(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150188
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】予約管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063471
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 弘友希
(72)【発明者】
【氏名】浅井 成実
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA03
5L049AA03
(57)【要約】
【課題】配送者に使用済みのバッテリを計画通りに回収してもらうことが可能な予約管路装置を提供する。
【解決手段】予約管理装置70は、配送者に使用済みバッテリの回収および充電済みバッテリの配送をしてもらう可搬式バッテリの貸出装置10を利用する、ユーザへの充電済みバッテリの貸し出しおよびユーザからの使用済みバッテリの返却の予約を管理する。ユーザの端末から予約リクエストの受領時であってユーザが利用を希望する貸出装置10に貸出可能なバッテリが無い場合に、ユーザが過去に返却予約時刻までにバッテリを返却した頻度が所定の割合以上の場合には、ユーザが利用を希望する貸出装置10の近傍の貸出装置10に関する情報またはユーザが利用を希望する貸出装置10においてバッテリが利用可能となる見込み時刻に関する情報である代替情報を、ユーザの端末へ送信する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送者に使用済みバッテリの回収および充電済みバッテリの配送をしてもらう可搬式バッテリの貸出装置を利用する、ユーザへの充電済みバッテリの貸し出しおよびユーザからの使用済みバッテリの返却の予約を管理する、予約管理装置であって、
ユーザの端末から予約リクエストの受領時であってユーザが利用を希望する貸出装置に貸出可能なバッテリが無い場合に、ユーザが過去に返却予約時刻までにバッテリを返却した頻度が所定の割合以上の場合には、ユーザが利用を希望する貸出装置の近傍の貸出装置に関する情報またはユーザが利用を希望する貸出装置においてバッテリが利用可能となる見込み時刻に関する情報である代替情報を、ユーザの端末へ送信する、予約管理装置。
【請求項2】
前記頻度が第一閾値よりも高い場合に、前記代替情報を表示し、
前記頻度が第一閾値よりも高い第二閾値よりも高い場合に、劣化度の少ないバッテリをユーザに割り当てる指示を前記貸出装置へ送信する、請求項1に記載の予約管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、予約管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1などにより、可搬式のバッテリをユーザに貸し出す充電ステーションが知られている。このような充電ステーションでは、使用済みバッテリを充電ステーション内で充電し、再びユーザに貸し出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、社会的な要請などにより可搬式バッテリの需要が高まりつつある。特許文献1のような充電ステーションでは、短時間に必要な個数のバッテリを一斉に充電しようとすると、商用電源からの買電コストが嵩み、充電コストが嵩んでしまう。
本開示者は、充電ステーションに充電済みバッテリを配送するようにすれば、充電ステーションのみでバッテリを充電するよりも、供給可能なバッテリの数を多くできると考えた。この場合、配送者に効率よくバッテリを回収および配送してもらうためには、ユーザから使用済みバッテリを返却予定時刻に返却してもらう必要がある。
そこで本開示は、配送者に使用済みのバッテリを計画通りに回収してもらうことが可能な予約管理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面によれば、予約管理装置は、
配送者に使用済みバッテリの回収および充電済みバッテリの配送をしてもらう可搬式バッテリの貸出装置を利用する、ユーザへの充電済みバッテリの貸し出しおよびユーザからの使用済みバッテリの返却の予約を管理する、予約管理装置であって、
ユーザの端末から予約リクエストの受領時であってユーザが利用を希望する貸出装置に貸出可能なバッテリが無い場合に、ユーザが過去に返却予約時刻までにバッテリを返却した頻度が所定の割合以上の場合には、ユーザが利用を希望する貸出装置の近傍の貸出装置に関する情報またはユーザが利用を希望する貸出装置においてバッテリが利用可能となる見込み時刻に関する情報である代替情報を、ユーザの端末へ送信する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、配送者に使用済みのバッテリを計画通りに回収してもらうことが可能な予約管理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、貸出装置が用いられるサービスの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、貸出装置が用いられるサービスにおける情報のやり取りを示す図である。
【
図3】
図3は、予約管理装置が実行する、予約受付時のフローチャートである。
【
図4】
図4は、予約管理装置に保存されるバッテリ在庫データベースの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、予約管理装置に保存されるユーザデータベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、予約管理装置に保存される貸出装置所在データベースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、可搬式バッテリの貸出装置10におけるバッテリの予約を管理する予約管理装置70に関する。可搬式のバッテリとは、ユーザが持ち運び可能なバッテリである。可搬式のバッテリは、例えば、電動式の自動二輪車、電動式の自動四輪車、電動自転車、電動式のキックスクーターなどに搭載される車両などの移動手段に用いられるバッテリである。バッテリの予約とは、ユーザがバッテリを貸出し(持出し)または返却する際の予約のことである。
【0009】
図1は、貸出装置10が用いられるサービスの概要を示す図である。
図1に示すように貸出装置10は、ユーザに充電済みのバッテリを貸し出し、使用済みのバッテリを返却してもらう。また本開示の貸出装置10は、商用電源2から給電される電力で、返却されたバッテリを充電する。また、本開示のサービスにおいては、配送者により、貸出装置10に返却された使用済みのバッテリを回収してもらい、新たに充電済みバッテリを配送してもらう。充電工場3は、配送者から使用済みバッテリを引き取り、引き取ったバッテリを充電する。充電されたバッテリは、配送者により貸出装置10へ配送される。
【0010】
なお、
図1では作図の都合上、単一の貸出装置10を図示したが、実際には複数の貸出装置10が設けられており、各々の貸出装置10がユーザへバッテリを貸し出したり、各々の貸出装置10で配送者からのバッテリの授受が行われる。また
図1では、貸出装置10において商用電源2の電力でバッテリを充電する例を示したが、貸出装置10が太陽光発電設備を有している、あるいは太陽光発電設備に接続されており、商用電源2以外の電力源によってバッテリを充電するように構成されていてもよい。商用電源2以外の電力源としては、太陽光発電設備の他、地熱発電設備、バイオマス発電設備、風力発電設備などがあげられる。
【0011】
図2は、貸出装置10を利用した予約管理装置70が用いられるサービスの情報のやり取りを示す図である。
図2に示すように、貸出装置10は、配送管理装置50に配送リクエストを送信し、配送管理装置50から配送スケジュールを受信する。また、配送管理装置50は、配送スケジュールを予約管理装置70に送信する。なお、予約管理装置70への配送スケジュールの送信は、貸出装置10から予約管理装置70に送信されてもよい。また、配送管理装置50は、配送者へ運送スケジュールを送信する。配送者は配送管理装置50へ配送者の現在位置を送信するように構成されていてもよい。
【0012】
貸出装置10は、予約管理装置70に在庫情報を送信し、予約管理装置70から予約情報を受信する。予約管理装置70は、ユーザ端末40(携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PCなど)から予約リクエストを受け付け、貸出装置10に予約情報を送信する。また、予約管理装置70は、予約リクエストに対して、ユーザ端末40へ予約受領通知を送信する。予約管理装置70は、ユーザへ充電済みバッテリを貸し出しする貸出予約の管理およびユーザから使用済みバッテリが返却される返却予約の管理を行う。なお、配送管理装置50と予約管理装置70は、一体の管理装置として構成されていてもよいし、別に用意された管理装置であってもよい。予約管理装置70の情報は、クラウドサーバに記憶しておくようにしてもよい。また、貸出装置10、充電工場3、配送者、予約管理装置70は全て同一の事業者により運営されてもよいし、各々が異なる事業者によって運営されていてもよい。
【0013】
次に、
図3のフローチャートを用いて本サービスの概要を説明する。
図3は、予約管理装置70が実行する、予約受付時のフローチャートである。本例では、ユーザは、予め本サービスの利用開始に当たって、ユーザ登録を行っており、ユーザID(identification)を有している。予約管理装置70は、ユーザIDによりユーザを識別可能とされている。ユーザはユーザ端末40を通じて予約管理装置70にユーザIDなどの利用開始情報を送信し、ログイン処理を行う。
【0014】
図3に示すように、予約管理装置70は、ユーザ端末40から送信されるユーザIDを取得する(step01)。予約管理装置70はユーザIDの判定を行った後、ユーザのリクエストを受け付ける。
【0015】
ユーザは、ログイン処理を行った後、ユーザ端末40を通じて、バッテリの持ち出し時刻を予約する持出予約時刻と、バッテリの返却予定の時刻を予約する返却予約時刻と、持ち出しの際に利用を希望する貸出装置10を特定可能な貸出装置IDと、返却の際に利用を希望する貸出装置10を特定可能な返却装置IDと、ユーザIDを含む、予約リクエストを予約管理装置70へ送信する。
【0016】
予約管理装置70は、予約リクエストを取得したら(step02)、当該予約リクエストの受諾の可否を判定する(step03)。予約管理装置70は、ユーザが利用を希望する貸出装置10において、持ち出しを予約した持出予約時刻に貸出可能なバッテリが存在するか否かにより受諾の可否を判定する。例えば、予約管理装置70は、貸出装置10に貸出可能なバッテリが存在することを確認できたら、当該予約リクエストが受諾可能と判定する。
【0017】
予約管理装置70は、当該予約リクエストが受諾可能と判定したら(step03:Yes)、予約を受諾した旨の予約受領通知をユーザ端末40に返信する(step04)。また予約管理装置70は、予約リクエストに基づく予約情報を、予約管理装置70が有する例えば予約データベースに記録する(step04)。予約情報は、ユーザID、持出予約時刻、返却予約時刻、利用する貸出装置10の貸出装置IDおよび返却装置IDを含む。予約情報には、例えばバッテリを識別可能なバッテリIDを含めてもよい。また予約管理装置70は、予約情報をユーザが持ち出しを希望する貸出装置10および返却を希望する貸出装置10に送信する(step04)。貸出装置10は、受信した予約情報を例えば貸出側予約データベースに記録する。
【0018】
一方、予約管理装置70は、当該予約リクエストが受諾不可と判定したら(step03:No)、本サービス提供側から見た本サービスを利用する当該ユーザに対する評点を判定する。予約管理装置70は、当該ユーザに対する評点が閾値以上(本例では、60以上)であるか否かを判定する(step05)。ユーザに対する評点は、本サービスを利用するユーザが予約した返却予約時刻までに遅れずにバッテリを返却したか否かにより判定される。ユーザに対する評点は、予約管理装置70が有する例えばユーザデータベース(
図5で後述する)に記録されている。
【0019】
予約管理装置70は、ユーザの評点が60以上であると判定したら(step05:Yes)、ユーザが希望する予約リクエスト通りにバッテリを貸し出すことができない旨の通知と、予約リクエストの内容に代わるバッテリの貸し出しに関する代替情報と、をユーザ端末40に送信し、その情報をユーザ端末40に表示させる(step06)。代替情報には、例えばユーザが利用を希望する貸出装置10の近傍に設置されている他の貸出装置10に関する情報、ユーザが利用を希望する貸出装置10においてバッテリを利用することが可能になる見込み時刻に関する情報などが含まれる。他の貸出装置10に関する情報は、予約管理装置70が有する例えば貸出装置所在データベース(
図6で後述する)に記録されている。利用することが可能になる見込み時刻に関する情報は、予約管理装置70が有する例えばバッテリ在庫データベース(
図4で後述する)に記録されている。
【0020】
ユーザは、ユーザ端末40に表示される予約管理装置70からの代替情報に基づいて、新たな予約リクエストを作成し、作成した予約リクエストを予約管理装置70へ送信する。
【0021】
予約管理装置70は、代替情報に対する予約リクエストを取得したら(step02)、当該予約リクエストの受諾の可否を判定する(step03)。
【0022】
一方、予約管理装置70は、ユーザの評点が60以上ではないと判定したら(step05:No)、ユーザが希望する予約リクエストを受け付けることができない旨の通知をユーザ端末40に送信し、その旨を示す予約受付不可の情報をユーザ端末40に表示させる(step07)。
【0023】
例えば、予約管理装置70は、貸出装置10に貸出可能なバッテリが存在するか否かをバッテリ在庫データベース(
図4で後述する)を参照して確認する。バッテリ在庫データベースは、将来時刻におけるバッテリの需要見込みと、将来時刻におけるバッテリの在庫見込みと、に基づいて作成される。将来時刻におけるバッテリの需要見込みは、貸出装置10毎の貸出実績が記録された貸出装置データベースに基づいて算出される。将来時刻におけるバッテリの在庫見込みは、貸出装置10におけるバッテリの充電スケジュールと、貸出装置10への配送者によるバッテリの配送スケジュールと、バッテリの予約情報と、に基づいて算出される。バッテリの需要見込みと在庫見込みは、貸出装置10で算出されて、予約管理装置70に定期的に送信される。また、充電スケジュールは、例えばどのバッテリをどのタイミングで充電すべきかのスケジュールであり、予約管理装置70が作成してもよいし、貸出装置10が作成し予約管理装置70に送信してもよい。
【0024】
なお、予約管理装置70は、バッテリ在庫データベースを参照して予約リクエストの受諾の可否を判定してもよいし、あるいは、予約管理装置70が予約リクエストを取得する都度、ユーザが持ち出しを希望する貸出装置10に対して持出予約時刻に貸出可能なバッテリがあるか否かを問い合わせ、貸出装置10から受諾の可否を受信するように構成してもよい。
【0025】
次に、予約管理装置70に保存されている
図4から
図6のデータベースを用いて本サービスの具体的なサービス内容について説明する。まず、ユーザAとユーザBが本サービスを利用しようとしている状況であるとする。ユーザAはユーザID:AAAを有している。ユーザBはユーザID:BBBを有している。例えばユーザAとユーザBがともに、バッテリを持ち出しする際に利用する貸出装置10として貸出装置ID:123を希望し、持ち出す時刻として同日の持出予約時刻8:00を希望して、これらの希望事項を含む予約リクエストを予約管理装置70へ送信したとする。
【0026】
図4は、予約管理装置70に保存される「バッテリ在庫データベース」の一例を示す図である。
図4に示すように、バッテリ在庫データベース71には、複数の貸出装置10における各時刻の在庫バッテリ数が記憶されている。本例では、貸出装置ID:123、貸出装置ID:456、貸出装置ID:789、および貸出装置ID:234における在庫バッテリ数が記憶されている。
【0027】
また、貸出装置ID:123の2023/2/10の8:00時点での在庫バッテリ数が0個であり、9:00時点での在庫バッテリ数が1個であり、10:00時点での在庫バッテリ数が2個である。同様に、貸出装置ID:456の8:00時点での在庫バッテリ数が7個であり、9:00時点での在庫バッテリ数が7個であり、10:00時点での在庫バッテリ数が6個である。同様に、貸出装置ID:789の8:00時点での在庫バッテリ数が5個であり、9:00時点での在庫バッテリ数が4個であり、10:00時点での在庫バッテリ数が5個である。同様に、貸出装置ID:234の8:00時点での在庫バッテリ数が13個であり、9:00時点での在庫バッテリ数が12個であり、10:00時点での在庫バッテリ数が13個である。
【0028】
上述したように、ユーザAとユーザBはともに、バッテリを持ち出す時刻が持出予約時刻8:00であり、貸出装置ID:123の利用を希望している。ところが、貸出装置ID:123の8:00時点での在庫バッテリ数は0個である。したがって、予約管理装置70は、バッテリ在庫データベース71を参照して、例えば
図3のstep03において、ユーザAの予約リクエストもユーザBの予約リクエストも受諾不可であると判定する。
【0029】
図5は、予約管理装置70に保存される「ユーザデータベース」の一例を示す図である。
図5に示すように、ユーザデータベース72には、本サービスを利用する複数のユーザの利用状況が記憶されている。本例では、本サービスを利用するユーザのユーザID:AAAからHHH、本サービスの利用回数、返却予約時刻までに返却した回数、および各ユーザに対する評点が記憶されている。
【0030】
例えば、ユーザA(ユーザID:AAA)は、これまで本サービスを10回利用しており、その10回のうち予約した返却予約時刻までに、持ち出したバッテリを遅れることなく返却した回数が8回である。このため、本サービスにおけるユーザAに対する評点は、ユーザAが返却予約時刻までに遅れずにバッテリを返却した頻度の割合で算出されて、80(8/10×100)となる。同様に、ユーザB(ユーザID:BBB)は、これまで本サービスを13回利用しており、その13回のうち返却予約時刻までにバッテリを返却した回数が5回である。このため、本サービスにおけるユーザBに対する評点は38と算出される。
【0031】
上記
図4で説明したように、貸出装置ID:123における8:00時点の在庫バッテリは0個であるため、予約管理装置70は、ユーザAとユーザBの予約リクエストを受諾不可であると判定する。そこで、予約管理装置70は、ユーザAとユーザBに対する評点を判定するが、ユーザデータベース72に示すように、ユーザAに対する評点が80であり、ユーザBに対する評点が38である。
したがって、予約管理装置70は、ユーザデータベース72を参照し、ユーザAの評点(80点)が高い(60点以上である)ので、例えば
図3のstep06において、ユーザAに対して代替情報を提示する。一方、予約管理装置70は、ユーザBの評点(38点)が低い(60以上ではない)ので、例えば
図3のstep07において、ユーザBに対して予約受付できない旨を通知し、「またのご利用をお待ちしております。」などのメッセージを表示する。
【0032】
図6は、予約管理装置70に保存される「貸出装置所在データベース」の一例を示す図である。
図6に示すように、貸出装置所在データベース73には、複数の貸出装置IDと、その所在地が記憶されている。本例では、貸出装置ID:123,456,789,234と、その設置場所の住所が記憶されている。
【0033】
上述したように、予約管理装置70は、ユーザの予約リクエストを受諾不可である場合、評点が高いユーザAに対し、代替情報の一つとしてユーザが利用を希望する貸出装置10の近傍に設置されている他の貸出装置10に関する情報を提示する。例えば、予約管理装置70は、貸出装置所在データベース73を参照し、ユーザAが利用を希望する貸出装置ID:123が設置されている場所(愛知県瀬戸市)と同地区にある貸出装置ID:456に関する所在地情報を、ユーザAのユーザ端末40に送信する。ただし、代替の貸出装置10として提示する貸出装置ID:456に貸出可能なバッテリが存在することが必要である。貸出装置ID:456の貸出可能なバッテリ数は、
図4のバッテリ在庫データベース71に示すように、ユーザAが利用を希望する8:00において7個のバッテリが存在すると算出されている。なお、評点が低いユーザBに対しては、このような情報は送信されない。
【0034】
例えば、提示された代替情報に対して、ユーザAが、貸出装置ID:456の利用を希望し同時刻の8:00にバッテリを持ち出す予約リクエストを行ったとする。この場合、上記のように貸出装置ID:456の8:00における貸出可能なバッテリ数が7個存在するので、予約管理装置70は、例えば
図3のstep03において、当該予約リクエストを受諾可能であると判定する。
【0035】
上述したように、本実施形態に係る予約管理装置70は、
配送者に使用済みバッテリの回収および充電済みバッテリの配送をしてもらう可搬式バッテリの貸出装置10を利用する、ユーザへの充電済みバッテリの貸し出しの予約およびユーザからの使用済みバッテリの返却の予約を管理する、予約管理装置70であって、
ユーザの端末から予約リクエストの受領時であってユーザが利用を希望する貸出装置10に貸出可能なバッテリが無い場合に、ユーザが過去に返却予約時刻までにバッテリを返却した頻度が所定の割合以上の場合には、ユーザが利用を希望する貸出装置10の近傍の貸出装置10に関する情報またはユーザが利用を希望する貸出装置10においてバッテリが利用可能となる見込み時刻に関する情報である代替情報を、ユーザの端末へ送信する。
【0036】
本実施形態では、ユーザAが利用を希望する貸出装置ID:123に貸出可能なバッテリが無い場合に、ユーザAが返却予約時刻までに遅れずにバッテリを返却した頻度の割合で算出されるユーザAの評点を判定し、その評点が例えば60以上のときには、代替情報として、ユーザAが利用を希望する貸出装置ID:123の所在地と同地区にある貸出装置ID:456に関する所在地情報を提示する例を説明した。例えば、他の代替情報である、ユーザAが利用を希望する貸出装置ID:123においてバッテリが利用可能となる見込み時刻に関する情報を提示する例としては、
図4に示すバッテリ在庫データベース71を参照し、貸出装置ID:123において、9:00からであればバッテリを持ち出すことが可能である旨の情報を提示することが挙げられる。
【0037】
このような構成の予約管理装置70によれば、持ち出したバッテリを返却予約時刻内に返却してくれたユーザには、本サービスをさらに利用してもらいやすいように、バッテリ予約に関してインセンティブを与えることができる。これにより、本サービスを利用するユーザに貸し出したバッテリを予定通りに返却してもらいやすくなる。このため、返却された使用済みのバッテリを配送者に計画通りに回収してもらうことが可能になる。したがって、配送者に充電済みバッテリを配送してもらうことができ、供給可能なバッテリの数を多くできる。
【0038】
(変形例)
上述した実施形態では、ユーザからの予約リクエストの受領時に、ユーザが利用を希望する貸出装置10に貸出可能なバッテリが無い場合、ユーザが過去に返却予約時刻までにバッテリを返却した頻度が所定の割合以上の場合には、予約通りのバッテリ返却を促す代替情報をユーザに送信する例を説明したが、本開示はこれに限られない。例えば、ユーザが過去に返却予約時刻までにバッテリを返却した頻度がさらに高い所定の割合以上の場合には、さらなるインセンティブを与えるように構成してもよい。
【0039】
例えば、予約管理装置70は、
ユーザが過去に返却予約時刻までにバッテリを返却した頻度が第一閾値よりも高い場合に、ユーザが利用を希望する貸出装置10の近傍の貸出装置10に関する情報またはユーザが利用を希望する貸出装置10においてバッテリが利用可能となる見込み時刻に関する情報である代替情報を表示し、
ユーザが過去に返却予約時刻までにバッテリを返却した頻度が第一閾値よりも高い第二閾値よりも高い場合に、劣化度の少ないバッテリをユーザに割り当てる指示を貸出装置10へ送信する、ように構成してもよい。
この構成によれば、本サービスの利用評価がより良いユーザにはさらなるインセンティブを与えることができる。これにより、さらにバッテリを予定通りに返却してもらいやすくなり、返却された使用済みのバッテリを配送者に計画通りに回収してもらいやすい。
【0040】
以上、本開示の実施形態について説明をしたが、本開示の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本開示の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0041】
2 商用電源
3 充電工場
10 貸出装置
40 ユーザ端末
50 配送管理装置
70 予約管理装置
71 バッテリ在庫データベース
72 ユーザデータベース
73 貸出装置所在データベース