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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150062
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】印刷装置及びプリントヘッド
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20241016BHJP
   B41J 2/17 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B41J2/175 121
B41J2/175 503
B41J2/175 301
B41J2/17 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063288
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 誠
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB21
2C056EB50
2C056EC20
2C056EC26
(57)【要約】
【課題】生産性を向上できる印刷装置を提供する。
【解決手段】媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、前記プリントヘッドに液体を供給するチューブと、を備え、前記プリントヘッドは、液体を吐出する吐出部と、前記チューブが接続され、前記吐出部に液体を供給する供給口と、前記供給口を囲み、前記チューブと前記供給口との接続部を収容する容器と、を有している、ことを特徴とする印刷装置。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドに液体を供給するチューブと、
を備え、
前記プリントヘッドは、
液体を吐出する吐出部と、
前記チューブが接続され、前記吐出部に液体を供給する供給口と、
前記供給口を囲み、前記チューブと前記供給口との接続部を収容する容器と、
を有している、ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記容器に溜まった液体を検出する検出部を備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記容器に溜まった液体の量が第1閾値に達したことを検出する第1検出部と、
前記容器に溜まった液体の量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値に達したことを検出する第2検出部と、
を有している、ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記検出部の検出結果に基づいて、使用者に液体が漏れていることを通知する通知部を備えている、ことを特徴とする請求項2または3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記検出部の検出結果に応じた通知を行う通知部を備えている、ことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記検出部が前記容器に溜まった液体の量が前記第2閾値に達したことを検出した場合に、前記チューブからの液体の供給が停止される、ことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記容器に接続され、前記容器に溜まった液体を排出する排出路を備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項8】
チューブが接続され、前記チューブから供給される液体を媒体に吐出するプリントヘッドであって、
液体を吐出する吐出部と、
前記チューブが接続され、前記吐出部に液体を供給する供給口と、
前記供給口を囲み、前記チューブと前記供給口との接続部を収容する容器と、
を有している、ことを特徴とするプリントヘッド。
【請求項9】
前記容器に溜まった液体を検出する検出部を備えている、ことを特徴とする請求項8に記載のプリントヘッド。
【請求項10】
前記検出部は、
前記容器に溜まった液体の量が第1閾値に達したことを検出する第1検出部と、
前記容器に溜まった液体の量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値に達したことを検出する第2検出部と、
を有している、ことを特徴とする請求項9に記載のプリントヘッド。
【請求項11】
前記検出部の検出結果に基づいて、使用者に液体が漏れていることを通知する通知部を備えている、ことを特徴とする請求項9または10に記載のプリントヘッド。
【請求項12】
前記検出部の検出結果に応じた通知を行う通知部を備えている、ことを特徴とする請求項10に記載のプリントヘッド。
【請求項13】
前記検出部が前記容器に溜まった液体の量が前記第2閾値に達したことを検出した場合に、前記チューブからの液体の供給が停止される、ことを特徴とする請求項10に記載のプリントヘッド。
【請求項14】
前記容器に接続され、前記容器に溜まった液体を排出する排出路を備えている、ことを特徴とする請求項8に記載のプリントヘッド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及びプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記録ヘッド内に通常時はオープン状態にあるインク漏れ検出用の一対の電極を設け、当該一対の電極間の電圧の変化の測定結果に応じて、記録ヘッド内のインクの漏れを検出するインク漏れ検出方法が開示されている。特許文献1に開示されたインク漏れ検出方法では、インク漏れが検出された場合に、記録ヘッドの電源供給を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-058633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、わずかなインク漏れで記録ヘッドの電源供給が遮断されると、生産性が低下してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る印刷装置の一態様は、
媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドに液体を供給するチューブと、
を備え、
前記プリントヘッドは、
液体を吐出する吐出部と、
前記チューブが接続され、前記吐出部に液体を供給する供給口と、
前記供給口を囲み、前記チューブと前記供給口との接続部を収容する容器と、
を有している。
【0006】
本発明に係るプリントヘッドの一態様は、
チューブが接続され、前記チューブから供給される液体を媒体に吐出するプリントヘッドであって、
液体を吐出する吐出部と、
前記チューブが接続され、前記吐出部に液体を供給する供給口と、
前記供給口を囲み、前記チューブと前記供給口との接続部を収容する容器と、
を有している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】印刷装置の概略構造を示す図。
図2】印刷装置の機能構成を示す図。
図3】吐出部の概略構成を説明するための図。
図4】漏洩検出モジュールの概略構成を説明するための図。
図5】プリントヘッドの動作を説明するための図。
図6】プリントヘッドの動作を説明するための図。
図7】プリントヘッドの動作を説明するための図。
図8】プリントヘッドの動作を説明するための図。
図9】プリントヘッドの変形例を説明するための図。
図10】プリントヘッドの変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
1. 印刷装置の概要
図1は、本実施形態に係る印刷装置1の概略構造を示す図である。本実施形態に係る印刷装置1は、媒体Pが搬送軸に沿って搬送されるとともに、キャリッジ22が搬送軸と交差する走査軸に沿って往復移動する。媒体Pの搬送とキャリッジ22の往復移動とに連動して、キャリッジ22に搭載されたプリントヘッド20から液体の一例としてのインクが吐出される。これにより、媒体Pの所望の位置にインクが着弾し、媒体Pに所望の画像が形成される。すなわち、印刷装置1は、所謂シリアル印刷方式のインクジェットプリンターである。このような印刷装置1は、媒体Pとして印刷用紙、樹脂フィルム、布帛等の任意の印刷対象を用いることができる。なお、印刷装置1は、シリアル印刷方式のインクジェットプリンターに限られるものではなく、ライン印刷方式のインクジェットプリンターであってもよい。さらに、印刷装置1は、インクジェットプリンターに限るものではなく、液晶デバイス向けのカラーフィルターの製造装置や、有機ELディスプレイ、面発光ディスプレイ等の電極形成装置であってもよい。
【0010】
図1に示すように、印刷装置1は、インク容器2と、チューブ4と、制御ユニット10と、プリントヘッド20と、移動ユニット30と、搬送ユニット40と、を備える。
【0011】
インク容器2には、媒体Pに吐出される複数の色彩のインクが貯留されている。インク容器2に貯留されるインクの色彩としては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グレー等が挙げられる。また、インク容器2としては、インクカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、及びインクの補充が可能なインクタンク等を用いることができる。なお、図1では、インク容器2がキャリッジ22とは異なる位置に設けられているとして図示しているが、インク容器2は、キャリッジ22に搭載されていてもよい。インク容器2に貯留されているインクは、チューブ4を介してプリントヘッド20に供給される。
【0012】
制御ユニット10は、例えばCPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と、半導体メモリ等の記憶回路と、を含む。制御ユニット10は、印刷装置1の各要素を制御する。
【0013】
プリントヘッド20は、キャリッジ22に搭載されている。印刷装置1は、プリントヘッド20を搭載し走査軸に沿って往復移動するキャリッジ22を備える。キャリッジ22は、移動ユニット30に含まれるキャリッジガイド軸36に支持された状態で無端ベルト34に固定されている。
【0014】
プリントヘッド20には、制御ユニット10が出力するヘッド制御信号Ctrl-H、駆動信号COM、及び基準電圧信号VBSが入力されるとともに、インク容器2に貯留されるインクがチューブ4を介して供給される。プリントヘッド20は、ヘッド制御信号Ctrl-H、及び駆動信号COMに基づいて、インク容器2から供給されるインクを吐出する。また、プリントヘッド20は、インクの漏れの検出結果の情報を含むインク漏洩検出信号SDを生成し、制御ユニット10に出力する。
【0015】
移動ユニット30は、キャリッジモーター32、無端ベルト34、及びキャリッジガイド軸36を含む。キャリッジモーター32は、制御ユニット10から入力される移動制御信号Ctrl-Cに基づいて回転駆動する。無端ベルト34は、走査軸に沿って延在し、キャリッジモーター32の回転駆動に従い回転する。キャリッジガイド軸36は、走査軸に沿って延在し、キャリッジ22を支持する。これにより、無端ベルト34に固定されたキャリッジ22が、キャリッジガイド軸36に支持された状態で走査軸に沿って移動する。制御ユニット10が、移動制御信号Ctrl-Cによってキャリッジモーター32の回転方向を制御することで、無端ベルト34に固定されたキャリッジ22が、キャリッジガイド軸36に支持された状態で走査軸に沿って往復移動する。
【0016】
搬送ユニット40は、搬送モーター42、搬送ローラー44、及びプラテン46を含む。搬送モーター42は、制御ユニット10から入力される搬送制御信号Ctrl-Mに基づいて回転駆動する。搬送ローラー44は、搬送モーター42の回転駆動に従い回転する。この搬送ローラー44の回転に伴い、媒体Pが搬送軸に沿って搬送される。このとき、プラテン46は、搬送される媒体Pを支持する。すなわち、制御ユニット10が搬送制御信号Ctrl-Mに基づいて搬送モーター42の回転速度を制御することで、プラテン46に支持された媒体Pの搬送軸に沿った搬送が制御される。
【0017】
以上のように印刷装置1では、制御ユニット10が、媒体Pの搬送を制御するとともにキャリッジ22の往復移動を制御する。さらに、制御ユニット10は、搬送ユニット40による媒体Pの搬送と、移動ユニット30によるキャリッジ22の往復移動と、に連動し、ヘッド制御信号Ctrl-H、及び駆動信号COMをプリントヘッド20に出力することで、プリントヘッド20からのインクの吐出も制御する。すなわち、プリントヘッド20は、制御ユニット10の制御の基で、搬送ユニット40による媒体Pの搬送と移動ユニット30によるキャリッジ22の往復移動とに連動して、媒体Pにインクを吐出する。これにより、プリントヘッド20が吐出したインクが媒体Pの所望に位置に着弾し、媒体Pに所望の画像が形成される。
【0018】
ここで、以下の説明において、往復移動するキャリッジ22の移動の起点であって、キャリッジ22に搭載されたプリントヘッド20が媒体Pにインクを吐出せず待機する位置をホームポジションHPと称し、走査軸に沿ってホームポジションHPと反対側の端部であって、往復移動するキャリッジ22の移動方向が切り替わる位置を反ホームポジションAPと称する場合がある。すなわち、キャリッジ22は、走査軸に沿って、ホームポジションHPと反ホームポジションAPとの間で往復移動するとして説明を行う。
【0019】
2. 印刷装置の機能構成
図2は、印刷装置1の機能構成を示す図である。図2に示すように印刷装置1は、制御ユニット10と、プリントヘッド20と、移動ユニット30と、搬送ユニット40と、バルブ70と、エンコーダー90と、を備える。また、制御ユニット10は、駆動回路50、基準電圧信号出力回路52、及び制御回路100を含み、プリントヘッド20は、駆動信号選択回路200、複数の吐出部600、及び漏洩検出モジュール300を含む。
【0020】
制御回路100は、例えば、マイクロコントローラー等のプロセッサーを含み、印刷装置1の外部に設けられた不図示のホストコンピューター等の外部機器と通信可能に接続されている。制御回路100には、当該外部機器から媒体Pに形成される画像の情報を含む画像データが入力される。制御回路100は、入力される画像データに基づいて、印刷装置1を制御するための各種データや当該データに基づく信号を生成し、対応する構成に出力する。
【0021】
制御回路100には、エンコーダー90が検出するキャリッジ22の走査位置を示す位置情報信号Cpが入力される。制御回路100は、入力される位置情報信号Cpに基づいてキャリッジ22に搭載されたプリントヘッド20の走査位置を把握する。制御回路100は、画像データと位置情報信号Cpとに応じた移動制御信号Ctrl-C、搬送制御信号Ctrl-M、及びヘッド制御信号Ctrl-Hを含む各種信号を生成し、対応する構成に出力する。
【0022】
具体的には、制御回路100は、位置情報信号Cpに基づいてプリントヘッド20の往復移動を制御するための移動制御信号Ctrl-Cを生成し、移動ユニット30に出力する。移動制御信号Ctrl-Cは、移動ユニット30が有する前述したキャリッジモーター32に入力される。これにより、走査軸に沿ったプリントヘッド20の走査位置が制御される。また、制御回路100は、媒体Pの搬送を制御するための搬送制御信号Ctrl-Mを生成し、搬送ユニット40に出力する。搬送制御信号Ctrl-Mは、搬送ユニット40が有する前述した搬送モーター42に入力される。これにより、搬送軸に沿った媒体Pの搬送位置が制御される。
【0023】
ここで、制御回路100が出力する移動制御信号Ctrl-Cは、不図示のドライバー回路において信号変換された後、キャリッジモーター32に入力されてもよく、制御回路100が出力する搬送制御信号Ctrl-Mは、不図示のドライバー回路において信号変換された後、搬送モーター42に入力されてもよい。
【0024】
また、制御回路100は、画像データと位置情報信号Cpとに基づいて、プリントヘッド20を制御するためのヘッド制御信号Ctrl-Hとして、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びクロック信号SCKを生成し、プリントヘッド20に出力する。印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びクロック信号SCKによって、プリントヘッド20から吐出されるインクの吐出量、及び吐出タイミングが規定される。
【0025】
また、制御回路100は、駆動回路50にデジタル信号である基駆動信号dAを出力する。駆動回路50は、入力されるデジタル信号の基駆動信号dAをデジタル/アナログ信号変換した後、変換されたアナログ信号をD級増幅することで駆動信号COMを生成する。そして、駆動回路50は、生成した駆動信号COMをプリントヘッド20に出力する。すなわち、基駆動信号dAは、駆動信号COMの信号波形を規定するためのデジタル信号であり、駆動回路50は、基駆動信号dAで規定された信号波形をD級増幅することで駆動信号COMを生成する。なお、基駆動信号dAは、駆動信号COMの信号波形を規定することができればよく、アナログ信号であってもよい。また、駆動回路50は、基駆動信号dAで規定される信号波形を増幅することで駆動信号COMを生成し出力できればよい。そのため、駆動回路50は、基駆動信号dAで規定された信号波形をA級増幅、B級増幅、又はAB級増幅することで駆動信号COMを生成してもよい。
【0026】
基準電圧信号出力回路52は、プリントヘッド20が有する後述する圧電素子60の駆動の基準電位となる基準電圧信号VBSを生成する。基準電圧信号VBSは、一定電位の信号であって、例えば、電圧値が0Vのグラウンド電位の信号であってもよく、電圧値が5.5Vや6V等の直流電圧の信号であってもよい。基準電圧信号出力回路52は、生成した基準電圧信号VBSをプリントヘッド20に出力する。
【0027】
プリントヘッド20は、駆動信号選択回路200、複数の吐出部600、および漏洩検出モジュール300を含む。すなわち、複数の吐出部600はキャリッジ22に搭載されている。駆動信号選択回路200は、1又は複数の集積回路装置を含んで構成されている。駆動信号選択回路200には、制御回路100が出力する印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びクロック信号SCKと、駆動回路50が出力する駆動信号COMと、が入力される。駆動信号選択回路200は、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びクロック信号SCKに基づいて、駆動信号COMの信号波形を選択又は非選択することで、複数の吐出部600のそれぞれに対応する駆動信号VOUTを生成し、対応する吐出部600に含まれる圧電素子60の一端に供給する。また、複数の吐出部600のそれぞれに含まれる圧電素子60の他端には、基準電圧信号VBSが共通に供給される。圧電素子60は、一端に供給される駆動信号VOUTと、他端に供給される基準電圧信号VBSと、の電位差により駆動する。この圧電素子60の駆動により吐出部600からインクが吐出される。
【0028】
漏洩検出モジュール300は、漏洩検出制御回路310と、検出ユニット320と、通知部330と、を含む。検出ユニット320は、プリントヘッド20のインク漏れを検出し、検出結果に応じた検出信号Dを出力する。検出信号Dは、漏洩検出制御回路310に入力される。漏洩検出制御回路310は、1又は複数の集積回路装置を含んで構成されている。漏洩検出制御回路310は、入力された検出信号Dに応じて、インクの漏れの量の情報を含む漏洩情報信号Cnを生成し、通知部330に出力する。通知部330は、漏洩情報信号Cnに応じた通知を使用者に対して行う。このようにして通知部330は、検出ユニット320の検出結果に応じた通知を行う。
【0029】
また、漏洩検出制御回路310は、検出信号Dに基づいて検出ユニット320の検出結果の情報を含むインク漏洩検出信号SDを生成し、制御回路100に出力する。制御回路100は、インク漏洩検出信号SDに基づいて、バルブ70を制御するためのバルブ制御信号Ctrl-Bを生成し、バルブ70に出力する。これにより、バルブ70の開閉が制御される。漏洩検出モジュール300の詳細については後述する。
【0030】
3. プリントヘッドの構成
3.1. 吐出部の構成
図3は、吐出部600の概略構成を説明するための図である。図3には、吐出部600に加えて、ノズルプレート632、リザーバー641、及び吐出部600にインクを供給する供給口661を図示している。
【0031】
図3に示すように、吐出部600は、圧電素子60、振動板621、キャビティー631、及びノズル651を含む。圧電素子60は、圧電体601と、電極611,612とを含む。圧電体601は、電極611,612で挟まれている。圧電素子60は、電極611に供給される電圧と電極612に供給される電圧との電位差に応じて、中央部分が上下方向に変位するように駆動する。具体的には、電極611には駆動信号COMに基づく駆動信号VOUTが供給され、電極612には基準電圧信号VBSが供給される。電極611に供給される駆動信号VOUTの電圧値が変化すると、電極611に供給される駆動信号VOUTと電極612に供給される基準電圧信号VBSとの電位差が変化し、圧電素子60は、中央部分が上下方向に変位するように駆動する。
【0032】
振動板621は、図3における圧電素子60の下方に位置している。換言すれば、圧電素子60は、振動板621の図3における上方の面に形成されている。振動板621は、圧電素子60の上下方向への駆動に伴い、上下方向に変位する。
【0033】
振動板621の図3における下方には、キャビティー631が位置している。キャビティー631には、リザーバー641からインクが供給される。リザーバー641には、インク容器2に貯留されたインクが供給口661を経由して導入される。すなわち、キャビティー631の内部には、インク容器2に貯留されたインクが充填される。供給口661には、インク容器2からインクを供給するためのチューブ4が接続される。供給口661は、リザーバー641に連通している。供給口661は、リザーバー641を介してキャビティー631に連通している。
【0034】
キャビティー631の内部容積は、振動板621の上下方向の変位に伴い拡大又は縮小する。すなわち、振動板621は、キャビティー631の内部容積を変化させるダイヤフラムとして機能し、キャビティー631は、振動板621の上下方向の変位に伴い内部圧力が変化する圧力室として機能する。
【0035】
ノズル651は、ノズルプレート632に設けられ開孔であって、キャビティー631と連通している。キャビティー631の内部容積が変化すると、当該内部容積に変化に応じてキャビティー631の内部に充填されたインクがノズル651から吐出される。
【0036】
吐出部600において、圧電素子60が上方向に撓むように駆動した場合、振動板621が上方向に変位する。これにより、キャビティー631の内部容積が拡大し、その結果、リザーバー641に貯留されているインクが、キャビティー631に引き込まれる。一方で、圧電素子60が下方向に撓むように駆動した場合、振動板621が下方向に変位する。これにより、キャビティー631の内部容積が縮小し、その結果、キャビティー631の内部容積の縮小の程度に応じた量のインクが、ノズル651から吐出される。
【0037】
なお、圧電素子60は、駆動信号COMに応じた駆動信号VOUTが供給されることで駆動するとともに、駆動することによりノズル651からインクが吐出できる構造であればよく、図3に示す構造に限られるものではない。
【0038】
3.2. 漏洩検出モジュールの構成
図4は、漏洩検出モジュール300の概略構成を説明するための図である。漏洩検出モジュール300は、図4に示すように、漏洩検出制御回路310と、検出ユニット320と、通知部330と、容器340と、排出路を構成する排出管350と、を含む。
【0039】
プリントヘッド20は、複数の吐出部600を収容する筐体6を備えている。筐体6には、供給口661が形成されており、供給口661から吐出部600にインクが供給される。供給口661は、吐出部600にインクを供給するための流路を形成する管664の一端に設けられている。チューブ4と供給口661は、管664がチューブ4に挿入されることによって接続されている。すなわち、管664がチューブ4に挿入されることによって、チューブ4と供給口661とを接続する接続部662が形成される。なお、チューブ4と供給口661とを接続する方法は特に限定されず、チューブ4を管664に挿入することによって接続してもよいし、チューブ4と管664とを継手を介して接続してもよい。
【0040】
チューブ4を供給口661に接続することによって、インク容器2からプリントヘッド20にインクを供給できる。チューブ4には、バルブ70が設けられており、バルブ70を開くことでプリントヘッド20にインクが供給され、バルブ70を閉じることでプリントヘッド20へのインクの供給が停止される。バルブ70は、例えば、電磁バルブである。
【0041】
容器340は、チューブ4と供給口661との接続部662から漏れたインクを溜めるための容器である。なお、図4では、インクが漏れていない状態を図示している。容器340は、供給口661を囲み、チューブ4と供給口661との接続部662を収容している。容器340は、接続部662を囲む壁部342を有している。図4に示す例では、筐体6に、円筒状の壁部342を内側に供給口661が位置するように形成することによって、筐体6を底部とする容器340が形成されている。容器340では、壁部342の内側に接続部662から漏れたインクが溜まる。なお、容器340の構成や形状は、接続部662から漏れたインクを溜めることができれば特に限定されない。
【0042】
検出ユニット320は、容器340に溜まったインクを検出する検出部として機能する。検出ユニット320は、第1電極321と、第2電極322と、第3電極323と、を備えている。第1電極321は、容器340の底部に配置されている。第2電極322および第3電極323は、壁部342に固定されている。第2電極322と第3電極323は、離隔している。第3電極323は、第2電極322の上方に配置されている。すなわち、容器340の底部と第3電極323との間の距離は、容器340の底部と第2電極322との間の距離よりも大きい。第1電極321の少なくとも一部は、容器340内に位置している。同様に、第2電極322の少なくとも一部は、容器340内に位置しており、第3電極323の少なくとも一部は、容器340内に位置している。
【0043】
容器340にインクが溜まっていない状態において、第1電極321と第2電極322とは絶縁状態であり、第1電極321と第3電極323とは絶縁状態である。第1電極321には、グラウンド電位が供給されている。
【0044】
第2電極322は、抵抗324の一端と電気的に接続されており、抵抗324の他端には直流電圧である電圧VCCが供給されている。すなわち、抵抗324は、プルアップ抵抗として機能する。第3電極323は、抵抗326の一端と電気的に接続されており、抵抗326の他端には電圧VCCが供給されている。すなわち、抵抗326は、プルアップ抵抗として機能する。漏洩検出制御回路310には、抵抗324の一端と第2電極322との接続点の電圧値が第1検出信号D1として入力され、抵抗326の一端と第3電極323との接続点の電圧値が第2検出信号D2として入力される。すなわち、漏洩検出制御回路310には、図2に示す検出信号Dとして、第1検出信号D1及び第2検出信号D2が入力される。
【0045】
検出ユニット320は、第1電極321、第2電極322、および第3電極323を用いて、容器340に溜まったインクの量を段階的に検出できる。具体的には、第1電極321と第2電極322が容器340に溜まったインクの量が第1閾値に達したことを検出する第1検出部として機能し、第1電極321と第3電極323が容器340に溜まったインクの量が第1閾値よりも大きい第2閾値に達したことを検出する第2検出部として機能する。
【0046】
漏洩検出制御回路310は、第1検出信号D1および第2検出信号D2に基づいて、漏洩情報信号Cnを生成し、通知部330に出力する。通知部330は、入力される漏洩情報信号Cnに応じた情報を使用者に通知する。具体的には、通知部330は、漏洩情報信号Cnに応じて、容器340に溜まったインクの量を使用者に通知する。通知部330は、ブザーを含み、ブザー音によって使用者に容器340に溜まったインクの量を通知する。通知部330は、例えば、容器340に溜まったインクの量に応じて異なるブザー音を出す。このようにして通知部330は、検出ユニット320の検出結果に応じた通知を行う。
【0047】
なお、通知部330における通知方法は、音による通知に限定されず、例えば、通知部330はLED(light emitting diode)やレーザーなどの発光素子を含み、通知部330による通知は点灯、点滅、又は消灯など光による通知であってもよい。通知部330は、容器340に溜まったインクの量に応じて光の色(波長)や強度が変更されてもよい。また、通知部330は、液晶パネルやEL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイを含み、ディスプレイに容器340に溜まったインクの量を表示してもよい。また、ここでは、プリントヘッド20が通知部330を備えている場合について説明したが、通知部330がプリントヘッド20の外部に設けられていてもよい。
【0048】
排出管350は、容器340に接続されている。排出管350は、壁部342に取り付けられている。排出管350は、容器340に溜まったインクを導入口から取り込み、排出口から排出する。排出管350の導入口は、容器340内であって、第3電極323の上方に配置されている。すなわち、導入口と容器340の底部との間の距離は、第3電極323と容器340の底部との間の距離よりも大きい。排出管350の排出口は、容器340の外であって、筐体6内にインクが侵入しない位置に配置されている。排出口は、例えば、プリントヘッド20を上方から見て、筐体6に重ならない位置に配置されている。排出管350を容器340に接続して容器340に溜まったインクを排出する排出路を形成することによって、容器340からインクが溢れることを防ぐことができる。このように排出管350は、容器340に溜まったインクを排出する排出路を構成する。
【0049】
4. プリントヘッドの動作
図5図8は、プリントヘッド20の動作を説明するための図である。
【0050】
図4に示す、接続部662からインクが漏れていない状態では、抵抗324の一端と第2電極322との接続点の電圧値は電圧VCCであり、漏洩検出制御回路310にはHighレベルの第1検出信号D1が入力される。また、抵抗326の一端と第3電極323との接続点の電圧値は電圧VCCであり、漏洩検出制御回路310にはHighレベルの第2検出信号D2が入力される。
【0051】
図5に示すように、接続部662からインクが漏れると、容器340にインクが溜まる。インクが第2電極322の位置まで溜まると、第1電極321と第2電極322との間に電流経路が形成される。これにより、電圧VCCが、抵抗324と第1電極321と第2電極322との間の抵抗で分圧され、抵抗324の一端と第2電極322との接続点の電圧値は、電圧VCCよりも低い電圧となる。そのため、漏洩検出制御回路310には、Lowレベルの第1検出信号D1が入力される。また、抵抗326の一端と第3電極323との接続点の電圧値は電圧VCCであり、漏洩検出制御回路310にはHighレベルの第2検出信号D2が入力される。
【0052】
このように、インクが第2電極322の位置まで溜まると、漏洩検出制御回路310には、Lowレベルの第1検出信号D1とHighレベルの第2検出信号D2が入力される。これにより、容器340に溜まったインクの量が第1閾値に達したことを検出できる。第1閾値は、容器340に溜まったインクの深さが、容器340の底部と第2電極322との間の距離と等しくなったときのインクの量である。
【0053】
漏洩検出制御回路310は、第1検出信号D1および第2検出信号D2に応じて、漏洩情報信号Cnを生成し、通知部330に出力する。これにより、通知部330は、容器340に溜まったインクの量が第1閾値に達したことを使用者に通知する。このとき、印刷装置1では、媒体Pの搬送とキャリッジ22の往復移動とに連動して、キャリッジ22に搭載されたプリントヘッド20からインクが吐出され、媒体Pに所望の画像が形成される印刷処理が継続される。すなわち、印刷装置1では、接続部662からインクが漏れて容器340に溜まったインクの量が第1閾値に達しても印刷処理が継続される。
【0054】
図6に示すように、インクが第3電極323の位置まで溜まると、第1電極321と第2電極322との間の電流経路に加えて、第1電極321と第3電極323との間に電流経路が形成される。第1電極321と第3電極323との間に電流経路が形成されることにより、電圧VCCが、抵抗326と第1電極321と第3電極323との間の抵抗で分圧され、抵抗326の一端と第3電極323との接続点の電圧値は、電圧VCCよりも低い電圧となる。そのため、漏洩検出制御回路310には、Lowレベルの第2検出信号D2が入力される。また、第1電極321と第2電極322との間に電流経路が形成されることにより、漏洩検出制御回路310には、Lowレベルの第1検出信号D1が入力される。
【0055】
このように、インクが第3電極323の位置まで溜まると、漏洩検出制御回路310には、Lowレベルの第1検出信号D1とLowレベルの第2検出信号D2が入力される。これにより、容器340に溜まったインクの量が第2閾値に達したことを検出できる。第2閾値は、容器340に溜まったインクの深さが、容器340の底部と第3電極323との間の距離と等しくなったときのインクの量である。
【0056】
漏洩検出制御回路310は、第1検出信号D1および第2検出信号D2に応じて、漏洩情報信号Cnを生成し、通知部330に出力する。これにより、通知部330は、容器340に溜まったインクの量が第2閾値に達したことを使用者に通知する。通知部330は、インクの量が第1閾値に達したときとは異なるブザー音を鳴らして、使用者に通知する。これにより、使用者に、容器340からインクが溢れるおそれがあることを警告できる。
【0057】
漏洩検出制御回路310は、Lowレベルの第1検出信号D1とLowレベルの第2検出信号D2が入力された場合、容器340に溜まったインクの量が第2閾値に達したことを示す情報を含むインク漏洩検出信号SDを制御回路100に出力する。制御回路100は、インク漏洩検出信号SDに基づいて、プリントヘッド20にインクの吐出を停止させる。すなわち、印刷装置1では、容器340に溜まったインクの量が第2閾値に達した場合、印刷処理が停止される。
【0058】
さらに、制御回路100は、インク漏洩検出信号SDに基づいて、バルブ70を閉じるためのバルブ制御信号Ctrl-Bを生成し、バルブ70に出力する。これにより、図7に示すように、バルブ70が閉じられて、プリントヘッド20へのインクの供給が停止される。
【0059】
インクの供給が停止された後、制御回路100は、インク漏洩検出信号SDに基づいて移動ユニット30を制御する。これにより、プリントヘッド20は、ホームポジションHPと反ホームポジションAPとの間の往復移動範囲の外に位置するフラッシング位置に移動する。図7に示すように、フラッシング位置には、キャップ8が配置されている。これにより、容器340に溜まったインクを排出管350からキャップ8に排出でき、容器340からインクが漏れることを防ぐことができる。
【0060】
さらに、制御回路100は、フラッシング位置において、プリントヘッド20にフラッシング処理を実行させる。フラッシング処理は、プリントヘッド20の吐出部600にインクを吐出させる処理である。プリントヘッド20にフラッシング処理を実行させることにより、図3に示すキャビティー631やリザーバー641などのインク流路内のインクをキャップ8に排出できる。プリントヘッド20がフラッシング処理を開始したタイミングで、漏洩検出制御回路310は、通知部330に、容器340内のインクの排出が開始されたことを使用者に通知する処理を実行させてもよい。これにより、使用者は、容器340に溜まったインクの排出が行われていることを知ることができる。
【0061】
制御回路100は、フラッシング処理に加えて、または、フラッシング処理にかえて吸引処理を実行させてもよい。吸引処理は、キャップ8内の空間にプリントヘッド20を収容し、キャップ8内の空間を不図示のポンプで減圧することによってプリントヘッド20のインク流路内のインクをノズル651から強制的に排出する処理である。図8に示すように、接続部662の隙間からインクが漏れている場合、吸引処理によって容器340に溜まったインクは、隙間からインク流路に入り、ノズル651から排出される。これにより、容器340に溜まったインクの量を減らすことができる。
【0062】
5. 作用効果
印刷装置1は、媒体Pにインクを吐出するプリントヘッド20と、プリントヘッド20にインクを供給するチューブ4と、を備えている。また、プリントヘッド20は、インクを吐出する吐出部600と、チューブ4が接続され、吐出部600にインクを供給する供給口661と、供給口661を囲み、チューブ4と供給口661との接続部662を収容する容器340と、を有している。そのため、印刷装置1では、接続部662から漏れたインクを容器340に溜めることができる。したがって、印刷装置1では、接続部662からインクが漏れた場合でもインク漏れの範囲が広がらないため、ただちに装置を停止する必要がない。例えば、一時的なインクの付着など、接続部662に異常がない場合には、自然乾燥で回復できる場合がある。したがって、印刷装置1では、わずかなインク漏れが生じた場合でも、安定した動作を継続できる。これにより、印刷装置1では、インク漏れによって装置が停止することによる生産性の低下を低減できる。
【0063】
このように印刷装置1では、接続部662においてインクの漏れが生じた場合でも、安定した動作を継続できる。したがって、印刷装置1が、接続部662におけるインク漏れが起こる可能性が高いプリントヘッド20を交換可能な印刷装置であっても、インク漏れによって装置が停止することによる生産性の低下を低減できる。
【0064】
印刷装置1は、容器340に溜まったインクを検出する検出ユニット320を備えている。そのため、印刷装置1では、接続部662からのインクの漏れを検出できる。
【0065】
印刷装置1では、検出ユニット320は、容器340に溜まったインクの量が第1閾値に達したことを検出する第1検出部として機能する第1電極321および第2電極322と、容器340に溜まったインクの量が第1閾値よりも大きい第2閾値に達したことを検出する第2検出部として機能する第1電極321および第3電極323と、を備えている。そのため、印刷装置1では、容器340に溜まったインクの量を段階的に検出できる。したがって、印刷装置1では、容器340に溜まったインクの量に応じた動作を行うことができる。
【0066】
印刷装置1では、通知部330は、検出ユニット320の検出結果に応じた通知を行う。そのため、印刷装置1では、使用者は容器340に溜まったインクの量を知ることができる。
【0067】
印刷装置1では、検出ユニット320が容器340に溜まったインクの量が第2閾値に達したことを検出した場合に、チューブ4からのインクの供給が停止される。そのため、印刷装置1では、容器340からインクが溢れて、インクの漏れの範囲が広がることを防ぐことができる。
【0068】
印刷装置1は、容器340に接続され、容器340に溜まったインクを排出する排出路となる排出管350を備えている。そのため、印刷装置1では、容器340からインクが溢れることを防ぐことができる。
【0069】
プリントヘッド20は、インクを吐出する吐出部600と、チューブ4が接続され、吐出部600にインクを供給する供給口661と、供給口661を囲み、チューブ4と供給口661との接続部662を収容する容器340と、を有している。そのため、プリントヘッド20では、印刷装置1と同様に、わずかなインク漏れが生じた場合でも、安定した動作を継続できる。
【0070】
6. 変形例
6.1. 第1変形例
図9は、プリントヘッド20の変形例を説明するための図である。上述した実施形態では、図4に示すように、検出ユニット320は、第1電極321、第2電極322、および第3電極323を備え、容器340に溜まったインクの量を段階的に検出した。これに対して、図9に示すように、検出ユニット320は、第1電極321および第2電極322のみを備えている。
【0071】
図9に示すように、チューブ4と供給口661との接続部662からインクが漏れていない場合には、漏洩検出制御回路310には、Highレベルの第1検出信号D1が入力される。
【0072】
図10は、インクが第2電極322の位置まで溜まった状態のプリントヘッド20を模式的に示す図である。図10に示すように、接続部662からインクが漏れて、インクが第2電極322の位置まで溜まると、漏洩検出制御回路310には、Lowレベルの第1検出信号D1が入力される。このように、検出ユニット320では、第1電極321および第2電極322によって接続部662からのインクの漏れを検出できる。
【0073】
漏洩検出制御回路310は、第1検出信号D1に応じて、漏洩情報信号Cnを生成し、通知部330に出力する。これにより、通知部330は、使用者にインクが漏れていることを通知する。
【0074】
このように、印刷装置1では、容器340に溜まったインクを検出する検出ユニット320を備え、通知部330は、検出ユニット320の検出結果に基づいて、使用者にインクが漏れていることを通知する。そのため、印刷装置1では、使用者にインクが漏れていることを通知できる。
【0075】
なお、上記では、検出ユニット320が第1電極321と第2電極322を備える場合について説明したが、容器340内における2つの電極の配置は特に限定されない。
【0076】
6.2. 第2変形例
上述した実施形態では、図4に示すように、検出ユニット320は、第1電極321、第2電極322、および第3電極323の3つの電極を備え、容器340に溜まったインクの量を2段階に検出したが、検出ユニット320は、4つ以上の電極を備え、容器340に溜まったインクの量を3段階以上に検出してもよい。これにより、使用者はより正確に容器340に溜まったインクの量を知ることができる。
【0077】
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0078】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0079】
上述した実施形態から以下の内容が導き出される。
【0080】
印刷装置の一態様は、
媒体に液体を吐出するプリントヘッドと、
前記プリントヘッドに液体を供給するチューブと、
を備え、
前記プリントヘッドは、
液体を吐出する吐出部と、
前記チューブが接続され、前記吐出部に液体を供給する供給口と、
前記供給口を囲み、前記チューブと前記供給口との接続部を収容する容器と、
を有している。
【0081】
この印刷装置によれば、接続部から漏れた液体を容器に溜めることができる。したがって、この印刷装置では、接続部から液体が漏れた場合でも液体の漏れの範囲が広がらないため、液体が漏れた場合でもただちに装置を停止する必要がない。したがって、この印刷装置によれば、わずかな液体の漏れが生じた場合でも、安定した動作を継続できる。
【0082】
印刷装置の一態様において、
前記容器に溜まった液体を検出する検出部を備えていてもよい。
【0083】
この印刷装置によれば、接続部からの液体の漏れを検出できる。
【0084】
印刷装置の一態様において、
前記検出部は、
前記容器に溜まった液体の量が第1閾値に達したことを検出する第1検出部と、
前記容器に溜まった液体の量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値に達したことを検出する第2検出部と、
を有していてもよい。
【0085】
この印刷装置によれば、容器に溜まった液体の量を段階的に検出できる。
【0086】
印刷装置の一態様において、
前記検出部の検出結果に基づいて、使用者に液体が漏れていることを通知する通知部を備えていてもよい。
【0087】
この印刷装置によれば、使用者に液体が漏れていることを通知できる。
【0088】
印刷装置の一態様において、
前記検出部の検出結果に応じた通知を行う通知部を備えていてもよい。
【0089】
この印刷装置によれば、使用者は容器に溜まった液体の量を知ることができる。
【0090】
印刷装置の一態様において、
前記検出部が前記容器に溜まった液体の量が前記第2閾値に達したことを検出した場合に、前記チューブからの前記インクの供給が停止されてもよい。
【0091】
この印刷装置によれば、容器から液体が溢れて、液体の漏れの範囲が広がることを防ぐことができる。
【0092】
印刷装置の一態様において、
前記容器に接続され、前記容器に溜まった液体を排出する排出路を備えていてもよい。
【0093】
この印刷装置によれば、容器から液体が溢れることを防ぐことができる。
【0094】
プリントヘッドの一態様は、
チューブが接続され、前記チューブから供給される液体を媒体に吐出するプリントヘッドであって、
液体を吐出する吐出部と、
前記チューブが接続され、前記吐出部に液体を供給する供給口と、
前記供給口を囲み、前記チューブと前記供給口との接続部を収容する容器と、
を有している。
【0095】
このプリントヘッドによれば、接続部から漏れた液体を容器に溜めることができる。したがって、このプリントヘッドでは、接続部から液体が漏れた場合でも液体の漏れの範囲が広がらないため、液体が漏れた場合でもただちに装置を停止する必要がない。したがって、このプリントヘッドによれば、わずかな液体の漏れが生じた場合でも、安定した動作を継続できる。
【0096】
プリントヘッドの一態様において、
前記容器に溜まった液体を検出する検出部を備えていてもよい。
【0097】
このプリントヘッドによれば、接続部からの液体の漏れを検出できる。
【0098】
プリントヘッドの一態様において、
前記検出部は、
前記容器に溜まった液体の量が第1閾値に達したことを検出する第1検出部と、
前記容器に溜まった液体の量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値に達したことを検出する第2検出部と、
を有していてもよい。
【0099】
このプリントヘッドによれば、容器に溜まった液体の量を段階的に検出できる。
【0100】
プリントヘッドの一態様において、
前記検出部の検出結果に基づいて、使用者に液体が漏れていることを通知する通知部を備えていてもよい。
【0101】
このプリントヘッドによれば、使用者に液体が漏れていることを通知できる。
【0102】
プリントヘッドの一態様において、
前記検出部の検出結果に応じた通知を行う通知部を備えていてもよい。
【0103】
このプリントヘッドによれば、使用者は容器に溜まった液体の量を知ることができる。
【0104】
プリントヘッドの一態様において、
前記検出部が前記容器に溜まった液体の量が前記第2閾値に達したことを検出した場合に、前記チューブからの前記インクの供給が停止されてもよい。
【0105】
このプリントヘッドによれば、容器から液体が溢れて、液体の漏れの範囲が広がることを防ぐことができる。
【0106】
プリントヘッドの一態様において、
前記容器に接続され、前記容器に溜まった液体を排出する排出路を備えていてもよい。
【0107】
このプリントヘッドによれば、容器から液体が溢れることを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0108】
1…印刷装置、2…インク容器、4…チューブ、6…筐体、8…キャップ、10…制御ユニット、20…プリントヘッド、22…キャリッジ、30…移動ユニット、32…キャリッジモーター、34…無端ベルト、36…キャリッジガイド軸、40…搬送ユニット、42…搬送モーター、44…搬送ローラー、46…プラテン、50…駆動回路、52…基準電圧信号出力回路、60…圧電素子、70…バルブ、90…エンコーダー、100…制御回路、200…駆動信号選択回路、300…漏洩検出モジュール、310…漏洩検出制御回路、320…検出ユニット、321…第1電極、322…第2電極、323…第3電極、324…抵抗、326…抵抗、330…通知部、340…容器、342…壁部、350…排出管、600…吐出部、601…圧電体、611…電極、612…電極、621…振動板、631…キャビティー、632…ノズルプレート、641…リザーバー、651…ノズル、661…供給口、662…接続部、664…管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10