固定される。スプリング13はスプリング固定部品21により化粧グリル12に取付けられている。
【0016】
送風部1は、モーター3と、モーター3の駆動軸に差込結合され、モーター3の駆動により回転するファン4とから構成されている。モーター3は、本体天面25に固定されている。ファン4は、ファンケーシング6の内部に設置される。ファン4は、吸気口5から本体2の中に流入して排気口10から流出する気流を形成する。送風部1は本実施の形態における換気扇100では換気する空気を流通させる換気駆動体として動作する。換気扇100の運転時には送風部1のモーター3が駆動しファン4を回転させる。ファン4の回転により吸気口5から空気が流入し、排気口10から空気が吐出する気流が発生する。
【0017】
ファンケーシング6は、下面が開放されて本体2の吸気口5と連通している。吸気口5からファンケーシング6内に吸い込まれた空気は、送風部1によってファンケーシング6の内壁に沿って排気口10に送られ、ダクト接続口8及びダクト14を介して屋外へ排気される。ファンケーシング6はねじにて本体天面25に固定されている。ファンケーシング6の開口側には、化粧グリル取付用スプリング固定部7が形成されている。
【0018】
ダクト接続口8は、ダクト14に連通する位置まで本体2の排気口10を延長する。ダクト接続口8は、径の異なる段状の外形を有している。ダクト接続口8の外形が径の異なる段状であることにより、径が異なるダクト14に接続することが可能であるとともに、テーピングなどの作業性が向上する。ダクト接続口8内には、風圧にて開閉するシャッタ9が設けられている。ダクト用換気扇100の運転時には、送風部1の駆動により、吸気口5から空気が流入し、排気口10から空気が吐出する気流が発生する。排気口10から吐出した空気はダクト接続口8を通過してダクト14に流入する。このとき、排気口10からダクト接続口8に空気が流れることで、風圧が発生する。シャッタ9は風圧でダクト接続口8を空気が通過できるように開き、風圧がない時はシャッタ9の自重でダクト接続口8を閉鎖するように構成されている。ダクト接続口8内にシャッタ9を設けることで、ダクト用換気扇100の停止時に屋外からの外風が室内に侵入するのを防止することができる。
【0019】
ダクト14は、屋外まで延びており建物の屋外外壁に備えたフードなどと連結し、住宅内の空気を換気する換気風路を形成している。ダクト用換気扇100の運転時には、送風部1の駆動により、吸気口5から空気が流入し、排気口10から空気が吐出する気流が発生する。排気口10から吐出した空気はダクト接続口8を通過してダクト14に流入し、屋外に排出される。
【0020】
電源接続部20は、図3に示すように、本体2内部のコーナー部分、ファンケーシング6の風路外に配置されている。電源接続部20とモーター3とは、モーター電線により電気的に接続されている。図示しないが、外部電源電線が本体2の天面または側面から本体2の内部の電源接続部20近くに引き込まれている。電源接続部20の結線部20aは速結端子になっており、外部電源電線を結線部20aに挿入することにより結線状態となる。外部電源電線を通じて供給された電力が電源接続部20を介しモーター電線からモーター3に流れることで、電気エネルギーがモーター3のシャフトの回転運動に変換される。モーター3が回転運動をファン4に伝えることでファン4が回転し、ファンケーシング6で形成された風路内に空気の流れが形成される。図3に示すように、電源接続部20は、本体2の下面の吸気口5に露出することで、本体2を天井に設置した状態で、室内側から結線作業が可能になっている。また、本体2の下面の開口に露出した電源接続部20を、端子カバー11で覆うことで送風部1の形成する風路と隔離されており、埃や湿気の侵入を抑制している。
【0021】
端子カバー11は、本体2の下面の開口に露出した電源接続部20を覆うようにファンケーシング6に設置される。端子カバー11は、端子カバー11が備える回転軸16をファンケーシング6に設けられた回転穴15に挿入することで、ファンケーシング6に取付けられる。端子カバー11は、回転軸16を中心とし回転移動することで、電源接続部20を覆う閉じた状態と電源接続部20を露出させた開いた状態とに開閉できる。図3に示すように、端子カバー11を開くと電源接続部20が露出するため室内側から容易に外部電源電線の挿入が可能となる。端子カバー11は指引掛け部17を備える。後述するねじによる固定をしていない場合、使用者は指引掛け部17に指を引っ掛けることで工具を使用せず容易に端子カバー11を開くことができる。端子カバー11が閉じた状態のときにはファンケーシング6に設けられた端子カバー11の周囲の保護壁18により密閉度が向上する。
【0022】
図4は、端子カバー11の爪28をファンケーシング6の爪引掛け部19に固定した状態の断面図である。図5は、端子カバー11を開いた状態の断面図である。図6は、端子カバーとファンケーシングとをねじで固定した状態の断面図である。
【0023】
図4に示すように、端子カバー11は、爪28(第2の取付部)を有し、ファンケーシング6の爪引掛け部19(第1の取付部)に爪28を引っ掛けることによりファンケーシング6に固定することが可能である。以下の端子カバーの開閉についての説明で、上下、左右は図4に示す方向とする。爪28は端子カバー11の周囲に設けられた突出した部分である。爪引掛け部19は、ファンケーシング6に形成された右側に溝を設けた突起状の部品である。端子カバー11を閉じたとき、爪28が押し込まれ、爪引掛け部19が爪28によって下方向に押される。爪引掛け部19は図4に示すように、上面が傾斜しいている。爪引掛け部19の上面である傾斜面に下方向の力がかかることで力が分散され、爪引掛け部19には左方向に力がかかり、わずかに変形し、爪引掛け部19の上部が左側にずれる。爪引掛け部19の上部が左にずれることにより、爪引掛け部19に設けられた溝に爪28が引っ掛かることで、端子カバー11が閉じた状態に固定される。端子カバー11が閉じた状態のとき、端子カバー11を開くには、端子カバー11の指引掛け部17に指を引っ掛け端子カバー11を上部に引っ張る。端子カバー11が上部に引っ張られることで、爪28が上方向に移動する。爪28に上向きに押されることにより、爪引掛け部19に設けられた溝の上面に上方向の力がかかる。爪引掛け部19は図4に示すように、溝の上に位置する部分が半円状の断面を有する。爪引掛け部19に設けられた溝の上面に上方向の力がかかるとき、半円状の部分に上方向の力がかかることで力が分散され、爪引掛け部19には左方向に力がかかり、わずかに変形し、爪引掛け部19の上部が左側にずれる。爪引掛け部19の上部が左にずれることにより、爪引掛け部19から爪28が外れ、端子カバー11を開くことができる。以上のように、爪28と爪引掛け部19とは、爪引掛け部19の弾性を利用して引っ掛けと取り外しとを行う。そのため、爪引掛け部19はプラスチックや金属などの弾性を有する材料で形成される。爪28と爪引掛け部19による端子カバー11とファンケーシング6との固定は、端子カバー11の指引掛け部17に指を引っ掛け引っ張ることで工具を使用せず解除することができる。図4における端子カバー11とファンケーシング6との固定方法は、ねじや接着剤など別の部品や部材を使用せずに、爪引掛け部19(第1の取付部)と爪28(第2の取付部)とがそれぞれ係わることで固定され、工具を使用せず固定と解除ができる。このように、工具を使用せず固定と解除ができる固定方法を本明細書では係わって固定すると定義する。
【0024】
図4に示すように、端子カバー11には、ねじ頭部用空間26とねじボス11aとが設けられている。ねじボス11aは固定用ねじ27のねじ部が通る貫通穴29が設けられている。ファンケーシング6には、ねじボス6aが設けられている。ねじボス6aには、固定用ねじ27に対応した第1のねじ穴6bが設けられている。ファンケーシング6のねじボス6aの第1のねじ穴6bに固定用ねじ27が締め付けられた状態で、ねじ頭部用空間26に固定用ねじ27の頭部が収まり、端子カバー11を爪28および爪引掛け部19でファンケーシング6に固定することができる。製品施工前は、固定用ねじ27をファンケーシング6のねじボス6aに固定することで、電源接続部20に外部電源電線を接続するとき、工具を使用せず、容易に端子カバー11を開くことができ作業性を損ねない。また、固定用ねじ27をねじボス6aに固定して出荷することで固定用ねじ27の紛失を防ぐことができる。
【0025】
図6に示すように、端子カバー11を閉じたとき、ねじボス11aに設けられた貫通穴29はファンケーシング6のねじボス6aの第1のねじ穴6bと連通する。固定用ねじ27のねじ部を端子カバー11のねじボス11aに設けられた貫通穴29に貫通させ、ファンケーシング6のねじボス6aの第1のねじ穴6bに締め付けることで、端子カバー11をファンケーシング6に固定することができる。固定用ねじ27による端子カバー11の固定をした場合、端子カバー11の開閉には固定用ねじ27を回すドライバーなどの工具が必要となる。そのため、施工後は図6に示すように、固定用ねじ27をねじボス11aに設けられた貫通穴29に貫通させ、ねじボス6aの第1のねじ穴6bに締め付け端子カバー11をファンケーシング6に固定することで、使用者が工具を使用せず端子カバー11を開くことができないため、電源接続部20に誤って触れることを防ぐことができる。
【0026】
図7は、本実施の形態の送風機200の施工工程を示すフローチャートである。送風機200の施工工程S10の詳細について、図7と、図3~6とを用いて説明する。送風機200の施工工程S10は、固定用ねじ仮固定工程S11と、端子カバー仮固定工程S12と、端子カバー開工程S13と、端子取付工程S14と、固定用ねじ固定工程S15と、を有する。
【0027】
固定用ねじ仮固定工程S11では、図5に示すように、端子カバー11を開いて、ねじボス6aの第1のねじ穴6bに、固定用ねじ27が仮固定される。
【0028】
端子カバー仮固定工程S12では、図4に示すように、端子カバー11の爪28をファンケーシング6の爪引掛け部19に引っ掛けて、端子カバー11をファンケーシング6に仮固定する。図4では第1の取付部は爪引掛け部19、第2の取付部は爪28としている。第1の取付部および第2の取付部は端子カバー11とファンケーシング6とを工具を使用せず固定と解除が可能であれば、爪28および爪引掛け部19に限定しない。
【0029】
工程S11と工程S12は製造工場で実施される。送風機200の製造の過程において、図示しないが、送風機200の導通試験のため電源接続部20にアクセスする必要がある。このとき、端子カバー11はファンケーシング6に爪28と爪引掛け部19とによって仮固定されているため、導通試験の作業者は指引掛け部17に指を引っ掛けることで工具を使用せず容易に端子カバー11を開くことができ、作業性を損ねない。
【0030】
また、送風機200は図4の状態で梱包され出荷のために輸送される。端子カバー11とファンケーシング6とは爪28と爪引掛け部19とによって固定されているため、輸送中に端子カバーが開いて破損することがない。
【0031】
端子カバー11は、図4に示すように、固定用ねじ27の頭部が入るねじ頭部用空間26が設けられている。ねじ頭部用空間26に固定用ねじ27の頭部が収まり、固定用ねじ27をねじボス6aの第1のねじ穴6bに締め付けた状態で、端子カバー11を爪28および爪引掛け部19でファンケーシング6に固定することができる。よって、輸送中や製品の開封時に固定用ねじ27が紛失するのを防ぐことができる。
【0032】
端子カバー開工程S13以降の工程は、施工現場で送風機200の本体2を天井に設置した状態で実施される。端子カバー開工程S13では、図5に示すように端子カバー11を開いて、ねじボス6aの第1のねじ穴6bからドライバーなどの工具を用いて固定用ねじ27を取り外す。
【0033】
端子取付工程S14では、図3に示すように端子カバー11を開いた状態で、電源接続部20に外部電源電線を接続する。端子カバー11に回転軸16を設け、ファンケーシング6に設けられた回転穴15に挿入して端子カバー11を回転移動して開閉する構成の場合、端子カバー11を開いた状態でも、回転軸16および回転穴15で端子カバー11が保持され作業性が向上する効果がある。
【0034】
固定用ねじ固定工程S15では、図6に示すように、固定用ねじ27を端子カバー11のねじボス11aを通してファンケーシング6のねじボス6aの第1のねじ穴6bに固定する。ねじボス11aは固定用ねじ27のねじ部が通る貫通穴29を設けている。
【0035】
以上で、送風機200の施工工程S10が完了する。施工完了の状態では、端子カバー11は固定用ねじ27でファンケーシング6に固定されており、固定用ねじ27を回すドライバー等の専用工具を用いないと端子カバー11を開くことができない。よって、使用者が電源接続部20に誤って触れることを防ぐことができる。
【0036】
以上に説明したように、実施の形態1に係る送風機200は、風路を形成するファンケーシング6と、第1の取付部とを有し、空気の吸気口5及び排気口10が形成され、第1のねじ穴6bが設けられた本体2と、ファンケーシング6内に設置され、モーター3の駆動により回転するファン4を有し、吸気口5から本体2内に流入し排気口10から流出する気流を発生させる送風部1と、モーター3と外部電源とを接続する電源接続部20と、電源接続部20を覆い、第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、第1のねじ穴6bと連通する貫通穴29が設けられた端子カバー11と、第1のねじ穴6bと貫通穴29とを連通して本体2と端子カバー11とを固定するねじ27と、を備えるものである。
【0037】
これにより、本体2の第1の取付部に端子カバー11の第2の取付部が係わって固定される方法で、本体2と端子カバー11とを工具を使用せず固定と解除ができる。また、端子カバー11の貫通穴29を本体2の第1のねじ穴6bと連通し固定用ねじ27で固定する方法で、本体2と端子カバー11とを工具を使用せずに端子カバー11を開けられないように固定することができる。したがって、送風機200の施工前は第1の取付部に第2の取付部が係わって固定されることで、作業者が電源接続部20にアクセスして作業するとき、工具を使用せず、容易に端子カバー11を開くことができ作業性を損ねない。さらに、施工後は端子カバー11の貫通穴29を本体2の第1のねじ穴6bと連通し固定用ねじ27で固定することで使用者が工具を使用せず端子カバー11を開くことができないため、電源接続部20に誤って触れることを防ぐことができる。
【0038】
端子カバー11は、本体2に対して回転移動する回転軸16をさらに有し、本体は回転軸を挿入する回転穴をさらに有する。このような構成により、端子カバー11の回転軸16を本体2の回転穴15に挿入することで、本体2に端子カバー11を取り付けられる。端子カバー11は、回転軸16を中心とした回転移動することで開閉することができる。したがって、端子カバー11を開いた状態でも、回転軸16および回転穴15で端子カバー11が保持され作業性が向上する効果がある。
【0039】
また、端子カバー11と本体2との間に固定用ねじ27の頭部が収まるねじ頭部用空間26が設けられ、第1のねじ穴6bに固定用ねじ27を挿入した状態で第1の取付部と第2の取付部とを用いて端子カバー11と本体2とを固定した場合に、ねじ頭部用空間26に固定用ねじ27の頭部が収まることを特徴とする。これにより、第1のねじ穴6bに固定用ねじ27を挿入した状態で、ねじ頭部用空間26に固定用ねじ27の頭部が収まり、第1の取付部と第2の取付部とを係って端子カバー11と本体2とを固定することができる。したがって、施工前は、固定用ねじ27を第1のねじ穴6bに挿入した状態で、第1の取付部と第2の取付部とを用いて端子カバー11と本体2とを固定することで、電源接続部20にアクセスして作業するとき、工具を使用せず、容易に端子カバー11を開くことができ作業性を損ねない。また、固定用ねじ27を第1のねじ穴6bに固定しておくことで固定用ねじ27の紛失を防ぐことができる。
【0040】
実施の形態1に係る送風機200の施工方法は、風路を形成するファンケーシング6と、第1の取付部とを有し、空気の吸気口5及び排気口10が形成され、第1のねじ穴6bが設けられた本体2と、ファンケーシング6内に設置され、モーター3の駆動により回転するファン4を有し、吸気口5から本体2内に流入し排気口10から流出する気流を発生させる送風部1と、モーター3と外部電源とを接続する電源接続部20と、電源接続部20を覆い、第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、第1のねじ穴6bと連通する貫通穴29が設けられた端子カバー11と、第1のねじ穴6bと貫通穴29とを連通して本体2と端子カバー11とを固定するねじ27と、を備える送風機200の施工方法であって、第1の取付部と第2の取付部とで固定された端子カバー11を開いて第1のねじ穴6bから固定用ねじ27を取り外す端子カバー開工程S13と、電源接続部20に外部電源を接続する端子取付工程S14と、第1のねじ穴6bと貫通穴29とを固定用ねじ27で固定する固定用ねじ固定工程S15と、を備えるものである。
【0041】
このように、施工を実施し、施工が完了された状態では、端子カバー11は固定用ねじ27でファンケーシング6に固定されており、固定用ねじ27を回すドライバー等の専用工具を用いないと端子カバー11を開くことができない。よって、使用者が電源接続部20に誤って触れることを防ぐことができる。
【0042】
また、第1の取付部および第2の取付部は、それぞれが係わり合うことで固定され端子カバー11とファンケーシング6とを工具を使用せず固定と解除が可能であれば、爪28および爪引掛け部19に限定しない。例えば、第1の取付部および第2の取付部に磁石を埋め込んでもよい。端子カバー11を閉じたときに、第1の取付部と第2の取付部とが接触する面をそれぞれ異なる極にすることで、磁石の引力により端子カバー11がファンケーシング6に固定される。解除するときは、端子カバー11の指引掛け部17を磁石の引力より強い力で引っ張ることで、第1の取付部と第2の取付部とが離れ、磁石の引力が弱まり、端子カバー11を開くことができる。また、端子カバー11をスライド式に開閉可能にしてもよい。第1の取付部はファンケーシング6の端子カバー11が取り付けられる周縁に細長く設けられた溝である。第1の取付部である溝は、端子カバー11が取り付けられるファンケーシング6の周縁の平行な2面に設けられる。第1の取付部である溝は、ファンケーシング6の、本体2の開口部に平行な面ではなく、ファンケーシング6の電源接続部20を覆う面に設けられる。第2の取付部は第1の取付部である溝に収まる端子カバー11の周囲の縁部分である。ファンケーシング6の周縁の平行な2面に細長く設けられる第1の取付部である溝に収まるように、第2の取付部である縁は、端子カバー11の周囲の平行な2面に細長く設けられる。端子カバー11の第2の取付部である縁が、第1の取付部である溝に収まり、端子カバー11がファンケーシング6に固定される。端子カバー11を開くときは、指引掛け部17に指を引っ掛け、端子カバー11を第1の取付部である溝の長手方向に沿って、端子カバー11をスライドさせる。端子カバー11の第2の取付部である縁が、第1の取付部である溝に沿って移動し、端子カバー11が溝の長手方向に移動することで電源接続部20が露出し、開いた状態となる。端子カバー11が開いた状態で、端子カバー11がファンケーシング6に保持されるように、第1の取付部である溝は、端子カバー11の第2の取付部である縁より長く設けるのが好ましい。また、回転軸16および回転穴15を設けず、複数の爪と爪引掛け部で端子カバー11とファンケーシング6とを固定してもよい。
【0043】
なお、ねじ頭部用空間26はファンケーシング6に設けてもよい。図8は、ファンケーシング6にねじ頭部用空間26を設けた場合の断面図である。図8に示すように、ねじ頭部用空間26は端子カバー11ではなくファンケーシング6に設けてもよい。この場合、ファンケーシング6のねじボス6aに固定用ねじ27が締め付けられた状態で、ねじ頭部用空間26に固定用ねじ27の頭部が収まり、端子カバー11を爪28および爪引掛け部19でファンケーシング6に固定することができる。製品出荷時は、固定用ねじ27をファンケーシング6のねじボス6aに挿入し、端子カバー11を爪28および爪引掛け部19でファンケーシング6に固定することで、電源接続部20に外部電源電線を接続するとき、工具を使用せず、容易に端子カバー11を開くことができ作業性を損ねない。
【0044】
なお、電源接続部20は本体2の外側、例えば本体天面25の上部に配置してもよい。電源接続部20を本体2の外側に配置することで、モーターの駆動による本体2内部の温度上昇から電源接続部20を保護できる。電源接続部20は本体2の外側に配置した場合、端子カバー11は本体2に固定される。そのため、第1の取付部および第1のねじ穴6bは本体2に設けられる。
【0045】
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。なお、本実施の形態のうち、上述した実施の形態と同様の部分の説明は省略する。
【0046】
図9は、ねじを緩め、端子カバー11とファンケーシング6とを爪28と爪引掛け部19で固定した状態の断面図である。図10は、ねじを緩め、端子カバー11を開いた状態の断面図である。
【0047】
実施の形態2では、端子カバー11のねじボス11aに固定用ねじ27に対応した第2のねじ穴11bを設けた。固定用ねじ27で固定された端子カバー11を開ける場合には、固定用ねじ27をねじボス6aおよびねじボス11aから外して取り出すのではなく、図9に示すようにファンケーシング6のねじボス6aから外れる程度に固定用ねじ27を緩める。これにより、図10に示すように端子カバー11のねじボス11aに固定用ねじ27がついた状態で端子カバー11の開閉が可能である。したがって、メンテナンス作業などで端子カバー11を開くとき、固定用ねじ27を端子カバー11のねじボス11aで保持しておくことができるため、固定用ねじ27の紛失を防ぐ効果がある。
【0048】
ファンケーシング6のねじボス6aは円筒状で、固定用ねじ27に対応する第1のねじ穴6bが設けられている。ねじボス6aに設けられた第1のねじ穴6bの長さは固定用ねじ27を締め付けて固定するために、固定用ねじ27のねじ部の外径以上の長さで設けられている。
【0049】
端子カバー11のねじボス11aは円筒状で、固定用ねじ27に対応する第2のねじ穴11bが設けられている。ねじボス11aに設けられた第2のねじ穴11bの長さは、図10に示すようにねじボス11aに固定用ねじ27を保持するために、固定用ねじ27のねじ部の外径以上の長さであることが望ましい。
【0050】
製品施工時には、図6のように、固定用ねじ27は、端子カバー11のねじボス11aおよびねじ頭部用空間26を通して、ファンケーシング6のねじボス6aに設けられた第1のねじ穴6bに固定される。このとき、固定用ねじ27のねじ部の外径以上の長さでねじボス6aに締結され、端子カバー11とファンケーシング6とを固定する。また、ねじ頭部用空間26は固定用ねじ27のねじ頭の高さ以上である。従って、固定用ねじ27のねじ山の長さは、固定用ねじ27のねじ部の外径の2倍と固定用ねじ27のねじ頭の高さとを合わせた長さ以上の長さを有する。
【0051】
図11は、本実施の形態の送風機200のメンテナンス工程を示すフローチャートである。メンテナンス工程S20では端子カバー11のねじボス11aには固定用ねじ27に対応した第2のねじ穴11bが設けられている。送風機200のメンテナンス工程S20の詳細について、図11と、図6、9、10とを用いて説明する。送風機200のメンテナンス工程S20は、固定用ねじ仮外し工程S21と、端子カバー開工程S22と、メンテナンス工程S23と、固定用ねじ固定工程S24と、を有する。
【0052】
固定用ねじ仮外し工程S21では、固定用ねじ27をドライバー等の専用工具を用いて緩め、図9に示すようにファンケーシング6のねじボス6aに設けられた第1のねじ穴6bから外す。
【0053】
端子カバー開工程S22では、図10に示すように端子カバー11の爪28をファンケーシング6の爪引掛け部19から外して端子カバー11を開く。ここで、ねじボス11aの穴が第2のねじ穴11bであるため、固定用ねじ27を端子カバー11のねじボス11aで保持した状態で端子カバー11を開くことができる。これにより、固定用ねじ27の紛失が抑制でき、作業性を損なうことがない。
【0054】
メンテナンス工程S23では、端子カバー11を開いた状態で、モーター3の交換等のメンテナンスを実施する。
【0055】
固定用ねじ固定工程S24では、図6に示すように端子カバー11を閉めて固定用ねじ27をファンケーシング6のねじボス6aに設けられた第1のねじ穴6bに固定する。
【0056】
以上に説明したように、実施の形態2に係る送風機200の、端子カバー11の貫通穴29は固定用ねじ27に対応する第2のねじ穴11bである。これにより、固定用ねじ27を第2のねじ穴11bで保持した状態で端子カバー11を開くことができる。したがって、固定用ねじ27の紛失が抑制でき、作業性を損なうことがない。
【0057】
実施の形態2に係る送風機200のメンテナンス方法は、風路を形成するファンケーシング6と、第1の取付部とを有し、空気の吸気口5及び排気口10が形成され、第1のねじ穴6bが設けられた本体2と、ファンケーシング6内に設置され、モーター3の駆動により回転するファン4を有し、吸気口5から本体2内に流入し排気口10から流出する気流を発生させる送風部1と、モーター3と外部電源とを接続する電源接続部20と、電源接続部20を覆い、第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、第1のねじ穴6bと連通する第2のねじ穴11bが設けられた端子カバー11と、第1のねじ穴6bと第2のねじ穴11bとを連通して本体2と端子カバー11とを固定する固定用ねじ27と、を備える送風機200のメンテナンス方法であって、第1のねじ穴6bから固定用ねじ27を外す固定用ねじ仮外し工程S21と、第2のねじ穴11bに固定用ねじ27を保持して端子カバー11を開く端子カバー開工程S22と、送風機200のメンテナンスを行うメンテナンス工程S23と、第1のねじ穴6bと第2のねじ穴11bとを固定用ねじ27で固定する固定用ねじ固定工程S24と、を備えるものである。
【0058】
このように、端子カバー開工程S22では、端子カバー11の第2のねじ穴11bに固定用ねじ27を保持して端子カバー11を爪28をファンケーシング6の爪引掛け部19から外して端子カバー11を開く。これにより、固定用ねじ27の紛失が抑制でき、作業性を損なうことがない。
【0059】
なお、図9では第1の取付部は爪引掛け部19、第2の取付部は爪28としている。第1の取付部および第2の取付部は端子カバー11とファンケーシング6とを工具を使用せず固定と解除が可能であれば、爪28および爪引掛け部19に限定しない。
【0060】
以上、各実施の形態は、天井面に取り付けるダクト用換気扇であったが、本開示はこれに限定されるものではない。本開示は、壁面や床面に取り付ける換気扇にも適用することができる。さらに、本開示は、送風機を利用した他の機器、例えばサーキュレータや空気調和機にも適用することができる。
【0061】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0062】
以下に、本開示に含まれ得る態様の例について、付記として明記する。
(付記1)
風路を形成するファンケーシングと、第1の取付部とを有し、空気の吸気口及び排気口が形成され、第1のねじ穴が設けられた本体と、
前記ファンケーシング内に設置され、モーターの駆動により回転するファンを有し、前記吸気口から前記本体内に流入し前記排気口から流出する気流を発生させる送風部と、
前記本体に設けられ、前記モーターと外部電源とを接続する電源接続部と、
前記電源接続部を覆い、前記第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、前記第1のねじ穴と連通する貫通穴が設けられた端子カバーと、
前記第1のねじ穴と前記貫通穴とに挿入されて前記本体と前記端子カバーとを固定する固定用ねじと、
を備えた送風機。
(付記2)
前記端子カバーは、前記本体に対して回転移動する回転軸をさらに有し、前記本体は前記回転軸を挿入する回転穴をさらに有する付記1に記載の送風機。
(付記3)
前記端子カバーと前記本体との間に前記固定用ねじの頭部が収まるねじ頭部用空間が設けられ、前記第1のねじ穴に前記固定用ねじを挿入した状態で前記第1の取付部と前記第2の取付部とを用いて前記端子カバーと前記本体とを固定した場合に、前記ねじ頭部用空間に前記固定用ねじの頭部が収まることを特徴とする付記1または付記2に記載の送風機。
(付記4)
前記端子カバーの前記貫通穴は前記固定用ねじに対応する第2のねじ穴であることを特徴とする付記1から付記3のいずれか1項に記載の送風機。
(付記5)
風路を形成するファンケーシングと、第1の取付部とを有し、空気の吸気口及び排気口が形成され、第1のねじ穴が設けられた本体と、
前記ファンケーシング内に設置され、モーターの駆動により回転するファンを有し、前記吸気口から前記本体内に流入し前記排気口から流出する気流を発生させる送風部と、
前記モーターと外部電源とを接続する電源接続部と、
前記電源接続部を覆い、前記第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、前記第1のねじ穴と連通する貫通穴が設けられた端子カバーと、
前記第1のねじ穴と前記貫通穴とを連通して前記本体と前記端子カバーとを固定する固定用ねじと、
を備える送風機の施工方法であって、
前記第1の取付部と前記第2の取付部とで固定された前記端子カバーを開いて前記第1のねじ穴から前記固定用ねじを取り外す端子カバー開工程と、
前記電源接続部に外部電源を接続する端子取付工程と、
前記第1のねじ穴と前記貫通穴とを前記固定用ねじで固定する固定用ねじ固定工程と、
を備えたことを特徴とする送風機の施工方法。
(付記6)
風路を形成するファンケーシングと、第1の取付部とを有し、空気の吸気口及び排気口が形成され、第1のねじ穴が設けられた本体と、
前記ファンケーシング内に設置され、モーターの駆動により回転するファンを有し、前記吸気口から前記本体内に流入し前記排気口から流出する気流を発生させる送風部と、
前記モーターと外部電源とを接続する電源接続部と、
前記電源接続部を覆い、前記第1の取付部に係わって固定される第2の取付部を有し、前記第1のねじ穴と連通する第2のねじ穴が設けられた端子カバーと、
前記第1のねじ穴と前記第2のねじ穴とを連通して前記本体と前記端子カバーとを固定する固定用ねじと、
を備える送風機のメンテナンス方法であって、
前記第1のねじ穴から前記固定用ねじを外す固定用ねじ仮外し工程と、
前記第2のねじ穴に前記固定用ねじを保持して前記端子カバーを開く端子カバー開工程と、
前記送風機のメンテナンスを行うメンテナンス工程と、
前記第1のねじ穴と前記第2のねじ穴とを前記固定用ねじで固定する固定用ねじ固定工程と、
を備えたことを特徴とする送風機のメンテナンス方法。
【符号の説明】
【0063】
1.送風部、2.本体、2a.フランジ、3.モーター、4.ファン、5.吸気口、6.ファンケーシング、6a.ねじボス、6b.第1のねじ穴、7.スプリング固定部、8.ダクト接続口、9.シャッタ、10.排気口、11.端子カバー、11a.ねじボス、11b.第2のねじ穴、12.化粧グリル、13.スプリング、14.ダクト、15.回転穴、16.回転軸、17.指引掛け部、18.保護壁、19.爪引掛け部、20.電源接続部、21.スプリング固定部品、22.天井、23.本体埋込穴、24.ねじ穴、25.本体天面、26.ねじ頭部用空間、27.固定用ねじ、28.爪、29.貫通穴、100.ダクト用換気扇。
図1
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