(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150068
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】搬送車
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
B65G1/04 551A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063296
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】和田 吉成
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022BB09
3F022CC02
3F022EE05
3F022FF01
3F022JJ04
3F022JJ08
3F022JJ11
3F022KK11
3F022LL12
3F022LL14
3F022MM01
3F022MM05
3F022PP06
3F022QQ11
(57)【要約】
【課題】上下方向の小型化を図ることが可能な搬送車を実現する。
【解決手段】支持体20よりも下側に、第1把持体21及び第2把持体22が配置されている。支持体20よりも下側であって、第1把持体21及び第2把持体22が配置された上下方向の領域A1内に、把持体駆動部6が配置されている。索体3aを支持体20に対して固定するための索体固定部4が、支持体20に設けられている。索体固定部4は、支持体20から下側に突出するように配置されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車であって、
前記物品が備える被把持部を把持する把持部と、
前記把持部を昇降させる昇降部と、を備え、
前記昇降部は、前記把持部を吊り下げる索体と、前記索体の巻き取り及び繰り出しを行うことにより前記把持部を昇降させる昇降駆動部と、を備え、
前記把持部は、水平面に沿う姿勢となるように前記索体により吊り下げられる板状の支持体と、前記支持体に支持されると共に互いに接近及び離間するように動作する第1把持体及び第2把持体と、前記第1把持体及び前記第2把持体を駆動する把持体駆動部と、を備え、
前記支持体よりも下側に、前記第1把持体及び前記第2把持体が配置され、
前記支持体よりも下側であって、前記第1把持体及び前記第2把持体が配置された上下方向の領域内に、前記把持体駆動部が配置され、
前記索体を前記支持体に対して固定するための索体固定部が、前記支持体に設けられ、
前記索体固定部は、前記支持体から下側に突出するように配置されている、搬送車。
【請求項2】
前記把持部による把持対象の前記物品を検知する物品検知部が、前記支持体に設けられ、
前記物品検知部は、前記支持体から上側に突出するように配置され、
前記支持体が前記昇降駆動部と上下方向に最も接近した状態において、前記物品検知部は、前記昇降駆動部が配置された上下方向の領域と重複する位置であって前記昇降駆動部に対して上下方向視で重複しないように配置される、請求項1に記載の搬送車。
【請求項3】
前記第1把持体が一対設けられると共に、前記第2把持体が一対設けられ、
前記把持体駆動部は、一対の前記第1把持体及び一対の前記第2把持体の動作方向に沿って延在する第1レール及び第2レールと、前記第1レールに沿って移動する第1ガイド体及び第2ガイド体と、前記第2レールに沿って移動する第3ガイド体及び第4ガイド体と、モータと、前記モータの駆動力を一対の前記第1把持体及び一対の前記第2把持体に伝達する伝達機構と、を備え、
一対の前記第1把持体のうち一方が前記第1ガイド体に支持され、一対の前記第2把持体のうち一方が前記第2ガイド体に支持され、
一対の前記第1把持体のうち他方が前記第3ガイド体に支持され、一対の前記第2把持体のうち他方が前記第4ガイド体に支持され、
前記第1レールと前記第2レールとの間に、前記モータと前記伝達機構とが配置されている、請求項1又は2に記載の搬送車。
【請求項4】
前記把持体駆動部は、前記第1把持体及び前記第2把持体の動作方向に沿って延在するレールと、前記第1把持体及び前記第2把持体を前記レールに沿って移動させる駆動機構と、を備え、
前記支持体の下側にブリッジ部が設けられ、
前記ブリッジ部は、前記レールを上下方向視で横切るように配置され、
前記支持体に設けられる配線が、前記ブリッジ部に支持されている、請求項1又は2に記載の搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
このような搬送車の一例が、特開2022-177495号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示された符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に開示された搬送車(1)は、FОUP(200)のフランジ(201)を保持する保持ユニット(7)と、保持ユニット(7)に接続された複数のベルト(B)の巻き取り及び繰り出しを行うことにより保持ユニット(7)を昇降させる昇降駆動ユニット(6)と、を備えている。また、搬送車(1)は、一対のグリッパ(12)を備えている。一対のグリッパ(12)は、保持ユニット(7)の内部に設けられた駆動部によって水平方向に開閉動作を行うように構成されており、開閉動作によって、FОUP(200)のフランジ(201)を把持することが可能となっている。搬送車(1)は、上記構成により、走行経路よりも下側に設けられたロードポート(300)との間でFОUP(200)を移載することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、FОUP(200)を保持するための一対のグリッパ(12)が、保持ユニット(7)のベース(11)から下方に突出しているため、上下方向に大型化し易い。また、特許文献1の
図2に示すように、ベルト(B)を保持ユニット(7)に固定するためのベルト固定部が、保持ユニット(7)の筐体(13)から上方に突出している。そのため、保持ユニット(7)が昇降駆動ユニット(6)に最も近づいた最上位置に配置されている状態では、少なくとも、ベルト固定部の分の隙間が、保持ユニット(7)と昇降駆動ユニット(6)との上下方向の間に形成されることになる。この点においても、特許文献1の構成では、上下方向に大型化し易い。
【0006】
上記実状に鑑みて、上下方向の小型化を図ることが可能な搬送車の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車であって、
前記物品が備える被把持部を把持する把持部と、
前記把持部を昇降させる昇降部と、を備え、
前記昇降部は、前記把持部を吊り下げる索体と、前記索体の巻き取り及び繰り出しを行うことにより前記把持部を昇降させる昇降駆動部と、を備え、
前記把持部は、水平面に沿う姿勢となるように前記索体により吊り下げられる板状の支持体と、前記支持体に支持されると共に互いに接近及び離間するように動作する第1把持体及び第2把持体と、前記第1把持体及び前記第2把持体を駆動する把持体駆動部と、を備え、
前記支持体よりも下側に、前記第1把持体及び前記第2把持体が配置され、
前記支持体よりも下側であって、前記第1把持体及び前記第2把持体が配置された上下方向の領域内に、前記把持体駆動部が配置され、
前記索体を前記支持体に対して固定するための索体固定部が、前記支持体に設けられ、
前記索体固定部は、前記支持体から下側に突出するように配置されている。
【0008】
本構成によれば、第1把持体及び第2把持体が支持体よりも下側に配置されていると共に、把持体駆動部が第1把持体及び第2把持体が配置された上下方向の領域に配置されている。そのため、把持部を構成する各要素を支持体よりも下側に効率的に集約できるため、把持部全体として上下方向の小型化を図り易い。また、索体と支持体とを固定するための索体固定部が、支持体から下側に突出するように配置されている。そのため、支持体よりも上側に配置される要素を少なくすることができる。これにより、把持部が収容部の内部に配置された状態で、把持部と昇降駆動部とを上下方向に接近して配置することができる。従って、搬送車全体としても上下方向の小型化を図ることが可能となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】把持部と昇降駆動部とが最も接近した状態を示す図
【
図5】上下方向視におけるベルト固定部を頂点とする図形の重心を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
搬送車は、走行経路に沿って走行して物品を搬送するように構成されている。以下、搬送車が搬送設備に適用される場合を例示して、搬送車の実施形態について説明する。
【0012】
図1及び
図2に示すように、搬送設備100は、規定の走行経路Rと、走行経路Rを走行して物品8を搬送する搬送車Vと、走行経路Rに沿って設けられた複数の移載対象箇所9と、を備えている。
【0013】
走行経路Rは、床面から上方に離間した位置に設定されている。本例では、走行経路Rは、天井付近に設けられた走行レールRaを用いて構成されている。搬送車Vは、いわゆる天井搬送車として構成されており、走行レールRaに沿って走行する。移載対象箇所9は、走行経路Rよりも下方に配置されている。搬送車Vは、物品8を昇降させることにより、移載対象箇所9との間で物品8を移載するように構成されている。
【0014】
本実施形態では、搬送設備100は、搬送車Vを複数備えている。複数の搬送車Vのそれぞれは、設備を統括管理する上位制御装置(不図示)から搬送指令を受けて、当該搬送指令に応じたタスクを実行するように構成されている。例えば搬送指令には、物品8の搬送元と搬送先との情報が含まれる。搬送指令を受けた搬送車Vは、搬送元から搬送先まで物品8を搬送する。搬送元や搬送先には、移載対象箇所9が含まれる。
【0015】
搬送設備100で取り扱われる物品8としては、様々なものがある。本例では、搬送設備100は、半導体製造工場に用いられる。そのため、基板(ウェハやパネル等)を収容する基板収容容器(いわゆるFOUP:Front Opening Unified Pod)や、レチクルを収容するレチクル収容容器(いわゆるレチクルポッド)などが、物品8とされる。この場合、搬送車Vは、基板収容容器やレチクル収容容器などの物品8を、走行経路Rに沿って各工程間に亘って搬送する。
【0016】
本実施形態では、移載対象箇所9は、物品8に対する処理を行う処理装置90と、処理装置90に隣接して配置された載置台91と、を備えている。本明細書において「物品8に対する処理」とは、収容容器としての物品8に収容された被収容物(基板やレチクル)に対する処理を意味する。搬送車Vは、処理装置90による処理を終えた物品8を載置台91から受け取り、又は、処理装置90による処理が済んでいない物品8を載置台91に引き渡す。なお、処理装置90は、例えば、薄膜形成、フォトリソグラフィー、エッチングなどの種々の処理を行う。
【0017】
図2に示すように、搬送車Vは、走行レールRaを走行する走行部1と、物品8を収容する収容部Sと、を備えている。また、搬送車Vは、物品8が備える被把持部81を把持する把持部2と、把持部2を昇降させる昇降部3と、を備えている。
【0018】
本実施形態では、走行部1は、走行レールRaを転動する複数の走行輪1aと、複数の走行輪1aのうち少なくとも一部を駆動する走行駆動部1mと、を備えている。例えば、走行駆動部1mは、電動モータを用いて構成されている。
【0019】
本実施形態では、収容部Sは、走行部1に吊下げ支持されており、走行レールRaよりも下方に配置されている。収容部Sは、把持部2に把持された物品8を収容可能に構成されている。搬送車Vが走行経路Rに沿って物品8を搬送する場合には、物品8は収容部Sに収容される。物品8を把持した把持部2が、昇降部3によって上昇して最上位置に配置された状態で、物品8が収容部Sに収容される。
【0020】
本実施形態では、昇降部3は、把持部2を吊り下げる昇降ベルト3a(索体の一例)と、昇降ベルト3aの巻き取り及び繰り出しを行うことにより把持部2を昇降させる昇降駆動部3mと、を備えている。本例では、昇降部3は、4本の昇降ベルト3aを備えている。
図2では、4本の昇降ベルト3aのうち2本が示されている。詳細な図示は省略するが、昇降駆動部3mは、各昇降ベルト3aが巻回される回転体と、当該回転体を回転させる駆動源と、を備えている。回転体が、正転方向または逆転方向に回転することで、各昇降ベルト3aが巻き取られ、又は繰り出される。これにより、各昇降ベルト3aに連結された把持部2が昇降する。昇降駆動部3mは、ケースによって覆われている。
【0021】
把持部2は、物品8の被把持部81を把持するように構成されている。把持部2は、第1把持体21及び第2把持体22を備えている。第1把持体21及び第2把持体22によって、物品8の被把持部81が把持される。
【0022】
図3に示すように、本実施形態では、物品8は、本体部80と被把持部81とを備えている。本体部80は、被収容物が収容される部分であり、箱状に形成されている。被把持部81は、搬送車Vの把持部2によって把持される部分である。
【0023】
本実施形態では、一対の被把持部81が、本体部80の上面から上方に突出するように設けられている。一対の被把持部81のそれぞれは、本体部80の上面から延びる複数の支柱81aと、複数の支柱81aそれぞれの上端を連結する板状部81bと、を備えている。1つの被把持部81に備えられた複数の支柱81aは、
図3における紙面奥行方向に沿って並んで配置されている。
【0024】
板状部81bは、複数の支柱81aが並ぶ方向(
図3における紙面奥行方向)に沿う長尺状に形成されている。板状部81bの上面は、フラットな面により構成されている。板状部81bの上面には、下方に凹む凹部81cが形成されている。
【0025】
把持部2は、水平面に沿う姿勢となるように昇降ベルト3aにより吊り下げられる板状の支持体20と、支持体20に支持されると共に互いに接近及び離間するように動作する第1把持体21及び第2把持体22と、第1把持体21及び第2把持体22を駆動する把持体駆動部6と、を備えている。本実施形態では、把持部2は、支持体20の下方空間を覆うケースCを備えている。ケースCは、支持体20に取り付けられており、少なくとも、把持体駆動部6を覆っている。本例では、ケースCは、第1把持体21及び第2把持体22それぞれの一部も覆っている。
【0026】
本実施形態では、第1把持体21及び第2把持体22は、水平方向に沿って動作するように構成されている。すなわち、第1把持体21及び第2把持体22は、水平方向に沿って、互いに接近及び離間するように動作する。
【0027】
本実施形態では、第1把持体21及び第2把持体22は、把持対象となる一対の被把持部81の間において、互いに離間するように動作することで、一対の被把持部81を水平方向の内側から把持するように構成されている。そして、第1把持体21及び第2把持体22は、互いに接近するように動作することで、一対の被把持部81に対する把持を解除するように構成されている。
【0028】
本実施形態では、把持部2による把持対象の物品8を検知する物品検知部5が、支持体20に設けられている。把持部2は、物品検知部5が物品8を検知することで、物品8の位置を認識し、当該物品8に対する把持動作を行うように構成されている。
【0029】
本実施形態では、物品検知部5は、第1検知部51と第2検知部52とを備えている。第1検知部51は、物品8に備えられる一対の被把持部81のうち一方を検知するように構成されている。第2検知部52は、物品8に備えられる一対の被把持部81のうち他方を検知するように構成されている。第1検知部51と第2検知部52とは、互いに物品8を検知するための構造が異なっている。
【0030】
第1検知部51は、物品8の被把持部81に接触することによって物品8の位置を検知するように構成されている。本実施形態では、第1検知部51は、接触体51aと第1センサ部510とを備えている。
【0031】
接触体51aは、支持体20に設けられた孔部h1を上下方向に貫通するように配置されており、支持体20に対して上下方向に相対移動するように構成されている。接触体51aは、移載対象箇所9の物品8に対する把持部2の下降に伴って、物品8の被把持部81に対して上方から接触する。接触体51aの下端部は、被把持部81の凹部81cに嵌まり込むように構成されている。接触体51aの下端部が、被把持部81によって上方に押し込まれることにより、接触体51aの全体が支持体20に対して上方に移動する。
【0032】
第1検知部51は、支持体20の上面に配置されている。第1検知部51は、接触体51aが支持体20に対して上方に移動したことを検知するように構成されている。第1検知部51は、少なくとも、被把持部81に対する接触体51aの接触を検知する。さらに、第1検知部51は、支持体20に対する接触体51aの上方への移動量に基づいて、把持部2と被把持部81との上下方向の相対位置を検知する。本例では、第1検知部51は、発光部と受光部とを備えており、接触体51aによる光軸の遮断の有無に基づいて、被把持部81に対する接触体51a及び支持体20に対する接触体51aの移動量を検知するように構成されている。
【0033】
第2検知部52は、物品8の被把持部81を非接触で検知することによって物品8の位置を検知するように構成されている。本実施形態では、第2検知部52は、支持部材52aと、当該支持部材52aによって支持される第2センサ部520と、を備えている。
【0034】
支持部材52aは、支持体20の上面に設けられている。支持部材52aは、支持体20よりも上側において、第2センサ部520を支持するように構成されている。図示の例では、支持部材52aは、L字状のブラケットを用いて構成されている。
【0035】
第2センサ部520は、支持体20よりも上側に配置されている。上述のように、第2センサ部520は、支持部材52aによって支持されている。第2センサ部520は、把持部2と被把持部81との上下方向の相対距離を非接触で検知する。本実施形態では、第2センサ部520は、光学式の距離センサを用いて構成されており、下方に向けて光を投光するように構成されている。第2センサ部520から投光された光は、支持体20に設けられた孔部h2を通って被把持部81に到達する。これにより、第2センサ部520は、把持部2と被把持部81との上下方向の相対距離を検知する。
【0036】
移載対象箇所9の物品8に向けて下降する把持部2は、互いに異なる検知構造である2つの検知部、すなわち、接触式の第1検知部51及び非接触式の第2検知部52の双方による検知結果に基づいて、物品8との相対位置を認識する。これにより、把持部2は、物品8との相対位置を高精度に認識することができる。そして、把持部2は、物品8の一対の被把持部81を把持可能な位置まで下降すると、第1把持体21及び第2把持体22を動作させて一対の被把持部81を把持する。
【0037】
次に、搬送車Vを構成する各要素の配置構成について説明する。
【0038】
図3に示すように、支持体20よりも下側に、第1把持体21及び第2把持体22が配置されている。本実施形態では、第1把持体21が一対設けられると共に、第2把持体22が一対設けられている(
図7及び
図8参照)。一対の第1把持体21及び一対の第2把持体22が、支持体20よりも下側に配置されている。
【0039】
支持体20よりも下側であって、第1把持体21及び第2把持体22が配置された上下方向の領域A1内に、把持体駆動部6が配置されている。換言すれば、支持体20と、第1把持体21及び第2把持体22それぞれの下端部との上下方向の間の領域A1に、把持体駆動部6が配置されている。このような構成により、把持部2を構成する各要素を支持体20よりも下側に効率的に集約することができる。そのため、把持部2全体として上下方向の小型化を図り易くなっている。
【0040】
昇降ベルト3aを支持体20に対して固定するためのベルト固定部4(索体固定部の一例)が、支持体20に設けられている。ベルト固定部4は、支持体20から下側に突出するように配置されている。このような構成により、支持体20よりも上側に配置される要素を少なくすることができる。そのため、
図4に示すように、把持部2が収容部Sの内部に配置された状態で、把持部2と昇降駆動部3mとを上下方向に接近して配置することができる。従って、搬送車V全体として、上下方向の小型化を図り易くなっている。
【0041】
本実施形態では、ベルト固定部4は、支持体20から下方に突出する固定壁部40と、固定壁部40に対して予め定められた設定角度で回転自在な回転体41と、を備えている。昇降ベルト3aは、ボルトB(
図6も参照)によって回転体41に固定されている。例えば、回転体41は、基準位相からプラス30度またはマイナス30度の設定角度で回転することが可能に構成されている。これにより、昇降ベルト3aの張りや緩みを調整して、複数(本例では4本)の昇降ベルト3aによって吊り下げされた支持体20の水平度を調整することが可能となっている。上述のように、本実施形態では、昇降部3は、4本の昇降ベルト3aを備えている。そのため、4本の昇降ベルト3aに応じて、4つのベルト固定部4が支持体20に設けられている(
図5も参照)。
【0042】
本実施形態では、物品検知部5は、支持体20から上側に突出するように配置されている。上述のように、本例では、物品検知部5は、第1検知部51及び第2検知部52を備えている。第1検知部51及び第2検知部52の双方は、支持体20よりも上側に配置された部分を有する。具体的には、第1検知部51における第1センサ部510が、支持体20から上側に突出するように配置されている。また、第2検知部52における支持部材52aが、支持体20から上側に突出するように配置されている。第2検知部52における第2センサ部520は、この支持部材52aによって支持されているため、支持体20よりも上側に配置されている。
【0043】
図4に示すように、本実施形態では、支持体20が昇降駆動部3mと上下方向に最も接近した状態において、物品検知部5は、昇降駆動部3mが配置された上下方向の領域A2と重複する位置であって昇降駆動部3mに対して上下方向視で重複しないように配置される。換言すれば、把持部2が昇降部3によって上昇して最上位置に配置された状態で、物品検知部5は、昇降駆動部3mに対して上下方向視で重複しない位置であって昇降駆動部3mが配置された上下方向の領域A2と重複するように配置される。このような構成により、昇降駆動部3mと物品検知部5との干渉を回避しつつ、支持体20と昇降駆動部3mとを上下方向に接近させることが可能となる。
【0044】
本実施形態では、支持体20が昇降駆動部3mと上下方向に最も接近した状態において、第1検知部51の第1センサ部510と第2検知部52の第2センサ部520とが、水平方向において昇降駆動部3mを挟むように配置される。
【0045】
図5に示すように、本実施形態では、4つのベルト固定部4が支持体20に設けられており、各ベルト固定部4に昇降ベルト3aが連結されている。物品8の重心位置に基づいて、4つのベルト固定部4が配置される位置が設定されている。具体的には、上下方向視で4つのベルト固定部4を頂点とする図形の重心4x(図心)と、把持部2に把持された状態の物品8の重心(質量中心)との、上下方向視でのずれ量が小さくなるように、4つのベルト固定部4の配置位置が設定されている。これにより、物品8を把持している状態の把持部2の姿勢を水平に保ち易くなっている。
【0046】
図6に示すように、複数の昇降ベルト3aのうち一部の昇降ベルト3aに、把持部2に電力を供給するための給電線97が配設されている。給電線97が把持部2に供給する電力は、例えば、走行レールRa(
図2参照)に沿って設けられた別の給電線から非接触給電により得られた電力である。本例では、4本の昇降ベルト3aのうち1本の昇降ベルト3aに、給電線97が配設されている。
【0047】
給電線97は、昇降ベルト3aの延在方向に沿って配設されている。本実施形態では、給電線97を含む昇降ベルト3aは、昇降ベルト3aの延在方向に並ぶ複数のボルトBによってベルト固定部4に固定されている。これにより、昇降ベルト3aの延在方向に沿って延びる給電線97を避けた位置で、ボルトBによって昇降ベルト3aを固定し易い。図示の例では、昇降ベルト3aの延在方向に沿って並ぶ2本のボルトBによって、昇降ベルト3aがベルト固定部4に固定されている。なお、給電線97を含まない他の昇降ベルト3aについては、複数のボルトBを昇降ベルト3aの幅方向に並ぶように配置し、これらのボルトBによってベルト固定部4に固定するとよい。これによれば、安定性高く昇降ベルト3aを固定できる。
【0048】
次に、把持体駆動部6の構成について詳細に説明する。
図7は、把持部2を下から見た図であり、把持部の2の主要構成を示している。なお、
図7では、把持体駆動部6の構成を分かり易く示すために、後述する配線Wやブリッジ部7は省略している。
【0049】
図7に示すように、把持体駆動部6は、第1把持体21及び第2把持体22の動作方向に沿って延在するレール6rと、第1把持体21及び第2把持体22をレール6rに沿って移動させる駆動機構60と、を備えている。
【0050】
上述のように、本実施形態では、第1把持体21及び第2把持体22は、水平方向に沿って動作するように構成されている。従って、レール6rは、水平方向に沿って延在している。本例では、把持体駆動部6は、一対の第1把持体21及び一対の第2把持体22の動作方向(以下、「把持体動作方向X」と称する。)に沿って延在する第1レール61r及び第2レール62rを備えている。すなわち、レール6rは、第1レール61r及び第2レール62rを含む。第1レール61r及び第2レール62rは、水平方向に沿って延在しており、互いに平行に配置されている。第1レール61rと第2レール62rとは、上下方向視で把持体動作方向Xに直交する方向(以下、「直交方向Y」と称する。)に間隔を空けて配置されている。直交方向Yにおける一方側を直交方向第1側Y1とし、他方側を直交方向第2側Y2とすると、第1レール61rは、第2レール62rよりも直交方向第1側Y1に配置され、第2レール62rは、第1レール61rよりも直交方向第2側Y2に配置されている。
【0051】
本実施形態では、把持体駆動部6は、モータ60mと、モータ60mの駆動力を一対の第1把持体21及び一対の第2把持体22に伝達する伝達機構60tと、を備えている。駆動機構60は、モータ60mと伝達機構60tとを含む。
【0052】
本実施形態では、第1レール61rと第2レール62rとの間に、モータ60mと伝達機構60tとが配置されている。換言すれば、第1レール61rと第2レール62rとの直交方向Yの間に、駆動機構60が配置されている。
【0053】
本実施形態では、把持体駆動部6は、第1レール61rに沿って移動する第1ガイド体61g及び第2ガイド体62gと、第2レール62rに沿って移動する第3ガイド体63g及び第4ガイド体64gと、を備えている。
【0054】
本実施形態では、第1ガイド体61gと第3ガイド体63gとは、第1連結部61cによって連結されており、一体的に動作するように構成されている。第1連結部61cは、モータ60mの駆動力を受けて把持体動作方向Xに沿って移動する。これにより、第1ガイド体61gと第3ガイド体63gとは、共に把持体動作方向Xに沿って移動する。本実施形態では、伝達機構60tは、ボールねじ機構を用いて構成されており、第1連結部61cは、ボールねじ機構のねじに移動自在に支持されている。
【0055】
一対の第1把持体21のうち一方が第1ガイド体61gに支持されている。一対の第1把持体21のうち他方が第3ガイド体63gに支持されている。従って、モータ60mの駆動力が伝達機構60tによって第1連結部61cに伝達されることにより、第1ガイド体61g及び第3ガイド体63gが同じ方向に向かって一体的に動作し、一対の第1把持体21が動作する。
【0056】
本実施形態では、第2ガイド体62gと第4ガイド体64gとは、第2連結部62cによって連結されており、一体的に動作するように構成されている。第2連結部62cは、モータ60mの駆動力を受けて把持体動作方向Xに沿って移動する。これにより、第2ガイド体62gと第4ガイド体64gとは、共に把持体動作方向Xに沿って移動する。上述のように本実施形態では、伝達機構60tは、ボールねじ機構を用いて構成されており、第2連結部62cは、ボールねじ機構のねじに移動自在に支持されている。
【0057】
一対の第2把持体22のうち一方が第2ガイド体62gに支持されている。一対の第2把持体22のうち他方が第4ガイド体64gに支持されている。従って、モータ60mの駆動力が伝達機構60tによって第2連結部62cに伝達されることにより、第2ガイド体62g及び第4ガイド体64gが同じ方向に向かって一体的に動作し、一対の第2把持体22が動作する。
【0058】
第1連結部61cと第2連結部62cとは、モータ60mの駆動力を受けて、互いに接近及び離間するように移動する。従って、第1連結部61cを介して一体的に移動する一対の第1把持体21と、第2連結部62cを介して一体的に移動する一対の第2把持体22とは、互いに接近及び離間するように動作する。
【0059】
図8は、把持部2の配線構造を示している。
図8中、一点鎖線で示される線が、把持部2の配線Wの主要部分である。図示されている配線W以外にも、配線は存在し得る。配線Wには、把持部2の各要素に電力を供給する電力線や、信号を送受信するための信号線が含まれる。
【0060】
本実施形態では、支持体20の下側にブリッジ部7が設けられている。ブリッジ部7は、レール6rを上下方向視で横切るように配置されている。ブリッジ部7は、レール6rよりも下側においてレール6rを跨ぐように配置されている。ブリッジ部7は、直交方向Yに延在している。本例では、ブリッジ部7は、第1レール61r及び第2レール62rの双方を上下方向視で横切るように配置されている。ブリッジ部7は、第1レール61rよりも直交方向第1側Y1の領域と、第2レール62rよりも直交方向第2側Y2の領域と、を繋いでいる。
【0061】
本実施形態では、一対のブリッジ部7が、支持体20の下面に設けられている。一対のブリッジ部7は、把持体動作方向Xに間隔を空けて配置されており、互いに平行に配置されている。一対のブリッジ部7は、モータ60mを把持体動作方向Xに挟むように配置されている。本例では、モータ60mは、上下方向視において、第1レール61rと第2レール62rとの直交方向Yの間であって、一対のブリッジ部7の把持体動作方向Xの間に配置されている。
【0062】
本実施形態では、支持体20に設けられる配線Wが、ブリッジ部7に支持されている。配線Wは、支持体20よりも下側に設けられている。本例では、一対のブリッジ部7のそれぞれに、配線Wが支持されている。ブリッジ部7が一対あることで、配線Wの設置の自由度が増す。例えば、一対のブリッジ部7のうち一方が、電力線から成る配線Wを支持し、一対のブリッジ部7のうち他方が、信号線から成る配線Wを支持するようにしてもよい。このように、配線Wの種類によって、ブリッジ部7を使い分けてもよい。
【0063】
ブリッジ部7は、レール6rよりも直交方向第1側Y1の領域と、レール6rよりも直交方向第2側Y2の領域とに亘って、配線Wを支持するように構成されている。本実施形態では、一対のブリッジ部7のそれぞれは、第1レール61rよりも直交方向第1側Y1の領域と第2レール62rよりも直交方向第2側Y2の領域とに亘って、配線Wを支持している。
【0064】
本実施形態では、第1レール61rよりも直交方向第1側Y1において、給電線97を含む昇降ベルト3aが、ベルト固定部4(以下、「対象ベルト固定部4」と称する。)によって支持体20に固定されている。すなわち、第1レール61rよりも直交方向第1側Y1の領域に対象ベルト固定部4が配置されており、当該対象ベルト固定部4に給電線97が固定されている。給電線97からの電力は、配線Wによって把持部2の各要素に供給される。本実施形態では、第1レール61rよりも直交方向第1側Y1の領域に、端子台99が設けられている。対象ベルト固定部4からの配線Wは、端子台99に接続されている。対象ベルト固定部4からの配線Wには、電力線の他にも、信号線が含まれていてよい。端子台99には、第1検知部51からの配線Wや、第2検知部52からの配線Wも接続されている。
【0065】
本実施形態では、第2レール62rよりも直交方向第2側Y2の領域に、モータ60mを制御するモータドライバ98が設けられている。端子台99からの配線Wが、ブリッジ部7を介して、モータ60m及びモータドライバ98に接続されている。端子台99とモータ60mとの間には第1レール61rが配置されているが、ブリッジ部7によって、端子台99とモータ60mとを配線Wで接続することが可能となっている。また、モータ60mとモータドライバ98との間には第2レール62rが配置されているが、ブリッジ部7によって、モータ60mとモータドライバ98とを配線Wで接続することが可能となっている。
【0066】
このように、ブリッジ部7を用いることで、支持体20の下側に設けられる配線Wがレール6rや駆動機構60に干渉しないようにできる。
【0067】
〔その他の実施形態〕
次に、その他の実施形態について説明する。
【0068】
(1)上記の実施形態では、把持部2による把持対象の物品8を検知する物品検知部5が、検知構造の異なる第1検知部51と第2検知部52とを備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、物品検知部5は、接触式の第1検知部51のみを備えていてもよく、或いは、非接触式の第2検知部52のみを備えていてもよい。
【0069】
(2)上記の実施形態では、レール6rが、第1レール61r及び第2レール62rを含む例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、レール6rは1本であってもよい。
【0070】
(3)上記の実施形態では、一対の第1把持体21が第1連結部61cにより連結され、一対の第2把持体22が第2連結部62cにより連結されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1連結部61c及び第2連結部62cは設けられていなくてもよい。一対の第1把持体21は同一の部材として一体的に形成され、一対の第2把持体22は同一の部材として一体的に形成されているとよい。
【0071】
(4)上記の実施形態では、ブリッジ部7が、第1レール61r及び第2レール62rの双方を跨ぐように配置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、第1レール61rを跨ぐブリッジ部7と、第2レール62rを跨ぐブリッジ部7との、別々のブリッジ部7が配置されていてもよい。
【0072】
(5)上記の実施形態では、配線Wには、信号を送受信するための信号線が含まれる例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、各要素での信号の送受信は、例えば光伝送装置によって無線で行われてもよい。この場合、信号線から成る配線Wの一部又は全部は不要となる。
【0073】
(6)上記の実施形態では、昇降部3が、4本の昇降ベルト3aを備えており、これに応じて4つのベルト固定部4が支持体20に設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば、昇降部3は、3本の昇降ベルト3aを備えていてもよい。そして、これに応じて、3つのベルト固定部4が支持体20に設けられていてもよい。
【0074】
(7)上記の実施形態では、第1把持体21及び第2把持体22が、互いに離間するように動作することで被把持部81を把持し、互いに接近するように動作することで被把持部81に対する把持を解除するように構成されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、例えば物品8が被把持部81を1つのみ備える場合等において、第1把持体21及び第2把持体22が、互いに接近するように動作することで被把持部81を把持し、互いに離間するように動作することで被把持部81に対する把持を解除するように構成されてもよい。
【0075】
(8)上記の実施形態では、索体として昇降ベルト3aを例示し、索体固定部としてベルト固定部4を例示した。しかし、このような例に限定されることなく、索体は、ワイヤーであってもよい。この場合、索体固定部は、ワイヤー固定部である。
【0076】
(9)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0077】
〔本実施形態のまとめ〕
以下、本実施形態のまとめについて説明する。
【0078】
走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車であって、
前記物品が備える被把持部を把持する把持部と、
前記把持部を昇降させる昇降部と、を備え、
前記昇降部は、前記把持部を吊り下げる索体と、前記索体の巻き取り及び繰り出しを行うことにより前記把持部を昇降させる昇降駆動部と、を備え、
前記把持部は、水平面に沿う姿勢となるように前記索体により吊り下げられる板状の支持体と、前記支持体に支持されると共に互いに接近及び離間するように動作する第1把持体及び第2把持体と、前記第1把持体及び前記第2把持体を駆動する把持体駆動部と、を備え、
前記支持体よりも下側に、前記第1把持体及び前記第2把持体が配置され、
前記支持体よりも下側であって、前記第1把持体及び前記第2把持体が配置された上下方向の領域内に、前記把持体駆動部が配置され、
前記索体を前記支持体に対して固定するための索体固定部が、前記支持体に設けられ、
前記索体固定部は、前記支持体から下側に突出するように配置されている。
【0079】
本構成によれば、第1把持体及び第2把持体が支持体よりも下側に配置されていると共に、把持体駆動部が第1把持体及び第2把持体が配置された上下方向の領域に配置されている。そのため、把持部を構成する各要素を支持体よりも下側に効率的に集約できるため、把持部全体として上下方向の小型化を図り易い。また、索体と支持体とを固定するための索体固定部が、支持体から下側に突出するように配置されている。そのため、支持体よりも上側に配置される要素を少なくすることができる。これにより、把持部が収容部の内部に配置された状態で、把持部と昇降駆動部とを上下方向に接近して配置することができる。従って、搬送車全体としても上下方向の小型化を図ることが可能となる。
【0080】
前記把持部による把持対象の前記物品を検知する物品検知部が、前記支持体に設けられ、
前記物品検知部は、前記支持体から上側に突出するように配置され、
前記支持体が前記昇降駆動部と上下方向に最も接近した状態において、前記物品検知部は、前記昇降駆動部が配置された上下方向の領域と重複する位置であって前記昇降駆動部に対して上下方向視で重複しないように配置される、と好適である。
【0081】
本構成によれば、昇降駆動部と物品検知部との干渉を回避しつつ、支持体と昇降駆動部とを上下方向に接近させることが可能となる。従って、物品検知部が設けられた構成においても上下方向の小型化を図ることができる。
【0082】
前記第1把持体が一対設けられると共に、前記第2把持体が一対設けられ、
前記把持体駆動部は、一対の前記第1把持体及び一対の前記第2把持体の動作方向に沿って延在する第1レール及び第2レールと、前記第1レールに沿って移動する第1ガイド体及び第2ガイド体と、前記第2レールに沿って移動する第3ガイド体及び第4ガイド体と、モータと、前記モータの駆動力を一対の前記第1把持体及び一対の前記第2把持体に伝達する伝達機構と、を備え、
一対の前記第1把持体のうち一方が前記第1ガイド体に支持され、一対の前記第2把持体のうち一方が前記第2ガイド体に支持され、
一対の前記第1把持体のうち他方が前記第3ガイド体に支持され、一対の前記第2把持体のうち他方が前記第4ガイド体に支持され、
前記第1レールと前記第2レールとの間に、前記モータと前記伝達機構とが配置されている、と好適である。
【0083】
本構成によれば、把持体の動作方向に沿って延在するレールを用いた直動機構によって、一対の第1把持体及び一対の第2把持体を動作させることができる。そのため、例えば、把持体の動作方向が水平方向である場合には、レールも水平方向に延在するように設けられるため、把持体駆動部全体として上下方向の小型化を図り易い。また、2つのレールによって4つの把持体を案内することができるため、把持体駆動部の小型化を図り易い。更に、第1レールと第2レールとの間に、モータと伝達機構とが配置されているため、合計で4つの把持体を1つのモータの駆動力によって駆動することが可能となる。従って、把持体を駆動するためのモータの数を少なくすることができ、この点においても把持体駆動部の小型化を図り易い。
【0084】
前記把持体駆動部は、前記第1把持体及び前記第2把持体の動作方向に沿って延在するレールと、前記第1把持体及び前記第2把持体を前記レールに沿って移動させる駆動機構と、を備え、
前記支持体の下側にブリッジ部が設けられ、
前記ブリッジ部は、前記レールを上下方向視で横切るように配置され、
前記支持体に設けられる配線が、前記ブリッジ部に支持されている、と好適である。
【0085】
本構成によれば、ブリッジ部を利用することにより、レールに干渉しないように配線を設けることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本開示に係る技術は、走行経路に沿って走行して物品を搬送する搬送車に利用することができる。
【符号の説明】
【0087】
V :搬送車
2 :把持部
20 :支持体
21 :第1把持体
22 :第2把持体
3 :昇降部
3a :昇降ベルト(索体)
3m :昇降駆動部
4 :ベルト固定部(索体固定部)
5 :物品検知部
6 :把持体駆動部
60 :駆動機構
60m :モータ
60t :伝達機構
6r :レール
61r :第1レール
62r :第2レール
61g :第1ガイド体
62g :第2ガイド体
63g :第3ガイド体
64g :第4ガイド体
7 :ブリッジ部
8 :物品
81 :被把持部
A1 :上下方向の領域
A2 :上下方向の領域
R :走行経路
W :配線