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特開2024-150219スピーカシステム、スピーカ、カメラおよびスピーカ配置支援方法
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  • 特開-スピーカシステム、スピーカ、カメラおよびスピーカ配置支援方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150219
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】スピーカシステム、スピーカ、カメラおよびスピーカ配置支援方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 5/02 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
H04R5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063530
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】石塚 健治
(72)【発明者】
【氏名】田宮 健一
【テーマコード(参考)】
5D011
【Fターム(参考)】
5D011AA02
(57)【要約】
【課題】コストの増加を防止しつつスピーカの位置を特定することが可能なスピーカシステム、スピーカ、カメラおよびスピーカ配置支援方法を提供する。
【解決手段】スピーカシステム100は、マーカ10、スピーカ20、カメラ30および算出部2を含む。カメラ30は、スピーカ20に対して特定の位置関係で配置される。カメラ30は、スピーカ20の放音方向に対応する撮影方向の対象物を撮影する。算出部2は、カメラ30により撮影された画像に含まれるマーカ10の画像に基づいて、マーカ10に対するスピーカ20の相対位置を算出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーカと、
スピーカと、
前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、前記スピーカの放音方向に対応する撮影方向の対象物を撮影するカメラと、
前記カメラにより撮影された画像に含まれる前記マーカの画像に基づいて、前記マーカに対する前記スピーカの相対位置を算出する算出部とを備える、スピーカシステム。
【請求項2】
前記マーカに基づいて座標系が定義され、
前記算出部は、前記スピーカの相対位置として、前記座標系における前記スピーカの座標を算出する、請求項1記載のスピーカシステム。
【請求項3】
補助マーカをさらに備え、
前記座標系は、前記マーカおよび前記補助マーカに基づいて定義される、請求項2記載のスピーカシステム。
【請求項4】
多面体形状を有するマーカ取付部をさらに備え、
前記マーカは、前記マーカ取付部の各面に取り付けられるように複数設けられ、
前記算出部は、前記カメラにより撮影された画像に含まれるいずれかのマーカの画像に基づいて前記スピーカの相対位置を算出する、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項5】
前記スピーカは複数設けられ、
前記カメラは、複数の前記スピーカにそれぞれ対応するように複数設けられ、
前記算出部は、各カメラにより撮影された画像に含まれる前記マーカの画像に基づいて、当該カメラに対応するスピーカの相対位置を算出する、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項6】
前記スピーカは複数設けられ、
前記算出部により算出された複数の前記スピーカの相対位置と、音声と前記音声の出力位置とを示す音声情報とに基づいて、複数の前記スピーカのうち前記音声情報が示す音声を出力するスピーカを設定する設定部をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項7】
前記設定部は、複数の前記スピーカのうち位置が確定されたスピーカを設定対象のスピーカとし、前記設定対象のスピーカのうち前記音声情報が示す音声を出力するスピーカを設定する、請求項6記載のスピーカシステム。
【請求項8】
前記算出部により算出された前記スピーカの相対位置を表示部に表示させる表示制御部をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項9】
前記算出部により算出された複数の前記スピーカの相対位置と、前記スピーカの適正位置を示すスピーカ情報とに基づいて、前記スピーカを前記適正位置に配置するための指示内容を表示部に表示させる表示制御部をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項10】
前記マーカは、リスニングポイントに配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項11】
前記スピーカはカメラ取付部を有し、
前記カメラは、前記スピーカの前記カメラ取付部に取り付けられることにより、前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、撮影方向が前記スピーカの放音方向に対応する、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項12】
前記カメラの画角は、50度以上70度以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステム。
【請求項13】
請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステムに設けられるスピーカであって、
前記カメラが前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、
放音方向が前記カメラの撮影方向に対応する、スピーカ。
【請求項14】
請求項1~3のいずれか一項に記載のスピーカシステムに設けられるカメラであって、
前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、撮影方向が前記スピーカの放音方向に対応する、カメラ。
【請求項15】
スピーカに対して特定の位置関係で配置されたカメラにより、前記スピーカの放音方向に対応する撮影方向の対象物を撮影することと、
前記カメラにより撮影された画像に含まれる所定のマーカの画像に基づいて、前記マーカに対する前記スピーカの相対位置をコンピュータにより算出することとを含む、スピーカ配置支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカの位置を特定するスピーカシステム、スピーカ、カメラおよびスピーカ配置支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ機器の設置者は、視聴者に音声を適切に届けるために、スピーカを適切な位置に配置する必要がある。そこで、配置されたスピーカの位置を特定するためのシステムが開発されている。例えば、特許文献1に記載されたスピーカ位置特定システムにおいては、スピーカユニットとともに、スピーカユニットを撮影するカメラが配置される。撮影されたスピーカユニットの画像に基づいて、スピーカユニットの位置が特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-157401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のスピーカ位置特定システムにおいては、スピーカユニットを確実に撮影するために、大きい画角を有するカメラを使用する必要がある。また、撮影画像に含まれるスピーカユニットを特定するために、高い解像度を有するカメラを使用する必要がある。この場合、カメラに要求される性能が高くなることに伴い、スピーカ位置特定システムのコストが増加する。
【0005】
本発明の目的は、コストの増加を防止しつつスピーカの位置を特定することが可能なスピーカシステム、スピーカ、カメラおよびスピーカ配置支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に従うスピーカシステムは、マーカと、スピーカと、前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、前記スピーカの放音方向に対応する撮影方向の対象物を撮影するカメラと、前記カメラにより撮影された画像に含まれる前記マーカの画像に基づいて、前記マーカに対する前記スピーカの相対位置を算出する算出部とを備える。
【0007】
本発明の他の局面に従うスピーカは、上記のスピーカシステムに設けられるスピーカであって、前記カメラが前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、放音方向が前記カメラの撮影方向に対応する。
【0008】
本発明のさらに他の局面に従うカメラは、上記のスピーカシステムに設けられるカメラであって、前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、撮影方向が前記スピーカの放音方向に対応する。
【0009】
本発明のさらに他の局面に従うスピーカ配置支援方法は、スピーカに対して特定の位置関係で配置されたカメラにより、前記スピーカの放音方向に対応する撮影方向の対象物を撮影することと、前記カメラにより撮影された画像に含まれる所定のマーカの画像に基づいて、前記マーカに対する前記スピーカの相対位置をコンピュータにより算出することとを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コストの増加を防止しつつスピーカの位置および放音方向を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態に係るスピーカシステムの構成を示す模式図である。
図2】マーカの一例を示す図である。
図3】制御部の機能部の構成を示すブロック図である。
図4図3の制御部によるスピーカ配置支援処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第1の変形例に係るスピーカシステムの構成を示す模式図である。
図6】マーカ取付部の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)スピーカシステムの構成
以下、本発明の一実施の形態に係るスピーカシステム、スピーカ、カメラおよびスピーカ配置支援方法について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るスピーカシステムの構成を示す模式図である。図1に示すように、スピーカシステム100は、マーカ10、1つ以上のスピーカ20、1つ以上のカメラ30および処理装置40を備える。
【0013】
スピーカシステム100には、X軸、Y軸およびZ軸を含む固有のグローバル座標系が定義される。グローバル座標系において、X軸とY軸とは水平面内で互いに直交し、Z軸は水平面に直交する。図1には、X軸、Y軸およびZ軸にそれぞれ平行なX方向、Y方向およびZ方向が矢印で示される。グローバル座標系の原点Oは、使用者がスピーカシステム100による音を聴くために座る位置(リスニングポイント)にある。
【0014】
図2は、マーカ10の一例を示す図である。図2に示すように、マーカ10は、プレート部材11を含む。プレート部材11の一面には、所定の幾何学的な模様12が付されている。本例では、マーカ10はARマーカであるが、実施の形態はこれに限定されない。マーカ10は、回転非対称な模様12等、方向を一意的に特定可能な模様12が付された部材である限り、マーカ10はARマーカでなくてもよく、二次元コード等であってもよい。
【0015】
マーカ10には、x軸、y軸およびz軸を含む固有のローカル座標系が定義される。ローカル座標系において、x軸はプレート部材11の一面に直交し、y軸とz軸とはプレート部材11の一面内で互いに直交する。図2には、x軸、y軸およびz軸にそれぞれ平行なx方向、y方向およびz方向が矢印で示される。また、ローカル座標系におけるx軸周りの方向、y軸周りの方向およびz軸周りの方向をそれぞれθ方向、θ方向およびθ方向と呼ぶ。ローカル座標系の原点oは、例えば模様12の中心にある。
【0016】
マーカ10は、スピーカシステム100のリスニングポイント、すなわちグローバル座標系の原点Oに配置される。マーカ10は、ローカル座標系の原点oがグローバル座標系の原点Oに重なり、ローカル座標系のx軸、y軸およびz軸がグローバル座標系のX軸、Y軸およびZ軸にそれぞれ平行になるように配置されることが好ましい。これにより、ローカル座標系とグローバル座標系とを一致させることができる。
【0017】
図1に示すように、本例では、2つのスピーカ20および2つのカメラ30がスピーカシステム100に設けられる。2つのスピーカ20と2つのカメラ30とは、それぞれ互いに対応する。各スピーカ20は、放音方向がリスニングポイントを向くように配置される。これにより、各スピーカ20により出力される音声がリスニングポイントに適切に届けられる。図1には、放音方向の範囲が点線により示される。図1の例では、スピーカ20は放音方向がマーカに正対するように配置されるが、実施の形態はこれに限定されない。
【0018】
各カメラ30は、対応するスピーカ20に対して特定の位置関係を有し、撮影方向が放音方向に対応するように配置される。具体的には、各スピーカ20および各カメラ30は、自己の位置を代表する基準点を有する。カメラ30は、自己の基準点が対応するスピーカ20の基準点に対して特定の位置関係を有するように配置される。
【0019】
本例では、各スピーカ20は、カメラ30を取り付けるためのカメラ取付部21を有する。カメラ取付部21は、例えばスピーカ20の上部に形成された非円形状の外縁を有する凹部である。カメラ30は、カメラ取付部21に対応する非円形状の外周面を有する。カメラ30は、カメラ取付部21に嵌め込まれることにより、スピーカ20に対して特定の位置関係で配置され、撮影方向がスピーカ20の放音方向に対応する。
【0020】
各カメラ30は、撮影方向の対象物を撮影する。図1には、スピーカ20の放音方向の範囲である点線の外側に撮影方向の範囲が一点鎖線により示される。ここで、適切に音声を出力可能なスピーカ20の放音方向の範囲は比較的狭い。そのため、カメラ30の撮影方向の範囲(画角)は、スピーカ20の放音方向の範囲が含まれればよく、それほど大きくなくてもよい。すなわち、カメラ30の撮影範囲はスピーカ20の放音方向の範囲よりも広い。具体的には、カメラ30の画角は50度以上70度以下であってもよい。
【0021】
処理装置40は、例えばパーソナルコンピュータまたはスマートデバイス等の情報処理装置であり、記憶部41、制御部42、操作部43および表示部44を含む。記憶部41は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)またはハードディスク等を含み、各スピーカ20の適切な配置を支援するためのスピーカ配置支援プログラムを記憶する。また、記憶部41は、音声を示す音声情報または各スピーカ20の適正位置を示すスピーカ情報等の種々の情報を記憶する。
【0022】
制御部42は、例えばCPU(中央演算処理装置)を含む。記憶部41と制御部42とは、マイクロコンピュータにより実現されてもよい。制御部42は、スピーカ配置支援プログラムを実行することにより、スピーカ配置支援処理を行う。スピーカ配置支援処理においては、各カメラ30と処理装置40との間で通信が確立し、各カメラ30により撮影されたマーカ10の画像を示す画像データが各カメラ30から処理装置40に転送される。処理装置40において、画像データが示す画像に基づいて、対応するスピーカ20の位置が特定される。制御部42の詳細については後述する。
【0023】
操作部43は、キーボードまたはマウス等のポインティングデバイスを含む。使用者は、操作部43を操作することにより、処理装置40に種々の指定または指示を行うことができる。表示部44は、例えば液晶ディスプレイを含み、スピーカ配置支援処理の結果等を表示する。
【0024】
(2)制御部
図3は、制御部42の機能部の構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部42は、機能部として、登録部1、算出部2、判定部3、表示制御部4、取得部5および設定部6を含む。制御部42が記憶部41に記憶されたスピーカ配置支援プログラムを実行することにより、図3の機能部が実現される。制御部42の機能部の少なくとも一部は、電子回路等のハードウエアにより実現されてもよい。
【0025】
登録部1には、マーカ10の特徴が予め登録される。マーカ10の特徴は、マーカ10の模様12の寸法および形状等を含む。マーカ10の特徴は、マーカ10の画像に基づいて登録部1に登録されてもよい。例えば、スピーカシステム100の設置時の初期手順として、1以上の所定の距離および1以上の所定の方向からマーカ10がいずれかのカメラ30により撮像されることにより、マーカ10の特徴が登録部1に登録されてもよい。
【0026】
算出部2は、スピーカ配置支援処理において、カメラ30により撮影された画像にマーカ10の画像が含まれている場合、当該マーカ10の画像(例えば画像中のマーカ10の大きさまたは形状等)に基づいて、マーカ10に対するスピーカ20の相対位置を算出する。本例では、スピーカ20の相対位置は、マーカ10に対するスピーカ20の放音方向を含む。したがって、算出されるスピーカ20の相対位置は、例えばローカル座標におけるx方向、y方向およびz方向の位置と、θ方向、θ方向およびθ方向の角度とを含む。
【0027】
具体的には、登録部1に登録されたマーカ10の特徴と、各カメラ30により撮影された画像におけるマーカ10の模様12の寸法および歪み等とに基づいて、マーカ10の模様12の中心であるローカル座標系の原点oに対する当該カメラ30の基準点のx方向、y方向およびz方向の位置が算出される。また、各カメラ30の撮影方向として、ローカル座標系における各カメラ30の光軸のθ方向、θ方向およびθ方向の角度が算出される。
【0028】
各カメラ30と、対応するスピーカ20との位置関係は既知であるため、当該位置関係と、算出された各カメラ30の基準点とに基づいて、ローカル座標系の原点oに対する各スピーカ20の基準点のx方向、y方向およびz方向の位置が算出される。また、各カメラ30の撮影方向に基づいて、対応するスピーカ20の放音方向が算出される。各カメラ30の撮影方向と、対応するスピーカ20の放音方向とが完全に一致している場合には、各カメラ30の撮影方向が対応するスピーカ20の放音方向となる。
【0029】
上記のように、記憶部41には、各スピーカ20の適正位置を示すスピーカ情報が記憶されている。判定部3は、算出部2により算出された各スピーカ20の位置と、記憶部41に記憶された当該スピーカ20の適正位置とのずれ量を算出することにより、各スピーカ20が適正位置にあるか否かを判定する。なお、本例では、ローカル座標系とグローバル座標系とが一致するようにマーカ10が配置されるので、スピーカ情報においては、グローバル座標系での各スピーカ20の適正位置が示される。
【0030】
表示制御部4は、算出部2により算出されたスピーカ20の相対位置を表示部44に表示させる。使用者は、表示部44を視認することにより、各スピーカ20の位置および放音方向を容易に認識することができる。また、表示制御部4は、判定部3による判定結果に基づいて、各スピーカ20を適正位置に配置するための指示内容を表示部44に表示させる。使用者は、表示部44を視認することにより、指示内容を容易に認識することができる。また、使用者は、指示内容に従って各スピーカ20に移動または回転等の操作を行うことにより、各スピーカ20を適正位置または適正方向に容易に配置させることができる。
【0031】
また、上記のように、記憶部41には、音声を示す種々の音声情報が記憶されている。音声情報は、音声の出力位置(音声が出力されるべき位置)をさらに示す。音声の出力位置は、グローバル座標系での位置であってもよい。取得部5は、使用者により指定された音声情報を記憶部41から取得する。使用者は、操作部43を操作することにより、記憶部41に記憶された音声情報のうち、所望の音声情報を取得部5に指定することができる。
【0032】
設定部6は、算出部2により算出された複数のスピーカ20の相対位置と、取得部5により取得された音声情報とに基づいて、複数のスピーカ20のうち、当該音声情報が示す音声を出力するスピーカ20を設定する。したがって、使用者により指定された音声を出力するように、いずれかのスピーカ20のチャンネル設定が自動的に行われる。
【0033】
(3)スピーカ配置支援処理
図4は、図3の制御部42によるスピーカ配置支援処理の一例を示すフローチャートである。図4のスピーカ配置支援処理のステップS1~S6においては、1つのカメラ30に対応するスピーカ20の位置を特定する例について説明するが、他のカメラ30に対応するスピーカ20についても同様の位置の特定が並行して行われる。
【0034】
まず、算出部2は、カメラ30により撮影された画像を取得する(ステップS1)。次に、算出部2は、ステップS1で取得された画像にマーカ10の画像が含まれているか否かを判定する(ステップS2)。マーカ10の画像が含まれていない場合、処理はステップS6に進む。マーカ10の画像が含まれている場合、算出部2は、当該マーカ10の画像と、登録部1に予め登録されたマーカ10の特徴とに基づいて、カメラ30の相対位置(撮影方向を含む。)を算出する(ステップS3)。
【0035】
次に、算出部2は、ステップS3で算出されたカメラ30の位置に基づいて、スピーカ20の相対位置(放音方向を含む。)を算出する(ステップS4)。続いて、判定部3は、ステップS4で算出されたスピーカ20の相対位置と、記憶部41に記憶されたスピーカ20の適正位置とに基づいて、スピーカ20が適正位置にあるか否かを判定する(ステップS5)。
【0036】
その後、表示制御部4は、ステップS4で算出されたスピーカ20の相対位置と、ステップS5における判定結果に基づく指示内容とを表示部44に表示させる(ステップS6)。指示内容は、例えば「スピーカAを右方向に50cm移動させて下さい。」というメッセージであってもよい。ここで、ステップS2でマーカ10の画像が含まれていない場合、スピーカ20の相対位置は算出されない。この場合、表示制御部4は、ステップS6において、スピーカ20の相対位置が算出不能であるメッセージまたは「-」等の指標を表示部44に表示させる。
【0037】
次に、算出部2は、スピーカ20の位置を確定するか否かを判定する(ステップS7)。使用者は、操作部43を操作することにより、スピーカシステム100に含まれる各スピーカ20の位置を確定することを算出部2に指示することができる。スピーカ20の位置を確定することが指示されない場合、算出部2は、スピーカ20の位置を確定しないと判定する。この場合、処理はステップS1に戻り、ステップS1~S7が再度繰り返される。
【0038】
使用者は、表示部44に表示されたスピーカ20の相対位置、およびスピーカ20を適正位置に配置するための指示内容を視認し、スピーカ20を適宜移動させつつ、制御部42にステップS1~S7を繰り返させることができる。この場合、スピーカ20の位置が適正位置に次第に近づく。これにより、スピーカ20を適正位置に配置することが容易になる。
【0039】
ステップS7で各スピーカ20の位置が確定した場合、取得部5は、使用者により音声情報が指定されたか否かを判定する(ステップS8)。音声情報が指定されない場合、処理はステップS11に進む。音声情報が指定された場合、取得部5は、指定された音声情報を記憶部41から取得する(ステップS9)。
【0040】
次に、設定部6は、複数のスピーカ20についてステップS4で算出された相対位置と、ステップS9で取得された音声情報とに基づいて、スピーカ20のチャンネル設定を行う(ステップS10)。この場合、複数のスピーカ20のうち、ステップS9で取得された音声情報が示す音声を出力するスピーカ20が設定される。または、音声情報のうちどのチャンネルをどの位置のスピーカ20により出力するかが設定される。チャンネルの設定対象のスピーカ20は、ステップS7で位置が確定したスピーカ20である。
【0041】
続いて、設定部6は、チャンネル設定を継続するか否かを判定する(ステップS11)。使用者は、操作部43を操作することにより、チャンネル設定を継続するか否かを設定部6に指示することができる。チャンネル設定が継続される場合、処理はステップS8に戻り、ステップS8~S11が繰り返される。これにより、他の音声情報についても、スピーカ20のチャンネル設定を行うことができる。チャンネル設定が継続されない場合、設定部6は、スピーカ配置支援処理を終了する。
【0042】
(4)実施の形態の効果
以上説明したように、本実施の形態に係るスピーカシステム100は、マーカ10と、スピーカ20と、スピーカ20に対して特定の位置関係で配置され、スピーカ20の放音方向に対応する撮影方向の対象物を撮影するカメラ30と、カメラ30により撮影された画像に含まれるマーカ10の画像に基づいて、マーカ10に対するスピーカ20の相対位置を算出する算出部2とを備える。
【0043】
この構成によれば、カメラ30はスピーカ20の放音方向を含む所定の角度範囲のみを撮影すればよいため、カメラ30の画角を過度に大きくする必要がない。また、カメラ30の画角は比較的小さくてもよいため、高価な光学系を設けることなく、高い解像度で鮮明にマーカ10を撮影することが可能である。したがって、カメラ30に要するコストが低減される。これにより、コストの増加を防止しつつスピーカ20の位置および放音方向を特定することができる。
【0044】
マーカ10に基づいてローカル座標系が定義され、算出部2は、スピーカ20の相対位置として、ローカル座標系におけるスピーカ20の座標を算出してもよい。この場合、マーカ10の画像に基づいてスピーカ20の相対位置を容易に算出することができる。
【0045】
スピーカ20は複数設けられ、カメラ30は、複数のスピーカ20にそれぞれ対応するように複数設けられ、算出部2は、各カメラ30により撮影された画像に含まれるマーカ10の画像に基づいて、当該カメラ30に対応するスピーカ20の相対位置を算出してもよい。この構成によれば、スピーカ20が複数設けられる場合でも、各スピーカ20の位置および放音方向を特定することができる。
【0046】
スピーカシステム100は、算出部2により算出された複数のスピーカ20の相対位置と、音声と音声の出力位置とを示す音声情報とに基づいて、複数のスピーカ20のうち音声情報が示す音声を出力するスピーカ20を設定する設定部6をさらに備えてもよい。この場合、スピーカ20のチャンネル設定を行う必要がないので、スピーカシステム100のユーザビリティが向上する。
【0047】
スピーカシステム100は、算出部2により算出されたスピーカ20の相対位置を表示部44に表示させる表示制御部4をさらに備えてもよい。この場合、使用者は、表示部44を視認することにより、特定されたスピーカ20の位置および放音方向を容易に認識することができる。
【0048】
スピーカシステム100は、算出部2により算出された複数のスピーカ20の相対位置と、スピーカ20の適正位置を示すスピーカ20情報とに基づいて、スピーカ20を適正位置に配置するための指示内容を表示部44に表示させる表示制御部4をさらに備えてもよい。この場合、使用者は、表示部44を視認することにより、スピーカ20を適正位置に配置するための指示内容を容易に認識することができる。また、使用者は、指示内容に従ってスピーカ20を操作することにより、スピーカ20を適正位置に容易に配置させることができる。
【0049】
マーカ10は、リスニングポイントに配置されてもよい。この構成によれば、カメラ30の画角が小さい場合でも、マーカ10をより確実に撮影することができる。また、スピーカ20の位置および放音方向をより適切に特定することができる。
【0050】
スピーカ20はカメラ取付部21を有し、カメラ30は、スピーカ20のカメラ取付部21に取り付けられることにより、スピーカ20に対して特定の位置関係で配置され、撮影方向がスピーカ20の放音方向に対応してもよい。この場合、カメラ30がスピーカ20のカメラ取付部21に取り付けられることにより、カメラ30の撮影方向がスピーカ20の放音方向に対応する状態で、スピーカ20に対するカメラ30の位置関係が一意的に定まる。そのため、カメラ30によりマーカ10を撮影することにより、スピーカ20の位置および放音方向を容易に特定することができる。
【0051】
カメラ30の画角は、50度以上70度以下であってもよい。この場合、カメラ30の画角がそれほど大きくないため、カメラ30に要するコストがより確実に低減される。これにより、コストの増加をより確実に防止しつつスピーカ20の位置および放音方向を特定することができる。
【0052】
(5)第1の変形例
図5は、第1の変形例に係るスピーカシステム100の構成を示す模式図である。図5に示すように、本例に係るスピーカシステム100は、補助マーカ50をさらに備える。補助マーカ50は、マーカ10の模様12とは異なる幾何学的な模様を有する点を除いて、マーカ10と同様の構成を有する。図3の登録部1には、補助マーカ50の特徴が予め登録されている。
【0053】
本例におけるローカル座標系は、マーカ10および補助マーカ50に基づいて定義される。例えば、マーカ10の中心と補助マーカ50の中心とを結ぶ軸がx軸となるようにローカル座標系が定義される。したがって、マーカ10および補助マーカ50は、それぞれの中心を結ぶ軸がグローバル座標系のX軸に平行になるように配置される。
【0054】
本例における各スピーカ20の相対位置を算出する手順は、スピーカ配置支援処理のステップS1~S4と同様である。算出部2は、マーカ10に対して算出された各スピーカ20の相対位置を、新たなローカル座標系における位置に変換する。
【0055】
図1の例では、ローカル座標系のx軸がグローバル座標系のX軸に平行になるようにマーカ10を正確に配置する必要があるため、ローカル座標系をグローバル座標系に整合させることが容易ではないことがある。この場合でも、本例の構成によれば、ローカル座標系はマーカ10および補助マーカ50に基づいて定義されるので、補助マーカ50を適切な位置に配置することにより、ローカル座標系をグローバル座標系に容易に整合させることができる。
【0056】
(6)第2の変形例
第2の変形例に係るスピーカシステム100は、多面体形状を有するマーカ取付部をさらに備える。図6は、マーカ取付部の構成を示す斜視図である。図6に示すように、本例では、マーカ取付部60は立方体形状を有する。また、マーカ取付部60の複数(本例では6つ)の面には、複数のマーカ10がそれぞれ取り付けられる。複数のマーカ10は、互いに異なる固有の模様を有する。図3の登録部1には、各マーカ10の特徴が予め登録されている。
【0057】
マーカ取付部60に取り付けられた複数のマーカ10のうち、予め定められた特定の1つのマーカ10を主マーカ10Aと呼ぶ。主マーカ10Aと、他のマーカ10との位置関係は既知である。本例では、ローカル座標系は、主マーカ10Aに定義される。図6には、ローカル座標系のx軸、y軸およびz軸にそれぞれ平行なx方向、y方向およびz方向が矢印で示される。ローカル座標系の原点oは、例えば主マーカ10Aの模様の中心にある。
【0058】
マーカ取付部60は、グローバル座標系の原点Oに配置される。マーカ取付部60は、ローカル座標系の原点oがグローバル座標系の原点Oに重なり、ローカル座標系のx軸、y軸およびz軸がグローバル座標系のX軸、Y軸およびZ軸にそれぞれ平行になるように配置されることが好ましい。また、マーカ取付部60は、透明な部材により支持される等、各面のマーカ10の撮影が妨げられないように固定されることが好ましい。
【0059】
各カメラ30により撮影方向の対象物が撮影される。そのため、カメラ30の撮影方向にマーカ取付部60がある場合には、マーカ取付部60のいずれかのマーカ10が撮影される。そこで、図3の算出部2は、各カメラ30により撮影された画像にいずれかのマーカ10の画像が含まれる場合には、当該マーカ10の画像に基づいて、当該カメラ30に対応するスピーカ20の相対位置を主マーカ10Aに対する相対位置として算出する。
【0060】
具体的には、撮影された画像に主マーカ10Aの画像が含まれる場合には、主マーカ10Aに対するスピーカ20の相対位置が算出される。撮影された画像に主マーカ10A以外のマーカ10の画像が含まれる場合には、当該マーカ10に対するスピーカ20の相対位置が算出される。また、主マーカ10Aと当該マーカ10との位置関係に基づいて、算出されたスピーカ20の相対位置が主マーカ10Aに対するスピーカ20の相対位置に変換される。
【0061】
この構成によれば、カメラ30がどの角度からでもいずれかのマーカ10を撮影することが可能である。これにより、スピーカ20の位置および放音方向をより確実に特定することができる。また、スピーカ20が三次元的に配置された場合でも、スピーカ20の位置および放音方向を特定することができる。
【0062】
(7)他の実施の形態
(a)上記実施の形態において、スピーカ20のカメラ取付部21はカメラ30を嵌め込むための凹部であるが、実施の形態はこれに限定されない。スピーカ20に対してカメラ30を特定の位置関係で取り付け可能である限り、カメラ取付部21は凹部でなくてもよい。例えば、カメラ取付部21は、磁力によりカメラ30を特定の位置に特定の姿勢で取り付けるためのマグネット部材であってもよい。
【0063】
また、スピーカ20に対してカメラ30が特定の位置関係で取り付けられる限り、スピーカ20にカメラ取付部21が設けられなくてもよい。例えば、処理装置40がカメラ30の寸法および構造等を認識可能に構成され、スピーカ20に対してカメラ30が特定の位置関係になるように、認識されたカメラ30の取り付け位置を表示部44等に提示してもよい。
【0064】
(b)上記実施の形態において、スピーカシステム100は判定部3、表示制御部4、取得部5および設定部6を含むが、実施の形態はこれに限定されない。スピーカシステム100は、判定部3、表示制御部4、取得部5および設定部6の一部または全部を含まなくてもよい。
【0065】
例えば、算出部2により算出されたスピーカ20の相対位置、およびスピーカ20を適正位置に配置するための指示内容が表示部44に表示されなくてもよい場合には、算出部2は判定部3および表示制御部4を含まなくてもよい。また、使用者が手動によりスピーカ20のチャンネル設定を行う場合には、スピーカシステム100は取得部5および設定部6を含まなくてもよい。
【0066】
(c)上記実施の形態において、マーカ10はリスニングポイントに配置されるが、実施の形態はこれに限定されない。マーカ10は、リスニングポイントから一定程度離間した位置に配置されてもよい。
【0067】
(d)上記実施の形態において、スピーカシステム100は、スピーカ20を移動させるためのアクチュエータを含んでもよい。また、アクチュエータは、判定部3による判定結果に基づいて、スピーカ20を適正位置まで移動させてもよい。
【0068】
(e)スピーカシステム100におけるスピーカ20またはカメラ30は、単体で流通されてもよい。この場合でも、単体で流通するスピーカ20およびカメラ30を用いてスピーカシステム100を構成することにより、コストの増加を防止しつつカメラ30の位置および放音方向を特定することができる。
【0069】
(8)実施の形態の総括
(第1項)第1項に係るスピーカシステムは、
マーカと、
スピーカと、
前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、前記スピーカの放音方向に対応する撮影方向の対象物を撮影するカメラと、
前記カメラにより撮影された画像に含まれる前記マーカの画像に基づいて、前記マーカに対する前記スピーカの相対位置を算出する算出部とを備える。
【0070】
このスピーカシステムにおいては、カメラはスピーカの放音方向を含む所定の角度範囲のみを撮影すればよいため、カメラの画角を過度に大きくする必要がない。また、カメラの画角は比較的小さくてもよいため、高価な光学系を設けることなく、高い解像度で鮮明にマーカを撮影することが可能である。したがって、カメラに要するコストが低減される。これにより、コストの増加を防止しつつスピーカの位置および放音方向を特定することができる。
【0071】
(第2項)第1項に記載のスピーカシステムにおいて、
前記マーカに基づいて座標系が定義され、
前記算出部は、前記スピーカの相対位置として、前記座標系における前記スピーカの座標を算出してもよい。
【0072】
この場合、マーカの画像に基づいてスピーカの相対位置を容易に算出することができる。
【0073】
(第3項)第2項に記載のスピーカシステムは、
補助マーカをさらに備え、
前記座標系は、前記マーカおよび前記補助マーカに基づいて定義されてもよい。
【0074】
この場合、補助マーカをさらに設けることにより、グローバル座標系に整合する適切な座標系を定義することが容易になる。これにより、スピーカの位置および放音方向をより正確に特定することができる。
【0075】
(第4項)第1項~第3項のいずれか一項に記載のスピーカシステムは、
多面体形状を有するマーカ取付部をさらに備え、
前記マーカは、前記マーカ取付部の各面に取り付けられるように複数設けられ、
前記算出部は、前記カメラにより撮影された画像に含まれるいずれかのマーカの画像に基づいて前記スピーカの相対位置を算出してもよい。
【0076】
この場合、カメラがどの角度からでもいずれかのマーカを撮影することが可能である。これにより、スピーカの位置および放音方向をより確実に特定することができる。また、スピーカが三次元的に配置された場合でも、スピーカの位置および放音方向を特定することができる。
【0077】
(第5項)第1項~第4項のいずれか一項に記載のスピーカシステムにおいて、
前記スピーカは複数設けられ、
前記カメラは、複数の前記スピーカにそれぞれ対応するように複数設けられ、
前記算出部は、各カメラにより撮影された画像に含まれる前記マーカの画像に基づいて、当該カメラに対応するスピーカの相対位置を算出してもよい。
【0078】
この構成によれば、スピーカが複数設けられる場合でも、各スピーカの位置および放音方向を特定することができる。
【0079】
(第6項)第1項~第5項のいずれか一項に記載のスピーカシステムにおいて、
前記スピーカは複数設けられ、
前記スピーカシステムは、
前記算出部により算出された複数の前記スピーカの相対位置と、音声と前記音声の出力位置とを示す音声情報とに基づいて、複数の前記スピーカのうち前記音声情報が示す音声を出力するスピーカを設定する設定部をさらに備えてもよい。
【0080】
この場合、スピーカのチャンネル設定を行う必要がないので、スピーカシステムのユーザビリティが向上する。
(第7項)第6項に記載のスピーカシステムにおいて、
前記設定部は、複数の前記スピーカのうち位置が確定されたスピーカを設定対象のスピーカとし、前記設定対象のスピーカのうち前記音声情報が示す音声を出力するスピーカを設定してもよい。
この場合、より確実に適切なスピーカのチャンネル設定を行うことができる。
【0081】
(第8項)第1項~第7項のいずれか一項に記載のスピーカシステムは、
前記算出部により算出された前記スピーカの相対位置を表示部に表示させる表示制御部をさらに備えてもよい。
【0082】
この場合、使用者は、表示部を視認することにより、特定されたスピーカの位置および放音方向を容易に認識することができる。
【0083】
(第9項)第1項~第8項のいずれか一項に記載のスピーカシステムは、
前記算出部により算出された複数の前記スピーカの相対位置と、前記スピーカの適正位置を示すスピーカ情報とに基づいて、前記スピーカを前記適正位置に配置するための指示内容を表示部に表示させる表示制御部をさらに備えてもよい。
【0084】
この場合、使用者は、表示部を視認することにより、スピーカを適正位置に配置するための指示内容を容易に認識することができる。また、使用者は、指示内容に従ってスピーカを操作することにより、スピーカを適正位置に容易に配置させることができる。
【0085】
(第10項)第1項~第9項のいずれか一項に記載のスピーカシステムにおいて、
前記マーカは、リスニングポイントに配置されてもよい。
【0086】
この構成によれば、カメラの画角が小さい場合でも、マーカをより確実に撮影することができる。また、スピーカの位置および放音方向をより適切に特定することができる。
【0087】
(第11項)第1項~第10項のいずれか一項に記載のスピーカシステムにおいて、
前記スピーカはカメラ取付部を有し、
前記カメラは、前記スピーカの前記カメラ取付部に取り付けられることにより、前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、撮影方向が前記スピーカの放音方向に対応してもよい。
【0088】
この場合、カメラがスピーカのカメラ取付部に取り付けられることにより、カメラの撮影方向がスピーカの放音方向に対応する状態で、スピーカに対するカメラの位置関係が一意的に定まる。そのため、カメラによりマーカを撮影することにより、スピーカの位置および放音方向を容易に特定することができる。
【0089】
(第12項)第1項~第11項のいずれか一項に記載のスピーカシステムにおいて、
前記カメラの画角は、50度以上70度以下であってもよい。
【0090】
この場合、カメラの画角がそれほど大きくないため、カメラに要するコストがより確実に低減される。これにより、コストの増加をより確実に防止しつつスピーカの位置および放音方向を特定することができる。
【0091】
(第13項)第13項に係るスピーカは、
第1項~第12項のいずれか一項に記載のスピーカシステムに設けられるスピーカであって、
前記カメラが前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、
放音方向が前記カメラの撮影方向に対応する。
【0092】
この場合、当該スピーカを用いてスピーカシステムを構成することにより、コストの増加を防止しつつスピーカの位置および放音方向を特定することができる。
【0093】
(第14項)第14項に係るカメラは、
第1項~第12項のいずれか一項に記載のスピーカシステムに設けられるカメラであって、
前記スピーカに対して特定の位置関係で配置され、撮影方向が前記スピーカの放音方向に対応する。
【0094】
この場合、当該カメラを用いてスピーカシステムを構成することにより、コストの増加を防止しつつスピーカの位置および放音方向を特定することができる。
【0095】
(第15項)第15項に係るスピーカ配置支援方法は、
スピーカに対して特定の位置関係で配置されたカメラにより、前記スピーカの放音方向に対応する撮影方向の対象物を撮影することと、
前記カメラにより撮影された画像に含まれる所定のマーカの画像に基づいて、前記マーカに対する前記スピーカの相対位置をコンピュータにより算出することとを含む。
【0096】
このスピーカ配置支援方法によれば、高価な光学系を設けることなく、高い解像度で鮮明にマーカを撮影することが可能である。したがって、カメラに要するコストが低減される。これにより、コストの増加を防止しつつスピーカの位置および放音方向を特定することができる。
【符号の説明】
【0097】
1…登録部,2…算出部,3…判定部,4…表示制御部,5…取得部,6…設定部,10…マーカ,10A…主マーカ,11…プレート部材,12…模様,20…スピーカ,21…カメラ取付部,30…カメラ,40…処理装置,41…記憶部,42…制御部,43…操作部,44…表示部,50…補助マーカ,60…マーカ取付部,100…スピーカシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6