(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150250
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
A63F5/04 661
A63F5/04 603A
A63F5/04 611Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063572
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 新輝ショーン
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CB04
2C182CB10
2C182CD11
2C182CD12
2C182CD34
2C182CE01
2C182DA22
2C182DA25
2C182EB11
2C518CA03
2C518EA01
2C518EA12
2C518EA20
2C518EB01
2C518EB02
2C518EB16
2C518EC09
(57)【要約】
【課題】台確保状態であることを認識しやすい遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシン201は、非確保状態と確保状態との何れかに制御可能な副制御部221bと、非AT遊技状態である第1遊技状態と、AT遊技状態である第2遊技状態とを含む複数の遊技状態の何れかに制御可能な主制御部211bと、非確保状態かつ第2遊技状態において特定役が当選した場合、停止操作に関する情報である特定情報を表示可能な表示器208と、を備え、表示器208は、確保状態かつ第2遊技状態において押し順ベル役が当選した場合、押し順ナビを表示しない。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非確保状態と確保状態との何れかに制御可能な確保制御手段と、
非AT遊技状態である第1遊技状態と、AT遊技状態である第2遊技状態とを含む複数の遊技状態の何れかに制御可能な遊技状態制御手段と、
前記非確保状態かつ前記第2遊技状態において特定役が当選した場合、停止操作に関する情報である特定情報を表示可能な特定情報表示手段と、
を備え、
前記特定情報表示手段は、
前記確保状態かつ前記第2遊技状態において前記特定役が当選した場合、前記特定情報を表示しない
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技の進行を制御可能な主制御手段と、
遊技に関する演出を制御可能な副制御手段と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記非確保状態と前記確保状態との何れに制御されているかに関わらず、前記第2遊技状態において特定役が当選した場合、停止操作に関する情報である特別情報を表示可能な特別情報表示手段を制御可能であり、
前記副制御手段は、
前記特定情報表示手段の前記特定情報に関する表示を制御可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定情報表示手段は、
前記特別情報表示手段よりも表示領域の面積が大きい
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特定情報表示手段は、前記第2遊技状態において前記特定役に対応した図柄の組み合わせが停止した場合において、
前記非確保状態では、前記特定役に対応した図柄の組み合わせが停止したことに関する情報を表示し、
前記確保状態では、前記特定役に対応した図柄の組み合わせが停止したことに関する情報を表示しない
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
前記特定情報表示手段は、
前記確保状態において、遊技価値の所定の貸出処理が実行された場合、所定情報を表示可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
前記特定情報表示手段は、
前記確保状態において、遊技価値の所定の精算処理が実行された場合、特殊情報を表示可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場等に設置される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場等に設置され、遊技媒体を用いて遊技可能な遊技機があった(例えば特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-169625号公報
【特許文献2】特開2015-134010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態は、非確保状態と確保状態との何れかに制御可能な確保制御手段と、非AT遊技状態である第1遊技状態と、AT遊技状態である第2遊技状態とを含む複数の遊技状態の何れかに制御可能な遊技状態制御手段と、前記非確保状態かつ前記第2遊技状態において特定役が当選した場合、停止操作に関する情報である特定情報を表示可能な特定情報表示手段と、を備え、前記特定情報表示手段は、前記確保状態かつ前記第2遊技状態において前記特定役が当選した場合、前記特定情報を表示しないことを特徴とする遊技機である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の遊技機の外観を示す概略正面図である。
【
図2】第1実施形態の遊技機の内部構成を示す概略斜視図である。
【
図3】第1実施形態の遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態の内部抽選テーブルを示す図表である。
【
図6】第1実施形態の遊技状態の状態遷移図である。
【
図7】第1実施形態の通常遊技状態時抽選テーブルを示す図表である。
【
図8】第1実施形態のCZ状態時抽選テーブルを示す図表である。
【
図9】第1実施形態の役ストック抽選テーブルを示す図表である。
【
図10】第1実施形態の高確差枚数抽選テーブルを示す図表である。
【
図11】第1実施形態の倍率抽選テーブルを示す図表である。
【
図12】第1実施形態の特化ゾーンA継続抽選テーブルを示す図表である。
【
図13】第1実施形態の特化ゾーンB継続抽選テーブルを示す図表である。
【
図14】第1実施形態の規定ゲーム数抽選テーブルを示す図表である。
【
図15】第1実施形態のロックゲーム数抽選テーブルを示す図表である。
【
図16】第1実施形態の特化ゾーンA中の表示器での表示態様を説明する図である。
【
図17】第1実施形態の特化ゾーンA中の表示器での表示態様を説明する図である。
【
図18】第1実施形態の特化ゾーンB中の表示器での表示態様を説明する図である。
【
図19】第1実施形態のAT状態中の表示器での表示態様を説明する図である。
【
図20】第1実施形態のAT状態中の表示器での表示態様を説明する図である。
【
図21】第2実施形態の台システム200(遊技システム)の外観(前側から見た図、前扉1aを開いた状態の一部斜視図)を示す図である。
【
図22】第2実施形態の台システム200のブロック図である。
【
図23】第2実施形態の数値-押し順テーブル211cを示す図である。
【
図24】第2実施形態のMYのカウント処理を説明する図である。
【
図25】第2実施形態の台確保から台解除までの処理のフローチャートである。
【
図26】第2実施形態の台確保時、台解除時の表示器208の表示画面を示す図である。
【
図27】第2実施形態の演出比較表260であり、非台確保中及び台確保中のそれぞれにおける通常ステージ、CZステージ、ATステージに滞在中の演出制御を説明する表である。
【
図28】第2実施形態の通常ステージ滞在中にレア役に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
【
図29】第2実施形態のCZステージ滞在中にレア役に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
【
図30】第2実施形態のATステージ滞在中に押し順ベル役(中→右→左)に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
【
図31】第3実施形態のATステージ滞在中に押し順ベル役(中→右→左)に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
【
図32】第3実施形態の台システムにおいて、台確保中にメダルの貸出操作を受け付けた場合の処理を説明する図である。
【
図33】第3実施形態の台システムにおいて、台確保中にメダルの計数操作を受け付けた場合の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について、各図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、スロットマシン1の全体構成について説明する。
スロットマシン1は、本発明に係る遊技機の一実施形態であり、遊技場等に設置されるものである。
図1~
図3に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、筐体1b、メダル投入口2、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、演出ボタン2c、スタートレバー3、ドラムユニット4、リール41、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、ホッパー7a、メダル払出口7b、表示器8、スピーカ9、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、電源装置14、確率設定装置15、主制御部10、副制御部20等を備える。
【0008】
なお、主制御部10及び副制御部20は、各々に記憶部(記憶手段)、制御部(制御手段)が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
各記憶部は、遊技に関する制御プログラムや各種抽選テーブル等を記憶するROMと、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM等を備える。
各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種制御プログラム等を適宜読み出して実行することにより、本実施形態の各種機能を実現している。
【0009】
スロットマシン1は、前面に開口部を有する筐体1bと、開口部を開閉可能に覆う前扉1aとを備えている。
前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネルが配設され、前面パネルの略中央には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41に表された図柄を前方から視認することができる。
また、表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の上面には、メダルを投入するメダル投入口2、ゲームの開始に際して遊技者の押圧操作によりベット数を設定するベットボタン2a、遊技者の操作により表示器8で表示されている演出等に変化を与えるための演出ボタン2cを備えている。
また、段部の前面には、遊技者が遊技を開始する際に操作するスタートレバー3と、遊技者がリール41を停止する際に押圧操作する停止ボタン5を備えている。
【0010】
また、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序(以下、押し順ともいう)を報知可能なナビランプ12(ナビランプ12a、12b、12c)が各リール41a、41b、41cに対応して配設される。なお、ナビランプ12は、例えば、停止ボタン5の操作順序を表示する押し順表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0011】
表示窓6の下方には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグの「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0012】
前扉1aの上部には、報知手段及び表示手段として動作する表示器8を備えている。
表示器8は、例えば、複数の情報を表示可能な液晶表示器から構成されており、画像による各種演出、遊技における各種情報の表示等を行う。
なお、表示器8は、
図1に示すように、1つ設ける構成としているが、これに限らず、複数設けてもよい。例えば、2つの表示器(主表示器と副表示器)を設け、2つ並んだ状態で配置することで、主表示器と副表示器とを合わせて一つの表示部のように機能させてもよい。また、副表示器を主表示器よりもリール41に近い位置に配設し、リール41の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を容易に視認可能に設けてもよい。
また、スロットマシン1の下方に配置される大型の表示部である下パネル表示器に表示器を設けてもよい。
【0013】
表示器8の上方には、音による演出や報知を行い、報知手段として動作するスピーカ9、各役の入賞時の発光や表示器8で表示される演出に対応する光の演出や報知を行うランプ11を備えている。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
【0014】
筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10を備えており、前扉1aの上部には、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20を備えている。
また、筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設されるリール41a、リール41b、リール41cを備え、これらリール41a~41cが、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
【0015】
リール41a~41cは、変動表示手段の一例であり、リール41a~41cの周面には、識別情報となる複数(例えば、20個)の図柄として、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」等が表されている。
なお、リール41a~41cの形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
また、筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7、メダルを貯留するホッパー7aを備えており、メダル払出装置7から払い出されたメダルは、メダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
【0016】
筐体1bの下部には、電源装置14を備えている。
電源装置14は、主制御部10及び副制御部20を含む各装置に電力を供給するための装置であり、スロットマシン1の外部から入力される電源の電圧又は周波数を監視し、それらの電圧又は周波数が所定値以下に低下したことにより、スロットマシン1への電力供給が停止されたことを示す電断信号を主制御部10及び副制御部20に出力する。
さらに、電源装置14は、電源復帰により、所定値を超える電圧又は周波数を示す電力の供給を検出すると、スロットマシン1への電力供給が開始されたことを示す電源復帰信号を、主制御部10及び副制御部20に出力する。
【0017】
図3は、スロットマシン1の制御系の構成を示している。なお、
図1及び
図2で説明した構成要素と同一もしくは相当する構成要素には同一の符号を付している。
主制御部10は、役の抽選や遊技の進行制御等を行い、副制御部20は、主制御部10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う。
主制御部10と副制御部20との制御情報の伝達は、主制御部10から副制御部20に対して一方向のみに制限され、副制御部20から主制御部10への不正な信号の入力を防止している。
主制御部10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5、ドラムユニット4、メダル払出装置7、有利区間ランプ13、確率設定装置15(設定手段)及び副制御部20と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。
【0018】
確率設定装置15は、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能にするものであり、主制御部10は、確率設定装置15における確率設定操作に基づき、何れか1つの設定値を記憶部に記憶し、当該記憶された設定値に基づいて特典が付与される確率等を制御する。
確率設定装置15で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値で、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
【0019】
確率設定装置15における設定値を変更する手順としては、設定キー(図示略)を確率設定装置15のキー挿入口に挿入して所定方向に設定キーを回転させた状態で、スロットマシン1の電源を投入することで、設定変更モードに移行させ、当該設定変更モードへの移行により、設定確認表示器(図示略)にその時点の設定値が表示され、設定変更ボタンの操作により所望の設定値への変更操作を行った後、例えば、スタートレバー3の操作により、設定値への変更が行われるものとなっている。
【0020】
また、設定キー(図示略)を確率設定装置15のキー挿入口に挿入して所定方向に設定キーを回転させた状態でのスロットマシン1の電源の投入後、リセットスイッチ(図示略)を操作すると、主制御部10がリセットされる。これにより、確率設定装置15における設定値が初期化(設定1に設定)されるとともに、後述するカウンタA、Bも初期化(ゼロクリア)されることとなる。なお、リセットスイッチの操作以外でも、上記した設定値の変更操作が行われた場合にもカウンタA、Bは初期化される。
【0021】
また、確率設定装置15でのその時点の設定値も確認可能となっていて、電源投入後に確率設定装置15のキー挿入口に設定キーを挿入して所定方向に回転させることで、その時点の設定値が設定確認表示器に表示されるものとなっている。
【0022】
なお、確率設定装置15における設定値により、CZ状態やAT状態への移行確率を直接変化、あるいは間接的に変化させることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化可能としてもよい。
また、遊技状態の他に、所定の小役の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
また、設定値を6段階に設定可能としたが、これに限らず、例えば、4段階(設定値1、2、5、6)や3段階(設定1、設定3、設定6)としてもよく、固定の確率値としてもよい。
【0023】
主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づいて遊技の開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数値をサンプリングする処理等を行う。そして、主制御部10は、サンプリングされた乱数値に基づき内部抽選処理を行う。また、主制御部10は、記憶部に記憶された制御プログラム等を適宜読み出して実行することにより、後述する実施形態の各種機能を実現している。
すなわち、主制御部10は、遊技の実行に対応して、変動表示手段(リール41)に停止表示される識別情報に関連する役(当選役)の抽選を実行する抽選手段、遊技状態の移行権利等の特典を付与するか否かを判定する手段を備えている。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき特化ゾーンやAT状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0024】
また、主制御部10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール41の回転制御を行う。主制御部10は、各リール41a~41cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール41a~41cの回転位置を検出して、各リール41a~41c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0025】
また、主制御部10は、所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー操作、停止ボタン5a~5cの操作、遊技状態の移行など)で、所定の信号やコマンド(制御情報)を副制御部20に出力する。
例えば、主制御部10は、スタートレバー3が操作された場合には、スタートレバー操作があったことを示す信号を副制御部20に出力し、各停止ボタン5a~5cが操作された場合には、どの停止ボタン5がどの順番で操作されたのかを識別可能な信号を出力し、停止ボタン5の操作により各リール41a~41cが停止された場合には、どのリール41がどの順番で停止したのか、上段・中段・下段の図柄などを識別可能な情報を副制御部20に出力する。
そのため、副制御部20は、遊技者による停止ボタン5a~5cの操作態様に応じた図柄の停止態様を認識することができる。
また、主制御部10は、遊技状態が移行する場合には、どの遊技状態に移行したのかを識別可能な情報を副制御部20に出力する。
【0026】
また、主制御部10は、電源装置14から電断信号と電源復帰信号を入力可能に構成されている。
主制御部10は、電断信号を入力すると、その入力時における遊技情報を記憶(退避)する電源断処理を実行する。この遊技情報には、例えば、そのときの遊技状態、当選役、リール41の停止態様、ベット数等の情報が含まれている。
また、主制御部10は、電源復帰信号を入力すると、記憶(退避)した遊技情報を読み出して遊技を再開する電源復帰処理を実行する。すなわち、主制御部10は、電源復帰信号を入力すると、読み出した遊技情報に基づいて電源断直前の状態に復帰させる。
また、主制御部10は、電源復帰処理において、遊技情報を副制御部20に送信する。これにより、副制御部20では、電源断直前の遊技状態に基づいて演出を再開することができる。
【0027】
副制御部20は、演出ボタン2c、スピーカ9、表示器8、ランプ11、ナビランプ12と通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御部20は、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、これらの装置を制御する。
【0028】
副制御部20は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶部に記憶する。
副制御部20は、演出制御手段として動作することにより、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0029】
また、副制御部20は、電源装置14から電断信号と電源復帰信号を入力可能に構成されている。副制御部20は、電断信号を入力すると、その入力時に実行中の演出内容を特定する演出情報を記憶(退避)する。この演出情報には、例えば、表示器8において表示されている各種情報等が含まれている。
また、副制御部20は、電源復帰信号を入力すると、主制御部10から受信した遊技情報を記憶(退避)した演出情報に基づいて、演出を再開する。
【0030】
(遊技機の基本的な遊技)
次に、
図4~
図5を参照して、主制御部10による制御により実現するスロットマシン1における基本的な遊技について説明する。
【0031】
まず、ゲームの開始にあたり、メダル(クレジットメダルも含む)を用いてベット数の設定を行う。
ベット数の設定は、メダル投入口2から直接メダルを投入して設定する方法と、ベットボタン2aを押圧操作して設定する方法とがある。
【0032】
メダル投入口2からメダルを投入してベット数を設定する方法では、投入されたメダルが前扉1a裏面に設けられたメダルセレクタ2bによって検知されることにより、投入分のメダル枚数に対応するベット数(ただし、メダル3枚に対応する3ベットが上限)が設定されることになる。3ベットを超えるメダルが投入された場合には、クレジットメダルとして内部的にデータとして記憶保持される。
なお、ベット数の上限は、「1」、「2」又は「4」以上でもよい。
【0033】
ベットボタン2aが押圧操作されると、内部的にデータとして記憶されたクレジットメダルから、1回のゲームに使用するメダル枚数として所定数(例えば、3枚)のメダル枚数が減算され、減算された分が3ベットとして設定される。
なお、ベットボタンとして、2枚に対応するメダル枚数を設定する2ベットボタンを設けることで、2ベットボタンを1回押すことで2ベットを設定してもよい。
また、ベットボタンとして、1枚に対応するメダル枚数を設定する1ベットボタンを設けることで、1ベットボタンを2回押すことで2ベットを設定してもよく、1ベットボタンを3回押すことで3ベットを設定してもよい。
また、クレジットメダルは、メダル投入口2からのメダル投入や入賞により加算され、例えば、メダル50枚までクレジット(記憶)することができる。
【0034】
このように、メダル投入口2からの直接投入や、各ベットボタンの押圧操作により設定されたベット数は、主制御部10の記憶部に記憶され、1回のゲームを実行可能なベット数(例えば、3ベット)になったときに、ゲーム開始可能な状態となる。
ゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームが開始され、リール41が変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の役(ハズレを含む)や、特化ゾーン、AT状態の移行に対する今回ゲームの抽選結果をリール41の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役(抽選結果)の中から今回ゲームの当選役(ハズレを含む)(抽選結果)を所定の当選確率に基づいて抽選により決定(導出)する。
【0035】
リール41は、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
停止ボタン5a~5cは、リール41の停止操作を行うための操作手段(停止操作手段)の一例であり、押圧操作可能な状態において押圧操作されると、操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール41a~41cが停止制御される(停止制御手段)。
各リール41a~41cの停止制御は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン(以下、入賞ラインともいう)上に停止可能となる。
【0036】
そして、第3リール停止操作後に、遊技の結果として入賞ライン上に停止(以下、「停止表示」ともいう)した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定され、図柄の組合せに応じた遊技価値(例えば、メダル)が付与される。
なお、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作をされたリールをいう。また、第3リール停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいう。
【0037】
本実施形態では、入賞の判定は、上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりの計5ラインのうち、中段のラインのみを有効ラインとして、中段のライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定されるようになっている。
なお、入賞を判定する入賞ラインの本数は、1ラインに限らず、図柄の配置構成、図柄の種類、当選役に対応する図柄の組合せなどの関係により、適宜変更することができる。
なお、図柄の停止に関わる制御には、内部抽選処理の抽選結果に基づきゲーム結果として図柄を停止させる制御と、疑似遊技においてゲームの実行中に図柄を疑似停止させる制御とがある。
以上のように、スロットマシン遊技(ゲーム制御)が実行される。
【0038】
(当選役と対応する図柄の組合せ)
次に、各当選役(抽選結果)と各当選役に対応する図柄の組合せについて説明する。
当選役は、例えば、小役、リプレイ役、ボーナス役等を有する。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役、1枚役がある。
また、チェリー役には、弱チェリー役と強チェリー役がある。
なお、以下の説明において、チェリー役、スイカ役、チャンス役を纏めて「レア役」ともいう。
また、レア役は、当選確率の比較的高い弱チェリー役とスイカ役は「弱レア役」として設定され、当選確率の比較的高い強チェリー役とチャンス役は「強レア役」として設定されている。
【0039】
ベル役には、押し順ベル役が設けられている。
押し順ベル役には、6通りある押し順のうちの1通りの押し順(正解押し順、特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。
このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(不正解押し順、特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、他の図柄の組合せ(押し順ベルこぼし目又はハズレ目)が停止表示される。
不正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作された場合、押し順ベルこぼし目に対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・リプレイ」)を停止させることができなければ、取りこぼしが発生し、ハズレ目(「リプレイ・チェリー・ベル」など)が停止表示される。
押し順ベルこぼし目に対応する図柄の組合せが停止した場合には、1枚のメダルが付与され、ハズレ目に対応する図柄の組合せが停止した場合には、メダルが付与されないようになっている。
【0040】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール41の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベル役は、6通りに限らず、3通りの押し順ベル役1~3を設けてもよい。
また、押し順ベル役を押し順の異なる6種類に設定しているが、押し順ベル役を押し順の他に目押し操作を必要とする図柄で構成することで12種類に設定してもよい。
なお、以下の説明において、押し順ベル役1~6を纏めて、単に、押し順ベル役ともいう。
【0041】
なお、ベル役には、押し順ベル役とは対応する図柄の組合せがなる共通ベル役を設けてもよい。例えば、共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する押し順に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する。
【0042】
また、本実施形態に係るスロットマシン1は、押し順ベル役1~6に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。
ATは、内部抽選処理によって押し順ベル役1~6に当選すると、副制御部20が表示器8等を制御することにより、停止ボタン5に対する押し順や目押しの目安となる図柄等を報知する状態である。
すなわち、主制御部10及び副制御部20は、遊技の結果として押し順ベル役の図柄の組合せ(ベル・ベル・ベル)を導出するための停止操作に関する情報を報知するための制御を実行する。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、AT中は、非AT中に比べて出玉スピードが速くなる。ATが継続して実行される遊技状態として、後述する特化ゾーン、AT状態、エンディング状態がある。
【0043】
例えば、押し順の報知は、押し順ベル役1に当選した場合には、「1」、「2」、「3」の文字情報からなる押し順を、左から順に表示器8に表示し、「左」、「中」、「右」の音声をスピーカ9から出力し、ナビランプ12を、12a(左)、12b(中)、12c(右)の順で点灯することにより、停止ボタン5の押し順を報知する。
なお、本実施形態では、表示器8、ナビランプ12、スピーカ9等の報知手段によって押し順がナビゲートされることを「押し順ナビ」ともいう。
非ATでは、内部抽選処理の当選結果が押し順ベル役1~6であっても、停止ボタン5の押し順が報知されない。このため、遊技者は、操作した停止ボタン5の操作順序が、偶然に当選した押し順ベル役1~6に対応する押し順と一致しない限り、基本的に、当選した押し順ベル役1~6に対応する図柄の組合せを、停止表示させることができない。
このため、スロットマシン1の遊技性は、遊技者がATに長期間制御されるような遊技を行うことにより、出玉を増やすといったものになる。
【0044】
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役であり、「チェリー」図柄が左リール41aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」図柄が左リール41aの中段に停止する強チェリー役とがある。
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役である。
1枚役は、対応する図柄組合せを「ベル・ベル・リプレイ」とする小役である。したがって、1枚役の入賞時には上記した「押し順ベルこぼし目」と同様の図柄組合せが停止することとなる。
【0045】
リプレイ役は、押し順に関係なく図柄の組合せが揃い、入賞ライン上に「リプレイ・リプレイ・リプレイ」の図柄の組合せが停止表示する。
チャンス役は、対応する図柄組合せを、「ベル・スイカ・スイカ」(チャンス目)とする小役である。
また、レア役は、所定のリールにおける入賞に対応する図柄を狙った停止操作(所謂目押し操作)を要するものとなっていて、当選して引込停止制御が行われた場合でも必ず対応する図柄組合せが停止するものとはなっていない。
【0046】
ボーナス役は、対応する図柄の組合せを「BAR・BAR・BAR」とする役であり、その入賞により遊技状態をボーナス状態に移行させる役である。
ボーナス役は、当選した遊技及び当該遊技以降の遊技においても対応する図柄の組合せが停止(ボーナス役が入賞)しない限り、当選した権利を持ち越すことが可能である。このため、対応する図柄の組合せが停止することでボーナス役が入賞するまでの期間は、ボーナス当選の成立状態が維持される(以下、この状態を「ボーナス当選状態」という)。通常のゲームでは、殆どの期間、ボーナス当選状態中において実行されることとなる。
一方、ボーナス役に当選し、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示する(ボーナス役が入賞する)と、ボーナス状態に移行し、当該ボーナス状態の終了後にボーナス役の当選の権利を持ち越していない非持越し状態(以下、この状態を「ボーナス非当選状態」という。)となる。
なお、ボーナス状態においては、メダルの増減がほぼないように役の抽選が行われるもの(所謂ゼロボ)となっている。
【0047】
また、ボーナス役は、リプレイ役に当選した場合の所定の割合で重複して当選する。
ボーナス役がリプレイ役と重複して当選した場合は、主制御部10は、ボーナス役に対応する図柄の組合せは、最も低い優先順位でリール制御を行う。
したがって、ボーナス役が重複して当選した遊技において、基本的にはボーナス役に対応する図柄の組合せは停止させることはできず、リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止することとなり、ボーナス当選状態が以降の遊技においても継続することとなる。
なお、これに限らず、ボーナス役は、単独で当選してもよい。
【0048】
以上のような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス役の入賞の有無がそれぞれ判定される。判定の結果、入賞と判定した場合には、
図5に示すように、遊技価値が付与される(メダルが払い出される)。すなわち、主制御部10は、図柄の停止態様に応じた遊技価値(メダル)を付与する遊技価値付与手段を備えている。
例えば、押し順ベル役1~2において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、3枚のメダルが払い出され、押し順ベル役3~6において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、10枚のメダルが払い出される。一方、押し順ベル役の当選時に、不正解押し順で停止ボタン5a~5cが操作されて、押し順ベルこぼし目が停止した場合には、1枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役3~6については、後述するAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率及び払出数に設定されている。
【0049】
スイカ役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、6枚のメダルが払い出され、弱チェリー役、強チェリー役、チャンス役及び1枚役の各当選役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、夫々1枚のメダルが払い出される。
また、リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、次ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、再遊技が可能な状態となる。
また、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、メダルの払い出しはされない。
【0050】
なお、各当選役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記の枚数以外でもよい。
また、各当選役に対応する図柄の組合せは、上記以外でもよく、目押し操作を必要する図柄で構成するようにしてもよいし、目押し操作を必要としない図柄で構成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ベット数に関わらずメダルの払い出し数を同数に想定しているが、ベット数に応じてメダルの払い出し数を異ならせてもよい。
【0051】
(各役の当選確率)
次に、
図4を参照して、各役の当選確率について説明する。
図4は、ボーナス当選状態において、各役の抽選に用いられる内部抽選テーブルを示している。
内部抽選テーブルは、主制御部10による内部抽選処理において取得する乱数値の取得範囲(個数)を65536個とし、そのうちの当たり値(当選)の個数を各々示している。
各役に当選する確率は、
図4に示すように、例えば、確率設定装置15での設定値が設定1であった場合には、リプレイ役は、8982/65536の確率で設定され、1枚役は、14400/65536の確率で設定され、弱チェリー役は、650/65536の確率で設定され、強チェリー役は、164/65536の確率で設定され、スイカ役は、919/65536の確率で設定され、チャンス役は、491/65536の確率で設定され、押し順ベル役1~2は、6981/65536の確率で設定され、押し順ベル役3~6は、6492/65536の確率で設定されている。
このように、ボーナス当選状態では、各役の当選確率は、押し順ベル役>1枚役>リプレイ役>スイカ役>弱チェリー役>チャンス役>強チェリー役の関係性で設定されている。
また、詳細な説明は省略するが、設定2~6での各役の当選確率も、図示するような値に設定されている。
【0052】
図4に示す各役の当選確率は、ボーナス当選状態の値であるが、ボーナス役に当選していない状態(ボーナス非当選状態)においても、同様の当選確率となっている。ただし、ボーナス非当選状態においては、リプレイ役の当選と同時にボーナス役にも当選することとなる。
【0053】
なお、各役の当選確率の関係性は、
図4に示すもの以外でもよい。
また、当選確率は、設定値に応じて当選確率が変動する当選役と設定値に応じて当選確率が変動しない当選役を設けているが、これに限らず、全設定値共通としてもよい。
また、レア役(弱チェリー役)以外の役についても、高設定である程、当選確率が高くなるように設定してもよく、又は、低くなるように設定してもよい。
また、3ベットゲームにおける各役の当選確率を示しているが、3ベットゲーム以外の場合の各役の当選確率としてもよい。
【0054】
(通常区間、有利区間)
本実施形態に係る主制御部10は、後述する遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間(非有利区間)及び有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ベル役に係る押し順ナビが実行されることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了する。
また、主制御部10の初期状態(リセット時)には通常区間に制御され、通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0055】
本実施形態では、有利区間移行条件の成立としては、内部抽選処理において所定の役(例えば、1枚役以外の役)に当選することであり、当選ゲームの第3リール停止操作後に、通常区間から有利区間に移行する。
また、詳細は後述するが、遊技状態が通常遊技状態であり、遊技区間が通常区間中のゲームにおいて有利区間移行条件が成立した場合には、有利区間に移行することとなるが、このときボーナス当選状態であった場合には、遊技状態がCZ状態に移行することとなり、ボーナス非当選状態であった場合には、遊技状態が通常遊技状態を維持することとなる。したがって、ボーナス当選状態における通常区間への移行は、実質的にCZ状態への移行権利が付与されることとなる。
【0056】
なお、有利区間移行条件の成立を、レア役に当選した場合としてもよく、また、例えば、所定の当選役に対応する図柄の組合せの停止表示又は所定の当選役に対応しない図柄の組合せの停止表示(例えば、ハズレ目又は押し順ベルこぼし目)等によって、移行するようにしてもよい。
また、メダル数が増加する遊技者にとって有利な遊技状態へ移行したことを条件に有利区間に移行させ、有利な遊技状態が連続した場合には有利区間を継続させるようにしてもよい。
【0057】
有利区間は、押し順ベル役に係る押し順ナビが実行可能な遊技区間であり、押し順ナビが実行されることで通常区間と比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後に、所定の有利区間の終了条件が成立することで終了される。
有利区間の終了条件としては、例えば、スロットマシン1(主制御部10)がリセット(設定変更時も含む)された場合等がある。
また、有利区間の終了条件としては、後述するエンディング状態が終了した場合にも成立するようになっている。そして、前述したように、ボーナス当選状態における有利区間の終了(通常区間への移行)は、実質的にCZ状態への移行権利が付与されることになる。
すなわち、エンディング状態終了後は、通常区間への移行とともに、一旦、遊技状態が通常遊技状態へ移行するものの、有利区間移行条件が成立すると、有利区間への移行とともに、遊技状態がCZ状態へ移行することになる。なお、便宜上、
図6ではエンディング状態の終了後は、CZ状態へ移行するように示している(矢印j)。
また、本実施形態では、基本的には、AT状態の終了時には有利区間は継続するものとなっているが、AT状態の終了時に有利区間の終了条件を成立させるようにしてもよいし、終了時の差枚数に応じて有利区間を終了するか否かを決定するようにしてもよい。
また、通常遊技状態において、所定ゲーム数滞在し続けた場合には、有利区間が終了して通常区間に移行するようにしてもよい。
【0058】
さらに、スロットマシン1には、遊技者が獲得するメダル数を制限するための制限機能としてリミッタ機能(以降、有利区間リミッタともいう)が設けられており、有利区間リミッタが作動した場合にも有利区間の終了条件が成立するようになっている。
例えば、有利区間リミッタは、「1回の有利区間中の獲得枚数(差枚数(投入されたメダル数-払い出されたメダル数))が、上限枚数(例えば、+2400枚)に到達したこと」の条件を満たすことである。
したがって、有利区間リミッタは、1回の有利区間における差枚数が上限枚数に達した場合に作動することとなる。
また、上限枚数の条件を「1回の有利区間中の獲得枚数(純増枚数(所謂MY))が、上限枚数(例えば、2400枚)に到達したこと」としてもよい。
【0059】
なお、上記の有利区間の終了条件は、「1回の有利区間中のゲーム数(有利区間ゲーム数)が、上限ゲーム数(例えば、4000ゲーム)に到達したこと」の条件を満たす場合に成立するようにしてもよい。すなわち、有利区間リミッタを、1回の有利区間におけるゲーム数が上限ゲーム数に達した場合に作動するようにしてもよい。
なお、有利区間の終了条件は、上記に限らず、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」、「ボーナス役に対応した図柄の組合せが停止表示されたこと」等を含めてもよい。
また、有利区間中に所定の当選役(通常区間移行役)に当選したことを契機に、有利区間を終了し、通常区間に移行するようにしてもよい。
【0060】
有利区間が終了した場合には、遊技に関する情報のうち、ボーナスの当選権利は持ち越されるものの、その他の情報は初期化される。例えば、後述する各カウンタの値や各遊技状態中に管理される各種情報(例えば、確率状態、小役の連続当選回数、役ストック(後述する))は、有利区間が終了した場合に初期化される。
なお、これに限らず、有利区間の終了で初期化される情報のうち、一部又は全ての情報について、初期化されないようにしてもよい。
【0061】
有利区間では、有利区間ランプ13は点灯可能な状態に制御される。
なお、これに限らず、有利区間ランプ13は、有利区間に移行後、メダル数が増加する遊技者にとって有利な遊技状態となった時点で、点灯を開始してもよい。
また、有利区間へ移行した場合でも有利区間ランプ13を点灯させないようにしてもよいし、有利区間へ移行した場合でもAT状態に移行した場合にのみ点灯させるようにしてもよい。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよく、この場合、代わりに主制御部10で制御されるAT状態ランプを設けることで、AT中にAT状態ランプを点灯させることが好ましい。
【0062】
また、本実施形態のスロットマシン1には、遊技者が獲得するメダル数を制限するための機能として、スロットマシン1の電源が投入されてから遮断されるまでに遊技者側が実際に獲得するメダル数(純増枚数)を制限する所謂コンプリート機能(単にコンプリートともいう)を設けている。
具体的には、スロットマシン1の電源が投入されてから遮断されるまでの純増枚数(MY)が所定数(コンプリート値である+19000枚)に達した場合に、ゲーム実行不能状態として、その後のゲームが不能となる遊技停止状態にするようにしている。
したがって、遊技場の営業中において、遊技者側が獲得するメダル数が制限されることとなる。
また、遊技場の営業中に、1回の有利区間中における差枚数が極めて小さい値となっていて、有利区間リミッタ機能が作動するまでに極めて多数のメダルを遊技者が獲得可能な状態となっていても、有利区間リミッタ機能が作動するまでにコンプリート機能が先に作動することとなり、差枚数が極めて小さい値となっていた場合でも、遊技場側の不利益が極めて大きくなってしまうことを防止可能となる。
【0063】
(遊技に関するカウンタ)
有利区間中は、主制御部10が計数手段として動作することにより、以下に示すカウンタの計数結果を記憶部に記憶する。
・有利区間ゲーム数カウンタ(以下、カウンタAともいう。)…有利区間中のゲーム回数の計数値
・有利区間差枚数カウンタ(以下、カウンタBともいう。)…有利区間中の獲得枚数(差枚数)の計数値
【0064】
カウンタBは、有利区間リミッタに関するカウンタである。
主制御部10は、通常区間から有利区間に移行すると、有利区間中に実行したゲーム回数の計数(カウンタA)と、有利区間中に獲得したメダル枚数の計数(カウンタB)を開始し、カウンタBの示す値が特定値(+2400枚)に到達した場合に、有利区間を強制的に終了する。
なお、カウンタAを、有利区間リミッタに関するカウンタとして用いてもよく、例えば、カウンタAの示す値が特定値(4000ゲーム)に到達した場合に、有利区間を強制的に終了してもよい。
カウンタA及びカウンタBの値は、有利区間が終了した場合に初期化(ゼロクリア)される。
【0065】
カウンタBは、1回の有利区間における遊技者側が消費(ベット数として入力)したメダル数と、払い出(付与)されたメダル数の差数を主制御部10が監視するためのカウンタであり、1回の有利区間中において、ゲームの実行に際して消費されたメダル数分減算されるとともに、ゲームの結果により払い出されたメダル数分加算されることで、ゲームの実行により増減することとなる、消費メダル数と払い出しメダル数との差枚数(差遊技価値)を計数可能なカウンタである。
また、カウンタBは、初期化されない限り、ゲームの実行に際して消費されたメダルの総数が、ゲームの結果により払い出されたメダルの総数よりも大きくなった場合も計数されるものとなっている。
【0066】
これにより、有利区間中において遊技者側が実際に獲得したメダルがなく、メダルの消費のみが行われている場合も、そのときの消費メダル数(遊技者側が損失したメダル数)を計数可能である。
すなわち、主制御部10は、有利区間における遊技価値(メダル)の付与数よりも、有利区間における遊技価値の消費数の方が多くなった場合もカウンタBの値を計数可能である。
【0067】
本実施形態に係るスロットマシン1は、このような構成に加えて、以下に示すような遊技状態と、この遊技状態に基づく特徴的なゲーム性を備えている。
各遊技状態は、主制御部10が遊技状態制御手段として動作することにより、それぞれの遊技状態に制御(以下、移行ともいう)される。
【0068】
(各遊技状態の詳細)
次に、
図6を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1の各遊技状態と、各遊技状態の遷移及び各遊技状態に基づくゲーム性について説明する。
なお、主制御部10は、通常区間及び有利区間の移行制御と遊技状態間の移行制御を、独立して行うことができる。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行タイミングは、基本的に、移行条件が成立した遊技の第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。なお、これに限定されず、移行条件の成立後、次ゲームから移行してもよい。
【0069】
図6に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態(第3遊技状態)、CZ状態、特化ゾーン(第1遊技状態)、AT状態(第2遊技状態)、エンディング状態等の複数の遊技状態において実行される。
主制御部10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能である。
通常遊技状態及びCZ状態は、非ATに制御され、特化ゾーン、AT状態及びエンディング状態は、ATに制御される。
特に、通常遊技状態においては、長期間滞在する程、遊技者のメダルが増加しにくい期間が長くなり、遊技者にとって不利になる。一方、特化ゾーン、AT状態及びエンディング状態は、遊技を続けることでメダルが増加しやすく、遊技者にとって有利な遊技状態である。
そのため、遊技者は、非ATに制御される遊技状態からATに制御される遊技状態への移行を目指し、特に、AT状態に長く滞在することを目指して遊技を行うことになる。
AT状態への遷移は複数あるが、基本的な遷移としては、通常遊技状態→CZ状態→特化ゾーンの順序で移行し、その後、AT状態に移行可能である。
なお、通常遊技状態及びCZ状態を一部AT、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するように制御してもよい。また、特化ゾーン、AT状態及びエンディング状態の一部を一部ATとしてもよい。
【0070】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1のリセット時、設定値が変更(設定値の打ち直しも含む)された場合又は有利区間が終了した場合等に滞在する。
また、CZ状態、AT状態、エンディング状態の終了後に突入する場合がある。
スロットマシン1(主制御部10)がリセットされた場合に滞在する通常遊技状態では、通常区間(非有利区間)に制御される。通常区間中の通常遊技状態において、有利区間移行条件が成立(1枚役以外の役に当選)した場合には、主制御部10は、通常区間から有利区間に制御する。ただし、主制御部10がリセットされた場合には、ボーナス非当選状態であるので、次ゲームが実行されても遊技状態は通常遊技状態を維持することとなる。
また、通常遊技状態中は、表示器8の画面主要部に通常遊技状態中であることを報知する通常遊技状態画像が表示される。
【0071】
(通常遊技状態からCZ状態又は特化ゾーンAへの移行処理)
通常遊技状態では、CZ状態又は特化ゾーンAへの移行抽選が行われる。
具体的には、主制御部10は、「通常遊技状態時抽選テーブル」(
図7)を参照することで、確率設定装置15に設定されている設定値と当選役に基づいて移行抽選を行う。
当該移行抽選に当選した場合は、主制御部10は、通常遊技状態からCZ状態又は特化ゾーンAへ移行するように制御する(
図6の矢印a、矢印c)。
なお、当該移行抽選に当選した場合は、次ゲームから直ぐにCZ状態又は特化ゾーンAに移行させずに、所定期間の遅延期間を設けて、その遅延期間において前兆演出を行うようにしてもよい。
【0072】
図7に示すように、例えば、設定1が設定されているときに弱レア役に当選した場合には、15/256の確率でCZ状態に当選し、1/256の確率で特化ゾーンAに当選し、設定6が設定されているときに弱レア役に当選した場合には、32/256の確率でCZ状態に当選し、4/256の確率で特化ゾーンAに当選するように設定されている。
また、例えば、設定1が設定されているときに強レア役に当選した場合には、62/256の確率でCZ状態に当選し、2/256の確率で特化ゾーンAに当選し、設定6が設定されているときに強レア役に当選した場合には、121/256の確率でCZ状態に当選し、7/256の確率で特化ゾーンAに当選するように設定されている。
また、詳細な説明は省略するが、確率設定装置15での設定値が設定2~5の場合にも、図示するような各確率で抽選が実行される。
このように、当選確率の低い役ほどCZ状態又は特化ゾーンAに移行する確率が高くなり、確率設定装置15に設定されている設定値が高い方が、CZ状態又は特化ゾーンAに移行する確率が高くなる。
【0073】
なお、通常遊技状態では、CZ状態や特化ゾーンAへの移行確率が相対的に低い通常確率状態と、相対的に高い高確率状態とを設けることで、移行確率を変更可能としてもよい。
確率状態の移行は、例えば、レア役当選時の所定の確率で通常確率状態から高確率状態に移行(昇格)するような制御を行い、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時及びハズレ役当選時の所定の確率で高確率状態から通常確率状態へ移行(降格)する制御が行われるようにしてもよい。
【0074】
また、通常遊技状態において、通常遊技状態(有利区間のみ)におけるゲームの実行回数又は通常遊技状態(非有利区間も含む)におけるゲームの実行回数が、予め定められた数となった場合に、CZ状態又は特化ゾーンAに移行させるようにしてもよい。
さらに、通常遊技状態におけるゲームにおいて、役の抽選結果に応じて所定のポイントを加算し、このポイントの加算値が所定数となった場合に、CZ状態又は特化ゾーンAに移行させるようにしてもよいし、ポイントの加算値が所定数となった場合に、抽選を行い、この移行抽選に当選した場合に移行させるようにしてもよい。
【0075】
また、通常遊技状態において、所定の役(例えば、強チェリー役)に当選したことに基づいてAT状態の移行抽選を行い、通常遊技状態から直接AT状態に移行可能としてもよい。例えば、所定の当選確率(例えば、1%)でAT状態へ移行するようにしてもよい。
この場合、全ての役ストック(後述する)を1つずつ付与した状態でAT状態へ移行するようにしてもよいし、役ストックを付与することなく、1セットのAT状態が終了するまでロック状態(後述する)が継続するように制御してもよい。
【0076】
(CZ状態)
CZ状態は、非ATではあるものの、特化ゾーンへの移行抽選が行われるので、遊技者にとって有利な遊技状態であるため、一連の遊技の流れにおいてチャンスゾーン(CZ)として位置付けられている。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは実行されないが、押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0077】
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10ゲームである。すなわち、CZ状態では、10ゲームの間に、特化ゾーンへの移行権利を獲得することを目指して遊技を行うことになる。
なお、これに限らず、11ゲーム以降においても所定の役(リプレイ役及びレア役以外)が当選するまで継続するようにしてもよい。
また、CZ状態中は、表示器8の画面主要部にCZ状態中であることを報知するCZ状態画像が表示される。
【0078】
(CZ状態から特化ゾーンへの移行処理)
CZ状態では、特化ゾーンへの移行抽選が行われ、当該抽選に当選した場合に、特化ゾーンA又は特化ゾーンBの移行権利が付与される。当該移行抽選に当選した場合は、主制御部10は、次ゲームから特化ゾーンA又は特化ゾーンBへ移行するように制御する(
図6の矢印d)。
具体的には、主制御部10は、「CZ状態時抽選テーブル」(
図8)を参照することで、確率設定装置15に設定されている設定値と当選役に基づいて移行抽選を行う。
例えば、
図8に示すように、設定1が設定されているときに押し順ベル役に当選した場合には、25/256の確率で特化ゾーンAに当選し、1/256の確率で特化ゾーンBに当選し、設定6が設定されているときに押し順ベル役に当選した場合には、26/256の確率で特化ゾーンAに当選し、1/256の確率で特化ゾーンBに当選するように設定されている。
また、例えば、設定1が設定されているときにレア役に当選した場合には、204/256の確率で特化ゾーンAに当選し、4/256の確率で特化ゾーンBに当選し、設定6が設定されているときにレア役に当選した場合には、192/256の確率で特化ゾーンAに当選し、16/256の確率で特化ゾーンBに当選するように設定されている。
また、詳細な説明は省略するが、確率設定装置15での設定値が設定2~5の場合にも、図示するような各確率で抽選が実行される。
このように、当選確率の低い役に当選した方が、特化ゾーンに移行する確率が高くなる。また、当選確率の低い役に当選した場合には、確率設定装置15に設定されている設定値が高い方が、特化ゾーンBに移行する確率が高くなる。そのため、興趣性の高い抽選が実行可能となるとともに、遊技者の期待感を高めることが可能である。
【0079】
また、CZ状態において、所定の役(例えば、強チェリー役)に当選したことに基づいてAT状態の移行抽選を行い、CZ状態から直接AT状態に移行可能としてもよい。例えば、所定の当選確率(例えば、1%)でAT状態へ移行するようにしてもよい。
この場合、全ての役ストック(後述する)を1つずつ付与した状態でAT状態へ移行するようにしてもよいし、役ストックを付与することなく、1セットのAT状態が終了するまで後述するロック状態が継続するように制御してもよい。
【0080】
(CZ状態から通常遊技状態への移行処理)
CZ状態において、特化ゾーンへの移行抽選に当選することなく、10ゲームを消化すると、主制御部10は、次ゲームから通常遊技状態へ移行するように制御する(
図6の矢印b)。
【0081】
(特化ゾーン)
特化ゾーンは、役ストックの獲得に特化した遊技状態である。
本実施形態に係るスロットマシン1は、特化ゾーン中に獲得した役ストックの種類や数に応じて、その後に移行するAT状態中の遊技を有利に進めることができるようになっている。
そのため、遊技者は、特化ゾーン中は、多くの種類の役ストックを獲得することや、多くの数の役ストックを獲得することを期待して遊技を行うことになる。
【0082】
特化ゾーンは、特化ゾーンAと特化ゾーンBを備えており、それぞれ所定ゲーム数(10ゲーム+α)の間、滞在可能である。なお、「+α」のゲーム数については、後述する。
また、特化ゾーンは、所定ゲーム数(10ゲーム+α)を1セットとして、そのセット中に所定の条件が成立した(継続抽選に当選した)場合には、次のセットへ継続するような制御が行われる。なお、継続抽選の詳細は後述する。
【0083】
(役ストック)
役ストックは、特化ゾーン終了後に移行可能なAT状態の滞在期間を左右する情報(判定用情報)である。
また、役ストックは各役に関連して設けられる。
例えば、押し順ベル役(第1抽選結果)に関連するベル役ストック(第1判定用情報)、1枚役に関連する1枚役ストック、リプレイ役に関連するリプレイ役ストック、スイカ役(第2抽選結果)に関連するスイカ役ストック(第2判定用情報)、弱チェリー役に関連する弱チェリー役ストック、チャンス役に関連するチャンス役ストック、強チェリー役に関連する強チェリー役ストック等が設けられている。
なお、これに限らず、押し順ベル役に関連する役ストックとして押し順ベル役ストックを設けてもよく、共通ベル役を設ける場合には、共通ベル役に関連する役ストックとしてベル役ストック又は共通ベル役ストックを設けてもよい。
すなわち、複数の役(例えば、押し順ベル役、共通ベル役)に関連する1つの役ストック(例えば、ベル役ストック)を設けてもよく、1の役(例えば、ベル役)に関連する複数の役ストック(例えば、押し順ベル役ストック、共通ベル役ストック)を設けてもよい。
【0084】
役ストックは、特化ゾーン中の内部抽選処理において、関連する役に当選することで獲得可能することができる。
具体的には、主制御部10(決定手段)は、「役ストック抽選テーブル」(
図9)を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいて役ストックの付与抽選を行う。
例えば、
図9に示すように、押し順ベル役に当選した場合には、232/256の確率でベル役ストックが1つ付与され、16/256の確率でベル役ストックが2つ付与され、8/256の確率でベル役ストックが3つ付与され、スイカ役に当選した場合には、254/256の確率でスイカ役ストックが1つ付与され、1/256の確率でスイカ役ストックが2つ付与され、1/256の確率でスイカ役ストックが1つ付与されるように設定されている。
また、詳細な説明は省略するが、他の役に当選した場合にも、図示するような各確率で役ストックの付与抽選が実行される。
このように、当選確率の高い役に当選した方が、多くの数の役ストックが付与され易くなっている。なお、これに限らず、当選確率の低い役に当選した方が、多くの数の役ストックが付与され易くなるようにしてもよい。
また、付与される役ストックの数は、特に限定されるものではなく、4つ以上としてもよい。
また、付与される役ストックの数を、当選役の種類に関わらず、抽選により決定してもよい。
また、特化ゾーンA及び特化ゾーンBにおいて、同じ抽選テーブルを参照して役ストックの付与抽選を行う場合を想定しているが、これに限らず、例えば、特化ゾーンBの方が多くの役ストックを獲得し易いテーブルを参照するようにしてもよい。
【0085】
付与された役ストックは、主制御部10の記憶部(記憶手段)に記憶される。
例えば、ベル役ストック「2」、リプレイ役ストック「3」、スイカ役ストック「1」のように、役ストックの種類ごと(抽選結果ごと)に1又は複数記憶可能である。
また、詳細は後述するが、記憶部に記憶される各種役ストックは、AT状態において関連する役が当選することで消去される。
【0086】
(確率状態)
特化ゾーンは、複数の確率状態を有しており、例えば、役ストックの獲得期待度の低い低確率状態と、低確率状態よりも役ストックの獲得期待度が高い高確率状態とを有してる。
特化ゾーン中は、当選役に基づいて高確差枚数の付与抽選が行われ、当該抽選に当選し、高確差枚数が付与された場合には、低確率状態から高確率状態に移行(昇格)するような制御が行われる。
そして、主制御部10は、高確差枚数を消化するまで(高確差枚数分の遊技価値を獲得するまで)の期間は、特化ゾーン中の残りゲーム数の減少が停止するように制御する。すなわち、高確差枚数が付与されることにより、初期ゲーム数である10ゲームに加えて、「+α」のゲーム数だけ特化ゾーンが延長することになる。
なお、特化ゾーンの最終ゲーム(10ゲーム目)で高確差枚数が付与された場合には、高確差枚数を消化した後に特化ゾーンが終了する。
このように、高確差枚数を消化するまでの期間は、特化ゾーンの滞在期間が延長されるので、役ストックの獲得期間が増加する高確率状態として制御されることになる。そのため、高確率状態に制御されている場合には、役ストックの獲得期待度が高まり、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0087】
具体的には、高確差枚数の付与抽選は、次のように実行される。
主制御部10は、「高確差枚数抽選テーブル」(
図10)を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいて、高確差枚数の付与抽選を行う。
例えば、
図10に示すように、押し順ベル役に3連続以上当選した場合には、95/256の確率で高確差枚数10枚が付与され、1/256の確率で高確差枚数30枚が付与され、強レアに当選した場合には、10枚、30枚、50枚のうち何れかの高確差枚数が必ず付与されるように設定されている。
また、詳細な説明は省略するが、他の役に当選した場合にも、図示するような各確率で高確差枚数の付与抽選が実行される。
【0088】
また、確率状態が高確率状態である場合も「高確差枚数抽選テーブル」(
図10)を参照することで、当該抽選に当選し、高確差枚数が付与された場合には、現在の高確差枚数に上乗せがされる。
なお、これに限らず、高確率状態の場合には、高確差枚数の付与に代えて高確ゲーム数を付与してもよい。これにより、差枚数管理型ATからゲーム数管理ATの制御に変わるため、特化ゾーン中の滞在期間をさらに延長可能な超高確率状態として制御することができる。これにより、興趣性を向上させることが可能となる。
【0089】
また、高確率状態から低確率状態に移行(降格)するような制御を行ってもよい。例えば、所定の役(例えば、リプレイ役)の当選時の所定確率で移行(降格)抽選を行ってもよい。
なお、確率状態は、当選役に基づいて移行することに限らず、所定ゲーム数ごとに確率状態が切り替わるようにしてもよい。
【0090】
(倍率決定抽選)
特化ゾーンでは、高確率状態に制御されている場合には、役ストックの付与抽選により付与された役ストックの数を増加(上乗せ)させることができるようになっている。
具体的には、所定の倍率を付与された役ストックの数に積算することによって増加(上乗せ)可能になっている。
すなわち、「役ストック付与抽選で付与された役ストックの数」×「倍率」によって算出される役ストックの数が付与されることになる。例えば、リプレイ役の当選を契機に付与されたリプレイ役ストックの数が「1」、倍率が「3」と決定された場合、付与されるリプレイ役ストックの数は、1つ×3倍=3つとなる。
そのため、特化ゾーン中に、多くの役ストックを獲得することと、大きい倍率が決定されることが遊技者にとって有利となる。
【0091】
具体的には、倍率決定抽選は、次のように実行される。
主制御部10は、役ストック付与抽選において役ストックが付与されると、「倍率抽選テーブル」(
図11)を参照することで、確率設定装置15に設定されている設定値に基づいて、倍率を決定するための抽選を行う。
例えば、
図11に示すように、設定1が設定されている場合には、221/256の確率で1倍が当選し、32/256の確率で2倍が当選し、3/256の確率で3倍が当選し、設定6が設定されている場合には、214/256の確率で1倍が当選し、32/256の確率で2倍が当選し、10/256の確率で3倍が当選するように設定されている。
また、詳細な説明は省略するが、設定値が設定2~5の場合にも、図示するような各確率で抽選が実行される。
このように、確率設定装置15に設定されている設定値が高い方が、当選(1倍以外の倍率が決定)する確率が高く、さらに、高い倍率が当選し易いように設定されている。
【0092】
なお、特化ゾーンA及び特化ゾーンBにおいて、同じ抽選テーブルを参照して倍率を決定する抽選を行う場合で説明したが、これに限らず、例えば、特化ゾーンBの方が高い倍率が当選し易いテーブルを参照するようにしてもよい。
また、役ストックが付与されるごとに倍率を決定する場合で説明したが、これに限らず、所定の期間において倍率を変動しないようにしてもよい。例えば、高確率状態の開始時に倍率を決定し、高確率状態が終了するまでの期間は、同じ倍率を継続してもよい。つまり、この期間において付与された全ての役ストックの数に対して、同じ倍率を適用してもよい。
【0093】
(役ストックの獲得演出)
次に、
図16、17を参照して、特化ゾーン中に表示器8で実行される演出例について説明する。
図16、17は、役ストックの獲得に関する演出例を示している。
図16は、確率状態が低確率状態の場合又は高確率状態で倍率決定抽選に非当選の場合(1倍が決定された場合)の例を示している。
図17は、確率状態が高確率状態の場合であって、倍率抽選に当選した場合(1倍以外が決定された場合)の例を示している。
なお、
図16、17に示す例は、特化ゾーンA中の表示態様を示しているが、特化ゾーンBにおいても表示態様は同様としてもよく、異なる表示態様としてもよい。
【0094】
図16等に示すように、特化ゾーン中は、例えば、表示器8の画面上方に残りゲーム数が表示され、画面下方に役ストック表示領域が表示される。
図16(a)に示す例は、画面左側から弱チェリー役ストック、スイカ役ストック、ベル役ストックが順に表示され、それぞれ、1つ、1つ、2つの役ストックを保有している状況を示している。
役ストックの表示順は、例えば、当選確率の低い役から順番に表示される。なお、これに限らず、例えば、当選確率の高い役から順番に表示してもよく、役ストックを獲得した順番に表示してもよく、役ストックの保有数が多い順番に表示してもよい。
また、全ての種類の役ストックを表示してもよい。つまり、保有数が「0」の役ストックも役ストック表示領域に表示してもよい。
【0095】
図16(a)に示す状況で、例えば、リプレイ役に当選した場合には、
図16(b)に示すように、表示器8の画面主要部にリプレイ画像が表示されて、リプレイ役に当選したことが視認可能に表示される。
そして、第3リール停止操作後、今回ゲームで付与された役ストックの数を示す画像(+1画像)が役ストック表示領域の近傍に表示されるとともに、役ストック表示領域内のリプレイ役ストックの保有数を示す画像が更新される(非表示→1つ)。これにより、リプレイ役ストックを1つ獲得したことが視認可能に表示される。
【0096】
図17に示す例は、高確率状態に制御されている場合であり、例えば、表示器8の画面右側に高確率状態であることを示す文字情報(例えば、「高確中」等)が表示される。
また、
図16に示す例と同様に、弱チェリー役ストックを1つ、スイカ役ストックを1つ、ベル役ストックを2つ保有している状況で、リプレイ役に当選した場合を示している(
図17(a)、(b))。
【0097】
そして、今回ゲームにおいて倍率決定抽選に当選した場合には、第3リール停止操作後、
図17(c)に示すようなボタン演出が実行される。例えば、表示器8の画面主要部に演出ボタン2cの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像が表示される。
このとき、演出ボタン2cが操作された場合には、
図17(d)に示すように、決定された倍率を表す画像(×3)が表示される。
また、今回ゲームで付与された役ストックの数を示す画像(+3画像)が表示されるとともに、役ストック表示領域内のリプレイ役ストックの保有数を示す画像が更新される(非表示→3つ)。すなわち、リプレイ役の当選を契機に付与されたリプレイ役ストックの数が「1つ」、倍率が「3倍」と決定された場合であり、リプレイ役ストック数を3つ獲得したことが視認可能に表示される。
なお、これに限らず、まず、役ストック付与抽選で付与された役ストックの数を示す画像(+1画像)を表示した後、倍率を表す画像(×3)が表示された際に、実際に付与される役ストックの数を示す画像(+3画像)を表示するようにしてもよい。
また、演出ボタン2cが操作されない場合には、倍率を表す画像は非表示とし、次ゲームで役ストック表示領域内の役ストックの保有数を更新してもよい。
【0098】
このように、特化ゾーン中は、現在保有する役ストックの種類や数が表示されるとともに、今回ゲームで獲得した役ストックが遊技者に対して視認可能に表示される。
そのため、遊技者は、役ストックの種類や数に応じて次回移行するAT状態への期待を高めることができ、興趣を高めることができる。
【0099】
(継続抽選)
次に、特化ゾーン中の継続抽選について説明する。
特化ゾーンAでは、所定ゲーム数(10ゲーム+α)を消化するまで継続し、その最終ゲームで継続抽選が行われる。
具体的には、主制御部10は、「特化ゾーンA継続抽選テーブル」(
図12)を参照することで、確率設定装置15に設定されている設定値に基づいて継続抽選を行う。
例えば、
図12に示すように、設定1が設定されている場合には、24/256の確率で当選し、設定6が設定されている場合には、32/256の確率で当選するように設定されている。
また、詳細な説明は省略するが、設定値が設定2~5の場合にも、図示するような各確率で抽選が実行される。
このように、確率設定装置15に設定されている設定値が高い方が、継続抽選に当選する確率が高いように設定されている。
継続抽選に当選した場合には、主制御部10は、再度、特化ゾーンAに制御し、所定ゲーム数(10ゲーム+α)の間、滞在(継続)が可能となる。一方、継続抽選に非当選の場合には、主制御部10は、次ゲームからAT状態へ移行するように制御する(
図6の矢印f)。
【0100】
なお、特化ゾーンAの継続抽選は、これに限らず、例えば、特化ゾーンA中に付与された役ストックの総合計数や、押し順ベル役の連続当選回数等に基づいて抽選を行ってもよい。これにより、特化ゾーンA中の当選役に注目を集めることができ、興趣性を向上させることが可能となる。
また、継続抽選に当選した場合には、1セットの継続に限らず、複数のセットが継続するようにしてもよい。
【0101】
特化ゾーンBでは、役ストック付与抽選において役ストックが付与されたことを契機として、継続抽選が行われる。
また、特化ゾーンBは、所謂STタイプのゲーム性を有しており、継続抽選に当選した場合には、その時点で所定ゲーム数(10ゲーム+α)が再セットされて、特化ゾーンBが継続(延長)するようになっている。
さらに、特化ゾーンBにおいて継続抽選に当選した場合には、疑似遊技(当り疑似遊技)が発生するように制御される。すなわち、特化ゾーンBに係る継続抽選は、当り疑似遊技の発生抽選ともいえる。なお、疑似遊技中の演出態様は後述する。
【0102】
具体的には、特化ゾーンBの継続抽選は、次のように実行される。
主制御部10は、「特化ゾーンB継続抽選テーブル」(
図13)を参照することで、今回ゲームで付与された役ストックの数に基づいて継続抽選を行う。
例えば、
図13に示すように、付与された役ストックの数が「1つ」の場合には、216/256の確率で非当選となり、24/256の確率で非当選(ガセ疑似遊技発生)となり、16/256の確率で当選(当り疑似遊技発生)するように設定されており、役ストックの数が「2つ」の場合には、96/256の確率で非当選となり、64/256の確率で非当選(ガセ疑似遊技発生)となり、96/256の確率で当選(当り疑似遊技発生)するように設定されており、役ストックの数が「3つ」の場合には、96/256の確率で非当選となり、32/256の確率で非当選(ガセ疑似遊技発生)となり、128/256の確率で当選(当り疑似遊技発生)するように設定されている。
このように、役ストック付与抽選により付与された役ストックの数が多いほど、特化ゾーンBが延長(継続)され易いように設定されている。言い換えれば、役ストック付与抽選により付与された役ストックの数が多いほど、当り疑似遊技が発生し易いことになる。
【0103】
特化ゾーンBの継続抽選に当選した場合には、主制御部10は、所定ゲーム数(10ゲーム+α)を再セットし、特化ゾーンBに滞在(継続)可能に制御する。一方、継続抽選に非当選のまま、所定ゲーム数(10ゲーム+α)が終了した場合は、主制御部10は、次ゲームからAT状態へ移行するように制御する(
図6の矢印f)。
ただし、1セット目の特化ゾーンBの場合に、確率状態が高確率状態に移行せずに、所定ゲーム数(10ゲーム+α)が終了した場合は、主制御部10は、次ゲームからエンディング状態へ移行するように制御する(
図6の矢印e)。
このように、遊技者にとって有利な特化ゾーンBに突入したにもかかわらず、僅か1セットで終了した(駆け抜けが発生した)場合には、エンディング状態に移行するように制御する。これにより、必ず所定枚数(500枚)の遊技価値が付与されるので、遊技者に対して救済が可能となり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを防止することができる。
【0104】
このように、特化ゾーンBでは、役ストック付与抽選で役ストックが付与されるごとに継続抽選が実行されることから、特化ゾーンAよりも継続し易いことになる。そのため、特化ゾーンAに滞在するよりも特化ゾーンBに滞在する方が役ストックを多く獲得し易いといえる。
なお、特化ゾーンBの継続抽選は、これに限らず、例えば、役ストック付与抽選で役ストックが付与された当選役の種類に基づいて継続抽選を行ってもよい。これにより、特化ゾーンB中の当選役に注目を集めることができ、興趣性を向上させることが可能となる。
また、例えば、倍率決定抽選により決定された倍率が積算された役ストックの数に基づいて継続抽選を行ってもよい。
また、特化ゾーンBは、STタイプのゲーム性に限らず、継続抽選に当選した場合に、セット数の上乗せやゲーム数の上乗せをしてもよい。
【0105】
(疑似遊技)
前述したように、本実施形態においては、特化ゾーンBにおける継続抽選の結果に基づいて、疑似遊技(疑似ゲーム)を実行可能としている。
疑似遊技は、主制御部10の制御により、1回のゲームにおいて複数回のゲーム結果が導出されるようなゲームの実行態様の一つである。
通常のゲームでは、スタートレバー3の操作によりリール41を回転させて、停止ボタン5の操作により回転しているリール41を停止させることで1回のゲーム結果を導出するようにしているが、疑似遊技が行われるゲームは、最初のスタートレバー3の操作によりリール41を回転させ、ゲーム途中における停止ボタン5の操作により回転しているリール41を疑似停止(仮停止)させて疑似遊技結果を導出することで実行される。疑似遊技結果が導出された後は、再度のスタートレバー3の操作によりリール41を再回転させ、通常のゲームと同様の本遊技が実行される。
回転しているリール41を疑似停止する場合には、通常のゲームでの引込停止制御は行われず、いずれの停止タイミングであっても引き込み範囲を無視して必ず予め決定されている図柄が疑似停止することとなる。
つまり、疑似遊技が実行される場合には、1回のゲームを実行する分のメダルの消費(ベット入力)で複数回のゲーム結果が導出される。
なお、本実施形態においては、疑似遊技は、遊技者の操作を要する操作疑似遊技の場合を想定しているが、遊技者の操作を要しない非操作疑似遊技としてもよい。
【0106】
本実施形態においては、特化ゾーンBにおける継続抽選の結果が当選(当り疑似遊技)であった場合には、当該ゲームで疑似遊技が実行され、この疑似遊技において特化ゾーンBが継続することを報知可能な特定の図柄組合せ(7揃い)が疑似停止する。
また、継続抽選の結果が非当選(ガセ疑似遊技発生)であった場合にも、当該ゲームで疑似遊技が実行されるが、この疑似遊技において特化ゾーンBが継続しないことを報知可能な特定の図柄組合せ以外の図柄組合せ(7揃い以外)が疑似停止する。
すなわち、特化ゾーンBにおける継続抽選の結果に基づいて疑似遊技が実行され、この疑似遊技において、当り疑似遊技が発生した場合には、遊技者は特化ゾーンBが継続することを認識することができる。
【0107】
次に、
図18を参照して、疑似遊技中の演出態様について説明する。
図18に示す例は、特化ゾーンB中に、弱チェリー役ストックを1つ、スイカ役ストックを1つ、ベル役ストックを1つ保有している状況(
図18(a))で、例えば、押し順ベル役が当選し、役ストック付与抽選において押し順ベル役ストックが「3つ」付与されたことで、特化ゾーンBの継続抽選で当選(当り疑似遊技発生)した場合を示している。
この場合、
図18(b)に示すように、当該ゲームで疑似遊技が実行される。
まず、通常のゲームと同様にリール41の全てが回転を開始し、表示器8の画面主要部に「7」図柄を狙った停止操作を促す「7を狙え!」の文字情報からなる指示画像が表示される。また、演出に対応してスピーカ9から効果音が出力されるとともに、ランプ11において装飾発光が出力される。
また、疑似遊技が実行されると、停止ボタン5が有効化され、遊技者はリール41上の「7」図柄の箇所を狙って停止ボタン5のいずれかを停止操作することとなる。
遊技者が停止ボタン5を停止操作すると、回転していたリール41が疑似停止し、例えば、
図18(c)に示すように、「7・7・7」の組合せからなる当り疑似停止図柄が疑似停止して、特化ゾーンBの継続抽選に当選したことが報知される。
なお、前述したように疑似遊技中は通常のゲームでの引込停止制御は行われないので、いずれの停止タイミングであっても引き込み範囲を無視して対象となる図柄が疑似停止する。
【0108】
当り疑似停止図柄の疑似停止後は、
図18(d)に示すように、表示器8の画面主要部に特化ゾーンBの残りゲーム数が、初期ゲーム数である10Gに巻き戻るようにする演出が実行される。
また、
図18(d)の表示に続いて、
図18(e)に示すように、特化ゾーンBの残りゲーム数が10Gにセットされて、特化ゾーンBが継続することが報知される。
そして、当り疑似停止図柄の疑似停止から所定時間(例えば、5秒)経過後に、スタートレバー3が有効化され、遊技者によるスタートレバー3の操作によりリール41の全てが回転を開始し、本遊技が実行される。
その後、遊技者による停止ボタン5の操作により、第3リール停止操作後、
図18(f)に示すように、押し順ベル役に当選したことが視認可能に表示される。また、今回ゲームで付与された役ストックの数を示す画像(+3画像)が表示されるとともに、役ストック表示領域内のベル役ストックの保有数を示す画像が更新される(1つ→4つ)。これにより、ベル役ストックを3つ獲得したことが視認可能に表示される。
【0109】
また、特化ゾーンBの継続抽選で非当選(ガセ疑似遊技発生)の場合も同様に、疑似遊技が実行される。
この場合、遊技者が停止ボタン5を操作すると、予め定められている外れ疑似停止図柄が疑似停止する。例えば、「7・7・スイカ」の組合せが疑似停止して、特化ゾーンBの継続抽選に非当選であることが報知される。
その後、遊技者によるスタートレバー3の操作によりリール41の全てが回転を開始し、本遊技が実行され、
図18(f)に示すように、今回ゲームで付与された役ストックの数を示す画像が表示されるとともに、役ストック表示領域内の役ストックの保有数を示す画像が更新される。
【0110】
(規定ゲーム数抽選)
特化ゾーンの終了時(最終ゲーム)には、その後に移行するAT状態の初期ゲーム数となる規定ゲーム数を決定する。
具体的には、主制御部10は、
図14に示す「規定ゲーム数抽選テーブル」を参照することで、確率設定装置15に設定されている設定値に基づいて継続抽選を行う。
例えば、
図14に示すように、設定1が設定されている場合には、32/256の確率で30ゲームが当選し、64/256の確率で50ゲームが当選し、96/256の確率で100ゲームが当選し、64/256の確率で200ゲームが当選し、設定6が設定されている場合には、64/256の確率で30ゲームが当選し、128/256の確率で50ゲームが当選し、48/256の確率で100ゲームが当選し、16/256の確率で200ゲームが当選するように設定されている。
また、詳細な説明は省略するが、設定値が設定2~5の場合にも、図示するような各確率で抽選が実行される。
このように、確率設定装置15に設定されている設定値が高い方が、大きい数の規定ゲーム数が選択される確率が高くなるように設定されている。
【0111】
なお、規定ゲーム数抽選は、これに限らず、特化ゾーンの最終ゲームの当選役の種類に応じて初期差枚数の抽選を行ってもよい。例えば、当選確率の低い役に当選した方が、大きい数の規定ゲーム数が付与される確率が高くなるようにしてもよい。
また、当選役や設定値に関わらず、所定の確率で規定ゲーム数を決定してもよい。
また、規定ゲーム数抽選は、特化ゾーンの終了時(最終ゲーム)に限らず、例えば、AT状態の最初のゲームで実行してもよい。
【0112】
(AT状態)
AT状態は、ATに制御されるため、メダルの獲得が極めて容易な遊技状態である。
AT状態では、AT状態突入時(特化ゾーン終了時)に決定された規定ゲーム数を残りゲーム数として管理し、残りゲーム数がゲームの実行毎に減算される。
【0113】
(役ストックの消去)
AT状態では、保有している役ストックが、ゲームの実行に応じて消去(消費)されるようになっている。
具体的には、主制御部10が消去手段として動作することで、記憶部に記憶されている役ストックに関連する役が当選した場合、記憶部から対象の役ストックを1つ消去する。
図19は、AT状態中の役ストックの消去に関する演出例を示している。
AT状態中は、
図19に示すように、例えば、表示器8の画面上方に残りゲーム数、セット数が表示され、画面下方に役ストック表示領域が表示される。
図19(a)に示す例では、強チェリー役ストックを1つ、弱チェリー役ストックを1つ、スイカ役ストックを1つ、リプレイ役ストックを1つ、1枚役ストックを2つ、ベル役ストックを4つ保有している状況を示している。なお、役ストックの表示順は、特化ゾーン中と同様の順番(当選確率が低い順番)で表示することを想定しているが、異なる順番で表示してもよい。
【0114】
図19(a)に示す状況で、例えば、押し順ベル役に当選した場合には、
図19(b)に示すように、表示器8の画面主要部にベル画像が表示されて、押し順ベル役に当選したことが視認可能に表示される。
そして、第3リール停止操作後、当選した押し順ベル役に関連するベル役ストックが1つ消去されることを示す画像(-1画像)が表示されるとともに、役ストック表示領域内のベル役ストックの保有数を示す画像が更新される(4つ→3つ)。
なお、1回で消去される役ストックの数は、1つに限らず、複数としてもよい。また、当選役に応じて消去される数を異ならせてもよい。
【0115】
(継続判定処理)
AT状態は、規定ゲーム数を1セットとして遊技が進行するセット継続型のATで構成されている。
そして、AT状態では、次のセットへの継続可否の判定は、残りゲーム数と役ストックの保有数に基づいて判断されるようになっている。
具体的には、主制御部10は、今回セットの遊技において、役ストックを1つ以上保有している状態で、残りゲーム数を全て消化した場合には、継続と判定する。すなわち、今回セットの遊技中に残りゲーム数を全て消化することができれば、次セットの継続が確定することになる。
この場合、主制御部10は、次ゲームから特化ゾーンに移行するように制御する(
図6の矢印g)。その後、特化ゾーンが終了すると、主制御部10は、AT状態に移行するように制御し(
図6の矢印f)、次セットの遊技が開始されることになる。
また、連続してセット継続がされ、6セット目の残りゲーム数を消化した場合には、主制御部10は、次ゲームからエンディング状態に移行するように制御する(
図6の矢印i)。
【0116】
なお、AT状態から特化ゾーンへ移行する際の移行先は、例えば、所定の確率(90%)で特化ゾーンAに移行することが決定され、所定の確率(10%)で特化ゾーンBに移行することが決定される。
また、AT状態から特化ゾーンへ移行する際には、現在保有している役ストックは持ち越すことを想定しているが、これに限らず、持ち越さないようにしてもよく、所定の確率(例えば40%)で持ち越すようにしてもよい。
【0117】
一方、主制御部10は、今回セットの遊技において、残りゲーム数を全て消化する前に、保有する役ストックが全て消去された場合には、非継続と判定する。
この場合、主制御部10は、残りゲーム数が残存している状況であってもAT状態を終了し、次ゲームから通常遊技状態に移行するように制御する(
図6の矢印h)。
なお、これに限らず、非継続と判定された場合には、所定条件が成立するまではAT状態に制御してもよい。例えば、非継続と判定された後、1/10で当選する転落抽選に当選するまで、AT状態を継続させてもよい。
【0118】
AT状態中のセット継続の可否について、一例を挙げて説明する。
今回セットの遊技において、例えば、ベル役ストックとスイカ役ストックが1つずつ保有(記憶)されている場合では、押し順ベル役とスイカ役が1回ずつ当選すると、AT状態を終了するように制御可能である。
一方、今回セットの遊技において、押し順ベル役とスイカ役が1回ずつ当選せずに、ベル役ストック又はスイカ役ストックが保有(記憶)されている状態で、残りゲーム数が全て消化されると、AT状態を継続(セット継続)するように制御可能である。
【0119】
すなわち、遊技者は、AT状態中は、保有する役ストックが消去されない(保有する役ストックに関連する役が当選しない)ことを期待しつつ、役ストックを保有している間に、残りゲーム数が全て消化されることを期待して遊技を行うことになる。そのため、AT状態中の当選役に注目を集めることができ、興趣性を向上させることが可能となる。
また、遊技者は、今回セットの遊技開始時(特化ゾーン終了時)に、多くの種類、且つ、多くの数の役ストックを保有していることを期待し、さらに、当選確率の低い役に関連する役ストックを保有していることを期待することになる。そのため、保有している役ストックの種類や数に応じてセット継続の期待を高めることができ、興趣を高めることができる。
【0120】
このように、AT状態では、特化ゾーン中に獲得した役ストックを保有し、この保有している役ストックに関連する役が当選した場合、当該役ストックが1つ消去される。
そして、残りゲーム数を全て消化する前に、全ての役ストックが消去された場合には、AT状態が終了するように制御される。
これにより、AT状態の終了タイミングが、保有している役ストックに関連する役に当選するか否かといった不確定なものとなるため、遊技者に対してAT状態の終了時期を予測し難くすることができ、遊技の意外性や興趣性を向上することが可能となる。
【0121】
(役ストックの消去の制限)
AT状態では、役ストックの消去を制限可能な処理が行われる。
具体的には、主制御部10は、当選役に基づいてロックゲーム数の付与抽選を行い、当該抽選に当選し、ロックゲーム数が付与された場合には、ロック状態に制御する。
ロック状態中は、ロックゲーム数がゲームの実行毎に減算され、ロックゲーム数を全て消化するまでの期間は、役ストックの消去が停止するように制御される。
すなわち、ロックゲーム数が残存する期間は、保有する役ストックに関連する役が当選した場合でも、対象の役ストックは消去されないようになっている。
【0122】
ロックゲーム数の付与抽選は、次のように実行される。
主制御部10は、「ロックゲーム数抽選テーブル」(
図15)を参照することで、今回ゲームの当選役に基づいて、ロックゲーム数の付与抽選を行う。
例えば、
図15に示すように、1枚役に当選した場合には、1/256の確率でロックゲーム数5ゲームが付与され、弱レアに当選した場合には、192/256の確率でロックゲーム数5ゲームが付与され、62/256の確率でロックゲーム数10ゲームが付与され、2/256の確率でロックゲーム数20ゲームが付与され、強レアに当選した場合には、96/256の確率でロックゲーム数5ゲームが付与され、144/256の確率でロックゲーム数10ゲームが付与され、16/256の確率でロックゲーム数20ゲームが付与されるように設定されている。
このように、当選確率の低い役の方が、当選する(0ゲーム以外が選択される)確率が高く、また、大きいゲーム数が付与され易いように設定されている。
【0123】
ロック状態に制御されている場合には、表示器8において、ロックゲーム数が消化されるまでの期間は、役ストックの消去が停止(中断)することを示す画像が表示される。
例えば、
図20(a)に示すように、ロック状態であることを示す文字情報(例えば、「ロック中」)が役ストック表示領域を覆うように表示され、役ストックが視認できない状態になる。
なお、ロック状態であることを示す表示態様は、役ストックの消去が停止していることを認識可能な態様であれば、特に限らず、例えば、役ストック表示領域の表示色を通常時と異なる色(例えば、灰色)で表示する等としてもよい。
図20(a)に示す状況で、例えば、押し順ベル役に当選した場合には、
図20(b)に示すように、押し順ベル役に当選したことや、残りゲーム数が減算されたことが視認可能に表示されるものの、当選した押し順ベル役に関連するベル役ストックが1つ消去されることを示す画像(-1画像)は表示されない。また、役ストック表示領域内のベル役ストックの保有数を示す画像も更新されない。
【0124】
このように、特定条件が成立(ロックゲーム数抽選に当選)した場合、ロックゲーム数が消化されるまでの期間は、役ストックの消去を制限可能である。
そのため、ロック状態中は、役ストックの消去が停止された状態で、残りゲーム数が消化される有利な状況となり、セット継続の期待感を高めることが可能となる。
【0125】
なお、ロックゲーム数の付与抽選では、保有する役ストックが0の役に当選した場合に限り、抽選を行うようにしてもよい。
例えば、保有する役ストックが、1枚役ストックが2つ、弱レア役ストックが1つ、強レア役ストックが0の場合、強レア役に当選した場合には、ロックゲーム数抽選テーブルを参照して抽選を行い、1枚役及び弱レア役に当選した場合は、抽選を行わないようにしてもよい。これにより、遊技者に過度な利益が付与されることを防止することができる。
また、ロック状態中は、ゲーム数による管理に代えて、例えば、差枚数、押し順ナビの発生回数、小役当選回数、メダルの獲得枚数、メダルの払出数等の少なくとも1つで管理するようにしてもよい。これにより、ロック状態中は他の管理型ATの制御に変化するため、興趣性を向上させることが可能となる。
また、ロック状態中は、役ストックの消去について一部のみを制限するようにしてもよい。例えば、所定の確率(例えば、60%)で消去するように制御してもよい。これにより、ロック状態中に役ストックの消去がされているのかを遊技者に推測させることができる。
また、ロックゲーム数の付与抽選に当選したゲームでは、当選役に関連する役ストックを消去しないようにしてもよい。
【0126】
(エンディング状態)
エンディング状態は、ATに制御されるため、メダルの獲得が極めて容易な遊技状態である。
エンディング状態は、ATの終了前に移行可能な遊技状態であり、前述したように、特化ゾーンB又はAT状態から突入し、所定枚数(例えば、500枚)の遊技価値が付与されると終了する。
エンディング状態の終了時は、主制御部10は、有利区間を終了するとともに、通常遊技状態を経由し、有利区間の移行とともにCZ状態へ移行するように制御する(
図6の矢印j)。
【0127】
以上説明したように、本発明においては、所定条件が成立した場合、複数種類の抽選結果(当選役)のうち何れかの抽選結果を導出可能な抽選手段(主制御部10)と、第1遊技状態(特化ゾーン)と、第2遊技状態(AT状態)と、を含む複数の遊技状態のうち何れかの遊技状態に制御可能な遊技状態制御手段(主制御部10)と、第1遊技状態において、抽選手段が導出した抽選結果に関連する判定用情報(役ストック)を記憶可能な記憶手段(記憶部)と、を備え、遊技状態制御手段は、第2遊技状態において、記憶手段に記憶されている全ての判定用情報に関連する抽選結果が抽選手段により導出された場合、第2遊技状態を終了するように制御可能である構成としている。
【0128】
このような構成を備える本発明に係るスロットマシン1は、第1遊技状態において、当選した役に関連する判定用情報を記憶することが可能であり、第2遊技状態において、記憶されている全ての判定用情報に関連する役が当選された場合には、第2遊技状態を終了するように制御可能である。
これにより、第2遊技状態の終了時期が、記憶されている判定用情報に関連する役に当選するか否かといった不確定なものとなるため、遊技者に対して第2遊技状態の終了時期を予測し難くすることができ、遊技を意外性のあるものとすることができるため、興趣性を向上させることが可能になる。
【0129】
これに対して、従来の遊技機は、1ゲームを実行する度に残りゲーム数が1減算される仕様であるため、AT中に表示されている残りゲーム数を確認することで、ATの終了時期を予測できてしまうため、AT中の遊技に意外性がなく、興趣を十分に向上させることができていなかった。
このように、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0130】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の台システム200について説明する。
なお、各実施形態及び他実施形態間において、互いに同様の機能を果たす部分には、同様な名称を適宜付し、また同一の符号又は末尾等(下2桁等)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態では、適宜、遊技者の休憩等のために遊技中のスロットマシン201を確保すること(つまり、スロットマシン201を他遊技者が遊技不可能、又は遊技しにくい状態に制御すること)を台確保等ともいい、台確保状態を解除すること(つまり、スロットマシン201を上記制御から解放すること)を台解除等ともいい、台確保されておらず通常に遊技可能なスロットマシン201の状態(つまり通常稼働可能な状態)を非台確保状態等ともいう。また、台確保しようとする遊技者、台確保した遊技者を台確保者等ともいう。
図21は、第2実施形態の台システム200(遊技システム)の外観(前側から見た図、前扉1aを開いた状態の一部斜視図)を示す図である。
図22は、第2実施形態の台システム200のブロック図である。
図23は、第2実施形態の数値-押し順テーブル211cを示す図である。
【0131】
(スロットマシン201の概略)
本実施形態のスロットマシン201の概略を説明する。
図21等に示すように、スロットマシン201は、メダルレスで遊技を実行可能なタイプの遊技機である。スロットマシン201は、スマスロ、スマートパチスロ、スマートスロット等と称されるタイプでもよい。
すなわち、スロットマシン201は、実物の遊技媒体を使用せずに遊技を行うことが可能であり、遊技に使用可能な遊技価値を管理可能な装置である。つまり、スロットマシン201は、メダルとして主記憶部211aに記憶した疑似メダル(いわゆるクレジットメダル)を利用した遊技を実行する。実施形態では、このような遊技価値である疑似メダルを、実物の遊技媒体と同様に、メダル、遊技メダル等とも称する。
本実施形態のスロットマシン201は、メダルレスで遊技可能であること、後述するMYに関する処理を実行すること、台確保に関する処理を実行であること以外の構成、処理(遊技状態の制御等)は、基本的に第1実施形態のスロットマシンと同様である。このため、主制御部211bは、例えば、非AT遊技状態の通常遊技状態、CZ状態等の遊技状態(第1遊技状態)と、AT状態等の遊技状態(AT遊技状態である第2遊技状態)等とを含む複数の遊技状態の何れかに制御可能である(
図6等参照)。
なお、以下の説明する演出(表示器208の表示画面等)は、第1実施形態とは一部異なる例を説明するが、本実施形態のスロットマシン201は、第1実施形態の演出に代えて又は加えて以下説明する演出を実行してもよい。また、第1実施形態のスロットマシンは、第1実施形態の演出に代えて又は加えて以下説明する演出を実行してもよい。
また、本実施形態では、AT状態の遊技状態を、ATステージともいう。
【0132】
(台システム200)
台システム200は、1台のスロットマシン201、及び1台のスロットマシン201毎に設けられた装置を備えるシステムである。つまり、台システム200は、各スロットマシン201に関連したシステムである。
台システム200は、呼出ランプ241、専用ユニット242、スロットマシン201を備える。
なお、専用ユニット242、呼出ランプ241、スロットマシン201、後述する主制御基板210、副制御基板220は、それぞれ各機能を実現するための各種テーブル、プログラム等を記憶した記憶部と、各種処理、制御を実行する制御部とを備え、コンピュータの概念に含まれる。各装置は、単体の電子計算機によって構成される形態に限定されず、必要に応じて複数の電子計算機から構成されていてもよい。
【0133】
(呼出ランプ241)
呼出ランプ241は、遊技者が店員等を呼び出すための装置であり、また、スロットマシン201の各種情報(当日の遊技玉の投入数、大当たり回数等)を遊技者に表示する表示装置である。なお、台システム200は、呼出ランプ241の代わりに、両機能を個別に有する別々の装置を備えていてもよい。
呼出ランプ241は、呼出ボタン241aの操作に応じて、呼出情報及びその解除情報を、店員等が携行する無線インカム(図示せず)に送信する。
呼出ランプ241は、ATステージ滞在中には、主制御部211bから制御信号を受信することにより、電飾部241bを発光したり、各種情報を点滅表示したりする。このように、呼出ランプ241が目立つように演出されることにより、遊技者及びスロットマシン201の周囲の人は、スロットマシン201が遊技な状態に制御されている状態であることを、容易に認識できる。
【0134】
(専用ユニット242)
専用ユニット242は、遊技メダルの貸し出し、返却等を行う装置である。
専用ユニット242は、スロットマシン201の外部(右側等)に併設され、スロットマシン201とは接続端子板を介してデータ通信可能に接続されている。
専用ユニット242は、遊技メダルを貸し出す際には、現金(紙幣)の受け入れなどの貸出操作が行われると、遊技メダルの貸出数を特定可能な貸出データをスロットマシン201に出力する。
スロットマシン201の主制御部211bは、この貸出データに基づいて遊技メダルの貸出数を特定し、当該貸出数をメダル数表示部231aにおいて記憶、表示している遊技メダル数に加算する。
【0135】
また、スロットマシン201の計数ボタン231cの操作に基づき、遊技メダルの計数量を特定可能な計数データが専用ユニット242に出力されることにより、専用ユニット242は、遊技メダルの返却に関する処理を実行する。このように、専用ユニット242は、スロットマシン201から出力された計数データに基づいて、遊技メダルの計数量を持メダル数として管理する。
専用ユニット242は、カードユニット(図示省略)を備えており、カードユニット(図示省略)において持メダル数をICカードに記憶(記録)することができる。
【0136】
ICカードは、返却操作(返却ボタンの押下)によりカードユニットから排出されることができる。
ICカードに記憶された持メダルは、遊技場内の景品交換コーナーでの景品交換、遊技場内の他遊技機での遊技等に利用できる。
専用ユニット242とメダル数表示部231aとは連動しており、メダル数表示部231aにおいて記憶、表示している遊技メダル数が少なくとも「1」以上あればICカードを返却操作により排出できず、遊技メダル数が「0」の場合に限りICカードを返却操作により排出できるようになっている。
つまり、遊技者は、遊技メダル数をすべて計数した後でなければICカードを取得することができない。
これにより、遊技者が、残存する遊技メダルの返却漏れを無くすことができる。
【0137】
専用ユニット242は、アウト、セーフなどの遊技情報や売上情報等を、ホールコンピュータ、管理コンピュータ等に出力する。これにより、ホールコンピュータ、管理コンピュータ等は、スロットマシン201毎にアウト数、セーフ数、景品玉数などの集計、誤差玉の算出等をできるようになっている。
【0138】
(スロットマシン201)
図21、
図22に示すように、スロットマシン201は、スピーカ9、ランプ11、表示器208(特定情報表示手段)、ナビセグ215(特別情報表示手段)、メダル数表示部231a(遊技価値表示手段)、精算ボタン231b、計数ボタン231c、カメラ232a、撮像ボタン232b、台解除ボタン235、主制御基板210、副制御基板220を備える。
上記構成のうち、表示器208、ナビセグ215、メダル数表示部231a、ランプ11等は、遊技者、台確保者等が視認できるように、前扉1aの前面に設けられている。また、精算ボタン231b、計数ボタン231c、撮像ボタン232bは、遊技者、台確保者等が操作できるように、前扉1aの前面に設けられている。一方、台解除ボタン235は、基本的に、遊技者、台確保者等にアクセスされないこと、かつ、店員の操作を受け付けることを想定しているため、スロットマシン201の内部(
図21(B)の例では、前扉1aの後面)に設けられている。
【0139】
スピーカ9、ランプ11は、音、光による演出等を実行可能である。
図21(A)には、スピーカ9、ランプ11は、前扉1aの前面のうち左上及び右上の範囲にそれぞれ設けられている例を示すが、これに限定されず、これらに加えた範囲又はこれらに代えた範囲に設けられていてもよい。
スピーカ9は、ダイナミックスピーカ等の音出力部である。スピーカ9は、遊技進行に応じて、各遊技状態に対応した各種音情報を出力する。スピーカ9は、例えば、BGM、効果音(爆発音等)等を出力する。また、スピーカ9は、ATステージ滞在中に押し順ベル役に当選したゲームにおいて、押し順を音声で報知することにより、押し順ナビを実行可能である。
ランプ11は、LED等の発光部を備えた電飾である。ランプ11は、遊技進行に応じて、各遊技状態に対応した発光による演出を実行可能である。
【0140】
表示器208は、液晶表示装置等の表示装置である。表示器208は、遊技進行に応じて、各遊技状態に対応した各種演出画面を表示する(
図28から
図30参照)。
また、表示器208は、ATステージ滞在中に押し順ベル役(特定役)に当選したゲームにおいて、押し順ナビ212(212a~212b)(停止操作に関する情報である特定情報)を表示可能である。
【0141】
図22に示すように、ナビセグ215は、有利区間滞在中において、主制御部211bによって制御される。ナビセグ215は、1桁の数値等を表示する7セグメントディスプレイ等であり、各種情報を報知可能である。ナビセグ215は、ATステージに滞在中の押し順ベル役に当選したゲームにおいて、押し順に対応した数値(停止操作に関する情報である特別情報)を表示することにより押し順ナビを実行可能であり、これ以外の通常の期間(押し順ナビを実行しない期間)には、「-」の記号を表示する。
【0142】
図23の数値-押し順テーブル211cに示すように、ナビセグ215の数値は、以下の押し順に対応している。
0:左→中→右
1:左→右→中
2:中→左→右
3:中→右→左
4:右→左→中
5:右→中→左
ナビセグ215は、上記数値を表示後(押し順ベル役に当選したゲームの第3リール停止操作後)には、「-」の記号を表示する。
【0143】
図21(A)に示すように、ナビセグ215は、補助的な表示装置であるため、ナビセグ215の数値の表示領域は、表示器208の押し順ナビ212(212a~212c)の各数値の表示領域よりも、面積が小さい。つまり、遊技者は、主に表示器208を見ながら遊技を進めるため、表示器208の押し順ナビ212の表示領域は、ナビセグ215の数値の表示領域よりも十分に大きく、表示器208の押し順ナビ212は、目立つように表示される。
【0144】
メダル数表示部231aは、遊技価値表示手段であり、使用可能な遊技メダルの総数を表示する。メダル数表示部231aは、記憶手段(RAMなど)、表示手段(7セグメントディスプレイ)等を備える。
遊技者は、メダル数表示部231aに表示されている遊技メダル数の範囲内で遊技メダルを投入して遊技を行うことができる。
詳細な説明は省略するが、例えば、店員が筐体1b内部に設けられた遊技メダル数クリアボタン(図示せず)を操作すること等に応じて、主制御部211bは、MYをリセットし、また、メダル数表示部231aの表示を「0」にする。
【0145】
精算ボタン231bは、設定されたベット数をメダル数表示部231aに返却するための操作を受け付ける操作手段である。
計数ボタン231cは、遊技者が獲得した遊技メダルを計数処理するための操作を受け付ける操作手段である。
【0146】
カメラ232aは、撮像装置である。カメラ232aは、前扉1aの前面のうち、上部範囲に配置されている。カメラ232aは、スロットマシン201の手前側の椅子に着座した台確保者等の顔を撮像可能である。
撮像ボタン232bは、台確保時、台解除において、台確保者等から操作を受け付けるボタンである。撮像ボタン232bの操作に応じて、副制御部221bは、カメラ232aを制御して、台確保者等の顔を撮像する。
【0147】
台解除ボタン235は、台解除時において、店員が操作する操作部である。台解除ボタン235は、スロットマシン201の内部に設けられている。店員は、前扉1aを解錠して開いた状態にすることにより、台解除ボタン235を操作できる。台解除ボタン235の操作情報は、副制御部221bに出力される。
【0148】
主制御基板210は、主記憶部211a、主制御部211b(遊技状態制御手段、主制御手段)を備える。
主制御基板210は、例えば、遊技状態に関する処理、制御(各種抽選処理、遊技状態の移行制御等)、後述するメダルの各種カウントに関する処理、制御等を実行可能である。
なお、遊技状態等の制御モジュールと、メダルカウントの制御モジュールとは、それぞれが記憶部、制御部を備える別々の構成として、必要に応じて通信可能な構成でもよい。この場合、各モジュールは、個別の制御基板に設けられていてもよい。
【0149】
副制御基板220は、副記憶部221a、副制御部221b(確保制御手段)を備える。
副制御基板220は、表示器208、スピーカ9、ランプ11等を制御することにより、主に遊技状態に対応した演出に関する処理、制御を実行可能である。また、後述するように、副制御基板220は、台確保に関する各種制御を実行可能である。
【0150】
(MYに関する処理)
図24は、第2実施形態のMYのカウント処理を説明する図である。
MYに関する処理について説明する。
詳細な説明は省略するが、主制御部211bは、MYに関する処理に加えて、従来と同様なメダルカウント処理(メダル投入数、メダル払出枚数のカウント)を実行する。
MYは、遊技当日の遊技時点における差枚数(Y枚)と、差枚数最小値(Ymin)との差数を示す。差枚数最小値は、遊技時点において、遊技者による遊技価値の消費が、電源投入後最も大きくなった状態の数値である。また、MYは、差枚数最小値を更新してから、遊技者が遊技価値をどれだけ獲得したかを示す。
つまり、「MY=|Y-Ymin|」である。なお、MYは、「Ymin≦Y」の場合のみ更新される。
【0151】
例えば、
図24の例では、差枚数Yは、遊技開始後に減少する。そして、差枚数Yは、遊技回数X1の時点において-5000枚となる。主制御部211bは、Yminとして-5000枚を主記憶部211aに記憶する(♯1)。
遊技回数X1以降は、遊技回数X5の時点において、差枚数Yは、-5000枚よりも小さい数値である-10000枚である。主制御部211bは、Yminとして-10000枚を主記憶部211aに記憶し、つまりYminを更新する(♯2)。
【0152】
上記例では、当日の遊技開始から遊技回数X1までのMYは、ゼロとなる。
また、遊技回数X1以降、遊技回数X2までは、MYは、遊技回数X1の差枚数-5000枚を基準として、カウントされる。例えば、遊技回数X2(X=X2、Y=2000)時点のMYは、7000(=|2000-(-5000)|)となる。
遊技回数X5以降では、差枚数最小値Yminは、-5000枚から-10000枚に更新される。例えば、遊技回数X6(X=X6、Y=2000)時点のMYは、12000(=|2000-(-10000)|)となる。このように、遊技回数X2,X6のMYは、差枚数が同じ2000枚であっても、基準となる差枚数最小値Yminが異なるため、数値が異なる。
このように、MYのカウントは、当日の差枚数最小値が起点となるため、ある時点で差枚数最小値が更新されると、その差枚数最小値が新たな起点となる。
【0153】
(MY上限値に到達時の処理)
主制御部211bは、メダルカウント処理によるMYが上限値である19000枚に到達したことの条件を満たした場合に、MY上限到達情報(特定情報)を専用ユニット242に送信する(♯3)。
なお、MYの上限値は、機種の仕様等に応じて適宜変更することができる。また、MY上限到達情報(特定情報)を送信する条件は、MYが19000枚を超えたこと等にしてもよい。
【0154】
主制御部211bは、MYが19000枚を超えたゲームにおいて、差枚数については、MYが19000枚を超えた枚数についてもカウントする。
例えば、ベット前の状態でMYが18999であり、ゲーム開始時において3枚ベットすることによりMYが18996の状態で15枚役に入賞した場合には、MYが19011となる。この場合、主制御部211bは、19000枚を超えた枚数11枚については、差枚数(つまり遊技者の獲得メダル)としてカウントする。
【0155】
図24の例では、遊技回数X8の遊技終了時点で、MYが19000枚である。このため、主制御部211bは、遊技回数X8の遊技終了時点で、MY上限到達情報を専用ユニット242に送信する。専用ユニット242は、この通知後には、新たなメダルの貸し出しを停止してもよい。
【0156】
主制御部211bは、MYが上限値に到達したことに応じて、ベットボタン2aによるメダル投入操作、スタートレバー3等のレバー操作を受け付けない遊技終了状態(特定状態)に制御する。つまり、主制御部211bは、遊技に関する制御のうち、メダル投入操作、スタートレバー3のレバー操作等を受け付ける制御(特定制御)を実行不能な状態に制御する。
このように、MYが上限値に到達したことに応じて遊技を終了するように制御する機能は、コンプリート機能とも称される。
【0157】
但し、主制御部211bは、MY上限到達後であっても、精算ボタン231b、計数ボタン231c(計数操作手段)の操作を受け付ける。これにより、遊技者は、ベットしたメダル、獲得したメダルを計数処理して、専用ユニット242に出力後、ICカードに記憶させて払い出すことができる。
なお、スロットマシン201、専用ユニット242は、このような計数処理、払い出し処理を、MYが19000枚以上になったことに応じて、自動で行ってもよい。
【0158】
以上の処理により、スロットマシン201の電源投入後、MYが19000枚以上になった場合には、スロットマシン201は、遊技に関する操作を受け付けない状態となるので、遊技者は、遊技を継続できない。
主制御部211bは、遊技終了状態であるか否かに関わらず、スロットマシン201の電源がオフにされた後、再度電源投入されることにより、MY、差枚数をゼロにリセットする。
【0159】
なお、主制御部211bは、設定値1~6の変更(打ち直し含む)の操作を受け付けたことにより、遊技終了状態を解除する。これにより、スロットマシン201は、再度遊技可能な状態に制御される。
また、主制御部211bは、少なくとも一定間隔で、メダルカウント情報を、副制御部221bに送信してもよい。
【0160】
(差枚数)
差枚数(Y枚)は、上記MYとは異なり、純差枚数である。つまり、「差枚数(Y枚)=総払い出し枚数-総投入枚数」である。このため、差枚数は、「総払い出し枚数<総投入枚数」であればマイナスとなり、一方、「総払い出し枚数>総投入枚数」であればプラスとなる。
【0161】
(遊技メダル数表示処理)
主制御部211bは、遊技メダルが貸し出された場合、払い出された場合(つまり遊技者に付与された場合)は、その貸出数や払出数を加算することで、加算結果(総計)を「遊技メダル数」として記憶手段に記憶(記録)し、表示手段に表示する。
また、主制御部211bは、遊技メダルが投入(ベット)されると、メダル数表示部231aにおいて「記憶、表示」している「遊技メダル数」から投入数を減算する。
遊技メダルの貸出しは、台間装置である専用ユニット242の貸出操作により行われ、遊技メダルの投入は、ベットボタン2aの操作により行われる。
メダル数表示部231aにおいて記憶、表示可能な遊技メダル数(遊技価値の量)には、上限値(例えば16300とする)が設定されており、例えば入賞による払出しにより遊技メダルの総計が上限値を超過すると遊技ができないように「遊技不可」の制御が実行される。「遊技不可」の状態では、スタートレバー3、ベットボタン2a、精算ボタン231bの各操作を受付けないようにしている。
【0162】
(メダル精算に関する処理)
主制御部211bは、精算ボタン231bの操作に応じて、メダル精算に関する処理を実行する。
メダル精算処理は、ベット数(掛け数)として設定された遊技メダルを、メダル数表示部231aに表示される遊技メダル数に加える処理である。つまり、メダル精算処理は、一旦、ベットされたメダルを、メダル数表示部231aに表示可能に戻す処理でる。
例えば、ベット数「1」が設定されている状態で精算ボタン231bが押下操作された場合、主制御部211bは、ベット数をクリアすると共に、メダル数表示部231aにおいて記憶、表示されている遊技メダルに「1」を加算する。
ベット数「2」が設定されている状態で精算ボタン231bが押下操作された場合、主制御部211bは、ベット数をクリアすると共に、メダル数表示部231aにおいて表示されている遊技メダル数に「2」を加算する。
ベット数「3」が設定された状態で精算ボタン231bが押下操作された場合、主制御部211bは、ベット数をクリアすると共に、メダル数表示部231aにおいて表示されている遊技メダル数に「3」を加算する。
【0163】
(メダル計数処理)
主制御部211bは、計数ボタン231cの操作に応じて、メダル計数処理を実行する。
メダル計数処理は、メダル数表示部231aに表示される遊技メダルの少なくとも一部を、計数データとして機外の専用ユニット242(外部)に出力する処理である。
このため、計数ボタン231cは、遊技を終了する際において操作されるが、これに限らず、原則いつでも(遊技中や遊技不可の状態でも)操作可能である。
【0164】
主制御部211bは、計数量を特定可能な計数データを専用ユニット242に出力すると共に、メダル数表示部231aにおいて記憶、表示されている遊技メダル数から計数量を減算する。
この結果、メダル数表示部231aにおいて記憶、表示されている遊技メダル数は「0」に更新される。
また、メダル数表示部231aにおいて「50超」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン231cの長押しが継続された場合、1回目の長押し検知に応じ遊技メダル数「50」が計数され、2回目以降の長押し検知のたび(例えば300ミリ秒ごと)に最大「50」の遊技メダルが計数される。
この場合、主制御部211bは、計数総量を特定可能な計数データを専用ユニット242に出力すると共に、メダル数表示部231aにおいて記憶、表示されている遊技メダル数から計数総量を減算する。
なお、長押し継続に基づく専用ユニット242への計数データの出力は、長押し継続の終了時に計数総量を特定可能な計数データを一括で出力してもよく、長押し検知のたびに計数量(最大50)を特定可能な計数データを個別出力してもよい。
専用ユニット242側では、例えば返却ボタンが操作されるまでの計数量の総数を持メダル数として管理する。
また、通常の計数ボタン231c以外に、例えば短押しで100枚計数できるボタンや、長押ししても計数を500枚で停止するボタンなど、別個の計数ボタン231cを設けてもよい。
【0165】
このように、メダル数表示部231aにおいて記憶、表示されている遊技メダル数は、計数処理によって減算することができる。
このため、遊技メダル数が上限値を超過することで「遊技不可」の状態になった場合、対処方法として、計数ボタン231cの操作により遊技メダル数を上限値以下に減らすことで「遊技不可」の状態を解除することができる。
【0166】
[台確保から台解除までの処理]
台確保時、台解除時には、スロットマシン201は、店員、台確保者(遊技者)の操作を受けることにより、以下の処理を行う。台確保から台解除までの期間は、基本的に、副制御部221bが台確保、台解除に関する各種処理を実行する。
以下の説明は、基本的には、クレジットメダルがスロットマシン201に残っている状態(つまり、メダルがベットされた状態、メダル数表示部231aの表示が1以上の状態等)、持メダルや度数が専用ユニット242に残っている状態(遊技カードが挿入されている状態)で台確保される場合の処理について説明するが、これに限定されず、カードが挿入されていない状態等で台確保される場合にも同様に処理できる。
【0167】
図25は、第2実施形態の台確保から台解除までの処理のフローチャートである。
図26は、第2実施形態の台確保時、台解除時の表示器208の表示画面を示す図である。
(台確保開始時の処理)
副制御部221bは、以下説明する処理を実行することにより、スロットマシン201を非確保状態と確保状態との何れかに制御可能である。
遊技者は、遊技中のスロットマシン201から離席したい場合には、撮像ボタン232bを操作すればよい。
【0168】
S201において、副制御部221bは、撮像ボタン232bの操作に応じて、スロットマシン201の前に着座している台確保者の顔の撮像情報を取得し、副記憶部221aに記憶する。撮像ボタン232bは、台確保者ではなく、店員が操作してもよい。
これにより、副制御部221bは、台確保時までスロットマシン201で遊技していた台確保者の顔の撮像情報を取得できる。
【0169】
S202において、
図26(A)に示すように、副制御部221bは、台確保時撮像画面251を表示器208に表示する。台確保時撮像画面251は、S201で取得した撮像画像を含む画面である。
台確保者は、台確保時撮像画面251の確認後に、スロットマシン201から離席してもよい。
【0170】
表示器208は、台確保時撮像画面251を、台解除されるまで継続して表示してもよい。なお、自分の撮像画像が長時間表示されることを嫌う遊技者のために、台確保時撮像画面251の撮像画像は、所定時間経過後に縮小表示されてもよい。
また、台確保時撮像画面251は、所定時間経過後に非表示にしてもよい。この場合には、台確保時撮像画面251は、所定時間(例えば数分)経過後に非表示されてもよく、遊技に関する操作(例えば、ベットボタン2aの操作)を受け付けることに応じて非表示されてもよい。
【0171】
S203において、副制御部221bは、撮像ボタン232bの操作に応じて、台確保時間の制限時間であるタイマTを設定する。実施形態では、台確保時間の制限時間は、規定値である「タイマT=1800(秒)」が設定される例を説明する。
図26(A)に示すように、副制御部221bは、台解除ボタン235の操作に応じて、タイマTのカウントダウンを開始する。
なお、制限時間は、台確保時毎に、規定値を上限として、任意の時間を入力できるようにしてもよい。この場合、時間の入力を受け付ける操作部は、スタートレバー3等を兼用してもよい。また、制限時間の規定値は、スロットマシン201のメンテナンス時等(例えば開店準備中)に、設定できるようにしてもよい。
【0172】
S204において、副制御部221bは、台確保時からの時間経過により、「タイマT=0(秒)」に到達したか否か、つまり台確保時間の制限時間を経過したか否かを判定する。
副制御部221bは、制限時間を経過したと判定した場合、つまり、「タイマT=0(秒)」であると判定した場合には(S204:YES)、S210に進み、一方、制限時間内であると判定した場合、つまり、「タイマT>0(秒)」であると判定した場合には(S204:NO)、S205に進む。
【0173】
ここで、店員は、台確保中のスロットマシン201を、必要に応じて台解除する場合がある。これは、例えば、いたずらで台確保されたことが明確である場合、誤操作等で台確保され台放置されたことが明確である場合等である。
このような場合には、店員は、前扉1aを解錠、開扉後、台解除ボタン235を操作すればよい。店員は、台解除ボタン235の操作後には、前扉1aを閉じて施錠する。
【0174】
S205において、副制御部221bは、台解除ボタン235の操作情報の出力に基づいて、台解除ボタン235の操作を受け付けたか否かを判定する。副制御部221bは、台解除ボタン235の操作を受け付けたと場合には(S205:YES)、S210に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S204:NO)、S206に進む。
【0175】
S206において、主制御部211b、副制御部221bは、台確保中における遊技、演出制御を実行する。主制御部211b、副制御部221bは、基本的には、台確保の制限期間内において、台確保中における遊技、演出制御を実行する。そして、台解除時の処理(S210参照)を実行することに応じて、通常時(非台確保時)の遊技、演出制御に移行する。
台確保中における遊技、演出制御の詳細は、後述する。
【0176】
(台解除の処理)
台確保者は、台解除を希望する際には、再度、撮像ボタン232bを操作すればよい。
なお、台解除の処理を開始するための操作ボタンを、スロットマシン201の内部に設けてもよい。この場合には、台確保者の申し出に応じて、店員がこの操作ボタンを操作することに応じて、副制御部221bが、台解除の処理を開始すればよい。
【0177】
S207において、副制御部221bは、台確保中において撮像ボタン232bの操作を受け付けたか否かを判定する。副制御部221bは、この操作を受け付けたと判定した場合には(S207:YES)、S208に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S208:NO)、S204からの処理を繰り返す。
S208において、副制御部221bは、S201と同様に、スロットマシン201の前に着座している人物の撮像情報を取得する。
【0178】
S209において、副制御部221bは、S201で取得した台確保時の台確保者の撮像画像と、S208で取得した人物の撮像画像とを画像解析することにより、両撮像画像の顔画像が一致するか否かを判定する。これにより、副制御部221bは、台確保者と、台解除を要求した人物とが、同一人物であるか否かを判定できる。
副制御部221bは、両撮像画像の顔画像が一致すると判定した場合には(S209:YES)、S210に進み、一方、一致しないと判定した場合には(S209:NO)、S209aに進む。
【0179】
S209aにおいて、
図26(B)に示すように、副制御部221bは、顔画像不一致報知画面252を、表示器208に表示する。
顔画像不一致報知画面252は、台確保時撮像画像252a、台解除要求時撮像画像252b、不一致報知情報252cを表示する。
台確保時撮像画像252aは、S202の台確保の開始時に取得された撮像画像である。
台解除要求時撮像画像252bは、S208の台解除の処理時に取得された撮像画像である。
不一致報知情報252cは、両画像252a,252bに含まる顔画像が不一致であることを、台解除を要求した人物に対して、報知する情報である。
図26(B)の例では、不一致報知情報252cは、「台確保者の顔画像と一致しません」という説明文である。
【0180】
副制御部221bは、S209aの処理終了後には、S204からの処理を繰り返す。
この処理により、スロットマシン201は、台確保者と、台解除を要求した人物とが異なる場合には、台解除しないように制御できる。これにより、スロットマシン201は、台確保者以外の人物が、台解除して遊技しようとする行為を抑制できる。
【0181】
S210において、副制御部221bは、台確保されたスロットマシン201を解除する。つまり、副制御部221bは、スロットマシン201を、台解除することにより、通常の稼働状態で制御する。
【0182】
ここで、S210に進む場面は、「制限時間が経過した場合(S204:YES)」、「台解除ボタン235の操作を受け付けた場合(S205:YES)」、「制限時間内において、台確保者と、台解除を要求した人物とが同一であった場合(S209:YES)」との何れかである。
「制限時間が経過した場合」には、台確保の開始後、制限時間経過後に台解除をするので、1人の遊技者が、遊技することなく、長時間に渡ってスロットマシン201を占有することを抑制できる。
「台解除ボタン235の操作を受け付けた場合」には、本来は台確保が不要であるのに、いたずら、誤操作等で台確保されてしまったスロットマシン201を、台解除できる。
「制限時間内において、台確保者と、台解除を要求した人物とが同一であった場合」には、台確保者(台確保時の遊技者)と台解除を要求した人物とが同一人物である場合のみ台解除できる。
【0183】
[非台確保中及び台確保中の制御の比較]
図27は、第2実施形態の演出比較表260であり、非台確保中及び台確保中のそれぞれにおける通常ステージ、CZステージ、ATステージに滞在中の演出制御を説明する表である。
なお、演出比較表260の情報は、副記憶部221aに、テーブルの形態等で記憶されている。
図28は、第2実施形態の通常ステージ滞在中にレア役に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
図29は、第2実施形態のCZステージ滞在中にレア役に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
図30は、第2実施形態のATステージ滞在中に押し順ベル役(中→右→左)に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
【0184】
副制御部221bは、演出制御等に関して、非台確保中と、台確保中とで、一部が異なる制御を実行する。一方、主制御部211bによる遊技状態、各種制御は、非台確保中と、台確保中とで基本的には同様である。
以下、通常ステージ、CZステージ、ATステージに滞在中の制御を、非台確保中及び台確保中を比較しながら説明する。
非台確保中の制御は、スロットマシン201の通常稼働中の制御であり、つまり、スロットマシン201において本来想定された遊技を実行するための制御である。一方、台確保中の制御は、通常稼働中とは一部が異なる制御を行うことにより、例えば、遊技者が通常の遊技をしにくくしたり、台確保中であることを周囲に報知可能な制御である。
【0185】
(通常ステージ滞在中の制御)
・非台確保中の表示器208の演出
図28(A1)から
図28(A3)に示すように、副制御部221bは、非台確保中の通常ステージ滞在中には、通常稼働中の演出画面を表示器208に表示する(
図27の演出比較表260の非台確保中の通常-演出の欄の「有」を参照)。このため、各種抽選役に当選した場合等には、当選役に対応した演出が実行される。
図28(A1)~
図28(A3)は、レア役に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
【0186】
・台確保中の表示器208の演出
図28(B1)から
図28(B3)に示すように、副制御部221bは、台確保中の通常ステージ滞在中においても、通常稼働中の演出画面を表示器208に表示する(
図27の演出比較表260の台確保中の通常-演出の欄の「有」を参照)。このため、台確保中においても、各種抽選役に当選した場合には、当選役に対応した演出が実行される。
但し、
図28(B1)から
図28(B3)に示すように、台確保中には、主制御部211bは、演出画面の大部分を覆う目隠表示261a(特定画像)を表示器208に表示する。このため、台確保中には、演出画面の画面遷移は、ほとんど確認できない。
目隠表示261aは、台確保中の通常ステージ滞在中には継続して表示され、通常ステージが終了したこと、台確保が解除されて非台確保に移行すること等により、非表示にされる。
【0187】
また、目隠表示261aは、非確保移行方法説明261b、残り制限時間261cを表示する。
非確保移行方法説明261bは、「撮像ボタンを操作すると非確保に移行できます」といった説明文である。台確保者等は、この説明文に従って、撮像ボタン232bを操作することにより台確保を解除して、スロットマシン201を台確保から非台確保に操作できる。
残り制限時間261cは、タイマTの値を表示することにより、残り制限時間を報知する表示である。残り制限時間261cは、「残り制限時間:T=28:57」等といった表示である。
【0188】
・画面の輝度、スピーカ9、ランプ11の制御
詳細は後述するが、CZステージ滞在中、ATステージ滞在中には、台確保中であることを外部から認識できるように、表示器208の輝度、スピーカ9、ランプ11の制御は、非台確保中及び台確保中で差異がある。
これに対して、通常ステージ滞在中には、これらの制御は、非台確保中及び台確保中で同様である(
図27の演出比較表260の非台確保中の通常-スピーカ及びランプの欄と、台確保中の通常-スピーカ及びランプの欄とを参照)。その理由の1つは、そもそも、通常ステージは、遊技者にとって特段有利な遊技状態ではないため、非台確保中であってもこれらの制御は、目立たないように実行されるからである。つまり、非台確保中において目立たない演出を、台確保中においてさらに目立たない演出にしたところで、周囲の人物等は、これらの差異が分かりにくいためである。
【0189】
以上説明したように、通常ステージ滞在中には、副制御部221bは、目隠表示261aを表示器208に表示する。このため、スロットマシン201の周囲の人物は、表示器208を確認すれば、スロットマシン201が台確保中であることを直ぐに理解できる。また、台確保中のスロットマシン201で遊技したところで、目隠表示261aが邪魔となり、表示器208の演出は、ほとんど視認できない。このため、台確保を依頼した遊技者以外の者等が、台確保中のスロットマシン201で遊技することを抑制できる。
【0190】
(CZステージ滞在中の制御)
・台確保中の表示器208の演出
図29(A1)から
図29(A3)に示すように、副制御部221bは、非台確保中のCZステージ滞在中には、通常稼働中の演出画面を表示器208に表示する(
図27の演出比較表260の非台確保中のCZ-演出の欄の「有」を参照)。このため、各種抽選役に当選した場合等には、当選役に対応した演出が実行される。
図29(A1)から
図29(A3)は、レア役に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
【0191】
・台確保中の表示器208の演出
図29(B1)から
図29(B3)に示すように、副制御部221bは、台確保中のCZステージ滞在中においても、通常稼働中の演出画面を表示器208に表示する(
図27の演出比較表260の台確保中のCZ-演出の欄の「有」を参照)。このため、台確保中においても、各種抽選役に当選した場合には、当選役に対応した演出が実行される。
但し、
図29(B1)から
図29(B3)に示すように、台確保中には、主制御部211bは、演出画面の大部分を覆う目隠表示271a(特定画像)を表示器208に表示する。
CZステージ滞在中の目隠表示271aは、通常ステージ滞在中の目隠表示261aよりも表示面積が大きい。このため、台確保中のCZステージ滞在中には、レア当選時における画面遷移は、ほとんど確認できない。
図29(B2)の場面では、レア役に当選したゲームにおける狙い図柄の示唆画像271d,271e(
図29(A2)参照)も覆われて視認できない。
なお、
図29(A2)は、レア役としてチェリー役が当選した例を示すが、例えば、スイカ役が当選した場合には、表示器208は、スイカ役の当選を示唆する画面を表示してもよい。
【0192】
CZステージ滞在中の目隠表示271aは、通常ステージ滞在中の目隠表示261aと同様な非確保移行方法説明271b、残り制限時間271cを表示する。
また、目隠表示271aの表示範囲内は、通常ステージ滞在中の目隠表示261aよりも目立つように着色(
図29(B1)から
図29(B3)にはハッチングで示す)がされている。
これにより、台確保中には、通常ステージよりも有利な遊技状態であるCZステージ滞在中は、通常ステージ滞在中よりも、目隠表示271aが目につきやすくなるので、有利な遊技状態である程、遊技が行われ難くすることができる。
また、CZステージ滞在中の目隠表示271aは、スロットマシン201の周囲からも認識しやすい。
目隠表示271aは、台確保中のCZステージ滞在中には継続して表示され、CZステージが終了したこと、台確保が解除されて非台確保に移行すること等により、非表示にされる。
【0193】
・非台確保中の画面の輝度、スピーカ9、ランプ11の制御
図27の演出比較表260に示すように、CZステージ滞在中には、副制御部221bは、表示器208の輝度を、非台確保中には「明」に制御するのに対して、台確保中には「暗」に制御する。
【0194】
また、副制御部221bは、スピーカ9のBGM、効果音を、非台確保中、台確保中の両方において、「有」に制御するが、非台確保中にはBGM音量「大」、効果音音量「大」に制御するのに対して、非台確保中にはBGM音量「小」、効果音音量「小」に制御する。
【0195】
さらに、副制御部221bは、ランプ11を、非台確保中、台確保中の両方において「有」に制御するが、非台確保中には輝度「明」に制御するのに対して、台確保中には輝度「暗」に制御する。
【0196】
以上説明したように、台確保時におけるCZステージ滞在中には、副制御部221bは、目隠表示271aを、通常ステージ滞在中より目立つように表示器208に表示する。このため、目隠表示に関する上記作用、効果(スロットマシン201が台確保中であることを直ぐに理解できること、目隠表示が邪魔となること等)を、高めることができる。
また、台確保時のCZステージ滞在中に遊技した者は、台確保時におけるCZステージ滞在中に有利な抽選役に当選しても、狙い図柄の確認が困難であるため、遊技を有利に進めることができない。つまり、台確保時のCZステージ滞在中に遊技した者は、狙い図柄(つまりレア役に当選したこと、及びその当選役)を認識することが困難なので、レア役に対応する図柄を停止させることができず、レア役を取りこぼしてしまう可能性が高くなる。
さらに、台確保時のCZステージ滞在中に遊技した者は、表示器208の輝度に関して「CZステージ滞在中なのに画面が暗い」といった違和感をおぼえ、また、スピーカ音量、ランプ11に関して「CZステージ滞在中なのにスピーカ音量が小さい、ランプ11が暗い」といった違和感をおぼえることになる。これにより、スロットマシン201は、この者に対して、台確保中であることを気付かせることができる。
【0197】
(ATステージ滞在中の制御)
・非台確保中の表示器208の押し順ナビ212、「GET!!」の表示
図30(A1)に示すように、副制御部221bは、非確保状態かつATステージ滞在中に、押し順ベル役(特定役)に当選したゲームにおいて、押し順ナビ212を表示器208に表示する(
図27の演出比較表260の非台確保中のAT-押し順ナビの欄の「有」を参照)。
また、
図30(A2)の画面は、押し順ベル役に当選したゲームにおいて、押し順正解の操作(押し順ナビに従った操作)後に、ベルが揃い、メダルが付与される際に表示される例である。この画面では、「GET!!」という文字情報281aが目立つ態様で表示される(
図26の演出比較表260の非台確保中のAT-GET表示の欄の「有」を参照)。「GET!!」の文字情報281aは、押し順ナビに従って操作され、押し順ベル役に対応した図柄の組み合わせが停止することにより、遊技者にメダルが付与されたことを示す情報である。
【0198】
・台確保中の表示器208の押し順ナビ212、「GET!!」の表示
一方、
図30(B1)に示すように、副制御部221bは、押し順ベル役に当選したゲームにおいて、押し順ナビ212を表示しない(
図27の演出比較表260の台確保中のAT-押し順ナビの欄の「無」を参照)。このため、台確保中のスロットマシン201で遊技する者は、ATステージに滞在中に押し順ベル役に当選したゲームにおいて、表示器208の画面を確認しても、基本的には、押し順を正解することができない。
【0199】
また、
図30(B2)に示すように、副制御部221bは、押し順ベル役に当選したゲームにおいて、仮に台確保中のスロットマシン201で遊技する者が押し順を正解できた場合(偶然に正解できた場合等)であっても、「GET!!」という文字情報281aを表示しない(
図26の演出比較表260の台確保中のAT-GET表示の欄の「無」を参照)。
【0200】
・非台確保中の表示器208の演出
副制御部221bは、非台確保中のATステージ滞在中には、通常稼働中の演出画面を表示器208に表示する(
図27の演出比較表260の非台確保中のAT-演出の欄の「有」を参照)。このため、各種抽選役に当選した場合等には、当選役に対応した演出が実行される。
例えば、
図30(A1)の演出の画面(餌を与えられる直前の犬キャラクタ281bの画面)は、押し順ベル役に当選したゲームにおいて、レバー操作後に表示される画面である。
また、
図30(A2)の演出の画面(餌を与えられた犬キャラクタ281bの画面)は、押し順ベル役に当選したゲームにおいて、押し順を正解したことにより表示される画面である。
【0201】
・台確保中の表示器208の演出
一方、副制御部221bは、台確保中のATステージ滞在中には、各当選役に対応した演出を実行しない(
図27の演出比較表260の台確保中のAT-演出の欄の「無」を参照)。
図30(B1)に示すように、副制御部221bは、押し順ベル役に当選したゲームにおいて、このゲーム以前の演出画面である座った犬キャラクタ281cの画面を継続して表示する。
また、
図30(B2)に示すように、仮に台確保中のスロットマシン201で遊技する者が押し順を正解できた場合(偶然に正解できた場合等)であっても、座った犬キャラクタ281cの画面を継続する。
このように、台確保中には、ATステージ滞在中であっても、副制御部221bは、当選役に対応した演出を実行しない。
【0202】
以上説明したように、表示器208は、台確保中には、押し順ナビ212を表示せず、「GET!!」の文字情報281aを表示せず、また、当選役に対応した演出を実行しない。これにより、副制御部221bは、台確保時のCZステージ滞在中に遊技した者に対して、表示器208のこれらの処理に関して、強い違和感を与えることができ、台確保された状態であることを気付かせることができる。
なお、非台確保中に実行される演出であって、台確保中に実行されないものは、当選役に対応した演出に限定されず、バトル演出等の複数ゲームに渡って実行される演出等でもよい。
【0203】
・非台確保中、台確保中のナビセグ215の表示
ナビセグ215は、主制御部211bによって制御される。このため、ナビセグ215は、非台確保中、台確保中の何れに制御されているかに関わらず、同じ情報を表示する。
つまり、主制御部211bは、ATステージ滞在中において、押し順ベル役に当選したゲームにおいて、当選役に対応した押し順識別番号を表示する。
例えば、
図30(A1)、
図30(B1)に示すように、非台確保中、台確保中の何れであっても、「中→右→左」の押し順ベル役に当選したことにより、ナビセグ215は、「中→右→左」に対応した押し順識別番号「3」を表示する。
なお、
図30(A2)、
図30(B2)に示すように、ナビセグ215は、当該ゲームの第3停止操作に応じて、「-」の表示に切り替える。
【0204】
このように、台確保中のATステージ滞在中の押し順ベル役に当選したゲームにおいて、表示器208で押し順ナビ212が表示されなくても、ナビセグ215は、押し順に関する情報を報知する。このため、台確保者は、台確保の解除を失念等して、台確保の状態で遊技した場合(例えば、解除前にレバー操作をしてしまったような誤った操作をした場合等)でも、ナビセグ215を確認することにより、押し順を正解して停止操作をすることができる。このため、このような場合でも、台確保者の不利益が少ない。
なお、台確保者は、ナビセグ215を確認して遊技をした後には、台確保を解除後に遊技を継続すればよい。ナビセグ215の表示面積は、表示器208の押し順ナビ212の表示面積よりも小さいので(
図21(A)参照)、非台確保中の遊技において、ナビセグ215の表示が邪魔になることはない。
【0205】
・画面の輝度、スピーカ9、ランプ11の制御
図27の演出比較表260に示すように、ATステージ滞在中には、副制御部221bは、表示器208の輝度を、非台確保中には「中」に制御するのに対して、台確保中には「暗(
図30(B1)、
図30(B2)にはドッドで図示した)」に制御する。
【0206】
また、副制御部221bは、スピーカ9のBGM、効果音を、非台確保中には「有」に制御し、BGM音量「中」、効果音音量「中」に制御する。これに対して、副制御部221bは、スピーカ9のBGM、効果音を、台確保中には「無」に制御し、つまり、はBGM音量「消音」、効果音音量「消音」に制御する。
【0207】
さらに、副制御部221bは、ランプ11を、非台確保中には演出「有」に制御し、輝度を「中」に制御するのに対して、台確保中には演出「無」に制御し、つまり、「消灯」に制御する。
【0208】
以上説明したように、台確保時におけるATステージ滞在中には、表示器208は、押し順ベルに当選したゲームにおいて、押し順ナビ212を表示しないので、遊技をする者は、遊技がしにくい。また、表示器208は、台確保時には各種演出を実行せず、画面の輝度を暗くなるように制御する。このため、遊技をする者は、違和感を覚える。
【0209】
これに加えて、ATステージ滞在中において、非台確保時にはスピーカ9の出力、ランプ11の発光が実行されるが、台確保時には、これらが一切、実行されない。すなわち、台確保時には、各種演出装置は、殆ど又は全く作動していないように制御される。これにより、スロットマシン201は、ATステージ滞在中には、本来であれば(つまり非台確保時にあっては)、遊技が行われば賑やかな状態に制御されるが、台確保時にあっては、遊技が行われても静まりかえった状態に制御されることになる。
これにより、スロットマシン201は、台確保時のATステージ滞在中の遊技は、遊技をする者に対して違和感を与えることに加えて、スロットマシン201の周囲に存在する人物に対しても、大きな違和感を与えることができる。このように、台確保時のATステージ滞在中に周囲等に与える違和感は、CZステージ滞在中に周囲等に与える違和感よりも、より強いものになる。
【0210】
また、スロットマシン201は、台確保者以外の遊技者に極力遊技させないことの作用、効果を奏しながらも、台確保者が台確保を解除することなく遊技してしまった場合に、ナビセグ215で押し順報知可能であるので、台確保者を救済できる。
【0211】
なお、ATステージ滞在中には、呼出ランプ241は、遊技情報を主制御部211bから取得することにより、電飾部241bを発光し、目立つ演出を実行する。このため、台確保中であっても、スロットマシン201の周囲、島端からは、スロットマシン201が有利な遊技状態に制御されていることが、一目瞭然である。
一方で、スロットマシン201自体は、上記説明の通り、台確保中には、目立たない演出を実行する。
このため、台確保中のATステージ滞在中に遊技されたスロットマシン201を周囲、島端から観察すると、呼出ランプ241は、目立つ状態であるのに、スロットマシン201自体は、静かな状態である。このように、台確保中のATステージで遊技すると、呼出ランプ241の演出の趣向と、スロットマシン201自体の演出の趣向とが、不一致となるので、台確保中のATステージで遊技されていることが、周囲からも認識しやすい。
【0212】
以上説明したように、本実施形態のスロットマシン201は、台確保中に遊技する者、周囲の人等に違和感を与えることで、台確保状態であることを、早く認識させることができる。また、スロットマシン201の周囲からも、台確保者以外の者によってスロットマシン201で遊技されていることが、容易に把握できる。
さらに、台確保者は、誤って台確保中のまま遊技に復帰した場合でも、ナビセグ215の押し順ナビにより押し順ベルを入賞させることができるため、不利益がほぼない。
【0213】
これに対して、従来の遊技機は、休憩時に受皿にメダルを置けないこと等から、台確保された状態であるか否かが、台確保者以外の者(他遊技者等)から判断しにくかった。このため、台確保されている遊技機が、誤って他遊技者によって遊技されてしまう可能性が高かった。
また、従来の遊技機は、台確保中に他遊技者によって遊技された場合にも、通常通りに遊技を進行するので、他遊技者は、台確保状態であることを気付かずに遊技を続けてしまう可能性が高かった。
【0214】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、第2実施形態から一部構成、一部制御を変更したスロットマシン301、台システムについて説明する。
【0215】
(台確保中のATステージ滞在中の画面の遷移)
図31は、第3実施形態のATステージ滞在中に押し順ベル役(中→右→左)に当選したゲームにおける画面遷移を説明する図である。
図31(A1)、
図31(A2)に示すように、非台確保中の表示器308の画面遷移は、第2実施形態と同様である。
図31(B1)、
図31(B2)に示すように、台確保中には、表示器308は、目隠表示371a(特定画像)を表示する。
目隠表示371aは、非確保移行方法説明371b、残り制限時間371cを表示する。
【0216】
目隠表示371aは、表示器308(特定情報表示手段)の表示画面の全体に表示される。このため、台確保中のATステージ滞在中には、表示器308の全表示内容が視認できない。
また、目隠表示371aは、第2実施形態のCZステージ滞在中の目隠表示271a(
図29参照)よりも、目立つ色彩(赤色等)に着色されている。
上記構成により、目隠表示261a,271a(
図28、
図29参照)と、目隠表示371aとの関係において、目隠表示261aが一番目立たず、目隠表示271a、目隠表示371aの順に目立つ。このため、スロットマシン301は、有利な遊技状態であるほど、周囲に違和感を与えることができる。
【0217】
なお、ナビセグ315は、台確保中であっても第2実施形態と同様に制御される。このため、台確保者が台解除することなくATステージで遊技しても、メダル獲得に関する不利益は、ほとんどない。
【0218】
(台確保中のメダル貸出時の制御)
図32は、第3実施形態の台システムにおいて、台確保中にメダルの貸出操作を受け付けた場合の処理を説明する図である。
図32は、通常ステージ滞在中の例を示すが、他の遊技状態に滞在中にも、同様に処理される。
台確保中において、専用ユニット342が待機状態である期間、つまり貸出操作を受け付けていない期間は、表示器308は、報知画面381を表示する。
報知画面381は、第2実施形態の台確保中の表示画面(
図28(B1)から
図28(B3)参照)と同様な画面である。報知画面381は、目隠表示361a等を表示する。
また、台確保中において、専用ユニット342が貸出操作を受け付けていない期間は、カメラ332aは、待機状態(撮像を行っていない状態)に制御される。
【0219】
一方、専用ユニット342に紙幣等を受け入れること、貸出ボタンが操作されること等により貸出処理(遊技価値の所定の貸出処理)の期間(
図32に示す貸出操作受付から貸出操作終了までの期間)は、表示器308は、報知画面382を表示する。
報知画面382は、警告画像382a(所定情報)を表示する。
警告画像382aは、表示器308の表示画面の大部分に表示される。また、警告画像382aは、赤色等の背景を有し、また、スロットマシン301が台確保中であることを報知する説明文を表示する。
これにより、スロットマシン301は、台確保中であるのに、メダル貸出操作をした者に対して、遊技を行わないように強く促すことができる。
【0220】
また、台確保中において専用ユニット342が貸出処理中の期間は、カメラ332aは、撮像処理を実行する。
この場合、スロットマシン301の副制御部は、貸出処理が実行されていることの情報を主制御部から取得し、カメラ332aを制御すればよい。
カメラ332aは、スロットマシン301の前側に着座している人物、つまり、メダル貸出の操作をしている人物の顔画像と取得する。この場合、カメラ332aは、複数回の撮像を実行することにより、複数の撮像画像を取得してもよい。副制御部は、撮像画像を副記憶部に記憶する。
これにより、台確保者によって確保されているスロットマシン301を、他の者が誤って遊技を行ってしまうことを抑制でき、また、台確保中と認識しながらも遊技する悪質な行為者の顔画像を保存できる。
【0221】
なお、副記憶部の撮像画像は、管理者等がリセット操作するまで記憶するようにしてもよく、また、管理者等が特定ボタンを操作することでいつでも確認できるようにしてもよい。
また、台確保中に貸し出したメダル数(遊技価値数)をカウントして報知することで、誤って貸出操作を行った者に対して、その分のメダル数を返却できるようにしてもよい。
さらに、台確保中の撮像画像と、台確保開始時に撮像した画像(
図25のS201参照)とが一致した場合には、警告画像382aを表示しない処理、及び台確保状態の解除処理の少なくとも1つの処理を実行するようにしてもよい。この場合には、台解除において、撮像ボタンの機能を、貸出ボタンで代用できる。
【0222】
(台確保中のメダル計数時の制御)
図33は、第3実施形態の台システムにおいて、台確保中に計数ボタンの操作を受け付けた場合の処理を説明する図である。
台確保中のメダル計数(遊技価値の所定の精算処理)時の制御は、台確保中のメダル貸出時の制御とほぼ同様であるが、報知画面382が貸出時よりも長い期間表示される。
すなわち、警告画像382a(特殊情報)は、計数操作を受けた後、台確保状態が解除されるまで、継続して表示される。但し、これに限定されず、警告画像382aは、計数処理の終了後、所定期間(30秒等)経過することにより、消去されてもよい。
このように、スロットマシン301は、メダル計数時の警告画像382aの表示期間を、メダル貸出時の警告画像382aの表示期間よりも長くする。これにより、台確保中に遊技価値(クレジット)を、台確保者以外の者によって持ち去られてしまうことを防止できる。なお、台確保中においてカード返却操作、精算ボタンの操作を受け付けた場合にも、同様に制御してもよい。
【0223】
(変形形態)
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述の実施形態では、特化ゾーンA及び特化ゾーンBは、双方ともゲーム数管理ATに制御される場合で説明したが、これに限らず、例えば、差枚数、押し順ナビの発生回数、小役当選回数、メダルの獲得枚数、メダルの払出数等の少なくとも1つで管理するようにしてもよい。
また、特化ゾーンAと特化ゾーンBで管理する対象を異ならせてもよい。例えば、特化ゾーンAは、差枚数管理型ATに制御し、特化ゾーンBは、メダル払出数管理型ATに制御してもよい。
また、確率状態が高確率状態である場合に限り、特化ゾーンAと特化ゾーンBで管理する対象を異ならせてもよい。
【0224】
また、上述の実施形態では、AT機の場合で説明したが、AT機以外(例えば、RT機、ART機)に本発明を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、ATを管理可能な値としてゲーム数を用いているが、これに限らず、例えば、差枚数、押し順ナビの発生回数、小役当選回数、メダルの獲得枚数、メダルの払出数等の少なくとも1つで管理するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、AT中は、ゲーム数減算方式を適用する場合で説明したが、これに限らず、1ゲームごとに加算されるゲーム数が上限数に到達した場合にATが終了するゲーム数加算方式としてもよい。
【0225】
また、上述の実施形態では、通常遊技状態は、通常区間又は有利区間に制御され、CZ状態、特化ゾーン、AT状態及びエンディング状態は、有利区間に制御される場合を想定して説明したが、これに限らず、各遊技状態は、通常区間及び有利区間の何れか一方又は双方に制御されるようにしてもよい。
【0226】
また、上述の実施形態では、各種処理において参照するテーブルは、一例であり、前述したテーブルにのみ限定されるものではない。さらに、各種テーブルに係る当選確率は、前述した値に限らず、適宜変更することができる。
また、各種テーブルにおいて全設定値で当選確率が共通のものと、設定値ごとに当選確率が異なるものがあるが、これに限らず、全てのテーブルにおいて全設定値で当選確率が共通であっても、異なるものであってもよい。また、一部の設定値のみ(偶数設定のみ、奇数設定のみ、高設定のみ)当選確率や参照するテーブルが異なっていてもよい。
また、上述の実施形態において、「一方よりも他方の方が確率が高い」、あるいは「一方よりも他方の方が確率が低い」、等の内容を含んで表現した場合には、一方の確率は0%を含み、他方の確率が100%を含むものとする。
また、上述の実施形態において、制御上で規定された数値は一例であり、幅を持った数値(2以上)でもよいし、幅を持たない数値(1)でもよい。
【0227】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、相対的に期待度の高い演出が行われた場合に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、相対的に期待度の高い演出が行われた場合に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
【0228】
また、上述の実施形態では、遊技状態制御手段などの各種手段としての動作を主制御部10が行ったが、副制御部20がその一部又は全部を行い、副制御部20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御部20が表示器8等において演出を実行する手段として動作を行ったが、主制御部10がその一部又は全部を行い、主制御部10が各種手段として動作することもできる。
【0229】
また、上述の実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、これに限定されない。遊技機は、例えば、パチンコ、玉スロなどその他の遊技機でもよい。
また、遊技機は、メダルなどの現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆるメダルレス遊技機(スマートパチスロ)でもよい。さらに、遊技機は、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機(スマートパチンコ)でもよい。なお、このようなメダルレス遊技機等は、有利区間における差枚数、ゲーム回数の上限値が、メダルなどの現物を用いる遊技機の上限値とは異なっていてもよい。
【0230】
また、上述の実施形態では、可変表示手段としてモータにより駆動制御されるリール41を用いたが、これに代えて又はこれに加えて、液晶表示器などの表示器8にリール等の図柄が変動する画像を表示させることにより、表示器を識別情報の可変表示手段として用いることもできる。
【0231】
さらに、第2、第3実施形態等の台システムは、以下のように変形してもよい。
(1)実施形態において、目隠表示、警告表示は、半透明等の透過するレイヤの画像でもよい。この場合には、目隠表示、警告表示を透過して、各ステージの演出画像を確認できるので、どのステージ(遊技状態)に制御されているかを確認できる。
(2)実施形態において、台確保の処理開始の契機を、カメラの撮像に代えて又は加えてパスワード入力としてもよい。この場合には、台解除の際にもパスワードの入力を受け付けて、台確保時の入力パスワードに一致する場合に、台解除を実行してもよい。
【0232】
(3)実施形態において、撮像ボタン又は他のボタンを操作することにより可動部材が作動し、当該可動部材により、ベットボタンの操作が困難又は操作不能になるようにしてもよい。
(4)実施形態において、台確保中に遊技をする者を撮像すると共に撮像画像を記憶しておき、当該撮像画像を記憶してから所定期間が経過した後(翌営業日以降)に、当該撮像画像に対応する遊技者が遊技を行った場合、所定の報知(不正者発見報知)を実行するようにしてもよい。
この場合には、店員は、所定の報知を確認することにより、台確保中の遊技を何度も繰り返す者に対して、注意等をしてもよい。
【0233】
(5)実施形態において、台確保中において所定ゲーム数遊技を実行した場合や、台確保中に遊技状態が移行した場合(通常ステージからCZステージに移行した場合、CZステージからATステージに移行した場合等)には、特別な報知(台確保中の中で一番目立つ報知等)を実行してもよい。
(6)実施形態において、台確保中に遊技を行った場合は、その間、制限時間(T)を減算しないようにしてもよい。
【0234】
(7)実施形態において、スロットマシンは、台解除ボタンの操作を付け付けることに代えて又は加えて、店員が携行する携行端末から台解除信号(台解除するための情報)を受け付けることにより、台解除を実行してもよい。この場合には、副制御部は、台解除信号を、呼出ランプ、主制御部等を介して取得してもよい。
【符号の説明】
【0235】
1、201、301 スロットマシン
8、208、308 表示器
10、211b 主制御部
20、221b 副制御部
8、208、308 表示器