(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150162
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
A63F5/04 603B
A63F5/04 605B
A63F5/04 611A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063434
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 大
(72)【発明者】
【氏名】堀江 瞬
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CA02
2C182CD12
2C182CD34
2C182CE01
2C182CE12
(57)【要約】
【課題】遊技メダル数表示装置において、遊技メダル数以外の情報を表示してその活用を図る。
【解決手段】メダルレス遊技機1において、遊技に使用可能な遊技価値を表示可能な遊技価値表示手段(遊技メダル数表示装置7の数字表示部7s)と、前記遊技価値表示手段と異なる表示手段であって特定情報(報知情報)を表示可能な特定表示手段(遊技メダル数表示装置7のドット部7d)と、前記遊技価値表示手段及び前記特定表示手段の表示内容を制御可能な制御手段(メダル数制御CPU12)と、を備え、前記遊技価値表示手段と前記特定表示手段とは一体的に構成され、前記特定情報には、前記遊技機と外部装置との接続状態に関する情報(VL情報)が含まれる。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実物の遊技媒体を使用せずに遊技が行われるとともに、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な遊技機において、
遊技に使用可能な遊技価値を表示可能な遊技価値表示手段と、
前記遊技価値表示手段と異なる表示手段であって特定情報を表示可能な特定表示手段と、
前記遊技価値表示手段及び前記特定表示手段の表示内容を制御可能な制御手段と、
を備え、
前記遊技価値表示手段と前記特定表示手段とは一体的に構成され、
前記特定情報には、前記遊技機と外部装置との接続状態に関する情報が含まれる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定情報には、
前記遊技価値表示手段に表示される遊技価値を初期化する操作に関する情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定情報には、
前記制御手段が制御するRAMに記憶されるデータに対するチェックサム結果に関する情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技価値表示手段及び前記特定表示手段は、7セグメント表示装置に含まれることで一体的に構成され、
前記遊技価値表示手段は、
前記7セグメント表示装置の数字表示部を構成し、
前記特定表示手段は、
前記7セグメント表示装置のドット部を構成する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記外部装置との接続状態が正常である場合には、前記ドット部を消灯状態に制御し、
前記外部装置との接続状態が正常でない場合には、前記ドット部を点灯状態に制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、メダルなどの物理的な遊技媒体の介在なしに遊技を行えるスロットマシンなどの遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技機は、実物の遊技媒体を使用せずに遊技が行われるとともに、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な遊技機において、遊技に使用可能な遊技価値を表示可能な遊技価値表示手段と、前記遊技価値表示手段と異なる表示手段であって特定情報を表示可能な特定表示手段と、前記遊技価値表示手段及び前記特定表示手段の表示内容を制御可能な制御手段と、を備え、前記遊技価値表示手段と前記特定表示手段とは一体的に構成され、前記特定情報には、前記遊技機と外部装置との接続状態に関する情報が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態に係るメダルレス遊技機の外観を示す概略正面図である。
【
図2】メダルレス遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
【
図3】メダルレス遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【
図4】遊技メダル数表示装置の構成を示す図である。
【
図5】メダルレス遊技機における主制御CPU及びメダル数制御CPUの制御構成を示す図である。
【
図6】主制御CPUとメダル数制御CPUと専用ユニットとの接続態様を示す図である。
【
図7】主制御CPUの動作(主制御処理)を示すフローチャートである。(a)は、電源投入(電源ON)以降の各処理からなる基本処理を示すフローであり、(b)は、タイマ割込み処理における各処理を示すフローである。
【
図8】メダル数制御CPUの動作(メダル数制御処理)を示すフローチャートである。(a)は、電源投入(電源ON)以降の各処理からなる基本処理を示すフローであり、(b)は、タイマ割込み処理における各処理を示すフローである。
【
図9】エラー発生時における主制御処理を示すフローチャートである。
【
図10】エラー発生時におけるメダル数制御処理を示すフローチャートである。
【
図11】主制御CPUにおける設定確認開始から設定確認終了までの処理を示すフローチャートである。
【
図12】主制御CPUから送信されるコマンドバッファの構成を示す図である。
【
図13】遊技メダル数表示装置のドット部の表示態様を示す図である。
【
図14】VL(接続確認用電源)がOFF時の通番処理を示すフローチャートである。
【
図15】計数ボタン操作に基づく計数処理を示すタイムチャートである。(a)は一般的な仕様を示し、(b)は本処理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態の遊技機は、実物のメダル(遊技媒体)を使用せずに遊技が行われるとともに、遊技に使用可能なメダルをデータとして管理し、当該データ形式の疑似遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機(以下、メダルレス遊技機1という)である。
以下、メダルレス遊技機1として、AT(ART)状態を有する6号機のスロットマシンに適用した例を説明するが、これに限らず、例えば、リアルボーナスの遊技が可能なAタイプのスロットマシンに本発明を適用することもできる。
なお、メダルレス遊技機1で使用されるデータとしてのメダルを「遊技メダル」と称する。
【0008】
図1は、メダルレス遊技機1の外観を示す概略正面図である。
図2は、メダルレス遊技機1の内部構成を示す概略斜視図である。
図1、2に示すように、メダルレス遊技機1は、筐体1bと、この筐体の開口部を開閉可能に覆う前扉1aを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41(回胴)に表された図柄を視認することができる。
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の周辺に、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、計数ボタン2c、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5などの操作手段や、遊技メダル数表示装置7(7セグメント表示装置7ともいう)、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2fなどの報知手段を設けている。
表示窓6の側部には、有利区間ランプ13を設けており、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプを備えている。
前扉1aの上部には、報知手段として動作する表示器8を備えている。表示器8は、例えば、1画面の液晶表示器を例示することができるが、これに限らず、複数画面の構成(例えばメイン画面とサブ画面)でもよい。なお、表示器8に代え又は加えて前扉1aの下部(下パネル)に液晶表示器を設けても良く、必ずしも表示器8を設けなくてもよい。
【0009】
表示器8の側方には、報知手段として動作する、音による演出や報知を行うスピーカ9や、各役の入賞時や表示器8で表示される演出に対応して光の演出や報知を行うランプを備えている。
【0010】
筐体1bの内部には、遊技を統括的に制御するCPUを実装した主制御部10を備え、また、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行うCPUを実装した副制御部20を備えている。
また、筐体1bの内部には、ドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設される3つのリール41a~41cを備え、これらリール41が、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
各リール41a~41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
筐体1bの内部には、主制御部10及び副制御部20を含む各装置に電力を供給するための電源装置15を設けている。
筐体1bの内部には、遊技メダル数クリアボタン14や確率設定装置16が設けられており、台間装置である専用ユニット19が、各メダルレス遊技機1に対応して遊技機の外部に隣接されている(図示省略)。
【0011】
図3に示すように、主制御部10には、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5、専用ユニット19、ドラムユニット4、有利区間ランプ13、計数ボタン2c、遊技メダル数表示装置7、遊技メダル数クリアボタン14、確率設定装置16、電源装置15などの各部が接続されている。
なお、
図3の破線部(専用ユニット19)は外部装置であることを示している。
主制御部10は、遊技に関する抽選を実行可能な抽選手段として機能するほか、上記各部の動作を検知・制御したり、遊技状態を移行したり、所定のタイミングで、所定のコマンド(制御情報)を副制御部20に出力する。
副制御部20には、ナビランプ、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2f、表示器8、スピーカ9、ランプなどの各部が接続されている。
副制御部20は、演出制御手段として動作し、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、上記各部の動作を制御する。
【0012】
要部の動作について説明する。
遊技メダル数表示装置7は、
図4に示すように、7セグメントLEDで構成された数字表示部7sと、点状のLEDで構成されたドット部7dとを含む7セグメント表示装置7により構成される。
7セグメント表示装置7は、一般には、数字表示部7sにおいて英数字を表示し、ドット部7dにおいて小数点を表示するために広く用いられる表示デバイスである。
数字表示部7s及びドット部7dは、7セグメント表示装置7に含まれることで一体に構成されている。
数字表示部7sは、遊技価値表示手段として機能することで、遊技に使用可能な遊技メダル(遊技価値)の総数を表示する。
ドット部7dは、数字表示部7s(遊技価値表示手段)と異なる表示手段であって特定情報を表示する特定表示手段である。
図4に示す遊技メダル数表示装置7は、数字表示部7s(遊技価値表示手段)とドット部7d(特定表示手段)とが、5桁(最右が1桁目、最左が5桁目)で構成されている。
遊技者は、遊技メダル数表示装置7(数字表示部7s)に表示されている遊技メダル数の範囲内で遊技メダルを投入して遊技を行うことができる。
遊技メダル数表示装置7は、記憶手段(メモリなど)と表示手段とを備え、主制御部10は、遊技メダルが貸し出されたり払い出された場合は、その貸出数(貸出メダル数)や払出数を加算することで、加算結果(総計)を「遊技メダル数」として記憶手段に記憶(記録)し、表示手段に表示する。
また、主制御部10は、遊技メダルが投入されると、遊技メダル数表示装置7において「記憶・表示」している「遊技メダル数」から投入数を減算する。
遊技メダルの貸出しは、台間装置である専用ユニット19の貸出操作により行われ、遊技メダルの投入は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作(ベット操作)により行われる。
遊技メダル数表示装置7において記憶・表示可能な遊技メダル数(遊技価値の量)には、上限値(例えば16300とする)が設定されており、例えば入賞による払出しにより遊技メダルの総計が上限値を超過すると遊技ができないように「遊技不可」の制御が実行される。
「遊技不可」の状態では、スタートレバー3、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2dの各操作を受付けないようにしている。
【0013】
ベットボタン2a及びMAXベットボタン2bは、遊技の開始に際して遊技メダルを投入(ベット)するために使用される操作手段である。
ベットボタン2aは、押圧操作によりベット数「1」を設定(記憶)し、MAXベットボタン2bは、最大のベット数「3」を設定(記憶)する。
主制御部10は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの押下操作に応じ、対応するベット数を遊技メダル数表示装置7にて記憶・表示されている遊技メダル数から減算する。
【0014】
スタートレバー3は、遊技メダルが投入された後に、遊技者が遊技を開始する際に操作する操作手段である。
停止ボタン5は、スタートレバー3の操作に応じて回転するリール41を停止する際に押圧操作する操作手段である。
【0015】
計数ボタン2cは、遊技者が獲得した遊技メダルを計数処理する場合に操作する操作手段である。
具体的には、計数ボタン2cは、遊技メダル数表示装置7に表示される遊技メダル(遊技価値)の少なくとも一部を計数データとして専用ユニット19(外部)に出力するために操作する計数操作手段である。
このため、計数ボタン2cは、遊技を終了する際において操作されるが、これに限らず、原則いつでも(遊技中や遊技不可の状態でも)操作可能である。
計数ボタン2cは、押下態様によって計数の量が異なる。
例えば、計数ボタン2cが「短押し」(例えば500ミリ秒未満押下)された場合、主制御部10は、「1」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち計数量「1」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算する処理を実行する。
計数ボタン2cが「長押し」(例えば500ミリ秒以上押下)された場合、主制御部10は、最大「50」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち、最大計数量「50」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量(最大「50」)を減算する処理を実行する。
例えば、遊技メダル数表示装置7において「50以下」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cが長押しされた場合、最大「50」の遊技メダルが計数されることから、すべての遊技メダル数が計数される。
この場合、主制御部10は、計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量を減算する。
この結果、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は「0」に更新される。
また、遊技メダル数表示装置7において「50超」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cの長押しが継続された場合、1回目の長押し検知に応じ遊技メダル数「50」が計数され、2回目以降の長押し検知のたび(例えば300ミリ秒ごと)に最大「50」の遊技メダルが計数される。
この場合、主制御部10は、計数総量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数総量を減算する。
なお、長押し継続に基づく専用ユニット19への計数データの出力は、長押し継続の終了時に計数総量を特定可能な計数データを一括で出力してもよく、長押し検知のたびに計数量(最大50)を特定可能な計数データを個別出力してもよい。
専用ユニット19側では、例えば返却ボタンが操作されるまでの計数量の総数を持メダル数として管理する。
また、通常の計数ボタン2c以外に、例えば短押しで100枚計数できるボタンや、長押ししても500枚までで止めてくれる計数ボタンなど、別個の計数ボタンを設けてもよい。
なお、上記計数処理は基本的な処理の一例を示すものであり、本実施形態に係るメダルレス遊技機1の詳細な計数方法については、後記「B7」において説明する。
【0016】
このように、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は、計数処理によって減算することができる。
このため、遊技メダル数が上限値を超過することで「遊技不可」の状態になった場合、対処方法として、計数ボタン2cの操作により遊技メダル数を上限値以下に減らすことで「遊技不可」の状態を解除することができる。
【0017】
遊技メダル数クリアボタン14は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数をリセットする(0にする)ための店員用の操作手段である。
遊技メダル数クリアボタン14が操作された場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「0」に更新する。
このため、「遊技不可」の状態は、店員による遊技メダル数クリアボタン14の操作によっても解除することができる。
【0018】
精算ボタン2dは、設定されたベット数を遊技メダル数表示装置7に返却する場合に操作する操作手段である。
例えば、ベット数「1」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダルに「1」を加算する。
ベット数「2」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数に「2」を加算する。
ベット数「3」が設定された状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数に「3」を加算する。
つまり、精算ボタン2dは、ベット数(掛け数)として設定された遊技メダル(遊技価値)を、遊技メダル数表示装置7に表示される遊技メダル数(遊技価値)に加えるために操作可能な特定操作手段である。
このため、遊技者は、遊技を終了する場合、ベット数ランプ2fが点灯していることによりベット数が設定されていることを確認したときは、精算ボタン2dを押下すればよい。
これにより、設定中のベット数の遊技メダル数が遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に加算されるため、その後、計数ボタン2cを押下操作すればベット数も合わせて返却することができる。
【0019】
なお、ベットボタン2aなど他の操作手段に精算ボタン2dの機能を持たせることもできる。
例えば、ベットボタン2aを「短押し」した場合はベット数「1」を設定し、ベットボタン2aを「長押し」した場合は精算ボタン2dの動作(上記返却動作)を行うようにできる。
【0020】
ベット数ランプ2fは、ベット数が設定されたことや、ベット数(1~3ベット)をLEDの点灯により、遊技開始前に報知する報知手段である。
副制御部20は、ベット数「1」が設定された状態において1つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」のランプ)を点灯し、ベット数「2」が設定された状態において2つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」と「2BET」のランプ)を点灯し、ベット数「3」が設定された状態において3つのランプ(例えば、
図1に示す「1BET」と「2BET」と「3BET」のランプ)を点灯する制御を行う。
すなわち、ベット数ランプ2fは、掛け数表示手段であり、遊技における掛け数として設定されたベット数(遊技価値)を少なくとも遊技開始前に表示するようにしている。
副制御部20は、遊技の開始(スタートレバー3の操作)を検知すると、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
また、副制御部20は、精算ボタン2dの操作に応じ、ベット数に対応する遊技メダルが投入されたことを検知すると、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
つまり、ベット数ランプ2fは、ベット数が設定された状態において点灯し、遊技メダルの投入に応じて消灯する。
【0021】
有利区間ランプ13は、遊技者にとって有利な状態である旨を報知する報知手段である。
有利区間ランプ13は、有利区間中に点灯するが、有利区間中で、かつ、メダルが増加する遊技状態(AT等)中に点灯するようにしてもよい。
ただし、有利区間ランプ13を設けつつ、ランプを点灯しないようにもできる。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよい。この場合、AT中の認識が困難にならないように、有利区間ランプ13に代えてAT中に点灯するランプなどを設けることが好ましい。
【0022】
確率設定装置16はATの当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能である。
主制御部10は、遊技場の店員による確率設定装置16における確率設定操作に基づき、何れか1つの設定値を記憶部に記憶し、当該記憶された設定値に基づいてATの当選確率を制御する。例えば、設定1が最も低い当選確率であり、大きい数字ほど当選確率が高くなっている。
【0023】
(設定値の設定方法)
設定キー(図示略)を確率設定装置16のキー挿入口に挿入して所定方向に回転させた状態(ON状態)で、メダルレス遊技機1の電源を投入すると、RAM(後述するRAM1)の特定領域がクリア(RAMクリア)され、設定表示器(図示略)にその時点の設定値が表示される。
次に、設定ボタンの操作により所望の設定値への変更操作を行った後、例えば、スタートレバー3の操作により、所望の設定値への変更が行われる。
設定値の変更が行われた後にも、RAM(後述するRAM1)の特定領域がクリアされる。
つまり、設置値の変更時には、設定変更前と設定変更後でそれぞれRAMクリアが実行される。
【0024】
(設定値の確認方法)
メダルレス遊技機1の電源投入後、確率設定装置16のキー挿入口に設定キーが挿入して所定方向に回転させる(ON状態にする)ことで、その時点の設定値を設定表示器に表示させることができる。
設定値の確認を終了する場合、設定キーを反対方向に回転させる(OFF状態にする)。
【0025】
専用ユニット19は、遊技メダルの貸し出しを行う貸出装置である。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1の外部に併設され、メダルレス遊技機1とは接続端子19aを介してデータ通信可能に接続されている。
専用ユニット19において現金の投入(紙幣)などの貸出操作が行われると、専用ユニット19は、遊技メダルの貸出数(貸出メダル数)を特定可能な貸出データ(貸出情報)をメダルレス遊技機1に出力する。
メダルレス遊技機1では、主制御部10が、入力した貸出データ(貸出情報)に基づいて遊技メダルの貸出数(貸出メダル数)を特定し、当該貸出数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数に加算する。
【0026】
専用ユニット19は、遊技メダルの返却を行う返却装置でもある。
具体的には、メダルレス遊技機1は、計数ボタン2cの操作に基づき、遊技メダルの計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1から出力された計数データを入力すると、当該計数データに基づき特定された遊技メダルの計数量を持メダル数として管理する。
専用ユニット19は、カードユニット(図示省略)を備えており、カードユニット(図示省略)において持メダル数をICカードに記憶(記録)することができる。
ICカードは、返却操作(返却ボタンの押下)によりカードユニットから排出されることができる。
排出されたICカードは、遊技場に設けられた景品交換コーナーに渡すことで、持メダル数と景品とを景品交換したり、他の専用ユニット19のカードユニットに挿入することで、持メダル数を使用して再遊技することができる。
専用ユニット19と遊技メダル数表示装置7とは連動しており、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数が少なくとも「1」以上あればICカードを返却操作により排出できず、遊技メダル数が「0」の場合に限りICカードを返却操作により排出できるようになっている。
つまり、遊技者は、遊技メダル数をすべて計数した後でなければICカードを取得することができない。
これにより、遊技者が、残存する遊技メダルの返却漏れを無くすことができる。
【0027】
専用ユニット19は、ホールコンピュータや管理コンピュータや呼ばれるコンピュータと中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、アウト、セーフなどの遊技情報や売上情報等をコンピュータに出力できるようになっている。
これにより、例えば、コンピュータにおいてアウト数、セーフ数、景品玉数などを遊技機毎に集計したり、これらの遊技情報により誤差玉を算出できるようになっている。
【0028】
(主制御CPUとメダル数制御CPUについて)
図5は、メダルレス遊技機における主制御CPU11及びメダル数制御CPU12の制御構成を示す図である。
図5は、
図3に示す各構成が、主制御CPU11とメダル数制御CPU12のうちいずれかによって制御・管理されるかを示す図であることから、
図3の詳細図でもある。
図5に示すように、本実施形態のメダルレス遊技機1は、主に遊技を制御・管理する主制御CPU11と、メダル数を制御・管理するメダル数制御CPU12の、2つのCPUを備え、それぞれが各構成部の管理・制御を担っている。
主制御CPU11及びメダル数制御CPUは、それぞれ異なる基板(主制御基板とメダル数制御基板)に搭載されているが、1つの基板(主制御基板)に搭載されてもよい。
主制御基板には、主制御CPU11のほか、図示しないROMやRAM(RAM1と称する)などの記憶手段、通信手段などが実装されている。
ROMは、主制御CPU11が実行するプログラムや各種テーブルなどを記憶し、RAM1は、主制御CPU11がプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。
主制御CPU11は、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5、ドラムユニット4、有利区間ランプ13、確率設定装置16の管理・制御を行う。
メダル数制御基板には、メダル数制御CPU12のほか、図示しないROMやRAM(RAM2と称する)などの記憶手段、通信手段などが実装されている。
ROMは、メダル数制御CPU12が実行するプログラムや各種テーブルなどを記憶し、RAM2は、メダル数制御CPU12がプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。
メダル数制御CPU12は、遊技メダル数表示装置7(数字表示部7s及びドット部7d)、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14の管理・制御を行う。
メダル数制御CPU12は、接続端子19aを介して専用ユニット19と接続されている。
主制御CPU11及びメダル数制御CPU12は、電源装置15と接続されており、電断状態を把握できるようになっている。
主制御CPU11とメダル数制御CPU12は、それぞれに通信手段を備え、互いに所定情報を送受信できるように接続されている。
【0029】
図6は、主制御CPU11とメダル数制御CPU12と専用ユニット19との通信態様を示す図である。
同図に示すように、主制御CPU11及びメダル数制御CPU12は、互いに、シリアル通信が可能なシリアル通信手段と、入出力ポートを介して所定情報の通信が可能なポート通信手段と、を備えている。
入出力ポートは、入力ポートと出力ポートから構成される。
主制御CPU11の出力ポートから出力(送信)された情報はメダル数制御CPU12の入力ポートから入力(受信)され、メダル数制御CPU12の出力ポートから出力(送信)された情報は主制御CPU11の入力ポートから入力(受信)される。
つまり、主制御CPU11とメダル数制御CPU12とは、シリアル通信と入出力ポートという2つの通信手段を備えており、それぞれの通信手段を介して所定情報を送受信できるようになっている。
メダルレス遊技機1は、専用ユニット19と通信可能に接続されているところ、詳細には、
図6に示すように、メダル数制御CPU12と専用ユニット19とが直接通信できるように接続されており、主制御CPU11は、メダル数制御CPU12を介して間接的に専用ユニット19との通信が可能になっている。
【0030】
ところで、予期せぬ停電等からメダルレス遊技機1への電力供給の停止(以下、電断ともいう)が発生する場合があるが、その場合に備え、主制御CPU11及びメダル数制御CPU12は電断を監視し(電断監視処理)、電断を検出した場合に電断処理を実行する。
具体的には、メダルレス遊技機1の筐体1bの下部に設置される電源装置15は、メダルレス遊技機1に供給される商用電源の電圧等を常に監視し、この電圧等が所定値まで下がると、電断が発生したことを示す電断信号を主制御CPU11に送信する。
主制御CPU11は、電源装置15から送信される電断信号を検出する機能を備えている。
主制御CPU11は、電源装置15から電断信号を受信すると、電断時における所定の遊技情報を、バックアップ情報として、RAM1等の記憶手段に記憶させる電断処理を実行する。
具体的には、電断処理において、主制御CPU11は、電源装置15から送信された電断信号を受信すると、バックアップ用電源からRAM1に動作電源を供給するとともに、受信時の遊技情報をRAM1に記憶させ、所定時間経過後、そのバックアップ用電源からの動作電源の供給を停止する。
このとき、RAM1に記憶される遊技情報には、例えば、遊技状態、当選役、各リール41a~41cの停止態様等に加え、ベット数(1~3ベット)等の遊技メダル数に関する情報が含まれている。
また、電源装置15は、電源復帰により、所定値を超える電圧等を検出すると、電源復帰を示す電源復帰信号を主制御CPU11に送信する。
主制御CPU11は、電源復帰信号を受信すると、RAMに1記憶した遊技情報を読み出して遊技を再開する電源復帰処理を実行する。
例えば、主制御CPU11は、電源復帰処理において、遊技情報を副制御部20に送信する。
つまり、主制御CPU11は、電源復帰信号を受信すると、読み出した遊技情報に基づいて電源断直前の状態に復帰させる。
これにより、副制御部20は、電源断直前の遊技状態に基づいて演出を再開することができる。
上述した電断は、主制御CPU11だけでなく、メダル数制御CPU12でも検知される。
【0031】
(主制御CPUとメダル数制御CPUの各動作について)
図7は、主制御CPU11の動作(主制御処理)を示すフローチャートである。
図7(a)は、電源投入(電源ON)以降の各処理からなる基本処理を示すフローであり、
図7(b)は、タイマ割込み処理における各処理を示すフローである。
図8は、メダル数制御CPU12の動作(メダル数制御処理)を示すフローチャートである。
図8(a)は、電源投入(電源ON)以降の各処理からなる基本処理を示すフローであり、
図8(b)は、タイマ割込み処理における各処理を示すフローである。
【0032】
図7(a)に示すように、主制御CPU11は、電源投入時には、RAM1の記憶データに異常がないかなどを確認するRWMチェック処理を実行し(S101)、その後、設定値の変更処理を実行する設定変更処理を実行する(S102)。
【0033】
次に、主制御CPU11は、遊技者のベット操作に応じ遊技メダルを投入する投入処理を実行する(S103)。
具体的には、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作に応じ、1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数を設定する。
遊技メダル数表示装置7において遊技メダル数「100」が表示されている状態で、ベット数「3」が設定された場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「100」から「97」(=100-3)に更新され、副制御部20は、ベット数ランプ2fが有する3つのランプをすべて点灯させる。
1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数(例えば3ベット)が設定されると、遊技開始可能な状態となり、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。
【0034】
次に、主制御CPU11は、図柄抽せん処理を実行する(S104)。
具体的には、遊技開始な状態において、スタートレバー3が傾動操作されるとゲームが開始され、主制御部CPU11は、複数の当選役の中から、今回ゲームの当選役を決定する内部抽選処理を実行する。
内部抽選処理は、乱数発生器(図示略)からの乱数をサンプリングする処理等を行い、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。
抽選処理は、当選役に対応する図柄の組み合わせを決定することから図柄抽選処理とも称される。
副制御部20は、スタートレバー3の傾動操作に応じ、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
ベット数ランプ2fの消灯により、投入(ベット)された遊技メダル数が使用されたことが示される。
【0035】
次に、主制御CPU11は、回胴(リール)回転処理を実行する(S105)。
具体的には、複数の図柄の表されたリール41a~41cの変動を開始させる。各リール41a~41cは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0036】
次に、主制御CPU11は、回胴停止処理を実行する(S106)。
各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、主制御CPU11は、操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止表示するように、各リール41a~41cの停止制御を行う。
【0037】
次に、主制御CPU11は、入賞/作動処理を実行する(S107)。
具体的には、リール41の停止制御では、停止ボタン5の操作タイミングに基づき、内部抽選処理の当選結果に応じた図柄の組合せで停止するように制御が行われるところ、第3停止操作後に、有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定する。
なお、第3停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいい、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作(第3停止操作)されたリールをいう。
【0038】
そして、主制御CPU11は、払出処理を実行する(S108)。
特定の小役について入賞したことが判定された場合、対応する数の遊技メダルを払い出す処理を実行する。
例えば、10枚払出役に入賞したことを判定した場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に払出数「10」が加算される。
【0039】
図7(b)に示すように、主制御CPU11は、一定周期で基本処理に割り込むタイマ割込み処理として、電断の発生を監視する電断監視処理(S111)、入力ポートからON/OFF信号を入力するポート入力処理(S112)、条件成立に応じリール動作を制御する回胴制御処理(S113)、メダル数制御CPU12からの情報を受信するメダル数制御受信処理(S114)、メダル数制御CPU12に対し情報を送信するメダル数制御送信処理(S115)、出力ポートからON/OFF信号を出力するポート出力処理(S116)を実行し、その後、基本処理に復帰する。
【0040】
図8(a)に示すように、メダル数制御CPU12は、電源投入時には、RAM2の記憶データに異常がないかなどを確認するRWMチェック処理(S121)を実行し、その後、RAM2に記憶している遊技メダル数を初期化するメダル数クリア処理(S122)を実行する、という基本処理を実行する。
図8(b)に示すように、メダル数制御CPU12は、一定周期で基本処理に割り込むタイマ割込み処理として、電断の発生を監視する電断監視処理(S131)、入力ポートからON/OFF信号を入力するポート入力処理(S132)、主制御CPU11との間でシリアル通信を実行する主制御通信処理(S133)、専用ユニット19との間でシリアル通信を実行する専用ユニット通信処理(S134)、エラー情報やユニット接続状態、ベットできるかの情報などを更新する処理(例えば、S134の専用ユニット通信処理において、50枚の貸出情報を受信したことに応じ、メダル数が0枚から50枚に変更されて、ベット状態情報をベットできる状態を示す情報に更新する処理)にメダル数が主制御出力情報更新処理(S135)、役物比率、連役比率などの役比情報を算出する役比モニタ処理(S136)、出力ポートからON/OFF信号を出力するポート出力処理(S137)を実行し、その後、基本処理に復帰する。
なお、メダル数制御CPU12は、専用ユニット19との通信を、シリアル通信だけでなく入出力ポートを介したON/OFF信号に基づいて実行してもよい。
【0041】
(主制御処理に関する各種処理)
(A1)設定変更処理においては、設定変更前と設定変更後でRWMクリア領域(RAM1のクリア領域)を異ならせた。
具体的には、設定変更前と設定変更後においてそれぞれRAMクリアを実行しているが、設定変更後は通信に関係する情報が保存される領域はクリアしないこととした。
「通信に関する情報」には、例えば、コマンドのキュー、送受信のステータス情報、メダル数制御CPU12からの入力信号などがある。
これは、主制御CPU11は、設定変更中の情報をメダル数制御CPU12に通知するため、設定変更中もメダル数制御CPU12と通信を継続する必要があり、また、設定変更後のクリアもタイマ割込み処理で通信を継続するため、通信に関する情報は設定変更後にクリアできないためである。
なお、以上の処理は、主制御処理の設定変更処理(S102)に関する処理である。
【0042】
(A2)メダル数制御CPU12におけるエラー解除は、主制御CPU11からの命令に基づき実行するところ、入出力ポートとシリアル通信の双方を使用して実行することとした。
「メダル数制御CPU12におけるエラー」には、例えば、RAM系のエラー、通信エラー、メダル数上限エラーなどがある。
図9及び
図10を参照しながら処理方法を説明する。
図9は、主制御CPU11における処理を示すフローチャートであり、
図10はメダル数制御CPU12における処理を示すフローチャートである。
なお、前提として、メダル数制御CPU12は、エラー発生を検知するとエラー信号:ONを出力ポートから出力し、主制御CPU11は、入力ポートから当該エラー信号:ONを入力する。また、主制御CPU11は、リセットボタン(図示略)の押下に応じエラー解除コマンドをシリアル通信で送信すると共に、エラー解除信号:ONを出力ポートから出力し、メダル数制御CPU12は、当該エラー解除コマンドをシリアル通信で受信すると共に入力ポートからエラー解除信号:ONを入力する。
【0043】
図9に示すように、主制御CPU11では、メダル数制御のエラー入力信号:ONの入力を判定する(S201)。
S201において、エラー信号:ONを入力した場合(S201-Yes)、主制御CPU11は、遊技停止してエラー表示を行う(S202)。
「遊技停止」とは、例えば、操作ボタンからの操作を受け付けない(無効化)などの処理を実行することであり、「エラー表示」とは、例えば、表示器8にエラーが発生したことを示す情報を表示することである。
主制御CPU11は、リセットボタンの押下を監視している(S203)。
S203において、リセットボタンの押下を検出した場合(S203-Yes)、主制御CPU11は、出力ポートからエラー解除信号:ONを出力する(S204)。
また、主制御CPU11は、シリアル通信を介し、エラー解除コマンドを送信する(S205)。
その後、主制御CPU11は、50msの待機時間が経過した(S206)後に、出力ポートからエラー解除信号:OFFを出力する(S207)。
次に、主制御CPU11は、シリアル通信が正常終了したか否かを監視する(S208)。
S208において、通信の正常終了が確認された場合(S208-Yes)、遊技停止を解除する(S209)。
S208において、通信の正常終了が確認されなかった場合(S209-No)、S203に戻る。
【0044】
図10に示すように、メダル数制御CPU12は、エラー発生を監視している(S211)。
メダル数制御CPU12は、エラー発生を検知すると(S211-Yes)、エラー表示を実行する。例えば、遊技メダル数表示装置7に所定のエラー情報を表示する。
このとき、メダル数制御CPU12は、遊技メダル数の計数は可能だが、主制御CPU11との通信が不可能な状態になっている。
ここで、メダル数制御CPU12では、主制御CPU11からのエラー解除信号:ONを入力したか否かを判定する(S213)。
S213において、エラー解除信号:ONを入力した場合(S213-Yes)、メダル数制御CPU12は、エラー解除を実行する(S214)。
このように、メダル数制御CPU12は、単体でエラー解除はできず、主制御CPU11において行っているシリアル通信でエラー解除が確認できた場合を前提に、メダル数制御CPU12にてエラー解除信号:ONを受信したときにエラー解除を行うようにしている。
つまり、入出力ポートとシリアル通信の双方を使用してメダル数制御CPU12のエラー解除を行う。
メダル数制御CPU12においてコマンドを受信できなかった場合は、主制御CPU11でACK(メダル数制御CPU12からの応答信号)を受信できないはずなので主制御CPU11では再度エラーとなり、メダル数制御CPU12もエラーとなるようにしている。
これにより、例えば、不正器具の使用や基板故障によりメダル数制御CPU12においてエラーが発生したとしても、容易にエラー解除できないため、不正行為をし難くできる。
以上は、メダル数制御CPU12のエラー時の動作だが、主制御CPU11の単体でのエラーでも同様のシーケンスで動作が実行される。
なお、以上の処理は、主制御処理のポート出力処理(S116)、メダル数制御受信処理(S114)、メダル数制御送信処理(S115)、及び、メダル数制御処理のポート入力処理(S132)、主制御通信処理(S133)に関する処理である。
【0045】
(A3)主制御処理において、エラー解除後に50msの待機時間を設けた。
これは、主制御CPU11におけるエラー解除と、メダル数制御CPU12におけるエラー解除を兼ねているためである。
具体的には、エラー解除後におけるシリアル通信の完了を50ms固定で待機し、当該50ms経過後にシリアル通信が終了していなければ再度エラー状態になるようにした。
50msの待機時間を設けたのは、エラー解除信号をメダル数制御CPU12に検知させるためと、メダル数制御CPU12との間で送受信するコマンドの処理をタイマ割込み側で終了させるためである。
すなわち、このコマンドの送受信はタイマ割込み処理で行っており(S114,S115)、メインループ(主制御処理)ではコマンドの送信処理の終了時間を特定していないため、理論上、終了しているはずと思われる時間(50ms)を固定で待ってから「通信は正常終了」を確認する。
この制御は、
図9及び
図10で示す処理とも関連しており、主制御CPU11の単体のエラー(例えば乱数発生器における乱数クロック異常エラーなどの乱数異常)のみが発生して、メダル数制御CPU12でエラーが発生していない場合でも、同様に、主制御CPU11はメダル数制御CPU12にエラー解除信号を出力する。
これにより、RAM1の容量を削減でき、主制御処理に分岐を作らずに、メダル数制御にて判断させることができる。
なお、以上の処理は、主制御処理のポート出力処理(S116)、メダル数制御受信処理(S114)、メダル数制御送信処理(S115)、及び、メダル数制御処理のポート入力処理(S132)、主制御通信処理(S133)に関する処理である。
【0046】
(A4)設定値の確認方法において、設定確認開始から設定確認終了までの間に待機時間を設けている。
具体的には、
図11に示すように、設定キーがON操作された場合(S301-Yes)、主制御CPU11は、設定値を設定表示器に表示(設定表示ON)し(S302)、設定確認開始コマンドをメダル数制御CPU12に送信する(S303)。
そして、主制御CPU11は、その後、50ms待機(S304)した後、設定キーがOFF操作された場合(S305-Yes)、設定値を非表示(設定表示OFF)にして(S306)、設定確認終了コマンドをメダル数制御CPU12に送信する(S307)。
これは、設定確認が行われた場合、専用ユニット19にそのことを通知する必要があるところ、その前に、専用ユニット19と通信を行っているメダル数制御CPU12にコマンドを送信する必要があることに起因する処理である。
詳細には、仕様書上、設定確認移行に必要な時間(設定キーがONにされてからOFFにされるまでの時間)は約5ms、つまり、設定確認を終了するのに必要な時間は約5msが推奨されているが、設定確認コマンドを送信するために必要な時間は10ms以上であり、連続で設定キーをON/OFF操作されてしまうとコマンドバッファがパンクする。
このため、設定確認開始から設定確認終了までの間に50msの待機時間を設けてパンクが発生しないようにしている。
なお、50msの待機中にメダルレス遊技機1の電源をオフしたり、設定キーのOFF操作が行われると、次回の電源投入時に同じ状態で復帰することになる。
以上の処理は、主制御処理のメダル数制御受信処理(S114)、メダル数制御送信処理(S115)に関する処理である。
【0047】
(A5)コマンドバッファを10バイトに設定している。
図12は、コマンドバッファの構成を示す図である。
コマンドバッファの各バイトには、各種コマンドと付随するパラメータを格納する。
例えば、
図12に示すように、01H(1バイト目)には電源コマンドを格納し、02H(2バイト目)には設定確認開始コマンドを格納し、03H(3バイト目)には設定確認終了コマンドとパラメータ:設定値を格納し、04H(4バイト目)には遊技開始コマンドとパラメータ:設定値・小役グループ番号・役物番号を格納する。
コマンドバッファのキューは、以下の手順で各処理を実行する。
(1)コマンドの送信時は最後の空きに当該コマンドを登録する。
(2)コマンドを登録する際はタイミングを示す最初の1バイトのみコマンドバッファに書き込む。
(3)コマンド送信可能ならバッファ先頭のコマンドを送信する。
(4)コマンド送信の際にパラメータも付加して送信する(送信タイミングにラグがあるため最新のパラメータを送信する)。
(5)コマンドの送信が完了したら左にシフトする。
このように、コマンドバッファは、設計上、すべて使われることがないバイト数(本例の場合10バイト)で構成している。
図12に示す例では、最速で操作がなされても5バイトしか使用されないが、余裕をもって10バイトに設定している。
なお、前記「5バイトの使用」は、01H~04Hの4バイトは既に各種コマンドが登録され、かつ、上記(1)の「コマンドの送信時は最後の空き(04Hの後の1バイト)に当該コマンドが登録されるからである。
なお、以上の処理は、主制御処理のメダル数制御送信処理(S115)に関する処理である。
【0048】
(A6)主制御処理における投入処理では、遊技メダル数が3枚投入されている状態で、1枚のメダル投入ボタンを押す(ベットボタン2aの操作を行う)と、精算及び投入動作を実行する。
実物のメダルを用いる従来のスロットマシンの場合、この操作によりメダルが貯留装置(ホッパー)に戻されるが、メダルレス遊技機1には貯留装置がないため精算することになる。
遊技メダル数表示装置7の表示上は、2枚だけ増えたように見えるが、実際には高速で3枚増えてから1枚減る処理がなされる。
なお、以上の処理は、主制御処理の投入処理(S103)に関する処理である。
【0049】
(A7)遊技終了時に専用ユニット19が接続されていなかった場合、1遊技情報が欠落する。
遊技終了を通知するために遊技終了時は、主制御部10から専用ユニット19にコマンドを送信する必要があるが、そのタイミングで専用ユニット19がメダル数制御CPU12と接続されていない場合でもコマンドを送信する。
専用ユニット19が接続されるまでコマンドをバッファしておくといった処理も考えられるが、そうすると、エラーから抜け出せない状態になってしまうおそれがある。
具体的には、遊技終了時に専用ユニット19と接続できていない場合、無限ループで待機する処理を行い専用ユニット19との接続を待つ処理を採用することも可能だが、その状態で電断し復旧する場合、主制御処理は当該無限ループで復帰してしまい、メダル数制御CPU12も主制御CPU11とのシリアル通信を確立できず、専用ユニット19との接続信号を送信できない。そうなると、主制御CPU11に専用ユニット19との接続信号が送信されることもないことから、結果的にエラーから抜け出せない状態となってしまう。
このため、このような処理を採用しない以上、遊技終了時に専用ユニット19が接続されていなかった場合、1つの遊技情報が欠落することになる。
なお、以上の処理は、主制御処理の払出処理(S108)に関する処理である。
【0050】
(A8)メダル数制御CPU12から主制御CPU11に送信されるエラー信号は入力ポートで監視しているが、具体的には、2割込み間のONで判定している。
「2割込み間のON」とは、タイマ割込みにおいて、連続する2つの周期中においてそれぞれエラー信号:ONを検出することである。
すなわち、主制御CPU11とメダル数制御CPU12との間の信号の送受信は入出力ポートを介して実行しているが、ノイズ対策のフィルタとしてONと判定するため2割込み間のONで判定している。
なお、以上の処理は、主制御処理のポート入力処理(S112)に関する処理である。
【0051】
(A9)RAMには特定領域(領域内)と特定領域外の領域(領域外)とがあり、領域内では主に遊技の実行(遊技停止を含む)のための使用が許容され、領域外は、不正監視やエラー報知など不正対策のための使用しか許容できないように、仕様書で定められている。
つまり、領域外を使用した遊技停止は禁止されていると解釈されるところ、本実施形態のメダルレス遊技機1は、RAMチェック失敗時の無限ループ時は不正対策の一環と解釈して領域外で行うこととした。
そもそも、RAMチェック失敗ということはスタックポインタの値も保証されないため領域内に戻れない可能性があるからでもある。
なお、以上の処理は、主制御処理のRWMチェック処理(S101)に関する処理である。
【0052】
(A10)主制御処理においては、CPUの機能により判定される乱数異常が発生しても遊技中は専用ユニット19に通知せず、遊技終了時に通知する。
遊技中は報知できないためであり、遊技中に報知しても遊技を中止することができないためである。
なお、乱数異常は常時監視しているが、実際にエラーが発生したタイミングでは専用ユニット19には報知せず、遊技が止められる状況になってから専用ユニット19にも報知する。
つまり、メダルレス遊技機1と専用ユニット19が同時に報知を開始するようにしている。
以上の処理は、主制御処理の払出処理(S108)に関する処理である。
【0053】
(メダル数制御処理に関する各種処理)
(B1)メダル数制御CPU12は、リードライトチェックなどのRAMチェック等でエラーが発生した場合には起動しない。
なお、主制御CPU11でリードライトチェックが発生した場合にはエラー表示するがメダル数制御CPU12では表示しない。
これは、メダル数制御CPU12でエラー表示するためには一部のRAMを使わないとできず、かつ、タイマ割込みが必要(ダイナミック点灯制御のため)だからである。
主制御CPU11は、リードライトチェックでエラーとなった場合でもタイマ割込みを許可しているが、メダル数制御CPU12では、ほとんどの処理をタイマ割込みで行っているため、誤動作を防止するためにタイマ割込みを禁止したままエラー状態にする。
リードライトチェックで失敗ということは一部のRAMに異常があるということなので、エラー表示すること自体が危険だが、主制御CPU11は基本的にはタイマ割込みだけでは動けないが、メダル数制御CPU12はほぼタイマ割込みで動いているため、最悪すべての機能が動いてしまうおそれがあるためこれを回避するため起動しないようにしている。
例えばエラーを判定するRAMが0固定となってしまった場合、タイマ割込みを許可するとエラー状態なのに復帰する誤動作が発生し得ることから、当該誤動作を回避するためにタイマ割込みを禁止したままにする。
なお、本実施形態のメダル数制御処理では遊技不可能となるエラーが以下の3つある。
(1)リードライトチェックエラー
この場合、タイマ割込みを許可せずに無限ループを行う。この場合、エラー表示は行わず、復帰もできない。
なお、再度、メダルレス遊技機1の電源を投入した場合には、チェックサムエラーとなる。
(2)チェックサムエラー
遊技メダル数表示装置7に「CS」とエラー表示して遊技不可能状態となる。
主制御CPU11からエラー解除信号(リセット操作)を受信するとエラー解除を行う。
(3)主制御情報未受信エラー
電源投入後に、主制御チップ情報を受信するはずだが、受信できなかった場合のエラーである。
メダル数表示装置7には「dC」と表示して遊技不可能状態となる。
主制御CPU11からエラー解除信号(リセット操作)を受信するとエラー解除を行う。
専用ユニット19との通信に主制御チップ情報が必須だからである。
なお、以上の処理は、メダル数制御処理のRWMチェック処理(S121)に関する処理である。
【0054】
(B2)専用ユニット19側に通知するエラーコードはビット割り当てにする。
例えば、bit0:設定値エラー、bit1:未使用、bit2:メダル数制御RWMエラー(RAM2のエラー)、bit3:メダル数制御通信エラー(メダル数制御CPU12との通信エラー)、bit4:メダル数制御メダル上限エラー(遊技メダル数の上限超過などのエラー)、bit5:乱数クロック異常エラーを割り当てることができる。
このように、エラーコードをビット割り当てにすることにより、1つのエラーコードで複合(複数種類)のエラーを認識できる。
なお、以上の処理は、メダル数制御処理のメダル数クリア処理(S121)、ポート出力処理(S137)、専用ユニット通信処理(S134)に関する処理である。
【0055】
(B3)チェックサムエラーで遊技メダル数がクリアされた場合でも、遊技メダル数クリアボタン14で遊技メダル数がクリアされた場合と同様の通知を専用ユニット19に送信する。
これにより、専用ユニット19に対してメダルクリアが行われたことを確実に通知することができる。
なお、以上の処理は、メダル数制御処理のメダル数クリア処理(S122)、ポート出力処理(S137)、専用ユニット通信処理(S134)に関する処理である。
【0056】
(B4)遊技メダル数表示装置(7セグメント表示装置)7におけるドット部7dに報知機能をもたせた。
遊技メダル数表示装置7を遊技メダル数の表示など本来の目的以外に使用することは禁止されているが、ドット部7dを別の表示器として区別して申請することでこれを可能にした。これにより、新たな表示機を搭載しなくてもよくなる。
図13は、ドット部7d(5桁=5個)に報知情報を割り当てて表示する場合の一例を示す図である。なお、桁数(個数)は5桁に限らず、4桁以下でも6桁以上でもよい。
図13の例では、1桁目から3桁目のドット部7dは未使用で、4桁目のドット部7dは遊技メダル数クリア情報を表示し、5桁目のドット部7dはVL情報を表示するようにしている。
「VL情報」とは、専用ユニット19とメダルレス遊技機1との間に接続されている接続確認用電源に関する情報であり、接続確認信号(VL接続信号)のON/OFFの情報である。
VL接続信号がONの場合、メダル数制御CPU12は、メダルレス遊技機1と専用ユニット19とが接続されていることを認識し、VL接続信号がOFFの場合、メダル数制御CPU12は、メダルレス遊技機1と専用ユニット19とが接続されていないことを認識する。
つまり、「VL情報」は、メダルレス遊技機1と専用ユニット19との接続状態に関する情報であり、メダルレス遊技機1は、メダルレス遊技機1と専用ユニット19との接続状態を判定する接続判定手段を備えている。
【0057】
この場合、遊技メダル数クリアボタン14による操作により、又は、チェックサムエラーにより、遊技メダル数がクリア(初期化)された場合、メダル数制御CPU12は、4桁目のドット部7dを所定時間(例えば5秒間)点灯するように制御する(
図13)。
つまり、ドット部7dに表示される特定情報には、数字表示部7s(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)を初期化する操作に関する情報が含まれる。
また、ドット部7dに表示される特定情報には、メダル数制御CPU12(制御手段)が制御するRAM2に記憶されるデータに対するチェックサム結果に関する情報が含まれる。
【0058】
また、メダル数制御CPU12は、VL情報に基づき、専用ユニット19との通信が正常な場合(メダルレス遊技機1と専用ユニット19とが接続されている場合)、5桁目のドット部7dを点灯するように制御し、専用ユニット19との通信が正常でない場合(メダルレス遊技機1と専用ユニット19とが接続されていない場合)、5桁目のドット部7dを消灯するように制御する(
図13)。
つまり、本実施形態のメダルレス遊技機1は、7セグメント表示装置7の数字表示部7s(遊技価値表示手段)及び7セグメント表示装置7のドット部7d(特定表示手段)の表示内容を制御可能なメダル数制御CPU12(制御手段)を備え、ドット部7d(特定情報)には、メダルレス遊技機1(遊技機)と専用ユニット19(外部装置)との接続状態に関する情報が含まれる。
なお、メダル数制御CPU12は、専用ユニット19との通信が正常な場合、5桁目のドット部7dを消灯するように制御し、専用ユニット19との通信が正常でない場合、5桁目のドット部7dを点灯するように制御することもできる。
つまり、メダル数制御CPU12(制御手段)は、専用ユニット19(外部装置)との接続状態が正常である場合には、5桁目のドット部7dを消灯状態に制御し、専用ユニット19(外部装置)との接続状態が正常でない場合には、5桁目のドット部7dを点灯状態に制御することができる。
なお、以上の処理は、メダル数制御処理のメダル数クリア処理(S122)、ポート出力処理(S137)、専用ユニット通信処理(S134)に関する処理である。
【0059】
(B5)専用ユニット19との通信が途切れた場合、次の貸出通番は「0」しか許容しないようにした。
このようにした理由について、専用ユニット19にて遊技メダルの貸し出しが行われた場合の処理とともに説明する。
専用ユニット19は、メダル数制御CPU12に対し一定時間毎に貸出通知を送信する(定期通信)。
つまり、貸し出しが行われていない状態でも定期通信を行っている。
「貸出通知」には、貸出情報(特定情報)と貸出情報に付加される貸出通番(付加情報)が含まれる。
「貸出情報」は、貸出メダル数などを含む貸し出しに関する情報である。
つまり、貸出情報には、貸し出しが行われていない状況では貸出メダル数は記録されず(もしくは0が記録される)、貸し出しが行われている状況において貸出メダル数が記憶される。
「貸出通番」は、専用ユニット19の電源投入時に初期値「0」が設定され、その後は、貸出通知の送信毎に「1」が加算されて更新される。メダル数制御CPU12側からみると、貸出通番は、貸出通知の受信毎に更新される情報である。
メダル数制御CPU12は、貸出通知の受信毎に、貸出通番(付加情報)に対応する照合用貸出通番(付加予定情報)を更新する。メダル数制御CPU12は、照合用貸出通番をRAM2の所定領域に記憶し更新する。
照合用貸出通番は、メダルレス遊技機1により、電源投入時に初期値「0」が設定され、その後は、貸出通知の受信毎に「1」が加算されて更新される。
貸出通番と照合用貸出通番は、双方を照合することで、整合性の判定や、貸し出しの制御に用いられる。
具体的には、貸出通番と照合用貸出通番とが一致した場合には、貸し出しを許容し、通番と照合用貸出通番とが一致しない場合には、貸し出しを禁止する。
ここで、不正行為や誤検知などに起因して専用ユニット19とメダル数制御CPU12との通信が途切れた場合、専用ユニット19はそのまま貸出通番を送信して送信を完了するが、この貸出通番はメダル数制御CPU12は受信できない。
つまり、専用ユニット19では、貸出通番「X」の送信完了に基づき次の貸出通番「X+1」が設定され、他方、メダル数制御CPU12では、照合用貸出通番「X」が設定されたままとなる。
このため、通信が復旧した場合には、専用ユニット19からは貸出通番「X+1」がメダル制御CPU12に送信されて、照合用貸出通番「X」と照合されるため、双方は一致しないことになる。
この場合、専用ユニット19とメダルレス遊技機1の電源をオフ→オンして双方を初期値「0」に戻さなければ貸し出しが許容されない、という煩雑さがあった。
【0060】
このような問題に対し、本実施形態のメダルレス遊技機1は、専用ユニット19との通信が途切れた場合、照合用貸出通番を初期化するなどの処理を実行する。
なお、この処理では、専用ユニット19は、メダル数制御CPU12との通信エラーのエラー解除後に貸出通番を初期化(0に設定)することを前提としている。
具体的には、
図14に示すように、VL=OFFの場合(S401-Yes)、照合用貸出通番を「0」に設定する(S402)。
VL=ONの場合(S401-No)、照合用貸出通番を「0」に設定せずS403に移行する。つまり、メダル数制御CPU12と専用ユニット19とが接続されている場合、照合用貸出通番を初期化せずに処理を継続する。
メダル数制御CPU12は、貸出通知が受信されたか否かを監視している(S403)。
貸出通知を受信した場合(S403-Yes)、受信した貸出通番と照合用貸出通番が一致するか否かを判定する(S404)。
メダル数制御CPU12は、貸出通番と照合用貸出通番とが一致した場合(S404-Yes)、貸出メダル数を遊技メダル数に加算する(S405)。
メダル数制御CPU12は、貸出受領結果応答を「正常」に設定して専用ユニット19に応答する(S406)。
メダル数制御CPU12は、照合用貸出通番に「1」を加算して更新する(S407)。
【0061】
他方、メダル数制御CPU12は、貸出通番と照合用貸出通番とが一致しなかった場合(S404-No)、貸出受領結果応答を「異常」に設定して専用ユニット19に応答する(S408)。この場合、メダル数制御CPU12は、貸出メダル数を遊技メダル数に加算しない。
つまり、メダル数制御CPU12は、貸出通番(付加情報)と照合用貸出通番(付加予定情報)との整合性を判定する整合性判定手段と、受信した貸出情報(特定情報)に対応する貸出メダル数(遊技価値)を遊技に使用可能な遊技メダル(遊技価値)として制御可能な遊技価値制御手段と、を備え、遊技価値制御手段は、整合性判定手段により整合性が確認できなかった場合には、受信した貸出情報(特定情報)に対応する貸出メダル数(遊技価値)を遊技に使用可能な遊技メダル(遊技価値)として制御しないようにしている。
【0062】
このため、メダル数制御CPU12と専用ユニット19との間で通信エラーが発生した場合、通信エラーが解除されることで貸出通番が「0」に設定され、他方、メダル数制御CPU12は、照合用貸出通番が「0」に設定されるので、貸出メダルを遊技メダル数に加算することができる。
仮に通信断を誤検知した場合でも、従来は、貸出通番と照合用貸出通番とが一致しないために電源オフ→オンの手間があったが、本処理によれば、通信断の場合には、貸出通番と照合用貸出通番とが共に「0」に初期化されて一致するため、電源オフ→オンの手間なく、通常状態に復帰させることができる。
【0063】
なお、貸出通番及び照合用貸出通番の初期値は「0」以外でもよい。
また、貸出通番及び照合用貸出通番の更新時の加算値は「1」以外でもよく減算値でもよい。
例えば、初期値を3とし、加算値を「+2」として、双方の更新値が一致した場合に、整合性判定手段により、整合性が確認できたと判定し、双方の更新値が一致しない場合に、整合性が確認できなかったと判定してもよい。
【0064】
つまり、本実施形態のメダルレス遊技機1は、当該メダルレス遊技機1と専用ユニット19(外部装置)との接続状態を判定する接続判定手段と、専用ユニット19(外部装置)から貸し出しに関する貸出情報(特定情報)を受信する受信手段と、貸出情報(特定情報)に付加される通番(付加情報)に対応する照合用貸出通番(付加予定情報)を更新する更新手段と、を備え、更新手段は、貸出情報(特定情報)の受信に対応して前記照合用貸出通番(付加予定情報)を初期値から更新することが可能であり、VL=OFFの場合(接続判定手段による判定結果が正常ではないと判定された場合)に、照合用貸出通番(付加予定情報)を初期値に設定する。
「付加情報」は、貸出情報の受信毎に更新される通番であり、貸出情報(特定情報)の受信毎に所定値が加算されることで更新される通番としている。
「付加予定情報」は、次に受信する貸出情報(特定情報)に付加されるはずの通番(付加情報)と整合が取れる情報として更新され、貸出情報(特定情報)の受信毎に前記所定値が加算されることで次に受信する貸出情報(特定情報)に付加されるはずの通番(付加情報)と整合が取れる情報として生成されるようにしている。
また、更新手段は、電源投入時に照合用貸出通番(付加予定情報)を初期値に設定するようにしている。
なお、以上の処理は、メダル数制御処理のポート入力処理(S132)、専用ユニット通信処理(S134)に関する処理である。
【0065】
(B6)専用ユニット19に送信する情報について、主制御CPU11から更新の通知を受信した場合には、内容が同じでも最優先で情報を送信する。
「内容が同じ」とは、例えば、設定確認開始時に、イン0枚、アウト0枚という遊技情報(通知)が主制御CPU11からメダル数制御CPU12に送信されるが、設定確認終了時にも、イン0枚、アウト0枚という遊技情報(通知)が送られるので、この場合、「内容が同じ」となる。
なお、「内容が同じでない」は、例えば、ボーナス入賞した場合は、ゲーム開始時にイン0枚という遊技情報が送信されるが、ゲーム終了時にアウトX枚、ボーナス開始という異なる遊技情報が送信されるので、この場合、「内容が同じでない」となる。
一般的には、主制御処理や遊技情報の内容に更新が有った場合、メダル数制御CPU12は、優先的に専用ユニット19にこれらの情報を送信するが、本実施形態のメダル数制御CPU12では、主制御CPU11とメダル数制御CPU12とが常時コマンドをやり取りしていない。
つまり、通常は内容が異なる場合だけ最優先で送信し、そうでない場合は遊技機設置情報(機種名やチップの情報など)や遊技性能情報(役比の数値や当日の遊技結果など)を優先とするのが通常の処理である。
このため、主制御CPU11において管理している遊技に進行がないとコマンドが送信されないことから、メダル数制御CPU12が主制御CPU11からコマンドを受信した場合には、優先的に専用ユニット19にその情報を送信するようにした。
なお、以上の処理は、メダル数制御処理の主制御通信処理(S133)、専用ユニット通信処理(S134)に関する処理である。
【0066】
(B7)メダル数制御CPU12では、計数ボタン2cが押下されたときに、「操作あり」の状態を示す信号であるONエッジ(OFFからONへの立ち上がり)を検出し、計数ボタン2cの押下をやめたときに(ボタンから手を離したときに)、「操作なし」の状態を示す信号を示すOFFエッジ(ONからOFFの立ち下り)を検出する。
メダル数制御CPUは、
図15に示すように、専用ユニット19との間で一定時間300msという周期(定期通信)で計数通知が実行されている。
つまり、計数操作が行われているか否かに関わらず、300ms毎に計数通知が行われており、計数通知に有効な計数情報(遊技メダル数)が含まれる場合に遊技メダル数の計数を実質的に行う。
一般的な仕様では、
図15(a)に示す計数処理が実行される。
具体的には、
図15の1つ目の信号(左から1つめの信号をいう。以下、同じ。)のように、300msの周期中にONエッジとOFFエッジが検出された場合は短押し操作があったと判定し、その周期の終りの計数通知時に、遊技メダル数1枚の計数データを専用ユニット19に計数通知する。
このため、
図15の2つ目の信号のように、300msの周期中にONエッジとOFFエッジが共に検出されない場合には短押し操作があったと判定せず、その周期の終わりの計数通知時には、有効な遊技メダル数を含まない計数データを専用ユニット19に計数通知することから、この場合、遊技メダル数の計数は行われない。
図15の3つ目の信号のように、ONの継続時間(ONエッジからOFFエッジまでの時間)が500ms以上の場合は、長押し操作があったと判定して、500ms経過後に現れる計数通知のたびに、遊技メダル数50枚の計数データを専用ユニット19に計数通知する。
このため、
図15の4つ目の信号のように、長押し操作が継続する場合、長押し操作中(ON中)は計数通知毎に遊技メダル数50枚の計数データを専用ユニット19に計数通知するが、長押し操作の終了時(OFFエッジの検出時)は、その後の計数通知時に遊技メダル数50枚の計数データを専用ユニット19に通知して、長押し操作による計数通知を終了する。
【0067】
他方、本実施形態のメダルレス遊技機1は、
図15(b)に示すように、ONエッジが検出された場合に短押し操作があったと判定して遊技メダル数1枚の計数データを専用ユニット19に通知するようにした。
例えば、
図15の2つ目の信号のように、300msの周期中にONエッジが検出された場合、当該周期中にOFFエッジが検出されなくても、短押し操作があったと判定して遊技メダル数1枚の計数データを専用ユニット19に送信する。
なお、300msの周期中にONエッジが2回検出されると遊技メダル数2枚の計数データが専用ユニット19に送信されることになる。
【0068】
図15の3つ目の信号のように、ONの継続時間が500ms以上の場合は長押し操作があったと判定して、500ms経過後に現れる計数通知のたびに、遊技メダル数50枚の計数データを専用ユニット19に計数通知する。
ただし、一般仕様と異なり、ONエッジ検出後の計数通知時に遊技メダル数1枚の計数データを専用ユニット19に計数通知し、次の計数通知時に遊技メダル数50枚の計数データを専用ユニット19に計数通知する。
【0069】
また、
図15の4つ目の信号のように、長押し操作が継続する場合、ONエッジ検出後の計数通知時に遊技メダル数1枚の計数データを専用ユニット19に通知し、長押し操作中(ON中)は計数通知毎に遊技メダル数50枚の計数データを専用ユニット19に計数通知するが、長押し操作の終了時(OFFエッジの検出時)は、その後の計数通知時に有効な遊技メダル数を含む計数データを専用ユニット19に通知するので、計数処理が行われない。
つまり、ONが500ms以上継続する場合、当該500ms経過後に現れた計数通知時には遊技メダル数50枚の計数データを専用ユニット19に計数通知するが、ONが500ms以上経過した後のOFFエッジの検出後に現れた計数通知時には有効な遊技メダル数を含む計数通知は行われない。
ただし、本処理はあくまで計数値そのものが対象であり、遊技メダル数表示装置7の表示はこの限りではない。
【0070】
つまり、本実施形態のメダルレス遊技機1(メダル数制御CPU12)は、遊技に使用可能な遊技メダル(遊技価値)を表示可能な遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)と、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)の少なくとも一部を計数データとして専用ユニット19(外部)に出力するために操作可能な計数ボタン2c(計数操作手段)と、計数ボタン2c(計数操作手段)が操作された場合に計数(所定の処理)を実行可能な処理手段と、計数データを300ms(所定周期)で外部に出力可能なシリアル通信(出力手段)と、を備え、処理手段は、計数ボタン2c(計数操作手段)が第1の態様で操作(短押し)された場合、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)のうち、1枚(最小単位)の遊技メダル数(遊技価値)を計数データとして出力手段によって専用ユニット19(外部)に出力させるための第1処理(1枚計数)を実行可能とし、第1処理は、計数ボタン2c(計数操作手段)が操作なし状態(OFF)から操作あり状態(ON)に切り替わった後、最初の300ms経過時(所定周期)における計数データの出力タイミングが到来した場合に、計数ボタン2c(計数操作手段)が操作あり状態(ON)から操作なし状態(OFF)に切り替わっていなくても実行されるようにしている。
【0071】
また、処理手段は、計数ボタン2c(計数操作手段)が第1の態様よりも操作あり状態(ON)が維持される期間が長い態様である第2の態様で操作(長押し)された場合、遊技メダル数表示装置7(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)のうち、最小単位とは異なる50枚(特定単位)の遊技メダル数(遊技価値)を計数データとして出力手段によって専用ユニット19(外部)に出力させるための第2処理(50枚計数)を実行可能とし、第2処理は、計数ボタン2c(計数操作手段)の操作あり状態(ON)が300ms(所定周期)よりも長い期間(500ms以上)維持された後、最初の300ms経過時(所定周期)における計数データの出力タイミングが到来した場合に実行されるようにしている。
また、処理手段は、第1処理(1枚計数)を実行した後、当該第1処理における操作あり状態(ON)が維持されている場合に、当該第1処理に続けて第2処理(50枚計数)を実行可能であるようにしてある。
なお、以上の処理は、メダル数制御処理のポート入力処理(S132)、専用ユニット通信処理(S134)に関する処理である。
【0072】
以上説明したように、本発明の遊技機は、メダルレス遊技機1において、遊技に使用可能な遊技価値を表示可能な遊技価値表示手段(遊技メダル数表示装置7の数字表示部7s)と、前記遊技価値表示手段と異なる表示手段であって特定情報(報知情報)を表示可能な特定表示手段(遊技メダル数表示装置7のドット部7d)と、前記遊技価値表示手段及び前記特定表示手段の表示内容を制御可能な制御手段(メダル数制御CPU12)と、を備え、前記遊技価値表示手段と前記特定表示手段とは一体的に構成され、前記特定情報には、前記遊技機と外部装置との接続状態に関する情報(VL情報)が含まれる。
これにより、遊技メダル数表示装置7を、遊技メダル数だけでなく、他の情報を表示することで有効活用できる。
このため、他の情報を表示するために新たな表示機を搭載しなくてもよくなる。
【0073】
一方、従来の遊技機として、特許文献(特開2015-134010)には、メダルレスで遊技が可能なスロットマシンが開示されている。
しかしながら、このような従来の遊技機は、遊技メダル数以外の情報を表示可能な遊技メダル数表示装置は備えていない。
本実施形態の遊技機によれば、従来の遊技機が改善すべき上記課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0074】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、主制御部10が担う動作の一部又は全部を副制御部20が担う構成でもよく、副制御部20が担う動作の一部又は全部を主制御部10が担う構成でもよい。
また、本実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、パチンコ機でもよい。
すなわち、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。
この場合、B7の処理は、計数ボタン2cの短押しに基づくONエッジの検出に応じ遊技玉1個を計数し、長押しに応じ遊技玉250個計数すればよい(
図15)。
【符号の説明】
【0075】
1 メダルレス遊技機
2a ベットボタン
2b MAXベットボタン
2c 計数ボタン
7 遊技メダル数表示装置
7s 数字表示部
7d ドット部
8 表示器
10 主制御部
11 主制御CPU
12 メダル数制御CPU
14 遊技メダル数クリアボタン
15 電源装置
16 確率設定装置
19 専用ユニット