(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150216
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】流体管閉塞装置
(51)【国際特許分類】
F16L 55/00 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
F16L55/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063525
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸司
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 稜太
(57)【要約】
【課題】閉塞部材の端面の直径が小さい場合でも、仮固定手段により閉塞部材を既設流体管に一時的に固定することができる流体管閉塞装置を提供すること。
【解決手段】流体管1の分岐流路に挿入した閉塞部材としての閉塞駒19を、該閉塞駒19を仮固定手段としての仮押輪92により一時的に固定するための流体管閉塞装置43は、閉塞駒19を挿入する挿入軸としての外軸部材54を含む挿入装置本体58と、挿入装置本体58と閉塞駒19の基端部材47の後端面47bとを連結するための連結部としての連結体130とを備え、連結体130は、挿入装置本体58を軸方向に移動不能に流体管1に固定した状態で、閉塞駒19の後端面47bから分離可能となるように、挿入装置本体58とは別体に構成されている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設流体管の分岐流路に挿入した閉塞部材を仮固定手段により一時的に固定するための流体管閉塞装置であって、
前記閉塞部材を挿入する挿入軸と、
前記挿入軸と前記閉塞部材の端面とを連結するための連結部と、
を備え、
前記連結部は、前記挿入軸を軸方向に移動不能に固定した状態で、前記閉塞部材の端面から分離可能となるように、前記挿入軸とは別体に構成されていることを特徴とする流体管閉塞装置。
【請求項2】
前記連結部は、前記挿入軸の周面に装着可能な筒状部材であることを特徴とする請求項1に記載の流体管閉塞装置。
【請求項3】
前記筒状部材は、周方向に分割可能であることを特徴とする請求項2に記載の流体管閉塞装置。
【請求項4】
前記連結部は、前記閉塞部材に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の流体管閉塞装置。
【請求項5】
前記挿入軸は、前記連結部が連結される外管部と、前記閉塞部材に接続されるとともに、前記外管部内に設けられ、前記閉塞部材を閉塞状態と非閉塞状態とに操作可能な中軸部と、を有し、
前記連結部は、前記外管部に対し着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の流体管閉塞装置。
【請求項6】
前記連結部と前記外管部との相対移動を規制する規制手段を有することを特徴とする請求項5に記載の流体管閉塞装置。
【請求項7】
前記連結部と前記閉塞部材とを係止可能な係止手段を備え、前記係止手段の係脱により前記連結部と前記閉塞部材とを連結または分離可能であることを特徴とする請求項1に記載の流体管閉塞装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設流体管の分岐流路を閉塞する閉塞部材を挿入して該閉塞部材を仮固定手段により一時的に固定するための流体管閉塞装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水道本管等(既設流体管)では、その途中で分岐されて分岐管や仕切弁等が接続される。この分岐管や仕切弁等が耐久年数に至ったり、新たな道路が敷設されるなどで配管系が変更されたりする場合には、水道本管の管路を上流側で遮断することなく管路内の流体の流れを維持した状態(不断流状態)で、分岐管部や仕切弁等を設置または除去することがある。
【0003】
既設流体管から分岐された分岐管部を不断流状態で除去する際等に用いられる流体管閉塞装置として、例えば、分岐管部に取付けられたバルブを閉塞した状態で、該バルブから既設流体管側を残して分岐管部を切断した後、残された分岐管部の切断部を通して、既設流体管における分岐管部との接続部(分岐流路)を閉塞する閉塞駒(閉塞部材)を挿入軸により挿入するとともに、既設流体管に挿入された閉塞駒の端面に仮押輪(仮固定手段)を当接して該仮押輪を既設流体管に取付けることで、閉塞駒を既設流体管に一時的に固定できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-109325号公報(第10~12頁、第8~10図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の流体管閉塞装置にあっては、挿入軸と閉塞駒とは、挿入軸の一端から外径方向に向けて突設された張出部(連結部)を閉塞駒の端面に当接させ、該張出部に取付けたボルトを閉塞駒に螺入することにより連結されている。
【0006】
よって、分岐管部の内径が小さい場合、これに応じて接続部及び該接続部に挿入される閉塞駒の端面の直径が小さくなることで、閉塞駒の端面が張出部により広く覆われて仮押輪を当接させるスペースがなくなってしまい、仮固定手段により閉塞部材を既設流体管に一時的に固定することができなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、閉塞部材の端面の直径が小さい場合でも、仮固定手段により閉塞部材を既設流体管に一時的に固定することができる流体管閉塞装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の流体管閉塞装置は、
既設流体管の分岐流路に挿入した閉塞部材を仮固定手段により一時的に固定するための流体管閉塞装置であって、
前記閉塞部材を挿入する挿入軸と、
前記挿入軸と前記閉塞部材の端面とを連結するための連結部と、
を備え、
前記連結部は、前記挿入軸を軸方向に移動不能に固定した状態で、前記閉塞部材の端面から分離可能となるように、前記挿入軸とは別体に構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、既設流体管の分岐流路に閉塞部材を挿入した後、連結部を閉塞部材の端面から分離させることで、該閉塞部材の端面が露呈して仮固定手段を当接させるスペースが確保されるため、閉塞部材の端面の直径が小さい場合でも、仮固定手段により閉塞部材を既設流体管に一時的に固定することができる。
【0009】
前記連結部は、前記挿入軸の周面に装着可能な筒状部材であることを特徴としている。
この特徴によれば、筒状部材の内周面を挿入軸の外周面に当接し、筒状部材の一端面を閉塞部材の端面に当接させることができるので、連結部と挿入軸とを安定して連結することができる。
【0010】
前記筒状部材は、周方向に分割可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、筒状部材を挿入軸から簡単に取外すことができるため、仮固定手段により閉塞部材を固定する際に邪魔になることがない。
【0011】
前記連結部は、前記閉塞部材に対して着脱可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、連結部を閉塞部材から簡単に取外すことができるため、作業性が向上する。
【0012】
前記挿入軸は、前記連結部が連結される外管部と、前記閉塞部材に接続されるとともに、前記外管部内に設けられ、前記閉塞部材を閉塞状態と非閉塞状態とに操作可能な中軸部と、を有し、
前記連結部は、前記外管部に対し着脱可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、外管部に着脱される連結部に干渉されることなく、中軸部を回転させ閉塞部材を操作することができる。
【0013】
前記連結部と前記外管部との相対移動を規制する規制手段を有することを特徴としている。
この特徴によれば、中軸部の回転操作に応じて連結部が外管部に対し相対回転することを規制することができる。
【0014】
前記連結部と前記閉塞部材とを係止可能な係止手段を備え、前記係止手段の係脱により前記連結部と前記閉塞部材とを連結または分離可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、ネジ部材等を用いずに連結部と閉塞部材とを容易に連結したり分離したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施例における流体管及び該流体管から分岐された分岐管部を示す一部破断側面図である。
【
図2】プラグ弁が取付けられた分岐管が閉塞された状態の流体管及び分岐管部を示す側断面図である。
【
図3】接続部を清掃する状態を示す流体管及び分岐管部の側断面図である。
【
図4】閉塞駒の挿入装置が取付けられた状態の流体管及び分岐管部を示す側断面図である。
【
図5】(a)は自然状態の閉塞駒を示す側断面図、(b)は拡径された状態の閉塞駒を示す側断面図である。
【
図6】(a)は連結体を示す平面図、(b)は右側面図、(c)は正面図、(d)は背面図、(e)は(c)のA-A断面図である。
【
図7】(a)は閉塞駒の接続された挿入装置本体を示す側断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【
図8】挿入装置により閉塞駒が流体管に挿入された状態の流体管及び分岐管部を示す側断面図である。
【
図9】流体管が閉塞駒で閉塞された状態で分岐管が取り外された状態の流体管及び分岐管部を示す側断面図である。
【
図10】閉塞駒と連結体との連結状態を解除する状態の流体管を示す側断面図である。
【
図11】(a)は連結体を閉塞駒から分離した状態の流体管を示す側断面図、(b)は(a)のB-B断面図、(c)は(a)のC-C断面図である。
【
図12】連結体を分割して挿入装置本体から取外した状態の流体管を示す側断面図である。
【
図13】流体管の受口部に仮押輪を取付けた状態を示す図である。
【
図14】(a)は押付押輪を挿入装置本体に取付けた状態の流体管を示す側断面図、(b)は仮押輪を取外した状態の流体管を示す側断面図である。
【
図15】押付押輪及び閉塞蓋が取付けられた流体管を示す側断面図である。
【
図17】(a)は変形例としての閉塞駒を示す背面図、(b)は変形例としての連結体を示す正面図、(c),(d)は係止状態を説明するための図、(e)は(d)のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る流体管閉塞装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0017】
本発明に係る実施例としての流体管閉塞装置につき、
図1~
図15を参照して説明する。本実施例では、既設流体管から分岐管部を不断流状態で撤去する際に本発明の流体管閉塞装置43を用いるため、以下においては、分岐管撤去方法について説明しながら流体管閉塞装置43について説明する。尚、
図1の左側を後述する流体管閉塞装置43の前方とし、
図1の右側を後述する流体管閉塞装置43の後方として説明する。
【0018】
図1に示すように、本実施例の既設流体管である流体管1は、例えば、地中に埋設される上水道用のダクタイル鋳鉄製であり、断面視略円形状に形成され、内周面がモルタル層で被覆されている。尚、本発明に係る流体管は、その他鋳鉄、鋼等の金属製、あるいはコンクリート製、塩化ビニール、ポリエチレン若しくはポリオレフィン製等であってもよい。更に尚、流体管の内周面はモルタル層に限らず、例えばエポキシ樹脂等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。また、本実施例では流体管内の流体は上水であるが、本実施例の上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。
【0019】
図1に示すように、流体管1には、流体管1から分岐された分岐管部2が接続されている。この流体管1の側部には、流体管1の管軸に対して略垂直方向に突出され流体管1の管路に連通する管路を有する受口部3が設けられている。そして、この受口部3には、受口部3に挿入される挿口部4が設けられた分岐管5が接続されている。分岐管5の図示しない下流側には、更に配管部材が接続されて末端部が閉塞栓(図示略)で密封状に閉塞されている。本実施例における分岐管部2は、これら分岐管5及び配管部材と閉塞栓により構成される。
【0020】
流体管1の受口部3の内周面には、開口端側がテーパ状に拡径する環状溝6が形成され、この環状溝6には、環状溝6の内壁に沿うリング状に形成された硬質ゴムによるパッキン7が圧入されている。また、受口部3の外周面には、管軸方向にボルト8を挿入可能なボルト孔が周方向に複数形成されたフランジ部9が形成されている。
【0021】
また、分岐管5の挿口部4の外周には、挿口部4を受口部3に密封状に固定するための環状の押輪10が取付けられている。この押輪10は、受口部3のパッキン7に当接される環状の押圧部11と、ボルト8を挿入可能なボルト孔を周方向に有する環状のフランジ部12とから成る。そして、押輪10は、分岐管5の挿口部4に若干の遊びを持たせて外嵌されて、押輪10のフランジ部12と受口部3のフランジ部9とが複数のボルト・ナット8により締結され、パッキン7が押圧部11により押圧されて受口部3及び挿口部4に密着することで、挿口部4と受口部3とが密封状に固定されるようになっている。
【0022】
本実施例の分岐管撤去方法では、まず、分岐管5における挿口部4に、流体管1の受口部3から分岐管5の挿口部4が離脱するのを防止するために、周方向に二分割された離脱防止押輪13を取付ける。この離脱防止押輪13は、分岐管5の外周面に食い込む爪部14と、受口部3のフランジ部9とボルト・ナット8で接続されるフランジ部15とを有している。離脱防止押輪13の爪部14が分岐管5の外周面に食い込まれており、挿口部4の外周面に爪部14が食い込んで固定された状態の離脱防止押輪13のフランジ部15と、受口部3のフランジ部9とが、押輪10を介してボルト・ナット8で締結されることで、流体管1内の流体の圧力によって分岐管5を動かそうとする不平均力が働く場合でも、流体管1から分岐管部2が抜けてしまうことが防止される。
【0023】
そして、離脱防止押輪13を分岐管5に取付けた後には、
図2に示すように、分岐管5にバルブとしてのプラグ弁16を取付ける。このプラグ弁16は、分岐管5の外周に設けられた穿孔Qから挿入され、分岐管5の管路を閉塞可能な弁体18を有している。
【0024】
プラグ弁16を取付ける際には、まず、分岐管5の外周面を密封状に覆うケース体17を分岐管5の所定位置に装着する。この所定位置は、
図4に後述するように、本発明に係る閉塞部材としての閉塞駒19の挿入装置本体58の長さに応じて定められ、後述する分岐管5の切断部21と流体管1の接続部22との距離が、挿入装置本体58の長さ以下になるように設定される。これにより、後述する分岐管5が切断される切断位置と閉塞駒19で閉塞される閉塞位置との離間距離を所定長さに短縮して、分岐管5の撤去工事を簡便にできる。
【0025】
ケース体17は、いわゆる割T字管であって、分岐管5の外周の上側を覆うとともに分岐管5側に連通し、分岐管5の管軸と略直交して分岐管5から突出する方向に延びる管状の接続管部23を有する上部ケース部材24と、分岐管5の外周の下側を覆う下部ケース部材25とからなる。上部ケース部材24と下部ケース部材25との間にシール材(図示略)が介されて、上部ケース部材24と下部ケース部材25とが分岐管5を挟み対向した状態で複数のボルト・ナット(図示略)により締結されることで、分岐管5が密封状に覆われる。
【0026】
尚、上部ケース部材24の内周面と分岐管5の外周面との間には、後述する穿孔Qの外周に沿うようにゴムリング27が介設される。このゴムリング27によって、穿孔Qを介し流体管1から流体の漏洩が生じることが防止される。更に尚、流体管1にケース体17を取付けた後に、ケース体17内に流体圧を加えて、ケース体17の密封性を適宜確認してもよい。
【0027】
次に、特に図示しないが、上部ケース部材24の接続管部23に、内部空間を密封状に閉塞する作業弁(図示略)及び分岐管5に穿孔を形成する穿孔装置(図示略)を備えた作業用ケース(図示略)を密封状に接続する。前記穿孔装置は、図示しない駆動手段に接続され、作業用ケース内及び接続管部23内を接続管部23の管軸方向に進退移動されるとともに進退軸線周りに回転される軸部材(図示略)と、この軸部材の先端部に固定され鋭利な穿孔刃を備えたカッター部材(図示略)とから構成される。
【0028】
そして、作業用ケースの作業弁を開放した状態で、カッター部材を軸部材を介して進退軸線周りに回転させつつ分岐管5側に進行させて、分岐管5の外周壁に当接させてカッター部材で穿孔し、分岐管5に穿孔Qを形成する。その後、穿孔Qの形成により分岐管5から分断された切片と共に、カッター部材を作業弁よりも駆動手段側に退避させた上で、作業弁により作業用ケース内を密封状に閉塞する。作業弁が閉塞された状態で、穿孔装置を作業用ケースから取り出す。
【0029】
次いで、作業用ケース内に挿入されて接続管部23の管軸方向に進退移動可能なアーム(図示略)と、このアームの先端部に接続された、弁体18や回転ネジ部34を弁筐体35内に配置して予め組み立てられたプラグ弁16(
図2参照)とを作業用ケース内に配置して、作業用ケースを密封状態にする。尚、アームは筒状に形成されており、プラグ弁16の回転ネジ部34(
図2参照)を弁筐体35(
図2参照)の外側から操作するための操作部36(
図2参照)がアームの内部に挿通配置されている。
【0030】
作業用ケースを密封状態にした後は、作業用ケース内の空気を外部に排出するための空気弁(図示略)を開放するとともに作業弁を開放状態にして、作業用ケース内を分岐管5内の流体で満たす。その後、空気弁を閉塞して、アームを分岐管5側に進出させて、プラグ弁16を上部ケース部材24の接続管部23に嵌め込む。このプラグ弁16の弁筐体35の外径は、接続管部23の開口部の内径より小径に形成されており、弁筐体35において接続管部23に嵌め込まれる嵌入部37(
図2参照)には、その外周面に沿ってOリング38(
図2参照)が設けられている。このOリング38により、弁筐体35が上部ケース部材24に密封状に取付け可能になる。
【0031】
そして、上部ケース部材24の接続管部23に設けられた固定ボルト(図示略)を接続管部23の内周方向に螺挿して、弁筐体35の外周壁に当接させ、プラグ弁16を上部ケース部材24に固定する。その後、作業用ケースの側面の窓蓋(図示略)を取外し、開放された開口を介して、プラグ弁16とアームとを接続する接続具(図示略)を取外す。そして、プラグ弁16とアームとを離間させるとともに、作業用ケースを上部ケース部材24から取外す。
【0032】
また、リング状のフランジ部材40をプラグ弁16の上方から嵌入して、上部ケース部材24にボルト・ナットで締結する。弁筐体35の嵌入部37が、上部ケース部材24とフランジ部材40とで挟まれることで、プラグ弁16が上部ケース部材24に固定される。以上により、分岐管5へのプラグ弁16の取付け作業が完了する(
図2参照)。
【0033】
次いで、分岐管5に取付けられたプラグ弁16の操作部36を回転操作し、回転ネジ部34を介して弁体18を分岐管5の管路に移動させて、分岐管5の管路を閉塞する(
図2参照)。そして、分岐管5の下流側の末端の閉塞栓を取外して、プラグ弁16より下流側の分岐管5内の流体を排出するとともに、プラグ弁16により分岐管5が遮断されたことを確認する。そして、プラグ弁16を閉塞した状態で、プラグ弁16から流体管1側を残すように、上部ケース部材24より下流側に所定距離離間された所定位置で分岐管5を切断して撤去する(
図2参照)。尚、分岐管5の切断には、図示しないエンジンによって円盤状のカッターが回転されるエンジンカッター(図示略)等を用いることができる。
【0034】
次いで、
図2に示すように、プラグ弁16から流体管1側を残して分岐管5を切断して撤去した後に、残された分岐管5の切断部21、すなわちプラグ弁16が取付けられている分岐管5の切断部21に、短寸筒状の短管41を取付ける。短管41は、一端に分岐管5の切断部21が挿入される受口部74が形成され、他端に外径方向に突出された鍔状の取付フランジ部75が形成されている。短管41の受口部74の内周面には、周方向に延びる環状溝77が形成され、この環状溝77には、パッキン78が圧入されている。
【0035】
また、後述する挿入装置20の固定部60を構成する離脱防止押輪42は、分岐管5の切断部21に外嵌され、分岐管5の外径方向に延びる環状のフランジ部81と、フランジ部81の内部に配置され、フランジ部81の内周面から内径方向に突出され先端が鋭利に形成された爪部82と、短管41の受口部74に備えられた弾性体からなる密封部材であるパッキン78を押圧する押圧部83と、を備える。
【0036】
次いで、
図3に示すように、短管41の開口を閉塞するように、清掃装置110を取付ける。清掃装置110は、短管41の開口を密封状態で閉塞する閉塞体111と、先端にカメラ(図示略)や清掃部材113が取付けられたロッド112と、から主に構成され、後述する閉塞駒19が設置される流体管1の接続部22の内周面を清掃可能とされている。具体的には、ロッド112の先端を分岐管5の内部に配置した状態で閉塞体111により短管41の開口を閉塞した後、弁体18を上昇させて分岐管5の管路を開放する。次いで、先端のカメラ(図示略)により管内の状況を確認しながらロッド112を接続部22に向けて挿入し、接続部22に到達したら、ロッド112の先端の清掃部材113を接続部22の内周面に摺接させて清掃する。また、カメラ(図示略)により接続部22の内周面に異物による凹凸等が存在していないかを確認してもよい。確認後、ロッド112を抜き出し、弁体18を下降させて分岐管5の管路を閉鎖した後、短管41から清掃装置110を取外す。そして、流体管閉塞装置43を取付ける(
図4参照)。
【0037】
[流体管閉塞装置]
次に、本実施例の流体管閉塞装置43について、
図4~
図6に基づいて説明する。
図4に示すように、流体管閉塞装置43は、流体管1と受口部3を接続する接続部22からなる分岐流路を密封状に閉塞する閉塞部材としての閉塞駒19と、分岐管5の切断部21に密封状に固定されて閉塞駒19を挿入する挿入軸を含む挿入装置20と、を備えている。
【0038】
[閉塞駒]
閉塞駒19は、
図5(a)に示すように、分岐管5の内径より小径の円盤状をなし、後面の外周部に周方向に延びる溝部44を有する先端部材45と、先端部材45と略同径の円盤状をなし、前面の外周部に前方側に突出する突条部46が設けられた基端部材47と、先端部材45及び基端部材47と略同径の円筒状をなすゴム材からなる拡張部材48と、後述するように拡張部材48を流体管1の内壁面に圧着させるための圧着ボルト50とからなる。
【0039】
先端部材45及び基端部材47には、中心に前面側から後面側に連通する挿通孔52、53が形成されている。基端部材47の後端面47b(閉塞駒19の後端面)には、後述する挿入装置本体58と閉塞駒19とを連結固定する連結部としての連結体130(
図6参照)を取付けるための連結ボルト145(
図7(b)参照)が螺入されるネジ孔56が軸方向に向けて形成されている。また、基端部材47の後端面47bにおける挿通孔53の周囲には、背面視円形状の凹部118が形成されている。また、基端部材47の後端面47bにおける凹部118の外径側には、嵌合凹部119が挿通孔53を中心として径方向に対向する2箇所に形成されている(
図5(a)では一方の嵌合凹部119のみ図示されている)。尚、凹部118の内径寸法L2は、閉塞駒19の外径寸法L1よりも短寸であり(L2<L1)、凹部118の周面には、径方向の長さ寸法L3を有する環状の後端面47bが形成されている。
【0040】
拡張部材48は、その一端が先端部材45の溝部44に嵌合される一方で、拡張部材48の他端が拡張部材48の外周面と基端部材47の突条部46の内周面とが当接されるように、先端部材45と基端部材47とで挟持される。そして、先端部材45及び基端部材47の挿通孔52,53には、先端部材45側から基端部材47側に圧着ボルト50が挿入される。
【0041】
圧着ボルト50は、その先端部に、先端部材45の軸回りの回転を許容するとともに、軸方向への移動を規制する規制部51が形成され、先端部寄りに、先端部材45の挿通孔52に遊嵌される棒状の棒状部49aが形成され、棒状部49aより基端側には雄ネジ部49bが形成されている。雄ネジ部49bの基端部は、挿通孔53の後端開口から後方に向けて突出しており、突出した雄ネジ部49bの基端部にはワッシャー114を介してナット115が螺入されており、ワッシャー114及びナット115の一部が凹部118に収容されている。また、圧着ボルト50の後端面にはネジ孔116が軸方向に形成されており、圧着ボルト50より小径のボルト117(
図7(b)参照)等がネジ孔116に螺入されている。
【0042】
また、先端部材45における挿通孔52の外径側には、ボルト120を螺入可能なネジ孔121aが軸方向に向けて形成されるとともに、基端部材47における挿通孔53の外径側には、ボルト120を挿入可能な挿通孔121bが軸方向に向けて形成されている。そして、ネジ孔121aにボルト120の先端のネジ部が螺入され、挿通孔121bにボルト120の基端部が挿入されることで、先端部材45と基端部材47の圧着ボルト50を中心とする相対回転が規制される。
【0043】
そして、閉塞駒19は、外軸部材54と基端部材47とが後述する連結体130(
図6参照)により相対回動不能に固定された状態で、基端部材47に対して圧着ボルト50が回転操作されると、
図5(b)に示すように、圧着ボルト50が基端部材47に対して後側に移動して、この移動に伴い規制部51により規制された先端部材45が基端部材47方向に押圧され、先端部材45と基端部材47との離間距離が短縮される。これにより、先端部材45及び基端部材47により拡張部材48が挟圧され、拡張部材48の外周壁が外径方向に変形して拡径して、拡張部材48が流体管1の接続部22の内壁面に圧着される。つまり、閉塞駒19は、分岐流路を閉塞しない非閉塞状態(
図5(a)参照)と、分岐流路を閉塞する閉塞状態(
図5(b)参照)と、に変形可能である。また、拡張部材48は、その内周面に周方向に幅広な溝状の幅広溝部57を有することで、外周壁が外径方向に変形し易いように形成されている。
【0044】
[連結体]
次に、閉塞部材としての閉塞駒19と、挿入軸としての外軸部材54と、を連結する連結部としての連結体130について、
図6に基づいて説明する。
【0045】
連結体130は、内部に外軸部材54を挿入可能な貫通孔131が形成された金属製の円筒状部材からなる。貫通孔131は縦断面で非円形の略小判形状であり、内周面の上下には平坦面131aが軸方向に向けて延設されている。また、連結体130は上下(径方向)に分割可能な上分割部130aと下分割部130bとから構成され、上分割部130aの左右側に形成された上下方向を向く取付孔133に上方から取付けた複数の連結ボルト132を、下分割部130bの左右側に形成された上下方向を向くネジ孔134に螺入することで、一体化されるようになっている。
【0046】
尚、貫通孔131の周面には環状の前端面130fが形成されている。また、連結体130の外径寸法L5は閉塞駒19の外径寸法L1とほぼ同寸であり(L5≒L1)、貫通孔131の内径寸法L6は閉塞駒19の凹部118の内径寸法L2とほぼ同寸である(L6≒L2)。そして、閉塞駒19の凹部118の内径寸法L2及び連結体130の貫通孔131の内径寸法L6は、後述する外軸部材54や連結ソケット150の外径寸法L7よりも大寸である(L2,L6>L7)。よって、挿入装置本体58の前端に閉塞駒19が接続され、連結体130が未接続の状態において、連結ソケット150の先端周囲に閉塞駒19の基端部材47の後端面47bが環状に拡がる(
図11(a)参照)。
【0047】
上分割部130aの後面上部及び下分割部130bの後面下部には、切欠凹部135が軸方向に向けて形成されているとともに、切欠凹部135の後面135aには、軸方向に延びるボルト挿通孔136が前後に貫通して形成されている。また、上分割部130aの前面右側及び下分割部130bの前面左側には、閉塞駒19の後面の嵌合凹部119に嵌合可能な嵌合凸部140が突設されている。
【0048】
また、上分割部130a及び下分割部130bそれぞれの切欠凹部135の左右側には、径方向に延びるネジ孔141が貫通して形成されており、連結ボルト146(
図7(b)参照)をネジ孔141の外側から螺入できるようになっている。尚、
図7(b)に示すように、連結ボルト146の先端には、連結体130の周方向への回転を規制する凸部146aが突設されている。
【0049】
[挿入装置]
図4に示すように、挿入装置20は、閉塞駒19を挿入して密封状態とする挿入装置本体58と、挿入装置本体58を分岐管5の外側から操作可能に密封状に保持する保持部59と、保持部59を切断部21に密封状に固定する固定部60と、分岐管5の管軸に垂直な方向に延設され挿入装置本体58を支持する板状の移動プレート61と、分岐管5の管軸方向に延びて略全長に亘って外周面が螺設され移動プレート61を支持する棒ネジ状の送りネジ部材62と、分岐管5の管軸に沿って延び移動プレート61を支持する棒状の支柱63と、流体管1の接続部22の外周面に取付けられ支柱63を支持する支持具64と、を有している。
【0050】
挿入装置本体58は、
図7(a)に示すように、中空状で長寸の金属管からなる外軸部材54と、外軸部材54に周方向に回転可能に内嵌され外軸部材54より若干長寸で円柱状の中軸部材65と、から主に構成される。挿入装置本体58の中軸部材65の先端部には、
図7(b)に示すように、内部に六角穴が形成された連結ソケット150が溶接固定されており、閉塞駒19のナット115に連結ソケット150を嵌合することで、中軸部材65と圧着ボルト50とが相対回転不能に連結される。これにより、中軸部材65を軸回りに回転させることで、拡張部材48を変形させることが可能となる。尚、外軸部材54は金属製によらず、樹脂等の素材で構成してもよい。
【0051】
また、外軸部材54は円管状であり、外周面の上下には、前端から後方に向けて所定長さを有する平坦面54aが軸方向に向けて延設されている。よって、外軸部材54の前部を連結体130の貫通孔131に挿入したときに、貫通孔131の内周面の平坦面131aと外軸部材54の外周面の平坦面54aとが対向することで、外軸部材54に対する連結体130の周方向への回転が規制される(
図11(b)参照)。また、外軸部材54の後端部には、前方側よりも縮径され移動プレート61の挿入孔72(
図4参照)に挿入される挿入部73が設けられている。
【0052】
挿入装置本体58の前端には、閉塞駒19が連結体130を介して取付けられている(
図7(a)参照)。詳しくは、
図7(b)に示すように、連結体130は、貫通孔131内に外軸部材54が挿入されるように外軸部材54に装着されるとともに、前端面130fが閉塞駒19の後端面47bに当接する。また、前端面130fの嵌合凸部140が閉塞駒19の後端面47bに形成された嵌合凹部119内に嵌合するとともに、外軸部材54の上下の平坦面54aと連結体130の内周面上下の平坦面131aとが対向することで、外軸部材54に対する連結体130の周方向の回転が規制される。
【0053】
そして、連結体130のボルト挿通孔136の後側から連結ボルト145を挿入し、閉塞駒19のネジ孔56に螺入することで、連結体130と閉塞駒19とが連結固定される。また、連結体130の周面に形成されたネジ孔141に連結ボルト146を螺入して取付け、連結ボルト146の先端の凸部146aが外軸部材54の外周面に形成された凹部147に嵌合することで、外軸部材54を中心とする連結体130の周方向の回転及び連結体130の外軸部材54に対する軸方向への移動が規制される。さらに、周方向の4個の連結ボルト146を外軸部材54の周面に圧接することで、連結体130が外軸部材54に固定される。これにより、閉塞駒19と挿入装置本体58の外軸部材54とが、連結体130を介して連結され、挿入装置本体58の前端に閉塞駒19が取付けられる。
【0054】
図4に戻って、挿入装置20の保持部59は、短管41と、分岐管5の管軸方向に連通された連通孔79が中央部に形成され短管41の取付フランジ部75に接続される略円盤状のフランジ板76とで構成される。短管41の取付フランジ部75には、パッキン(図示略)を介してフランジ板76がボルト・ナット(図示略)で固定されている。また、フランジ板76の連通孔79の内周には、環状の弾性体からなる丸ゴム80が介在されて、挿入装置本体58の外軸部材54が、分岐管5の管軸方向に摺動移動可能かつ密封状に保持されるようになっている。
【0055】
次に、本実施例の流体管閉塞装置43を分岐管5の切断部21に取付ける取付方法について
図4に基づいて説明する。
【0056】
まず、短管41の取付フランジ部75にフランジ板76を固定する一方で、挿入装置本体58の先端部に、連結体130を介して閉塞駒19を取付けるとともに、挿入装置本体58の後端部を短管41の受口部74側からフランジ板76の連通孔79に挿入することで、挿入装置20を予め組み立てておく。
【0057】
そして、離脱防止押輪42及びパッキン78を分岐管5の切断部21に外嵌させる。その後、挿入装置本体58の先端に接続された閉塞駒19を分岐管5内に配置しつつ、分岐管5の切断部21に短管41の受口部74を嵌入する。更に、離脱防止押輪42の押圧部83を短管41のパッキン78に当接させるとともに、離脱防止押輪42の爪部82を外径側からボルト103で押圧して爪部82の先端を切断部21に食い込ませて、離脱防止押輪42を切断部21に固定する。
【0058】
また、離脱防止押輪42のフランジ部81と短管41の受口部74のフランジ部85とを、複数のボルト・ナット84で締結することで、受口部74のパッキン78を受口部74内に押圧して、短管41と分岐管5の切断部21とを密封状に固定する。これにより、挿入装置20が、分岐管部2の外側からの操作で分岐管部2の管軸方向に進退移動可能に密封状に設置されることになる。また、分岐管部2の既設フランジ部を利用することなく密封性を確保して、挿入装置20を分岐管部2に取付けることができる。
【0059】
次いで、挿入装置本体58の外軸部材54の後端部を移動プレート61の挿入孔72に挿入する。外軸部材54の後端部における前側が挿入孔72より大径となっていることで、外軸部材54の拡径部分が移動プレート61の前面に当接され、外軸部材54が移動プレート61に支持される。
【0060】
また、送りネジ部材62の一端を、フランジ板76の後面に設けられた雌ネジ部86に固定するとともに、送りネジ部材62の他端を、移動プレート61の挿入孔87に挿入してナット88で固定することで、分岐管5の管軸と平行に送りネジ部材62を設置して、送りネジ部材62で移動プレート61を支持する。
【0061】
更に、流体管1の接続部22の外周に二つ割りの支持具64を外嵌させる。この支持具64は、流体管1の外径方向に延設された延設部89を有しており、延設部89には分岐管5の管軸方向に連通する連通孔90が設けられている。この連通孔90に、分岐管5の管軸と平行に支柱63を取付ける。以上で、流体管閉塞装置43を分岐管5の切断部21に取付ける取付作業が完了する。
【0062】
次いで、
図8に示すように、プラグ弁16の操作部36を回転操作して、弁体18を徐々に移動させ、分岐管5の管路を開放して、プラグ弁16より下流側の分岐管5内に流体を充填する。尚、プラグ弁16の開放初期において、流体管1から分岐管5に流れ込む流体の圧力によって、閉塞駒19が分岐管5の下流側に強く押圧されることがあるが、閉塞駒19は、短管41や送りネジ部材62等を介して分岐管5に支持されているので、分岐管5の下流に移動されて、フランジ板76等に接触して破損したり、疵付いたりすることが防止される。
【0063】
プラグ弁16を開放した後、プラグ弁16を開放状態で維持して、挿入装置20の送りネジ部材62の後側のナット88の回転操作による送り及びチェーンブロック(図示略)を利用して、移動プレート61と共に挿入装置本体58を、分岐管5の管軸に沿って流体管1の中心方向に移動させ、閉塞駒19を流体管1の接続部22に挿入する。そして、移動プレート61を支柱63に挿入し、支柱63に螺入したナット69により移動プレート61を固定して支柱63に対する移動プレート61の軸方向への移動を規制する。これにより、閉塞駒19が接続部22から移動することを防止する移動防止状態となる。
【0064】
その後、挿入装置本体58の中軸部材65を回転操作する。中軸部材65は、前述したように、連結ソケット150を介して閉塞駒19の圧着ボルト50に相対回転不能に接続され、外軸部材54を介して閉塞駒19の基端部材47に対し相対回転不能に接続されているので、中軸部材65を回転操作すると、閉塞駒19の圧着ボルト50が、基端部材47に対して回転されるとともに後方に移動する。この圧着ボルト50の移動に伴い、先端部材45が圧着ボルト50とともに基端部材47側に移動して近接するので、基端部材47と先端部材45とで拡張部材48が押圧されて拡径する。
【0065】
拡張部材48の外周面が流体管1の接続部22の内壁に強く当接するように、中軸部材65を回転操作して閉塞駒19の拡張部材48を拡径させ、流体管1の接続部22を密封状に閉塞し、接続部22よりも下流側の流れを遮断する。これにより流体管1の分岐流路が閉塞される。尚、閉塞駒19が移動プレート61等により移動防止状態にされているので、閉塞駒19が流体管1内の流体の圧力で押圧されて、流体管1の接続部22から分岐管5側に抜け出てしまうことがない。
【0066】
次いで、
図9に示すように、閉塞駒19により接続部22が密封状に閉塞されたことを確認した後、流体管1の受口部3に接続された押輪10及び離脱防止押輪13(
図8参照)を、これらを締結するボルト・ナット8を取外して分岐管5から撤去する。そして、流体管1の受口部3から、残された分岐管5を取外して、挿入装置20を支持する支柱63や挿入装置本体58に荷重をかけないように、分岐管5を移動プレート61の方向に移動させる。尚、分岐管5を移動プレート61の方向に移動させる前に、分岐管5を覆う上部ケース部材24と下部ケース部材25のボルト・ナット(図示略)を外して、ケース体17及びプラグ弁16を分岐管5から撤去してもよい。
【0067】
次いで、
図10に示すように、閉塞駒19と挿入装置本体58とを連結している連結体130を、閉塞駒19と挿入装置本体58から取外す。具体的には、連結ボルト145を閉塞駒19のネジ孔56から取外してボルト挿通孔136から抜き取り、閉塞駒19と連結体130との連結状態を解除する。また、ネジ孔141に螺入されている連結ボルト146を取外して(または緩めて)凸部146aを外軸部材54の凹部147から離脱させて、外軸部材54と連結体130との連結状態を解除する。
【0068】
次いで、
図11に示すように、連結体130を挿入装置本体58に沿って後方に移動させる。これにより、閉塞駒19の基端部材47の後端面47bから連結体130の前端面130fが離間して、閉塞駒19と連結体130とが分離する。つまり、連結体130は、挿入装置本体58を、挿入装置20を介して軸方向に移動不能に流体管1に固定した状態で、閉塞駒19の後端面47bから分離可能となる。
【0069】
次いで、
図12に示すように、連結体130の連結ボルト132をネジ孔134から取外して(
図6参照)、上分割部130aと下分割部130bとを外径方向に分離して挿入装置本体58から取外す。このように閉塞駒19から連結体130が分離することで、凹部118の周囲に拡がる環状の後端面47bが後方に向けて露呈される。尚、外軸部材54の上下の平坦面54aと連結体130の内周面上下の平坦面131aとが対向して連結体130の周方向の回転が規制されているため、連結ボルト132の取外しを容易に行うことができる。
【0070】
そして、
図13に示すように、閉塞駒19の基端部材47の後端面47bに当接可能な円筒状の当接部材91と、流体管1の受口部3に接続されるフランジ部101と、を有する二つ割りの仮押輪92を流体管1の受口部3に取付ける。詳しくは、当接部材91の前端の当接部91aを、閉塞駒19の基端部材47の後端面47bに当接させた状態で、フランジ部101と受口部3のフランジ部9同士をボルト・ナット151で接続する。これにより、仮押輪92が受口部3に着脱可能に固定され、閉塞駒19が下流側から仮押輪92によって支持される。
【0071】
尚、仮押輪92と受口部3の固定は、着脱可能に固定できるものであればフランジ同士によるものに限らず、例えば、受口部3のフランジの上流側の面に引っ掛けられる掛止部を設けて、掛止部と受口部3のフランジを固定するようにしてもよい。また、例えば、仮押輪に、流体管に外嵌される外嵌部と離脱防止押輪13のような爪部とを備えさせて、仮押輪を流体管に外嵌させるとともに爪部を流体管の外周面に食い込ませることで、仮押輪を流体管に固定するようにしてもよく、これにより、流体管がフランジを有さない場合であっても、流体管に仮押輪を固定して閉塞駒を下流側から支持できる。
【0072】
閉塞駒19を仮押輪92によって支持した後、
図9に示す状態から、挿入装置20のフランジ板76及び移動プレート61から送りネジ部材62を外すとともに、支柱63から移動プレート61を取外して、分岐管5及び分岐管5に固定された挿入装置20の一部を後方に移動させて撤去する。仮押輪92によって閉塞駒19が支持されているので、閉塞駒19が流体管1の接続部22から抜け出てしまうことが防止された状態で、分岐管5の撤去作業を安全に行うことができる。
【0073】
分岐管5及び挿入装置20の一部を撤去した後、
図14(a)に示すように、環状の押付押輪95を、挿入装置本体58の後端から外軸部材54を通すように配置する。そして、外軸部材54の後端部及び支柱63の後端部に移動プレート61を固定して、挿入装置本体58を、支柱63を介して流体管1に支持させた後、流体管1の受口部3から仮押輪92を取外す(
図14(b)参照)。
【0074】
押付押輪95は、
図15に示すように、閉塞駒19の基端部材47の後端面47bに当接可能な円筒状の当接部材102と、流体管1の受口部3のフランジ部9に接続されるフランジ部94と、から筒状に構成されている。また、当接部材102の外周面には、弾性体からなる環状の継手用ゴム輪161が外嵌されており、押付押輪95の後面には、周方向に並ぶ複数のボルト固定孔96が設けられている。
【0075】
次いで、
図15に示すように、押付押輪95を、流体管1の受口部3に挿入して取付ける。詳しくは、当接部材102の前端の当接部102aを、閉塞駒19の基端部材47の後端面47bに当接させた状態で、受口部3のフランジ部9と押付押輪95のフランジ部94をボルト・ナット160で接続する。これにより、押付押輪95が受口部3に固定され、閉塞駒19が下流側から押付押輪95によって支持される。
【0076】
その後、閉塞駒19の圧着ボルト50のナット115から連結ソケット150を抜き取り、挿入装置本体58を取外すとともに、流体管1の接続部22から支持具64を取外して、挿入装置20(
図14(b)参照)を撤去する。
【0077】
そして、押付押輪95の中央の貫通孔の後側から、流体管1の受口部3を閉塞する閉塞蓋97を取付けて、ボルト固定孔96に取付けたボルト98により閉塞蓋97を押付押輪95に固定する。更に、閉塞蓋97の中心部に設けられた取付孔97aにボルト99を取付け、圧着ボルト50の後端のネジ孔116に螺入されているボルト117(
図7(b)参照)を取外して、ボルト99をネジ孔116に取付け、閉塞蓋97と圧着ボルト50とを連結固定する。閉塞蓋97と圧着ボルト50とを連結固定することで、閉塞駒19が縮径することが防止されて密封性の低下が回避されるので、長期間にわたって流体管1の受口部3を閉塞状態に維持することが可能になる。
【0078】
また、押付押輪95には継手用ゴム輪161が外嵌されていることで、受口部3の内周面と押付押輪95の外周面との間からの漏水が防止されるとともに、閉塞蓋97にはパッキン162が外嵌されていることで、押付押輪95の内周面と閉塞蓋97の外周面との間からの漏水が防止されるため、受口部3が密封状態で閉塞される。以上により、一連の分岐管部2の撤去作業が完了する。
【0079】
[作用・効果]
以上説明したように、本発明の実施例としての流体管閉塞装置43は、流体管1の分岐流路に挿入した閉塞部材としての閉塞駒19を、該閉塞駒19を仮固定手段としての仮押輪92により一時的に固定するためのものであって、閉塞駒19を挿入する挿入軸としての外軸部材54を含む挿入装置本体58と、挿入装置本体58と閉塞駒19の基端部材47の後端面47bとを連結するための連結部としての連結体130とを備え、連結体130は、挿入装置本体58を軸方向に移動不能に流体管1に固定した状態で、閉塞駒19の後端面47bから分離可能となるように、挿入装置本体58とは別体に構成されている。
【0080】
これによれば、流体管1の分岐流路に閉塞駒19を挿入した後、連結体130を閉塞駒19の後端面47bから分離させることで、閉塞駒19の後端面47bが露呈して仮押輪92の当接部91aを当接させるスペースが確保されるため、閉塞駒19の後端面47bの径方向の長さ寸法L3(
図5(a)参照)が小さい場合でも、仮押輪92により閉塞駒19を流体管1に一時的に固定することができる。
【0081】
より詳しくは、挿入装置本体58の外軸部材54や連結ソケット150の外径寸法L7は、閉塞駒19の外径寸法L1よりも短寸であるため、外軸部材54や連結ソケット150の周囲には、径方向の長さ寸法L3を有する環状の後端面47bが拡がる。しかし、受口部3の内径寸法が小径となる場合、それに応じて閉塞駒19の外径寸法L1も小径になることで、挿入装置本体58の外径寸法L7の周囲に拡がる閉塞駒19の後端面47bの径方向の長さ寸法L3も短寸となる。また、連結体130の外径寸法L5が閉塞駒19の外径寸法L1とほぼ同寸になると、閉塞駒19の後端面47bは連結体130の前端面130fにより被覆されてしまい、仮押輪92の当接部91aを当接させるスペースがなくなってしまう。
【0082】
しかし、連結体130を軸方向にスライド移動させて閉塞駒19から分離させることで後端面47bが露呈可能されるため、仮押輪92の当接部91aを当接させるスペースを確保することができる。また、連結体130により閉塞駒19と挿入装置本体58とを連結している状態では、挿入装置本体58の周囲に拡がる後端面47bのほぼ全域が連結体130の前端面130fにより支持されるため、挿入装置20による閉塞駒19の挿入を安定して行うことができる。
【0083】
また、連結体130は、挿入装置本体58の外軸部材54の周面に装着可能な筒状部材であることで、連結体130を外軸部材54の外周に装着し、前端面130fを閉塞駒19の後端面47bに当接させることができるので、連結体130と挿入装置本体58とを安定して連結することができる。
【0084】
連結体130は、周方向に分割可能であることで、連結体130を挿入装置本体58から簡単に取外すことができるため、仮押輪92により閉塞駒19を固定する際に邪魔になることがない。
【0085】
また、連結体130は、閉塞駒19に対して着脱可能であることで、連結体130を閉塞駒19から簡単に取外すことができるため、作業性が向上する。さらに、連結体130は、閉塞駒19に対して軸方向に連結可能であることで、閉塞駒19の後端面47bが連結体130の前端面130fにより覆われていても、連結体130のボルト挿通孔136を介して連結ボルト145をネジ孔56に取付けることができるため、ネジ孔56を後端面47bに形成することができる。
【0086】
また、連結体130は、挿入装置本体58に対して径方向に連結可能であることで、連結体130を挿入装置本体58から簡単に取外すことができるため、作業性が向上する。より詳しくは、連結体130の外径側から連結ボルト146を取付けることができ、挿入装置本体58が邪魔になることがないので、作業性が向上する。
【0087】
また、挿入装置本体58は、連結体130が連結される外管部としての外軸部材54と、閉塞駒19に接続されるとともに、外軸部材54内に軸回りに回転可能に設けられ、閉塞駒19を閉塞状態と非閉塞状態とに操作可能な中軸部としての中軸部材65と、を有し、連結体130は、外軸部材54に対し着脱可能であることで、外軸部材54に着脱される連結体130に干渉されることなく、中軸部材65を回転させ閉塞部材を操作することができる。
【0088】
また、連結体130と挿入装置本体58との軸を中心とする周方向の相対回転を規制可能に係止される挿入軸回転規制手段(例えば、連結体130の平坦面131aと外軸部材54の平坦面54a)を有する。これによれば、中軸部材65の回転操作に応じて連結体130と挿入装置本体58とが周方向に相対回転(供回り)することを規制することができる。
【0089】
また、連結体130と外軸部材54との相対移動を規制する規制手段(例えば、連結体130の平坦面131aと外軸部材54の平坦面54a、連結ボルト146の先端の凸部146aと外軸部材54の凹部147)を有することで、中軸部の回転操作に応じて連結体130が外軸部材54に対し相対回転することを規制することができる。
【0090】
また、連結体130と閉塞駒19との軸を中心とする周方向の相対回転を規制可能に係止される閉塞部材回転規制手段(例えば、連結体130の嵌合凸部140と閉塞駒19の嵌合凹部119)を有する。これによれば、中軸部材65の回転操作に応じて連結体130と閉塞駒19とが周方向に相対回転(供回り)することを規制できる。
【0091】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0092】
[変形例]
以下、本発明の変形例について、
図16及び
図17に基づいて説明する。尚、以下の変形例において、前記実施例と同様の部位および構成については、実施例と同様の符号を付すことで、詳細な説明は省略することとする。
【0093】
例えば、前記実施例では、仮押輪92を受口部3に取付ける工程において、連結体130を閉塞駒19から分離して軸方向に移動した後、上下に分割して挿入装置本体58から取外す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
図16に示すように、連結体130を後方に移動させた後、挿入装置本体58に装着したまま、仮押輪92を受口部3に取付けてもよい。この場合、外軸部材54の外周面に形成された平坦面54aを後方まで十分に延設し、仮押輪92の取付け作業の邪魔にならない位置まで連結体130を軸方向に移動できるようにすることが好ましい。
【0094】
また、前記実施例では、閉塞駒19と連結体130とは、連結ボルト145により連結されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、連結体130と閉塞駒19とを係止可能な係止手段を備え、係止手段の係脱により連結体130と閉塞駒19とを連結または分離できるようにしてもよい。
【0095】
具体的には、
図17(a),(e)に示されるように、変形例としての閉塞駒19Aの基端部材47の後端面47bにおける挿通孔53の周囲には、背面視円環状の凹溝部170が形成されるとともに、凹溝部170の上下部から外径方向に向けて切欠部171a,171bが形成されている。また、凹溝部170の側周面には、切欠部171a,171bから背面視反時計回り方向の約90度の範囲に、係止溝172a,172bがそれぞれ形成されている。
【0096】
一方、
図17(b),(e)に示されるように、変形例としての連結体130Aの前端面130fにおける貫通孔131の周囲には、円筒状の挿入部175が突設されているとともに、挿入部175の前端上下部には、係止部176a,176bが外径方向に向けて突設されている。
【0097】
閉塞駒19Aと連結体130Aとを連結する場合、
図17(c)に示されるように、閉塞駒19Aの基端部材47の後端面47bと連結体130Aの前端面130fとを対向させるとともに、連結体130Aの係止部176a,176bを閉塞駒19Aの切欠部171a,171bに対向させた状態で挿入部175を凹溝部170内に挿入する。
【0098】
次いで、
図17(d)に示されるように、連結体130Aを背面視反時計回り周方向に約90度回転させる。これにより、係止部176a,176bが係止溝172a,172b内に挿入され、係止部176a,176bと係止溝172a,172bとが係止状態となり、閉塞駒19Aと連結体130Aとが連結される。また、連結体130Aを背面視時計回り周方向に約90度回転させることで、係止部176a,176bと係止溝172a,172bとの係止状態が解除され、閉塞駒19Aと連結体130Aとが分離可能となる。このように、係止部176a,176bと係止溝172a,172bとからなる係止手段を用いることで、ネジ部材等を用いずに連結体130と閉塞駒19とを容易に連結したり分離したりすることができる。
【0099】
また、前記実施例では、流体管1から分岐管部2を不断流状態で撤去する際に、本発明の流体管閉塞装置43を用いる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、既設流体管の分岐流路に挿入した閉塞部材を仮固定手段により一時的に固定することができる装置であれば、流体管1から分岐管部2を不断流状態で撤去する機能を有していない装置であってもよい。
【0100】
また、前記実施例では、分岐流路を閉塞可能な閉塞部材の一例として、非閉塞状態と閉塞状態とに変化可能な閉塞駒19を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、閉塞駒19は分岐流路を閉塞可能であれば、必ずしも非閉塞状態と閉塞状態とに変化可能に構成されていなくてもよい。
【0101】
また、前記実施例では、仮固定手段の一例として、閉塞駒19の基端部材47の後端面47bに当接可能な当接部91aを有する仮押輪92を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、閉塞駒19の基端部材47の後端面47bに当接するとともに、受口部3の開口を閉塞するようにフランジ部9に取付けられる閉塞板(図示略)等であってもよく、形態は種々に変更可能である。
【0102】
また、前記実施例では、閉塞部材としての閉塞駒19を挿入する挿入軸として、外軸部材54及び中軸部材65からなる挿入装置本体58を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、閉塞駒19を非閉塞状態と閉塞状態とに変化させる操作が可能に構成されていなくてもよく、例えば、1本の棒状の軸部材のみで構成されていてもよいし、3重以上の管体にて構成されていてもよい。
【0103】
また、前記実施例では、挿入軸と閉塞部材の端面とを連結するための連結部は、挿入装置本体58とは別体の連結体130にて構成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結部は、挿入装置本体58の外軸部材54などに軸方向にスライド移動可能に設けられたフランジ部等であってもよい。また、連結体130は円筒状部材にて構成されていたが、形状は任意であり、種々に変更可能である。
【0104】
また、前記実施例では、閉塞駒19と連結体130とを分離させる際に、連結体130を軸方向にスライド移動させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結体130を軸方向にスライド移動させることなく、上下または左右に分割させることで連結状態を解除してもよい。
【0105】
また、前記実施例では、既設流体管1の分岐管部2は、受口部3で分岐管5が接続されており、分岐管5の末端部が閉塞栓で密封状に閉塞されているものとして説明したが、例えば、分岐管の下流側に仕切弁やその他の部材が接続されていても構わない。
【0106】
また、前記実施例では、分割構造を有するケース体17を分岐管5の外周面に密封状に取付けて、該ケース体内の分岐管5を不断流状態で穿孔して形成された穿孔Q(孔部)に、弁体18を挿入することで設置したプラグ弁16を利用して、分岐管5を切断し撤去したが、例えば、分岐管部に予め取付けられていたバルブを利用して、分岐管5を切断し撤去してもよい。
【0107】
また、前記実施例では、バルブとしてプラグ弁16を用いているが、閉塞駒19が通過可能であれば、プラグ弁16に限らず、例えば、薄い板状の弁体を有するナイフゲート弁や、球体状の弁体を有するボール弁であってもよく、弁体により開放される流路断面積が、流体管や分岐管の断面積よりも小さい弁であってもよい。