(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150236
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
G03G15/08 341
G03G15/08 390Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063551
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】片桐 達矢
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA03
2H077AA12
2H077AB02
2H077AB13
2H077AC02
2H077DA15
2H077DA32
2H077DB02
(57)【要約】
【課題】 生産性を低下させることなく、連続紙上にトナー像を継続して形成すること。
【解決手段】 連続紙上にトナー画像を形成可能な画像形成装置1であって、像担持体22Y上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像器21Yと、現像器21Yに対して供給するためのトナーを収容するとともに、画像形成装置1に着脱可能なトナー収容容器30Yと、を備え、現像器21Yに対してトナー収容容器30Yが複数配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙上にトナー像を形成可能な画像形成装置であって、
像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像器と、
前記現像器に対して供給するためのトナーを収容するとともに、画像形成装置に着脱可能なトナー収容容器と、を備え、
同じ色のトナーを収容する前記トナー収容容器が複数配置される、画像形成装置。
【請求項2】
前記現像器として互いに異なる色のトナーに対応する複数の現像器を有し、各現像器に対し前記トナー収容容器が複数配置される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
一の前記現像器に対応する複数の前記トナー収容容器には同じ色のトナーが収容される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
複数の前記トナー収容容器は共通のトナーホッパを介して前記現像器にトナーを供給し、
複数の前記トナー収容容器から前記共通のトナーホッパに対するトナーの供給を切り替える切替部を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記切替部は、一方のトナー収容容器のトナー残量に応じて他方のトナー収容容器からのトナー供給を開始させる、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記切替部は、一方のトナー収容容器のトナー残量が0になる前に他方のトナー収容容器からのトナー供給を開始させる、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記切替部は、前記他方のトナー収容容器において所定量からトナー供給を開始し、順次供給量を増やすように制御する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数のトナー収納容器には前記共通のトナーホッパに対するトナー搬送部がそれぞれ設けられ、それぞれのトナー搬送部は独立した駆動源を備える、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記共通のトナーホッパには複数のトナー残量検知センサが配置される、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記共通のトナーホッパを第1のトナーホッパとし、前記共通のトナーホッパと前記現像器の間に前記共通のトナーホッパよりも容量の小さい第2のトナーホッパが配置される、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項11】
複数の前記トナー収容容器は共通のトナーホッパを介して前記現像器にトナーを供給し、複数の前記トナー収容容器から前記共通のトナーホッパに対し同時にトナーを供給する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
複数の前記トナー収容容器から前記共通のトナーホッパに同時に供給されるトナー量の単位時間当たりの合計が所定量以下となるように制御される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
複数の前記トナー収容容器のトナー容量の合計は、容量が両方とも満タン状態で所定の印字率で連続して1000m以上連続紙に印字可能な容量であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
所定印字率は15%である、請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
複数の前記トナー収容容器のトナー容量の合計は、連続して3000m以上連続紙に印字可能な容量であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記共通のトナーホッパのトナー容量は、複数の前記トナー収容容器のトナー容量の合計以下の容量であることを特徴とする、請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記共通のトナーホッパのトナー容量は、前記現像器のトナー容量以上の容量であることを特徴とする、請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記トナー容量は、トナー重量に対応する、請求項15に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、連続した記録媒体にトナー像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール紙などの連続紙にトナーで構成されるトナー像を形成する画像形成装置が知られている。例えば、特開2020-154015号公報には、用紙にトナー像を形成する複数の現像器を備え、複数の現像器それぞれに対し、その現像器と同じ色のトナーを収容するトナーボトルが着脱可能に設けられている。
【0003】
特開2020-154015号公報に記載の画像形成装置では、印刷途中でトナーボトルのトナーがなくなった場合は、画像形成を一時的に中止し、トナーボトルを交換した後に画像形成を再開しなければならない。画像形成装置を停止させることなく画像形成を継続するためには、現像器内のトナーがなくなる前にトナーボトルを交換しなければならず、ユーザーが常に現像器内のトナー残量をチェックしなければならない。このため、人件費の増加とともに、生産性が低下するといった問題がある。
【0004】
一方、印刷途中でトナーボトルを交換しなくてもよいようにトナー収容量を増やすことが考えられるが、トナーボトルサイズを大きくすると次のような課題が生じる。第1に、トナーボトルは通常、画像形成装置が動作中に回転しながらボトル開口部からトナーを排出する構造となっているため、トナーボトルのサイズを大きくするとトナーボトルの重量が増加し、トナーボトルを回転させるモータにより大きなトルクが要求される。このため、従来のサイズのトナーボトルを回転させるモータと同じモータを使用する場合は、モータのトルクが不足し、トナーボトルが安定して回転しなくなる。このため、現像器でトナーが不足して画質が低下する場合がある。
【0005】
第2に、トナーボトルがトナーを排出する開口部の開口サイズに制約があるため、トナーボトルのトナー収容量が大きくなると、トナーボトルの単位回転量当たりに開口に搬送されるトナーの量が、従来のサイズのトナーボトルよりも多くなる。このため、開口部付近でトナーが凝集しやすくなる。凝集したトナーがそのまま用紙に形成されると、凝集したトナーが定着後に剥がれ、画像不良が発生する。また、凝集したトナーが、感光体ドラムと清掃ブレードとの間等の転写経路中で塊のまま詰まり、その箇所だけトナーが転写されない白スジ状の部分を含む画像が形成されたりする。
【0006】
第3に、トナーボトルのサイズおよび重量が増加するため、ユーザーがトナーボトルを画像形成装置に装着する作業の負荷が大きくなり作業性が低下する。特に、トナーボトルが画像形成装置の上側に配置される場合には、トナーボトルをその高さまで持ち上げる必要があり、作業効率が悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、生産性を低下させることなく、連続紙上にトナー像を継続して形成することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、この発明のある局面によれば、画像形成装置は、連続紙上にトナー像を形成可能な画像形成装置であって、像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像器と、現像器に対して供給するためのトナーを収容するとともに、画像形成装置に着脱可能なトナー収容容器と、を備え、同じ色のトナーを収容する現像器に対してトナー収容容器が複数配置される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置の内部の構成の概略の一例を示す図である。
【
図2】画像形成ユニットの内部構成を示す平面図である。
【
図4】
図3のB-B線の断面の一部を示す図である。
【
図7】本実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【
図8】本実施の形態における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【
図9】供給制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】トナーホッパ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1の変形例における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
【
図12】第1の変形例における供給制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2の変形例における画像形成ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について、図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置の内部の構成の概略の一例を示す図である。
図1においては、本発明の説明に必要とされる部材を記載しており、本発明の画像形成装置は
図1に示す例に限定されない。
図1を参照して、画像形成装置1は、画像形成部11と、給紙装置13と、巻取装置15と、を備える。給紙装置13は、画像形成部11の前段に配置され、巻取装置15は、画像形成部11の後段に配置される。給紙装置13は、ロール紙Rを画像形成部11に
図1中に矢印で示す搬送方向に送り出す。巻取装置15は、画像形成部11により画像が形成されたロール紙Rを巻き取る。巻取装置15によって巻き取られたロール紙Rは、後処理機(図示略)によって、処理される。後処理機は、例えば、ロール紙Rに形成されたラベル画像やパッケージ画像などを型抜きする。
【0013】
画像形成部11は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトにそれぞれ対応する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wを含む。ここで、“Y”、“M”、“C”、“K”および“W”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wのすべてが駆動されると、フルカラーの画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wには、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトの印字用データがそれぞれ入力される。
【0014】
画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wは、取扱うトナーの色彩が異なるが、その構成及び機能は同じなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。なお、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wそれぞれが有する部材を区別するために、各部材に数字の後に英文字Y,M,C,K,Wを付した符号を付して示す。符号に含まれる数字が同一の複数の部材は同一の部材である。
【0015】
画像形成ユニット20Yは、現像器21Yと、像担持体である感光体ドラム22Yと、帯電ローラ23Yと、露光装置24Yと、1次転写ローラ26Yと、トナーボトル30Yが着脱可能な第1ボトル収納部40Yと、トナーボトル30Yが着脱可能な第2ボトル収納部50Yと、を含む。トナーボトル30Yは、トナー収容容器の一例である。
【0016】
現像器21Yは、現像ローラ25Yを含む。現像ローラ25Yは、マグネットローラが内蔵されており、現像器21Yに収納された帯電したトナーを磁力の作用で保持する。感光体ドラム22Yは、円筒形状を有し、感光体ドラム22Yの周辺に、帯電ローラ23Y、露光装置24Y、現像ローラ25Y、1次転写ローラ26Yが、感光体ドラム22Yの回転方向に沿って順に配置される。
【0017】
現像器21Yには、キャリアとトナーとからなる現像剤が収納される。現像器21Yの現像剤が収納される空間にトナー濃度センサSEYが配置される。トナー濃度センサSEYは、現像剤のトナー濃度を検出する。トナー濃度は、トナーとキャリアの比率である。トナー濃度センサSEYは、透磁率を計測するセンサを用いることができる。この場合、し後述するCPU111(
図7参照)が、HDD115(
図7参照)に記憶された透磁率とトナー濃度との関係を用いて、透磁率に基づいてトナー濃度を算出する。
【0018】
感光体ドラム22Yは、その表面が帯電ローラ23Yによって帯電された後、露光装置24Yが出射するレーザー光が照射される。露光装置24Yは、感光体ドラム22Yの表面の画像対応部を露光して静電潜像を形成する。これにより、感光体ドラム22Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器21Yが、感光体ドラム22Yに形成された静電潜像をトナーで現像する。具体的には、感光体ドラム22Yに形成された静電潜像上に現像ローラ25Yが保持するトナーが電界力の作用で載せられることにより、トナー像が感光体ドラム22Yに形成される。感光体ドラム22Y上に形成されたトナー像は、像担持体である中間転写ベルト29上に1次転写ローラ26Yにより電界力の作用で転写される。
【0019】
中間転写ベルト29は、駆動ローラR1と従動ローラR2とにより弛まないように懸架されている。駆動ローラR1が
図1中で時計回りに回転すると、中間転写ベルト29が所定の速度で図中時計回りに回転する。中間転写ベルト29の回転に伴って、従動ローラR2が、時計回りに回転する。
【0020】
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wが、この順に中間転写ベルト29上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wそれぞれが、中間転写ベルト29上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト29に付された基準マークを検出することにより、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトのトナー像が中間転写ベルト29上に重畳される。
【0021】
中間転写ベルト29に形成されたトナー像は、2次転写ローラR3によって電界力の作用でロール紙Rに転写される。トナー像が転写されたロール紙Rは、定着ローラ対R4に搬送され、加熱および加圧される。これにより、トナーが溶かされてロール紙Rに定着する。
【0022】
画像形成装置1は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K,20Wのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20K、20Wの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。
【0023】
図2は、画像形成ユニットの内部構成を示す平面図である。
図3は、
図2のA-A線断面図である。
図4は、
図3のB-B線の断面の一部を示す図である。
図2~
図4においては、画像形成ユニット20Yの内部構成を説明するために、一部の部材が省略されている。以下、説明のために、ロール紙Rの搬送方向に直交する方向を前後方向という。また、背面から正面に向かう方向を前方といい、正面から背面に向かう方向を後方という。
【0024】
図2~
図4を参照して、画像形成ユニット20Yは、第1ボトル収納部40Y、第2ボトル収納部50Yおよびトナーホッパ60Yは、トナーが搬送される経路上に配置される。トナーが搬送される経路は、ロール紙Rの搬送方向と同じ方向である。第1ボトル収納部40Y、が最も上流に配置され、第2ボトル収納部50Yが第1ボトル収納部40Yの下流側に配置され、第2ボトル収納部50Yの下流にトナーホッパ60Yが配置される。トナーホッパ60Yは、現像器21Yの直前に配置される。
【0025】
第1ボトル収納部40Yは、トナーホッパ60Yと第1搬送経路70Yにより接続される。第2ボトル収納部50Yは、トナーホッパ60Yと第2搬送経路80Yにより接続される。トナーホッパ60Yは、現像器21Yの上方に配置される。
【0026】
トナーボトル30Yは、胴体部31Y、テーパ部32Yおよび被把持部33Yを含む。胴体部31Yは、略円筒状に延び、一端に底部34Yを有する。テーパ部32Yは胴体部31Yの他端部から被把持部33Yに向かって漸次径小となるように延びる。被把持部33Yは、テーパ部32Yの先端から円筒状に延び、一端に天井部35Yを有する。天井部35Yには、嵌合溝36Yが形成されている。被把持部33Yの円筒状に延びる部分には、外部に開放する開口38Yが形成されている。
【0027】
トナーボトル30Yの軸心を中心線CLと呼び、中心線CLと直交する方向を径方向と呼ぶ。本例において、トナーボトル30Yは、中心線CLが水平となる状態で、第1ボトル収納部40Yおよび第2ボトル収納部50Yのいずれかに装着される。トナーボトル30Yは、中心線CLを中心に底部34Yから天井部35Yに向かって延びる内周面を有する。トナーボトル30Yは、底部34Yから開口38Yにかけて、内周面から内方に突出しかつ中心線CLを中心に螺旋状に延びる凸部37Yを有する。
【0028】
第1ボトル収納部40Yおよび第2ボトル収納部50Yそれぞれは、同一種類のトナーボトル30Yを収容可能である。第1ボトル収納部40Yに収容可能なトナーボトル30Yと、第2ボトル収納部50Yに収容可能なトナーボトル30Yとは、同じ色のトナーを収容する。
【0029】
第1ボトル収納部40Yに収容されるトナーボトル30Yが収容可能な第1のトナー容量と、第2ボトル収納部50Yに収容されるトナーボトル30Yが収容可能な第2のトナー容量とは、本実施の形態においては同じである。なお、第1のトナー容量と第2のトナー容量とは異なってもよい。トナー容量は、トナーの重量で示される。
【0030】
また、第1のトナー容量と第2のトナー容量との合計は、現像器21Yにおいて、所定の印字率で連続して1000m以上のロール紙Rに印字可能なトナー容量である。さらに、第1のトナー容量および第2のトナー容量の合計は、3000m以上連続紙に印字可能なトナー容量であることが好ましい。印字率は、単位面積当たりにトナー像が形成される面積の割合である。ロール紙Rは、幅が異なる複数種類が存在する場合には、最大幅のロール紙Rを基準に、第1のトナー容量および第2のトナー容量が決定される。印字率から単位面積当たりに消費されるトナー消費量が算出できるので、ロール紙Rの幅とロール紙Rの長さとから定まる面積と、単位面積当たりのトナー消費量とから、第1のトナー容量および第2のトナー容量が求められる。所定の印字率は、15%が好ましい。このため、第1ボトル収納部40Yに収容可能なトナーボトル30Yと、第2ボトル収納部50Yに収容可能なトナーボトル30Yで十分な長さのロール紙Rに画像を形成することができる。
【0031】
第1ボトル収納部40Yおよび第2ボトル収納部50Yは、基本的に同一の構造を有する。ここでは、第1ボトル収納部40Yを例に説明する。
【0032】
第1ボトル収納部40Yは、一方向に角筒状に延び、長手方向が水平かつ前後方向と平行な状態で画像形成部11の筐体に固定される。第1ボトル収納部40Yは、トナーボトル30Yを収納可能な内部空間を有する。第1ボトル収納部40Yは、前方側の側面に内部空間を外部に開放する開口を有する。
【0033】
第1ボトル収納部40Yは、ボトル回転機構41Yを含む。ボトル回転機構41Yは、ボトルモータ42Yと、把持部材43Yと、ガイド部材44Yと、を含む。ガイド部材44Yは、一端が第1ボトル収納部40Yの後方の側壁に固定され、第1ボトル収納部40Yの内部空間において側壁から円筒状に水平方向に延びる。ガイド部材44Yは、他端側はガイド部材44Yの内部空間を外部に開放する開口が形成されている。また、ガイド部材44Yは、ガイド部材44Yの内部空間を下方に開放する開口45Yが形成されている。
【0034】
ボトルモータ42Yは、ガイド部材44Yの内部空間で、第1ボトル収納部40Yの後方の側壁に固定される。ボトルモータ42Yの回転軸の先端に把持部材43Yが接続される。把持部材43Yの前方側の面に嵌合爪が形成されている。
【0035】
トナーボトル30Yは、第1ボトル収納部40Yに着脱可能である。トナーボトル30Yは、水平の状態で、第1ボトル収納部40Yの前方の開口から第1ボトル収納部40Yの内部空間に向けて挿入される。トナーボトル30Yの天井部35Yが第1ボトル収納部40Yの内部空間を後方に向かって進入する。トナーボトル30Yがさらに進入すると、天井部35Yがガイド部材44Yの内部空間に進入し、トナーボトル30Yの天井部35Yに形成された嵌合溝36Yに、把持部材43Yに形成された嵌合爪が嵌まり込む。
【0036】
嵌合溝36Yに把持部材43Yに形成された嵌合爪が嵌まり込んだ状態で、ボトルモータ42Yの回転力がトナーボトル30Yに伝達される。したがって、ボトルモータ42Yによりトナーボトル30Yが回転される。ガイド部材44Yの内径は、トナーボトル30Yの被把持部33Yの外径と同じかやや大きく設定されている。これにより、トナーボトル30Yがガイド部材44Yの内周面で摺動しつつ回転するので、トナーボトル30Yをその中心線CL周りに円滑に回転させることができる。
【0037】
また、ガイド部材44Yに形成された開口45Yとトナーボトル30Yの被把持部33Yに形成された開口38Yとは、嵌合溝36Yに把持部材43Yに形成された嵌合爪が嵌まり込んだ状態で、第1ボトル収納部40Yの後方の側壁からの水平方向の距離が同じになるようにそれぞれの位置が定められる。したがって、トナーボトル30Yが1回転する間に、開口38Yと開口45Yとが、平面視で重なる時間が存在する。
【0038】
第1搬送経路70Yは、一端が第1ボトル収納部40Yの内部であってトナーボトル30Yの下方に位置し、他端がトナーホッパ60Yの上方に位置する。第1搬送経路70Yは、第1筒状部材71Yと、第2筒状部材76Yとを有する。
【0039】
第1筒状部材71Yは、一方向に筒状に延びる形状を有し、両端のうち一端がガイド部材44Yの下方に配置され、他端が第2筒状部材76Yの一端と接続される。第1筒状部材71Yと第2筒状部材76Yとが接続される部分で、第1筒状部材71Yが第2筒状部材76Yよりも上方に位置する。
【0040】
第1筒状部材71Yは、内部に一方向に延びる第1搬送スクリュー72Yを収容する。第1搬送スクリュー72Yは、一方向に延びる回転軸と、その回転軸の軸心を中心に一端から他端に螺旋状に延びる凸部である羽と、を含む。第1搬送スクリュー72Yは、その軸心が第1筒状部材71Yの軸心と重なる位置で第1筒状部材71Yの内部空間に回転可能に収納される。第1搬送スクリュー72Yの外径は、第1筒状部材71Yの内径と同じかやや小さい。第1搬送スクリュー72Yは、第1搬送モータ73Yと歯車を介して接続され、第1搬送モータ73Yの回転力が第1搬送スクリュー72Yに伝達される。第1搬送モータ73Yは、DCモータである。このため、第1搬送モータ73Yのコストを低くできる。
【0041】
第1筒状部材71Yは、第1ボトル収納部40Yのガイド部材44Yに形成された開口45Yに対向する下方の位置に、内部空間を上方に開放する開口として第1受入口74Yが形成されている。このため、開口45Yと第1受入口74Yとは、平面視で重なる。ガイド部材44Yに形成された開口45Yと第1筒状部材71Yに形成された第1受入口74Yとの間には間隙が形成される。また、第1筒状部材71Yは、第1受入口74Yが形成される端部とは反対側の端部に、内部空間を下方に開放する開口である第1供給口75Yが形成される。第1搬送スクリュー72Yは、第1受入口74Yの下方の位置から第1供給口75Yの上方の位置まで延びる。
【0042】
第2筒状部材76Yは、一方向に筒状に延びる形状を有し、一端が第1筒状部材71Yの他端と接続され、他端が合流部85Yに接続される。第2筒状部材76Yは、内部に一方向に延びる第2搬送スクリュー77Yを収容する。第2搬送スクリュー77Yは、一方向に延びる回転軸と、その回転軸の軸心を中心に一端から他端に螺旋状に延びる凸部である羽と、を含む。第2搬送スクリュー77Yは、その軸心が第2筒状部材76Yの軸心と重なる位置で第2筒状部材76Yの内部空間に回転可能に収納される。第2搬送スクリュー77Yの外径は、第2筒状部材76Yの内径と同じかやや小さい。第2搬送スクリュー77Yは、第2搬送モータ78Yと歯車を介して接続され、第2搬送モータ78Yの回転力が第2搬送スクリュー77Yに伝達される。第2搬送モータ78Yは、DCモータである。このため、第2搬送モータ78Yのコストを低くできる。
【0043】
第2筒状部材76Yは、第1筒状部材71Yに形成された第1供給口75Yに対向する位置に、内部空間を上方に開放する開口として第2受入口79Yが形成されている。このため、第1供給口75Yと第2受入口79Yとは、平面視で重なる。また、第2筒状部材76Yは、第2受入口79Yが形成される端部とは反対側の端部に、内部空間を下方の空間である合流部85Yに開放する開口が形成される。このため、第2受入口79Yが形成される端部とは反対側の端部に形成された開口により、第2筒状部材76Yの内部空間と合流部85Yとが連通する。第2搬送スクリュー77Yは、第2受入口79Yの下方の位置から合流部85Yの上方の位置まで延びる。また、第1搬送スクリュー72Yは、第2搬送スクリュー77Yよりも上側に位置する。このため、第1搬送スクリュー72Yと第2搬送スクリュー77Yとが干渉しない。
【0044】
第2搬送経路80Yは、一端が第2ボトル収納部50Yの内部であってトナーボトル30Yの下方に位置し、他端がトナーホッパ60Yの上方に位置する。第2搬送経路80Yは、第3筒状部材81Yを有する。
【0045】
第3筒状部材81Yは、一方向に筒状に延びる形状を有し、両端のうち一端が第2ボトル収納部50Yのガイド部材44Yの下方に配置され、他端が合流部85Yと接続される。第3筒状部材81Yが合流部85Yと接続される部分で、第3筒状部材81Yが合流部85Yよりも上方に位置する。
【0046】
第3筒状部材81Yは、内部に一方向に延びる第3搬送スクリュー82Yを収容する。第3搬送スクリュー82Yは、回転軸と、回転軸を中心とする螺旋状の羽とを有する。第3搬送スクリュー82Yは、回転軸が第3搬送モータ83Yに接続される。第3搬送スクリュー82Yは、第3搬送モータ83Yの回転力が伝達され、第3筒状部材81Yの内部で回転する。第3搬送モータ83Yは、DCモータである。このため、第3搬送モータ83Yのコストを低くできる。
【0047】
第3筒状部材81Yは、第2ボトル収納部50Yのガイド部材44Yに形成された開口45Yに対向する下方の位置に、内部空間を上方に開放する開口として第3受入口84Yが形成されている。このため、開口45Yと第3受入口84Yとは、平面視で重なる。ガイド部材44Yに形成された開口45Yと第3筒状部材81Yに形成された第3受入口84Yとの間には間隙が形成される。また、第3筒状部材81Yは、第3受入口84Yが形成される受入端とは反対側の端部に、内部空間を合流部85Yに開放する開口が形成される。このため、第3受入口84Yが形成される端部とは反対側の端部に形成された開口により、第3筒状部材81Yの内部空間と合流部85Yとが連通する。第3搬送スクリュー82Yは、第3受入口84Yの下方の位置から合流部85Yの上方の位置まで延びる。
【0048】
第2搬送スクリュー77Yは、第3搬送スクリュー82Yよりも上側に位置する。このため、第2搬送スクリュー77Yと第3搬送スクリュー82Yとが干渉しない。
【0049】
トナーホッパ60Yは、合流部85Yの下方に配置される。
図5は、トナーホッパの斜視図である。
図6は、トナーホッパの断面図である。
図5および
図6においては、トナーホッパ60Yの内部構成を説明するために、一部の部材が省略されている。
【0050】
図5および
図6を参照して、トナーホッパ60Yは、一方向に長い矩形の形状を有し、トナーを収容する内部空間を有する筐体を有する。筐体には、内部空間を上方に開放する開口65Yが形成されている。内部空間は、開口65Yを介して合流部85Yと連通する。本実施の形態において、トナーホッパ60Yは、長手方向がロール紙Rの搬送方向と平行となるように配置される。トナーホッパ60Yは、供給モータ61Y、供給スクリュー62Y、2つの撹拌部材63Y,64Yおよび2つの撹拌モータ69Yを備える。供給スクリュー62Yは、内部空間の長手方向に平行に延びる回転軸と、その回転軸の軸心を中心に一端から他端に螺旋状に延びる凸部である羽と、を含む。供給スクリュー62Yは、内部空間の底部で、前後方向で略中央に配置される。
【0051】
2つの撹拌部材63Y,64Yそれぞれは、内部空間の長手方向に平行に延びる回転軸と、複数の攪拌板とを含む。複数の攪拌板は、回転軸方向に分散して配置され、回転軸から垂直に板状に延びる。複数の攪拌板は、複数の穴が形成されている。
【0052】
2つの撹拌部材63Y,64Yそれぞれは、回転軸が供給スクリュー62Yの回転軸と平行となる位置で供給スクリュー62Yより上方に配置される。2つの撹拌部材63Y,64Yは、平面視で供給スクリュー62Yを挟んで配置される。
【0053】
トナーホッパ60Yの筐体は、底部の内面が、3つの円柱の側面の一部を平行に配置した形状を有する。トナーホッパ60Yの筐体は、ロール紙Rの搬送方向に垂直な面における断面において、底部の内面が供給スクリュー62Yの回転軸を中心にした円の一部と、2つの撹拌部材63Y,64Yそれぞれの回転軸を中心にした円の一部とで構成される。
【0054】
トナーホッパ60Yの筐体の底部において、開口65Yとロール紙Rの搬送方向で反対側の端部に内部空間を下方に開放する排出口68Yが形成されている。排出口68Yは、平面視で供給スクリュー62Yの一部と重なる。
【0055】
図3に示すように現像器21Yは、内部空間を外部に開放する開口である受入口211Yが形成されている。排出口68Yは、平面視で現像器21Yに形成された受入口211Yと重なる。排出口68Yの下方で受入口211Yとの間に空隙が形成される。
【0056】
供給スクリュー62Yは、供給モータ61Yと歯車を介して接続され、供給モータ61Yの回転力が供給スクリュー62Yに伝達される。供給モータ61Yは、ステッピングモータである。2つの撹拌部材63Y,64Yそれぞれは、撹拌モータ69Yと歯車を介して接続され、撹拌モータ69Yの回転力が撹拌部材63Y,64Yに伝達される。撹拌モータ69Yは、DCモータである。このため、撹拌モータ69Yのコストを低くできる。2つの撹拌部材63Y,64Yは、互いに異なる方向に回転する。
【0057】
トナーホッパ60Yは、内部空間に第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yを有する。第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yは、トナーホッパ60Yの筐体の底部から所定の高さの位置で筐体の側面に固定される。第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yは、ロール紙Rの搬送方向に所定の間隔を隔てて並んで配置される。第1トナーセンサ66Yは第2トナーセンサ67Yよりも開口65Yまでの距離が短く、第2トナーセンサ67Yは第1トナーセンサ66Yよりも排出口86Yまでの距離が短い。
【0058】
第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yそれぞれは、トナーを検出するとON信号をCPU111(
図7参照)に出力し、トナーを検出していない間はOFF信号をCPU111に出力する。第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yは、例えば、圧電素子である。
【0059】
図4を参照して、第1ボトル収納部40Yにおいて、ボトル回転機構41Yによりトナーボトル30Yが回転されると、トナーボトル30Y内のトナーは、トナーボトル30Yの内周面に形成された凸部37Yによって後方に向けて搬送される。被把持部33Yに到達したトナーの一部は、被把持部33Yに形成された開口38Yから外部に排出される。開口38Yから排出されるトナーは、ガイド部材44Yに形成された開口45Y、間隙および第1筒状部材71Yに形成された第1受入口74Yを介して第1筒状部材71Yの内部空間に落下する。
【0060】
第1搬送経路70Yは、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yから供給されるトナーをトナーホッパ60Yに搬送する。
図3を参照して、第1搬送スクリュー72Yは、第1受入口74Yの下方の位置から第1供給口75Yの上方の位置まで延びる。第1搬送モータ73Yによって第1搬送スクリュー72Yが回転すると、第1筒状部材71Yに形成された第1受入口74Yから受け入れられたトナーは、第1筒状部材71Yの内部空間を、第1筒状部材71Yの第1受入口74Yの下方の位置から第1供給口75Yの上方の位置に向かう方向に搬送され、第1供給口75Yから落下する。
【0061】
第2搬送スクリュー77Yは、第2受入口79Yの下方の位置から合流部85Yの上方の位置まで延びる。第2搬送モータ78Yによって第2搬送スクリュー77Yが回転すると、第2筒状部材76Yに形成された第2受入口79Yから受け入れられたトナーは、第2筒状部材76Yの内部空間を、第2筒状部材76Yの第2受入口79Yの下方の位置から合流部85Yの上方の位置に向かう方向に搬送され、合流部85Yに落下する。
【0062】
第2ボトル収納部50Yにおいて、ボトル回転機構41Yによりトナーボトル30Yが回転されると、トナーボトル30Y内のトナーは、トナーボトル30Yの内周面に形成された凸部37Yによって後方に向けて搬送される。被把持部33Yに到達したトナーの一部は、被把持部33Yに形成された開口38Yから外部に排出される。開口38Yから排出されるトナーは、ガイド部材44Yに形成された開口45Y、間隙および第3筒状部材81Yに形成された第3受入口84Yを介して第3筒状部材81Yの内部空間に落下する。
【0063】
第2搬送経路80Yは、第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yから供給されるトナーをトナーホッパ60Yに搬送する。第3搬送スクリュー82Yは、第3受入口84Yの下方の位置から合流部85Yの上方の位置まで延びる。第3搬送モータ83Yによって第3搬送スクリュー82Yが回転すると、第3筒状部材81Yに形成された第3受入口84Yから受け入れられたトナーは、第3筒状部材81Yの内部空間を、第3筒状部材81Yの第3受入口84Yの下方の位置から合流部85Yの上方の位置に向かう方向に搬送され、合流部85Yに落下する。
【0064】
第2筒状部材76Yまたは第3筒状部材81Yから合流部85Yに落下するトナーは、トナーホッパ60Yの開口65Yから内部空間に落下する。トナーホッパ60Yは、筐体の内部空間にトナーを収容する。トナーホッパ60Yの内部空間に収容されたトナーは、撹拌モータ69Yによって2つの撹拌部材63Y,64Yが回転すると、2つの撹拌部材63Y,64Yによって攪拌される。供給モータ61Yによって供給スクリュー62Yが回転されると、トナーホッパ60Yの内部空間に収容されたトナーのうち内部空間の底部近傍のトナーが供給スクリュー62Yによってロール紙Rの搬送方向に搬送され、排出口68Yから現像器21Yに落下する。
【0065】
排出口68Yから排出されるトナーは、空隙を介して受入口211Yから現像器21Yの内部空間に進入する。排出口68Yと受入口211Yとの間の空隙は、トナー搬送路である。
【0066】
供給モータ61Yは、ステッピングモータである。このため、供給モータ61Yの回転量を制御することにより供給スクリュー62Yの回転量を調整できるので、現像器21Yに単位時間に落下するトナーの量を調整できる。
【0067】
図7は、本実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図7を参照して、画像形成装置1は、メイン回路110と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル17とを含む。メイン回路110および操作パネル17は、画像形成部11に設置される。
【0068】
メイン回路110は、画像形成装置1の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、画像形成部11、給紙装置13、巻取装置15および操作パネル17と接続され、画像形成装置1の全体を制御する。
【0069】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0070】
操作パネル17は、画像形成部11の筐体の上部に設けられる。操作パネル17は、表示部18と操作部19とを含む。表示部18は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
【0071】
操作部19は、タッチパネルと、ハードキーとを含む。タッチパネルは、表示部18の表示面に重畳して配置され、表示部18の表示面中でユーザーにより指示された位置を検出する。ハードキーは、例えば接点スイッチである。
【0072】
通信I/F部112は、画像形成装置1をネットワークに接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターまたはデータ処理装置と通信する。通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。また、ネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0073】
外部記憶装置118は、CPU111により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)118A、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置118を制御して、CD-ROM118AからCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114に記憶し、実行してもよい。
【0074】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行してもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0075】
図8は、本実施の形態における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図8に示す機能は、画像形成装置1が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された装置調整プログラムを実行することにより、CPU111で実現される機能である。
図4を参照して、CPU111は、第1搬送制御部140と、第2搬送制御部150と、トナーホッパ制御部160、を含む。
【0076】
トナーホッパ制御部160は、トナーホッパ60Yを制御する。トナーホッパ制御部160は、現像器21Yが備えるトナー濃度センサSEYの出力値に基づいて、トナー濃度を検出する。トナーホッパ制御部160は、トナー濃度が閾値THを下回ることに応じて、トナーホッパ60Yが備える供給モータ61Yおよび撹拌モータ69Yを駆動し、トナー濃度が閾値TH以上になると供給モータ61Yおよび撹拌モータ69Yを停止させる。供給モータ61Yが駆動されている間、供給スクリュー62Yが回転するのでトナーホッパ60Yから現像器21Yにトナーが供給される。トナー濃度が閾値TH以上の間は供給モータ61Yが回転しないので、現像器21Yにトナーが供給されない。このため、現像器21Yに収容される現像剤のトナー濃度が閾値TH以下に保たれる。
【0077】
ここで、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態について説明する。
図6を参照して、供給スクリュー62Yの回転によりトナーは、開口65Yの下方の位置から排出口68Yの上方の位置に向かって搬送される。第1トナーセンサ66Yは第2トナーセンサ67Yよりも上流側に配置される。開口65Yからトナーが受け入れられていない状態で、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態について説明する。ここで、第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yそれぞれの近傍にトナーが存在する第1状態を定義する。第1状態において供給スクリュー62Yが回転することにより第1トナーセンサ66Yの近傍に存在するトナーは排出口68Yに向かって搬送される。このため、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態は、第2トナーセンサ67Y近傍にトナーが存在するが、第1トナーセンサ66Yの近傍にトナーが存在しい第2状態になる。第2状態において開口65Yからトナーが受け入れられることなく供給スクリュー62Yが回転すると、第2トナーセンサ67Y近傍に存在していたトナーは排出口68Yから落下する。このため、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態は、第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yのいずれの近傍にもトナーが存在しない第3状態となる。一方、第2状態において、開口65Yからトナーが受け入れられると、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態は、第1状態となる。
【0078】
トナーホッパ制御部160は、第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yのそれぞれの出力値に基づいて、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態を検出する。具体的には、トナーホッパ制御部160は、第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yそれぞれの出力値がON信号ならば第1状態を検出し、第1トナーセンサ66Yの出力値がOFF信号で第2トナーセンサ67Yの出力値がON信号ならば第2状態を検出し、第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yそれぞれの出力値がOFF信号ならば第3状態を検出する。トナーホッパ制御部160は、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態を、第1搬送制御部140および第2搬送制御部150に出力する。
【0079】
第1搬送制御部140は、第1ボトル収納部40Yおよび第1搬送経路70Yを制御する。第2搬送制御部150は、第2ボトル収納部50Yおよび第2搬送経路80Yを制御する。第1搬送制御部140および第2搬送制御部150は、第1ボトル収納部40Yおよび第2ボトル収納部50Yにそれぞれ装着されるトナーボトル30Yのいずれか一方からトナーホッパ60Yへトナーが供給されるように制御し、一方のトナーボトル30Yの残量が所定量以下になると他方のトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yへトナーが供給されるように制御する。所定量は、0より大きな値であり、予め定められた値としてHDD115に記憶されている。
【0080】
第1搬送制御部140は、第1駆動制御部141と、第1残量検出部143と、第1残量通知部145と、第1残量通知受信部147と、を含む。第2搬送制御部150は、第1搬送制御部140と制御する対象が異なるが、同様の機能を有する。第2搬送制御部150は、第2駆動制御部151と、第2残量検出部153と、第2残量通知部155と、第2残量通知受信部157と、を含む。第2駆動制御部151が第1駆動制御部141に対応し、第2残量検出部153が第1残量検出部143に対応し、第2残量通知部155が第1残量通知部145に対応し、第2残量通知受信部157が第1残量通知受信部147に対応する。
【0081】
第1駆動制御部141は、トナーホッパ制御部160から入力されるトナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態の間、第1駆動制御部141は、予め定められたトナー搬送量である通常トナー搬送量でトナーをトナーホッパ60Yに供給する。トナー搬送量は、単位時間当たりに搬送されるトナーの量である。具体的には、第1駆動制御部141は、第1ボトル収納部40Yのボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yを、通常トナー搬送量にそれぞれ対応する回転速度で回転させる。
【0082】
ボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yが駆動されている間、トナーボトル30Y、第1搬送スクリュー72Yおよび第2搬送スクリュー77Yが回転するので第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに通常トナー搬送量で供給される。
【0083】
第1駆動制御部141は、トナーホッパ制御部160から入力されるトナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態から第1状態に切り換わると、第1ボトル収納部40Yのボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yを停止させる。トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第1状態の間は、トナーボトル30Y、第1搬送スクリュー72Yおよび第2搬送スクリュー77Yが回転しないので、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されない。
【0084】
第1残量検出部143は、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーの残量を検出する。第1残量検出部143は、第1駆動制御部141からボトルモータ42Yの累積回転数を取得し、トナーボトル30Yの累積回転数を算出する。トナーボトル30Yに収容されるトナーの消費量と、トナーボトル30Yの累積回転数とは比例する。第1残量検出部143は、トナーボトル30Yの累積回転数からトナーの消費量を検出し、トナーボトル30Yの収容容量と消費量とから残量を検出する。トナーボトル30Yの収容容量は、使用前のトナーが満杯の状態のトナーボトル30Yに収容されるトナーの量を示し、HDD115に予め記憶されている。第1残量検出部143は、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに対して検出したトナー残量を第1残量通知部145に出力する。
【0085】
第1残量通知部145は、第1残量検出部143から入力されるトナー残量が予め定められた下限値以下になると、第2搬送制御部150が備える第2残量通知受信部157に第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yのトナー残量を通知する。
【0086】
第2残量通知受信部157は、第1残量通知部145から第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yのトナー残量の通知を受けることに応じて、第2駆動制御部151に駆動指示を出力する。
【0087】
第2駆動制御部151は、第2残量通知受信部157から駆動指示が入力されることに応じて、トナーホッパ制御部160から入力されるトナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態の間、トナーをトナーホッパ60Yに供給する。具体的には、第2駆動制御部151は、第2ボトル収納部50Yのボトルモータ42Yおよび第3搬送モータ83Yを駆動させる。ボトルモータ42Yおよび第3搬送モータ83Yが駆動されている間、トナーボトル30Y、第3搬送スクリュー82Yが回転するので第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給される。
【0088】
第2駆動制御部151は、第2残量通知受信部157から駆動指示が入力された段階では、初期トナー搬送量でトナーをトナーホッパ60Yに供給を開始し、トナー搬送量が通常トナー搬送量になるまで時間の経過とともに徐々に上昇させる。初期トナー搬送量は、第1駆動制御部141および第2駆動制御部151がトナーの供給を開始する段階のトナー搬送量として予め定められたトナー搬送量である。初期トナー搬送量は、通常トナー搬送量よりも小さな値であり、HDD115に予め記憶されている。
【0089】
第2駆動制御部151は、ボトルモータ42Yおよび第3搬送モータ83Yを、初期トナー搬送量にそれぞれ対応する回転速度で回転させ、通常トナー搬送量にそれぞれ対応する回転速度になるまで時間の経過とともに回転速度を徐々に上昇させる。
【0090】
第2駆動制御部151が第2残量通知受信部157から駆動指示が入力される段階においては、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーの残量が下限値以下である。このため、トナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されるトナー搬送量が徐々に少なくなる。このため第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されるトナーのトナー搬送量と、第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されるトナーのトナー搬送量との和を可能な限り一定にすることができる。
【0091】
第2駆動制御部151は、トナーホッパ制御部160から入力されるトナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態から第1状態に切り換わると、第2ボトル収納部50Yのボトルモータ42Yおよび第3搬送モータ83Yを停止させる。トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第1状態の間は、トナーボトル30Yおよび第3搬送スクリュー82Yが回転しないので、第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されない。
【0092】
第2残量検出部153は、第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーの残量を検出する。第2残量検出部153は、第2駆動制御部151からボトルモータ42Yの累積回転数を取得し、トナーボトル30Yの累積回転数を算出する。第2残量検出部153は、トナーボトル30Yの累積回転数からトナーの消費量を検出し、トナーボトル30Yの収容容量と消費量とから残量を検出する。第2残量検出部153は、第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yに対して検出したトナー残量を第2残量通知部155に出力する。
【0093】
第2残量通知部155は、第2残量検出部153から入力されるトナー残量が予め定められた下限値以下になると、第1搬送制御部140が備える第1残量通知受信部147に第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yのトナー残量を通知する。
【0094】
第1残量通知受信部147は、第2残量通知部155から第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yのトナー残量の通知を受けることに応じて、第1駆動制御部141に駆動指示を出力する。
【0095】
第1駆動制御部141は、第1残量通知受信部147から駆動指示が入力されることに応じて、上述した第2駆動制御部151が第2残量通知受信部157から駆動指示が入力される場合の動作と同様に動作する。
【0096】
図9は、供給制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。供給制御処理は、画像形成装置1が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された供給制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。供給制御処理は、CPU111が、第1ボトル収納部40Yおよび第1搬送経路70Yを制御する第1処理、または、第2ボトル収納部50Yおよび第2搬送経路80Yを制御する第2処理を示す。CPU111は、第1処理および第2処理を並列で実行する。第1処理および第2処理は、制御対象が異なるのみで、処理の内容は同じなので、ここでは、第1処理を例に説明する。
【0097】
CPU111は、残量通知を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。CPU111が第1処理を実行するタスクが、CPU111が第2処理を実行するタスクから残量通知が入力されるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、残量通知が入力されたならば処理はステップS02に進む。
【0098】
ステップS02においては、トナー搬送量として初期トナー搬送量が設定され、処理はステップS03に進む。ステップS03においては、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態か否かが判断される。第1トナーセンサ66Yの出力がON信号からOFF信号に切り換わると第2状態を検出する。第2状態が検出されるまで待機状態となり(ステップS03でNO)、第2状態が検出されると(ステップS03でYES)、処理はステップS04に進む。
【0099】
ステップS04においては、トナーホッパ60Yに設定されたトナー搬送量でトナーが供給される。具体的には、第1ボトル収納部40Yのボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yが、トナー搬送量に対応する回転速度で回転する。ボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yそれぞれの回転速度は、処理がステップS02から進む場合は、初期トナー搬送量に対応する回転速度であり、処理がステップS07から進む場合は、初期トナー搬送量から増加したトナー搬送量に対応する回転速度であり、処理がステップS12から進む場合は、通常トナー搬送量に対応する回転速度である。
【0100】
ステップS05においては、トナー搬送量が変更された後にトナーホッパ60Yへトナーが供給される累積時間が所定時間を経過したか否かが判断される。累積時間が所定時間以上ならば処理はステップS06に進むが、そうでなければ処理はステップS08に進む。ステップS06においては、トナー搬送量が通常トナー搬送量Tvより小さいか否かが判断さえる。トナー搬送量が通常トナー搬送量Tvより小さいならば処理はステップS07に進むが、そうでなければ処理はステップS08に進む。
【0101】
ステップS07においては、CPU111は、トナー搬送量を所定量だけ増加させ、処理をステップS08に進める。処理がステップS07に進む場合は、ステップS02において、トナー搬送量に初期トナー搬送量が設定された後であり、ステップS06においてトナー搬送量が通常トナー搬送量より小さいと判断される場合である。ステップS07においては、トナー搬送量が変更されてからトナーホッパ60Yへトナーが供給される累積時間が所定時間を経過するごとに、トナー搬送量が所定量だけ増加する。所定量は、実験等することにより予め定められた値である。第2ボトル収納部50Yに装着されるトナーボトル30Yの残量が閾値Tr以下の状態なので、所定量は、トナー残量が閾値Tr以下の状態のトナーボトル30Yから供給されるトナーのトナー搬送量が減少する減少量に応じて定められる。
【0102】
ステップS08においては、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第1状態か否かが判断される。第1トナーセンサ66Yの出力がOFF信号からON信号に切り換わると第1状態を検出する。第1状態が検出されると処理はステップS09に進むが、そうでなければ処理はステップS10に進む。
【0103】
ステップS09においては、CPU111は、トナーホッパ60Yへのトナー供給を停止時し、処理をステップS03に戻す。具体的には、第1ボトル収納部40Yのボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yを停止させる。
【0104】
ステップS10においては、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されたトナーの残量が閾値Trと比較される。トナー残量が閾値Tr以下ならば処理はステップS11に進むが、そうでなければ処理はステップS13に進む。
【0105】
ステップS11においては、トナー残量が通知され、処理はステップS12に進む。CPU111が第1処理を実行するタスクから第2処理を実行するタスクに、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されたトナーの残量が通知される。ステップS12においては、トナー搬送量に通常トナー搬送量が設定され、処理はステップS03に戻る。
【0106】
ステップS13においては、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yが交換されたか否かが判断される。トナーボトル30Yが交換されたならば処理は終了するが、そうでなければ処理はステップS05に戻る。
【0107】
図10は、トナーホッパ制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。トナーホッパ制御処理は、画像形成装置1が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD-ROM118Aに記憶された供給制御プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
図10を参照して、CPU111は、トナー濃度を閾値THと比較する(ステップS21)。トナー濃度センサSEYの出力値に基づいてトナー濃度が検出される。トナー濃度が閾値TH以上ならば待機状態となり(ステップS21でNO)、トナー濃度が閾値THより小さいならば(ステップS21でYES)、処理はステップS22に進む。トナー濃度が閾値THより小さい場合、現像器21Yに収納されるトナーの量が、目標とするトナー量よりも少ない。
【0108】
ステップS22においては、供給モータ61Yおよび撹拌モータ69Yが駆動され、処理はステップS23に進む。これにより、供給スクリュー62Yが回転するのでトナーホッパ60Yからトナーが現像器21Yに供給される。
【0109】
ステップS23においては、トナー濃度が閾値THと比較される。トナー濃度が閾値THより小さければ処理はステップS25に進み、トナー濃度が閾値TH以上ならば処理はステップS24に進む。トナー濃度が閾値THより小さい間は、供給モータ61Yおよび撹拌モータ69Yが継続して駆動する。
【0110】
ステップS24においては、供給モータ61Yおよび撹拌モータ69Yが停止され、処理は終了する。これにより、供給スクリュー62Yが回転しなくなるのでトナーホッパ60Yからトナーが現像器21Yに供給されなくなる。このため、現像器21Yに収納される現像剤のトナー濃度が所定の範囲内に保たれる。
【0111】
ステップS25においては、トナー濃度が閾値THより小さいと判断されてから所定時間が経過したか否かが判断される。所定時間経過したならば処理はステップS26に進むが、そうでなければ処理はステップS23に戻る。ステップS26においては、CPU111は、画像形成部11の駆動を停止し、処理を終了する。トナー濃度が閾値THより小さいと判断されてから所定時間が経過する場合は、トナーホッパ60Yに第1ボトル収納部40Yおよび第2ボトル収納部50Yのいずれからもトナーが供給されない場合である。この場合は、第1ボトル収納部40Yおよび第2ボトル収納部50Yそれぞれにトナーボトル30Yが装着されていないか、装着されたトナーボトル30Yにトナーが収容されていない状態に相当するので、画像形成部11を停止して、現像器21Yにトナーが存在しない状態で画像形成動作が実行されないようにする。
【0112】
<第1の変形例>
図11は、第1の変形例における画像形成装置が備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図11に示す機能が
図8に示した機能と異なる点は、第1搬送制御部140および第2搬送制御部150が、第1搬送制御部140Aおよび第2搬送制御部150に変更された点である。トナーホッパ制御部160は
図8に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0113】
第1搬送制御部140Aは、第1ボトル収納部40Yおよび第1搬送経路70Yを制御する。第2搬送制御部150Aは、第2ボトル収納部50Yおよび第2搬送経路80Yを制御する。第1搬送制御部140Aおよび第2搬送制御部150Aは、第1ボトル収納部40Yおよび第2ボトル収納部50Yにそれぞれ装着されるトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yへトナーを同時に並行して供給する。
【0114】
第1搬送制御部140Aは、第1駆動制御部141Aと、第1残量検出部143と、第1速度通知部145Aと、第1速度通知受信部147Aと、を含む。第2搬送制御部150Aは、第1搬送制御部140Aと制御する対象が異なるが、同様の機能を有する。第2搬送制御部150Aは、第2駆動制御部151Aと、第2残量検出部153と、第2速度通知部155Aと、第2速度通知受信部157Aと、を含む。第2駆動制御部151Aが第1駆動制御部141Aに対応し、第2残量検出部153が第1残量検出部143に対応し、第2速度通知部155Aが第1速度通知部145Aに対応し、第2速度通知受信部157Aが第1速度通知受信部147Aに対応する。
【0115】
第1残量検出部143は、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーの残量を検出し、トナー残量を第1駆動制御部141Aに出力する。
【0116】
第1駆動制御部141Aは、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されるトナーのトナー搬送量を決定する。以下、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されるトナーのトナー搬送量を第1トナー搬送量という。第1駆動制御部141Aは、第1残量検出部143から入力されるトナー残量が閾値Tr以下の場合、トナー残量に応じたトナー搬送量を第1トナー搬送量に決定する。第1駆動制御部141は、第1トナー搬送量を、トナー残量が少ないほど大きな値に決定する。第1駆動制御部141Aは、第1残量検出部143から入力されるトナー残量が閾値Trより大きい場合、通常トナー搬送量の1/2のトナー搬送量を第1トナー搬送量に決定する。第1駆動制御部141Aは、第1トナー搬送量を、第1速度通知部145Aに出力する。
【0117】
第1駆動制御部141Aは、トナーホッパ制御部160から入力されるトナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態の間、第1ボトル収納部40Yのボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yを駆動させる。第1駆動制御部141Aは、ボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yを、第1トナー搬送量に対応する回転速度で回転させる。ボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yそれぞれの回転速度は、第1トナー搬送量に比例する。第1駆動制御部141Aは、トナーホッパ制御部160から入力されるトナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態から第1状態に切り換わると、第1ボトル収納部40Yのボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yを停止させる。
【0118】
第1速度通知部145Aは、第1駆動制御部141Aから入力される第1トナー搬送量を第2搬送制御部150が備える第2速度通知受信部157Aに通知する。
【0119】
第2速度通知受信部157Aは、第1速度通知部145Aから第1トナー搬送量の通知を受けることに応じて、第2駆動制御部151Aに第1トナー搬送量を出力する。
【0120】
第2駆動制御部151Aは、第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されるトナーのトナー搬送量を決定する。以下、第2ボトル収納部50Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されるトナーのトナー搬送量を第2トナー搬送量という。
【0121】
第2駆動制御部151Aは、第2速度通知受信部157Aから第1トナー搬送量が入力される場合、第1トナー搬送量に応じたトナー搬送量を第2トナー搬送量に決定する。具体的には、第2駆動制御部151Aは、通常トナー搬送量から第1トナー搬送量を減算した値を第2トナー搬送量に決定する。通常トナー搬送量は、トナーホッパ60Yが単位時間当たりに受け入れ可能なトナーの上限以下の値である。このため、トナーホッパ60Yにおいて、容量オーバーしてトナーが溢れ出す現象の発生を抑制できる。
【0122】
第2駆動制御部151Aは、第2残量検出部153から入力されるトナー残量が閾値Tr以下の場合、トナー残量に応じたトナー搬送量を第2トナー搬送量に決定する。第2駆動制御部151は、第2トナー搬送量を、トナー残量が少ないほど大きな値に決定する。第2駆動制御部151Aは、第2残量検出部153から入力されるトナー残量が閾値Trより大きい場合、通常トナー搬送量の1/2の値を第2トナー搬送量に決定する。
【0123】
第2速度通知部155Aは、第2駆動制御部151Aから入力される第2トナー搬送量を第1搬送制御部140が備える第1速度通知受信部147Aに通知する。第1速度通知受信部147Aは、第2速度通知部155Aから第2トナー搬送量の通知を受けることに応じて、第1駆動制御部141Aに第2トナー搬送量を出力する。
【0124】
第1駆動制御部141Aは、第1速度通知受信部147Aから第2トナー搬送量が入力される場合、第2トナー搬送量に応じたトナー搬送量を第1トナー搬送量に決定する。具体的には、第1駆動制御部141Aは、通常トナー搬送量から第2トナー搬送量を減算した値を第1トナー搬送量に決定する。
【0125】
第2駆動制御部151Aは、トナーホッパ制御部160から入力されるトナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態の間、第2ボトル収納部50Yのボトルモータ42Yおよび第3搬送モータ83Yを駆動させる。第2駆動制御部151Aは、ボトルモータ42Yおよび第3搬送モータ83Yを、第2トナー搬送量に対応する回転速度で回転させる。ボトルモータ42Yおよび第3搬送モータ83Yそれぞれの回転速度は、第2トナー搬送量に比例する。第2駆動制御部151Aは、トナーホッパ制御部160から入力されるトナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態から第1状態に切り換わると、第2ボトル収納部50Yのボトルモータ42Yおよび第3搬送モータ83Yを停止させる。
【0126】
図12は、第1の変形例における供給制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1の変形例における供給制御処理は、CPU111が、第1ボトル収納部40Yおよび第1搬送経路70Yを制御する第1処理、または、第2ボトル収納部50Yおよび第2搬送経路80Yを制御する第2処理を示す。CPU111は、第1処理および第2処理を並列で実行する。第1処理および第2処理は、制御対象が異なるのみで、処理の内容は同じなので、ここでは、第1処理を例に説明する。
【0127】
CPU111は、第2トナー搬送量の通知を受け付けたか否かを判断する(ステップS31)。CPU111が第1処理を実行するタスクが、CPU111が第2処理を実行するタスクから第2トナー搬送量が入力されるまで待機状態となり(ステップS31でNO)、第2供給速度が入力されたならば処理はステップS32に進む。
【0128】
ステップS32においては、第1トナー搬送量が決定され、処理はステップS34に進む。ステップS31において受信された第2トナー搬送量に対応する第1トナー搬送量が決定される。具体的には、通常トナー搬送量から第2トナー搬送量を減算した値を、第1トナー搬送量に決定する。ステップS33においては、第1トナー搬送量に通常トナー搬送量の半分の値が設定され、処理はステップS34に進む。
【0129】
ステップS34においては、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第2状態か否かが判断される。第1トナーセンサ66Yの出力がON信号からOFF信号に切り換わると第2状態を検出する。第2状態が検出されたならば処理はステップS36に進むが、そうでなければ処理はS31に戻る。
【0130】
ステップS35においては、トナーホッパ60Yに第1トナー搬送量でトナーが供給される。具体的には、CPU111は、第1ボトル収納部40Yのボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yを、第1トナー搬送量に対応する回転速度で回転させる。ボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yそれぞれの回転速度は、処理がステップS32から進む場合は、ステップS32において設定された第1トナー搬送量に対応する回転速度であり、処理がステップS33から進む場合は、通常トナー搬送量の半分のトナー搬送量に対応する回転速度である。
【0131】
ステップS36においては、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの状態が第1状態か否かが判断される。第1トナーセンサ66Yの出力がOFF信号からON信号に切り換わると第1状態を検出する。第1状態が検出されると処理はステップS37に進むが、そうでなければ処理はステップS38に進む。
【0132】
ステップS37においては、CPU111は、トナーホッパ60Yへのトナー供給を停止し、処理をステップS31に戻す。具体的には、CPU111は、第1ボトル収納部40Yのボトルモータ42Y、第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yを停止させる。
【0133】
ステップS38においては、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yに収容されたトナーの残量が閾値Trと比較される。トナー残量が閾値Tr以下ならば処理はステップS39に進むが、そうでなければ処理はステップS34に戻る。
【0134】
ステップS39においては、第1トナー搬送量が決定され、処理はステップS40に進む。トナーボトル30Yに収容されたトナーの残量に対応するトナー搬送量が第1トナー搬送量に決定される。ステップS40においては、第1トナー搬送量が通知され、処理はステップS41に進む。CPU111が第1処理を実行するタスクから第2処理を実行するタスクに、ステップS39において決定された第1トナー搬送量が通知される。ステップS41においては、第1ボトル収納部40Yに装着されたトナーボトル30Yが交換されたか否かが判断される。トナーボトル30Yが交換されたならば処理は終了するが、そうでなければ処理はステップS34に戻る。
【0135】
<第2の変形例>
第2の変形例における画像形成部11は、トナーホッパ60Yと現像器21Yとの間に後段トナーホッパ90Yを設ける。
図13は、第2の変形例における画像形成ユニットの断面図である。
図13は、
図2のA-A線断面を示す。
図13を参照して、後段トナーホッパ90Yは、トナーを収容可能な容量がトナーホッパ60Yよりも少ないこと以外は、トナーホッパ60Yと同様の構成および機能を有する。
【0136】
図14は、後段トナーホッパの斜視図である。
図15は、後段トナーホッパの断面図である。
図14および
図15においては、後段トナーホッパ90Yの内部構成を説明するために、一部の部材が省略されている。
【0137】
図14および
図15を参照して、後段トナーホッパ90Yは、トナーホッパ60Yと同様に、筐体を有する。筐体には、内部空間を上方に開放する開口95Yと、底部において開口95Yとロール紙Rの搬送方向で反対側の端部に内部空間を下方に開放する排出口98Yが形成されている。また、後段トナーホッパ90Yは、長手方向がロール紙Rの搬送方向と平行となるように配置される。後段トナーホッパ90Yは、トナーホッパ60Yと同様に、供給モータ91Y、供給スクリュー92Y、2つの撹拌部材93Y,94Yおよび撹拌モータ99Yを備える。
【0138】
後段トナーホッパ90Yが備える筐体、開口95Y、排出口98Y、供給モータ91Y、供給スクリュー92Y、2つの撹拌部材93Y,94Yおよび撹拌モータ99Yは、トナーホッパ60Yが備える筐体、開口65Y、排出口68Y、供給モータ61Y、供給スクリュー62Y、2つの撹拌部材63Y,64Yおよび撹拌モータ69Yとそれぞれ対応する。
【0139】
図13に示すように、開口95Yは、平面視でトナーホッパ60Yの排出口68Yと重なる。排出口68Yと開口95Yとの間には、空隙が形成される。このため、後段トナーホッパ90Yの内部空間は、開口95Yおよび排出口68Yを介してトナーホッパ60Yの内部空間と連通する。
【0140】
現像器21Yは、内部空間を外部に開放する開口である受入口211Yが形成されている。排出口98Yは、排出口68Yは、平面視で供給スクリュー62Yの一部と重なり、平面視で現像器21Yに形成された受入口211Yと重なる。排出口98Yの下方で受入口211Yとの間に空隙が形成される。
【0141】
さらに、後段トナーホッパ90Yは、トナーホッパ60Yと同様に、内部空間に第1トナーセンサ96Yおよび第2トナーセンサ97Yを有する。第1トナーセンサ96Yは第2トナーセンサ97Yよりも開口95Yまでの距離が短く、第2トナーセンサ97Yは第1トナーセンサ96Yよりも排出口98Yまでの距離が短い。
【0142】
トナーホッパ60Yおよび後段トナーホッパ90Yは、
図8および
図11に示したトナーホッパ制御部160により制御される。トナーホッパ制御部160は、トナーホッパ60Yおよび後段トナーホッパ90Yを制御する。トナーホッパ制御部160は、現像器21Yが備えるトナー濃度センサSEYの出力値に基づいて、トナー濃度を検出する。トナーホッパ制御部160は、トナー濃度が閾値THを下回ることに応じて、後段トナーホッパ90Yが備える供給モータ91Yおよび撹拌モータ99Yを駆動し、トナー濃度が閾値TH以上になると供給モータ91Yおよび撹拌モータ99Yを停止させる。
【0143】
供給モータ91Yが駆動されている間、供給スクリュー92Yが回転するので後段トナーホッパ90Yから現像器21Yにトナーが供給される。トナー濃度が閾値TH以上の間は供給モータ91Yが回転しないので、現像器21Yにトナーが供給されない。このため、現像器21Yに収容される現像剤のトナー濃度が閾値TH以下に保たれる。
【0144】
トナーホッパ制御部160は、後段トナーホッパ90Yが備える第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yのそれぞれの出力値に基づいて、後段トナーホッパ90Yに収容されるトナーの状態を検出する。具体的には、トナーホッパ制御部160は、後段トナーホッパ90Yの第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yそれぞれの出力値がON信号ならば第1状態を検出し、第1トナーセンサ66Yの出力値がOFF信号で第2トナーセンサ67Yの出力値がON信号ならば第2状態を検出し、第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yそれぞれの出力値がOFF信号ならば第3状態を検出する。
【0145】
トナーホッパ制御部160は、後段トナーホッパ90Yに収容されるトナーの状態が第2状態の間、トナーホッパ60Yが備える供給モータ91Yおよび撹拌モータ99Yを駆動し、後段トナーホッパ90Yに収容されるトナーの状態が第2状態から第1状態または第3状態に変化することに応じて、トナーホッパ60Yが備える供給モータ91Yおよび撹拌モータ99Yを停止させる。
【0146】
供給モータ61Yが駆動されている間、供給スクリュー62Yが回転するのでトナーホッパ60Yから後段トナーホッパ90Yにトナーが供給される。後段トナーホッパ90Yに収容されるトナーの状態が第1状態または第3状態の間は供給モータ61Yが回転しないので、後段トナーホッパ90Yにトナーが供給されない。このため、後段トナーホッパ90Yに収容されるトナーの量を所定の範囲内に維持することができる。
【0147】
第2の変形例においては、トナーホッパ60Yと現像器21Yとの間に、後段トナーホッパ90Yが配置されるので、後段トナーホッパ90Yに収容されるトナーの量の時間的な変化を小さくできる。このため、後段トナーホッパ90Yに収容されるトナーの量が急激に変動しないので、後段トナーホッパ90Yから現像器21Yに供給されるトナーのトナー搬送量が急激に変動しないようにできる。したがって、現像器21Yに収容されるトナーの量が急激に変動しないようにできる。その結果、現像器21Yで形成されるトナー像の画質が悪化を抑制することができる。
【0148】
<他の実施の形態>
上述した実施の形態における画像形成部11は、現像器21Yに対して2つのトナーボトル30Yを装着する例を示したが、本発明はこれに限定されない。現像器21Yに対して3つ以上のトナーボトル30Yが装着されてもよい。現像器21M、現像器21C、現像器21Kおよび現像器21Wについても現像器21Yと同様である。
【0149】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置1は、感光体ドラム22Y上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像器21Yと、現像器21Yに対して供給するためのトナーを収容するとともに、画像形成部11に着脱可能な2つのトナーボトル30Yをそれぞれ収容する第1ボトル収納部40Yおよび第2ボトル収納部50Yが配置される。現像器21Yに供給するためのトナーを収容するトナーボトル30Yが2つ配置される。このため、一方のトナーボトル30Yに収容されるトナーが減少しても、他方のトナーボトル30Yに収容されたトナーを供給できるので、連続紙上にトナー像を継続して形成しつつ、一方のトナーボトル30Yを交換することができる。従って、生産性を低下させることなく、連続紙上にトナー像を継続して形成することが可能となる。
【0150】
また、互いに異なる色のトナーを収容する5つの現像器21Y,21M,21C,21K,21Wに対し、トナーボトル30Y,トナーボトル30M,トナーボトル30C,トナーボトル30K,トナーボトル30Wそれぞれが2つ配置される。このため、複数の色のトナーで表されるトナー像を継続して形成することができる。
【0151】
現像器21Yに対して2つのトナーボトル30Yには同じイエローのトナーが収容され、現像器21Mに対して2つのトナーボトル30Mには同じマゼンタのトナーが収容され、現像器21Cに対して2つのトナーボトル30Cには同じシアンのトナーが収容され、現像器21Kに対して2つのトナーボトル30Kには同じブラックのトナーが収容され、現像器21Wに対して2つのトナーボトル30Wには同じホワイトのトナーが収容される。このため、5つの現像器21Y,21M,21C,21K,21Wそれぞれに同一の色のトナーのみを供給することができる。
【0152】
第1駆動制御部141および第2駆動制御部151は、第1搬送経路70Yおよび第2搬送経路80Yを制御して、2つのトナーボトル30Yに収容されたトナーを、トナーホッパ60Yを介して現像器21Yに供給し、第1駆動制御部141および第2駆動制御部151は、2つのトナーボトル30Yから共通のトナーホッパ60Yに対するトナーの供給を切り替える。このため、2つのトナーボトル30Yの少なくとも1つからトナーホッパ60Yにトナーが供給されるようにできる。
【0153】
第1駆動制御部141および第2駆動制御部151は、一方のトナーボトル30Yのトナー残量に応じて他方のトナーボトル30Yからのトナー供給を開始させる。このため、一方のトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーホッパ60Yに供給されなくなる前に、他方のトナーボトル30Yに収容されるトナーをトナーホッパ60Yに供給することができる。したがって、トナーホッパ60Yにおけるトナーの不足を抑制することができる。
【0154】
また、第1駆動制御部141および第2駆動制御部151は、一方のトナーボトル30Yのトナー残量が0になる前に他方のトナーボトル30Yからのトナー供給を開始させる。このため、一方のトナーボトル30Yに収容されたトナーがトナーホッパ60Yに供給されなくなる前に、他方のトナーボトル30Yに収容されたトナーをトナーホッパ60Yに供給することができる。
【0155】
また、第1駆動制御部141および第2駆動制御部151は、他方のトナーボトル30Yから初期トナー搬送量でトナー供給を開始し、順次トナー搬送量を増やすように制御する。このため、一方のトナーボトル30Yに収容されたトナーがトナーホッパ60Yからトナーホッパ60Yに供給されるトナーのトナー搬送量が減少する場合に、他方のトナーボトル30Yに収容されるトナーがトナーホッパ60Yに供給されるトナー搬送量が順次増加するので、トナーホッパ60Yに2つのトナーボトル30Yから供給されるトナー搬送量の合計を所定量以上に維持することができる。
【0156】
2つのトナーボトル30Yにはトナーホッパ60Yに対する第1搬送経路70Yおよび第2搬送経路80Yがそれぞれ設けられ、第1搬送経路70Yは第1搬送モータ73Yおよび第2搬送モータ78Yにより駆動され、第2搬送経路80Yは第3搬送モータ83Yにより駆動される。このため、一のトナーボトル30Yに収容されたトナーを他のトナーボトル30Yに収容されたトナーと独立してトナーホッパ60Yに供給することができる。
【0157】
トナーホッパ60Yには第1トナーセンサ66Yおよび第2トナーセンサ67Yが配置される。このため、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの量の上限と下限を検出することができる。したがって、トナーホッパ60Yに収容されるトナーの量を調整することができる。
【0158】
また、第2の変形例における画像形成部11は、トナーホッパ60Yと現像器21Yとの間にトナーホッパ60Yよりも容量の小さい後段トナーホッパ90Yが配置される。このため、トナーホッパ60Yから後段トナーホッパ90Yに供給されるトナーのトナー搬送量の変動が、2つのトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに供給されるトナーのトナー搬送量の変動よりも小さくなる。したがって、現像器21Yに供給されるトナーの量の変動をできるだけ小さくでき、感光体ドラム22Yに形成されるトナー像の画質の低下が抑制される。
【0159】
また、第1の変形例における画像形成部11において、第1駆動制御部141Aおよび第2駆動制御部151Aは、2つのトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに対し同時に並行してトナーを供給する。このため、一のトナーボトル30Yに収容されるトナーが供給される供給速度が現像器21Yにより単位時間当たりに消費されるトナーの消費量より少ない場合でも、他のトナーボトル30Yに収容されるトナーを供給することができる。したがって、現像器21Yにより消費されるトナーの消費量に相当する量のトナーを現像器21Yに供給することができる。
【0160】
また、第1の変形例における画像形成部11において、第1駆動制御部141Aおよび第2駆動制御部151Aは、2つのトナーボトル30Yからトナーホッパ60Yに同時に供給されるトナーのトナー搬送量の合計が所定量以下となるように制御する。このため、トナーホッパ60Yに供給されるトナーのトナー搬送量が過多になり、トナーホッパ60Yからトナーが溢れ出すのを防止することができる。
【0161】
また、2つのトナーボトル30Yのトナー容量の合計は、容量が両方とも満タン状態で所定の印字率で連続して1000m以上連続紙に印字可能な容量である。この場合、少なくとも1000mの連続紙に所定の印字率で画像を連続して形成することができる。所定印字率は15%である。
【0162】
また、2つのトナーボトル30Yのトナー容量の合計は、容量が両方とも満タン状態で所定の印字率で連続して3000m以上連続紙に印字可能な容量であってもよい。この場合、少なくとも1000mの連続紙に所定の印字率で画像を連続して形成することができる。
【0163】
トナーホッパ60Yが収容可能なトナーの容量を示すトナー容量は、2つのトナーボトル30Yのトナー容量の合計以下の容量である。トナー容量は、トナー重量に対応する。
【0164】
また、トナーホッパ60Yが収容可能なトナーの容量を示すトナー容量は、現像器21Yのトナー容量以上の容量である。
【0165】
<実施の形態の総括>
(項1) 連続紙上にトナー像を形成可能な画像形成装置であって、
像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像器と、
前記現像器に対して供給するためのトナーを収容するとともに、画像形成装置に着脱可能なトナー収容容器と、を備え、
同じ色のトナーを収容する前記トナー収容容器が複数配置される、画像形成装置。
【0166】
この局面に従えば、像担持体上に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像器に供給するためのトナーを収容するトナー収容容器が複数配置される。このため、一方のトナー収容容器に収容されるトナーが減少しても、他方のトナー収容容器に収容されたトナーを供給できるので、連続紙上にトナー像を継続して形成しつつ、一方のトナー収容容器を交換することができる。その結果、生産性を低下させることなく、連続紙上にトナー像を継続して形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0167】
(項2) 前記現像器として互いに異なる色のトナーに対応する複数の現像器を有し、各現像器に対し前記トナー収容容器が複数配置される、項1に記載の画像形成装置。
【0168】
この局面に従えば、各現像器に対しトナー収容容器が複数配置される。このため、複数の色のトナーで表されるトナー像を継続して形成することができる。
【0169】
(項3) 一の現像器に対応する複数の前記トナー収容容器には同じ色のトナーが収容される、項1または2に記載の画像形成装置。
【0170】
この局面に従えば、同じ現像器に対応する複数のトナー収容容器には同じ色のトナーが収容される。このため、現像器に同一の色のトナーのみを供給することができる。
【0171】
(項4) 複数の前記トナー収容容器は共通のトナーホッパを介して前記現像器にトナーを供給し、
複数の前記トナー収容容器から前記共通のトナーホッパに対するトナーの供給を切り替える切替部を有する、項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【0172】
この局面に従えば、複数の前記トナー収容容器のそれぞれに収容されるトナーは共通のトナーホッパを介して現像器に供給され、複数のトナー収容容器から共通のトナーホッパに対するトナーの供給が切り替えられる。このため、複数のトナー収容容器の少なくとも1つからトナーホッパにトナーが供給されるようにできる。
【0173】
(項5) 前記切替部は、一方のトナー収容容器のトナー残量に応じて他方のトナー収容容器からのトナー供給を開始させる、項4に記載の画像形成装置。
【0174】
この局面に従えば、一方のトナー収容容器に収容されるトナーがトナーホッパに供給されなくなる前に、他方のトナー収容容器に収容されるトナーをトナーホッパに供給することができる。このため、トナーホッパにおけるトナーの不足を抑制することができる。
【0175】
(項6) 前記切替部は、一方のトナー収容容器のトナー残量が0になる前に他方のトナー収容容器からのトナー供給を開始させる、項4に記載の画像形成装置。
【0176】
この局面に従えば、一方のトナー収容容器に収容されたトナーがトナーホッパに供給されなくなる前に、他方のトナー収容容器に収容されたトナーをトナーホッパに供給することができる。
【0177】
(項7) 前記切替部は、前記他方のトナー収容容器において所定量からトナー供給を開始し、順次供給量を増やすように制御する、項6に記載の画像形成装置。
【0178】
この局面に従えば、一方のトナー収容容器に収容されたトナーがトナーホッパに供給されるトナー搬送量が減少する場合に、他方のトナー収容容器に収容されるトナーがトナーホッパに供給されるトナー搬送量が順次増加するので、トナーホッパに供給されるトナーのトナー搬送量を所定量以上に維持することができる。
【0179】
(項8) 前記複数のトナー収納容器には前記共通のトナーホッパに対するトナー搬送部がそれぞれ設けられ、それぞれのトナー搬送部は独立した駆動源を備える、項4~7のいずれかに記載の画像形成装置。
【0180】
この局面に従えば、複数のトナー収納容器には共通のトナーホッパに対するトナー搬送部がそれぞれ設けられ、それぞれのトナー搬送部は独立した駆動源を備える。このため、一のトナー収容容器に収容されたトナーを他のトナー収容容器に収容されたトナーと独立してトナーホッパに供給することができる。
【0181】
(項9) 前記共通のトナーホッパには複数のトナー残量検知センサが配置される、項4~8のいずれかに記載の画像形成装置。
【0182】
この局面に従えば、トナーホッパに収容されるトナーの量の上限と下限を検出することができる。このため、トナーホッパに収容されるトナーの量を調整することができる。
【0183】
(項10) 前記共通のトナーホッパを第1のトナーホッパとし、前記共通のトナーホッパと前記現像器の間に前記共通のトナーホッパよりも容量の小さい第2のトナーホッパが配置される、項4~9のいずれかに記載の画像形成装置。
【0184】
この局面に従えば、共通のトナーホッパと現像器との間に共通のトナーホッパよりも容量の小さい第2のトナーホッパが配置されるので、共通のトナーホッパから第2のトナーホッパに供給されるトナーのトナー搬送量の変動を、複数のトナー収容容器から共通のトナーホッパに供給されるトナーのトナー搬送量の変動よりも小さくできる。このため、現像器に供給されるトナーのトナー搬送量の変動を少なくできる。
【0185】
(項11) 複数の前記トナー収容容器は共通のトナーホッパを介して前記現像器にトナーを供給し、複数の前記トナー収容容器から前記共通のトナーホッパに対し同時にトナーを供給する、項1~10のいずれかに記載の画像形成装置。
【0186】
この局面に従えば、一のトナー収容容器から供給されるトナーの供給量が現像器で消費されるトナーの消費量よりも小さい場合であっても、他方のトナー収容容器に収容されるトナーが供給されるので、現像器で消費される分のトナーを現像器に供給することができる。
【0187】
(項12) 複数の前記トナー収容容器から前記共通のトナーホッパに同時に供給されるトナー量の単位時間当たりの合計が所定量以下となるように制御される、項1~11のいずれかに記載の画像形成装置。
【0188】
この局面に従えば、共通のトナーホッパへのトナーのトナー搬送量が過多になり、トナーホッパからトナーが溢れ出すのを防止することができる。
【0189】
(項13) 複数の前記トナー収容容器のトナー容量の合計は、容量が両方とも満タン状態で所定の印字率で連続して1000m以上連続紙に印字可能な容量であることを特徴とする、項1~12のいずれかに記載の画像形成装置。
【0190】
この局面に従えば、少なくとも1000mの連続紙に所定の印字率で画像を連続して形成することができる。
【0191】
(項14) 所定印字率は15%である、項13に記載の画像形成装置。
【0192】
(項15) 複数の前記トナー収容容器のトナー容量の合計は、容量が両方とも満タン状態で所定の印字率で連続して3000m以上連続紙に印字可能な容量であることを特徴とする、項1~12のいずれかに記載の画像形成装置。
【0193】
この局面に従えば、少なくとも1000mの連続紙に所定の印字率で画像を連続して形成することができる。
【0194】
(項16) 前記共通のトナーホッパのトナー容量は、複数の前記トナー収容容器のトナー容量の合計以下の容量であることを特徴とする、項15に記載の画像形成装置。
【0195】
(項17) 前記共通のトナーホッパのトナー容量は、前記現像器のトナー容量以上の容量であることを特徴とする、項16に記載の画像形成装置。
【0196】
(項18) 前記トナー容量は、トナー重量に対応する、項15に記載の画像形成装置。
【0197】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0198】
1 画像形成装置、11 画像形成部、13 給紙装置、15 巻取装置、20Y,20M,20C,20K,20W 画像形成ユニット、21Y,21M,21C,21K,21W 現像器、22Y 感光体ドラム、23Y 帯電ローラ、24Y 露光装置、25Y 現像ローラ、26Y 1次転写ローラ、29 中間転写ベルト、30C,30K,30M,30W,30Y トナーボトル、40Y 第1ボトル収納部、41Y ボトル回転機構、42Y ボトルモータ、45Y 開口、50Y 第2ボトル収納部、60Y トナーホッパ、61Y 供給モータ、62Y 供給スクリュー、63Y 撹拌部材、64Y 撹拌部材、65Y 開口、66Y 第1トナーセンサ、67Y 第2トナーセンサ、68Y 排出口、70Y 第1搬送経路、71Y 第1筒状部材、72Y 第1搬送スクリュー、73Y 第1搬送モータ、74Y 第1受入口、75Y 第1供給口、76Y 第2筒状部材、77Y 第2搬送スクリュー、78Y 第2搬送モータ、79Y 第2受入口、80Y 第2搬送経路、81Y 第3筒状部材、82Y 第3搬送スクリュー、83Y 第3搬送モータ、84Y 第3受入口、85Y 合流部、86Y 排出口、90Y 後段トナーホッパ、95Y 開口、96Y 第1トナーセンサ、97Y 第2トナーセンサ、98Y 排出口、111 CPU、140,140A 第1搬送制御部、141,141A 第1駆動制御部、143 第1残量検出部、145 第1残量通知部、145A 第1速度通知部、147 第1残量通知受信部、147A 第1速度通知受信部、150,150A 第2搬送制御部、151,151A 第2駆動制御部、153 第2残量検出部、155 第2残量通知部、155A 第2速度通知部、157 第2残量通知受信部、157A 第2速度通知受信部、160 トナーホッパ制御部、211Y 受入口、R ロール紙、SEY トナー濃度センサ。