(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150086
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ショックセンサ
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20241016BHJP
B25J 19/02 20060101ALI20241016BHJP
B23K 9/12 20060101ALN20241016BHJP
【FI】
B25J19/06
B25J19/02
B23K9/12 331R
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063322
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮原 寿朗
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS11
3C707BS12
3C707KS33
3C707KW03
3C707KX06
3C707MS07
(57)【要約】
【課題】動作精度の向上を可能とする構成を備えるショックセンサを提供する。
【解決手段】このショックセンサ1Aにおいて、スイングシャフト60は、円筒状ハウジング21内に位置するシャフト部材61Aと、環状受プレート22を挟み込むようにシャフト部材61Aに固定される位置決め環状リング62と、を含み、環状受プレート22とシャフト部材61Aとの間には、挟み込まれるように複数の円筒状ころ60rがその軸が放射状となるように配置され、環状受プレート22には、円筒状ころ60rを受入れる半円筒形状の第1受部22cが複数設けられ、シャフト部材61Aには、円筒状ころ60rを受入れる半円筒形状の第2受部61cが複数設けられ、シャフト部材61Aの隣り合う第2受部61cの間には、環状受プレートから離れる方向に凹む凹部領域61fが複数設けられている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部のロボットアームに取り付けられる取付面と、外部のツールが装着される装着面と、を備えるショックセンサであって、
中心軸に対して環状に設けられ、前記取付面を有し、前記中心軸を中心とする第1貫通孔を有する円盤状の環状アダプタと、
前記環状アダプタと同軸に前記環状アダプタに装着され、前記中心軸を中心とする第2貫通孔を有するハウジングと、
前記ハウジングに対して前記中心軸の軸方向に揺動可能に装着され、前記中心軸を中心とする第3貫通孔を有し、前記装着面が設けられるスイングシャフトと、
を備え、
前記ハウジングは、
前記環状アダプタ側に位置する円筒状ハウジングと、前記円筒状ハウジングに固定される環状受プレートと、を含み、
前記スイングシャフトは、
前記円筒状ハウジング内に位置するシャフト部材と、
前記環状受プレートを挟み込むように前記シャフト部材に固定される位置決め環状リングと、を含み、
前記環状受プレートと前記シャフト部材との間には、挟み込まれるように複数の円筒状ころがその軸が放射状となるように配置され、
前記環状受プレートには、前記円筒状ころを受入れる半円筒形状の第1受部が複数設けられ、
前記シャフト部材には、前記円筒状ころを受入れる半円筒形状の第2受部が複数設けられ、
前記シャフト部材の隣り合う前記第2受部の間には、前記環状受プレートから離れる方向に凹む凹部領域が複数設けられている、
ショックセンサ。
【請求項2】
前記環状受プレートは、
環状受部と、
前記環状受部の内側において前記環状アダプタ側に延びるように設けられる環状筒部と、を有し、
前記環状筒部に、複数の前記第1受部が設けられ、
前記シャフト部材は、
前記円筒状ハウジング内に位置し、前記第3貫通孔を規定するシャフト部材と、
前記シャフト部材の前記位置決め環状リングとは反対側の端部において外側に張り出すフランジ部と、
前記フランジ部の外側端部において前記位置決め環状リング側に伸びる側壁部と、を有し、
前記側壁部に、複数の前記第2受部および複数の凹部領域が設けられている、
請求項1に記載のショックセンサ。
【請求項3】
前記第1受部および前記第2受部は、等ピッチで円周上に合計5箇所設けられ、
前記凹部領域は、隣り合う前記第2受部の間に合計5箇所に設けられている、
請求項1に記載のショックセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショックセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットアームの先端に取り付けられるツールの取替えに用いられるショックセンサを開示した先行技術文献として、特開2009-248148号公報(特許文献1)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ショックセンサは、ロボットアームの手首軸回転近くに設けることが望ましい。ショックセンサは、ツールおよびロボットアームに想定以上の外力が加わった場合を検知して、ツールおよびロボットアームを保護する。近年ロボットアームが高速で動作することから、ショックセンサによる外力の検知には高精度が要求されるようになっている。
【0005】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、動作精度の向上を可能とする構成を備えるショックセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]:本開示のショックセンサにおいては、外部のロボットアームに取り付けられる取付面と、外部のツールが装着される装着面と、を備えるショックセンサであって、中心軸に対して環状に設けられ、上記取付面を有し、上記中心軸を中心とする第1貫通孔を有する円盤状の環状アダプタと、上記環状アダプタと同軸に上記環状アダプタに装着され、上記中心軸を中心とする第2貫通孔を有するハウジングと、上記ハウジングに対して上記中心軸の軸方向に揺動可能に装着され、上記中心軸を中心とする第3貫通孔を有し、上記装着面が設けられるスイングシャフトと、を備え、上記ハウジングは、上記環状アダプタ側に位置する円筒状ハウジングと、上記円筒状ハウジングに固定される環状受プレートと、を含み、上記スイングシャフトは、上記円筒状ハウジング内に位置するシャフト部材と、上記環状受プレートを挟み込むように上記シャフト部材に固定される位置決め環状リングと、を含み、上記環状受プレートと上記シャフト部材との間には、挟み込まれるように複数の円筒状ころがその軸が放射状となるように配置され、上記環状受プレートには、上記円筒状ころを受入れる半円筒形状の第1受部が複数設けられ、上記シャフト部材には、上記円筒状ころを受入れる半円筒形状の第2受部が複数設けられ、上記シャフト部材の隣り合う上記第2受部の間には、上記環状受プレートから離れる方向に凹む凹部領域が複数設けられている。
【0007】
[2]:[1]に記載のショックセンサにおいて、上記環状受プレートは、環状受部と、上記環状受部の内側において上記環状アダプタ側に延びるように設けられる環状筒部と、を有し、上記環状筒部に、複数の上記第1受部が設けられ、上記シャフト部材は、上記円筒状ハウジング内に位置し、上記第3貫通孔を規定するシャフト部材と、上記シャフト部材の上記位置決め環状リングとは反対側の端部において外側に張り出すフランジ部と、上記フランジ部の外側端部において上記位置決め環状リング側に伸びる側壁部と、を有し、上記側壁部に、複数の上記第2受部および複数の凹部領域が設けられている。
【0008】
[3]:[1]または[2]に記載のショックセンサにおいて、上記第1受部および上記第2受部は、等ピッチで円周上に合計5箇所設けられ、上記凹部領域は、隣り合う上記第2受部の間に合計5箇所に設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本開示のショックセンサによれば、動作精度の向上を可能とする構成を備えるショックセンサの提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ショックセンサを装着した産業用ロボット装置の全体構成図である。
【
図2】比較例のショックセンサの全体斜視図である。
【
図3】比較例のショックセンサの分解斜視図である。
【
図5】比較例のスイングシャフトに設けられるシャフト部材の斜視図である。
【
図6】比較例のスイングシャフトの揺動状態を示す第1図である。
【
図7】比較例のスイングシャフトの揺動状態を示す第2図である。
【
図8】実施の形態のショックセンサの分解斜視図である。
【
図9】
図2中のIV-IV線矢視に相当する断面図である。
【
図10】実施の形態のスイングシャフトに設けられるシャフト部材の斜視図である。
【
図11】実施の形態のスイングシャフトの揺動状態を示す第1図である。
【
図12】実施の形態のスイングシャフトの揺動状態を示す第2図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、比較例および実施の形態のショックセンサについて、以下、図面を参照しながら説明する。以下に説明する比較例および実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0012】
(産業用ロボット装置100の全体構成)
図1を参照して、比較例におけるショックセンサ1が採用された産業用ロボット装置100の全体構成について説明する。
図1は、ショックセンサ1を装着した産業用ロボット装置100の全体構成図である。なお、後述の本実施の形態のショックセンサ1Aを採用した場合も同様である。
【0013】
産業用ロボット装置100は、6軸方向に自在に移動できるロボットアーム2の先端部にショックセンサ1が設けられている。ショックセンサ1には、溶接トーチ3が装着されている。ロボットアーム2は、各アームの関節部位が、
図1中に示す矢印の方向に回動することで、ショックセンサ1に装着された溶接トーチ3を、3次元空間の所定位置へ移動させることができる。ロボットアーム2の内部は中空に形成されており、溶接ワイヤやケーブル4が挿通されている。ショックセンサ1に装着された溶接トーチ3は、加工対象物に対しアーク溶接等を行なう。溶接トーチ3に供給される電力、シールドガス、冷却水及び溶接ワイヤは、ロボットアーム2内に挿通されたケーブル4を通じて供給される。
【0014】
(比較例:ショックセンサ1)
次に、
図2から
図5を参照して、比較例のショックセンサ1の構成について説明する。
図2は、比較例のショックセンサ1の全体斜視図、
図3は、比較例のショックセンサ1の分解斜視図、
図4は、
図2中のIV-IV線矢視断面図、
図5は、比較例のスイングシャフトに設けられるシャフト部材の斜視図である。
【0015】
図2を参照して、ショックセンサ1は、溶接トーチ3等のツールが装着される装着面60Xと、ロボットアーム2に取り付けられる取付面10Xとを備えるショックセンサ1である。
【0016】
図3を参照して、ショックセンサ1は、中心軸CLに対して環状に設けられ、取付面10Xを有し、中心軸CLを中心とする第1貫通孔10hを有する円盤状の環状アダプタ10と、この環状アダプタ10と同軸に設けられ、環状アダプタ10に対して着脱可能に取り付けられ、中心軸CLを中心とする第2貫通孔20hを有するハウジング20と、ハウジング20に対して中心軸CLの軸方向に揺動可能に装着され、中心軸CLを中心とする第3貫通孔60hを有し、装着面60Xが設けられるスイングシャフト60と、を備える。溶接トーチ3に供給される電力、シールドガス、冷却水及び溶接ワイヤは、第1貫通孔10h、第2貫通孔20hおよび第3貫通孔60hを通じて供給される。
【0017】
(揺動の定義)
スイングシャフト60に外力が加わった場合には、スイングシャフト60は、ハウジング20に対して、中心軸CL方向に移動する動き、傾斜する動き、または、移動しながら傾斜する動きを揺動と呼ぶ。
【0018】
(環状アダプタ10)
図3および
図4を参照して、環状アダプタ10は、環状本体11を有し、この環状本体11に第1貫通孔10hが設けられている。環状本体11に取付面10Xが形成されている。
【0019】
(ハウジング20)
図3および
図4を参照して、ハウジング20は、環状アダプタ10側に位置する円筒状ハウジング21と、円筒状ハウジング21に固定される環状受プレート22とを含む。円筒状ハウジング21は、主として第2貫通孔20hを規定する円筒状部21aと、円筒状部21aの環状アダプタ10側の端部から外側に延びる円盤部21bと有する。円盤部21bが図示しないボルト等を用いて、環状本体11に連結される。
【0020】
環状受プレート22は、環状受部22aと、環状受部22aの内側において環状アダプタ10側に延びるように設けられる環状筒部22bと、を有し、環状筒部22bに、複数の第1受部22cが設けられている。
【0021】
円筒状部21aの外周面には、検知装置30が固定されている。検知装置30からは検知部30aが、第2貫通孔20hに向かって延びるように配置される。後述するスイングシャフト60のシャフト部材61が揺動し、シャフト部材61が検知部30aに当接することで、ショックセンサ1の装着されたツールに、検知すべき外力が加わったことを検知することができる。
【0022】
(スイングシャフト60)
図3および
図4を参照して、スイングシャフト60は、円筒状ハウジング21内に位置するシャフト部材61と、環状受プレート22を挟み込むようにシャフト部材61に固定される位置決め環状リング62とを含む。この比較例では、アダプタリング63が、位置決め環状リング62に装着されている。位置決め環状リング62は、シャフト部材61にボルトB1等を用いて固定され、アダプタリング63は、位置決め環状リング62の外周面に設けられた雄ネジを用いて固定されている。
【0023】
(円筒状ころ60r)
再び、
図3を参照して、環状受プレート22とシャフト部材61との間には、挟み込まれるように複数の円筒状ころ60rがその軸が放射状となるように配置されている。この比較例では、円周上72度ピッチで、合計5個の円筒状ころ60rが配置されている。
【0024】
環状受プレート22には、円筒状ころ60rを受入れる半円筒形状の第1受部22cが複数設けられている。具体的には、環状受プレート22は、環状受部22aと、環状受部22aの内側において環状アダプタ10側に延びるように設けられる環状筒部22bとを有し、環状筒部22bに、複数の第1受部22cが設けられている。
【0025】
(シャフト部材61)
図5を参照して、シャフト部材61には、円筒状ころ60rを受入れる半円筒形状の第2受部61cが複数設けられている。具体的には、シャフト部材61は、円筒状ハウジング21内に位置し、第3貫通孔60hを規定する円筒状のシャフト部材61bと、シャフト部材61bの位置決め環状リング62とは反対側(図示の上側)の端部において外側に張り出すフランジ部61aと、フランジ部61aの外側端部において位置決め環状リング62側(図示の下側)に伸びる側壁部61eとを有する。この側壁部61eに複数の第2受部61cが設けられている。第2受部61cは、第1受部22cに対向する位置に設けられ、第1受部22cと第2受部61cとにより円筒状ころ60rを挟み込む。
【0026】
(スイングシャフト60の揺動)
図6および
図7を参照して、ショックセンサ1に対するスイングシャフト60の揺動について説明する。
図6および
図7は、スイングシャフト60の揺動状態を示す第1および第2図である。
【0027】
図6は、スイングシャフト60が揺動していない状態を示す。この状態では、スイングシャフト60には外力が加わっていない。その結果、全ての第1受部22cおよび第2受部61cにより、円筒状ころ60rが挟み込まれた状態となる。
【0028】
スイングシャフト60に外力が加わり揺動した場合には、環状受プレート22の環状筒部22bに対してシャフト部材61が持ち上がる(揺動)状態となる。スイングシャフト60への外力が開放されると、第1受部22cおよび第2受部61cに挟まれた円筒状ころ60rが位置決め(支持支点)となり、スイングシャフト60は、ハウジング20の正規の位置に戻ることとなる。
【0029】
スイングシャフト60に、検出すべき外力が加わった場合には、シャフト部材61が大きく揺動し、検知装置30の検知部30aに当接する。これにより、検出すべき外力が加わった場合が検知される。
【0030】
しかし、この比較例に示すシャフト部材61の構成では、以下に示す課題の発生が懸念される。
図7を参照して、シャフト部材61が大きく揺動した場合に、側壁部61eの下端部が、環状受プレート22の環状筒部22bに干渉する場合が考えられる(
図7中のT1で囲まれる領域)。
【0031】
シャフト部材61の側壁部61eの下端部と環状受プレート22の環状筒部22bとが干渉した場合には、干渉の経年により摩耗が発生することが考えられる。また、干渉により、シャフト部材61の戻り精度が悪化することが考えられる。その結果、ショックセンサ1としての動作に引っ掛かりが生じる。そこで、以下に説明する本実施の形態におけるショックセンサ1Aにおいては、上記比較例で懸念されるような課題を解決している。
【0032】
(実施の形態:ショックセンサ1A)
図8から
図10を参照して、本実施の形態のショックセンサ1Aの構成について説明する。
図8は、ショックセンサ1Aの分解斜視図、
図9は、
図2中のIV-IV線矢視に相当する断面図、
図10は、スイングシャフト60に設けられるシャフト部材61Aの斜視図である。
【0033】
図8から
図9に示すように、本実施の形態のショックセンサ1Aと、比較例のショックセンサ1との基本的構成は同じであり、相違点は、スイングシャフト60に設けられるシャフト部材61Aにある。よって、以下では、重複する説明は行なわず、シャフト部材61Aの構造を中心に以下説明する。
【0034】
(シャフト部材61A)
図10を参照して、シャフト部材61Aは、円筒状ハウジング21内に位置し、第3貫通孔60hを規定する円筒状のシャフト部材61bと、シャフト部材61bの位置決め環状リング62とは反対側(図示の上側)の端部において外側に張り出すフランジ部61aと、フランジ部61aの外側端部において位置決め環状リング62側(図示の下側)に伸びる側壁部61eとを有する。この側壁部61eに複数の第2受部61cが設けられている。第2受部61cは、第1受部22cに対向する位置に設けられ、第1受部22cと第2受部61cとにより円筒状ころ60rを挟み込む。
【0035】
さらに、このシャフト部材61Aにおいては、シャフト部材61Aの隣り合う第2受部61cの間には、環状受プレート22から離れる方向に凹む凹部領域61fが複数設けられている。具体的には、側壁部61eにおいて、隣り合う第2受部61cの間に凹部領域61fが設けられている。その結果、第2受部61cの両側には、下方に延びる一対の軸受凸部61dが設けられることとなる。
【0036】
(スイングシャフト60Aの揺動)
図11および
図12を参照して、ショックセンサ1Aに対するスイングシャフト60Aの揺動について説明する。
図11および
図12は、スイングシャフト60Aの揺動状態を示す第1および第2図である。
【0037】
図11は、スイングシャフト60Aが揺動していない状態を示す。比較例の場合と同様に、この状態では、スイングシャフト60Aには外力が加わっていない。その結果、全ての第1受部22cおよび第2受部61cにより、円筒状ころ60rが挟み込まれた状態となる。
【0038】
スイングシャフト60Aに外力が加わり揺動した場合には、環状受プレート22の環状筒部22bに対してシャフト部材61Aが持ち上がる(揺動)状態となる。スイングシャフト60Aへの外力が開放されると、第1受部22cおよび第2受部61cに挟まれた円筒状ころ60rが位置決め(支持支点)となり、スイングシャフト60Aは、ハウジング20の正規の位置に戻ることとなる。
【0039】
スイングシャフト60Aに、検出すべき外力が加わった場合には、シャフト部材61Aが大きく揺動し、検知装置30の検知部30aに当接する。これにより、検出すべき外力が加わった場合が検知される。
【0040】
本実施の形態のシャフト部材61Aの場合には、側壁部61eの隣り合う第2受部61cの間に凹部領域61fが設けられている。その結果、
図12を参照して、シャフト部材61Aが大きく揺動した場合でも、支点S2を中心として揺動するものの2つの支点S2の間に位置する側壁部61eの下端部が、環状受プレート22の環状筒部22bに干渉することはない(
図12中のT2で囲まれる領域)。
【0041】
その結果、本実施の形態のショックセンサ1Aによれば、スイングシャフト60Aのスムーズな動作を可能とする。これにより、動作精度の向上を可能とする構成を備えるショックセンサ1Aを提供することを可能とする。
【0042】
なお、円筒状ころ60rの個数は適宜選択されるものであるが、スイングシャフト60のスムーズな揺動を考慮すると、円筒状ころ60rの個数は5個であるのが好ましいと言える。
【0043】
以上、実施の形態において本開示のショックセンサについて説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1,1A ショックセンサ、2 ロボットアーム、3 溶接トーチ、4 ケーブル、10 環状アダプタ、10X 取付面、10h 第1貫通孔、11 環状本体、20 ハウジング、20h 第2貫通孔、21 円筒状ハウジング、21a 円筒状部、21b 円盤部、22 環状受プレート、22a 環状受部、22b 環状筒部、22c 第1受部、30 検知装置、30a 検知部、60h 第3貫通孔、60,60A スイングシャフト、60X 装着面、61,61A,61b シャフト部材、61a フランジ部、61c 第2受部、61d 軸受凸部、61e 側壁部、61f 凹部領域、62 位置決め環状リング、63 アダプタリング、100 産業用ロボット装置。