(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150205
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 671
A63F5/04 611C
A63F5/04 611A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063499
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CE02
2C182CE26
2C518CA03
2C518EA02
2C518EA08
2C518EA09
2C518EB02
2C518EB04
2C518EB11
2C518EB16
2C518EC22
2C518EC26
(57)【要約】
【課題】従来にない興趣性の高い遊技機を提供する。
【解決手段】遊技者の操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの実行に関連して遊技者に遊技価値を付与可能とした遊技機において、前記ゲームの実行に関連して演出の制御を実行可能な演出制御手段を備え、前記演出制御手段は、所定の演出に対する発生確率を変更可能な演出確率変更制御手段を含み、前記演出確率変更制御手段は、前記所定の演出として、所定ゲーム数に亘って実行可能な特定演出に対する発生確率を変更可能な構成としている。
【選択図】
図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの実行に関連して遊技者に遊技価値を付与可能とした遊技機において、
前記ゲームの実行に関連して演出の制御を実行可能な演出制御手段を備え、
前記演出制御手段は、
所定の演出に対する発生確率を変更可能な演出確率変更制御手段を含み、
前記演出確率変更制御手段は、
前記所定の演出として、所定ゲーム数に亘って実行可能な特定演出に対する発生確率を変更可能とした
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
第1操作手段と、
前記第1操作手段とは異なる第2操作手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定演出として、第1演出と、前記第1演出とは発生契機の異なる第2演出と、を実行可能とし、
前記演出確率変更制御手段は、
前記第1操作手段が操作され、かつ前記第2操作手段が操作されなかった場合に、前記第1演出の発生確率を変更可能な第1演出確率変更制御手段と、
前記第1操作手段が操作され、かつ前記第2操作手段が操作された場合に、前記第2演出の発生確率を変更可能な第2演出確率変更制御手段と、
を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
所定期間に実行されたゲームに基づき、履歴情報を生成して表示させる制御が可能な履歴情報表示制御手段と、
遊技者に付与された遊技価値数が特定遊技価値数に達したことに基づき、その後のゲームの実行が不能なゲーム不能動化状態に制御可能なゲーム不能動化手段と、
を備え、
前記履歴情報表示制御手段は、
前記履歴情報のうちの特定履歴情報を表示させる制御が可能な特定履歴情報表示制御手段を含み、
前記演出確率変更制御手段は、
前記ゲーム不能動化状態においては、前記所定の演出に対する発生確率の変更を禁止可能とし、
前記特定履歴情報表示制御手段は、
前記ゲーム不能動化状態においては、前記特定履歴情報の表示を許可可能とした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技者にとって有利な特定遊技状態の発生に関連して、ゲームの実行が一時的に不能となる一時的ゲーム不能動化状態に制御可能な一時的ゲーム不能動化手段と、
遊技者にとっての有利度合いを設定可能な有利度合設定手段と、
前記有利度合設定手段により設定されている有利度合いを示唆可能な有利度合示唆手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
を備え、
前記有利度合示唆手段は、
通常の示唆と、前記通常の示唆よりも前記有利度合いの示唆に対する信頼度の高い特定の示唆と、を実行可能あり、
前記一時的ゲーム不能動化状態においては、前記操作手段の操作に基づき前記通常の示唆を実行可能とし、
前記ゲーム不能動化状態においては、前記操作手段の操作に関係なく前記特定の示唆を実行可能とした
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記有利度合示唆手段は、
前記通常の示唆を実行している状態において、前記ゲームの終了に関わる遊技者による所定操作が行われた場合に、実行されている前記通常の示唆を終了可能とし、
前記特定の示唆を実行している状態において、前記所定操作が行われた場合でも、実行されている前記特定の示唆を継続可能とした
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記有利度合示唆手段は、
前記ゲーム不能動化状態において前記特定の示唆が実行されている場合に、前記操作手段の操作に基づき前記通常の示唆を実行可能とした
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項7】
遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記演出確率変更制御手段は、
前記操作手段の操作に基づき、前記特定演出に対する発生率を変更可能とし、
前記ゲーム不能動化状態において前記操作手段が操作されても前記特定演出に対する発生確率の変更を不能とし、
前記特定履歴情報表示制御手段は、
前記操作手段の操作に基づき、所定の履歴情報を表示可能とし、
前記ゲーム不能動化状態における前記操作手段の操作に基づき、前記特定履歴情報を表示可能とした
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項8】
当該遊技機において異常状態が発生した場合に、前記異常状態が発生した旨を報知可能な制御を実行可能な異常報知制御手段を備え、
前記異常報知制御手段は、
前記ゲーム不能動化状態に制御されている場合には、所定の異常状態に対する報知態様を変更可能とした
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項9】
前記ゲームの進行を制御可能な主制御手段と、
前記演出制御手段および前記履歴情報表示制御手段を含み、前記主制御手段からの制御情報に基づき、前記演出の制御および前記履歴情報の表示制御を実行可能な副制御手段と、
を備え、
前記副制御手段は、
前記主制御手段からの制御情報に基づき、所定期間において前記ゲーム不能動化状態が解除されたことを監視可能なゲーム不能動化状態解除監視手段を備えた
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、該複数のリールの停止表示態様に応じて、特定遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に画像表示装置を備えて、画像表示装置においてゲームに関連した演出を行うようにしたものが増えている。
このような遊技機においては、複数の表示装置を設け、各表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、遊技者の操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの実行に関連して遊技者に遊技価値を付与可能とした遊技機において、前記ゲームの実行に関連して演出の制御を実行可能な演出制御手段を備え、前記演出制御手段は、所定の演出に対する発生確率を変更可能な演出確率変更制御手段を含み、前記演出確率変更制御手段は、前記所定の演出として、所定ゲーム数に亘って実行可能な特定演出に対する発生確率を変更可能な構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】遊技機における遊技機の外観を示す概略正面図である。
【
図2】遊技機における遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【
図3】遊技機における遊技状態の移行を説明するための図である。
【
図4】遊技機におけるエンディング状態からの遊技状態の移行を説明するための図である。
【
図5】遊技機におけるエンディング状態への移行条件を説明するための図表である。
【
図6】遊技機におけるエンディング状態への移行条件の変形例1を説明するための図表である。
【
図7】遊技機におけるエンディング状態への移行条件の変形例2を説明するための図表である。
【
図8】遊技機におけるエンディング状態への移行条件の変形例3を説明するための図表である。
【
図9】遊技機におけるエンディング状態への移行条件の変形例4を説明するための図表である。
【
図10】遊技機におけるエンディング状態への移行条件の変形例5を説明するための図表である。
【
図11】遊技機におけるエンディング状態への移行条件の変形例6を説明するための図表である。
【
図12】遊技機におけるAT状態終了時、およびコンプリート機能作動時のメイン表示器での設定示唆を説明するための図である。
【
図13】遊技機における副制御装置での設定示唆画像の抽選を行う際に用いられる抽選テーブルを示す図表である。
【
図14】遊技機におけるAT状態終了時、およびコンプリート機能作動時のゲームの進行状態と設定示唆画像の遷移を説明するためのタイミングチャートである。
【
図15】遊技機における設定示唆の変形例1を説明するための図である。
【
図16】遊技機における設定示唆の変形例2を説明するための図である。
【
図17】遊技機におけるコンプリート機能作動後のメイン表示器での履歴情報の表示を説明するための図である。
【
図18】遊技機における主制御装置でのコンプリート中処理を示すフローチャートである。
【
図19】遊技機における副制御装置での前扉開放異常処理を示すフローチャートである。
【
図20】遊技機における前扉開放時のメイン表示器での表示内容を説明するための図である。
【
図21】遊技機における副制御装置でのコンプリート処理を示すフローチャートである。
【
図22】遊技機における副制御装置でのコンプリート後異常処理を示すフローチャートである。
【
図23】遊技機におけるコンプリート機能作動後の異常状態発生時のメイン表示器での表内容を説明するための図である。
【
図24】遊技機における前兆頻度を変更する際のサブ表示器での表内容を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
本発明に係る遊技機について、
図1~
図11を参照して説明する。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、
図1~
図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1~
図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、外部出力端子18、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、本第1実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
[遊技機の外観を示す概略正面図]
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を手前側から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0013】
メイン表示器8の右側には、操作手段(演出操作手段)として例示する上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0014】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0015】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は20個以外でもよい。
【0016】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。
【0017】
なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよいし、有利区間ランプ13に代えてAT状態(あるいはAT状態+疑似ボーナス状態)中に点灯するAT状態ランプを設けるようにしてもよい。
【0018】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
また、サブ表示器17は、タッチパネル式の表示器で構成され、遊技者による画面へのタッチ操作により、演出内容に関する種々の操作を可能としていて、例えば、演出モードを切り替えるための切替操作や、遊技内容の説明画像への切替操作や、前兆頻度を変更する際の変更操作等を可能としている。
【0019】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、操作手段として例示するベットボタン2a、操作手段(演出操作手段)として例示する演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0020】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0021】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2cおよび操作手段(停止操作手段)として例示する停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが横方向に所定間隔で配設される。
また、各停止ボタン5の内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光色の変更(赤→青)により各停止ボタン5の操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0022】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0023】
[遊技機の制御構成を示すブロック図]
図2は、本第1実施形態におけるスロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0024】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、外部出力端子18、メダル払出装置7、ドラムユニット4dおよび有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0025】
設定手段としての確率設定装置14は、特別遊技状態(例えば、AT状態)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特別遊技状態の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定(有利度合いが最も低い設定)であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定(有利度合いが最も高い設定)となっている。
【0026】
確率設定装置14における設定値を変更する手順としては、設定キー(図示略)を確率設定装置14のキー挿入口に挿入して所定方向に設定キーを回転させた状態で、スロットマシン1の電源を投入することで、設定変更モードに移行させ、当該設定変更モードへの移行により、設定確認表示器(図示略)にその時点の設定値が表示され、設定変更ボタンの操作により所望の設定値への変更操作を行った後、例えば、スタートレバー3の操作により、設定値への変更が行われるものとなっている。
【0027】
また、設定キー(図示略)を確率設定装置14のキー挿入口に挿入して所定方向に設定キーを回転させた状態でのスロットマシン1の電源の投入後、リセットスイッチ(図示略)を操作すると、主制御装置10がリセットされることとなり、確率設定装置14における設定値が初期化(設定1に設定)されるとともに、後述する差枚数カウンタも初期化(ゼロクリア)されることとなる。なお、リセットスイッチの操作以外でも、上記した設定値の変更操作が行われた場合にも差枚数カウンタは初期化される。
すなわち、主制御装置10は、差数情報算出手段(主制御装置10)により計数された差数情報(差枚数カウンタの値)を初期化可能な初期化手段を備えるのである。
【0028】
また、確率設定装置14でのその時点の設定値も確認可能となっていて、電源投入後に確率設定装置14のキー挿入口に設定キーを挿入して所定方向に回転させることで、その時点の設定値が設定確認表示器に表示されるものとなっている。
【0029】
なお、特別遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、確率設定装置14における設定値により、CZ状態やAT状態の移行確率を変化させるようにすることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化可能としてもよい。
また、特別遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0030】
外部出力端子18は、遊技店に設置された管理装置(図示略)や呼出装置(図示略)に対して、スロットマシン1における遊技に関わる情報を出力するもので、スロットマシン1での実行ゲーム数、メダル投入数、メダル払出数、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、AT状態)の発生回数や移行期間等の各種データを収集するための情報を主制御装置10の制御により出力するものである。
【0031】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0032】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やAT状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0033】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づきAT状態中の移行抽選処理、AT状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0034】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、小役、AT状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づきAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0035】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0036】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0037】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0038】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0039】
また、副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、サブ表示器17のタッチパネルからの信号に基づき、各演出の切替タイミング等を制御可能となっている。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、差数情報算出手段、上限制御手段、遊技状態制御手段、権利付与手段、報知制御手段、演出制御手段、履歴情報表示制御手段、ゲーム不能動化手段、演出確率変更制御手段、特定履歴情報表示制御手段は、一時的ゲーム不能動化手段、有利度合示唆手段、異常報知制御手段、ゲーム不能動化解除監視手段が構成される。
【0040】
[ゲーム制御]
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技(ゲーム)を実行可能に構成されている。
【0041】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0042】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役などの複数の役(ハズレを含む)や、AT状態の移行に対する今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0043】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0044】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、BAR、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0045】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
各リール4a~4cの停止制御(引込停止制御)は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン(入賞ライン)上に停止可能となる。
【0046】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の各リール4の中段図柄を結ぶ中段の入賞ライン(中段入賞ライン)上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。したがって、例えば、斜めのライン上に所定の図柄が揃った場合でも、実際にはそのときに中段に停止している、揃っていない図柄の組合せで入賞が判定されることとなる。
すなわち、主制御装置10は、変動表示手段(リール4)における識別情報(図柄)の導出に関わる制御を実行可能な変動表示制御手段を備えるのである。
なお、上記識別情報(図柄)の導出に関わる制御には、内部抽選処理の抽選結果に基づきゲーム結果として図柄を導出(停止)させる制御と、後述する疑似遊技においてゲームの実行中に図柄を導出(疑似停止)させる制御とがある。
【0047】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0048】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役が設けられている。
また、ベル役の入賞時には、例えば、8枚のメダルが払い出される。
【0049】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0050】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0051】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順によって停止ボタン5a~5cが操作されなかった場合には、メダルを払い出さないようにしてもよいし、1枚のメダルを払い出すようにしてもよい。
【0052】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)である。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aおよび中リール4bの入賞ライン上に並んで停止する弱チェリー役(2連チェリー)と、「チェリー」が左リール4a、中リール4bおよび右リール4cの入賞ライン上に並んで停止する強チェリー役(3連チェリー)と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する中段チェリー役(特殊役)とがある。
また、スイカ役およびチェリー役の入賞時には、例えば、3枚のメダルが払い出される。
【0053】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする役である。
リプレイ役の入賞時には、今回のゲームで設定されたベット数が自動的に再設定されることとなり、今回のゲームでのゲーム開始条件と同様の条件で次回のゲームが再度実行可能となる。
【0054】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8及びナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
すなわち、主制御装置10及び副制御装置20は、ゲームの結果として特定結果(「ベル・ベル・ベル」)を導出するための操作情報(特定操作情報)を報知(役入賞報知)する制御を実行可能とするのである。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、ATが継続して実行される遊技状態がAT状態となる。
なお、ナビランプ12を、副制御装置20を介さずに主制御装置10により直接駆動制御可能な構成としてもよい。
【0055】
[遊技状態の移行]
次に、本実施形態におけるスロットマシン1での遊技状態の移行について
図3、
図4を参照して説明する。
本実施形態におけるスロットマシン1においては、3枚のメダルを費やして(3ベットして)ゲームを実行する3ベットゲームを実行可能としているが、
図3は、主制御装置10の制御により実現される3ベットゲームの実行時の遊技状態の移行態様を示している。
なお、本実施形態においては、3ベットゲームの実行時にのみ、遊技状態の移行制御を行うようにしていて、それ以外のゲーム(例えば、2ベットゲーム)では遊技状態を移行させない制御を行っているが、ゲームの実行自体を3ベット時のみ許容し、それ以外のベット数ではゲームの実行を禁止するようにしてもよい。
以降は、3ベットゲームを「ゲーム」と称する。
【0056】
図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1の遊技は、主として通常遊技状態、CZ状態、AT状態、エンディング状態の複数の遊技状態において実行される。
主制御装置10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
そして、上記遊技状態のうちAT状態(エンディング状態を含む)が遊技者にとって有利な遊技状態として構成される。
【0057】
また、本実施形態の主制御装置10は、上記遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間および有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ナビが実行されることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了される。
通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0058】
また、通常区間では、有利区間移行条件が成立すること、例えば、内部抽選において所定の役(例えば、ベル役)に当選することで、有利区間に移行させることが決定される。
なお、通常区間における所定のレア役の当選に基づき、AT状態の移行条件を成立させてもよく、この場合には有利区間移行条件の成立後にAT状態に移行させることが好ましい。したがって、有利区間移行条件の成立後に押し順ナビが実行されることとなるので、通常区間においては押し順ナビは行われないこととなる。
また、主制御装置10のリセット時には通常区間に制御される。
【0059】
有利区間は、押し順ナビが実行されることのある遊技区間であり、押し順ナビが実行され得ることで通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の有利区間終了条件が成立することで終了される。
すなわち、主制御装置10は、遊技区間を遊技者にとって有利な制御が行われる有利区間に制御可能な有利区間制御手段を備えるのである。
有利区間では、有利区間ランプ13は点灯状態に制御される。
【0060】
なお、有利区間への移行後、押し順ナビの実行により遊技者が保有するメダル数が増加する遊技状態(例えば、AT状態)となった時点で、有利区間ランプ13の点灯状態を開始してもよい。
また、有利区間へ移行した場合でも有利区間ランプ13を点灯させないようにしてもよいし、有利区間へ移行した場合でもAT状態に移行した場合にのみ点灯させるようにしてもよい。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよいが、代わりに主制御装置10で制御されるAT状態ランプを設けて、AT状態中にAT状態ランプを点灯させることが好ましい。
【0061】
また、有利区間は、当該有利区間中における有利区間の終了条件の成立に基づき、通常区間に移行するものとなっている。
有利区間の終了条件としては、例えば、スロットマシン1(主制御装置10)がリセット(設定変更時も含む)された場合等が例示される。
なお、詳細は後述するが、基本的にはAT状態の終了時には有利区間は継続するものとなっているが、AT状態の終了時の差枚数カウンタの値に応じて有利区間を終了する場合もある。また、その他にAT状態終了時の一部で有利区間の終了条件を成立させるようにしてもよい。
【0062】
さらに、スロットマシン1には、詳細は後述するが、遊技者が獲得するメダル数を制限するための制限機能(第1制限機能)としてリミッタ機能(以降単にリミッタという)が設けられていて、リミッタが作動した場合にも有利区間の終了条件が成立するものとなっている。
例えば、1回の有利区間における差枚数(払い出されたメダル数―投入されたメダル数)が上限枚数(例えば、+2400枚)に達した場合にリミッタが作動するものとなっている。
【0063】
また、リミッタの作動条件として、上記以外に1回の有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(例えば、4000ゲーム)に達した場合を設定するようにしている。
したがって、リミッタは、1回の有利区間における差枚数が上限枚数に達した場合、あるいは1回の有利区間におけるゲーム数が上限ゲーム数に達した場合のいずれかが成立した場合に作動することとなる。
なお、リミッタの作動条件を、1回の有利区間における差枚数が上限枚数に達した場合のみに設定し、1回の有利区間におけるゲーム数に上限ゲーム数を設けないようにしてもよい。
そして、上記した何れかの有利区間の終了条件が成立した場合に有利区間が終了するものとなっている。
【0064】
また、本実施形態においては、詳細は後述するが、AT状態中に上記リミッタが作動する以前において、所定の条件が成立した場合に、AT状態をエンディング状態(第1エンディング状態)に移行させ、エンディング状態に移行させた場合には、当該エンディング状態をリミッタが作動するまで継続させるようにしている。
したがって、エンディング状態に移行した場合には、リミッタが作動することが確定することとなるのである。
ただし、この場合には、上記エンディング状態はメダルの獲得枚数が上限数となる場合まで継続することとなるが、それ以前にゲーム数が上限数(例えば、4000回)となった場合には、その時点でエンディング状態は終了することとなる。
なお、エンディング状態は、AT状態と同様に当該エンディング状態中のゲームにおいては押し順ナビが実行されることとなる。したがって、エンディング状態もAT状態中における1つの遊技状態と捉えることもできる。
また、エンディング状態中においては、遊技者に有利な状態が上限まで継続したことを事前に祝福するような演出(エンディング演出)を、例えば、メイン表示器8において実行するようにしている。
【0065】
また、本実施形態のスロットマシン1では、ゲームの実行に基づき、上記押し順ナビの実行不能区間である通常区間と、押し順ナビの実行可能区間である有利区間の移行制御を行うようにしている。そして、スロットマシン1の初期状態では通常区間に制御されるとともに、通常区間におけるゲームの実行時に、所定の移行条件が成立(例えば、ベル役に当選)した場合に、有利区間への移行が行われる。
【0066】
まず、
図3を参照して、上記したエンディング状態に移行しない場合の遊技状態の移行制御について説明する。
【0067】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合等で滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中のゲームにおいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。
スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合等の通常遊技状態においては、遊技区間が通常区間に制御されていて、通常遊技状態中におけるゲームにおいて有利区間移行条件が成立した場合に遊技区間が通常区間から有利区間に移行する。
【0068】
また、本実施形態においては、主にCZ状態からAT状態へ移行させるようにしているが、通常遊技状態に滞在中のゲームにおいも、AT状態の移行抽選を行い、通常遊技状態から直接AT状態に移行可能としている。
通常遊技状態から直接AT状態への移行は、通常遊技状態中のゲームにおいて、役の抽選結果が特殊役(中段チェリー役)の当選となったことに基づき行われる。
特殊役は、当選確率が極めて低い役となっていて、当該特殊役の当選に基づきAT状態に移行した場合には、AT状態の移行初期時に極めて多数のゲーム数(例えば、500ゲーム)が初期残りゲーム数として付与される。
したがって、特殊役に当選した場合には、遊技者にとって極めて有利なAT状態が発生することとなるのである。
なお、AT状態中に特殊役に当選した場合にも、上記同様のゲーム数(例えば、500ゲーム)の上乗せが行われる。
【0069】
なお、AT状態への移行条件は上記した以外でもよく、例えば、通常遊技状態(有利区間)におけるゲームの実行回数が予め定められた数となった場合に、AT状態に移行させるようにしてもよいし、所定の役(例えば、ベル役)の当選回数が予め定められた数となった場合に、AT状態に移行させるようにしてもよい。
さらに、通常遊技状態(有利区間)におけるゲームにおいて、役の抽選結果に応じて所定のポイントを加算し、このポイントの加算値が所定数となった場合に、AT状態に移行させるようにしてもよいし、ポイントの加算値が所定数となった場合に、AT状態への移行抽選を行い、この移行抽選に当選した場合にAT状態に移行させるようにしてもよい。
【0070】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(
図3の矢印a)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、ゲームの実行によりレア役(スイカ役、弱チェリー役、強チェリー役)に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。
CZ状態の移行抽選に当選する確率は、確率設定装置14での設定値に応じて変化するものとなっていて、CZ状態への移行抽選処理において、例えば、設定値が1~3の場合には、レア役当選時に90%の確率でハズレ(非当選)となり、10%の確率で当選となる。
また、設定値が4~6場合には、レア役当選時に80%の確率でハズレ(非当選)となり、20%の確率で当選となる。
したがって、確率設定装置14での設定値が高い方がCZ状態に移行する確率が高くなるのである。
【0071】
また、通常遊技状態中におけるゲームの実行によりゲーム数が計数され、当該ゲームの実行回数が予め定められた回数(天井ゲーム数)となった場合にも通常遊技状態からCZ状態疑への移行が行われる。
なお、天井ゲーム数は、有利区間への移行時、AT状態の移行を伴わないCZ状態の終了時、AT終了時等に決定され、次回のCZ状態の移行はこの新たに決定された天井ゲーム数により管理される。また、決定される天井ゲーム数には予め上限数(例えば、1000回)が設定されている。
【0072】
また、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるために、ゲーム数が天井ゲーム数に到達した場合、およびレア役に当選してCZ状態への移行が決定された場合に、直ぐにCZ状態に移行させずに、所定ゲーム数(例えば、30回)の遅延期間(この場合、本前兆期間)を設けて、この遅延期間中においてCZ状態への移行に対する期待感を高めるための前兆演出(この場合、本前兆演出)をメイン表示器8において実行するようにしている。
例えば、遅延期間(本前兆期間)を30ゲームとした場合に、前半の15ゲーム間はメイン表示器8に所定のキャラクタ画像を現出させる確率を高めるような予備演出を実行し、後半の15ゲーム間においてメイン表示器8に前兆演出を実行するのである。したがって、前兆演出は複数のゲームに跨って(所定ゲーム数に亘って)実行されることとなる。
なお、前兆演出の終盤において、最終的にCZ状態に移行することを対戦演出の結果等により報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態の連続演出(本連続演出)をメイン表示器8において実行してもよい。
【0073】
また、レア役に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、15ゲーム)のCZ状態のフェイク前兆演出をメイン表示器8において実行するようにしている。
なお、フェイク前兆演出の終盤において、最終的にCZ状態に移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態のフェイク連続演出をメイン表示器8において実行してもよい。
CZ状態の前兆演出(および連続演出)とフェイク前兆演出(およびフェイク連続演出)は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしている。
【0074】
また、本実施形態においては、上記天井ゲーム数を決定する際に、決定された天井ゲーム数に一定の偏りが生じるような決定制御を行うようにしている。
例えば、天井ゲーム数が平均的に決定されるのではなく、50~100ゲーム、200~250ゲーム、400~450ゲーム等の特定の期間にCZ状態に移行する確率が高まるように天井ゲーム数に偏りを生じさせるのである。この特定の期間が所謂ゾーンとなるのである。
また、天井ゲーム数が設定されてない特定の期間においては、レア役に当選してCZ状態に移行しない場合と同様に、フェイク前兆演出(ゲーム数に基づくフェイク前兆演出)を所定確率で実行するようにしている。
なお、詳細は後述するが、フェイク前兆演出の発生確率は、遊技者の操作により変更可能となっている。
【0075】
前兆演出中においては、メイン表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での演出画像が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御装置20の制御により、その時点のCZ状態への移行の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0076】
なお、本実施形態においては、CZ状態の発生に関連して、所定の演出(特定演出)としての前兆演出(本前兆演出、フェイク前兆演出)を実行するようにしているが、その他の特典の付与に関連して前兆演出(本前兆演出、フェイク前兆演出)を実行するようにしてもよい。例えば、通常遊技状態においてAT状態に移行させる際に前兆演出を実行するようにしてもよい。
また、通常遊技状態において、CZ状態への移行確率が相対的に低い通常確率状態と、CZ状態への移行確率が相対的に高い高確率状態とを設けることで、CZ状態への移行確率を変更可能としてもよい。
また、確率設定装置14における設定値に応じたCZ状態への移行確率は上記した以外でもよい。
また、通常遊技状態中のゲームにおいて、役の抽選結果に関係なく毎ゲームCZ状態への移行抽選を行うようにしてもよいし、通常遊技状態(有利区間)中のゲームの実行回数が所定数となった場合にCZ状態へ移行するようにしてもよい。
【0077】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、AT状態への移行抽選処理が行われる遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0078】
CZ状態に滞在中は、AT状態への移行が可能な状態であるので、CZ状態は一連の遊技の流れにおいてチャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最小ゲーム数を10ゲームとして、10ゲーム以降はCZ状態中の終了抽選が主制御装置10で行われ、当該終了抽選に当選した場合には、そのゲームでCZ状態が終了することとなる。
なお、CZ状態の継続期間は、上記以外でもよく、例えば、固定のゲーム数でもよい。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10および副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、CZ状態中の各種演出や残りゲーム数がメイン表示器8に表示される。
【0079】
・CZ状態からAT状態(特化ゾーン)への移行処理(
図3の矢印c)
CZ状態においては、主制御装置10では各ゲームにおいてAT状態の移行抽選処理を行う。
AT状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。
【0080】
CZ状態中のゲームにおいてAT状態の移行抽選に当選する確率は、例えば、レア役に当選した場合には100%の確率となり、レア役以外の役に当選した場合には10%の確率となっている。
したがって、当選確率が低い役に当選した方がAT状態に移行する確率が高くなるのである。
【0081】
AT状態の移行抽選に当選した場合には、当選したゲームの次ゲームから遊技状態がAT状態へ移行することとなる。
また、CZ状態の終了によりAT状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0082】
なお、AT状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でもAT状態の移行抽選は実行される。
また、各当選役の一部又は全部についてのAT状態の当選確率は上記以外でもよい。また、CZ状態中におけるAT状態の移行抽選契機役は上記した以外でもよい。
また、押し順ベル役の当選時にはAT状態の移行抽選処理を行うようにするが、押し順ベル役が入賞した場合にのみAT状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0083】
また、CZ状態中は、当該CZ状態中のゲームを通して、遊技者がCZ状態中であることを認識可能なCZ状態画像がメイン表示器8で表示される。
また、AT状態の移行抽選に当選したゲームが実行された場合に、当該ゲームの実行中においては、所定の準備演出画像(動画)が表示され、ゲームの終了後にはAT状態に移行した旨を報知する報知画像が表示される。
例えば、CZ状態中においては、上記CZ状態画像として、主人公キャラクタが寝ている画像が表示されるものとし、AT状態の移行抽選に当選したゲーム中においては、主人公キャラクタがクローズアップされることで、目覚めるか否かを演出する準備演出動画が表示され、ゲーム終了後に主人公キャラクタが目覚める報知画像が表示されることで、AT状態に当選した旨を報知する演出が実行される。
【0084】
また、CZ状態中におけるAT状態に非当選となるゲームが実行される場合の所定確率(例えば、10%)でも、上記準備演出画像が表示されるが、この場合には、ゲーム終了後には、主人公キャラクタが目覚めない報知画像が表示されることで、AT状態に非当選である旨を報知する演出が実行される。
【0085】
また、CZ状態中の10ゲーム以降のゲーム実行時においては、CZ状態の終了抽選が行われるが、この終了抽選に当選した場合には、ゲーム実行中に徐々に画面が暗くなる演出が実行されて、ゲーム終了後に画面が全て暗くなることでCZ状態が終了した旨を報知する演出が実行される。
また、CZ状態中の10ゲーム以降のゲーム実行時においては、終了抽選に非当選(継続)となる場合にも、所定の確率で上記同様に徐々に画面が暗くなる演出が実行されるが、この場合には、ゲーム終了後に画面が再び明るくなることで、CZ状態が継続する旨を報知する演出が実行される。
【0086】
なお、CZ状態中におけるAT状態の当選の有無を報知するための演出は、上記以外でもよく、例えば、所定ゲーム間に跨って味方キャラクタと敵キャラクタが対戦する演出を実行し、当該対戦演出の結果によりAT状態への移行の有無を報知するようにしてもよい。
【0087】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印b)
CZ状態において、AT状態の移行抽選に当選せずに、CZ状態の終了抽選に当選した場合には、当該ゲームの終了後に通常遊技状態に移行する。
このとき、ゲーム終了後に、メイン表示器8の画面が真っ暗になり、AT状態へは移行せずにCZ状態の終了が報知される。
また、CZ状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続するが、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させてもよい。
【0088】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0089】
(AT状態)
本実施形態におけるAT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、メダルの獲得が容易な遊技状態である。
AT状態中においては、遊技区間は有利区間に維持される。
すなわち、主制御装置10は、所定の役(押し順ベル役)を入賞させるための役入賞報知(押し順ナビ)が行われる遊技状態(AT状態等)に制御可能な機能を有するのである。
AT状態は、主にメダルを獲得するための通常AT状態と、AT状態の継続期間を規定する残りゲーム数を決定あるいは増加させるための特化ゾーンとに大別される。
【0090】
CZ状態からAT状態への移行時には、まずは特化ゾーンに移行し、AT状態の初期ゲーム数が決定されることとなる。
特化ゾーンは、10ゲーム間継続し、各ゲームにおいてAT状態中の残りゲーム数の加算抽選が行われ、10ゲーム間に抽選された各抽選結果の合計値がAT状態開始時の残りゲーム数として設定されることとなる。
なお、詳細は後述するが、特化ゾーン中は疑似遊技(疑似ゲーム)が実行される場合があり、疑似遊技の実行によりそのときの差枚数カウンタの値が示唆される。
【0091】
また、AT状態(通常AT状態)中においても所定の条件が成立した場合には、特化ゾーンに移行することもあり、この場合も10ゲーム間継続する特化ゾーン中の各ゲームにおいて、残りゲーム数の加算抽選が行われ、10ゲーム間に抽選された各抽選結果の合計値が残りゲーム数に上乗せ(加算)されることとなる。
【0092】
上記のようにAT状態の移行初期時においては、当該AT状態の継続期間を規定する残りゲーム数が付与されることとなるが、この残りゲーム数がAT状態中におけるゲームの実行毎に1ずつ減算され、残りゲーム数が無くなるまで当該AT状態は継続するものとなっている。
【0093】
なお、AT状態の終了条件を、共通ベル役に当選した回数(押し順ナビが実行された回数)が所定数となった場合に成立するようにしてもよいし、AT状態中に遊技者が獲得したメダル数(純増枚数)が所定数となった場合に成立するようにしてもよいし、払い出されたメダル数が所定数となった場合に成立するようにしてもよい。
また、継続期間の異なる複数種類のAT状態を設けて、AT状態の移行権利の獲得時に、何れかのAT状態を選択的に発生可能としてもよい。
また、押し順ベル役の当選時に押し順ナビの実行確率の異なるAT状態を発生可能としてもよい。
【0094】
また、AT状態中においては、レア役の当選に基づき、所定の特典を付与(残りゲーム数の増加等)する上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、付与された特典に応じてAT状態の継続期間が延長されることとなる。
【0095】
上乗せ抽選に当選する確率は、確率設定装置14での設定値に応じて変化するものとなっていて、上乗せ抽選処理において、例えば、設定値が1の場合には、20%の確率で10ゲームの上乗せが行われ、10%の確率で30ゲームの上乗せが行われる。
また、上乗せ抽選処理においては、特化ゾーンへの移行抽選も同時に行われ、例えば、設定値が1の場合には、5%の確率で特化ゾーンへの移行権利が付与されることとなる。
また、確率設定装置14での設定値が高くなるほど、上乗せ抽選および特化ゾーンへの移行抽選が遊技者にとって有利に行われることとなる。
なお、上乗せ抽選の契機役はレア役以外でもよいし、上乗せされるゲーム数も上記した以外でもよい。また、当選役に応じて上乗せされるゲーム数を変化させるようにしてもよい。
【0096】
・特化ゾーンから通常AT状態への移行処理(
図3の矢印d)
AT状態の初期移行時、あるいは通常AT状態において特定の条件が成立した場合には、例えば、10ゲーム間特化ゾーンに滞在することとなるが、特化ゾーンにおいて10ゲームが実行された場合には、通常AT状態に移行することとなる。
したがって、AT状態の初期移行時に特化ゾーンに移行した場合には、特化ゾーン中に初期の残りゲーム数が決定されて、特化ゾーンの終了により、当該決定された残りゲーム数に基づき通常AT状態が開始されることとなるのである。
また、AT状態の途中(通常AT状態中)で特化ゾーンに移行した場合には、特化ゾーン中に残りゲーム数に上乗せされるゲーム数が決定されて、特化ゾーンの終了により、残りゲーム数に上乗せゲーム数が加算されて通常AT状態に復帰することとなるのである。
【0097】
なお、特化ゾーン中には、特化ゾーンに対応する演出がメイン表示器8等において実行されるとともに、ゲーム毎に上乗せされるゲーム数が報知され、最終的に特化ゾーン中に上乗せされるゲーム数の合計値が報知されることとなる。
【0098】
・通常AT状態から特化ゾーンへの移行処理(
図3の矢印e)
通常AT状態において、特化ゾーンへの移行条件が成立した場合には、特化ゾーンに移行する。
特化ゾーンへの移行は、上記した特化ゾーンの移行抽選に当選したことを条件に行われる。
また、特化ゾーンへの移行権利が付与された場合には、次ゲームで特化ゾーンに移行してもよいし、所定ゲーム数が実行された後に特化ゾーンへ移行してもよい。
通常AT状態から特化ゾーンへの移行時には、残りゲーム数の減算は中断されて、通常AT状態の復帰により残りゲーム数の減算が再開されることとなる。したがって、特化ゾーン中のゲームにおいては、残りゲーム数の減算は行われないこととなる。
【0099】
・AT状態(通常AT状態)から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印f)
AT状態(通常AT状態)中のゲームにおいて、AT状態の残りゲーム数が無くなった場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
【0100】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のAT終了状態が設定され、AT終了状態中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、AT終了状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
AT終了状態中においては、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知(通常の示唆が実行)される。例えば、所定の画像がメイン表示器8やサブ表示器17により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。なお、通常の示唆の詳細については後述する。
AT状態から通常遊技状態へ移行した場合には、有利区間は維持されることとなるが、AT状態から通常遊技状態へ移行した場合、あるいは通常遊技状態への移行時の一部で通常区間に移行させるようにしてもよい。
【0101】
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、主にCZ状態からAT状態に移行させるようにしているが、通常遊技状態中のゲームにおいて所定条件が成立したことに基づき、ゲーム実行時にATに制御される疑似ボーナス状態を発生可能とし、所定期間継続する疑似ボーナス状態中のゲームにおいてAT状態の移行抽選を行うようにしてもよい。
以上のように遊技状態の移行が行われる。
【0102】
[制限機能]
次に、
図4を参照して、本実施形態のスロットマシン1における制限機能に関わる各処理ついて説明する。
本実施形態のスロットマシン1においては、遊技者が獲得するメダルの枚数に制限を設けるために制限機能を設けるようにしている。
【0103】
本実施形態のスロットマシン1においては、上記制限機能として、第1制限機能と第2制限機能の2種類の制限機能を設けるようにしている。
第1制限機能は、1回の有利区間中における遊技者側(1人の遊技者、あるいは複数の遊技者)のメダルの獲得枚数を制限する所謂リミッタ機能(単にリミッタともいう)であり、差枚数カウンタの値が所定数(リミット値(上限遊技価値数)である+2400枚)に達した場合に、有利区間を終了させるものである。
【0104】
AT状態は有利区間中に能動化されるものであることから、AT状態(第1エンディング状態)中に第1制限機能が作動した場合には、有利区間の終了によりAT状態も終了(通常遊技状態へ移行)することとなり、遊技者が獲得するメダルの枚数が制限されることとなるのである。
上記第1制限機能で使用される差枚数カウンタは、1回の有利区間中において遊技者側が消費(ベット数として投入)したメダル数と、払い出(付与)されたメダル数の差数を主制御装置10が監視するためのカウンタであり、1回の有利区間中において、ゲームの実行に際して消費されたメダル数分減算されるとともに、ゲームの結果により払い出されたメダル数分加算されることで、ゲームの実行により増減することとなる、消費メダル数と払い出しメダル数との差数を計数可能なカウンタである。
【0105】
すなわち、主制御装置10は、有利区間における遊技価値の消費に基づき、消費された遊技価値に対応して減算処理を行うとともに、有利区間における遊技価値の付与に基づき、付与された遊技価値に対応して加算処理を行うことで、消費された遊技価値と付与された遊技価値との差数情報(差枚数カウンタの値)を算出可能な差数情報算出手段と、差数情報算出手段により算出された差数情報が、所定数(第1リミット値)に達したことに基づき、有利区間を終了させる制御を実行可能な有利区間終了制御手段とを備えるのである。
【0106】
また、差枚数カウンタは、遊技区間が通常区間へ移行することで初期化されることとなるが、初期化されない限り、ゲームの実行に際して消費されたメダルの総数が、ゲームの結果により払い出されたメダルの総数よりも大きくなった場合も計数されるものとなっている。
これにより、1回の有利区間中において遊技者側が実際に獲得したメダルがなく、メダルの消費のみが行われている場合も、そのときの消費メダル数(遊技者側が損失したメダル数)を計数可能となるのである。
なお、差枚数カウンタは、スロットマシン1の電源が遮断された場合も初期化はされないものとなっている。したがって、スロットマシン1(主制御装置10)がリセット(設定変更も含む)されていない場合には、当日以前の差枚数カウンタの値が当日において反映されることとなる。
【0107】
すなわち、差数情報算出手段としての主制御装置10は、有利区間における遊技価値(メダル)の付与数よりも、有利区間における遊技価値の消費数の方が多くなった場合も差数情報(差枚数カウンタの値)を算出(計数)可能とするのである。
したがって、1回の有利区間中において遊技者側が実際に獲得したメダルがなく、メダルの消費のみが行われている場合にも、そのメダルの消費内容を反映して第1制限機能を作動させることが可能となるので、消費メダル数が多くなるほど第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能なメダル数が多くなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0108】
なお、主制御装置10では、差枚数カウンタのマイナス分を計数可能としているが、初期値として予め大きな値(例えば、+20000等)を設定することで、遊技者側が実際に獲得したメダルがなく、メダルの消費のみが行われている場合にも、カウンタ値がマイナス値となる可能性を低めるようにしてもよい。
【0109】
第2制限機能は、スロットマシン1の電源が投入されてから遮断されるまでに遊技者側が実際に獲得するメダル数(純増枚数)を制限する所謂コンプリート機能(単にコンプリートともいう)であり、後述する純増枚数カウンタの値が所定数(コンプリート値である+19000枚:特定遊技価値数)に達した場合に、ゲーム実行不能状態として、その後のゲームが不能となる遊技停止状態にするものである。
したがって、遊技店の営業中において、遊技者側が獲得するメダル数が制限されることとなるのである。
また、遊技店の営業中に、差枚数カウンタが極めて小さい値となっていて、第1制限機能が作動するまでに極めて多数のメダルを遊技者が獲得可能な状態となっていても、第1制限機能が作動するまでに第2制限機能が先に作動することとなり、差枚数カウンタが極めて小さい値となった場合でも、遊技店側の不利益が極めて大きくなってしまうことを防止可能となるのである。
【0110】
上記第2制限機能で使用される純増枚数カウンタは、スロットマシン1の電源が投入されてから遮断されるまで(監視期間中)に遊技者側が実際に獲得したメダル数(純増枚数)を監視するためのカウンタであり、ゲームの実行に際して消費(ベット数として入力)されたメダル数分減算され、ゲームの結果により払い出(付与)されたメダル数分加算されるとともに、下限値が0に補正されることで、上記メダル数(純増枚数)を計数可能となっている。
なお、純増枚数カウンタは、スロットマシン1(主制御装置10)がリセット(設定変更も含む)された場合と、スロットマシン1の電源が遮断された場合に初期化されることとなる。したがって、遊技区間が通常区間へ移行した場合も初期化されないものとなっている。
【0111】
したがって、純増枚数カウンタの値(所謂「MY」)は、「(ゲームの結果により払い出されたメダル数)-(ゲームの実行に際して消費されたメダル数)」で算出される値であって、このときの値が「-1」以下とならないように下限補正、すなわち監視期間中における遊技者側が実際に獲得したメダル数がマイナス値となった場合に下限補正され、さらにマイナス値の最小値が更新される毎に下限補正されることで、監視期間中における「ゲームの結果により払い出されたメダル数」と「ゲームの実行に際して消費されたメダル数」の差数の最大値を監視するものとなるのである。
すなわち、主制御装置10は、所定遊技期間(電源投入からその時点までの遊技期間)において、遊技価値(メダル)の付与に基づく遊技者側における遊技価値の増加数を計数可能な増加数計数手段を備えるのである。
また、増加数計数手段としての主制御装置10は、遊技者側における遊技価値の増加数の計数を、当該遊技機の電源が投入されてから遮断されるまでの期間に実行可能とするのである。
【0112】
そして、この純増枚数カウンタの値が所定数(コンプリート値である+19000枚)に達した場合に、遊技停止状態となるのである。
すなわち、主制御装置10は、上記増加数計数手段により計数された遊技価値の増加数が、上限数(+19000枚)に達したことに基づき、ゲームを実行不能なゲーム実行不能状態(遊技停止状態)に制御可能なゲーム不能制御手段を備えるのである。
【0113】
また、第2制限機能の作動により遊技停止状態となったスロットマシン1は、主制御装置10がリセット(設定変更も含む)されるまでその後のゲームは不能(クレジットの払出は可能)となる。
通常、遊技店の営業中に主制御装置10をリセットすることは禁止されているので、第2制限機能が作動した場合には、当該スロットマシン1での当日の再遊技はできないものとなる。
なお、本実施形態においては、差枚数カウンタの値に基づき第1制限機能を作動させて、純増枚数カウンタの値に基づき第2制限機能を作動させるようにしているが、遊技店の営業中における差枚数カウンタの値に基づき第2制限機能を作動させて、1回の有利区間中における純増枚数カウンタの値に基づき第1制限機能を作動させるようにしてもよい。
【0114】
また、本実施形態のスロットマシン1においては、制限機能が作動する直前の所定期間においては、AT状態をエンディング状態に制御するようにしている。
エンディング状態は、制限機能が作動することを事前に報知したり、祝福する演出を実行したりする状態であり、第1制限機能(リミッタ)が作動する直前に移行する第1エンディング状態と、第2制限機能(コンプリート)が作動する直前に移行する第2エンディング状態と、含んでいる。
本実施形態においては、主制御装置10は、AT状態中におけるエンディング状態以外の遊技状態を特定遊技状態として制御し、AT状態中におけるエンディング状態中の遊技状態を特別遊技状態として制御するようにしている。
【0115】
そして、第1制限機能が作動する場合には、例えば、AT状態中に差枚数カウンタの値がリミット値である「+2400」に到達する直前の特定数に達した時点で、第1エンディング状態に移行させ、第1エンディング状態に移行させた場合には、第1制限機能が作動するまでAT状態(第1エンディング状態)を継続させるような制御を行うようにしている。
したがって、第1エンディング状態に移行した場合には、その後にAT状態の継続条件が不成立となった場合でも、強制的に第1制限機能が作動するまでAT状態(第1エンディング状態)が継続することとなるのである。
【0116】
また、詳細は後述するが、本実施形態においては、第1エンディング状態に移行させることとなる差枚数カウンタの特定数(特別遊技価値数)を所定条件の成立に基づき変更可能としている。
特定数の変更は、AT状態の移行時の差枚数カウンタの値に応じて行うようになっている。
【0117】
AT状態の移行時の差枚数カウンタの値は、第1制限機能(リミッタ)が作動するまでに遊技者が実際に獲得するメダル数(純増枚数)に影響を与えることとなるので、AT状態の移行時において、その後に第1制限機能(リミッタ)が作動するまでに遊技者が実際に獲得可能なメダル数(上限遊技価値数)に応じて特定数が変更されることとなるのである。
つまり、AT状態の移行時において、その後に第1制限機能(リミッタ)が作動するまでに遊技者が実際に獲得可能なメダル数(上限遊技価値数)に応じて、第1エンディング状態に移行する時期が変化することとなるのである。
【0118】
一方、第2制限機能が作動する場合には、例えば、AT状態中に純増枚数カウンタの値がコンプリート値である+19000枚に達することが事前に決定されている状態において、純増枚数カウンタの値が所定数(例えば、+18500枚)に達した時点で、第2制限機能が作動することを事前判定し第2エンディング状態に移行させるようにしている。
【0119】
なお、第2制限機能が作動することの事前判定は、AT状態の残りゲーム数から算出されるその後の予想獲得メダル数と、その時点での純増枚数カウンタの値との合計値がコンプリート値に達した場合に行えばよい。
例えば、AT状態中の1ゲームあたりの純増枚数が3枚であった場合には、純増枚数カウンタの値が所定数(例えば、+18500枚)の場合において、AT状態の残りゲーム数が167ゲーム以上となった時点(その後の予想獲得メダル数が約501枚となった時点)で事前判定すればよい。
また、第2制限機能が作動する場合にも、第1制限機能と同様に、AT状態中に純増枚数カウンタの値がコンプリート値である「+19000」に到達する直前の所定数(例えば、「+18500」)に達した時点で、第2エンディング状態に移行させ、第2エンディング状態に移行させた場合には、第2制限機能が作動するまでAT状態(第2エンディング状態)を無条件で継続させるようにしてもよい。
【0120】
そして、
図4に示すように、AT状態中において、第1制限機能の作動に関わる第1エンディング状態に移行して、第1エンディング状態中に差枚数カウンタの値が、リミット値に達した場合には、有利区間の終了(通常区間への移行)とともに遊技状態が通常遊技状態に移行することとなる(
図4の矢印g)。
遊技状態が通常遊技状態して、遊技区間が通常区間へ移行した後は、有利区間移行条件の成立(例えば、共通ベル役あるいは押し順ベル役の当選)により遊技区間が有利区間に再び移行して、次回のAT状態の移行に関わる遊技状態の移行制御等が行われることとなる。
【0121】
一方、AT状態中において、第2制限機能の作動に関わる第2エンディング状態に移行して、第2エンディング状態中に純増枚数カウンタの値が、コンプリート値に達した場合には、AT状態が終了して遊技停止状態に移行することとなる(
図4の矢印h)。
そして、遊技停止状態に移行した場合には、主制御装置10のリセットにより、遊技状態が通常遊技状態に復帰することとなる(
図4の矢印i)。
なお、第1エンディング状態中においては、第1制限機能が作動することを祝福するような演出(エンディング演出)を、例えば、メイン表示器8において実行するが、第2エンディング状態中においては、第2制限機能が作動することを祝福するような演出を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、メイン表示器8において第2制限機能が作動することを遊技者が認識可能な演出を行うことが好ましい。
以上のように制限機能に関わる制御が行われる。
【0122】
[第1エンディング状態の移行条件]
次に、
図5を参照して、本実施形態のスロットマシン1における第1エンディング状態の移行条件について詳しく説明する。
【0123】
前述したように、本実施形態のスロットマシン1においては、1回の有利区間中における差枚数カウンタの値がリミット値となった場合に第1制限機能(リミッタ)が作動することとなるので、AT状態の移行時点における差枚数カウンタの値に応じて、その後第1制限機能が作動するまでに遊技者側が実際に獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が変化することとなる。
すなわち、主制御装置10は、差数情報(差枚数カウンタの値)と、任意に設定される上限遊技価値数(リミット値である「+2400」)とに基づいて、有利区間において遊技者に付与可能な遊技価値数である上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)を制御可能な上限制御手段を備えるのである。
【0124】
また、主制御装置10では、第1制限機能を作動させる場合には、AT状態中に差枚数カウンタの値がリミット値である「+2400」に到達する直前の特定数(特別遊技価値数)に達した時点で、第1エンディング状態に移行させ、第1エンディング状態に移行させた場合には、第1制限機能が作動するまで無条件でAT状態(第1エンディング状態)を継続させるような制御を行うようにしている。
すなわち、主制御装置10は、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が特別遊技価値数(特定数)となることに基づいて、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)まで遊技価値を付与することが可能な遊技状態として特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能な遊技状態制御手段を備えるのである。
【0125】
そして、主制御装置10は、AT状態への移行時に差枚数カウンタの値を参照して、この差枚数カウンタの値に応じて、当該AT状態中において第1エンディング状態に移行させることとなる上記特定数(特別遊技価値数)を変更可能としている。
すなわち、AT状態への移行時点で、その後に第1制限機能が作動するまでに遊技者側が実際に獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が決定されることとなるが、このメダルの最大獲得可能枚数に応じて、第1エンディング状態に移行させる時期を変化可能としているのである。
なお、差枚数カウンタの値を参照する時期は、遊技状態がAT状態へ移行する時点以外でもよく、AT状態へ移行する前においてAT状態へ移行権利が付与された時点でもよい。
【0126】
図5は、主制御装置10の制御により変化する第1エンディング状態の移行条件を示している。
なお、表中、「最大獲得可能枚数」は、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数(リミット値とAT状態移行時の差枚数カウンタの値の差数)を示している。
また、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、第1エンディング状態に移行することとなるAT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数(純増枚数)を示していて、「最大獲得可能枚数」から「第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数」を減算した値、すなわち、リミット値(+2400)から「第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数」を減算した差枚数カウンタの値を示している。
【0127】
図5に示すように、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3000枚未満」である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-400枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-600」よりも大きかった場合には、差枚数カウンタの値が「+2000」(+2400-400)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-100」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2500枚」(2400枚+100枚)となり、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、「2100枚」(2500枚-400枚)となるのである。
【0128】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「3000枚未満」である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-400枚」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0129】
一方、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3000枚以上」である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-200枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-600」以下の場合には、差枚数カウンタの値が「+2200」(+2400-200)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-1000」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3400枚」(2400枚+1000枚)となり、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、「3200枚」(3400枚-200枚)となるのである。
【0130】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「3000枚以上」である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-200枚」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0131】
これにより、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数の「3000枚」を閾値にして、それよりも小さい値であった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が、第1制限機能が作動することとなる残り「400枚」となった時点で第1エンディング状態に移行することとなり、それ以上の値であった場合には、第1制限機能が作動することとなる残り「200枚」となった時点で第1エンディング状態に移行することとなるのである。
つまり、AT状態への移行時点において、差枚数カウンタの値が小さいほど最大獲得可能枚数が多くなることとなるが、このときの最大獲得可能枚数が「3000枚未満」であった場合には、「3000枚以上」の場合よりも早期に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0132】
以上のように、本実施形態においては、主制御装置10は、AT状態への移行時に差枚数カウンタの値を参照して、この差枚数カウンタの値が「-600」よりも大きい場合、すなわち、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が「3000枚未満」のいずれかの枚数(第1の値)である場合には、特定数(第1特定数)として「最大獲得可能枚数-400枚」を設定し、AT状態中に遊技者が実際に獲得したメダル数が、この特定数(第1特定数)に達した場合に第1エンディング状態に移行させるのである。
一方、上記差枚数カウンタの値が「-600」以下の場合、すなわち、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が「3000枚以上」のいずれかの枚数(第2の値)である場合には、特定数(第2特定数)として「最大獲得可能枚数-200枚」を設定し、AT状態中に遊技者が実際に獲得したメダル数が、この特定数(第2特定数)に達した場合に第1エンディング状態に移行させるのである。
【0133】
すなわち、遊技状態制御手段としての主制御装置10は、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値(「3000枚未満」のいずれかの枚数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第1特別遊技価値数(第1特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とし、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値よりも多い第2の値(「3000枚以上」のいずれかの枚数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第2特別遊技価値数(第2特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とするのである。
【0134】
したがって、AT状態中において第1エンディング状態に移行する時期が種々変化することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、第1制限機能が作動するまでに遊技者が実際に獲得可能なメダル数が、第2の値よりも少ない第1の値であった場合には、第1制限機能が作動する時点に対して第1エンディング状態に移行する時期が早まることとなるので、第1制限機能が作動するまでAT状態が継続することが確定する時期が早期(難易度が低下すること)となり、獲得可能なメダル数が相対的に少ない場合でも遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0135】
なお、特定数を第1特定数(第1特別遊技価値数)あるいは第2特定数(第2特別遊技価値数)にするかを切り替える際の「最大獲得可能枚数」(差枚数カウンタ)の閾値は、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」についても、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
【0136】
また、本実施形態においては、エンディング状態、あるいはエンディング状態以外のAT状態中において押し順ベル役に当選した場合には、必ず(100%の確率で)押し順ナビを報知手段(例えば、メイン表示器8)において実行するようにしているが、エンディング状態、あるいはエンディング状態以外のAT状態中において押し順ベル役に当選した場合に、押し順ナビを実行する確率を変更するようにしてもよい。
この場合、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-600」よりも大きい場合、すなわち、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が「3000枚未満」のいずれかの枚数(第1の値)である場合には、押し順ナビを実行する確率を所定確率(例えば、80%)に設定し、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-600」以下の場合、すなわち、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が「3000枚以上」のいずれかの枚数(第2の値)である場合には、押し順ナビを実行する確率を上記所定確率よりも低い確率(例えば、60%)に設定するようにしてもよい。
【0137】
すなわち、報知手段としてのメイン表示器8は、複数の停止操作手段(停止ボタン5)に対する操作順序に関する報知(押し順ナビ)を実行可能とし、主制御装置10は、特定遊技状態(エンディング状態以外のAT状態)および特別遊技状態(エンディング状態)の少なくともいずれか一方において、上限遊技価値数に基づいて、報知手段による報知に関する制御を異ならせることが可能な報知制御手段を備えてもよいのである。
したがって、この場合には、第1制限機能が作動するまでに実際に遊技者が獲得可能なメダル数が少ない場合には、押し順ベル役の当選時に押し順ナビが実行される確率が高まることとなり、獲得可能なメダル数が少ない場合でも遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。
【0138】
また、主制御装置10は、AT状態中のゲームにおける所定条件の成立(例えば、レア役の当選)に基づき上乗せ抽選を行うものとし、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-600」よりも大きい場合、すなわち、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が「3000枚未満」のいずれかの枚数(第1の値)である場合には、上乗せ抽選に当選する確率を所定確率(例えば、80%)に設定し、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-600」以下の場合、すなわち、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が「3000枚以上」のいずれかの枚数(第2の値)である場合には、上乗せ抽選に当選する確率を上記所定確率よりも低い確率(例えば、60%)に設定するようにしてもよい。
【0139】
すなわち、主制御装置10は、特定遊技状態(第1エンディング状態以外のAT状態)において、特定遊技状態を継続させるための権利(ゲーム数を上乗せする権利)を遊技者に付与可能な権利付与手段を備え、権利付与手段は、上限遊技価値数に基づいて、特定遊技状態を継続させるための権利を付与する確率(上乗せ抽選に当選する確率)を異ならせる制御を実行可能としてもよいのである。
したがって、この場合には、第1制限機能が作動するまでに実際に遊技者が獲得可能なメダル数が少ない場合には、多い場合よりも上乗せ抽選に当選する確率が高まることとなり、獲得可能なメダル数が少ない場合でも遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。
また、この場合、AT状態中のゲームにおける上乗せ抽選を行う契機は上記以外でもよく、例えば、AT状態中における押し順ベル役の当選時に所定の確率(例えば、60%)で押し順ナビを実行するようにして、押し順ナビが実行されない押し順ベル役の当選時に、当該押し順ベル役に対応する図柄組合せが停止しなかった場合に、上乗せ抽選を行うようにしてもよい。
【0140】
また、本実施形態においては、主制御装置10は、差枚数カウンタの値に基づき最大獲得可能枚数(上限遊技価値数)を決定するようにしているが、1回の有利区間中において、付与されたメダル数よりも消費されたメダル数の方が大きくなった場合のみのメダル数、すなわち、遊技者側が不利益となっているメダル数(所謂吸込み数)を算出する消費数カウンタを設けて、この消費数カウンタの値に基づき最大獲得可能枚数(上限遊技価値数)を決定するようにしてもよい。
この場合、消費数カウンタは、差枚数カウンタの値がマイナス分に対応する値となり、例えば、差枚数カウンタの値が「-1000」の場合には、消費数カウンタの値は「+1000」となる。そして、最大獲得可能枚数(上限遊技価値数)を決定する場合には、リミット値に消費数カウンタの値を加算して決定することとなる。
【0141】
すなわち、主制御装置10は、有利区間において遊技機で使用処理が行われた遊技価値(ゲームに費やしたメダル数)と、有利区間において遊技機で付与処理が行われた遊技価値(払出数)に基づいて、遊技機で消費された消費遊技価値数(消費数カウンタの値:吸込み数)を算出可能な算出手段を備え、上限制御手段としての主制御装置10は、消費遊技価値数と、任意に設定される上限遊技価値数とに基づいて、有利区間において遊技者に付与可能な遊技価値数である上限遊技価値数を制御可能とするのである。
この場合でも、差枚数カウンタを用いた場合と同様に上限遊技価値数を制御可能となるのである。
【0142】
また、例えば、AT状態移行時点の「最大獲得可能枚数」が「3000枚未満」である「300枚」であった場合には、AT状態に移行する以前に「第1エンディング状態到達確定枚数」に到達してしまうこととなるので、例えば、AT状態終了時の差枚数カウンタの値が所定数(例えば、「+1000」)以下であった場合には、遊技区間を通常区間に移行することが好ましい。
以上のように、本実施形態におけるスロットマシン1が構成される。
【0143】
〔エンディング状態への移行条件の変形例1〕
次に、
図6を参照して、本実施形態におけるエンディング状態への移行条件の変形例1について説明する。
本変形例1においては、第1エンディング状態の移行条件が、前述した実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0144】
図6は、本変形例1における、主制御装置10の制御により変化する第1エンディング状態の移行条件を示している。
なお、表中、「最大獲得可能枚数」および「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、前述の実施形態の内容を示している。
【0145】
図6に示すように、本変形例1においては、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3000枚未満」である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-200枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-600」よりも大きかった場合には、差枚数カウンタの値が「+2200」(+2400-200)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-100」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2500枚」(2400枚+100枚)となり、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、「2300枚」(2500枚-200枚)となるのである。
【0146】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「3000枚未満」である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-200枚」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0147】
一方、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3000枚以上」である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-400枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-600」以下の場合には、差枚数カウンタの値が「+2000」(+2400-400)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-1000」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3400枚」(2400枚+1000枚)となり、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、「3000枚」(3400枚-400枚)となるのである。
【0148】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「3000枚以上」である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-400枚」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0149】
これにより、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数の「3000枚」を閾値にして、それよりも小さい値であった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が、第1制限機能が作動することとなる残り「200枚」となった時点で第1エンディング状態に移行することとなり、それ以上の値であった場合には、第1制限機能が作動することとなる残り「400枚」となった時点で第1エンディング状態に移行することとなるのである。
つまり、AT状態への移行時点において、差枚数カウンタの値が小さいほど最大獲得可能枚数が多くなることとなるが、このときの最大獲得可能枚数が「3000枚以上」であった場合には、「3000枚未満」の場合よりも早期に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0150】
以上のように、本変形例1においては、主制御装置10は、AT状態への移行時に差枚数カウンタの値を参照して、この差枚数カウンタの値が「-600」よりも大きい場合、すなわち、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が「3000枚未満」のいずれかの枚数(第1の値)である場合には、特定数(第1特定数)として「最大獲得可能枚数-200枚」を設定し、AT状態中に遊技者が実際に獲得したメダル数が、この特定数(第1特定数)に達した場合に第1エンディング状態に移行させるのである。
一方、上記差枚数カウンタの値が「-600」以下の場合、すなわち、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)が「3000枚以上」のいずれかの枚数(第2の値)である場合には、特定数(第2特定数)として「最大獲得可能枚数-400枚」を設定し、AT状態中に遊技者が実際に獲得したメダル数が、この特定数(第2特定数)に達した場合に第1エンディング状態に移行させるのである。
【0151】
すなわち、遊技状態制御手段としての主制御装置10は、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値(「3000枚未満」のいずれかの枚数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第2特別遊技価値数(第2特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とし、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値よりも多い第2の値(「3000枚以上」のいずれかの枚数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第1特別遊技価値数(第1特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とするのである。
【0152】
したがって、AT状態中において第1エンディング状態に移行する時期が種々変化することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、第1制限機能が作動するまでに遊技者が実際に獲得可能なメダル数が、第1の値よりも多い第2の値であった場合には、第1制限機能が作動する時点に対して第1エンディング状態に移行する時期が早まることとなるので、第1制限機能が作動するまでAT状態が継続することが確定する時期が早期(難易度が低下すること)となり、その結果、第1制限機能が作動するまでに遊技者が実際に獲得可能なメダル数が多い場合に、より容易に第1エンディング状態に移行することとなり、相乗的に遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、第1制限機能が作動するまでに遊技者が実際に獲得可能なメダル数が多い場合には、第1制限機能が作動する確率が低くなるが、第1エンディング状態に容易に移行しないことにより、第1制限機能がまだ作動しない(AT状態がまだ続く)、という印象を遊技者に与えることができるので、遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。
【0153】
なお、特定数を第1特定数(第1特別遊技価値数)あるいは第2特定数(第2特別遊技価値数)にするかを切り替える際の「最大獲得可能枚数」(差枚数カウンタ)の閾値は、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」についても、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、本変形例1においても、前述の実施形態と同様に、消費数カウンタの値に基づき最大獲得可能枚数(上限遊技価値数)を決定するようにしてもよい。
以上のように、変形例1のスロットマシン1が構成される。
【0154】
〔エンディング状態への移行条件の変形例2〕
次に、
図7を参照して、本実施形態におけるエンディング状態への移行条件の変形例2について説明する。
本変形例2においては、第1エンディング状態の移行条件が、前述した実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0155】
図7は、本変形例2における、主制御装置10の制御により変化する第1エンディング状態の移行条件を示している。
本変形例2においては、特定数(特別遊技価値数)の変更パターンを、前述の実施形態よりも多数に設定している点が異なっている。
なお、表中、「最大獲得可能枚数」および「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、前述の実施形態と同様の内容を示している。
【0156】
図7に示すように、本変形例2においては、まず、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚未満」である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-600枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」よりも大きかった場合には、差枚数カウンタの値が「+1800」(+2400-600)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「+100」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2300枚」(2400枚-100枚)となり、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、「1700枚」(2300枚-600枚)となるのである。
【0157】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚未満」である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-600枚」となる枚数が特定数として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0158】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-400枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」~「-500」の範囲内である場合には、差枚数カウンタの値が「+2000」(+2400-400)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-400」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2800枚」(2400枚+400枚)となり、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、「2400枚」(2800枚-400枚)となるのである。
【0159】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-400枚」となる枚数が特定数として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0160】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-300枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-501」~「-1000」の範囲内である場合には、差枚数カウンタの値が「+2100」(+2400-300)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-600」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3000枚」(2400枚+600枚)となり、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、「2700枚」(3000枚-300枚)となるのである。
【0161】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-300枚」となる枚数が特定数として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0162】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-200枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-1001」以下の場合には、差枚数カウンタの値が「+2200」(+2400-200)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-2000」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「4400枚」(2400枚+2000枚)となり、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、「4200枚」(4400枚-200枚)となるのである。
【0163】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「3401枚以上」である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-200枚」となる枚数が特定数として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0164】
なお、本変形例2においては、「最大獲得可能枚数」に基づく特定数(特別遊技価値数)の変更パターンが3種類以上あるので、上記各「最大獲得可能枚数」の相対的な大小の関係により、第1特定数(第1特別遊技価値数)と第2特定数(第1特別遊技価値数)が決定されることとなり、各「最大獲得可能枚数」を比較して、「最大獲得可能枚数」の相対的に少ない場合の「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が第1特定数(第1特別遊技価値数)として設定され、「最大獲得可能枚数」の相対的に多い場合の「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が第2特定数(第2特別遊技価値数)として設定されることとなる。
【0165】
これにより、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を閾値にして、獲得可能な最大のメダル数の増加に応じて段階的に第1エンディング状態に時期が変化することとなるのである。
つまり、AT状態への移行時点において、差枚数カウンタの値が小さいほど最大獲得可能枚数が多くなることとなるが、このときの最大獲得可能枚数が少なくなるほど、第1エンディング状態に移行する時期が段階的に早期に変化することとなるのである。
【0166】
以上のように、本変形例2においては、主制御装置10は、AT状態への移行時に差枚数カウンタの値を参照して、この差枚数カウンタの値に基づき、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を境にして第1エンディング状態に移行させる時期を段階的に変更するのである。
また、各「最大獲得可能枚数」を比較して、「最大獲得可能枚数」の相対的に少ない場合の「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が第1特定数(第1特別遊技価値数)として設定され、「最大獲得可能枚数」の相対的に多い場合の「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が第2特定数(第2特別遊技価値数)として設定されるのである。
【0167】
すなわち、本変形例2においても、前述の実施形態と同様に、遊技状態制御手段としての主制御装置10は、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値(例えば、「3000枚未満」のいずれかの枚数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第1特別遊技価値数(第1特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とし、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値よりも多い第2の値(例えば、「3401枚以上」のいずれかの枚数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第2特別遊技価値数(第2特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とするのである。
【0168】
したがって、AT状態中において第1エンディング状態に移行する時期がさらに多彩に変化することとなり、遊技の興趣性をより向上させることが可能となるのである。
また、第1制限機能が作動するまでに遊技者が実際に獲得可能なメダル数が、第2の値よりも少ない第1の値であった場合には、第1制限機能が作動する時点に対して第1エンディング状態に移行する時期が早まることとなるので、第1制限機能が作動するまでAT状態が継続することが確定する時期が早期(難易度が低下すること)となり、獲得可能なメダル数が相対的に少ない場合でも遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0169】
なお、特定数を第1特定数(第1特別遊技価値数)あるいは第2特定数(第2特別遊技価値数)にするかを切り替える際の「最大獲得可能枚数」(差枚数カウンタ)の各閾値は、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」についても、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、本変形例2においても、前述の実施形態と同様に、消費数カウンタの値に基づき最大獲得可能枚数(上限遊技価値数)を決定するようにしてもよい。
以上のように、変形例2のスロットマシン1が構成される。
【0170】
〔エンディング状態への移行条件の変形例3〕
次に、
図8を参照して、本実施形態におけるエンディング状態への移行条件の変形例3について説明する。
本変形例3においては、第1エンディング状態の移行条件が、前述した実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0171】
図8は、本変形例3における、主制御装置10の制御により変化する第1エンディング状態の移行条件を示している。
本変形例3においては、前述した変形例2と同様に、特定数(特別遊技価値数)の変更パターンを多数設けるようにしている。
さらに、本変形例3においては、「第1エンディング状態到達確定枚数」の一部を「最大獲得可能枚数」から算出するのではなく、差枚数カウンタの値に基づく固定値で設定するようにしている。
【0172】
図8に示すように、本変形例3においては、まず、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚未満」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1700枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」よりも大きかった場合には、差枚数カウンタの値が「+1700」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「0」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2400枚」(2400枚-0枚)となるが、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1700枚」となるのである。
【0173】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚未満」である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1700」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0174】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2000枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」~「-500」の範囲内であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2000」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-200」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2600枚」(2400枚+200枚)となるが、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2000枚」となるのである。
【0175】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2000」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0176】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2300枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-501」~「-1000」の範囲内であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2300」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-600」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3000枚」(2400枚+600枚)となるが、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2300枚」となるのである。
【0177】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2300」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0178】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-300枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-1001」以下の場合には、差枚数カウンタの値が「+2100」(+2400-300)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-1100」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3500枚」(2400枚+1100枚)となり、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は、「3200枚」(3500枚-300枚)となるので、1回の有利区間中(AT状態中)において遊技者が実際に獲得したメダル数が「3200枚」となった時点で第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0179】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「3401枚以上」である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-300枚」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0180】
これにより、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を閾値にして、獲得可能な最大のメダル数の増加に応じて段階的に第1エンディング状態に時期が変化することとなるのである。
つまり、AT状態への移行時点において、差枚数カウンタの値が小さいほど最大獲得可能枚数が多くなることとなるが、このときの最大獲得可能枚数の変化に応じて、第1エンディング状態に移行する時期が種々変化することとなるのである。
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3401枚未満」であった場合には、「3401枚以上」の場合よりも早期に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0181】
以上のように、本変形例3においては、主制御装置10は、AT状態への移行時に差枚数カウンタの値を参照して、この差枚数カウンタの値に基づき、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を境にして第1エンディング状態に移行させる時期を種々変更するのである。
また、「最大獲得可能枚数」が「3401枚未満」であった場合には、そのときの「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が第1特定数(第1特別遊技価値数)として設定され、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」であった場合には、そのときの「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が第2特定数(第2特別遊技価値数)として設定されるのである。
【0182】
すなわち、本変形例3においても、前述の実施形態と同様に、遊技状態制御手段としての主制御装置10は、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値(例えば、「2500枚未満」のいずれかの枚数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第1特別遊技価値数(第1特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とし、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値よりも多い第2の値(例えば、「3401枚以上」のいずれかの枚数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第2特別遊技価値数(第2特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とするのである。
【0183】
したがって、AT状態中において第1エンディング状態に移行する時期が、さらに多彩に変化することとなり、遊技の興趣性をより向上させることが可能となるのである。
また、第1制限機能が作動するまでに遊技者が実際に獲得可能なメダル数が、第2の値よりも少ない第1の値であった場合には、第1エンディング状態に移行する時期が早まることとなるので、第1制限機能が作動するまでAT状態が継続することが確定する時期が早期(難易度が低下すること)となり、獲得可能なメダル数が相対的に少ない場合でも遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、第1特定数(第1特別遊技価値数)は、「最大獲得可能枚数」に関係なく固定値が設定されるので、特定数を設定する際の条件を多様にすることが可能となるとともに、第1制限機能が作動するまでに遊技者が実際に獲得可能なメダル数が、第2の値よりも少ない第1の値であった場合には、第1エンディング状態に移行する時期を確実に早めることが可能となるのである。
【0184】
なお、特定数を第1特定数(第1特別遊技価値数)あるいは第2特定数(第2特別遊技価値数)にするかを切り替える際の「最大獲得可能枚数」(差枚数カウンタ)の各閾値は、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」についても、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、本変形例3において、前述の変形例1同様に、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」であった場合には、「最大獲得可能枚数」が「3401枚未満」であった場合(例えば、「2500未満」の場合)よりも、第1エンディング状態に移行する時期が早期となるように各値を変更するようにしてもよい。
また、本変形例3においても、前述の実施形態と同様に、消費数カウンタの値に基づき最大獲得可能枚数(上限遊技価値数)を決定するようにしてもよい。
以上のように、変形例3のスロットマシン1が構成される。
【0185】
〔エンディング状態への移行条件の変形例4〕
次に、
図9を参照して、本実施形態におけるエンディング状態への移行条件の変形例4について説明する。
本変形例4においては、第1エンディング状態の移行条件が、前述した実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0186】
図9は、本変形例4における、主制御装置10の制御により変化する第1エンディング状態の移行条件を示している。
本変形例4においては、前述した変形例3と同様に、特定数(特別遊技価値数)の変更パターンを多数設けるとともに、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」の一部を「最大獲得可能枚数」から算出するのではなく差枚数カウンタの値に基づく固定値で設定するようにしている。
さらに、本変形例4においては、上記各条件に加えて、1回の有利区間中に第1制限機能が作動するまでの残りゲーム数(4000-有利区間ゲーム数カウンタ)も条件に加えて、この有利区間残ゲーム数に応じても特定数を変更可能としている。
なお、主制御装置10では、1回の有利区間中のゲーム数をカウントする有利区間ゲーム数カウンタを設けて、上記残りゲーム数(有利区間残ゲーム数)を管理している。
【0187】
図9に示すように、本変形例4においては、まず、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚未満」である場合に、そのときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム未満」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1000枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム以上」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1500枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0188】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」よりも大きかった場合に、このときの有利区間ゲーム数カウンタが「3500以上」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1000」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの有利区間ゲーム数カウンタが「3500未満」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1500」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0189】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「0」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2400枚」(2400枚-0枚)となるが、このときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム未満」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1000枚」なり、このときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム以上」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1500枚」となるのである。
【0190】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚未満」である場合に、AT状態への移行時点の有利区間ゲーム数カウンタが、第1ゲーム数としての「3500以上」のいずれかのゲーム数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1000」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、AT状態への移行時点の有利区間ゲーム数カウンタが、第2ゲーム数としての「3500未満」のいずれかのゲーム数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1500」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0191】
なお、「有利区間残ゲーム数」が比較的少ない値であった場合には、1回の有利区間中の差枚数カウンタの値が上限数(+2400)となる以前に、1回の有利区間中の有利区間ゲーム数カウンタの値が上限数(4000)となり第1制限機能(リミッタ)が作動してしまう可能性がある。
また、本変形例4においては、AT状態中における1ゲームあたりのメダルの増加数が「3枚」となるように、押し順ベル役の当選確率およびそのときに払い出されるメダル数を設定している。
そして、この1ゲームあたりのメダルの増加数と、「有利区間残ゲーム数」から第1制限機能が作動するまでに獲得可能な残りメダル数を算出して、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」を、1回の有利区間中の有利区間ゲーム数カウンタの値が上限数となる前に第1エンディング状態に移行する可能性が高くなる値に設定している。
【0192】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合に、そのときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム未満」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「900枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム以上」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1700枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0193】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」~「-500」の範囲内であった場合に、このときの有利区間ゲーム数カウンタが「3500以上」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+900」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの有利区間ゲーム数カウンタが「3500未満」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1700」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0194】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-200」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2600枚」(2400枚+200枚)となるが、このときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム未満」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「900枚」となり、このときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム以上」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1700枚」となるのである。
【0195】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合に、AT状態への移行時点の有利区間ゲーム数カウンタが、第1ゲーム数としての「3500以上」のいずれかのゲーム数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+900」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、AT状態への移行時点の有利区間ゲーム数カウンタが、第2ゲーム数としての「3500未満」のいずれかのゲーム数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1700」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0196】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合に、そのときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム未満」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1000枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム以上」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1900枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0197】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-501」~「-1000」の範囲内であった場合に、このときの有利区間ゲーム数カウンタが「3500以上」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1000」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの有利区間ゲーム数カウンタが「3500未満」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1900」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0198】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-600」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3000枚」(2400枚+600枚)となるが、このときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム未満」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1000枚」となり、このときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム以上」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1900枚」となるのである。
【0199】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合に、AT状態への移行時点の有利区間ゲーム数カウンタが、第1ゲーム数としての「3500以上」のいずれかのゲーム数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1000」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、AT状態への移行時点の有利区間ゲーム数カウンタが、第2ゲーム数としての「3500以上」のいずれかのゲーム数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1900」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0200】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」である場合に、そのときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム未満」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「800枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム以上」である場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が、「最大獲得可能枚数-300枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0201】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-1001」以下の場合に、このときの有利区間ゲーム数カウンタが「3500以上」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+800」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの有利区間ゲーム数カウンタが「3500未満」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2100」(+2400-300)となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0202】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-1100」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3500枚」(2400枚+1100枚)となるが、このときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム未満」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「800枚」となり、このときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム以上」であった場合には、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「3200枚」(3500枚-300枚)となるのである。
【0203】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「3401枚以上」である場合に、AT状態への移行時点の有利区間ゲーム数カウンタが、第1ゲーム数としての「3500以上」のいずれかのゲーム数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+800」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、AT状態への移行時点の有利区間ゲーム数カウンタが、第2ゲーム数としての「3500未満」のいずれかのゲーム数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数が「最大獲得可能枚数-300枚」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、上記獲得メダル数がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0204】
これにより、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を閾値にして、獲得可能な最大のメダル数の増加に応じて段階的に第1エンディング状態に時期が変化することとなるのである。
つまり、AT状態への移行時点において、差枚数カウンタの値が小さいほど最大獲得可能枚数が多くなることとなるが、このときの最大獲得可能枚数の変化に応じて、第1エンディング状態に移行する時期が種々変化することとなるのである。
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3401枚未満」であった場合には、「3401枚以上」の場合よりも早期に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
さらに、AT状態への移行時点における各「最大獲得可能枚数」においては、AT状態への移行時点における「有利区間残ゲーム数」が、少ない場合の方が多い場合よりも早期(容易)に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0205】
以上のように、本変形例4においては、主制御装置10は、AT状態への移行時に差枚数カウンタの値を参照して、この差枚数カウンタの値に基づき、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を境にして第1エンディング状態に移行させる時期を種々変更するのである。
したがって、AT状態中において第1エンディング状態に移行する時期が、さらに多彩に変化することとなり、遊技の興趣性をより向上させることが可能となるのである。
【0206】
また、AT状態への移行時点における各「最大獲得可能枚数」において、AT状態への移行時点における「有利区間残ゲーム数」が、少ない場合の方が多い場合よりも早期(容易に)に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
すなわち、本変形例4においては、遊技状態制御手段としての主制御装置10は、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値(例えば、「2500枚未満」のいずれかの枚数)であり、かつ、有利区間において実行されたゲーム数が第1ゲーム数(「3500回以上」のいずれかのゲーム数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第1特別遊技価値数(第1特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とし、上限遊技価値数が第1の値である場合であり、かつ、有利区間において実行されたゲーム数が第1ゲーム数とは異なる第2ゲーム数(「3500回以上」のいずれかのゲーム数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第2特別遊技価値数(第2特定数)となることに基づいて、特別遊技状態に移行させる制御を実行可能とするのである。
【0207】
したがって、1回の有利区間中に実行されたゲーム数が比較的多い状態でAT状態に移行することに起因して、第1制限機能の作動がメダルの上限獲得数ではなく、有利区間中の上限ゲーム数により行われてしまう、という遊技者にとって不満となる事態が生じた場合でも、第1エンディング状態が早期に移行することとなるので、遊技者の不満感を和らげることが可能となるのである。
【0208】
なお、特定数を第1特定数(第1特別遊技価値数)あるいは第2特定数(第2特別遊技価値数)にするかを切り替える際の「最大獲得可能枚数」(差枚数カウンタ)の各閾値は、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」についても、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、本変形例4においても、前述の変形例1と同様に、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」であった場合には、「最大獲得可能枚数」が「3401枚未満」であった場合(例えば、「2500枚未満」の場合)よりも、第1エンディング状態に移行する時期が早期となるように各値を変更するようにしてもよい。
また、本変形例4においても、前述の実施形態と同様に、消費数カウンタの値に基づき最大獲得可能枚数(上限遊技価値数)を決定するようにしてもよい。
以上のように、変形例4のスロットマシン1が構成される。
【0209】
〔エンディング状態への移行条件の変形例5〕
次に、
図10を参照して、本実施形態におけるエンディング状態への移行条件の変形例5について説明する。
本変形例5においては、第1エンディング状態の移行条件が、前述した実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0210】
図10は、本変形例5における、主制御装置10の制御により変化する第1エンディング状態の移行条件を示している。
本変形例5においては、前述した変形例3と同様に、特定数(特別遊技価値数)の変更パターンを多数設けるとともに、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」の全てを「最大獲得可能枚数」から算出するのではなく差枚数カウンタの値に基づく固定値で設定するようにしている。
さらに、本変形例5においては、上記各条件に加えて、有利区間における通常遊技状態中のゲームの実行に基づき増加するポイントも条件に加えて、このポイント数に応じても特定数を変更可能としている。
【0211】
本変形例5においては、主制御装置10では、上記ポイント数を計数するためのカウンタを設けて、有利区間における通常遊技状態中のゲームの実行時に、役の抽選結果がレア役以外の役の当選であった場合には、ポイントを付与せず、役の抽選結果がレア役の当選であった場合には、所定数(例えば、5ポイント)のポイントを付与して、1回の有利区間中において付与されたポイントの合計をポイント数として管理するようにしている。
なお、ポイントの付与態様は、有利区間における通常遊技状態中のゲームの実行数の増加に応じてポイント数が増加する確率が高くなるものであればいずれでもよく、例えば、役の抽選結果がレア役以外の役の当選であった場合には、所定数(例えば、1ポイント)のポイントを付与し、役の抽選結果がレア役の当選であった場合には、それよりも多い数(例えば、3ポイント)のポイントを付与するようにしてもよいし、当選確率の低いレア役ほど多いポイントを付与するようにしてもよい。また、レア役の当選時に所定確率でポイントを付与するようにしてもよい。
また、ポイント数(カウンタ)は遊技区間が有利区間から通常区間へ移行した場合に初期化(ゼロクリア)されることとなる。
【0212】
図10に示すように、本変形例5においては、まず、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚未満」である場合に、そのときの「ポイント数」が「100ポイント未満」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2000枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「ポイント数」が「100ポイント以上」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1500枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0213】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」よりも大きかった場合に、このときの「ポイント数」が「100ポイント未満」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2000」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの「ポイント数」が「100ポイント以上」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1500」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0214】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「0」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2400枚」(2400枚-0枚)となるが、このときの「ポイント数」が「100ポイント未満」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2000枚」となり、このときの「ポイント数」が「100ポイント以上」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1500枚」となるのである。
【0215】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚未満」である場合に、AT状態への移行時点の「ポイント数」が、第2ポイント数としての「100ポイント未満」のいずれかのポイント数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2000」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、AT状態への移行時点の「ポイント数」が、第1ポイント数としての「100ポイント以上」のいずれかのポイント数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値「+1500」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0216】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合に、そのときの「ポイント数」が「100ポイント未満」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2200枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「ポイント数」が「100ポイント以上」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1600枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0217】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」~「-500」の範囲内であった場合に、このときの「ポイント数」が「100ポイント未満」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2200」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの「ポイント数」が「100ポイント以上」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1600」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0218】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-200」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2600枚」(2400枚+200枚)となるが、このときの「ポイント数」が「100ポイント未満」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2200枚」となり、このときの「ポイント数」が「100ポイント以上」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1600枚」となるのである。
【0219】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合に、AT状態への移行時点の「ポイント数」が、第2ポイント数としての「100ポイント未満」のいずれかのポイント数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2200」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、AT状態への移行時点の「ポイント数」が、第2ポイント数としての「100ポイント以上」のいずれかのポイント数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1600」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0220】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合に、そのときの「ポイント数」が「100ポイント未満」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2500枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「ポイント数」が「100ポイント以上」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1800枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0221】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-501」~「-1000」の範囲内であった場合に、このときの「ポイント数」が「100ポイント未満」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2500」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの「ポイント数」が「100ポイント以上」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1800」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0222】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-600」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3000枚」(2400枚+600枚)となるが、このときの「ポイント数」が「100ポイント未満」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2500枚」となり、このときの「有利区間残ゲーム数」が「500ゲーム以上」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1800枚」となるのである。
【0223】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合に、AT状態への移行時点の「ポイント数」が、第2ポイント数としての「100ポイント未満」のいずれかのポイント数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2500」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、AT状態への移行時点の「ポイント数」が、第2ポイント数としての「100ポイント以上」のいずれかのポイント数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1800」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0224】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」である場合に、そのときの「ポイント数」が「100ポイント未満」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「3000枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「ポイント数」が「100ポイント以上」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2500枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0225】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-1001以上」であった場合に、このときの「ポイント数」が「100ポイント未満」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+3000」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの「ポイント数」が「100ポイント以上」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2500」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0226】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-1100」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3500枚」(2400枚+1100枚)となるが、このときの「ポイント数」が「100ポイント未満」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「3000枚」となり、このときの「ポイント数」が「100ポイント以上」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2500枚」となるのである。
【0227】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「3401枚以上」である場合に、AT状態への移行時点の「ポイント数」が、第2ポイント数としての「100ポイント未満」のいずれかのポイント数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+3000」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、AT状態への移行時点の「ポイント数」が、第2ポイント数としての「100ポイント以上」のいずれかのポイント数を示すものであった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2500」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0228】
これにより、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を閾値にして、獲得可能な最大のメダル数の増加に応じて段階的に第1エンディング状態に時期が変化することとなるのである。
つまり、AT状態への移行時点において、差枚数カウンタの値が小さいほど最大獲得可能枚数が多くなることとなるが、このときの最大獲得可能枚数の変化に応じて、第1エンディング状態に移行する時期が種々変化することとなるのである。
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3401枚未満」であった場合には、「3401枚以上」の場合よりも早期に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
さらに、AT状態への移行時点における各「最大獲得可能枚数」においては、AT状態への移行時点における「ポイント数」が、少ない場合の方が多い場合よりも早期(容易)に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0229】
以上のように、本変形例5においては、主制御装置10は、AT状態への移行時に差枚数カウンタの値を参照して、この差枚数カウンタの値に基づき、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を境にして第1エンディング状態に移行させる時期を種々変更するのである。
したがって、AT状態中において第1エンディング状態に移行する時期が、さらに多彩に変化することとなり、遊技の興趣性をより向上させることが可能となるのである。
【0230】
また、AT状態への移行時点における各「最大獲得可能枚数」において、AT状態への移行時点における「ポイント数」が、少ない場合の方が多い場合よりも早期(容易に)に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
すなわち、本変形例5においては、遊技状態制御手段としての主制御装置10は、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値(例えば、「2500枚未満」のいずれかの枚数)であり、かつ、有利区間において付与されたポイント数が第1ポイント数(「100ポイント以上」のいずれかのポイント数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第1特別遊技価値数(第1特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とし、上限遊技価値数が第1の値である場合であり、かつ、有利区間において付与されたポイント数が第2ポイント数(「100ポイント未満」のいずれかのポイント数)である場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第2特別遊技価値数(第2特定数)となることに基づいて、特別遊技状態に移行させる制御を実行可能とするのである。
【0231】
したがって、AT状態に移行する以前に付与されたポイント数に応じて第1エンディング状態に移行する時期が変化することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、ポイント数が多い場合には、少ない場合よりも早期に第1エンディング状態に移行することとなり、ポイント数に応じて遊技者の期待感を変化させることが可能となるとともに、ポイント数が多くなるほど遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
【0232】
なお、特定数を第1特定数(第1特別遊技価値数)あるいは第2特定数(第2特別遊技価値数)にするかを切り替える際の「最大獲得可能枚数」(差枚数カウンタ)の各閾値は、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」についても、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、本変形例5においても、前述の変形例1と同様に、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」であった場合には、「最大獲得可能枚数」が「3401枚未満」であった場合(例えば、「2500枚未満」の場合)よりも、第1エンディング状態に移行する時期が早期となるように各値を変更するようにしてもよい。
また、本変形例5においても、前述の実施形態と同様に、消費数カウンタの値に基づき最大獲得可能枚数(上限遊技価値数)を決定するようにしてもよい。
以上のように、変形例5のスロットマシン1が構成される。
【0233】
〔エンディング状態への移行条件の変形例6〕
次に、
図11を参照して、本実施形態におけるエンディング状態への移行条件の変形例6について説明する。
本変形例6においては、第1エンディング状態の移行条件が、前述した実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0234】
図11は、本変形例6における、主制御装置10の制御により変化する第1エンディング状態の移行条件を示している。
本変形例6においては、前述した変形例3と同様に、特定数(特別遊技価値数)の変更パターンを多数設けるとともに、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」の全てを「最大獲得可能枚数」から算出するのではなく差枚数カウンタの値に基づく固定値で設定するようにしている。
さらに、本変形例6においては、上記各条件に加えて、役の抽選結果が特殊役の当選となったことに基づいても特定数を変更可能としている。
【0235】
前述したように、AT状態への移行は、通常遊技状態から直接AT状態への移行する場合もあり、通常遊技状態中のゲームにおいて、役の抽選結果が特殊役(中段チェリー役)の当選となった場合に、通常遊技状態から直接AT状態へ移行することとなる。
特殊役は、当選確率が極めて低い役となっていることから、当該特殊役の当選に基づきAT状態に移行した場合には、AT状態の移行初期時に極めて多数のゲーム数(例えば、500ゲーム)が初期残りゲーム数として付与されることとなる。
そして、主制御装置10は、AT状態への移行時に、当該AT状態が特殊役の当選により移行したものか否かに応じて特定数を変更可能とするのである。
【0236】
図11に示すように、本変形例6においては、まず、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚未満」である場合に、そのときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2000枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1500枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0237】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」よりも大きかった場合に、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2000」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1500」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0238】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「0」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2400枚」(2400枚-0枚)となるが、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2000枚」となり、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1500枚」となるのである。
【0239】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚未満」である場合に、「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2000」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」である場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1500」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0240】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合に、そのときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2200枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1600枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0241】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-100」~「-500」の範囲内であった場合に、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2200」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1600」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0242】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-200」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「2600枚」(2400枚+200枚)となるが、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2200枚」となり、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1600枚」となるのである。
【0243】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2500枚~2900枚」の範囲内である場合に、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2200」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値「+1600」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0244】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合に、そのときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2500枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「1800枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0245】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-501」~「-1000」の範囲内であった場合に、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2500」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+1800」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0246】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-600」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3000枚」(2400枚+600枚)となるが、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2500枚」となり、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「1800枚」となるのである。
【0247】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「2901枚~3400枚」の範囲内である場合に、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2500」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+1800」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0248】
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」である場合に、そのときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「3000枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させ、そのときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」である場合には、「最大獲得可能枚数」に関係なく「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」が「2500枚」となる時点で第1エンディング状態に移行させるのである。
【0249】
すなわち、主制御装置10では、AT状態への移行時点における差枚数カウンタの値が「-1001以上」であった場合に、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+3000」となった時点で第1エンディング状態に移行させ、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、差枚数カウンタの値が「+2500」となった時点で第1エンディング状態に移行させる制御を行うのである。
【0250】
例えば、AT状態移行時の差枚数カウンタの値が「-1100」であった場合には、「最大獲得可能枚数」は、「3500枚」(2400枚+1100枚)となるが、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「3000枚」となり、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、この「最大獲得可能枚数」に関係なく常に「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」は「2500枚」となるのである。
【0251】
したがって、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数が「3401枚以上」である場合に、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」であった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+3000」となる枚数が特定数(第2特定数:第2特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第2特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなり、このときの「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選」であった場合には、AT状態中における遊技者が実際に獲得したメダル数に関係なく差枚数カウンタの値が「+2500」となる枚数が特定数(第1特定数:第1特別遊技価値数)として設定され、差枚数カウンタの値がこの特定数(第1特定数)に到達した場合に第1エンディング状態に移行することとなのである。
【0252】
これにより、AT状態への移行時点において、1回の有利区間において第1制限機能が作動するまでに遊技者側が獲得可能な最大のメダル数の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を閾値にして、獲得可能な最大のメダル数の増加に応じて段階的に第1エンディング状態に時期が変化することとなるのである。
つまり、AT状態への移行時点において、差枚数カウンタの値が小さいほど最大獲得可能枚数が多くなることとなるが、このときの最大獲得可能枚数の変化に応じて、第1エンディング状態に移行する時期が種々変化することとなるのである。
また、AT状態への移行時点において、「最大獲得可能枚数」が「3401枚未満」であった場合には、「3401枚以上」の場合よりも早期に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
さらに、AT状態への移行時点における各「最大獲得可能枚数」においては、「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」である場合よりも「特殊役の当選」である場合の方が、よりも早期(容易)に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
【0253】
以上のように、本変形例6においては、主制御装置10は、AT状態への移行時に差枚数カウンタの値を参照して、この差枚数カウンタの値に基づき、第1制限機能が作動するまでに獲得可能なメダル数(最大獲得可能枚数)の「2500枚」、「2900枚」、「3400枚」を境にして第1エンディング状態に移行させる時期を種々変更するのである。
したがって、AT状態中において第1エンディング状態に移行する時期が、さらに多彩に変化することとなり、遊技の興趣性をより向上させることが可能となるのである。
【0254】
また、AT状態への移行時点における各「最大獲得可能枚数」において、「AT状態の移行契機」が「特殊役の当選以外」である場合よりも「特殊役の当選」である場合の方が、よりも早期(容易)に第1エンディング状態に移行することとなるのである。
すなわち、本変形例6においては、遊技状態制御手段としての主制御装置10は、上限遊技価値数(最大獲得可能枚数)が第1の値(例えば、「2500枚未満」のいずれかの枚数)であり、かつ、特定遊技状態が特殊役の当選に基づき発生したものである場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第1特別遊技価値数(第1特定数)となることに基づいて、特別遊技状態(第1エンディング状態)に移行させる制御を実行可能とし、上限遊技価値数が第1の値である場合であり、かつ、特定遊技状態が特殊役の当選に基づき発生したものではない場合には、有利区間において遊技者に付与された遊技価値が第2特別遊技価値数(第2特定数)となることに基づいて、特別遊技状態に移行させる制御を実行可能とするのである。
【0255】
したがって、AT状態の移行契機の種類に応じて第1エンディング状態に移行する時期が変化することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、特殊役の当選を契機にAT状態が発生した場合には、特殊役の当選以外の契機でAT状態が発生した場合よりも早期に第1エンディング状態に移行することとなり、AT状態の移行契機の種類に応じて遊技者の期待感を変化させることが可能となるとともに、特殊役の当選を契機にAT状態が発生した場合には、遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0256】
なお、特定数を第1特定数(第1特別遊技価値数)あるいは第2特定数(第2特別遊技価値数)にするかを切り替える際の「最大獲得可能枚数」(差枚数カウンタ)の各閾値は、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、「第1エンディング状態到達確定獲得枚数」についても、上記した効果が得られるものであれば上記した値以外でもよい。
また、本変形例6においても、前述の変形例1と同様に、「最大獲得可能枚数」が「3401枚以上」であった場合には、「最大獲得可能枚数」が「3401枚未満」であった場合(例えば、「2500枚未満」の場合)よりも、第1エンディング状態に移行する時期が早期となるように各値を変更するようにしてもよい。
また、本変形例6においても、前述の実施形態と同様に、消費数カウンタの値に基づき最大獲得可能枚数(上限遊技価値数)を決定するようにしてもよい。
以上のように、変形例6のスロットマシン1が構成される。
【0257】
[設定示唆]
次に、
図12を参照して、本実施形態のスロットマシン1における設定示唆について詳しく説明する。
【0258】
前述したように、本実施形態のスロットマシン1においては、例えば、CZ状態の移行確率を変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能な有利度合設定手段としての確率設定装置14を設けている。なお、遊技者にとっての有利度合いの変更は、CZ状態以外の特典を対象としてもよく、例えば、AT状態を対象としてもよい。
そして、本実施形態のスロットマシン1においては、所定条件の成立に基づき、確率設定装置14においてその時点で設定されている設定値を、遊技者が推測できる程度の情報を提供する機能を有している。
すなわち、スロットマシン1は、有利度合設定手段により設定されている有利度合いを示唆可能な有利度合示唆手段を備えているのである。
【0259】
より具体的には、本実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10が予め確率設定装置14での設定値を特定可能な制御情報を副制御装置20に送信しておき、副制御装置20において、受信した設定値に基づきメイン表示器8に表示可能な設定示唆画像を選択し、当該選択した設定示唆画像をメイン表示器8に表示するようにしている。
したがって、副制御装置20が上記有利度合示唆手段を備えることとなる。
なお、有利度合示唆手段は、主制御装置10が備えるものとしてもよいし、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成するものとしてもよい。
また、有利度合の示唆には、確率設定装置14における設定値を遊技者が推測できる程度の情報の他、確率設定装置14における設定値を遊技者に確定的に報知する情報を含むようにしてもよい。
【0260】
図12は、確率設定装置14における設定値の示唆(設定示唆)が行われた場合のメイン表示器8における表示画像(演出画像)を示している。
本実施形態においては、確率設定装置14における設定値の示唆を、
図12に示すように、AT状態の終了時点と、コンプリート機能(第2制限機能)作動時点において実行するようにしている。
【0261】
まず、
図12(a)、(b)を参照して、AT状態の終了時においてメイン表示器8に表示される設定示唆画像について説明する。
図12(a)は、AT状態の終了時点、すなわち、AT状態の最終ゲームが終了時点においてメイン表示器8において表示される演出画像を示している。
図12(a)に示すように、AT状態の最終ゲームの終了時点においては、メイン表示器8の画面主要部に、AT状態が終了したことを報知可能な文字情報からなるAT状態終了文字画像30a(図示「AT終了」)と、AT状態が終了したことを報知可能なキャラクタ等の画像からなるAT状態終了画像30bと、が含まれるAT終了画像が表示される。
【0262】
なお、AT状態の終了から所定時間(例えば、5秒)は、主制御装置10の制御によりゲームの進行が一時的に不能となる状態に移行することとなるが、AT状態終了文字画像30aとAT状態終了画像30bは、少なくともこの間に表示されることとなる。
すなわち、主制御装置10は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(AT状態)の発生に関連して、ゲームの実行が一時的に不能となる一時的ゲーム不能動化状態に制御可能な一時的ゲーム不能動化手段を備え、この一時的ゲーム不能動化状態において、AT状態終了文字画像30aとAT状態終了画像30bが表示されるのである。
本実施形態においては、AT状態の終了時点でAT終了画像(AT状態終了文字画像30aとAT状態終了画像30b)を表示しているが、その他に、AT状態中に獲得したメダル数や実行したゲーム数等を示す画像、すなわち、所謂リザルト画像を表示するようにしてもよい。
【0263】
そして、AT終了画像(AT状態終了文字画像30a、AT状態終了画像30b)が表示されている間に、演出ボタン2dが操作されると、副制御装置20の制御により、
図12(b)に示すように、AT状態終了画像30b消去され、代わりにメイン表示器8の画面主要部に確率設定装置14での設定値を示唆可能な第1設定示唆画像32aが表示される。
第1設定示唆画像32aは、詳細は後述するが、相互に異なる複数種類の画像のうちから、確率設定装置14での設定値に応じて選択された1つの画像からなっている。すなわち、選択された画像の種類により確率設定装置14での設定値を示唆するものとなっているのである。
【0264】
なお、詳細は後述するが、AT状態終了文字画像30aとAT状態終了画像30bは、一時的ゲーム不能動化状態が終了した後、返却ボタン2cが操作されるか、あるいは次ゲームが開始(ベット入力、あるいはスタートレバー3が操作)されるまで継続するが、副制御装置20では、一時的ゲーム不能動化状態中に演出ボタン2dの入力を有効化して、第1設定示唆画像32aの表示可能状態としてもよいし、一時的ゲーム不能動化状態が終了した後もAT状態終了文字画像30aとAT状態終了画像30bが表示されている間は、演出ボタン2dの入力を有効化して、第1設定示唆画像32aの表示可能状態としてもよい。
また、演出ボタン2dが有効化された場合でも、有効化されたことや、演出ボタン2dを操作することを促したり指示したりする報知(画像報知、音声報知)は行われない。
すなわち、有利度合示唆手段としての副制御装置20は、一時的ゲーム不能動化状態中における演出ボタン2dの操作に基づき、第1設定示唆画像32aを表示することで確率設定装置14での設定値の示唆(通常の示唆)を行うのである。
【0265】
メイン表示器8に表示された第1設定示唆画像32aは、その後、返却ボタン2cが操作された場合に、呼込み表示(デモ画像)に変化し、次ゲームを開始するためのベット入力が行われた場合には、通常遊技状態中の画像に変化することなる。
【0266】
以上のように、AT状態の終了時には、AT状態の終了を報知するAT終了画像(AT状態終了文字画像30a、AT状態終了画像30b)が表示されることとなるが、このときに、演出ボタン2dを操作すると、第1設定示唆画像32aが表示されて確率設定装置14での設定値に対する設定示唆が行われることとなる。
したがって、遊技者は遊技を行う上で重要な情報を得ることができ、遊技者に満足感を与えることが可能となるのである。
また、演出ボタン2dの操作により設定示唆が行われることとなるが、この際に演出ボタン2dの操作を促す報知等は行われないので、当該遊技機で何度も遊技を行っている遊技者等に対してのみ設定示唆が行われることとなり、当該遊技者に対してのみ有用な情報を提供することが可能となるのである。
【0267】
次に、
図12(c)を参照して、コンプリート機能の作動時においてメイン表示器8に表示される設定示唆画像について説明する。
図12(c)は、コンプリート機能の作動時点、すなわち、コンプリート機能が作動することとなるゲーム、例えば、AT状態中にコンプリート機能が作動した場合には、コンプリート機能の作動によりAT状態が終了することとなる最終ゲームの終了時点においてメイン表示器8において表示される演出画像を示している。
図12(c)に示すように、コンプリート機能が作動することとなるゲームの終了時点においては、メイン表示器8の画面上方部に表示され、コンプリート機能が作動したことを報知可能な文字情報からなるコンプリート作動文字画像31(図示「コンプリートおめでとう」)と、画面主要部に表示され、確率設定装置14での設定値を示唆可能な第2設定示唆画像32bと、を含むコンプリート直後画像が表示される。
すなわち、AT状態の終了時とは異なり、コンプリート機能の作動時には、演出ボタン2dの操作無しで第2設定示唆画像32bが表示されるのである。
本実施形態においては、コンプリート機能の作動時点でコンプリート直後画像としてコンプリート作動文字画像31と第2設定示唆画像32bを表示しているが、その他に、例えば、コンプリート機能が作動したことを祝福する演出画像や、コンプリート機能が作動するまでに獲得したメダル数や実行したゲーム数等を示す画像、すなわち、コンプリート機能が作動した場合の所謂リザルト画像を表示するようにしてもよい。
【0268】
第2設定示唆画像32bは、詳細は後述するが、相互に異なる複数種類の画像のうちから、確率設定装置14での設定値に応じて選択された1つの画像からなっている。すなわち、第1設定示唆画像32aと同様に、選択された画像の種類により確率設定装置14での設定値を示唆するものとなっているのである。
ただし、第2設定示唆画像32bは、第1設定示唆画像32aよりも確率設定装置14における設定値の示唆に対して、より信頼度の高い画像が選択されるものとなっている。
すなわち、有利度合示唆手段としての副制御装置20は、第1設定示唆画像32aを表示することで行われる通常の示唆と、第2設定示唆画像32bを表示することで行われ、通常の示唆(設定示唆)よりも有利度合いの示唆に対する信頼度の高い特定の示唆(設定示唆)とを実行可能であり、コンプリート機能の作動時には特定の示唆を行うのである。
【0269】
なお、コンプリート機能が作動した後は、主制御装置10がリセットされるまでゲームの進行が不能となる状態(遊技停止状態:ゲーム不能動化状態)に移行することとなるが、主制御装置10は、コンプリート機能が作動した後もゲームの進行制御以外の制御は実行可能とし、また、副制御装置20はメイン表示器8等の周辺機器の制御を実行可能としているので、主制御装置10および副制御装置20の制御により、コンプリート作動文字画像31と第2設定示唆画像32bは、コンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過するまで表示されることとなる。
すなわち、主制御装置10は、コンプリート機能の作動に基づき、その後のゲームの実行が不能なゲーム不能動化状態に制御可能なゲーム不能動化手段を備え、有利度合示唆手段としての副制御装置20は、このゲーム不能動化状態において、演出ボタン2dの操作に関係なく、第2設定示唆画像32bを表示することで確率設定装置14での設定値の示唆(特定の示唆)を行うのである。
【0270】
以上のように、コンプリート機能の作動時には、コンプリート機能の作動を報知する画像(コンプリート作動文字画像31)が表示されることとなるが、このときに、第2設定示唆画像32bが表示されて確率設定装置14での設定値に対する設定示唆が行われることとなる。
したがって、遊技者は遊技を行う上で重要な情報を得ることができ、遊技者に満足感を与えることが可能となるのである。
また、第2設定示唆画像32bの表示は、演出ボタン2dの操作は必要なく無条件で行われることとなる。
したがって、コンプリート機能を作動させた遊技者に対しては、技量や遊技知識等に関係なく有用な情報が提供されることとなり、多数の遊技者に対して満足感を与えることが可能となるのである。
【0271】
また、コンプリート機能が作動した場合には、AT状態の終了時よりも信頼度の高い設定示唆が行われることとなる。
したがって、AT状態の終了時と、コンプリート機能の作動時とで設定示唆に対する差別化を図ることができ、コンプリート機能を作動させた遊技者に対してより大きな満足感を与えることが可能となるのである。
また、コンプリート機能が作動した場合には、当該遊技機でのその後の遊技が不能となるので、信頼度の高い設定示唆を行っても遊技店の不利益が生ずることを防止できる。また、コンプリート機能の作動時には、設定示唆をAT状態の終了時よりも長時間行ったり、目立つ態様で行ったりすることも可能となる。
なお、本実施形態においては、メイン表示器8において設定示唆を行うようにしているが、サブ表示器17、あるいはメイン表示器8とサブ表示器17において設定示唆を行うようにしてもよいし、音声の出力により行ってもよい。
【0272】
[設定示唆画像の抽選]
次に、
図13を参照して、本実施形態のスロットマシン1における設定示唆画像の抽選について説明する。
本実施形態のスロットマシン1においては、前述したように、AT状態の終了時およびコンプリート機能の作動時において、確率設定装置14での設定値を示唆可能な画像をメイン表示器8において表示可能としている。
例えば、副制御装置20では、複数の設定示唆画像を予め設けておき、確率設定装置14の設定値に応じて異なる選択率で各設定示唆画像を選択して表示することで、表示された設定示唆画像によりある程度遊技者が確率設定装置14の設定値を予想することを可能としているのである。
本実施形態においては、AT状態の終了時およびコンプリート機能の作動時に表示可能な設定示唆画像を同じものに設定し、AT状態の終了時およびコンプリート機能の作動時において、異なる選択確率で設定示唆画像を抽選することで、確率設定装置14での設定値の示唆に対する信頼度を変化させるようにしている。
【0273】
まず、
図13(a)を参照して、AT状態の終了時に、メイン表示器8において表示される第1設定示唆画像32aの抽選について説明する。
図13(a)は、AT状態の終了時に副制御装置20で用いられる抽選用のテーブルであって、確率設定装置14での設定値に応じて第1設定示唆画像32aを決定するための第1設定示唆画像抽選テーブルを示している。
なお、副制御装置20では、主制御装置10から所定時期に送信される確率設定装置14での設定値を特定可能な制御情報を受信し、AT状態の終了時に、この受信した設定値情報に基づき、予め記憶保持している設定示唆画像1~7の何れかを選択することで、第1設定示唆画像32aを決定するようにしている。
【0274】
図13(a)に示すように、各設定示唆画像が選択される確率は、確率設定装置14での設定値に応じて変化するものとなっていて、抽出する乱数値の数を256個として、例えば、設定値が1の場合には、64/256の確率で設定示唆画像1が選択され、64/256の確率で設定示唆画像2が選択され、32/256の確率で設定示唆画像3が選択され、64/256の確率で設定示唆画像4が選択され、32/256の確率で設定示唆画像5が選択され、0/256の確率で設定示唆画像6が選択され、0/256の確率で設定示唆画像6が選択されるような抽選が行われる。
同様に、例えば、設定値が6の場合には、64/256の確率で設定示唆画像1が選択され、32/256の確率で設定示唆画像2が選択され、64/256の確率で設定示唆画像3が選択され、32/256の確率で設定示唆画像4が選択され、40/256の確率で設定示唆画像5が選択され、16/256の確率で設定示唆画像6が選択され、8/256の確率で設定示唆画像6が選択されるような抽選が行われる。
また、詳細な説明は省略するが、設定値が2~5の場合も、図示する各確率で設定示唆画像が選択されることとなる。
【0275】
以上のように、第1設定示唆画像32aを決定するための抽選が行われることから、設定示唆画像1(示唆無し)が選択された場合には、設定値が何れであるかが予測不能となり、設定示唆画像2(奇数示唆)が選択された場合には、設定値が奇数値である1、3、5の何れかである可能性が高くなり、設定示唆画像3(偶数示唆)が選択された場合には、設定値が偶数値である2、4、6の何れかである可能性が高くなり、設定示唆画像4(低設定示唆)が選択された場合には、設定値が相対的に低い値である1、2、3の何れかである可能性が高くなり、設定示唆画像5(高設定示唆)が選択された場合には、設定値が相対的に高い値である4、5、6の何れかである可能性が高くなり、設定示唆画像6(高設定確定)が選択された場合には、設定値が相対的に高い値である4、5、6の何れかであることが確定することとなり、設定示唆画像7(6確定)が選択された場合には、設定値が6であることが確定することとなるのである。
【0276】
次に、
図13(b)を参照して、コンプリート機能の作動時に、メイン表示器8において表示される第2設定示唆画像32bの抽選について説明する。
図13(b)は、コンプリート機能の作動時に副制御装置20で用いられる抽選用のテーブルであって、確率設定装置14での設定値に応じて第2設定示唆画像32bを決定するための第2設定示唆画像抽選テーブルを示している。
なお、副制御装置20では、主制御装置10から所定時期に送信される確率設定装置14での設定値を特定可能な制御情報を受信し、コンプリート機能の作動時に、この受信した設定値情報に基づき、予め記憶保持している設定示唆画像1~7の何れかを選択することで、第2設定示唆画像32bを決定するようにしている。
【0277】
図13(b)に示すように、各設定示唆画像が選択される確率は、確率設定装置14での設定値に応じて変化するものとなっていて、抽出する乱数値の数を256個として、例えば、設定値が1の場合には、0/256の確率で設定示唆画像1が選択され、96/256の確率で設定示唆画像2が選択され、32/256の確率で設定示唆画像3が選択され、96/256の確率で設定示唆画像4が選択され、32/256の確率で設定示唆画像5が選択され、0/256の確率で設定示唆画像6が選択され、0/256の確率で設定示唆画像6が選択されるような抽選が行われる。
同様に、例えば、設定値が6の場合には、0/256の確率で設定示唆画像1が選択され、16/256の確率で設定示唆画像2が選択され、48/256の確率で設定示唆画像3が選択され、16/256の確率で設定示唆画像4が選択され、70/256の確率で設定示唆画像5が選択され、64/256の確率で設定示唆画像6が選択され、32/256の確率で設定示唆画像6が選択されるような抽選が行われる。
また、詳細な説明は省略するが、設定値が2~5の場合も、図示する各確率で設定示唆画像が選択されることとなる。
【0278】
以上のように、第2設定示唆画像32bを決定するための抽選が行われることから、第1設定示唆画像32aの抽選時と同様の傾向で設定示唆画像の決定が行われ、さらに、第1設定示唆画像32aの抽選時よりも、確率設定装置14での設定値を予測する上で信頼度の高い設定示唆画像が選択されることとなるのである。
例えば、確率設定装置14での設定値が「5」であった場合には、AT状態の終了時よりもコンプリート機能の作動時の方が、設定示唆画像5(高設定示唆)が選択される確率が高くなり、同様に、設定示唆画像6(高設定確定)が選択される確率も高くなるのである。
したがって、第2設定示唆画像32bが表示されて特定の示唆が行われる場合には、第1設定示唆画像32aが表示されて通常の示唆が行われる場合よりも、確率設定装置14での設定値を予測する上での信頼度を確実に高めることが可能となるのである。
【0279】
なお、本実施形態においては、各設定示唆画像の選択率は、上記した傾向が形成できるものであれば上記以外でもよい。
また、各設定示画像は、確率設定装置14での設定値の示唆が行われるものであれば、静止画でもよいし動画でもよい。
【0280】
[ゲーム進行状態と設定示唆画像の関係]
次に、
図14のタイミングチャートを参照して、本実施形態のスロットマシン1におけるゲーム進行状態と設定示唆画像の関係について詳しく説明する。
【0281】
まず、
図14(a)は、AT状態の終了時におけるゲーム進行状態と設定示唆画像の推移を示している。
図14(a)に示すように、AT状態が終了する最終ゲームが終了すると(タイミングt1)、ゲームの実行が可能なゲーム進行可能状態(ゲーム能動化状態)から、ゲームの実行が不能なゲーム進行不能状態(一時的ゲーム不能動化状態)に移行する。
また、AT状態が終了する最終ゲームが終了すると(タイミングt1)、メイン表示器8にAT終了画像(AT状態終了文字画像30a、AT状態終了画像30b)が表示される。
【0282】
そして、このゲーム進行不能状態(一時的ゲーム不能動化状態)中に演出ボタン2dの入力が有効化され、この間に演出ボタン2dが操作されると(タイミングt2)、メイン表示器8に第1設定示唆画像32aが表示される。このときの設定示唆画像は第1設定示唆画像抽選テーブルを用いた抽選で決定されたものが表示される。
AT状態が終了してから所定時間(例えば、5秒)経過すると(タイミングt3)、ゲームの実行が不能なゲーム進行不能状態(一時的ゲーム不能動化状態)から、ゲームの実行が可能なゲーム進行可能状態に移行してゲームの実行が可能となる。
【0283】
そして、ゲーム進行可能状態において次のゲームが開始されると(タイミングt4)、メイン表示器8に表示されていた第1設定示唆画像32aが消去され、通常遊技状態中の画像が表示されることとなる。
なお、次のゲームの開始の判定は、ベット入力でもよいしスタートレバー3の操作でもよい。
一方、ゲーム進行可能状態において次のゲームが開始されずに、例えば、遊技の終了により返却ボタン2cが操作されると(タイミングt4)、メイン表示器8に表示されていた第1設定示唆画像32aが消去され、呼込み画像(デモ画像)が表示されることとなる。
また、ゲーム進行不能状態(一時的ゲーム不能動化状態)中に演出ボタン2dが操作されなかった場合には、次ゲームが開始されるか、あるいは返却ボタン2cが操作されるまでAT終了画像が継続して表示されることとなる。
なお、このときのAT終了画像は、上記所定時間経過(タイミングt3)した後も表示されることとなるが、この所定時間経過後(ゲーム進行可能状態に移行後)に演出ボタン2dが操作された場合にも第1設定示唆画像32aを表示するようにしてもよい。
【0284】
次に、
図14(b)は、コンプリート機能の作動時におけるゲーム進行状態と設定示唆画像の推移を示している。
図14(b)に示すように、コンプリート機能の作動する最終ゲームが終了すると(タイミングt5)、ゲームの実行が可能なゲーム進行可能状態(ゲーム能動化状態)から、ゲームの実行が不能なゲーム進行不能状態(ゲーム不能動化状態)に移行する。
また、コンプリート機能の作動する最終ゲームが終了すると(タイミングt5)、メイン表示器8に第2設定示唆画像32bが表示される。このときの設定示唆画像は第2設定示唆画像抽選テーブルを用いた抽選で決定されたものが表示される。
【0285】
コンプリート機能が作動すると、その後当日はゲーム進行不能状態(ゲーム不能動化状態)となることから、遊技者は遊技の終了のため(クレジットをオフするため)返却ボタン2cを操作することとなるが、返却ボタン2cが操作(タイミングt5)されても、メイン表示器8に表示されていた第2設定示唆画像32bは継続して表示される。
そして、コンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過すると(タイミングt7)、メイン表示器8に表示されていた第2設定示唆画像32bが消去され、後述するコンプリート機能の作動後の履歴情報の表示が行われることとなる。
【0286】
以上のように、AT状態の終了時におけるゲーム進行不能状態(一時的ゲーム不能動化状態)中には、演出ボタン2dの操作によりメイン表示器8に第1設定示唆画像32aが表示されることとなるが、コンプリート機能の作動時におけるゲーム進行不能状態(ゲーム不能動化状態)中には、演出ボタン2dの操作に関係なくメイン表示器8に第2設定示唆画像32bが表示されることとなる。
また、AT状態の終了により第1設定示唆画像32aが表示されている状態において、返却ボタン2cが操作された場合には、第1設定示唆画像32aの表示は終了されるが、コンプリート機能の作動により第2設定示唆画像32bが表示されている状態においては、返却ボタン2cが操作された場合でも、第2設定示唆画像32bの表示は継続されることとなる。
【0287】
すなわち、有利度合示唆手段としての副制御装置20は、通常の示唆を実行している状態において、ゲームの終了に関わる遊技者による所定操作(返却ボタン2cの操作)が行われた場合に、実行されている通常の示唆を終了可能とし、特定の示唆を実行している状態において、所定操作が行われた場合でも、実行されている特定の示唆を継続可能とするのである。
したがって、AT状態の終了時には、返却ボタン2cの操作により第1設定示唆画像32aの表示は終了されることとなるので、多数の遊技者に確率設定装置14での設定値が開示されてしまい、遊技店が不利益となることを防止可能となるのである。
一方、コンプリート機能の作動時には、返却ボタン2cを操作しても第2設定示唆画像32bは継続して表示されることとなるので、返却ボタン2cの操作等の遊技の終了作業を行っている間や、当該終了作業の終了後にも第2設定示唆画像32bを確認することが可能となるのである。しかも、比較的長時間第2設定示唆画像32bが表示されても、当該遊技機はその後のゲームは行われないので、遊技店が不利益となることもないし、コンプリート機能が作動した遊技機がどのような設定値であったかを多数の遊技者が確認することも可能となるので、情報開示という点で効果的である。
【0288】
〔設定示唆の変形例1〕
次に、
図15を参照して、本実施形態における設定示唆の変形例1について説明する。
本変形例1においては、設定示唆の実行態様として、コンプリート機能が作動したときにおける設定示唆の実行態様が、前述した実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0289】
前述した実施形態のスロットマシン1においては、コンプリート機能が作動したときには、特定の示唆(第2設定示唆画像32bの表示)を実行することで確率設定装置14での設定値を示唆するようにしているが、本変形例1においては、コンプリート機能が作動したときに特定の示唆の他に通常の示唆も行うようにしている。
なお、本変形例1においても、AT状態の終了時には、前述の実施形態と同様の態様で通常の示唆のみを行うようにしているので、ここでの説明は省略する。
【0290】
図15は、本変形例1におけるコンプリート機能の作動時において、副制御装置20の制御によりメイン表示器8で実行される確率設定装置14での設定値の示唆態様を示している。
まず、
図15(a)に示すように、コンプリート機能の作動時(最終ゲームの終了直後の時点)では、前述の実施形態と同様に、主制御装置10によりゲーム不能動化状態に制御されるとともに、副制御装置20の制御により、メイン表示器8の画面上方部に、コンプリート機能が作動したことを報知可能な文字情報からなるコンプリート作動文字画像31(図示「コンプリートおめでとう」)が表示されるとともに、画面主要部に確率設定装置14での設定値を示唆可能な第2設定示唆画像32bが表示される。
また、コンプリート機能が作動した後は、演出ボタン2dの入力が有効となり、遊技者による演出ボタン2dの操作が可能となる。
【0291】
そして、この第2設定示唆画像32bが表示されている間に、演出ボタン2dが操作されると、
図15(b)に示すように、第2設定示唆画像32bが消去されて、代わりに第1設定示唆画像32aがメイン表示器8の画面主要部に表示されることとなる。
さらに、この第1設定示唆画像32aが表示されている間に、演出ボタン2dが操作されると、
図15(a)に示すように、第1設定示唆画像32aが消去されて、代わりに第2設定示唆画像32bがメイン表示器8の画面主要部に表示されることとなる。
このように、本変形例1においては、コンプリート機能が作動した後は、演出ボタン2dの操作毎に、第1設定示唆画像32aと第2設定示唆画像32bが交互に表示されることとなるのである。
【0292】
以上のように、本変形例1においては、コンプリート機能が作動して、メイン表示器8に第2設定示唆画像32bが表示されているゲーム不能動化状態中において、演出ボタン2dが操作されると、第2設定示唆画像32bが消去され、代わりに第1設定示唆画像32aが表示されるのである。
すなわち、有利度合示唆手段としての副制御装置20は、ゲーム不能動化状態において特定の示唆(第2設定示唆画像32bの表示)が実行されている場合に、操作手段(演出ボタン2d)の操作に基づき通常の示唆(第1設定示唆画像32aの表示)を実行可能とするのである。
【0293】
したがって、コンプリート機能が作動した場合には、特定の示唆の他、通常の示唆も実行可能とされることから、遊技者は両方の示唆を受けることが可能となり、より有用な情報を得ることが可能となるのである。
また、両方の示唆を比較することが可能となり、例えば、通常の示唆がどの程度の信憑性があるのかを把握することができ、次回以降の遊技に役立たせることが可能となるのである。
なお、本変形例1においては、演出ボタン2dの操作の度に設定示唆態様を変更するようにしているが、設定示唆態様の変更に所定回数(例えば、1回)の上限を設けるようにしてもよい。
また、演出ボタン2dの入力の有効期間は、ゲーム不能動化状態中であってもよいし、第2設定示唆画像32b(あるいは第1設定示唆画像32a)が表示されている間であってもよい。
【0294】
〔設定示唆の変形例2〕
次に、
図16を参照して、本実施形態における設定示唆の変形例2について説明する。
本変形例1においては、設定示唆の実行態様として、AT状態が終了したときにおける設定示唆の実行態様が、前述した実施形態のスロットマシン1と異なっていて、その他については前述のスロットマシン1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0295】
前述した実施形態のスロットマシン1においては、AT状態が終了したときには、演出ボタン2dの操作に基づき、メイン表示器8に第1設定示唆画像32aを表示することで確率設定装置14での設定値を示唆するようにしているが、本変形例2においては、AT状態が終了したときに所定の音声出力を実行することで通常の示唆を行うようにしている。
【0296】
図16は、AT状態の終了時において、副制御装置20の制御によりメイン表示器8およびスピーカ9を用いて実行される確率設定装置14での設定値の示唆態様を示している。
図16に示すように、AT状態の最終ゲームの終了時点においては、主制御装置10により一時的ゲーム不能動化状態に制御されるとともに、副制御装置20の制御により、メイン表示器8の画面上方部に、AT状態が終了したことを報知可能な文字情報からなるAT状態終了文字画像30a(図示「AT終了」)が表示される。
また、メイン表示器8の略画面中央部に、演出ボタン2dの操作を促す文字情報(「PUSH」)が含まれるとともに演出ボタン2dを模した操作指示画像33が表示されて、演出ボタン2dの操作を促す演出が実行される。
また、このとき演出ボタン2dの入力が有効化されるとともに、内部のLEDが点灯される。
なお、AT状態の終了時には、上記画像の他に、AT状態が終了したことを報知可能なキャラクタ等からなる画像を含ませてもよい。
【0297】
そして、AT状態終了文字画像30aおよび操作指示画像33が表示されている間に、演出ボタン2dが操作されると、副制御装置20の制御により、
図16に示すように、スピーカ9から所定の音声(例えば、「勝負はこれから」)が出力される。
副制御装置20では、演出ボタン2dの操作時に複数種類の音声を出力可能に構成(複数種類の音声データを記憶)していて、確率設定装置14での設定値に応じて何れかの音声を選択的に出力する。
つまり、前述の設定示唆画像の選択と同様に、出力する音声の種類を確率設定装置14での設定値に応じて選択するのである。
したがって、演出ボタン2dの操作時に出力される音声の種類により、確率設定装置14での設定値が示唆(通常の示唆が実行)されるのである。
【0298】
また、本変形例2においても、コンプリート機能の作動時には、前述の実施形態と同様に、第2設定示唆画像32bがメイン表示器8に表示されて特定の示唆を行うようにしている。
したがって、本変形例2においては、通常の示唆(音声出力による示唆)と特定の示唆(画像表示による示唆)とで示唆態様が異なるものとなるのである。
【0299】
以上のように、本変形例2においては、有利度合示唆手段としての副制御装置20は、AT状態の終了時に実行される通常の示唆と、コンプリート機能の作動時に実行される特定の示唆とで、示唆態様を変更するのである。
したがって、より興趣性の高い態様で設定示唆を行うことが可能となるのである。
また、通常の示唆の場合には、画像による設定示唆が行われないので、他の遊技者に対して設定示唆が行われてしまうことを防止することが可能となるのである。
一方、特定の示唆の場合には、画像による設定示唆が行われることとなるが、前述の実施形態と同様に、他の遊技者に対しても設定示唆が行われても何ら問題ないばかりか、むしろ効果的となるのである。
なお、本変形例2においては、通常の示唆を実行する場合に、演出ボタン2dの操作を促す演出(操作指示画像33の表示)を実行するようにしているが、前述の実施形態と同様に、演出ボタン2dの入力を有効化しても、演出ボタン2dの操作を促す演出を実行しないようにしてもよい。
【0300】
[コンプリート機能作動後の履歴情報の表示]
次に、
図17を参照して、本実施形態のスロットマシン1におけるコンプリート機能が作動した後の履歴情報の表示について説明する。
【0301】
前述したように、本実施形態のスロットマシン1においては、コンプリート機能の作動直後は、メイン表示器8にコンプリート直後画像(コンプリート作動文字画像31、第2設定示唆画像32b)が表示されるが、コンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過すると、副制御装置20の制御により、メイン表示器8に表示されていたコンプリート直後画像が消去され、コンプリート機能の作動後の履歴情報の表示が行われることとなる。
本実施形態のスロットマシン1においては、副制御装置20は、ゲームの実行に基づき収集・生成した履歴情報として、通常履歴情報と、通常履歴情報よりも詳細な特定履歴情報を管理可能であって、所定条件の成立に基づき、通常履歴情報や特定履歴情報をメイン表示器8に表示可能に構成されている。
すなわち、副制御装置20は、所定期間に実行されたゲームに基づき、履歴情報を生成して表示させる制御が可能な履歴情報表示制御手段を備えるのである。
なお、履歴情報は、主制御装置10において収集・生成して、主制御装置10からの制御情報に基づき、副制御装置20の制御によりメイン表示器8に表示するようにしてもよい。
【0302】
例えば、コンプリート機能が未作動の状態においては、ゲームが実行されていないことを条件に演出ボタン2dの操作に基づき、メイン表示器8に通常履歴情報を表示するようにしている。
すなわち、特定履歴情報表示制御手段としての副制御装置20は、操作手段の操作に基づき、所定の履歴情報(通常履歴情報)を表示可能とするのである。
通常履歴情報としては、例えば、当日実行されたゲーム数の合計である総ゲーム数や、当日発生したAT状態(初当りしたAT状態)の合計である総AT数や、実際のゲームの結果により算出されたAT状態の当選確率であるAT確率等である。
なお、通常履歴情報の表示条件は、上記以外でもよく、遊技者の操作により成立するものであれば何れでもよい。
また、通常履歴情報は、ゲームの実行に基づき生成された情報であれば上記以外でもよい。
【0303】
一方、コンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過した後は、自動的に、メイン表示器8に特定履歴情報を表示するようにしている。
特定履歴情報としては、通常履歴情報よりも詳細な情報であり、例えば、コンプリート機能が作動した時刻、コンプリート機能作動時の最終的な差枚数、当日のゲームの結果算出されたレア役の当選確率であるレア役確率、AT状態中のゲームにおいてゲーム数の上乗せが行われた確率である上乗せ確率、上乗せが行われたときの上乗せゲーム数の平均値である平均上乗せゲーム数、コンプリート機能の作動により実行が中止されたAT状態中の残りゲーム数である未消化ゲーム数、未消化ゲーム数から算出される情報であって、実際には獲得可能であったがコンプリート機能の作動により獲得できなかったメダル数であるシミュレート情報等である。
なお、特定履歴情報は、通常履歴情報よりも詳細な情報であって、ゲームの実行に基づき生成された情報であれば上記以外でもよい。
【0304】
図17は、ゲーム不能動化状態に制御されている状態であって、コンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過した後にメイン表示器8に表示される画像を示している。
まず、
図17(a)は、コンプリート機能が作動してから所定時間経過した時点のメイン表示器8に表示される画像を示している。
図17(a)に示すように、コンプリート機能が作動してから所定時間経過した時点では、メイン表示器8に表示されていたコンプリート直後画像が消去され、代わりに画面の上方部に当該スロットマシン1においてコンプリート機能が作動したことを報知する「コンプリート達成台」と、当該スロットマシン1での当日の遊技が不能であることを報知する「遊技不能です」の文字情報からなるコンプリート達成画像34aが表示される。
【0305】
また、コンプリート達成画像34aの画面左下には、演出ボタン2dを模した操作指示画像33が表示されるとともに、その右側には、演出ボタン2dの操作により履歴情報の確認が可能であることを報知する履歴情報可能画像34b(図示「ボタン操作で情報確認可」)が表示されて、演出ボタン2dの操作により当該スロットマシン1における履歴情報を参照することが可能であることが報知される。なお、このとき演出ボタン2dからの信号入力が有効とされる。
【0306】
そして、この状態で演出ボタン2dが操作されると、
図17(b)に示すように、まずは通常履歴情報として、メイン表示器8の画面主要部に、前述した総ゲーム数(4400回)、総AT回数(22回)、AT確率(1/200)が表示される。
また、画面下方部に、操作指示画像33と、演出ボタン2dの操作によりさらに詳細な履歴情報の確認が可能であることを報知する詳細情報可能画像36a(図示「コンプリート詳細」)が表示されて、演出ボタン2dの操作により履歴情報のうちの詳細な情報として特定履歴情報を参照することが可能であることが報知される。
【0307】
そして、この状態で演出ボタン2dが再度操作されると、
図17(c)に示すように、特定履歴情報として、メイン表示器8の画面主要部に、前述したコンプリート到達時間(PM1:00)、最終差枚数(+15000枚)、レア役確率(1/60)、上乗せ確率(1/40)、平均上乗せゲーム数(50回)、未消化ゲーム数(200回)、シミュレート情報(約2400枚)が表示される。
また、画面下方部に、操作指示画像33と、演出ボタン2dの操作により過去の特定履歴情報の確認が可能であることを報知する過去情報可能画像36bが表示されて、演出ボタン2dの操作により過去の特定履歴情報を参照することが可能であることが報知される。
過去の特定履歴情報は、当該スロットマシン1において過去にコンプリート機能が作動したときに副制御装置20において生成して記憶した特定履歴情報であり、これらを表示することとなる。すなわち、副制御装置20では、記憶部に当日の他、過去分の特定履歴情報も記憶可能とするのである。
なお、過去の特定履歴情報の表示形態は、一覧表の形式でもよし、演出ボタン2dの操作毎に例えば古い情報から順次表示するものでもよい。また、このとき当日の特定履歴情報の表示に復帰操作可能とすることが好ましい。
【0308】
また、メイン表示器8に表示可能となる特定履歴情報は、当日は継続して表示可能とされる。
したがって、当該スロットマシン1で遊技していた遊技者以外も特定履歴情報を確認することが可能となるのである。
なお、メイン表示器8に何れかの履歴情報が表示されてから所定時間(例えば、5分)経過した場合には、
図17(a)に示したコンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過直後の画像を表示するようにして、遊技者の操作により特定履歴情報等を確認可能としてもよい。また、コンプリート機能の作動後に所定の画像が表示された後、演出ボタン2dの操作が所定時間(例えば、5分)なかった場合に、次の演出ボタン2dの操作が行われるまで、省電力モードとして液晶表示器のバックライトの光量を下げるようにしてもよい。
【0309】
以上のように、コンプリート機能が作動するとゲーム不能動化状態に制御されることとなるが、コンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過した後は、メイン表示器8に、通常履歴情報の他、特定履歴情報も表示可能とされるのである。
すなわち、履歴情報表示制御手段としての副制御装置20は、履歴情報のうちの特定履歴情報を表示させる制御が可能な特定履歴情報表示制御手段を含み、ゲーム不能動化状態においては、特定履歴情報の表示を許可可能とするのである。
したがって、コンプリート機能を作動させたことに対する特典として、通常では参照できない特定履歴情報の参照が可能となるので、遊技者は次回以降に遊技を行う上で有用な情報を得ることができ、満足感を得ることができるのである。
【0310】
また、特定履歴情報は、ゲーム不能動化状態中であっても当日は継続して表示可能とされることから、コンプリート機能を作動させた遊技者以外の遊技者も特定履歴情報を参照できることとなるので、この情報表示が来店した遊技者に対するサービスの提供となり集客力の向上に役立つこととなる。また、コンプリート機能が作動した後は、当該スロットマシン1での遊技は不能となるので、詳細な履歴情報を表示しても何ら遊技店に不利益となることもない。
【0311】
また、コンプリート機能が作動してから所定時間経過したときには、まずは通常履歴情報がメイン表示器8に表示され、さらに演出ボタン2dが操作された場合には、特定履歴情報がメイン表示器8に表示されるのである。
すなわち、特定履歴情報表示制御手段としての副制御装置20は、ゲーム不能動化状態における操作手段(演出ボタン2d)の操作に基づき、特定履歴情報の表示可能とするのである。
したがって、遊技者自らの操作で特定履歴情報を参照することができるので、利便性を向上させることが可能となるとともに、遊技者の満足感をより一層向上させることが可能となるのである。
【0312】
なお、本実施形態においては、履歴情報(通常履歴情報、特定履歴情報)をメイン表示器8に表示するようにしているが、サブ表示器17あるいはメイン表示器8とサブ表示器17の両方で表示するようにしてもよい。
また、サブ表示器17等に情報伝達画像を表示し、この情報伝達画像を遊技者が保有する携帯端末で読み込むことで、特定履歴情報を遊技者が保有する携帯端末に伝達する手段を設けるようにしてもよい。
【0313】
[コンプリート機能作動後における異常状態の表示]
次に、
図18~
図23を参照して、本実施形態のスロットマシン1におけるコンプリート機能が作動した後の異常状態の表示について説明する。
【0314】
まずは、主制御装置10において監視可能な異常状態について、
図18~
図20を参照して説明する。
本実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10は、当該スロットマシン1で生じる種々の異常状態を検出して報知する機能を設けている。
例えば、前扉1aが開放されたことを検出する開放検出手段を設け、前扉1aが開放した場合に、前扉1aに対する異常状態(前扉開放異常)を報知したり、メダルセレクタ2b(メダル検出手段)において通常とは異なる態様のメダル検出が生じた場合に、メダルセレクタ2bに対する異常状態(メダルセレクタ異常)を報知したり、メダル払出装置7内のメダル量が所定値以下となった場合に、メダル払出装置7に対する異常状態(メダル払出装置異常)を報知したりしている。異常状態の報知は、メイン表示器8やスピーカ9を用いて行われる。
【0315】
このように本実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10により異常状態の検出を行い、異常状態が検出された場合には、副制御装置20に対して異常状態が検出したことを特定可能な情報を送信し、副制御装置20では、メイン表示器8やスピーカ9等の報知手段を作動させることにより異常状態の報知を行うのである。
すなわち、副制御装置20は、遊技機において異常状態が発生した場合に、異常状態が発生した旨を報知可能な制御を実行可能な異常報知制御手段を備えるのである。
なお、異常状態の種類は、上記以外でもよく、スロットマシン1における各機器において通常とは異なる状態が生じた場合にそのことを検出・報知するものならば何れでもよい。
また、異常状態の報知手段は、メイン表示器8やスピーカ9以外でもよく、サブ表示器17やランプ11でもよい。
また、異常状態の検出は、主制御装置10ではなく副制御装置20で行うようにしてもよい。
【0316】
異常状態には、機器の不具合や故障に起因して発生するものの他、人為的に発生、すなわち不正行為により発生するものがある。
したがって、スロットマシン1では、これらの不正行為の発生を未然に防止するためにも異常状態の検出・報知を行うこととなる。例えば、スロットマシン1内部に設けられている主制御装置10、確率設定装置14、メダル払出装置7等のメダルの払出しに影響のある機器に対して、遊技店の営業中に不正な遊技者が不正行為を行う可能性があるが、この不正行為を行う場合には、前扉1aを開放する必要があるので、前扉1aが開放された際には異常状態が検出されて報知されるのである。
【0317】
一方で、コンプリート機能が作動した後においては、当日は当該スロットマシン1での遊技が不能となるので、あまり不正な遊技者が不正行為を行う対象とはなり難く、むしろ、遊技店側の不正行為の可能性が生じることとなる。
例えば、当日の遊技が禁止されているコンプリート機能が作動したスロットマシン1の主制御装置10をリセットすることにより、当該スロットマシン1を当日中に再稼働するといった、遊技店側の不正行為の可能性が生じるのである。
本実施形態のスロットマシン1においては、コンプリート機能が作動した後の異常状態として、特に前扉開放異常の検出・報知を以下のように行うようにしている。
【0318】
まず、
図18のフローチャートを参照して、コンプリート機能が作動した後の異常状態の監視について説明する。
図18は、主制御装置10においてコンプリート中に実行されるコンプリート中処理を示している。
図18に示すように、コンプリート中処理が実行されると、まず、ステップS1において、ゲーム停止処理が行われ、当該スロットマシン1での当日中のゲームの実行が不能(ゲーム不能動化)とされる。
次に、ステップS2において、異常監視処理が行われた後、本コンプリート中処理を終了する。
異常監視処理においては、コンプリート機能が作動する前(通常の稼働中)と同様に、前扉開放異常、メダルセレクタ異常、メダル払出装置異常等の種々の異常状態の監視が行われる。
そして、何れかの異常状態が発生した場合には、対応する異常状態の検出信号を副制御装置20に対して送信し、副制御装置20においては、受信した異常状態の検出信号に基づき対応する異常状態の報知処理を行うのである。
【0319】
次に、
図19のフローチャートを参照して、異常状態として前扉開放異常について説明する。
図19は、副制御装置20において実行される前扉開放異常処理を示している。
前扉開放異常処理が行われると、まず、ステップS3において、前扉開放異常が発生したか否かの判定が行われる。
前扉開放異常が発生、すなわち、開放検出手段が前扉1aの開放を検出した場合には、ステップS4に移行し、開放を検出していない場合には、本前扉開放異常処理を終了する。
【0320】
前扉開放異常が発生していた場合には、ステップS4において、コンプリート機能の作動後か否かの判定が行われる。
すなわち、前扉開放異常が、当該スロットマシン1におけるコンプリート機能が作動する前の状態で発生したものなのか、あるいはコンプリート機能が作動した後の状態で発生したものなのかが判定される。
コンプリート機能の作動前であった場合には、ステップS5に移行し、コンプリート機能の作動後であった場合には、ステップS6に移行する。
【0321】
そして、ステップS5に移行した場合には、報知態様をパターン1とする前扉開放異常報知を行い、ステップS6に移行した場合には、報知態様をパターン2とする前扉開放異常報知を行った後、本前扉開放異常処理を終了する。
すなわち、副制御装置20では、前扉開放異常が発生した場合に、その時点がコンプリート機能の作動を境に、前扉開放異常報知の報知態様を変更する処理を行うのである。
【0322】
次に、
図20を参照して、副制御装置20の制御によりメイン表示器8およびスピーカ9で実行される前扉開放異常報知、すなわち、上記ステップS5およびステップS6の処理の結果、メイン表示器8およびスピーカ9で実行される前扉開放異常報知について説明する。
まず、
図20(a)は、コンプリート機能が作動する前であって、例えば、AT状態の終了時(一時的ゲーム不能動化状態中)に開放検出手段により前扉1aの開放が検出されて前扉開放異常が発生した場合を示している。
すなわち、副制御装置20では、前述の前扉開放異常時の報知態様におけるパターン1のデータと、パターン2のデータを記憶部に予め記憶し、コンプリート機能が作動する前の場合には、主制御装置10からの制御情報に基づきパターン1での前扉開放異常報知を行うこととなるが、このときの状態を示している。
【0323】
図20(a)に示すように、コンプリート機能が作動する前のAT状態の終了時に前扉開放異常が発生すると、メイン表示器8の画面上方部にAT状態の終了を報知するAT状態終了文字画像30aが表示される。
また、メイン表示器8の画面主要部に、前扉1aが開放したことを報知する文字情報からなる第1前扉異常文字画像37a(図示「前扉が開放しました」)が表示される。
すなわち、本来ならばAT状態終了画像30bが表示されることとなるが、コンプリート機能が作動する前に前扉開放異常が発生した場合には、メイン表示器8に、第1前扉異常文字画像37aが表示されてパターン1での前扉開放異常報知が実行されるのである。
さらに、パターン1での前扉開放異常報知には、スピーカ9からの音声出力も含まれ、図示するように「前扉が開放しました」の音声が出力される。
したがって、コンプリート機能が作動する前に前扉開放異常が発生した場合には、当該スロットマシン1で遊技している遊技者の他、その周囲の遊技者や遊技店の係員が認識可能な態様で、前扉開放異常が発生したことが報知されるのである。
【0324】
なお、前扉開放異常時の報知(パターン1)は、該当スロットマシン1の周囲の者が前扉開放異常の発生を認識できるものであれば、上記以外の態様でもよく、例えば、文字情報以外の画像でもよいし、音声出力ではなく警告音を出力するようにしてもよい。
また、メイン表示器8にAT状態終了画像30bを表示せずに、代わりに第1前扉異常文字画像37aを表示するようにしているが、本来その時期に表示されるべき画像と併せて第1前扉異常文字画像37aを表示するようにしてもよい。
また、AT状態の終了時を例示したが、コンプリート機能が作動する前であれば、AT状態の終了時以外の時期にも上記同様の前扉開放異常報知(パターン1)が行われる。
【0325】
次に、
図20(b)は、コンプリート機能が作動した後であって、ゲーム不能動化状態中であるコンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過した後において、開放検出手段により前扉1aの開放が検出されて前扉開放異常が発生した場合を示している。
すなわち、副制御装置20の制御によりパターン2での前扉開放異常報知が行われたときの状態を示している。
【0326】
図20(b)に示すように、コンプリート機能の作動後であって、コンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過した後においては、メイン表示器8の画面上方部に当該スロットマシン1での当日の遊技が不能であることを報知するコンプリート達成画像34aが表示される。
そして、このとき前扉開放異常が発生すると、メイン表示器8の画面主要部に、前扉1aが開放したことを報知する文字情報からなる第2前扉異常文字画像37b(図示「コンプリート達成台の前扉が開放しました」)が表示される。
すなわち、本来ならばメイン表示器8には、特定履歴情報(あるいはその情報を表示するための指示画像)が表示されることとなるが、コンプリート機能が作動した後に前扉開放異常が発生した場合には、メイン表示器8に、第2前扉異常文字画像37bが表示されてパターン2での前扉開放異常報知が実行される。すなわち、前扉開放異常が、コンプリート機能が作動した遊技機に対して発生したことが明確に報知されるのである。
【0327】
さらに、パターン1での前扉開放異常報知には、スピーカ9からの音声出力も含まれ、図示するように「コンプリート達成台の前扉が開放しました」の音声が出力されて、音声によってもコンプリート機能が作動した遊技機に対して前扉開放異常が発生したことが明確に報知されるのである。
したがって、コンプリート機能が作動した後に前扉開放異常が発生した場合には、コンプリート機能が作動する前とは異なる報知態様によって前扉開放異常報知が行われて、当該スロットマシン1で遊技している遊技者の他、その周囲の遊技者等が認識可能な態様で、コンプリート機能が作動した後のスロットマシン1において前扉開放異常が発生したことが報知されるのである。
【0328】
なお、前扉開放異常時の報知(パターン2)は、該当スロットマシン1の周囲の者が、コンプリート機能が作動したスロットマシン1に対する前扉開放異常の発生を認識できるものであれば、上記以外の態様でもよく、例えば、文字情報以外の画像でもよいし、音声出力ではなく警告音を出力するようにしてもよい。
また、メイン表示器8に特定履歴情報を表示せずに、代わりに第2前扉異常文字画像37bを表示するようにしているが、本来その時期に表示されるべき画像と併せて第2前扉異常文字画像37bを表示するようにしてもよい。
また、コンプリート機能が作動した後であれば、コンプリート機能が作動してから所定時間(例えば、3分)経過する前の時期にも上記同様の前扉開放異常報知(パターン2)が行われる。
【0329】
以上のように、スロットマシン1において前扉開放異常が発生した場合には、その異常状態が、コンプリート機能が作動する前であった場合には、パターン1での前扉開放異常報知が実行され、コンプリート機能が作動した後であった場合(ゲーム不能動化状態中の場合)には、パターン2での前扉開放異常報知が実行されるのである。
すなわち、異常報知制御手段としての副制御装置20は、ゲーム不能動化状態に制御されている場合には、所定の異常状態(前扉開放異常)に対する報知態様を変更可能とするのである。
したがって、異常状態が発生した時期に応じた的確な報知が行え、異常状態(不正行為)の発生をより効果的に防止することが可能となるのである。
例えば、コンプリート機能が作動したスロットマシン1を当日中に再稼働させるような不正行為を行うためには、前扉1aを開放して主制御装置10をリセットする必要があるが、このときにパターン2での前扉開放異常報知が行われるので、このような不正行為を未然に防止することが可能となるのである。
【0330】
次に、副制御装置20において監視可能な異常状態について、
図21~
図23を参照して説明する。
前述したように、本実施形態においては、コンプリート機能が作動したスロットマシン1に対して、ゲーム不能動化状態に制御することで当日の遊技は不能にしている。
しかしながら、パターン2での前扉開放異常報知を無視して主制御装置10をリセットすれば、スロットマシン1での遊技は可能となるので、コンプリート機能が作動したスロットマシン1でも当日に再稼働可能となってしまう。
そこで、本実施形態のスロットマシン1においては、このような不正行為が行われた場合に、以下のような対応処理を行うようにしている。
【0331】
まず、
図21のフローチャートを参照して、副制御装置20においてコンプリート機能が作動した後に実行されるコンプリート処理について説明する。
図21に示すように、コンプリート処理が実行されると、まず、ステップS7において、コンプリート作動信号が有るか否かの判定が行われる。
主制御装置10ではコンプリート機能が作動した場合に、コンプリート作動信号を副制御装置20に送信することとなるが、副制御装置20では、ステップS7においてこのコンプリート作動信号の受信の有無を判定することとなる。
【0332】
コンプリート作動信号がある場合は、ステップS8に移行し、コンプリート作動信号がない場合は、本コンプリート処理を終了する。
次に、ステップS8において、コンプリート作動時の時刻を記憶する処理を行う。
例えば、副制御装置20にRTC(リアルタイムクロック)を設けて、コンプリート機能が作動した時刻(日付も含む)を記憶部に記憶するのである。なお、記憶部に記憶されたコンプリート機能が作動した時刻(日付も含む)は、副制御装置20の電源が遮断されたりリセットされたりしても消去されないようにすることが好ましい。
次に、ステップS9において、コンプリート作動時の各種表示処理を行う。
例えば、
図12(c)や
図17で示したメイン表示器8における各種画像の表示処理を行うのである。
その後、本コンプリート処理を終了する。
【0333】
次に、
図22のフローチャートを参照して、副制御装置20においてコンプリート機能が作動した後に実行されるコンプリート後異常報知処理について説明する。
図22に示すように、コンプリート後異常報知処理が実行されると、まず、ステップS10において、コンプリート当日か否かの判定が行われる。
すなわち、記憶部に記憶されているコンプリート機能が作動した時刻(日付も含む)を参照して、このときが、コンプリート機能が作動した当日であるか否かを判定するのである。
ステップS10において、コンプリート当日であると判定された場合には、ステップS11に移行し、コンプリート当日でない判定された場合には、本コンプリート後異常報知処理を終了する。
【0334】
次に、ステップS11において、ゲーム信号の受信があるか否かの判定が行われる。
すなわち、主制御装置10からゲームが実行されたことを特定可能な制御情報が送信されたか否かを判定するのである。
ステップS11において、ゲーム信号の受信があると判定された場合には、ステップS12に移行し、ゲーム信号の受信がない判定された場合には、本コンプリート後異常報知処理を終了する。
【0335】
次に、ステップS12において、異常情報の表示処理が行われる。
異常情報の表示は、詳細は後述するが、コンプリート機能が作動したスロットマシン1において、当日にゲームが実行されたことを認識可能に報知するものである。
すなわち、コンプリート機能が作動したにもかかわらず、当日中に主制御装置10がリセットされて、当該スロットマシン1が再稼働させる不正行為が行われた場合に、異常情報が表示されることとなるのである。
つまり、副制御装置20において、コンプリート機能が作動したスロットマシン1に対する異常状態(不正行為)を監視するのである。
その後、本コンプリート後異常報知処理を終了する。
【0336】
なお、上記ステップS11の判定処理では、スロットマシン1における稼働状況を判定するものであるので、稼働状況が判断できるものであればゲーム信号(あるいはスタート信号)以外の信号を判定してもよく、例えば、所定の遊技状態(例えば、通常遊技状態中信号)を示す信号の受信により再稼働を判定するようにしてもよい。
【0337】
次に、
図23を参照して、副制御装置20の制御によりメイン表示器8で実行される異常情報の表示、すなわち、上記ステップS12の処理の結果、メイン表示器8で実行される異常情報の表示について説明する。
図23は、コンプリート機能が作動したスロットマシン1において、当日にゲームが実行された際に、副制御装置20において異常情報の表示処理が行われた場合のメイン表示器8おける表示画像を示している。
図23に示すように、例えば、そのときの遊技状態が通常遊技状態であった場合には、メイン表示器8の画面主要部に通常遊技状態中であることを示す通常遊技状態中画像38が表示される。
【0338】
そして、この状態でスタートレバー3が操作されてゲームが実行されると、メイン表示器8の画面下方部に、既にコンプリート機能が作動していることを報知する文字情報からなるコンプリート済画像39(図示「既にコンプリート達成しています」)が表示される。
すなわち、当日中に当該スロットマシン1において既にコンプリート機能が作動していて、そのスロットマシン1を再稼働させた場合(ゲーム不能動化状態が解除された場合)には、当該スロットマシン1におけるゲームの実行に基づき、メイン表示器8にコンプリート済画像39(図示「既にコンプリート達成しています」)が表示されるのである。
このコンプリート済画像39の表示により、当該スロットマシン1で遊技している遊技者の他、スロットマシン1の周囲にいる者は、当該スロットマシン1において既にコンプリート機能が作動していて、不正行為によりスロットマシン1が稼働していることを認識することとなるのである。
【0339】
なお、コンプリート済画像39の表示は、所定時間経過により消去して、再度のゲーム信号の受信により再度所定時間表示するようにしてもよいし、コンプリート済画像39が表示された後は、当日中は継続して同一画像を表示するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、コンプリート済画像39の表示により不正行為を報知するようにしているが、文字情報以外の画像(例えば、キャラクタ画像等)を含ませるようにしてもよい。
また、ゲーム信号の受信によりコンプリート済画像39を表示するようにしているが、スロットマシン1の再稼働を判定できれば、ゲーム信号以外の信号の受信により不正行為を報知してもよい。例えば、通常遊技状態を示す通常遊技状態中信号の受信により不正行為を報知してもよく、この場合には、
図23に示すように通常遊技状態中画像38が表示されたことに対応してコンプリート済画像39が表示されることとなる。
また、不正行為を報知は、異常情報の表示以外でもよく、例えば、スピーカ9からの音声や警告音等を出力することにより実行するようにしてもよい。
また、異常情報の表示に対応して、その旨を管理装置(図示略)に伝える手段を設けるようにしてもよい。
【0340】
以上のように、本実施形態のスロットマシン1においては、ゲームの進行を制御可能な主制御装置10と、主制御装置10からの制御情報に基づき、演出の制御や履歴情報の表示制御を実行可能な副制御装置20を備え、副制御装置20は、当日にコンプリート機能が作動したスロットマシン1の主制御装置10がリセットされて、当該スロットマシン1が再稼働したことを監視し、その監視結果に基づき異常情報を表示するのである。
すなわち、演出制御手段および履歴情報表示制御手段を備えた副制御手段(副制御装置20)は、主制御手段(主制御装置10)からの制御情報に基づき、所定期間(当日中)においてゲーム不能動化状態が解除されたことを監視可能なゲーム不能動化状態解除監視手段を備えるのである。
したがって、当日中にスロットマシン1において既にコンプリート機能が作動していて、そのスロットマシン1が再稼働させる不正行為を未然に防止することが可能となるのである。
【0341】
[前兆頻度の変更]
次に、
図24を参照して、本実施形態のスロットマシン1における前兆頻度の変更について説明する。
本実施形態のスロットマシン1においては、前述したように、例えば、特典としてのCZ状態の移行に関連してメイン表示器8において前兆演出を実行するようにしている。
前兆演出には、CZ状態に移行する場合に実行される本前兆演出と、CZ状態に移行しない場合に実行されるフェイク前兆演出とがあるが、本実施形態においては、フェイク前兆演出の実行管理を副制御装置20で制御するようにしている。
すなわち、副制御装置20では、主制御装置10からの制御情報に基づき、実行されたゲーム数、レア役の当選、CZ状態の移行抽選の結果等を管理しているが、これらの情報に基づきフェイク前兆演出を発生させるか否かの抽選等のフェイク前兆演出に関わる制御を行うのである。
【0342】
そして、本実施形態のスロットマシン1においては、遊技者の操作に基づき、フェイク前兆演出の発生確率(前兆頻度)を変更可能に構成している。
例えば、遊技者がゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率を低めた場合には、特定の期間(所謂ゾーン)中においてフェイク前兆演出が実際に実行される確率が低くなるのである。
すなわち、ゲームの実行に関連して演出の制御を実行可能な演出制御手段としての副制御装置20は、特定演出(フェイク前兆演出)に対する発生確率を変更可能な演出確率変更制御手段を備えるのである。
【0343】
図24は、フェイク前兆演出の発生確率を変更する際の変更手順を示している。
フェイク前兆演出の発生確率の変更操作は、タッチパネル式のサブ表示器17において行われ、副制御装置20ではタッチパネルからの信号に基づきフェイク前兆演出の発生確率の変更制御を行うこととなる。
【0344】
まず、
図24(a)は、サブ表示器17において各種変更操作を行うためのメインメニューが表示された状態を示している。
なお、メインメニューの表示条件は何れでもよいが、例えば、通常遊技状態中における演出ボタン2dの操作によりメインメニューを表示するようにしてもよいし、通常遊技状態中においてメイン表示器8にデモ表示が実行されている間における演出ボタン2dの操作によりメインメニューを表示するようにしてもよい。
メインメニューには、スピーカ9から出力される音量を変更する際にタッチ操作する音量変更操作部40a、ランプ11の発光量を変更する際にタッチ操作する発光変更操作部40b、フェイク前兆演出の発生確率を変更する際にタッチ操作する前兆頻度変更操作部40cが、各々機能を説明する文字情報とともに設けられている。
【0345】
そして、遊技者等が前兆頻度変更操作部40cをタッチ操作すると、
図24(b)に示すように、メインメニューが消去されるとともに、第1操作手段を構成する第1前兆頻度変更メニューが表示されることとなる。
第1前兆頻度変更メニューは、主にゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率のみを変更するものであり、ゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率のみを高める際にタッチ操作するゲーム数前兆頻度高操作部41aと、ゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率のみを低める際にタッチ操作するゲーム数前兆頻度低操作部41bと、次のメニュー画面(第2前兆頻度変更メニュー)を表示する際にタッチ操作する次メニュー要求画像41cとが各々機能を説明する文字情報とともに設けられている。
【0346】
副制御装置20では、通常遊技状態中においてCZ状態の移行に関わる本前兆期間となっていない状態におけるゲームの実行に基づき、フェイク前兆演出を発生させるか否かの抽選を行うが、このときの抽選確率、すなわちフェイク前兆演出を発生させる確率をゲーム数前兆頻度高操作部41aおよびゲーム数前兆頻度低操作部41bのタッチ操作により変更するのである。
また、前述したようにゲーム数によりCZ状態の移行する時期には特定期間(所謂ゾーン)が設定されているが、副制御装置20では、この特定期間とそれ以外の期間とで予めフェイク前兆演出の発生確率が異なるものに設定されていて、特定期間の方がフェイク前兆演出の発生確率が高い値(例えば、90%)に設定されている。したがって、フェイク前兆演出の発生確率の変更は、予め決定されている発生率を基準にして行われることとなる。なお、特定期間以外においてはフェイク前兆演出の発生確率を「0%」としてもよい。
【0347】
ゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率を変更する際には、例えば、発生確率を複数段階に設定可能な設定レベルを設け、ゲーム数前兆頻度高操作部41aの1回のタッチ操作毎に現時点の設定レベルを1段階上げ、ゲーム数前兆頻度低操作部41bの1回のタッチ操作毎に現時点の設定レベルを1段階下げるように行えばよい。なお、特定期間と特定期間以外とで別々に変更可能としてもよい。また、設定変更する際に、サブ表示器17においてレベルメーター画像を表示して現時点の設定レベルや変更される設定レベルを確認可能にすることが好ましい。
なお、第1前兆頻度変更メニューが表示されている間にゲームを実行した場合には、その時点で設定されているゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率(設定レベル)の変更のみが決定され、以降のゲームにおけるフェイク前兆演出の発生制御に反映されることとなる。したがって、この場合には、後述するレア役当選によるフェイク前兆演出の発生確率の変更は行われないこととなる。
【0348】
そして、遊技者等が次メニュー要求画像41cをタッチ操作すると、
図24(c)に示すように、第1前兆頻度変更メニューが消去されるとともに、第2操作手段を構成する第2前兆頻度変更メニューが表示されることとなる。
第2前兆頻度変更メニューは、主にレア役当選によるフェイク前兆演出の発生確率のみを変更、すなわち、レア役当選時に行われるCZ状態の移行抽選に非当選であった場合に、フェイク前兆演出の抽選を行うが、このときのフェイク前兆演出の発生確率のみを変更するものであり、レア役当選によるフェイク前兆演出の発生確率のみを高める際にタッチ操作するレア役前兆頻度高操作部42aと、レア役によるフェイク前兆演出の発生確率のみを低める際にタッチ操作するレア役前兆頻度低操作部42bと、変更操作を終了する際にタッチ操作する決定画像42cと、が各々機能を説明する文字情報とともに設けられている。
【0349】
副制御装置20では、レア役にし、かつ当選CZ状態の移行抽選に非当選となった場合に、フェイク前兆演出を発生させるか否かの抽選を行うが、このときの抽選確率、すなわちフェイク前兆演出を発生させる確率をレア役前兆頻度高操作部42aおよびレア役前兆頻度低操作部42bのタッチ操作により変更するのである。
【0350】
レア役当選によるフェイク前兆演出の発生確率を変更する際には、ゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率の変更時と同様に、例えば、発生確率を複数段階に設定可能な設定レベルを設け、レア役前兆頻度高操作部42aの1回のタッチ操作毎に現時点の設定レベルを1段階上げ、レア役前兆頻度低操作部42bの1回のタッチ操作毎に現時点の設定レベルを1段階下げるように行えばよい。なお、このとき、サブ表示器17においてレベルメーター画像を表示して現時点の設定レベルや変更される設定レベルを確認可能にすることが好ましい。
【0351】
なお、第2前兆頻度変更メニューが表示されている間にゲームを実行した場合、および遊技者等が決定画像42cをタッチ操作した場合には、その時点で設定されているレア役当選によるフェイク前兆演出の発生確率のみの変更が決定され、ゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率は予め決定されている確率(デフォルト値)に復帰されて、ゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率の変更は行われないこととなる。
また、第1操作手段を構成する第1前兆頻度変更メニューが表示されている状態で、ゲーム数前兆頻度高操作部41aおよびゲーム数前兆頻度低操作部41bをタッチ操作せずに、次メニュー要求画像41cをタッチ操作して、第2操作手段を構成する第2前兆頻度変更メニューを表示した後に、レア役前兆頻度高操作部42aおよびレア役前兆頻度低操作部42bをタッチ操作した場合には、レア役当選によるフェイク前兆演出の発生確率のみが変更されることとなる。
【0352】
以上のように、本実施形態のスロットマシン1においては、タッチパネル式のサブ表示器17を使用して、フェイク前兆演出の発生確率を変更可能とするのである。
すなわち、演出制御手段としての副制御装置20は、所定の演出に対する発生確率を変更可能な演出確率変更制御手段(副制御装置20)を含み、前記演出確率変更制御手段は、前記所定の演出として、所定ゲーム数に亘って実行可能な特定演出(フェイク前兆演出)に対する発生確率を変更可能とするのである。
したがって、従来にない斬新な演出が実行可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0353】
また、第1操作手段を構成する第1前兆頻度変更メニューがサブ表示器17に表示されて、ゲーム数前兆頻度高操作部41aあるいはゲーム数前兆頻度低操作部41bのタッチ操作によりゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率の変更が可能となるのである。
そして、第2前兆頻度変更メニューをサブ表示器17に表示させずに、そのままゲームを実行した場合には、ゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率のみが変更されることとなるのである。
すなわち、演出確率変更制御手段としての副制御装置20は、第1操作手段(第1前兆頻度変更メニューが表示されたタッチパネル)が操作され、かつ第2操作手段(第2前兆頻度変更メニューが表示されたタッチパネル)が操作されなかった場合に、第1演出(ゲーム数によるフェイク前兆演出)の発生確率を変更可能な第1演出確率変更制御手段を備えるのである。
【0354】
一方、第1操作手段を構成する第1前兆頻度変更メニューが表示されている状態で、ゲーム数によるフェイク前兆演出の発生確率を変更せずに次メニュー要求画像41cをタッチ操作して、第2操作手段を構成する第2前兆頻度変更メニューを表示し、レア役前兆頻度高操作部42aおよびレア役前兆頻度低操作部42bのタッチ操作によりレア役当選によるフェイク前兆演出の発生確率のみの変更が可能となるのである。
すなわち、演出確率変更制御手段としての副制御装置20は、第1操作手段が操作され、かつ第2操作手段が操作された場合に、第2演出(レア役当選によるフェイク前兆演出)の発生確率を変更可能な第2演出確率変更制御手段を備えるのである。
したがって、フェイク前兆演出の発生に対して、その発生契機毎に詳細に発生確率を変更することができるので、遊技者の好みに応じたフェイク前兆演出の発生確率にすることが可能となるのである。
【0355】
また、副制御装置20では、フェイク前兆演出の発生確率を変更可能としているが、フェイク前兆演出の発生確率を変更する制御に対して一定の制限を設けていて、遊技者の操作に基づくフェイク前兆演出の発生確率の変更を、コンプリート機能が作動する前にのみ可能とし、コンプリート機能が作動した後は禁止するようにしている。
例えば、コンプリート機能が作動する前には、操作手段としての演出ボタン2dの操作によりメインメニューがサブ表示器17において表示されることとなるが、コンプリート機能が作動した後、すなわちゲーム不能動化状態においては、これらの機能は禁止され、かりに演出ボタン2dが操作されてもメインメニューがサブ表示器17に表示されずに、フェイク前兆演出の発生確率の変更は行えなくなるのである。
すなわち、演出確率変更制御手段としての副制御装置20は、ゲーム不能動化状態においては、特定演出(フェイク前兆演出)に対する発生確率の変更を禁止可能とされ、操作手段(演出ボタン2d)が操作されても特定演出に対する発生確率の変更を不能とするのである。
【0356】
それに対して、前述したように、コンプリート機能が作動した後、すなわちゲーム不能動化状態においては、特定履歴情報の表示が可能となるのである。
すなわち、特定履歴情報表示制御手段としての副制御装置20は、ゲーム不能動化状態においては、特定履歴情報の表示を許可可能とされ、操作手段(演出ボタン2d)の操作に基づき、前記特定履歴情報の表示可能とするのである。
したがって、コンプリート機能の作動を境にして、遊技者が操作可能な機能が変更されることとなり、遊技者にとって満足のいく遊技環境を提供することが可能となるのである。
【0357】
以上、本実施形態のスロットマシン1について説明したが、特定遊技状態としては、AT状態の他に、リプレイ役の当選確率を高めたART状態を発生可能としてもよい。
また、役の抽選結果としてボーナス役を設け、このボーナス役に当選したことに基づき、所定期間所定の役(例えば、ベル役)の当選確率を高めたボーナス状態(所謂リアルボーナス)を発生可能としてもよく、この場合には、ボーナス状態中に制限機能の作動条件が成立した場合でも、ボーナス状態の終了条件が成立するまで当該ボーナス状態は継続することとなり、当該ボーナス状態の終了条件の成立時に制限機能が作動することとなる。
【0358】
また、本実施形態におけるスロットマシン1に、専用のアプリケーションを携帯端末にインストールして会員登録した遊技者が、自己の遊技データの取得等の各種会員サービスを受けられる機能を設けて、遊技終了後等の事後的に、自己の遊技により発生させた各AT状態に対して、第1エンディング状態の移行条件がいずれであったかを確認できる情報を提供するようにしてもよい。
【0359】
また、第1エンディング状態の移行条件を種々変更するようにしているが、第2制限機能(コンプリート機能)の作動に関わる第2エンディング状態の移行条件を、第1エンディング状態の移行条件と同様に変更するようにしてもよい。
【0360】
また、第1操作手段および第2操作手段として、タッチパネル式のサブ表示器17を例示しているが、外部操作が可能なものであれば、サブ表示器17以外の操作手段でもよく、例えば、演出ボタン2d、上部演出ボタン2fでもよいし、主制御装置10で管理するベットボタン2a、停止ボタン5、確率設定装置14、あるいは電源の投入・遮断を操作するためのスイッチ(図示略)でもよい。
【0361】
また、本実施形態中において、「一方よりも他方の方が確率が高い」、あるいは「一方よりも他方の方が確率が低い」、と表現した場合には、一方の確率は0%を含み、他方の確率が100%を含むものとする。
また、各テーブルを参照するタイミングは、例示した以外のタイミングでもよい。
また、本実施形態中において、各種抽選時に規定された数値は一例であり、幅を持った数値(2以上)でもよいし、幅を持たない数値(1)でもよい。
【0362】
以上説明したように、本発明においては、遊技者の操作に基づきゲームを実行するとともに、前記ゲームの実行に関連して遊技者に遊技価値(メダル)を付与可能とした遊技機(スロットマシン1)において、前記ゲームの実行に関連して演出の制御を実行可能な演出制御手段(副制御装置20)を備え、前記演出制御手段は、所定の演出に対する発生確率を変更可能な演出確率変更制御手段(副制御装置20)を含み、前記演出確率変更制御手段は、前記所定の演出として、所定ゲーム数に亘って実行可能な特定演出に対する発生確率を変更可能な構成としている。
したがって、従来にない斬新な演出が実行可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0363】
また、第1操作手段(第1前兆頻度変更メニューが表示されたタッチパネル)と、前記第1操作手段とは異なる第2操作手段(第2前兆頻度変更メニューが表示されたタッチパネル)と、を備え、前記演出制御手段は、前記特定演出として、第1演出(ゲーム数によるフェイク前兆演出)と、前記第1演出とは発生契機の異なる第2演出(レア役当選によるフェイク前兆演出)と、を実行可能とし、前記演出確率変更制御手段は、前記第1操作手段が操作され、かつ前記第2操作手段が操作されなかった場合に、第1演出の発生確率を変更可能な第1演出確率変更制御手段と、前記第1操作手段が操作され、かつ前記第2操作手段が操作された場合に、第2演出の発生確率を変更可能な第2演出確率変更制御手段と、を備えた構成としている。
したがって、特定演出の発生に対して、その発生契機毎に詳細に発生確率を変更することができるので、遊技者の好みに応じた演出の発生確率にすることが可能となる。
【0364】
また、所定期間に実行されたゲームに基づき、履歴情報を生成して表示させる制御が可能な履歴情報表示制御手段(副制御装置20)と、遊技者に付与された遊技価値数が特定遊技価値数(+19000枚)に達したことに基づき、その後のゲームの実行が不能なゲーム不能動化状態に制御可能なゲーム不能動化手段(主制御装置10)と、を備え、前記履歴情報表示制御手段は、前記履歴情報のうちの特定履歴情報を表示させる制御が可能な特定履歴情報表示制御手段(副制御装置20)を含み、前記演出確率変更制御手段は、前記ゲーム不能動化状態においては、前記所定の演出に対する発生確率の変更を禁止可能とし、前記特定履歴情報表示制御手段は、前記ゲーム不能動化状態においては、前記特定履歴情報の表示を許可可能な構成としている。
【0365】
したがって、ゲーム不能動化状態に制御されることを境にして、遊技者が操作可能な機能が変更されることとなり、遊技者にとって満足のいく遊技環境を提供することが可能となる。
【0366】
また、遊技者にとって有利な特定遊技状態(AT状態)の発生に関連して、ゲームの実行が一時的に不能となる一時的ゲーム不能動化状態に制御可能な一時的ゲーム不能動化手段(主制御装置10)と、遊技者にとっての有利度合いを設定可能な有利度合設定手段(確率設定装置14)と、前記有利度合設定手段により設定されている有利度合いを示唆可能な有利度合示唆手段(副制御装置20)と、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン2d)と、を備え、前記有利度合示唆手段は、通常の示唆と、前記通常の示唆よりも前記有利度合いの示唆に対する信頼度の高い特定の示唆と、を実行可能あり、前記一時的ゲーム不能動化状態においては、前記操作手段の操作に基づき前記通常の示唆を実行可能とし、前記ゲーム不能動化状態においては、前記操作手段の操作に関係なく前記特定の示唆を実行可能な構成としている。
【0367】
したがって、有利度合の示唆により、遊技者は遊技を行う上で重要な情報を得ることができ、遊技者に満足感を与えることが可能となり、特に、特定の示唆が行われた場合には、遊技者の満足感をより高めることが可能となる。
また、一時的ゲーム不能動化状態中と、ゲーム不能動化状態中とで有利度合の示唆に対する差別化を図ることができ、ゲーム不能動化状態に移行させた遊技者に対してより大きな満足感を与えることが可能となる。
また、ゲーム不能動化状態に制御された場合には、当該遊技機でのその後の遊技が不能となるので、信頼度の高い設定示唆を行っても遊技店の不利益が生ずることを防止できる。
【0368】
また、前記有利度合示唆手段は、前記通常の示唆を実行している状態において、前記ゲームの終了に関わる遊技者による所定操作が行われた場合に、実行されている前記通常の示唆を終了可能とし、前記特定の示唆を実行している状態において、前記所定操作が行われた場合でも、実行されている前記特定の示唆を継続可能な構成としている。
【0369】
したがって、通常の示唆を実行している状態では、所定操作により通常の示唆が終了することとなるので、多数の遊技者に有利度合いの示唆が開示されてしまい、遊技店が不利益となることを防止可能となる。
一方、特定の示唆を実行している状態では、所定操作が行われても特定の示唆は継続して実行されることとなるので、遊技の終了作業を行っている間や、当該終了作業の終了後にも特定の示唆を確認することが可能となるのである。しかも、比較的長時間特定の示唆が表示されても、当該遊技機はその後のゲームは行われないので、遊技店が不利益となることもないし、特定の示唆を多数の遊技者が確認することも可能となるので、情報開示という点で効果的である。
【0370】
また、前記有利度合示唆手段は、前記ゲーム不能動化状態において前記特定の示唆が実行されている場合に、前記操作手段の操作に基づき前記通常の示唆を実行可能な構成としている。
したがって、ゲーム不能動化状態中には、特定の示唆の他、通常の示唆も実行可能とされることから、遊技者は両方の示唆を受けることが可能となり、より有用な情報を得ることが可能となる。
また、両方の示唆を比較することが可能となり、例えば、通常の示唆がどの程度の信憑性があるのかを把握することができ、次回以降の遊技に役立たせることが可能となる。
【0371】
また、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記演出確率変更制御手段は、前記操作手段の操作に基づき、前記特定演出に対する発生率を変更可能とし、前記ゲーム不能動化状態において前記操作手段が操作されても前記特定演出に対する発生確率の変更を不能とし、前記特定履歴情報表示制御手段は、前記操作手段の操作に基づき、所定の履歴情報を表示可能とし、前記ゲーム不能動化状態における前記操作手段の操作に基づき、前記特定履歴情報を表示可能な構成としている。
したがって、遊技者に付与された遊技価値数が特定遊技価値数に達したことを境にして、遊技者が操作可能な機能が変更されることとなり、遊技者にとって満足のいく遊技環境を提供することが可能となる。
【0372】
また、当該遊技機において異常状態が発生した場合に、前記異常状態が発生した旨を報知可能な制御を実行可能な異常報知制御手段(副制御装置20)を備え、前記異常報知制御手段は、前記ゲーム不能動化状態に制御されている場合には、所定の異常状態に対する報知態様を変更可能な構成としている。
したがって、異常状態が発生した時期に応じた的確な報知が行え、異常状態(不正行為)の発生を未然に防止することが可能となる。
【0373】
また、前記ゲームの進行を制御可能な主制御手段(主制御装置10)と、前記演出制御手段および前記履歴情報表示制御手段を含み、前記主制御手段からの制御情報に基づき、前記演出の制御および前記履歴情報の表示制御を実行可能な副制御手段(副制御装置20)と、を備え、前記副制御手段は、前記主制御手段からの制御情報に基づき、所定期間(ゲーム不能動化状態となった当日)において前記ゲーム不能動化状態が解除されたことを監視可能なゲーム不能動化状態解除監視手段(副制御装置20)を備えた構成としている。
したがって、ゲーム不能動化状態となった当日中に、当該遊技機が再稼働させる不正行為を未然に防止することが可能となる。
【0374】
なお、上記演出制御手段、履歴情報表示制御手段、ゲーム不能動化手段、演出確率変更制御手段、特定履歴情報表示制御手段は、一時的ゲーム不能動化手段、有利度合示唆手段、異常報知制御手段、ゲーム不能動化解除監視手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0375】
一方、特許文献1には、複数の表示装置を設け、各表示装置において種々の情報を表示するようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機における表示装置での情報表示では、興趣性の向上として十分なものではなかった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0376】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてAT状態(AT)を付与するものとしたが、ART又はRTを付与するようにしてもよい。
【0377】
また、本実施形態では、AT状態のタイプとして、ゲーム数管理型のタイプにしているが、AT状態中の遊技者が獲得したメダル数が所定数となった場合にAT状態を終了させる差枚数管理型のタイプにしてもよい。
【0378】
また、本実施形態では、演出操作手段として演出ボタン2dや上部演出ボタン2fを例示しているが、遊技者の操作により演出内容を変化させる入力信号を出力するものであれば、その他でもよく、ベットボタン2a、停止ボタン5、スタートレバー3等でもよい。
【0379】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、前兆演出、対戦演出、純増枚数カウンタの値を示唆する演出、設定示唆演出等の種々の演出時や、特化ゾーン中の所定の時期に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、前兆演出、対戦演出、純増枚数カウンタの値を示唆する演出、設定示唆演出等の種々の演出時や、特化ゾーン中の所定の時期に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0380】
また、表示手段として、メイン表示器8、サブ表示器17を設けているが、前兆演出、対戦演出、純増枚数カウンタの値を示唆する演出、設定示唆演出等の種々の演出時や、特化ゾーンの各種演出を、何れか1つの表示手段で実行してもよいし、2つの表示手段の両方で実行するようにしてもよい。
【0381】
また、前述の実施形態では、抽選手段などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0382】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆるメダルレス遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0383】
1:スロットマシン
2:ベットボタン
2c:返却ボタン
2d:演出ボタン
3:スタートレバー
4:リール
5:停止ボタン
8:メイン表示器
9:スピーカ
10:主制御装置
14:確率設定装置
17:サブ表示器
20:副制御装置