(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150248
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ロボット及びロボットシステム
(51)【国際特許分類】
B25J 13/08 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063569
(22)【出願日】2023-04-10
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS06
3C707CS08
3C707KS03
3C707KS36
3C707KT02
3C707KT03
3C707KT05
3C707LT06
3C707LT12
3C707WA16
(57)【要約】
【課題】ロボットの位置を制御する上で改善の余地がある。
【解決手段】ロボットは、対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、第1アームを対象物に対して相対移動させる本体部と、複数の第1アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部と、複数の撮像部の撮像データに基づき、対象物に対する本体部の相対位置を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の組立てを行う複数の第1アームと、
移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、
複数の前記第1アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部と、
複数の前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する制御部と、
を備えるロボット。
【請求項2】
前記撮像部を、その位置及び向きを変更可能な状態で支持する可動支持部を備える、請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
対象物の組立てを行う複数の第1アームと、
移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、
前記本体部から延伸する複数の第2アームと、
複数の前記第2アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部と、
複数の前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する制御部と、
を備えるロボット。
【請求項4】
前記撮像部の数は4以上である、請求項1から3の何れか一項に記載のロボット。
【請求項5】
ロボットを制御するロボットシステムであって、
前記ロボットは、対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、複数の前記第1アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部とを備え、
前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する、ロボットシステム。
【請求項6】
ロボットを制御するロボットシステムであって、
前記ロボットは、対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、前記本体部から延伸する複数の第2アームと、複数の前記第2アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部とを備え、
前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する、ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット及びロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンテナが載置部に載置された状態で、コンテナを上下方向に移動させることが可能な駆動機構を有するロボットが開示されている。特許文献1のロボットは、コンテナを所定の高さまで移動させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来技術では、自律的に移動可能なロボットのハンドで、対象物である製品(カメラ、テレビなど)を組立てる際の、対象物に対するロボットの相対位置が考慮されていない。このため、ロボットが特定の作業台から他の作業台に移動することで、複数種類の製品を組立てる場合、各組立て場所の周囲において、適切な位置にロボットを停止させることが困難である。従って、特定製品の組立ての際、ロボットハンドから製品までの距離に誤差が生じて、製品を正確に組立てることができないため、製品の歩留まりが低下し得る。このように従来技術では、ロボットの位置を制御する上で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、複数の前記第1アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部と、複数の前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する制御部と、を備える。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、前記本体部から延伸する複数の第2アームと、複数の前記第2アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部と、複数の前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、ロボットを制御するロボットシステムであって、前記ロボットは、対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、複数の前記第1アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部とを備え、前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、ロボットを制御するロボットシステムであって、前記ロボットは、対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、前記本体部から延伸する複数の第2アームと、複数の前記第2アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部とを備え、前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本実施形態にかかるクラウドに蓄積された情報の例を示す説明図である。
【
図1B】本実施形態にかかるロボットシステムの概略図である。
【
図2】本実施形態にかかるロボットの斜視図である。
【
図3】本実施形態にかかるロボットの動作を説明するための図である。
【
図4】本実施形態の変形例にかかるロボットの斜視図である。
【
図5】ロボット及びサーバとして機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1Aは、本実施形態にかかるクラウド5に蓄積された情報の例を示す説明図である。本実施形態においては、複数種類の後述する検知情報をAIデータ化してクラウド5に蓄積する。AIがナノセカンド(10億分の1秒)ごとに状況のベストミックスを予測、判断し、ロボットの動作を最適化する。
【0013】
図1Bは、本実施形態にかかるロボットシステムの概略図である。ロボットシステム100は、ロボット10を制御するためのシステムである。ロボット10はネットワークNを通じてクラウド5に接続されている。ネットワークNは6G又はそれ以上の通信規格による公衆回線が例示される。
【0014】
ロボット10は、制御部を備えている。制御部は、Central Brain24を備えている。Central Brain24は、情報処理装置の一例である。ロボット10は、Central Brain24の制御に基づいて、走行路を自在に走行することが可能である。Central Brain24には、複数のGate Way23が通信可能に接続されている。Central Brain24は、Gate Way23を介して外部のクラウド5に接続されている。Central Brain24は、Gate Way23を介して外部のクラウド5へアクセスすることができる。一方、Gate Way23の存在により、外部からCentral Brain24へ直接アクセスすることはできないように構成されている。Central Brain24は、所定時間が経過する毎に、要求信号をサーバへ出力する。具体的には、Central Brain24は、10億分の1秒毎に、問い合わせを表す要求信号をサーバとなるクラウド5へ出力する。Central Brain24は、スマートロボットのAIと解釈してよい。スマートロボットのAIは、カメラビジョンを用いて、人の作業を見ただけで作業内容を理解して、スマートロボットに対して、人の作業を同様の作業を実行させることができる。
【0015】
図2は、本実施形態にかかるロボットの斜視図である。ロボット10は、作業台40上の組立て対象物である製品50(カメラ、テレビなど)を組立てる際、4つのカメラで製品50をキャプチャすることで、製品50の正確な組立て作業を行うように構成されている自律走行搬送ロボットと解釈してよい。
【0016】
(ロボット10の構成)
ロボット10は、本体部11、支持部12、第1アーム13、撮像部14、撮像部14A、可動支持部15及び制御部20を備える。
【0017】
本体部11は、移動することにより、第1アーム13を組立て対象物に対して相対移動させる筐体の一部である。本体部11の下部には、複数のタイヤ16が設けられている。タイヤ16は、本体部11の四隅に設けられている。各タイヤ16の回転方向及び操蛇角が制御部20により制御されることで、本体部11を特定位置に移動させることができる。
【0018】
本体部11には、筐体の一部である支持部12が設けられている。支持部12は、本体部11から本体部11の上方に延伸し、湾曲した形状を有する。支持部12は、本体部11に固定されていてよい。支持部12が本体部11に固定されることで、第1アーム13の取り付け剛性が高くなり、製品50の正確な組立て作業が可能となり得る。
【0019】
支持部12の先端には、分岐部17を介して、3つの第1アーム13が設けられている。第1アーム13は、対象物の組立てを行うアームである。第1アーム13は、制御部20からの動作指令に従って、撮像部14を、その位置及び向きを変更可能な状態で支持することができる。
【0020】
第1アーム13は、半可動型アーム13a及び全可動型アーム13bを含む。
【0021】
半可動型アーム13aは、固定部であるショルダー部13a1と可動部13a2とにより構成される。ショルダー部13a1は、基端が分岐部17に固定される。ショルダー部13a1及び可動部13a2は、関節部を介して連結されている。ショルダー部13a1の基端が分岐部17に固定されることで、第1アーム13の可動部13a2の数を減らすことができるため、第1アーム13の制御アルゴリズムを簡素化することができる。
【0022】
ショルダー部13a1の先端には、可動部13a2が設けられている。可動部13a2は、ショルダー部13a1側とは反対側の可動端である先端が、3次元空間内でショルダー部13a1に対して移動可能である。可動部13a2の先端にはハンド18が設けられている。ハンド18は、対象物である製品50又は製品50を構成する部品に触れて、製品50を組立てる部分である。
【0023】
2つの半可動型アーム13aのそれぞれには、可動支持部15が設けられている。具体的には、可動支持部15は、半可動型アーム13aの肘に相当する部分に設けられている。より具体的には、可動部13a2は、中央に関節部を有し、可動支持部15は、可動部13a2の肘に相当する当該関節部を基点にしている。可動支持部15の先端には撮像部14が設けられている。可動支持部15は、制御部20からの動作指令に従って、撮像部14を、その位置及び向きを変更可能な状態で支持する部材である。可動支持部15は、半可動型アーム13aの肘に相当する部分を基点にして、回転(首振り)又は伸縮するように構成してよい。この構成により、当該撮像部14と対象物との間にハンド18が存在する場合でも、可動支持部15が首振り動作などをすることで、当該撮像部14は、ハンド18を避けて、対象物を撮像することができる。撮像部14で撮像されたデータである撮像データは、制御部20に収集される。
【0024】
全可動型アーム13bは、複数の可動部13b1により構成されている。複数の可動部13b1は、関節部を介して連結されている。全可動型アーム13bの可動端である先端部には、半可動型アーム13aと同様に、ハンド18が設けられている。全可動型アーム13bのハンド18には、撮像部14Aの一例である二眼カメラが設けられている。二眼カメラは、視野角が異なる複数のカメラを含むものでよく、焦点距離が異なる複数のカメラを含むものでもよい。焦点距離は、ピントを合わせたときの、撮像部14Aのレンズから撮像素子までの距離と解釈してよい。撮像部14Aで撮像されたデータである撮像データは、制御部20に収集される。
【0025】
なお、撮像部14、14Aの数は4つに限定されず、2以上であればよい。ただし4つ以上の撮像部14、14Aを利用することで、製品50の前方面(正面)、後方面(背面)、上方面、側方面などを同タイミングで撮影できるため、対象物に対するロボット10の本体部11の相対位置を正確に設定し得る。
【0026】
制御部20は、ロボット10の動作を制御する部分である。ロボット10の動作は、ロボット10が備える各部材の動作、ロボット10の自動運転動作などを含む。自動運転動作は、ロボット10が自律的に移動、走行、又は搬送する動作と解釈してよい。
【0027】
制御部20は、複数の撮像部14、14Aの撮像データに基づき、対象物に対するロボット10の本体部11の相対位置を制御する。具体的には、制御部20は、複数の撮像部14、14Aで撮影された画像、つまりカメラビジョンを用いて、本体部11及び対象物を平面視して、各撮像部14、14Aから対象物までの距離をそれぞれ計測する。制御部20は、計測された距離に基づき、対象物に対する本体部11の相対位置が特定位置となるように、各タイヤ16の回転方向及び操蛇角を制御する。
【0028】
制御部20の機能は、CPU(Central Processing Unit)がプログラムに基づいて動作することによって実現できる。例えば、基本ソフトウエア(OS:Operating System)及びOS上で動作するプログラムによって、これらの構成要素の機能をCPUの動作として実装できる。
【0029】
(ロボット10の動作)
次に
図3を参照してロボット10の動作を説明する。
図3は、本実施形態にかかるロボット10の動作を説明するための図である。
図3には、ロボット10が特定の作業台40から他の作業台40に移動する状態が示されている。それぞれ作業台40には、異なる種類の製品50を構成する部品などが配置されているものとする。
図3の(1)には、特定の作業台40で製品50を組立てているロボット10が示されている。
図3の(2)には、特定の作業台40から他の作業台40に向かって移動するロボット10が示されている。
図3の(3)には、他の作業台40の前で一時停止したロボット10が示されている。
図3の(4)には、一時停止したロボット10の位置を、撮像データを利用することで微調整している状態が示されている。
【0030】
具体的には、
図3の(1)に示す特定の作業台40で製品50を組立てているロボット10が、他の作業台40で製品50を組立てる場合、
図3の(2)に示すようにロボット10は他の作業台40で向かって進行し、
図3の(3)に示す特定位置に停車する。特定位置は、ロボット10に予め設定されているものでもよいし、作業台40周囲に設置されている所定のセンサの位置でもよい。
【0031】
ここで、移動後の作業台40に設けられている製品50の形状、及び、当該製品50の作業台40上の位置は、移動前の作業台40に設けられている製品50の形状及び作業台40上の位置と異なり得る。このため、作業台40の製品50の組立てに適したロボット10の停止位置は、製品50毎、つまり移動前後の作業台40で異なり得る。そこで、ロボット10は、複数の撮像データを用いることで、
図3の(4)に示すように、特定位置に一時停止したロボット10の位置を微調整することで、移動後の作業台40の製品50の組立てに適した、ロボット10の正確な位置を設定する。すわなち、ロボット10は、複数の撮像データに基づき、移動後の作業台40の製品50に対する本体部11の相対位置が、製品50の組立てに適した位置となるように制御する。
【0032】
(変形例)
図4は、本実施形態の変形例にかかるロボット10Aの斜視図である。変形例にかかるロボット10Aは、第1アーム13、本体部11、第2アーム19、撮像部14、及び制御部20を備える。
【0033】
第2アーム19は、本体部11から本体部11の上方に延伸し、湾曲した形状を有するアームである。第2アーム19は、本体部11の上面に4つ設けられている。具体的には、本体部11の上面の四隅のそれぞれに、第2アーム19が設けられている。各第2アーム19の先端には、撮像部14が設けられている。第2アーム19は、制御部20からの動作指令に従って、撮像部14を、その位置及び向きを変更可能な状態で支持する部材である。
【0034】
なお、ロボット10Aは、
図2に示す撮像部14Aである二眼カメラを備えてもよい。また、撮像部14の数は4つに限定されず、2以上でもよい。ただし4つ以上の撮像部14を利用することで、製品50の前方面(正面)、後方面(背面)、上方面、側方面などを同タイミングで撮影できるため、対象物に対するロボット10Aの本体部11の相対位置を正確に設定し得る。撮像されたデータである撮像データは、制御部20に収集される。
【0035】
量産型製品では、フレキシブルにロボットの位置を設定する必要性は少ないが、多品種かつ少量の製品50では、自律走行搬送ロボットが複数の組立て場所間を移動し得る。このため、フレキシブルに位置設定を行えるインテリジェンスロボットが必要になり得る。ただし、自律走行搬送ロボットは、それぞれの製品50の組立てに適した正確な位置に停止することが難しい。自律走行搬送ロボットが正確な位置に停止してない場合、前述の通り、ロボットハンドから製品50までの距離に誤差が生じてしまい、製品50の歩留まりが低下し得る。
【0036】
本実施形態にかかるロボット10、10Aは、ハンド付近に設けられている複数の撮像部14、14Aを用いることにより、3次元的にオブジェクト(対象物)を視認することができる。また、複数の撮像部14、14Aを様々な位置、角度で配置することで、移動先の作業台40の周囲の環境、当該作業台40上の部品の状況、当該作業台40上の製品50の状況を撮像することができる。ロボット10、10Aは、複数の撮像部14、14Aで撮影された画像(カメラビジョン)を用いて、対象物に対する本体部11の相対位置を制御することで、製品50の組立てに適した正確な位置にロボット10、10Aを誘導することができる。従って、ロボットハンドから製品50までの距離に誤差が生じ難くなり、製品50を正確に組立てることができるため、製品50の歩留まりが向上し得る。
【0037】
なお、本実施形態にかかるロボットシステム100では、撮像部14、14Aの撮像データをサーバ(クラウド5)が受信し、サーバが対象物に対する本体部11の相対位置を制御してよい。具体的には、サーバ(クラウド5)は、ロボット10からアップロードされる撮像データを受信し、当該撮像データに基づき、本体部11の相対位置を制御するための制御指令をロボット10にダウンロードしてよい。
【0038】
(ハードウェア構成)
図5は、ロボット及びサーバとして機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータのハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態にかかる装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態にかかる装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態にかかるプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0039】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0040】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0041】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0042】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0043】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0044】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0045】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0046】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0047】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0048】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0049】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0050】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードの何れかを含んでよい。
【0051】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0052】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0053】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0054】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
【0055】
(付記1)
対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、複数の前記第1アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部と、複数の前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する制御部と、を備えるロボット。
【0056】
(付記2)
前記撮像部を、その位置及び向きを変更可能な状態で支持する可動支持部を備える、付記1に記載のロボット。
【0057】
(付記3)
対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、前記本体部から延伸する複数の第2アームと、複数の前記第2アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部と、複数の前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する制御部と、を備えるロボット。
【0058】
(付記4)
前記撮像部の数は4以上である、付記1から3の何れか一つに記載のロボット。
【0059】
(付記5)
ロボットを制御するロボットシステムであって、前記ロボットは、対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、複数の前記第1アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部とを備え、前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する、ロボットシステム。
【0060】
(付記6)
ロボットを制御するロボットシステムであって、前記ロボットは、対象物の組立てを行う複数の第1アームと、移動することにより、前記第1アームを前記対象物に対して相対移動させる本体部と、前記本体部から延伸する複数の第2アームと、複数の前記第2アームのそれぞれの先端部に設けられる撮像部とを備え、前記撮像部の撮像データに基づき、前記対象物に対する前記本体部の相対位置を制御する、ロボットシステム。
【符号の説明】
【0061】
5 クラウド、10 ロボット、10A ロボット、11 本体部、12 支持部、13 第1アーム、13a 半可動型アーム、13a2 可動部、13a1 ショルダー部、13b 全可動型アーム、13b1 可動部、14 撮像部、14A 撮像部、15 可動支持部、16 タイヤ、17 分岐部、18 ハンド、19 第2アーム、20 制御部、40 作業台、50 製品、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 ドライブ、1240 入出力チップ