(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150210
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】計画分析装置、計画分析方法、及び、計画分析プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063515
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 純子
(72)【発明者】
【氏名】高岡 涼子
(72)【発明者】
【氏名】池田 成志
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 英一郎
(72)【発明者】
【氏名】高崎 和拓
(72)【発明者】
【氏名】二階堂 航平
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報を提案する。
【解決手段】計画分析装置は、対象期間における(i)業務量データと、(ii)必要人時データと、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データと、を取得し、業務量データと必要人時データとの相関を算出した第1の相関値が第1の閾値未満である場合、第1の相関値に対応する改善案情報を優先的に出力し、第1の相関値が第1の閾値以上であり、業務量データと従業員データとの相関を算出した第2の相関値が第2の閾値未満である場合、第2の相関値に対応する改善案情報を出力する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部とプロセッサとを備え、
前記プロセッサは前記記憶部と協働して、
対象期間における(i)業務量データと、(ii)必要人時データと、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データと、を取得し、
前記業務量データと前記必要人時データとの相関を算出した第1の相関値が第1の閾値未満である場合、前記第1の相関値に対応する改善案情報を優先的に出力し、
前記第1の相関値が前記第1の閾値以上であり、前記業務量データと前記従業員データとの相関を算出した第2の相関値が第2の閾値未満である場合、前記第2の相関値に対応する改善案情報を出力する、
計画分析装置。
【請求項2】
前記業務量データは、客数予測データである、
請求項1に記載の計画分析装置。
【請求項3】
前記従業員データは、従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つと、前記必要人時データとに基づいて従業員が割り当てされた計画人時データを含む、
請求項1または2に記載の計画分析装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第1の相関値が前記第1の閾値未満である場合、前記第2の相関値に関わらず、前記第1の相関値に対応する改善案情報を出力し、前記第2の相関値に対応する改善案情報を出力しない、
請求項1または2に記載の計画分析装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
さらに、(iv)前記計画人時データに対してユーザが修正した後の修正後計画人時データを取得し、
前記第1の相関値が前記第1の閾値以上であり、前記第2の相関値が前記第2の閾値以上であり、前記業務量データと前記修正後計画人時データとの相関を算出した第3の相関値が第3の閾値未満である場合、前記第3の相関値に対応する改善案情報を出力する、
請求項3に記載の計画分析装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記第1の相関値が前記第1の閾値未満である場合、前記第2の相関値及び前記第3の相関値に関わらず、前記第1の相関値に対応する改善案情報を出力し、前記第2の相関値に対応する改善案情報及び前記第3の相関値に対応する改善案情報を出力しない、
請求項5に記載の計画分析装置。
【請求項7】
表示部をさらに備え、
前記表示部は、前記改善案情報の出力として、改善に関する課題と修正案を表示する、
請求項1または2に記載の計画分析装置。
【請求項8】
表示部をさらに備え、
前記表示部は、前記第1の相関値に対応する改善案情報の出力として、人時計画の最大必要人時と最小必要人時との改善案を表示する、
請求項1または2に記載の計画分析装置。
【請求項9】
表示部をさらに備え、
前記表示部は、前記第2の相関値に対応する改善案情報の出力として、曜日別及び時間帯別の少なくとも一方の人時の不足及び余剰の少なくとも一方に関する情報を表示する、
請求項1または2に記載の計画分析装置。
【請求項10】
前記表示部は、前記第2の相関値に対応する改善案情報の出力として、さらに、契約変更及び配置転換に関する情報の少なくとも一方を表示する、
請求項9に記載の計画分析装置。
【請求項11】
表示部をさらに備え、
前記プロセッサは、
複数のチームそれぞれの(i)前記業務量データ、(ii)前記必要人時データ、(iii)前記従業員データを取得し、
前記複数のチームそれぞれの前記第1の相関値及び前記第2の相関値の少なくとも一つを算出し、
前記複数のチームのうち、前記第1の相関値が前記第1の閾値未満であるチーム、及び、前記第2の相関値が前記第2の閾値未満であるチームの少なくとも一つを前記表示部に表示する、
請求項5に記載の計画分析装置。
【請求項12】
表示部をさらに備え、
前記第1の相関値が前記第1の閾値以上であり、前記第2の相関値が前記第2の閾値以上であり、前記第3の相関値が前記第3の閾値以上である場合、
前記表示部は、人時充足率の分析情報を表示する、
請求項5に記載の計画分析装置。
【請求項13】
前記人時充足率の分析情報は、曜日別人時充足率を含む、
請求項12に記載の計画分析装置。
【請求項14】
前記人時充足率の分析情報は、前年同月比の人時充足率を含む、
請求項12に記載の計画分析装置。
【請求項15】
前記表示部は、
前記曜日別人時充足率に対して、いずれかの曜日が選択されると、
選択された前記曜日に勤務可能な従業員を表示する、
請求項13に記載の計画分析装置。
【請求項16】
前記表示部は、
前記曜日別人時充足率に対して、いずれかの曜日が選択されると、
選択された前記曜日に勤務可能な従業員の保有スキル情報を表示する、
請求項13に記載の計画分析装置。
【請求項17】
前記表示部は、
前記曜日別人時充足率に対して、いずれかの曜日が選択されると、
従業員の契約条件と勤務条件との少なくとも一方を表示する、
請求項13に記載の計画分析装置。
【請求項18】
対象期間における(i)業務量データと、(ii)必要人時データと、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データと、を取得し、
前記業務量データと前記必要人時データとの相関を算出した第1の相関値が第1の閾値未満である場合、前記第1の相関値に対応する改善案情報を優先的に出力し、
前記第1の相関値が前記第1の閾値以上であり、前記業務量データと前記従業員データとの相関を算出した第2の相関値が第2の閾値未満である場合、前記第2の相関値に対応する改善案情報を出力する、
計画分析方法。
【請求項19】
対象期間における(i)業務量データと、(ii)必要人時データと、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データと、を取得し、
前記業務量データと前記必要人時データとの相関を算出した第1の相関値が第1の閾値未満である場合、前記第1の相関値に対応する改善案情報を優先的に出力し、
前記第1の相関値が前記第1の閾値以上であり、前記業務量データと前記従業員データとの相関を算出した第2の相関値が第2の閾値未満である場合、前記第2の相関値に対応する改善案情報を出力する、
ことをコンピュータに実行させる、
計画分析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計画分析装置、計画分析方法、及び、計画分析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、小売り業界において、「売上金額」、「売上件数」、「勤務時間」及び「トラフィック」から生成された評価指標に合わせて、「要員を増やす」、「要員を減らす」といった改善アクションを提案するシステムが記載されている。具体的には、業務の状況を測定することによって得られたデータから、業務データとしての「売上金額」、「売上件数」、「勤務時間」及び「トラフィック」を時間帯毎に順次生成する。そして、「勤務時間」及び「トラフィック」から、業務データとしての「接客数」の予想値を演算する。これらの業務データから、複数の評価指標を生成し、これらの評価指標に適合する改善アクションを、予め定めた複数種類の改善アクションから選択することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、「要員を増やす」、「要員を減らす」といった人員計画の改善は、詳細に分析されるべきである。特に特許文献1では、各評価指標値に優先順位がないため、どの程度「要員を増やす」、「要員を減らす」べきであるかも検討しづらい。その結果、実際の現場で具体的にアクションに落とし込むことが困難である。
【0005】
本開示の目的は、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報を提案することができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る計画分析装置は、記憶部とプロセッサとを備え、前記プロセッサは前記記憶部と協働して、対象期間における(i)業務量データと、(ii)必要人時データと、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データと、を取得し、前記業務量データと前記必要人時データとの相関を算出した第1の相関値が第1の閾値未満である場合、前記第1の相関値に対応する改善案情報を優先的に出力し、前記第1の相関値が前記第1の閾値以上であり、前記業務量データと前記従業員データとの相関を算出した前記第2の相関値が第2の閾値未満である場合、前記第2の相関値に対応する改善案情報を出力する。
【0007】
本開示の一態様に係る計画分析方法は、対象期間における(i)業務量データと、(ii)必要人時データと、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データと、を取得し、前記業務量データと前記必要人時データとの相関を算出した前記第1の相関値が第1の閾値未満の場合は、前記第1の相関値に対応する改善案情報を優先的に出力し、前記第1の相関値が閾値以上かつ、前記業務量データと前記従業員データとの相関を算出した前記第2の相関値が第2の閾値未満の場合は、前記第2の相関値に対応する改善案情報を出力する。
【0008】
本開示の一態様に係る計画分析プログラムは、対象期間における(i)業務量データと、(ii)必要人時データと、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データと、を取得し、前記業務量データと前記必要人時データとの相関を算出した前記第1の相関値が第1の閾値未満の場合は、前記第1の相関値に対応する改善案情報を優先的に出力し、前記第1の相関値が閾値以上かつ、前記業務量データと前記従業員データとの相関を算出した前記第2の相関値が第2の閾値未満の場合は、前記第2の相関値に対応する改善案情報を出力する、ことをコンピュータに実行させる。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態に係る計画分析システムの構成の一例を示す図
【
図2】本実施の形態に係る客数予測データ、必要人時データ、計画人時データそれぞれの一例を示す図
【
図3】本実施の形態に係る客数予測の一例を説明する図
【
図5】本実施の形態に係る人員計画パターンの一例を示す図
【
図7】本実施の形態に係る必要人時データに関する改善案情報の一例を示す図
【
図8A】本実施の形態に係る従業員データに関する改善案情報の1ページ目の一例を示す図
【
図8B】本実施の形態に係る従業員データに関する改善案情報の選択後のリンク先のページの一例を示す図
【
図9】本実施の形態に係る修正後計画人時データに関する改善案情報の一例を示す図
【
図10】本実施の形態に係る人時充足率分析を説明する図
【
図11】本実施の形態に係る人時充足率分析の画面の一例を示す図
【
図12】本実施の形態に係る曜日ごとの人時充足率分析の画面の一例を示す図
【
図13】本実施の形態に係る人時充足率分析の勤務可能・不可能人員の勤務条件を示す画面の一例を示す図
【
図14】本実施の形態に係る人時充足率分析の勤務可能・不可能人員のスキルを示す画面の一例を示す図
【
図15】本実施の形態に係る人時充足率分析の勤務可能・不可能人員の勤務可能時間を示す画面の一例を示す図
【
図16】本実施の形態に係る計画分析のフローの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(本実施の形態)
<計画分析システムについて>
まず初めに、計画分析システム1について説明する。
図1は、本実施の形態に係る計画分析システムの構成の一例を示す図である。
図2は、本実施の形態に係る客数予測データ、必要人時データ、計画人時データそれぞれの一例を示す図であり、(a)は客数予測データの一例、(b)は必要人時データの一例、(c)は計画人時データの一例である。
図3は、本実施の形態に係る客数予測の一例を説明する図である。
図4は、本実施の形態に係る必要人時を説明する図である。
図5は、本実施の形態に係る人員計画パターンの一例を示す図である。計画分析システム1は、計画分析装置100、計画生成装置200、予測システム300、1又は複数の作業者端末400、1又は複数の店舗・本部端末500を含む。計画分析装置100、計画生成装置200、予測システム300、作業者端末400、店舗・本部端末500は、有線ケーブル又は通信ネットワークを介して互いに情報やデータを送受信可能である。有線ケーブルの例として、HDMI(登録商標)ケーブル、及び、USBケーブル等が挙げられる。通信ネットワークの例として、有線LAN、無線LAN、LTE、4G、5G、インターネット、及び、VPN(Virtual Private Network)等が挙げられる。
【0014】
計画分析システム1は、例えばスーパーマーケットなどの複数店舗が属する小売企業において、作成済みの人員計画に対して、分析、評価をするために使用するものである。ここで想定する対象の小売企業は、複数の店舗と、各店舗とをマネジメントする本部を有する。計画分析システム1では、予測システム300が生成する客数予測データ、入荷・出荷計画、製造計画、及び、勤務実績などの情報を使って計画生成装置200が生成した従業員の人員計画及び人員計画パターン(
図5参照)に対し、計画分析装置100が分析及び評価を行う。人員計画やその分析結果は、作業者端末400又は店舗・本部端末500によって閲覧することができる。そして、計画分析装置100の分析結果に基づき、ユーザは計画生成装置200を介して人員計画を修正することができる。計画分析装置100、計画生成装置200、予測システム300、作業者端末400、及び、店舗・本部端末500はそれぞれ、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、又は、タブレットなどの電子機器である。なお、計画分析システム1は、物流業界の企業において、人員計画を分析及び評価するために使用されてもよい。従業員とは、契約形態に関わらず、正社員、契約社員、アルバイト、及び、パートなどを含む。なお、物流業界の場合、例えば対象企業は、複数の運送拠点と、各運送拠点とをマネジメントする本部を有する。
【0015】
計画分析装置100は、プロセッサ110、記憶部120、及び、表示部130を備える。プロセッサ110は、相関値算出部111、及び、データ出力部112の機能を実現する。記憶部120は、業務量予測データ121、従業員データ122、必要人時データ123、計画人時データ124、及び、改善案情報125を記憶する。
【0016】
プロセッサ110は、記憶部120内に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサ110は、詳細は後述するが、各相関値を算出し、対応する改善案情報を出力する。プロセッサ110の例として、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、コントローラ、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が挙げられる。計画生成装置200、予測システム300、作業者端末400、及び、店舗・本部端末500も、同様のプロセッサを備えてよい。
【0017】
相関値算出部111は、記憶部120または外部から取得した対象期間における業務量データである業務量予測データ121と、必要人時データ123との第1の相関値を算出する。対象期間とは、対象年、対象月、対象週、対象日、又は、対象時間などである。また、相関値算出部111は、業務量予測データ121と、記憶部120または外部から取得した従業員データ122との第2の相関値を算出する。業務量予測データ121は、例えば小売業であれば、
図2(a)及び
図3に示される客数予測データとするとよい。また、業務量予測データ121は、例えば物流業界であれば、物流予測データ(運送する荷物の数の予測データ)とするとよい。また、第2の相関値は、業務量予測データ121と、計画人時データ124との相関値としてもよい。計画人時データ124は、従業員データ122と必要人時データ123とに基づいて生成される。業務量予測データ121としての客数予測データ、従業員データ122、必要人時データ123、及び、計画人時データ124についての詳細は、後述する。
【0018】
データ出力部112は、一定の条件のもと、第1の相関値、第2の相関値、第3の相関値それぞれに対応する改善案情報を出力する。出力とは、表示部130に情報を表示することであってもよいし、計画分析システム1の内部又は外部に存在する他の電子機器に情報を送信することであってもよい。一定の条件については、詳細を後述する。
【0019】
記憶部120は、プロセッサ110が取り扱うプログラム及びデータを記憶する。記憶部120は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含んでよい。また、記憶部120は、ROM(Read-Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含んでよい。計画生成装置200、予測システム300、作業者端末400、及び、店舗・本部端末500も、同様の記憶部を備えてよい。
【0020】
本実施の形態では、業務量予測データ121は、
図2(a)の客数予測データである。
図2(a)に示されるように、客数予測データは会社コード、店舗コード、チームコード、日付、時間帯、及び、予測客数を含む。チームとは、一つの店舗に複数存在するグループの中に複数存在する、例えば食料品チーム、日用品チーム、又は、レジチームなどである。業務量予測データ121である客数予測データは、
図3に示されるように客数が営業日特性ごとの傾向があるため、営業日特性ごとに、店舗又はチームごとに予測される。営業日特性とは、平日、休日、特売日、祝日、又は、対象店舗の周辺でのイベントの有無などによる客数の偏りの特性である。すなわち営業日特性によって、客数は変化する傾向にある。例えば、客数の過去の実績データを学習データとして機械学習を行うことによって、将来の客数予測データが生成されてよい。客数予測データは、機械学習によるものでなくともよく、例えば対象店舗のスタッフが過去の経験をもとに手動で予測することによって生成されてもよい。客数予測データは、機械学習によって生成された情報と、手動で予測した情報との両方を用いて生成されてもよい。また、
図3に示されるように、営業日特性ごとに、過去の客数実績と必要だった人時実績との関係性を学習データとして機械学習を行うことによって、将来の客数予測データが生成されてもよい。
【0021】
従業員データ122は、対象店舗又は対象チームに属する各従業員の勤務条件(勤務可能日、勤務可能時間、雇用形態など)データ、スキル(どのスキルをどのレベルで保有しているかなど)データ、休み希望データ、及び、他従業員との相性情報データなどを含む。
【0022】
必要人時データ123は、
図2(b)に示されるように、会社コード、店舗コード、チームコード、業務コード、日付、時間帯、及び、必要人時を含む。必要人時とは、業務を遂行するのに必要とされる人時(どの業務にどれだけの人時を確保したいか)であって、
図4に示すように、客数予測を人時あたり客数で割ったものである。人時とは、1人かつ1時間の単位をいう。人時あたり客数とは、1人の従業員で1時間あたりに何人のお客様に対応できるかを示す。人時あたり客数の予測は、
図3に示されるように人時あたり客数の過去の実績を蓄積し、機械学習などを行うことによって営業日特性ごとに算出される。また、必要人時は、客数予測を人時あたり客数で割った数に限られず、月間労働時間などを使った補正後の必要人時、あるいは、店舗で設定した人員計画パターンと照合して算出する日別時間帯別業務別の必要人時であってもよい。さらに、日別時間帯別業務別の必要人時に対してスーパーの店舗のマネージャが手動で修正した値としてもよい。なお、業務コードとは、例えば「惣菜、下準備」、「惣菜、盛り付け」、「惣菜、掃除」など、業務の種類を特定するものである。
【0023】
計画人時データ124は、従業員の勤務条件データ(従業員データ122に含まれる)及びスキルデータ(従業員データ122に含まれる)の少なくとも一つと、必要人時データ123とに基づいて、必要人時に従業員が割り当てされているデータである。計画人時データ124は、
図2(c)に示されるように、会社コード、店舗コード、チームコード、業務コード、日付、時間帯、必要人時、及び、従業員コードを含む。計画人時データ124では、必要人時データ123で算出された必要人時をなるべく満たしつつ、従業員データ122に含まれる従業員の勤務条件(何曜日勤務、何時から何時までの勤務など)、スキル(業務項目(業務コードでもよい)ごとにどのレベルのスキルを持っているか)、休み希望、相性設定などを考慮して決定されるものである。したがって、必要人時データ123に対して、割り当てされた従業員を示す従業員コードが付加されたデータとなる。
【0024】
改善案情報125とは、「人員計画パターンの最大値と最小値の改善案」及び「適正スキル人材の配置転換や契約変更の提案」などを含む。詳細は後述する。
【0025】
表示部130は、液晶表示デバイス、有機ELデバイス、又はその他の表示デバイスを含んでよい。表示部130は、各種データや情報を表示する。計画生成装置200、予測システム300、作業者端末400、及び、店舗・本部端末500も、同様の表示部を備えてよい。
【0026】
計画生成装置200は、予測システム300の客数予測データ、入荷・出荷計画、製造計画、及び、勤務実績などの情報の少なくとも1つを使って、業務量予測及び人時予測を行い、人員計画及び人員計画パターンの少なくとも1つを生成する。人員計画パターンは、
図5に示されるとおり、営業日特性別に最小必要人時及び最大必要人時を示す。最小必要人時は、最低限必要な業務を遂行するために必要な人時の値である。最大必要人時は、客数など業務量が多いなど変動業務が追加されることを想定した場合の人時の値である。
図5では、営業日特性として、平日(特売日を除く)、特売日、及び、土日祝(特売日を除く)の3つの特性としている。人員計画パターンは、1日単位又は1時間単位などで、店舗ごと、チーム別、業務別に生成されるとよい。人員計画は、人員パターンに基づいて人員(従業員)を割り当てて生成された月間の勤務計画、日々の作業計画、又は、スタッフ別の作業計画などである。人員計画パターンは、1つの必要人時の値であってもよいが、最小必要人時と最大必要人時の両方の値を持つことで、人時の幅を持つことができ、思わぬハプニング又は予定外の出来事などに対応することができる。
【0027】
予測システム300は、客数予測データ、入荷・出荷計画、製造計画、及び、勤務実績などの情報を生成する。
【0028】
作業者端末400は、各店舗の従業員の中の作業員それぞれが使用する端末である。店舗・本部端末500は、各店舗および本部に設置される端末である。例えばスーパーマーケットチェーンを経営する企業がこの計画分析システム1を使用する場合、計画分析装置100、計画生成装置200、予測システム300、及び、店舗・本部端末500は本部または一部の店舗に設けられるとよく、作業者端末400は各店舗の従業員のうちの対象の作業者が使用するものである。
【0029】
<計画分析について>
次に、計画分析について説明する。
図6は、本実施の形態に係る計画分析を説明する図である。
図7は、本実施の形態に係る必要人時データに関する改善案情報の一例を示す図である。
図8A、
図8Bは、本実施の形態に係る従業員データに関する改善案情報の一例を示す図であり、
図8Aはその最初の画面を示し、
図8Bは選択後のリンク先の画面を示す。
図9は、本実施の形態に係る修正後計画人時データに関する改善案情報の一例を示す図である。
図7~
図9は、表示部130、作業者端末400が備える表示部、及び、店舗・本部端末500が備える表示部の少なくとも一つに表示される画面を表している。
【0030】
計画生成装置200は、過去の客数実績や、過去の人員計画及びその経験をもとに人員計画を生成する。従来、計画生成装置200が生成した人員計画パターン(
図5)に対して分析及び評価を行うこと、及び、改善案を特定することが難しかった。そこで、本実施の形態に係る計画分析装置100は、分析対象指標に優先順位をつけ、優先順位の高い指標に対応する改善案情報を優先的に出力する。
【0031】
図6を参照して、詳細に説明する。計画分析装置100の相関値算出部111は、まず、業務量予測データ121と人員計画パターンにおける必要人時データ123との第1の相関値を算出する。業務量予測データ121とは、ここでは客数予測である。相関値は、一般的な相関を求める式によって計算される。人員を具体的に割り当てる前の必要人時の値が、客数予測と相関が取れていない場合、人員の割り当てを工夫しても、客数予測に見合った人員計画を生成することは難しい。そこで、営業日特性ごとに、人員計画パターンの必要人時データ123が、業務量予測データ121の客数予測と相関が取れているかを優先的に分析及び評価する。
【0032】
この第1の相関値が第1の閾値よりも低い場合、例えば「営業日特性に関わらず、全ての日で人時が一定の値になっている」、「客数の変動と相関していない」などが原因として挙げられる(
図6:1-i)。そこで、データ出力部112は、第1の相関値に対応する改善案情報125を優先的に出力する。出力される改善案情報125の一例を
図7に示す。
図7の領域Cに、相関が悪いと判断された現在の人員計画パターンと、改善案として提案される改善後の人員計画パターンとが示される。そして、人員計画パターンを改善することで、相関値が0.26から0.81に上昇することがわかる。
【0033】
なお、
図7に示される表示画面には、領域Cに加えて、領域A、領域B、領域Dそれぞれにも各情報が示される。領域Aには、同一店舗内の各チームリストと、各チームの各相関値が各閾値よりも低い場合にはアラートが表示される。領域Bには、対象チームの各第1の相関値、第2の相関値、第3の相関値と、この各相関値が各閾値以上か未満かを示す情報(
図7では各相関値が各閾値未満の場合に三角形のマーク)が示される。なお、第1の相関値が第1の閾値よりも低い場合、この三角形のマークは第1の相関値を示す欄のみに表示されてよい。領域Dには、人員計画パターンの現状と改善案を採用した場合との人員計画(人時)と、客数予測と、の関係が日毎にグラフで示される。このグラフによって、改善案を採用することで第1の相関値が改善することが視認できる。そして、ユーザは、
図7の表示画面によって出力された改善案情報125を確認して、人員計画パターンの最大必要人時及び最小必要人時を修正検討する(
図6:1-ii)。そして、計画生成装置200を使って、人員計画パターンを実際に修正する(
図6:1-iii)。このように、表示画面には、改善に関わる課題と修正案が表示される。これにより、ユーザにとって改善しやすい表示となっている。
【0034】
なお、第1の相関値が第1の閾値未満の場合は、後述する第2の相関値、又は、第3の相関値に関わらず、第1の相関値のみに対応する改善案情報125を出力するとよい。
【0035】
次に、第1の相関値が第1の閾値以上の場合、人員計画パターンが、業務量予測データ121の客数予測と相関が取れているといえる。その場合、相関値算出部111は、業務量予測データ121と従業員データ122との第2の相関値を算出する。従業員データ122として計画人時データ124を使用してもよい。この第2の相関値が第2の閾値よりも低い場合、例えば「人員計画パターンとスキル保有者の勤務可能曜日があっていない」、「人員計画パターンに対してスキル保有者が不足している」などが原因として挙げられる(
図6:2-i)。そこで、データ出力部112は、第2の相関値が第2の閾値よりも低い場合、第2の相関値に対応する改善案情報125を出力する。第2の相関値に対応する改善案情報125の出力として、曜日別及び時間帯別の少なくとも1つの、人時の不足及び余剰の少なくとも1つに関する情報を表示する。出力される改善案情報125の一例を
図8に示す。
【0036】
図8Aでは、領域Bで示されるように、第1の相関値が第1の閾値以上で、かつ第2の相関値が第2の閾値よりも低いことがわかる。領域Eの上部には、曜日別及び業務ごとに、その業務を遂行することができるスキルを保有する従業員が何名いるかと、必要人時に足りているかどうか(人時過不足情報)が示されている。
図8Aでは、「食料品_作業A」を遂行することのできる従業員が、基本的に月曜日に足りないということがわかる。それ以外の業務では、人員が余剰している。領域Eの下部には、曜日別及び時間別に、その業務を遂行することができるスキルを保有する従業員が何名いるかと、必要人時に足りているかどうかが示されている。
図8Aでは、選択された曜日において、「食料品_作業A」を遂行することのできる従業員が、基本的に8時台に足りないということがわかる。これによって、業務別に、各曜日の何時ごろに、その業務を遂行することができるスキルを保有する従業員が何名いるかを確認することができる。
【0037】
図8Bでは、
図8Aに示された業務別、曜日及び時間別の人時過不足情報をもとに、改善案として、さらに、契約変更及び配置転換に関する情報の少なくとも1つを表示する。
図8Bでは、左から、他の業務に配置されているスキル保有者の勤務可能人員リスト、対象スキルを教育することで業務が可能となる人員の教育推奨人員リスト、契約(例えば勤務時間)を変更することで勤務可能となる人員の契約変更推奨人員リストを示す。この改善案をもとに、ユーザは業務曜日別平均(時間帯別)の人時の不足又は余剰を確認し、契約変更やスキル教育の候補者を検討する(
図6:2-ii)。そして実際に、教育、配置転換または勤務条件変更を実施する(
図6:2-iii)。その結果、第2の相関値も向上させることができる。
【0038】
次に、第1の相関値が第1の閾値以上かつ第2の相関値が第2の閾値以上の場合、人員計画パターン及び従業員データ122(計画人時データ124)が、業務量予測データ121の客数予測と相関が取れているといえる。その場合、相関値算出部111は、業務量予測データ121と修正後計画人時との第3の相関値を算出する。修正後計画人時とは、計画人時データ124であって、計画生成装置200が生成した計画人時(人員計画に含まれる)に対して、企業のユーザ(マネージャなど)が自身の手で修正を加えたものである。もし、企業のユーザによる修正が全くなければ、第2の相関値と第3の相関値は同一のものとなる。この第3の相関値が第3の閾値よりも低い場合、例えば「ユーザの手修正ミス」などが原因として挙げられる(
図6:3-i)。そこで、データ出力部112は、第3の相関値が第3の閾値よりも低い場合、第3の相関値に対応する改善案情報125を出力する。出力される改善案情報125の一例を
図9に示す。この場合では、領域Bで示されるように、第1の相関値、第2の相関値がそれぞれ第1の閾値、第2の閾値以上で、かつ第3の相関値が第3の閾値よりも低いことがわかる。
【0039】
改善案情報125として、領域Fには、必要人時と計画人時と手修正後の修正後計画人時それぞれと、客数予測と、の関係を日毎にグラフが示される。ユーザは、このグラフを確認することで、必要人時と計画人時と手修正後の計画人時の差異を確認し、手修正の見直しを行うことができる(
図6:3-ii)。そして実際に、次回の計画作成時に見直し内容を反映することができる(
図6:3-iii)。その結果、第3の相関値も向上させることができる。
【0040】
なお、第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値は、同じ値であっても異なる値であってもよい。また、分析、評価及び改善を繰り返すうちにいずれの相関値も向上してくるので、その向上に応じて各閾値も徐々に値を大きくするとよい。また、第1の相関値、第2の相関値、及び、第3の相関値は、過去の日の必要人時、計画人時、及び、手修正後の計画人時それぞれと、客数実績と、を使用して算出されてもよい。また、
図7~
図9の領域Aに表示されるように、複数のチームそれぞれの第1の相関値、第2の相関値、及び、第3の相関値それぞれのうち、第1の閾値未満、第2の閾値未満、及び、第3の閾値未満のチームが視認できるように表示されている。これにより、複数のチームの相関の状況を確認することができる。
【0041】
<人時充足率分析について>
次に、第1の相関値、第2の相関値、及び、第3の相関値がそれぞれ第1の閾値、第2の閾値、及び、第3の閾値以上である場合について説明する。
図10は、本実施の形態に係る人時充足率分析を説明する図である。
図11は、本実施の形態に係る人時充足率分析の画面の一例を示す図である。
図12は、本実施の形態に係る曜日ごとの人時充足率分析の画面の一例を示す図である。
図13は、本実施の形態に係る人時充足率分析の勤務可能・不可能人員の勤務条件を示す画面の一例を示す図である。
図14は、本実施の形態に係る人時充足率分析の勤務可能・不可能人員のスキルを示す画面の一例を示す図である。
図15は、本実施の形態に係る人時充足率分析の勤務可能・不可能人員の勤務可能時間を示す画面の一例を示す図である。
図11~
図15は、表示部130、作業者端末400が備える表示部、及び、店舗・本部端末500が備える表示部の少なくとも一つに表示される画面を表している。
【0042】
第1の相関値、第2の相関値、及び、第3の相関値がそれぞれ第1の閾値、第2の閾値、及び、第3の閾値以上である場合には、契約人時と必要人時の総人時差を示す人時充足率の分析情報を表示する。人時充足率の分析情報は、
図11に示される。契約人時とは、各従業員と契約している契約勤務時間条件(所定労働時間)とに基づいて計算され、各店舗、各グループ、及び、各チームに属する各従業員が契約時間の100%を勤務した場合の、各店舗、各グループ、及び、各チームの総人時の値である。
図11の人時充足率は、チームごとに、契約人時を必要人時で割った値であり、契約人時の値と客数予測に基づいた必要人時の値も記載されている。また、
図11の画面には、店舗、グループまたはチームごとの売上、投入実績人時、人時売上(人時あたりの売上)、担当人員の必要なスキル保有率、平均スキル熟練度、月間労働時間計画比率なども表示されるとよい。ユーザは、
図11の画面を確認し、契約人時と必要人時(割戻前)の差を確認する(
図10:i)。差があった場合、曜日に傾向があるかを確認する(
図10:ii)ために、計画分析装置100は
図12に示される人時充足率の分析情報としての曜日別人時充足率を表示する。
図12では、グループごと及びチームごとに、ある月の曜日別人時充足率が示される。これによって詳細に人時充足率を確認することができる。また、この時、
図12では、前年同月比の割合も表示するとよい。これによって人時充足率の傾向を確認することができる。
【0043】
図10に戻って、曜日に傾向があるかを確認(
図10:ii)した後は、過不足曜日の従業員の勤務条件を確認(
図10:iii)する。過不足曜日の従業員の勤務条件は、
図13の表示画面によって確認することができる。
図13では、各従業員の社員番号、従業員グループ名、雇用区分、有給残日数、1日、1週間、1か月、1年間の勤務時間の上限などが表示されている。なお、従業員は、勤務可能人員と勤務不可人員とを分けて表示するとよい。
【0044】
そして、
図13を確認したユーザは、次月の作業計画作成に向けて、店舗、グループまたはチーム全体の曜日毎の人員充足率を確認し、過不足の対策(配置転換、勤務条件変更または採用)を検討する。対策としては、(A1)マルチスキルの従業員を過剰日から不足日に割り当てること、(A2)チーム内の不足曜日・業務が無く、過剰要員の割当先が無い場合、チーム全体の勤務条件変更を検討すること、及び、(A3)チーム内の不足日・業務に割り当てる従業員いない場合は採用を検討することなどが挙げられる。
【0045】
そこで、例えば人員不足が火曜日に生じているとすると、ユーザが火曜日を選択することで、計画分析装置100は
図14に示すような画面を表示する。
図14には、従業員ごとに、各業務のスキルをどのレベルで保有しているかが示されている。この画面を確認することで、ユーザはマルチスキルの従業員を過剰日から不足日に割り当てること(配置転換)を検討することができる。
【0046】
また、ユーザが火曜日を選択することで、計画分析装置100は
図15に示すような画面を表示することもできる。
図15には、契約条件、勤務条件として、雇用形態や曜日ごとの勤務可能時間が示される。この画面を確認することで、チーム内の不足曜日・業務が無く、過剰要員の割当先が無い場合、チーム全体の勤務条件変更を検討することができる。
図14、
図15を確認してもチーム内の不足日・業務に割当てる従業員いない場合は採用を検討するとよい。
【0047】
ユーザがこれらの改善案情報125を確認することによって、人員計画及び人員計画パターンへの修正を行い、計画生成装置200を介して、新たな人員計画及び人員計画パターンを生成することができる。
【0048】
<計画分析方法のフローについて>
次に、計画分析方法のフローについて説明する。
図16は、本実施の形態に係る計画分析のフローの一例を示す図である。なお、制約がない限り、フローの順序を入れ替えてもよい。以下のフローは、プログラムを実行するコンピュータによって実行されてもよい。
【0049】
プロセッサ110は、予測システム300から、対象期間における業務量予測データ121と、必要人時データと123、従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データ122と、を取得する(ST1)。業務量予測データ121は、客数予測としてもよい。
【0050】
相関値算出部111は、業務量予測データ121と必要人時データ123との第1の相関値を算出する。そして、データ出力部112は、第1の相関値が第1の閾値未満の場合(ST2:NO)に、第1の相関値に対応する改善案情報125を優先的に出力する(ST3)。
【0051】
第1の相関値が第1の閾値以上の場合(ST2:YES)には、業務量予測データ121と従業員データ122との第2の相関値を算出する。従業員データ122は、計画人時データ124であってもよい。相関値算出部111は、業務量データと従業員データ122(計画人時データ124)との第2の相関値を算出する。そして、データ出力部112は、第2の相関値が第2の閾値未満の場合(ST4:NO)に、第2の相関値に対応する改善案情報125を出力する(ST5)。
【0052】
第2の相関値が第2の閾値以上の場合(ST4:YES)には、業務量予測データ121と計画人時データに対してユーザが修正した後の修正後計画人時データとの第3の相関値を算出する。相関値算出部111は、業務量データと修正後計画人時データとの第3の相関値を算出する。そして、データ出力部112は、第3の相関値が第3の閾値未満の場合(ST6:NO)に、第3の相関値に対応する改善案情報125を出力する(ST7)。
【0053】
第3の相関値が第3の閾値以上の場合(ST6:YES)には、データ出力部112は、人時充足率の分析情報を表示する(ST8)。そして、本処理は終了する。
【0054】
(本実施の形態のまとめ)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0055】
<技術1>
本実施の形態に係る計画分析装置100は、記憶部120とプロセッサ110とを備え、プロセッサ110は記憶部120と協働して、対象期間における(i)業務量(予測)データ121と、(ii)必要人時データ123と、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データ122と、を取得し、業務量(予測)データ121と必要人時データ123との相関を算出した第1の相関値が第1の閾値未満である場合、第1の相関値に対応する改善案情報125を優先的に出力し、第1の相関値が第1の閾値以上であり、業務量(予測)データと従業員データ122との相関を算出した第2の相関値が第2の閾値未満である場合、第2の相関値に対応する改善案情報125を出力する。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125を提案することができる。
【0056】
<技術2>
技術1に記載の計画分析装置100において、業務量(予測)データ121は、客数予測データ(客数予測)である。
これにより、小売業界において、効果的に人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125を提案することができる。
【0057】
<技術3>
技術1または2に記載の計画分析装置100において、従業員データ122は、従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つと、必要人時データ123とに基づいて従業員が割り当てされた計画人時データ124を含む。
これにより、より効果的に人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125を提案することができる。
【0058】
<技術4>
技術1から3の何れか1項に記載の計画分析装置100において、プロセッサ110は、第1の相関値が第1の閾値未満である場合、第2の相関値に関わらず、第1の相関値に対応する改善案情報125を出力し、第2の相関値に対応する改善案情報を出力しない。
これにより、人員計画を確実に段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125を優先的に提案することができる。
【0059】
<技術5>
技術1から4のいずれか1項に記載の計画分析装置100において、プロセッサ110は、さらに、(iv)計画人時データ124に対してユーザが修正した後の修正後計画人時データを取得し、第1の相関値が第1の閾値以上であり、第2の相関値が第2の閾値以上であり、業務量(予測)データ121と修正後計画人時データとの相関を算出した第3の相関値が第3の閾値未満である場合、第3の相関値に対応する改善案情報125を出力する。
これにより、ユーザが手入力によって計画人時データ124を修正する場合においても、人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125を優先的に提案し、適切な最終人員計画パターンを生成することができる。
【0060】
<技術6>
技術5に記載の計画分析装置100において、プロセッサ110は、第1の相関値が閾値未満である場合、第2の相関値及び第3の相関値に関わらず、第1の相関値に対応する改善案情報125を出力し、第2の相関値に対応する改善案情報及び第3の相関値に対応する改善案情報を出力しない。
これにより、人員計画を確実に段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125を優先的に提案することができる。
【0061】
<技術7>
技術1から6のいずれか1項に記載の計画分析装置100において、表示部130は、改善案情報125の出力として、改善に関する課題と修正案を表示する。
これにより、人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125としての課題と修正案を提案することができる。
【0062】
<技術8>
技術1から7のいずれか1項に記載の計画分析装置100において、表示部130は、第1の相関値に対応する改善案情報125の出力として、人時計画の最大必要人時と最小必要人時との改善案を表示する。
これにより、人時計画に最大と最小で幅ができるので、柔軟性のある改善案を表示することができる。
【0063】
<技術9>
技術1から8のいずれか1項に記載の計画分析装置100において、表示部130は、第2の相関値に対応する改善案情報125の出力として、曜日別及び時間帯別の少なくとも一方の人時の不足及び余剰の少なくとも一方に関する情報を表示する。
これにより、段階に応じた適切な改善案情報125としての詳細な情報を提案することができる。
【0064】
<技術10>
技術9に記載の計画分析装置100において、表示部130は、第2の相関値に対応する改善案情報125の出力として、さらに、契約変更及び配置転換に関する情報の少なくとも一方を表示する。
これにより、段階に応じた適切な改善案情報125としての詳細な情報を提案することができる。
【0065】
<技術11>
技術1から10のいずれか1項に記載の計画分析装置100において、プロセッサ110は、複数のチームそれぞれの(i)業務量(予測)データ121、(ii)必要人時データ123、(iii)従業員データ122を取得し、複数のチームそれぞれの第1の相関値及び第2の相関値の少なくとも一つを算出し、複数のチームのうち、第1の相関値が第1の閾値未満であるチーム、及び、第2の相関値が第2の閾値未満であるチームの少なくとも一つを表示部130に表示する。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、店舗全体の人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125を提案することができる。
【0066】
<技術12>
技術1から11のいずれか1項に記載の計画分析装置100において、第1の相関値が第1の閾値以上であり、第2の相関値が第2の閾値以上であり、第3の相関値が第3の閾値以上である場合、表示部130は、人時充足率の分析情報を表示する。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、人時充足率まで表示することができる。
【0067】
<技術13>
技術12に記載の計画分析装置100において、人時充足率の分析情報は、曜日別人時充足率を含む。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、詳細な人時充足率まで表示することができる。
【0068】
<技術14>
技術12又は13に記載の計画分析装置100において、人時充足率の分析情報は、前年同月比の人時充足率を含む。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、詳細な人時充足率まで表示することができる。
【0069】
<技術15>
技術13又は14に記載の計画分析装置100において、表示部130は、曜日別人時充足率に対して、いずれかの曜日が選択されると、選択され曜日に勤務可能な従業員を表示する。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、詳細な人時充足率及び勤務可能な従業員まで表示することができる。
【0070】
<技術16>
技術13又は14に記載の計画分析装置100において、表示部130は、曜日別人時充足率に対して、いずれかの曜日が選択されると、選択された曜日に勤務可能な従業員の保有スキル情報を表示する。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、詳細な人時充足率及び勤務可能な従業員の保有スキル情報まで表示することができる。
【0071】
<技術17>
技術13又は14に記載の計画分析装置100において、表示部130は、曜日別人時充足率に対して、いずれかの曜日が選択されると、従業員の契約条件と勤務条件の少なくとも一方を表示する。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、詳細な人時充足率及び勤務可能な従業員の契約条件と勤務条件の少なくとも一方まで表示することができる。
【0072】
<技術18>
本実施の形態に係る計画分析方法は、対象期間における(i)業務量(予測)データ121と、(ii)必要人時データ123と、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データ122と、を取得し、業務量(予測)データ121と必要人時データ123との相関を算出した第1の相関値が第1の閾値未満である場合、第1の相関値に対応する改善案情報125を優先的に出力し、第1の相関値が第1の閾値以上であり、業務量(予測)データと従業員データ122との相関を算出した第2の相関値が第2の閾値未満である場合、第2の相関値に対応する改善案情報125を出力する。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125を提案することができる。
【0073】
<技術19>
本実施の形態に係る計画分析プログラムは、対象期間における(i)業務量(予測)データ121と、(ii)必要人時データ123と、(iii)従業員の勤務条件データ及びスキルデータの少なくとも一つを含む従業員データ122と、を取得し、業務量(予測)データ121と必要人時データ123との相関を算出した第1の相関値が第1の閾値未満である場合、第1の相関値に対応する改善案情報125を優先的に出力し、第1の相関値が第1の閾値以上であり、業務量(予測)データと従業員データ122との相関を算出した第2の相関値が第2の閾値未満である場合、第2の相関値に対応する改善案情報125を出力する、ことをコンピュータに実行させる。
これにより、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、段階に応じた適切な改善案情報125を提案することができる。
【0074】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本開示の技術は、例えば小売業界などの店舗における人員計画において、その人員計画を段階的に分析し、段階に応じた改善案情報を提案することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 計画分析システム
100 計画分析装置
110 プロセッサ
111 相関値算出部
112 データ出力部
120 記憶部
121 業務量予測データ
122 従業員データ
123 必要人時データ
124 計画人時データ
125 改善案情報
130 表示部
200 計画生成装置
300 予測システム
400 作業者端末
500 店舗・本部端末