(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150100
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241016BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20241016BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063349
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187311
【弁理士】
【氏名又は名称】小飛山 悟史
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 広矩
(72)【発明者】
【氏名】西村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】井上 久展
(72)【発明者】
【氏名】山下 加奈
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA60
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA04Z
3D241DA39Z
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3D241DB05Z
3D241DB12Z
5H181AA01
5H181BB04
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5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181LL04
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】所定の支援レベルの自動運転制御が実際には実行されていないことをドライバが認識し易くすることが可能となる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置100は、車両の外部センサの検出結果に基づいて状況画像を生成し、地図情報を取得すると共に地図情報の取得状況を認識し、地図情報の取得状況に基づいて状況画像の表示態様を設定し、状況画像を表示態様で車両の表示部に表示させる。取得状況は、地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である第1の場合と、地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合と、地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合と、を含む。表示装置100は、第1の場合と第2の場合と第3の場合とで互いに異なる態様となるように、表示態様を設定する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の支援レベルの自動運転制御を実行可能な地図情報を取得すると共に前記地図情報に基づいて前記所定の支援レベルの自動運転制御を実行可能に構成された車両に設けられる表示装置であって、
前記車両の外部センサの検出結果に基づいて、前記車両のドライバに提示するための前記車両及び前記車両の周辺の現在状況に対応する状況画像を生成する画像生成部と、
前記地図情報を取得すると共に、前記地図情報の取得状況を認識する地図情報取得部と、
前記地図情報の取得状況に基づいて、前記状況画像の表示態様を設定する表示態様設定部と、
前記状況画像を前記表示態様で前記車両の表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記取得状況は、前記地図情報が取得されており且つ前記所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である第1の場合と、前記地図情報が取得されており且つ前記所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合と、前記地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合と、を含み、
前記表示態様設定部は、前記第1の場合と前記第2の場合と前記第3の場合とで互いに異なる態様となるように、前記表示態様を設定する、表示装置。
【請求項2】
前記状況画像は、前記車両が走行している車線に沿う区画線を表す画像を含み、
前記表示態様設定部は、前記第3の場合の前記区画線を表す画像の長さが、前記第1の場合及び前記第2の場合の前記区画線を表す画像の長さよりも短くなるように、前記表示態様を設定する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記状況画像は、前記車両を後方から俯瞰するように表す俯瞰画像であり、
前記表示態様設定部は、前記第3の場合に前記車両を俯瞰する角度が、前記第1の場合及び前記第2の場合に前記車両を俯瞰する角度とは異なるように、前記表示態様を設定する、請求項1又は2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転中に、車両が走行中の自車線に存在する周辺物標を車両の車室内に設けられた表示部に表示させる表示制御装置が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転制御を実行可能に構成された車両においては、所定の支援レベルの自動運転制御に対応している地図情報の取得状況によっては、例えば所定の支援レベルよりも低い支援レベルの自動運転制御が実際には実行されることがある。このような場合に、例えば所定の支援レベルの自動運転制御が実行されているときの表示態様と同一の表示態様で、車両のドライバに提示するための画像を車両の表示部に表示させると、実際に実行されている自動運転制御の支援レベルをドライバが認識しづらい可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、所定の支援レベルの自動運転制御を実行可能な地図情報を取得すると共に地図情報に基づいて所定の支援レベルの自動運転制御を実行可能に構成された車両に設けられる表示装置であって、車両の外部センサの検出結果に基づいて、車両のドライバに提示するための車両及び車両の周辺の現在状況に対応する状況画像を生成する画像生成部と、地図情報を取得すると共に、地図情報の取得状況を認識する地図情報取得部と、地図情報の取得状況に基づいて、状況画像の表示態様を設定する表示態様設定部と、状況画像を表示態様で車両の表示部に表示させる表示制御部を備え、取得状況は、地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である第1の場合と、地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合と、地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合と、を含み、表示態様設定部は、第1の場合と第2の場合と第3の場合とで互いに異なる態様となるように、表示態様を設定する。
【0006】
本発明の一態様に係る表示装置によれば、地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合には、地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である第1の場合、及び、地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合とは異なる態様となるように、状況画像の表示態様が設定される。よって、第3の場合の表示態様で表示される状況画像をドライバが認識することで、所定の支援レベルの自動運転制御が実際には実行されていないことをドライバが認識し易くなる。
【0007】
一実施形態では、状況画像は、車両が走行している車線に沿う区画線を表す画像を含み、表示態様設定部は、第3の場合の区画線を表す画像の長さが、第1の場合及び第2の場合の区画線を表す画像の長さよりも短くなるように、表示態様を設定してもよい。この場合、一対の区画線を表す画像の車両の進行方向に延びる程度が小さくドライバに認識されることで、所定の支援レベルの自動運転制御が実際には実行されていないことをドライバが認識し易くなる。
【0008】
一実施形態では、状況画像は、車両を後方から俯瞰するように表す俯瞰画像であり、表示態様設定部は、第3の場合に車両を俯瞰する角度が、第1の場合及び第2の場合に車両を俯瞰する角度とは異なるように、表示態様を設定してもよい。この場合、第1の場合及び第2の場合の角度とは異なる角度で車両を後方から俯瞰するように表す第3の場合の俯瞰画像をドライバが認識することで、所定の支援レベルの自動運転制御が実際には実行されていないことをドライバが認識し易くなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所定の支援レベルの自動運転制御が実際には実行されていないことをドライバが認識し易くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る表示装置を備える車両を示すブロック図である。
【
図2】(a)は、状況画像の表示の第1の例を示す図である。(b)は、状況画像の表示の第2の例を示す図である。
【
図3】(a)は、状況画像の表示の第3の例を示す図である。(b)は、状況画像の表示の第4の例を示す図である。
【
図4】(a)は、状況画像の表示の第5の例を示す図である。(b)は、状況画像の表示の第6の例を示す図である。
【
図5】(a)は、状況画像の表示の第7の例を示す図である。(b)は、状況画像の表示の第8の例を示す図である。
【
図6】表示装置の表示制御ECUの処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
図1は、実施形態に係る表示装置を備える車両を示すブロック図である。
図1に示されるように、表示装置100は、所定の支援レベルの自動運転制御を実行可能な車両1に搭載されている。車両1は、例えば乗用車等である。
【0013】
[自動運転システムの構成]
車両1には、自動運転システム2が搭載されている。自動運転システム2は、車両1の自動運転制御を実行するシステムである。自動運転制御とは、ドライバが運転操作をすることなく、車両1の走行する道路に沿って自動で車両1を走行させる車両制御である。
【0014】
自動運転システム2は、自動運転ECU[Electronic Control Unit]20、外部センサ21、地図データベース22、内部センサ23、GPS[Global Positioning System]受信機24、及び、アクチュエータ25を備える。
【0015】
自動運転ECU20は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、CAN[Controller Area Network]通信回路などを有する電子制御ユニットである。自動運転ECU20は、CPUが出力する信号に基づいてハードウェアを制御し、後述する自動運転ECU20の機能を実現する。より具体的な動作の一例としては、自動運転ECU20は、CAN通信回路を動作させてデータを入出力し、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行する。
【0016】
外部センサ21は、カメラ又はレーダセンサのいずれかを少なくとも含む。カメラは、車両1の周辺環境を撮像する撮像機器である。カメラは、例えば車両1のフロントガラスの裏側に設けられ、車両前方を撮像する。レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して車両1の周辺の物体を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、レーダ(ミリ波レーダ)又はライダー[LiDAR:Light Detection and Ranging]が含まれる。外部センサ21は、車両1の周辺の物体に関する検出情報を自動運転ECU20に送信する。
【0017】
地図データベース22は、地図情報を記憶するデータベースである。地図データベース22は、例えば、車両1に搭載されたHDD[Hard Disk Drive]等の記録装置内に形成されている。地図データベース22に記憶された地図情報には、例えば、道路の位置情報、道路形状の情報(例えば曲率情報)、交差点及び分岐点の位置情報等が含まれる。
【0018】
地図データベース22に記憶された地図情報は、いわゆるナビゲーション用の地図であり、例えばレベル2.0の自動運転制御を実行可能である。地図データベース22に記憶された地図情報は、例えばレベル2.9の自動運転制御をできるほどの精度を有していない。レベル2.9の自動運転制御を実行可能な地図情報とは、道路の位置及び道路形状等についての精度がナビゲーション用の地図よりも高い情報を含む、いわゆる高精度地図情報である。以下の説明では、レベル2.9の自動運転制御を実行可能な地図情報を、単に「高精度地図情報」と記すことがある。
【0019】
自動運転システム2は、使用する地図情報が高精度地図を含む場合に、所定の支援レベルの自動運転制御を実行可能なシステムである。自動運転システム2は、例えば、地図情報が高精度地図を含むか否かに応じて、所定の支援レベルの自動運転制御を実行するか、所定の支援レベル以下の自動運転制御を実行するか、を自動的に切り替え可能である。
【0020】
所定の支援レベルは、一例としてレベル2.9であってもよい。レベル2.9の自動運転制御は、レベル2の自動運転制御の一態様であって、レベル2.9ではない支援レベル(以下、レベル2.0と記す)よりも高い設定車速での高精度な制御性及び高い外乱耐性等を発揮することができる自動運転制御を意味する。
【0021】
内部センサ23は、車両1の走行状態を検出する車載センサである。内部センサ23は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含んでいてもよい。車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサとしては、公知のセンサを用いることができる。内部センサ23は、車両1の走行状態に関する検出情報を自動運転ECU20に送信する。
【0022】
GPS受信機24は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両1の位置(例えば車両1の緯度及び経度)を測定する。GPS受信機24は、測定した車両1の位置情報を自動運転ECU20へ送信する。
【0023】
アクチュエータ25は、車両1の走行制御に用いられる機器であり、自動運転ECU20からの制御信号に応じて動作する。アクチュエータ25は、駆動アクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。駆動アクチュエータは、例えば動力源としてのエンジン又はモータ等に設けられ、車両1の駆動力を制御する。ブレーキアクチュエータは、例えば液圧ブレーキシステムに設けられ、車両1の車輪へ付与する制動力を制御する。操舵アクチュエータは、例えば電動パワーステアリングシステムのアシストモータであり、車両1の操舵トルクを制御する。
【0024】
自動運転ECU20は、車両1の地図上の位置である車両位置、車両1の周辺環境、及び、車両1の走行状態を認識可能に構成されている。ここでの自動運転ECU20は、後述の表示制御ECU10の車両情報取得部11で取得した車両位置、周辺環境、及び走行状態を用いることができる(詳しくは後述)。
【0025】
自動運転ECU20は、地図情報を取得可能に構成されている。ここでの自動運転ECU20は、表示制御ECU10の地図情報取得部12で取得した地図情報を用いることができる(詳しくは後述)。
【0026】
自動運転ECU20は、目的地、地図情報、車両位置、外部環境、及び走行状態(車速、ヨーレートなど)に基づいて、車両1の走行計画を生成する。目的地は、ドライバを含む乗員が設定した目的地であってもよく、自動運転システム2が提案した目的地であってもよい。
【0027】
走行計画には、車両1の進路[trajectory]が含まれている。車両1の進路とは、自動運転制御において車両1が走行する未来の走行軌跡である。自動運転ECU20は、目的地、現在の車両1の地図上の位置、及び地図情報に基づいて目的地までの車両1の目標ルート(車線単位の経路)を算出する。
【0028】
自動運転ECU20は、車両1が進路に沿って走行するための速度パターン(速度計画)を算出する。自動運転ECU20は、乗員の設定した自動運転制御の許容速度、地図情報に含まれる設定速度(例えば法定最高速度)、地図情報に含まれる一時停止線、信号機などの位置情報、先行車、歩行者などの外部環境などに基づいて、車両1の速度パターンを算出する。ここでの自動運転ECU20は、取得した地図情報に基づいて、実行可能な自動運転制御の支援レベルに応じた車両1の速度パターンを算出してもよい。自動運転ECU20は、車両1の進路及び速度パターンを算出することで、車両1の進路及び速度パターンを含む走行計画を生成する。
【0029】
自動運転ECU20は、生成した走行計画に基づいて、車両1の自動運転制御を実行する。自動運転ECU20は、アクチュエータ25に制御信号を送信することにより、車両1の車速、操舵角をコントロールして自動運転制御を実行する。
【0030】
[表示装置の構成]
次に、本実施形態に係る表示装置100の構成について説明する。表示装置100は、自動運転システム2の自動運転制御に関する画像を、自動運転制御の支援レベルに応じた表示態様で車両1のディスプレイ装置(表示部)16に表示させる。
【0031】
表示装置100は、車両1に搭載された表示制御ECU10と、ディスプレイ装置16と、通信部17と、で構成されている。表示制御ECU10は、CPU、ROM、RAM、CAN通信回路などを有する電子制御ユニットである。表示制御ECU10は、ディスプレイ装置16を制御する。表示制御ECU10は、ディスプレイ装置16に内蔵された電子制御ユニットであってもよい。表示制御ECU10は、自動運転ECU20の一部分であってもよい。
【0032】
ディスプレイ装置16は、車両1に搭載され、ドライバに対して画像を表示する表示器である。画像は、ディスプレイ装置16の所定の表示領域に表示される。ディスプレイ装置16は、表示制御ECU10により制御され、画像を表示領域に表示する。ディスプレイ装置16は、図形の大きさ、図形の形状、輝度、色等を変更可能な表示器が用いられる。
【0033】
ディスプレイ装置16の一例として、ヘッドアップディスプレイ[HUD:Head Up Display]が用いられる。ヘッドアップディスプレイは、車両1のインストルメントパネル内に設置された映写部から、フロントウィンドシールドの表示面(フロントウィンドシールドの内側の反射面)に画像を照射する。ディスプレイ装置16として、インストルメントパネルのドライバ前方にスピードメータを含んで設けられた液晶ディスプレイ(いわゆるマルチインフォメーションディスプレイ[MID:Multi Information Display])、又はナビゲーションシステムの液晶ディスプレイが用いられてもよい。
【0034】
通信部17は、表示装置100が外部サーバ等と無線通信するためのインタフェースである。通信部17は、例えばLTE[Long Term Evolution]等の通信規格の無線通信を用いてもよい。
【0035】
以下、表示制御ECU10の機能について説明する。
図1に示されるように、表示制御ECU10は、機能的構成として、車両情報取得部11、地図情報取得部12、画像生成部13、表示態様設定部14、及び、表示制御部15を有している。なお、表示制御ECU10の機能は、ディスプレイ装置16に内蔵された電子制御ユニットを用いて実現されてもよい。表示制御ECU10の機能は、自動運転ECU20の一部分を用いて実現されてもよい。
【0036】
車両情報取得部11は、GPS受信機24の位置情報及び地図情報に基づいて、車両1の地図上の位置である車両位置を取得する。車両情報取得部11は、SLAM[Simultaneous Localization and Mapping]技術により車両位置を認識してもよい。
【0037】
車両情報取得部11は、外部センサ21の検出結果に基づいて、車両1の周辺の外部環境を取得する。外部環境には、車両1に対する物体の位置、車両1に対する物体の相対速度、及び車両1に対する物体の移動方向などが含まれる。外部環境には、外部センサ21の検出結果から区画線認識処理によって認識された区画線及び道路形状が含まれていてもよい。
【0038】
車両情報取得部11は、車両1の周辺の外部環境に基づいて、車両1の周辺の現在状況を認識する。車両1の周辺の現在状況は、ディスプレイ装置16に表示するための車両1の周辺の現在の状況を意味する。車両1の周辺の現在状況は、例えば車両1を後方から俯瞰したときに、車両1が現在走行している車線における車両1の位置、車両1の周辺の他車両等の物体の現在の位置等を含む。
【0039】
車両情報取得部11は、内部センサ23の検出結果に基づいて、車両1の走行状態を認識する。走行状態には、例えば、車両1の車速、車両1の加速度、車両1のヨーレートが含まれる。
【0040】
地図情報取得部12は、自動運転制御のために用いる地図情報を取得する。地図情報取得部12は、レベル2.9の自動運転制御を実行可能な地図情報(高精度地図情報)を通信部17を介して外部サーバから取得する。地図情報取得部12は、レベル2.0の自動運転制御を実行可能な地図情報を地図データベース22から取得してもよい。
【0041】
地図情報取得部12は、地図情報の取得状況を認識する。地図情報取得部12は、通信部17を介して外部サーバから取得する高精度地図情報についての取得状況を認識する。具体的には、取得状況は、例えば、高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である第1の場合と、高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合と、高精度地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合と、を含む。
【0042】
「高精度地図情報が取得されている」とは、地図情報取得部12が通信部17を介して外部サーバから高精度地図情報を使用可能に取得できている状態に対応する。「高精度地図情報が一時的に利用可能ではない」とは、例えば、高精度地図情報のダウンロードの未完了、又は、通信品質の一時的な低下等により、地図情報取得部12が通信部17を介して外部サーバから高精度地図情報の一部又は全部を一時的に取得できていない状態に対応する。
【0043】
「高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である」とは、高精度地図情報が取得されている状態で所定の支援レベルの自動運転制御を実行するための諸条件が満たされた状態を意味する。「高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない」とは、高精度地図情報が取得されている状態で所定の支援レベルの自動運転制御を実行するための諸条件の一部又は全部が満たされていない状態を意味する。諸条件とは、例えば外部センサ21の故障に起因して車両1の自動運転制御のための自己位置推定による車両位置が特定できているか否かの条件等、所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない状態が第3の場合よりも長期になり得る原因を含む。
【0044】
画像生成部13は、車両1の外部センサ21の検出結果に基づいて、状況画像を生成する。状況画像は、車両1のドライバに提示するための画像であって、車両1及び車両1の周辺の現在状況に対応する画像である。状況画像は、例えば、車両1が走行している車線に沿う区画線を表す画像を含む。状況画像は、車両を後方から俯瞰するように表す俯瞰画像であってもよい。
【0045】
図2(a)は、状況画像の表示の第1の例を示す図である。
図2(a)では、レベル2.9の自動運転制御を実行中の状況画像の一例がディスプレイ装置16に表示されている。
図2(a)の第1の例は、高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である第1の場合の第1態様に相当する。
【0046】
一例として、
図2(a)の状況画像では、車両1が走行する車線31に沿う一対の区画線40及び路肩32を表す画像がディスプレイ装置16における車両1の進行方向に沿って描かれている。車両1が走行する車線31には、車両1の進行方向の前方に先行車33が描かれている。車両1が走行する車線31の隣接車線34,35には、車両1の進行方向の斜め前方に他車両36,37が描かれている。
図2(a)の状況画像では、レベル2.9の自動運転制御が実行中であることを示すために、一対の区画線40を表す画像が第1の太さ及び第1の長さの実線で、第1の輝度となるように、第1の俯瞰角度でディスプレイ装置16に表示されている。第1の俯瞰角度は、第1の場合及び第2の場合に車両1を俯瞰する角度である。
【0047】
図2(b)は、状況画像の表示の第2の例を示す図である。
図2(b)では、
図2(a)と同様に、レベル2.9の自動運転制御を実行中の状況画像の他の例がディスプレイ装置16に表示されている。
図2(b)の第2の例は、高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である第1の場合の第1態様に相当する。
図2(b)の状況画像では、
図2(a)と比べて、第1の輝度よりも高い第2の輝度となるように、一対の区画線40の輝度が高められている。つまり、画像生成部13は、地図情報の取得状況が第1の場合であるときの状況画像として、車両1のドライバに対する一対の区画線40の視覚的な刺激が大きくなるように、
図2(a)又は
図2(b)のように状況画像を生成することができる。
【0048】
表示態様設定部14は、地図情報の取得状況に基づいて、状況画像の表示態様を設定する。表示態様設定部14は、第1の場合と第2の場合と第3の場合とで互いに異なる態様となるように、表示態様を設定する。
【0049】
具体的な一例として、表示態様設定部14は、第2の場合における区画線の第2の太さが、第1の場合における区画線の第1の太さよりも細くなるように、表示態様を設定してもよい。
図3(a)は、状況画像の表示の第3の例を示す図である。
図3(a)の第3の例は、高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合の第2態様に相当する。
図3(a)の状況画像では、一対の区画線41を表す画像が第2の太さの実線でディスプレイ装置16に表示されている。一対の区画線41の第2の太さは、
図2(a)における一対の区画線40の第1の太さよりも細い。一対の区画線41の長さは、
図2(a)における一対の区画線40の第1の長さと同じである。一対の区画線41を表す画像が第2の太さの実線でディスプレイ装置16に表示されることで、車両1のドライバに対する一対の区画線41の視覚的な刺激が、一対の区画線40の視覚的な刺激よりも小さくなる。これにより、所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない状態が第3の場合よりも長期になり得る原因に起因して、レベル2.0の自動運転制御が実行中であることを車両1のドライバが認識し易くなる。
【0050】
表示態様設定部14は、第1の場合における実線の区画線とは異なり、第2の場合における区画線をそれ自体破線とするように、表示態様を設定してもよい。
図3(b)は、状況画像の表示の第4の例を示す図である。
図3(b)の第4の例は、高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合の第2態様に相当する。
図3(b)の状況画像では、一対の区画線42を表す画像がそれ自体破線でディスプレイ装置16に表示されている。一対の区画線42の太さ及び長さは、
図2(a)における一対の区画線40の第1の太さ及び第1の長さと同じである。一対の区画線42を表す画像がそれ自体破線で表示されることで、車両1のドライバに対する一対の区画線42の視覚的な刺激が、一対の区画線40の視覚的な刺激よりも小さくなる。これにより、第3の場合よりも長期になり得る原因に起因して、レベル2.0の自動運転制御が実行中であることを車両1のドライバが認識し易くなる。
【0051】
表示態様設定部14は、第1の場合における実線の区画線とは異なり、第2の場合における区画線を輪郭のみ表示又は半透明とするように、表示態様を設定してもよい。
図4(a)は、状況画像の表示の第5の例を示す図である。
図4(a)の第5の例は、高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合の第2態様に相当する。
図4(a)の状況画像では、一対の区画線を表す画像の輪郭が破線43でディスプレイ装置16に表示されている。或いは、一対の区画線を表す画像が破線43で囲まれる領域において半透明でディスプレイ装置16に表示されていてもよい。破線43で囲まれる領域の太さ及び長さは、
図2(a)における一対の区画線40の第1の太さ及び第1の長さと同じである。一対の破線43又は半透明の一対の区画線が表示されることで、車両1のドライバに対する一対の区画線の視覚的な刺激が、一対の区画線40の視覚的な刺激よりも一層小さくなる。これにより、第3の場合よりも長期になり得る原因に起因して、レベル2.0の自動運転制御が実行中であることを車両1のドライバが認識し易くなる。
【0052】
表示態様設定部14は、例えば、第3の場合の一対の区画線44を表す画像の長さが、第1の場合及び第2の場合の一対の区画線40,41,42を表す画像の長さよりも短くなるように、表示態様を設定してもよい。
図4(b)は、状況画像の表示の第6の例を示す図である。
図4(b)の第6の例は、高精度地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合の第3態様に相当する。
図4(b)の状況画像では、一対の区画線44を表す画像が第2の長さの実線でディスプレイ装置16に表示されている。一対の区画線44の第2の長さは、
図2(a)~
図3(b)における一対の区画線40,41,42の第1の長さよりも短い。一対の区画線44の太さは、
図2(a)及び
図3(b)における一対の区画線40,42の第1の太さと同じであってもよいし、細くてもよい。一対の区画線44を表す画像が第2の長さの実線で表示されることで、車両1の進行方向に延びる程度が小さく認識される。車両1のドライバに対する一対の区画線44の視覚的な刺激が、一対の区画線40,41,42の視覚的な刺激よりも小さくなる。これにより、一時的にレベル2.9の自動運転制御が実行できないことでレベル2.0の自動運転制御が実行中であることを車両1のドライバが認識し易くなる。
【0053】
表示態様設定部14は、第3の場合に車両1を俯瞰する第2の俯瞰角度が、第1の場合及び第2の場合に車両1を俯瞰する第1の俯瞰角度とは異なるように、表示態様を設定してもよい。第2の俯瞰角度は、第3の場合に車両1を俯瞰する角度である。
【0054】
図5(a)は、状況画像の表示の第7の例を示す図である。
図5(a)の第7の例は、高精度地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合の第3態様に相当する。
図5(a)の状況画像での第2の俯瞰角度は、
図2(a)~
図4(a)の状況画像での第1の俯瞰角度と比べて、車両1をより上方から見下ろすような俯瞰角度となっている。
図5(a)の状況画像では、
図2(a)の状況画像と比べて、描画される車両1の周辺の範囲が狭くなっている。このような第2の俯瞰角度で
図5(a)の状況画像が表示されることで、
図2(a)~
図4(a)の状況画像と比べて、一対の区画線45が車両1の進行方向に延びる程度が小さく認識される。車両1のドライバに対する一対の区画線45の視覚的な刺激が、一対の区画線40,41,42の視覚的な刺激よりも小さくなる。これにより、一時的にレベル2.9の自動運転制御が実行できないことでレベル2.0の自動運転制御が実行中であることを車両1のドライバが認識し易くなる。
【0055】
表示態様設定部14は、第3の場合に車両1を俯瞰する第2の俯瞰角度が、第1の場合及び第2の場合に車両1を俯瞰する第1の俯瞰角度とは異なるようにすると共に、第3の場合の一対の区画線46を表す画像の長さが、第1の場合及び第2の場合の一対の区画線40,41,42,45を表す画像の長さよりも短くなるように、表示態様を設定してもよい。
図5(b)は、状況画像の表示の第8の例を示す図である。
図5(b)の第8の例は、高精度地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合の第3態様に相当する。
図5(b)の第8の例は、
図4(b)の第6の例と
図5(a)の第7の例とを組み合わせた表示例に対応する。
図5(b)の状況画像での第2の俯瞰角度は、
図2(a)~
図4(a)の状況画像での第1の俯瞰角度と比べて、車両1をより上方から見下ろすような俯瞰角度となっている。
図5(b)の状況画像では、一対の区画線46を表す画像が第4の長さの実線でディスプレイ装置16に表示されている。一対の区画線46の第4の長さは、
図5(a)における一対の区画線45の第3の長さよりも短い。一対の区画線46の太さは、
図5(a)における一対の区画線45の太さと同じであってもよいし、細くてもよい。
図5(b)の状況画像では、
図2(a)の状況画像と比べて、描画される車両1の周辺の範囲が狭くなり、更に、一対の区画線46を表す画像が第4の長さで表示されることで、車両1の進行方向に延びる程度が小さく認識される。よって、車両1のドライバに対する一対の区画線46の視覚的な刺激が、一対の区画線40,41,42,45の視覚的な刺激よりも小さくなる。これにより、一時的にレベル2.9の自動運転制御が実行できないことでレベル2.0の自動運転制御が実行中であることを車両1のドライバが認識し易くなる。
【0056】
表示制御部15は、ディスプレイ装置16の表示を制御する。表示制御部15は、設定した表示態様で、状況画像を車両1のディスプレイ装置16に表示させる。
【0057】
ここで、自動運転ECU20は、レベル2.0の自動運転制御では、外部センサ21で検出した車両1の周辺の外部環境を用いる。一方で、自動運転ECU20は、レベル2.9の自動運転制御では、高精度地図を用いることで、外部センサ21の検出範囲を超えるほど車両1から遠方の外部環境を用いることができる。例えば、レベル2.9の自動運転制御では、レベル2.0の自動運転制御よりも高い設定車速であっても、より制御目標に対する位置ズレ等が小さくなるように車両1がカーブを自動運転で走行することができる。よって、レベル2.9の自動運転制御では、レベル2.0の自動運転制御よりも、例えばドライバがカーブ入口においてステアリングホイールに手を添える等の準備を省きやすくなる。つまり、表示制御部15によって、設定した表示態様で状況画像が車両1のディスプレイ装置16に表示されることにより、ドライバは、実行されている自動運転制御の支援レベルがレベル2.9又はレベル2.0のいずれであるかを認識できるため、例えばカーブ入口においてステアリングホイールに手を添える等の準備を省きやすくなる。また、第1の場合と第2の場合と第3の場合とで互いに異なる態様となるように表示態様が設定されるため、ドライバは、レベル2.9の自動運転制御が実行できない状態が一時的であるか否かを認識しやすくなる。
【0058】
[表示装置100の処理]
次に、表示装置100の処理の一例について、
図6のフローチャートを参照して説明する。
図6は、表示装置の処理例を示すフローチャートである。
図6に示される処理は、例えば、車両1の走行中に実行される。
【0059】
図6に示されるように、表示装置100の表示制御ECU10は、S01において、車両情報取得部11により、車両1の車両位置の取得を行う。車両情報取得部11は、例えば、GPS受信機24の測定結果から車両1の車両位置を取得する。
【0060】
表示制御ECU10は、S02において、地図情報取得部12により、地図情報の取得及び地図情報の取得状況の認識を行う。地図情報取得部12は、例えば、車両1の車両位置の周囲の地図情報を通信部17を介して外部サーバから取得する。地図情報取得部12は、地図情報の取得結果に基づいて、現在の地図情報の取得状況として、例えば、高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である第1の場合、高精度地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合、及び、高精度地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合、のいずれに該当するかを認識する。
【0061】
表示制御ECU10は、S03において、画像生成部13により、現在状況を表す状況画像の生成を行う。画像生成部13は、車両1の外部センサ21の検出結果に基づいて、車両1のドライバに提示するための車両1及び車両1の周辺の現在状況に対応する状況画像を生成する。
【0062】
表示制御ECU10は、S04~S08において、表示態様設定部14により、状況画像の表示態様の設定を行う。表示態様設定部14は、地図情報の取得状況に基づいて、状況画像の表示態様を設定する。表示態様設定部14は、第1の場合と第2の場合と第3の場合とで互いに異なる態様となるように、表示態様を設定する。
【0063】
S04において、表示制御ECU10は、表示態様設定部14により、地図情報の取得状況が第3の場合に該当するか否かの判定を行う。表示制御ECU10は、表示態様設定部14により地図情報の取得状況が第3の場合に該当すると判定した場合、S08の処理に移行する。表示制御ECU10は、表示態様設定部14により地図情報の取得状況が第3の場合に該当しないと判定した場合、S05の処理に移行する。
【0064】
S05において、表示制御ECU10は、表示態様設定部14により、地図情報の取得状況が第1の場合に該当するか否かの判定を行う。表示制御ECU10は、表示態様設定部14により地図情報の取得状況が第1の場合に該当すると判定した場合、S06の処理に移行する。表示制御ECU10は、表示態様設定部14により地図情報の取得状況が第1の場合に該当しないと判定した場合、S07の処理に移行する。
【0065】
表示制御ECU10は、S06において、表示態様設定部14により、第1態様への表示態様の設定を行う。表示態様設定部14は、取得状況が第1の場合に該当するときの状況画像の表示態様を第1態様に設定する。その後、表示制御ECU10は、S09の処理に移行する。
【0066】
表示制御ECU10は、S07において、表示態様設定部14により、第2態様への表示態様の設定を行う。表示態様設定部14は、取得状況が第1の場合にも第3の場合にも該当しないときの状況画像の表示態様を第2態様に設定する。その後、表示制御ECU10は、S09の処理に移行する。
【0067】
表示制御ECU10は、S08において、表示態様設定部14により、第3態様への表示態様の設定を行う。表示態様設定部14は、取得状況が第3の場合に該当するときの状況画像の表示態様を第3態様に設定する。その後、表示制御ECU10は、S09の処理に移行する。
【0068】
表示制御ECU10は、S09において、表示制御部15により、設定した表示態様での状況画像の表示を行う。表示制御部15は、表示態様の設定結果に基づいて、設定した表示態様で状況画像を車両1のディスプレイ装置16に表示させる。その後、表示制御ECU10は、
図6の処理を終了する。
【0069】
以上説明したように、表示装置100によれば、地図情報が一時的に利用可能ではない第3の場合には、地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能である第1の場合の第1態様、及び、地図情報が取得されており且つ所定の支援レベルの自動運転制御が実行可能ではない第2の場合の第2態様とは異なる態様となるように、状況画像の表示態様が第3態様に設定される。よって、第3の場合の表示態様で表示される状況画像をドライバが認識することで、所定の支援レベルの自動運転制御が実際には実行されていないことをドライバが認識し易くなる。
【0070】
表示装置100では、状況画像は、車両1が走行している車線に沿う区画線40,41,42,44,45,46を表す画像を含む。表示態様設定部14は、第3の場合の区画線44を表す画像の長さが、第1の場合及び第2の場合の区画線40,41,42を表す画像の長さよりも短くなるように、表示態様を設定する。表示態様設定部14は、第3の場合の区画線46を表す画像の長さが、第2の場合の区画線45を表す画像の長さよりも短くなるように、表示態様を設定する。これにより、一対の区画線44,46を表す画像の車両1の進行方向に延びる程度が小さいようにドライバが認識することで、所定の支援レベルの自動運転制御が実際には実行されていないことをドライバが認識し易くなる。
【0071】
表示装置100では、状況画像は、車両1を後方から俯瞰するように表す俯瞰画像であり、表示態様設定部14は、第3の場合に車両1を俯瞰する角度である第2の俯瞰角度が、第1の場合及び第2の場合に車両1を俯瞰する角度である第1の俯瞰角度とは異なるように、表示態様を設定する。これにより、第1の場合及び第2の場合の第1の俯瞰角度とは異なる角度で車両1を後方から俯瞰するように表す第3の場合の俯瞰画像をドライバが認識することで、所定の支援レベルの自動運転制御が実際には実行されていないことをドライバが認識し易くなる。
【0072】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0073】
上記実施形態では、表示態様設定部14は、第3の場合において、区画線を表す画像の車両1の進行方向奥側を短縮することで、第3の場合の区画線を表す画像の長さが、第1の場合及び第2の場合の区画線を表す画像の長さよりも短くなるように、表示態様を設定したが、この例に限定されない。表示態様設定部14は、第3の場合において、区画線を表す画像の車両1の進行方向手前側を短縮することで、第3の場合の区画線を表す画像の長さが、第1の場合及び第2の場合の区画線を表す画像の長さよりも短くなるように、表示態様を設定してもよい。
【0074】
上記実施形態では、所定の支援レベルの自動運転制御として、レベル2.9の自動運転制御を例示したが、所定の支援レベルは、この例に限定されない。所定の支援レベルは、レベル2.9よりも高い支援レベルであってもよい。要は、所定の支援レベルは、ナビゲーション用の地図を用いるレベル2.0よりも高ければよい。
【符号の説明】
【0075】
1…車両、12…地図情報取得部、13…画像生成部、14…表示態様設定部、14…表示態様設定部、15…表示制御部、16…ディスプレイ装置(表示部)、21…外部センサ、31…車線、40,41,42,44,45,46…区画線、100…表示装置。