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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150060
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】溶接検査装置および溶接システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/24 20060101AFI20241016BHJP
   G01N 29/48 20060101ALI20241016BHJP
   B23K 9/12 20060101ALI20241016BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20241016BHJP
   G01N 29/11 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G01N29/24
G01N29/48
B23K9/12 331F
B23K31/00 L
B23K31/00 Z
G01N29/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063286
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新田 誠也
(72)【発明者】
【氏名】門田 圭二
(72)【発明者】
【氏名】田中 利幸
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA06
2G047AB07
2G047AD11
2G047BC03
2G047BC09
2G047BC10
2G047CA04
2G047DB03
2G047DB12
2G047GD01
2G047GG28
2G047GG33
2G047GG47
(57)【要約】
【課題】溶接検査で検出された内部欠陥の位置を実物のワークを見るだけで特定できるようにする。
【解決手段】溶接システム(100)は、検査対象である母材(102,104)の溶接部(106)の内部に超音波を励起するための送信用レーザ光を溶接部(106)上に照射する送信用レーザ光照射装置(134)と、溶接部(106)を通過し、かつ、母材(104)の下面で反射した超音波を検出する受信用レーザ光プローブ(144)と、受信用レーザ光プローブ(144)による検出結果により溶接部(106)の内部欠陥の有無を判定する溶接検査を行なう制御装置(164)と、母材(102,104)の表面に欠陥印を付けるためのマーキング装置(200)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接部を検査する溶接検査装置であって、
検査対象の内部に超音波を励起するための送信用レーザ光を溶接後の前記検査対象の溶接部上に照射する第1のレーザ光照射装置と、
前記送信用レーザ光によって励起された超音波を検出する検出装置と、
前記検出装置による検出結果により前記溶接部の内部欠陥の有無を判定する溶接検査を行なう制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記溶接検査によって前記内部欠陥が有ると判定された場合、前記内部欠陥が有ると判定された溶接位置である欠陥位置を特定するための第1処理と、前記検査対象における前記欠陥位置に欠陥印を付けるための第2処理とを行なう、溶接検査装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記溶接検査中に前記第1処理および前記第2処理を行なう、請求項1に記載の溶接検査装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記溶接検査中に前記第1処理を行ない、前記溶接検査後に前記第2処理を行なう、請求項1に記載の溶接検査装置。
【請求項4】
前記第1のレーザ光照射装置は、前記送信用レーザ光の照射位置を走査するように構成された走査機構を含み、
前記制御装置は、前記第2処理において前記送信用レーザ光を用いて前記欠陥位置に前記欠陥印を付けるように前記走査機構を制御する、請求項1に記載の溶接検査装置。
【請求項5】
前記検査対象に前記欠陥印を付けるマーキング装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記第2処理において前記欠陥位置に前記欠陥印を付けるように前記マーキング装置を制御する、請求項1に記載の溶接検査装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記第2処理において、前記検出装置による検出で得られる情報に応じて、前記欠陥印のサイズおよび形状の少なくとも一方を変更する、請求項1に記載の溶接検査装置。
【請求項7】
前記検出装置は、前記検査対象の母材下面で反射した反射超音波を検出可能な前記検査対象上の所定位置に、前記反射超音波を検出するための受信用レーザ光を照射する第2のレーザ光照射装置を含む、請求項1に記載の溶接検査装置。
【請求項8】
溶接トーチを含むアーク溶接装置と、
前記アーク溶接装置により形成された溶接部を検査する、請求項1~7のいずれかに記載の溶接検査装置とを備える、溶接システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、溶接検査装置および溶接システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許第5651533号公報(特許文献1)には、溶接部に発生したブローホール等の内部欠陥を非破壊で検出する溶接検査方法が開示されている。この溶接検査方法では、溶接ビードの上方からビード表面に送信用レーザ光を照射し、欠陥で反射する超音波(散乱波)を検出することにより、溶接部の内部欠陥を検出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5651533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溶接検査で内部欠陥が検出された場合には、その後の工程で溶接作業者が欠陥部分を補修することが望ましい。特許第5651533号公報に開示された溶接検査方法においては、内部欠陥が検出された時の送信用レーザ光の照射位置を欠陥位置データとして記憶しておくことは可能ではある。しかしながら、補修溶接作業者は、溶接された実物のワークを見ただけでは欠陥位置を特定することはできない。そのため、補修溶接作業者は、補修溶接を行なう前に、欠陥位置データとワークとを見比べながらワークの欠陥位置を特定するという煩わしい作業を行なう必要がある。
【0005】
それゆえに、本開示の目的は、溶接検査で検出された内部欠陥の位置を実物のワークを見るだけで特定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(第1項) 本開示による溶接検査装置は、溶接部を検査する溶接検査装置であって、検査対象の内部に超音波を励起するための送信用レーザ光を溶接後の検査対象の溶接部上に照射する第1のレーザ光照射装置と、送信用レーザ光によって励起された超音波を検出する検出装置と、検出装置による検出結果により溶接部の内部欠陥の有無を判定する溶接検査を行なう制御装置とを備える。制御装置は、溶接検査によって内部欠陥が有ると判定された場合、内部欠陥が有ると判定された溶接位置である欠陥位置を特定するための第1処理と、検査対象における欠陥位置に欠陥印を付けるための第2処理とを行なう。
【0007】
この溶接検査装置においては、溶接検査によって内部欠陥が有ると判定された場合、内部欠陥の位置が特定され、特定された欠陥位置に欠陥印が付けられる。そのため、溶接検査後に溶接作業者が欠陥部分を補修する際に、補修溶接作業者は、溶接された実物のワークを見るだけで欠陥位置を特定することができる。そのため、補修溶接作業者は、欠陥位置のデータと実際のワークとを見比べながらワークの欠陥位置を特定するという煩わしい作業を行なわなくても、実物のワークを見ながら補修作業を行なうことができる。
【0008】
(第2項) 第1項に記載の溶接検査装置において、制御装置は、溶接検査中に第1処理および第2処理を行なう。
【0009】
(第3項) 第1項に記載の溶接検査装置において、制御装置は、溶接検査中に第1処理を行ない、溶接検査後に第2処理を行なう。
【0010】
(第4項) 第1~3項のいずれかに記載の溶接検査装置において、第1のレーザ光照射装置は、送信用レーザ光の照射位置を走査するように構成された走査機構を含む。制御装置は、第2処理において送信用レーザ光を用いて欠陥位置に欠陥印を付けるように走査機構を制御する。
【0011】
(第5項) 第1~4項のいずれかに記載の溶接検査装置において、検査対象に欠陥印を付けるマーキング装置をさらに備える。制御装置は、第2処理において欠陥位置に欠陥印を付けるようにマーキング装置を制御する。
【0012】
(第6項) 第1~5項のいずれかに記載の溶接検査装置において、制御装置は、第2処理において、検出装置による検出で得られる情報に応じて、欠陥印の形状およびサイズの少なくとも一方を変更する。
【0013】
(第7項) 第1~6項のいずれかに記載の溶接検査装置において、検出装置は、検査対象の母材下面で反射した反射超音波を検出可能な検査対象上の所定位置に、反射超音波を検出するための受信用レーザ光を照射する第2のレーザ光照射装置を含む。
【0014】
(第8項) 本開示による溶接システムは、溶接トーチを含むアーク溶接装置と、アーク溶接装置により形成された溶接部を検査する第1~7項のいずれかに記載の溶接検査装置とを備える。
【発明の効果】
【0015】
上記の溶接検査装置あるいは溶接システムによれば、溶接検査で検出された内部欠陥の位置を実物のワークを見るだけで特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】溶接システムの全体構成図(その1)である。
図2】溶接部の内部欠陥の検出原理を説明する図(その1)である。
図3】溶接部の内部欠陥の検出原理を説明する図(その2)である。
図4】送信用レーザ光の照射位置と、超音波受信点における超音波の到達時間との関係を示した図である。
図5】超音波送信点の位置と、超音波受信点における超音波の強度との関係を示した図である。
図6】溶接部における内部欠陥の有無の判定方法を説明する図である。
図7】マーキング処理によってワークに付けられる欠陥印の一例を示す平面図である。
図8】制御装置の処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
図9】制御装置の処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
図10】溶接システムの全体構成図(その2)である。
図11】欠陥印のサイズを変更する一例を示す平面図である。
図12】欠陥印のサイズおよび形状の変更パターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0018】
図1は、本実施の形態による溶接検査装置を含む溶接システム100の全体構成図である。この溶接システム100は、たとえば薄板(母材102,104)の重ね隅肉溶接における溶接部(溶接ビード)106の検査に用いられる。母材102,104は、例えば、板厚が1~2mm程度の亜鉛メッキ鋼板である。なお、図中、Y方向は、溶接進行方向を示し、Z方向は母材102,104の法線方向を示し、X方向はY方向およびZ方向に直交する方向を示す。
【0019】
溶接システム100は、ロボットアーム110と、溶接トーチ112と、ワイヤ118と、溶接電源120と、コントローラ122とを備える。
【0020】
ロボットアーム110は、多関節のアームであり、例えば6軸多関節アームである。ロボットアーム110は、設定された溶接速度で溶接トーチ112により母材102,104の溶接を行なうように、コントローラ122により制御される。
【0021】
溶接トーチ112は、母材102,104の接合部に向けて、溶接ワイヤ及び図示しないシールドガス(アルゴンガスや炭酸ガス等)を供給する。溶接トーチ112は、溶接電源120からワイヤ118を通じて溶接電流の供給を受け、溶接ワイヤの先端と母材102,104の接合部との間にアーク114を発生させる。
【0022】
なお、溶接ワイヤに代えて、溶接金属を形成するためのフィラー(溶加材)を添加しつつ非消耗材の電極(タングステン等)を用いてもよい。すなわち、溶接トーチ112によるアーク溶接は、溶接ワイヤを用いる溶極式(マグ溶接やミグ溶接等)であってもよいし、フィラーの添加を伴う非溶極式(ティグ溶接等)であってもよい。
【0023】
溶接電源120は、アーク溶接を行なうための溶接電圧及び溶接電流を生成し、生成された溶接電圧及び溶接電流を溶接トーチ112へ出力する。
【0024】
コントローラ122は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリ(RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory))と、各種信号を入出力するための入出力ポートとを含んで構成される(いずれも図示せず)。CPUは、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行する。ROMに格納されているプログラムには、コントローラ122により実行される各種処理が記述されている。
【0025】
コントローラ122は、設定された溶接速度で溶接トーチ112により母材102,104の溶接を行なうように、ロボットアーム110の動作及び溶接電源120の出力を制御する。その際、コントローラ122は、溶接検査ヘッド130(後述)の位置が溶接トーチ112の溶接進行方向後方となるように、ロボットアーム110を制御する。
【0026】
また、コントローラ122は、溶接検査ヘッド130を制御する制御装置164と連係し、制御装置164と各種信号をやり取りする。例えば、コントローラ122は、溶接トーチ112による溶接の開始、停止、継続、および溶接速度を制御装置164へ通知する。また、コントローラ122は、溶接部の内部欠陥が検出されたことを示す欠陥検出信号を制御装置164から受けると、溶接トーチ112による溶接を停止したり、溶接条件を変更したりすることもできる。
【0027】
溶接システム100は、溶接検査ヘッド130と、光ファイバ142,148と、リンク150と、送信用レーザ源160と、受信用レーザ源162と、制御装置164とをさらに備える。
【0028】
溶接検査ヘッド130は、送信用レーザ光照射装置134と、受信用レーザ光プローブ144とを備える。送信用レーザ光照射装置134及び受信用レーザ光プローブ144は、取付部材132に取り付けられる。取付部材132は、リンク150によってロボットアーム110に連結されている。
【0029】
送信用レーザ光照射装置134は、マイクロチップレーザ136と、走査機構138と、フォトディテクタ140とを含んで構成される。マイクロチップレーザ136は、例えばYAG結晶を用いた小型の固体レーザであり、送信用レーザ源160から光ファイバ142を通じて励起光を受け、高出力のパルスレーザ光を発生する。
【0030】
走査機構138は、マイクロチップレーザ136が発生したパルスレーザ光の照射位置を、溶接方向(Y方向)および溶接幅方向(X方向)の2軸に走査するための機構を含む。走査機構138は、例えば、角度を調整可能なガルバノミラーと、ガルバノミラーを駆動する駆動機構とを含んで構成される。溶接検査中において、走査機構138の駆動機構は、送信用レーザ光152(パルスレーザ光)が照射される超音波送信点群154が溶接ビード106の幅方向(X方向)全域を含むように、制御装置164によって制御される。
【0031】
フォトディテクタ140は、送信用レーザ光152(パルスレーザ光)の発振を検出し、パルスレーザ光が発振される毎にトリガ信号Trを制御装置164へ出力する。
【0032】
受信用レーザ光プローブ144は、受信用レーザ源162から光ファイバ148を通じて受ける受信用レーザ光156(参照光)を、母材104上においてX方向の所定位置である超音波受信点158に照射する。また、受信用レーザ光プローブ144は、母材104に照射した受信用レーザ光156の、母材104からの反射光を受光し、光ファイバ148を通じて受信用レーザ源162へ出力する。
【0033】
受信用レーザ源162は、レーザ干渉計を含んで構成され、母材104へ照射される受信用レーザ光156(参照光)を、光ファイバ148を通じて受信用レーザ光プローブ144へ出力する。そして、受信用レーザ源162は、受信用レーザ光プローブ144により受光された母材104からの受信用レーザ光156の反射光を受信用レーザ光プローブ144から受け、受信用レーザ光156の参照光と反射光とを含む干渉光の検出信号ISを制御装置164へ出力する。
【0034】
なお、送信用レーザ光152及び受信用レーザ光156の照射位置は、溶接中のインプロセスでの欠陥検出を考慮すると、溶接位置(溶融池116)に近いことが望ましく、例えば、溶融池116の溶接進行方向後方20~30mmとすることができる。
【0035】
制御装置164は、コントローラ122と同様、CPUと、メモリ(RAM及びROM)と、各種信号を入出力するための入出力ポートとを含んで構成される(いずれも図示せず)。CPUは、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行する。ROMに格納されているプログラムには、制御装置164により実行される各種処理が記述されている。
【0036】
制御装置164は、送信用レーザ光152(パルスレーザ光)が発振されるタイミングを示す、フォトディテクタ140からのトリガ信号Trを基準に、受信用レーザ光156の参照光と反射光との干渉光の検出信号ISを所定時間(例えば10μs)計測する。そして、制御装置164は、計測された干渉光の検出信号ISから、トリガ信号Trに対応する超音波受信点158での超音波の強度を計測する。
【0037】
制御装置164は、上記のような超音波受信点158での超音波の強度測定を、送信用レーザ光152の照射位置(超音波送信点)を溶接部106の幅方向(X方向)に走査しながら実施する。そして、制御装置164は、1走査分の測定が終了すると、下板(母材104)の下面で反射し超音波受信点158に到達した超音波(反射超音波)の減衰度に基づいて、溶接部106に内部欠陥が生じているか否かを判定する。
【0038】
この溶接システム100では、レーザ超音波法を用いて溶接部106の内部欠陥の検出を行なう。すなわち、検査対象の溶接部106に送信用レーザ光152を照射して検査対象の内部に超音波を発生させ、受信用レーザ光156が照射される超音波受信点158における超音波の強度に応じた表面振動を、受信用レーザ光156の参照光と反射光との干渉光により検出する。そして、溶接部106に内部欠陥が存在しない場合と存在する場合との検出差に基づいて、溶接部106の内部欠陥の有無が判定される。
【0039】
図2及び図3は、溶接システム100による溶接部の内部欠陥の検出原理を説明する図である。図2は、溶接部106に欠陥が無いときの状態を示し、図3は、溶接部106に内部欠陥(ブローホール等)が生じているときの状態を示す。
【0040】
図2を参照して、この溶接システム100では、溶接部106を含む領域に上方(Z方向)から送信用レーザ光152が照射され、レーザ光の照射位置に超音波を励起させる。発生した超音波は、溶接部106を通過し、下側の母材104の下面105で反射した後、母材104の上面に到達する。この到達した超音波により母材104の表面に生じた微細振動を、受信用レーザ光156を用いて計測することにより(レーザ干渉計を用いた干渉計測)、受信用レーザ光156の照射位置(超音波受信点158)における超音波の強度を測定する。
【0041】
送信用レーザ光152の照射位置は、走査機構138を用いてX方向に走査される。×印で示される超音波送信点群154は、パルスレーザ光である送信用レーザ光152の照射位置を示す。ある照射位置における測定が終了した後、次の位置へ送信用レーザ光152の照射位置が走査され、その照射位置における測定が行なわれる。
【0042】
受信用レーザ光156の照射位置は、母材104のX方向において固定される。○印で示される超音波受信点158は、受信用レーザ光156の照射位置を示す。超音波送信点群154の各々と超音波受信点158とのX方向の距離が大きいほど、超音波送信点群154の各々から超音波受信点158までの超音波の伝播時間が長くなり、拡散減衰によって超音波受信点158での超音波の強度(表面の微細振動)も減少する。
【0043】
図3を参照して、溶接部106にブローホール等の欠陥107が存在する場合、拡散減衰に加えて欠陥107での散乱減衰も生じるため、超音波受信点158に到達する超音波155の強度は、欠陥107が存在しない場合に比べて小さくなる(減衰が大きくなる)。したがって、超音波受信点158に到達する超音波の減衰度を捉えることにより、溶接部106の欠陥107の有無を判定することができる。
【0044】
図4は、送信用レーザ光152の照射位置と、超音波受信点158における超音波の到達時間との関係を示した図である。図4において、横軸は、送信用レーザ光152のX方向の照射位置(超音波送信点の位置)を示し、値が大きいほど超音波受信点158から離れていることを示す。縦軸は、送信用レーザ光152が照射されてから(超音波送信点において超音波が発生してから)超音波受信点158に超音波が到達するまでの時間を示す。
【0045】
図4において、線L1は、溶接部106及び母材104の表面を伝わった超音波(表面波)の到達時間を示す。線L2は、超音波送信点から溶接部106を通過して母材104の下面105で反射した超音波(反射波)の到達時間を示す。
【0046】
上記表面波の到達時間は、欠陥107の有無の影響を受けないため、超音波送信点の位置と到達時間との関係から、超音波受信点で検出された超音波が、表面波であるのか、それとも母材104の下面105で反射した超音波(反射波)であるのかを区別することができる。
【0047】
図5は、超音波送信点の位置と、超音波受信点における超音波の強度との関係を示した図である。図5において、横軸は、図4と同様に、超音波送信点の位置を示す。縦軸は、超音波受信点における、図4の反射波(線L2)の強度を示す。
【0048】
図5において、線L3は、溶接部106に内部欠陥が無い場合の、超音波受信点における反射波(図4の線L2)の強度を示す。超音波送信点の位置の値が大きいほど(超音波受信点から離れるほど)、拡散減衰によって信号強度が減衰する。
【0049】
線L4は、溶接部106に内部欠陥(ブローホール等)が存在する場合の、超音波受信点における反射波(図4の線L2)の強度を示す。超音波送信点の位置が図5に示す位置X1よりも大きい範囲では、超音波受信点に到達する反射波は、溶接部106に生じた内部欠陥を通過する。その際、拡散減衰に加えて内部欠陥での散乱減衰も生じるため、超音波受信点における反射波強度(線L4)は、内部欠陥が無い場合の反射波強度(線L3)に比べて小さくなる。すなわち、超音波受信点において、内部欠陥が生じているときの反射波の減衰度は、内部欠陥が無い場合に比べて大きくなる。
【0050】
図6は、溶接部106における内部欠陥の有無の判定方法を説明する図である。超音波受信点における反射波の強度について、超音波送信点の位置に応じた減衰度の大きさによって、溶接部106における内部欠陥の有無が判定される。すなわち、超音波送信点の位置に応じた上記減衰度が所定のしきい値よりも小さければ、内部欠陥は無いものと判定され、上記減衰度がしきい値よりも大きければ、検査対象の溶接部106に内部欠陥が生じているものと判定される。なお、しきい値は、事前の評価試験等により、内部欠陥の有無を区別可能な値に適宜設定される。
【0051】
<欠陥位置のマーキング>
溶接検査ヘッド130による検査対象であるワーク(母材102,104)の溶接部106の一部に内部欠陥が検出された場合には、溶接作業者がその欠陥部分を補修することが望ましい。そして、欠陥部分の補修の際には、補修溶接作業者が、ワークを見るだけで内部欠陥の位置を特定して補修作業を行なえるようにすることが望ましい。
【0052】
そこで、本実施の形態による溶接システム100は、図1に示されるように、マーキング装置200をさらに備える。マーキング装置200は、溶接検査でワークの溶接部106の一部に内部欠陥が検出された場合に、ワークの表面に、内部欠陥の位置を示す欠陥印を付けるための装置である。マーキング装置200は、リンク210によって、ロボットアーム110に連結されている。
【0053】
本実施の形態によるマーキング装置200は、ワークの表面に塗料を吹き付ける噴射機構(スプレー)を有しており、この噴射機構を用いて内部欠陥の位置に非接触で欠陥印を付ける。なお、欠陥印を付ける手法は、噴射機構を用いることに限定されない。たとえば、ワークの表面にレーザを照射することで非接触で欠陥印を付けるものであってもよい。また、ペン等を用いてワークの表面に接触しながら欠陥印を付けるものであってもよい。
【0054】
制御装置164は、溶接検査によって溶接部106に内部欠陥が有ると判定されると、ワーク(母材102,104)における欠陥位置を特定する処理(第1処理)と、特定された欠陥位置に欠陥印を付ける処理(第2処理)とを含む「マーキング処理」を行なう。
【0055】
図7は、マーキング処理によってワークに付けられる欠陥印220の一例を示す平面図である。なお、本実施の形態による制御装置164は、溶接中にインプロセスで溶接検査ヘッド130を用いて溶接部106の検査を行なう。送信用レーザ光152は、送信用レーザ光照射装置134の走査機構138を駆動することによって、溶接幅方向(X方向)に走査される。ただし、送信用レーザ光照射装置134が搭載される溶接検査ヘッド130は、溶接トーチ112とともにロボットアーム110に搭載されるため、溶接中は溶接トーチ112とともに溶接検査ヘッド130も溶接進行方向(Y方向)に移動する。そのため、実際の送信用レーザ光152の照射位置の走査方向は、図7に示すように溶接部106の幅方向(X方向)に対して傾いている。
【0056】
本実施の形態による制御装置164は、溶接中にインプロセスで溶接検査を行なう。そして、溶接検査において溶接部106の一部に内部欠陥107が検出されると、制御装置164は、溶接検査中にインプロセスで上述のマーキング処理を行なう。これにより、溶接検査が終了した時点で既に欠陥位置に欠陥印220を付けておくことができる。
【0057】
図7には欠陥印220が円状である例が示されているが、欠陥印220の形状は、欠陥位置を特定できるものであれがよく、必ずしも円状であることに限定されない。
【0058】
また、図7には欠陥印220が母材102の表面に付けられる例が示されているが、欠陥印220が付けられる位置は、少なくとも欠陥位置のY方向の位置を特定できる位置であればよく、必ずしも母材102に付けられることに限定されない。たとえば、欠陥印220が母材104に付けられてもよい。
【0059】
本実施の形態による溶接検査ヘッド130、マーキング装置200および制御装置164を組み合わせた装置は、本開示の「溶接検査装置」の一例に相当する。
【0060】
図8は、本実施の形態による制御装置164が溶接中にインプロセスで溶接検査を行なう場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0061】
制御装置164は、送信用レーザ光152を溶接部106のX方向所定位置に照射するように、走査機構138を制御する(ステップS110)。1回の走査における送信用レーザ光152の各照射点のX方向の位置は予め定められており、溶接部106を含む領域において所定数(たとえば20点)の照射位置が定められている。
【0062】
次いで、フォトディテクタ140により送信用レーザ光152(パルスレーザ光)の発振(照射)が検出され、このパルス照射に対応する超音波の検出の開始を示すトリガ信号Trがフォトディテクタ140から制御装置164へ送信される(ステップS115)。
【0063】
制御装置164は、トリガ信号Trを基準に、レーザ干渉計により取得される受信用レーザ光156の干渉光に基づく超音波受信点158での超音波の強度を所定時間(例えば10μs)計測する(ステップS120)。
【0064】
次いで、制御装置164は、送信用レーザ光152の1走査分の計測が完了したか否かを判定する(ステップS125)。具体的には、X方向において予め定められた照射位置の全てにおいて計測が完了したか否かが判定される。1走査分の計測が完了していない場合には(ステップS125においてNO)、制御装置164は、送信用レーザ光152の照射位置を次の位置に更新する(ステップS130)。そして、ステップS110へ処理が戻される。
【0065】
ステップS125において送信用レーザ光152の1走査分の計測が完了したと判定されると(ステップS125においてYES)、制御装置164は、1走査分の計測結果に基づいて、1走査分の溶接部106中に内部欠陥があるか否かを判定する(ステップS150)。
【0066】
具体的には、制御装置164は、1走査分の計測結果から、X方向に走査される送信用レーザ光152の照射位置(超音波送信点)毎に、受信用レーザ光156の照射位置(超音波受信点)における反射波(母材104の下面で反射して超音波受信点158に到達した超音波)の信号を抽出する。そして、制御装置164は、その抽出された反射波信号について、送信用レーザ光152の照射位置(送信位置)に応じた超音波の減衰度を算出し、算出された減衰度がしきい値よりも大きいか否かを判定する。このしきい値は、事前の評価試験により、内部欠陥の有無を区別可能な値に適宜設定される。そして、減衰度がしきい値よりも大きい場合に、制御装置164は、1走査分の溶接ビード106中に内部欠陥があると判定する。
【0067】
ステップS150にて内部欠陥があると判定された場合(ステップS150においてYES)、制御装置164は、上述のマーキング処理を行なう(ステップS152,S154)。
【0068】
具体的には、まず、制御装置164は、内部欠陥の位置を特定する(ステップS152)。たとえば、制御装置164は、溶接検査開始時の超音波送信点の初期位置と、溶接検査ヘッド130のY方向移動速度(本実施の形態においては溶接速度と同じ)と、溶接検査開始時から内部欠陥が検出されるまでの時間とに基づいて、内部欠陥のY方向の位置を特定する。
【0069】
そして、制御装置164は、特定された内部欠陥の位置に欠陥印を付けるように、マーキング装置200を制御する(ステップS154)。たとえば、上述の図7に示したように、制御装置164は、母材102の表面における内部欠陥近傍の位置に円状の欠陥印220を付ける。
【0070】
次いで、制御装置164は、溶接の継続要否を示すコントローラ122からの信号に基づいて、溶接が継続されるか否かを判定する(ステップS160)。そして、溶接が継続される場合には(ステップS160においてYES)、制御装置164は、次の計測ラインでの計測に移行し(ステップS165)、ステップS110へ処理を戻す。
【0071】
他方、ステップS160において、コントローラ122からの信号に基づいて溶接の停止が判定された場合には(ステップS160においてNO)、制御装置164は、溶接検査の処理を終了する(ステップS170)。
【0072】
以上のように、本実施の形態による溶接システム100は、検査対象である母材102,104の溶接部106の内部に超音波を励起するための送信用レーザ光を溶接部106上に照射する送信用レーザ光照射装置134と、溶接部106を通過し、かつ、母材104の下面で反射した超音波を検出する受信用レーザ光プローブ144と、受信用レーザ光プローブ144による検出結果により溶接部106の内部欠陥の有無を判定する溶接検査を行なう制御装置164と、母材102,104の表面に欠陥印を付けるためのマーキング装置200とを備える。
【0073】
制御装置164は、溶接検査によって内部欠陥が有ると判定された場合、内部欠陥が有ると判定された欠陥位置を特定するための処理(第1処理)と、検査対象における欠陥位置に欠陥印を付けるための処理(第2処理)とを含むマーキング処理を行なう。
【0074】
このような構成によれば、溶接検査において内部欠陥が検出された後に溶接作業者が欠陥部分を補修する際に、補修溶接作業者は、溶接された実物のワークを見ただけで欠陥位置を特定することができる。そのため、補修溶接作業者は、欠陥位置のデータと実際のワークとを見比べながらワークの欠陥位置を特定するという煩わしい作業を行なわなくても、実物のワークを見ながら補修作業を行なうことができる。
【0075】
[変形例1]
上述の実施の形態においてはマーキング処理(欠陥位置を特定する処理および欠陥位置に欠陥印を付ける処理)を溶接検査中に行なう例について説明したが、マーキング処理を行なうタイミングは必ずしも溶接検査中であることに限定されない。すなわち、マーキング処理の全部または一部の処理を溶接検査後に行なうようにしてもよい。このように変形することで、溶接検査そのものについては早期に終了させた上で、欠陥位置に欠陥印を付けることができる。
【0076】
図9は、本変形例1による制御装置164の処理手順の一例を示すフローチャートである。図9のフローチャートは、上述の図8のステップS154を実行するタイミングを、ステップS170の後に変更したものである。すなわち、図9のフローチャートでは、マーキング処理(ステップS152,S154)のうち、欠陥位置を特定する処理(ステップS152)については溶接検査中に行ない、欠陥位置に欠陥印を付ける処理(ステップS154)については溶接検査の終了後(ステップS170の後)に行なう。
【0077】
また、マーキング処理(ステップS152,S154)のうち、欠陥位置を特定する処理(ステップS152)および欠陥位置に欠陥印を付ける処理(ステップS154)の双方を、溶接検査の終了後(ステップS170の後)に行なうようにしてもよい。
【0078】
[変形例2]
上述の実施の形態においては欠陥位置に欠陥印を付ける専用のマーキング装置200を備える例について説明したが、専用のマーキング装置200を設けることなく、送信用レーザ光を用いて欠陥位置に欠陥印を付けるようにしてもよい。
【0079】
図10は、本変形例2による溶接検査装置を含む溶接システム100Aの全体構成図である。この溶接システム100Aは、上述の溶接システム100から、マーキング装置200およびリンク210を取り除いたものである。
【0080】
この溶接システム100Aにおいては、送信用レーザ光照射装置134が送信用レーザ光を走査する走査機構138(ガルバノミラー等)を備えることに鑑み、溶接検査で溶接部106の一部に内部欠陥が検出された場合、制御装置164が、送信用レーザ光152aを欠陥位置に照射して欠陥印220を付けるように走査機構138を制御する。これにより、専用のマーキング装置200を設けることなく、欠陥位置に欠陥印220を付けることができる。
【0081】
なお、溶接検査中に送信用レーザ光を用いて欠陥印220を付ける場合には、送信用レーザ光が検査用とマーキング用とで共用されることになる。そのため、溶接検査中において、内部欠陥が検出された場合には、内部欠陥が検出されない場合よりも送信用レーザ光の照射周波数を増加し、増加された周波数分のレーザ光で欠陥印220を付けるようにすればよい。たとえば、内部欠陥が検出されない場合の送信用レーザ光152の照射周波数(パルス周波数)が50Hzであるケースでは、内部欠陥が検出された場合には送信用レーザ光152の照射周波数を100Hzに増加し、増加された50Hz分の送信用レーザ光152で欠陥印220を付けるようにすればよい。
【0082】
[変形例3]
受信用レーザ光プローブ144による検出で得られる情報には、内部欠陥の有無だけでなく、反射波強度の減衰度などのさまざまな情報が含まれる。そこで、受信用レーザ光プローブ144による検出で得られる情報に応じて、欠陥印220の表示態様(サイズおよび形状の少なくとも一方)を変更するようにしてもよい。たとえば、上述の変形例2のように送信用レーザ光を用いて欠陥位置に欠陥印を付ける場合において、走査機構138(ガルバノミラー等)を制御することで、欠陥印220のサイズおよび形状を任意に変更することができる。この点を踏まえて、送信用レーザ光を用いて欠陥位置に欠陥印を付ける場合には、受信用レーザ光プローブ144による検出で得られる情報に応じて、欠陥印220の表示態様を変更するようにしてもよい。
【0083】
以下では、受信用レーザ光プローブ144による検出で得られる情報の一例として反射波強度の減衰度を用いる例、すなわち、反射波強度の減衰度に応じて欠陥印220の表示態様を変更する例について説明する。
【0084】
図11は、反射波強度の減衰度に応じて欠陥印220のサイズを変更する一例を示す平面図である。図11に示す例では、反射波強度の減衰度が大きい欠陥位置に付けられる円状の欠陥印220bの直径サイズが、反射波強度の減衰度が小さい欠陥位置に付けられる円状の欠陥印220aの直径サイズよりも大きい。このようにすることで、補修作業者は、欠陥印220の直径サイズから、内部欠陥の大きさを把握することができる。
【0085】
図12は、反射波強度の減衰度に応じて欠陥印220のサイズおよび形状の変更パターンの一例を示す図である。図12に示すように、欠陥印220が円形状である場合には、反射波強度の減衰度が大きいほど、直径を大きくするようにしてもよい。また、欠陥印220が矩形状である場合には、反射波強度の減衰度が大きいほど、一組の辺の長さを長くするようにしてもよい。
【0086】
また、反射波強度の減衰度に応じて、欠陥印220の形状を変更するようにしてもよい。たとえば、図12に示すように、反射波強度の減衰度が小レベルである場合には欠陥印220を円形状とし、反射波強度の減衰度が中レベルである場合には欠陥印220を三角形状とし、反射波強度の減衰度が大レベルである場合には欠陥印220をX形状としてもよい。
【0087】
また、欠陥印220の変更パターンは、レーザの照射点数、塗りつぶし、線の長さ等を変更するものでもよい。
【0088】
さらに、溶接検査で内部欠陥の深さあるいはサイズが検出できる場合には、内部欠陥の深さあるいはサイズに応じて欠陥印220の形状およびサイズを変更するようにしてもよい。
【0089】
[変形例4]
上述の実施の形態による溶接システム100においては受信用レーザ光プローブ144から超音波受信点158に受信用レーザ光を照射して反射波を非接触で検出するが、反射波を検出する手法は、必ずしも、受信用レーザ光を用いること、および非接触であることに限定されない。たとえば、超音波受信点158に接触して超音波受信点158の反射波を検出する装置(接触子)を配置し、当該装置で反射波を検出してもよい。
【0090】
[変形例5]
上述の実施の形態においては、アーク溶接装置により形成された溶接部106を検査する溶接検査装置が、溶接トーチ112を含む溶接装置を含む溶接システム100に備えられる例について説明した。
【0091】
しかしながら、溶接検査装置は、必ずしも溶接装置と一体的に設けられていることに限定されない。すなわち、溶接検査装置は、溶接装置とは別に設けられて単独で動作するものであってもよい。
【0092】
[変形例6]
上述の実施の形態による溶接システム100においては送信用レーザ光によって励起されて母材104の下面105で反射した超音波(反射波)を検出するが、検出対象となる超音波は、送信用レーザ光によって励起された超音波であればよく、必ずしも母材104の下面105で反射した超音波に限定されるものではない。
【0093】
[変形例7]
上述の実施の形態による溶接システム100においては溶接検査を行なう溶接検査ヘッド130と欠陥位置に欠陥印を付けるマーキング装置200とが同じロボットアーム110に搭載されているが、溶接検査ヘッド130とマーキング装置200とは、互いに異なるロボットに搭載されていてもよい。
【0094】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示により示される技術的範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0095】
100,100A 溶接システム、102,104 母材、105 下面、106 溶接部、107 内部欠陥、110 ロボットアーム、112 溶接トーチ、114 アーク、116 溶融池、118 ワイヤ、120 溶接電源、122 コントローラ、130 溶接検査ヘッド、132 取付部材、134 送信用レーザ光照射装置、136 マイクロチップレーザ、138 走査機構、140 フォトディテクタ、142,148 光ファイバ、144 受信用レーザ光プローブ、150,210 リンク、152,152a 送信用レーザ光、154 超音波送信点群、156 受信用レーザ光、158 超音波受信点、160 送信用レーザ源、162 受信用レーザ源、164 制御装置、200 マーキング装置、220,220a,220b 欠陥印。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12