(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150235
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】エレベータかご、エレベータ及び接続具
(51)【国際特許分類】
B66B 11/02 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
B66B11/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063550
(22)【出願日】2023-04-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 佳祐
【テーマコード(参考)】
3F306
【Fターム(参考)】
3F306AA01
3F306CA16
(57)【要約】
【課題】 事前に接続具を第1側板に固定させることなく、第1側板及び第2側板を接続具で接続することができるエレベータかごを提供する。
【解決手段】 エレベータかごは、第1側板を有する第1パネルと、第2側板を有し、第1パネルに並べられる第2パネルと、第1側板と第2側板とを接続する接続具と、を備え、接続具は、上方が開放されて第1側板及び第2側板を第1横方向で挟む第1凹部を備え、第1凹部は、第1側板に接する第1挟み部と、下方へ行くにつれて第1横方向で第1挟み部に近づくように配置され、第2側板に接する第2挟み部と、を備え、第2挟み部の下端と第1挟み部との第1横方向の距離は、第1側板及び第2側板の厚みの合計よりも小さい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側板を有する第1パネルと、
第2側板を有し、前記第1パネルに並べられる第2パネルと、
前記第1側板と前記第2側板とを接続する接続具と、を備え、
前記接続具は、上方が開放されて前記第1側板及び前記第2側板を第1横方向で挟む第1凹部を備え、
前記第1凹部は、
前記第1側板に接する第1挟み部と、
下方へ行くにつれて第1横方向で前記第1挟み部に近づくように配置され、前記第2側板に接する第2挟み部と、を備え、
前記第2挟み部の下端と前記第1挟み部との前記第1横方向の距離は、前記第1側板及び前記第2側板の厚みの合計よりも小さい、エレベータかご
【請求項2】
前記第2挟み部の下端と前記第1挟み部との前記第1横方向の距離は、前記第1側板の厚みよりも、大きい、請求項1に記載のエレベータかご。
【請求項3】
前記第1側板は、前記第1横方向へ貫通する第1孔を備え、
前記第2側板は、前記第1横方向へ貫通する第2孔を備え、
前記接続具は、
前記第1凹部の下方に配置されて且つ前記第1孔及び前記第2孔に挿通される挿通部と、
前記挿通部の下方に配置され、下方が開放されて前記第1側板が挿入される第2凹部と、をさらに備える、請求項1又は2に記載のエレベータかご。
【請求項4】
前記第2凹部の前記第1横方向の距離は、前記第1側板の厚み以上であり、且つ、前記第1側板及び前記第2側板の厚みの合計よりも小さい、請求項3に記載のエレベータかご。
【請求項5】
前記接続具は、前記挿通部よりも下方に配置されて且つ前記第1側板の外面と対面する対面部をさらに備え、
前記第1挟み部と前記対面部との前記第1横方向の距離は、前記第1側板の厚み以下である、請求項3に記載のエレベータかご。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のエレベータかごを備える、エレベータ。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のエレベータかごに用いられる、接続具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータかご、エレベータ及び接続具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータかごは、並べられるパネルと、パネルの側板同士を接続する接続具とを備えている(例えば、特許文献1)。特許文献1に係るエレベータかごにおいては、事前に接続具を第1側板に固定させた後に、第2側板を接続具に取り付けることで、第1側板及び第2側板は、接続具によって接続される。したがって、接続具を第1側板に固定させる作業が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、事前に接続具を第1側板に固定させることなく、第1側板及び第2側板を接続具で接続することができるエレベータかご、エレベータ及び接続具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベータかごは、
第1側板を有する第1パネルと、
第2側板を有し、前記第1パネルに並べられる第2パネルと、
前記第1側板と前記第2側板とを接続する接続具と、を備え、
前記接続具は、上方が開放されて前記第1側板及び前記第2側板を第1横方向で挟む第1凹部を備え、
前記第1凹部は、
前記第1側板に接する第1挟み部と、
下方へ行くにつれて第1横方向で前記第1挟み部に近づくように配置され、前記第2側板に接する第2挟み部と、を備え、
前記第2挟み部の下端と前記第1挟み部との前記第1横方向の距離は、前記第1側板及び前記第2側板の厚みの合計よりも小さい。
【0006】
エレベータは、前記のエレベータかごを備える。
【0007】
接続具は、前記のエレベータかごに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】同実施形態に係るエレベータかごの分解斜視図
【
図3】同実施形態に係るエレベータかごの構成要素の分解斜視図
【
図4】同実施形態に係るエレベータかごの要部図であって、側板が縦断面である図
【
図7】接続具が第1厚みの第1側板に引っ掛けられた状態を示す図であって、第1側板が縦断面である図
【
図8】接続具が第1厚みの第1及び第2側板を接続した状態を示す図であって、第1及び第2側板が縦断面である図
【
図9】接続具が第2厚みの第1側板に引っ掛けられた状態を示す図であって、第1側板が縦断面である図
【
図10】接続具が第2厚みの第1及び第2側板を接続した状態を示す図であって、第1及び第2側板が縦断面である図
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下、エレベータ、エレベータかご及び接続具における一実施形態について、
図1~
図10を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータ、エレベータかご及び接続具の構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータ、エレベータかご及び接続具の構成を限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、エレベータ1は、例えば、人(乗客)が乗るためのエレベータかご(以下、単に「かご」ともいう)2と、かご2を走行させるかご駆動部3と、かご2を案内するかごレール4と、エレベータ1の各部を制御する処理部1aとを備えていてもよい。なお、かご駆動部3の駆動方式は、特に限定されない。
【0013】
例えば、本実施形態のように、エレベータ1は、第1端部がかご2に接続されるかごロープ5と、かごロープ5の第2端部に接続される釣合錘6と、釣合錘6を案内する錘レール7とを備えていてもよい。かご駆動部3は、例えば、本実施形態のように、かごロープ5が巻き掛けられる綱車3aと、綱車3aを回転させる駆動源3b(例えば、モータ)とを備えていてもよい。
【0014】
即ち、かご駆動部3は、巻上機であって、エレベータ1は、ロープ式の駆動方式である、という構成でもよい。また、例えば、かご駆動部3は、油圧装置であり、エレベータ1は、油圧式の駆動方式である、という構成でもよい。また、例えば、かご駆動部3は、リニアモータであって、エレベータ1は、リニアモータ式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0015】
また、本実施形態においては、かごロープ5の第1端部がかご2に接続され、かごロープ5の第2端部が釣合錘6に接続されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、かごロープ5の両端部がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、かごロープ5がかご2のシーブ及び釣合錘6のシーブにそれぞれ巻き掛けられることによって、かごロープ5がかご2及び釣合錘6にそれぞれ接続されている、という構成でもよい。
【0016】
また、本実施形態に係るエレベータ1は、かご駆動部3である巻上機を機械室X2の内部に配置する、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、機械室X2が備えられておらず、エレベータ1は、巻上機を昇降路X1の内部に配置する、という構成でもよい。
【0017】
図2~
図4に示すように、かご2は、例えば、かご天井2aと、かご床2bと、かご側面を構成する複数のパネル8と、パネル8,8同士を接続する接続具20とを備えていてもよい。特に限定されないが、例えば、パネル8,8同士は、接続具20に接続された上で、さらに、固定手段(例えば、ネジ機構)によって、かご天井2aやかご床2bに固定されていてもよい。
【0018】
なお、
図3及び
図4(
図5以降も同様)においては、第1方向D1は、二つのパネル8,8が並べられる横方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、第1横方向D1と直交する横方向である第2横方向D2であり、第3方向D3は、上下方向D3である。
【0019】
図3及び
図4に示すように、パネル8は、例えば、かご側面を構成する本板8aと、本板8aの端部から第2横方向D2へ突出する側板11,12と、側板11,12の端部から第1横方向D1へ突出するカバー板8bとを備えていてもよい。これにより、本板8a及びカバー板8bは、第1横方向D1及び上下方向D3に沿って配置され、側板11,12は、第2横方向D2及び上下方向D3に沿って配置されている。
【0020】
また、例えば、本実施形態のように、第1パネル8(
図3及び
図4において、右側のパネル8)の第1側板11は、第1横方向D1へ貫通する第1孔11aを備え、第2パネル8(
図3及び
図4において、左側のパネル8)の第2側板12は、第1横方向D1へ貫通する第2孔12aを備えている、という構成でもよい。これにより、側板11,12は、接続具20に挿入される孔11a,12aを備えている。
【0021】
なお、
図3及び
図4(
図7~
図10も同様)においては、パネル8は、一部のみを図示されている。また、
図3においては、カバー板8bは、二点鎖線で図示されており、また、
図4(
図7~
図10も同様)においては、本板8aは、図示されていない。また、
図3及び
図4においては、接続具20は、一つのみ図示されているが、二つのパネル8,8は、例えば、一つの接続具20で接続されていてもよく、また、例えば、上下方向D3に並べられる複数の接続具20で接続されていてもよい。
【0022】
図3~
図6に示すように、接続具20は、例えば、上方が開放されて第1側板11及び第2側板12を第1横方向D1で挟む第1凹部21と、第1凹部21の下方に配置され、第1孔11a及び第2孔12aに挿通される挿通部22と、挿通部22の下方に配置され、下方が開放されて第1側板11が挿入される第2凹部23とを備えていてもよい。
【0023】
これにより、第1側板11は、第1凹部21に挟まれる第1被挟み部11bと、第2凹部23に挿入される挿入部11cとを備えており、第2側板12は、第1凹部21に挟まれる第2被挟み部12bを備えている。なお、各被挟み部11b,12bは、各孔11a,12aの上方に配置され、挿入部11cは、第1孔11aの下方に配置されている。
【0024】
第1凹部21は、例えば、本実施形態のように、第1パネル8の第1側板11に接する第1挟み部21aと、第2パネル8の第2側板12に接する第2挟み部21bと、第1凹部21の下方を閉じる底部21cとを備えていてもよい。
【0025】
底部21cは、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1及び第2横方向D2に沿って配置される平面で構成されていてもよい。具体的には、底部21cは、例えば、第2横方向D2視において、第1横方向D1へ沿って延びていてもよい。
【0026】
第1挟み部21aは、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2及び上下方向D3に沿って配置される平面で構成されていてもよい。具体的には、第1挟み部21aは、例えば、第2横方向D2視にて、上下方向D3へ沿って延びていてもよい。なお、斯かる構成に限られず、第1挟み部21aは、例えば、曲面で構成されていてもよく、具体的には、例えば、第2横方向D2視にて、第2挟み部21bへ向けて半円状に突出していてもよい。
【0027】
また、第1挟み部21aの下端部は、例えば、本実施形態のように、底部21cから上方へ離れていてもよい。即ち、例えば、第1凹部21は、第1挟み部21aと底部21cとの間に、第1横方向D1へ凹む側凹部21dを備えていてもよい。なお、斯かる構成に限られず、第1挟み部21aの下端部は、例えば、底部21cと連結していてもよい。
【0028】
第2挟み部21bは、例えば、本実施形態のように、下方へ行くにつれて第1横方向D1で第1挟み部21aに近づくように、配置されてもよい。具体的には、第2挟み部21bは、例えば、第2横方向D2視にて、上下方向D3に対して傾斜して延びていてもよい。
【0029】
これにより、第1側板11及び第2側板12が第1凹部21に挿入されることで、第1側板11及び第2側板12は、第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって、挟まれる。したがって、事前に接続具20を第1側板11に固定させることなく、第1側板11及び第2側板12を接続具20で接続することができる。
【0030】
また、第2挟み部21bは、例えば、本実施形態のように、下方へ行くにつれて第1横方向D1で第1挟み部21aに近づく挟み平面21eで構成されていてもよい。具体的には、第2挟み部21bは、例えば、第2横方向D2視にて、上下方向D3に対して傾斜して延びていてもよい。なお、斯かる構成に限られず、第2挟み部21bは、例えば、曲面で構成されてもよく、具体的には、例えば、第2横方向D2視にて、円弧状に延びていてもよい。
【0031】
また、第2挟み部21bの挟み平面21eの個数は、特に限定されない。第2挟み部21bの挟み平面21eの個数は、例えば、本実施形態のように、四つでもよく、また、例えば、一つ、二つ、三つ、又は、五つ以上でもよい。
【0032】
また、第2挟み部21bの下端部は、例えば、本実施形態のように、底部21cと連結していてもよい。なお、斯かる構成に限られず、第2挟み部21bの下端部は、例えば、底部21cから上方へ離れていてもよい。即ち、第1凹部21は、第2挟み部21bと底部21cとの間に、第1横方向D1へ凹む側凹部を備えていてもよい。
【0033】
そして、例えば、本実施形態のように、第2挟み部21bの下端と第1挟み部21aとの第1横方向D1の距離W1は、第1側板11及び第2側板12の厚みの合計よりも、小さくてもよい。これにより、第1側板11及び第2側板12が第1凹部21に挿入されることによって、第2側板12は、第2挟み部21bと必ず接することになる。
【0034】
また、例えば、本実施形態のように、第2挟み部21bの下端と第1挟み部21aとの第1横方向D1の距離W1は、第1側板11の厚みより大きくてもよい。これにより、第1側板11が第1凹部21に挿入された場合に、第2挟み部21bは、第1側板11から離れる。これにより、第1側板11のみが第1凹部21に挿入された場合に、第1側板11が第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって挟まれることを抑制することができる。
【0035】
第2凹部23は、例えば、本実施形態のように、第1側板11の内面11dと対面する第1対面部23aと、第1側板11の外面11eと対面する第2対面部23bと、第2凹部23の上方を閉じる天部23cとを備えていてもよい。なお、
図6において、各破線は、第1挟み部21a、第2挟み部21bの下端部、第1対面部23a、及び第2対面部23bの第1横方向D1の位置を示している。
【0036】
天部23cは、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1及び第2横方向D2に沿って配置される平面で構成されていてもよい。具体的には、天部23cは、例えば、第2横方向D2視において、第1横方向D1へ沿って延びていてもよい。
【0037】
第1対面部23aは、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2及び上下方向D3に沿って配置される平面で構成されていてもよい。具体的には、第1対面部23aは、例えば、第2横方向D2視にて、上下方向D3へ沿って延びていてもよい。なお、斯かる構成に限られず、第1対面部23aは、例えば、曲面で構成されていてもよく、具体的には、例えば、第2横方向D2視にて、第2対面部23bへ向けて半円状に突出していてもよい。
【0038】
また、第1対面部23aの上端部は、例えば、本実施形態のように、天部23cと連結していてもよい。なお、斯かる構成に限られず、第1対面部23aの上端部は、例えば、天部23cから下方へ離れていてもよい。即ち、第2凹部23は、第1対面部23aと天部23cとの間に、第1横方向D1へ凹む側凹部を備えていてもよい。
【0039】
第2対面部23bは、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2及び上下方向D3に沿って配置される平面で構成されていてもよい。具体的には、第2対面部23bは、例えば、第2横方向D2視にて、上下方向D3へ沿って延びていてもよい。なお、斯かる構成に限られず、第2対面部23bは、例えば、曲面で構成されていてもよく、具体的には、例えば、第2横方向D2視にて、第1対面部23aへ向けて半円状に突出していてもよい。
【0040】
また、第2対面部23bの上端部は、例えば、本実施形態のように、天部23cと連結していてもよい。なお、斯かる構成に限られず、第2対面部23bの上端部は、例えば、天部23cから下方へ離れていてもよい。即ち、第2凹部23は、第2対面部23bと天部23cとの間に、第1横方向D1へ凹む側凹部を備えていてもよい。
【0041】
そして、例えば、本実施形態のように、第2凹部23の第1横方向D1の距離W2、即ち、第1対面部23aと第2対面部23bとの第1横方向D1の距離W2は、第1側板11の厚み以上であり、且つ、第1側板11及び第2側板12の厚みの合計よりも小さい、という構成でもよい。これにより、第1側板11のみが第2凹部23に挿入でき、第1側板11及び第2側板12の両方が第2凹部23に挿入できない。
【0042】
また、第1挟み部21aは、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1において、第1対面部23aと第2対面部23bとの間に配置されていてもよい。そして、第2対面部23bは、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1において、第2挟み部21bの下端部と第1挟み部21aとの間に配置されていてもよい。
【0043】
そして、例えば、本実施形態のように、第1挟み部21aと第2対面部23bとの第1横方向D1の距離W3は、第1側板11の厚み以下であってもよい。これにより、第1側板11が第1凹部21及び第2凹部23に挿入されたときに、第1挟み部21a及び第2対面部23bは、それぞれ第1側板11に接することができる。
【0044】
また、接続具20は、例えば、本実施形態のように、第1挟み部21a及び第1対面部23aを有する第1本体部25と、第2挟み部21b及び第2対面部23bを有する第2本体部26と、第1本体部25と第2本体部26とを接続し、底部21c、天部23c及び挿通部22を有する接続部27とを備えてもよい。なお、特に限定されないが、接続具20は、剛性を有しており、例えば、金属や硬質樹脂等で形成されていてもよい。
【0045】
ところで、パネル8の厚み、具体的には、側板11,12の厚みには、最小の厚みである第1厚みT1(
図7及び
図8参照)から、最大の厚みである第2厚みT2(
図9及び
図10参照)まで、複数の厚みが存在している。特に限定されないが、側板11,12の厚みには、例えば、1.2mm、1.5mm及び1.6mm等が挙げられる。
【0046】
それに対して、例えば、本実施形態のように、第2挟み部21bの下端と第1挟み部21aとの第1横方向D1の距離(以下、「第1距離」ともいう)W1は、第1側板11及び第2側板12の第1厚みT1の合計(T1+T1)よりも、小さくてもよい。これにより、第1側板11及び第2側板12が第1凹部21に挿入されることによって、側板11,12の厚みT1,T2に拘わらず、第2側板12は、第2挟み部21bと必ず接することになる。
【0047】
したがって、第1挟み部21a及び第2挟み部21bは、最小の第1厚みT1である側板11,12同士でも、最大の第2厚みT2である側板11,12同士でも、挟むことができる。その結果、最小である第1厚みT1である側板11,12同士でも、最大である第2厚みT2である側板11,12同士でも、共通の接続具20によって、接続することができる。
【0048】
また、例えば、本実施形態のように、第1距離W1は、第1側板11の最大の第2厚みT2より大きくてもよい。これにより、側板11,12の厚みT1,T2に拘わらず、第1側板11のみが第1凹部21に挿入された場合に、第1側板11が第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって挟まれることを抑制することができる。
【0049】
また、例えば、本実施形態のように、第2凹部23の第1横方向D1の距離(以下、「第2距離」ともいう)W2は、第1側板11の最大の第2厚みT2以上であり、且つ、第1側板11及び第2側板12の最小の第1厚みT1の合計(T1+T1)よりも小さくてもよい。これにより、側板11,12の厚みT1,T2に拘わらず、第1側板11のみが第2凹部23に挿入でき、第1側板11及び第2側板12の両方は、一緒に第2凹部23へ挿入できない。
【0050】
また、例えば、本実施形態のように、第1挟み部21aと第2対面部23bとの第1横方向D1の距離(以下、「第3距離」ともいう)W3は、第1側板11の最小の第1厚みT1以下であってもよい。これにより、側板11,12の厚みT1,T2に拘わらず、第1側板11が第1凹部21及び第2凹部23に挿入されたときに、第1挟み部21a及び第2対面部23bは、それぞれ第1側板11に接することができる。
【0051】
ここで、最小の第1厚みT1である第1及び第2側板11,12を接続具20で接続する方法(エレベータかご2の製造方法)について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、側板11,12を接続具20で接続する方法等の理解を助けるために例示するものであり、側板11,12を接続具20で接続する方法を限定するものではない。
【0052】
図7に示すように、第1側板11の第1被挟み部11bが、接続具20の第1凹部21に挿入され、接続具20の挿通部22が、第1側板11の第1孔11aに挿通され、そして、第1側板11の挿入部11cが、接続具20の第2凹部23に挿入される。これにより、接続具20は、第1側板11に引っ掛けられて保持されるが、第1側板11に固定されていない。
【0053】
このとき、第2距離W2(
図6参照)が、第1側板11及び第2側板12の厚みT1の合計(T1+T1)よりも小さいため、第1側板11が第2凹部23に挿入されることによって、第1側板11を第2凹部23に確実に引っ掛けることができる。これにより、接続具20を第1側板11に確実に保持させることができる。
【0054】
また、第3距離W3(
図6参照)が、第1側板11の厚みT1以下であるため、第1挟み部21aは、第1側板11の内面11dに接し、且つ、第2対面部23bは、第1側板11の外面11eに接している。なお、特に限定されないが、本実施形態においては、第3距離W3は、第1厚みT1と同じ、としている。
【0055】
そして、第1距離W1(
図6参照)が、第1側板11の厚みT1よりも、大きいため、第1側板11が第1凹部21に挿入された場合に、第2挟み部21bは、第1側板11から離れる。これにより、第1側板11が第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって挟まれることを抑制することができる。
【0056】
その後、
図8に示すように、接続具20の挿通部22が第2側板12の第2孔12aに挿通され、第2側板12が第1側板11に対して下方へスライドされることによって、第2側板12は、第1凹部21に挿入される。このとき、第2距離W2(
図6参照)が、第1側板11及び第2側板12の厚みT1の合計(T1+T1)よりも小さいため、第2側板12が第2凹部23に挿入されることを抑制することができる。
【0057】
また、第1距離W1(
図6参照)が、第1側板11及び第2側板12の厚みT1の合計(T1+T1)よりも、小さいため、第2側板12は、第2挟み部21bと必ず接することになる。これにより、第2側板12が第1凹部21に挿入されることに伴って、即ち、第2側板12が第1側板11に対して下方へスライドされることによって、第2側板12は、第2挟み部21bに案内される。
【0058】
そして、第2挟み部21bが、下方へ行くにつれて第1横方向D1で第1挟み部21aに近づくように、配置されているため、第2側板12が第1側板11に対して下方へスライドされることによって、第2側板12は、徐々に第1側板11へ近づく。その後、第1側板11及び第2側板12は、第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって、挟まれる。
【0059】
特に限定されないが、このとき、側板11,l2及び第1凹部21の少なくとも一方が、(弾性又は塑性)変形することによって、第1側板11及び第2側板12は、第1挟み部21a及び第2挟み部21b間に、嵌め込められてもよい。なお、
図8においては、第2側板12(具体的には、第2被挟み部12bの周辺)が弾性変形している。
【0060】
また、第2挟み部21bが、下方へ行くにつれて第1横方向D1で第1挟み部21aに近づくように、配置されているため、例えば、第2側板12に加えられた外力や第2側板12の自重等によって、第2側板12が第2挟み部21bに下方への力を加えることで、第1側板11の挿入部11cの上端部を基点として、接続具20に回転方向D4の力が加えられる。
【0061】
これにより、第1挟み部21aは、第1側板11の内面11dに加圧して接し、第2対面部23bは、第1側板11の外面11eに加圧して接する。したがって、接続具20によって、第1側板11と第2側板12とを確実に接続することができる。このように、事前に接続具20を第1側板11に固定させることなく、第1側板11及び第2側板12を第1凹部21に挿入することによって、第1側板11及び第2側板12を接続具20で接続することができる。
【0062】
次に、最大の第2厚みT2である第1及び第2側板11,12を接続具20で接続する方法(エレベータかご2の製造方法)について、
図9及び
図10を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、側板11,12を接続具20で接続する方法等の理解を助けるために例示するものであり、側板11,12を接続具20で接続する方法を限定するものではない。
【0063】
図9に示すように、第1側板11の第1被挟み部11bが、接続具20の第1凹部21に挿入され、接続具20の挿通部22が、第1側板11の第1孔11aに挿通され、そして、第1側板11の挿入部11cが、接続具20の第2凹部23に挿入される。これにより、接続具20は、第1側板11に引っ掛けられて保持されるが、第1側板11に固定されていない。
【0064】
このとき、第2距離W2(
図6参照)が、第1側板11及び第2側板12の厚みT2の合計(T2+T2)よりも小さいため、第1側板11が第2凹部23に挿入されることによって、第1側板11を第2凹部23に確実に引っ掛けることができる。これにより、接続具20を第1側板11に確実に保持させることができる。
【0065】
また、第3距離W3(
図6参照)が、第1側板11の厚みT2以下であるため、第1挟み部21aは、第1側板11の内面11dに接し、且つ、第2対面部23bは、第1側板11の外面11eに接している。なお、特に限定されないが、本実施形態においては、第3距離W3は、第1厚みT1と同じであるため、第1側板11の厚みT2よりも小さい。これにより、接続具20は、第1側板11に対して傾いて引っ掛けられている。
【0066】
そして、第1距離W1(
図6参照)が、第1側板11の厚みT2よりも、大きいため、第1側板11が第1凹部21に挿入された場合に、第2挟み部21bは、第1側板11から離れる。これにより、第1側板11が第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって挟まれることを抑制することができる。
【0067】
その後、
図10に示すように、接続具20の挿通部22が第2側板12の第2孔12aに挿通され、第2側板12が第1側板11に対して下方へスライドされることによって、第2側板12は、第1凹部21に挿入される。このとき、第2距離W2(
図6参照)が、第1側板11及び第2側板12の厚みT2の合計(T2+T2)よりも小さいため、第2側板12が第2凹部23に挿入されることを抑制することができる。
【0068】
また、第1距離W1(
図6参照)が、第1側板11及び第2側板12の厚みT2の合計(T2+T2)よりも、小さいため、第2側板12は、第2挟み部21bと必ず接することになる。これにより、第2側板12が第1凹部21に挿入されることに伴って、第1側板11及び第2側板12は、第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって、挟まれる。
【0069】
特に限定されないが、このとき、側板11,l2及び第1凹部21の少なくとも一方が、(弾性又は塑性)変形することによって、第1側板11及び第2側板12は、第1挟み部21a及び第2挟み部21b間に、嵌め込められてもよい。なお、
図10においては、第2側板12(具体的には、第2被挟み部12bの周辺)が弾性変形している。
【0070】
また、第2挟み部21bが、下方へ行くにつれて第1横方向D1で第1挟み部21aに近づくように、配置されているため、例えば、第2側板12に加えられた外力や第2側板12の自重等によって、第2側板12が第2挟み部21bに下方への力を加えることで、第1側板11の挿入部11cの上端部を基点として、接続具20に回転方向D4の力が加えられる。
【0071】
これにより、第1挟み部21aは、第1側板11の内面11dに加圧して接し、第2対面部23bは、第1側板11の外面11eに加圧して接する。したがって、接続具20によって、第1側板11と第2側板12とを確実に接続することができる。このように、事前に接続具20を第1側板11に固定させることなく、第1側板11及び第2側板12を第1凹部21に挿入することによって、第1側板11及び第2側板12を接続具20で接続することができる。
【0072】
特に限定されないが、このとき、第1側板11及び第2凹部23(第2対面部23b)の少なくとも一方が、当該加圧によって、(弾性又は塑性)変形してもよい。なお、
図10においては、第1側板11(具体的には、挿入部11cの下端部の周辺)が弾性変形している。
【0073】
このように、最小の第1厚みT1(
図7及び
図8参照)である第1及び第2側板11,12同士でも、最大の第2厚みT2(
図9及び
図10参照)である第1及び第2側板11,12同士でも、共通の接続具20で挟むことができる。したがって、本実施形態に係る接続具20は、第1厚みT1~第2厚みT2までの側板11,12同士を、接続することができる。
【0074】
なお、例えば、最小の第1厚みT1である第1側板11の第1孔11aの形状は、最大の第2厚みT2である第1側板11の第1孔11aの形状と、同じでもよく、また、異なっていてもよい。また、例えば、最小の第1厚みT1である第2側板12の第2孔12aの形状は、最大の第2厚みT2である第2側板12の第2孔12aの形状と、同じでもよく、また、異なっていてもよい。
【0075】
[1]
以上より、エレベータかご2は、本実施形態のように、
第1側板11を有する第1パネル8と、
第2側板12を有し、前記第1パネル8に並べられる第2パネル8と、
前記第1側板11と前記第2側板12とを接続する接続具20と、を備え、
前記接続具20は、上方が開放されて前記第1側板11及び前記第2側板12を第1横方向D1で挟む第1凹部21を備え、
前記第1凹部21は、
前記第1側板11に接する第1挟み部21aと、
下方へ行くにつれて第1横方向D1で前記第1挟み部21aに近づくように配置され、前記第2側板12に接する第2挟み部21bと、を備え、
前記第2挟み部21bの下端と前記第1挟み部21aとの前記第1横方向D1の距離W1は、前記第1側板11及び前記第2側板12の厚みT1,T2の合計(T1+T1,T2+T2)よりも小さい、
という構成が好ましい。
【0076】
斯かる構成によれば、第2挟み部21bの下端と第1挟み部21aとの第1横方向D1の距離W1は、第1側板11及び第2側板12の厚みT1,T2の合計(T1+T1,T2+T2)よりも、小さい。これにより、第1側板11及び第2側板12が第1凹部21に挿入されることによって、第2側板12は、第2挟み部21bと必ず接することになる。
【0077】
そして、第2挟み部21bは、下方へ行くにつれて第1横方向D1で第1挟み部21aに近づくように、配置されている。これにより、第1側板11及び第2側板12が第1凹部21に挿入されることによって、第1側板11及び第2側板12は、第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって、挟まれる。したがって、事前に接続具20を第1側板11に固定させることなく、第1側板11及び第2側板12を接続具20で接続することができる。
【0078】
[2]
また、上記[1]のエレベータかご2においては、本実施形態のように、
前記第2挟み部21bの下端と前記第1挟み部21aとの前記第1横方向D1の距離W1は、前記第1側板11の厚みT1,T2よりも、大きい、
という構成が好ましい。
【0079】
斯かる構成によれば、第2挟み部21bの下端と第1挟み部21aとの第1横方向D1の距離W1が、第1側板11の厚みT1,T2よりも、大きいため、第1側板11が第1凹部21に挿入された場合に、第2挟み部21bは、第1側板11から離れる。これにより、第1側板11のみが第1凹部21に挿入された場合に、第1側板11が第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって挟まれることを抑制することができる。
【0080】
[3]
また、上記[1]又は[2]のエレベータかご2においては、本実施形態のように、
前記第1側板11は、前記第1横方向D1へ貫通する第1孔11aを備え、
前記第2側板12は、前記第1横方向D1へ貫通する第2孔12aを備え、
前記接続具20は、
前記第1凹部21の下方に配置されて且つ前記第1孔11a及び前記第2孔12aに挿通される挿通部22と、
前記挿通部22の下方に配置され、下方が開放されて前記第1側板11が挿入される第2凹部23と、をさらに備える、
という構成が好ましい。
【0081】
斯かる構成によれば、第1側板11が第1凹部21及び第2凹部23に挿入され、接続具20の挿通部22が第1側板11の第1孔11aに挿通されることによって、接続具20は、第1側板11に引っ掛けられる。その後、接続具20の挿通部22が第2側板12の第2孔12aに挿通され、第2側板12が第1凹部21に挿入されることによって、第1側板11及び第2側板12は、第1凹部21の第1挟み部21a及び第2挟み部21bによって、挟まれる。
【0082】
[4]
また、上記[3]のエレベータかご2においては、本実施形態のように、
前記第2凹部23の前記第1横方向D1の距離W2は、前記第1側板11の厚みT1,T2以上であり、且つ、前記第1側板11及び前記第2側板12の厚みT1,T2の合計(T1+T1,T2+T2)よりも小さい、
という構成が好ましい。
【0083】
斯かる構成によれば、第2凹部23の第1横方向D1の距離W2が、第1側板11及び第2側板12の厚みT1,T2の合計(T1+T1,T2+T2)よりも小さいため、第1側板11が第2凹部23に挿入されることによって、第1側板11を第2凹部23に確実に引っ掛けることができる。これにより、接続具20を第1側板11に確実に引っ掛けることができる。
【0084】
また、第2凹部23の第1横方向D1の距離W2が、第1側板11及び第2側板12の厚みT1,T2の合計(T1+T1,T2+T2)よりも小さいため、第1側板11及び第2側板12の両方が第2凹部23に挿入されることを抑制することができる。これにより、接続具20が第1側板11に引っ掛けられた状態で、第2側板12が誤って第2凹部23に挿入されることを抑制することができる。
【0085】
しかも、第2挟み部21bが、上方へ行くにつれて第1挟み部21aから第1横方向D1で離れるように、配置されているため、第2側板12が第2挟み部21bに下方への力を加えることによって、接続具20に回転方向D4の力が加えられる。それに対して、第2凹部23の第1横方向D1の距離W2が、第1側板11及び第2側板12の厚みT1,T2の合計(T1+T1,T2+T2)よりも小さくなっているため、第2凹部23は、第1側板11の外面11eに接し易くなる。
【0086】
[5]
また、上記[3]又は[4]のエレベータかご2においては、本実施形態のように、
前記接続具20は、前記挿通部22よりも下方に配置されて且つ前記第1側板11の外面11eと対面する対面部(本実施形態においては、第2対面部)23bをさらに備え、
前記第1挟み部21aと前記対面部23bとの前記第1横方向D1の距離W3は、前記第1側板11の厚みT1,T2以下である、
という構成が好ましい。
【0087】
斯かる構成によれば、第1挟み部21aと対面部(本実施形態においては、第2対面部)23bとの第1横方向D1の距離W3が、第1側板11の厚みT1,T2以下であるため、第1側板11が第1凹部21及び第2凹部23に挿入されたときに、第1挟み部21a及び対面部23bは、それぞれ第1側板11に接することができる。
【0088】
そして、第2挟み部21bが、下方へ行くにつれて第1横方向D1で第1挟み部21aに近づくように、配置されているため、第2側板12が第2挟み部21bに下方への力を加えることによって、接続具20に回転方向D4の力が加えられる。これにより、第1挟み部21a及び対面部23bは、それぞれ第1側板11に加圧して接する。
【0089】
[6]
また、エレベータ1は、本実施形態のように、
上記[1]~[5]の何れか一つのエレベータかご2を備える、
という構成が好ましい。
【0090】
斯かる構成によれば、事前に接続具20を第1側板11に固定させることなく、第1側板11及び第2側板12を接続具20で接続することができる。
【0091】
[7]
また、接続具20は、本実施形態のように、
上記[1]~[5]の何れか一つのエレベータかご2に用いられる、
という構成が好ましい。
【0092】
斯かる構成によれば、事前に接続具20を第1側板11に固定させることなく、第1側板11及び第2側板12を接続具20で接続することができる。
【0093】
なお、エレベータ1、エレベータかご2及び接続具20は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1、エレベータかご2及び接続具20は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0094】
(A)上記実施形態に係るエレベータかご2においては、第2挟み部21bの下端と第1挟み部21aとの第1横方向D1の距離W1は、第1側板11の厚みT1,T2よりも、大きい、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。
【0095】
例えば、第2挟み部21bの下端と第1挟み部21aとの第1横方向D1の距離W1は、第1側板11の厚みT1,T2以下である、という構成でもよい。なお、特に限定されないが、例えば、第2挟み部21bの下端が第1挟み部21aに連結されることによって、第2挟み部21bの下端と第1挟み部21aとの第1横方向D1の距離W1は、ゼロである、という構成でもよい。
【0096】
(B)また、上記実施形態に係るエレベータかご2においては、接続具20は、第1側板11に引っ掛けられるために、第1側板11が挿入される第2凹部23を備えている、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。
【0097】
接続具20は、例えば、第1対面部23a及び第2対面部23bのうち、第1対面部23aのみを備えていてもよく、また、例えば、第1対面部23a及び第2対面部23bのうち、第2対面部23bのみを備えていてもよい。また、接続具20は、例えば、第1対面部23a及び第2対面部23bの両方を備えておらず、固定手段(例えば、ブラケット等)によって、かご床2bに固定されている、という構成でもよい。
【0098】
(C)また、上記実施形態に係るエレベータかご2においては、第2凹部23の第1横方向D1の距離W2は、第1側板11の厚みT1,T2以上であり、且つ、第1側板11及び第2側板12の厚みT1,T2の合計(T1+T1,T2+T2)よりも小さい、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。例えば、第2凹部23の第1横方向D1の距離W2は、第1側板11及び第2側板12の厚みT1,T2の合計(T1+T1,T2+T2)以上である、という構成でもよい。
【0099】
(D)また、上記実施形態に係るエレベータかご2においては、第1挟み部21aと第2対面部23bとの第1横方向D1の距離W3は、前記第1側板11の厚みT1,T2以下である、という構成である。しかしながら、エレベータかご2は、斯かる構成に限られない。例えば、第1挟み部21aと第2対面部23bとの第1横方向D1の距離W3は、前記第1側板11の厚みT1,T2よりも、大きい、という構成でもよい。
【0100】
(E)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0101】
1…エレベータ、1a…処理部、2…エレベータかご、2a…かご天井、2b…かご床、3…かご駆動部、3a…綱車、3b…駆動源、4…かごレール、5…かごロープ、6…釣合錘、7…錘レール、8…パネル、8a…本板、8b…カバー板、11…第1側板、11a…第1孔、11b…第1被挟み部、11c…挿入部、11d…内面、11e…外面、12…第2側板、12a…第2孔、12b…第2被挟み部、20…接続具、21…第1凹部、21a…第1挟み部、21b…第2挟み部、21c…底部、21d…側凹部、21e…挟み平面、22…挿通部、23…第2凹部、23a…第1対面部、23b…第2対面部、23c…天部、25…第1本体部、26…第2本体部、27…接続部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、D4…回転方向、T1…第1厚み、T2…第2厚み、W1…第1距離、W2…第2距離、W3…第3距離、X1…昇降路、X2…機械室
【手続補正書】
【提出日】2024-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側板を有する第1パネルと、
第2側板を有し、前記第1パネルに並べられる第2パネルと、
前記第1側板と前記第2側板とを接続する接続具と、を備え、
前記接続具は、上方が開放されて前記第1側板及び前記第2側板を第1横方向で挟む第1凹部を備え、
前記第1凹部は、
前記第1側板に接する第1挟み部と、
上端に配置されて且つ下方へ行くにつれて第1横方向で前記第1挟み部に近づくように配置され、前記第2側板から離れている上端の部分と、
上記上端の部分よりも下方に配置されて且つ下方へ行くにつれて前記第1横方向で前記第1挟み部に近づくように配置され、前記第2側板に接する第2挟み部と、を備え、
前記第2挟み部の下端と前記第1挟み部との前記第1横方向の距離は、前記第1側板及び前記第2側板の厚みの合計よりも小さい、エレベータかご。
【請求項2】
前記第1挟み部は、平面で構成され、
前記第2挟み部は、下方へ行くにつれて前記第1横方向で前記第1挟み部に近づくように配置される少なくとも一つの平面で構成される、請求項1に記載のエレベータかご。
【請求項3】
前記第2挟み部の下端と前記第1挟み部との前記第1横方向の距離は、前記第1側板の厚みよりも、大きい、請求項1又は2に記載のエレベータかご。
【請求項4】
前記第1側板は、前記第1横方向へ貫通する第1孔を備え、
前記第2側板は、前記第1横方向へ貫通する第2孔を備え、
前記接続具は、
前記第1凹部の下方に配置されて且つ前記第1孔及び前記第2孔に挿通される挿通部と、
前記挿通部の下方に配置され、下方が開放されて前記第1側板が挿入される第2凹部と、をさらに備える、請求項1又は2に記載のエレベータかご。
【請求項5】
前記第2凹部の前記第1横方向の距離は、前記第1側板の厚み以上であり、且つ、前記第1側板及び前記第2側板の厚みの合計よりも小さい、請求項4に記載のエレベータかご。
【請求項6】
第1側板を有する第1パネルと、
第2側板を有し、前記第1パネルに並べられる第2パネルと、
前記第1側板と前記第2側板とを接続する接続具と、を備え、
前記接続具は、上方が開放されて前記第1側板及び前記第2側板を第1横方向で挟む第1凹部を備え、
前記第1凹部は、
前記第1側板に接する第1挟み部と、
下方へ行くにつれて第1横方向で前記第1挟み部に近づくように配置され、前記第2側板に接する第2挟み部と、を備え、
前記第2挟み部の下端と前記第1挟み部との前記第1横方向の距離は、前記第1側板及び前記第2側板の厚みの合計よりも小さい、エレベータかごであって、
前記第1側板は、前記第1横方向へ貫通する第1孔を備え、
前記第2側板は、前記第1横方向へ貫通する第2孔を備え、
前記接続具は、
前記第1凹部の下方に配置されて且つ前記第1孔及び前記第2孔に挿通される挿通部と、
前記挿通部の下方に配置され、下方が開放されて前記第1側板が挿入される第2凹部と、をさらに備え、
前記接続具は、前記挿通部よりも下方に配置されて且つ前記第1側板の外面と対面する対面部をさらに備え、
前記第1挟み部と前記対面部との前記第1横方向の距離は、前記第1側板の厚み以下である、エレベータかご。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のエレベータかごを備える、エレベータ。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のエレベータかごに用いられる、接続具。