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特開2024-150106共同玄関装置、通信システム、インターホンシステム、ペアリング方法、およびプログラム
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  • 特開-共同玄関装置、通信システム、インターホンシステム、ペアリング方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150106
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】共同玄関装置、通信システム、インターホンシステム、ペアリング方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20241016BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20241016BHJP
【FI】
H04M9/00 Z
H04W76/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063360
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉野 晋介
【テーマコード(参考)】
5K038
5K067
【Fターム(参考)】
5K038AA09
5K038CC12
5K038DD15
5K038EE05
5K038EE08
5K067AA34
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】施工コストを抑制したインターホンシステムを提供する。
【解決手段】本開示の一態様である共同玄関装置は、複数の施設を含む集合施設の共同玄関に設けられ、無線通信部と、制御部とを備え、無線通信部は、複数の施設の各々の玄関に設けられる玄関子機、複数の施設の各々の内側に設けられる親機、および集合施設の内側に設けられる中継装置の内の1台以上のペアリング候補と無線により通信し、制御部は、ペアリング候補とのペアリングを、1台ずつ行う個別ペアリングモードと、複数台継続して行う継続ペアリングモードとを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設を含む集合施設の共同玄関に設けられる共同玄関装置であって、
無線通信部と、制御部とを備え、
前記無線通信部は、前記複数の施設の各々の玄関に設けられる玄関子機、前記複数の施設の各々の内側に設けられる親機、および前記集合施設の内側に設けられる中継装置の内の1台以上のペアリング候補と無線により通信し、
前記制御部は、前記ペアリング候補とのペアリングを、1台ずつ行う個別ペアリングモードと、複数台継続して行う継続ペアリングモードとを有する、共同玄関装置。
【請求項2】
前記ペアリングは、前記個別ペアリングモードまたは前記継続ペアリングモードの実行中において、前記ペアリング候補の操作部への操作により、前記ペアリング候補から発信されるペアリング信号に基づいて行われる、請求項1に記載の共同玄関装置。
【請求項3】
前記個別ペアリングモードは、前記ペアリング候補の内の1台との前記ペアリングが完了すると、終了する、請求項1に記載の共同玄関装置。
【請求項4】
前記継続ペアリングモードは、前記ペアリング候補の内の1台との前記ペアリングが完了すると、前記ペアリング候補の内の他の1台とのペアリング待ち状態となる、請求項1に記載の共同玄関装置。
【請求項5】
前記継続ペアリングモードは、前記共同玄関装置の操作部への操作に基づいて終了する、請求項4に記載の共同玄関装置。
【請求項6】
前記継続ペアリングモードは、前記ペアリング候補の内の複数台から前記ペアリング信号を受信した後、前記ペアリング信号を発信した前記ペアリング候補に対して順番に前記ペアリングを行う、請求項2に記載の共同玄関装置。
【請求項7】
前記親機と前記玄関子機とが、有線で、相互に通信可能に接続され、
前記共同玄関装置と前記玄関子機との間で前記ペアリングが行われる、請求項1に記載の共同玄関装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の共同玄関装置と、前記玄関子機とを備える通信システム。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1項に記載の共同玄関装置と、前記玄関子機と、前記親機とを備えるインターホンシステム。
【請求項10】
複数の施設を含む集合施設の共同玄関に設けられる共同玄関装置と、ペアリング候補とのペアリング方法であって、
前記ペアリング候補は、前記複数の施設の各々の玄関に設けられる玄関子機、前記複数の施設の各々の内側に設けられる親機、および前記集合施設の内側に設けられる中継装置の内の1台以上であり、
前記共同玄関装置が、前記ペアリング候補の内の複数台と継続してペアリングを行う、ペアリング方法。
【請求項11】
前記ペアリングは、前記ペアリング候補の操作部への操作により、前記ペアリング候補から発信されるペアリング信号に基づいて行われる、請求項10に記載のペアリング方法。
【請求項12】
前記共同玄関装置が、前記ペアリング候補の内の1台との前記ペアリングが完了すると、前記ペアリング候補の内の他の1台とのペアリング待ち状態となる、請求項10に記載のペアリング方法。
【請求項13】
前記共同玄関装置が、前記ペアリング候補の内の複数台から前記ペアリング信号を受信した後、前記ペアリング信号を発信した前記ペアリング候補に対して順番に前記ペアリングを行う、請求項11に記載のペアリング方法。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか1項に記載のペアリング方法をコンピュータで実現するための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、共同玄関装置、通信システム、インターホンシステム、ペアリング方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターホンシステムが設けられたマンション等の集合施設では、共同玄関には共同玄関装置が設置されており、共同玄関装置は、各施設(各住戸)内に設置された親機と、通信可能に接続されている。また、各施設の玄関には玄関子機が設置されており、玄関子機は、親機と、通信可能に接続されている。一般に、共同玄関装置と親機との間、および、玄関子機と親機との間が、有線で接続されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-16713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用中の集合施設で共同玄関装置の置き換えを行う場合には、各施設に立ち入り、親機と共同玄関装置とを通信可能な状態にする必要がある。しかし、全ての施設に立ち入って作業する必要があるため、施工コストが大きかった。
【0005】
本開示の目的は、施工コストを抑制したインターホンシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である共同玄関装置は、複数の施設を含む集合施設の共同玄関に設けられ、無線通信部と、制御部とを備え、無線通信部は、複数の施設の各々の玄関に設けられる玄関子機、複数の施設の各々の内側に設けられる親機、および集合施設の内側に設けられる中継装置の内の1台以上のペアリング候補と無線により通信し、制御部は、ペアリング候補とのペアリングを、1台ずつ行う個別ペアリングモードと、複数台継続して行う継続ペアリングモードとを有することを特徴とする。
【0007】
本開示の一態様である通信システムは、上記の共同玄関装置と、玄関子機とを備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の一形態であるインターホンシステムは、上記の共同玄関装置と、玄関子機と、親機とを備えることを特徴とする。
【0009】
本開示の一形態であるペアリング方法は、複数の施設を含む集合施設の共同玄関に設けられる共同玄関装置と、ペアリング候補とのペアリング方法であって、ペアリング候補は、複数の施設の各々の玄関に設けられる玄関子機、複数の施設の各々の内側に設けられる親機、および集合施設の内側に設けられる中継装置の内の1台以上であり、共同玄関装置が、ペアリング候補の内の複数台と継続してペアリングを行うことを特徴とする。
【0010】
本開示の一形態であるプログラムは、上記のペアリング方法をコンピュータで実現するためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様である共同玄関装置によれば、施工コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の一例であるインターホンシステムの概略図である。
図2】実施形態の一例である共同玄関装置の正面図である。
図3】実施形態の一例である共同玄関装置の構成を示すブロック図である。
図4】実施形態の一例における玄関子機の登録データを示す図である。
図5】実施形態の一例における個別ペアリングモードの手順を示すフローチャートである。
図6】実施形態の一例における継続ペアリングモードの手順を示すフローチャートである。
図7】実施形態の他の一例における継続ペアリングモードの手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本開示は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態、変形例を選択的に組み合わせることは当初から想定されている。
【0014】
本開示の装置およびシステムの主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示の装置およびシステムの主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって上記機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、集積回路(IC)または大規模集積回路(LSI)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されていてもよく、複数のチップに設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよく、複数の装置に備えられていてもよい。また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記憶媒体に記憶される。プログラムは、記憶媒体に予め格納されていてもよく、インターネット等を含む広域通信網を介して記憶媒体に供給されてもよい。
【0015】
以下、実施形態の一例であるインターホンシステム1に含まれる通信システム3、共同玄関装置10、玄関子機20、および親機22ついて、図1図5を参照しつつ、説明する。
【0016】
まず、図1を参照しつつ、インターホンシステム1の概要について説明する。図1は、本実施形態のインターホンシステム1の構成を模式的に示す図である。インターホンシステム1は、複数の施設を含む集合施設に設けられるシステムであり、本実施形態では、集合施設は、マンション、寮、社宅等の集合住宅である。なお、インターホンシステム1が適用される集合施設は、集合住宅に限定されず、例えば、オフィス、工場、研究施設、医療施設、宿泊施設等の複数の施設(複数の会社、部課、部門等)が集合して構成される施設でもよい。
【0017】
インターホンシステム1は、集合住宅の共同玄関5に設けられる共同玄関装置10と、集合住宅に含まれる各施設(各住戸)の玄関に設けられる玄関子機20と、各住戸の内側に設けられる親機22とを備える。
【0018】
共同玄関装置10と玄関子機20とは、例えば、無線によって相互に通信可能に接続されており、通信システム3を構成している。本実施形態では、住戸Aに設置された玄関子機20は、共同玄関装置10と直接無線で接続されており、住戸Bに設置された玄関子機20は、中継装置15を介して共同玄関装置10と間接的に無線で接続されている。中継装置15は、集合施設の内側に設けられ、共同玄関装置10および玄関子機20と相互に通信可能に接続されることで、共同玄関装置10と直接通信しづらい状況にある玄関子機20が共同玄関装置10と通信するのを補助することができる。親機22は、例えば、有線によって玄関子機20と接続されている。親機22と共同玄関装置10とは、玄関子機20を介して、相互に通信可能に接続されている。親機22は、住戸内に設置されており玄関子機20に比べて共同玄関装置10と無線による直接の通信がしづらい状況にあるため、本開示のように共同玄関装置10と相互に通信可能な玄関子機20を介して共同玄関装置10と接続されることが好ましい。なお、共同玄関装置10と親機22とが無線によって相互に通信可能に接続されてもよい。
【0019】
共同玄関装置10は、共同玄関5に隣接して設置されている。共同玄関5は、例えば、自動ドアにより構成され、平常時は施錠された状態が基本である。共同玄関装置10は、例えば、来訪者が各住戸の呼び出しを行うために使用される。来訪者は、共同玄関装置10で訪問先の住戸を呼び出して、その住戸の居住者に共同玄関5の電気錠を解錠してもらう。これにより、来訪者は、共同玄関5から集合住宅の内側に入ることができる。また、共同玄関装置10は、例えば、集合住宅内への立ち入りが許可された許可者が共同玄関5の電気錠を解錠するために使用される。許可者は、予め決められた電気錠の解錠操作を行うことで、共同玄関5の電気錠を解錠して、集合住宅の共同玄関5よりも内側に入ることができる。例えば、許可者は、共同玄関装置10に予め決められた暗証番号を入力することで、共同玄関5の電気錠を解錠することができる。
【0020】
親機22は、例えば、マイク、スピーカ、モニタ、通話ボタン、解錠ボタン等を備える。共同玄関装置10を介して来訪者から呼び出しを受けた居住者は、親機22のモニタにより、来訪者の映像を確認する。居住者は、通話ボタンを操作することで、マイクおよびスピーカにより来訪者との通話が可能となる。居住者が解錠ボタンを操作することで、親機22から解錠信号が送信されて共同玄関5が解錠され、来訪者は集合住宅の内側に入ることができる。また、玄関子機20を介して来訪者から呼び出しを受けた居住者は、親機22のモニタにより、来訪者の映像を確認する。居住者は、通話ボタンを操作することで、マイクおよびスピーカにより来訪者との通話が可能となる。
【0021】
玄関子機20は、例えば、親機22を呼び出すための呼出ボタン20aを備える。また、玄関子機20は、カメラ、マイク、およびスピーカを備える。呼出ボタン20aが操作されると、親機22の呼び出しが行われると共に、玄関子機20のカメラにより来訪者が撮影され、その映像が親機22のモニタに表示される。
【0022】
後述するように、玄関子機20、および親機22の内の1台以上のペアリング候補が、共同玄関装置10とペアリング可能なように構成されている。本実施形態においては、玄関子機20が、後述するように、共同玄関装置10とのペアリングが可能なように構成されている。ペアリング済みの玄関子機20、および親機22は、共同玄関装置10と相互に通信可能である。
【0023】
一般的なインターホンシステムは、インターホンシステムを統括的に制御する制御装置を備える。制御装置は、共同玄関装置、玄関子機、および親機と通信可能に接続され、各装置から信号を受信して種々の情報を取得し、各装置に制御信号を出力して各装置を制御する。本実施形態のインターホンシステム1は、制御装置を備えず、共同玄関装置10が、制御装置の機能を有する。
【0024】
次に、図2図4を参照しつつ、共同玄関装置10について説明する。図2は、本実施形態の共同玄関装置10の正面図である。図2に示すように、共同玄関装置10は、テンキー10a、呼出ボタン10b、逆マスターキー挿入部10c、カメラ10d、スピーカ10e、マイク10f、モニタ10g、およびセンサ10hを備える。また、共同玄関装置10は、上記構成以外に、例えば、ICカードリーダを備えてもよい。ICカードリーダは、予め登録されたカードキーを検知したときに、解錠信号を送信するように機能する。
【0025】
テンキー10aは、居住者または来訪者が操作することできるユーザインターフェースである。許可者は、例えば、テンキー10aを用いて暗証番号を入力することで、共同玄関5の電気錠を解錠することができる。また、来訪者は、テンキー10aで住戸番号を入力し、呼出ボタン10bを押すことで、訪問先の住戸を呼び出すことができる。鍵を有する居住者等は、逆マスターキー挿入部10cに鍵を挿入して共同玄関5の電気錠を解錠することもできる。
【0026】
カメラ10dは、共同玄関装置10を操作する居住者や来訪者を撮像する。来訪者が共同玄関装置10で訪問先の住戸を呼び出した場合には、共同玄関装置10は、カメラ10dで来訪者を撮影し、その映像を呼び出しが行われた親機22に送信する。
【0027】
スピーカ10eおよびマイク10fは、来訪者が各住戸に設置された親機22を介して居住者と通話をするために用いられる。スピーカ10eからは、呼び出し音、居住者が応答した場合にはその音声等が出力される。来訪者の声はマイク10fにより取得されて親機22に送信されるので、訪問先の居住者と会話することができる。モニタ10gには、例えば、カメラ10dにより撮影された映像が表示される。
【0028】
センサ10hは、共同玄関装置10の前に人が存在することを検知する。センサ10hの人の検知に起因して、例えば、共同玄関装置10がスリープ状態から動作状態に移行する。動作状態の開始に伴ってモニタ10gが点灯し、共同玄関装置10の前の人に共同玄関装置10への操作を促してもよい。居住者と来訪者との間の通信が終了した場合や、所定時間経っても共同玄関装置10への操作がない場合には、共同玄関装置10は再度スリープ状態に移行する。
【0029】
図3は、実施形態の一例である共同玄関装置10の構成を示すブロック図である。共同玄関装置10は、例えば、共同玄関装置10を制御するための演算処理を実行するプロセッサ30と、制御プログラム等が記憶されたメモリ32とを備える。共同玄関装置10は、プロセッサ30を含むコンピュータにより構成される。メモリ32は、例えば、RAM、ROM、ハードディスク等により構成され、プロセッサ30を含むコンピュータに内蔵されている。なお、共同玄関装置10は、1つのコンピュータで構成されていてもよく、複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0030】
プロセッサ30は、メモリ32にインストールされた制御プログラムを読み出して実行することにより、後述する制御部42の機能を実現する。即ち、メモリ32にインストールされた制御プログラムには、共同玄関装置10とペアリング候補25とのペアリング方法をコンピュータで実現するためのプログラムが含まれている。
【0031】
共同玄関装置10は、ペアリング候補25と無線により通信する無線通信部40と、ペアリング候補25とのペアリングを制御する制御部42とを備える。また、共同玄関装置10は、操作部44を備えてもよい。操作部44は、共同玄関装置10に対する操作を受け付けるように構成されている。操作部44は、例えば、テンキー10aである。
【0032】
ペアリングによって、共同玄関装置10とペアリング候補25とは相互に通信可能となる。ペアリング候補25は、玄関子機20、親機22、中継装置15の内の1台以上である。ペアリングは、ペアリングモードの実行中において、ペアリング候補25から発信されるペアリング信号に基づいて行われてもよい。ペアリング信号は、例えば、ペアリング候補25の操作部への操作により、ペアリング候補25から発信される。玄関子機20の呼出ボタン20aを所定時間以上押すことで、玄関子機20からペアリング信号が発信されてもよい。
【0033】
共同玄関装置10との通信の安定性向上の観点から、親機22と玄関子機20とが、有線で相互に通信可能に接続され、共同玄関装置10と玄関子機20との間でペアリングが行われることが好ましい。即ち、玄関子機20がペアリング候補25となり、親機22は、玄関子機20を介して共同玄関装置10と通信することが好ましい。例えば、既存のインターホンシステムから本開示に係るインターホンシステム1への置き換えを行う場合には、施工コストを抑制することができる。共同玄関装置10、および、玄関子機20を既存のものと置き換えることで親機22と共同玄関装置10との間の通信が可能になるので、各住戸に立ち入り、親機22と共同玄関装置10とを通信可能な状態にする必要がない。
【0034】
ペアリングによって、例えば、ペアリング候補25の登録データが共同玄関装置10に記憶される。図4は、実施形態の一例における玄関子機20の登録データを示す図である。1から昇順に並んだ管理番号の各々に、住戸の部屋番号が割り当てられている。ペアリング候補25である玄関子機20は、各々、固有の登録番号(ID)を有しており、例えば、部屋番号101の住戸の玄関に設けられる玄関子機20のIDは、「AAAAAAAAA」である。共同玄関装置10で部屋番号101の住戸の呼び出し操作が行われたときには、共同玄関装置10は、「AAAAAAAAA」のIDを有する玄関子機20と通信し、その住戸の親機22を呼び出す。なお、図3は、一例であって、玄関子機20の登録データの形式は特に限定されない。また、ペアリング候補25は、親機22または中継装置15であってもよい。ペアリング候補25の登録データは、例えば、共同玄関装置10のメモリ32に保存される。
【0035】
図3に示す無線通信部40は、例えば、玄関子機20と無線により通信する機能を有する。無線とは、線を使わずに電波を用いる通信のことである。使用する周波数帯は、集合住宅で使用できるものであれば、特に限定されない。無線通信部40は、玄関子機20と直接通信してもよいし、中継装置15を介して通信してもよい。中継装置15は、市販の装置を使用してもよい。無線通信部40は、例えば、玄関子機20を介して、親機22と相互に通信するように構成されている。
【0036】
制御部42は、無線通信部40の動作を制御する機能を有する。制御部42は、共同玄関装置10で呼び出し操作が行われたときに所定の親機22を呼び出し、親機22の操作に基づいて共同玄関5の解錠信号を出力するように構成されている。また、制御部42は、玄関子機20の呼出ボタン20aが操作されたときに、親機22を呼び出すように構成されている。
【0037】
制御部42は、共同玄関装置10を用いた共同玄関5の解錠操作に関連する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部42は、共同玄関装置10に入力された入力情報を取得し、その入力情報に基づき、共同玄関5の解錠信号を出力する。
【0038】
制御部42は、無線通信部40とペアリング候補25との間の通信のペアリングを行う動作モードであるペアリングモードを有する。制御部42は、ペアリングモードにおいて、ペアリング信号の送信元であるペアリング候補25とペアリングを行う。即ち、制御部42は、ペアリングモードにおいて、無線通信部40とペアリング候補25との間の通信を確立するように構成されている。例えば、ペアリング済みの玄関子機20は、無線通信部40からの呼び出しが可能である。ここで、玄関子機20の呼び出しが可能とは、玄関子機20に接続された親機22を間接的に呼び出し可能であることを含む。
【0039】
制御部42は、ペアリング候補25とのペアリングを、1台ずつ行う個別ペアリングモードと、複数台継続して行う継続ペアリングモードとを有する。即ち、制御部42が有するペアリングモードは、個別ペアリングモードと継続ペアリングモードの2つである。制御部42は、操作部44に対する操作に基づき、ペアリングモードに移行してもよい。ペアリングモードに移行するための操作は、例えば、テンキー10aで所定の暗証番号を入力する操作である。この場合、個別ペアリングモードと継続ペアリングモードは、各々、異なる暗証番号を有する。
【0040】
個別ペアリングモードは、例えば、ペアリング候補25の内の1台とのペアリングが完了すると、終了する。個別ペアリングモードは、例えば、インターホンシステムを集合施設に新規に導入する際に使用される。個別ペアリングモードを用いることで、ペアリング信号を発信したペアリング候補25の内の1台について、共同玄関装置10を操作して部屋番号を割り当てることができる。この操作をペアリング候補25の各々について実行し、さらに、親機22を玄関子機20と接続することで、比較的容易にインターホンシステム1を構築できる。
【0041】
継続ペアリングモードは、例えば、ペアリング候補25の内の1台とのペアリングが完了すると、ペアリング候補25の内の他の1台とのペアリング待ち状態となる。継続ペアリングモードは、操作部44への操作に基づいて終了してもよい。また、継続ペアリングモードは、ペアリング候補25の内の複数台からペアリング信号を受信した後、ペアリング信号を発信したペアリング候補25に対して順番にペアリングを行ってもよい。
【0042】
継続ペアリングモードは、例えば、既存のインターホンシステムを本開示に係るインターホンシステム1に置き換える際に使用される。継続ペアリングモードを用いることで、共同玄関装置10をペアリングモードに設定した後、施設の玄関に設置されたペアリング候補25の各々から順にペアリング信号を発信させることで、ペアリングを実行できる。なお、ペアリング前に各ペアリング候補25に部屋番号を割り当てることが好ましい。例えば、ペアリング候補25としての玄関子機20を共同玄関装置10とペアリングする場合には、ペアリング前に玄関子機20と親機22を接続することで、親機22に記憶された部屋番号を玄関子機20に割り当てることができる。
【0043】
以下、図5図7のフローチャートを参照しながら、共同玄関装置10とペアリング候補25とのペアリング手順の一例について説明する。
【0044】
図5は、実施形態の一例における個別ペアリングモードの手順を示すフローチャートである。このペアリング手順では、まず、共同玄関装置10に所定の操作を行うことで、共同玄関装置10がペアリングモードに移行する(S10)。次に、1台のペアリング候補25からペアリング信号を発信させ(S11)、共同玄関装置10がこのペアリング信号を受信し、ペアリング信号を発信したペアリング候補25のIDを登録することで、ペアリングが行われる(S12)。本フローは、S12を実行後に終了し、他のペアリング候補25とペアリングを行う際には、再度、本フローを行う。
【0045】
図6は、実施形態の一例における継続ペアリングモードの手順を示すフローチャートである。このペアリング手順では、まず、共同玄関装置10に所定の操作を行うことで、共同玄関装置10がペアリングモードに移行する(S20)。次に、1台のペアリング候補25からペアリング信号を発信させ(S21)、共同玄関装置10がこのペアリング信号を受信し、ペアリング信号を発信したペアリング候補25のIDを登録することで、ペアリングが行われる(S22)。S22の処理後は、共同玄関装置10は、ペアリング待ち状態となる。
【0046】
他のペアリング候補25とペアリングを行う場合には(S23のYES)、再度S21に戻り、上記と同様の処理を行う。他のペアリング候補25とペアリングを行わない場合には(S23のNO)、共同玄関装置10に所定の操作を行うことで(S24)、本フローは終了する。
【0047】
図7は、実施形態の他の一例における継続ペアリングモードの手順を示すフローチャートである。このペアリング手順では、まず、共同玄関装置10に所定の操作を行うことで、共同玄関装置10がペアリングモードに移行する(S30)。次に、複数台のペアリング候補25からペアリング信号を発信させ(S31)、共同玄関装置10が全てのペアリング信号を受信し、ペアリング信号を発信した各ペアリング候補25のIDを登録することで、ペアリングが行われる(S32)。本フローは、S32を実行後に終了する。
【0048】
上述したように、本開示の共同玄関装置、通信システム、インターホンシステム、ペアリング方法、およびプログラムによれば、共同玄関装置と玄関子機とを効率的にペアリングさせて、簡便な方法でインターホンシステムを構築することができるので、施工コストを抑制できる。
【0049】
本開示は、以下の実施形態によりさらに説明される。
構成1:
複数の施設を含む集合施設の共同玄関に設けられる共同玄関装置であって、
無線通信部と、制御部とを備え、
前記無線通信部は、前記複数の施設の各々の玄関に設けられる玄関子機、前記複数の施設の各々の内側に設けられる親機、および前記集合施設の内側に設けられる中継装置の内の1台以上のペアリング候補と無線により通信し、
前記制御部は、前記ペアリング候補とのペアリングを、1台ずつ行う個別ペアリングモードと、複数台継続して行う継続ペアリングモードとを有する、共同玄関装置。
構成2:
前記ペアリングは、前記個別ペアリングモードまたは前記継続ペアリングモードの実行中において、前記ペアリング候補の操作部への操作により、前記ペアリング候補から発信されるペアリング信号に基づいて行われる、構成1に記載の共同玄関装置。
構成3:
前記個別ペアリングモードは、前記ペアリング候補の内の1台との前記ペアリングが完了すると、終了する、構成1又は2に記載の共同玄関装置。
構成4:
前記継続ペアリングモードは、前記ペアリング候補の内の1台との前記ペアリングが完了すると、前記ペアリング候補の内の他の1台とのペアリング待ち状態となる、構成1~3のいずれか1つに記載の共同玄関装置。
構成5:
前記継続ペアリングモードは、前記共同玄関装置の操作部への操作に基づいて終了する、構成4に記載の共同玄関装置。
構成6:
前記継続ペアリングモードは、前記ペアリング候補の内の複数台から前記ペアリング信号を受信した後、前記ペアリング信号を発信した前記ペアリング候補に対して順番に前記ペアリングを行う、構成2に記載の共同玄関装置。
構成7:
前記親機と前記玄関子機とが、有線で、相互に通信可能に接続され、
前記共同玄関装置と前記玄関子機との間で前記ペアリングが行われる、構成1~6のいずれか1つに記載の共同玄関装置。
構成8:
構成1~7のいずれか1つに記載の共同玄関装置と、前記玄関子機とを備える通信システム。
構成9:
構成1~7のいずれか1つに記載の共同玄関装置と、前記玄関子機と、前記親機とを備えるインターホンシステム。
構成10:
複数の施設を含む集合施設の共同玄関に設けられる共同玄関装置と、ペアリング候補とのペアリング方法であって、
前記ペアリング候補は、前記複数の施設の各々の玄関に設けられる玄関子機、前記複数の施設の各々の内側に設けられる親機、および前記集合施設の内側に設けられる中継装置の内の1台以上であり、
前記共同玄関装置が、前記ペアリング候補の内の複数台と継続してペアリングを行う、ペアリング方法。
構成11:
前記ペアリングは、前記ペアリング候補の操作部への操作により、前記ペアリング候補から発信されるペアリング信号に基づいて行われる、構成10に記載のペアリング方法。
構成12:
前記共同玄関装置が、前記ペアリング候補の内の1台との前記ペアリングが完了すると、前記ペアリング候補の内の他の1台とのペアリング待ち状態となる、構成10又は11に記載のペアリング方法。
構成13:
前記共同玄関装置が、前記ペアリング候補の内の複数台から前記ペアリング信号を受信した後、前記ペアリング信号を発信した前記ペアリング候補に対して順番に前記ペアリングを行う、構成11に記載のペアリング方法。
構成14:
構成10~13のいずれか1つに記載のペアリング方法をコンピュータで実現するための、プログラム。
【符号の説明】
【0050】
1 インターホンシステム、3 通信システム、5 共同玄関、10 共同玄関装置、10a テンキー、10b 呼出ボタン、10c 逆マスターキー挿入部、10d カメラ、10e スピーカ、10f マイク、10g モニタ、10h センサ、15 中継装置、20 玄関子機、20a 呼出ボタン、22 親機、25 ペアリング候補、30 プロセッサ、32 メモリ、40 無線通信部、42 制御部、44 操作部
図1
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図4
図5
図6
図7