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特開2024-150035作業改善支援装置、作業改善支援システム、作業改善支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150035
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】作業改善支援装置、作業改善支援システム、作業改善支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241016BHJP
   G06Q 10/0639 20230101ALI20241016BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/0639
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063257
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】池田 洋平
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】どの要素作業を改善の対象とすることが望ましいかの判断を支援する作業改善支援装置、作業改善支援システム、作業改善支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】作業改善支援システム1において、製品を生産する作業の改善を支援する作業改善支援装置200は、製品を生産する複数の工程の作業を撮影した撮影動画に基づいて、複数の工程それぞれに含まれる複数の要素作業それぞれの作業時間を求める算出部213と、算出部で求めた作業時間を出力する出力部215と、を備え、製品を生産する複数の工程の作業を撮影した撮影動画に基づいて、複数の工程それぞれに含まれる複数の要素作業それぞれの作業時間を求め、求めた作業時間を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を生産する作業の改善を支援する作業改善支援装置であって、
前記製品を生産する複数の工程の作業を撮影した撮影動画に基づいて、前記複数の工程それぞれに含まれる複数の要素作業それぞれの作業時間を求める算出手段と、
前記算出手段によって求めた前記作業時間を出力する出力手段と、
を備える、
作業改善支援装置。
【請求項2】
前記撮影動画を各前記工程に相当する動画に分割し、分割して得られた動画を、前記要素作業に相当する動画にさらに分割する分割手段をさらに備え、
前記算出手段は、前記要素作業に相当する動画の開始時点から終了時点までの時間を求めることによって、前記要素作業の作業時間を求める、
請求項1に記載の作業改善支援装置。
【請求項3】
求められた前記要素作業の作業時間と予め設定された条件とに基づいて、改善の対象とする要素作業を選定する選定手段と、を備え、
前記出力手段は、前記選定手段により選定された要素作業を示す情報を出力する、
請求項1に記載の作業改善支援装置。
【請求項4】
前記選定手段は、作業者毎に、要素作業毎の前記作業時間の代表値を求め、求めた代表値と前記予め設定された条件とに基づいて、作業者別に、各要素作業を改善すべき程度を示す評価値を求め、前記評価値に基づいて、改善の対象とする要素作業を選定する、
請求項3に記載の作業改善支援装置。
【請求項5】
前記選定手段は、要素作業毎の前記作業時間と改善対象の前記要素作業との関係を学習して得られた学習済モデルを用いて、改善対象の前記要素作業を選定する、
請求項3に記載の作業改善支援装置。
【請求項6】
前記選定手段は、
前記作業時間の代表値と前記改善対象の要素作業との関係を含む学習データに基づいて、学習済モデルを生成する学習部と、
作業者別の各要素作業の作業時間の代表値を前記学習済モデルに適用して、前記改善対象の前記要素作業を推論する推論部と、
を有する、
請求項5に記載の作業改善支援装置。
【請求項7】
前記選定手段により選定された改善対象の要素作業の改善を支援するための予め設定された提案を行う提案手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記提案手段によって行われた前記提案の情報を出力する、
請求項3から6の何れか1項に記載の作業改善支援装置。
【請求項8】
前記工程の前記作業毎の作業時間の代表値を作業者毎に求め、求めた代表値と予め設定された条件とに基づいて、前記工程の前記作業毎に、その前記作業を行う作業者を割り当てる分担案を求める手段をさらに備え、
前記出力手段は、求められた前記分担案を出力する、
請求項1に記載の作業改善支援装置。
【請求項9】
請求項1に記載の作業改善支援装置と、
前記工程の作業を撮影する撮影装置と、
前記出力手段が出力した情報を表示する表示装置と、を備え、
前記算出手段は、前記撮影装置によって前記撮影した動画を表す前記撮影動画に基づいて、前記要素作業の前記作業時間を求める、
作業改善支援システム。
【請求項10】
生産工程の作業が撮影された撮影動画に基づいて、前記生産工程に含まれる複数の要素作業それぞれの作業時間を求め、
求めた前記作業時間を出力する、
作業改善支援方法。
【請求項11】
コンピュータに、
生産工程の作業が撮影された撮影動画に基づいて、前記生産工程に含まれる複数の要素作業それぞれの作業時間を求め、
求めた前記作業時間を出力する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業改善支援装置、作業改善支援システム、作業改善支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生産工程の作業の作業性を向上するための改善支援を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、工程の作業開始から終了までの実績作業時間を計測し、実績作業時間が予め定められた時間以内でなかったときに作業者に対して警告を発する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-98755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生産工程の作業の作業性を改善する場合、工程作業だけでなく、工程作業を構成する要素作業を改善の対象とすることが改善効率を高める上で望ましい。特許文献1の技術では、工程作業の実績作業時間を計測しているが、工程作業を構成するどの要素作業を改善の対象とするかを判断することは難しい。このため、どの要素作業を改善の対象とすることが望ましいかの判断をより適切に行うための支援が求められる。
【0005】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、どの要素作業を改善の対象とすることが望ましいかの判断を支援する作業改善支援装置、作業改善支援システム、作業改善支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る作業改善支援装置は、製品を生産する作業の改善を支援する作業改善支援装置であって、製品を生産する複数の工程の作業を撮影した撮影動画に基づいて、複数の工程それぞれに含まれる複数の要素作業それぞれの作業時間を求める算出手段と、算出手段によって求めた作業時間を出力する出力手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、工程作業を構成する要素作業毎の作業時間を求め、求めた作業時間を出力する。このため、どの要素作業を改善の対象とすることが望ましいかの判断を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態1に係る作業改善支援システムの構成例を示すブロック図
図2図1に示す作業改善支援システムが実行する作業改善支援処理のフローチャート
図3図1に示す作業改善支援システムが実行する改善提案処理のフローチャート
図4図1に示す作業改善支援システムが実行する改善計画処理のフローチャート
図5図1に示す作業改善支援システムが実行する改善計画処理を説明するための図
図6図1に示す作業改善支援システムが実行する改善計画処理で使用する(a)標準作業時間と実績作業時間を示す表、(b)標準作業時間と実績作業時間を示すグラフ
図7図1に示す作業改善支援システムが実行する改善計画処理によって求められた作業分担を示す図
図8】本開示の実施の形態1に係る作業改善支援装置のハードウェア構成の一例を示す図
図9】実施の形態2に係る作業改善支援システムの構成例を示すブロック図
図10】実施の形態2に係るニューラルネットワークの概要を示す図
図11】実施の形態2に係る学習処理のフローチャート
図12】実施の形態2に係る推論処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施の形態に係る作業改善支援装置、作業改善支援システム、作業改善支援方法およびプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。
【0010】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る作業改善支援システム1は、各種の作業を実行する生産現場において、作業の動画を撮影し、撮影した動画を、サイクル作業に分割し、更にはそのサイクル作業を、要素作業単位で再分割し、要素作業の作業時間の測定を行う。ここで、サイクル作業とは、作業者が繰り返して行う作業における一連の作業を意味する。また、要素作業とは、例えば、ネジ取り付けの工程作業を分割したときの単位要素の作業を意味する。本実施の形態では、各要素作業をまとめた一連の作業、言い換えると、サイクル作業を工程作業とも呼ぶ。作業改善支援システム1は、生産性を高めるための合理的な作業分担を提示する。また、作業改善支援システム1は、作業が遅い作業者に対しては、生産性を高めるための合理的な作業方法を提案する。
【0011】
作業改善支援システム1は、図1に示すように、作業者の作業動画を撮影する撮影装置100と、作業動画をサイクル作業に分割し、更に要素作業に分割し、作業者の実績作業時間を求め、合理的な提案を行う作業改善支援装置200と、作業者の実績作業時間を表示する表示装置300とを備える。
【0012】
以下の説明では、5つの作業工程があり、工程ごとに、工程作業場が異なり、担当する作業者も異なるものとする。各工程作業場には、撮影装置100が1台ずつ配置される。すなわち、撮影装置100は、工程作業場の数に相当する台数、本実施の形態では、5台設置される。
【0013】
撮影装置100は、作業の実行者である作業者と作業の対象となる作業対象品を含む作業を撮影する任意の撮影装置であり、例えば、ビデオカメラである。撮影装置100は、工程作業場の上方の、作業対象品を撮影できる位置に設置される。本実施の形態では、5つの工程作業場の各作業者上にビデオカメラが5台設置される。
【0014】
撮影装置100は、作業稼働中は常時撮影し、ライブビュー画像を生成する。撮影装置100は、作業者の画像を、作業者の識別番号と共に内部メモリに記憶している。また、撮影装置100は、作業対象品の外観形状を、作業対象品の識別番号と共に内部メモリに記憶している。撮影装置100は、ライブビュー画像と、予め登録した画像とに基づいて、例えば、パターンマッチング手法の画像認識技術を用いて、目、鼻、口などのサイズ、位置、そして骨格などの特徴によって作業者を識別する。また、撮影装置100は、ライブビュー画像と、予め登録した画像とに基づいて、例えば、パターンマッチング手法の画像認識技術を用いて、外形寸法、部品の位置などによって作業対象品を識別する。撮影装置100は、作業者毎に設置された撮影装置100の識別番号と、作業者の識別番号と、作業対象品の識別番号と、内蔵された時計により計測された時刻と共に記録された実作業の動画とを、実作業動画ファイルとして自身のメモリに蓄積する。なお、撮影装置100が、ライブビュー画像を作業改善支援装置200に供給するだけで、作業改善支援装置200がライブビュー画像中の作業者および作業対象品の識別、識別番号の付加等の上述の処理を行ってもよい。
【0015】
撮影装置100は、作業改善支援装置200と通信可能に接続されており、蓄積した実作業動画ファイルを作業改善支援装置200に予め定められたタイミングで送信する。実施の形態1において、予め定められたタイミングは、例えば、作業責任者が、一日のうちで、予め定められた時間に作業改善支援装置200を起動したときである。予め定められたタイミングは1週間のうちの任意のタイミングであってもよい。
【0016】
作業改善支援装置200は、撮影装置100が撮影した動画に基づいて各種データを取得し又は生成する処理を実行する演算処理部210と、演算処理部210が行う処理に必要なデータを記憶する記憶部220と、を備える。
【0017】
演算処理部210は、任意の演算処理装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備える。演算処理部210は、記憶部220に格納されるプログラムを実行することにより、撮影装置100から取得した動画ファイルを記憶部220に保存する実作業動画取得部211と、撮影装置100から取得した動画ファイルを、サイクル作業に相当する動画に分割し、分割された動画を、要素作業に相当する動画に分割する分割部212と、要素作業に相当する動画に分割された動画の再生時間に相当する、要素作業の実績作業時間を算出する算出部213と、合理的な作業分担と作業方法を表す提案情報を提案する改善計画部214と、標準作業時間および実績作業時間を表す作業時間情報と、提案情報とを出力する出力部215と、として機能する。
【0018】
記憶部220は、任意の記憶装置を備え、例えば、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)を含む不揮発性半導体メモリを備える。また、記憶部220は、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)を含む不揮発性メモリを備えてもよい。
【0019】
記憶部220は、実作業動画ファイルを記憶する動画ファイル記憶部221と、動画を分割する際の基準となる画像を記憶する基準画像ファイル記憶部222と、分割された動画を記憶する分割動画ファイル記憶部223と、作業時間を記憶する作業時間情報記憶部224と、改善計画に関する情報を記憶する改善計画情報記憶部225と、を有する。記憶部220には、さらに演算処理部210が実行するプログラムも格納されている。
【0020】
動画ファイル記憶部221は、撮像装置100によって送信された実作業動画ファイルを記憶する。具体的には、動画ファイル記憶部221は、作業者毎に設置された撮影装置100の識別番号と、作業者の識別番号と、作業対象品の識別番号と、内蔵された時計により計測された時刻と共に記録された実作業の動画とを、実作業動画ファイルとして記憶する。
【0021】
基準画像ファイル記憶部222は、撮像装置から取得した動画を分割する際の基準となる画像を表す基準画像を記憶する。
分割動画ファイル記憶部223は、分割部212によって実作業動画を分割して生成され分割動画を記憶する。
【0022】
作業時間情報記憶部224は、要素作業毎に、標準作業時間と、算出部213によって求められた実績作業時間とを記憶する。なお、標準作業時間は、予め設定された標準的な習熟度を有する作業者が標準の作業手順、作業方法、作業条件の下で作業を行った場合の作業時間を意味し、試験運用等により予め測定されて、作業時間情報記憶部224に保存される。
【0023】
改善計画情報記憶部225は、改善計画の案を求めるために必要な情報と、求めた改善計画の案を記憶する。例えば、作業者の出勤情報、作業者の習熟度等である。
【0024】
なお、作業改善支援装置200の記憶部220の各種データは、作業改善支援装置200の外部のクラウド型サーバに記憶されていてもよい。また、動画ファイル記憶部221に保存されるファイルは、圧縮されて保存されてもよい。また、各現場で決められている期間を過ぎれば、古いファイルを自動削除して動画ファイル記憶部221の保管容量を管理してもよい。
【0025】
演算処理部210の実作業動画取得部211は、撮影装置100によって送信された動画を取得して、記憶部220における動画ファイル記憶部221に保存する。
【0026】
分割部212は、動画ファイル記憶部221に保存された撮影動画からサイクル作業、即ち、工程作業に相当する動画を順次切り出すことにより、動画ファイル記憶部221に保存された撮影動画を複数のサイクル作業動画に分割する。例えば、作業者が繰り返して行う作業における一連の作業に相当するサイクル作業を、ネジの取り付け作業とする。なお、本実施の形態では、ワークのネジの取り付け箇所は三箇所とする。ネジの取り付け作業は、まず、作業者が加工前ワーク置場にワークを取りに行く。次に、作業者は、作業する載置台にワークを設置する。そして、作業者は、ネジの取り付け箇所のうちの一つ目にネジを取り付け、次に、二つ目にネジを取り付け、次に三つ目にネジを取り付ける。作業者は、ネジの取り付けを終えたワークを、加工済みワーク置場へ移動させる。作業者の行うこれらの各作業が要素作業に相当する。この一連の要素作業の動画が、サイクル作業に相当する動画である。なお、本実施の形態では、作業者は、ネジの取り付け箇所の三箇所の取り付けについて、予め定められた順番で取り付けを行う。
【0027】
分割部212は、取り付け対象箇所の3箇所全てにネジが取り付けられていないワークの外観形状に基づいて、動画ファイル記憶部221に保存された動画を、サイクル作業に相当する動画に分割する。ここで、取り付け対象箇所の3箇所全てにネジが取り付けられていないワークの外観形状の画像、言い換えると、ネジ取り付け作業前におけるワークの外観形状の画像は、基準画像ファイル記憶部222に予め保存されている。分割部212は、動画ファイル記憶部221に保存された動画を再生し、取り付け対象箇所の3箇所全てにネジが取り付けられていないワークの外観形状を検出する時点を起点として、次に、また、取り付け対象箇所の3箇所全てにネジが取り付けられていないワークの外観形状を検出する時点までを、サイクル作業に相当する動画として分割する。分割部212は、分割した動画を、サイクル作業に相当する動画として分割動画ファイル記憶部223に保存する。
【0028】
分割部212は、分割した動画、言い換えると、サイクル作業に相当する動画を、要素作業に相当する動画に分割する。ここで、取り付け対象箇所の3箇所のうち1箇所にネジが取り付けられている外観形状の画像と、2箇所にネジが取り付けられている外観形状の画像と、3箇所全てにネジが取り付けられている外観形状の画像と、載置台にワークが設置されていない外観形状の画像は、基準画像ファイル記憶部222に予め保存されている。なお、取り付け対象箇所の3箇所について、取り付けの順番は予め定められている。分割部212は、サイクル作業に相当する動画を再生し、基準画像ファイル記憶部222に保存されている基準画像に基づいて、1箇所にネジが取り付けられている外観形状を検知した時点までを分割する。
【0029】
また、分割部212は、残りの再生動画に対して、1箇所にネジが取り付けられている外観形状を検知した時点から、基準画像ファイル記憶部222に保存されている基準画像に基づいて2箇所にネジが取り付けられている外観形状を検知した時点までを分割する。さらに、分割部212は、残りの再生動画に対して、2箇所にネジが取り付けられている外観形状を検知した時点から、基準画像ファイル記憶部222に保存されている基準画像に基づいて3箇所にネジが取り付けられている外観形状を検知した時点までを分割する。
【0030】
分割部212は、残りの再生動画に対して、3箇所にネジが取り付けられている外観形状を検知した時点から、載置台にワークが設置されていない外観形状を検知した時点までを分割する。残りの再生動画は、載置台にワークが設置されていない外観形状を検知した時点から、取り付け対象箇所の3箇所全てにネジが取り付けられていないワークの外観形状を検知した時点までの動画に相当する。この最後の残りの再生動画に相当する要素作業は、ネジを取り付け終えた加工済みのワークを、加工済みワーク置場へ移動させ、加工前ワーク置き場へ次のワークを取りに行き、ワークを載置台に設置する作業となる。
【0031】
分割部212は、サイクル作業に相当する動画を分割した動画、言い換えると、各要素作業に相当する動画を、要素作業動画1、要素作業動画2などとして、分割動画ファイル記憶部223に保存する。なお、分割部212は、本開示に係る分割手段の一例である。
【0032】
算出部213は、分割動画ファイル記憶部223に保存された、サイクル作業に相当する動画の起点の時刻と、終点の時刻との差分の時間を、サイクル作業の実績作業時間として求める。算出部213は、求めたサイクル作業の実績作業時間を、作業時間情報記憶部224に保存する。
【0033】
算出部213は、要素作業に相当する動画の開始時点から終了時点までの時間を求める。具体的には、算出部213は、分割動画ファイル記憶部223に保存された、各要素作業動画の起点の時刻と、終点の時刻とを用いて、各要素作業の実績作業時間を求める。算出部213は、各要素作業動画の起点の時刻と、終点の時刻との差分の時間を、各要素作業の実績作業時間として求める。算出部213は、求めた各要素作業の実績作業時間を、作業時間情報記憶部224に保存する。算出部213によって求めた要素作業の実績作業時間は、作業時間情報記憶部224において、作業者の識別番号と、要素作業の識別番号と、要素作業の動画ともに蓄積保存される。なお、算出部213は、本開示に係る算出手段の一例である。
【0034】
改善計画部214は、改善計画情報記憶部225に保存された、生産計画と出勤作業者の情報と予め設定されている条件とに基づいて、合理的な作業分担の案を表す分担案を求める。また、改善計画部214は、作業時間情報記憶部224に保存された実績作業時間に基づいて、合理的な作業方法の案を求める。改善計画部214は、求めた作業分担と作業方法の案を改善計画情報記憶部225に保存する。合理的な作業分担とは、例えば、最も作業時間のサイクルタイムが短くなる作業分担である。また、合理的な作業方法の案とは、例えば、作業者に対して、改善対象の要素作業の実績作業時間が最短の動画の所在を提示する案、過去の改善実行事例を提示する案である。詳細は後述する。また、改善計画情報記憶部225は、過去の改善実行事例を含む改善計画に関連する情報を保存している。なお、改善計画部214は、本開示に係る提案手段の一例である。また、改善計画部214は、本開示に係る選定手段の一例である。
【0035】
出力部215は、作業時間情報記憶部224に保存された、標準作業時間と実績作業時間を表示装置300に出力する。また、出力部215は、作業分担または作業方法の案を、表示装置300に表示してもよい。なお、出力部215は、本開示に係る出力手段の一例である。
【0036】
表示装置300は、演算処理部210によって出力された情報を表示する。表示装置300は、例えば液晶ディスプレイを備える。
【0037】
次に、図2を参照して、実績作業時間を算出する作業改善支援処理を説明する。例えば、作業の責任者が、一日のうちの予め定められた時間に、作業改善支援装置200を起動すると、図2に示す作業改善支援処理を実行する。
【0038】
処理を開始すると、作業改善支援装置200の実作業動画取得部211は、撮影装置100から実作業動画ファイルを取得して動画ファイル記憶部221に追加的に保存する(ステップS201)。これにより、動画ファイル記憶部221には、撮影装置100の識別番号と、作業者の識別番号と、作業対象品の識別番号と、計測された日時と、実作業動画とが、動画ファイルとして追加保存される。
【0039】
分割部212は、動画ファイル記憶部221に追加保存された実作業動画を、サイクル作業に相当する動画に分割する(ステップS202)。分割部212は、上述のネジ取り付け作業の場合、取り付け対象箇所の3箇所全てにネジが取り付けられていないワークの外観形状に基づいて、追加保存された動画を、サイクル作業に相当する動画に分割する。具体的には、分割部212は、実作業動画を再生し、基準画像ファイル記憶部222に保存されている、取り付け対象箇所の3箇所全てにネジが取り付けられていないワークの外観形状の画像を検出した時点を起点とし、その後、再生動画において作業の載置台に設置されたワークが移動され、次に、取り付け対象箇所の3箇所全てにネジが取り付けられていないワークの外観形状の画像を検出した時点を終点とする動画に分割する。分割部212は、分割して得られた動画を、サイクル作業に相当する動画として、分割動画ファイル記憶部223に保存する。
【0040】
分割部212は、分割動画ファイル記憶部223に保存された、サイクル作業に相当する動画を、要素作業に相当する動画に分割する(ステップS203)。分割部212は、サイクル作業に相当する動画を再生し、取り付け対象の1箇所目にネジが取り付けられている外観形状を検出した時点において、再生動画を分割する。この分割によって生成した動画を、要素作業の識別番号を示す要素作業1に相当する要素作業動画1とする。また、分割部212は、次に、取り付け対象の1箇所目と2箇所目にネジが取り付けられている外観形状を検出した時点において、残りの再生動画を分割する。この分割によって生成した動画を、要素作業の識別番号を示す要素作業2に相当する要素作業動画2とする。さらに、分割部212は、次に、取り付け対象の1箇所目と2箇所目と3箇所目の全てにネジが取り付けられている外観形状を検出した時点において、残りの再生動画を分割する。この分割によって生成した動画を、要素作業の識別番号を示す要素作業3に相当する要素作業動画3とする。また、分割部212は、載置台にワークが設置されていない外観形状を検出した時点において、残りの再生動画を分割する。この分割によって生成した動画を、要素作業の識別番号を示す要素作業4に相当する要素作業動画4とする。そして、分割部212は、取り付け対象箇所の3箇所全てにネジが取り付けられていないワークの外観形状を検出した時点において、残りの再生動画を分割する。この分割によって生成した動画を、要素作業の識別番号を示す要素作業5に相当する要素作業動画5とする。分割部212は、これらの要素作業動画1~5を、分割動画ファイル記憶部223に保存する。
【0041】
算出部213は、作業者の実績作業時間を求める(ステップS204)。算出部213は、分割動画ファイル記憶部223に保存された要素作業動画1~5のそれぞれに対して、動画の起点と終点の時刻との差分を算出することによって、要素作業1~5のそれぞれの実績作業時間を求める。また、算出部213は、要素作業1~5のそれぞれの実績作業時間を加算した合計値を求める。算出部213は、求めた要素作業1~5のそれぞれの実績作業時間と、合計値とを、作業時間情報記憶部224に保存する。
【0042】
算出部213は、分割後に残った動画において、次のサイクル作業に相当する動画が存在するか否かを判定する(ステップS205)。算出部213は、ステップS203での分割処理後の残りの再生動画の起点の時刻と、終点の時刻とに基づいて、サイクル作業に相当する時間分の動画に相当するか否かを判定する。例えば、算出部213は、分割処理後の残りの再生動画の終点の時刻から、起点の時刻を減算する。減算して得られた時間が、作業時間情報記憶部224に保存された、要素作業毎の標準作業時間の合計値に対して0.9倍以上の場合、算出部213は、残りの再生動画にサイクル作業に相当する時間分の動画が存在すると判定する(ステップS205:Yes)。また、算出部213は、減算して得られた時間が、作業時間情報記憶部224に保存された、要素作業毎の標準作業時間の合計値に対して0.9倍未満の場合、算出部213は、残りの再生動画にサイクル作業に相当する時間分の動画が存在しないと判定する(ステップS205:No)。
【0043】
残りの再生動画にサイクル作業に相当する時間分の動画が存在すると判定された場合(ステップS205:Yes)、処理はステップS202に戻る。
【0044】
残りの再生動画にサイクル作業に相当する時間分の動画が存在しないと判定された場合(ステップS205:No)、算出部213は、作業時間情報記憶部224に保存された、実績作業時間の平均値を、要素作業毎に求める(ステップS206)。具体的には、算出部213は、要素作業毎の実績作業時間を加算し、加算して得られた合計値を、加算回数に1を加えた数で除算することによって、要素作業毎の実績作業時間の平均値を求める。算出部213は、求めた平均値を、作業時間情報記憶部224に保存する。また、算出部213は、全ての要素作業の平均実績作業時間を加算することによって、サイクル作業の平均実績作業時間を求め、求めたサイクル作業の平均実績作業時間を、作業時間情報記憶部224に保存する。
【0045】
改善計画部214は、求めた実績作業時間の平均を示す平均実績作業時間に基づいて、改善提案処理を実行する(ステップS207)。具体的には、図3に示す改善提案処理が実行される。
【0046】
改善計画部214は、作業時間情報記憶部224に保存された要素作業の平均実績作業時間のうちで、各要素作業に対応する標準作業時間より遅い、言い換えると、標準作業時間より長い平均実績作業時間を示す要素作業があるか否かを判定する(ステップS207a)。
【0047】
標準作業時間より長い平均実績作業時間を示す要素作業がないと判定された場合(ステップS207a:No)、作業者は全ての要素作業について、標準水準以上に作業を進行できていると考えられる。このため、処理はステップS208へと移る。
【0048】
標準作業時間より長い平均実績作業時間を示す要素作業があると判定された場合(ステップS207a:Yes)、改善計画部214は、標準作業時間より長い平均実績作業時間を示す要素作業が複数あるか否かを判定する(ステップS207b)。
【0049】
標準作業時間より長い平均実績作業時間を示す要素作業が複数あると判定された場合(ステップS207b:Yes)、算出部213は、改善対象の要素作業を選定するための評価値を表す改善対象評価値を求める(ステップS207c)。改善対象評価値は、実績作業時間と標準作業時間との乖離の程度を表す評価値であり、改善対象評価値が大きい場合、標準作業時間に対する実績作業時間の乖離の度合いが大きい。具体的には、算出部213は、複数あると判定された各要素作業の実績作業時間から、各要素作業に対応する標準作業時間を減算する。そして、算出部213は、減算して得られた値を、各要素作業に対応する標準作業時間で除算し、得られた商に100を乗じて、小数点以下を四捨五入する。例えば、要素作業2の実績作業時間が45秒で、要素作業2の標準作業時間が30秒の場合、改善対象評価値は、((45-30)/30)×100=50%と求められる。
【0050】
ステップS207cの処理後、または、ステップS207bにおいて複数ないと判定された(ステップS207b:No)後、処理はステップS207dへ移る。改善計画部214は、求めた作業時間と予め設定された条件とに基づいて、改善対象とする要素作業を選定し、選定した要素作業を、改善計画情報記憶部225に保存する(ステップS207d)。具体的には、ステップS207において複数ないと判定された場合(ステップS207b:No)は、改善計画部214は、予め設定された条件を満たす要素作業、具体的には、標準作業時間より遅い作業時間を示す要素作業を、改善対象の要素作業に選定し、改善計画情報記憶部225に保存する。
【0051】
ステップS207cの処理を経た後の場合、改善計画部214は、複数の要素作業のうち、最も改善対象評価値が大きい要素作業を、改善対象の要素作業に選定し、改善計画情報記憶部225に保存する(ステップS207d)。
【0052】
改善計画部214は、選定した改善対象の要素作業を最も速く行った作業者を、作業時間情報記憶部224から選定する(ステップS207e)。改善計画部214は、選定した作業者が要素作業を行っている動画を、選定した作業者の識別番号とともに、改善計画情報記憶部225に保存する(ステップS207e)。その後、処理はステップS208へ移る。
【0053】
改善計画部214は、生産現場の次の稼働日において生産性の向上を実現するための改善計画処理を実行する(ステップS208)。具体的には、図4に示す改善計画処理が実行される。改善計画部214は、次回の稼働日に対する改善計画処理を実行済みか否かについて判定する(ステップS208a)。改善計画情報記憶部225において、次回の稼働日の改善計画情報が保存されている場合(ステップS208a:Yes)、処理は図2に示すステップS209へ移る。
【0054】
改善計画情報記憶部225において、次回の稼働日の改善計画情報が保存されていない場合(ステップS208a:No)、改善計画部214は、改善計画情報記憶部225に保存されている、生産計画と出勤作業者の情報に基づいて、次回の稼働日の工程作業の識別番号と、出勤作業者と、工程毎の標準作業時間と、作業者毎の平均実績作業時間とを、作業時間情報記憶部224または改善計画情報記憶部225から抽出し、図5に例示するように、対応関係を整えた形式で、改善計画情報記憶部225に保存する(ステップS208b)。図5に例示するように、次回の稼働日の工程作業の識別番号は、工程1~工程5である。また、次回の稼働日の出勤作業者は、作業者A~Eの5人である。ここで、作業者Aは、経験年数が長く最も習熟度の高い「大熟練」の部類に相当する。また、作業者Bは、経験年数は多少長いが、習熟度は大熟練ほどではない「熟練」の部類に相当する。作業者Cは、習熟度は、予め設定された標準の習熟度である「標準」の部類に相当する。作業者Dは、習熟度は、「標準」の部類に相当するが、作業者Cよりも経験年数は短く、作業者Cよりも習熟度は低い。作業者Eは、習熟度も経験年数も「新人」の部類に相当する。なお、作業者のこれらの習熟度、経験年数等の情報は、予め改善計画情報記憶部225に保存されている。
【0055】
改善計画部214は、工程1~工程5の中から、標準作業時間が最も長いネック工程、即ち、単位時間あたりの処理数が最も小さい工程を選定する(ステップS208c)。図5の例では、標準作業時間と、各作業者の平均実績作業時間を数値で示すが、数値の単位は秒である。改善計画部214は、工程1~工程5の中で、最も長い標準作業時間100秒を示す工程1を、ネック工程として選定する(ステップS208c)。なお、図5に示す標準作業時間は、予め設定された標準の習熟度の作業者を示す標準作業者が、工程作業を行った場合の作業時間を表す標準工程作業時間を意味する。
【0056】
改善計画部214は、ネック工程として選定した工程1の平均実績作業時間が最も短い作業者を選定する(ステップS208d)。改善計画部214は、工程1の実績作業時間が最短の作業者が複数いるか否かを判定する(ステップS208e)。工程1の実績作業時間が最短の作業者が複数いると判定された場合(ステップS208e:Yes)、改善計画部214は、習熟度が最も高い作業者を選定し(ステップS208f)、選定した作業者を、ネック工程である工程1の作業者として特定する(ステップS208g)。
【0057】
工程1の平均実績作業時間が最短の作業者が複数いない、言い換えると、単数と判定された場合(ステップS208e:No)、改善計画部214は、ステップS208dにおいて選定した作業者を、ネック工程である工程1の作業として特定する(ステップS208g)。図5の例の場合、改善計画部214は、工程1の平均実績作業時間が最短である90秒を示す、大熟練の部類に相当する作業者Aを選定する(ステップS208d)。この場合、ステップS208eにおいて、複数いないと判定され(ステップS208e:No)、改善計画部214は、ネック工程である工程1の作業者として、作業者Aを特定する(ステップS208g)。
【0058】
改善計画部214は、作業者が割り当てられていない工程が他に複数あるか否かを判定する(ステップS208h)。作業者が割り当てられていない工程が他に複数あると判定された場合(ステップS208h:Yes)、改善計画部214は、処理をステップS208cに戻す。図5の例の場合、作業者が割り当てられていない工程が、工程2~工程5まであるので、処理はステップS208cに戻る。
【0059】
作業者が割り当てられていない工程が他に複数ない、言い換えると、作業者が割り当てられていない工程が他に単数と判定された場合(ステップS208h:No)、改善計画部214は、残りの単数の工程に対して、作業者を割り当てる(ステップS208i)。図5の例の場合、最後に残った工程は、最短の標準作業時間60秒を示す工程4である。また、最後に残った作業者は、「新人」の部類に相当する作業者Eである。このため、改善計画部214は、工程4の作業者として、作業者Eを割り当てる。この改善計画処理に基づく作業分担によれば、最も遅い作業時間を表すサイクルタイムは90秒となる。図5の例の場合は、工程の数と、作業者の数がともに5であるので、最後の割り当ては1対1である。しかし、残りの工程が1つで、残りの作業者が複数人の場合は、残りの複数人の中から最も習熟度の高い作業者を、残りの1つの工程の作業者として割り当てる。最終的に工程に割り当てられなかった作業者がいる場合は、工程作業以外の役割が割り当てられる。ステップS208iの後、処理はステップS209へ移る。
【0060】
出力部215は、標準作業時間と、実績作業時間の平均値と、改善対象の要素作業を示す識別番号および改善対象の要素作業の実績作業時間が最短の作業者の動画ファイルの所在を示す情報と、次回の稼働日の作業分担を示す情報とを表示装置300に出力する(ステップS209)。表示装置300は、図6に例示するように、標準作業時間と実績作業時間とを、表形式と、グラフ形式とで表示する。図6は、図5に示す例とは異なり、標準作業時間および実績作業時間がどのように表示されるかを示す一例に過ぎない。このため、図6は、上述の例の作業者及び数値とは異なるものである。図6においては、各作業者の工程作業内容は異なる。このため、作業者毎で要素作業の数が異なっている。なお、図6に示す標準作業時間は、標準作業者が作業を行った場合の作業時間であって、作業者1~5の作業者の作業時間ではない。また、図6では、最も作業時間のかかるネックの工程を表すサイクルタイムは、作業者1が行う作業工程となっている。
【0061】
また、表示装置300は、改善提案処理において、改善対象に選定された改善対象の要素作業の識別番号と、改善対象の要素作業の実績作業時間が最短の作業者の動画ファイルの所在を示す情報とを表示する。改善対象の要素作業の実績作業時間が最短の作業者の動画ファイルの所在を示す情報は、例えば、動画ファイルを格納するフォルダの所在箇所を示すディレクトリ情報である。
【0062】
表示装置300は、次回の稼働日の作業分担の情報を表示する。図5の例の場合、表示装置300は、改善計画処理の実行によって得られた作業分担を、図7に示すように表示する。
【0063】
次に、作業改善支援装置200のハードウェア構成の一例について、図8を参照しながら説明する。図8の作業改善支援装置200は、例えばパーソナルコンピュータ、マイクロコントローラなどのコンピュータにより実現される。
【0064】
作業改善支援装置200は、バス1000を介して互いに接続された、作業改善支援装置200の動作のプログラムである動作プログラムを実行するプロセッサ1001と、主な記憶領域としての役割を担うメモリ1002と、作業改善支援装置200の通信機能を実現させるインタフェース1003と、処理を実行するための動作プログラムを記憶する二次記憶装置1004と、を備える。
【0065】
プロセッサ1001は、例えばCPU(Central Processing Unit:中央算出装置)である。プロセッサ1001が、二次記憶装置1004に記憶された動作プログラムをメモリ1002に読み込んで実行することにより、作業改善支援装置200の各機能が実現される。
【0066】
メモリ1002は、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成される主記憶装置である。メモリ1002は、プロセッサ1001が二次記憶装置1004から読み込んだ動作プログラムを記憶する。また、メモリ1002は、プロセッサ1001が動作プログラムを実行する際のワークメモリとして機能する。
【0067】
インタフェース1003は、例えばシリアルポート、USB(Universal Serial Bus)ポート、ネットワークインタフェースなどのI/O(Input/Output)インタフェースである。インタフェース1003により作業改善支援装置200の通信機能が実現される。
【0068】
二次記憶装置1004は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)である。二次記憶装置1004は、プロセッサ1001が実行する動作プログラムを記憶する。
【0069】
以上説明したように、実施の形態1に係る作業改善支援システム1は、分割部212が、撮影装置100によって撮影された動画を、要素作業に相当する動画に分割し、算出部213が要素作業の実績作業時間を求める。改善計画部214は、改善対象の要素作業を選定し、選定した要素作業の実績作業時間が最短の作業者と最短の作業者の動画を選定する。また、改善計画部214は、標準作業時間と実績作業時間に基づいて、生産性を向上させる作業分担の案を求める。出力部215は、要素作業毎の標準作業時間および実績作業時間と、改善対象の要素作業の識別番号および改善対象の要素作業の実績作業時間が最短の作業者の動画ファイルの所在情報と、生産性を向上させる作業分担の情報を、表示装置300へ出力する。表示装置300は、出力部215によって出力された情報を表示する。このため、作業者は、要素作業単位で、標準作業時間と実績作業時間を比較することによって、自身の作業速度のレベルを認識できる。
【0070】
また、作業者は、改善対象の要素作業について、最短の作業者の動画を参照することによって、自身の作業改善に役立てることができる。
【0071】
さらに、改善計画部214が行う作業の分担によって、標準作業時間に基づいた作業レベルに応じた習熟度の作業者が割り当てられるので、生産性の向上が図られる。
【0072】
(実施の形態1の変形例)
なお、撮影装置100が撮影した動画を、ワークの外観形状の検出時に基づいて、サイクル作業に相当する動画に分割したが、一例に過ぎない。例えば、作業者の左右の手にバーコードが付けられ、撮影装置100が作業者のバーコードを読み取ることによって、作業者の位置が認識され、作業者の位置に基づいて、動画を分割してもよい。また、ワークの上面または側面にバーコードが付けられ、撮影装置100がワークのバーコードを読み取ることによって、ワークの位置が認識され、ワークの位置に基づいて、動画を分割してもよい。また、加工に用いる治工具にバーコードが付けられ、治工具の位置に基づいて、動画を分割してもよい。
【0073】
なお、分割した要素作業の記録時間を要素作業の実績作業時間としてもよい。また、分割したビデオ映像から任意の分析ソフトを使用して要素作業時間を算出してもよい。
【0074】
また、作業時間情報記憶部224及び改善計画情報記憶部225は、複数の部門間で共有可能な装置に記憶されてもよい。例えば、工場の各工程の作業において、作業品の持ち方を工夫することにより、コンベア、作業台などといった工場の設備と作業品との衝突が抑制され、非効率な作業の発生が低減できることがある。したがって、複数の部門で共有可能な形態で、作業時間及び改善計画が記憶されることにより、有効な改善計画が工場全体に展開され、改善活動を効率よく実施することができる。
【0075】
また、実績作業時間及び改善計画を示す情報としてデータが出力されたが、データに限定されず、実績作業時間及び改善計画を説明する音声データであってもよい。
【0076】
また、分割部212は、撮影動画を切り出して分割することによって新たな画像ファイルを生成していたが、動画を物理的に分割する必要はない。要素作業時間を特定可能ならば、分割の手法は任意である。例えば、撮影動画の要素作業の区切りの位置に識別用のフラグを付けることによって、撮影動画を要素作業毎の動画に実質的に分割してもよい。
【0077】
また、算出部213は、サイクル作業と要素作業の実績作業時間の平均値をそれぞれ求めたが、平均値に限らず、中間値、最大値、最小値等の代表値を求めてもよい。
【0078】
また、改善計画部214は、要素作業の実績作業時間の代表値と標準作業時間とに基づいて、改善対象とする要素作業の候補を選定したが、予め設定された条件は任意である。例えば、複数の作業者の同一の要素作業の作業時間の代表値のうち、最も長いものを改善対象とする等してもよい。
【0079】
(実施の形態2)
図9から図12を参照して、実施の形態2に係る作業改善支援装置200について説明する。実施の形態2は、作業改善支援装置200が、要素作業の平均実績作業時間と、改善対象評価値と、学習済みモデルに基づいて、AI(Artificial Intelligence)により改善対象の要素作業を表す改善対象要素作業を提示する点が実施の形態1と異なる。以下、実施の形態2について実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
【0080】
図9に示すように、本実施の形態に係る作業改善支援装置200は、実施の形態1に係る作業改善支援装置200の改善計画部214に代えて、改善提示部216を備える。改善提示部216は、平均実績作業時間と、改善対象評価値と、学習済みモデルと、に基づいて、改善対象要素作業を提示する。
【0081】
記憶部220は、学習済みモデル記憶部226を更に含む。
【0082】
学習済みモデル記憶部226は、学習済みモデルを記憶する。学習済みモデルは、公知の機械学習ライブラリを利用し、例えば、学習データに正解ラベルを付けたデータの組を学習させる「教師あり学習方法」によって生成される。なお、学習済みモデルは、「教師なし学習方法」、「強化学習方法」、「半教師あり学習方法」などの他の学習方法によって学習し生成されてもよい。
【0083】
学習アルゴリズムは、ニューラルネットワークといった公知の学習アルゴリズムを利用することができる。ニューラルネットワークは、異なる入力パラメータが入力される複数のノードで構成される入力層、入力層の各ノードから出力された信号が入力される中間層、及び、中間層から出力された信号が入力され、出力パラメータを出力する出力層を有する。なお、ニューラルネットワークの中間層は、1又は2以上で構成されてもよい。
【0084】
ニューラルネットワークの概要を、図10を参照して説明する。
ニューラルネットワークは工程毎に設定され、これにより、学習済みモデルも工程毎に生成される。図示するように、ニューラルネットワークは、それぞれ複数のニューロンを含む、入力層と、中間層と、出力層とで構成されている。ここでは、中間層を1層とするが、中間層の数は任意である。なお、出力層のニューロンの数kは評価対象の工程が含む要素作業の数であり、n=2・k、mは3以上の整数である。例えば、評価対象の工程の第j番目の要素作業jの平均実績作業時間が第(2j-1)番目のニューロンX2j-1に供給され、要素作業jの改善対象評価値が入力層の2j番目のニューロンX2jに供給される。j=1~kである。出力層のニューロンZ1~Zkが、評価対象の工程に含まれる要素作業1~要素作業kに割り当てられ、発火したニューロンZに対応する要素作業が改善対象の候補となる。
【0085】
この構成において、入力層のニューロンX1~Xnは、それぞれ、入力値を、中間層の各ニューロンY1~Ymに出力する。
【0086】
中間層の各ニューロンY1~Ymは、入力値に重みW11~Wnmを掛けて合計して合計値を求め、合計値を出力関数に適用して得られた値を出力する。例えば、中間層のi番目のニューロンYiは、入力層のj番目のニューロンXjからの入力Ijに重みWjiを乗算して、総和ΣWji・Ijを求め、これを出力関数φに適用して、φ(ΣWji・Ij-θ)を、出力層の各ニューロンZ1~Zkに出力する。なお、i=1~m、j=1~nである。
【0087】
出力層のニューロンZ1~Zkも、中間層の各ニューロンY1~Ymからの各入力値に重みV11~Vmkを掛けて合計して合計値を求め、合計値を出力関数に適用して得られた値を出力する。
出力層のニューロンZ1~Zkからの出力結果は、重みW11~Wnmと、重みV11~Vmkの値によって変わる。
上述の5つの要素作業を含む工程の場合、n=10、k=5となり、入力層のニューロンX1には、要素作業1の平均実績作業時間、ニューロンX2には、要素作業1の改善対象評価値、ニューロンX3には、要素作業2の平均実績作業時間、ニューロンX4には、要素作業2の改善対象評価値、・・・が入力される。また、出力層のニューロンZ1~Z5の何れかが発火し、発火したニューロンに対応する要素作業が、改善対象の候補となる。
【0088】
なお、入力層のニューロンX1~X10には、平均実績作業時間として、k個の要素作業の平均実績作業時間のうちで最長のものを値1として正規化した値、k個の改善対象評価値として、要素作業の改善対象評価値のうちで最大のものを値1として正規化した値が供給される。
【0089】
学習データは、事前に、熟練者等により製品別に解析して得られた工程別の要素作業の要素作業毎の平均実績作業時間と改善対象評価値と、改善対象要素作業との組み合わせに基づいて作成される。学習データに基づいて、改善対象要素作業の学習処理が行われる。学習処理により得られた重みW11~Wnm、V11~Vmk、値n、k等を含むニューラルネットワークの構造が学習済モデルとして、学習済みモデル記憶部226に記憶される。
【0090】
改善提示部216は、学習済みモデルを利用して改善対象要素作業を作業者別に提示する。
【0091】
図9に示すように、改善提示部216は、学習済みモデルを生成する学習部216a、及び学習済みモデルを利用して改善対象要素作業を推論する推論部216bを含む。
【0092】
以下、学習部216aによる学習処理について説明する。図11に示す学習処理は、利用者による実行を指示する操作を、図示しない操作部が受け付けると開始される。
【0093】
学習部216aは、前述のように、予め設計されたk個の要素作業の平均実績作業時間と改善対象評価値の組み合わせと、改善対象要素作業との組み合わせを複数含む教師データを受け付ける(ステップS301)。教師データは、図示しない入力部を介して学習部216aに入力される。
【0094】
学習部216aは、教師データを用いて繰り返して、k個の要素作業の平均実績作業時間と改善対象評価値の組み合わせと、改善対象要素作業との関係を学習し(ステップS302)、重みW11~Wnm、V11~Vmkを調整する。学習部216aは、学習済みモデルを学習済みモデル記憶部226に記憶させて(ステップS303)、学習処理を終了する。
【0095】
推論部216bは、学習済みモデルを利用して、図12に示す推論処理を実行する。推論処理は、利用者によって予め設定されたタイミングで実行される。推論処理を実行するタイミングとして、例えば、1週間単位又は1か月単位に設定してもよい。
【0096】
推論部216bは、入力パラメータとして、k個の要素作業の平均実績作業時間と改善対象評価値とをそれぞれ正規化した値を学習済みモデルに入力パラメータとして適用する(ステップS401)。
【0097】
推論部216bは、学習済みモデルを利用して、入力パラメータに基づく推論を実行し(ステップS402)、改善対象要素作業を示すデータを出力パラメータとして出力して(ステップS403)、推論処理を終了する。
【0098】
改善提示部216は、推論部216bから出力された出力パラメータを改善対象要素作業データとして取得する。改善提示部216は、改善対象要素作業データを取得すると、図9に示す改善計画情報記憶部225に改善対象要素作業データを記憶させる。
【0099】
改善提示部216は、改善対象要素作業データを取得すると、取得した改善対象要素作業データに基づいて、改善対象要素作業を作業者に提示する。具体的には、改善提示部216が改善対象要素作業データを表示装置300へ出力し、改善対象要素作業データが表示装置300に表示されることによって、作業者への提示が行われる。
【0100】
改善提示部216は、例えば、改善対象要素作業データに基づいて、表計算ソフトといったアプリケーションを利用して、表示装置300に改善対象要素作業を表示してもよい。また、出力部215は、改善対象要素作業データとともに、改善計画情報記憶部225に記憶された改善実行事例を表示装置300に表示してもよい。改善実行事例は、新人の教育資料として活用することができる。
【0101】
以上説明したように、実施の形態2の作業改善支援装置200によれば、改善提示部216は、平均実績作業時間と改善対象評価値と改善対象要素作業を含むデータで学習した学習済みモデルを利用して改善対象要素作業を作業者に提示する。作業者は、改善提示部216が提示した改善対象要素作業に対して改善を実施することにより、効率のよい改善活動を実施できる。この結果、作業効率の低い要素作業の発生が低減し、作業改善支援の負担が軽減する。よって、作業改善支援の効率化を図ることができる。
【0102】
なお、実施の形態2において、改善提示部216が用いる学習済みモデルの学習対象は、複数種類の製品であってもよい。また、学習部216aは、1つのエリア内での実作業について学習してもよいし、互いに異なる複数のエリアで独立して行われる実作業について学習してもよい。
【0103】
また、学習済みモデルの学習対象の製品を途中で追加してもよく、又は途中で学習対象から除去してもよい。さらに、任意の学習済みモデルを、他の機種の学習済モデルに適用してもよく、当該任意の学習済みモデルを元に他の機種について再学習させてもよい。また、学習データは、例えば、入力を平均実績作業時間と改善対象評価値との組み合わせとし、出力をそれらの積が最も大きくなる要素作業としてもよい。
【0104】
(実施の形態2の変形例)
実施の形態2では、学習部216aがニューラルネットワークを学習アルゴリズムとして利用する場合を例に説明したが、学習部216aは、他の公知の方法、例えば、遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクターマシンなどを学習アルゴリズムとして利用してもよい。
【0105】
実施の形態2において、学習部216aと推論部216bとが作業改善支援装置200に備えられたが、学習部216aと推論部216bとは、作業改善支援装置200とは異なる装置に設けられてもよい。改善提示部216は、作業改善支援装置200とは異なる装置に設けられた推論部216bから出力された出力パラメータを改善対象要素作業データとして取得してもよい。
【0106】
他所で学習処理を行った結果としての学習済モデルを学習済みモデル記憶部226に記憶させ、学習部216aは改善提示部216に備えない構成にしてもよい。
【0107】
また、実施の形態2において、学習部216aが作業改善支援装置200に備えられたが、学習済みモデルが出来上がったら、学習部216aは外されてもよい。
【0108】
また、改善提示部216は、同一機種だけでなく類似の機種の平均実績作業時間と改善対象評価値と改善対象要素作業とを組み合わせたデータを利用してもよい。すなわち、改善提示部216は、学習データとして類似機種の平均実績作業時間と改善対象評価値と改善対象要素作業とを組み合わせたデータを利用することもできる。
【0109】
実施の形態2では、平均実績作業時間と改善対象評価値から改善対象要素作業を提示する。これに限定されず、平均実績作業時間と改善対象評価値から、最も有効と考えられる改善視点を提示してもよい。改善対象要素作業と最も有効と考えられる改善視点を共に提示してもよい。
【0110】
この場合、例えば、過去の実績データの分析から、平均実績作業時間と改善対象評価値と改善対象要素作業と最も有効であった改善視点の組み合わせを学習データとして用意する。また、図10に例示するニュールラルネットワークの出力段に各改善視点を割り当てたニューロンを配置する。
【0111】
推論の段階では、入力段に平均実績作業時間と改善対象評価値の組みを入力し、出力段の要素作業が割り当てられたニューロンの発火状態から改善対象要素作業を特定し、改善視点が割り当てられたニューロンの発火状態から最も有効な改善視点を特定する。
【0112】
実施の形態2では、平均実績作業時間と改善対象評価値から改善対象要素作業を提示する。これに限定されず、作業者の平均実績作業時間と工程の組み合わせを示す作業分担から、合理的な作業分担を提示してもよい。
【0113】
この場合、例えば、過去の実績データの分析から、作業者の平均実績作業時間と工程の組み合わせを示す作業分担と最も合理的であった作業分担を学習データとして用意する。また、図10に例示するニュールラルネットワークの出力段に作業分担を割り当てたニューロンを配置する。
【0114】
推論の段階では、入力段に工程と作業者の平均実績作業時間の組み合わせを示す作業分担を入力し、作業分担のニューロンの発火状態から最も合理的な作業分担を特定する。
【0115】
上記実施の形態では、作業改善支援装置200をプロセッサとメモリを備えるコンピュータによって構成される例を示したが、装置構成は任意である。例えば、プロセッサが実行する処理の全部又は一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等で実行してもよい。
【0116】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0117】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0118】
(付記1)
製品を生産する作業の改善を支援する作業改善支援装置であって、
前記製品を生産する複数の工程の作業を撮影した撮影動画に基づいて、前記複数の工程それぞれに含まれる複数の要素作業それぞれの作業時間を求める算出手段と、
前記算出手段によって求めた前記作業時間を出力する出力手段と、
を備える、
作業改善支援装置。
【0119】
(付記2)
前記撮影動画を各前記工程に相当する動画に分割し、分割して得られた動画を、前記要素作業に相当する動画にさらに分割する分割手段をさらに備え、
前記算出手段は、前記要素作業に相当する動画の開始時点から終了時点までの時間を求めることによって、前記要素作業の作業時間を求める、
付記1に記載の作業改善支援装置。
【0120】
(付記3)
求められた前記要素作業の作業時間と予め設定された条件とに基づいて、改善の対象とする要素作業を選定する選定手段と、を備え、
前記出力手段は、前記選定手段により選定された要素作業を示す情報を出力する、
付記1又は2に記載の作業改善支援装置。
【0121】
(付記4)
前記選定手段は、作業者毎に、要素作業毎の前記作業時間の代表値を求め、求めた代表値と前記予め設定された条件とに基づいて、作業者別に、各要素作業を改善すべき程度を示す評価値を求め、前記評価値に基づいて、改善の対象とする要素作業を選定する、
付記3に記載の作業改善支援装置。
【0122】
(付記5)
前記選定手段は、要素作業毎の前記作業時間と改善対象の前記要素作業との関係を学習して得られた学習済モデルを用いて、改善対象の前記要素作業を選定する、
付記3又は4に記載の作業改善支援装置。
【0123】
(付記6)
前記選定手段は、
前記作業時間の代表値と前記改善対象の要素作業との関係を含む学習データに基づいて、学習済モデルを生成する学習部と、
作業者別の各要素作業の作業時間の代表値を前記学習済モデルに適用して、前記改善対象の前記要素作業を推論する推論部と、
を有する、
付記5に記載の作業改善支援装置。
【0124】
(付記7)
前記選定手段により選定された改善対象の要素作業の改善を支援するための予め設定された提案を行う提案手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記提案手段によって行われた前記提案の情報を出力する、
付記3から6の何れか1つに記載の作業改善支援装置。
【0125】
(付記8)
前記工程の前記作業毎の作業時間の代表値を作業者毎に求め、求めた代表値と予め設定された条件とに基づいて、前記工程の前記作業毎に、その前記作業を行う作業者を割り当てる分担案を求める手段を備え、
前記出力手段は、前記算出手段が求めた前記分担案を出力する、
付記1から7の何れか1つに記載の作業改善支援装置。
【0126】
(付記9)
付記1~8の何れかに1つに記載の作業改善支援装置と、
前記工程の作業を撮影する撮影装置と、
前記出力手段が出力した情報を表示する表示装置と、を備え、
前記算出手段は、前記撮影装置によって前記撮影した動画を表す前記撮影動画に基づいて、前記要素作業の前記作業時間を求める、
作業改善支援システム。
【0127】
(付記10)
生産工程の作業が撮影された撮影動画に基づいて、前記生産工程に含まれる複数の要素作業それぞれの作業時間を求め、
求めた前記作業時間を出力する、
作業改善支援方法。
【0128】
(付記11)
コンピュータに、
生産工程の作業が撮影された撮影動画に基づいて、前記生産工程に含まれる複数の要素作業それぞれの作業時間を求め、
求めた前記作業時間を出力する、
処理を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0129】
1 作業改善支援システム、100 撮影装置、200 作業改善支援装置、210 演算処理部、211 実作業動画取得部、212 分割部、213 算出部、214 改善計画部、215 出力部、216 改善提示部、216a 学習部、216b 推論部、220 記憶部、221 動画ファイル記憶部、222 基準画像ファイル記憶部、223 分割動画ファイル記憶部、224 作業時間情報記憶部、225 改善計画情報記憶部、226 学習済みモデル記憶部、300 表示装置、1000 バス、1001 プロセッサ、1002 メモリ、1003 インタフェース、1004 二次記憶装置。

図1
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